JP6172470B2 - 象牙細管封鎖材及び象牙細管封鎖材キット - Google Patents

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Description

本発明は、象牙細管封鎖材、及び象牙細管封鎖材と水を主成分とする液剤とからなる象牙細管封鎖材キットに関する。
象牙質の露出に伴う疼痛の抑制は、臨床上の課題である。象牙質の露出理由としては、歯肉の退縮や楔状欠損、支台歯形成や窩洞形成が挙げられる。疼痛の発生機序は十分に解明されていないが、外部からの刺激が象牙細管内液の移動を引き起こして歯髄神経を刺激するという動水力学説が知られている。痛みを抑えるためには、象牙細管を封鎖して象牙細管内液の移動を抑制することが有効とされる。
象牙細管封鎖方法としては、リン酸四カルシウム粒子と酸性リン酸カルシウム粒子を含む粉材と、水を主成分とする液材とを混和し、得られた水系ペーストを象牙質表面に塗布する方法が提案されている(特許文献1)。該方法は、高い割合で象牙細管を封鎖することから、疼痛を効果的に抑制することが期待できるものの、粒子同士が凝集し、保存中に流動性が低下するという点で改善の余地があった。
WO2010/113800A1
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、流動性が良好であり、歯質表面の磨耗が少なく、かつ象牙細管封鎖性が良好である象牙細管封鎖材を提供することを目的とするものである。また、そのような象牙細管封鎖材を成型して得られる錠剤を提供することを目的とするものである。
上記課題は、酸性リン酸カルシウム粒子(A)、及びリン酸四カルシウム粒子(B)を含有する象牙細管封鎖材であって、酸性リン酸カルシウム粒子(A)の平均粒径が7.2〜40μmであり酸性リン酸カルシウム粒子(A)のかさ密度が0.30〜0.80g/mlであり、かつ象牙細管封鎖材のかさ密度が0.3〜0.6g/mlであることを特徴とする象牙細管封鎖材を提供することによって解決される。
このとき、リン酸四カルシウム粒子(B)の平均粒径が0.5〜40μmであることが好適である。酸性リン酸カルシウム粒子(A)が、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子、無水リン酸二水素カルシウム[Ca(HPO]粒子、リン酸三カルシウム[Ca(PO]粒子、酸性ピロリン酸カルシウム[CaH]粒子、リン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO・2HO]粒子、及びリン酸二水素カルシウム1水和物[Ca(HPO・HO]粒子からなる群から選択される少なくとも1種であることが好適であり、更にリン酸のアルカリ金属塩(C)を含むことが好適である。リン酸のアルカリ金属塩(C)がリン酸一水素二ナトリウム及び/又はリン酸二水素一ナトリウムであることが好適であり、更にフッ素化合物(D)を含有することが好適である。更にシリカ粒子(E)を含有することが好適であり、酸性リン酸カルシウム粒子(A)が略球状であることが好適である。錠剤であることが本発明の好適な実施態様であり、象牙細管封鎖材と水を主成分とする液材とからなる象牙細管封鎖材キットも本発明の好適な実施態様である。
本発明により、流動性が良好であり、歯質表面の磨耗が少なく、かつ象牙細管封鎖性が良好である象牙細管封鎖材が提供される。また、そのような象牙細管封鎖材を成型して得られる錠剤は、液材と混和した際の崩壊性に優れ、ペースト性状が良好である。
実施例で調製して得られた、平均粒径が8.7μmであり、かさ密度が0.44g/mlであるDCPAのSEM写真である。 実施例で調製して得られた、平均粒径が29.2μmであり、かさ密度が0.59g/mlであるDCPAのSEM写真である。 実施例で調製して得られた、平均粒径が0.7μmであり、かさ密度が0.36g/mlであるDCPAのSEM写真である。
本発明の象牙細管封鎖材は、酸性リン酸カルシウム粒子(A)及びリン酸四カルシウム粒子(B)を含有する象牙細管封鎖材であって、酸性リン酸カルシウム粒子(A)の平均粒径が7.2〜40μmであり、かつ酸性リン酸カルシウム粒子(A)のかさ密度が0.30〜0.80g/mlであることを特徴とする。本発明のように、平均粒径が7.2〜40μm、かつかさ密度が0.30〜0.80g/mlの範囲内にある酸性リン酸カルシウム粒子(A)、及びリン酸四カルシウム粒子(B)を含有する組成物であることにより、流動性が良好であり、歯質表面の磨耗が少なく、かつ象牙細管封鎖性が良好である象牙細管封鎖材が得られる。更に、該組成物を成型して得られた錠剤を液材と混和した際、錠剤の崩壊性が良く、ペースト性状が良好な象牙細管封鎖材が得られる。ここで本発明者らは、象牙細管封鎖材における粒子同士の凝集を抑制する目的で、平均粒径の大きな酸性リン酸カルシウム粒子を含む組成物を調製したところ、流動性は改善されたが、象牙細管封鎖性が低下するとともに象牙細管封鎖材ペーストの研磨性が高くなり、歯質表面が磨耗してしまうことが明らかとなった。また本発明者らは、かさ密度が一定範囲内にない酸性リン酸カルシウム粒子を含む組成物を調製したところ、流動性が低下したり、歯質表面に対する磨耗性が良好ではなかったことを確認している。したがって、本発明のように、平均粒径が7.2〜40μm、かつかさ密度が0.30〜0.80g/mlの範囲内にある酸性リン酸カルシウム粒子(A)、及びリン酸四カルシウム粒子(B)を含有する象牙細管封鎖材とすることが重要である。このような構成とすることで、流動性が良好であり、歯質表面の磨耗が少なく、かつ象牙細管封鎖性が良好となる効果を奏する。
本発明の象牙細管封鎖材を象牙質表面に塗布すると、固体粒子が象牙細管に侵入することにより象牙細管が封鎖される。さらに、酸性リン酸カルシウム粒子(A)とリン酸四カルシウム粒子(B)が水の存在下に反応することによりハイドロキシアパタイト(以下HApと称する)に転化しながら硬化することで、象牙細管封鎖物が細管内から脱離することなく、知覚過敏抑制効果の持続が期待できる。
本発明の象牙細管封鎖材に用いられる酸性リン酸カルシウム粒子(A)としては特に限定されないが、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子、無水リン酸二水素カルシウム[Ca(HPO]粒子、リン酸三カルシウム[Ca(PO]粒子、酸性ピロリン酸カルシウム[CaH]粒子、リン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO・2HO]粒子、及びリン酸二水素カルシウム1水和物[Ca(HPO・HO]粒子からなる群から選択される少なくとも1種の粒子が好適に使用される。中でも、酸性リン酸カルシウム粒子(A)としては無水物が好適に使用される。具体的には、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子、及び無水リン酸二水素カルシウム[Ca(HPO]粒子からなる群から選択される少なくとも1種の粒子がより好適に使用され、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子が更に好適に使用される。なお、本発明では、リン酸根のモル数を酸性リン酸カルシウム粒子(A)のモル数とした。
本発明の象牙細管封鎖材において、酸性リン酸カルシウム粒子(A)の平均粒径は7.2〜40μmである。酸性リン酸カルシウム粒子(A)の平均粒径が7.2μm未満の場合、粉材の流動性が悪くなるおそれがある。更に本発明の象牙細管封鎖材を錠剤とした場合、崩壊性やペースト性状が悪くなるおそれがあるとともに、象牙細管封鎖率が低下するおそれがある。酸性リン酸カルシウム粒子(A)の平均粒径は、好適には7.7μm以上であり、より好適には8.0μm以上である。一方、酸性リン酸カルシウム粒子(A)の平均粒径が40μmを超える場合には、象牙細管の大きさと比較して粒径が過大となるために、象牙細管の封鎖性が低下するとともに、研磨性が高くなることから歯質表面を磨耗させるおそれがあり、好適には35μm以下であり、より好適には30μm以下である。ここで、本発明で使用する酸性リン酸カルシウム粒子(A)の平均粒径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定し、算出したものである。
本発明の象牙細管封鎖材において、酸性リン酸カルシウム粒子(A)のかさ密度は0.30〜0.80g/mlである。酸性リン酸カルシウム粒子(A)のかさ密度が0.30g/ml未満の場合には、流動性が低下するおそれがある。また加圧成型する際の成形性が悪くなるおそれがある。酸性リン酸カルシウム粒子(A)のかさ密度は、好適には0.40g/ml以上であり、より好適には0.42g/ml以上である。一方、酸性リン酸カルシウム粒子(A)のかさ密度が0.80g/mlを超える場合には、歯質表面の磨耗が多くなるおそれがある。また、加圧成型する際の成型性が悪くなるおそれがある。酸性リン酸カルシウム粒子(A)のかさ密度は、好適には0.62g/ml以下であり、より好適には0.60g/ml以下である。
酸性リン酸カルシウム粒子(A)の形状に特に制限はないが、歯質の磨耗性の観点から、略球状であることが好ましい。後述する実施例における対比結果から分かるように、酸性リン酸カルシウム粒子(A)が不定形の粒子ではなく、略球状の粒子であることにより、流動性が良好であり、歯質表面の磨耗が少なく、かつ象牙細管封鎖性が良好である象牙細管封鎖材が得られる。ここで、略球状とは、走査型電子顕微鏡で酸性リン酸カルシウム粒子(A)を撮影し、その単位視野内に観察された粒子が丸みを帯びており、該粒子の最大径に直行する方向の粒径を、その最大径で除した平均均斉度により定義される。平均均斉度が0.6以上の粒子を略球状の粒子とする。観察される粒子が、平均均斉度0.6未満の粒子、破砕状の粒子又は粗大結晶の凝集体を不定形の粒子とする。なお、平均均斉度が1.0の粒子は真球状の粒子である。本発明で使用される酸性リン酸カルシウム粒子(A)としては、平均均斉度が0.6以上の略球状の粒子が好ましく、平均均斉度が0.9以上の略球状の粒子がより好ましい。
酸性リン酸カルシウム粒子(A)の製造方法は特に限定されない。市販されている酸性リン酸カルシウム粒子をそのまま用いてもよいし、適宜粉砕して粒径を整えて使用してもよい。また、複数の原材料を適宜反応させて調製してもよい。粉砕する際には、ボールミル、ライカイ機、ジェットミルなどの粉砕装置を使用することができる。また、酸性リン酸カルシウム原料粉体をアルコールなどの液体の媒体と共にライカイ機、ボールミル等を用いて粉砕してスラリーを調製し、得られたスラリーを乾燥させることにより酸性リン酸カルシウム粒子(A)を得ることもできる。このときの粉砕装置としては、ボールミルを用いることが好ましく、そのポット及びボールの材質としては、好適にはアルミナやジルコニアが採用される。上記のように粉砕して調製した場合の形状は、通常、不定形の粒子となる。
反応により酸性リン酸カルシウム粒子(A)を調製する際には、カルシウム化合物とリン酸化合物を加熱しながら混合することによって得ることができる。略球状の酸性リン酸カルシウム粒子(A)は、カルシウム化合物とリン酸化合物を、リン酸縮合物の存在下、50℃以上の温度で反応させることによって得る方法(特開昭59−223205号、特開昭59−223206号)、リン酸とアルカリ性カルシウム化合物を、多価有機酸の存在下に反応させ、次いで水熱処理して鱗片状とした後に噴霧乾燥造粒する方法(特開平7−118005、特開2009−120476)、などによって得ることができる。上記のように調製した場合には、粒径が5μm以下の一次粒子が凝集した略球状の酸性リン酸カルシウム粒子(A)が得られる。本発明において、平均均斉度が0.6以上の酸性リン酸カルシウム粒子(A)、更には平均均斉度が0.9以上の酸性リン酸カルシウム粒子(A)を得る観点からは、カルシウム化合物とリン酸化合物を、リン酸縮合物の存在下、50℃以上の温度で反応させることによって得る方法、カルシウム化合物とリン酸化合物とを多価有機酸の存在下で反応させ、次いで水熱処理した後に噴霧乾燥させることによって酸性リン酸カルシウム粒子(A)を製造する方法が好適に採用される。
酸性リン酸カルシウム粒子(A)のかさ密度は、反応中のリン酸水素カルシウム結晶成長速度をコントロールすることにより、制御することができる。具体的には、リン酸とアルカリ性カルシウム化合物を、多価有機酸の存在下に反応させることにより結晶成長速度をコントロールする方法が知られている。また、かさ密度は、噴霧乾燥造粒する時の配合する酸性リン酸カルシウム濃度、噴霧条件等を制御することによっても、コントロールすることができることも知られている。また、上記方法等によりかさ密度を制御した酸性リン酸カルシウム粒子が市販されており、それらをそのまま使用することも可能である。
上記カルシウム化合物としては、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム、メタケイ酸カルシウム、ケイ酸二カルシウム、ケイ酸三カルシウム及びそれらの水和物からなる群から選択される少なくとも1種を好適に用いることができる。中でも、生成物純度の観点から、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム及びそれらの水和物からなる群から選択される少なくとも1種のカルシウム化合物をより好適に用いることができる。上記リン酸化合物としては、リン酸、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素一リチウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸二水素一カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸アンモニウム及びそれらの水和物からなる群から選択される少なくとも1種を好適に用いることができる。中でも、目的物の収率の観点から、リン酸、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸一水素二カリウム及びそれらの水和物からなる群から選択される少なくとも1種のリン酸化合物をより好適に用いることができる。上記リン酸縮合物としてはピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、デカポリリン酸、ヘキサポリリン酸及びそれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第13族土類金属塩からなる群から選択される少なくとも1種を好適に用いることができる。前記アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第13族土類金属塩としては、入手容易性の観点から、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩をより好適に用いることができる。上記多価有機酸としては、クエン酸、酒石酸、エチレンジアミン四酢酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、及びアジピン酸からなる群から選択される少なくとも1種を好適に用いることができる。中でも、粒子形状の観点から、クエン酸をより好適に用いることができる。
本発明で使用されるリン酸四カルシウム粒子(B)の平均粒径は0.5〜40μmであることが好ましい。平均粒径が0.5μm未満の場合は、リン酸四カルシウム粒子(B)の溶解が過度になることにより水溶液中のpHが高くなりヒドロキシアパタイトの析出が円滑でなくなることで、硬化物の機械的強度が低下するおそれがある。リン酸四カルシウム粒子(B)の平均粒径は、より好適には5μm以上である。一方、リン酸四カルシウム粒子(B)の平均粒径が40μmを超える場合は、液材との混合により得られるペーストが十分な粘性を示さない、あるいはざらつき感が大きくなるなどペースト性状が好ましくないおそれがある。また、狭い移植箇所へシリンジを用いて注入する際にノズルの先端が詰まるおそれもある。リン酸四カルシウム粒子(B)の平均粒径は、より好適には30μm以下である。リン酸四カルシウム粒子(B)の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定し、算出したものである。
本発明で使用されるリン酸四カルシウム粒子(B)の製造方法は特に限定されない。市販されているリン酸四カルシウム粒子をそのまま用いてもよいし、上記した酸性リン酸カルシウム粒子(A)と同様に適宜粉砕して粒径を整えて使用してもよい。
酸性リン酸カルシウム粒子(A)とリン酸四カルシウム粒子(B)との配合割合(A/B)は、特に限定されないが、モル比で10/90〜90/10の範囲となるような配合割合で使用されることが好ましい。これによって、初期の象牙細管封鎖性が良好となるとともに、象牙細管封鎖物の機械的強度が高いリン酸カルシウム組成物を得ることができる。上記配合割合(A/B)は、より好適には20/80〜80/20であり、実質的に50/50であることが最適である。
本発明の象牙細管封鎖材は、更にリン酸のアルカリ金属塩(C)を含有することが好ましい。本発明で用いられるリン酸のアルカリ金属塩(C)としては特に限定されず、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素一リチウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸二水素一カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、ならびにこれらの水和物等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上が用いられる。中でも、安全性や純度の高い原料が容易に入手できる観点から、リン酸のアルカリ金属塩(C)がリン酸一水素二ナトリウム及び/又はリン酸二水素一ナトリウムであることが好ましい。
リン酸のアルカリ金属塩(C)の平均粒径は、1〜20μmであることが好ましい。平均粒径が1μm未満の場合、液材への溶解が早すぎて、象牙細管侵入前に組成物中のリン酸イオン濃度が高くなるため、カルシウムイオンとリン酸イオンの供給バランスが崩れ、HApの析出速度が低下するおそれがある。更には、リン酸のアルカリ金属塩粒子同士の二次凝集が発生し、同時に混合する他の粒子との分散性が低下するおそれがある。リン酸のアルカリ金属塩(C)の平均粒径は、より好適には3μm以上である。一方、リン酸のアルカリ金属塩(C)の平均粒径が20μmを超える場合、リン酸のアルカリ金属塩(C)が液材へ溶解しにくくなり、HApの析出速度が低下するおそれがある。リン酸のアルカリ金属塩(C)の平均粒径は、より好適には15μm以下である。リン酸のアルカリ金属塩(C)の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定し、算出したものである。
本発明で使用されるリン酸のアルカリ金属塩(C)の製造方法は特に限定されない。市販されているリン酸のアルカリ金属塩をそのまま用いてもよいし、上記した酸性リン酸カルシウム粒子(A)と同様に適宜粉砕して粒径を整えて使用してもよい。
本発明で用いられるリン酸のアルカリ金属塩(C)の配合量は、酸性リン酸カルシウム粒子(A)とリン酸四カルシウム粒子(B)の合計100重量部に対して0.1〜80重量部であることが好ましい。リン酸のアルカリ金属塩(C)の配合量が0.1重量部未満の場合、HApの析出が阻害されるおそれがあり、0.2重量部以上であることがより好ましく、1重量部以上であることが更に好ましく、2重量部以上であることが特に好ましい。一方、リン酸のアルカリ金属塩(C)の含有量が80重量部を超える場合、HApの析出が阻害されるおそれがあり、60重量部以下であることがより好ましく、50重量部以下であることが更に好ましく、40重量部以下であることが特に好ましい。
さらに本発明で用いられるリン酸のアルカリ金属塩(C)は、粉体のまま加えて配合してもよいし、液材として加えて配合してもよく、いずれの場合であっても知覚過敏抑制効果を有する。
本発明の象牙細管封鎖材は、更にフッ素化合物(D)を含有することが好ましい。このことにより、歯質に耐酸性を付与させるとともに石灰化を促進させることが可能となる。本発明で用いられるフッ素化合物(D)としては特に限定されず、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化銅、フッ化ジルコニウム、フッ化アルミニウム、フッ化スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、フッ化水素酸、フッ化チタンナトリウム、フッ化チタンカリウム、ヘキシルアミンハイドロフルオライド、ラウリルアミンハイドロフルオライド、グリシンハイドロフルオライド、アラニンハイドロフルオライド、フルオロシラン類、フッ化ジアミン銀等が挙げられる。中でも石灰化促進効果が高い観点からフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズが好適に用いられる。
本発明で用いられるフッ素化合物(D)の使用量は特に限定されず、象牙質細管封鎖材の全量100重量部に対してフッ素化合物(D)の換算フッ化物イオンを0.01〜10重量部含むことが好ましい。フッ素化合物(D)の換算フッ化物イオンの使用量が0.01重量部未満の場合、石灰化を促進する効果が低下するおそれがあり、0.05重量部以上であることがより好ましい。一方、フッ素化合物(D)の換算フッ化物イオンの使用量が10重量部を超える場合、安全性が損なわれるおそれがあり、5重量部以下であることがより好ましい。
本発明の象牙細管封鎖材は、更にシリカ粒子(E)を含むことが好ましい。このことにより、リン酸カルシウム粒子同士の凝集を防ぎ、取り扱い性を良好に保つことができる。本発明で用いられるシリカ粒子(E)は特に限定されないが、平均粒径は、0.002〜2μmであることが好ましい。シリカ粒子(E)の平均粒径が0.002μm未満の場合、液材と混和した際のペーストの粘度が高くなり取り扱い性が悪化するおそれがあり、0.003μm以上であることがより好ましく、0.005μm以上であることが更に好ましい。一方、シリカ粒子(E)の平均粒径が2μmを超える場合、歯質表面の磨耗量が増加するおそれがあり、1μm以下であることがより好ましく、0.5μm以下であることが更に好ましく、0.2μm以下であることが特に好ましい。シリカ粒子(E)の平均粒径は、エポキシ樹脂中に分散させた一次粒子を透過型電子顕微鏡を用いて観察することによって算出される。
本発明で用いられるシリカ粒子(E)の使用量は特に限定されず、象牙細管封鎖材の全量100重量部に対してシリカ粒子(E)を0.01〜10重量部含むことが好ましい。シリカ粒子(E)の使用量が0.01重量部未満の場合、リン酸カルシウム粒子の凝集を防ぐ効果が低下するおそれがあり、0.05重量部以上であることがより好ましい。一方、シリカ粒子(E)の使用量が10重量部を超える場合、象牙細管内部での硬化性が悪化するおそれがあり、5重量部以下であることがより好ましい。
本発明の象牙細管封鎖材は、本発明の効果を阻害しない範囲で酸性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸四カルシウム粒子(B)、リン酸のアルカリ金属塩(C)、フッ素化合物(D)及びシリカ粒子(E)以外の錠剤の製造に一般に用いられる種々の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、甘味剤、矯味剤、滑沢剤、着色剤、コーティング剤、香料などが挙げられる。
賦形剤としては、例えば、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、トレハロース、パラチニットのような糖アルコール;ショ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖のような糖類;炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、水酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸等が挙げられる。好ましくは、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのような無機賦形剤などが挙げられる。
崩壊剤としては、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシスターチナトリウム、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、部分アルファー化デンプン、アルギン酸、アルギン酸カルシウム、トラガント末、カンテン末などが挙げられる。
結合剤としては、アラビアゴム、アラビアゴム末、部分アルファー化デンプン、ゼラチン、カンテン、デキストリン、プルラン、ポビドン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられる。
流動化剤としては、酸化チタン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。
甘味剤としては、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、グリチルリチン酸、ステビア、スクラロース、ソーマチンなどが挙げられる。
矯味剤としては、アスコルビン酸、グリシン、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩酸、希塩酸、クエン酸およびその塩、無水クエン酸、L−グルタミン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、炭酸水素ナトリウム、フマル酸、リンゴ酸、氷酢酸、イノシン酸二ナトリウムなどが挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルクなどが挙げられる。
着色剤としては、例えば、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号などの食用色素、黄色三二化鉄、三二化鉄、褐色酸化鉄、黒酸化鉄、銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、リボフラビンなどが挙げられる。
コーティング剤としては、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、PVAコポリマー、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、オパドライ、カルナバロウ、カルボキシビニルポリマー、乾燥メタクリル酸コポリマー、ジメチルアミノエチルメタアクリレート・メチルメタアクリレートコポリマー、ステアリルアルコール、セラック、セタノール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、メタクリル酸コポリマー、2−メチル−5−ビニルピリジンメチルアクリレート・メタクリル酸コポリマーなどが挙げられる。
更に、薬理学的に許容できるあらゆる薬剤等を配合することができる。セチルピリジニウムクロリド等に代表される抗菌剤、消毒剤、抗癌剤、抗生物質、アクトシン、PEG1などの血行改善薬、bFGF、PDGF、BMPなどの増殖因子、骨芽細胞、象牙芽細胞、さらに未分化な骨髄由来幹細胞、胚性幹(ES)細胞、線維芽細胞等の分化細胞を遺伝子導入により脱分化・作製した人工多能性幹(iPS:induced Pluripotent Stem)細胞ならびにこれらを分化させた細胞など硬組織形成を促進させる細胞などを配合させることができる。
上記以外のその他の添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。その他の添加剤を含有する場合、その含有量は、象牙細管封鎖材の全量に対して、0.01〜50重量部が好ましい。0.01重量部未満の場合には添加効果を発揮しないおそれがあり、0.02重量部以上がより好ましく、0.05重量部以上がさらに好ましい。一方添加量が50重量部以上の場合には、象牙細管封鎖性が低下するおそれがあり、30重量部以下がより好ましく、20重量部以下がさらに好ましい。
本発明において、象牙細管封鎖材のかさ密度が0.3〜0.6g/mlであることが好ましい。象牙細管封鎖材のかさ密度が0.3g/ml未満の場合、流動性が低下するおそれがある。また加圧成型する際の成形性が悪くなるおそれがある。象牙細管封鎖材のかさ密度は、0.35g/ml以上であることがより好ましい。一方、象牙細管封鎖材のかさ密度が0.6g/mlを超える場合には、歯質表面の磨耗が多くなるおそれがある。また、加圧成型する際の成型性が悪くなるおそれがある。象牙細管封鎖材のかさ密度は、0.5g/ml以下であることがより好適であり、0.48g/ml以下であることが更に好適である。
本発明の象牙細管封鎖材は、加圧成型を行う装置、例えば、単発打錠機、ロータリー式打錠機などを用いて錠剤型に成型することができる。すなわち、象牙細管封鎖材からなる錠剤が本発明の好適な実施態様である。こうして得られる象牙細管封鎖材からなる錠剤は、液材と混和した際の崩壊性に優れ、ペースト性状も良好である。したがって、象牙細管封鎖材からなる崩壊性錠剤も本発明の好適な実施態様である。成型圧力としては特に限定されないが、5〜100kg/cmであることが好ましい。成型圧力が5kg/cm未満の場合、錠剤硬度が不足し取り扱い上十分な硬度を確保できないおそれがあり、8kg/cm以上であることがより好ましい。一方、成型圧力が100kg/cmを超える場合、崩壊性が遅延するおそれがあり、80kg/cm以下であることがより好ましい。成型して得られる錠剤としては、どのような形状も採用することができ、例えば丸形、楕円形、球形、棒状型、ドーナツ型の形状であってもよく、また、識別性向上のための図形や文字などの刻印や印字、分割用の割線を付けてもよい。
本発明の象牙細管封鎖材は、水を主成分とする液材と混合して水性のペーストとすることができ、象牙質表面に塗布等すること、或いは象牙質表面にすり込むことにより好適に使用される。すり込む操作は、マイクロブラシ、綿棒、あるいはラバーカップ等で象牙質表面を30秒程度擦るだけでよく、それにより象牙細管内に約10μmの深さで、塊状封鎖物が生成される。ここで、水を主成分とする液材とは、純水であっても、水を主成分とし他の成分を含有する水溶液または水分散液であってもよい。他の成分としては特に限定されず、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン等の多価アルコール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール等の糖アルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルなどが例示される。また、上記したリン酸のアルカリ金属塩(C)や、フッ素化合物(D)の一部、または全部を含有していてもよい。
本発明では、酸性リン酸カルシウム粒子(A)及びリン酸四カルシウム粒子(B)を含む象牙細管封鎖材からなる粉体又は非水系ペーストに、水を主成分とする液体又は水系ペーストを加えて混合することによってペースト状の象牙細管封鎖材を得ることができる。また、本発明では、酸性リン酸カルシウム粒子(A)及びリン酸四カルシウム粒子(B)を含む象牙細管封鎖材からなる粉体又は非水系ペーストに、水を主成分としリン酸のアルカリ金属塩(C)を含む液体又は水系ペーストを加えて混合することによってもペースト状の象牙細管封鎖材を得ることができる。すなわち、酸性リン酸カルシウム粒子(A)及びリン酸四カルシウム粒子(B)を含有する象牙細管封鎖材ペーストの製造方法であって、酸性リン酸カルシウム粒子(A)とリン酸四カルシウム粒子(B)とを混合して象牙細管封鎖材からなる粉体又は非水系ペーストを得た後に、水を主成分とする液体又は水系ペーストを加えて混合する象牙細管封鎖材ペーストの製造方法が本発明の好適な実施態様である。非水系ペーストに使用される水以外の溶媒としては特に限定されず、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン等の多価アルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルなどが例示される。
本発明では、酸性リン酸カルシウム粒子(A)及びリン酸四カルシウム粒子(B)を含む象牙細管封鎖材からなる粉体を、あらかじめ錠剤形状に成型することにより、象牙細管封鎖材からなる錠剤を得ることが好適な実施態様である。こうして得られた該錠剤に上述の水を主成分とする液体または水系ペーストを加えて混合することによって、ペースト状の象牙細管封鎖材を得ることもできる。あらかじめ錠剤形状に成型しておくことで、粉体を計量する手間が省け、簡便に使用することができる。
本発明では、象牙細管封鎖材と水を主成分とする液材とからなる象牙細管封鎖材キットであることが好適な実施態様の一つである。すなわち、酸性リン酸カルシウム粒子(A)及びリン酸四カルシウム粒子(B)を含有する粉体又は非水系ペーストと、水を主成分とする液体又は水系ペーストとからなる象牙細管封鎖材キットであることが本発明の好適な実施態様の一つである。
本発明の象牙細管封鎖材は、象牙質表面に塗布またはすり込まれることで、象牙細管内に象牙細管封鎖材が侵入し、象牙細管を物理的に封鎖する。また、酸性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸四カルシウム粒子(B)及びリン酸のアルカリ金属塩(C)は、水の存在下で、カルシウムイオンとリン酸イオンを供給する。これらは、象牙質に浸透し象牙質中のHApを核として沈着することにより、象牙質の再石灰化を引き起こすことも可能である。したがって、象牙細管封鎖材を含有する歯面処理材、象牙細管封鎖材を含有する歯磨材が本発明の好適な実施様態である。また、象牙細管封鎖材からなる象牙質知覚過敏抑制材も本発明の好適な実施態様である。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
[平均粒径の測定方法]
本実施例において、酸性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸四カルシウム粒子(B)、リン酸のアルカリ金属塩(C)の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製「SALD−2100型」)を用いて測定し、測定の結果から算出されるメディアン径を平均粒径とした。
[かさ密度の測定方法]
本実施例において、酸性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸四カルシウム粒子(B)のかさ密度は、第十六改正日本薬局方記載のかさ密度測定方法のうち、第1法に従って測定した。
[平均均斉度の測定方法]
本実施例において、酸性リン酸カルシウム粒子(A)の平均均斉度は、走査型電子顕微鏡で酸性リン酸カルシウム粒子(A)を撮影し、観察された粒子の最大径に直行する方向の粒径を、その最大径で除した値の平均値を平均均斉度とした(n=10)。
[各粉体の調製]
(1)酸性リン酸カルシウム粒子(A)
(a)DCPA:平均粒径8.7μm、かさ密度0.44g/ml
蒸留水1Lに酸化カルシウム(和光純薬工業社製)100gを加えて30分間攪拌した後、110メッシュのポリプロピレン製メッシュクロスを用いてろ過し、石灰乳を得た。蒸留水1Lにクエン酸(和光純薬工業社製)7.9gを溶解させた溶液を攪拌しながら、50wt%のリン酸水溶液147gと、上記の石灰乳550mlを30分間かけて添加した。添加中の液温は25℃から45℃の間を保つよう制御した。添加終了後、30分間攪拌を継続した後、95℃で30分攪拌してDCPAの懸濁液を得た。得られた懸濁液からDCPAをろ過して回収し、洗浄した後、蒸留水に加えて20wt%の懸濁液とした。上記した懸濁液を、入り口温度300℃出口温度200℃の条件でスプレードライヤーを用いて乾燥し、DCPAを得た。SEMで観察した結果、粒子は丸みを帯びており、平均均斉度は0.92で、形状は略球状であった。
(b)DCPA:平均粒径29.2μm、かさ密度0.59g/ml
80℃に加熱した蒸留水1.5Lに酸化カルシウム(和光純薬工業社製)190gを加えて30分間攪拌した後、110メッシュのポリプロピレン製メッシュクロスを用いてろ過し、石灰乳を得た。50wt%のリン酸水溶液を95℃で攪拌しながら、上記石灰乳を毎分5mlの速度で添加した。石灰乳を100ml添加したところで、並行して10wt%のピロリン酸ナトリウム水溶液200mlを毎分7mlの速度で添加した。添加終了後、30分間攪拌を継続してDCPAの懸濁液を得た。得られた懸濁液からDCPAをろ過して回収し、洗浄した後、乾燥させた。得られたDCPAを目開き212μmの金属製網ふるいを用いてふるいがけした。SEMで観察した結果、粒子は丸みを帯びており、平均均斉度は0.76で、形状は略球状であった。
(c)DCPA:平均粒径22.5μm、かさ密度0.53g/ml
上記した平均粒径29.2μm、かさ密度0.59g/mlのDCPAを目開き106μmの金属製網ふるいを用いてふるいがけすることで得た。SEMで観察した結果、粒子は丸みを帯びており、平均均斉度は0.79で、形状は略球状であった。
(d)DCPA:平均粒径7.3μm、かさ密度0.55g/ml
平均粒径10.2μmのDCPA(和光純薬工業社製)50g、エタノール240g、及び直径が10mmのジルコニアボール480gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(ニッカトー社製「HD−B−104 ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で2時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを乾燥させることで得た。SEMで観察した結果、粒子は破砕状で不定形であった。
(e)DCPA:平均粒径1.1μm、かさ密度0.41g/ml
平均粒径10.2μmのDCPA(和光純薬工業社製)50g、エタノール240g、及び直径が10mmのジルコニアボール480gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(ニッカトー社製「HD−B−104 ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で15時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを、乾燥させることで得た。SEMで観察した結果、粒子は破砕状で不定形であった。
(f)DCPA:平均粒径0.7μm、かさ密度0.36g/ml
平均粒径10.2μmのDCPA(和光純薬工業社製)50g、エタノール240g、及び直径が10mmのジルコニアボール480gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(ニッカトー社製「HD−B−104 ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で30時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを乾燥させることで得た。SEMで観察した結果、粒子は破砕状で不定形であった。
(g)DCPA:平均粒径5.0μm、かさ密度0.47g/ml
平均粒径10.2μmのDCPA(和光純薬工業社製)50g、エタノール240g、及び直径が10mmのジルコニアボール480gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(ニッカトー社製「HD−B−104 ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で7時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを乾燥させることで得た。SEMで観察した結果、粒子は破砕状で不定形であった。
(h)DCPA:平均粒径28.7μm、かさ密度0.83g/ml
80℃に加熱した蒸留水1.5Lに酸化カルシウム(和光純薬工業社製)190gを加えて30分間攪拌した後、110メッシュのポリプロピレン製メッシュクロスを用いてろ過し、石灰乳を得た。50wt%のリン酸水溶液を95℃で攪拌しながら、上記石灰乳を毎分5mlの速度で添加した。添加終了後、30分間攪拌を継続してDCPAの懸濁液を得た。得られた懸濁液からDCPAをろ過して回収し、洗浄した後、乾燥させた。得られたDCPAを目開き212μmの金属製網ふるいを用いてふるいがけした。SEMで観察した結果、粒子は粗大結晶の凝集体であり、形状は不定形であった。
(i)DCPA:平均粒径42.0μm、かさ密度0.52g/ml
リン酸水素二ナトリウム二水和物180gとリン酸二水素カリウム10gを2Lの熱水に溶解した後、室温まで冷却した。また、塩化カルシウム六水和物220gを蒸留水2Lに溶解した。リン酸二水素カリウム20gを蒸留水1Lに溶解させた溶液を100℃で攪拌しながら、上記2溶液を毎分10mlずつ同時に添加した。添加中はリン酸二水素カリウム水溶液を適宜滴下し、pHを4から5の間に保った。得られた懸濁液からDCPAをろ過して回収し、リン酸水溶液と脱水エタノールを用いて洗浄した後、乾燥させた。得られたDCPAを目開き300μmの金属製網ふるいを用いてふるいがけした。SEMで観察した結果、粒子は粗大結晶の凝集体であり、形状は不定形であった。
(j)DCPA:平均粒径37.0μm、かさ密度0.52g/ml
上記した平均粒径42.0μm、かさ密度0.52g/mlのDCPAを目開き212μmの金属製網ふるいを用いてふるいがけすることで得た。SEMで観察した結果、粒子は破砕状で不定形であった。
(k)DCPA:平均粒径30.4μm、かさ密度0.63g/ml
上記した平均粒径37.0μm、かさ密度0.52g/mlのDCPAを目開き106μmの金属性網ふるいを用いてふるいがけすることで得た。SEMで観察した結果、粒子は破砕状で不定形であった。
(l)DCPA:平均粒径17.0μm、かさ密度0.38g/ml
上記した平均粒径30.4μm、かさ密度0.63g/mlのDCPA50g、エタノール240g、及び直径が10mmのジルコニアボール480gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(ニッカトー社製「HD−B−104 ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で5時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを乾燥させることで得た。SEMで観察した結果、粒子は破砕状で不定形であった。
(m)DCPA:平均粒径9.1μm、かさ密度0.29g/ml
上記した平均粒径30.4μm、かさ密度0.63g/mlのDCPA50g、エタノール240g、及び直径が10mmのジルコニアボール480gを1000mlのアルミナ製粉砕ポット(ニッカトー社製「HD−B−104 ポットミル」)中に加え、1500rpmの回転速度で12時間湿式振動粉砕を行うことで得られたスラリーを乾燥させることで得た。SEMで観察した結果、粒子は破砕状で不定形であった。
(2)リン酸四カルシウム粒子(B)
TTCP:平均粒径8.0μm、かさ密度2.1g/ml、形状は不定形
リン酸四カルシウム粒子 〔Ca(POO〕 太平化学産業社製
(3)リン酸のアルカリ金属塩(C)
NaHPO:平均粒径2.0μm
NaHPO(和光純薬工業社製)をナノジェットマイザー(NJ−100型 アイシンナノテクノロジー社製)で、粉砕圧力条件を原料供給圧:1.3MPa/粉砕圧:1.3MPa、処理量条件を1kg/hrとし、3回処理することにより得た。
(4)その他成分
NaF:フッ化ナトリウム 和光純薬工業社製
Ar130:「アエロジル130(商品名)」日本アエロジル社製、平均粒径:16nm
Ar380:「アエロジル380(商品名)」日本アエロジル社製、平均粒径:7nm
[象牙細管封鎖材の調製]
(1)象牙細管封鎖材からなる粉体の調製
表1に示す組成で秤量した各粉体成分を高速回転ミル(アズワン株式会社「SM−1」)中に加え、22000rpmの回転速度で3分間混合することで象牙細管封鎖材からなる粉体を調製した。このとき、混合前と混合後での酸性リン酸カルシウム粒子(A)、リン酸四カルシウム粒子(B)、及びシリカ粒子(E)の平均粒径、形状は実質的に変化していない。
(2)象牙細管封鎖材ペーストの調製
上記(1)で得た粉体に、蒸留水を粉液比が1.2(重量比)になるよう添加し、混合することで象牙細管封鎖材ペーストを調製した。
[磨耗性の評価方法]
健全牛歯切歯の頬側中央を耐水研磨紙で80番、1000番の順に研磨して象牙質を露出させた。露出した象牙質を、さらにラッピングフィルム(住友スリーエム社製)で1200番、3000番、8000番の順に研磨した。得られた象牙質研磨面中央部を、光沢計(日本電色工業社製「VG2000」)を用い、測定角度60°で4回測定し、平均値を測定値とした。次いで、象牙質研磨面に象牙細管封鎖材0.05gを採取し、PMTC用ハンドピース(松風社製「メルサージュ プロ」)を用い、荷重100g、回転数1000rpmで、象牙質研磨面中央部の直径10mmの範囲を30秒間処理した。その後、牛歯ディスク上の象牙細管封鎖材を蒸留水で除去し、上記した方法で光沢度を測定した。処理前と処理後の光沢度から、下記式に従い光沢保持率を算出した。試験はn=5で行い、各試験で得られた値を平均して、光沢保持率とした。光沢度の低下は、象牙質表面の磨耗によることから、光沢保持率の高い方が、磨耗性が低いと判定した。
光沢保持率(%)=〔1−{(処理前の光沢度)−(処理後の光沢度)}/(処理前の光沢度)〕×100
[流動性の評価方法]
容量13.5mlのガラス瓶に、象牙細管封鎖材からなる粉材5gを採取した。密栓した後、往復振とう機を用い、振幅40mm、振とう速度毎分180往復で30分間振とうした。振とう後の象牙細管封鎖材からなる粉材の凝集およびガラス瓶壁面への付着度合いを目視観察した。凝集およびガラス瓶壁面への付着が見られない場合を良とし、軽微な場合を可、顕著な場合を不良とした。
[象牙細管封鎖率の試験方法]
(1)牛歯ディスクの作製
健全牛歯切歯の頬側中央を耐水研磨紙で80番、1000番の順に研磨して象牙質を露出し、直径約7mm、厚さ2mmのディスク状にした。この牛歯研磨面をさらにラッピングフィルム(住友スリーエム社製)で1200番、3000番、8000番の順に研磨した。次いで、0.5M EDTA溶液(和光純薬工業株社製)の5倍希釈溶液に30秒間浸漬後、60秒間水洗し、10%次亜塩素酸ナトリウム溶液(ネオクリーナー「セキネ」、ネオ製薬工業社製)を60秒間作用させた後、60秒間水洗した。
(2)象牙細管の封鎖
上記(1)で得られた牛歯ディスクの頬側象牙質表面上に、象牙細管封鎖材ペースト0.1gを採取し、マイクロブラシレギュラー(マイクロブラシ社製)を用いて、象牙質処理面中央部の直径5mmの範囲に30秒間すり込んだ。その後、牛歯ディスク表面の象牙細管封鎖材ペーストを蒸留水で除去し、SEM観察用の試験片を得た。
(3)SEM観察
上記(2)で得られた試験片を、室温、減圧下で1時間乾燥し、金属蒸着処理した後、象牙細管封鎖材処理面上の任意の3点を、走査型電子顕微鏡(S−3500N、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて倍率3000倍で観察した。各観察視野内の象牙細管封鎖率を下記式に従って計算し、3点の値を平均した。試験はn=5で行い、各試験で得られた値を平均して、象牙細管封鎖率とした。
象牙細管封鎖率(%)={(封鎖された象牙細管の数)/(象牙細管の数)}×100
[成型性の評価方法]
象牙細管封鎖材からなる粉材80mgを、内径6mmの金型に採取し、プレス機(FP−6、モリタ東京製作所社製)を用いて、圧力10kg/cmを30秒間負荷した。得られた円筒形の錠剤を目視観察し、錠剤形状となった場合を良、錠剤形状を維持したものの辺縁部に軽微な崩壊が見られた場合を可、錠剤形状を維持しなかった場合を不良と判定した。
[崩壊性の評価方法]
混和皿(クラレノリタケデンタル社製)に上記した成型性の評価方法で得られた象牙細管封鎖材からなる錠剤1個を採取し、蒸留水67mgを加えた。マイクロブラシファイン(マイクロブラシ社製)で錠剤を突き崩しながら混合し、混合開始から10秒以内に錠剤が完全に崩壊した場合を良、部分的に崩壊した場合を可、崩壊しなかった場合を不良と判定した。
[ペースト性状の評価方法]
混和皿(クラレノリタケデンタル社製)に上記した成型性の評価方法で得られた象牙細管封鎖材からなる錠剤1個を採取し、蒸留水67mgを加えた。マイクロブラシファイン(マイクロブラシ社製)で錠剤を突き崩しながら30秒間混合した。得られたペーストを混合時に用いたマイクロブラシでスライドガラスの14mm×14mmの範囲に塗布した後、垂直に立てた。該塗布面を目視観察し、固体成分の凝集物や液だれが観察されなかった場合を良、固体成分の凝集物のみ観察された場合を可、固体成分の凝集物と液だれの両方が観察された場合を不良と判定した。
実施例1〜14、比較例1〜6
表1及び表2に示す組成で象牙細管封鎖材からなる粉材を調製し、流動性、磨耗性、象牙細管封鎖率を評価した。上記した方法で象牙細管封鎖材からなる粉材を錠剤形状に成型して、成型性を評価した。成型性の評価が良又は可であった象牙細管封鎖材からなる錠剤について、更に崩壊性、ペースト性状および象牙細管封鎖率を評価した。結果をまとめて表1及び表2に示す。
Figure 0006172470
Figure 0006172470

Claims (10)

  1. 酸性リン酸カルシウム粒子(A)及びリン酸四カルシウム粒子(B)を含有する象牙細管封鎖材であって、
    酸性リン酸カルシウム粒子(A)の平均粒径が7.2〜40μmであり酸性リン酸カルシウム粒子(A)のかさ密度が0.30〜0.80g/mlであり、かつ象牙細管封鎖材のかさ密度が0.3〜0.6g/mlであることを特徴とする象牙細管封鎖材。
  2. リン酸四カルシウム粒子(B)の平均粒径が0.5〜40μmである請求項1記載の象牙細管封鎖材。
  3. 酸性リン酸カルシウム粒子(A)が、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子、無水リン酸二水素カルシウム[Ca(HPO]粒子、リン酸三カルシウム[Ca(PO]粒子、酸性ピロリン酸カルシウム[CaH]粒子、リン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO・2HO]粒子、及びリン酸二水素カルシウム1水和物[Ca(HPO・HO]粒子からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2記載の象牙細管封鎖材。
  4. 更にリン酸のアルカリ金属塩(C)を含む請求項1〜3のいずれか記載の象牙細管封鎖材。
  5. リン酸のアルカリ金属塩(C)がリン酸一水素二ナトリウム及び/又はリン酸二水素一ナトリウムである請求項記載の象牙細管封鎖材。
  6. 更にフッ素化合物(D)を含有する請求項1〜のいずれか記載の象牙細管封鎖材。
  7. 更にシリカ粒子(E)を含有する請求項1〜のいずれか記載の象牙細管封鎖材。
  8. 酸性リン酸カルシウム粒子(A)が略球状である請求項1〜のいずれか記載の象牙細管封鎖材。
  9. 錠剤である請求項1〜のいずれか記載の象牙細管封鎖材。
  10. 請求項1〜のいずれか記載の象牙細管封鎖材と水を主成分とする液材とからなる象牙細管封鎖材キット。
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