JP6175279B2 - 下半身用肌着及び下半身用肌着に用いられるフライス編地 - Google Patents

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本発明は、ショーツ等の下半身用肌着及び下半身用肌着に用いられるフライス編地に関する。
特許文献1に示されているように、丸編機を用いて編成されるピース編地は、筒状の連続編地の筒長手方向に、1〜数コースの分離帯と分離帯に続く身頃部分の編成が繰り返され、後に分離帯で身頃部分が分離された編地である。
このようなピース編地では、分離帯が編成された後に身頃部分を編成するまでの間にヘム処理が施されている。ヘム処理部は、この連続生地を用いて衣類を製作する場合に衣類の裾となる箇所であり、衣類着用時のフィット性や洗濯による伸び防止性を付与することを目的として、ポリウレタン糸等の芯糸の外周にナイロン糸などの被覆糸を一重巻きしたシングルカバードヤーンや被膜糸を二重巻きしたダブルカバードヤーンなどのカバリング糸と、身頃部分を編成する綿糸等の地糸とが交編されている。
このようなピース編地を用いてショーツ等の肌着を構成する場合、ウエスト側となるヘム部は、解れ防止のために編地の端部を折り返して袋状に形成するダブルヘムが採用される場合が多い。
特許文献2には、下半身用の肌着として、筒状編地の編始め端縁を折り返して所定長の編成後に編み付けるとともに、弾性糸を編み込んだ二重編地部をハイウエスト部とし、それに続いて編成された一重編地部の端縁側より、両脚部開口となる略逆U字形部分を切除して前身頃と後身頃とを形成し、それらの下端縁を縫合してパンティ部を形成したことを特徴とするショーツが開示されている。当該ショーツは、ハイウエスト部となる二重編地部が腹巻として機能するように構成されている。
特開2011−144479号公報 実用新案登録第3033322号公報
しかし、このようなダブルヘムは身生地より厚みが増して段部となるために、アウターを通してヘム部が外観に現れる所謂“ひびく”現象が発生しやすく、また着用時にもたつき感やゴロツキ感が発生するという問題があった。
そのため、できるだけヘム部を薄く構成することが望まれているが、ピース編地として薄手の天竺組織を用いると、ヘム部が外側にカールして捲れやすいという問題が発生する。また、ウエスト部からのずり下がりを防止するためにヘム部にテープ状のウエストゴム等を縫着すると、胴周りの肌にウエストゴムが食い込み、着用感が悪くなるという問題もあった。さらに、天竺組織の特性として肌着に用いるには伸びが少なく、身体へのフィット感を出すための適度な締付力が得られないという問題もあった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、ウエスト側となるヘム部の解れ処理を不要にするとともに、アウターを通してヘム部が外観に現れず、着用時にゴロツキ感等が生じない下半身用肌着及び下半身用肌着に用いられるフライス編地を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による下半身用肌着の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、ダブル編機によりウエスト部と身頃部とがこの順序で編成されたフライス編地で構成され、前記ウエスト部の緊締力が前記身頃部より強くなるように編成され、前記ウエスト部で端部処理が施されておらず、別途のウエストゴムも備えていない点にある。
ダブル編機により先ずウエスト部が編成され、続いて身頃部が編成されるので、身頃部のヘム部つまり脚部側は解れ止め処理を行なう必要があるが、ウエスト部のヘム部は編み始め側であるので、特に解れ止め処理を行なわなくても解れることが無い。そのようなウエスト部は身頃部より緊締力が強くなるように編成されているため、ウエストゴムを縫着しなくてもずり落ちるようなことが無く、ウエスト部で十分な保持力が得られる。そして、表目と裏目にループが形成されるフライス編地であるため、表裏両面の張力のバランスが保たれて編地が安定し、表側に編地がカールすることもなく、十分な伸びが確保されて身体への良好なフィット感が得られるようになる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述した第一の特徴構成に加えて、前記ウエスト部は地糸と弾性糸が交編された編地で構成され、前記身頃部は地糸のみで編成された編地で構成されることにより、前記ウエスト部の緊締力が前記身頃部より強くなるように編成されている点にある。
ウエスト部を構成する編地に弾性糸が編成されることにより、別途のウエストゴム等を用いなくても、ウエスト部で身体に対する十分な保持力が得られるとともに、身頃部は十分な伸びが確保されて身体への良好なフィット感が得られる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述した第一または第二の特徴構成に加えて、前記ウエスト部の伸長度が前記身頃部より小さくなるように編成されている点にある。
ウエスト部で十分な保持力を得るために、弾性糸に加えて或いは弾性糸を用いずに、ウエスト部の伸長度を身頃部より小さく編成することにより、身頃部よりもウエスト部の身体への緊締力が強くなり、これによりずり落ちるようなことが無くなる。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述した第三の特徴構成に加えて、前記ウエスト部を構成する編地に形成されるタック部またはウェルト部の編み目数が前記身頃部より多く形成されることにより、前記ウエスト部の伸長度が前記身頃部より小さくなるように編成されている点にある。
ウエスト部を構成する編地に形成されるタック部またはウェルト部の編み目数が身頃部より多く形成されると、それだけ身頃部に比べて編地の伸び代が制限されるので、ウエスト部の身体への緊締力が強くなる。尚、タック部とは、連続する編成運動の中で編み針のべらを開いたまま糸掛けすることで、旧編み目を編み針に掛けたままで編み目を作らず、次の編成運動で新しく供給した糸とともに形成された編み目を意味し、ウェルト部とは、糸を編み針にかけずに編地の裏に糸を浮かせて作った編み目を指す。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述した第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記ウエスト部及び身頃部が脇縫いの無いシームレスに構成されるとともに、前記身頃部のうち前身頃の下端縁を後身頃側に折返し、後身頃の下端縁で縫着することによりマチ部が構成されている点にある。
ダブル編機により編成される筒状の編地をそのまま用いれば、脇縫いが無く、肌触りのよい下半身用肌着が得られるようになる。しかも、第二の特徴構成を備える場合には、ずり落ちることが無い程度に身体の腰回りに適度な締め付け力が作用し、身頃部に対応する下腹部や臀部では十分に伸張してソフトで楽な穿き心地着が得られるようになる。
本発明によるフライス編地の第一の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述した第一から第五の何れかの特徴構成を備えた下半身用肌着に用いられるフライス編地であって、ダブル編機によりウエスト部と身頃部とがこの順序で連続して編成されるとともに、分離帯を挟んで前記ウエスト部及び身頃部が繰り返し編成され、編成後に分離帯で分離可能に構成されている点にある。
編成後の長尺の筒状の編地が分離帯で分離されることにより、二つの分離帯の間で編成されたウエスト部及び身頃部でピース編地が得られる。このピース編地から分離帯の編み糸を除去しても、ウエスト部のヘム部は編み始め側となるので、特に解れ止め処理を行なわなくても解れることが無く、上述した下半身用肌着を構成するフライス編地として好適に用いることができる。
同第二の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記分離帯が熱溶融糸または引抜き糸で編成されている点にある。
分離帯を熱溶融糸で編成すれば、編成後の長尺の筒状の編地の分離帯に、例えばスチームを吹き付ける等の加熱処理を施すことにより、極めて容易に各ピース編地に分断できるようになり、分離帯を引抜き糸で編成すれば、編成後の長尺の筒状の編地の分離帯から引抜き糸を引抜くことにより、各ピース編地に容易に分断できるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、ウエスト側となるヘム部の解れ処理を不要にするとともに、アウターを通してヘム部が外観に現れず、着用時にゴロツキ感等が生じない下半身用肌着及び下半身用肌着に用いられるフライス編地を提供することができるようになった。
(a)は本発明による下半身用の肌着の第一の態様を示す正面図、(b)は第二の態様を示す正面図、(c)は第三の態様を示す正面図 (a)はダブル編機で編成された長尺の筒状編地の説明図、(b)はピース編地の説明図 ダブル編機の説明図 (a)はウエスト部の編成方法を示す組織図、(b)はウエスト部の他の編成方法を示す組織図、(c)はウエスト部のさらに他の編成方法を示す組織図 (a)は第二の態様の肌着の裁断及び製作説明図、(b)は第二の態様の肌着の他の裁断及び製作説明図 (a)は第三の態様の肌着の裁断及び製作説明図、(b)は第一の態様の肌着のさらに他の裁断及び製作説明図
以下、本発明による下半身用の肌着を、ショーツを例にして説明する。
図1(a),(b),(c)には、三つの異なる態様のショーツ1が示されている。何れのショーツ1も、ダブル編機によりウエスト部2と身頃部3とがこの順序で編成されたフライス編地で構成され、当該フライス編地はウエスト部2の緊締力が身頃部3より強くなるように編成されている。そして、何れのショーツ1もウエスト側ヘム部に端部処理が施されておらず、別途のウエストゴムも備えていない。
図1(a)に示すショーツ1は、ウエスト部2と、前身頃3aと、後身頃3bと、マチ部4とから構成されている。マチ部4を挟んで身生地の左右に脚部開口5が形成され、脚部開口5の縁部には薄手のテープ状ゴム5aが縫着されている。ウエスト部2及び身頃部3(3a,3b)は脇縫いの無いシームレスに構成され、前身頃3aの下端から延出したマチ部4の端縁が、後身頃3bの下端に縫着されている。尚、マチ部4の肌側には綿の天竺生地でなる当て布4aが身生地に重畳するように縫着されている。図中、マチ部4の腹部側端縁の破線は、当て布4aの身生地への縫着部位を示し、マチ部4の臀部側端縁の実線は、当て布4a及びマチ部4の端縁の縫着部位を示す。
ショーツ1の上縁から脚部開口5上縁に到るウエスト部2は、地糸とともに弾性糸が編み込まれ、脚部開口5上縁から下側の身頃部3は地糸のみで編成されている。従って、ウエスト部2の身体に対する緊締力が身頃部3よりも強く、身体の腰回りから下腹部にかけて適度な締め付け力が作用して良好なフィット感が得られるように構成されている。
図1(b)に示すショーツも、ウエスト部2と、前身頃3aと、後身頃3bと、マチ部4とから構成され、基本的に図1(a)と同様に構成されている。ウエスト部2を構成する地糸にのみ弾性糸が編み込まれ、身頃部3は地糸のみで編成されている点で、図1(a)のショーツと異なる。従って、ウエスト部2の緊締力が身頃部3よりも強く、ずり落ちることが無い程度に身体の腰回りに適度な締め付け力が作用し、身頃部3に対応する下腹部や臀部では十分に伸張してソフトで楽な穿き心地着が得られるようになる。
図1(c)に示すショーツも、ウエスト部2と、前身頃3aと、後身頃3bと、マチ部4とから構成され、基本的に図1(b)と同様に構成されている。ウエスト部2の前面側及び前身頃3aに、接ぎ6が設けられている点で、図1(a),(b)のシームレス構造と異なる。
図2(a)に示すように、何れのショーツも、ダブル編機によりウエスト部2と身頃部3とがこの順序で連続して編成されるとともに、分離帯7を挟んでウエスト部2及び身頃部3が繰り返し編成された長尺で筒状のフライス編地Mを用い、図2(b)に示すように、編成後に分離帯7で分離されたピース編地で構成されている。
図3には、当該筒状のフライス編地Mを編成する丸編機の一種であるダブル編機10が示されている。当該ダブル編機10は、円筒形のシリンダ12と、このシリンダ12の上部に設けられた円盤状のダイヤル13を備えている。シリンダ12及びダイヤル13は、回転機構14によりそれらの軸心P周りに一方向に一体で回転するように構成されている。
シリンダ12の外周面には、長手方向を上下方向に向けた多数本のシリンダ針15が配設され、各々が独自に上下動自在に保持されている。シリンダ12の周りには定置状態で下部カムブロック16が設けられ、この下部カムブロック16の内周面に各シリンダ針15に所定タイミングで上下動を起こさせるためのシリンダカムが設けられている。
ダイヤル13の上面には、長手方向をダイヤル13の径方向に向けた多数本(シリンダ針15と同数)のダイヤル針19がその中心から放射状に配設され、各々が独自に横方向(径方向)へ出退動自在に保持されている。ダイヤル13の上部には上部カムブロック20が定置状態で設けられ、この上部カムブロック20の下面に各ダイヤル針19に出退動作を起こさせるためのダイヤルカムが設けられている。
シリンダ針15とダイヤル針19とは交互に交差するように配置され、シリンダ12及びダイヤル13を一体回転させることで、それぞれのダイヤルカムに倣ってシリンダ針15が上下動すると共にダイヤル針19が横移動する。この状態で、シリンダ針15の針先(フック部)とダイヤル針19の針先(フック部)との交差部として形成されるニッティングポイントRへストライパー25を介して給糸すれば、筒状のフライス編地Mが編み降ろされることになる。
編成された筒状のフライス編地Mはシリンダ12の内方を介して垂れ下げられ、シリンダ12の下方に吊り枠22を介して設けられた巻取装置23によって巻き取られる。フライス編地Mの筒径は、編立て方向に裁断することなく筒状のまま身生地に用いることができるようなサイズに設定されている。
ニッティングポイントRは、シリンダ12の周方向の複数箇所(例えば16箇所)に形成され、各ニッティングポイントRに給糸するためにシリンダ12外周に同数のストライパー25が設けられている。ストライパー25はシリンダ12等の回転とは無関係に定置され、糸を把持または開放する糸把持部、糸把持部への糸の給糸または非給糸を切り替えるヤーンキャリア、糸把持部に把持された糸を切断するカッター部を備え、所要の時期に糸入れ動作または糸抜き動作が行なわれる。
シリンダ12には、下部カムブロック16内のシリンダカムに対して、生地編成途中でシリンダ針15のカム経路を変更するためのカムポジション切替機構27が設けられている。このカムポジション切替機構27は、シリンダカムに対して組み込まれたスイングカムや選針機等で構成され、シリンダ針15の上昇位置を上げることによるニット位置と、シリンダ針15の上昇位置を下げることによるタック位置との上下間で、カム経路の切替動作が行なわれる。
同様に、ダイヤル13にも上部カムブロック20内のシリンダカムに対して、生地編成途中でダイヤル針19のカム経路を変更するために、スイングカムや選針機等で構成されたカムポジション切替機構28が設けられている。
このようなダブル編機10を用いて、先ずシリンダ16及びダイヤル13が一体回転され、捨て編みされた後に所定のストライパー25から熱溶融糸が給糸されて1〜数コースの分離帯7が編成される。次に、熱溶融糸の給糸が停止され、地糸供給用のストライパー25から地糸が給糸されるとともに、弾性糸供給用のストライパー25から弾性糸が供給されてウエスト部2が編成される。
さらに、弾性糸の給糸が停止されて、地糸供給用のストライパー25から地糸が給糸されて身頃部3が編成され、その後、同様に所定のストライパー25から熱溶融糸が給糸されて1〜数コースの分離帯7が編成されるという動作が繰り返されて、図2(a)に示されたような長尺で筒状のフライス編地Mが編成される。尚、熱溶融糸による編成は、シリンダ針15またはダイヤル針19の何れか一方のみを用いて平編みで編成されてもよい。
ウエスト部2及び身頃部3を編成する地糸として、単糸繊度が26番手から100番手の範囲の紡績糸や、単糸繊度が22デシテックスから156デシテックスの範囲のフィラメント糸が好適に用いられる。このような紡績糸として、綿糸や、レーヨン、キュプラ等の再生繊維糸が挙げられ、フィラメント糸としてポリエステルやナイロン等の合成繊維糸が挙げられるが、これらの例示以外の紡績糸やフィラメント糸を用いることも可能である。
ウエスト部2及び/または身頃部3を編成する弾性糸として、単糸繊度が22デシテックスから235デシテックスの範囲のベアのポリウレタン糸や、シングルカバードヤーン(SCY)やダブルカバードヤーン(DCY)等のフィラメントツィステッドヤーン(FTY)が好適に用いられる。特に芯糸が17デシテックスから235デシテックスのポリウレタン糸で、被覆糸が233デシテックスから122デシテックスの範囲のシングルカバードヤーン(SCY)やダブルカバードヤーン(DCY)を用いることが好ましい。被覆糸の素材として綿糸やナイロン糸が好ましいが、これらに限るものではない。尚、身頃部3に弾性糸を編成するのは、例えば、図1(a)に示すショーツに対応するような場合である。
熱溶融糸として、地糸に用いられるナイロン糸やポリエステル糸よりも低融点のナイロン系繊維やポリエステル系繊維、さらにはポリウレタン系繊維を用いることができる。
つまり、上述したショーツのような下半身用肌着に用いられるフライス編地Mは、ダブル編機によりウエスト部2と身頃部3とがこの順序で連続して編成されるとともに、分離帯7を挟んでウエスト部2及び身頃部3が繰り返し編成され、編成後に分離帯7で分離可能に構成されている。尚、分離帯を編成する糸として熱溶融糸以外に引抜き糸や水溶性糸を用いることも可能である。引抜き糸を用いた場合には、長尺のフライス編地Mを編成後に分離帯7を構成する引抜き糸を引き抜くことによりピース編地に分離でき、水溶性糸を用いた場合には、長尺のフライス編地Mを編成後に水中に浸漬して水溶性糸を溶解させることによりピース編地に分離できる。
ダブル編機により先ずウエスト部2が編成され、続いて身頃部3が編成されるので、身頃部3のヘム部つまり脚部側は解れ止め処理を行なう必要があるが、ウエスト部2のヘム部は編み始め側であるので、特に解れ止め処理を行なわなくても解れることが無い。
そして、ウエスト部2は身頃部3より緊締力が強くなるように編成されているため、ウエストゴムを縫着しなくてもずり落ちるようなことが無く、ウエスト部2で十分な保持力が得られる。さらに、表目と裏目にループが形成されるフライス編地であるため、表裏両面の張力のバランスが保たれて、表側に編地がカールすることもなく、十分な伸びが確保されて身体への良好なフィット感が得られるようになる。
上述したように、ウエスト部2を構成する編地に弾性糸が編成されることにより、別途のウエストゴム等を用いなくても、ウエスト部2で身体に対する十分な保持力が得られるとともに、身頃部3は十分な伸びが確保されて身体への良好なフィット感が得られる。
ウエスト部2で十分な保持力を得るために、弾性糸に加えて或いは弾性糸を用いずに、ウエスト部2の伸長度を身頃部3より小さく編成することにより、身頃部3よりもウエスト部2の身体への緊締力を強くすることも可能である。
さらに、ウエスト部2を構成する編地に形成されるタック部の編み目数が身頃部3より多く形成されると、それだけ身頃部3に比べて編地の伸び代が制限されるので、ウエスト部2の身体への緊締力が相対的に強くなる。
図1(a),(b)に示したように、ダブル編機により編成される筒状の編地をそのまま用いて、ウエスト部2及び身頃部3が脇縫いの無いシームレスに構成されていれば、脇縫いが無く、肌触りのよい下半身用肌着が得られる。
図1(c)に示したように、ダブル編機により編成される筒状の編地の径が大きい場合には、筒状の編地を編立て方向に裁断して、ウエスト部2の前面側及び前身頃3aに接ぎ6を設けてもよい。
以下に、ウエスト部2及び身頃部3を備えた身生地の編組織を例示する。
図1(b)で説明したショーツ1のように、身頃部3は、例えば弾性糸を用いることなく、地糸のみを用いてオールニットで編成されたフライス編地で構成することができる。さらに、ストライパー25を介して数十コース単位で色の異なる地糸で糸切り替えすることによりボーダー柄の編地を得ることもできる。
図4(a)に示すように、ウエスト部2は、地糸のみ用いてオールニットで1コースの編成と、弾性糸のみ用いてオールニットで1コースの編成とを繰り返すことにより、身頃部3より緊締力が強くなるような編成が例示できる。
また、図4(b)に示すように、地糸のみ用いてオールニットで1コースの編成と、地糸に弾性糸を添わせるプレーティング編のオールニットで1コースの編成とを繰り返すことにより、身頃部3より緊締力が強くなるような編成が例示できる。
さらに、図4(c)に示すように、シリンダ針でオールニット、ダイヤル針でオールタックを1コース編成、シリンダ針及びダイヤル針でオールニットを1コース編成、シリンダ針でオールタック、ダイヤル針でオールニットを1コース編成、シリンダ針及びダイヤル針でオールニットを1コース編成という4コースを単位として編成を繰り返すことにより、身頃部3より緊締力が強くなるような編成が例示できる。
図4(c)の場合、何れかのコースを弾性糸で編成すればよく、或いは何れかのコースを地糸に弾性糸を添わせたプレーティング編で編成すればよい。全てのコースを地糸のみで編成しても、オールニットで構成された身頃部3より伸びが抑制され、ウエストゴム部が不要になる。
これらは、ウエスト部2の緊締力が身頃部3より強くなるような編組織の例示であり、本発明はこれらの編組織に制限されるものではない。
図5(a)には、ピース編地の身頃部3の脚部側を裁断して、図1(b)に対応するシームレスのショーツ1を縫製する態様が示されている。左側に示されるピース編地を二点差線の裁断線で裁断し、前身頃3a側の下端縁を後身頃3b側に折り返して縫着される。右側に示される図中、実線で示されるマチ部4の臀部側端縁が当て布4a及びマチ部4の端縁の縫着部位8となる。
図5(b)には、同じく、左側に示されるピース編地を二点差線の裁断線で裁断し、後身頃3b側の下端縁を前身頃3a側に折り返して縫着される。右側に示される図中、実線で示されるマチ部4の腹部側端縁が当て布4a及びマチ部4の端縁の縫着部位8となる。縫着部位8を腹部側に設けることにより、図5(a)に示す態様よりもヘム部(縫着部位8)がアウターに響くことが無い点で好ましい態様である。
図5(c)には、ピース編地の身頃部3の脚部側を裁断して、図1(c)に類似するシームレスのショーツ1を縫製する態様が示されている。左側に示されるピース編地を二点差線の裁断線で裁断し、前身頃3a側の下端縁を後身頃3b側に折り返して縫着されるとともに、前身頃3a側の左右端縁を後身頃3b側の左右端縁に縫着されて接ぎ部6が形成される。右側に示される図中、実線で示されるマチ部4の腹部側端縁が当て布4a及びマチ部4の端縁の縫着部位8となる。
図6(a)には、ピース編地の身頃部3の脚部側を裁断して、シームレスのショーツ1を縫製する態様が示されている。左側に示されるピース編地を二点差線の裁断線で裁断し、別生地で構成されるマチ部4が縫着される。右側に示される図中、実線で示されるマチ部4の腹部側及び臀部側端縁が当て布4a及びマチ部4の端縁の縫着部位8となる。図5(a),(b),(c)に示す態様よりもピース編地の利用効率がよくなり、裁断屑が少なくなる。
図6(b)には、ピース編地の身頃部3の脚部側を裁断して、シームレスのボクサータイプのショーツ1を縫製する態様が示されている。左側に示されるピース編地を二点差線の裁断線で裁断し、別生地で構成されるマチ部4が縫着される。右側に示される図中、実線で示されるマチ部4の大腿部内側端縁が当て布4a及びマチ部4の端縁の縫着部位8となる。この態様によれば、さらにピース編地の利用効率がよくなる。
ウエスト部2の上下幅は特に限定されるものではなく、図1(a)に示したような下腹部に到る幅広形状や、身生地3の上縁に細幅に配置した形状等、任意である。また、例えば、身頃部またはウエスト部を上方に延出して、腹巻付きのショーツとすることも可能である。
上述した実施形態では、ショーツを例に本発明による下半身用肌着を説明したが、本発明による下半身用肌着はショーツに限るものではなく、ウエスト部を備える任意の下半身用肌着に適用できる。
上述した説明は本発明の一例であり、該記載により本発明の範囲が限定されることはなく、編地を構成する糸の種類、太さ編組織等は、本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
本発明は、ウエスト側となるヘム部の解れ処理を不要にするとともに、アウターを通してヘム部が外観に現れず、着用時にゴロツキ感等が生じないショーツやボクサーパンツ等の下半身用肌着に好適に使用できる。
1:ショーツ
2:ウエスト部
3:身頃部
3a:前身頃
3b:後身頃
4:マチ部
5:脚部開口
6:接ぎ部
7:分離帯

Claims (7)

  1. ダブル編機によりウエスト部と身頃部とがこの順序で編成されたフライス編地で構成され、前記ウエスト部の緊締力が前記身頃部より強くなるように編成され、前記ウエスト部で端部処理が施されておらず、別途のウエストゴムも備えていない下半身用肌着。
  2. 前記ウエスト部は地糸と弾性糸が交編された編地で構成され、前記身頃部は地糸のみで編成された編地で構成されることにより、前記ウエスト部の緊締力が前記身頃部より強くなるように編成されている請求項1記載の下半身用肌着。
  3. 前記ウエスト部の伸長度が前記身頃部より小さくなるように編成されている請求項1または2記載の下半身用肌着。
  4. 前記ウエスト部を構成する編地に形成されるタック部またはウェルト部の編み目数が前記身頃部より多く形成されることにより、前記ウエスト部の伸長度が前記身頃部より小さくなるように編成されている請求項3記載の下半身用肌着。
  5. 前記ウエスト部及び身頃部が脇縫いの無いシームレスに構成されるとともに、前記身頃部のうち前身頃の下端縁を後身頃側に折返し、後身頃の下端縁で縫着することによりマチ部が構成されている請求項1から4の何れかに記載の下半身用肌着。
  6. 請求項1から5の何れかに記載の下半身用肌着に用いられるフライス編地であって、ダブル編機によりウエスト部と身頃部とがこの順序で連続して編成されるとともに、分離帯を挟んで前記ウエスト部及び身頃部が繰り返し編成され、編成後に分離帯で分離可能に構成されているフライス編地。
  7. 前記分離帯が熱溶融糸または引抜き糸で編成されている請求項6記載のフライス編地。
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