JP6177798B2 - バスエンハンスメントシステム - Google Patents

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Description

関連出願
本出願は、2011年12月27日に出願された米国仮出願番号第61/580、448号の非仮出願であり、その開示はその全体が参照によってここに組み込まれている。
背景
オーディオおよびマルチメディア産業は、再生サウンドの不完全さを克服しようと継続的に努力している。例えば、バスのような低周波数サウンドを適正に再生することは難しいことが多い。低周波数サウンドの出力を改善することへのさまざまな従来のアプローチは、より大きいコーンエリアや、より広いマグネットや、より広いハウジングや、またはより大きいコーン・エクスカージョン能力を有する、より高品質なスピーカの使用を含んでいる。さらに、従来のシステムは、ラウドスピーカを囲っている自由空間の音響インピーダンスにラウドスピーカの音響インピーダンスを一致させる、共振チャンバおよびホーンにより、低周波数サウンドを再生しようと試行してきた。
しかしながら、すべてのオーディオシステムが、低周波数サウンドを再生するために、より高価なまたはより強力なスピーカを単純に使用できるわけではない。例えば、セル電話機スピーカおよび他の消費者電子デバイスのようないくつかのサウンドシステムは、小型のラウドスピーカに依存している。さらに、コストを節約するため、多くのオーディオシステムはあまり正確でないラウドスピーカを使用する。そのようなラウドスピーカは典型的に、低周波数サウンドを適切に再生する能力を有しておらず、それゆえに、サウンドは典型的に、低周波数サウンドをより正確に再生するシステムよりも、さほどロバストではない、またはエンジョイできるものではない。
概要
開示を要約する目的のために、発明の、ある態様、利点、および新規な特徴をここで記述している。ここで開示する発明の任意の特定の実施形態にしたがって、必ずしもすべてのそのような利点が達成できるわけではないことを理解すべきである。したがって、ここで開示する発明は、ここで教示されるまたは提案されるかもしれない他の利点を必ずしも達成することなく、ここで教示される1つの利点または利点のグループを達成するまたは最適化する態様で、具現化してもまたは実行してもよい。
ある実施形態において、バスオーディオをエンハンスするシステムは、1つ以上のプロセッサを有するバスエンハンサを備えている。バスエンハンサは、入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームに少なくとも部分的に基づいて、入力オーディオ信号の1つ以上のバス周波数の高調波を発生させることができる。さらに、スピーカの最も低い再生可能な周波数を含む、入力オーディオ信号中の周波数を強調することができるイコライザをシステムは備えていてもよい。さらに、入力オーディオ信号中の少なくとも低位周波数の帯域に利得を適応的に適用することができるレベルアジャスタをシステムは備えていてもよい。この利得は、入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームに依存していることがある。
先行する段落のシステムはまた、ここで記述されている数ある中で、この段落において記述されている以下の特徴の何らかの組み合わせを備えていてもよい。1つの実施形態において、バスエンハンサは、少なくとも、入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームを決定することと、入力オーディオ信号のうちのおおよそ半分に第2の利得を適用することとにより、高調波を発生させることができる。この第2の利得は入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームより大きくてもよく、それにより、入力オーディオ信号中の1つ以上の基本バス周波数の高調波を発生させてもよい。バスエンハンサは、入力オーディオ信号中の他の周波数に対して1つ以上のバス周波数を強調することができるラウドネスフィルタをさらに備えていてもよい。このラウドネスフィルタは、反転等ラウドネス曲線を入力オーディオ信号に適用することができる。バスエンハンサは、入力オーディオ信号をタップ遅延線によってフィルタリングすることができる初期反射モジュールをさらに備えることができる。タップ遅延線は、バス周波数により再生される反響をシミュレートすることができる。初期反射モジュールは、タップ遅延とタップ遅延線の係数とのうちの1つまたは両方を経時的にランダム化することができる。システムはまた、バスエンハンサの出力を入力オーディオ信号と組み合わせてコンバイナ出力を生成させることができるコンバイナを備えていてもよい。コンバイナは、このコンバイナ出力をイコライザに提供することができる。さらに、レベルアジャスタはまた、入力オーディオ信号中の高周波数の帯域に対するバランスを回復させることができるハイパスシェルビングフィルタを備えることができる。
さまざまな実施形態において、オーディオをエンハンスするための方法は、入力オーディオ信号の第1の周波数の高調波を1つ以上のプロセッサにより発生させて、エンハンスされたオーディオ信号を生成させることと、エンハンスされたオーディオ信号中の第2の周波数を等化フィルタにより強調して、出力オーディオ信号を生成させることと、出力オーディオ信号をスピーカに供給することとを含むことができる。例えば以下で記述するように、第2の周波数はスピーカのスピーカサイズ設定に対応していることがある。
先行する段落の方法はまた、ここで記述されている数ある中で、この段落において記述されている以下の特徴の何らかの組み合わせを含んでいてもよい。例えば、第2の周波数は第1の周波数のうちの少なくともいくつかを含むことができる。第2の周波数はまた、スピーカサイズ設定周りの周波数の帯域を含むことができる。第1の周波数は、バス周波数を含むことができる。高調波を発生させることは、入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームを決定することと、入力オーディオ信号のうちのおおよそ半分に利得を適用することとを含むことができる。利得は入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームより大きくてもよく、それにより、入力オーディオ信号中の1つ以上の基本バス周波数の高調波を発生させてもよい。方法はまた、バス周波数により再生される反響をシミュレートすることができるタップ遅延線により、入力オーディオ信号をフィルタリングすることを含んでいてもよい。方法はまた、タップ遅延とタップ遅延線の係数とのうちの1つまたは両方を経時的にランダム化することを含んでいてもよい。入力オーディオ信号は、2つ以上の入力信号のダウンミックスを含むことができる。2つ以上の入力信号は、左フロント信号と、右フロント信号と、中央信号と、左サラウンド信号と、右サラウンド信号とのうちの2つ以上を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態において、1つ以上のプロセッサにより実行されるときに、バスオーディオをエンハンスするための動作を1つ以上のプロセッサに実現させる、その上に記憶されている命令を、一時的でない物理電子記憶装置は含むことができる。これらの動作は、入力オーディオ信号を受け取ることと、入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームを決定することと、入力オーディオ信号のうちのおおよそ半分に利得を適用して、部分的にクリップされたオーディオ信号を生成させることとを含むことができる。利得は入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームより大きくてもよく、それにより、入力オーディオ信号中の1つ以上のバス周波数の高調波を発生させてもよい。
先行する段落の動作はまた、ここで記述されている数ある中で、この段落において記述されている以下の特徴の何らかの組み合わせを備えていてもよい。例えば、動作は、入力オーディオ信号を部分的にクリップされたオーディオ信号に加えて、組み合わされたオーディオ信号を生成させることと、組み合わされたオーディオ信号中の周波数の帯域を強調することとをさらに含むことができる。周波数の帯域はスピーカサイズ設定に関係付けられていてもよい。動作は、バス周波数により再生される反響をシミュレートすることができるタップ遅延線により、入力オーディオ信号をフィルタリングすることをさらに含んでいてもよい。動作は、タップ遅延とタップ遅延線の係数とのうちの1つまたは両方を経時的にランダム化することをさらに含んでいてもよい。さらに、一時的でない物理電子記憶装置は、1つ以上のプロセッサ、メモリ、および/または他のコンピュータハードウェアコンポーネントと組み合わせることができる。
バスオーディオをエンハンスするシステムのさまざまな実施形態は、1つ以上のプロセッサを備えることができ、1つ以上のプロセッサは、ユーザにより入力されるスピーカサイズ設定にアクセスでき、スピーカサイズ設定に少なくとも部分的に基づいてバスエンハンスメントの複数のバスエンハンスメントパラメータを構成することができ、バスエンハンスメントパラメータを使用してバスエンハンスメントをオーディオ入力信号に適用して、オーディオ入力信号のバス周波数をエンハンスすることができる。
先行する段落のシステムはまた、ここで記述されている数ある中で、この段落において記述されている以下の特徴の何らかの組み合わせを備えていてもよい。例えば、バスエンハンスメントパラメータは、カットオフ周波数と、利得と、帯域幅とのうちの1つ以上を含むことができる。バスエンハンスメントパラメータはまた、スピーカサイズ設定より上の周波数を減衰させることができるローパスフィルタのカットオフ周波数を含むことができる。バスエンハンスメントパラメータはまた、オーディオ入力信号中の周波数の帯域を強調することができる等化フィルタの帯域幅を含むことができる。
図面を通して、参照されるエレメントの間の対応を示すために参照番号は再使用されるかもしれない。図面は、発明の範囲を制限するためではなく、ここで記述する発明の実施形態を図示するために提供されるものである。
図1は、バスエンハンスメントシステムの実施形態を図示している。 図2は、図1のバスエンハンスメントシステムにより実現することができるバスエンハンサの実施形態を図示している。 図3は、図1のバスエンハンスメントシステムにより実現することができるイコライザの実施形態を図示している。 図4は、図1のバスエンハンスメントシステムにより実現することができるレベルアジャスタの実施形態を図示している。 図5は、ラウドネスフィルタの例示的な周波数応答プロットを図示している。 図6は、バスエンハンスメントシステムの他の実施形態を図示している。 図7は、ダウンミックスバスエンハンスメントシステムの実施形態を図示している。 図8は、ここで記述しているバスエンハンスメントシステムのうちの何らかの実施形態に関係する例示的な出力プロットを図示している。 図9は、ここで記述しているバスエンハンスメントシステムのうちの何らかの実施形態に関係する例示的な出力プロットを図示している。 図10は、ここで記述しているバスエンハンスメントシステムのうちの何らかの実施形態に関係する例示的な出力プロットを図示している。 図11は、ここで記述しているバスエンハンスメントシステムのうちの何らかの実施形態に関係する例示的な出力プロットを図示している。 図12は、ここで記述しているバスエンハンスメントシステムのうちの何らかの実施形態に関係する例示的な出力プロットを図示している。 図13は、ここで記述しているバスエンハンスメントシステムのうちの何らかの実施形態に関係する例示的な出力プロットを図示している。 図14は、ここで記述しているバスエンハンスメントシステムのうちの何らかの実施形態に関係する例示的な出力プロットを図示している。 図15は、ここで記述しているバスエンハンスメントシステムのうちの何らかの実施形態に関係する例示的な出力プロットを図示している。 図16は、ここで記述しているバスエンハンスメントシステムのうちの何らかの実施形態に関係する例示的な出力プロットを図示している。 図17は、ここで記述しているバスエンハンスメントシステムのうちの何らかの実施形態に関係する例示的な出力プロットを図示している。 図18は、ここで記述しているバスエンハンスメントシステムのうちの何らかの実施形態に関係する例示的な出力プロットを図示している。 図19は、ここで記述しているバスエンハンスメントシステムのうちの何らかの実施形態に関係する例示的な出力プロットを図示している。 図20は、ここで記述しているバスエンハンスメントシステムのうちの何らかにより実現することができる例示的な利得曲線を図示している。 図21A、21Bは、初期反射フィルタに関係する例示的な時間ドメインプロットを図示している。 図22は、2つの等化フィルタの並列の適用を、同一のフィルタの直列の適用と対照させている例示的なプロットを図示している。 図23は、ここで記述しているバスエンハンスメントシステムのうちの何らかの設定を調節する例示的なユーザインターフェースを図示している。 図24は、ここで記述しているバスエンハンスメントシステムのうちの何らかの設定を調節する例示的なユーザインターフェースを図示している。
詳細な説明
いくつかのオーディオシステムは、信号をラウドスピーカに入力するより前に低周波数信号を増幅することによって、低周波数サウンドの乏しい再生を補償するように試行する。低周波数信号を増幅することは、より多量のエネルギーをラウドスピーカに送り出す。これは次に、より多くの力によりラウドスピーカを駆動させる。しかしながら、低周波数信号を増幅するこのような試行は、結果としてラウドスピーカを過剰駆動させることがある。不運なことに、ラウドスピーカを過剰駆動させることは、バックグラウンドノイズを増加させて、ディストラクティング歪みをもたらし、ラウドスピーカを損傷させることがある。
この開示は、比較的小型のスピーカを含むスピーカに対してエンハンスされたバスエフェクトを提供することができる、バスエンハンスメントシステムの実施形態を記述している。バスエンハンスメントシステムは、1つ以上のバスエンハンスメントを入力オーディオ信号に適用することができる。例えば、ある実施形態では、人間の耳がどのように低周波数サウンドの倍音および高調波を処理して、実在していない(または減衰された)低周波数サウンドがラウドスピーカから発されているという知覚を生じさせるかを、バスエンハンスメントシステムは活用することができる。1つの実施形態において、バスエンハンスメントシステムは少なくともいくつかの低周波基本周波数の高調波を発生させることができる。低周波基本周波数の少なくともいくつかの高調波のプレーバックは、低周波基本周波数のプレーバックをリスナーに知覚させることができる。有利なことに、ある実施形態において、バスエンハンスメントシステムは、基本周波数を識別するために、処理強化ピッチ検出技術またはこれに類するものを実行することなく、これらの高調波を発生させることができる。
ここで記述しているバスエンハンスメントシステムは、任意のコンピューティングデバイスまたは1つ以上のプロセッサを有するデバイスにおいて、実現することができる。それらのデバイスのいくつかの例は、数個挙げてみると、セル電話機と、スマートホンと、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)と、タブレットと、ミニタブレットコンピュータと、ラップトップコンピュータと、デスクトップコンピュータと、テレビと、デジタルビデオレコーダ(DVR)と、セットトップボックスと、メディアサーバと、オーディオ/ビジュアル受信機と、ビデオゲームシステムと、(ブルーレイ(登録商標)プレーヤーのような)高精細ディスクプレーヤと、サウンドバーと、ビークルオーディオシステムとを含んでいる。
I.バスエンハンスメントシステム概観
図1は、バスエンハンスメントシステム100の例示的な実施形態を図示している。低周波数を再生することができないかもしれない、または、そのような周波数の再生が乏しい、小型のスピーカを有するデバイスにおいて、バスをエンハンスするためにバスエンハンスメントシステム100を使用することができる。いくつかの実施形態においては、バス周波数を再生することができるスピーカを含む任意のスピーカにより再生されるバス応答をエンハンスするためにも、バスエンハンスメントシステム100は使用することができる。
バスエンハンスメントシステム100は、1つ以上のプロセッサのような、電子またはコンピューティングハードウェアにより実現することができる。そのようなハードウェアの例は以下で記述する。さらに、バスエンハンスメントシステム100は、ソフトウェアまたはファームウェア中で、ハードウェアとソフトウェア/ファームウェアとの組み合わせにおいて、実現することができる。例えば、図1および後続の図において示されるブロックは、ソフトウェアや、ファームウェアや、デジタルまたはアナログハードウェアや、これらの組み合わせや、あるいは、これらに類するものを表すことができる。
図示している実施形態において、バスエンハンスメントシステム100は、バスエンハンサ110と、イコライザ120と、レベルアジャスタ130とを備えている。バスエンハンサ110は、1つ以上のプロセッサを備えていてもよい。入力オーディオ信号はバスエンハンスメントシステム100により受け取られて、バスエンハンサ110とイコライザ120とに提供される。この入力オーディオ信号は、1、2、またはそれ以上の数のオーディオのチャネルを有することができる。例えば、入力オーディオ信号は、ペアのステレオ信号や、サラウンドサウンド信号(例えば、5.1、6.1、7.1等)や、サークルサラウンドエンコードオーディオ信号または他の行列エンコードオーディオや、あるいはこれらに類するものを含むことができる。入力オーディオ信号は、ネットワークを通して受信されるストリーミングオーディオや、または(CD、DVD、ブルーレイディスク、ハードドライブ、またはこれらに類するもののような)一時的でないコンピュータ読み取り可能記憶媒体において記憶されているオーディオとすることができる。しかしながら、図示の簡略化のために、バスエンハンスメントシステム100は、主に単一のオーディオ信号(例えば、単一チャネル)の状況で記述する。特に注意している場合を除いて、ここで記述している特徴は、複数のチャネルに対しても同様に実現することができることを理解すべきである。
図1を継続して参照すると、バスエンハンサ110により受け取られた入力オーディオ信号は、バスエンハンスされたオーディオ信号を生成するように処理される。バスエンハンサ110は、さまざまなバスエンハンスメントのうちの任意のものを適用することができる。例えば、ある実施形態では、人間の耳がどのように低周波数サウンドの倍音および高調波を処理して、実在していない(または減衰された)低周波数サウンドがラウドスピーカから発されているという知覚を生じさせるかを、バスエンハンサ110は活用することができる。1つの実施形態において、バスエンハンサ110は少なくともいくつかの低周波基本周波数の高調波を発生させることができる。低周波基本周波数の少なくともいくつかの高調波のプレーバックは、低周波基本周波数のプレーバックをリスナーに知覚させることができる。有利なことに、以下でより詳細に記述するように(図2参照)、バスエンハンサ110は、基本周波数を識別するために、処理強化ピッチ検出技術またはこれに類するものを実行することなく、これらの高調波を発生させることができる。
高調波発生を実行することに加えて、または、高調波発生を実行する代わりに、いくつかの実施形態においては、バスエンハンサ110はバス周波数の初期反射または反響を発生させるまたはシミュレートする。そのような初期反射は、バスサウンドにより生じる壁からの実際の反射をシミュレートすることができる。初期反射のプレーバックは、より深いまたはより豊かなバスコンテンツの知覚を生じさせることができる。初期反射は、以下で図2に関してより詳細に記述する。その上、これらの技術のうちの何らかのものに加えて、またはこれらの技術のうちの何らかのものの代わりに、バスエンハンサ110はまた、反転ラウドネス曲線フィルタを少なくともバス周波数に適用することにより、バス周波数のラウドネスを増加させることができる。
イコライザ120もまた入力信号を受け取る。いくつかの実施形態において、イコライザ120は、スピーカの再生可能下限周りの低周波数の領域中の周波数を強調する。典型的なスピーカ(または、筐体と一緒のスピーカ)は、スピーカのサイズに関連している、低位カットオフ周波数を有しており、そのカットオフ周波数より下ではスピーカは可聴サウンドを生成しない(または減衰されたオーディオを生成する)。イコライザ120は、この低位カットオフ周波数近傍の周波数を強調させて、それによりバスエンハンスメントの知覚を増加させることができる。いくつかの実施形態において、以下でより詳細に記述するように、このカットオフ周波数は−3dBカットオフ周波数以外であって、発見的に検出されるかもしれない。イコライザ120への入力からイコライザ120の出力への、またはそこの何らかの部分の、シグナルパスは、ここでは、ときには一時利得パスと呼ぶ。
いくつかの実施形態において、イコライザ120はまた、バスエンハンサ110からの入力を受け取る。イコライザ120は、合計ブロック112においてバスエンハンサ110の出力と合計される出力を提供して、組み合わされたバスエンハンス信号を生成させることができる。図示している実施形態において、合計ブロック112の出力はレベルアジャスタ130に提供される。数ある要因の中で、オーディオ信号中の経時的に変化しているヘッドルームに動的に対処するために、レベルアジャスタ130は、組み合わされたバスエンハンス信号に適用される1つ以上の利得を適応的に調節することができる。例えば、レベルアジャスタ130は、オーディオ信号の利得を増加させることおよび/または減少させることにより、バスエンハンサ110および/またはイコライザ120により実行されたヘッドルームに関連する利得操作を少なくとも部分的に動的に補償することができる。レベルアジャスタは、以下で図4に関してより詳細に記述する。いくつかの実施形態において、バスエンハンスメントシステムの恩恵のうちの少なくともいくつかを提供したまま、バスエンハンサ110や、イコライザ120や、またはレベルアジャスタ130は、バスエンハンスメントシステム100から省略することができることに留意すべきである。示したバスエンハンスメントシステム100への追加の例示的な修正は、以下で図6および7に関して記述する。
図2は、上述したバスエンハンサ110のより詳細な実施形態、すなわちバスエンハンサ210を図示している。バスエンハンサ210は、上述したバスエンハンサ210のいくつかまたはすべての機能性とともに、示される追加の機能性を有することができる。図2において示す特徴の任意のサブセットが、バスエンハンサ210の実施形態に含まれていてもよい。追加の特徴もまた、バスエンハンサ210のいくつかの実施形態に含まれていてもよい。
バスエンハンサ210は上述した入力オーディオ信号を受け取る。図示した実施形態において、この入力オーディオ信号はローパスフィルタ(LPF)212に提供される。LPF212は、低周波数を通過させることができ、カットオフ周波数(Fc)より上の周波数を減衰させることができる。このカットオフ周波数はスピーカサイズ設定に依存するようにでき、スピーカサイズ設定はスピーカのカットオフ周波数を表すことができる。しかしながら他の実施形態において、カットオフ周波数はユーザが調節可能であり、必ずしもスピーカサイズに依存しない。ローパスフィルタを入力周波数に適用することは、中央周波数信号または高周波数信号よりもむしろ、低周波数信号の高調波を発生させることを促進することができる(以下で記述するブロック214参照)。中央周波数レンジまたは高周波数レンジ中の高調波は、不要なノイズとして知覚されることがある。
ある実施形態において、スピーカサイズ設定は、スピーカの実際のカットオフ周波数(またはスピーカの周波数応答)に関連するようにできる、または実際にスピーカの真のカットオフ周波数であるかもしれない。例えば、スピーカサイズ設定は、−3dBまたは−6dB応答や、あるいは半分の電力応答や、あるいはこれに類するものをスピーカが有するような周波数とすることができる。しかしながら、(テレビ中のように)その筐体中にインストールされているスピーカによってスピーカサイズ設定は測定することができることから、スピーカサイズ設定はまた、スピーカそれ自体のカットオフ周波数とは異なる周波数とすることができる。スピーカがどのようなキャビネットまたは筐体中にあるのかによりスピーカの周波数応答は影響を受けるかもしれず、したがって、いくつかの実施形態において、スピーカサイズ設定はスピーカの筐体の影響を考慮に入れることがある。
スピーカサイズ設定は、プロセッサにより自動的に、あるいはフィールドエンジニアまたは他のオーディオ専門家により手動で測定することができる。フィールドエンジニアは、所定のスピーカまたは(例えば、テレビ中の)1セットのスピーカに対する、スピーカサイズ設定を、以下のようなプロセスを使用して発見的に確立することができる。異なるスピーカサイズ設定間でのバスエンハンスメントの相違のより簡単なリスニング弁別を促進するために、まず、フィールドエンジニアはオプション的にバスエンハンスメントシステム100を調節して、最大または高レベルのバスエンハンスメントを提供することができる。その後、フィールドエンジニアは、バスエンハンスメントの質とバスエンハンスメントの量との間のバランスが達成されるまで、スピーカサイズ設定を調節することができる。いくつかの実施形態において、スピーカサイズ設定が高くなればなるほど、バスエンハンスメント量はより増加するかもしれない。しかしながら、トレードオフは、スピーカサイズが増加するにつれて、バスエンハンスメントサウンドの質が低下するかもしれないということである。したがって、フィールドエンジニアは、質と量との間の良好なバランスが見つかるまで、スピーカサイズを設定するかもしれない。そのようにするための1つのオプションは、低いスピーカサイズ設定で開始して、バスエフェクトを評価するためにさまざまな異なるテストトラックをオプション的に使用しながら、より多くのバスがフィールドエンジニアに聞こえるまで、スピーカサイズを増加させることである。以下で図23および24に関して記述するユーザインターフェースのようなユーザインターフェースをフィールドエンジニアは利用して、バスエンハンスメントシステムを実現するテレビまたは他のデバイス中でバスエンハンスメントシステムを調整することができる。1つの実施形態において、「オーディオ調節システム」というタイトルの2012年8月22日に出願された米国特許出願番号第13/592,182号において記述されている技術を使用して、フィールドエンジニアは、バスエンハンスメントシステムを実現しているデバイスにバスエンハンスメント設定の変更を通信することができ、その開示は、その全体が参照によってここに組み込まれている。
図2を継続して参照すると、図示した実施形態において、LPF212は高調波ジェネレータ214に出力信号を提供し、また、イコライザ120によりオプション的に使用されるかもしれない別個の出力信号としても出力信号を提供する(図3参照)。ある実施形態において、高調波ジェネレータ214は、ローパスフィルタリングされた信号中の周波数のうちの少なくともいくつかの高調波を発生させる。有利なことに、ピッチまたは基本周波数を検出するための複雑なアルゴリズムを使用することなく、高調波ジェネレータ214はこれらの高調波を発生させることができる。1つの実施形態において、オーディオ信号の少なくとも一部分をクリップすることにより、高調波ジェネレータ214は高調波を発生させる。オーディオ信号の正のレールと負のレールとの両方をクリップして、その後に信号を整流して高調波を発生させる、いくつかのアルゴリズムとは違い、1つの実施形態において、高調波ジェネレータ214は信号のうちの半分をクリップする。例えば、高調波ジェネレータ214は、負のピークは手をつけないままで、オーディオ信号中の正のピークをクリップすることができる(または、代わりに負のピークのみをクリップする)。正のピークのみ(または、負のピークのみ)をクリップすることは、奇数次高調波と偶数次高調波の両方を引き起こすことができる。一方で、正と負のピークの両方をクリップすることは、奇数次高調波のみの結果になることがある(整流はその後、完全にクリップされた信号から偶数次高調波を生じさせるために使用されることが多い)。信号の半分をクリップして、その後に信号を整流しなければならないことを回避することにより、いくつかの例においては、実行される処理がより少なくなる。ある実施形態では、基本周波数は、信号中に保持される。
高調波ジェネレータ214の実施形態により使用することができる、信号をクリップすることへの1つの有利なアプローチは、信号中の利用可能なヘッドルームに基づいて信号をクリップすることである。例えば、1つの実施形態において、高調波ジェネレータ214は、どれだけのヘッドルームを信号が有しているかを算出して、利用可能なヘッドルームより大きな対応する利得を正のサンプルに適用してクリッピングを引き起こす。このことは、入力信号周波数のうちの少なくともいくつかの高調波を生じさせる。その後、高調波ジェネレータ214は、この利得の逆数を正のサンプルに適用して、(現在、それらがクリップされているということを除いて)サンプルをそれらの以前のレベルに戻すことができる。クリッピングを生成させるために使用する利得を、利用可能なヘッドルームに基づき動的に調節することができるため、利用可能なヘッドルームを使用してクリッピングを決定することは有利である。したがって、利用可能なヘッドルームに基づくこの動的な解析により、入力信号のレベルにかかわらず、高調波ジェネレータ214は依然としてクリッピングを引き起こすことができる。
クリッピングを引き起こすために適用される利得の量は、事前に設定された量であってもよいし、および/または(例えば、フィールドアプリケーションエンジニア、製造者、エンドユーザ、または、これに類する者による)ユーザ規定されたものであってもよい。1つの実施形態において、信号をフルスケールよりおよそ30パーセント大きく(例えば、0dBよりおよそ30パーセント大きく)増幅させようと試行するように、利得の値を選択することができる。例えば、高調波ジェネレータ214は、(例えば、サンプルの所定のブロックにおいて、−10dBで信号がピークとなると決定することにより)信号中で10dBのヘッドルームが利用可能であると算出するかもしれない。その後、高調波ジェネレータ214は、利用可能なヘッドルームよりおよそ30パーセント多い利得、すなわち13dBを信号に適用して、クリッピングを引き起こすことができる。フルスケールより10パーセント上や、フルスケールより20パーセント上や、または他の何らかの値のような、他の値を利得に対して選択することができる。この利得(「高調波クリップ定数」)を調節するためのユーザ調節可能な制御は、以下で図24に関して記述する。
高調波発生へのこの半波クリッピングアプローチの1つの有益な副産物は、高調波ジェネレータ214はまた、信号の半分のクリッピングを介して適用される非線形歪みの副作用として分周波を発生させるかもしれないことである。これらの分周波は、複数のトーンから生じる高調波の相互変調により発生されることがあり、結果としてより豊かなバスサウンドとなる。
図示した実施形態において、高調波ジェネレータ214の出力はラウドネスフィルタ216に提供される。ラウドネスフィルタ216は、オーディオ信号中の低周波数のラウドネスを増加させるように、反転等ラウドネス曲線フィルタを高調波ジェネレータ214の出力に適用することができる。そのようなラウドネスフィルタ216の例示的な周波数応答が図5に示されている。図に示されているように、フィルタの大きさ応答は、(正規化周波数スケールで示されている)高位周波数に対して低位周波数を強調する。実際、いくつかの実施形態においては、ラウドネスフィルタ216は、高調波ジェネレータ214により発生される高調波および分周波を含む、スピーカサイズ設定よりも低い周波数と高い周波数の両方を強調するとともに、オプション的に基本バス周波数を強調する。上述したように、スピーカサイズ設定より低い周波数はスピーカにより再生不可能であるかもしれない、または減衰されたレベルにおいてスピーカにより再生可能であるかもしれない。したがって、これらの周波数を強調することは、直観に反しているかもしれない。しかしながら、そのようにすることで、いくつかの実施形態において、少なくとも何らかの付加的なバスエフェクトを取得することができる。(フィールドアプリケーションエンジニア、製造者、またはエンドユーザのような)ユーザによりラウドネスフィルタ216の利得を制御するために、示しているように、拡張バス制御を受けさせることができる。1つの実施形態では、いくつかの実施形態においてある目立つ歪み(または有意の目立つ歪み)なしで、最大のまたはもっとも大きな可能性あるバス利得を取得するために、拡張バス制御を調整することができる。以下で図3に関してより詳細に記述するように、バスをさらにエンハンスするために、拡張バス制御をイコライザ120においても適用することができる。代替的な実施形態において、スピーカサイズ設定における周波数や、スピーカサイズ設定周りの周波数や、またはスピーカサイズ設定より上(例えば、ちょうど上)の周波数を強調するために、ラウドネスフィルタ216をオフセットにさせることができる。
反転等ラウドネスフィルタは、等ラウドネス曲線に基づいて、あるいは、A重み付け曲線や、C重み付け曲線や、または他の等ラウドネス重み付け曲線のような、それへの近似曲線に基づいて、重み付けを実現することができる。1つの実施形態において、等ラウドネスフィルタ216は、2011年3月に公開されたITU−R勧告BS.1770−2、「オーディオプログラムラウドネスおよび真のピークオーディオレベルを測定するアルゴリズム」に記述されたフィルタのうちの1つ以上の反転されたバージョンであり、その開示はその全体が参照によってここに組み込まれている。他の実施形態において、ラウドネスフィルタ216は、「オーディオ信号の知覚ラウドネスを調節するシステム」というタイトルの2008年12月19日に出願された米国特許第8,315,398号に記述された、例示的な曲線またはフィルタのうちの何らかからの、等ラウドネスフィルタ(またはそれの反転されたバージョン、または等ラウドネスフィルタに基づく重み付けされた曲線)を実現し、その開示はその全体が参照によってここに組み込まれている。実施形態において、バスエンハンサ210は、追加のクリッピングを回避するように、利用可能なヘッドルームに基づいて、および/または、バスエンハンスメントシステム100を実現しているデバイスの他の特性に基づいて、ラウドネスフィルタ216の大きさを設定する。
図示した実施形態における別個の処理チェーンにおいて、入力オーディオ信号はまた、初期反射ローパスフィルタ222および初期反射モジュール224に提供される。初期反射ローパスフィルタ(LPF)222は、LPF212と同一のカットオフ周波数を有するようにできる。したがって、いくつかの実施形態において、LPF222を取り除くことができ、LPF212の出力を初期反射モジュール224に直接提供できる。しかしながら、いくつかの実施形態において、LPF222は代わりに異なるカットオフ周波数を有するようにでき、そのカットオフ周波数はスピーカサイズ設定に依存してもよいし、または依存していなくてもよい。別個のLPF222を有することは、バスエンハンスメント性能を調節する際の柔軟性を提供することができる。
LPF222(またはLPF212)の出力は、初期反射モジュール224に提供される。ある実施形態において、初期反射モジュール224は信号を処理し、スピーカを部屋の中央とは対照的に壁の近傍に配置するエフェクトをエミュレートすることによって、低周波数信号がより広がりをもって聞こえるようにすることができる。この広がりを持つエフェクトは、バス応答において、音量をまたは音量の知覚をエンハンスすることができる。初期反射モジュール224は、少なくともタップ遅延線を用いて信号中に1つ以上の遅延を生じさせることにより、このエフェクトを遂行することができる。例えば、タップ遅延線は、1、2、3、4、またはそれより多い数の遅延を有することができる。1つの実施形態において、4つの遅延タップは、特に恩恵のあるエフェクトを有することができる。タップ係数は、単一の利得または(単一より小さいような)単一以外の何らかの利得を有することができる。インパルス関数と対応する初期反射とを示している時間ドメインプロット2100、2110がそれぞれ、図21Aおよび21Bの時間ドメインプロットにおいて示されている。図21Bの例示的なプロット2110において、図21Aのプロット2100からのインパルスが、時間的に4つの反射2112とともに再生されていることに留意すべきであり、それらは減衰されており、ほぼインパルスの負のバージョンである。
有利なことに、1つの実施形態において、初期反射モジュール224は、タップ点および/またはタップ係数(例えばタップ利得)を少なくとも部分的にランダム化することにより、反射の知覚をさらにエンハンスする。1つの実施形態において、タップ遅延は、およそ2msからおよそ48msまでの遅延に及んでおり、初期反射モジュール224は、これらの遅延を経時的にランダムに調節する。例えば、初期反射モジュール224は、経時的にタップ点をランダム化(例えば、ゆっくりに)して、部屋中の異なる物体からの、オーディオ信号の反射をシミュレートすることができる。初期反射モジュール224はまた、左チャネルと右チャネルと(ならびに/あるいは、左サラウンドチャネルと右サラウンドチャネルと)に関して異なってタップおよび/または係数をランダム化して、リスナーの耳における異なる到着時間をシミュレートできる。したがって、初期反射モジュール224は、リスニング環境で生じることが多い、他の波が破壊的に干渉している一方で、建設的に干渉しているバスサウンド波の発生をシミュレートできる。初期反射はまた、モノスピーカによっても、同一のまたは類似の恩恵を持って使用することができる。
例として、初期反射モジュール224が4つのタップを有する初期反射フィルタを実現する場合、最初のタップ遅延は、(例えば、各チャネルに対して)以下のようにすることができる。2ms(タップ1)、8.33ms(タップ2)、25ms(タップ3)、および48ms(タップ4)。タップは異なるレンジ内でランダムに変化させることができる。例えば、タップ1はおよそ1msからおよそ3.125msまでのレンジにおいて変化させることができ、タップ2はおよそ6.25msからおよそ10.4msまでのレンジにおいて変化させることができ、タップ3はおよそ20.8msから29.1msまでのレンジにおいて変化させることができ、タップ4はおよそ45msからおよそ50msまでのレンジにおいて変化させることができる。ランダム化の方向もランダムであってもよく、そのため、遅延が増加するタップもある一方で、遅延が減少するタップもある。
タップへの変化が生じるたびに、タップは正または負のいずれの方向にランダムに変化しても(または同一にとどまっても)よく、いくつかの実施形態においては、限界(最大値または最小値)に到達するまでタップへの変化が生じるたびに、タップのうちのいくつかはランダム量を増加させる一方で、タップのうちのいくつかはランダム量を減少させる。タップが(上述したレンジのような)それらのレンジの限界に到達するとき、次のランダムな増加または減少は反対の方向に折り返すことができる。例として、タップ2を考えてみる。最初は、8.33msに設定されているかもしれない。その後、最大値(上の例示的なレンジにおいては、10.4ms)に到達するまで、ランダム量(または、ランダム化を用いる必要はなく、1つの実施形態においては線形量)ずつ増加し始めるかもしれない。いったん、最大値に到達すると、タップの値は折り返すことができる。折り返し点は、タップレンジの中心(およそ8.33ms)に設定することができ、その後、最小値に到達するまで、反対方向に進み始めるかもしれない。したがって、10.4msの最大値に到達した後に、タップ2はおよそ8.33msに再設定されるかもしれず、その後、およそ6.25msまで減少し続ける。代替的に、折り返し点は最小値(または最大値)に設定することができ、その後、再び増加(または減少)し始める。さらに、4つのタップは、反対の方向に動くように初期設定することができ、それゆえ、それらの上端に向かって動いているものもあるであろうし、それらの下端に向かって動いているものもあるであろう。
1つの実施形態において、ランダム化はブロックごとのベースで生じ、そのため、オーディオ信号のサンプルのブロックごとに、初期反射モジュール224はタップ遅延値および/またはタップ係数値を変化させる。例えば、ブロックサイズが48kHzで256サンプルである場合、初期反射モジュール224は、およそ5.33msごとにタップ遅延をランダム化することができる。しかしながら、ランダム化の頻度はより低くする(例えば、1つのブロックおき、3つのブロックごと等)こともできるし、または、より高くする(例えば、サンプルの1ブロック当たり複数回ランダム化する)こともできる。ランダム化はまた、ブロックサイズにしたがう必要はない。さらに、ランダム化の頻度それ自体を変化させることができる。
図示した実施形態において、初期反射モジュール224の出力は乗算器ブロックに提供され、乗算器ブロックは利得設定「ER混合」により出力を乗算する。ER混合は、ユーザ(例えば、リスナーまたはフィールドエンジニア)により設定される初期反射混合、または、システム規定されたものであるようにでき、ER混合はラウドネスフィルタ216の出力と組み合わされる初期反射の量を制御することができる。図示した実施形態において、対応する1−ER混合利得値がラウドネスフィルタ216の出力に適用されて、この出力は合計ブロック232において、利得乗算された初期反射出力の出力と組み合わされる。ER混合利得値および1−ER混合利得値は、出力オーディオ中のウェット/ドライ混合を制御するために使用することができる。初期反射からのより多くの反響(例えば、ウェットサウンド)はより高いER混合利得によって選択することができる一方で、あまり反響しない信号の多く(例えば、ドライサウンド)はより低いER混合利得によって選択することができる。
したがって、乗算器ブロックおよび合計ブロック232は、ラウドネスフィルタ216の出力と初期反射モジュール224の出力とのコンベックス組み合わせを実現することができ、そのため、初期反射モジュール224出力に適用される利得がより大きくなることは、ラウドネスフィルタ216出力に適用される利得が小さくなるという結果になり、逆もまた同じである。ここで記述される中でも、これらの利得はユーザにより調節することができ、ユーザは、バスエンハンスメントシステム110を組み込んでいるデバイスの製造者またはベンダや、フィールドエンジニアや、あるいは、そのようなデバイスまたはソフトウェアのエンドユーザであってもよい。例えば、他の利得「C」が合計ブロック232の出力に適用される。この利得は、以下で記述する、イコライザ120(図3参照)の出力とのコンベックス組み合わせを形成する。
図示した実施形態において、オプション的な高調波テールローパスフィルタ(LPF)242も提供されている。高調波テールLPF242は、バスエンハンサ210により出力される高調波の量を制御することができる。高調波テールLPF242は、より高次の高調波をフィルタアウトすることができ、スピーカサイズに依存するカットオフ周波数を有していてもよい。1つの実施形態において、高調波テールLPF242は、バスエンハンスメントシステム110が適用されるスピーカのカットオフ周波数と同一またはより高いカットオフ周波数を有する。1つの実施形態において、このカットオフ周波数のデフォルト値は、スピーカサイズ設定のおよそ3倍や、またはスピーカサイズ設定のおよそ2〜4倍にすることができる。バスエンハンスメントシステム100の他の多くのパラメータのように、このカットオフ周波数はユーザが制御可能、または、そうでない場合には調節可能にすることができる。このカットオフ周波数のより高い値は、より多くの高調波を加えることができ、結果として、より豊かではあるが潜在的により歪んだサウンドとなる。同様に、このカットオフ周波数のより低い値は、結果として、よりクリアではあるがあまり豊かでないサウンドにすることができる。高調波テールLPF242の出力はバス出力である。
バスエンハンサ210はある機能性を実現するとして記述しているが、いくつかの実施形態においてバスエンハンサ210の態様を省略することができることは理解すべきである。例えば、初期反射モジュール224および関係するローパスフィルタ222を省略してもよく、またはラウドネスフィルタ216を省略してもよく、または高調波テールLPF242を省略してもよい、などである。結果としてバスエンハンスメントのいくらかの損失になるかもしれないが、残りのコンポーネントから得られるバスエンハンスメントは依然として恩恵のあるものであるかもしれない。さらに、初期反射モジュール224、および/または、バスエンハンサ210の他のコンポーネントは、高調波を発生させるために使用されるアルゴリズムとは独立して実現することができることに留意すべきである。例えば、信号全体をクリップして整流を実行することや、単一のサイドバンド変調を使用することや、周波数ドメインにおける高調波の発生や、他の技術や、あるいはこれらの技術または他の技術の組み合わせによるような、記述したアルゴリズム以外のアルゴリズムを使用して、高調波ジェネレータ214は高調波を発生させることができる。初期反射、またはバスエンハンサ210の他の態様は、このような高調波発生技術と組み合わせて、バスエンハンスメントを生成させることができる。
図3は、イコライザ320の実施形態を図示している。イコライザ320は、イコライザ120のより詳細な実施形態を表している。したがって、イコライザ320は、上述したイコライザ120のいくつかまたはすべての機能性を有することができる。イコライザ320は、ハードウェアおよび/またはソフトウェア中で実現することができる。
イコライザ320は、図1に関して上述した入力オーディオ信号を受け取る。この入力オーディオ信号は乗算器ブロックにより受け取られ、乗算器ブロックは入力信号を1/一時利得の値で乗算して、後続する、信号への一時利得の適用のために、確実に十分なヘッドルームが利用可能となるようにしようと試行する。この乗算器ブロックの出力は等化フィルタブロック312に提供され、等化フィルタブロック312は1つ以上の等化フィルタを実現することができる。これらの等化フィルタ312は、パラメトリック等化フィルタや、セミパラメトリック等化フィルタや、または他のタイプの等化フィルタや、または単純に1つ以上のバンドパスフィルタにすることができる。等化フィルタは一般的に、中心周波数と、利得と、帯域幅と、ロールオフ(または傾き)とにわたる制御のような、1つ以上のパラメータにわたる制御が可能にされるバンドパスフィルタであってもよい。等化フィルタ312は、スピーカサイズ設定近傍の周波数領域や、スピーカサイズ設定周りの周波数領域や、スピーカサイズ設定より大きい周波数領域や、および/またはスピーカサイズ設定より小さい周波数領域を強調して、スピーカの最も低い(または、ほぼ最も低い)再生可能な周波数をエンハンスすることができる。ここで使用する「最も低い再生可能な周波数」という用語は、通常の意味を有しているのに加えて、スピーカのスピーカサイズ設定周りの周波数や、またはスピーカサイズ設定より上の帯域中の周波数を指すこともでき、この設定はここの他の箇所で説明している。例えば、スピーカに関係する最も低い再生可能な周波数は、半分の電力またはそれより大きい電力でスピーカによって再生可能な周波数や、あるいは、ピーク再生可能周波数から−3dB(または−6dB)の電力またはそれより大きい電力でスピーカによって再生可能な周波数や、あるいは、これに類するものを含むことができる。したがって、等化フィルタ312は、スピーカサイズ設定である中心周波数または(予め規定された量だけ、スピーカサイズ設定からオフセットされているような)スピーカサイズ設定に基づく中心周波数を有するバンドパスフィルタとすることができる。
スピーカサイズ設定に基づく中心周波数を有することに加えて、等化フィルタ312はスピーカサイズ設定に依存する帯域幅を有することもできる。一般的に、スピーカサイズが増加する(ボーカルレンジの周波数に到達できる)につれて、フィルタの帯域幅はより小さくなるかもしれなく、そのため、周波数の中央レンジ中の、ボーカルまたはコンテンツとの干渉は最小化されるまたは減少される。したがって、より低いスピーカサイズ設定を有するより大きなスピーカは、より広い相対的な帯域幅の等化フィルタ312を有するかもしれなく、より高いスピーカサイズ設定を有するより小さなスピーカは、より狭い相対的な帯域幅の等化フィルタ312を有するかもしれない。加えて、等化フィルタの帯域幅がスピーカサイズ設定に依存するようにできるため、等化フィルタ312のQファクタはスピーカサイズ設定に依存するようにできる。より高いスピーカサイズ設定に基づく中心周波数を有する等化フィルタ312は、より低い中心周波数を有するフィルタ312よりも、高いQファクタを有するようにできる。より高い中心のフィルタ312のより高いQファクタは、より低い中心のフィルタ312と比較してより高い中心のフィルタ312が有することがある、ボーカルレンジへのより大きな影響を減少させる目的を遂行することができる。1つの例として、スピーカサイズが80Hzに設定されているとき、対応する帯域幅はそれぞれ、94Hzと114Hzとすることができる。スピーカサイズが250Hzに設定されているとき、対応する帯域幅はそれぞれ、249Hzと383Hzとすることができる。
さらに、実施形態において適用される2つのフィルタのうちの第1のフィルタ(あるいは等化フィルタ312のうちの2つ以上またはすべて)の帯域幅および/または利得は、ラウドネスフィルタ216に関して上述した拡張バス制御により制御してもよい。上述した拡張バス制御の増加されたサイズは、ラウドネスフィルタ216の利得を増加させることに加えて、等化フィルタ312のうちの1つ以上のフィルタの帯域幅を増加させて、より(高調波および/または分周波を含む)バスおよびサラウンド周波数を強調することができる。逆に、より低い拡張バス設定は、等化フィルタ312のうちの1つ以上の帯域幅および/または利得を減少させることができる。
複数の等化フィルタ312は、直列または並列で適用することができる。しかしながら、フィルタを直列に適用することは、結果として、ある実施形態において、スピーカサイズ設定周りで非常に局所的な周波数応答を有する、より高いQフィルタ応答になることがある。図22はこのコンセプトを図示している。図22において、2つの等化フィルタ312の並列の適用を、同一のフィルタ312の直列の適用と対照させるプロット2200が示されている。プロット2200において、入力信号は対数掃引であり、領域2210で表されている。2つのバンドパスフィルタが並列に適用され、その後互いに合計される場合、結果の信号は領域2220により表すことができる。スピーカサイズ設定周りの利得はこの領域において、正規化された周波数1近傍に示されている。領域2220におけるこの信号は、スピーカサイズ設定周りだけでなく、全体の周波数領域にわたっても利得を有する。このアーティファクトを回避するために、合計されたバンドパスフィルタを、それらが並列に適用されている場合には、スケーリングすることができる。このスケーリングは結果として領域2230において示される信号になり、それは領域2220よりも、スピーカサイズ設定周りで著しく低い利得を有する。領域2230における利得が有益であることがある一方で、2つの等化フィルタを直列に適用することにより、より高い局所的な利得を達成することができ、このより高い局所的な利得は、結果として領域2240により示される利得となる。領域2240において、フィルタの利得は依然としてスピーカサイズ設定周りに集中しており、結果の利得は、並列なフィルタのスケーリングしない合計(領域2220)の場合とほとんど同一である。
再び図3に戻ってみると、等化フィルタ312の出力は減算ブロックに提供される。1つの実施形態(LPマイナスイネーブル)において、ユーザ入力に基づいて、この減算ブロックは、ローパスフィルタリングされた出力(図2参照)を等化フィルタ312の出力からオプション的に減算することができる。ローパスフィルタリングされた信号を減算することは、等化フィルタリングされた信号において、元の低周波数コンテンツを減少させることができ、それによって、バスエンハンスされた低周波数コンテンツが元の低周波数コンテンツの代わりとなることを可能にすることができる。ボーカルがオーディオ信号を支配するときのような、いくつかのシチュエーションにおいて、低周波数コンテンツを減算することは望ましいかもしれない。ユーザが予めの設定をトグル切替する(または、代替的に、利得をこの設定に適用する)ために、この設定を公表してもよい。その後、等化フィルタリングされた信号は、ユーザ利得設定(1−C)により乗算することができ、ブロック322において図2のバス出力と組み合わせることができる。ユーザ利得設定(1−C)は、図2におけるバス出力信号に適用される利得設定Cとの例示的なコンベックス組み合わせを表し、それにより、出力信号に含まれる、等化出力に対するバス出力の量を調節する。
図4は、レベルアジャスタ130のより詳細な実施形態である、レベルアジャスタ430の実施形態を図示している。レベルアジャスタ430は、上述したレベルアジャスタ130の特徴のうちのいくつかまたはすべてを備えることができ、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて実現してもよい。レベルアジャスタ430は、バスエンハンサ110、210や、および/またはイコライザ120、320により実行されるヘッドルームセービング利得減少を少なくとも部分的に補償することができる。したがって、レベルアジャスタ430は、信号レベルを以前の信号レベルに回復させることができ、オーディオ信号の低周波数領域と高周波数領域との利得を微調整するオプションを提供することもできる。
図示した実施形態において、レベルアジャスタ430は図3の合計出力を受け取り、合計出力は低レベル保護正規化ブロック412(「正規化ブロック412」)に提供される。正規化ブロック412は、どれくらいのヘッドルームが集約合計信号中に存在するかを計算することができる。利用可能な残りのヘッドルームに基づいて、正規化ブロック412は、対応する量の利得を信号に適用することにより、信号の低レベルを強調することができる。この利得は、信号のより高いレベルではなく低レベルに適用するとき、信号のダイナミックレンジ圧縮を本質的に実行することができる。適用される、利得パラメータと、他のダイナミックレンジ圧縮パラメータは、ユーザ調節にすることができる。例えば、ダイナミックレンジ曲線のニーのレベルしきい値と、曲線の傾きと、適用される利得の量は、(例えば、エンドユーザや、レベルアジャスタ430を実現するデバイスの製造者や、バスエンハンスメントシステムのプロバイダと関係するフィールドオーディオエンジニアや、またはこれに類するものにより)ユーザ調節されるものであってもよい。代替的な実施形態においては、正規化ブロック412が、利用可能なヘッドルームに基づく利得と同一の量だけ、信号全体のレベルを増加させるように、単一帯域ダイナミックレンジ圧縮が適用される。より一般的には、正規化ブロック412は、ダイナミクス処理を信号に適用することができる。このダイナミクス処理は、圧縮や、伸長や、制限や、またはこれに類するもののうちの、何らかの組み合わせを含んでもよく、固定比圧縮スキームを使用することを伴ってもよいし、伴わなくてもよい。
図示した実施形態において、正規化ブロック412の出力は乗算器に提供され、乗算器は1/ハイパス利得の利得値を適用する。この利得は、以下で記述する後続の利得処理のために、確実にオーディオ信号中で十分なヘッドルームが利用可能となるようにしようと試行するために適用することができる。この利得(またはそれの一部分)は、そうするためにヘッドルームが利用可能であるのであれば、後で回復してもよい。図示した実施形態において、この乗算器の出力はハイパスシェルビングフィルタ414に提供される。低周波数が優位を占め過ぎる場合に、高周波数に対する少なくともいくらかのバランスを回復するために、ハイパスシェルビングフィルタ414をオプション的に(ユーザ調節可能な利得で)適用して、高周波数をブーストすることができる。1つの実施形態において、ハイパスシェルビングフィルタ414は利得を加えるかもしれないが、低周波数における利得を除去しない。シェルビングフィルタ414のカットオフ周波数は、また、スピーカサイズ設定の関数であるかもしれないし、またはそうではなく、(スピーカサイズ設定とは異なる場合に)ローパスフィルタカットオフ周波数がそれより上に設定されていたような場所の関数や、または異なる設定の関数であるかもしれない。
図示した実施形態において、シェルビングフィルタ414の出力は保護ブーストブロック416に供給される。図3中の逆乗算と、1/ハイパス利得の乗算器中の逆乗算により先に除去された、一時利得とハイパス利得とを保護ブーストブロック416は回復させることができる。しかしながら、1つの実施形態において、保護ブースト416は、どれだけのヘッドルームが利用可能であるかに基づいてこの利得を回復させる。十分なヘッドルームが利用可能である場合、保護ブースト416は、この利得のほとんどまたはすべてを回復させるかもしれない一方、利用可能なヘッドルームがほとんどないまたはまったくない場合、保護ブースト416は適用する利得の量を減少させるかもしれない。1つの実施形態において、保護ブーストブロック416はルックアヘッド遅延線を実現して、ある数のサンプルまたはある数のブロック先にどれだけのヘッドルームが利用可能であるかを決定する。利用可能なヘッドルームに基づいて、保護ブーストブロック416は、一時および/またはハイパス利得を適用することがオーディオ信号中にクリッピングを引き起こすか否かを決定することができる。そうである場合は、その時は、保護ブーストブロック416は信号に、減少させた利得を適用するかまたは利得を適用しないようにできる。そうでない場合は、保護ブーストブロック416は全利得を信号に適用するかもしれない。保護ブーストブロック416は、信号中のサンプルのそれぞれのブロックに対する(または個々のサンプルへの)1つ以上の利得を計算することができる。いくつかの実施形態において、保護ブーストブロック416は、ブロックごとに(またはサンプルごとに)予め計算された利得に対してスムージングアルゴリズムを用いて、利得がスムーズに移行することを可能にし、急速な利得変化からの望ましくないサウンドアーティファクトを回避する。
保護ブーストブロック416の出力はハイパスフィルタ(HPF)418に提供され、ハイパスフィルタ418は、スピーカの寿命を保護するためにいくらかの低周波数利得をオプション的に除去することができる。スピーカの再生可能な周波数レンジの低(または高)端に適用されるあまりにも多くの利得はスピーカを損傷させることがある。したがって、この可能性を回避するためまたは回避しようと試行するために、ハイパスフィルタ418は、適用する利得を減少させることができ、ユーザが望むかまたはこの利得減少が恩恵があるであろうと感じる場合は、ユーザ選択可能であってもよい。例えば、ハイパスフィルタ418は、スピーカサイズ設定より下の周波数を除去することまたは減衰させることができる。したがって、スピーカサイズ設定は、ハイパスフィルタ418の、カットオフ周波数またはおおよそカットオフ周波数にすることができる。さらに、1つの実施形態において、ハイパスフィルタ418は、4次フィルタのような、より高次のフィルタであることにより、急なロールオフ特性を有することができる。フィルタの次数はまた、(より低次または高次を含む)4次以外であってもよい。
図6は、バスエンハンスメントシステム600の他の実施形態を図示している。バスエンハンスメントシステム600は、図1〜5に関して上述した、バスエンハンスメントシステムの多くの特徴を備えている。例えば、バスエンハンスメントシステムはバスエンハンサ610とイコライザ620とを備えている。レベルアジャスタ130はバスエンハンスメントシステム600から省略されているが、他の実施形態においては備えられていてもよい。加えて、図示の簡略化のために、バスエンハンスメントシステム600のいくつかの態様が単純化されている。例えば、スピーカサイズ依存カットオフ周波数と、初期反射混合係数と、これらに類するものは省略されている。しかしながら、さまざまな実施形態において、バスエンハンスメントシステム100のこれらの特徴および他の特徴は、バスエンハンスメントシステム600において実現されても(実現されなくても)よい。
有利なことに、ある実施形態において、バスエンハンスメントシステム600はバスエンハンスメントシステム100より少ないコンピューティングリソースしか使用しないかもしれない。部分的には、バスエンハンスメントシステムが入力信号を(信号パス602を介して)バスエンハンサ610の出力と組み合わせて、この組み合わせた出力をイコライザ620に提供していることから、これらのコンピューティングリソースセービングが起こり得る。加えて、バスエンハンサ610においては、バスエンハンサ210のローパスフィルタ(LPF212)のうちの1つが省略されており、このことがコンピューティングリソースの使用を減少させている。その代わりに、バスエンハンサ610は、初期反射LPF622と初期反射モジュール624とともに、高調波ジェネレータ614と、高調波テールLPF615と、ラウドネスフィルタ616とを備えている。これらのコンポーネントのそれぞれは、図2に関して上述した機能性のすべてを備えることができる。
他の実施形態において、コンピューティングリソース使用をさらに減少させるために、初期反射LPF622と初期反射モジュール624とを省略してもよい。他の実施形態においては、初期反射LPF622の出力を初期反射モジュール624に提供することに加えて、入力信号を高調波ジェネレータ614に提供する代わりに、この出力を高調波ジェネレータ614に提供することができる。
図7は、ダウンミックスバスエンハンスメントシステム701の実施形態を図示している。ダウンミックスバスエンハンスメントシステム701は、上述したバスエンハンスメント特徴を、個々のオーディオ信号に適用するよりもむしろ、2つ以上のオーディオ信号のダウンミックスに適用することにより、マルチチャネル環境に対して追加の処理リソースセービングを提供することができる。図示した実施形態において、(以下で記述するように)システム701は2チャネルより多いチャネルに対しても使用することができるが、システム701が2チャネル構成を実現していることが示されている。
システム701は、バスエンハンスメントシステム100または600のいずれも実現できるバスエンハンスメントシステム700を備えている。左および右入力信号が、システム701により受け取られて、コンバイナすなわち合算器ブロック702に提供される。合算器ブロック702の出力はL+R(左プラス右)信号であり、L+R信号はバスエンハンスメントシステム700に提供される。バスエンハンスメントシステム700は、システム100および/または600に関して上述したバス処理のうちのいくつかまたはすべてを実行し、出力を2つの合算器ブロック706に提供する。同様に、左入力信号および右入力信号がそれぞれ、それぞれの合算器ブロック706に供給される。さらに、左入力信号および右入力信号はそれぞれ、それぞれの利得ブロック704に提供され、利得ブロック704のそれぞれは、出力をそれぞれの合算器ブロック706に供給する。実施形態において、合算器ブロック706の出力は以下のとおりである。
L出力=L入力+(L+R)processed−α*(L入力+R入力)
R出力=R入力+(L+R)processed−β*(L入力+R入力)
ここで、(L+R)processedは、バスエンハンスメントシステム700の出力であり、α、βは、利得ブロック704のそれぞれの値である。実施形態において、αおよびβの値は0.5である。定数αおよびβは、同一にすることもできるし、または異なる実施形態においては異なるようにすることもできる。
2チャネルよりも多いシナリオにおいて、それぞれのチャネルを組み合わせることができ、組み合わされた信号として、バスエンハンスメントシステム700により処理をすることができる。代替的に、いくつかのチャネルを集合的に処理してもよい一方で、他のチャネルは個々に処理されるか、またはまったく処理されない。例えば、入力が5.1サラウンドサウンド入力(例えば、左フロント、中央、右フロント、左サラウンド、右サラウンド、サブウーファー)を含む場合、その時は、バスエンハンスメントシステム700は、組み合わされた左フロントおよび右フロント信号をエンハンスし、組み合わされた左サラウンドおよび右サラウンド信号をエンハンスすることができる。代替的に、バスエンハンスメントシステム700は、左フロント信号および右フロント信号のそれぞれを別個にエンハンスすることができる一方で、組み合わされた左および右サラウンド信号もエンハンスする。さらに他の構成において、バスエンハンスメントシステム700は、組み合わされた、左フロント、中央、右フロント、ならびに左および右サラウンド信号をエンハンスすることができる一方で、サブウーファー信号を別個にエンハンスする。他の多くのバリエーションもまた可能である。
II.例示的なプロット
上述したプロットに加えて、図8ないし19は、上述したバスエンハンスメントシステムの入力掃引および出力掃引を図示する、追加の例示的なプロットを図示している。例えば、図8は、バスエンハンスメントシステムに供給することができる、例示的な、時間ドメインにおける2チャネル入力対数掃引プロット800を図示している。図9は、バスエンハンスメントシステムによる処理の後の、入力対数掃引プロット800に対応している、例示的な時間ドメインにおける2チャネル出力対数掃引900を図示している。これは出力対数掃引であるために、時間が進行するにつれて周波数は変化しており、任意の所定の時間点において1つの周波数のみが表されている。(例えば、スピーカサイズ設定周りの)低周波数がエンハンスされる一方で、信号の残りは影響を受けない、またはあまり影響を受けないままである。図10は他の入力対数掃引プロット1000を図示しているが、周波数ドメインにおいてのものであり、それに対して、対応する周波数ドメインにおける出力対数掃引プロット1100が図11において示されている。図10の入力対数掃引プロット1000において、顕著な基本バス周波数1010が示されている。図11の出力対数掃引プロット1100において、基本バス周波数1010の高調波1110が示されており、これはバスエンハンスメントシステムにより発生されたものである。
図12は時間ドメインにおける入力2トーン対数掃引プロット1200を図示しており、図13は、バスエンハンスメントシステムによる処理の後の、対応する時間ドメインにおける2トーン対数掃引出力プロット1300を図示している。プロット900のように、どのように低周波数がエンハンスされているかをプロット1300は示している。図14は、周波数ドメインにおける入力2トーン対数掃引のプロット1400を図示しており、2つの基本周波数1410を示している。これらの周波数の高調波1510は、図15における出力2トーン対数周波数掃引プロット1500において示されている。図16は時間ドメインにおける入力コード掃引のプロット1600を図示しており、図17は対応する周波数ドメインのプロット1700を図示しており、コード掃引に対応する複数の基本周波数を示している。図18は、図16のコード掃引に応答し、エンハンスした出力を有する、バスエンハンスメントシステムの時間ドメイン出力のプロット1800を図示している。図19は、図18の時間ドメイン出力プロット1800に対応している、周波数ドメイン出力プロット1900を図示している。
図20は、バスエンハンスメントシステム100において、例えば、ブロック130、412、416(例えば図4参照)のうちのいずれかにおいて実現されるかもしれない、例示的な利得曲線のプロット2000を図示している。利得曲線は、そうである必要はないが、ブロック412と416とに対して異なるように調整することができる。例えば、異なる利得曲線は、(図4に関して上述したように)異なるニーと、異なるしきい値レベルと、異なる利得量設定を有するかもしれない。
さらに、ローパスフィルタおよび/またはハイパスフィルタ(または、ここで記述する他のフィルタ)の任意のものが任意のフィルタ次数を有することができることに留意すべきである。例えば、フィルタの次数は、2次、3次、4次、またはより高くにすることができる。1つの実施形態において、より高次のフィルタリングを取り扱うための付加的な処理能力を有するシステムにおいてはより高次のフィルタリングを提供し、よりリソースが抑制されたシステムにおいてはより低次のフィルタリングを提供するように、フィルタ次数は選択可能にすることができる。
さらに、ここで記述される特徴の実施形態は、「低周波数オーディオエンハンスメントシステム」というタイトルの米国特許第6,285,767号に記述されているシステムおよび特徴により、またはシステムおよび特徴とともに、実現することができ、その開示はその全体が参照によってここに組み込まれている。
さらに、便宜上、この開示の実施形態は、(利得および/またはフィルタのような)さまざまなエンハンスメントをオーディオ信号または入力オーディオ信号に適用することを記述している。いくつかの実施形態において、ここで記述した第1のコンポーネントが入力オーディオ信号にエンハンスメントを適用することに後続して、第2のコンポーネントがその後、第1のコンポーネントにより出力されたエンハンス入力オーディオ信号に利得またはフィルタを適用することができることを理解すべきである。しかしながら、記述の簡略化のために、この開示では、エンハンスされた入力オーディオ信号の代わりに、第2のコンポーネントが入力オーディオ信号にエンハンスメントを適用しているとして、ときには交換可能に言及している。ここで記述する処理のうちのすべてではないにしても多くは、示したり、記述したりしたのとは異なる時間順序で実現することができ、したがって、この記述は、たとえコンポーネントが実際には他のコンポーネントにより既にエンハンスされた入力オーディオ信号のバージョンをエンハンスしているかもしれないとしても、それらのコンポーネントが入力オーディオ信号にエンハンスメントを適用していると、一般的に言及していることを理解すべきである。
III.例示的なユーザインターフェース
上述したように、フィールドエンジニアや、製造者や、またはエンドユーザ(例えばリスナー)は、バスエンハンスメントシステム(例えば、ここで記述したバスエンハンスメントシステムのうちの任意のもの)を実現するテレビまたは他のデバイス中で、バスエンハンスメントシステムを調整するためのユーザインターフェースを使用することができる。図23および24は、そのようなユーザインターフェース2300、2400の例を図示している。図24のユーザインターフェース2400は図23のユーザインターフェース2300の続きであり、ユーザインターフェース2400は、ユーザインターフェース2300からスクロールダウンすることにより到達することができる。ユーザインターフェース2300、2400は、ブラウザにおいてまたはブラウザ以外のアプリケーションにおいて実現してもよい。さらに、ユーザインターフェース2300、2400は、ネットワークを通してアクセスしてもよく、または、ユーザインターフェース2300、2400を使用して調整されているデバイスにおいてローカル的にアクセスしてもよい。
ユーザインターフェース2300、2400は、ユーザがバスエンハンスメントシステムのさまざまな設定またはパラメータを調節することを可能にする、多数のユーザインターフェース制御2310、2410を備えている。示している例示的なユーザインターフェース制御2310、2410は、チェックボックスと、スライドバーと、テキストボックスとを含んでいる。これらの制御は単に例に過ぎず、他のタイプの制御を使用して、同一のまたは類似した結果を達成することもできる。以下は、ユーザインターフェース2300、2400において示されている設定のいくつかの態様の例示的な概要である。これらの設定のうちの多くはより詳細に上述している。これらの設定に対して示されているレンジは、単に例に過ぎず、他の実施形態では変化させることができる。
イネーブル/ディセーブル:この制御は、バスエンハンスメントシステム全体による処理を含む、バス処理をイネーブルおよびディセーブルするために使用される。
HPのみイネーブル/ディセーブル:この制御がイネーブルされる場合、その時は、ハイパスフィルタのみが信号に適用される。ハイパスフィルタのカットオフ周波数(Fc)は、スピーカサイズ×ハイパス比(以下を参照)として算出することができる。
ELCフィルタイネーブル/ディセーブル:高調波パスに適用される、等ラウドネス曲線に基づくフィルタ(例えば、ラウドネスフィルタ216、またはこれに類するもの)をイネーブルする。
入力マイナスLPイネーブル/ディセーブル:イネーブルされる時、一時利得パスが高調波パス(例えば、混合器112により混合が実行される、バスエンハンサ110パス)と混合される前に、未処理のローパスパスが一時利得パス(例えば、イコライザ120または320パス)から減算される。
入力利得(dB):バスエンハンスメントシステムにより処理される前の信号の利得はこの制御によって変えることができる。さまざまなオーディオソースはレベルが変化することがあるので、この制御が、非常に低い信号を高めさせ、または非常に高い利得信号を減少させることを可能にする。制御は−60dBから0dBまで及ぶ。
出力利得(dB):バスエンハンスメントシステムによる処理の後に適用される出力利得を設定する。出力利得はデシベルで指定されて、−60dBから0dBまで及ぶ。
HP補償スピーカサイズ比:この制御は、スピーカサイズの比として、ハイパス利得補償カットオフ周波数(Fc)を設定する。ハイパス補償Fcは、HP補償比×スピーカサイズとして算出される。この制御のレンジは[1,8]である。
HP利得:この制御は、信号に適用される、ハイパスシェルビングフィルタ414のハイパス利得を設定する(図4を参照)。この制御のレンジは[0,18]dBである。
スピーカサイズ:この制御はスピーカサイズ設定を設定する。上述したように他のレンジを使用してもよいが、この制御のレンジは[40,800]Hzである。
ローパススピーカサイズ比:この制御は、スピーカサイズの比として適用される、ローパスフィルタのFcを設定するために使用される。Fc=ローパススピーカサイズ比×スピーカサイズ。この制御のレンジは[0.5,6]である。
最大利得LPのみイネーブル/ディセーブル:イネーブルされるとき、最大正規化利得のみがローパスフィルタリングされた信号に適用される。この利得は、上述した低レベル保護正規化ブロックにより実現することができ、例えば、図20に関して上述した利得を選択してもよい。
最大正規化利得:この制御は、信号(最大利得LPのみイネーブル/ディセーブル制御の設定に依存する、ローパスまたは広帯域信号のいずれか)に適用することができる最大正規化利得を設定する。この制御のレンジは[0,30]dBである。この利得は、上述した低レベル保護正規化ブロック412により実現することができる。
最大正規化利得しきい値:低レベル保護正規化ブロック412の実施形態により実現される最大利得曲線の下端に対するしきい値を設定する。この制御のレンジは[10,6.0]である。
最大正規化利得ニー:低レベル保護正規化ブロック412の実施形態により実現される最大利得曲線のニーを設定する。この制御に関するレンジは[0.1,0.6]である。
ハイパス比:この制御は、信号に適用される、ハイパスフィルタのスピーカサイズ比を設定する。信号に適用される、ハイパスフィルタのFcは、ハイパス比×スピーカサイズとして算出することができる。この制御のレンジは[0.1,1]である。
高調波クリップ定数:この制御は、高調波を発生させているときに高調波発生パスにおいて適用される利得の量を、内部計算した利用可能なヘッドルームの割合として設定する。この制御のレンジは[1,6]である。
高調波利得:この制御は、高調波発生パスに適用される利得の量を設定する。この制御のレンジは[−60,24]dBである。実施形態において、0dBはフルスケールであり、したがって、0dBより上の任意の値はクリッピングを起こすかもしれない。他の実施形態において、0dB未満の値は、オーディオ信号中のヘッドルームに依存して、クリッピングを起こすことがある。
高調波LPFスピーカサイズ比:この制御は、高調波発生ローパスフィルタパス(例えば、図2のブロック212以下参照)のFcをスピーカサイズの比として設定する。高調波LPFのFcは、高調波LPFスピーカサイズ比×スピーカサイズとして算出することができる。この制御のレンジは[0.1,6.0]である。
パス混合定数:この制御は、高調波発生パスと一時利得パスとの間の混合比を設定する。この制御のレンジは[0,1]である。より高い設定は、より多くの高調波パス信号を混合に加える。
一時利得:この制御は、信号に適用される一時利得を設定する。この制御のレンジは[0,24]dBである。
一時傾き:この制御は、信号に適用される、一時利得フィルタの傾きを設定する。この制御のレンジは[0.25,4]である。
初期反射イネーブル/ディセーブル:ローパスパスに加えられる初期反射パスをイネーブルする。
タップ1混合:第1の初期反射タップの混合係数を設定する。
タップ2混合:第2の初期反射タップの混合係数を設定する。
タップ3混合:第3の初期反射タップの混合係数を設定する。
初期反射混合:初期反射の混合比を設定する。
これらのパラメータは、図23および24のユーザインターフェース(またはユーザスクリプト、またはこれに類するもの)を使用して個々に設定してもよいが、有利なことに、ある実施形態においては、そのようにする必要はないかもしれない。デバイスのさまざまな異なるタイプに示したバスパラメータのような多数のバスパラメータを、ユーザに調整するように要求する代わりに、バスエンハンスメントシステムは、有利なように、ユーザが1個または数個のパラメータを調整することを可能にしてもよく、その後、バスエンハンスメントシステムが、ユーザが調整したパラメータに基づいて、他のさまざまなパラメータを調整することができる。例えば、ここで記述したスピーカサイズ設定はユーザにより選択することができる。一度スピーカサイズ設定が指定されれば、バスエンハンスメントシステムは、ここで記述するように、他の多数のパラメータを自動的に設定することができる。例えば、以下のパラメータのうちのいくつかまたはすべては、数ある中で、スピーカサイズ設定に依存するようにできる:スピーカサイズ設定に依存するようにできるパラメータは、他の可能性がありそうなコンポーネントまたはパラメータの中でも、ローパスフィルタ212のカットオフ周波数(Fc);初期反射混合;等化フィルタ312の利得、中心周波数、および/または帯域幅;ハイパスシェルビングフィルタ414の利得および/またはFc;ハイパスフィルタ418のFc;ならびにローパスフィルタ242の利得である。同様に、上述したように、ここで記述する拡張バス制御はユーザ調節にすることができ、結果の拡張バス制御は、ラウドネスフィルタ216のFcおよび/または利得、ならびに、等化フィルタ312の利得、中心周波数、および/または帯域幅に影響を与えることができる。同様に、ここで記述する一時利得制御はユーザ調節にすることができ、その後、等化フィルタ312の利得、中心周波数、および/または帯域幅、ならびに、ハイパスシェルビングフィルタ414の利得およびFcに影響を与えることができる。
したがって、一度ユーザが望むスピーカサイズ設定や、拡張バス制御や、および/または一時利得制御を入力すると、バスエンハンスメントシステムは他の多数のパラメータを設定することができ、複数の異なるデバイスの急速な調整を促進し、バスエンハンスメントシステムが多数の異なるデバイスにおいてバスを生産的にエンハンスすることを可能にする。
IV.追加の実施形態
ここで記述するバスエンハンスメントシステムが、多くのデバイスにおいて、改善されたバスを提供することができる一方で、非常に小型のスピーカを有するいくつかのデバイスでは、異なる恩恵が達成されるかもしれない。特に、バスがいくぶんエンハンスされるかもしれない一方で、バスエンハンスメントシステムの恩恵の1つは、ボーカルサウンドをより暖かくより豊かにすることにより、一般的にボーカルをエンハンスするかもしれないということである。この恩恵は非常に小型のスピーカを有するデバイスに限られるものでなく、バスエンハンスメントシステムからのより顕著なバスエフェクトも示す、より大型のスピーカを有するデバイスにおいても存在しているかもしれない。したがって、バスエンハンスメントシステムは、音声エンハンスメントに対して恩恵を提供することができ、より多くの周波数が存在しているかのように低帯域幅音声が聞こえるようにできる。この恩恵は、ボーカル周波数レンジへの高調波および分周波の追加に少なくとも部分的に由来することがあり、これらは、制限された帯域幅によりボーカル周波数が欠落するのを少なくとも部分的に埋め合わせをすることができる。したがって、バスエンハンスメントシステムは、セル電話機や、地上線電話機や、会議通話機器や、留守番電話機や、これらに類するものにおける、音声エンハンスメントとして使用することができる。
さらに、いくつかの実施形態において、バスエンハンスメントシステムは、バス周波数以外または低周波数以外の周波数レンジをエンハンスするために使用することができる。例えば、バスエンハンスメントシステムを使用して、典型的なバス周波数より高いボーカル周波数や、トレブル周波数や、またはこれに類する周波数を含む、オーディオスペクトル中の周波数の任意のサブセットを強調することができる。ここで記述したスピーカサイズ設定は、スピーカもカットオフするような高周波数レンジに対してエンハンスメントを実行するために使用してもよい。バスエンハンスメントシステムは、バス周波数および/またはより高い周波数を含む、音楽をエンハンスするために使用してもよい。
V.用語
ここで記述した以外の多くのバリエーションが、この開示から明らかになるであろう。実施形態に依存して、ここで記述したアルゴリズムのうちの任意の、あるアクト、イベント、または機能を、異なるシーケンス中で実行することができ、ひとまとめにして追加したり、マージしたり、または、除外することができる(例えば、記述したアクトまたはイベントのすべてが、アルゴリズムの実施のために必要なわけではない)。さらに、ある実施形態では、例えば、マルチスレッド処理、割り込み処理、または、複数のプロセッサもしくはプロセッサコアを通して、あるいは、他の並列アーキテクチャで、シーケンシャルにではなく、同時にアクトまたはイベントを実行してもよい。さらに、異なるタスクまたは処理は、一緒に機能することができる、異なる機械および/またはコンピューティングシステムにより、実行することができる。
ここで開示した実施形態に関連して記述した、さまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または双方の組み合わせたものとして実現されてもよい。ハードウェアおよびソフトウェアの交換可能性を明確に示すために、さまざまな例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、およびステップを一般的にこれらの機能性に関して上記で記述した。このような機能性がハードウェアあるいはソフトウェアとして実現されるか否かは、特定の応用およびシステム全体に課せられた設計の制約に依存する。例えば、ビークル管理システム110または210は、1つ以上のコンピュータシステム、または1つ以上のプロセッサを備えるコンピュータシステムによって、実現することができる。それぞれの特定の応用に対して方法を変化させて、記述した機能性を実現することができるが、このようなインプリメンテーション決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じさせるものとして解釈すべきではない。
ここで開示した実施形態に関連して記述した、さまざまな例示的な論理的ブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、あるいは、ここで説明した機能を実行するために設計されたこれらの組み合わせで、機械により、実現することができ、あるいは、実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであるようにもできるが、代替的な実施形態では、プロセッサは、制御装置、マイクロ制御装置、状態機械、または、これらの組み合わせ、あるいは、これらに類するものであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせとして、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアを備えた1つ以上のマイクロプロセッサ、あるいは、このようなコンフィギュレーションの他の何らかのものとして実現することもできる。コンピューティング環境は、数個挙げてみると、マイクロプロセッサに基づくコンピュータシステムと、メインフレームコンピュータと、デジタル信号プロセッサと、ポータブルコンピューティングデバイスと、パーソナルオーガナイザと、デバイス制御装置と、アプライアンス内のコンピュテーショナルエンジンとを含むが、これらに限られない、任意のタイプのコンピュータシステムを含むことができる。
ここで開示した実施形態と関連して記述した方法、処理、またはアルゴリズムのステップは、直接、ハードウェアで、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールで、あるいは、2つの組み合わせで具現化することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーブバルディスク、CD−ROM、あるいは、技術的に知られている他の何らかの形態の一時的でないコンピュータ読取可能記憶媒体、媒体、または物理コンピュータ記憶装置に存在することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合することができる。代替的な実施形態では、記憶媒体はプロセッサと一体化されてもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに存在することができる。ASICはユーザ端末に存在することができる。代替的な実施形態では、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中のディスクリートコンポーネントとして存在することができる。
数ある中で、“できる”、“かもしれない”、“してもよい”、“例えば”、および、これらに類するもののような、ここで使用されている条件付きの言葉は、そうではないと特に述べられていない限り、または、そうでなければ、使用されているような文脈内で理解されない限り、一般的に、ある実施形態は、ある特徴、エレメントおよび/または状態を含む一方で、他の実施形態は、ある特徴、エレメントおよび/または状態を含まないことを伝えることを意図している。したがって、特徴、エレメント、および/または、状態が、どんな方法であれ、1つ以上の実施形態に対して必要とされていることを、あるいは、作者のインプットまたはプロンプティングの有無にかかわらず、これらの特徴、エレメント、および/または、状態が、何らかの特定の実施形態中に含まれているか否かを、もしくは、これらの特徴、エレメント、および/または、状態が、何らかの特定の実施形態中で実行されることになるか否かを決めるためのロジックを1つ以上の実施形態が必ず含んでいることを意味するように、このような条件付きの言葉は、一般的に意図していない。“備えている”、“含んでいる”、“有している”、および、これらに類するものの言葉は、制限のない方法で、同義であり、包括的に使用されており、付加的なエレメント、特徴、アクト、操作等を除外するものではない。また、“または”の言葉は、例えば、“または”の言葉がエレメントのリストをつなげて使用された時に、リスト内のエレメントのうちの、1つ、いくつか、またはすべてを意味するように、包括した意味で(および排他的な意味ではなく)使用されている。
上記の詳細な説明は、さまざまな実施形態に適用されるような新規の特徴を示し、記述し、指摘したが、示されているデバイスまたはアルゴリズムの形態ならびに詳細において、本開示の精神から逸脱することなく、さまざまな省略、置換、および、変更を行うことができることが理解されるだろう。認識されるように、いくつかの特徴は、他のものとは別々に使用または実施することができるので、ここで記述されている本発明のある実施形態は、ここで述べた特徴および恩恵のすべてを提供しない形態内で具現化することができる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]バスオーディオをエンハンスするシステムにおいて、
前記システムは、
1つ以上のプロセッサを備えるバスエンハンサと、
スピーカの最も低い再生可能な周波数を含む、入力オーディオ信号中の周波数を強調するように構成されているイコライザと、
前記入力オーディオ信号中の少なくともより低い周波数の帯域に、利得を適応的に適用するように構成されているレベルアジャスタとを具備し、
前記バスエンハンサは、前記入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームに少なくとも部分的に基づいて、前記入力オーディオ信号の1つ以上のバス周波数の高調波を発生させるように構成されており、
前記利得は、前記入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームに依存しているシステム。
[2]前記バスエンハンサは、少なくとも、
前記入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームを決定することと、
前記入力オーディオ信号のうちのおおよそ半分に第2の利得を適用することとにより、前記高調波を発生させるようにさらに構成されており、
前記第2の利得は、前記入力オーディオ信号中の前記利用可能なヘッドルームより大きく、それにより、前記入力オーディオ信号中の1つ以上の基本バス周波数の高調波を発生させる[1]記載のシステム。
[3]前記バスエンハンサは、前記入力オーディオ信号中の他の周波数に対して前記1つ以上のバス周波数を強調するように構成されているラウドネスフィルタをさらに備える[1]または[2]記載のシステム。
[4]前記ラウドネスフィルタは、反転等ラウドネス曲線を前記入力オーディオ信号に適用する[3]記載のシステム。
[5]前記バスエンハンサは、前記入力オーディオ信号をタップ遅延線によりフィルタリングするように構成されている初期反射モジュールをさらに備える[1]または[2]記載のシステム。
[6]前記タップ遅延線は、バス周波数により再生される反響をシミュレートするように構成されている[5]記載のシステム。
[7]前記初期反射モジュールは、タップ遅延と前記タップ遅延線の係数とのうちの1つまたは両方を経時的にランダム化するように構成されている[5]または[6]記載のシステム。
[8]前記バスエンハンサの出力を前記入力オーディオ信号と組み合わせて、コンバイナ出力を生成させるように構成されているコンバイナをさらに具備し、
前記コンバイナは、前記コンバイナ出力を前記イコライザに提供するようにさらに構成されている[1]または[2]記載のシステム。
[9]前記レベルアジャスタは、前記入力オーディオ信号中の高周波数の帯域に対するバランスを回復するように構成されているハイパスシェルビングフィルタをさらに備える[1]または[2]記載のシステム。
[10]オーディオをエンハンスするための方法において、
前記方法は、
入力オーディオ信号の第1の周波数の高調波を1つ以上のプロセッサにより発生させて、エンハンスされたオーディオ信号を生成させることと、
前記エンハンスされたオーディオ信号中の第2の周波数を等化フィルタにより強調して、出力オーディオ信号を生成させることと、
前記出力オーディオ信号をスピーカに供給することとを含み、
前記第2の周波数は、前記スピーカのスピーカサイズ設定に対応している方法。
[11]前記高調波を発生させることは、
前記入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームを決定することと、
前記入力オーディオ信号のうちのおおよそ半分に利得を適用することとをさらに含み、
前記利得は、前記入力オーディオ信号中の前記利用可能なヘッドルームより大きく、それにより、前記入力オーディオ信号中の1つ以上の基本バス周波数の高調波を発生させる[10]記載の方法。
[12]前記第2の周波数は、前記第1の周波数のうちの少なくともいくつかを含む[10]または[11]記載の方法。
[13]前記第2の周波数は、前記スピーカサイズ設定周りの周波数の帯域を含む[10]または[11]記載の方法。
[14]前記第1の周波数は、バス周波数を含む[10]または[11]記載の方法。
[15]バス周波数により再生される反響をシミュレートするように構成されているタップ遅延線により、前記入力オーディオ信号をフィルタリングすることをさらに含む[10]または[11]記載の方法。
[16]タップ遅延と前記タップ遅延線の係数とのうちの1つまたは両方を経時的にランダム化することをさらに含む[15]記載の方法。
[17]前記入力オーディオ信号は、2つ以上の入力信号のダウンミックスを含む[10]または[11]記載の方法。
[18]前記2つ以上の入力信号は、左フロント信号と、右フロント信号と、中央信号と、左サラウンド信号と、右サラウンド信号とのうちの2つ以上を含む[17]記載の方法。
[19]1つ以上のプロセッサにより実行されるとき、バスオーディオをエンハンスするための動作を前記1つ以上のプロセッサに実現させる、その上に記憶されている命令を含む、一時的でない物理電子記憶装置において、
前記動作は、
入力オーディオ信号を受け取ることと、
前記入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームを決定することと、
前記入力オーディオ信号のうちのおおよそ半分に利得を適用して、部分的にクリップされたオーディオ信号を生成させることとを含み、
前記利得は、前記入力オーディオ信号中の前記利用可能なヘッドルームより大きく、それにより、前記入力オーディオ信号中の1つ以上のバス周波数の高調波を発生させる一時的でない物理電子記憶装置。
[20]前記動作は、
前記入力オーディオ信号を前記部分的にクリップされたオーディオ信号に加えて、組み合わされたオーディオ信号を生成させることと、
前記組み合わされたオーディオ信号中の周波数の帯域を強調することとをさらに含み、
前記周波数の帯域はスピーカサイズ設定に関係付けられている[19]記載の一時的でない物理電子記憶装置。
[21]前記動作は、バス周波数により再生される反響をシミュレートするように構成されているタップ遅延線により、前記入力オーディオ信号をフィルタリングすることをさらに含む[19]または[20]記載の一時的でない物理電子記憶装置。
[22]前記動作は、タップ遅延と前記タップ遅延線の係数とのうちの1つまたは両方を経時的にランダム化することをさらに含む[21]記載の一時的でない物理電子記憶装置。
[23]1つ以上のプロセッサと組み合わされている[19]または[20]記載の一時的でない物理電子記憶装置。
[24]バスオーディオをエンハンスするシステムであって、
前記システムは、
ユーザにより入力されるスピーカサイズ設定にアクセスするようにと、
前記スピーカサイズ設定に少なくとも部分的に基づいて、バスエンハンスメントの複数のバスエンハンスメントパラメータを構成するようにと、
前記バスエンハンスメントパラメータを使用して前記バスエンハンスメントをオーディオ入力信号に適用して、前記オーディオ入力信号のバス周波数をエンハンスするように構成されている1つ以上のプロセッサを具備するシステム。
[25]前記バスエンハンスメントパラメータは、カットオフ周波数と、利得と、帯域幅とのうちの1つ以上を含む[24]記載のシステム。
[26]前記バスエンハンスメントパラメータは、前記スピーカサイズ設定より上の周波数を減衰させるように構成されているローパスフィルタのカットオフ周波数を含む[24]または[25]記載のシステム。
[27]前記バスエンハンスメントパラメータは、前記オーディオ入力信号中の周波数の帯域を強調するように構成されている等化フィルタの帯域幅を含む[24]または[25]記載のシステム。

Claims (14)

  1. バスオーディオをエンハンスするシステムにおいて、
    前記システムは、
    1つ以上のプロセッサを備えるバスエンハンサと、
    スピーカの最も低い再生可能な周波数を含む、入力オーディオ信号中の周波数を強調するように構成されているイコライザと、
    前記入力オーディオ信号中の少なくともより低い周波数の帯域に、利得を適応的に適用するように構成されているレベルアジャスタとを具備し、
    前記バスエンハンサは、前記入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームに少なくとも部分的に基づいて、前記入力オーディオ信号の1つ以上のバス周波数の高調波を発生させるように構成されており、
    前記利得は、前記入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームに依存しているシステム。
  2. 前記バスエンハンサは、少なくとも、
    前記入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームを決定することと、
    前記入力オーディオ信号のうちの半分に第2の利得を適用することとにより、前記高調波を発生させるようにさらに構成されており、
    前記第2の利得は、前記入力オーディオ信号中の前記利用可能なヘッドルームより大きく、それにより、前記入力オーディオ信号中の1つ以上の基本バス周波数の高調波を発生させる請求項1記載のシステム。
  3. 前記バスエンハンサは、前記入力オーディオ信号中の他の周波数に対して前記1つ以上のバス周波数を強調するように構成されているラウドネスフィルタをさらに備える請求項1または2記載のシステム。
  4. 前記ラウドネスフィルタは、反転等ラウドネス曲線を前記入力オーディオ信号に適用する請求項3記載のシステム。
  5. 前記バスエンハンサは、前記入力オーディオ信号をタップ遅延線によりフィルタリングするように構成されている初期反射モジュールをさらに備える請求項1または2記載のシステム。
  6. 前記タップ遅延線は、バス周波数により再生される反響をシミュレートするように構成されている請求項5記載のシステム。
  7. 前記初期反射モジュールは、タップ遅延と前記タップ遅延線の係数とのうちの1つまたは両方を経時的にランダム化するように構成されている請求項5または6記載のシステム。
  8. 前記バスエンハンサの出力を前記入力オーディオ信号と組み合わせて、コンバイナ出力を生成させるように構成されているコンバイナをさらに具備し、
    前記コンバイナは、前記コンバイナ出力を前記イコライザに提供するようにさらに構成されている請求項1または2記載のシステム。
  9. 前記レベルアジャスタは、前記入力オーディオ信号中の高周波数の帯域に対するバランスを回復するように構成されているハイパスシェルビングフィルタをさらに備える請求項1または2記載のシステム。
  10. 1つ以上のプロセッサにより実行されるとき、バスオーディオをエンハンスするための動作を前記1つ以上のプロセッサに実現させる、その上に記憶されている命令を含む、一時的でない物理電子記憶装置において、
    前記動作は、
    入力オーディオ信号を受け取ることと、
    前記入力オーディオ信号中の利用可能なヘッドルームを決定することと、
    前記入力オーディオ信号のうちの半分に利得を適用して、部分的にクリップされたオーディオ信号を生成させることとを含み、
    前記利得は、前記入力オーディオ信号中の前記利用可能なヘッドルームより大きく、それにより、前記入力オーディオ信号中の1つ以上のバス周波数の高調波を発生させる一時的でない物理電子記憶装置。
  11. 前記動作は、
    前記入力オーディオ信号を前記部分的にクリップされたオーディオ信号に加えて、組み合わされたオーディオ信号を生成させることと、
    前記組み合わされたオーディオ信号中の周波数の帯域を強調することとをさらに含み、
    前記周波数の帯域はスピーカサイズ設定に関係付けられている請求項10記載の一時的でない物理電子記憶装置。
  12. 前記動作は、バス周波数により再生される反響をシミュレートするように構成されているタップ遅延線により、前記入力オーディオ信号をフィルタリングすることをさらに含む請求項10または11記載の一時的でない物理電子記憶装置。
  13. 前記動作は、タップ遅延と前記タップ遅延線の係数とのうちの1つまたは両方を経時的にランダム化することをさらに含む請求項12記載の一時的でない物理電子記憶装置。
  14. 1つ以上のプロセッサと組み合わせた、請求項10から13のいずれか1項に記載の一時的でない物理電子記憶装置。
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