JP6173926B2 - トラップを有する配管のヌメリ防除剤及びそれを用いた防除方法 - Google Patents

トラップを有する配管のヌメリ防除剤及びそれを用いた防除方法 Download PDF

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Description

本発明は、トラップを有する配管のヌメリ防除剤及びヌメリ防除の方法に関する。
台所等の水と接する場所には、ヌメリが発生し、そのヌメリ防除剤として出願人は様々な錠剤を開発してきた(特許文献1)。また、速効性が必要な腐敗した、又は腐敗し始めた冷却水や水溶性切削油用殺生剤、循環式トイレ処理剤として有効な発泡性の早溶性成形物も開発してきた(特許文献2)。また、水道管や配水管等の配管内部に関しては粘性液体等の薬剤も市販されている。しかし、配管内の逆流防止を目的としたトラップを有する配管のヌメリを防除する場合、強力な薬品を用いると一度にヌメリ等が剥がれ落ちて、それがトラップの隙間に留まって閉塞してしまうなどの問題があった。そこで徐々に薬剤が溶出する錠剤状薬剤を用いてみると、薬剤が溶出してもすぐに希釈されてしまうため、薬効が弱く十分にヌメリ防除できないことがわかった。
そのため、トラップを有する配管のヌメリ防御できる薬剤及びその防除方法の開発が待たれている。
特開2008−007494号公報 特開平8−113502号公報
トラップを有する配管のヌメリ防除剤及びその防除方法を課題とする。
本発明者らは、トラップを有する配管のヌメリを防除するには、1〜10時間で溶解する錠剤状薬剤が好ましいことを見出した。そして本発明者らはこのような溶解に適する錠剤を種々検討した結果、ヌメリ防除剤の成分化合物として非さらし粉系抗菌剤、発泡組成として有機酸と炭酸水素塩又は/及び炭酸塩、及びヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を含有する錠剤が良いことを見出した。
すなわち本発明は、
(1)下記成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有するヌメリ防除剤、
(A)非さらし粉系抗菌剤
(B)炭酸水素塩又は/及び炭酸塩
(C)C1〜C20有機酸
(D)ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)
(2)上記(1)記載の防除剤において各成分の質量比が以下であることを特徴とするヌメリ防除剤、
A:(B+C):D=10〜30:50〜80:8〜20
(3)A成分である非さらし粉系抗菌剤が5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含有する抗菌剤であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のヌメリ防除剤、
(4)A成分である非さらし粉系抗菌剤が5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとの包接化合物であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のヌメリ防除剤、
(5)C成分であるC1〜C20有機酸がシュウ酸、琥珀酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のヌメリ防除剤、
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のヌメリ防除剤を用いたトラップ付き配管用のヌメリ防除方法、
(7)トラップ付き配管用のトラップ内で1〜10時間で溶解するように調整されたヌメリ防除剤を用いることを特徴とする上記(6)記載のトラップ付き配管用のヌメリ防除方法、に関する。
本発明のヌメリ防除剤は、トラップを有する配管のトラップ内で発泡しながら抗菌剤を1〜10時間にわたって均一に放出することができる。そのためトラップを有する配管を詰まらせることなく配管内のヌメリを除去、防止することができる。
実施例で用いたHCトラップ試験概要図である。
(ヌメリ防除剤)
本発明のヌメリ防除剤とは、ヌメリを防除するための非さらし粉系抗菌剤(A成分)、錠剤を速やかに溶解させるための炭酸水素塩又は/及び炭酸塩(B成分)、有機酸(C成分)、崩壊を制御するためのHPC(D成分)を含有した組成物である。この組成によりトラップを有する配管に適したヌメリ防除剤を得ることができる。さらに各成分の質量比をA:(B+C):D=10〜30:50〜80:8〜20とすることによりトラップ内で発泡しながら抗菌剤を1〜10時間にわたって均一に放出することができ、トラップを有する配管を詰まらせることなく配管内のヌメリを除去、防止することができる。
ここでトラップ内で発泡しながら抗菌剤を1〜10時間にわたって均一に放出することができる防除剤であることが重要で、1時間より早いと一度にヌメリ等が剥がれ落ちて、それがトラップの隙間に留まって閉塞してしまい、また10時間より遅いと薬剤が溶出してもすぐに希釈されてしまうため、薬効が弱く十分にヌメリ防除できない。またHPCは崩壊を制御するために重要であり、防除剤全質量の8〜20質量%含有することにより1〜10時間にわたって発泡しながら抗菌剤を放出することができる。
本発明のヌメリ防除剤は、さらにその他の成分を含有することができる。その他の成分としては、賦形剤、結合剤、溶解調整剤、界面活性剤等を添加することができる。
また本発明品は任意の形に成形した成形物であり、これらの形、大きさに特に制限はなく、その使用形態により粒状、顆粒状、球状、円板状、円柱状、ドーナッツ状、立方体状、円錐状等任意の成形物を選択できる。製法としては通常の成形方法、例えば、粉末混合物を打錠成形する方法、押し出し圧縮成形する方法、流動層造粒法、スプレードライヤー等で成形できる。また、取り扱いが容易なため、錠剤の形状である方が好ましい。
(非さらし粉系抗菌剤)
非さらし粉系抗菌剤としては、さらし粉系抗菌剤以外の抗菌剤であれば特に限定されないが、抗菌剤の取扱い及び抗菌剤の溶出速度の制御の点から抗菌効果のある化合物(ゲスト化合物)を多分子系ホスト化合物によって包接した化合物を用いることが好ましい。また、非さらし粉系抗菌剤の含有量はヌメリ防除剤全質量に対して、10〜30質量%である。
(抗菌効果のある化合物)
抗菌効果のある化合物(以下、単に抗菌剤と呼ぶ)としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CMI)、4,5−ジクロロ−2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、N,N−ジエチル−m−トルアミド、α−ブロムシンナムアルデヒド、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メタンスルフォニルピリジン、2,2−ジブロモ−3−ニトリルプロピオンアルデヒドが挙げられ、好ましくは、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンである。
(包接化合物)
本発明で使用される包接化合物とは、一方の分子種(ホスト化合物)が籠(かご)状、トンネル状あるいは層状の分子規模の空間をつくり、そこへ形状と寸法が適合する他方の分子種(ゲスト化合物)が弱い非共有結合で収納(包接)されて生成する化合物を意味する。ホスト化合物には単分子系、多分子系、高分子系などがある。本発明において、包接化合物は、どのような形態の包接化合物でもよいが、好ましいのは、抗菌効果のある化合物(ゲスト化合物)を多分子系ホスト化合物によって包接した化合物である。
具体的には、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンをホスト化合物、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンをゲスト化合物とした包接化合物が好ましい。
本発明に使用される包接化合物は、通常、ゲストとなる抗菌剤とホスト化合物とを、場合によっては水あるいは有機溶媒存在下に、常温〜100℃で数分間〜数時間攪拌して反応させることにより容易に得られる。
(多分子系ホスト化合物)
多分子系ホスト化合物とは、ゲストとなる抗菌剤と水素結合等の分子間力により相互作用を持ち規則的配列を有する結晶性錯体(包接化合物)を形成する化合物をいい、上記の性質を有する化合物であれば特に制限されないが、例えば以下の化合物を例示することができる。
(1)テトラキスフェノ−ル類
(2)1,1,6,6−テトラフェニル−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール
(3)1,6−ビス(2−クロロフェニル)1,6−ジフェニルヘキサン−2,4−ジイン−1,6−ジオール
(4)1,1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオール
(5)2,5−ビス(2,4,ジメチルフェニル)ハイドロキノン
(6)1,1−ビス(2,4,ジメチルフェニル)−2−プロピン−1−オール
(7)1,1,2,2−テトラフェニルエタン−1,2−ジオール
(8)1,1’−ビ−2−ナフトール
(9)9,10−ジフェニル−9,10−ジヒドロキシアントラセン
(10)1,1,6,6−テトラ(2,4−ジメチルフェニル)−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール
(11)9,10−ビス(4−メチルフェニル)−9,10−ジヒドロキシアントラセン
(12)1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
(13)N,N,N’,N’−テトラキス(シクロヘキシル)−(1,1’−ビフェニル)−2−2’−ジカルボキシアミド
(14)4,4’−スルホニルビスフェノール
(15)4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)
(16)2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)
(17)4,4’−チオビス(4−クロロフェノール)
(18)2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)
(19)デオキシコール酸
(20)コール酸
(21)α,α,α’,α’−テトラフェニル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジメタノール
(22)t−ブチルヒドロキノン
(23)2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン
(24)顆粒状コーンスターチ
(25)1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン
上記多分子系ホスト化合物におけるテトラキスフェノ−ル類としては、例えば、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3,3−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン等テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカン類を具体的に例示することができる。
(炭酸水素塩又は/及び炭酸塩)
炭酸水素塩又は/及び炭酸塩とは、有機酸と反応して炭酸を発生するものであれば特に限定されないが、好ましくは、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム等を例示することができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
(C1〜C20有機酸)
C1〜C20有機酸とは、炭酸水素塩又は/及び炭酸塩と反応して炭酸を発生し、常温(25℃)で固体であり、全ての炭素数がC1〜C20であれば特に限定されないが、シュウ酸(融点:189.5℃(無水物))、琥珀酸(融点:185℃)、アジピン酸(融点:153℃)、マレイン酸(融点:130℃)、フマル酸(融点:300−302℃(封管中))、クエン酸(融点:153℃(無水物))、リンゴ酸(融点:98−99℃)、フタル酸(融点:191℃(封管中))、イソフタル酸(融点:350℃)、酒石酸(融点:170℃)、サリチル酸(融点:159℃)、ヒドロケイ皮酸(融点:47℃)、安息香酸(融点:122℃)、グルコン酸(融点:130−132℃)、グリコール酸(融点:80℃)等のC1〜C20カルボン酸化合物、p−トルエンスルフォン酸(融点:96℃)、スルファミン酸(融点:205℃)等の常温で固体の有機酸を例示することができ、特に好ましくは、シュウ酸、琥珀酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸等のC1〜C20カルボン酸化合物等を例示することができる。
ここで炭酸水素塩又は/及び炭酸塩の含有量とC1〜C20有機酸の両者の合計の含有量はヌメリ防除剤全質量に対して、50〜80質量%である。
(HPC:ヒドロキシプロピルセルロース)
本発明で使用するヒドロキシプロピルセルロースは、セルロースの水酸基の一部又は全部が2−(CHCH(CH)−O)H(式中、mは1以上の整数)で置換されたものであり、重合度、置換度などについては特に限定されない。ヒドロキシプロピルセルロースとしては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースHPC−SL、HPC−L(以上商品名、日本曹達株式会社製)等が挙げられる。本発明において使用するヒドロキシプロピルセルロースの量は、ヌメリ防除剤全重量に対して、8〜20質量%である。
(その他の成分:界面活性剤)
本発明において使用される界面活性剤は抗菌剤成分と反応せず、融点が50℃以上のものであれば特に制限はない。融点が50℃以下の界面活性剤を用いると、台所や風呂場の排水管で使用した場合に温水などにより錠剤が溶解しやすくなり、また、夏場においては気温の上昇により錠剤から界面活性剤がブリードしやすくなるなどの問題がある。融点が50℃以上の界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミドなどの脂肪酸カルバノールアミド類、ソルビタンステアレート、ソルビタンパルミテートなどのソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどを例示することができる。その中でも、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドとソルビタンステアレートを好ましい界面活性剤として例示することができる。これらのうち、市販されているものは、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドとしては、トーホールN−120(東邦化学工業株式会社製)、アミゾールCME(登録商標、川研ファインケミカル株式会社製)など、ラウリン酸モノイソプロパノールアミドとしてはアミゾールPLME(登録商標、川研ファインケミカル株式会社製)、ソルビタンステアレートとしてはレオドールSP−S10V、S20V、S30V(登録商標、花王株式会社製)、ソルボンS−60(東邦化学工業株式会社製)など、ソルビタンパルミテートとしてはソルボンS−40(東邦化学工業株式会社製)など、ポリオキシエチレンステアリルエーテルとしてはエマルゲン350(登録商標、花王株式会社製)など、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーとしてはニューポールPE−68(登録商標、三洋化成工業株式会社製)などがある。これらは、単独で使用することも、あるいは2種以上混合して使用することもできるが、加圧成形した時の打錠性、水に対する溶解性、崩壊性、抗菌剤の安定性への影響を考慮して決定することが望ましい。
(その他の成分:溶解調節剤)
溶解調節剤としての水溶性物質は高分子化合物、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等のポリオキシエチレン含有化合物、ポリカルボン酸及びその塩、カルボキシメチルセルロース及びその塩、各種塩としては硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、又、硫安、乳糖、デキストリン、尿素等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上添加することができる。特に乳糖は成形物の水中崩壊性を早め、ポリエチレングリコールやポリエチレングリコール含有物質は比較的柔らかく結合性が良好で、これら自体で水に対する殺生剤の溶解速度を変えることができる。尚、これらの溶解調節剤は賦形剤、結合剤や増量剤としても使用できる。
溶解調節剤としての界面活性剤は成形物への水の浸透を調節する働きを持ち、更に不溶性成分の分散剤として作用するものである。浸透、濡れ、分散効果を持つ陰イオン系、陽イオン系、非イオン系、両イオン系のいずれも使用でき、特にアルキルサルフェート、アルキルスルフォネート、アルキルナフタレンスルフォネートが好ましく、必要な場合は0.01〜10%、好ましくは0.1〜5%添加することができる。
(その他の成分:消泡剤)
起泡性が高い場合はシリコン系の消泡剤を添加できる。
(その他の成分:増量剤、賦形剤、滑沢剤、等)
増量剤又は賦形剤として液体の粉末化剤として二酸化ケイ素、ケイソウ土等を、滑沢剤としてステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、二酸化ケイ素等を添加できる。また、香料、着色剤、腐食防止剤等の各種添加剤を必要に応じ添加できる。
(トラップを有する配管)
一般に洗面台等の排水管にはS字状の配管を有することで、悪臭の逆流を防止していた。しかし、配管内部に水を溜める構造のため、揺れや気圧の変動によって溜めた水が逆流したり、流れ出てしまう場合もあるため、トラップ等によって逆流防止する必要があった。トラップを有する配管とは、S字状の配管による配管の閉止が困難な場合に用いるものであり、排水が流れる配管において逆止弁としてトラップを有しているものを指し示す。
逆止弁としてのトラップとは、配管の逆流を抑えるために設けられた構造物であり、各種製品が市販されている。ボール状物質が配管の一部を閉止するように設置されていて上流から下流へ水が流れるときにだけ、そのボール状物質が浮き上がり、排水を流し出し、逆流(下流から上流への水の流れ)のときは、ボール状物質によって排水が流れないように閉止する製品、バネやスプリングによって蓋状物質が配管を閉止するタイプの製品等を例示することができる。
トラップを有する配管は、具体的には、列車、観光バス、船舶等の移動する乗り物における洗面台の排水管、銭湯、温泉、プール等の大量の水を排水する設備の排水管等の配管を例示することができる。
(実施形態)
本発明品の使用方法は特に限定されるわけではないが、その使用方法の一例を記載する。錠剤状の本発明の防除剤を洗面台の排水口から5錠投入し、水を約1L流す。その後、通常使用方法で洗面台を使用し、その都度、適時水が排水される。この時、錠剤は水とともに流れ出て、錠剤の自重によって配管の底部を流れて行き、最終的にはトラップ付近で留まる。その後、錠剤が溶解をし始めて、薬液を放出し、ヌメリを除去していく。ある程度の水が流れると錠剤が全て溶解し排出される。一旦ヌメリを除去できれば当面の間はヌメリが発生しないが、好ましくは、1ヶ月程度に1回、錠剤を投入する。これによって、再度ヌメリが発生しにくくなる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
図1に記載の約250mlの容量のHCトラップ(2)(コンドーFRP工業株式会社製、品番F−HCT50)内に蒸留水を入れた。次に、第1表に記載の実施例1の組成の0.2グラム錠剤5錠(CMI量=0.2g×6.6質量%×5錠≒0.07g)をHCトラップ(2)に添加した。トラップの上部の蓋(4)を開けて中の水をサンプリングし、CMI濃度をHPLCで定量分析した。その結果を第2表に示す。その後、蒸留水1Lを図1の流入口(1)から流し、排出口(3)から排出した。サンプリング、水添加、静置の作業を5分ごとに繰り返した。
(CMIは5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの略である。また表中TEP−CMIはCMIと1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとの包接化合物を意味する。)
[比較例1]
実施例1の第1表に記載の実施例1の組成の0.2グラム錠剤に変えて、第1表に記載の比較例1の組成の0.7グラム錠剤を用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験を行った。
[比較例2]
実施例1の第1表に記載の実施例1の組成の0.2グラム錠剤5錠に変えて、CMI希釈液(50ppm液)200g(CMI換算0.01g相当)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験を行った。
Figure 0006173926
Figure 0006173926
第2表の結果から、本発明の防除剤を用いると、速やかに薬効成分が高くなり、緩やかに減少することが判明した。一方、徐放性薬剤である比較例1はCMI濃度が一定であるがその濃度は低く、この値を高くするには錠剤の量を増やす必要があった。また液状薬剤である比較例2は、実施例1や比較例1のCMI量よりも約1/7であるにもかかわらず、一時的に高濃度のCMIになるが、その持続性は短く、すぐに薬効がなくなった。
排液の配管のように雑菌等のヌメリの原因が常に供給されるような配管では、比較例1のように徐放性薬剤はヌメリの発生を抑制できるであろうが、付着したヌメリを除去するには濃度が低すぎる。また、比較例2のように一時的に薬効が高くなると、ヌメリが一気に除去され、それが配管の閉塞に繋がってしまう可能性が高い。しかし実施例1は初期のCMI濃度が高く、ある一定時間維持されるのでヌメリを除去することができる。このため、同じCMI量であれば効率的にヌメリを除去することができる。
1 流入口
2 試験器(HCトラップ)
3 排出口
4 蓋
5 試験薬剤

Claims (6)

  1. 下記成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有し、トラップ付き配管用のトラップ内に設置され、トラップ内で1〜10時間で溶解するように調整されたトラップ付き配管用ヌメリ除去剤。
    (A)抗菌効果のある化合物が多分子系ホスト化合物によって包接された非さらし粉系抗菌剤
    (B)炭酸水素塩又は/及び炭酸塩
    (C)C1〜C20有機酸
    (D)ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)
  2. 請求項1記載の除去剤において各成分の質量比が以下であることを特徴とするヌメリ防除剤。
    A:(B+C):D=10〜30:50〜80:8〜20
  3. A成分である非さらし粉系抗菌剤が5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含有する抗菌剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載のヌメリ除去剤。
  4. A成分である非さらし粉系抗菌剤が5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとの包接化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のヌメリ除去剤。
  5. C成分であるC1〜C20有機酸がシュウ酸、琥珀酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のヌメリ除去剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のヌメリ除去剤をトラップ内で用いることを特徴とする、トラップ付き配管用のヌメリ除去方法。
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