JP6918777B2 - オブジェクトベースのオーディオのための低音管理 - Google Patents

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Description

多くのオーディオ再生システムは、「サラウンドサウンド」と呼ばれることがある同期マルチチャンネル音声オーディオを録音、送信、及び再生することができる。娯楽用オーディオは単純なモノラルシステムから始まったが、間もなくして、リスナーの臨場感のある圧倒的な空間像及び感覚を表現する目的で2チャンネル(ステレオ)及び高チャンネルカウントフォーマット(サラウンドサウンド)が開発された。サラウンドサウンドは、3以上のオーディオチャンネルを使用することによってオーディオ信号の再生を拡張する技術である。コンテンツは、複数の離散的オーディオチャンネルにわたって供給され、ラウドスピーカ(又はスピーカ)のアレイを使用して再生される。付加的なオーディオチャンネル又は「サラウンドチャンネル」は、リスナーに臨場感のあるリスニング体験を提供する。
サラウンドサウンドシステムは、典型的には、リスナーの周りにスピーカを位置付けて、リスナーに音の定位感及び包囲感を与える。数チャンネル(5.1フォーマットなど)しか有していない多くのサラウンドサウンドシステムは、リスナーの周りの360度の円弧の特定の位置に配置されたスピーカを有する。また、これらのスピーカは、スピーカの全てが互いに及びリスナーの耳と同じ平面になるように配置される。多くの高チャンネルカウントサラウンドサウンドシステム(7.1、11.1など)はまた、リスナーの耳の平面よりも上方に位置付けられたハイト又はエレベーションスピーカを含み、オーディオコンテンツに高さの感覚を与える。このようなサラウンドサウンド構成は、他のメインオーディオチャンネルの低音オーディオを強化するために付加的な低周波数低音オーディオを提供する離散的低域効果(LFE)チャンネルを含むことが多い。このLFEチャンネルは、他のオーディオチャンネルの帯域幅の一部分だけを必要とするので、これは「.X」チャンネルとして表され、ここでXはゼロを含む任意の正の整数である(5.1又は7.1サラウンドサウンドなど)。
従来のチャンネルベースのマルチチャンネルサウンドシステムでは、低音管理技術により、メインオーディオチャンネルから低音が集められ、1又は2以上のサブウーファーを駆動する。低音管理では、メインスピーカは低音信号ではなくオーディオ信号の高周波数部分を再生するだけでよいので、メインスピーカをより小さくすることができる。更に、従来のチャンネルベースのマルチチャンネルサウンドシステムでは、オーディオ信号は、再生環境において特定の1又は複数のスピーカに出力される。
オーディオオブジェクトベースのサウンドシステムは、各オーディオオブジェクトに関連付けられる情報データ(3D空間における位置データを含む)を使用して、再生環境においてオブジェクトを位置付ける。オーディオオブジェクトベースのシステムでは、再生環境におけるスピーカの数は問題ではない。また、再生環境における多くの実施可能なスピーカ構成により、従来の低音管理システムを用いたときに低音過負荷となる可能性が増大する。詳細には、低音信号は、振幅によって加算されて、複数のコヒーレント低音信号が合計されると、望ましくない高振幅で低音信号を再生する可能性がある。この現象は、「低音ビルドアップ」と呼ばれることがある。換言すると、コヒーレント低音信号の電気的加算は、各々がフルレンジスピーカによって音響として再生される場合に、これらの信号がどのような音を出すかに比べて、得られる結果を過度に強調する傾向がある。この低音ビルドアップ問題は、オーディオオブジェクトベースのオーディオが使用されるときに悪化する。
「低音管理」(「低音リダイレクション」としても知られる)は、幾つかのオーディオチャンネル(又はスピーカ)から低周波数信号を集め、これをサブウーファーにリダイレクトするプロセスを記述するのに使用される語句である。クラシックの低音管理技術は、ローパスフィルタを使用してオーディオチャンネルの低周波数部分(又は低音信号)を分離する。各オーディオチャンネルの低音信号は、低周波効果信号と加算され、サブウーファーを使用して再生されるサブウーファー信号を形成する。スピーカは、典型的には、低音を再生する能力が異なる。小さなウーファーを有するスピーカ(約6インチ以下)は、低音再生用に特に設計された大型の1又は複数のスピーカ(サブウーファーなど)と比較して極めて低い又は深い低音を再生する能力が低い。
サウンドシステム内でモノラルからステレオに及びより多くのスピーカに進むと、結果的には全てのこれらの付加的なチャンネルが存在するが、サブウーファーにフィードする1つの信号にこれらチャンネルを抽出したいと考えている。これのことは、サブウーファーが極めて低い周波数を再生し、極めて低い周波数に対する指向性の点で人間がうまく反応しないことに起因する。知覚とは、サブウーファーが再生環境のどこかに配置されるサウンドの低音を処理するということになる。
オーディオオブジェクトベースのサウンドシステムを使用するときには、低音ビルドアップ問題は、主として2つの問題に起因して悪化する。まず、再生環境は再生ゾーンにグループ化することができ、一部のゾーンでの低音信号は、常に望ましくない可能性がある。多くの映画館は、後方スピーカの周囲からの低音を表現するために後壁のサブウーファーと、これらのスピーカからの低音を処理するためにスクリーンの後方からのサブウーファーとを有する。例えば、再生環境は、室内の前方(スクリーンの後方)及び室内の後方の2つの再生ゾーンにグループ化されたスピーカを備えた映画館とすることができる。再生ゾーンの各々は、サブウーファーを有する。場合によっては、前方再生ゾーンではなく後方再生ゾーンのサブウーファーで低音信号を再生するのが望ましい場合がある。低音信号が関連付けられる通常のスピーカから発する他のサウンドに低音信号が近い場合には、低音周波数は、高周波数オーディオと良好に混ざり合う(ブレンディング)傾向がある。
別の問題は、サウンドを超えるサイズ制御が存在するという点で、オブジェクトオーディオが固有であることである。これにより、1又は2つのスピーカからのサウンドを全てのスピーカに広げることが可能となる。サイズがどのように調節されても、低音サウンドとメインサウンドの比率を変えるのではなく、そのカバレージを広げることが望ましい。
これらの課題を克服するための1つの簡単な方法は、低音信号の各々に一定倍率(又は利得係数)を適用することである。しかしながら、これは、1次近似であるので、想定される信号に対してのみ適正である。これは、低音ビルドアップを制御する正確な方法ではない。
より高度な低音管理技術では、何れかのオーディオオブジェクトの空間レンダリングの前に低音信号を抽出する。この技術の欠点は、スピーカのサブセットゾーン内の低音管理をサポートしていないことである。これは、低音管理に含まれるはずのないスピーカが存在する場合に、集められた低音信号がこのスピーカにミックスバックされ、その結果スピーカの低音信号がサブウーファーに依然として供給され続けることを意味する。更に、このスピーカは、元々そこに向かうことになっていた低音を再生するだけでなく、他の低音管理スピーカ全てからの低音も同ときに再生する。
低音管理技術の別のタイプは、波面合成方式(wave−field synthesis:WFS)を使用する。この技術は、サブウーファーからの低音の正確なレベルを達成するために各オーディオオブジェクトの利得をスケーリングする。しかしながら、エラーフリー方式では、異なるラウドスピーカ密度及び異なる数のラウドスピーカを有するWFSシステム間でサブウーファーチャンネルのミックスを伝送することができない。更に、含まれるラウドスピーカの数から生じる低音ビルドアップに直接的に対処する意図及び手段もない。
この要約は、以下の詳細な説明で説明される単純化された形式における概念の選択を導入するために提供される。この要約は、請求項に記載される主題の主要な特徴又は構成を識別することを意図するものではなく、また請求項に記載される主題の範囲を限定するのに使用することを意図するものでもない。
低音管理システム及び方法の実施形態は、他のスピーカから発せられたサウンドに対してサブウーファーによって再生される低音の適正なバランスを維持するのに使用される。本システム及び方法は、異なるスピーカサブゾーンを有するスピーカ構成を含む様々な異なるスピーカ構成に有用である。
本システム及び方法の実施形態において、スピーカの一定のゾーンに対する低音だけが、当該ゾーンのサブウーファーに集められる。低音管理から除外された何れのスピーカ(例えば、L、C、Rスクリーンスピーカ)も、それらに適切な低音(それぞれのチャンネルに加えて一定の近傍内内に位置付けられたオブジェクトからの低音)だけを受け取ることになる。本システム及び方法の実施形態の主な利点は、サウンドローカライゼーションの改善、観客全体でスペクトルバランスがより均一であること、メインスピーカとサブとのよりシームレスな時間ブレンディング、及びヘッドループの増加である。
本システム及び方法の実施形態は、全てのサウンドが一貫した距離から発すると仮定している。波動場(wave field)特性メタデータは、存在しない場合は使用されない。更に、本システム及び方法の実施形態は、パワー保存し、1又は2以上のスピーカにわたってパワー正規化スピーカ利得を生成する何れのレンダラーにも有効に作用する。
低音管理方法の実施形態は、複数のパワー正規化スピーカ利得係数をレンダラーから入力又は受信することによって、オーディオ信号を処理する。オーディオ信号は、オーディオオブジェクト及び関連するレンダリング情報を包含する。利得係数の数は、各スピーカチャンネル及び各オーディオオブジェクトに対する利得係数が存在するような数である。本方法は、利得係数を組み合わせて、組み合わされた利得係数の累乗を計算し、パワー保存のサブウーファー寄与係数を得る。パワー保存とは、組み合わされた利得係数の累乗が保存されることを意味する。
本方法の実施形態はまた、サブウーファー寄与係数をサブウーファーオーディオ信号に適用して、利得修正サブウーファーオーディオ信号を得る。サブウーファーオーディオ信号は、オーディオ信号及びオーディオオブジェクトの低周波数又は低音部分を包含する信号である。一部の実施形態において、この低音部分は、ローパスフィルタを使用することによって取得され、オーディオ信号及びオーディオオブジェクトから低周波数を取り出す。利得修正サブウーファーオーディオ信号は、サブウーファーを介して再生され、サブウーファーに適用される低音信号の量により低音管理エラーが回避されるのを確保する。更に、本方法の実施形態は、オーディオオブジェクトがオーディオ環境において空間的にレンダリングされたときに、サブウーファー寄与の量が複数のオーディオオブジェクトの各々にとって適正であること、及び何れの低音管理エラーも阻止又は軽減されることを保証する。
一部の実施形態において、オーディオ環境におけるスピーカは、複数のスピーカゾーンに分割される。一部の実施形態において、これらのスピーカゾーンは、異なる数のスピーカ、異なるタイプのスピーカ、又はその両方を包含する。これは、オーディオ環境における他のスピーカゾーンと比較している。複数のスピーカゾーン実施形態の場合、サブウーファー寄与係数は、スピーカゾーンの各々に対して演算される。一部の実施形態において、サブウーファー寄与係数は、複数のスピーカゾーンにおける各サブウーファーに対して演算される。
組み合わされた利得係数の累乗は、最初に利得係数の各々を二乗して二乗利得係数を得ることによって得られる。これらの二乗利得係数は、加算又は合計されて、二乗和を得る。この二乗和の平方根が取られ、得られる結果がサブウーファー寄与係数である。複数のスピーカゾーンが存在する場合、特定のスピーカゾーン(サブウーファーを含む)に包含されるスピーカからの利得係数だけが、サブウーファー寄与係数の計算に使用される。
他の実施形態が可能であり、本明細書で説明するステップ及び要素は、特定の実施形態に応じて変更、追加、又は削除される可能性があることに留意すべきである。このような他の実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく使用することができる他のステップ及び他の要素並びに行い得る構造的な変更を含む。
ここで、全体を通して同じ参照数字が対応する部分を表す図面を参照する。
用語「ソース」、「波形」、及び「オーディオオブジェクト」の違いを例示する図である。 用語「ベッドミックス」、「オブジェクト」、及び「ベースミックス」の違いを例示する図である。 5.1オーディオシステムのための標準的な低音管理を示すブロック図である。 オーディオオブジェクトベースのシステムに適用される図3に示した標準的な低音管理の概念を示すブロック図である。 本明細書で検討するシステム及び方法の実施形態を使用したオブジェクトベースのオーディオプレゼンテーション及び低音管理を備えた映画館の典型的な実施例を示す図である。 本明細書で検討する低音管理システム及び方法の1つの実施形態を示す詳細なブロック図である。 レンダリング前の低音管理システム及び方法の代替の実施形態を示す詳細なブロック図である。 低音管理フィードに適用されるレンダラー利得を有するレンダリング例外パラメータを使用した低音管理システム及び方法の実施形態を示す詳細なブロック図である。
低音管理システム及び方法の実施形態の以下の説明において、添付図面を参照する。これらの図面は、低音管理システム及び方法の実施形態がどのように実施できるかの具体的な実施例を例証として示している。請求項に記載される主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用でき且つ構造的な変更を行い得ることを理解されたい。
1.用語
以下は、本明細書で使用する幾つかの基本的な用語及び概念である。これらの用語及び概念の一部は、他のオーディオ技術で使用される場合とは僅かに異なる意味を有する可能性がある点に留意されたい。
本明細書では、チャンネルベースのオーディオ及びオブジェクトベースのオーディオの両方を検討する。音楽又はサウンドトラックは、従来、録音スタジオで幾つかの異なるサウンドをミックスして、これらのサウンドが聞き取られるはずの場所を決定し、スピーカシステムにおいて各個々のスピーカで再生される出力チャンネルを作成することによって生成される。このチャンネルベースのオーディオでは、チャンネルは、定義された標準的なスピーカ構成を意図している。異なるスピーカ構成が使用される場合、サウンドは、意図された場所に到達しないか又は適正な再生レベルで到達しない可能性がある。
オブジェクトベースのオーディオでは、異なるサウンドの全てが、3次元(3D)空間での位置を含む、サウンドをどのように再生すべきかを記述する情報又はメタデータと組み合わされる。オブジェクトが意図された通りに再生されて適正な位置に配置されるように所与のスピーカシステムに対してオブジェクトをレンダリングするのは、再生システム次第である。オブジェクトベースのオーディオにより、音楽又はサウンドトラックは、異なる数のスピーカによって、又はリスナーに対して異なる位置にあるスピーカによってシステム上では基本的に同じように聞こえる必要がある。この方法は、アーティストの真意を維持するのを助ける。
図1は、用語「ソース」、「波形」、及び「オーディオオブジェクト」の違いを示す図である。図1に示すように、用語「ソース」は、ベッドミックスの1つのチャンネル又は1つのオーディオオブジェクトのサウンドの何れかを表す単一の音波を意味するのに使用される。ソースに対してリスナー100の周りの3D空間における特定の位置が割り当てられたときには、このサウンドと3D空間におけるサウンドの位置の組み合わせが「波形」と呼ばれる。「オーディオオブジェクト」(又は「オブジェクト」)は、波形が他のメタデータ(チャンネルセット、オーディオプレゼンテーション階層、その他など)と組み合わされたときに作成され、「拡張ビットストリーム」のデータ構造に格納される。「拡張ビットストリーム」は、オーディオデータだけでなく空間データ及び他のタイプのメタデータも包含する。「オーディオプレゼンテーション」は、低音管理システム及び方法の実施形態から最終的に産出されるオーディオである。
語句「利得係数」は、音量を上下させるためにオーディオ信号のレベルが調節される量である。用語「レンダリング」は、所与のオーディオ配信フォーマットを使用している特定の再生スピーカ構成に変換するプロセスを示す。レンダリングは、再生システム及び環境のパラメータ及び制限が与えられた場合に、可能な限りオリジナルの空間音響スペースに近い再生空間音響スペースを再現しようと試みる。
サラウンド又はエレベーションスピーカの何れかが再生環境におけるスピーカレイアウトから除外された場合、これらの除外されたスピーカに対して意図されていたオーディオオブジェクトは、再生環境に物理的に存在する他のスピーカにリマッピングすることができる。この機能を可能にするために、再生環境で使用されるが出力チャンネルに直接関連付けられない「仮想スピーカ」を定義することができる。代わりに、これらの信号は、ダウンミックスマップを使用することによって物理的スピーカチャンネルにリルーティング(経路変更)される。
図2は、用語「ベッドミックス」、「オブジェクト」、及び「ベースミックス」の違いを示す。「ベッドミックス」及び「ベースミックス」の両方は、チャンネル又はチャンネルベースのオブジェクトの何れかとして拡張ビットストリームに包含することができる、リスナー100にレンダリングされるチャンネルベースのオーディオミックス(5.1、7.1、11.1など)を指す。2つの用語の違いは、ベッドミックスがビットストリームに包含されるオーディオオブジェクトの何れも包含しないことである。ベースミックスは、標準的なスピーカレイアウト(5.1、7.1など)のチャンネルベースの形式で提示される完全なオーディオプレゼンテーションを包含する。ベースミックスでは、存在する何れのオブジェクトもチャンネルミックスにミックスされる。これは図2に示されており、ベースミックスがベッドミックス及び何らかのオーディオオブジェクトの両方を含むことを示している。
サブウーファーは、家庭用オーディオシステムにおいて低音応答を拡張する一般的な方法である。家庭のサブウーファーは、メインスピーカを小型で安価で、交換がより容易なものにすることができる。このことは、5.7、又はそれよりも多いスピーカを含むサラウンドサウンドシステムで特に有用である。これらのシステムにおいて、「低音管理」技術は、クロスオーバフィルタ(相補的ローパス及びハイパスフィルタ)を適用し、メインチャンネルから低音周波数をリダイレクトして、これらを加算して組み合わされた信号をサブウーファーに提示する。
図3は、5.1チャンネルベースのオーディオシステムに適用されるこのタイプの低音管理技術300を示すブロック図である。詳細には、メインチャンネル左(L)、中央(C)、右(R)、左サラウンド(Ls)、及び右サラウンド(Rs)は、それぞれの低音信号310、312、315,318、320をリダイレクトし加算する(325)。フィルタ処理されたメインチャンネル330、332、335、338、340は、それぞれのスピーカ345、348、350、352、355を通してレンダリングされる。低域効果(LFE)チャンネルは、加算された低音信号と組み合わされ(360)、サブウーファー370を通してレンダリングされる。
従来、映画館は、サウンドトラックの特定のLFEチャンネルから駆動されるサブウーファーを何十年にもわたって使用してきた。しかしながら、低音管理は一般的には使用されていなかった。現在の5.1映画館は、観客の周りにサラウンドチャンネルを分散配置させた複数のサラウンドスピーカを有する。全てが同じ信号を伝送し、従って負荷を共有する、サラウンドアレイの5、10又はより多くのスピーカが存在することができる。
多次元オーディオ(MDA)などのフィルムサウンドのためのオブジェクトベースのオーディオの出現により、各スピーカは、個別に駆動される。従って、各スピーカは、固有の信号を伝送し、又は独立して再生することができる。ここでは、スクリーンチャンネルにより良好に適合するようにサラウンドスピーカの音質を改善する要求がある。これは、サウンドが映画館の周りでパンされたときに、知覚される品質が一貫したままであることを意味する。低音管理は、サラウンドスピーカの低音容量及び累乗処理を向上させる有効な手段と考えられる。これには、あらゆるサラウンドスピーカの信号が低音管理システム及び方法に含まれることが必要である。
図4は、オーディオオブジェクトベースのシステム400に適用される、図3に示した標準的な低音管理技術を示すブロック図である。図4において、用語「OBAE」は、オブジェクトベースオーディオエッセンス(Object−Based Audio Essence)を指す。図4に示されるように、OBEAビットストリーム405は、総数nのオブジェクト、すなわちオブジェクト1〜オブジェクトnを解析し出力するOBAEビットストリームパーサ410に入力される。オブジェクトの各々は、低周波数が取り除かれ、リダイレクト及び加算される(415)。OBAEビットストリーム405のLFE420もまた、オブジェクトのリダイレクトされた低周波数信号と加算される(430)。メイン処理440がオブジェクトに適用され、サブ処理450が低周波数信号に適用される。処理されたメインオブジェクト信号及び処理されたサブの両方が、オーディオ環境460で再生される。
しかしながら、図4に示した構成の1つの課題は、複数のスピーカに同じ信号がフィードされる可能性があることである。これは、ベクトルベース振幅パンニング(Vector Base Amplitude Panning:VBAP)のパンニング結果として生じることになり、又はチャンネルベースのオーディオが全体のアレイにわたって提示されたとき、もしくはオブジェクト拡大機能がサウンドの次元を拡張するのに使用されたときに起こる可能性がある。サラウンドアレイに対して1つの信号を加算する代わりに、低音管理は、同じ信号の5、10、又はより多くのコピーを加算することになる。拡大機能、ダイバージェンス及びアパーチャは、更に多くのスピーカを含むこともできる。
2つの同一の信号が電気的に加算されたときには、得られる結果は6dB強である。対照的に、これらの2つの信号が映画館において別々のスピーカで再生されたときには、音響加算は僅かに3dB強となる。これは、従来の低音管理加算を用いたサブウーファーレベルが3dBも高くなることを意味する。4つのソース信号が存在するとした場合、エラーは6dBにまで増大する。最新の臨場感のある映画館は、全部で約30〜50のスピーカを有することがあり、そのほぼ半分が低音管理システムをフィードする。過度の低音ビルドアップが顕著となる。スピーカ間のオーディオ信号の位置付け及び割り当ては、動的に変化するので、エラービルドアップの問題を正確に補償することができる固定された利得オフセットは存在しない。更に、オブジェクトベースのシステムによって、最終レンダリング構成は未知である。従って、オブジェクトベースのシステムに低音管理を適用する場合には、低音管理システムは、標準的な低音管理システムと比較してより高度に機能的でなくてはならない。
II.システム及び動作の詳細
低音管理システム及び方法の実施形態は、オブジェクトオーディオレンダリングプロセスで利用可能な明示的な情報を用いて、各オーディオオブジェクトに対する適正なサブウーファー寄与を導き出すことによって低音管理エラーを軽減する。本システム及び方法の実施形態は、商用映画館プロセッサ、又は映画館媒体ブロック(サーバ)にて実行することができる非リアルタイムプレレンダリングプロセスで使用するのに好適である。加えて、このプロセスは、オブジェクトベースの民生用サラウンドプロセッサで有用であることを立証することができる。
図5は、本明細書で検討する低音管理システム及び方法の実施形態を使用した、オブジェクトベースのオーディオプレゼンテーション及び低音管理を備えた映画館の典型的な実施例を示す。図5の平面図で示されるように、オブジェクトベースのオーディオプレゼンテーション及び低音管理を備えた典型的な映画館環境500は、複数のラウドスピーカ(又は「スピーカ」)を包含する。図5は、低音管理システム及び方法の例示的な実施形態を示しており、複数のスピーカレイアウト、スピーカタイプ、及び他の変形形態が実施可能である点に留意されたい。
図5に示されたスピーカ構成は、メインスピーカとして動作する映画館の前方の左スピーカ(L)、中央スピーカ(C)、及び右スピーカ(R)を含む。低域効果スピーカ(LFE)は、映画館の前方近くに配置されるサブウーファーである。スピーカの左側のサラウンド(Lss)アレイは、総数nのスピーカLss1〜Lss(n)を含む。また左側には、総数nのスピーカLrs1〜Lrs(n)を含むスピーカの左‐後方サラウンド(Lrs)アレイがある。映画館の右側には、スピーカの右側サラウンド(Rss)アレイが、総数nのスピーカRss1〜Rss(n)を含む。また右側には、総数nのスピーカRrs1〜Rrs(n)を含む、スピーカの右‐後方サラウンド(Rrs)アレイがある。分かり易くするため及び図面の混乱を避けるために、Rss及びRrsアレイの個々のスピーカは図5に示されていない点に留意されたい。
映画館環境500はまた、スピーカTsr1〜Tsr(n)を含む、総数nのスピーカの上部サラウンド右(Tsr)アレイを含む。同様に、映画館の左側には、スピーカTsl1〜Tsl(n)を含む総数nのスピーカの上部サラウンド左(Tsl)アレイがある。この場合も同様に、分かり易くする及び図面の混乱を避けるために、Tslアレイの個々のスピーカは図5に示されていない。映画館環境500のスピーカ構成はまた、左‐後方サブ(Lrサブ)スピーカを含む。Lrサブスピーカは、Lss、Tsl、及びLrsアレイの全てから低音を集めて、Lrサブサブウーファーを通じてこの低音を再生するサブウーファーである。同様に、映画館の右側は、Rss、Tsr、及びRrsアレイから低音を集めて、Rrサブサブウーファーを通じてこの低音を再生するサブウーファーである右後方サブ(Rrサブ)スピーカを含む。
図6は、低音管理システム600及び方法の実施形態を示すブロック図である。図6に示されるシステム及び方法の実施形態は、典型的には、映画館プロセッサにて実施され、図5に示される映画館環境500などの映画館環境にて使用される。本システム及び方法の実施形態の他の使用は、民生用サラウンドプロセッサ内に含まれる。図6に示される実施形態は、フルレンジスピーカと小型の低音管理スピーカの組み合わせを使用してシステムの必要な融通性をサポートし、典型的な映画館の場合と同様に低音管理ゾーンを分離する。
教育的な目的で及び混乱を回避するために、図6は、1つのオーディオオブジェクトに対するサブウーファー寄与のみを示している。図6に示される低音管理システム600及び方法の実施形態は、フルレンジスピーカ及び低音管理スピーカのミックスをサポートして、また、各々が固有のサブウーファーを駆動する左サラウンドゾーン及び右サラウンドゾーンのような複数の低音管理ゾーンをサポートする。
図6に示されるシステム及び方法は、本システムにおけるスピーカの各々を認識している。更に、システム600及び方法は、オーディオオブジェクトと共に包含されるレンダリング情報(又はメタデータ)を使用することによって、スピーカにわたって各オーディオオブジェクトを配信する。例えば、レンダリング情報は、オーディオオブジェクトを単一のスピーカで、或いはスピーカのアレイにわたってレンダリングすべきかどうかを指示する。システムレンダラー(VBAPレンダラーなど)は、当該サウンドがスピーカ全てにどのように配信されるかを直接制御している。
本システムレンダラーは、数学的プロセスを使用して、何れかの所与のサウンドのどれくらいが何れかの所与のスピーカに達するかを正確に決定する。この情報は、どのくらいの低音が異なるスピーカに複製されるかを決定するのに使用される。この演算には、異なる利得係数全てが取り込まれ、これら利得係数を加算して、これを用いて当該信号からサブウーファーに出て行く低音の量を調節する。
図6には、単一のオーディオオブジェクトに対する配信モデルを示している。また、各実施可能なスピーカに対する利得係数も示されている。図6の左の列は、単一のオーディオオブジェクトに対するレンダラーの出力である利得係数アレイ610である。システム600への入力は、1又は2以上のスピーカにわたるパワー正規化利得を生成する何れかのレンダラーからの利得係数である。利得係数アレイ610は、レンダラー(図示せず)からの総数nのこれらの利得係数(g1〜gn)を包含する。これらの利得係数は、どのくらいの波形が各スピーカに到達するかを制御する。場合によっては、利得係数はゼロであり、他の場合では、利得係数はゼロより大きい。
サブウーファーに対するサブウーファー寄与係数を決定するために、利得係数アレイ610の利得係数は、一部であるサブウーファーゾーンに基づいて処理される。以下に詳細に説明するように、サブウーファー寄与係数を得る処理は、利得係数の累乗を演算して各サブウーファーのパワー保存のサブウーファー寄与係数を演算するステップを含む。利得係数は、サウンドトラックが変わるときに動的に変わることができる。一部の実施形態において、演算されたサブウーファー寄与係数が、サブウーファーをフィードするオーディオを変調するときに、可聴アーティファクトを軽減するのに平滑化関数が使用される。
利得係数は、信号宛先が本システム600及び方法の係数アプリケータセクション(ボックス620)における標準スピーカであるか又はサブウーファーであるかどうかに応じて波形に加えられる。宛先が標準スピーカである場合、利得係数が波形に加えられ、利得修正信号がスピーカ出力低音に送信される(ボックス630)。クロスオーバフィルタが適用され(ボックス640)、処理されたオーディオ信号が、それぞれのスピーカで再生される(ボックス650)。
宛先がスピーカゾーンのサブウーファーである場合には、システム600及び方法は、サブウーファーに対するサブウーファー寄与係数を演算する。RSサブゾーンサブウーファーをフィードする1つのオブジェクトに対するサブウーファー寄与係数の偏差が、図6のボックス660に示されている。ボックス660は、共通サブウーファーを共有するスピーカに対するサブウーファー寄与係数の演算の詳細を概説している。図6のボックス660に示すように、利得係数g4〜gn全てがRsサブゾーンサブウーファーを共有する。システム600及び方法は、個々の利得係数を二乗して、これら二乗したものを加算し、次いで加算した二乗利得係数の平方根を取ることによって、これらの利得係数の累乗を演算する。これは、以下の式(1)で数学的に示されている。得られる結果は、ボックス660の出力であるサブウーファー寄与係数である。サブウーファー利得係数が、係数アプリケータセクション(ボックス620)のサブウーファーに向けられた波形の一部に適用され、この利得修正サブウーファーオーディオ信号が、サブウーファー出力低音に送信される(ボックス630)。クロスオーバフィルタが適用され(ボックス640)、処理されたサブウーファーオーディオ信号が、適正なサブウーファー、この場合はRsゾーンサブウーファー上でオーディオの形態で再生される(ボックス650)。
同じプロセスが、サウンドトラックの全てのオブジェクトに適用され、これらの出力は、スピーカ出力低音にマージされ、次いで、低音管理ハイパス及びローパスクロスオーバフィルタにフィードされる。システム600及び方法の実施形態は、どのくらいのオーディオオブジェクトが各スピーカ(サブウーファーを含む)に達するかを含む、レンダリング情報を使用する。
利得係数が決定される方法はレンダラーアルゴリズムに全く関係がない点に留意されたい。本明細書で記載される低音管理システム600及び方法は、VBAP、MDAのためだけでなく、レンダラーの何れか1つのタイプに固有である。実際には、レンダラーから独立している。レンダリングの全てが本明細書で記載される低音管理システム600及び方法の実施形態のアップストリームで実行される。どのレンダリングアルゴリズムが使用されるかだけで差異はない。
利得係数の各々は、サウンドの振幅の観点でスケール係数を表わしている。よって、最終利得係数を表すために、利得係数全ての累乗が加算される。実際には、これは、利得係数の二乗平均平方根(RMS)である。これは、以下に記載される式(1)によって表される。
利得係数の加算だけでなく、信号の累乗を使用するのが望ましい。これは、利得係数だけが加算された場合、得られる結果はサウンドの累乗ではなくサウンドの強度であることに起因する。使用すべき音響表現は、これらの寄与の累乗によって表される。多くのスピーカにわたってサウンドをレンダリングする場合、スピーカにわたって同じ主観的なラウドネスを維持して、同じ電気的累乗を維持するのが望ましい。そのため、電気的累乗項は、ここでは低音に対する相対的尺度である。
更に、これは、信号全てが共に単純に加算されるときに侵害されるものである。信号全てを加算する場合には、信号は、もはや累乗を表さず、強度を表す。音響的には、これは、差異が生じる場所である。
オブジェクトベースのシステムでは、再生システムのレンダラーは、利用可能なスピーカ間のオーディオ信号の割り当てを制御する機構である。複数のレンダリング機能は、VBAP、ダイバージェンス、又はアパーチャなどの所与のオーディオオブジェクト上で並行して作動することができる。各機能は、関連のスピーカにわたって波形の適切な割り当てを決定する。割り当ては、各スピーカに対する利得係数によって制御される。複数の機能が単一のスピーカをフィードする波形上で並行して作動する場合、利得係数は、最初に乗算され、波形に適用される前に最終利得係数を得る。
各最終利得係数は、各スピーカをフィードする波形の信号レベルの直接的尺度を表す。この明示的な知識は、これまでは再生システムに利用できなかったが、この知識により、低音管理システム600が低音管理に伴うあらゆるスピーカにわたってオブジェクトの波形の音響累乗を正確に産出することができる。この結果として得られる累乗値は、サブウーファーにフィードされる低音信号の望ましい量を表す。各スピーカに対する最終利得係数は、図6においてg1〜gnとして示されている。
図6に示される実施形態において、サブウーファー寄与係数生成器の実施例(ボックス660)が、係数g4〜gnだけを含む係数を使用してRsサブウーファーに対するサブウーファー寄与係数を計算する。これは、スピーカ4〜nがRsスピーカゾーンに含まれることに起因する。従って、サブウーファーへのオーディオオブジェクトの波形の望ましい最終寄与は、g4〜gn係数の累乗の合計を波形倍したものである。式(1)は、以下のようにRsサブウーファー寄与の累乗の算出を記述する。
Figure 0006918777
式(1)は、オーディオオブジェクトに対するサブウーファー寄与係数を演算するのに使用される。図6は、実際には数式を表現するグラフィカルな方式に過ぎない。本システム及び方法の実施形態は、パワー保存利得を使用する。サブウーファー寄与係数の演算はパワー保存利得を使用する。
図6に示される低音管理システム600及び方法の実施形態の一般的動作は、少なくとも1つのオーディオオブジェクトを包含するオーディオ信号を入力することによって開始する。オブジェクトベースのオーディオは、明示的利得情報を供給し、該利得情報は、1又は2以上のスピーカにわたるパワー正規化スピーカ利得を生成するオブジェクトレンダラーから出力される。このことは、オブジェクトレンダラーが、マルチスピーカパンニング、又は可変範囲(ダイバージェンス、アパーチャなど)、又はチャンネルベースのアレイ提示をサポートすることを意味する。
III.代替の実施形態及び例示的な動作環境
全てのスピーカが、商用又は民生用指向の何れかの小型の据え付けの場合とすることができるように共通のサブウーファーに均一に低音管理される代替の実施形態が実施可能である。これらの代替の実施形態は、係数の算出を必要としない。これは、サブウーファーにフィードするオーディオがレンダリング動作の前に得られることに起因して実施可能であり、これによってオーディオの複数コピーの加算が回避される。
図6に示される実施形態は、前方スピーカだけでカバーされるので、スピーカのサブセットからだけの低音を隔離する(例えば、サブウーファーに達するサラウンドスピーカからの低音だけを有する)ことが望ましい場合に最も融通性の高い実施形態である。しかしながら、典型的な家庭用システム又は小規模映画館が使用される場合、低音を再生するスクリーンの背後に大きなスピーカが無い可能性がある。従って、スピーカシステム全体の低音管理を行うことが望ましいとすることができる。この場合、低音管理システム及び方法の簡易バージョンを使用することができる。これは図7の実施形態に示される。
図7は、レンダリング前の低音管理システム及び方法の代替の実施形態を示す詳細なブロック図である。図7に示す実施形態は、出力スピーカ全てにわたる総信号エネルギーが一定に留まる限り機能することができ、様々なレンダリング動作によって改変されない。これは、VBAP、ダイバージェンス、及びアパーチャ機能に対して当てはまる。
図7の実施形態は、単一のサブウーファーを含む、要件の異なるセットを有する。図7は、チャンネルの全てがサブウーファーに存在する場合を例示している。これは、本システムにおけるスピーカの全てをフィードするチャンネルの全てが、同じように低音管理されることを意味する。そのため、どのスピーカがサブウーファーによって表されるかを細分化する選択肢はない。加えて、クロスオーバー周波数を変更する選択肢は存在する。
図7に示すように、低音管理システム700及び方法の典型的な実施形態において、レンダラーに達する前にオーディオ信号の低音部分が取り出される。詳細には、低音は、(オブジェクトがレンダリングされる前に)オブジェクトからだけ直接集められる。図7に示すように、入力は、2チャンネル信号(OBAEビットストリーム705)であり、OBAEビットストリームパーサ710は、総数nのオブジェクト(オブジェクト1〜オブジェクトn)及びLFE715信号を解析し出力する。ハイパスフィルタ(HP)及びローパスフィルタ(LP)の組み合わせを使用して、低音はオブジェクトから取り出されて加算される(ボックス720)。加算され取り出された低音は、LFE信号とミックスされ(ボックス730)て、低周波数信号を得る。
オブジェクトは、レンダリングされ、メイン処理740がオブジェクトに適用され、サブ処理750が低周波数信号に適用される。処理されたメインオブジェクト信号及び処理された低周波数信号の両方は、オーディオ環境760にて再生される。一部の実施形態において、処理されたメインオブジェクト信号は、サラウンドサウンドスピーカ(典型的には5、7、又は11スピーカ)の間で信号を拡散するサラウンドプロセッサ(図示せず)を通過させる。サラウンドプロセッサは、サラウンドサウンドスピーカにわたってオーディオ環境にて複数のオーディオオブジェクトの空間レンダリングを実行し、これによってオーディオ環境でのサラウンドサウンド構成を形成するようになる。処理された低周波数低音は、サブウーファーに戻されるか又は送信される。
低音管理システム及び方法の一部の実施形態は、レンダリング例外パラメータと呼ばれるメタデータパラメータを含む。このレンダリング例外パラメータにより、レンダラー例外が存在するときに、レンダラーにおけるあらゆる利得変更を行うことが可能となる。これは、オブジェクト全てからの低音が補正された後に起こり、どれほどの数のオブジェクトが更なるダウンストリームでスピーカに現れるかを変更することが望ましい。オブジェクトのレベルが変化している場合、表現されるこの低音の量を変えることも賢明である。
図8は、低音管理フィードに適用されるレンダラー利得を有するレンダリング例外パラメータを使用する低音管理システム800及び方法の実施形態を示す詳細なブロック図である。図8に示すように、集められた低音信号がこれらの利得変化を追跡するために、低音加算器をフィードする信号にレンダリング利得パラメータを適用しなくてはならない。
具体的には、図8では、入力はOBAEビットストリーム805である。OBAEビットストリームパーサ810は、総数nのオブジェクト(オブジェクト1〜オブジェクトn)並びにLFE815信号を解析して出力する。ハイパスフィルタ(HP)及びローパスフィルタ(LP)の組み合わせを使用して、低音周波数は、オブジェクトから取り出されてプロセッサに入力される(ボックス820)。プロセッサへの入力はまた、レンダリングされたオブジェクトの利得の変化を反映するレンダリング例外パラメータ825である。取り出された低音周波数が加算され(ボックス830)、次いで、加算された取り出された低音が、LFE信号とミックスされて(ボックス835)、低周波数信号を得る。
オブジェクトは、OBAEレンダラーで行われた何らかの利得変更に従ってレンダリングされる。メイン処理845がオブジェクトに適用され、サブ処理850が低周波数信号に適用される。処理されたメインオブジェクト信号及び処理された低周波数信号の両方は、オーディオ環境860で再生される。図7に示される実施形態と同様に、一部の実施形態において、処理されたメインオブジェクト信号は、サラウンドサウンドスピーカ(典型的には5、7、又は11スピーカ)の間で音を拡散するサラウンドプロセッサ(図示せず)を通過する。処理された低周波数の低音は、サブウーファーに戻されるか、又はサブウーファーを通じて送信される。
図6−8に示される低音管理システム及び方法の実施形態は、ミックススピーカタイプ又はミックスゾーンをサポートする。次いで、レンダラー関数係数の累乗は、オーディオオブジェクトに対するサブウーファー寄与係数を導き出すために演算される。これらは図6の「g」項である。
本明細書に記載される以外の他の多くの変形形態が、本明細書から明らかになるであろう。例えば、実施形態によっては、本明細書で説明した何らかの方法及びアルゴリズムの特定の動作、事象、又は機能を異なる順序で実行することができ、追加、統合、又は完全に省略することができる(従って、ここで説明する全ての動作又は事象が、本方法及びアルゴリズムの実施に必要というわけではない)。更に、特定の実施形態において、動作又は事象は、連続的ではなく、例えば、マルチスレッド型処理、割り込み処理、もしくはマルチプロセッサ又はプロセッサコアによって、又は他の並列アーキテクチャ上で同ときに実行することができる。加えて、様々なタスク又は処理は、一緒に機能することができる異なるマシン及びコンピューティングシステムによって実行することができる。
本明細書で開示した実施形態に関連して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、方法、及びアルゴリズム処理及び手順は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はこの両方の組み合わせとして実施することができる。ハードウェア及びソフトウェアのこの互換性について明確に例証するために、上記では、様々な実例的な構成要素、ブロック、モジュール、及び処理動作について、これらの機能性に関して一般的に説明してきた。このような機能性をハードウェア又はソフトウェアとして実施するか否かは、特定の用途及びシステム全体に課された設計上の制約による。記載した機能性は、特定の用途の各々に関して異なる方法で実施することができるが、このような実施の決定が、本明細書の範囲からの逸脱を生じさせると解釈すべきではない。
本明細書で開示した実施形態に関連して説明する様々な例示的な論理ブロック及びモジュールは、汎用プロセッサ、処理デバイス、1又は2以上の処理デバイスを有するコンピューティングデバイス、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、又は他のプログラム可能論理デバイス、離散ゲート又はトランジスタ論理、離散的ハードウェア構成要素、又は本明細書で説明する機能を実行するよう設計されたこれらの何れかの組み合わせのようなマシンによって実施し又は実行することができる。汎用プロセッサ及び処理デバイスは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替形態において、プロセッサは、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態マシン、これらの組み合わせ、又は同様のものとすることができる。プロセッサは、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1又は2以上のマイクロプロセッサ、又は何れかの他のこのような構成のような、コンピューティングデバイスの組み合わせとしても実施可能である。
本明細書で説明した低音管理システム及び方法の実施形態は、多くのタイプの汎用又は専用コンピューティングシステム環境又は構成内で動作可能である。一般に、コンピューティング環境は、限定されるものではないが、1又は2以上のマイクロプロセッサ、メインフレームコンピュータ、デジタルシグナルプロセッサ、携帯用コンピューティングデバイス、パーソナル・オーガナイザ、デバイスコントローラ、電気製品内部の計算エンジン、携帯電話、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、及び埋め込みコンピュータを備えた電気製品に基づくコンピュータシステムを含む、あらゆるタイプのコンピュータシステムを含むことができる。
このようなコンピューティングデバイスは、限定されるものではないが、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、ラップトップ又はモバイルコンピュータ、携帯電話及びPDAのような通信デバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、プログラム可能な家庭用電化製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、オーディオ又はビデオメディアプレーヤ、及びその他を含む、少なくとも何らかの最低限の計算能力を有するデバイスに通常、見出すことができる。一部の実施形態において、コンピューティングデバイスは、1又は2以上のプロセッサを含むことになる。各プロセッサは、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、超長命令語(VLIW)、又は他のマイクロコントローラのような特殊なマイクロプロセッサとすることができ、或いは、マルチコアCPU内の特殊なグラフィックス処理ユニット(GPU)ベースのコアを含む、1又は2以上のプロセッシングコアを有する従来型の中央処理ユニット(CPU)とすることができる。
本明細書で開示した実施形態に関連して説明する方法、処理、又はアルゴリズムの処理動作は、ハードウェアで直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、又はこの2つの何れかの組み合わせで具現化することができる。ソフトウェアモジュールは、コンピューティングデバイスによってアクセス可能なコンピュータ可読媒体内に含めることができる。コンピュータ可読媒体は、取り外し可能、取り外し不可の何れかである揮発性及び不揮発性媒体、又は何らかのこれらの組み合わせを含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読又はコンピュータ実行可能命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータのような情報を格納するために用いられる。例示的且つ非限定的に、コンピュータ可読媒体は、コンピュータストレージ媒体及び通信媒体を含むことができる。
コンピュータストレージ媒体は、限定されるものではないが、Blurayディスク(BD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、フロッピーディスク、テープドライブ、ハードドライブ、光ドライブ、固体メモリデバイス、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、フラッシュメモリ、又は他のメモリ技術、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、又は他の磁気ストレージデバイス、又は所望の情報を格納するために使用可能で1又は2以上のコンピューティングデバイスによってアクセス可能な何れかの他のデバイスのような、コンピュータ又はマシン可読媒体又はストレージデバイスを含む。
ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD−ROM、又は当該技術で公知の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体、メディア、又は物理コンピュータストレージの何れかの他の形式内に常駐することができる。例示的なストレージ媒体は、プロセッサがストレージ媒体から情報を読み出して、そこに情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合することができる。代替形態では、ストレージ媒体は、プロセッサに一体化することができる。プロセッサ及びストレージ媒体は、特定用途向け集積回路(ASIC)内に常駐することができる。ASICは、ユーザ端末内に常駐することができる。代替的に、プロセッサ及びストレージ媒体は、ユーザ端末内の個別構成要素として常駐することができる。
本明細書で使用する場合、語句「非一時的」は、「永続的又は長寿命の」を意味する。語句「非一時的コンピュータ可読媒体」は、ありとあらゆるコンピュータ可読媒体を含み、唯一の例外は一時的な伝搬信号である。これは、例示的且つ非限定的に、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、及びランダムアクセスメモリ(RAM)のような非一時的コンピュータ可読媒体を含む。
語句「オーディオ信号」は、物理的音響を表す信号である。
コンピュータ可読又はコンピュータ実行可能命令、データ構造、プログラムモジュール、及びその他のような情報の保持は、1又は2以上の変調データ信号、電磁波(搬送波のような)、又は他の伝送機構又は通信プロトコルをエンコードするための様々な通信媒体を用いることによって実現することができ、何れかの有線又は無線情報配信機構を含む。一般に、これらの通信媒体は、信号内の情報又は命令をエンコードするような方法で設定又は変更される自己の特性の1又は2以上を有する信号を参照する。例えば、通信媒体は、1又は2以上の変調データ信号を搬送する有線ネットワーク又はダイレクト有線接続のような有線媒体、及び音響、無線周波数(RF)、赤外線、レーザのような無線媒体、及び1又は2以上の変調データ信号又は電磁波を送信、受信、又は送受信するための他の無線媒体を含む。上記の何れかの組み合わせも、通信媒体の範囲内に含まれるべきである。
更に、本明細書で説明した低音管理システム及び方法の種々の実施形態の一部又は全てを具現化するソフトウェア、プログラム、コンピュータプログラム製品のうちの1又は何れかの組み合わせ、或いはこれの一部分は、コンピュータ可読命令又は他のデータ構造の形式で、コンピュータ又はマシン可読媒体又はストレージデバイス及び通信媒体のあらゆる所望の組み合わせに格納、受信、送信、又はそこから読み出すことができる。
本明細書で説明した低音管理システム及び方法の実施形態は、コンピューティングデバイスによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータ実行可能命令という一般的状況で更に説明することができる。一般に、プログラムモジュールは、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、及びその他を含み、これらが、特定のタスクを実行し、特定の抽象データタイプを実施する。また、本明細書で説明した実施形態は、1又は2以上の通信ネットワークを通じてリンクされた1又は2以上のリモート処理デバイスによって、又は1又は2以上のデバイスのクラウド内でタスクが実行される、分散コンピューティング環境で実施することもできる。分散コンピューティング環境では、メディアストレージデバイスを含む、ローカル及びリモートの両方のコンピュータストレージ媒体内に、プログラムモジュールを配置することができる。更に、上記の命令は、プロセッサを含むこともあれば含まないこともある、ハードウェア論理回路として部分的に又は全体的に実施することができる。
本明細書で使用する条件語、とりわけ、「できる(can)」「してよい(might)」「できる(may)」「例えば(e.g.)」及び同様のものは、他に明確に言及されていない限り、又は用いられる文脈でそれ以外に理解されない限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素、及び/又は状態を含むが、他の実施形態は含まないことを伝えるものである。従って、このような条件語は、特徴、要素、及び/又は状態が、1又は2以上の実施形態にとって必ず必須であること、或いは、作成者の入力又は指示があってもなくても、これらの特徴、要素、及び/又は状態が含まれるか又は何れかの特定の実施形態で実行されるべきかどうかを決めるためのロジックを、1又は2以上の実施形態が必ず含むことを一般に示唆するものではない。用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、及び同様のものは、同義であり、包含的且つオープンエンド(open−end)方式で使用され、付加的な要素、特徴、動作、操作、及びその他を除外しない。また、用語「or」は、包括的な意味で(排他的意味ではなく)用いられ、従って、例えば、要素のリストをつなぐために使用されるとき、用語「or」は、リスト内の要素のうちの1つ、幾つか、又は全てを意味する。
上記の詳細な説明は、種々の実施形態に適用される場合に新規の特徴を示し、説明し、及び指摘するが、本開示の精神から逸脱することなく、例証されたデバイス又はアルゴリズムの形式及び詳細において、様々な省略、置換、及び変更を加えることができる点を理解されたい。理解できるように、一部の特徴は、他の特徴とは別に使用すること又は実施することができるので、本明細書で説明する本発明の特定の実施形態は、本明細書に示した特徴及び利点の全てを提供しない形態の範囲内で具現化することができる。
更に、主題は、構造的特徴及び方法論的動作に特有の用語で説明してきたが、添付の請求項に記載する主題は、上記で説明した特定の特徴又は動作に必ずしも限定されるわけではないことを理解されたい。むしろ、上記で説明した特定の特徴及び動作は、請求項を実施する例示的な形態として開示される。
600 システム
610 利得係数アレイ
620 ボックス
630 ボックス
640 ボックス
650 ボックス

Claims (15)

  1. オーディオ信号を処理するための方法であって、
    前記オーディオ信号に対するパワー正規化されたスピーカの利得係数(パワー正規化スピーカ利得係数)をレンダラーから入力するステップであって、前記オーディオ信号がオーディオオブジェクト及び関連するレンダリング情報を包含する、ステップと、
    前記利得係数を組み合わせて、組み合わされた前記利得係数の累乗を演算して、パワー保存のサブウーファー寄与係数を得るステップであって、前記パワー保存は、前記組み合わされた利得係数の累乗を保存することを意味する、ステップと、
    前記サブウーファー寄与係数をサブウーファーオーディオ信号に適用して、利得修正サブウーファーオーディオ信号を得るステップと、
    サブウーファーに適用される低音信号の量により低音管理エラーが回避されるのを確保するよう、オーディオ環境において前記サブウーファーを通じて前記利得修正サブウーファーオーディオ信号を再生するステップと、
    を含む方法。
  2. 前記オーディオ環境内で前記サブウーファーを含む複数のスピーカを包含するスピーカゾーンを定義するステップを更に含み、
    前記複数のスピーカから前記利得係数を組み合わせることは、更に、前記サブウーファーを含む前記スピーカゾーンにおける前記スピーカの各々からの利得係数を組み合わせることを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 複数のスピーカゾーンを定義するステップを更に含み、前記スピーカゾーンの各々が複数の異なるスピーカ及びサブウーファーを包含し、前記スピーカゾーンの各々は、他のスピーカゾーンと比較して異なる数のスピーカ及びサブウーファーを包含する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記複数のスピーカゾーンの各々における各サブウーファーに対するサブウーファー寄与係数を計算するステップを更に含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記組み合わされた利得係数の累乗を演算することは、更に、
    個々の前記利得係数の各々を二乗して二乗利得係数を得ることと、
    前記二乗利得係数を加算して二乗和を得ることと、
    前記二乗和の平方根を取ることによって前記サブウーファーに対するサブウーファー寄与係数を得ることと、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記オーディオ信号に包含される複数のオーディオオブジェクトを入力するステップと、
    ローパスフィルタを使用して、前記オーディオオブジェクトが前記レンダラーによってレンダリングされる前に前記複数のオーディオオブジェクトの各々から低音周波数部分を取り出して、取り出された低音部分を得るステップと、
    前記取り出された低音部分を加算して、低域効果(LFE)信号とミックスし、低周波数信号を得るステップと、
    前記サブウーファー寄与係数を前記低周波数信号に適用して、前記利得修正サブウーファーオーディオ信号を得るステップと、
    更に含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記オーディオ環境は、複数のスピーカ及び単一のサブウーファーを包含する、請求項に記載の方法。
  8. サラウンドプロセッサを使用して前記オーディオ信号を処理し、前記オーディオ環境において前記複数のオーディオオブジェクトの空間レンダリングを実行するステップを更に含み、前記複数のスピーカの数は、前記オーディオ環境におけるサラウンドサウンド構成を形成するような数である、請求項に記載の方法。
  9. オーディオ信号におけるオーディオオブジェクトのためサブウーファーを通じて再生するサブウーファーオーディオ信号の量を決定するための低音管理システムであって、
    前記低音管理システムは、
    複数のスピーカ及び1つのサブウーファーを包含する、オーディオ環境内のスピーカゾーンと、
    前記スピーカゾーンにおける前記複数のスピーカ及び前記サブウーファーの各々に対するパワー正規化されたスピーカの利得係数(パワー正規化スピーカ利得係数)を生成するレンダラーと、
    前記利得係数の各々を二乗して、該二乗したものを加算し、次いで前記加算したものの平方根を取って、前記サブウーファーのパワー保存のサブウーファー寄与係数を生成することにより、前記利得係数の累乗を演算するサブウーファー寄与係数生成器であって、前記パワー保存は、前記組み合わされた利得係数全ての累乗を保存することを意味する、サブウーファー寄与係数生成器と、
    前記サブウーファーに送られる前記オーディオ信号の一部分に前記サブウーファー寄与係数を適用して、利得修正サブウーファーオーディオ信号を得る係数アプリケータと、
    を備える、低音管理システム。
  10. 様々な異なるタイプ及び数のスピーカ及びサブウーファーを各々が包含する複数のスピーカゾーンを更に備え、前記複数のスピーカゾーンの各々に対して固有のサブウーファー寄与係数が演算される、請求項に記載の低音管理システム。
  11. 前記利得係数が経時的に変化したときに可聴アーティファクトを防ぐように、前記サブウーファー寄与係数に適用される平滑化関数を更に含む、請求項に記載の低音管理システム。
  12. 前記オーディオオブジェクトの変化する利得に基づいて前記サブウーファー寄与係数の値を調節するよう、前記サブウーファー寄与係数に適用されるレンダリング例外パラメータを更に含む、請求項に記載の低音管理システム。
  13. 複数のオーディオオブジェクトと該複数のオーディオオブジェクトの各々についての関連するレンダリング情報とを包含するオブジェクトベースのオーディオ信号を処理する方法であって、
    前記オーディオ信号が再生されることになるオーディオ環境におけるスピーカの数を決定するステップと、
    レンダラーを使用して、前記スピーカに対するパワー正規化されたスピーカの利得係数(パワー正規化スピーカ利得係数)を生成するステップと、
    各スピーカチャンネルから前記オーディオ信号の低音周波数部分を取り出して、該低音周波数部分を加算し、サブウーファーオーディオ信号を得るステップと、
    前記利得係数の各々を二乗して二乗利得係数を得るステップと、
    前記二乗利得係数を加算して二乗和を得るステップと、
    前記二乗和の平方根を取り、
    パワー保存のサブウーファー寄与係数を得るステップであって、前記パワー保存は、前記組み合わされた利得係数の累乗を保存することを意味する、ステップと、
    前記サブウーファー寄与係数をサブウーファーオーディオ信号に適用して、利得修正サブウーファーオーディオ信号を得るステップと、
    サブウーファー寄与が、前記複数のオーディオオブジェクトの各々に対して適正であり且つ何れの低音管理エラーも阻止又は軽減するように、前記レンダリング情報及び前記利得修正サブウーファーオーディオ信号に基づいて前記オーディオ環境における前記複数のオーディオオブジェクトを空間的にレンダリングするステップと、
    を含む、方法。
  14. 前記オーディオ環境において前記スピーカに対する複数のスピーカゾーンを定義して、前記スピーカの各々が前記複数のスピーカゾーンのうちのただ1つのスピーカゾーンの一部であり、前記複数のスピーカゾーンの各々が1つのサブウーファーを有するようにするステップと、
    前記複数のスピーカゾーンの各々における各サブウーファーに対して前記サブウーファー寄与係数を決定するステップと、
    を更に含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記複数のスピーカゾーンの各々は、他のスピーカゾーンと比較して異なる数のスピーカを包含する、請求項14に記載の方法。
JP2018507549A 2015-08-14 2016-08-13 オブジェクトベースのオーディオのための低音管理 Active JP6918777B2 (ja)

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