JP6177294B2

JP6177294B2 - 運動案内装置

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Publication number: JP6177294B2
Application number: JP2015199636A
Authority: JP
Inventors: 一人本間; 賢一長谷部; 稔久前田; 淳一坂井; 槇　信之; 信之槇; 星出　薫; 薫星出
Original assignee: THK Co Ltd
Current assignee: THK Co Ltd
Priority date: 2015-10-07
Filing date: 2015-10-07
Publication date: 2017-08-09
Anticipated expiration: 2035-10-07
Also published as: CN108026965B; TWI651477B; JP2017072196A; KR102362003B1; US10876575B2; KR20190092607A; CN108026965A; TW201719054A; WO2017061231A1; KR20180039171A; US20180283449A1; DE112016004620T5

Description

本発明は、運動案内装置に関し、特に、基本的な性能を大きく低減させずに全体の軽量化を図ることができると共に、製造工程を簡素化して容易に製造することができる運動案内装置に関する。

従来より、長手方向に沿って延びる基部と、該基部の幅方向両端から立設すると共に、長手方向に沿って転動体転走溝が形成された一対の壁部を備えた軌道部材と、壁部の間を長手方向に沿って移動可能に組みつけられると共に、前記転動体転走溝に対応する負荷転動体転走溝が形成された移動部材と、移動部材に形成された貫通孔に挿通されると共に、螺旋状のねじ用転動体転走溝が形成されたねじ軸を備えたアクチュエータとしての運動案内装置が知られている。

このような運動案内装置は、剛性を確保するために軌道部材，移動部材及びねじ軸といった主な部材を鋼材で構成している。しかし、鋼材を用いると運動案内装置の重量が増大することとなり、駆動速度を向上させて高タクト化を図ろうとすると重量をできるだけ軽量にする必要がある。また、重量を軽量化のために例えばアルミニウムなどの材料で軌道部材，移動部材及びねじ軸等の主な部材を構成すると、転動体からの負荷を適切に受けることができず、定格が低下してしまう。

このような相反する問題に対応するために、軌道部材や移動部材をアルミニウムなどの軽量な金属で構成すると共に、転動体が転走する転動体転走溝や負荷転動体転走溝並びにねじ軸などは鋼材で構成し、これらの転動体転走溝や負荷転動体転走溝を形成した部材を軌道部材や移動部材に組み付けるという構成を採用することで、運動案内装置の定格を大きく低下させずに運動案内装置の軽量化を図ることが知られている。

しかし、このような軌道部材や移動部材と転動体転走溝や負荷転動体転走溝が別の部材で構成されている場合、転動体転走溝や負荷転動体転走溝を軌道部材や移動部材に組み付ける際の位置調整が難しく、転動体転走溝と負荷転動体転走溝の間の隙間を一定に調整することは煩雑な作業が必要であった。

また、転動体転走溝と負荷転動体転走溝が別の部材で構成されている場合、各部材の交差の積み上げにより、その隙間の量が各運動案内装置ごとに異なってしまい、径の異なる転動体から転動体転走溝と負荷転動体転走溝の間の隙間に応じた適切な転動体を選定するボール調整工程が必要であった。このボール調整工程は、多数のボールから最適な径のボールを選定するという非常に煩雑な工程であることから、高コストとなり、ボール調整工程を廃止することで製造コストの抑制を図ることが望まれていた。

なお、このような転動体転走溝を軌道部材に貼り付ける構造において、下記特許文献１に記載されたリニアガイド装置のように、レールハウジングにレール部材を弾性体を介して貼り付けることでレール部材の位置決めを行うことが行われている。

特許第４５３１０５３号公報

しかしながら、特許文献１に記載されているようなリニアガイド装置は、このような構造の場合、レール部材の位置決めを容易に行うことができるものの、レール部材の位置決めの後、接着剤の接着力のみでレール部材をレールハウジングに組み付けているため、接着剤の硬化まで時間がかかることに加え、最適な径のボールを選定するボール調整工程が依然として必要であった。

本発明は、上記課題を解決するために成されたものであって、軌道部材や移動部材と転動体転走溝及び負荷転動体転走溝を別部材で構成することで安価に製造することができると共に、軌道部材や移動部材に転動体転走溝や負荷転動体転走溝を組付ける際に容易に転動体転走溝と負荷転動体転走溝の間の隙間を適切な量に調整することができる運動案内装置を提供することを目的とする。

本発明に係る運動案内装置は、長手方向に沿って延びる基部と、前記基部の幅方向両端から立設すると共に、長手方向に沿って転動体転走溝が形成された一対の壁部を備えた軌道部材と、前記壁部の間を長手方向に沿って移動可能に組みつけられると共に、前記転動体転走溝に対応する負荷転動体転走溝が形成された一対の案内部材が組み付けられる移動部材と、からなる運動案内装置であって、前記案内部材の少なくともいずれか一方には、前記負荷転動体転走溝が設けられる面とは反対側の面に付勢部材を設け、前記移動部材には、前記付勢部材が付勢する方向に前記案内部材を幅方向に沿って移動可能に案内すると共に、前記移動部材に対して固定可能にする取付面を設け、前記付勢部材が付勢する方向と交差する方向から締結固定されていることを特徴とする。

本発明によれば、移動部材に取り付けられた案内部材の少なくともいずれか一方は、負荷転動体転走溝が設けられる面とは反対側の面に付勢部材を設けているので、付勢部材の反力によって自動で案内部材の位置を調整して転動体転走溝と負荷転動体転走溝の間の隙間を調整することが可能となり、運動案内装置の組立性が大幅に向上し、ボール調整工程を廃止することでコスト抑制を図ることができる。また、ボール調整工程の廃止に伴って、複数の交差のボールを準備する必要がなくなり、当該ボールの管理が不要となることで、より製造コストの抑制を図ることができる。

本発明の実施形態に係る運動案内装置の斜視図。本発明の実施形態に係る運動案内装置の分解図。図２におけるＡ−Ａ断面図。本発明の実施形態に係る運動案内装置に用いられる移動部材の構成を説明するための分解図。本発明の実施形態に係る運動案内装置に用いられる案内部材の背面を示す斜視図。本発明の実施形態に係る運動案内装置に用いられる案内部材の分解図。

以下、本発明に係る運動案内装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。

図１は、本発明の実施形態に係る運動案内装置の斜視図であり、図２は、本発明の実施形態に係る運動案内装置の分解図であり、図３は、図２におけるＡ−Ａ断面図であり、図４は、本発明の実施形態に係る運動案内装置に用いられる移動部材の構成を説明するための分解図であり、図５は、本発明の実施形態に係る運動案内装置に用いられる案内部材の背面を示す斜視図であり、図６は、本発明の実施形態に係る運動案内装置に用いられる案内部材の分解図である。

図１に示すように、本実施形態に係る運動案内装置１は、長手方向に沿って延びる軌道部材１０と、軌道部材１０に沿って長手方向に移動可能に組み付けられた移動部材２０とを備えている。また、軌道部材１０の上面には、カバー２が取り付けられており運動案内装置１の内部に異物が侵入することを防止している。なお、移動部材２０は、軌道部材１０とカバー２の間に形成された隙間から外部に延設しており、案内対象に取り付けられている。

図２に示すように、軌道部材１０は、長手方向に沿って延びる基部１１と、基部１１の幅方向両端から立設する一対の壁部１２，１２を備えている。壁部１２の互いに対向する面には、長手方向に沿って転走溝構成部材１７，１７がそれぞれ取り付けられている。転走溝構成部材１７，１７には、長手方向に沿った転動体転走溝１６，１６が形成されている。

また、軌道部材１０の長手方向の一端には、駆動部材１４が取り付けられると共に駆動部材１４によって回転力が付与されるねじ軸３０を回転自在に保持する駆動部材取付部１５が形成されており、長手方向の他端には、後述するねじ軸３０を回転自在に保持する端壁１３が形成されている。なお、駆動部材１４は、電動モータなどが好適に用いられる。なお、転走溝構成部材１７は、鋼材などの硬質な金属で構成されており、軌道部材１０は鋼材よりも軽量な部材、例えばアルミニウム合金などで構成されると好適である。

移動部材２０は、軌道部材１０に形成された壁部１２，１２の間を長手方向に沿って移動可能に組み付けられている。移動部材２０は、軌道部材１０に回転自在に組み付けられたねじ軸３０が挿通される貫通孔２１が形成されており、該貫通孔２１には、ねじ軸３０に螺合するナット部材２２が鍔部２３を介して組み付けられている。

また、図３に示すように、移動部材２０には、軌道部材１０に組み付けられた転走溝構成部材１７に形成された転動体転走溝１６を転走する転動体２６が無限循環するように組み付けられた案内部材２４を備えている。案内部材２４は、壁部１２，１２に対応するように移動部材２０の幅方向に一対取り付けられており、移動部材２０に形成された取付面２０ａに固定されている。さらに、一方の案内部材２４は、移動部材２０に付勢部材４０を介して取付けられている。

付勢部材４０は、ゴムチューブなどの弾性体で構成されると好適であり、より好適には、図６に示すように中空のゴムチューブを用いることができる。付勢部材４０は、弾性力によって案内部材２４を壁部１２に向かって付勢している。この付勢力は、転動体転走溝１６と負荷転動体転走溝２４ａの間の隙間がこれらの間を転走する転動体２６の径に応じて適切な隙間となるように調整されており、当該隙間の調整が容易となる。

案内部材２４は、移動部材２０の付勢部材４０の付勢する方向と交差する方向（例えば移動部材２０の上面）からボルトなどの締結手段２５によって固定されている。このように案内部材２４は、移動部材２０に対して付勢部材４０の付勢する方向と交差する方向から締結手段２５によって固定されているので、締結手段２５の締結力が付勢部材４０の付勢力に影響を与えることがなく上述した付勢部材４０による位置決めがなされた状態で案内部材２４を固定することができる。なお、案内部材２４は、締結手段２５によって取付面２０ａに固定されるまでは取付面２０ａに沿って幅方向に移動可能に組み付けられている。この構成により、付勢部材４０の付勢力によって案内部材２４の位置決めを容易に行うことが可能となる。

図３及び４に示すように、付勢部材４０は、案内部材２４の長手方向の両端側に上下に一対ずつ、合計４箇所に取り付けられると好適であり、長手方向と直交する断面において、負荷転動体転走溝２４ａからの距離が略等距離となるように上下に付勢部材４０が配置されていると好適である。

また、付勢部材４０が取り付けられた案内部材２４を移動部材２０に固定する締結孔２５ａは、長穴またはボルトよりも大径に形成されており、付勢部材４０によって位置調整がなされた場合でも案内部材２４を締結することができるように調整幅を持たせている。

図５及び６に示すように、案内部材２４は、長手方向に沿って負荷転動体転走溝２４ａが形成された案内部材本体２７と、負荷転動体転走溝２４ａと連続する方向転換溝２９ｂ及び該方向転換溝２９ｂと連続する転動体戻し通路２９ａが形成された無限循環構成部材２９を備えている。また、無限循環構成部材２９の方向転換溝２９ｂを覆って方向転換路を画成する端部部材２８が取付手段２８ａによって両端に取り付けられている。また、図６に示すように、無限循環構成部材２９には、負荷転動体転走溝２４ａが形成される面とは反対側の面に付勢部材４０を取り付ける取付溝４１が形成されている。

案内部材２４は、転動体転走溝１６と負荷転動体転走溝２４ａの間を転走する転動体２６が負荷転動体転走溝２４ａの一端まで至ると、方向転換溝２９ｂを介して転動体戻し通路２９ａを通過して負荷転動体転走溝２４ａの他端に戻されることで転動体２６の無限循環を実現している。なお、案内部材本体２７は、鋼材などの硬質な金属で構成されており、移動部材２０や無限循環路構成部材２９は鋼材よりも軽量な部材、例えばアルミニウム合金などで構成されると好適である。さらに、案内部材２４の端部に取り付けた端部部材２８は、合成樹脂を用いても構わない。

図２に示すように、ねじ軸３０とナット２２は、ボールねじ装置を構成している。ボールねじ装置は、外周面に所定のリードで螺旋状のねじ用転動体転走溝３１が形成されると共に、軸線方向に沿って延びて形成されたねじ軸３０と、該ねじ軸３０が貫通する貫通孔を備え円筒形状に形成されると共に、貫通孔の内周面にねじ軸３０に形成されたねじ用転動体転走溝３１と対向するねじ用負荷転動体転走溝が形成されたナット２２と、ねじ用転動体転走溝３１とねじ用負荷転動体転走溝との間に複数のボールねじ用転動体を配列してねじ軸３０とナット２２とが螺合している。なお、ナット２２は、円筒形状に限られず、例えば軸方向と直交する断面形状が外形矩形状等の筒状に形成しても構わない。

このように構成されたボールねじ装置は、ねじ軸３０とナット２２との相対的な回転によってナット２２がねじ軸３０の軸線方向に沿って運動するように構成されている。本実施形態に係る運動案内装置１は、駆動部材１４の回転によって回転せしめられたねじ軸３０の回転運動がナット２２の直進運動に変換される。なお、ねじ軸３０及びナット２２は、鋼材などの硬質な金属で構成されており、鍔部２３は鋼材よりも軽量な部材例えばアルミニウム合金などで構成されると好適である。

このように、本実施形態に係る運動案内装置１は、移動部材２０に取り付けられた案内部材２４の少なくともいずれか一方は、案内部材２４の負荷転動体転走溝２４ａが形成された面と反対側の面に案内部材２４を壁部１２に向けて付勢する付勢部材４０を設けて移動部材２０に形成された取付面２０ａに組みつけられ、案内部材２４は、付勢する方向と交差する方向から締結固定されるので、転動体転走溝１６と負荷転動体転走溝２４ａの間の隙間を自動で調整することができ、当該調整後の位置固定を移動部材２０の上面から締結固定によって行っているので、容易に隙間調整を行うことができることで、ボール調整工程などの煩雑な工程を削減して製造コストの抑制を図ることができる。

また、本実施形態に係る運動案内装置１は、付勢部材４０は、案内部材２４の長手方向の両端に少なくとも一対ずつ、例えば合計で４箇所に組みつけられるので、案内部材２４を案内部材２４の両端から付勢することで付勢力をより効果的に伝達することができ、転動体転走溝１６と負荷転動体転走溝２４ａの間の隙間の自動調整をより精度よく行うことができる。

また、本実施形態に係る運動案内装置１は、付勢部材４０が長手方向と直交する断面において、負荷転動体転走溝２４ａから付勢部材４０が取り付けられる取付溝４１までの距離が略等距離となるように構成されていると好適である。具体的には、負荷転動体転走溝２４ａの溝幅方向の中心点から水平方向に延びる任意の点から鉛直方向に一対の取付溝４１，４１が等距離に配置されていると好適である。このように構成することで、付勢部材４０の付勢力を適切に案内部材２４に伝達することができ、転動体転走溝１６と負荷転動体転走溝２４ａの間の隙間の自動調整をより精度よく行うことができる。

また、本実施形態に係る運動案内装置１は、中空の弾性体で構成されているので、中実の弾性体を用いた場合と比べて付勢力を弱めることで過大な付勢力の付与を防止して転動体転走溝１６と負荷転動体転走溝２４ａの間の隙間の自動調整をより円滑に行うことができる。

また、本実施形態に係る運動案内装置１は、壁部１２は、転動体転走溝１６が形成された転走溝構成部材１７が取り付けられ、少なくとも案内部材２４、転走溝構成部材１７およびねじ軸３０は鋼材で形成され、軌道部材１０および移動部材２０は、鋼材よりの軽量な部材で形成されるので、定格荷重の確保と軽量化を同時に実現することができる。

なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲において、種々の変更が可能である。例えば、付勢部材４０は、弾性体などで構成して移動部材２０と案内部材２４の間に介在させた場合について説明を行ったが、付勢部材４０を斜面を有する楔部材として構成し、該楔部材を締結手段２５によって締め上げる構成とすれば、斜面に倣って案内部材２４の位置調整を行うことができ、締結手段２５の締付量によって案内部材２４の位置を自在に調整することができるように構成しても構わない。

また、ボールねじ装置を設けずに、軌道部材１０と移動部材２０からなる運動案内装置として構成しても構わない。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

１運動案内装置，１０軌道部材，１１基部，１２壁部，１６転動体転走溝，１７転走溝構成部材，２０移動部材，２４案内部材，２４ａ負荷転動体転走溝，２５締結手段，３０ねじ軸，４０付勢部材。

Claims

長手方向に沿って延びる基部と、前記基部の幅方向両端から立設すると共に、長手方向に沿って転動体転走溝が形成された一対の壁部を備えた軌道部材と、
前記壁部の間を長手方向に沿って移動可能に組みつけられると共に、前記転動体転走溝に対応する負荷転動体転走溝が形成された一対の案内部材が組み付けられる移動部材と、からなる運動案内装置であって、
前記案内部材の少なくともいずれか一方には、前記負荷転動体転走溝が設けられる面とは反対側の面に付勢部材を設け、
前記移動部材には、前記付勢部材が付勢する方向に前記案内部材を幅方向に沿って移動可能に案内すると共に、前記移動部材に対して固定可能にする取付面を設け、前記付勢部材が付勢する方向と交差する方向から締結固定されていることを特徴とする運動案内装置。
請求項１に記載の運動案内装置において、
前記付勢部材は、前記案内部材の長手方向の両端に設けられることを特徴とする運動案内装置。
請求項１又は２に記載の運動案内装置において、
前記付勢部材は、長手方向と直交する断面において、一対設けられていることを特徴とする運動案内装置。