JP6168968B2 - 分光装置、及び、それを備えた共焦点走査型顕微鏡 - Google Patents

分光装置、及び、それを備えた共焦点走査型顕微鏡 Download PDF

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Description

本発明は、分光装置、及び、それを備えた共焦点走査型顕微鏡に関する。
現在、蛍光顕微鏡の分野では、標本からの光を分光して検出することで光の波長情報を取得する分光装置を備えた顕微鏡が主流となってきている。そして、蛍光観察で検出される蛍光は極めて微弱であることから、蛍光顕微鏡に含まれる分光装置には、高い検出効率が求められている。
分光装置では、一般に、1次回折光の回折効率(以降、1次回折効率と記す。)が高くなるように設計された回折格子により分光される。近年では、高い1次回折効率を有する回折格子を採用することで80パーセント程度という高い検出効率を実現する分光装置が開発されている。
また、回折格子の単体性能の向上とは別の観点から、検出効率が高い分光装置を実現する技術も検討されている。例えば、特許文献1では、回折格子で生じる0次回折光を再利用する技術が開示されている。特許文献1に開示されるスペクトル解析ユニットは、回折格子で生じた0次回折光束をミラーで再度回折格子に入射させることで0次回折光束を循環させる構成を有している。
特開2007−286043号公報
ところで、回折格子は入射角に依存して回折効率のピーク波長が変化する特性を有している。従って、蛍光物質などに応じた所望の波長の蛍光を高い効率で検出するためには、分光装置は回折格子を回転させて入射角を変更し得る構成であることが望ましい。
しかしながら、特許文献1に開示されるスペクトル解析ユニットは回折格子を回転させて入射角を変更し得る構成とはなっていないため、所望の波長の光を高い効率で検出することは困難である。
以上のような実情を踏まえ、本発明は、所望の波長の光を高い検出効率で検出することができる分光装置及びそれを備えた共焦点走査型顕微鏡を提供することを課題とする。
本発明の第1の態様は、光を波長毎に分光する反射型の回折素子と、前記回折素子での回折により生じる特定次数の回折光を集光させる集光光学系と、前記特定次数の回折光が前記集光光学系により集光する位置に配置された光検出器と、反射面を有し、光が所定の方向から入射する前記回折素子で生じる0次回折光が入射し且つ前記特定次数の回折光が入射しない位置に前記反射面が前記回折素子の格子面と平行に位置するように配置され、前記0次回折光を反射させて前記回折素子に入射させる反射部材と、を備える分光装置を提供する。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の分光装置において、前記回折素子は、前記回折素子に入射する光の入射角が変化するように、回転自在に配置される分光装置を提供する。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の分光装置において、前記反射部材は、前記回折素子の回転に伴って前記回折素子と同じ方向に同じ角度だけ回転するように回転自在に配置される分光装置を提供する。
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載の分光装置において、前記回折素子は、前記格子面と平行な第1の方向に周期的な構造を有し、前記格子面と平行で且つ前記第1の方向に垂直な方向に回転軸を有する分光装置を提供する。
本発明の第5の態様は、第4の態様に記載の分光装置において、前記回折素子は、前記回折素子に入射する光が前記回転軸と平行な速度成分を有するように配置される分光装置を提供する。
本発明の第6の態様は、第1の態様乃至第5の態様のいずれか1つに記載の分光装置において、さらに、前記回折素子と前記反射部材の間であって、前記回折素子から出射した前記0次回折光が入射し且つ前記反射部材で反射した前記0次回折光が入射する位置に配置されたλ/4板を備える分光装置を提供する。
本発明の第7の態様は、第1の態様乃至第6の態様のいずれか1つに記載の分光装置において、前記回折素子は、前記格子面と平行な第1の方向に周期的な屈折率を有し入射光を回折させる体積ホログラム層と、前記体積ホログラム層の一面に配置された第2の反射部材と、前記体積ホログラム層の他面に配置された光を透過する平行平板と、を備える反射型体積ホログラム回折格子である分光装置を提供する。
本発明の第8の態様は、第1の態様乃至第7の態様のいずれか1つに記載の分光装置において、前記光検出器は、各々が異なる波長帯域の前記特定次数の回折光を検出する、複数の光検出素子を含む分光装置を提供する。
本発明の第9の態様は、第1の態様乃至第8の態様のいずれか1つに記載の分光装置を備える共焦点走査型顕微鏡を提供する。
本発明によれば、所望の波長の光を高い検出効率で検出することができる分光装置及びそれを備えた共焦点走査型顕微鏡を提供することができる。
実施例1に係る共焦点走査型顕微鏡の構成を例示した図である。 実施例1に係る分光装置の構成を例示した図である。 実施例1に係る回折ユニットの平面図である。 実施例1に係る回折素子の作用を説明するための図である。 入射角と回折角との関係を説明するための図である。 実施例2に係る回折ユニットの構成を例示した図である。 実施例2に係る回折ユニットの平面図である。 実施例3に係る回折ユニットの構成を例示した図である。
図1は、本実施例に係る共焦点走査型顕微鏡1の構成を例示した図である。図1に例示される共焦点走査型顕微鏡1は、標本Sからの蛍光を分光して検出する分光装置10を備えた蛍光顕微鏡である。
共焦点走査型顕微鏡1は、照明光路上に、励起光であるレーザ光を出射するレーザ2と、レーザ2から出射されたレーザ光を反射させ標本Sからの蛍光を透過させるダイクロイックミラー3と、レーザ光で標本Sを走査するための走査ユニットであるガルバノミラー4と、レーザ光を標本Sに照射する走査光学系5と、を備えている。
また、共焦点走査型顕微鏡1は、検出光路上に、走査光学系5、ガルバノミラー4、及びダイクロイックミラー3に加えて、ダイクロイックミラー3を透過した蛍光を集光させる共焦点レンズ6と、共焦点ピンホール8が形成された共焦点絞り7と、共焦点ピンホール8を通過した蛍光をコリメートするコリメートレンズ9と、コリメートレンズ9からの蛍光が平行光束として入射する分光装置10と、を備えている。ダイクロイックミラー3、ガルバノミラー4、及び、走査光学系5は、照明光路であり且つ検出光路である共通光路上に設けられている。
共焦点走査型顕微鏡1では、レーザ2から出射したレーザ光は、ダイクロイックミラー3及びガルバノミラー4を介して走査光学系5によって標本Sに照射される。ここで、ガルバノミラー4が走査光学系5の瞳位置(または瞳共役位置)に配置されているため、レーザ光は、標本S上において、ガルバノミラー4でレーザ光が偏向した方向に応じた位置に照射される。従って、ガルバノミラー4の動作を制御することで、レーザ光で標本Sを走査することができる。
レーザ光が照射された標本Sでは、蛍光が発生する。標本Sから生じた蛍光は、走査光学系5及びガルバノミラー4を介して入射するダイクロイックミラー3を透過して、共焦点レンズ6により共焦点絞り7上に集光する。共焦点絞り7には、走査光学系5の前側焦点位置と光学的に共役な位置に共焦点ピンホール8が形成されているため、標本S上または標本S内にある走査光学系5の前側焦点位置から生じた蛍光のみが共焦点ピンホール8を通って共焦点絞り7を通過する。共焦点絞り7を通過した蛍光は、その後コリメートレンズ9によって平行光束に変換されて、分光装置10に入射する。
図2は、本実施例に係る分光装置10の構成を例示した図である。図3は、本実施例に係る分光装置10に含まれる回折ユニット40の平面図である。図2及び図3に示すXYZ座標系は、方向参照の便宜のために設けた直交座標系である。
まず、図2を参照しながら、分光装置10の構成と作用について概説する。
分光装置10は、コリメートレンズ9によって平行光束に変換された光IL(蛍光)を分光して検出する装置である。分光装置10は、図2に例示されるように、入射光を波長毎に分光する反射型の回折素子である反射型体積ホログラム(volume phase holographic、以降、VPHと記す)回折格子20と反射部材であるミラー30とからなる回折ユニット40と、反射型VPH回折格子20での回折により生じる1次回折光を集光させる集光光学系50と、1次回折光が集光光学系50により集光する位置に配置された各々が異なる波長帯域の1次回折光を検出する複数の光検出素子61を含む光検出器60と、を備えている。
以上のように構成された分光装置10では、平行光束として分光装置10に入射した光ILは、まず、回折ユニット40に入射する。回折ユニット40に入射した光ILは、回折ユニット40で回折し、0次回折光L0と各次数の回折光とに分離され、回折ユニット40から出射する。このとき、各次数の回折光は、波長毎に異なる角度で反射型VPH回折格子20から出射される。なお、図2では、0次回折光L0、赤の1次回折光L1r、青の1次回折光L1bのみが図示されている。回折ユニット40から出射した1次回折光(1次回折光L1r、1次回折光L1b)は、その光路上に配置された集光光学系50に波長毎に異なる角度で入射し、集光光学系50の焦点面に配置された光検出器60に波長毎に集光する。これにより、1次回折光が波長帯域毎に異なる光検出素子61で検出され、光ILの波長情報が得られる。
次に、図2及び図3を参照しながら、分光装置10に含まれる回折ユニット40の構成と作用について更に詳細に説明する。
回折ユニット40は、反射型VPH回折格子20とミラー30から構成されている。
反射型VPH回折格子20は、3層構造を有していて、所定の方向から反射型VPH回折格子20に平行光束として入射する光ILを回折させる透過型のVPH層21と、VPH層21と接触してVPH層21の一面に配置される反射部材であるミラー22と、VPH層21と接触してVPH層21の他面に配置される保護ガラス23と、を含んでいる。反射型VPH回折格子20は、ミラー22と保護ガラス23でVPH層21を挟み込むように構成されていて、光ILの入射側から、保護ガラス23、VPH層21、ミラー22が、順に配置されている。
VPH層21は、Y方向に一定の厚さを有し、X方向に対して周期的に異なる屈折率を有している。この構造により、VPH層21は、X方向に特定の波長分散特性を有し、入射する光ILをX方向に分光して波長毎に異なる方向に出射させることができる。より詳細には、VPH層21は、光ILを回折し、X方向を法線とする平面に対して波長毎に異なる角度で回折光を出射する。以降では、X方向のことを必要に応じて格子方向と記し、VPH層21の面であって格子方向と平行な面(本実施例ではXZ平面)を格子面と記す。
なお、VPH層21は、従来の透過型VPH回折格子のVPH層と基本的には同様のものである。ただし、VPH層21の厚さ(つまり、Y方向の幅)は、従来の透過型VPH回折格子のVPH層の厚さの半分程度でよい。これは、VPH層21へ入射した光は、後述するようにミラー22で反射してVPH層21を往復することになるからである。
ミラー22は、VPH層21と接触している平面を反射面とする反射部材である。以降では、同じく反射部材であるミラー30と区別するために、必要に応じてミラー22を第2の反射部材とも記す。
保護ガラス23は、VPH層21を保護する保護部材であり、光(少なくとも検出対象とする波長の光)を透過する平行平板である。保護ガラス23の表面には、反射防止膜が形成されてもよい。
ミラー30は、反射型VPH回折格子20で生じた反射型VPH回折格子20から出射する0次回折光L0を反射させて、反射型VPH回折格子20に再度入射させるための反射部材である。ミラー30は、反射面31が保護ガラス23の表面に接触するように配置されていて、保護ガラス23に固定されている。このため、反射面31は、反射型VPH回折格子20の格子面と平行である。
なお、図3に示すように、反射面31が、反射型VPH回折格子20(VPH層21)で生じる0次回折光L0が入射し且つ1次回折光が入射しない位置に、反射型VPH回折格子20(VPH層21)の格子面(XZ平面)と平行に位置するように、ミラー30は、保護ガラス23の表面の一部分に配置される。
さらに、反射型VPH回折格子20は、所定の方向から反射型VPH回折格子20に入射する光ILの入射角が変化するように、回転自在に配置されている。より詳細には、反射型VPH回折格子20は、格子面(XZ平面)と平行で且つ格子方向(X方向)に垂直な方向であるZ方向に回転軸ARを有し、Z方向と平行な回転軸ARに対して回転自在に配置されている。
また、ミラー30は、反射型VPH回折格子20(保護ガラス23)に固定されているため、分光装置10内において、反射型VPH回折格子20の回転に伴って反射型VPH回折格子20と同じ方向に同じ角度だけ回転するように回転自在に配置されている。つまり、回折ユニット40では、反射型VPH回折格子20の回転(向き)によらず、反射面31と格子面の平行な位置関係は維持される。また、反射型VPH回折格子20は、分光装置10内において、反射型VPH回折格子20に入射する光ILが回転軸ARと平行な速度成分(Z方向成分)を有するよう配置されている。つまり、光ILが回転軸ARを法線とする平面と平行にならないように配置されている。
以上のように構成された回折ユニット40では、平行光束として回折ユニット40に入射した光ILは、保護ガラス23に入射し、保護ガラス23を透過して入射するVPH層21で回折する。
VPH層21で回折された1次回折光は、VPH層21を透過してミラー22に向けて出射されるが直ぐにミラー22で正反射される。このため、図4に示すように、反射型VPH回折格子20により得られる1次回折光(1次回折光L1r、1次回折光L1b)は、VPH層21の波長分散特性によって定まる出射方向とは、ミラー22の反射面に対して対称な方向に進行する。その後、ミラー22で反射した1次回折光は、VPH層21及び保護ガラス23を透過して波長毎に異なる角度で集光光学系50へ向けて出射する。
VPH層21で回折しなかった光、つまり、VPH層21での回折により生じた0次回折光L0は、VPH層21を直進する。その後、ミラー22の反射面とミラー30の反射面でそれぞれ正反射し、再びVPH層21に入射する。このとき、格子面、ミラー22の反射面、ミラー30の反射面31は平行であるので、VPH層21に再入射する0次回折光L0は、光ILと同じ角度でVPH層21に入射する。このため、再入射した0次回折光L0がVPH層21で回折することにより生じた1次回折光は、光ILがVPH層21で回折することによって生じた1次回折光と、波長毎に同じ角度で回折ユニット40から集光光学系50へ向けて出射する。なお、再入射によっても回折しなかった0次回折光L0は、ミラー22の反射面で正反射し、集光光学系50から逸れた方向に回折ユニット40から出射する。
従って、本実施例に係る分光装置10及び共焦点走査型顕微鏡1では、光ILがVPH層21で回折することによって生じた1次回折光と再入射した0次回折光L0がVPH層21で回折することにより生じた1次回折光は、集光光学系50により波長毎に同じ光検出素子61に集光し、検出される。このため、分光装置10及び共焦点走査型顕微鏡1によれば、回折ユニット40がVPH層21が有する回折効率以上の効率で1次回折光を集光光学系50へ導くことができるため、1次回折光を高い検出効率で検出することができる。
また、反射型VPH回折格子20には保護ガラス23が設けられているため、保護ガラス23とVPH層21の界面で正反射が生じることがある。ただし、この界面で正反射した反射光は、0次回折光L0と同様にミラー30の反射面31で反射され、VPH層21に入射する。このため、界面で正反射した反射光の一部を1次回折光として検出することができる。このことは、1次回折光の検出効率の向上に寄与する。
なお、図5に示すように、θをVPH層21の格子面の法線NLと光ILのなす角である入射角、βを1次回折光L1の回折角とし、さらに、λを1次回折光L1の波長、NをVPH層21の格子定数とするとき、VPH層21の波長分散特性によって定まる波長毎の1次回折光の出射方向は、式(1)によって算出することができる。また、波長λpの1次回折光の効率が最大となる入射角θ1は、式(2)によって算出することができる。
sinθ+sinβ=Nλ ・・・(1)
sinθ1=Nλp/2 ・・・(2)
回折ユニット40から出射する1次回折光L1の方向は、ミラー22での正反射の影響により、図5の回折角βで示す1次回折光L1の出射方向とはVPH層21(格子面)に対して対称な方向となる。このため、図5に示す第1領域から光ILが入射した場合であれば、1次回折光L1は第1領域へ出射する。これに対して、0次回折光L0はミラー22での正反射によって図5に示す第4領域へ出射する。従って、本実施例に係る分光装置10及び共焦点走査型顕微鏡1では、1次回折光L1と0次回折光L0が大きく異なる方向に出射するため、0次回折光L0が1次回折光L1とともに検出されないような構成を容易に実現することができる。
また、図3に示すように、光ILが回転軸ARと平行な速度成分を有するように、回折ユニット40が配置されている。このため、本実施例に係る分光装置10及び共焦点走査型顕微鏡1によれば、光ILと1次回折光を回転軸ARと平行な方向に分離することができるため、集光光学系50が光ILに作用しないような構成を容易に実現することができる。
さらに、本実施例に係る分光装置10及び共焦点走査型顕微鏡1では、回折ユニット40を回転軸ARに対して回転させることで、最大の回折効率を有する1次回折光の波長を調整することができる。また、反射面31と格子面の平行関係が常に維持されるため、回折ユニット40の回転(向き)によらず0次回折光L0を光ILと同じ入射角でVPH層21に再入射させることができる。従って、本実施例に係る分光装置10及び共焦点走査型顕微鏡1によれば、所望の波長の光を高い検出効率で検出することができる。
図6は、本実施例に係る回折ユニット80の構成を例示した図である。図7は、本実施例に係る回折ユニット80の平面図である。図6及び図7に示すXYZ座標系は、方向参照の便宜のために設けた直交座標系である。なお、本実施例に係る共焦点走査型顕微鏡及び分光装置は、回折ユニット40の代わりに回折ユニット80を含む点を除き、実施例1に係る共焦点走査型顕微鏡1及び分光装置10と同様である。
本実施例に係る回折ユニット80の構成は、ミラー30の代わりにミラー70を備える点が、実施例1に係る回折ユニット40の構成と異なっている。その他の構成は、実施例に係る回折ユニット40と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
ミラー70は、ミラー30と同様に、反射型VPH回折格子20で生じた反射型VPH回折格子20から出射する0次回折光を反射させて、反射型VPH回折格子20に再度入射させるための反射部材である。また、ミラー70は、反射面31が保護ガラス23の表面に接触するように配置されていて保護ガラス23に固定されている点、保護ガラス23の表面の一部分に配置される点、反射面71がVPH層21で生じる0次回折光が入射し且つ1次回折光が入射しない位置にVPH層21の格子面(XZ平面)と平行に位置するように配置される点についても、ミラー30と同様である。
ミラー70は、図6及び図7に示されるように、VPH層21で生じた0次回折光L0がミラー70の反射面71に複数回(ここでは、2回)入射するように構成されている点が、ミラー30と異なっている。より具体的には、0次回折光L0がミラー70に複数回入射し且つ1次回折光がミラー70で遮られないように、ミラー70は、XZ平面に投影された光ILと平行な辺を有している。
以上のように構成された回折ユニット80を備えた分光装置及び共焦点走査型顕微鏡によれば、実施例1に係る分光装置10及び共焦点走査型顕微鏡1よりも、更に高い検出効率で1次回折光を検出することができる。なお、この他の効果については、実施例1に係る分光装置10及び共焦点走査型顕微鏡1と同様である。
図8は、本実施例に係る回折ユニット100の構成を例示した図である。図8に示すXYZ座標系は、方向参照の便宜のために設けた直交座標系である。なお、本実施例に係る共焦点走査型顕微鏡及び分光装置は、回折ユニット40の代わりに回折ユニット100を含む点を除き、実施例1に係る共焦点走査型顕微鏡1及び分光装置10と同様である。
本実施例に係る回折ユニット100の構成は、反射型VPH回折格子20とミラー30と間にλ/4板90を備える点が、実施例1に係る回折ユニット40の構成と異なっている。その他の構成は、実施例1に係る回折ユニット40と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
なお、λ/4板90は、反射型VPH回折格子20(VPH層21)で生じる0次回折光L0が入射し且つ1次回折光が入射しない位置に配置されている点は、ミラー30と同様である。また、図8において、ミラー30と反射型VPH回折格子20は離間して配置されているが、格子面と反射面31の平行関係が維持されるように、ミラー30は反射型VPH回折格子20と同じ方向に同じ回転角度だけ回転するように構成されている。
ところで、回折素子は、一般に偏光方向によって異なる回折効率を有し、S偏光に対してP偏光よりも高い回折効率を有する。一方で、蛍光顕微鏡が検出する蛍光は、ランダム偏光であり、様々な偏光方向の光が含まれる。これらのことを考慮すると、蛍光である光ILが入射する本実施例に係る分光装置では、VPH層21で回折することなく反射型VPH回折格子20から出射する0次回折光L0はP偏光をより多く含むと考えられる。
回折ユニット100では、VPH層21で生じた0次回折光L0は、反射面31で反射し再度VPH層21に入射するが、VPH層21に再入射するまでにλ/4板90を2回通過し180度位相が変化する。このため、VPH層21に再入射する際には、0次回折光L0はS偏光をより多く含むことになる。従って、再入射時の回折効率が最初に入射したときの回折効率に比べて向上することになる。
以上のように構成された回折ユニット100を備えた本実施例に係る分光装置及び共焦点走査型顕微鏡によれば、再入射時の回折効率が改善されるため、実施例1に係る分光装置10及び共焦点走査型顕微鏡1よりも、更に高い検出効率で1次回折光を検出することができる。
また、本実施例に係る分光装置及び共焦点走査型顕微鏡によれば、保護ガラス23の表面と反射面31が離間している。このため、保護ガラス23とVPH層21の界面で正反射した反射光に加えて、保護ガラス23の表面で正反射した反射光もミラー30に入射させることができる。これにより、保護ガラス23の両面で生じた正反射光をVPH層21に入射させてその一部を1次回折光として検出することができる。この点も、実施例1に係る分光装置10及び共焦点走査型顕微鏡1よりも高い検出効率の実現に寄与する。
なお、この他の効果については、実施例1に係る分光装置10及び共焦点走査型顕微鏡1と同様である。
上述した実施例は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。分光装置及び共焦点走査型顕微鏡は、特許請求の範囲により規定される本発明の思想を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
例えば、共焦点走査型顕微鏡は、蛍光標本を観察対象とする蛍光顕微鏡に限られず、波長情報を取得する任意の顕微鏡であってもよい。また、検出対象とする回折光として1次回折光を例示したが、他の次数の回折光を検出してもよい。また、回折素子として反射型VPH回折格子20を例示したが、回折素子は、格子面と平行な格子方向に周期的な構造を有する回折格子であればよく、例えば、ブレーズド型の回折格子や格子型の回折格子であってもよい。特に、反射型の回折格子であることが望ましいが、これは、反射型の回折格子であれば、回折する前に生じる正反射光(例えば、保護ガラス23の両面で生じる正反射光)が0次回折光と同じ方向に出射されるためである。正反射光と0次回折光が同じ方向に出射されるので、共通の反射部材で回折格子に再入射させることができる。
1 ・・・共焦点走査型顕微鏡
2 ・・・レーザ
3 ・・・ダイクロイックミラー
4 ・・・ガルバノミラー
5 ・・・走査光学系
6 ・・・共焦点レンズ
7 ・・・共焦点絞り
8 ・・・共焦点ピンホール
9 ・・・コリメートレンズ
10 ・・・分光装置
20 ・・・反射型VPH回折格子
21 ・・・VPH層
22、30、70 ・・・ミラー
23 ・・・保護ガラス
31、71 ・・・反射面
40、80、100 ・・・回折ユニット
50 ・・・集光光学系
60 ・・・光検出器
61 ・・・光検出素子
90 ・・・λ/4板
S ・・・標本
IL ・・・光
L0 ・・・0次回折光
L1、L1b、L1r・・・1次回折光
AR ・・・回転軸

Claims (9)

  1. 光を波長毎に分光する反射型の回折素子と、
    前記回折素子での回折により生じる特定次数の回折光を集光させる集光光学系と、
    前記特定次数の回折光が前記集光光学系により集光する位置に配置された光検出器と、
    反射面を有し、光が所定の方向から入射する前記回折素子で生じる0次回折光が入射し且つ前記特定次数の回折光が入射しない位置に前記反射面が前記回折素子の格子面と平行に位置するように配置され、前記0次回折光を反射させて前記回折素子に入射させる反射部材と、を備える
    ことを特徴とする分光装置。
  2. 請求項1に記載の分光装置において、
    前記回折素子は、前記回折素子に入射する光の入射角が変化するように、回転自在に配置される
    ことを特徴とする分光装置。
  3. 請求項2に記載の分光装置において、
    前記反射部材は、前記回折素子の回転に伴って前記回折素子と同じ方向に同じ角度だけ回転するように回転自在に配置される
    ことを特徴とする分光装置。
  4. 請求項3に記載の分光装置において、
    前記回折素子は、
    前記格子面と平行な第1の方向に周期的な構造を有し、
    前記格子面と平行で且つ前記第1の方向に垂直な方向に回転軸を有する
    ことを特徴とする分光装置。
  5. 請求項4に記載の分光装置において、
    前記回折素子は、前記回折素子に入射する光が前記回転軸と平行な速度成分を有するように配置される
    ことを特徴とする分光装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の分光装置において、さらに、
    前記回折素子と前記反射部材の間であって、前記回折素子から出射した前記0次回折光が入射し且つ前記反射部材で反射した前記0次回折光が入射する位置に配置されたλ/4板を備える
    ことを特徴とする分光装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の分光装置において、
    前記回折素子は、前記格子面と平行な第1の方向に周期的な屈折率を有し入射光を回折させる体積ホログラム層と、前記体積ホログラム層の一面に配置された第2の反射部材と、前記体積ホログラム層の他面に配置された光を透過する平行平板と、を備える反射型体積ホログラム回折格子である
    ことを特徴とする分光装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の分光装置において、
    前記光検出器は、各々が異なる波長帯域の前記特定次数の回折光を検出する、複数の光検出素子を含む
    ことを特徴とする分光装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の分光装置を備える
    ことを特徴とする共焦点走査型顕微鏡。
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