JP6178638B2 - ルテニウム錯体及びその製造方法、ルテニウム含有薄膜及びその作製方法 - Google Patents

ルテニウム錯体及びその製造方法、ルテニウム含有薄膜及びその作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体素子の製造用原料として有用なルテニウム錯体及びその製造方法、該ルテニウム錯体を用いたルテニウム含有薄膜及びその作製方法に関する。
ルテニウムは、高い導電性を示すこと、導電性酸化物が形成可能であること、仕事関数が高いこと、エッチング特性にも優れること、銅との格子整合性に優れることなどの特長を持つため、DRAMなどのメモリー電極、ゲート電極、銅配線シード層/密着層などの材料として注目を集めている。次世代の半導体デバイスには、記憶容量や応答性をさらに向上させる目的のため、高度に細密化され、かつ高度に三次元化されたデザインが採用されている。したがって次世代の半導体装置を構成する材料としてルテニウムを使用するためには、三次元化された基板上に数ナノ〜数十ナノメートル程度の厚みのルテニウム含有薄膜を均一に形成する技術の確立が必要とされている。三次元化された基板上に金属薄膜を作製するための技術としては、原子層蒸着法(ALD法)や化学気相蒸着法(CVD法)など、化学反応に基づく気相蒸着法の活用が有力視されている。例えば、この気相蒸着法を用いて次世代のDRAM上部電極として金属ルテニウムが成膜される場合、下地にはキャパシタ絶縁膜としてZrO等の金属酸化物が使用されるため、酸化性ガスを用いる条件で成膜しても差支えない。次世代のDRAM下部電極や銅配線シード層/密着層としてルテニウムが使用される場合、下地にはバリアメタルとして窒化チタンや窒化タンタルなどが採用される見込みである。ルテニウム含有薄膜を作製する際にバリアメタルが酸化されると、バリア性能の劣化、抵抗値の上昇に起因するトランジスタとの導通不良、及び配線間容量の増加に起因する応答性の低下などの問題が生じる。これらの問題を回避するため、酸素やオゾンなどの酸化性ガスを用いない条件下でもルテニウム含有薄膜の作製を可能とする材料が求められている。
非特許文献1には、本発明のルテニウム錯体(1)に類似の構造を持つ化合物として、(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウムが記載されている。しかし、該文献に記載されているのはη−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル配位子を有する錯体に限定されている。さらに該文献にはこの錯体をルテニウム含有薄膜の作製用材料として用いることに関する記述は一切ない。
カチオン性アレーン錯体[(η−シクロペンタジエニル)(η−ベンゼン)ルテニウム]は、本発明のルテニウム錯体(1)の合成原料として有用であり、入手が容易な原料から短い工程で製造する方法の開発が望まれている。該カチオン性アレーン錯体の公知の合成方法として、非特許文献2には[Ru(η−C)Clとシクロペンタジエン及び炭酸カリウムとを反応させ、さらにヘキサフルオロリン酸アンモニウムを反応させることにより製造する方法が記載されている。しかし非特許文献2に記載の方法は、煩雑である点や大量の反応剤を使用する点などの問題を有している。また非特許文献3及び4には、カチオン性トリス(ニトリル)錯体[(η−シクロペンタジエニル)トリス(ニトリル)ルテニウム]とアレーンとを反応させることにより[(η−シクロペンタジエニル)(η−ベンゼン)ルテニウム]を合成する方法が記載されている。この方法の合成原料である[(η−シクロペンタジエニル)トリス(ニトリル)ルテニウム]の公知の合成方法として、[Ru(η−C)(η−C)][PF]をアセトニトリル中で光照射する方法が非特許文献2に記載されている。また、ルテノセンと塩化アルミニウム、アルミニウム、塩化チタン、ナフタレン及びヘキサフルオロリン酸カリウムとを反応させてη−ナフタレン錯体を調製し、さらにアセトニトリルを反応させる方法が非特許文献5に記載されている。しかし非特許文献2及び非特許文献5に記載の合成方法は、強力な紫外線を照射する設備を必要とする点、高価な原料や大量の反応剤を使用する点などの問題を有している。
Journal of the American Chemical Society、第122巻、2784ページ(2000年)。
Organometallics、第21巻、2544ページ(2002年)。
Angewandte Chemie International Edition、第46巻、4976ページ、Supporting Information(2007年)。
Journal of the American Chemical Society、第111巻、1698ページ(1989年)。
Advanced Synthesis & Catalysis、第346巻、901ページ(2004年)。
本発明は、反応性ガスとして酸化性ガスを用いる条件及び用いない条件のいずれにおいてもルテニウム含有薄膜を作製することが出来る作製方法、該作製方法の材料として有用なルテニウム錯体(1)、及び該ルテニウム錯体の製造方法を提供することを課題とする。またルテニウム錯体(1)の合成原料として有用な、一般式(2)で示されるカチオン性アレーン錯体の簡便な製造方法を提供する。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、一般式(1)で示されるルテニウム錯体が反応性ガスとして酸化性ガスを用いる条件及び用いない条件のいずれにおいてもルテニウム含有薄膜を作製するための材料として有用なことを見出し、また該ルテニウム錯体(1)の合成原料として有用な、一般式(2)で示されるカチオン性アレーン錯体を、ルテノセン誘導体とベンゼン誘導体とプロトン酸とを反応させることによって簡便に製造出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(1)
Figure 0006178638
(式中、R、R、R、R、R、R、R及びRは各々独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す。ただしR、R及びR全てが同時に水素原子のとき、R、R、R、R、R及びR全てが同時にメチル基の場合を除く。)で示されるルテニウム錯体に関する。
また本発明は、一般式(2)
Figure 0006178638
(式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。Zは対アニオンを表す。)で示されるカチオン性アレーン錯体と、一般式RLi(3)(式中、Rは一般式(1)のRと同意義を表す。)で示されるアルキルリチウムとを反応させる、一般式(1)で示されるルテニウム錯体の製造方法に関する。
さらに本発明は、一般式(4)
Figure 0006178638
(式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。Xは、η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル配位子、又は一般式(5)
Figure 0006178638
(式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。)で示されるη−(無置換又は置換)シクロペンタジエニル配位子を表す。)で示されるルテノセン誘導体と、一般式H(式中、Zは一般式(2)のZと同意義を表す。)で示されるプロトン酸と一般式(6)
Figure 0006178638
(式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。)で示されるベンゼン誘導体とを反応させ、一般式(2)
Figure 0006178638
(式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。Zは対アニオンを表す。)で示されるカチオン性アレーン錯体を製造し、さらに一般式RLi(3)(式中、Rは一般式(1)のRと同意義を表す。)で示されるアルキルリチウムを反応させる、一般式(1)で示されるルテニウム錯体の製造方法に関する。
さらに本発明は、一般式(4)
Figure 0006178638
(式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。Xは、η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル配位子又は一般式(5)
Figure 0006178638
(式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。)で示されるη−(無置換又は置換)シクロペンタジエニル配位子を表す。)で示されるルテノセン誘導体と、一般式H(式中、Zは一般式(2)のZと同意義を表す。)で示されるプロトン酸と一般式(6)
Figure 0006178638
(式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。)で示されるベンゼン誘導体とを反応させる、一般式(2)
Figure 0006178638
(式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。Zは対アニオンを表す。)で示されるカチオン性アレーン錯体の製造方法に関する。
さらに本発明は、一般式(1a)
Figure 0006178638
(式中、R1a、R2a、R3a、R4a、R5a、R6a、R7a及びR8aは各々独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。R9aは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で示されるルテニウム錯体を気化させ、該ルテニウム錯体を基板上で分解する、ルテニウム含有薄膜の作製方法に関する。
さらに本発明は、一般式(1a)で示されるルテニウム錯体を気化させ、該ルテニウム錯体を基板上で分解して作製されることを特徴とするルテニウム含有薄膜に関する。さらに本発明は、一般式(1a)で示されるルテニウム錯体を気化させ、該ルテニウム錯体を基板上で分解して作製されるルテニウム含有薄膜を電極部分及び/又は配線部分に使用することを特徴とする半導体デバイスに関する。
以下、本発明を更に詳細に説明する。まず、一般式(1)中のR、R、R、R、R、R、R、R及びRの定義について説明する。
、R、R、R及びRで表される炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでも良く、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、1−シクロブチルエチル基、2−シクロブチルエチル基などを例示することが出来る。本発明のルテニウム錯体(1)がCVD材料やALD材料として好適な蒸気圧及び熱安定性を持つ点で、Rが炭素数1〜6のアルキル基であり、R、R、R及びRが水素原子であることが好ましく、Rがメチル基又はエチル基であることが更に好ましく、Rがエチル基であることが殊更好ましい。
、R、R及びRで表される炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでも良く、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、1−シクロブチルエチル基、2−シクロブチルエチル基などを例示することが出来る。本発明のルテニウム錯体(1)がCVD材料やALD材料として好適な蒸気圧及び熱安定性を持つ点で、R、R、R及びRはメチル基であることが好ましい。
本発明のルテニウム錯体(1)の具体例を表1〜10に示した。なお、Me、Et、Pr、Pr、Bu、Bu、Bu、Bu、Pe、Pe及びHxは、それぞれメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基及びヘキシル基を示す。
Figure 0006178638
Figure 0006178638
Figure 0006178638
Figure 0006178638
Figure 0006178638
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Figure 0006178638
Figure 0006178638
Figure 0006178638
Figure 0006178638
表1〜10に挙げた例示の中でも、CVD材料やALD材料として好適な蒸気圧及び熱安定性を持つ点で、(η−シクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−1)、(η−メチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−2)、(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−3)、(η−プロピルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−4)、(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−5)、(η−ブチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−6)、(η−イソブチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−7)、(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−8)、(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−9)、(η−ペンチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−10)、(η−シクロペンチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−11)、(η−ヘキシルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−12)、(η−シクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−44)、(η−メチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−45)、(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−46)、(η−プロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−47)、(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−48)、(η−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−49)、(η−イソブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−50)、(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−51)、(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−52)、(η−ペンチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−53)、(η−シクロペンチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−54)及び(η−ヘキシルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−55)が好ましく、(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−3)、(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−46)が更に好ましい。
次に本発明のルテニウム錯体(1)の製造方法について説明する。
本発明のルテニウム錯体(1)は、以下の製造方法1、製造方法3により製造することができる。
製造方法1は、カチオン性アレーン錯体(2)と、アルキルリチウム(3)とを反応させることによりルテニウム錯体(1)を製造する方法である。
製造方法1
Figure 0006178638
(式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。Zは対アニオンを表す。)
カチオン性アレーン錯体(2)のカチオン部分の具体例としては、[(η−ベンゼン)(η−シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−C)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−CMeH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−CEtH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−CPrH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−C PrH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−CBuH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−ペンチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−CPeH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−シクロペンチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−C PeH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−ヘキシルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−CHxH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−CMe)(η−C)])、[(η−シクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C)(η−CMe)])、[(η−メチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CMeH)(η−CMe)])、[(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CEtH)(η−CMe)])、[(η−プロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CPrH)(η−CMe)])、[(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C PrH)(η−CMe)])、[(η−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CBuH)(η−CMe)])、[(η−イソブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CMe)])、[(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CMe)])、[(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CMe)])、[(η−ペンチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CPeH)(η−CMe)])、[(η−シクロペンチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C PeH)(η−CMe)])、[(η−ヘキシルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CHxH)(η−CMe)])、[(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CMe)(η−CMe)])、[(η−シクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリエチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C)(η−CEt)])、[(η−メチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリエチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CMeH)(η−CEt)])、[(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリエチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CEtH)(η−CEt)])、[(η−プロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリエチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CPrH)(η−CEt)])、[(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリエチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C PrH)(η−CEt)])、[(η−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリエチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CBuH)(η−CEt)])、[(η−イソブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリエチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CEt)])、[(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリエチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CEt)])、[(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリエチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CEt)])、[(η−ペンチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリエチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CPeH)(η−CEt)])、[(η−シクロペンチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリエチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C PeH)(η−CEt)])、[(η−ヘキシルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリエチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CHxH)(η−CEt)])、[(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリエチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CMe)(η−CEt)])、[(η−シクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリプロピルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C)(η−CPr)])、[(η−メチルシクロペンタジエニル)(
η−1,3,5−トリプロピルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CMeH)(η−CPr)])、[(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリプロピルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CEtH)(η−CPr)])、[(η−プロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリプロピルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CPrH)(η−CPr)])、[(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリプロピルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C PrH)(η−CPr)])、[(η−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリプロピルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CBuH)(η−CPr)])、[(η−イソブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリプロピルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CPr)])、[(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリプロピルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CPr)])、[(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリプロピルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CPr)])、[(η−ペンチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリプロピルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CPeH)(η−CPr)])、[(η−シクロペンチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリプロピルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C PeH)(η−CPr)])、[(η−ヘキシルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリプロピルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CHxH)(η−CPr)])、[(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリプロピルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CMe)(η−CPr)])、[(η−シクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(イソプロピル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C)(η−CPr))])、[(η−メチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(イソプロピル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CMeH)(η−CPr))])、[(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(イソプロピル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CEtH)(η−CPr))])、[(η−プロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(イソプロピル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CPrH)(η−CPr))])、[(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(イソプロピル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C PrH)(η−CPr))])、[(η−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(イソプロピル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CBuH)(η−CPr))])、[(η−イソブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(イソプロピル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CPr))])、[(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(イソプロピル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CPr))])、[(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(イソプロピル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CPr))])、[(η−ペンチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(イソプロピル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CPeH)(η−CPr))])、[(η−シクロペンチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(イソプロピル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C PeH)(η−CPr))])、[(η−ヘキシルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(イソプロピル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CHxH)(η−CPr))])、[(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(イソプロピル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CMe)(η−CPr))])、[(η−シクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリブチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C)(η−CBu)])、[(η−メチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリブチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CMeH)(η−CBu)])、[(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリブチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CEtH)(η−CBu)])、[(η−プロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリブチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CPrH)(η−CBu)])、[(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリブチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C PrH)(η−CBu)])、[(η−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリブチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CBuH)(η−CBu)])、[(η−イソブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリブチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CBu)])、[(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリブチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CBu)])、[(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリブチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CBu)])、[(η−ペンチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリブチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CPeH)(η−CBu)])、[(η−シクロペンチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリブチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C PeH)(η−CBu)])、[(η−ヘキシルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリブチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CHxH)(η−CBu)])、[(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル)(η−1,3,5−トリブチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CMe)(η−CBu)])、[(η−1,3,5−トリ(tert−ブチル)ベンゼン)(η−シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−C)(η−CBu))])、[(η−メチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(tert−ブチル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CMeH)(η−CBu))])、[(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(tert−ブチル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CEtH)(η−CBu))])、[(η−プロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(tert−ブチル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CPrH)(η−CBu))])、[(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(tert−ブチル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C PrH)(η−CBu))])、[(η−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(tert−ブチル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CBuH)(η−CBu))])、[(η−イソブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(tert−ブチル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CBu))])、[(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(tert−ブチル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CBu))])、[(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(tert−ブチル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CBu))])、[(η−ペンチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(tert−ブチル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CPeH)(η−CBu))])、[(η−シクロペンチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(tert−ブチル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C PeH)(η−CBu))])、[(η−ヘキシルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(tert−ブチル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CHxH)(η−CBu))])、[(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリ(tert−ブチル)ベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CMe)(η−CBu))])などを例示することが出来る。ルテニウム錯体(1)がCVD材料やALD材料として好適な蒸気圧を持つ点で、[(η−ベンゼン)(η−シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−C)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−CMeH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−CEtH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−CPrH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−C PrH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−CBuH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−C)])、[(η−ベンゼン)(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−C)])、[(η−シクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C)(η−CMe)])、[(η−メチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CMeH)(η−CMe)])、[(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CEtH)(η−CMe)])、[(η−プロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CPrH)(η−CMe)])、[(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C PrH)(η−CMe)])、[(η−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−CBuH)(η−CMe)])、[(η−イソブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CMe)])、[(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CMe)])、[(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)]([Ru(η−C BuH)(η−CMe)])等が好ましい。
一般式(2)における対アニオンZの例としては、カチオン性金属錯体の対アニオンとして一般的に用いられているものを挙げることが出来る。具体的にはテトラフルオロホウ酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン(SbF )、テトラフルオロアルミン酸イオン(AlF )などのフルオロ錯アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CFSO )、メタンスルホン酸イオン(MeSO )、メチル硫酸イオン(MeSO )などの一価スルホン酸イオン、硝酸イオン(NO )、過塩素酸イオン(ClO )、テトラクロロアルミン酸イオン(AlCl )、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドイオン((CFSO)などの一塩基酸の対アニオン、硫酸イオン(SO 2−)、硫酸水素イオン(HSO )、リン酸イオン(PO 3−)、リン酸一水素イオン(HPO 2−)、リン酸二水素イオン(HPO )、ジメチルリン酸イオン(MeO)PO )、ジエチルリン酸イオン((EtO)PO )などの多塩基酸の対アニオン又はその誘導体などを例示することが出来る。ルテニウム錯体(1)の収率が良い点で、対アニオンZとしてはBF 、PF などのフルオロ錯アニオン、CFSO 、MeSO などの一価スルホン酸イオンが好ましい。
カチオン性アレーン錯体(2)の好ましい具体例としては、[(η−ベンゼン)(η−シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−C)(η−C)][BF])、[(η−ベンゼン)(η−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−CMeH)(η−C)][BF])、[(η−ベンゼン)(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−CEtH)(η−C)][BF])、[(η−ベンゼン)(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−CMe)(η−C)][BF])、[(η−ベンゼン)(η−シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η−C)(η−C)][PF])、[(η−ベンゼン)(η−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η−CMeH)(η−C)][PF])、[(η−ベンゼン)(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η−CEtH)(η−C)][PF])、[(η−ベンゼン)(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η−CMe)(η−C)][PF])、[(η−ベンゼン)(η−シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η−C)(η−C)][CFSO])、[(η−ベンゼン)(η−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η−CMeH)(η−C)][CFSO])、[(η−ベンゼン)(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η−CEtH)(η−C)][CFSO])、[(η−ベンゼン)(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η−CMe)(η−C)][CFSO])、[(η−ベンゼン)(η−シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][メタンスルホナト]([Ru(η−C)(η−C)][MeSO])、[(η−ベンゼン)(η−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][メタンスルホナト]([Ru(η−CMeH)(η−C)][MeSO])、[(η−ベンゼン)(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][メタンスルホナト]([Ru(η−CEtH)(η−C)][MeSO])、[(η−ベンゼン)(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][メタンスルホナト]([Ru(η−CMe)(η−C)][MeSO])、[(η−シクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−C)(η−CMe)][BF])、[(η−メチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−CMeH)(η−CMe)][BF])、[(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−CEtH)(η−CMe)][BF])、[(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−CMe)(η−CMe)][BF])、[(η−シクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η−C)(η−CMe)][PF])、[(η−メチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η−CMeH)(η−CMe)][PF])、[(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η−CEtH)(η−CMe)][PF])、[(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][ヘキサフルオロホスファト]([Ru(η−CMe)(η−CMe)][PF])、[(η−シクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η−C)(η−CMe)][CFSO])、[(η−メチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η−CMeH)(η−CMe)][CFSO])、[(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η−CEtH)(η−CMe)][CFSO])、[(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][トリフルオロメタンスルホナト]([Ru(η−CMe)(η−CMe)][CFSO])、[(η−シクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][メタンスルホナト]([Ru(η−C)(η−CMe)][MeSO])、[(η−メチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][メタンスルホナト]([Ru(η−CMeH)(η−CMe)][MeSO])、[(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][メタンスルホナト]([Ru(η−CEtH)(η−CMe)][MeSO])、[(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][メタンスルホナト]([Ru(η−CMe)(η−CMe)][MeSO])などを挙げることが出来る。ルテニウム錯体(1)の収率が良い点で、[(η−ベンゼン)(η−シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−C)(η−C)][BF])、[(η−ベンゼン)(η−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−CMeH)(η−C)][BF])、[(η−ベンゼン)(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−CEtH)(η−C
)][BF])、[(η−シクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−C)(η−CMe)][BF])、[(η−メチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−CMeH)(η−CMe)][BF])、[(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−CEtH)(η−CMe)][BF])等が好ましい。
アルキルリチウム(3)の具体例としては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、ブチルリチウム、イソブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ペンチルリチウム、tert−ペンチルリチウム、シクロペンチルリチウム、ヘキシルリチウム、シクロヘキシルリチウムなどを挙げることが出来る。ルテニウム錯体(1)がCVD材料やALD材料として好適な蒸気圧を持つ点でメチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、ブチルリチウム、イソブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等が好ましい。
製造方法1は、ルテニウム錯体(1)の収率が良い点で、不活性ガス中で実施するのが好ましい。該不活性ガスとして具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素ガスなどを例示することが出来、アルゴン又は窒素ガスが更に好ましい。
製造方法1は、ルテニウム錯体(1)の収率が良い点で有機溶媒中で実施することが好ましい。製造方法1を有機溶媒中で実施する場合、該有機溶媒として具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテルなどを例示することが出来る。これら有機溶媒のうち一種類を単独で用いることが出来、複数を任意の比率で混合して用いることも出来る。ルテニウム錯体(1)の収率が良い点で、有機溶媒としてはエーテルが好ましく、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフランが更に好ましい。
アルキルリチウム(3)の入手方法としては、市販の製品を入手するほか、Journal of the American Chemical Society,第108巻,7016ページ(1986年)などに記載の製造方法を挙げることが出来る。
次に製造方法1を実施するときのカチオン性アレーン錯体(2)とアルキルリチウム(3)のモル比に関して説明する。好ましくはカチオン性アレーン錯体(2)1モルに対して1モル以上のアルキルリチウム(3)を用いることによって、収率良くルテニウム錯体(1)を製造することが出来る。
また製造方法1では、反応温度及び反応時間には特に制限はなく、当業者が金属錯体を製造するときの一般的な条件を用いることが出来る。具体例としては、−80℃から120℃の温度範囲から適宜選択した反応温度において、10分間から120時間の範囲から適宜選択した反応時間を選択することによってルテニウム錯体(1)を収率良く製造することが出来る。
製造方法1によって製造したルテニウム錯体(1)は、当業者が金属錯体を精製するときの一般的な精製方法を適宜選択して用いることによって精製することが出来る。具体的な精製方法としては、ろ過、抽出、遠心分離、デカンテーション、蒸留、昇華、結晶化、カラムクロマトグラフィーなどを挙げることが出来る。
製造方法1の原料であるカチオン性アレーン錯体(2)は、非特許文献2、3及び4に記載の方法や、下記の製造方法2に従って製造することが出来る。反応剤の使用量が少なく、カチオン性アレーン錯体(2)の収率が良好な点で、製造方法2に従って製造するのが好ましい。製造方法2は、ルテノセン誘導体(4)とベンゼン誘導体(6)とプロトン酸Hとを反応させることによりカチオン性アレーン錯体(2)を製造する方法である。
製造方法2
Figure 0006178638
(式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。Zは対アニオンを表す。)
一般式(4)におけるXは、η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル配位子、又は一般式(5)
Figure 0006178638
(式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。)で示されるη−(無置換又は置換)シクロペンタジエニル配位子を表す。
具体的なη−(無置換又は置換)シクロペンタジエニル配位子(5)の例としては、η−シクロペンタジエニル配位子、η−メチルシクロペンタジエニル配位子、η−エチルシクロペンタジエニル配位子、η−プロピルシクロペンタジエニル配位子、η−イソプロピルシクロペンタジエニル配位子、η−ブチルシクロペンタジエニル配位子、η−イソブチルシクロペンタジエニル配位子、η−sec−ブチルシクロペンタジエニル配位子、η−tert−ブチルシクロペンタジエニル配位子、η−ペンチルシクロペンタジエニル配位子、η−シクロペンチルシクロペンタジエニル配位子、η−ヘキシルシクロペンタジエニル配位子、η−1,2−ジメチルシクロペンタジエニル配位子、η−1,3−ジメチルシクロペンタジエニル配位子、η−1,3−ジ(イソプロピル)シクロペンタジエニル配位子、η−1,2,4−トリ(イソプロピル)シクロペンタジエニル配位子、η−1,3−ジ(tert−ブチル)シクロペンタジエニル配位子、η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル配位子などを挙げることが出来る。
ルテノセン誘導体(4)が入手しやすい点で、Xとしてはη−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル配位子、η−シクロペンタジエニル配位子、η−メチルシクロペンタジエニル配位子、η−エチルシクロペンタジエニル配位子、η−プロピルシクロペンタジエニル配位子、η−イソプロピルシクロペンタジエニル配位子、η−ブチルシクロペンタジエニル配位子、η−イソブチルシクロペンタジエニル配位子、η−sec−ブチルシクロペンタジエニル配位子又はη−tert−ブチルシクロペンタジエニル配位子であることが好ましく、η−シクロペンタジエニル配位子、η−メチルシクロペンタジエニル配位子又はη−エチルシクロペンタジエニル配位子が更に好ましい。
ルテノセン誘導体(4)として具体的には、ビス(η−シクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CRu)、ビス(η−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CMeHRu)、ビス(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CEtHRu)、ビス(η−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CPrHRu)、ビス(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−C PrHRu)、ビス(η−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CBuHRu)、ビス(η−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−C BuHRu)、ビス(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−C BuHRu)、ビス(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−C BuHRu)、ビス(η−ペンチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CPeHRu)、ビス(η−シクロペンチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−C PeHRu)、ビス(η−ヘキシルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CHxHRu)、ビス(η−1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CMeRu)、ビス(η−1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CMeRu)、ビス(η−1,3−ジ(イソプロピル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CPr)Ru)、ビス(η−1,2,4−トリ(イソプロピル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CPr)Ru)、ビス(η−1,3−ジ(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CBu)Ru)、ビス(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CMeRu)、(η−シクロペンタジエニル)(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−C)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CMeH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CEtH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CPrH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−C PrH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−ブチルシクロペンタジエニル)(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CBuH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−C BuH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−C BuH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−C BuH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−ペンチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CPeH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−シクロペンチルシクロペンタジエニル)(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−C PeH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−ヘキシルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CHxH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CMe)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CMe)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−1,3−ジ(イソプロピル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CPr))(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−1,2,4−トリ(イソプロピル)シクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CPr))(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−1,3−ジ(tert−ブチル)シクロペンタジエニル)(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CBu))(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CMe)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))などを例示することが出来、ビス(η−シクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CRu)、ビス(η−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CMeHRu)、ビス(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CEtHRu)、ビス(η−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CPrHRu)、ビス(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−C PrHRu)、ビス(η−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CBuHRu)、ビス(η−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−C BuHRu)、ビス(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−C BuHRu)、ビス(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−C BuHRu)、(η−シクロペンタジエニル)(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−C)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CMeH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CEtH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CPrH)(η−CH
C(Me)CHC(Me)CH))、(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−C PrH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−ブチルシクロペンタジエニル)(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CBuH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−C BuH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−C BuH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))、(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−C BuH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))などが好ましく、ビス(η−シクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CRu)、ビス(η−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CMeHRu)、ビス(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CEtHRu)、ビス(η−プロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CPrHRu)、ビス(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−C PrHRu)、ビス(η−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CBuHRu)、ビス(η−イソブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−C BuHRu)、ビス(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−C BuHRu)、ビス(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−C BuHRu)などが更に好ましく、ビス(η−シクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CRu)、ビス(η−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CMeHRu)又はビス(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CEtHRu)が殊更好ましい。
ベンゼン誘導体(6)の具体例としては、ベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリプロピルベンゼン、1,3,5−トリ(イソプロピル)ベンゼン、1,3,5−ブチルベンゼン、1,3,5−トリ(イソブチル)ベンゼン、1,3,5−トリ(sec−ブチル)ベンゼン、1,3,5−トリ(tert−ブチル)ベンゼンなどを挙げることが出来る。カチオン性アレーン錯体(2)の収率が良い点で、ベンゼン又は1,3,5−トリメチルベンゼンが好ましい。
製造方法2で用いることが出来るプロトン酸の対アニオンZとしては、例えばテトラフルオロホウ酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )などのフルオロ錯アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CFSO )、硫酸イオン(SO 2−)、硫酸水素イオン(HSO )、などのスルホン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオンなどのハロゲン化物イオン等が挙げられる。
具体的なプロトン酸としては、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロりん酸などのフルオロ錯酸;硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのスルホン酸;塩化水素などのハロゲン化水素などを例示することが出来る。該プロトン酸は、ジメチルエーテルやジエチルエーテルなどのエーテルと錯体を形成していても良い。錯体を形成しているプロトン酸の例としては、テトラフルオロホウ酸ジメチルエーテル錯体、テトラフルオロホウ酸ジエチルエーテル錯体、ヘキサフルオロりん酸ジエチルエーテル錯体などを挙げることが出来る。カチオン性アレーン錯体(2)の収率が良い点で、テトラフルオロホウ酸ジエチルエーテル錯体、テトラフルオロホウ酸又はトリフルオロメタンスルホン酸が好ましい。
また製造方法2で用いるプロトン酸として、フルオロ錯アニオン含有塩と強酸とを反応させることにより、反応系中で生成させたフルオロ錯酸を用いることも出来る。この場合、用いることが出来るフルオロ錯アニオン含有塩の例としては、テトラフルオロホウ酸アンモニウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム、ヘキサフルオロりん酸アンモニウム、ヘキサフルオロりん酸リチウム、ヘキサフルオロりん酸ナトリウム、ヘキサフルオロりん酸カリウムなどを挙げることが出来る。用いることが出来る強酸としては、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩化水素、臭化水素などを例示することが出来る。反応系中で生成させることが出来るフルオロ錯酸の具体例としては、テトラフルオロホウ酸及びヘキサフルオロりん酸を挙げることが出来る。コストメリットが高く収率が良い点で、テトラフルオロホウ酸アンモニウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム又はヘキサフルオロりん酸アンモニウムのいずれかを硫酸と混ぜて用いるのが好ましい。
さらに製造方法2で用いるプロトン酸として三フッ化ホウ素と強酸とを反応させることにより、反応系中で生成させたフルオロ錯酸を用いることも出来る。この場合、用いることが出来る強酸としては、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩化水素、臭化水素などを例示することが出来る。
次にルテノセン誘導体(4)及びベンゼン誘導体(6)の入手方法について説明する。ルテノセン誘導体(4)の入手方法としては、市販の製品を入手するほか、またOrganic Syntheses,第41巻,96ページ(1961年)、Organometallics、第8巻、298ページ(1989年)、特開2003−342286号公報などに記載の方法を挙げることが出来る。ベンゼン誘導体(6)の入手方法としては、市販の製品を入手するほか、Tetrahedron,第68巻,6535ページ(2012年)などに記載の方法を挙げることが出来る。
次に製造方法2で使用するルテノセン誘導体(4)、ベンゼン誘導体(6)及びプロトン酸のモル比について説明する。カチオン性アレーン錯体(2)の収率が良い点でルテノセン誘導体1モルあたり1モル以上のベンゼン誘導体を用いるのが好ましい。またプロトン酸の好ましい使用量はプロトン酸の種類によって異なる。例えばプロトン酸が一塩基酸の場合、収率が良い点でルテノセン誘導体1モルあたり1モル以上のプロトン酸を使用することが好ましく、二塩基酸の場合にはルテノセン誘導体1モルあたり0.5モル以上のプロトン酸を使用することが好ましい。プロトン酸としてフルオロ錯アニオン含有塩と強酸との混合物を用いる場合、ルテノセン誘導体1モルあたり1モル以上のフルオロ錯アニオン含有塩、及び0.5モル〜2.0モルの強酸を適宜用いることにより、収率良くカチオン性アレーン錯体(2)を得ることが出来る。
製造方法2は、カチオン性アレーン錯体(2)の収率が良い点で、不活性ガス中で実施するのが好ましい。該不活性ガスとして具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素ガスなどを例示することが出来、アルゴン又は窒素ガスが更に好ましい。
製造方法2は、カチオン性アレーン錯体(2)の収率が良い点で有機溶媒中で実施することが好ましい。製造方法2を有機溶媒中で実施する場合、該有機溶媒として具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、エチレングリコールなどのアルコール、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、シクロプロパンカルボニトリル、ペンチロニトリル、イソペンチロニトリル、3−メチルブタンニトリル、2−メチルブタンニトリル、ピバロニトリル、シクロブタンカルボニトリルなどのニトリルなどを例示することが出来る。これら有機溶媒のうち一種類を単独で用いることが出来、複数を任意の比率で混合して用いることも出来る。カチオン性アレーン錯体(2)の収率が良い点で、有機溶媒としてはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、メタノール及びアセトニトリルが好ましい。
また製造方法2では、反応温度及び反応時間には特に制限はなく、当業者が金属錯体を製造するときの一般的な条件を用いることが出来る。具体例としては、−80℃から150℃の温度範囲から適宜選択した反応温度において、10分間から120時間の範囲から適宜選択した反応時間を選択することによってカチオン性アレーン錯体(2)を収率良く製造することが出来る。
製造方法2によって製造したカチオン性アレーン錯体(2)は、当業者が金属錯体を精製するときの一般的な精製方法を適宜選択して用いることによって精製することが出来る。具体的な精製方法としては、ろ過、抽出、遠心分離、デカンテーション、結晶化などを挙げることが出来る。
またルテニウム錯体(1)は、製造方法2と製造方法1とを連続して実施する製造方法3によっても製造することが可能である。この場合、製造方法2によって製造したカチオン性アレーン錯体(2)を、精製することなく製造方法1の製造原料として用いることが出来、また当業者が金属錯体を精製するときの一般的な精製方法を適宜選択して用いることによって精製したカチオン性アレーン錯体(2)を製造方法1の製造原料として用いることも出来る。該精製方法の例としては、ろ過、抽出、遠心分離、デカンテーション、結晶化などを挙げることが出来る。
次に、ルテニウム錯体(1a)を気化させ、該ルテニウム錯体を基板上で分解することを特徴とする、ルテニウム含有薄膜の作製方法について詳細に説明する。まず、一般式(1a)中のR1a、R2a、R3a、R4a、R5a、R6a、R7a、R8a及びR9aの定義について説明する。
1a、R2a、R3a、R4a及びR5aで表される炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでも良く、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、1−シクロブチルエチル基、2−シクロブチルエチル基などを例示することが出来る。ルテニウム錯体(1a)がCVD材料やALD材料として好適な蒸気圧及び熱安定性を持つ点で、R1aが炭素数1〜6のアルキル基であり、R2a、R3a、R4a及びR5aが水素原子であることが好ましく、R1aがメチル基又はエチル基であることが更に好ましく、R1aがエチル基であることが殊更好ましい。
6a、R7a、R8a及びR9aで表される炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでも良く、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、1−シクロブチルエチル基、2−シクロブチルエチル基などを例示することが出来る。ルテニウム錯体(1a)がCVD材料やALD材料として好適な蒸気圧及び熱安定性を持つ点で、R6a、R7a、R8a及びR9aはメチル基であることが好ましい。
ルテニウム錯体(1a)の具体例としては、表1〜10に挙げた本発明のルテニウム錯体(1)の具体例に加えて、(η−1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウムなどを挙げることが出来る。ルテニウム錯体(1a)がCVD材料やALD材料として好適な蒸気圧及び熱安定性を持つ点で、(η−シクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−1)、(η−メチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−2)、(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−3)、(η−プロピルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−4)、(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−5)、(η−ブチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−6)、(η−イソブチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−7)、(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−8)、(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−9)、(η−ペンチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−10)、(η−シクロペンチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−11)、(η−ヘキシルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−12)、(η−シクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−44)、(η−メチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−45)、(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−46)、(η−プロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−47)、(η−イソプロピルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−48)、(η−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−49)、(η−イソブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−50)、(η−sec−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−51)、(η−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−52)、(η−ペンチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−53)、(η−シクロペンチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−54)及び(η−ヘキシルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−55)が好ましく、(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−3)、(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(1−46)が更に好ましい。
ルテニウム含有薄膜を作製する方法としては、当業者が金属含有薄膜を作製するのに用いる通常の技術手段を例示することが出来る。具体的には、化学反応に基づく気相蒸着法、並びにディップコート法、スピンコート法又はインクジェット法などの溶液法などを例示することが出来る。本明細書中では、化学反応に基づく気相蒸着法とは、一般式(1a)で示されるルテニウム錯体を気化させ、基板上で分解することによりルテニウム含有薄膜を作製する方法であり、具体的には熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法などのCVD法や、ALD法などを含む。三次元化された構造を持つ基板の表面にも均一にルテニウム含有薄膜を形成しやすい点で、化学反応に基づく気相蒸着法が好ましく、CVD法又はALD法が更に好ましい。CVD法は成膜速度が良好な点でとりわけ好ましく、またALD法は段差被覆性が良好な点でとりわけ好ましい。例えばCVD法又はALD法によりルテニウム含有薄膜を作製する場合、ルテニウム錯体(1a)を気化させて反応チャンバーに供給し、反応チャンバー内に備え付けた基板上でルテニウム錯体(1a)を分解することにより、該基板上にルテニウム含有薄膜を作製することが出来る。ルテニウム錯体(1a)を分解する方法としては、当業者が金属含有薄膜を作製するのに用いる通常の技術手段を挙げることが出来る。具体的にはルテニウム錯体(1a)と反応ガスとを反応させる方法や、ルテニウム錯体(1a)に熱、プラズマ、光などを作用させる方法などを例示することが出来る。
反応ガスを用いる場合、用いることが出来る反応ガスとしては、還元性ガスや酸化性ガスを例示することが出来る。還元性ガスの具体例としては、アンモニア、水素、モノシラン、ヒドラジンなどを例示することが出来る。酸化性ガスの具体例としては、酸素、オゾン、水蒸気、過酸化水素、笑気ガス、塩化水素、硝酸ガス、ぎ酸、酢酸などを挙げることが出来る。成膜装置の仕様による制約が少なく取扱いが容易である点で、還元性ガスとしてはアンモニア又は水素が好ましく、酸化性ガスとしては酸素、オゾン、水蒸気が好ましい。反応ガスとして酸化性ガスを用いずに還元性ガスを用いる場合は、ルテニウム含有薄膜の成膜速度が良好な点でアンモニアが更に好ましい。反応ガスの流量は材料の反応性と反応チャンバーの容量に応じて適宜調節される。例えば反応チャンバーの容量が1〜10Lの場合、反応ガスの流量は特に制限は無く、経済的な理由から1〜10000sccmが好ましい。
これらの分解方法を適宜選択して用いることにより、ルテニウム含有薄膜を作製することが出来る。複数の分解方法を組み合わせて用いることも出来る。反応チャンバーへのルテニウム錯体(1a)の供給方法としては、例えばバブリング、液体気化供給システムなど当業者が通常用いる方法が挙げられ、特に限定されるものではない。
CVD法又はALD法によりルテニウム含有薄膜を作製する際のキャリアガス及び希釈ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどの希ガス又は窒素ガスが好ましく、経済的な理由から窒素ガス、ヘリウム、ネオン、アルゴンが特に好ましい。キャリアガス及び希釈ガスの流量は反応チャンバーの容量などに応じて適宜調節される。例えば反応チャンバーの容量が1〜10Lの場合、キャリアガスの流量は特に制限は無く、経済的な理由から1〜10000sccmが好ましい。なお、本明細書中においてsccmとは気体の流量を表す単位であり、1sccmは理想気体に換算すると2.68mmol/hの速度で気体が移動していることを表す。
CVD法又はALD法によりルテニウム含有薄膜を作製するときの基板温度は、熱、プラズマ、光などの使用の有無、反応ガスの種類などにより適宜選択される。例えば光やプラズマを併用することなく反応ガスとしてアンモニアを用いる場合には、基板温度に特に制限は無く、経済的な理由から200℃〜1000℃が好ましい。成膜速度が良好な点で300℃〜750℃が好ましく、350℃〜700℃が殊更好ましい。また、光やプラズマ、オゾン、過酸化水素などを適宜使用することで200℃以下の温度域でルテニウム含有薄膜を作製することが出来る。
本発明の作製方法により得られるルテニウム含有薄膜としては、例えばルテニウム錯体(1a)を単独で用いた場合は、金属ルテニウム薄膜、酸化ルテニウム薄膜、窒化ルテニウム薄膜、酸窒化ルテニウム薄膜などが得られる。また他の金属材料と組み合わせて用いた場合は、ルテニウム含有複合薄膜が得られる。例えば、ストロンチウム材料と組み合わせて用いればSrRuO薄膜が得られる。ストロンチウム材料としては、例えば、ビス(ジピバロイルメタナト)ストロンチウム、ジエトキシストロンチウム、ビス(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)ストロンチウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ストロンチウム、ビス(トリイソプロピルシクロペンタジエニル)ストロンチウムなどが挙げられる。さらに白金、イリジウム、ロジウムなどの遷移金属やケイ素、アルミニウムなどの典型元素を含有するルテニウム含有複合膜を得ることも出来る。また、CVD法又はALD法によりルテニウム含有複合薄膜を作製する場合において、ルテニウム錯体(1a)と他の金属材料とを反応チャンバー内に別々に供給しても、混合してから供給しても良い。
本発明のルテニウム含有薄膜を構成部材として用いることにより、記憶容量や応答性を向上させた高性能な半導体デバイスを製造することが出来る。半導体デバイスとしてはDRAM、FeRAM、ReRAMなどの半導体記憶装置や電界効果トランジスタなどを例示することが出来る。これらの構成部材としてはキャパシタ電極、ゲート電極、銅配線ライナーなどを例示することが出来る。
本発明のルテニウム錯体(1)及びルテニウム錯体(1a)を材料として用いることにより、反応性ガスとして酸化性ガスを用いる条件及び用いない条件のいずれにおいてもルテニウム含有薄膜を作製することが出来る。
実施例10〜20で用いたCVD装置を示す図である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、Me、Et及びBuは、それぞれメチル基、エチル基及びブチル基を示す。
参考例1
Figure 0006178638
アルゴン雰囲気下で、[トリス(アセトニトリル)(η−シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−C)(MeCN)][BF])5.98g(15.9mmol)とテトラヒドロフラン40mLを混合することにより調製した溶液に、ベンゼン1.84g(23.6mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した後、−78℃に冷却し、生成した固体をろ過することにより、[(η−ベンゼン)(η−シクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−C)(η−C)][BF])を黄色固体として得た(3.27g,収率62%)。
H−NMR(500MHz,CDCl,δ)
6.21(s,6H),5.46(s,5H).
13C−NMR(125MHz,CDCl,δ)
86.1,80.8.
参考例2
Figure 0006178638
アルゴン雰囲気下で、[トリス(アセトニトリル)(η−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−CMeH)(MeCN)][BF])9.01g(23.1mmol)とテトラヒドロフラン40mLを混合することにより調製した溶液に、ベンゼン2.19g(28.1mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した後、−78℃に冷却し、生成した固体をろ過することにより、[(η−ベンゼン)(η−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−CMeH)(η−C)][BF])を茶色固体として得た(4.94g,収率62%)。
H−NMR(500MHz,CDCl,δ)
6.15(s,6H),5.40−5.43(m,2H),5.30−5.33(m,2H),2.08(s,3H).
13C−NMR(125MHz,CDCl,δ)
100.2,86.4,81.9,80.2,13.9.
実施例1
Figure 0006178638
アルゴン雰囲気下で、参考例1で得た[Ru(η−C)(η−C)][BF]3.27g(9.88mmol)をテトラヒドロフラン30mLに溶かすことにより調製した溶液に、−78℃下でメチルリチウムのジエチルエーテル溶液9.8mL(1.11mol/L,10.9mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した後、溶媒を減圧下で留去した。残った固体にヘキサン125mLを加えて室温で激しく撹拌した。生成した懸濁液をろ過した後、ろ液から溶媒を減圧留去した。残った固体をカラムクロマトグラフィー(アルミナ、ヘキサン)を用いて精製することにより、(η−シクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(Ru(η−C)(η−CMe))を黄色固体として得た(850mg,収率33%)。
H−NMR(500MHz,CDCl,δ)
5.64−5.72(m,1H),4.73(s,5H),4.28−4.38(m,2H),2.83−2.92(m,2H),2.28(sext,J=6.4Hz,1H),0.21(d,J=6.5Hz,3H).
13C−NMR(125MHz,CDCl,δ)
79.5,76.1,74.9,34.7,32.5,28.5.
実施例2
Figure 0006178638
アルゴン雰囲気下で、参考例2で得た[Ru(η−CMeH)(η−C)][BF]4.94g(14.3mmol)をテトラヒドロフラン40mLに溶かすことにより調製した溶液に、−78℃下でメチルリチウムのジエチルエーテル溶液14mL(1.10mol/L,15.4mmol)を加えた。この混合物を室温で21時間撹拌した後、溶媒を減圧下で留去した。残った固体にヘキサン300mLを加えて室温で激しく撹拌した。生成した懸濁液をろ過した後、ろ液から溶媒を減圧留去した。残った液体をカラムクロマトグラフィー(アルミナ、ヘキサン)を用いて精製することにより、(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)(η−メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CMeH)(η−CMe))を黄色液体として得た(860mg,収率22%)。
H−NMR(500MHz,CDCl,δ)
5.59−5.62(m,1H),4.74−4.77(m,2H),4.51−4.54(m,2H),4.24−4.29(m,2H),2.71−2.76(m,2H),2.30(sext,J=6.4Hz,1H),1.94(s,3H),0.21(d,J=6.5Hz,3H).
13C−NMR(125MHz,CDCl,δ)
92.0,79.5,76.7,76.5,74.2,34.8,33.8,28.4,14.6.
実施例3
Figure 0006178638
アルゴン雰囲気下で、アルドリッチ社製ビス(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム((η−CEtHRu)835mg(2.91mmol)とアセトニトリル7mLを混合することにより調製した溶液に、ベンゼン2.63g(33.7mmol)を加えた。この溶液に、0℃下でテトラフルオロホウ酸ジエチルエーテル錯体516mg(3.19mmol)を加えた。この混合物を室温で20分間撹拌した後、さらに80℃で8時間撹拌した。該反応混合物から溶媒を減圧下で留去した後、残った固体をテトラヒドロフランとヘキサンの混合物(テトラヒドロフラン:ヘキサン=1:3)で洗浄することにより、[(η−ベンゼン)(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−CEtH)(η−C)][BF])を黄褐色固体として得た(1.02g,収率98%)。
H−NMR(500MHz,CDCl,δ)
6.15(s,6H),5.36−5.40(m,2H),5.30−5.34(m,2H),2.33(q,J=7.5Hz,2H),1.09(t,J=7.5Hz,3H).
13C−NMR(125MHz,CDCl,δ)
106.9,86.2,80.3,80.0,21.0,14.5.
実施例4
Figure 0006178638
アルゴン雰囲気下で、特開2003−342286号公報に記載の方法に従って合成した(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CEtH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))20.2g(69.6mmol)とテトラヒドロフラン80mLを混合することにより調製した溶液に、ベンゼン7.5g(96.0mmol)を加えた。この溶液に、−78℃下でテトラフルオロホウ酸水溶液15mL(42%,99.0mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した後、−78℃に冷却し、生成した固体をろ過することにより、[(η−ベンゼン)(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−CEtH)(η−C)][BF])を白色固体として得た(19.4g,収率78%)。得られた[Ru(η−CEtH)(η−C)][BF]のH及び13C−NMRスペクトルを測定したところ、これらのスペクトルは実施例3で得たもののスペクトルと同じであった。
実施例5
Figure 0006178638
アルゴン雰囲気下で、実施例4で得た[Ru(η−CEtH)(η−C)][BF]16.4g(45.7mmol)をテトラヒドロフラン140mLに溶かすことにより調製した溶液に、−78℃下でメチルリチウムのジエチルエーテル溶液47mL(1.10mol/L,51.7mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した後、溶媒を減圧下で留去した。残った固体にヘキサン200mLを加えて室温で激しく撹拌した。生成した懸濁液をろ過した後、ろ液から溶媒を減圧留去した。残った液体をカラムクロマトグラフィー(アルミナ、ヘキサン)を用いて精製した後、減圧蒸留(留出温度80℃/背圧1.5Pa)することにより、(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−メチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(Ru(η−CEtH)(η−CMe))を黄色液体として得た(5.33g,収率41%)。
H−NMR(500MHz,CDCl,δ)
5.60−5.65(m,1H),4.70−4.73(m,2H),4.55−4.58(m,2H),4.26−4.31(m,2H),2.74−2.79(m,2H),2.30(sext,J=6.5Hz,1H),2.25(q,J=7.5Hz,2H),1.09(t,J=7.5Hz,3H),0.20(d,J=6.5Hz,3H).
13C−NMR(125MHz,CDCl,δ)
99.8,79.4,76.6,74.8,73.9,34.8,33.4,28.4,22.0,15.0.
実施例6
Figure 0006178638
アルゴン雰囲気下で、実施例4で得た[Ru(η−CEtH)(η−C)][BF]6.16g(17.2mmol)をテトラヒドロフラン50mLに溶かすことにより調製した溶液に、−78℃下でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液7.0mL(2.69mol/L,18.8mmol)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した後、溶媒を減圧下で留去した。残った固体にヘキサン125mLを加えて室温で激しく撹拌した。生成した懸濁液をろ過した後、ろ液から溶媒を減圧留去した。残った液体をカラムクロマトグラフィー(アルミナ、ヘキサン)を用いて精製した後、減圧蒸留(留出温度112℃/背圧37Pa)することにより、(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−6−exo−ブチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(Ru(η−CEtH)(η−CBu))を黄色液体として得た(3.66g,収率65%)。
H−NMR(500MHz,CDCl,δ)
5.57−5.68(m,1H),4.72(brs,2H),4.57(brs,2H),4.24−4.37(m,2H),2.73−2.83(m,2H),2.25(q,J=7.5Hz,2H),2.14−2.21(m,1H),1.04−1.16(m,5H),0.92−1.01(m,2H),0.78(t,J=7.5Hz,3H),0.45−0.54(m,2H).
13C−NMR(125MHz,CDCl,δ)
99.8,79.6,76.7,74.9,73.9,42.3,40.1,32.2,26.3,22.7,22.0,15.0,14.3.
実施例7
Figure 0006178638
アルゴン雰囲気下で、特開2003−342286号公報に記載の方法に従って合成した(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CEtH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))1.01g(3.50mmol)とテトラヒドロフラン10mLを混合することにより調製した溶液に、1,3,5−トリメチルベンゼン515mg(4.28mmol)を加えた。この溶液に、−78℃下でテトラフルオロホウ酸水溶液0.6mL(42%,3.96mmol)を加えた。この混合物を室温で3日間撹拌した後、−78℃に冷却し、生成した固体をろ過することにより、[(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5−トリメチルベンゼン)ルテニウム(II)][テトラフルオロボラト]([Ru(η−CEtH)(η−CMe)][BF])を白色固体として得た(717mg,収率51%)。
H−NMR(500MHz,CDCl,δ)
6.00(s,3H),5.11−5.20(m,4H),2.31(s,9H),2.23(q,J=7.5Hz,2H),1.12(t,J=7.5Hz,3H).
13C−NMR(125MHz,CDCl,δ)
104.8,101.1,87.5,80.9,80.4,20.5,20.0,14.7.
実施例8
Figure 0006178638
アルゴン雰囲気下で、実施例7で得た[Ru(η−CEtH)(η−CMe)][BF]717mg(1.79mmol)をテトラヒドロフラン10mLに溶かすことにより調製した溶液に、−78℃下でメチルリチウムのジエチルエーテル溶液1.8mL(1.10mol/L,1.98mmol)を加えた。この混合物を室温で16時間撹拌した後、溶媒を減圧下で留去した。残った固体にテトラヒドロフラン20mLを加えて室温で激しく撹拌した。生成した懸濁液をろ過した後、ろ液から溶媒を減圧留去した。残った液体をカラムクロマトグラフィー(アルミナ、テトラヒドロフラン)を用いて精製した後、減圧蒸留(留出温度97℃/背圧29Pa)することにより、(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(Ru(η−CEtH)(η−CMe))を黄色液体として得た(382mg,収率65%)。
H−NMR(500MHz,CDCl,δ)
4.38−4.41(m,2H),4.36−4.38(m,2H),4.13(s,2H),2.34(q,J=6.5Hz,1H),2.22(s,3H),2.17(q,J=7.5Hz,2H),1.48(s,6H),1.09(t,J=7.5Hz,3H),0.25(d,J=6.5Hz,3H).
13C−NMR(125MHz,CDCl,δ)
98.6,90.3,78.4,76.6,76.0,46.9,43.7,24.1,21.2,21.1,21.0,15.1.
実施例9
Figure 0006178638
アルゴン雰囲気下で、特開2003−342286号公報に記載の方法に従って合成した(η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル)(η−エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(η−CEtH)(η−CHC(Me)CHC(Me)CH))38.7g(134mmol)をテトラヒドロフラン200mLに溶かすことにより調製した溶液に、1,3,5−トリメチルベンゼン20.0g(166mmol)を加えた。この溶液に、−78℃下でテトラフルオロホウ酸水溶液25mL(42%,165mmol)を加えた後、室温で3日間撹拌した。この時点での反応混合物を一部サンプリングしてH−NMRを用いて分析したところ、[Ru(η−CEtH)(η−CMe)][BF]が生成していることが確認された。該反応混合物から溶媒を減圧下で留去した後、残渣をヘキサン100mLで洗浄した。テトラヒドロフラン150mLに溶かし、−78℃下でメチルリチウムのジエチルエーテル溶液90mL(1.10mol/L,99.0mmol)を加えた後、室温で20時間撹拌した。反応混合物から溶媒を減圧下で留去した後、ヘキサン250mLを加えて室温で激しく撹拌した。生成した懸濁液をろ過した後、ろ液から溶媒を減圧留去した。残った液体をカラムクロマトグラフィー(アルミナ、ヘキサン)を用いて精製した後、減圧蒸留(留出温度97℃/背圧29Pa)することにより、(η−エチルシクロペンタジエニル)(η−1,3,5,6−exo−テトラメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム(Ru(η−CEtH)(η−CMe))を黄色液体として得た(20.0g,収率61%)。得られたRu(η−CEtH)(η−CMe)のH及び13C−NMRスペクトルを測定したところ、これらのスペクトルは実施例8で得たもののスペクトルと同じであった。
反応ガスとしてアンモニアを用いたルテニウム含有薄膜の作製例(実施例10〜12) 本発明のルテニウム錯体(1a)を材料に用いてルテニウム含有薄膜を熱CVD法により作製した。薄膜作製のために使用した装置の概略を図1に示した。成膜条件は表11に示す通りであり、その他の条件は以下の通りである。
材料容器内全圧:13.3kPa、キャリアガス流量:30sccm、材料供給速度:0.012sccm、アンモニア流量:100sccm、希釈ガス流量:70sccm、基板:SiO/Si、成膜時間:1時間。キャリアガス及び希釈ガスとしてアルゴンを用いた。なお、反応チャンバーへの材料供給速度は、(キャリアガス流量×材料の蒸気圧÷材料容器内全圧)の計算式に基づいて求めることが出来る。
実施例10〜12のいずれの場合においても、作製した薄膜を蛍光X線分析で確認したところルテニウムに基づく特性X線が検出された。検出されたX線の強度から算出した膜厚を表11に示した。
Figure 0006178638
反応ガスとして酸素を用いたルテニウム含有薄膜の作製例(実施例13〜20)
ルテニウム錯体(1a)を材料に用いてルテニウム含有薄膜を熱CVD法により作製した。薄膜作製のために使用した装置の概略を図1に示した。成膜条件は表12に示す通りであり、その他の条件は以下の通りである。
材料容器内全圧:13.3kPa、キャリアガス流量:30sccm、材料供給速度:0.012sccm、酸素流量:0.16sccm、希釈ガス流量:169sccm、基板:SiO/Si、成膜時間:1時間。キャリアガス及び希釈ガスとしてアルゴンを用いた。実施例13〜20のいずれの場合においても、作製した薄膜を蛍光X線分析で確認したところルテニウムに基づく特性X線が検出された。検出されたX線の強度から算出した膜厚を表12に示した。
Figure 0006178638
以上の実施例から以下のことが理解出来る。即ち、実施例10〜12により、ルテニウム錯体(1a)は、酸化性ガスを用いなくてもルテニウム含有薄膜を作製可能な材料であることが分かる。また、実施例13〜20により、ルテニウム錯体(1a)は、酸化性ガスを用いてもルテニウム含有薄膜を作製可能であることが分かる。
1 材料容器
2 恒温槽
3 反応チャンバー
4 基板
5 反応ガス導入口
6 希釈ガス導入口
7 キャリアガス導入口
8 マスフローコントローラー
9 マスフローコントローラー
10 マスフローコントローラー
11 油回転式ポンプ
12 排気

Claims (10)

  1. 一般式(1)
    Figure 0006178638
    (式中、R、R、R、R、R、R、R及びRは各々独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す。ただしR、R及びR全てが同時に水素原子のとき、R、R、R、R、R及びR全てが同時にメチル基の場合を除く。)で示されるルテニウム錯体。
  2. が炭素数1〜6のアルキル基であり、R、R、R及びRが水素原子であり、R、R及びR全てが同時に水素原子又はメチル基であり、Rがメチル基である請求項1に記載のルテニウム錯体。
  3. がエチル基であり、R、R、R及びRが水素原子であり、R、R及びR全てが同時に水素原子又はメチル基であり、Rがメチル基である請求項1又は2に記載のルテニウム錯体。
  4. 一般式(2)
    Figure 0006178638
    (式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。Zは対アニオンを表す。)で示されるカチオン性アレーン錯体と、一般式RLi(3)(式中、Rは一般式(1)のRと同意義を表す。)で示されるアルキルリチウムとを反応させる請求項1〜3のいずれかに記載のルテニウム錯体の製造方法。
  5. 一般式(4)
    Figure 0006178638
    (式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。Xは、η−2,4−ジメチル−2,4−ペンタジエニル配位子又は一般式(5)
    Figure 0006178638
    (式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。)で示されるη−(無置換又は置換)シクロペンタジエニル配位子を表す。)で示されるルテノセン誘導体と、一般式H(式中、Zは一般式(2)のZと同意義を表す。)で示されるプロトン酸と、一般式(6)
    Figure 0006178638
    (式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。)で示されるベンゼン誘導体とを反応させ、一般式(2)
    Figure 0006178638
    (式中、R〜Rは一般式(1)のR〜Rと同意義を表す。Zは対アニオンを表す。)で示されるカチオン性アレーン錯体を製造し、さらに一般式RLi(3)(式中、Rは一般式(1)のRと同意義を表す。)で示されるアルキルリチウムとを反応させる請求項1〜3のいずれかに記載のルテニウム錯体の製造方法。
  6. 一般式(1a)
    Figure 0006178638
    (式中、R1a、R2a、R3a、R4a、R5a、R6a、R7a及びR8aは各々独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。R9aは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で示されるルテニウム錯体を気化させ、該ルテニウム錯体を基板上で分解する、ルテニウム含有薄膜の作製方法。
  7. 化学反応に基づく気相蒸着法によるルテニウム含有薄膜の作製方法である、請求項に記載の作製方法。
  8. 化学気相蒸着法によるルテニウム含有薄膜の作製方法である、請求項又はに記載の作製方法。
  9. 反応性ガスとして還元性ガスを用いる、請求項のいずれかに記載の作製方法。
  10. ルテニウム含有薄膜が金属ルテニウム薄膜である請求項のいずれかに記載の作製方法。
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