JP6174322B2 - ヒアルロン酸の分解制御方法 - Google Patents
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Description
すなわち本発明は、
(1)メイラード反応物及び金属イオンを有効成分とする、ヒアルロン酸分解促進剤。
(2)被験物質のヒアルロン酸分解抑制効果を、上記(1)に記載のヒアルロン酸分解促進剤の存在下でヒアルロン酸の分子量の変化を評価することを特徴とする、ヒアルロン酸分解抑制剤のスクリーニング方法。
(3)上記(1)に記載のヒアルロン酸分解促進剤がヒアルロン酸と共存することに起因するヒアルロン酸の分解作用を抑制する、ポリフェノール類を有効成分とするヒアルロン酸分解抑制剤。
(4)ポリフェノール類が、エラグ酸、プロアントシアニジン、ライチポリフェノール、緑茶ポリフェノール、及びジュンサイポリフェノールから選ばれる1種以上である、上記(3)に記載のヒアルロン酸分解抑制剤。
(5)上記(3)〜(4)に記載のヒアルロン酸分解抑制剤を含有する、化粧品、医薬品又は飲食品。
(6)ヒアルロン酸、及び上記(3)〜(4)記載のヒアルロン酸分解抑制剤を含有する、化粧品、医薬品又は飲食品。
(7)コラーゲン、ヒアルロン酸、及び上記(3)〜(4)記載のヒアルロン酸分解抑制剤を含有する、化粧品、医薬品又は飲食品。
(8)ポリフェノール類を共存させることによって、メイラード反応物及び金属イオンの存在下でのヒアルロン酸の分解を抑制することを特徴とする、ヒアルロン酸の分解抑制方法。
(9)上記(8)記載のヒアルロン酸の分解抑制方法が、ポリフェノール類とヒアルロン酸溶液を混合し、次いで、メイラード反応物と金属イオンとを混合する、又はメイラード反応物及び金属イオンを含有する物質にポリフェノール類を混合し、次いで、ヒアルロン酸を接触させることにより、メイラード反応物及び金属イオンによるヒアルロン酸の分解を抑制することを特徴とする、ヒアルロン酸の分解抑制方法。
に関する。
まず、本発明に関与する物質について説明する。
本発明において、「ヒアルロン酸」とは、N−アセチル−D−グルコサミン及びD−グルクロン酸の2糖による繰り返し構造からなる直鎖の多糖であればよく、由来は特に制限されないが、例えば、ストレプトコッカス属やラクトコッカス属等の乳酸菌由来、鶏冠由来、ヒト由来等が挙げられる。その特性、分子量、分子量分布等は特に制限されないが、例えば、平均分子量1,000〜4,000,000であることが望ましい。平均分子量が異なる市販のヒアルロン酸を2種以上混合して用いることもできる。
また、プロアントシアニジンとしては、ブドウの種子又は皮の抽出物であってもよく、市販品であってもよい。
ライチポリフェノールは、ライチの果実、果皮、種子から、当業者に公知の任意の抽出法、発酵法、化学的又は酵素的合成法等により得ることができる。
また、ライチポリフェノールとしては、ライチの抽出物であってもよく、低分子化されていてもよく、市販品であってもよい。
ライチポリフェノールを含む市販品としては、例えば、オリゴノール(登録商標 アミノアップ化学社製)が使用できる。
緑茶ポリフェノールは、茶葉から、当業者に公知の任意の抽出法、発酵法、化学的又は酵素的合成法等により得ることができる。緑茶ポリフェノールは、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン等を含有している。
緑茶ポリフェノールを含む市販品としては、例えば、緑茶エキス(バイオアクティブズジャパン社製)が使用できる。
ジュンサイポリフェノールは、ジュンサイ(Brasenia schreberi)から、当業者に公知の任意の抽出法、発酵法、化学的又は酵素的合成法等により得ることができる。ジュンサイポリフェノールは、ジュンサイノシドA、クエルセチン誘導体、ケンフェロール誘導体、ハイポレチン誘導体、ゴシペチン、没食子酸誘導体等を含有している。
ジュンサイポリフェノールを含む市販品としては、例えば、ジュンサイエキス(登録商標 オリザ油化社製)等が使用できる。
本発明の一態様において、本発明は、メイラード反応物及び金属イオンを用いて、ヒアルロン酸の分解を促進できることに関する。すなわち、本発明は、メイラード反応物及び金属イオンを有効成分とする、ヒアルロン酸分解促進剤を提供する。
メイラード反応物、金属イオン、ヒアルロン酸及び被験物質を接触させる方法について説明する。これらの物質はいかなる順番で接触させてもよく、例えば、以下の2つの方法が挙げられる。
(方法2)被験物質をメイラード反応物と金属イオンの混合物と予め接触、混合させ、次いで、ヒアルロン酸溶液と接触、混合する。
ヒアルロン酸の濃度については、溶解し、かつ、分解の程度を評価できる範囲であれば特に限定されない。用いるヒアルロン酸の分子量が高いほど、溶解できるヒアルロン酸濃度の上限は低下し、例えば、0.001〜10%(w/v)で行うことができる。
窒素源として、アミノ酸類、タンパク(例えば、コラーゲン、カゼイン、大豆プロテイン等)やその加水分解物類(例えば、コラーゲンペプチド、カゼインペプチド、大豆ペプチド、ペプトン類)、又はエキス類(酵母エキス等)等が挙げられ、特にコラーゲンやその分解物はヒトの皮膚に存在するとともに、化粧品の原料としても使用されるので、好ましく用いられる。
本発明のコラーゲンは、由来は特に限定されないが、例えば、ヒト、ブタ等の哺乳類由来や魚由来、化学合成品等を指す。コラーゲンは、構成するアミノ酸の主要なものとして、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリンが知られており、構成比については特に限定されない。本発明のコラーゲンは分解品であってもよく、分解方法や平均分子量は特に限定されない。分解方法としては、例えば、酸・アルカリ分解法、酵素分解法が挙げられる。平均分子量については、好ましくは500〜1,000,000が挙げられる。
金属イオンの濃度については、特に限定されないが、メイラード反応物の溶液に対して、添加する金属塩の濃度として、例えば、0.001〜1%(w/v)で行うことができる。
また、金属の供給源として、前述のメイラード反応物を調製する際の窒素源に含有しているものを用いてもよい。これらの金属塩の添加については、メイラード反応の前後のどちらでもよい。
上記の金属イオン及びメイラード反応物を、ヒアルロン酸溶液に添加する。金属イオン及びメイラード反応物の添加量については、特に限定されないが、例えば、0.01〜10%(v/v)となるように添加すればよい。
本発明のヒアルロン酸分解抑制剤は、こうした疾患状態におけるヒアルロン酸の分解を抑制して関節機能の低下を抑制する、関節機能改善薬として機能することが期待できる。なお、関節機能改善には、軟骨の変性変化、滑膜の炎症、疼痛の抑制など、関節機能に関連するすべての症状の改善を含む。
例えば、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ステアリルアルコール等の高級アルコール、ミリスチン酸イソプロピル等の高級脂肪酸低級アルキルエステル、ラノリン酸等の動物性油脂、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコール、グリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ポリエチレンアルキルエーテルリン酸等の界面活性剤、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ブチル等の防腐剤、蝋、樹脂、各種香料、各種色素、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等の各種無機塩、酪酸、乳酸等の各種酸、水、及びエタノール等が挙げられる。
医薬製剤は、特に限定されないが、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤、シロップ剤、チュアブル、トローチ等の経口剤、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、貼付剤等の外用剤、注射剤、舌下剤、吸入剤、点眼剤、坐剤等の剤型であることができる。好ましい剤型は、経口剤である。
薬学的に許容可能な抗酸化剤の例は、(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、硫酸水素ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどのような水溶性の抗酸化剤、(2)アスコルビルパルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、プロピルガレート、アルファ−トコフェロールなどのような油溶性の抗酸化剤、並びに(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などのような金属キレート剤が挙げられる。
本発明の組成物の投与量は、対象疾患及び状態、疾患の程度、対象者の年齢、体重等に応じて適宜設定することができる。ヒアルロン酸分解抑制剤の有効な投与量は、0.2〜2,000mgの範囲、好ましくは、例えば、0.4〜200mg/kg体重程度である。
一つの態様において、その日のはじめに摂取される本発明のヒアルロン酸分解抑制剤の1日当たりの1回投与量は、1,000mgである。もう一つの態様において、本発明のヒアルロン酸分解抑制剤は、1日1,000mg投与量となるように、分割して服用してもよい。
典型的な1人前あたり1,000mgのヒアルロン酸分解抑制剤を投与するために、ヒアルロン酸分解抑制剤を飲食品に配合する際の濃度は、飲食品のタイプ及び典型的な1人前の飲食品の量にしたがって変動する。
例えば、本発明のヒアルロン酸分解抑制剤は、飲料1mlにつき0.01〜100mg飲料に添加され、食品1gにつき0.01〜100mgの量で添加されうる。
本発明のヒアルロン酸分解抑制剤の投与経路は、特に限定されず、経口投与でも非経口投与でも投与可能であるが、簡便には経口投与により投与することができる。
飲食品としては、サプリメント、特定保健用食品、栄養機能食品、健康食品、機能性食品、健康補助食品、通常の飲食品などが挙げられる。
飲食品の形状としては、ジュース、清涼飲料、ドリンク剤、茶等の液状、ビスケット、タブレット、顆粒粉末、粉末、カプセル等の固形、ペースト、ゼリー、スープ、調味料、ドレッシング等の半流動状などが挙げられる。これらの飲食品は、いずれも当業者に公知の手法を用いて、ヒアルロン酸分解抑制剤を添加して製造することができる。
摂取回数は特に制限されないが、好ましくは1日1〜3回であり、必要に応じて摂取回数を増減してもよい。
また、本発明の一態様において、飲食品は、ブドウ加工飲食品の形態であってよく、例えば、ブドウ種子又は皮を原料として用いた、ジュース、ワイン、グレープシードオイル等、並びにこれらを含むスープ、ソース、オイル漬等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例(単に「実施例等」という場合がある)により本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、それらの例により何ら限定されるものではない。
(a)アルギニンを窒素源としたメイラード反応物と鉄イオンによるヒアルロン酸の分解
ヒアルロン酸(FCH−200、平均分子量約2,000,000、キッコーマンバイオケミファ社製)を0.5%(w/v)となるようにミリQ水に溶解し、オートクレーブ滅菌して、ヒアルロン酸溶液を調製した。
比較対照として、下記の溶液も調製した(いずれもpH7.0に調整した)。
・アルギニン10%(w/v)水溶液をオートクレーブにて121℃、15分間処理(溶液1B)
・アルギニン10%(w/v)、硫酸鉄(II)0.01%(w/v)である水溶液をオートクレーブにて121℃、15分間処理(アルギニン+鉄。溶液1C)
・アルギニン10%(w/v)、グルコース8%(w/v)となるように水に溶解し、pHを7.0に調整して、オートクレーブにて121℃、15分間処理(メイラード反応物のみで金属なし。溶液1D)。
・アルギニン10%(w/v)、グルコース8%(w/v)、硫酸鉄(II)0.01%(w/v)である水溶液(アルギニン+グルコース+鉄の混合物で、メイラード反応処理なし。溶液1E)。
溶液の粘度をTVB−10型粘度計(東機産業社製)で経時的に測定した結果を図1に示す。
結果として、アルギニン+グルコース+鉄を混合し、オートクレーブ処理した溶液1Aについて、粘度低下が確認された。
分析条件を下記に記す。
HPLC:GPC−101(ポンプ、デガッサ、オーブン、示差屈折計一体型,昭和電工社製)
カラム:Shodex OHpak SB−806M HQ(昭和電工社製)
MALS
光散乱検出器:DAWN HELEOS 8(Wyatt technology社製)解析ソフト:ASTRA Ver 5.3.4(Wyatt technology社製)
HA水溶液の屈折率増分dn/dc:0.152
第2ビリアル定数A2:0.000cm3・mol/g
(文献値は、0.002cm3・mol/gであるが、高分子域で数万程度の分子量差しか与えないので、今回は無視した。)
カラム槽温度:40℃
溶離液:0.2M 硝酸ナトリウム
流量:0.5ml/min
試料濃度:0.01g/dL
注入量:0.1ml
分析時間:30min
なお、鉄単独やグルコース単独では、ヒアルロン酸は分解を受けないことを確認した(data not shown)。
先の実施例1(a)にならい、下記の溶液を調製した。
窒素源として、カゼインペプトン(TRYPTONE N1、オルガノテクニー社製)を10%(w/v)、還元糖としてグルコースを8%(w/v)、金属イオン源として、硫酸鉄(II)を0.01%(w/v)となるように水に溶解し、pHを7.0に調整して、オートクレーブにて121℃、15分間処理した(メイラード反応物+鉄。溶液2A)。
・カゼインペプトン10%(w/v)水溶液をオートクレーブにて121℃、15分間処理(溶液2B)
・カゼインペプトン10%(w/v)、硫酸鉄(II)0.01%(w/v)である水溶液をオートクレーブにて121℃、15分間処理(カゼインペプトン+鉄。溶液2C)
・カゼインペプトン10%(w/v)、グルコース8%(w/v)となるように水に溶解し、pHを7.0に調整し、オートクレーブにて121℃、15分間処理(メイラード反応物のみで金属なし。溶液2D)。
・カゼインペプトン10%(w/v)、グルコース8%(w/v)、硫酸鉄(II)0.01%(w/v)である水溶液(カゼインペプトン+グルコース+鉄の混合物で、メイラード反応処理なし。溶液2E)。
先の実施例1(a)にならい、下記の溶液を調製した。
窒素源として、酵母エキス(Bacto Yeast Extract、ベクトンディッキンソン社製)を10%(w/v)、還元糖としてグルコースを8%(w/v)、金属イオン源として、硫酸鉄(II)を0.01%(w/v)となるように水に溶解し、pHを7.0に調整して、オートクレーブにて121℃、15分間処理した(メイラード反応物+鉄。溶液3A)。
比較対照として、酵母エキス10%(w/v)水溶液をpH7.0に調整し、オートクレーブにて121℃、15分間処理した溶液を調製した(溶液3B)。
以上、実施例1(a)〜(c)の結果から、ヒアルロン酸は各種の窒素源とグルコースから生成するメイラード反応物と鉄が両方共存する条件下において、分解を受けることがわかった。
実施例1(a)で調製した0.5%(w/v)ヒアルロン酸溶液30mlにグラヴィノール−S(ブドウ種子エキス、プロアントシアニジン含量約80%、キッコーマンバイオケミファ社製)、エラグ酸(含量約98.9%、キッコーマンバイオケミファ社製)、イソフラボンアグリコン30E(含量約34.4%、うちダイゼイン14.9%、ゲニステイン17.8%、グリシテイン1.7%、キッコーマンバイオケミファ社製)、アスコルビン酸(和光純薬工業社製、比較例)をそれぞれ10mgずつ添加し、均一な溶液若しくは分散液となるように混合した。これらについて、実施例1(c)で調製した溶液3Aを1mlずつ添加し、実施例1と同様に粘度を測定してヒアルロン酸の分解度を調べた結果を図4に示す。
実施例1(c)で調製した溶液3A 5mlに、グラヴィノール−S、エラグ酸、イソフラボンアグリコン30Eをそれぞれ50mgずつ添加し、均一な分散液となるように混合した。それぞれ各1mlを、実施例1(a)で調製した0.5%(w/v)ヒアルロン酸溶液30mlに添加し、実施例1と同様に粘度を測定してヒアルロン酸の分解度を調べた結果を図5に示す。
実施例1(c)で調製した溶液3A 5mlに、オリゴノール(低分子化ライチポリフェノール、ポリフェノール含量80%以上、アミノアップ化学社製)、緑茶エキス(緑茶ポリフェノール、ポリフェノール含量80%以上、バイオアクティブズジャパン社製)、ジュンサイエキス(ジュンサイポリフェノール、エキス含量17%以上、ポリフェノール含量5%以上、オリザ油化社製)をそれぞれ50mgずつ添加し、均一な分散液となるように混合した。それぞれ各1mlを、実施例1(a)で調製した0.5%(w/v)ヒアルロン酸溶液30mlに添加し、実施例1と同様に粘度を測定してヒアルロン酸の分解度を調べた結果を図6に示す。
結果として、添加物なしの場合と比較して、オリゴノール、緑茶エキス、ジュンサイエキスを添加した場合に、ヒアルロン酸の分解が抑制されていることが確認された。
窒素源として、コラーゲンペプチド(酸分解品、平均分子量1000、和光純薬工業社製)を10%(w/v)、還元糖としてグルコースを8%(w/v)、金属イオン源として、硫酸鉄(II)を0.01%(w/v)となるように水に溶解し、pHを7.0に調整して、オートクレーブにて121℃、15分間処理した(メイラード反応物+鉄。溶液5)。
溶液5 5mlに、グラヴィノール−S、エラグ酸、イソフラボンアグリコン30Eをそれぞれ50mgずつ添加し、均一な分散液となるように混合した。それぞれ各1mlを、実施例1(a)で調製した0.5%(w/v)ヒアルロン酸溶液30mlに添加し、実施例1と同様に粘度を測定してヒアルロン酸の分解度を調べた結果を図7に示す。
〔アスコルビン酸及び金属イオンによるヒアルロン酸分解に対する、ヒアルロン酸分解抑制剤の効果確認〕
10mMアスコルビン酸水溶液に0.01%硫酸鉄(II)を添加した溶液4を調製した。溶液4 5mlに対して、エラグ酸を50mg添加し、均一な懸濁液となるように混合した。溶液4、本懸濁液1mlを、実施例1(a)で調製した0.5%(w/v)ヒアルロン酸溶液30mlにそれぞれ添加し、実施例1と同様に粘度を測定してヒアルロン酸の分解度を調べた結果を図8に示す。
下記の3種の溶液6a〜6c若しくは懸濁液を調製した。
(溶液6a)0.01%(w/v)ヒアルロン酸溶液(FCH−200、平均分子量約2,000,000、キッコーマンバイオケミファ社製)
(溶液6b)0.01%(w/v)エラグ酸
(溶液6c)0.01%(w/v)ヒアルロン酸溶液+0.01%(w/v)エラグ酸
(方法7a)溶液6aを10μl塗布
(方法7b)溶液6bを10μl塗布
(方法7c)溶液6cを10μl塗布
(方法7d)溶液6bを10μl塗布して3分経過後、溶液6aを10μl塗布
使用後の皮膚の状態についてヒアリングした結果、方法7cや方法7dで塗布した部分が、状態としてより良好であるという感想が得られた。
Claims (4)
- メイラード反応物及び鉄イオンを有効成分とする、ヒアルロン酸分解促進剤。
- 被験物質のヒアルロン酸分解抑制効果を、請求項1に記載のヒアルロン酸分解促進剤の存在下でヒアルロン酸の分子量の変化を評価することを特徴とする、ヒアルロン酸分解抑制剤のスクリーニング方法。
- ポリフェノール類を共存させることによって、メイラード反応物及び鉄イオンの存在下でのヒアルロン酸の分解を抑制することを特徴とする、ヒアルロン酸の分解抑制方法。
- 請求項3に記載のヒアルロン酸の分解抑制方法が、ポリフェノール類とヒアルロン酸溶液を混合し、次いで、メイラード反応物と鉄イオンとを混合する、又はメイラード反応物及び鉄イオンを含有する物質にポリフェノール類を混合し、次いで、ヒアルロン酸を接触させることにより、メイラード反応物及び鉄イオンによるヒアルロン酸の分解を抑制することを特徴とする、ヒアルロン酸の分解抑制方法。
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