JP6173351B2 - 物体の多層凝集体を形成する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を含むチャネル内で物体の多層凝集体を形成する方法に関する。
組織工学分野では、生体材料を生細胞と組み合わせることによる、再生医療のための刺激的な方法が提示されている。新規生体材料(足場)と生細胞との組合せは、例えば、骨、動脈及び膀胱といった広範囲の機能性組織の再建において、ある程度の臨床的成功をもたらしてきた。しかしながら、足場の生分解の後で炎症反応及び病理的線維化状態が生じるので、いかなる生分解性細胞外基質代替物も使用せずに2次元の細胞シートを積層することによって3D(3次元)の機能性組織を構築する、「細胞シート工学」と呼ばれる新しい組織工学的方法が出現した。
それでもなお、細胞シートの主な欠点は、機能的適用に関連したときにその力学的性質が不十分であることである。細胞シートは、培養面から取り外すときに広範囲にわたって収縮して移植片のサイズを小さくしてしまう。臨床環境においては、特定の移植片サイズ及び形状を特定の適用に合わせて制御することが理想的である。そのうえ、細胞シートの脆弱性が、その取り扱いを困難なものにしている。足場に基づく技術を避けたとしても、これらの課題を解決する方法は、依然として、力学的に頑強で操作しやすい3D組織の効果的な再建における大きな障害となっている。
再生医療治療がより進歩するにつれて、予測される需要を満たすために細胞及び組織培養の規模を拡大する戦略を開発する必要性が高まっている。これに対応して、自動化された細胞及び組織培養システムの使用が注目されており、その成功は、監視及び制御戦略に依存する。2D(2次元)及び3D凝集体をイン・ビトロで懸濁液中で生成するための種々の培養技術、例えば、平坦な剛性のプラスチック/ガラス表面上での2D細胞播種、ペレット、スフェロイド及び懸滴培養、足場法、液体オーバーレイ(liquid overlay)、スピナーフラスコ及び旋回回転法[非特許文献3]が存在する。しかしながら、これらの方法は、長い培養時間、不均等なサイズの凝集体の形成、又は機械的アクセスの困難性のいずれかによって制限される場合がある。従って、これらは、ハイスループット・アッセイに必要な形式での2D/3D凝集体の標準化された迅速かつ大規模な生産には適さない場合がある。
薄いチャンバ内で作用する定常音場によって発生する音響力:
Figure 0006173351
を用いて、ミクロン及びサブミクロン・サイズの粒子の操作を達成することができる。Vは粒子の体積であり、〈e〉は平均音響エネルギーであり、k=2π/λは波数であり、
Figure 0006173351
は、粒子及び懸濁流体の音響学的性質に依存する音響コントラスト因子(acoustic contrast factor)である。
このチャンバは、「音響共鳴器」と呼ぶことができる。この共鳴器は、放射壁及び反射壁を含む。定在波は、チャンバの厚さwと音の波長λとが次式:w=nλ/2に示す関係にあるときに生じることが可能であり、式中、nは、チャンバの厚さの中で作り出される節の数である。この厚さ方向で可変の力場音響の影響下にある粒子は、音響コントラスト因子
Figure 0006173351
に応じて、定在波の節又は腹へと押しやられることがあり、この音響コントラスト因子は、積piiとして定義される音響インピーダンスの関数であり、ここでpi及びciは、流体又は懸濁粒子の密度及び音速である。
宇宙飛行士の要求に応じた組織工学の技術を開発することもまた興味深い。宇宙の無重力条件下では、培地内の細胞は、リアクタ内部で遊走し、凝集体が、さらにまた組織が増殖すべき場所である足場又は基質の方に自然に向かうことはないので、細胞培養は困難である。無重力下で凝集体を形成するには、さらに日数を要し得る。
前述の従来の細胞培養方法より有利な、2D及び3D細胞凝集体の迅速な形成を可能にする方法に対する要求がある。
細胞などの生物学的物体から成る多層構造体の形成を可能にする方法を得ることに対する要求がある。
組織模倣構築物を生成するための方法を得ることに対する別の要求がある。
組織工学の改善された技術を得ることに対する別の要求がある。
本発明は、前述の要求のいくつか又は全てを満たすことを目的とする。
米国特許出願公開第2008/0067128A1号明細書
Callens他、「Analytical Chemistry」、2008年、第80巻、p.4866−4875 Williams他、「Analytical Chemistry」、2008年、第80巻、p.7105−7115 Kuznetsova他、「Biotechnology Progress」、2009年、第25巻、第3号、p.834−841
第一の態様によれば、本発明は、液体を含むチャネル内で物体の多層凝集体を形成する方法を提供し、該方法は、
a)チャネルの第1及び第2の重ね合わせ領域(superposed region)に物体を準備することと、
b)物体の第1及び第2の凝集体を得ることと、
c)第1及び第2の凝集体に、
・音波が存在しない状態で重力を受けさせること、又は
・第1及び第2の凝集体を互いの方へ向かわせる移動を誘起する音波を、選択的には定在波を、受けさせること
によって、第1及び第2の凝集体を接触させて、物体の多層凝集体を形成することと、
を含む。
「物体の凝集体」とは、以下の特徴の全てを満たす物体の層を意味する。
−層内に含まれる少なくとも2つの物体、特に層内に含まれる物体の少なくとも10%、さらには25%、好ましくは50%が、接触していること、及び
−層が、その横断寸法の少なくとも1つに沿って移動したときに、その長さの少なくとも一部において、連続した物体を呈すること。
得られる凝集体は、2D又は3D凝集体とすることができる。
得られる凝集体は、平面内に延びるものとすることができ、かつ、並置された物体の列を含む(特に、並置された物体の列にある)ものとすることができる。この場合、凝集体は、2D凝集体と呼ばれる。
別の実施形態において、得られる凝集体は、2D凝集体の積層体を含む。このような実施形態が3D凝集体の例である。
凝集体は、一軸のみに沿って延びる物体の線とは異なる。換言すれば、物体の線は、幅方向にただ1つの物体、厚さ方向にただ1つの物体、及び、長さに沿って連続した物体を含む。
本発明は、有利には、凝集体を損なうことなく連続的に収集することを可能にすることができる。
本発明は、有利には、同種又は異種の物体の多層凝集体の形成を可能にすることができる。
本発明は、有利には、同一寸法の細胞凝集体(2D及び/又は3D)の、制御されプログラムされた生成を可能にすることができる。
本発明は、有利には、例えば組織模倣構築物を生成するために、低侵襲的方法で層状に配置される2D細胞シート(ホモタイプ及び/又はヘテロタイプ、すなわち同じ細胞型又は異なる細胞型)を同時に形成することを可能にすることができる。
本発明は、有利には、凝集体の操作及び制御を可能にすることができ、並びに、物体とチャネル壁とが接触するとそれらの特性を変化させてしまうことがあるが、それらの間の接触の回避を可能にすることができる。
本発明は、さらに有利には、物体の凝集体、特に3D細胞凝集体の迅速な取得を可能にする。
本発明は、有利には、比較的容易に製造することができるとともに無菌状態で用いることができる装置を用いて、多層凝集体を取得することを可能にする。本発明による方法で用いられる装置は、標準的な超音波機器を含むことができる。
チャネルの第1及び第2の重ね合わせ領域における物体の層をステップa)において準備することができ、これらの層は、選択的に流体力学的集束によって得られる。
ステップa)において第1の領域内に存在する物体は、ステップa)において第2の領域内に存在する物体とは異なるサイズ及び/又は性質を有するものとすることができる。
第1及び第2の物体の凝集体は、ステップb)において、横断方向音波、選択的には定在波を、各領域内に印加することによって得ることができる。
変形例では、物体の第1及び第2の凝集体は、ステップb)において流体力学的集束によって得ることができる。この場合、凝集体を形成する物体は、有利には、物体同士を互いにより近くに移動させる表面相互作用、例えば静電相互作用を呈するものとすることができる。
1つの実施形態によれば、音場は、ステップc)において停止され、物体の凝集体が重力によって接触し、それにより凝集体同士を互いに重なり合って配置させて、例えば組織化された層状組織模倣構築物がもたらされる。
このような実施形態は、有利には、細胞シートとして構成された細胞を懸濁液中で作製することを可能にし、それにより細胞シートの収縮を回避することができる。そのような実施形態はまた、低侵襲性でもあり、取り扱いを容易にすることができる。
いくつかの実施形態によれば、ステップc)は、凝集体に、
−ステップb)において印加される音波とは異なる数の、選択的にはそれより少ない、波節、及び/又は、
−ステップb)において印加される音波の波節(それぞれ波腹)の横断方向位置とは異なる横断方向位置を有する、少なくとも1つの波節(それぞれ波腹)、及び/又は
−ステップb)において印加される音波の振幅より小さい振幅
を有する音波を受けさせることを含む。
1つの特定の実施形態によれば、少なくとも第1及び第2の音場発生器がチャネルの長さに沿って存在し、
−第1及び第2の音場発生器は、ステップb)及びc)において音波を放射し、
−チャネルは、第1及び第2の音場発生器に対向してそれぞれ位置する第1及び第2の壁を有し、これらの壁は、ステップc)において印加される音波が第2の壁上に位置する節及び/又は腹を有するように、異なる厚さを有する。
この実施形態は、有利には、形成された物体の多層凝集体がチャネルの壁の一方の上に位置することを可能にし、従って容易に分離されるようにする。
1つの特定の実施形態によれば、それぞれステップb)及びc)において音波を発生させるための少なくとも第1及び第2の音場発生器がチャネルの長さに沿って存在し、
−第1及び第2の音場発生器は、ステップb)及びc)において実質的に同じ主振動数を有する音波を放射し、
−チャネルの幅及び/又は厚さは、ステップc)において印加される音波がステップb)において印加される音波とは異なる数の、選択的にはそれより少ない、波節を有するように、その長さの少なくとも一部にわたって変化し、選択的には減少する。
1つの特定の実施形態によれば、ステップc)において印加される音波の主振動数は、ステップc)において印加される音波がステップb)において印加される音波とは異なる数の、選択的にはそれより少ない、波節を有するように、ステップb)において印加される音波の主振動数と異なるものとすることができる。
1つの特定の実施形態によれば、本発明は、
a)チャネルの第1、第2及び第3の重ね合わせ領域に物体を準備することと、
b)各領域内で、選択的には横断方向音波、特に定在波を物体に印加することによって、第1、第2及び第3の物体の凝集体を得ることと、
c)物体の多層凝集体を形成するために、第1、第2及び第3の凝集体に
・音波が存在しない状態で重力を受けさせること、又は
・第1、第2及び第3の凝集体を互いの方へ向かって移動させる力を誘起する音波を受けさせること
によって、第1、第2及び第3の凝集体を接触させることと
を含む方法に関する。
本発明の特定の実施形態において、第1及び第2並びに選択的に第3の凝集体のうちの少なくとも1つは、少なくとも100、具体的には少なくとも250、具体的には少なくとも500、具体的には少なくとも750、具体的には少なくとも1000、具体的には少なくとも1500の物体を含む。
本発明の好ましい実施形態において、第1及び第2並びに選択的に第3の凝集体のうちの少なくとも1つは、少なくとも100、具体的には少なくとも250、具体的には少なくとも500、具体的には少なくとも750、具体的には少なくとも1000、具体的には少なくとも1500の細胞を含む。
本発明の好ましい実施形態において、第1及び第2並びに選択的に第3の凝集体の各々が、少なくとも100、具体的には少なくとも250、具体的には少なくとも500、具体的には少なくとも750、具体的には少なくとも1000、具体的には少なくとも1500の物体を含む。
本発明の好ましい実施形態において、第1及び第2並びに選択的に第3の凝集体の各々が、少なくとも100、具体的には少なくとも250、具体的には少なくとも500、具体的には少なくとも750、具体的には少なくとも1000、具体的には少なくとも1500の細胞を含む。
上述のように、本発明は、細胞凝集体の迅速かつ簡単な取得を可能にすることが有利であり、数百の細胞の3D構築物が数秒で形成されることが好ましい。
1つの特定の実施形態によると、方法の全部又は一部は、10m/s2以下、具体的には9.5m/s2、具体的には9m/s2、具体的には8.5m/s2、具体的には8m/s2、具体的には7.5m/s2、具体的には7m/s2、具体的には6.5m/s2、具体的には6m/s2、具体的には5.5m/s2、具体的には5m/s2、具体的には4.5m/s2、具体的には4m/s2、具体的には3.5m/s2、具体的には3m/s2、具体的には2.5m/s2、具体的には2m/s2、具体的には1.5m/s2、具体的には1m/s2、具体的には0.5m/s2の強さの重力場において実行される。
特定の実施形態においては、本発明による方法の全部又は一部は、9.81m/s2に等しい地表における重力場の強さとは実質的に異なる強さの重力場において実行される。
「地表における重力場の強さとは実質的に異なる強さの重力場」とは、9.81m/s2とは少なくとも5%異なる強さの重力場を意味する。
ステップb)において音波を用いることが特に有利であり、なぜならこの場合、本方法は、重力条件によって、例えば該方法が無重力又は地球の重力条件下で実行されるという事実によって、顕著な影響を受け得ないからである。実際、音響放射力は、音場と物質との間の相互作用により生成されるものであり、これは重力場とは無関係である。従って、種(species)を平衡位置に向けること、例えば定在波の場の中の例えば節へと向かわせることは、人工重力を有することに類似である。
ステップb)において音波が用いられる場合、唯一の違いは、1gにおける凝集体の平衡位置が0gにおける平衡位置のわずかに下方に位置するということである。
例えば、0gにおいて細胞凝集体の平衡位置は波節に置くことができ、1gにおいてはこれを波節のわずかに下方の、チャネルの壁からは遙かに離れたところに置くことができる。
本発明による方法は、地表における重力場の強さ(g=9.81m/s2)より弱い重力場で用いられる場合に特に有利である。実際、例えば超音波定在波のような音波が用いられると、生成される音響力は、他のいかなる外力も必要とすることなく物体、例えば遊走細胞を集めることができる。
従って、本発明による方法は、弱い重力場において、例えば無重力において実行される場合であっても、物体、例えば細胞の、密集した3D構築物を得ることを可能にすることが有利である。
特定の実施形態において、本発明は、上記で定義された方法であって、
−液体(L)が細胞培養培地であり、
−第1及び第2の凝集体(110)、(111)、並びに選択的に第3の凝集体のうちの少なくとも1つが細胞を含み、
−該細胞が、第1及び第2の凝集体(110)、(111)、並びに選択的に第3の凝集体のうちの少なくとも1つの中に存在している間に培養される、
方法に関する。
従って、本発明による方法を実行すると、第1及び第2、並びに選択的に第3の凝集体のうちの少なくとも1つの中に存在する細胞を増殖させることができ、該細胞の数は、細胞培養中に少なくとも2倍になり、さらには5倍にもなる。
好ましい実施形態において、細胞培養によって少なくとも1つの組織が形成され、具体的には細胞培養によって骨組織が形成される。形成される組織は、3D組織であることが好ましい。
細胞培養は、地表における重力場の強さとは実質的に異なる強さの重力場、特にそれより弱い重力場において実行されることが好ましい。
微小重力における細胞培養は、二重の意味で興味深い。
第一に、微少重力下においては、正常な生理的条件における場合と同様に、適切に発育する組織にとって理想的な環境を提供する浮力の中で3D組織を発育させることができる。
第二に、上述のように、宇宙飛行士の要求に合わせた組織工学の技術、すなわち、骨の再建及び組織損傷の置換のための技術を開発することは有利である。
本発明は、例えば密集した3D構築物を作製するために、微小重力下で他のいかなる外力も必要とすることなく遊走細胞を集めることを可能にすることが有利である。
好ましい実施形態において、第1及び第2並びに選択的に第3の凝集体は、少なくとも一時間、具体的には少なくとも一日間、具体的には少なくとも一週間、保持される。
これらの第1及び第2並びに選択的に第3の凝集体に音波を印加して、安定した凝集体をその中で数時間、数日間又は数週間の間、固まった状態で保持することができる音響トラップを作り出すことが特に好ましい。
特定の実施形態において、幾らかの細胞培養培地が、細胞培養中に少なくとも一回、チャネル内に導入される。
特定の実施形態において、細胞培養培地は、細胞培養中に少なくとも一回、新しくされる。「細胞培養培地が新しくされる」という表現は、初期に凝集体と接触していた細胞培養培地が、新たにチャネル内に導入される、化学的性質が同じものでも異なるものでもよい別の細胞培養培地によって完全に置き換えられることを意味する。
本発明では、これらの凝集体は特に安定であるので、凝集体を乱すことなく細胞培養培地を新しくすることが可能になることが有利である。本発明を用いない場合には培地を容易に交換することができないので、こうした利点は興味深いことであり、実際、微小重力条件下では、流れが、凝集体を引きずり出す摂動を生じさせることがある。
微少重力下ではどんな摂動でも構築物の無制御の移動を生じさせるので、組織増殖を向上させるために凝集体にせん断刺激を与えることは困難であり得る。一方、本発明では、構築物を3D平衡位置の周りに保持しながら、せん断応力を発生させる振動又は周期的変動を与えることが可能である。
特定の実施形態において、第1及び第2並びに選択的に第3の凝集体は、3D凝集体である。
特定の実施形態において、第1及び第2並びに選択的に第3の凝集体の複数の組が、チャネルの長手方向軸線に沿って存在する。
好ましい実施形態において、第1及び第2の3D凝集体の複数の組が、チャネルの長手方向軸線に沿って存在し、これら凝集体の組は、地表における重力場の強さよりも弱い重力場においてステップb)を実行することによって得られたものである。
音場発生器、音波、及び物体の浮揚
ステップb)及び/又はc)において用いられる音波は、10MHz以下、好ましくは0.5MHzと10MHzとの間に含まれる、主振動数fmaxを有するものとすることができる。
このような振動数範囲内で音場発生器を使用することにより、有利には、小胞、リポソーム、細菌又はウイルスといった生細胞又は物体の、完全性の維持を容易にすることができる。
ステップb)及び/又はc)において用いられる音波は、有利には、チャネルの厚さに沿って発生させることができる。
音場発生器は、圧電性のもの、例えばセラミックとすることができる。
例えば、デンマーク、KvistgardのFerroperm Piezoceramics社によって製品番号PZ26として販売されている音場発生器を用いることが可能である。
チャネルの壁と接触する音場発生器の部分は、円形又は矩形とすることができる。
この部分の面積は、チャネルの面積、すなわち長さ掛ける幅、より大きくても、小さくてもよい。この面積は、凝集体を生成するために必要とされる構造に応じて、チャネルの面積と等しくすることもできる。
音場発生器は、正弦波張力で駆動するものとすることができる。変形例において、音場発生器は、三角波又は矩形波張力で駆動するものとすることができる。
音場発生器は、デジタル制御又はアナログ制御することができる。
音場発生器は、例えば、イスラエルのTabor electronicsによって販売されている5062型の波発生器で駆動することができる。
波発生器によって放射された波は、増幅器によって増幅することができ、かかる増幅器は、例えば、イスラエルのTabor electronicsによって販売されている9250型である。
波発生器は、ステップb)及び/又はc)の間に、0Vp−p(ピーク間ボルト)と40Vp−pとの間に含まれる振幅を有する波を発生させることができる。
ステップb)及び/又はc)の間に生成される音響エネルギー密度は、1J/m3(ジュール/m3)と1000J/m3との間、例えば1J/m3と300J/m3との間、例えば5J/m3と50J/m3との間に含まれるものとすることができ、例えば10J/m3とすることができる。
ステップb)及び/又はc)において用いられる音波は、チャネルの横断方向寸法の1つに沿ったチャネルの共鳴振動数である主振動数を有するものとすることができる。
チャネルの横断方向寸法は、チャネルの厚さ及び幅である。
「チャネルの横断方向寸法の1つに沿ったチャネルの共鳴振動数である主振動数」とは、チャネルの長手方向軸線に沿った所与の位置において測定されるチャネルの横断方向寸法
Figure 0006173351
であり、式中nが整数であり、
Figure 0006173351
であり、式中cfが、チャネル内に存在する液体内での該液体の温度(例えば20℃)における音速である場合の、振動数f0を意味する。
換言すれば、振動数f0は、チャネルの長手方向軸線に沿った所与の位置において、チャネル内の音波の共鳴条件と、考慮した横断方向寸法に沿った定在波の形成とをかなえる、理論的振動数に対応する。
ステップb)及び/又はc)において用いられる音波は、0.5f0と1.5f0との間、具体的には0.75f0と0.95f0との間、又は1.05f0と1.25f0との間に含まれる主振動数を有するものとすることができる。
このような振動数の使用により、有利には、所望の物体集束を得るのに十分な強さの音響力の生成を可能にすることができる。
音場発生器は、チャネルの壁の1つに固定することができる。この固定は、必要に応じて当業者に知られた任意の手段を用いて、具体的には接着によって、行うことができる。
音響調節材料の層が、音場発生器とチャネルの壁の少なくとも1つとの間に存在してもよい。
音響調節は、当業者に知られた任意の適切な材料の使用によって行うことができる。
ステップb)及び/又はc)において音波を発生させるための複数の音場発生器がチャネルの長さに沿って存在してもよく、これら音場発生器はチャネルの同じ側に存在することが好ましい。
チャネル
本発明によれば、その内容が引用によりここに組み込まれるHoyos他の特許文献1(「Fluidic separation device」)に記載のチャネルを用いることが可能である。
幾何学的特徴
チャネルの幅及び/又は厚さを、その長さの少なくとも一部において変化させること、選択的には減少させることができる。
従って、チャネルの長手方向軸線に沿って移動したときのチャネルの厚さは、一定であっても、変化してもよい。チャネルは、具体的には、互いに軸方向に続いた、厚さが異なる少なくとも2つの区間を含むことができる。
チャネルは、その長さの少なくとも一部において、具体的にはその長さ全体において、3cm以下、より良好には1cm以下の厚さを有するものとすることができる。チャネルは、例えばマイクロチャネルである。
「マイクロチャネル」とは、その長さ全体にわたって1mm以下の厚さを有するチャネルを意味する。
チャネルは、その長さの少なくとも一部において、具体的にはその長さ全体にわたって、50μmと3mmとの間、好ましくは100μmと500μmとの間に含まれる厚さを呈するものとすることができる。
チャネルの幅は、該チャネルの長手方向軸線に沿って移動したとき、一定であっても、変化してもよい。チャネルは、例えば、互いに軸方向に続いた、幅が異なる2つの区画を呈するものとすることができる。
「チャネルの長手方向軸線」とは、チャネルの断面の重心を相互に結ぶ線を意味する。チャネルの長手方向軸線は、直線であっても曲線であってもよく、平面内に含まれるものとすることができ、該平面は、幾つかのチャネル断面についての対称面、さらには全てのチャネル断面についての対称面とすることができる。
実施形態において、チャネル幅は変化するものとすることができ、チャネルは、上方から見たときにピラミッド形のものとすることができる。この特定の事例において、音場発生器は、矩形であってもよく矩形でなくてもよい。
変形例において、チャネルは、上方から見て、サブチャネル、特に直線状サブチャネルによって接続された円の形を有するものとすることができる。
後者の構造においては、音場発生器は円筒形にすることができ、該構造は、特に凝集体のモザイクの生成を可能にする。
チャネルは、その長さの少なくとも一部わたって、具体的にはその長さの全体にわたって、1mmと40mmとの間、好ましくは5mmと20mmとの間に含まれる幅を有するものとすることができる。
チャネルの長手方向軸線に沿って測定されたチャネルの長さは、例えば、3mmと1000mmとの間、好ましくは10mmと500mmとの間に含まれる。
チャネルは、例えば、長さ100mm、幅10mm及び厚さ0.4mmである。
別の例示的な実施形態によると、チャネルの長さは、10mmと1000mmとの間に含まれるものとすることができ、チャネルの幅は、1mmと40mmとの間に含まれるものとすることができ、チャネルの厚さは、0.5mmと3mmとの間に含まれるものとすることができる。
チャネルは、その長手方向軸線に沿って移動させたときに実質的に一定の横断面を含むものとすることができる。
チャネルは、その長さの少なくとも一部にわたって、具体的にはその長さ全体にわたって、矩形の横断面を有するものとすることができる。
変形例において、チャネルは、その長さの少なくとも一部にわたって、具体的にはその長さ全体にわたって、正方形又は円形の横断面を有するものとすることができる。
チャネルは、有利には、幅/厚さ、及び/又は、長さ/厚さの比が10以上であるものとすることができる。
このような比は、有利には、流れプロファイルにおける3次元効果を防ぐことができる。
好ましい実施形態において、チャネルは、その長さの少なくとも一部にわたって、具体的にはその長さの全体にわたって、矩形横断面を有し、幅/厚さの比≧10である。
チャネルの壁は、小板(platelet)形状とすることができる。
チャネルの壁は、その長さの少なくとも一部にわたって、具体的には全体にわたって、0.5mmと5mmとの間に含まれる厚さを有するものとすることができる。
チャネルは、その長さの少なくとも一部にわたって、その厚さが変化する壁を含むことができる。
このような構造により、異なる厚さの壁部分の近傍に音の波節又は波腹を作り出すことが可能になり、それにより凝集体をこの領域の近傍で互いに接触させることができる。
音波を発生させる壁に対向する壁は、本発明による方法が実行されているときに自由振動することができる。
入口及び出口
チャネルは、少なくとも1つ、具体的には少なくとも2つの入口と流体連通することができる。
チャネルは、少なくとも1つ、具体的には少なくとも2つの出口と流体連通することができる。
複数の入口及び/又は出口、例えば2つの入口及び2つの出口を含むチャネルを、安定なフレーム内、又は、重力加速度を変更するために傾けることができるフレーム内に配置することができる。
チャネル入口及び/又は出口は、シリンジ・ポンプ及び/又は蠕動ポンプに接続することができる。蠕動ポンプに接続される場合には、蠕動ポンプとチャネル入口及び/又は出口との間に流体力学的緩衝装置を付加することができる。
チャネルは、本発明による方法によって形成される多層凝集体を排出することができる1つ又はそれ以上の出口と流体連通することができる。
それゆえ、形成された多層凝集体を収集するために必ずしもチャネルを開放する必要がない場合がある。
好ましくは、入口のうちの少なくとも1つは、チャネルの幅を下回らない幅を有し、及び/又は、実質的に矩形の断面を有する。
本発明の実施形態において、少なくとも1つの入口は、チャネルの底壁及び上壁の一方に開口し、別の入口は、チャネルの底壁及び上壁のもう一方に開口する。
一例として、2つの入口は、互いに面して配置される。
変形例において、全ての入口がチャネルの底壁又は上壁のどちらかに開口する。
本発明の実施形態において、少なくとも2つの入口がチャネルの長手方向軸線に沿って互いに片寄らせて配置される。
少なくとも1つの入口が、チャネルの長手方向軸線に対して実質的に平行に、又は垂直に、チャネル内に開口する。
本発明の実施形態において、少なくとも1つの供給孔がダクトを介して少なくとも1つの入口と流体連通しており、該ダクトは、具体的にはダクトの先端部から分岐する分岐部を含み、供給孔は、該先端部に隣接して、具体的にはダクトに対して垂直に、ダクト内に開口する。
ダクトのこの分岐部は、物質のシートを供給点から開始して形成することを可能にする。
本発明の実施形態において、少なくとも第1及び第2の出口は、チャネルと流体連通しており、チャネルの厚さに沿って測定された高さが非ゼロの横断方向分離壁によって互いに分離される。
出口は、本発明による方法によって形成される多層凝集体の回収を可能にすることができる。
少なくとも2つの出口をチャネルの長手方向軸線に沿って互いに片寄らせて配置することができる。変形例において、少なくとも2つの出口は、互いに面するものとすることができる。
本発明の実施形態において、チャネルは、少なくとも第1、第2及び第3の出口と流体連通しており、第2の出口は、チャネルの厚さに沿って第1の出口と第3の出口との間に配置される。
本発明の実施形態において、少なくとも1つの出口孔がダクトを介してチャネルの出口と流体連通しており、該ダクトは、側方に狭まる断面の部分、具体的には先端に向かって収束する部分を含み、該部分は上方から観察したときに三角形の形状であり、例えば、出口孔は、例えば先端に隣接して、具体的にはダクトに対して垂直に、ダクト内に開口する。
ダクトのこの収束部は、出口孔におけるよどみ点の形成を回避する役割を果たすことができる。
チャネルを構成する材料
チャネルの壁は、有機又は無機ガラス、石英、熱可塑性材料、特にPMMA又はポリカーボネート、及び金属の中から選択される材料を含むことができ、特にこれら材料から成るものとすることができる。より一般的には、高い音響インピーダンス、すなわち流体の音響インピーダンスより少なくとも10倍大きい音響インピーダンスを有する任意の材料を用いることが可能である。
チャネルは、マイクロ流体工学の分野において用いられている種類の従来の製作方法を用いて製作することができる。
適切な場合には、マイクロチャネルに少なくとも1つの弁、例えば電磁弁を設けることができる。
液体及び物体
液体は、血液のような、生物学的液体とすることができる。
変形例において、液体は水とすることができる。
液体は、可視光線に対して透明なものとすることができる。
液体は、ステップb)の間は流れていなくてもよい。
実施形態によれば、液体は、少なくともステップb)及び/又はc)の間は流れており、液体の流れのレイノルズ数は、選択的には10未満である。
物体は、単分散又は多分散の生物学的細胞、具体的には血液細胞、例えば血球とすることができる。
特定の実施形態において、物体は、正の音響コントラスト因子を有する。
「音響コントラスト因子」は、下記に詳述されるように定義される。
音響放射力は、次式を有する。
ac=〈Eac〉VpkA(ρ,β)Sin(2ky)
式中、〈Eac〉は平均音響エネルギー密度であり、Vpは粒子種の体積であり、k=2π/λであり、λは超音波の波長であり、
音響コントラスト因子は、次式を有し、
A(ρ,β)=[(5ρp−2ρf)/(2ρp+ρf)]−βp/βf
式中、
−ρp及びρfは、それぞれ、粒子p及び懸濁流体fの密度であり、
−βp及びβfは、それぞれ、粒子p及び懸濁流体fの圧縮率であり、
−yは、定在波の節平面からの距離である。
特定の実施形態において、物体は、負の音響コントラスト因子を有する。
特定の実施形態において、物体は、気泡、微小気泡、ナノ気泡、液滴、脂肪細胞、血中脂質、リン脂質小胞、又はそれらの混合物の中から選択される。
負の音響コントラスト因子を有する物体は、ステップb)の後、異なる波腹に配置され得る。変形例において、負の音響コントラスト因子を有する物体は、波節と波腹との間に配置され得る。
例えば、第1の物体は、ステップb)の後で第1の波腹に配置され、第2の物体は、ステップb)の後で第2の波腹に配置され、第2の波腹は、第1の波腹とは異なるとともにこれと重ね合わされ、第2の物体は、第1の物体とは異なり、例えば、異なる密度又は異なる弾性定数を有する。第1及び第2の物体は、同じサイズを有していてもよい。
特定の実施形態において、方法は、ステップb)の後で、物体の少なくとも1つの特徴の判定、例えば少なくとも1つの音響学的特徴、例えば物体の音響インピーダンス、の判定を含む。
特定の実施形態において、方法は、ステップb)の後で、物体の合体ステップを含み、合体は、具体的には、物体がチャネル内に存在するときに全部又は一部が実行される。
特定の実施形態において、物体は、ステップc)の後で、チャネルの外側に、例えば容器内に排出される。
物体は、剛性又は変形可能な粒子、例えばポリスチレン粒子とすることができる。
より一般的には、物体は、剛性又は変形可能な粒子、多分散粒子、生物学的細胞、具体的には血液細胞、例えば血液又は血球試料内のがん細胞、細菌、コロイド状又は非コロイド状エマルション、タンパク質又はリポソームとすることができる。
チャネル内に存在する物体の平均サイズは、100μm以下とすることができる。
「平均サイズ」とは、D50として知られる、母集団の半分における統計的粒度分析寸法を意味する。
用いられる流速は、処理する試料、チャネルの容積及び印加される音響力に応じたものとすることができる。
例えば、液体は、本発明による方法の全部又は一部の間、0.1ml/分から100ml/分の間に含まれる流速で流れるものとすることができる。
特定の実施形態において、液体は、最大音響一次力(maximum acoustic primary force)が重力と同じオーダーであるとき、すなわち直径10μmのラテックス粒子又は細胞に対して1pN(ピコ・ニュートン=10-9)であるとき、容積1mlのチャネルに対して流速0.1ml/分で流れるものとすることができる。
物体の体積分率は、該物体がチャネル内に注入されるときに測定して0.1%(v/v)以上とすることができる。物体の体積分率は、[(物体の体積)/(物体を含んだ液体の体積)]×100%に対応する。
本発明は、非限定的な例の、その実施に関する下記の詳細な説明を読むことにより、及び、添付の図面を吟味することにより、より良く理解されるであろう。
本発明による方法を実行するための装置を示す。 本発明の方法によって得られる凝集体を示す。 図1で用いられるチャネルをIII−IIIで見た図である。 図1に示される方法によって形成される多層凝集体の排出の例である。 本発明による方法を実行するための装置の変形例である。 本発明による方法を実行するための装置の変形例である。 本発明による方法を実行するための装置の変形例である。 本発明による方法を実行するための装置の変形例である。 本発明による方法において用いることができるチャネルの実施形態である。 本発明による方法によって得られた実験結果を示す。 本発明による方法によって得られた実験結果を示す。 本発明による方法によって得られた実験結果を示す。 本発明による方法によって得られた実験結果を示す。 本発明による方法によって得られた実験結果を示す。
図1は、本発明による方法において用いることができる装置1を示す。装置1は、長手方向軸線Xに沿って延びるチャネル2を含む。
チャネル2は、上述のように、マイクロチャネルとすることができる。
チャネル2は、例えば矩形の断面を呈する。記載例では、チャネル2の長さ/厚さ比は10より大きい。
チャネル2は、底壁3及び上壁4を有する。チャネル2は、図示されるように、入口7、例えば5つの入口7と流体連通している。
図示されるように、入口7は、チャネル2の上壁4及び底壁3内に開口し、4つの入口7がX軸に対して垂直に開口している。さらに、チャネル2の上壁4内に開口する入口7は、X軸に対して平行にチャネル2内に開口している。
図示されていない変形例において、入口は全てチャネルの底壁内に開口する。
入口7は、実質的に矩形断面であり、チャネル2の幅と等しい幅である。
入口7は、長手方向軸線Xに対して垂直な横断方向分離壁10によって分離される。
入口7は、図示されるように、チャネル2の厚さより小さい、例えばその厚さの半分より小さい、厚さを呈する。
図1に示された実施形態において、入口7のうち幾つかは、分離壁10のようにX軸に沿って片寄らせることができる。
少なくとも1つの入口7が、図示されるように、第1の区間45内に開口し、該第1の区間45は、別の入口7がその中に開口した、チャネル2の厚さに沿って測定された厚さがより大きい第2の区間46に接続されている。
第2の区間46は、チャネル2の中央区間47に接続している。
区間45と区間46との間、及び、区間46と区間47との間の厚さの差は、分離壁10間の高さの差に対応する。
装置1は、以下のように本発明による方法において用いることができる。
例えば図1に示されるように、キャリア液体L及び複数の物体Oを、入口7を介して流す。
物体Oは、単分散でも多分散でもよく、物体Oは、生物学的細胞とすることができ、液体Lは、例えば血液などの生物学的液体とすることができる。
適切な場合には、装置1は、入口7を介した物体Oの注入を制御するための1つ又はそれ以上の弁を有していてもよく、この場合、かかる弁は、例えば単一の流路又は複数の流路を呈する電磁弁とすることができる。
入口7を介した物体Oの注入を、頻度及び流速に関して制御して、装置1が大量の物体を処理するために連続的に動作することを可能にさせることができる。
かかる装置1は、流体力学的集束技術によって、チャネル2の第1の重ね合わせ領域50及び第2の重ね合わせ領域60に物体Oを準備する(ステップa)。
物体Oの第1の層51及び第2の層61が、それぞれ第1の重ね合わせ領域50及び第2の重ね合わせ領域60に存在し、第1の層51及び第2の層61の厚さは、流体力学的集束によって制御される。
物体Oの第1の層51及び第2の層61は、図1に示されるように、純液体Lの層によって分離される。第1の層51内に存在する物体Oは、第2の層61内に存在する物体Oと同一であってもよい。変形例において、第1の層51内に存在する物体O及び第2の層61内に存在する物体Oは、異なる種に属する。変形例において、第1の層51内に存在する物体Oは、第2の層61内に存在する物体Oとは異なるサイズを有する。
このような物体の層は、流れの下での多重浮揚にとって有害であり得る流体力学的せん断によって誘起される拡散[非特許文献2]を受けることがある。
従って、装置1には、音場発生器100a及び100bが設けられ、これらは図示されるようにチャネル2の上壁4に固定される。図1において、音場発生器100a及び100bはチャネル2に沿って配置され、チャネル2の同じ側に存在する。図示されていない変形例において、音場発生器をチャネルに沿って配置してチャネル2の両側に存在させることができる。
音場発生器100aは、ステップb)において、物体Oの第1の凝集体110及び第2の凝集体111の形成を可能にする。図1に示されるように、物体Oは、音場発生器100aによって発生した波の波節の周りの多重浮揚の中に配置される。換言すれば、第1の凝集体110及び第2の凝集体111の各々が、ステップb)の最後には、異なる波節に位置することになる。音場発生器100aは、チャネル2の厚さに沿って2つの節を含む定在波の形成を可能にする振動数で動作することができる。変形例において、音場発生器100aは、チャネル2の厚さに沿った定在波を生成しないが、凝集体の形成を可能にする音響力場を作り出すことができる。
「音響浮揚」という表現は、音響操作が、重力に抗して平衡位置に物体を配置しようとする場合に用いられる。平衡位置は、物体及び懸濁液の音響学的性質、音響出力、並びに音波の節の位置及び数に依存する。同じ又は異なる種の粒子又は凝集体がチャネル内の異なる平衡位置にある(浮揚している)とき、「音響多重浮揚」という表現が用いられる。
液体Lは、本発明による方法の間、流しておくことができ、ステップb)における第1及び第2の凝集体110、111の形成は、ストップ・フロー期間無しで行うことができる。
音響集束は、上述の流体力学的せん断により誘起される拡散に対抗する。
ステップb)は、0.1秒と5分との間に含まれる所要時間を有するものとすることができる。
図示されていない他の変形例において、本発明による方法は、3層又はそれより多くの層を含む多層凝集体の形成を可能にする。
上で説明したように、物体の凝集体は、物体の層より密集した(コンパクトな)ものであり得る。図2は、本発明によるステップb)の最後に得られた第1の凝集体110の上面図を示す。第1の凝集体110は、互いに接触した物体Oの組を含み、例えば凝集体110を構成する物体Oの少なくとも50%が互いに接触しているものとすることができる。
本発明は、例えば、用いられる音場の強さ及び流体力学的パラメータに依存して、2D及び/又は3D凝集体の形成を可能にすることができる。そうした2D及び3D凝集体の定義を下記に示す。
さらに、第1の凝集体110は、チャネル2の幅に沿った移動に対応するY軸に沿って移動したときに物体Oの連続物1101を含む。第1の凝集体110は、チャネル2の厚さに沿って移動したときにも物体Oの連続物を含む。それゆえ第1の凝集体110は3D凝集体である。
実施形態において、凝集体は、チャネルの幅に沿って移動したときには物体の連続物を含むが、少なくとも1つの物体で形成された厚さを有する。この場合、凝集体は2D凝集体である。
図1に戻って、本発明によるステップc)の例をここで詳述する。図1において、第1及び第2の凝集体110、111が接触して物体Oの多層凝集体120が形成される。多層凝集体120は、第1及び第2の凝集体110、111に、第1の凝集体110と第2の凝集体111とが互いの方に向かうような移動を誘起する音波を受けさせることによって形成される。
これらの音波は、チャネル2の厚さに沿って1つの節を含む定在波の形成を可能にする振動数で動作することができる音場発生器100bによって発生される。変形例において、音場発生器100bは、チャネル2の厚さに沿った定在波を生成しないが、多層凝集体の形成を可能にする音響力場を作り出すことができる。
図1に示された例において、ステップc)は、凝集体110及び111に、ステップb)において印加される音波より少ない波節を有する音波を受けさせることを含む。さらに、図示された例において、ステップc)で形成される波節は、ステップb)において印加される音波の波節の横断方向位置とは異なる横断方向位置を有する。
従って、凝集体110及び111は、節の数が減少する区域を通過することができ、そこで、形成された凝集体の再集束が導かれることにより多層凝集体120が生成される。
ステップc)は、10秒と60分との間に含まれる所要時間を有するものとすることができる。
図3に示されるように、音響インピーダンス調節装置として機能するゲル層101が音場発生器100aとチャネル2の上壁4との間に存在してもよい。
図4は、図1に示された方法で形成される多層凝集体120の排出を示す。
図4に示される実施形態において、チャネル2は、複数の出口8と流体連通している。チャネル2は、図示されるように3つの出口8と接続することができ、図4に示されるように、これらの出口8のうち2つは互いに面するものとすることができ、1つは外に向かって、1つはチャネル2の底壁3内に、もう1つは上壁4内に開口することができる。
形成された多層凝集体120は、中央出口を通して放出することができ、これを3層又はそれより多層の多層凝集体にまで拡張することができる。
本発明による方法の別の実施形態が図5に示される。この図において、第1及び第2の凝集体110、111は、ステップb)の最後に例えば図1と同じ方式で形成される。
しかしながら、この場合、音波が存在しない状態で第1及び第2の凝集体110、111に重力を受けさせることによって、第1及び第2の凝集体110、111を接触させて多層凝集体120が形成される。
この例において、第1及び第2の凝集体110、111は、音場の強度が低減された、具体的には音場が存在しない、区間48に入ることができる。従って、凝集体110及び111が沈降して多層凝集体120を形成することが可能になる。
変形例において、ステップb)における第1及び第2の凝集体110、111は、ストップ・フロー期間後に形成することができ、次いで、厚さ及び組成が制御された多層凝集体120が生成するように凝集体110及び111が沈降することを可能にするために、音波の振動数及び/又は振幅を調整することができる。
図6に示された例において、第1及び第2の凝集体110、111は、図1に示される実施形態において詳述されたように形成される。しかしながら、チャネル2の底壁3は、変化する厚さを有する。この例においては、底壁3の厚さの変化によって、音場発生器100bによって発生した音波が底壁3に位置する節又は腹を有することを可能にすることができる。この場合、第1及び第2の凝集体110、111は、ステップc)の間にチャネル2の底壁3に向かって移動することができ、図示されるように、第2の凝集体111を底壁3と接触させることができる。
形成される多層凝集体120は、チャネル2の底壁3上に配置されることになる。
図7は、チャネル2の厚さがその長さの少なくとも一部にわたって減少しており、ステップc)において印加される音波がステップb)において印加される音波より少ない波節を有するようになっている、別の実施形態を示す。図示された例において、第1及び第2の音場発生器100a、100bは、ステップb)及びc)において実質的に同じ主振動数を有する音波を放射する。
図示されていない変形例において、第1及び第2の音場発生器は、ステップb)及びc)において異なる主振動数を有する音波を放射する。主振動数間の差は、ステップc)において、ステップb)において印加される音波とは異なる数の、選択的にはそれより少ない、波節を有する音波の生成を可能にすることができる。
図示されていない変形例において、チャネルの厚さは、ステップc)において印加される音波がステップb)において印加される音波とは異なる数の波節を有するように、その長さの少なくとも一部にわたって増大する。
図示されていない変形例において、節/腹の数を増加させることによって、凝集体を接触させて、物体の多層凝集体を形成することができる。
図8は、チャネル2に沿って形成された多層凝集体120を除去するための、可能な構造を示す。
一連の多層凝集体120をチャネル2に沿って形成することができ、次いで、流れを止めることができる。第1及び第2の音場発生器100a、100bに対向する壁3に配置された一連のウェル200を、多層凝集体120を受けるために用いることができる。
形成された多層凝集体120は、次いで、遅い流れを用いてウェル200まで運ばれる。この多層凝集体120の廃棄システムは、直列で生成することができる。
図9は、上方から見たチャネル2の実施形態を示し、これは図9に示されるようにチャネル220によって接続された円210の形状を有する。後者の構造において、音場発生器は円筒形とすることができ、凝集体のモザイクを生成することができる。
本発明による方法によって得られた実験結果を、以下に詳述する。
図10は、厚さ250μmのチャネル内で得られた浮揚中のがん細胞の2D凝集体を示す。
図11A及び図11Bは、粒子の多重浮揚を示す。2種の粒子、すなわち直径10μmのラテックス及びシリカの粒子の両方が、チャネルの厚さ(250μm)内の2つの異なる位置において平衡状態にある。図11Aは、本発明によるステップb)の最後におけるこれらの粒子を示し、図11Bは、本発明によるステップc)の最後におけるこれらの粒子を示す。
図12Aは、浮揚した2層を形成している10μmのラテックス(暗色)及びシリカ(明色)粒子の2つの2D層を示す。
図12Bは、3Dラテックス粒子凝集体及びシリカ粒子凝集体から成る2層を示す。
「1つ(a)/1つ(one)を含む」という表現は、「少なくとも1つを含む」と理解されたい。
「間の(of between)」という表現は、端点を含むと理解されたい。
1:装置
2:チャネル
3:底壁
4:上壁
7:入口
8:出口
10:横断方向分離壁
45:第1の区間
46:第2の区間
47:中央区間
48:音場の強度が低減された区間
50:第1の重ね合わせ領域
51:第1の層
60:第2の重ね合わせ領域
61:第2の層
100a:第1の音場発生器
100b:第2の音場発生器
101: ゲル層
110:第1の凝集体
1101:物体の連続物
111:第2の凝集体
120:多層凝集体
200:ウェル
L:液体
O:物体
t:厚さ
w:幅
X:長手方向軸線

Claims (32)

  1. 液体(L)を含むチャネル(2)内で物体(O)の多層凝集体(120)を形成する方法であって、
    a)前記チャネル(2)の第1の重ね合わせ領域(50)及び第2の重ね合わせ領域(60)に前記物体(O)を準備するステップと、
    b)前記各領域内で、前記物体(O)の第1の凝集体(110)及び第2の凝集体(111)を得るステップと、
    c)前記第1の凝集体(110)及び第2の凝集体(111)に、
    音波が存在しない状態で重力を受けさせること、又は
    前記第1の凝集体(110)及び第2の凝集体(111)の互いに向かう移動を誘起する音波を受けさせること、
    によって、前記第1の凝集体(110)及び第2の凝集体(111)を接触させて、前記物体(O)の多層凝集体(120)を形成するステップと、
    を含む方法。
  2. 前記ステップb)及び/又はc)において用いられる前記音波を、前記チャネル(2)の厚さ(t)に沿って発生させる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ステップc)は、前記凝集体(110、111)に、
    前記ステップb)において印加される前記音波とは異なる数の波節、及び/又は
    前記ステップb)において印加される前記音波の波節の横断方向位置とは異なる横断方向位置を有する少なくとも1つの波節、及び/又は
    前記ステップb)において印加される前記音波の波腹の横断方向位置とは異なる横断方向位置を有する少なくとも1つの波腹、及び/又は
    前記ステップb)において印加される前記音波の振幅より小さい振幅、
    を有する音波を受けさせることを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記チャネル(2)は、前記チャネルの長さの少なくとも一部にわたって、厚さが可変の壁を含む、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の方法。
  5. 少なくとも第1の音場発生器(100a)及び第2の音場発生器(100b)が前記チャネル(2)の長さに沿って存在し、
    前記第1の音場発生器(100a)及び第2の音場発生器(100b)は、前記ステップb)及びc)において音波を放射し、
    前記チャネル(2)は、前記第1の音場発生器(100a)及び第2の音場発生器(100b)に対向してそれぞれ位置する第1の壁及び第2の壁を有し、前記第1の壁及び第2の壁は、前記ステップc)において印加される前記音波が前記第2の壁上に位置する波節及び/又は波腹を有するように、異なる厚さを有する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記チャネル(2)の幅(w)及び/又は厚さ(t)は、前記チャネルの長さの少なくとも一部にわたって変化する、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の方法。
  7. 少なくとも第1の音場発生器(100a)及び第2の音場発生器(100b)が、前記ステップb)及びc)において前記音波をそれぞれ発生させるために、前記チャネル(2)の長さに沿って存在し、
    前記第1の音場発生器(100a)及び第2の音場発生器(100b)は、前記ステップb)及びc)において、同じ主振動数を有する音波を放射し、
    前記ステップc)において印加される前記音波が前記ステップb)において印加される前記音波とは異なる数の波節を有するように、前記チャネル(2)の幅(w)及び/又は厚さ(t)は、前記チャネルの長さの少なくとも一部にわたって変化する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記ステップc)において印加される前記音波の主振動数は、前記ステップc)において印加される前記音波が前記ステップb)において印加される前記音波とは異なる数の波節を有するように、前記ステップb)において印加される前記音波の前記主振動数とは異なる、請求項1〜請求項4及び請求項6のいずれかに記載の方法。
  9. a)前記チャネル(2)の第1の重ね合わせ領域、第2の重ね合わせ領域及び第3の重ね合わせ領域に前記物体(O)を準備するステップと、
    b)前記各領域内で、前記物体(O)の第1の凝集体、第2の凝集体及び第3の凝集体を得るステップと、
    c)前記物体(O)の前記多層凝集体を形成するために、前記第1の凝集体、第2の凝集体及び第3の凝集体に、
    音波が存在しない状態で重力を受けさせること、又は
    前記第1の凝集体、第2の凝集体及び第3の凝集体を互いに向かって移動させる力を誘起する音波を受けさせること、
    によって、前記第1の凝集体、第2の凝集体及び第3の凝集体を接触させるステップと、
    を含む、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記ステップa)において、前記チャネル(2)の前記第1の重ね合わせ領域(50)及び第2の重ね合わせ領域(60)の重ね合わせ領域に物体(O)の層(51;61)が準備される、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記ステップa)において前記第1の領域内に存在する物体(O)は、前記ステップa)において前記第2の領域及び/又は前記第3の領域の少なくとも1つに存在する物体(O)とは異なるサイズ及び/又は性質を有する、請求項1〜請求項10に記載の方法。
  12. 前記物体(O)は、単分散又は多分散の生物学的細胞、幹細胞又は初代細胞株である、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記物体(O)は、正の音響コントラスト因子を有する、請求項1〜請求項12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記物体(O)は、負の音響コントラスト因子を有する、請求項1〜請求項13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記物体(O)は、気泡、微小気泡、ナノ気泡、液滴、脂肪細胞、血中脂質、リン脂質小胞、又はそれらの混合物の中から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ステップb)の後に、前記物体の少なくとも1つの特徴の決定を含む、請求項1〜請求項15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記ステップb)の後に、前記物体(O)の合体ステップを含む、請求項1〜請求項16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記物体(O)は、前記ステップc)の後で、前記チャネルの外側に排出される、請求項1〜請求項17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記第1の凝集体(110)及び第2の凝集体(111)のうちの少なくとも1つは、少なくとも100の物体(O)を含む、請求項1〜請求項18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記ステップb)及び/又はc)において前記音波を発生させるための複数の音場発生器(100a;100b)が前記チャネル(2)の長さに沿って存在する、請求項1〜請求項19のいずれかに記載の方法。
  21. 前記液体(L)は、少なくとも前記ステップb)及び/又はc)の間は流れており、前記液体(L)の前記流れのレイノルズ数は、選択的には10未満である、請求項1〜請求項20のいずれかに記載の方法。
  22. 前記液体(L)は、前記ステップb)の間は流れていない、請求項1〜請求項21のいずれかに記載の方法。
  23. 前記方法の全部又は一部が、10m/s2以下の強さの重力場において実行される、請求項1〜請求項22のいずれかに記載の方法。
  24. 前記方法の全部又は一部が、地表における重力場の強さとは異なる強さの重力場において実行される、請求項1〜請求項23のいずれかに記載の方法。
  25. 前記液体(L)が細胞培養培地であり、
    前記第1の凝集体(110)及び第2の凝集体(111)のうちの少なくとも1つが細胞を含み、
    前記細胞は、前記第1の凝集体(110)及び第2の凝集体(111)のうちの少なくとも1つの中に存在している間に培養される、
    請求項1〜請求項24のいずれかに記載の方法。
  26. 前記細胞培養によって少なくとも1つの組織が形成される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記細胞培養によって骨組織が形成される、請求項26に記載の方法。
  28. 幾らかの細胞培養培地が、前記細胞培養中に少なくとも一回、前記チャネル(2)内に導入される、請求項25〜請求項27のいずれかに記載の方法。
  29. 前記細胞培養培地は、前記細胞培養中に少なくとも一回、新しくされる、請求項28に記載の方法。
  30. 前記第1の凝集体及び第2の凝集体が、少なくとも一時間保持される、請求項1〜請求項29のいずれかに記載の方法。
  31. 前記第1の凝集体(110)及び第2の凝集体(111)は、3D凝集体である、請求項1〜請求項30のいずれかに記載の方法。
  32. 前記第1の凝集体(110)及び第2の凝集体(111)の複数の組が、前記チャネル(2)の長手方向軸線に沿って存在する、請求項1〜請求項31のいずれかに記載の方法。
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