JP6170516B2 - 圧延銅箔及びその製造方法、銅張積層板、並びにフレキシブルプリント基板及び電子機器 - Google Patents

圧延銅箔及びその製造方法、銅張積層板、並びにフレキシブルプリント基板及び電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP6170516B2
JP6170516B2 JP2015054259A JP2015054259A JP6170516B2 JP 6170516 B2 JP6170516 B2 JP 6170516B2 JP 2015054259 A JP2015054259 A JP 2015054259A JP 2015054259 A JP2015054259 A JP 2015054259A JP 6170516 B2 JP6170516 B2 JP 6170516B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper foil
rolling
rolled copper
less
copper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015054259A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016172275A (ja
Inventor
一貴 青島
一貴 青島
和樹 冠
和樹 冠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JX Nippon Mining and Metals Corp
Original Assignee
JX Nippon Mining and Metals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JX Nippon Mining and Metals Corp filed Critical JX Nippon Mining and Metals Corp
Priority to JP2015054259A priority Critical patent/JP6170516B2/ja
Publication of JP2016172275A publication Critical patent/JP2016172275A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6170516B2 publication Critical patent/JP6170516B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)
  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)

Description

本発明は、FPC(フレキシブルプリント基板)等に好適に用いられる圧延銅箔及びその製造方法、銅張積層板、並びにフレキシブルプリント基板及び電子機器に関する。
電子機器の可動部や空間的制約がある部分への配線を行う方法として、FPC(フレキシブルプリント基板)が用いられている。FPCとしては銅箔と樹脂層とを積層してなる銅張積層板が用いられている。
FPCは機器内で折り曲げて使用されるが、機器の小型化と共にFPCの折り曲げ半径が小さくなってきており、FPCの折り曲げ性の向上が求められている。又、今後はウェアラブル端末が普及すると考えられ、FPCには疲労特性の向上も求められる。
又、FPCをLCD(液晶ディスプレイ)と異方性導電膜(ACF)を用いて接合する際に、FPCのベースとなる樹脂層(例えば、ポリイミド)越しにCCDカメラでマーカー位置を確認し、接合位置合わせを行う。このためFPCの樹脂層の透明度が低いと位置合わせが困難になる。
FPCの樹脂層は、銅箔と樹脂層とを接合した後にエッチングによって銅層を除去したものである。そのため、樹脂層表面は、銅箔表面の凹凸を転写したレプリカとなっている。つまり、銅箔表面が粗いと樹脂層表面も粗くなり、光を乱反射するために透明度が低下する。このため、樹脂層の光透過性を改善するためには、銅箔の樹脂層との接着面を平滑にする必要がある。
一般に、銅箔の樹脂層との接着面は、接着強度を増すために粗化めっき処理される。粗化処理前の銅箔の表面粗さに比べて粗化処理のめっき粒子が大きいことから、粗化処理後の銅箔表面を平滑にする手段として、これまで主としてめっきの改良が行われてきた。この場合、粗化処理前の銅箔として表面粗度の大きなものを用いると、めっきの改良だけでは十分とは言えず、その銅箔をエッチングした後に残る樹脂絶縁層の表面が粗くなり透明性不良の原因となる。
このようなことから、圧延銅箔のオイルピットを偏在させてオイルピットの疎部と密部を形成することで、圧延直角方向の凹凸の平均間隔RSmを0.076mm以上にし、樹脂透明性を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献1)。又、この技術においては、銅箔を樹脂と積層する処理での搬送性を向上させるため、銅箔表面が平滑になり過ぎないよう、銅箔表面の圧延平行方向の60度光沢度を300〜500%に規定している。
又、搬送性を課題とせず、一方で樹脂透明性を向上させると共に、粗化めっきを施した場合にも平滑な表面を有し、樹脂と良好に接着するため、圧延平行方向の60度光沢度を600〜900%とした技術が提案されている(例えば、特許文献2)。
特許第4401998号公報 特許第5261595号公報
ところで、特許文献1記載の技術においては、IPC(アメリカプリント回路工業会)摺動屈曲装置により,IPC摺動屈曲回数の測定を行い、曲率半径r=2.5mmとしてヘアピン上に屈曲させた試験片の片端を上下に振動させたときの破断までの振動回数(屈曲回数)によって屈曲性を評価しているが、上述のFPCのように折り曲げ半径が小さい場合には、より優れた折り曲げ性が要求される。
そして、本発明者らが検討したところ、特許文献1記載の圧延銅箔のようにオイルピットを偏在させてRSmを高くすると、過酷な折り曲げ環境下では折り曲げ性が低下することが判明した。これは、偏在したオイルピットの部分に応力が集中するためと考えられる。又、応力集中を緩和するためには、銅箔表面をなるべく平滑にし、光沢度を高めることも必要になってくる。
従って、本発明の目的は、銅箔をエッチングで除去した後の樹脂の透明性に優れると共に、折り曲げ性に優れた圧延銅箔及びその製造方法、銅張積層板、並びにフレキシブルプリント基板及び電子機器を提供することにある。
本発明者らは、過酷な折り曲げに対して優れた折り曲げ性を得る方法として、圧延銅箔表面にオイルピットを偏在させずに分散させ、かつ銅箔表面をなるべく平滑にすればよいことを見出した。
すなわち、本発明の圧延銅箔は、圧延直角方向のJIS B0601に準拠した算術平均粗さRaが0.07μm以下、かつ圧延直角方向の凹凸の平均間隔RSm(JIS B0601−2001、ISO4287−1997準拠)が0.045mm未満、厚みが5〜35μmである。


本発明の圧延銅箔は、圧延平行方向のJIS Z8741に準拠した60度光沢度G60が450以上であることが好ましい。
本発明の圧延銅箔は、Ag、Sn、Mg、In、B、Ti、Zr、Zn、Ni、Si、P、Cr及びFeの群から選ばれる1種又は2種以上を合計で10〜1500質量ppm含有し、残部Cuおよび不可避的不純物からなることが好ましい。
本発明の銅張積層板は、前記圧延銅箔を、樹脂層の両面又は片面に積層してなる。
本発明のフレキシブルプリント基板は、前記銅張積層板を用い、前記圧延銅箔に回路を形成してなる。
本発明の電子機器は、前記フレキシブルプリント基板を用いてなる。
本発明の銅張積層板の製造方法は、前記圧延銅箔の製造方法であって、最終冷間圧延工程の少なくとも最終圧延パスに用いるワークロールの軸方向における任意の10点の算術平均粗さRa(JIS B0601:2001準拠)の平均値をRavとし、前記10点のRaの最大値をRa(max)とし、最小値をRa(min)とし、ΔRa=Ra(max)−Ra(min))としたとき、前記Ravを0.07μm以下、かつ前記(ΔRa/Rav)を0.4以下として、該最終圧延パスを行う。
本発明によれば、銅箔をエッチングで除去した後の樹脂の透明性に優れると共に、折り曲げ性に優れた圧延銅箔を得ることができる。
特許文献1の圧延銅箔の圧延直角方向に沿う断面で見たオイルピットの断面の概念図である。 本発明の実施形態に係る圧延銅箔の圧延直角方向に沿う断面で見たオイルピットの断面の概念図である。 実施例2の銅箔表面のSEM像を示す図である。 比較例1の銅箔表面のSEM像を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る圧延銅箔について説明する。なお、本発明において%とは、特に断らない限り、質量%を示すものとする。本発明の実施形態に係る圧延銅箔は、樹脂と積層されて銅張積層板とされた後にエッチングにより回路部分以外を除去してFPCとする用途に有用である。
<組成>
圧延銅箔は好ましくは、質量率で99.9%以上の銅を含む。このような組成としては、JIS-H3510(C1011)またはJIS- H3100 (C1020)に規格される無酸素銅、JIS-H3100(C1100)に規格されるタフピッチ銅、又はJIS- H3100 (C1201及びC1220)に規格されるリン脱酸銅が挙げられる。なお、銅に含まれる酸素含有量の上限は特に限定はされないが、一般的には500質量ppm以下、さらに一般的には320質量ppm以下である。
さらに、Ag、Sn、Mg、In、B、Ti、Zr、Zn、Ni、Si、P、Cr及びFeの群から選ばれる1種又は2種以上を合計で10〜1500質量ppm含有してもよい。これらの元素を添加すると、銅張積層板にしたとの折り曲げ性がさらに向上する。上記元素の合計量が10質量ppm未満であると、上述の効果が少なく、1500質量ppmを超えると導電率が低下する場合がある。
<厚み>
銅箔の厚みは、5〜50μmであることが好ましく、5〜35μmであることがさらに好ましい。厚みが5μm未満であると銅箔のハンドリング性が劣る場合があり、厚みが50μmを超えると剛性が高くなりすぎて柔軟性が劣る場合がある。
<算術平均粗さRa>
圧延銅箔の、圧延直角方向の算術平均粗さRaが0.07μm以下である。このようにすると、銅箔表面の平滑性が良好となり、樹脂との良好な密着性を得るための粗化処理を行っても、銅箔をエッチングで除去した後の樹脂の透明性が良好となる。さらに、過酷な折り曲げ力が加わっても銅箔表面の凹部に応力が集中し難くなり、屈曲性が向上する。Raが0.07μmを超えると、銅箔表面が粗くなり、樹脂の透明性が劣るだけでなく、上記した応力集中が生じ、過酷な折り曲げ等によって銅箔が破断して屈曲性が劣る。
Raの下限に制限はないが、製造性等を考慮すると0.01μm以上とすることができる。Raは、銅箔表面の凹凸プロファイルからJIS B0601に準じて算出される算術平均粗さ(中心線平均粗さ)である。
<凹凸の平均間隔RSm>
圧延銅箔の、圧延直角方向の凹凸の平均間隔RSm(JIS B0601−2001、ISO4287−1997準拠)が0.045mm未満である。なお、RSmは、JIS B0601−1994年版では、「Sm」と表記されていたものである。
銅張積層基板用の圧延銅箔は、一般に油潤滑によって高速で加工される。又、必要とされる厚みが薄いため、最終圧延の加工度(板厚減少率)が本質的に大きいものとなる。そのため、銅張積層基板用の銅箔の圧延工程は、5μm〜20μmの製品厚さ付近では、材料の塑性変形の一種であるせん断帯変形が支配的な領域での加工になる。このせん断帯変形が支配的な領域は、圧延時にロールと材料の間に形成される油膜が厚い場合、圧延加工表面にオイルピットと呼ばれる微小な凹凸をつくる。一方、油膜が薄ければ材料表面の凸部は圧延ロールと接触するため変形が制限され、オイルピットが発達せず、圧延ロールの平滑な表面プロフィルが転写され、平滑な表面が形成される。平滑な表面を得るためにはオイルピットの形成を抑えることが必要である。
図1は、特許文献1の圧延銅箔の圧延直角方向に沿う断面で見たオイルピットの断面の概念図である。例えば深さ0.1μmを超えるピットが存在しない表面平坦部(オイルピット疎部)F及び表面粗部(オイルピット密部)Cが圧延直角方向に帯状に平行に存在することが目視で確認できる。上記深さとは、目的とするオイルピットの最深部とそのオイルピットに隣接する頭頂部との高さの差をいう。
ここで、RSmは、表面性状を輪郭曲線方式で表すJIS B0601−2001(ISO4287−1997準拠)において、凹凸の「凹凸の平均間隔」と規定されており、基準長さ内での各凹凸の輪郭長さの平均をいう。つまり、表面平坦部Fや表面粗部Cの長さが長くなってオイルピットが遍在するほど、RSmの値は大きくなる。そして、RSmは、表面平坦部F及び表面粗部Cの幅の和を示す指標として使用できる。
RSmの測定において、基準長L(通常、0.25〜0.8mm)内の、平均線Mよりも高い部分が連続してプラトーを形成する部分を表面平坦部Fとし、凹凸がそれぞれ独立した単一のピークを形成している部分を表面粗部Cとした。又、基準長Lは、1つの表面平坦部Fの幅及びそれに隣接する1つの表面粗部Cの幅との和よりも大きいことが必要である。
特許文献1の圧延銅箔においては、図1のように、表面平坦部Fの幅(長さ)を大きくしてオイルピットを偏在させる(RSmを高くする)ことで、オイルピットの少ない領域を広くし、光沢度G60を500以下としながらも平滑な表面を得るものである。但し、過酷な折り曲げ環境下では偏在したオイルピットの部分に応力が集中し、折り曲げた部分が割れて折り曲げ性が低下する。
そこで、図2に示すように、本発明においてはRSmを0.045mm未満とすることで、表面平坦部Fと表面粗部Cの幅を小さくし、銅箔表面にオイルピットを分散させる。これにより、過酷な折り曲げ環境下でも折り曲げた部分に応力が集中し難く、折り曲げ性が向上する。但し、RSmを0.045mm未満とすると、表面平坦部Fの幅が小さくなって平滑性を損なう傾向にあるので、算術平均粗さRaを0.07μm以下として平滑性を高めている。
なお、RSmを0.045mm未満としても、例えばオイルピットの深さ(後述する圧延直角方向の算術平均粗さRa)が小さくなれば、Raを低くすることができる。
RSmは、好ましくは0.040mm以下である。
RSmについて下限に制限はないが、製造性等を考慮すると0.020mm以上とすることができる。
<60度光沢度G60>
圧延銅箔の、圧延平行方向のJIS Z8741に準拠した60度光沢度G60が450以上であることが好ましい。RSmを0.045mm未満とすると、銅箔表面にオイルピットが分散して配置され、平滑性を確保する点では不利となるが、G60が450以上とすることで光沢が高くなって平滑性を向上させることができる。
<圧延銅箔の製造>
本発明の圧延銅箔は、通常、インゴットを熱間圧延及び面削後、冷間圧延と焼鈍を数回(通常、2回程度)繰り返し、次いで最終(再結晶)焼鈍した後、最終冷間圧延して所望の箔厚に製造することができる。さらに、この銅箔を脱脂した後に、樹脂層との密着性を確保するために片面(樹脂層との積層面)に粗化処理し、さらに防錆処理を行い、銅張積層板に使用されることができる。
最終冷間圧延では、最終(再結晶)焼鈍後の材料を繰り返し圧延機に通板(パス)することで所定の厚みに仕上げる。本発明の圧延銅箔の製造方法では、最終冷間圧延工程の少なくとも最終圧延パスに用いるワークロール(圧延ロール)の軸方向における任意の10点の算術平均粗さRa(JIS B0601:2001準拠)の平均値をRavとし、前記10点のRaの最大値をRa(max)とし、最小値をRa(min)とし、ΔRa=Ra(max)−Ra(min))としたとき、Ravを0.07μm以下、かつ(ΔRa/Rav)を0.4以下として、最終圧延パスを行う。ここで、油膜が厚い条件ではロール表面形状が銅箔に転写され難いため、後述する油膜当量を20000以下とするとよい。
これにより、ワークロールの表面形状が圧延銅箔に転写され、圧延銅箔のRSmを0.045mm未満に制御することができる。
ワークロールのRavを0.07μm以下、かつΔRa/Ravを0.4以下とする方法としてはワークロールの表面を砥石で研削する際、砥石をワークロールの軸方向に動かす送り速度を遅くし研削時間を長時間する方法などが挙げられる。又、Raの下限に制限はないが、ワークロールの研削の作業性等を考慮すると0.01μm以上とすることができる。なお、ワークロールは使用により表面が粗くなるので、適宜研削を行う。
又、最終冷間圧延工程の各パスのうち、少なくとも最終圧延パスに用いるワークロールのRaを上記値に規定すればよい。
最終冷間圧延工程の最終圧延パスにおける油膜当量を10000〜20000に調整するとよい。
ここで、油膜当量は下記の式で規定される。
油膜当量={(圧延油粘度[cSt])×(通板速度[mpm]+ロール周速度[mpm])}/{(ロールの噛み込み角[rad])×(材料の降伏応力[kg/mm2])}
圧延油粘度[cSt]は40℃での動粘度である。
油膜当量を制御するためには、低粘度の圧延油を用いたり、通板速度を遅くしたりする等、公知の方法を用いればよい。油膜当量を制御することによって、材料表面の変形がロールによって拘束され、圧延による厚みの変化に伴う表面粗さの増加を抑制することができる。また、最終圧延パスの直前で光沢度を高くすることで、最終パス後の光沢度を所期の範囲に制御できる。最終パス直前で光沢度が低いと、最終パスで材料表面を平滑にしても、前パスまでに形成された深い凹凸が残留するため、所期の表面形状が得られない。
また、油膜当量が小さい場合には、圧延に用いるワークロール表面の凹凸が材料表面に転写しやすいため、ワークロールの表面粗さを圧延銅箔のRSmに反映させ易くなる。
本発明の銅張積層板は、樹脂層の両面又は片面に、上記した特性を有する圧延銅箔を積層してなる。樹脂層はプリント配線板等に適用可能な特性を有するものであれば特に制限を受けないが、例えば、リジッドPWB用に紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂等を使用することができる。又、FPC用にポリエステルフィルムやポリイミドフィルム、液晶ポリマー(LCP)フィルム、テフロン(登録商標)フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等を使用する事ができる。
樹脂層自体が多層でもよい。
さらに、FPCの構成によっては、銅張積層板の片方の銅箔のみに厳しい折り曲げや屈曲が加わることがある。このような用途に用いる場合、銅張積層板の樹脂層の両面に銅箔を積層し、そのうち厳しい折り曲げ条件が加わる一方の銅箔側に本発明の銅箔を使用し、他の面に別の銅箔(例えば安価な電解銅箔)を積層してもよい。
圧延銅箔と樹脂との積層方法は、リジッドPWB用の場合、ガラス布などの基材に樹脂を含浸させ、樹脂を半硬化状態まで硬化させたプリプレグを用意し、銅箔をプリプレグに重ねて加熱加圧させる方法が挙げられる。FPCの場合、ポリイミドフィルム等の樹脂層に接着剤を介して銅箔を接着し、又は、接着剤を使用せずに高温高圧下で銅箔を積層接着して銅張積層板を製造することができる。FPCの場合、又は、ポリイミド前駆体を圧延銅箔に塗布した後、乾燥及び硬化等を行うことで銅張積層板を製造することができる。
樹脂(層)の厚みは特に制限を受けるものではないが、一般的に9〜50μm程度のものが用いられる。又、樹脂の厚みが50μm以上の厚いものも使用される場合がある。樹脂の厚みの上限は特に制限されないが、例えば150μmである。
本発明の銅張積層板は各種のフレキシブルプリント基板(プリント配線板(PWB))に使用可能である。プリント配線板としては、特に制限されるものではないが、例えば、導体パターンの層数の観点からは片面PWB、両面PWB、多層PWB(3層以上)に適用可能であり;絶縁基板材料の種類の観点からはリジッドPWB、フレキシブルPWB(FPC)、リジッド・フレックスPWBに適用可能である。
<圧延銅箔の製造>
表1に示す組成の元素を添加したタフピッチ銅又は無酸素銅を原料として厚さ100mmのインゴットを鋳造し、800℃以上で厚さ10mmまで熱間圧延を行い、表面の酸化スケールを面削した。その後、冷間圧延と焼鈍とを繰り返して、0.5mmの厚みの圧延板コイルを得た。その後の冷間圧延の後に最終再結晶焼鈍を行った。最後に最終冷間圧延で複数回のパスを行い、そのうち最終圧延パスを表1の条件で行った。
なお、表1の組成の欄の「OFC+ Ag100ppm」は、JIS- H3100 (C1020)の無酸素銅OFCに100質量ppmのAgを添加したことを意味する。又、「TPC+200ppmAg」は、JIS-H3100(C1100)のタフピッチ銅(TPC)に200質量ppmのAgを添加したことを意味する。他の添加量の場合も同様である。
得られた銅箔につき、以下の評価を行った。
(1)表面粗さ(Ra,RSm)の測定;
接触粗さ計(小坂研究所製、商品名「SE−3400」)を使用してJIS B0601に準拠した算術平均粗さ(Ra;μm)を測定した。測定基準長さ0.8mm、評価長さ4mm、カットオフ値0.8mm、送り速さ0.1mm/秒の条件で圧延方向と直角(ワークロールの場合は軸方向)に測定位置を変えて10回行ない、10回の測定での値を求めた。また凹凸の平均間隔(RSm;mm)は、測定基準長さ0.8mm、評価長さ4mm、カットオフ値0.8mm、送り速さ0.1mm/秒の条件で圧延方向と直角(ワークロールの場合は軸方向)に測定位置を変えて10回行ない、10回の測定での値を求めた。
(2)光沢度;
JIS Z8741に準拠した日本電色工業株式会社製光沢度計ハンディーグロスメーターPG−1を使用し、圧延平行方向の入射角60度で銅箔の光沢度を求めた。
(3)折り曲げ性
銅箔の片面に、粗化処理として以下の条件でめっき処理を行った。
・めっき浴組成:Cu15g/L、Co8.5g/L、Ni8.6g/L
・処理液pH:2.5
・処理温度:38℃
・電流密度:20A/dm2
・めっき時間:2.0秒
次に、銅箔の粗化面側に、ラミネート用熱硬化性接着剤付きポリイミドフィルム(厚み25μm、カネカ製ピクシオBP)を積層し、真空熱プレスして幅3mmの片面銅張積層板の試料を作製した。そして、片面銅張積層板のポリイミドフィルム面を内側とし、銅側を外側となるようにして1000Nの力で180°折り曲げ、曲げ戻すことを繰り返した。折り曲げた状態で、銅側の曲げ部表面に割れがあるか否を光学顕微鏡表面観察で観察し、破断するまでの曲げ回数を測定した。曲げ回数が3回以上であれば、折り曲げ性が良好である。
なお、180°密着曲げは、通常の屈曲性評価に比べて過酷な評価である。
(4)樹脂の透明性(ヘイズ値)
銅箔をエッチングで除去した後の樹脂の透明性の評価はヘイズ値を用いて行った。ここで、ヘイズ値(%)は、(拡散透過率)/(全光線透過率)×100で算出される値である。
まず、各サンプル圧延銅箔の一方の面(光沢度G60を規定した面)に上記(3)の条件で粗化処理を行った。
次に、粗化処理後の上記銅箔を2枚用い、上記ポリイミドフィルムの両面に上記各銅箔の粗化面側を貼り合わせ、真空熱プレスした後、銅箔をエッチング(塩化第二鉄水溶液)で除去してサンプルフィルムを作成した。JIS K7136(2000)に準拠した村上色彩技術研究所製ヘイズメーターHM−150を使用し、サンプルフィルムのヘイズ値を測定した。ヘイズ値が70以下のものを透明性が良好(○)とし、ヘイズ値が70より大きいものを透明性が劣る(×)とした。
得られた結果を表1に示す。
表1から明らかなように、銅箔表面の圧延直角方向のRaが0.07μm以下、かつRSmが0.045mm未満である各実施例の場合、折り曲げ性及び透明性が共に優れたものとなった。なお、各実施例の場合、最終冷間圧延の最終圧延パスに用いたワークロールの軸方向のRavを0.07μm以下、かつΔRa/Ravを0.4以下として銅箔を製造した。
又、各実施例の場合、圧延直角方向の算術平均粗さRaが0.07μm以下であった。
なお、実施例7の銅箔を上記した条件で粗化処理した粗化面の反対面の圧延直角方向のRa,圧延直角方向のRsm,及びG60をそれぞれ測定したが、粗化処理前の表1の値と同一であった。同様に、粗化処理後の上記銅箔を用いて作製した上記片面銅張積層板の銅箔面(粗化面の反対面)の圧延直角方向のRa,圧延直角方向のRsm,及びG60をそれぞれ測定したが、粗化処理前の表1の値と同一であった。
このことより、Ra,Rsm,及びG60が本発明の範囲内の銅箔を用い、粗化処理した粗化面の反対面(S面)、及び片面銅張積層板の銅箔側の面のRa,Rsm,及びG60も本発明の範囲内となった。従って、粗化処理銅箔のS面及び片面銅張積層板の銅箔側の面のRa,Rsm,及びG60が本発明の範囲内であれば、本発明の銅箔を使用しているといえる。
なお、上記したように、片面銅張積層板における銅箔側の表面のRa等が、本発明の銅箔のRa等と同一であることより、樹脂層の両面に銅箔を積層してなる両面銅張積層板の場合も、両面銅張積層板における銅箔の表面のRa,Rsm,及びG60が本発明の範囲内であれば、本発明の銅箔を使用しているといえる。
一方、銅箔表面の圧延直角方向のRaが0.07μm以下であるが、RSmが0.045mmを超えた比較例1の場合、折り曲げ性が劣った。これは、RSmが0.045mmを超えたために、偏在したオイルピットの部分に応力が集中し、過酷な折り曲げ環境下で折り曲げた部分が割れたためと考えられる。なお、比較例1の場合、最終冷間圧延の最終圧延パスに用いたワークロールの軸方向のΔRa/Ravが0.4を超えた。
銅箔表面のRaが0.07μmを超え、RSmが0.045mmを超えた比較例2の場合、折り曲げ性及び透明性が共に劣った。これは、RSmが0.045mmを超えたために、偏在したオイルピットの部分に応力が集中したと共に、銅箔表面が粗くなったためと考えられる。なお、比較例2の場合、最終冷間圧延の最終圧延パスに用いたワークロールの軸方向のRavが0.07を超えており、ワークロールの表面が粗いものを用いた。
又、銅箔表面のG60が450未満で、RSmが0.076mmを超えた比較例4の場合も、折り曲げ性が劣った。比較例4は特許文献1の銅箔に相当するものであり、透明性は良好であった。
実施例に比べて圧延油の粘度が高くなったために油膜当量が20000を超えた比較例3の場合、ワークロールのRavが0.07μm以下、かつΔRa/Ravが0.4以下であるにも関わらず、Raが0.07μmを超え、折り曲げ性も劣った。これは、油膜が厚くなってロール表面形状が銅箔に転写され難くなり、銅箔の表面全体にオイルピットが導入されたためと考えられる。
なお、図3は、実施例2の銅箔表面のSEM像を示し、図4は、比較例1の銅箔表面のSEM像を示す。図4に比べ、図3の方がオイルピット(各図の黒い筋)が表面全体に分散していることがわかる。なお、図3、図4のRD方向が圧延平行方向である。

Claims (7)

  1. 圧延直角方向のJIS B0601に準拠した算術平均粗さRaが0.07μm以下、かつ圧延直角方向の凹凸の平均間隔RSm(JIS B0601−2001、ISO4287−1997準拠)が0.045mm未満、厚みが5〜35μmである圧延銅箔。
  2. 圧延平行方向のJIS Z8741に準拠した60度光沢度G60が450以上である請求項1に記載の圧延銅箔。
  3. Ag、Sn、Mg、In、B、Ti、Zr、Zn、Ni、Si、P、Cr及びFeの群から選ばれる1種又は2種以上を合計で10〜1500質量ppm含有し、残部Cuおよび不可避的不純物からなる請求項1又は2に記載の圧延銅箔。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の圧延銅箔を、樹脂層の両面又は片面に積層してなる銅張積層板。
  5. 請求項4に記載の銅張積層板を用い、前記圧延銅箔に回路を形成してなるフレキシブルプリント基板。
  6. 請求項5に記載のフレキシブルプリント基板を用いた電子機器。
  7. 請求項1〜3のいずれか記載の圧延銅箔の製造方法であって、最終冷間圧延工程の少なくとも最終圧延パスに用いるワークロールの軸方向における任意の10点の算術平均粗さRa(JIS B0601:2001準拠)の平均値をRavとし、前記10点のRaの最大値をRa(max)とし、最小値をRa(min)とし、ΔRa=Ra(max)−Ra(min))としたとき、
    前記Ravを0.07μm以下、かつ前記(ΔRa/Rav)を0.4以下として該最終圧延パスを行う、圧延銅箔の製造方法。
JP2015054259A 2015-03-18 2015-03-18 圧延銅箔及びその製造方法、銅張積層板、並びにフレキシブルプリント基板及び電子機器 Active JP6170516B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015054259A JP6170516B2 (ja) 2015-03-18 2015-03-18 圧延銅箔及びその製造方法、銅張積層板、並びにフレキシブルプリント基板及び電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015054259A JP6170516B2 (ja) 2015-03-18 2015-03-18 圧延銅箔及びその製造方法、銅張積層板、並びにフレキシブルプリント基板及び電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016172275A JP2016172275A (ja) 2016-09-29
JP6170516B2 true JP6170516B2 (ja) 2017-07-26

Family

ID=57007869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015054259A Active JP6170516B2 (ja) 2015-03-18 2015-03-18 圧延銅箔及びその製造方法、銅張積層板、並びにフレキシブルプリント基板及び電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6170516B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4391734A1 (en) * 2022-12-21 2024-06-26 JX Metals Corporation Copper foil, laminate, and flexible printed wiring board

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7158434B2 (ja) * 2020-05-14 2022-10-21 Jx金属株式会社 銅合金インゴット、銅合金箔、および銅合金インゴットの製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3344924B2 (ja) * 1997-03-31 2002-11-18 日鉱金属株式会社 酸化膜密着性の高いリードフレーム用銅合金
JP4401998B2 (ja) * 2005-03-31 2010-01-20 日鉱金属株式会社 銅張積層基板用高光沢圧延銅箔及びその製造方法
JP5219952B2 (ja) * 2009-07-17 2013-06-26 Jx日鉱日石金属株式会社 リチウムイオン電池集電体用銅箔
JP5411192B2 (ja) * 2011-03-25 2014-02-12 Jx日鉱日石金属株式会社 圧延銅箔及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4391734A1 (en) * 2022-12-21 2024-06-26 JX Metals Corporation Copper foil, laminate, and flexible printed wiring board

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016172275A (ja) 2016-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4401998B2 (ja) 銅張積層基板用高光沢圧延銅箔及びその製造方法
WO2013108414A1 (ja) 銅張積層板用表面処理銅箔及びそれを用いた銅張積層板
JP5417538B1 (ja) 表面処理銅箔及びそれを用いた積層板、プリント配線板、電子機器、並びに、プリント配線板の製造方法
JP5475897B1 (ja) 表面処理銅箔及びそれを用いた積層板、銅箔、プリント配線板、電子機器、並びに、プリント配線板の製造方法
KR101671130B1 (ko) 압연 구리박 및 그 제조 방법, 그리고 적층판
JP5427943B1 (ja) 圧延銅箔、表面処理銅箔、積層板及びプリント基板
WO2014073695A1 (ja) 表面処理銅箔及びそれを用いた積層板
JP5362923B1 (ja) 表面処理銅箔及びそれを用いた積層板
JP5855244B2 (ja) 表面処理銅箔及びそれを用いた積層板、プリント配線板、電子機器及びプリント配線板を製造する方法
KR101669774B1 (ko) 압연 구리박 및 그 제조 방법, 그리고 적층판
JP5362922B1 (ja) 表面処理銅箔及びそれを用いた積層板
JP6170516B2 (ja) 圧延銅箔及びその製造方法、銅張積層板、並びにフレキシブルプリント基板及び電子機器
JP6305001B2 (ja) 銅箔、銅張積層板及びフレキシブルプリント配線板
CN107278015B (zh) 铜箔、覆铜层叠板、以及柔性印刷基板和电子设备
JP2014011451A (ja) 圧延銅箔及びその製造方法、並びに、積層板
JP6190619B2 (ja) 銅箔及びその製造方法、並びに銅張積層板及びフレキシブルプリント配線板
JP2014218690A (ja) 銅箔及びその製造方法、並びに銅張積層板及びフレキシブルプリント配線板
JP5922169B2 (ja) 電子機器の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170626

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170630

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6170516

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250