JP6175358B2 - 重合性基を有するクマリン化合物 - Google Patents

重合性基を有するクマリン化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP6175358B2
JP6175358B2 JP2013240713A JP2013240713A JP6175358B2 JP 6175358 B2 JP6175358 B2 JP 6175358B2 JP 2013240713 A JP2013240713 A JP 2013240713A JP 2013240713 A JP2013240713 A JP 2013240713A JP 6175358 B2 JP6175358 B2 JP 6175358B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
coumarin
carbon atoms
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013240713A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015101543A (ja
Inventor
謙一郎 日渡
謙一郎 日渡
健太 弘中
健太 弘中
雄 山口
雄 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Adeka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adeka Corp filed Critical Adeka Corp
Priority to JP2013240713A priority Critical patent/JP6175358B2/ja
Publication of JP2015101543A publication Critical patent/JP2015101543A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6175358B2 publication Critical patent/JP6175358B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明は、重合性基としてスチレン基を有し、スチレン及びスチレン誘導体との共重合性に優れたクマリン化合物に関する。
標識として蛍光物質を利用した粒子状の診断用マーカーの検討が行われている(例えば、特許文献1及び2を参照)。このような粒子状の診断用マーカーでは、低分子量の蛍光物質が使用されているが、低分子量の蛍光物質は、粒子からのブリードや生体内での溶出の可能性があることから、高分子量の蛍光物質や、粒子を形成するポリマーと重合可能な蛍光物質の開発が望まれている。
一方、クマリン(2H−1−ベンゾピラン−2−オン)は、無蛍光性であるが、7位にアミノ基やヒドロキシ基等の電子供与性置換基を導入することにより強い蛍光を発するようになる。このため、7−アミノクマリン誘導体は480〜500nm近辺の蛍光を発する色素として使用され、中でもクマリン6(下式(2a))やクマリン7(下式(2b))は強い蛍光強度を有することから蛍光試薬として使用されてきた。
Figure 0006175358
重合性基を有するクマリン化合物としては、N−アクリルスルホアミド基(−SO2NHCOCH=CH2)を有するクマリン化合物(例えば、特許文献3を参照)やN,N−ジアリルスルホアミド基(−SO2N(CH2CH=CH22)を有するクマリン化合物(例えば、特許文献4を参照)等が知られている。
国際公開2007/097318号パンフレット 特開2009−053071号公報 中国公開特許1594441号公報 特開2007−273440号公報
しかし、N−アクリルスルホアミド基は、加水分解安定性に問題があり、水分の多い環境下では加水分解する可能性があった。また、粒子状の診断用マーカーでは、粘着性を有しない、ある程度硬い粒子が求められるため、粒子を構成するポリマーとしては、スチレン及びスチレン誘導体のポリマーが好ましいが、N−アクリルスルホアミド基やN,N−ジアリルスルホアミド基は、スチレンやスチレン誘導体との共重合性が十分ではなかった。
従って、本発明の目的は、加水分解安定性に優れ、スチレン化合物との共重合成に優れ、水分散性が良好であり、診断用マーカーとして有用な新規のクマリン化合物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、加水分解安定性に優れ、スチレン化合物との共重合成に優れたクマリン化合物について種々検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、下記一般式(1)で表されるクマリン化合物を提供するものである。
Figure 0006175358
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基又はクマリン骨格の6位及び8位の炭素と結合して環状構造を形成するプロピレン基を表わし、R3は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、トリフルオロメチル基又はシアノ基を表わし、R4は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表わし、R5は直接結合又は炭素数1〜3のアルキレン基を表わし、Xは硫黄原子、酸素原子、NH基又はNCH3基を表わす。)
また、本発明は、前記クマリン化合物と、他のラジカル重合性化合物、好ましくは生体の特定部位や特定細胞に、特異的な結合性や相互作用を有する基を有するラジカル重合性化合物との重合物を提供するものである。
また、本発明は、前記重合物を含有する診断用マーカーを提供するものである。
本発明の効果は、加水分解安定性に優れ、スチレン化合物との共重合成に優れ、水分散性が良好であり、診断用マーカーとして有用な新規のクマリン化合物を提供したことにある。
以下、本願発明について好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
先ず、本発明の前記一般式(1)で表される新規クマリン化合物について説明する。
前記一般式(1)において、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基又はクマリン骨格の6位及び8位の炭素と結合して環状構造を形成するプロピレン基を表わす。炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、sec−ペンチル基、t−ペンチル基、イソペンチル基等が挙げられる。本発明において、プロピレン基とは1,3−プロパンジイル基をいう。また、クマリン骨格の6位及び8位の炭素と結合して環状構造を形成するプロピレン基とは、例えば、R1及びR2がそのような基である場合、下記一般式(1a)で表される化合物となる基をいう。
Figure 0006175358
(式中、R3〜R5、及びXは前記一般式(1)と同義である。)
1及びR2としては、高い蛍光強度が得られ、工業的な原料の入手も容易であることから、メチル基、エチル基、クマリン骨格の6位及び9位の炭素と結合して環状構造を形成するプロピレン基が好ましく、エチル基が更に好ましい。
3は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、トリフルオロメチル基又はシアノ基を表わす。炭素数1〜5のアルキル基としては、R1及びR2で例示したアルキル基が挙げられる。R3としては、高い蛍光強度が得られ、工業的な原料の入手も容易であることから、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子が更に好ましい。
4は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表わす。炭素数1〜5のアルキル基としては、R1及びR2で例示したアルキル基が挙げられる。R4としては、製造が容易であり、工業的な原料の入手も容易であることから、水素原子が好ましい。
5は直接結合又は炭素数1〜3のアルキレン基を表わす。炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、メチルメチレン基、プロピレン基、1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基、エチルメチレン基等が挙げられる。R5としては、工業的な原料の入手が容易であり、副反応が少ないことから、直接結合又はメチレン基が好ましい。
Xは硫黄原子、酸素原子、NH基又はNCH3基を表わす。Xとしては、高い蛍光強度が得られることから硫黄原子、NH基が好ましく、硫黄原子が更に好ましい。
本発明の化合物は、前記一般式(1)中のベンゼン環に、重合性基であるビニル基を有するが、この重合性基であるビニル基の位置は、重合性が良好であり、工業な原料の入手も容易であることからR5に対してパラ位であることが好ましい。
次に、本発明のクマリン化合物の製造方法について説明する。
前記一般式(1)で表されるクマリン化合物は、下記の反応式で示すように下記一般式(2)で表わされるクマリン化合物を濃硫酸や発煙硫酸でスルホン化して、下記一般式(3)で表わされるスルホン酸化合物とし、このスルホン酸化合物が有するスルホン酸基を塩化チオニル、3塩化リン等でスルホン酸クロライド基に変換して下記一般式(4)で表わされる化合物とし、下記一般式(4)で表わされる化合物と下記一般式(5)で表わされるアミン化合物とを反応させることにより得ることができる。
Figure 0006175358
(式中、R1〜R5、及びXは前記一般式(1)と同義である。)
本発明のクマリン化合物の製造方法の製造過程において、前記一般式(2)で表わされるクマリン化合物のスルホン化の反応温度が、あまりに低い場合には反応速度が遅く、あまりに高い場合には異常反応が起こることから、−10〜50℃が好ましく、10〜40℃が更に好ましい。また前記一般式(3)で表わされるスルホン酸化合物のスルホン酸基のスルホン酸クロライド基への変換反応、及び前記一般式(4)で表わされる化合物と前記一般式(5)で表わされるアミン化合物との反応は、ピリジン、ピリミジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の塩基性溶媒中で反応させることが好ましい。
本発明のクマリン化合物は、上述の如く、重合性基を有しており、本発明のクマリン化合物以外の種々のラジカル反応性化合物(以下、他のラジカル重合性化合物ともいう)とラジカル重合して重合物(本発明の重合物)として用いることができる。
本発明のクマリン化合物とラジカル重合可能な他のラジカル重合性化合物としては、例えば、スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のビニル芳香族類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアルデヒド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等の不飽和カルボン酸誘導体類;N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類;蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル化合物類、アリルアルコール、アリルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、アリルメチルケトン、アリル酢酸、アリルフェノール等のアリル化合物類;N−メチロールアクリルアミド、N−エチロールアクリルアミド、N−プロパノールアクリルアミド、N−メチロールマレインアミド酸、N−メチロールマレインアミド酸エステル、N−メチロールマレイミド、N−エチロールマレイミド等のN−置換不飽和アミド類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;ジビニルシクロヘキサン等の多官能ビニル化合物類等が挙げられ、共重合性に優れている点から、特に、ビニル芳香族類が好ましい。
本発明のクマリン化合物と他のラジカル重合性化合物とから、ラジカル重合により得られる本発明の重合物は、蛍光を有するポリマーとして用いることができる。蛍光を有するポリマーは、蛍光塗料、蛍光繊維、蛍光性マーキング材料、蛍光ビーズ等として利用することが可能である。特に、本発明のクマリン化合物を使用した本発明の重合物からなる蛍光ビーズは、他のラジカル重合性化合物として、生体の特定部位や特定細胞に、特異的に特異的な結合性や相互作用を有するラジカル重合性化合物を用いることにより、診断マーカーとして好適に使用できる。このようなラジカル重合性化合物としては、例えば、上記の特許文献1や特許文献2には、分岐鎖に消化器ガンに特異的な相互作用を有する化合物であるピーナツレクチンを導入した診断マーカーが開示されているが、診断マーカーの製造時に、本発明のクマリン化合物を共重合させれば、消化器ガン用の診断マーカーとして好適に使用できる。
この他、本発明のクマリン化合物は、波長補正フィルタ用の色素、色素レーザ用の色素、色素増感型太陽電池における増感色素、各種ディスプレイにおける色変換フィルタ、発光デバイスといった用途に使用することもできる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、特に限定のない限り、実施例中の「部」や「%」は質量基準によるものである。
〔製造例1〕中間体Aの合成
撹拌装置及び温度計を備えたガラス製反応容器に、770gの30%発煙硫酸を仕込み、25℃で撹拌しながら、35gのクマリン6(100mmol)を3分割し、15分ごとに、添加した。すべてのクマリン6を添加した後、更に25℃で3時間撹拌することにより反応を完結させた。
撹拌装置及び温度計を備えたガラス製反応容器に、1kgの蒸留水を仕込み、撹拌しながら、先の反応液を5〜10℃で滴下した。反応液を滴下終了後、20%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、エチルエーテルで抽出し、抽出液を減圧し乾燥することにより28gの中間体A(収率65%)を得た。中間体Aは、前記一般式(3)において、R1及びR2がエチル基、R3が水素原子、及びXがイオウ原子である化合物である。
〔実施例1〕化合物A1の合成
撹拌装置及び温度計を備えたガラス製反応容器に、4.3gの中間体A(10mmol)、12gの塩化チオニル(100mmol)及び溶媒として100gのピリジンを仕込み、25℃で4時間撹拌して反応させた後、60℃で減圧してピリジン及び未反応の塩化チオニルを除いた。前記反応容器に、溶媒として100gのピリジンを仕込み、容器内の固形物を溶解、分散させた後、4.8gの4−アミノスチレン(40mmol)を添加し、25℃で2時間撹拌して反応させた。前記反応容器に水とエチルエーテルを仕込み、エチルエーテル抽出を行い、エチルエーテルを減圧除去した後、減圧乾燥を行うことにより、3.8gの本発明のクマリン化合物A1を得た(収率72%)。化合物A1は、前記一般式(1)において、R1及びR2がエチル基、R3及びR4が水素原子、R5が直接結合、並びにXがイオウ原子の化合物である。化合物A1の同定は、1H-NMR及び光吸収特性(λmax、及びλmaxにおけるε)]を測定することにより行った。これらの同定結果を下記に示す。
<同定結果>
1H NMR(DMF-d7):9.02(S,1H), 8.61(S,1H), 8.06(d,1H), 7.83(d,1H), 7.78(d,1H), 7.32(d,2H), 7.09(d,2H), 7.02(S,1H), 6.85(d,1H), 6.67(S,1H), 6.60-6.54(m,1H), 5.66(d,1H), 5.13(d,1H), 3.50(q,4H), 1.15(t,6H)
λmax=475 nm, ε=6.31 X 104
〔実施例2〕化合物A2の合成
実施例1において、4−アミノスチレンの代わりに、4−ビニルベンジルアミンを使用した以外は同様の操作を行い、4.2gの本発明のクマリン化合物A2を得た(収率77%)。化合物A2は、前記一般式(1)において、R1及びR2がエチル基、R3及びR4が水素原子、及びR5がメチレン基、Xがイオウ原子の化合物である。
<同定結果>
1H NMR(DMF-d7):9.06(S,1H), 8.56(S,1H), 8.21(br,1H), 8.08(d,1H), 7.88(d,1H), 7.81(d,1H), 7.33(d,2H), 7.20(d,2H), 6.88(d,1H), 6.70(s,1H), 6.67-6.60(m,1H), 5.74(d,1H), 5.18(d,1H), 4.03(S,2H), 3.52(q,4H), 1.17(t,6H)
λmax = 476 nm, ε = 5.94 X 104
〔製造例2〕中間体Bの合成
撹拌装置及び温度計を備えたガラス製反応容器に、4.3gの中間体A(10mmol)、12gの塩化チオニル(100mmol)及び溶媒として100gのピリジンを仕込み、25℃で4時間撹拌して反応させた後、60℃で減圧してピリジン及び未反応の塩化チオニルを除いた。反応容器に、溶媒として100gのピリジンを仕込み、容器内の固形物を溶解、分散させた後、6.8gの25%アンモニア水溶液(100mmol)を添加し、25℃で2時間撹拌して反応させた。反応容器に水とエチルエーテルを仕込み、エチルエーテル抽出を行い、エチルエーテルを減圧除去した後、減圧乾燥を行うことにより、中間体Bを得た。
中間体Bは、前記一般式(4)において、R1及びR2がエチル基、R3が水素原子、Xが硫黄原子であり、塩素原子がアミノ基で置換された化合物である。
〔比較例1〕比較化合物B1の合成
撹拌装置及び温度計を備えたガラス製反応容器に、中間体B、1.8gのアクリル酸クロライド(2mmol)、及び溶媒として100gのピリジンを仕込み、25℃で4時間撹拌して反応させた後、水とエチルエーテルを仕込み、エチルエーテル抽出を行い、エチルエーテルを減圧除去した後、減圧乾燥を行うことにより、4.1gの比較例のクマリン化合物B1を得た(収率82%)。化合物B1は下記の構造を有する化合物である。
Figure 0006175358
〔比較例2〕比較化合物B2の合成
撹拌装置及び温度計を備えたガラス製反応容器に、4.3gの中間体A(1mmol)、12gの塩化チオニル(100mmol)及び溶媒として100gのピリジンを仕込み、25℃で4時間撹拌して反応させた後、60℃で減圧してピリジン及び未反応の塩化チオニルを除いた。反応容器に、溶媒として100gのピリジンを仕込み、容器内の固形物を溶解、分散させた後、6.8gのジアリルアミン(2mmol)を添加し、25℃で2時間撹拌して反応させた。反応容器に水とエチルエーテルを仕込み、エチルエーテル抽出を行い、エチルエーテルを減圧除去した後、減圧乾燥を行うことにより、4.2gの比較例のクマリン化合物B2を得た(収率82%)。化合物B2は下記の構造を有する化合物である。
Figure 0006175358
〔加水分解安定性試験〕
化合物A1、A2、B1及びB2について、62.5容量%イソプロパノール水溶液の1%溶液を調製し、0.01mol/Lの塩酸水溶液又は0.01mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を使用し、pH6.5〜7.5に調整した。この溶液をスクリュー栓付ガラス容器に入れて25℃で7日間保存後し、pHを測定した。pHが低いほど、化合物の加水分解安定性が低いことになる。
〔共重合性試験〕
0.02gの化合物A1、A2、B1又はB、2、2gのスチレン及び15mgのN,N−アゾビスイソブチロニトリルを、15gのトルエンに溶解し、窒素バブリングを30分間行った。次いで、封をして、これを60℃の湯浴中で24時間震蕩することにより重合させた。この重合物溶液を200gのメタノールに滴下して析出した重合物を除去し、メタノールに溶解する未反応のクマリン化合物を液体クロマトグラフィーにより定量することにより、化合物A1、A2、B1及びB2の反応率を求めた。結果を〔表1〕に示す。
Figure 0006175358
〔表1〕の結果から、本発明のクマリン化合物は、従来の重合基を有するクマリン化合物と比較して、加水分解安定性や共重合性に優れていることがわかる。
〔診断用マーカーでの評価〕
特許文献1の実施例に準拠し下記のマクロモノマーC1及びC2を合成した。また、下記のPBS溶液、ピーナツレクチン溶液及び水溶性カルボジイミド溶液を用意した。
Figure 0006175358
Figure 0006175358
・PBS溶液:
リン酸緩衝食塩水(シグマアルドリッチジャパン社製。商品名:Dulbecco's Phosphate Buffered Saline D8537)
・ピーナツレクチン溶液:
PBS溶液にピーナツレクチンが0.1質量%となるよう溶解させたもの
・水溶性カルボジイミド溶液
0.05M−KH2PO4水溶液に1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)
カルボジイミドが1質量%となるよう溶解させたもの
次いで、引用文献1の実施例に準拠し、下記の方法で、診断用マーカーを調製した。得られた診断用マーカーについて、蛍光強度とピーナツレクチン固定化量(ピーナツレクチンが微粒子に結合・吸着した量)を求めた。尚、ピーナツレクチン固定化量はニンヒドリン法を用いた。結果を〔表2〕に示す。
〔診断用マーカーの調製〕
N,N−アゾビスイソブチロニトリル15mg、イオン交換水5g、エタノール10g、マクロモノマーC1を0.75g、マクロモノマーC2を0.25g、スチレン1g、N,N−アゾビスイソブチロニトリル15mg及び〔表2〕に示す量のクマリン化合物を、試験管に仕込みに溶解して、窒素で30分間バブリングした後に封をした。これを60℃の湯浴中で24時間震蕩することにより反応させ、微粒子を生成させた。遠心分離によって微粒子を分離した後、凍結乾燥させて微粒子を得た。
得られた微粒子10mgを、0.05M−KH2PO4水溶液800mgに分散させ、前記水溶性カルボジイミド溶液200mgを加えて4℃で30分間震蕩した。これを遠心分離(6000rpm,10分間)で上澄みを除去した後、前記ピーナッツレクチン溶液1gを加えて攪拌して微粒子を再分散させ、4℃で24時間震蕩させることにより、微粒子の表面にピーナッツレクチンを結合させた。その後、遠心分離と前記PBS溶液への再分散を3回繰り返して未反応のピーナッツレクチンを除去して診断用マーカーを得た。
Figure 0006175358
〔表2〕の結果から、本発明のクマリン化合物を使用した診断用マーカーは、従来のクマリン化合物を用いた診断用マーカーに比較して、クマリン化合物の使用量が少ないにもかかわらず高い蛍光強度を示していることがわかる。実施例と比較例のピーナツレクチン固定化量は同等であることから、本発明の診断用マーカーは同等の使用量で大きな発色を示すことが期待され、ガンの早期発見等に寄与するものと考えられる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表されるクマリン化合物。
    Figure 0006175358
    (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基又はクマリン骨格の6位及び8位の炭素と結合して環状構造を形成するプロピレン基を表わし、R3は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、トリフルオロメチル基又はシアノ基を表わし、R4は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表わし、R5は直接結合又は炭素数1〜3のアルキレン基を表わし、Xは硫黄原子、酸素原子、NH基又はNCH3基を表わす。)
  2. 請求項1に記載のクマリン化合物と他のラジカル重合性化合物との重合物。
  3. 前記他のラジカル重合性化合物が、生体の特定部位や特定細胞に、特異的な結合性や相互作用を有する基を有するラジカル重合性化合物である、請求項2に記載の重合物。
  4. 請求項3に記載の重合物を含有する診断用マーカー。
JP2013240713A 2013-11-21 2013-11-21 重合性基を有するクマリン化合物 Active JP6175358B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013240713A JP6175358B2 (ja) 2013-11-21 2013-11-21 重合性基を有するクマリン化合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013240713A JP6175358B2 (ja) 2013-11-21 2013-11-21 重合性基を有するクマリン化合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015101543A JP2015101543A (ja) 2015-06-04
JP6175358B2 true JP6175358B2 (ja) 2017-08-02

Family

ID=53377551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013240713A Active JP6175358B2 (ja) 2013-11-21 2013-11-21 重合性基を有するクマリン化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6175358B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018056454A1 (ja) 2016-09-26 2018-03-29 国立大学法人埼玉大学 Aie活性化合物を包含する蛍光性微粒子

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11130817A (ja) * 1997-08-28 1999-05-18 Junji Kido ビニル系重合体及びそれを用いたエレクトロルミネッセンス素子
US6727372B2 (en) * 2000-08-07 2004-04-27 Eastman Chemical Company Colorant compounds containing copolymerizable vinyl groups
CN1279121C (zh) * 2004-06-17 2006-10-11 上海交通大学 香豆素荧光染料
US8735177B2 (en) * 2006-02-23 2014-05-27 Adeka Corporation Diagnostic marker

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015101543A (ja) 2015-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6756839B2 (ja) 発光性粒子及び化合物
Bojinov et al. Synthesis of polymerizable 1, 8-naphthalimide dyes containing hindered amine fragment
CN101418215B (zh) 一种含有罗丹明基团的高分子荧光探针及合成方法
CA2251985A1 (en) Squarate dyes and their use in fluorescent sequencing method
JP6297035B2 (ja) 新規アゾ化合物、これの利用及びこれの製造方法
KR101715543B1 (ko) 메가스토크스 아미노-트리아졸릴-bodipy 화합물 및 살아있는 뉴런 염색 및 인간 혈청 알부민 fa1 약물 부위 프로빙에 대한 적용
JP6756838B2 (ja) 発光性粒子
JP2016050296A (ja) 蛍光色素結合セレンテラジン
JP2016199751A (ja) 蛍光粒子及び蛍光粒子の製造方法
CN108558701B (zh) 一种具有三重刺激响应性的小分子aiee发光材料及其制备方法
CN1939978A (zh) 水溶性荧光菁染料
JP6175358B2 (ja) 重合性基を有するクマリン化合物
CN113831756B (zh) 一种红色荧光蛋白类双光子光敏染料及其制备方法和应用
JP6031405B2 (ja) ベンゾトリアゾール化合物
CN110317294B (zh) 一种三苯胺类温敏荧光聚合物及其制备方法
Hoji et al. Syntheses of BODIPY-incorporated polymer nanoparticles with strong fluorescence and water compatibility
CN111533761B (zh) 一类具有细胞器或蛋白质靶向功能的比率型pH探针及应用
KR101294367B1 (ko) 접착 재료, 이를 포함하는 접착 조성물 및 상기 접착 조성물의 경화 방법
KR101125057B1 (ko) 물질 표지용 화합물 및 그 제조방법
WO2013152687A1 (zh) 一种近红外荧光染料的制备及应用
JP6894747B2 (ja) 重合体
JP5250010B2 (ja) 新規な蛍光クエンチャー分子とこれを利用する方法及び使用
CN108440386B (zh) 一种双光子荧光pH探针的制备方法及其在细胞成像中的应用
CN112824403A (zh) 一种靶向脂滴的AIEgen、制备方法及应用
CN111423369B (zh) 一类酯酶激活的聚集诱导发光型抗癌前药及制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160226

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160916

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170516

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170518

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170626

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6175358

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150