JP6169812B2 - リパーゼを利用してベータ−ラクトンからl−カルニチンを生産する方法 - Google Patents

リパーゼを利用してベータ−ラクトンからl−カルニチンを生産する方法 Download PDF

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Description

本発明は、L−カルニチンの生産方法に関する。
発明の背景
カルニチン(ビタミンBt;3−ヒドロキシ−4−トリメチルアンモニオ−ブタノエート)は、アミノ酸リシンおよびメチオニンから生合成される第四級アンモニウム化合物である。生きた細胞において、カルニチンは、代謝エネルギーを生成するために脂質を分解する間の、細胞質ゾルからミトコンドリアへの脂肪酸の輸送に必要とされる。カルニチンは、栄養剤として使用される。カルニチンには、2つの立体異性体が存在する。生物学的に活性な形態がL−カルニチンであるのに対して、その鏡像異性体(D−カルニチン)は生物学的に不活性である。L−カルニチンを工業的方法で生産する場合、生物学的に活性なL型を高純度で生産することが望ましい。
様々な方法が、L−カルニチンの工業生産について記載されている。微生物学的な方法が公知であり、L−カルニチンは、細菌によって直接生産される。他の方法では、ラセミ化合物が有機合成によって生産され、その後に鏡像異性体に分離される。
さらに、キラル前駆体から直接L−カルニチンを合成する試みが行われてきた。潜在的な前駆体の群は、キラル環状ラクトンである。キラルラクトンを得る方法は基本的には公知であるため、L−カルニチンはラクトン環の加水分解で利用可能になる。
US5,473,104は、(S)−3−ヒドロキシブチロラクトンからL−カルニチンを調製する方法を開示している。本方法は、2ステップ法であり、第1ステップにおいて(S)−3−ヒドロキシブチロラクトンは、環構造を維持したまま、対応するヒドロキシ活性化ラクトンに変換される。第2ステップにおいて、活性化されたラクトンの環が開かれ、トリメチルアミンを用いてトリメチルアンモニウム基が導入される。反応は、刺激の強い(harsh)化学薬品を用いて中間生成物を活性化する必要があるので、全体として比較的複雑である。
CH 680 588 A5は、β−ラクトン前駆体からL−カルニチンを生産する方法を開示しており、キラル2−オキセタノンが、2ステップ法でL−カルニチンに変換される。第1ステップにおいて、4−(クロロメチル)−2−オキセタノンは加水分解ステップに供され、このステップにおいて環は開かれ、4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸が得られる。その後のステップにおいて、この酸は、トリメチルアミンを用いてL−カルニチンに変換される。しかし、キラルβ−ラクトンの生産には比較的複雑な重金属触媒を必要とし、その収率は多くの場合不十分である。
Nelson & Spencer(J.Org.Chem.2000、65、1227〜1230)は、リパーゼによる酵素的分割によってβ−ラクトンラセミ化合物から鏡像異性的に富化された(enriched)β−ラクトンを得る方法を開示している。使用される基質は、様々なアルキル−およびアリール−β−ラクトンラセミ化合物である。表1に要約するとおり、収率は限られた数の反応でしか十分でない。鏡像体選択性は、β−ラクトンの置換基に強く左右され、小さい置換基であるメチルに関する鏡像体収率は非常に低い(表1)。反応は、有機溶媒、たとえばベンジルアルコールを必要とするが、環境的理由により産業応用には望ましくない。反応時間は、比較的長い(大抵は72時間)。
US2006/0046286は、酵素的エステル化によりβ−ラクトンからキラルβ−ブチロラクトンおよび3−ヒドロキシカルボン酸エステルを得る方法を開示している。Nelson & Spencerに関しては、リパーゼの使用が示唆されている。反応は、有機溶媒、たとえばトルエン、および約16時間の比較的長い反応時間を必要とする。基質は、β−ブチロラクトンである。ほとんどの実験において、基質はラセミ化合物ではなく、光学的に活性な(R)−β−ブチロラクトンである。特定の反応は、高められた鏡像体純度で(R)−β−ブチロラクトンを主に生じるが、そうであっても、相対的に少量の(S)−3−ヒドロキシ酪酸エステルが得られる(例1、6、7)。
鏡像異性的に高純度のL−カルニチンは重要な工業製品なので、さらに効率的なその生産方法を提供することが望ましい。具体的には、比較的簡単な様式で、高い全収率および鏡像体収率で、L−カルニチンを生産する方法を提供することが望ましい。
発明の根底にある課題
本発明の根底にある課題は、L−カルニチンを生産する方法であって、上述した欠点を解決する方法を提供することである。具体的には、その課題は、L−カルニチンを生産するのに効率的かつ簡単な方法を提供することである。
全収率およびキラル収率が高くなければならない。プロセスステップの数は比較的少ないものでなければならず、その方法は複雑な装置を必要としてはならない。全体として、方法は、高い原子効率でなければならず、コストおよび労働効率的でなければならない。使用される化学薬品は、容易に利用可能でなければならず、あまり高価であってはならない。
低刺激性の方法を提供することが本発明の根底にあるさらなる課題であり、この方法は刺激の強い条件および刺激の強い化学薬品を使用しない。環境に影響を及ぼす化学薬品、たとえば有機溶媒もしくは重金属、または従事者の健康に影響を及ぼす可能性があるそれら、たとえば芳香族溶媒は、避けるべきである。除去されなければならないにもかかわらず、産物中に微量の不純物として残り得る重金属触媒は、避けるべきである。具体的には、貴金属、たとえば白金を含めた高価な触媒を使用すべきでない。全体としてのエネルギー入力は、低くあるべきである。具体的には、反応は、比較的低い温度でおよび比較的短い反応時間で実施されるべきである。
驚くべきことに、本発明の根底にある課題は、請求項に記載の方法によって解決される。さらなる発明の態様については、説明の全体にわたって開示される。
本発明の主題は、L−カルニチンを生産する方法であって、4−(ハロメチル)オキセタン−2−オンであるβ−ラクトンがL−カルニチンに変換され、β−ラクトンの(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルへの酵素的変換を含む方法である。
カルニチンは、L−カルニチン((R)−カルニチン、レボカルニチン)である。L−カルニチンは、カルニチンの生理学的に活性な立体異性体である。酵素的変換の反応産物は、酵素的変換が水媒体中またはアルコール中のいずれで実施されるかに応じて、(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸またはそのエステルになる。この中間産物は、その後の反応ステップにおいてL−カルニチンに変換され得る。対応するL−カルニチンに関しては、酸またはエステルのキラル炭素の立体配置は(R)である。したがって、その後のL−カルニチンへの変換は、中間生成物のハロゲン原子を求核置換によってトリメチルアンモニウム基と置きかえることにより、キラリティが影響を受けないまま簡単に実施できる。
本発明の特定の態様おいて、β−ラクトンは、4−(クロロメチル)オキセタン−2−オン、4−(ブロモメチル)オキセタン−2−オンまたは4−(ヨードメチル)オキセタン−2−オンである。4−(クロロメチル)オキセタン−2−オンの使用が好ましい。
好ましくは、酵素は、β−ラクトンの(R)−異性体に対して立体選択的である。換言すれば、好ましくは、酵素は、(R)−ラクトンを、対応する(R)−酸または酸エステルに排他的にまたは少なくとも支配的に変換する。したがって、基質がβ−ラクトンラセミ化合物であるか、または少なくとも(S)−β−ラクトンおよび(R)−ラクトンを含む場合、酵素は、(R)−β−ラクトンを対応する(R)−酸または酸エステルに選択的に変換し、(S)−β−ラクトンは影響を受けないままであるかまたは基本的に影響を受けないままである。したがって、対応する(S)−β−ラクトンは、反応混合物中に残留し、蓄積する。したがって、(R)−酸または酸エステルが、産物中に富化される。さらに、(S)−β−ラクトンが産物中に富化されることになる。水および有機溶媒中での可溶性の違いにより、両方の化合物を互いに分離することができる。β−ラクトンラセミ化合物から出発する場合、理想的な酵素反応は、50モル%(50% Mol−%)の(R)−酸または酸エステル(光学純度100%ee)と、後に混合物から除去される、50モル%の残存している(S)−β−ラクトンとの混合物を生じることになる。
本発明の好ましい態様において、β−ラクトンは、ラセミ化合物である。好ましくは、鏡像異性的に過剰量の(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルが得られる。鏡像体過剰率((S)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸またはエステルに対して)は、好ましくは80%より高く、より好ましくは90%、95%または99%eeより高い。
酵素的変換は、溶媒の存在下で実施される。好ましくは、溶媒は水を含む。水は、1相系または2相系で存在していてもよい。水の存在下で、(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸が得られる。酵素的変換は、そのとき酵素的加水分解である。酵素的加水分解の結果として、(R)−4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸、(R)−4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸または(R)−4−ヨード−3−ヒドロキシ酪酸が得られる。
好ましくは、溶媒は、水のみである。溶媒として水を使用する場合、最初の反応混合物は溶液または懸濁液である。この態様において、反応混合物は、好ましくは1相系であり、この系において水相と液体有機相との間に明瞭な相分離は観察されない。
本発明の好ましい別の態様において、酵素的変換は2相系で実施され、(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸は水相に富化される。2相系において、相対的に無極性のβ−ラクトン基質は、有機相に富化され、一方でイオン性酸の産物は水相に富化される。したがって、反応を終えた後に、相を分離することができ、水相は相対的に高い純度の産物をすでに含んでいる。有機相は任意の溶媒を含んでいてもよく、その中においてβ−ラクトンは高可溶性であり、酸は難溶性である。比較すると、水媒体の1相系は、全体としてより少量の有機溶媒しか必要とせず、したがって、経済上のおよび環境上の理由から有利である。
溶媒の例には、炭化水素、たとえば脂肪族炭化水素(たとえばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンおよびシクロヘキサン(cyclohexcane))、芳香族炭化水素(たとえばトルエンおよびキシレン);ハロゲン化炭化水素(たとえばジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素およびo−ジクロロベンゼン);エーテル(たとえばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル(diisoproyl ether)、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンおよび1,3−ジオキソラン);アミド(たとえばホルムアミド);スルホキシド(たとえばジメチルスルホキシド)がある。
本発明の別の態様において、溶媒は、アルコール、好ましくは1〜5個の炭素原子を含むアルコール、より好ましくはメタノール、エタノールまたはプロパノールである。アルコール中の水非存在下で酵素的変換を実施する場合、産物は直鎖状エステルになる。その後、エステルはL−カルニチンに変換されるときに、脱エステル化される。
本発明の好ましい態様において、酵素的変換の後に、残存しているβ−ラクトンが溶液から除去される。好ましくは、残存しているβ−ラクトンは、溶媒による抽出によって除去される。たとえば、溶液が1相系で実施される場合、残存しているβ−ラクトンは、エステル、たとえば酢酸エチルで、またはヘキサンで抽出されてもよい。好ましくは、比較的少量の溶媒による複数の抽出が実施される。
好ましい態様において、酵素は、ヒドロラーゼ(酵素番号EC3)である。ヒドロラーゼは、加水分解により1つの基質から2つの産物を生じる。好ましくは、ヒドロラーゼはエステラーゼ(EC3.1)またはペプチダーゼ(EC3.4)である。エステラーゼは、エステルを酸とアルコールに加水分解するヒドロラーゼ酵素、たとえばリパーゼである。ペプチダーゼ(プロテアーゼ)は、タンパク質分解(すなわち、ペプチド結合の加水分解)を実行する酵素である。
本発明の好ましい態様において、酵素はリパーゼである。リパーゼは、(R)−β−ラクトンに選択的である。好ましくは、リパーゼは、真菌、酵母または細菌由来である。これは、生物がリパーゼの起源であったことを意味する。しかし、リパーゼは、人工の、特に組換えリパーゼであってもよい。そのようなリパーゼは、たとえば、Novozymes、Amano EnzymeまたはNagaseといった企業から市販されている。
好ましくは、酵素はトリアシルグリセロールリパーゼである。酵素クラス3.1.1.3のそのようなリパーゼは、トリグリセリドの、脂肪酸とグリセリンへの加水分解を触媒する。
多くの場合、真菌、酵母または細菌由来リパーゼは、不活性な前駆体としてin vivoで合成される。これらの前駆体は、プロセッシングされ、分泌される。そのようなリパーゼは、通常、細胞外リパーゼである。N末端ペプチド、たとえばシグナルペプチドまたはプロペプチドを切りはなすことによって、成熟したタンパク質が生成される。本発明によれば、リパーゼは、好ましくは成熟したリパーゼである。換言すれば、好ましくは、活性型である。発明の方法は、好ましくはin vitro法である。
リパーゼは、アミノ酸Ser−His−Aspの触媒三残基を含んでもよい。たとえば、そのようなリパーゼは、酵母、たとえばカンジダ属に見られる。
本発明の好ましい態様において、リパーゼは、カンジダ属、シュードモナス属、アスペルギルス属、バチルス属またはサーモミセス属由来である。リパーゼは、そのようなリパーゼの誘導体であってもよく、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも90%の配列同一性を有するものである。
好ましくは、リパーゼは、カンジダ属、シュードモナス属またはアスペルギルス属由来である。より好ましくは、リパーゼは、シュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)(バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia))、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)またはカンジダ・アンタークティカ(Candida antarctica)由来である。リパーゼは、そのようなリパーゼの誘導体であってもよく、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも90%の配列同一性を有するものである。
誘導体は、アミノ酸置換、欠失、挿入または修飾によって入手可能である。好ましくは、誘導体は、組換えDNA修飾法によって得られる。そのような組換えリパーゼは、それらの天然の前駆体と比較してより高い安定性および効率を有していてもよい。
シュードモナス・セパシア由来リパーゼおよび/またはカンジダ・アンタークティカ由来リパーゼBが、特に好ましい。これらの酵素が、高い全収率および鏡像体収率で、所望の産物を生成することが判明した。
非常に好ましい態様において、酵素は、配列番号1(UniProt identifier P22088[45−364];Joergensen et al.、J.Bacteriol.1991;173、559〜567)のシュードモナス・セパシア由来リパーゼである。成熟タンパク質は、320アミノ酸のタンパク質である。それは、シグナルペプチドおよびプロペプチドを含む364アミノ酸の前駆体から得られる。
別の好ましい態様において、酵素は、配列番号1と異なるアミノ酸配列のシュードモナス・セパシア由来リパーゼである。P.セパシアは、配列番号1と相同性の高いアミノ酸配列を持ついくつかのリパーゼを含む。たとえば、酵素は、P.セパシアアルカリ性リパーゼであってもよい(NCBI受託番号:ABX71757.1;Dalal et al.、J.Biotechnol.Appl.Biochem.2008;51,23〜31)。このアルカリ性リパーゼは、配列番号1のリパーゼと約98%の配列同一性を有する。酵素は、P.セパシアリパーゼであってもよい(Genbank:ABN09945.1;Yang et al.、J.Mol.Catal.,B Enzym.2007;45、91〜96)。このリパーゼは、配列番号1のリパーゼと約92%の配列同一性を有する。
配列番号2(UniProt identifier P41365[26−342])のカンジダ・アンタークティカ由来リパーゼBは、317アミノ酸のタンパク質である。成熟タンパク質は、シグナルペプチドおよびプロペプチドを含む342アミノ酸の前駆体から得られる。
好ましくは、誘導体は、配列番号1のシュードモナス・セパシア由来リパーゼおよび/または配列番号2のカンジダ・アンタークティカ由来リパーゼBからの誘導体であり、配列番号1および/または配列番号2と比較して、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも90%の配列同一性を有するものである。ここで、配列同一性は、好ましくは、標準的なパラメータにしたがってBLASTによって決定される。アミノ酸置換、欠失、挿入または修飾によって取得可能なそのようなリパーゼの誘導体、およびそのような誘導体を得る方法は、当技術分野において公知である。たとえば、触媒活性を増大させたシュードモナス・セパシア由来リパーゼBの誘導体およびその生産方法については、Puech−Guenot et al.、J.Biomol.Screen.2008;13(1)、72〜79に開示されている。触媒活性を増大させたカンジダ・アンタークティカ由来リパーゼBの誘導体およびその生産方法については、Qian et al.、J.Mol.Biol.2009;393;191〜201に開示されている。
本発明の好ましい態様において、酵素的変換は、0℃〜50℃、好ましくは20℃〜40℃、特に約25℃または約30℃の温度で実施される。温度は、使用する特定の酵素を考慮して調整される。
本発明の好ましい態様において、酵素的変換は、0.1〜50重量%のβ−ラクトン、より好ましくは0.1〜10重量%または0.5〜3重量%のβ−ラクトンを含む水溶液中で実施される。
反応は、適切な緩衝液中で実施される。緩衝液は、使用する特定の酵素に適合させる。ほとんどの場合、pHは、およそ中性、たとえば5〜9、または7〜8になる。必要に応じて、pHは、塩基または酸を添加することによって、反応中安定した状態を保つように適合させてもよい。
好ましい態様において、反応混合物は、緩衝液、酵素およびβ−ラクトンから成る。たとえば酵素の安定性または回転率を向上させる添加物、たとえば塩、金属イオンまたは補因子が添加されてもよい。全体として、反応は、数少ない化学薬品しか必要とせず、また比較的簡単な様式で穏やかな温度で実施することができる。
所望の量の酸または酸エステルが得られたら、反応は停止される。反応は、酵素を除去することによって、たとえば濾過によって、停止されてもよい。基質としてのβ−ラクトンラセミ化合物と選択性の高い酵素を使用する場合、50%までのβ−ラクトンが、対応する(R)−酸または(R)−酸エステルに変換されてもよい。除去および単離した後、残りの(S)−β−ラクトンは、他の反応に使用されてもよい。
反応時間は、1〜50時間、好ましくは2〜20時間であってもよい。ある種の酵素を用いると、効率的なターンオーバーを、10時間以内、特に8時間以内に達成できることが判明した。
本発明の開環反応を実施するためのモノハロゲン化β−ラクトンは、当技術分野において公知である。酵素の立体選択性の点を考慮すると、β−ラクトンラセミ化合物を本発明の方法に使用することができる。モノハロゲン化β−ラクトンは、たとえばUS2007/0213524 A1に開示されるように、対応するエポキシドの低圧カルボニル化によって、またはLopez−Lopez、Jose;Tetrahedron Letters 2007、48(10)、1749〜1752に記載のように、ルイス酸と次亜塩素酸塩を使用して不飽和酸から開始することによって得られる。
本発明の好ましい態様において、キラル4−(ハロメチル)オキセタン−2−オンは、触媒存在下での[2+2]環化付加反応によって得られる。本発明の特定の態様において、キラルβ−ラクトンが使用される。これは、本発明の反応において鏡像体収率を向上させ得る。キラルβ−ラクトンは、ケテンとアルデヒドX−CH2−CHO(式中、XはCl、BrおよびIから選択される)との[2+2]環化付加によって得られ、キラル触媒の存在下で、ケテン(エテノン、式C22O)は無色の気体であり、分子内で隣接する2個の二重結合により、反応性が非常に高い。
本発明の好ましい態様において、酵素的変換で得られる4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルは、その後にトリメチルアミン(TMA)を用いてL−カルニチンに変換される。好ましくは、ハロゲン原子は、求核置換反応においてトリメチルアミン基に置換される。塩基の存在下で、TMAをβ−ラクトンと接触させることができる。塩基は、β−ラクトンをTMAと接触させた後に、添加されてもよい。
本発明の方法の好ましい態様において、β−ラクトンは、2ステップ法でL−カルニチンに変換される。第1ステップにおいて、4−(クロロメチル)−2−オキセタノンが酵素的加水分解に供されて、β−ラクトン環が開かれ、4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸が得られる。その後のステップにおいて、この酸、エステルは、トリメチルアミンを用いてL−カルニチンに変換される。
L−カルニチン合成のための本発明の例示的な方法が、以下のスキーム1に示される。本方法は、ケテンと式Cl−CH2−CHOのアルデヒドとの[2+2]環化付加を含む。得られたβ−ラクトンラセミ化合物1は、酵素的な環開裂反応に供されて、対応する(R)−酸2a(水溶媒中)または(R)−エステル2b(アルコール中)を生じる。次いで、酸2aまたはエステル2bは、TMAを用いてL−カルニチンに変換される。
Figure 0006169812
本発明の好ましい態様において、TMAは、本プロセスの間を通じて再利用される。TMAはガス形態で利用可能なので、反応流体を通過させ、回収し、再利用することができる。反応媒体において、溶解したTMAを反応終了後に(たとえば蒸留によって)混合物と分離し、プロセスに再導入することができる。好ましくは、TMAは、循環プロセスの反応経路に再導入される。TMAは、純ガスの形態で(Fluka Chemicals)または10〜40重量%の水溶液の形態で市販されている。反応混合物中のTMAの量は、1〜3当量、好ましくは1〜2.5当量であってもよい。しかし、TMAは、反応を通じて再利用され、反応チャンバーに再導入することができるので、その量および過剰は、金属水酸化物の量より重要でない。
本発明の別の主題は、(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルを生産する方法であって、その方法がβ−ラクトン(これは4−(ハロメチル)オキセタン−2−オンである)の、(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルへの酵素的変換を含む方法である。これらの反応産物は、L−カルニチンの生産に有益な中間生成物である。それらは、簡単な求核置換でL−カルニチンに変換されてよく、そのキラリティは影響を受けないままである。加えて、それらは、他の有機化合物またはL−カルニチン誘導体の合成に使用されてもよい。
本発明の好ましい態様において、酵素的変換における(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸もしくは(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルの全収率は、β−ラクトンの全初期量に対して、40%〜50%である、および/または、(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸もしくは(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルの鏡像体純度は、少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%である。
本発明の方法は、本発明の根底にある問題を解決する。本方法は、比較的簡単かつ経済的であり、数少ないプロセスステップしか必要としない。したがって、副反応が避けられ、全収率および鏡像体収率が高い。酵素的変換は、酵素的分割を使用していてもよいので、β−ラクトンラセミ化合物から出発することが可能になる。したがって、高価なキラル反応物を使用する必要はない。
刺激の強い化学薬品、たとえば重金属触媒も大量の有機溶媒も必要としないので、反応条件は低刺激性である。本方法は、比較的少量の加熱エネルギーしか必要としない。原理的には、添加物として酵素しか必要とせず、酵素は容易に除去でき、一般に無害である。したがって、中間生成物は、食品添加物L−カルニチンの生産に特に適用可能である。
酵素的分割を、1相水性系で実施した。基質は、4−(クロロメチル)オキセタン−2−オンラセミ化合物であり、以下のスキーム2で示すように、(R)−4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸と、残存している(S)−β−ラクトンとの混合物へと変換された。
Figure 0006169812
解析
反応は、Lipodex Eカラム上で、ガスクロマトグラフィー(GC)でモニターされる。4−(クロロメチル)−2−オキセタノン1は、Lipodex Eカラム上で、GCで分析される。4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸2は、キラルな蛍光試薬を使用して誘導体化される。反応混合物は、ODS−カラムと蛍光分析検出を使用するHPLCで分析される。
例1〜5
リン酸カリウム緩衝液5.0mL(0.1M、pH7.5)中に酵素12.5mgを含んだ溶液または懸濁液に、4−(クロロメチル)−2−オキセタノン1 50mgを添加し、反応混合物を30℃で撹拌する。pHを、0.5M KOHを用いて絶えず7.5に調整する。一定の間隔でサンプル200μLを採取し、酢酸エチル400μLで抽出し、濾過し、キラルGCで分析する。(R)−鏡像異性体を完全に加水分解した後、酵素を遠心除去し、反応混合物を、酢酸エチル5.0mLを用いて2回抽出する。(R)−4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸2を水溶液として得る。下記の表1に要約されているように、反応は異なるリパーゼを用いて実施された。変換および鏡像体純度が、表1に示される。(S)−1と(R)−2の両方が、高い鏡像体純度で得られる。30℃での反応時間は、4〜8時間に過ぎなかった。
Figure 0006169812
以下に、本願の出願当初の請求項を実施の態様として付記する。
[1] L−カルニチンを生産する方法であって、4−(ハロメチル)オキセタン−2−オンであるβ−ラクトンがL−カルニチンに変換され、前記方法が、前記β−ラクトンの(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルへの酵素的変換を含む方法。
[2] 前記β−ラクトンがラセミ化合物である、先行する請求項の少なくとも1項に記載の方法。
[3] 鏡像異性的に過剰量の前記(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルが得られる、[2]に記載の方法。
[4] 前記酵素的変換が水媒体中で実施され、(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸が得られる、先行する請求項の少なくとも1項に記載の方法。
[5] 前記酵素的変換が2相溶液中で実施され、(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸が前記水相中に富化される、先行する請求項の少なくとも1項に記載の方法。
[6] 酵素的変換の後、残存しているβ−ラクトンが前記溶液から除去される、先行する請求項の少なくとも1項に記載の方法。
[7] 前記残存しているβ−ラクトンが、溶媒を用いた抽出によって除去される、[6]に記載の方法。
[8] 前記酵素がリパーゼである、先行する請求項の少なくとも1項に記載の方法。
[9] 前記リパーゼが、カンジダ属、シュードモナス属、アスペルギルス属、バチルス属もしくはサーモミセス属由来であるか、または、少なくとも75%、好ましくは少なくとも90%の配列同一性を有するそのようなリパーゼの誘導体である、先行する請求項の少なくとも1項に記載の方法。
[10] 前記リパーゼが、シュードモナス・セパシア、シュードモナス・フルオレッセンス、カンジダ・アンタークティカ由来であり、好ましくは、配列番号1もしくは配列番号2のアミノ酸配列を有するリパーゼ、または、少なくとも75%、好ましくは少なくとも90%の配列同一性を有するそのようなリパーゼの誘導体である、先行する請求項の少なくとも1項に記載の方法。
[11] 前記酵素的変換が、0℃〜50℃、好ましくは20℃〜40℃の温度で実施される、および/または、前記酵素的変換が、0.1〜10重量%のβ−ラクトンを含む水溶液中で実施される、先行する請求項の少なくとも1項に記載の方法。
[12] 前記β−ラクトンが、先行するステップにおける、ケテンと式X−CH 2 −CHO(式中、XはCl、BrおよびIから選択される)のアルデヒドとの[2+2]環化付加において合成される、先行する請求項の少なくとも1項に記載の方法。
[13] 前記酵素的変換で得られる前記4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルが、トリメチルアミンを用いてL−カルニチンに変換される、先行する請求項の少なくとも1項に記載の方法。
[14] 前記酵素的変換における(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸もしくは(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルの全収率が、β−ラクトンの全初期量に対して、40%〜50%である、および/または、前記(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸もしくは(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルの鏡像体純度が、少なくとも90%である、先行する請求項の少なくとも1項に記載の方法。
[15] (R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルを生産する方法であって、前記方法が、4−(ハロメチル)オキセタン−2−オンであるβ−ラクトンの(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルへの酵素的変換を含む方法。

Claims (11)

  1. L−カルニチンを生産する方法であって、4−(ハロメチル)オキセタン−2−オンであるβ−ラクトンがL−カルニチンに変換され、前記方法が、前記β−ラクトンの(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸への酵素的変換を含み、前記酵素的変換が水媒体中のリパーゼにより実施され、前記リパーゼは配列番号1もしくは配列番号2のアミノ酸配列を有し、前記(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸の鏡像体純度は少なくとも95%eeであり、(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸がトリメチルアミンを用いてL−カルニチンに変換される、方法。
  2. 前記β−ラクトンがラセミ化合物である、請求項1に記載の方法。
  3. 鏡像異性的に過剰量の前記(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸が得られる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記酵素的変換が2相溶液中で実施され、(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸が前記水相中に富化される、請求項1に記載の方法。
  5. 酵素的変換の後、残存しているβ−ラクトンが前記溶液から除去される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記残存しているβ−ラクトンが、溶媒を用いた抽出によって除去される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記酵素的変換が、0℃〜50℃で実施される、および/または、前記酵素的変換が、0.1〜10重量%のβ−ラクトンを含む水溶液中で実施される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記酵素的変換が、20℃〜40℃で実施される、および/または、前記酵素的変換が、0.1〜10重量%のβ−ラクトンを含む水溶液中で実施される、請求項に記載の方法。
  9. 前記β−ラクトンが、先行するステップにおける、ケテンと式X−CH2−CHO(式中、XはCl、BrおよびIから選択される)のアルデヒドとの[2+2]環化付加において合成される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記酵素的変換における(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸の全収率が、β−ラクトンの全初期量に対して、40%〜50%である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記β−ラクトンの(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸への酵素的変換の反応時間は、10時間以内である、請求項1に記載の方法。
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