JP6167841B2 - 医用画像処理装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、医用画像処理装置及びプログラムに関する。
胸部の診断においては、過去に撮影された胸部X線画像と現在の胸部X線画像とを比較する、所謂比較読影が行われている。
この比較読影を支援するために、コンピューターによって、過去に撮影された画像と現在の画像の間の差分をとることで、経時変化のない正常な構造物を減弱し、異常陰影のように経時変化のあった部分を強調させた差分画像を生成する技術が知られている。
しかしながら、胸部X線画像は、3次元の人体胸部を2次元で投影したものである。そのため、撮影時に、正しい体勢である図15(a)に対し、図15(b)に示す被写体の前傾、後傾、体軸周りの回転や、図16に示すX線源の位置のずれ(斜入)が生じると、2つの画像の肺野内で骨、血管、その他構造物の位置関係がずれた状態で画像に投影されてしまう。特に、開業医等の小規模な医療施設においては、集団検診のような固定された部位を撮影するわけではないためX線源を動かすことが多く、また、専門の撮影技師の不在によりポジショニングがばらつくことがあり、上述の構造物の位置関係のずれが起こりやすい。2つの画像において肺野内の構造物の位置関係がずれている場合、単に差分をとるだけでは正常な構造も描出されてしまい、アーチファクトとなる。
従来、2画像間の位置ずれを補正するために、例えば、特許文献1に記載のように、ローカルマッチング処理及びワーピング処理等によって両画像の位置合わせを行ってから差分をとることが行われている。
ローカルマッチング処理は、2画像間で対応する位置を求める処理である。具体的には、何れか一方の画像の肺野領域内に複数の小領域(テンプレートROIという)を設定し、他方の画像の肺野領域の探索領域(探索ROIという)内にテンプレートROIと比較する対象領域を設定して移動させながらテンプレートROIと各対象領域との相互相関値を求め、最も相互相関値が高い対象領域の位置をテンプレートROIに対応する位置として選択する。そして、テンプレートROIと対応位置のずれを示す移動量ベクトルを求め、求めた移動量ベクトルをn次の多項式で近似(多項式フィッティング)することで各画素の移動量ベクトルを算出し、各画素の移動量ベクトルに基づいて何れか一方の画像にワーピング処理を施して、2画像の位置合わせを行う。
比較する2画像における構造物の位置関係のずれがない場合は、ローカルマッチング処理で正しい対応位置が見つかりやすく、各構造物に合った位置合わせができる。しかし、上述のような構造物の位置関係のずれが生じた2画像においては、何れの構造物にも合わない位置合わせが行われてしまい、差分画像に全体的に正常構造が描出されてしまい、医師にとって非常に読影しづらいものとなっていた。
そこで、例えば、特許文献2には、テンプレートROIと探索ROIの周辺領域に対応する画像データに基づいて探索ROI内の位置に重み係数を算出し、この重み係数と相互相関係数の積が最大の位置をテンプレートROIの対応位置として決定することが記載されている。
特開2005−176402号公報 特開2007−75150号公報
特許文献2に記載の技術によれば、被写体に類似のパターンが多く存在するような場合のローカルマッチング処理の精度低下を抑制することができる。しかしながら、特許文献2に記載の技術は、周囲のテンプレートROIの移動量ベクトルを考慮したものではない。そのため、移動量ベクトルの方向にばらつきが生じ、フィッティングの結果が何れの構造物のエッジにも合わないものとなってしまう可能性がある。このような場合、画像中の肺野領域の広い範囲を占める主成分の構造物、例えば、後方肋骨が減弱されずに残ってしまい、アーチファクトの多い読影のしづらい差分画像となってしまう。
本発明の課題は、撮影時に被写体の前傾・後傾、体軸周りの回転、X線の斜入等が生じたことにより比較する2画像内の構造物の位置関係がずれていても、画像の主成分となる正常な構造物によるアーチファクトが低減された読影のしやすい差分画像を提供できるようにすることである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の医用画像処理装置は、
同一被写体を異なる時点で撮影することにより得られた第1画像と第2画像とを入力する入力手段と、
前記第1画像に複数の小領域を設定するとともに、前記第1画像の小領域毎に、前記第2画像内で前記小領域と比較する対象領域を設定して移動させながら当該小領域と各対象領域との相互相関値を算出し、前記小領域の位置と前記相互相関値が最も大きくなった対象領域の位置とのずれを示すベクトルを算出するベクトル算出手段と、
前記第1画像の小領域毎に、当該小領域の位置と前記各対象領域の位置とのずれを示すベクトルと当該小領域から予め定められた範囲にある周囲の小領域において前記ベクトル算出手段により算出されたベクトルの和との内積相関値を算出し、当該小領域と各対象領域との間で算出された前記相互相関値及び前記内積相関値に基づいて前記第2画像において当該小領域に対応する対象領域を特定し、前記小領域の位置と前記特定された対象領域の位置とのずれを示す移動量ベクトルを算出する移動量ベクトル算出手段と、
前記各小領域について算出された移動量ベクトルに基づいて前記第1画像又は前記第2画像の何れかを変形することにより前記第1画像と前記第2画像における位置合わせを行う位置合わせ手段と、
前記位置合わせされた第1画像と第2画像の差分画像を生成する差分画像生成手段と、
を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記移動量ベクトル算出手段は、前記相互相関値及び前記内積相関値のそれぞれに所定の重み係数を乗算して足し合わせた値が最も大きくなった対象領域を前記第2画像における前記小領域に対応する対象領域として特定する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記内積相関値の重み係数の割合は、前記相互相関値の重み係数と前記内積相関値の重み係数の合計を1とした場合、0.05〜0.2である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記第1画像及び前記第2画像は、胸部X線画像である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、
前記周囲の小領域の範囲のサイズは、前記第1画像及び前記第2画像における片肺野の領域内のサイズであって、縦の長さが前記片肺野の縦の長さの半分以上である。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、
前記第1画像及び前記第2画像における骨の領域を認識し、認識した領域の濃度を減弱する減弱処理手段を備え、
前記ベクトル算出手段及び前記移動量ベクトル算出手段は、前記減弱処理手段により骨の領域の濃度が減弱された前記第1画像及び前記第2画像に基づいて前記ベクトル及び前記移動量ベクトルの算出を行う。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、
前記位置合わせ手段は、前記減弱処理手段により骨の領域の濃度が減弱された前記第1画像及び前記第2画像を用いて位置合わせを行い、
前記差分画像生成手段は、前記位置合わせされた前記第1画像及び前記第2画像を用いて差分画像を生成する。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の発明において、
前記差分画像を表示する表示手段を備える。
請求項9に記載の発明のプログラムは、
コンピューターを、
同一被写体を異なる時点で撮影することにより得られた第1画像と第2画像とを入力する入力手段、
前記第1画像に複数の小領域を設定するとともに、前記第1画像の小領域毎に、前記第2画像内で前記小領域と比較する対象領域を設定して移動させながら当該小領域と各対象領域との相互相関値を算出し、前記小領域の位置と前記相互相関値が最も大きくなった対象領域の位置とのずれを示すベクトルを算出するベクトル算出手段、
前記第1画像の小領域毎に、当該小領域の位置と前記各対象領域の位置とのずれを示すベクトルと当該小領域から予め定められた範囲にある周囲の小領域において前記ベクトル算出手段により算出されたベクトルの和との内積相関値を算出し、当該小領域と各対象領域との間で算出された前記相互相関値及び前記内積相関値に基づいて前記第2画像において当該小領域に対応する対象領域を特定し、前記小領域の位置と前記特定された対象領域の位置とのずれを示す移動量ベクトルを算出する移動量ベクトル算出手段、
前記各小領域について算出された移動量ベクトルに基づいて前記第1画像又は前記第2画像の何れかを変形することにより前記第1画像と前記第2画像における位置合わせを行う位置合わせ手段、
前記位置合わせされた第1画像と第2画像の差分画像を生成する差分画像生成手段、
として機能させる。
本発明によれば、撮影時に被写体の前傾・後傾、体軸周りの回転、X線の斜入等が生じたことにより比較する2画像内の構造物の位置関係がずれていても、画像の主成分となる正常な構造物によるアーチファクトが低減された読影のしやすい差分画像を提供することが可能となる。
本実施形態に係るX線画像システムの全体構成を示す図である。 図1の医用画像処理装置の機能的構成を示すブロック図である。 図1の制御部により実行される差分画像生成処理を示すフローチャートである。 (a)は、胸部X線画像の現在画像、(b)は、同一被写体の過去画像、(c)は、(a)、(b)を用いて従来の手法による位置合わせ後に生成された差分画像を模式的に示す図である。 (a)は、前後傾、体軸回転、斜入等がない状態でX線撮影された胸部ファントムの画像、(b)は、(a)と同一の胸部ファントムを12°前傾させてX線撮影した画像である。 図5(a)、(b)に示す互いに構造物の位置関係がずれた2画像に対して従来のローカルマッチング処理を行ったときのA−A´位置における移動量ベクトルのy座標移動量及びy座標移動量の多項式フィッティングの結果を示すグラフである。 相互相関値の重み係数a、内積相関値の重み係数bの比を変化させたときの差分画像の目視評価結果を示すグラフである。 周囲ベクトルの和を算出する領域を規定するフィルターサイズを変化させたときの差分画像の目視評価結果を示すグラフである。 図5(a)、(b)に示す互いの構造物の位置関係がずれた2画像に対して本実施形態のローカルマッチング処理を行ったときのA−A´位置における移動量ベクトルのy座標移動量及びy座標移動量の多項式フィッティングの結果を示すグラフである。 本実施形態において生成される差分画像を模式的に示す図である。 (a)は、従来の手法で生成された差分画像、(b)は、本実施形態の手法により生成した差分画像である。 本実施形態におけるローカルマッチング処理〜多項式フィッティングにBS処理を行った現在画像及び過去画像を用いた場合に生成される差分画像を模式的に示す図である。 本実施形態におけるローカルマッチング処理〜差分画像生成にBS処理を行った現在画像及び過去画像を用いた場合に生成される差分画像を模式的に示す図である。 図5(a)、(b)に示す互いの構造物の位置関係がずれた2画像に対してBS処理を施して本実施形態における差分画像生成処理を行ったときに生成された差分画像である。 (a)は、正常な体勢での撮影を示す図、(b)は、前傾が生じた撮影を示す図である。 斜入が生じた撮影を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
[X線画像システム100の構成]
まず、構成を説明する。
図1に、第1の実施形態に係るX線画像システム100を示す。X線画像システム100は、開業医やクリニック等の比較的小規模の医療施設に適用されるシステムであり、X線撮影装置1と医用画像処理装置2とが、例えば、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNによりデータ送受信可能に接続されて構成されている。
X線撮影装置1は、FPD(Flat Panel Detector)装置、CR(Computed Radiography)装置等により構成される。X線撮影装置1は、X線源とX線検出器(FPDやCRカセッテ)を有し、これらの間に配置された被写体にX線を照射し、被写体を透過したX線を検出してデジタルの医用画像を生成し、医用画像処理装置2に出力する。なお、医用画像には、患者情報、撮影部位(被写体部位)、撮影日等が対応付けられて医用画像処理装置2に出力される。
医用画像処理装置2は、X線撮影装置1から入力された医用画像に各種処理を施して読影用に表示する装置である。医用画像処理装置2は、図2に示すように、制御部21、RAM22、記憶部23、操作部24、表示部25、通信部26等を備えて構成されており、各部はバス27により接続されている。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、記憶部23に
記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAM22に展開し、展開されたプログラムに従って後述する差分画像生成処理をはじめとする各種処理を実行することで、ベクトル算出手段、移動量ベクトル算出手段、位置合わせ手段、差分画像生成手段、減弱処理手段として機能する。
RAM22は、制御部21により実行制御される各種処理において、記憶部23から読み出された制御部21で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメーター等の一時的に記憶するワークエリアを形成する。
記憶部23は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリー等により構成される。記憶部23には、前述のように各種プログラムやプログラムの実行に必要なデータが記憶されている。また、記憶部23には、X線撮影装置1から入力された医用画像及び医用画像処理装置2において生成された差分画像等を患者情報、撮影部位、日付等に対応付けて記憶する画像DB231が設けられている。
操作部24は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部21に出力する。
表示部25は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
通信部26は、ネットワークインターフェース等により構成され、スイッチングハブを介して通信ネットワークNに接続されたX線撮影装置1をはじめとする外部機器との間でデータの送受信を行う。通信部26は、入力手段として機能する。
[X線画像システム100の動作]
次に、X線画像システム100の動作について説明する。
まず、X線撮影装置1において被写体の撮影が行われる。このとき、X線源とX線検出器とが対向する位置となるようにX線源やX線検出器の位置が調整されるとともに、これらの間に被写体部位がポジショニングされて撮影が行われる。被写体部位が胸部である場合は、X線源とX線検出器との間に、被写体の背側がX線源側を向くようにしてポジショニングが行われ、X線撮影が行われる。撮影により得られた医用画像には、患者情報、撮影部位、撮影日時等が付帯情報として対応付けられて通信ネットワークNを介して医用画像処理装置2に送信される。
医用画像処理装置2においては、通信部26によりX線撮影装置1からの医用画像が受信されると、制御部21により、受信された医用画像が患者情報、撮影部位、撮影日時等と対応付けられて画像DB231に記憶されるとともに、表示部25に表示される。受信された医用画像の撮影部位が胸部である場合には、表示部25に受信された医用画像(現在画像という)と併せて差分画像を表示することを指示するための差分画像表示ボタン(図示せず)が表示される。操作部24により差分画像表示ボタンが押下されると、制御部21により、同一患者の胸部の過去画像を選択するための選択欄が表示部25に表示され、操作部24により過去画像が選択されると、制御部21により、画像DB231から選択された過去画像が読み出されるとともに、以下に説明する差分画像生成処理が実行され、現在画像(第1画像)と選択された過去画像(第2画像)の差分画像が生成される。
図3に、制御部21により実行される差分画像生成処理のフローチャートを示す。差分画像生成処理は、制御部21と記憶部23に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、制御部21は、選択された過去画像を処理対象としてRAM22に入力し(ステップS1)、過去画像に対して前処理を行う(ステップS2)。同様に、制御部21は、現在画像を処理対象としてRAM22に入力し(ステップS3)、現在画像に対して前処理を行う(ステップS4)。
前処理としては、例えば、特開2005−176462号公報に記載のように、非線形濃度補正、マトリクスサイズリダクション、コントラスト強調、及び/又はエッジぼかし等の処理が行われる。
次いで、制御部21は、グローバルマッチング処理を行って、現在画像と過去画像の肺野領域の大局的な位置合わせを行う(ステップS5)。
グローバルマッチング処理は、特開2004−164298号公報に記載されているように、公知の画像処理技術である。グローバルマッチング処理においては、まず、現在画像と過去画像のそれぞれにおいて、肺野領域を抽出する。肺野領域の抽出は、例えば、米国特許第4851954号明細書に記載されているような公知の画像解析技術によって抽出することができる。次いで、肺野(胸郭)の輪郭上において、特徴となる複数組の対応点を求め、対応点間のずれを示すシフトベクトル(移動量ベクトル)を計算する。次いで、現在画像又は過去画像の一方(ここでは過去画像とする)をシフトベクトルに基づいてアフィン変換する。これにより、一方の画像の被写体領域である肺野領域が他方の画像の肺野領域に大局的に位置合わせされる。
次いで、制御部21は、現在画像の肺野領域において、縦横方向に均等な間隔で、多数の小領域(テンプレートROI)を設定する(ステップS6)。また、制御部21は、過去画像の肺野領域において、縦横方向に均等な間隔で、各テンプレートROIに対応する多数の探索領域(探索ROI)を設定する(ステップS7)。なお、探索ROIのサイズは、テンプレートROIよりも大きい。
次いで、制御部21は、現在画像及び過去画像を入力画像として、相互相関値及び周囲ベクトルの和との内積相関値を用いたローカルマッチング処理を実行する(ステップS8)。
ここで、被写体の前後傾、体軸周りの回転、X線の斜入等が少なくとも一方の画像の撮影時に発生し、現在画像と過去画像における肺野内の構造物(例えば、前方肋骨、後方肋骨、血管及び気管支、鎖骨、心臓等の解剖学的構造物)の位置関係がずれている場合、従来のローカルマッチング処理(各テンプレートROIの対応位置の選択(特定)に相互相関値のみを用いるローカルマッチング処理)及びワーピング処理により位置合わせを行ってもいずれの構造物にも合わせることができずに差分画像に正常な構造物が残ってしまうという問題があった。
図4(a)に、胸部X線画像の現在画像、図4(b)に、同一被写体の過去画像、図4(c)に、図4(a)、(b)を用いて従来のローカルマッチング処理による位置合わせに基づいて生成された差分画像を模式的に示す。図4(a)〜(c)において、Bは後方肋骨、Vは血管及び気管支、Dは病変を示す。図4(a)、(b)に示すように、胸部X線画像においては、特に後方肋骨Bと血管及び気管支Vとが肺野の広い領域を占める目立った構造物(画像の主成分)であり、現在画像と過去画像の何れかに、被写体の前後傾、体軸周りの回転、又は斜入が生じ、両画像の後方肋骨Bと血管及び気管支Vとの位置関係にずれが生じている場合、図4(c)に示すように、差分画像にこれらの構造物が全て残ってしまい、病変Dが見え難い、非常に読影しづらい画像となっていた。
従来のローカルマッチング処理では、一方の画像に設定された各テンプレートROIに対し、他方の画像に設定された探索ROI内の最も相互相関値が高い位置を対応する位置として選択する。そして、テンプレートROIの中心と対応位置の中心とのずれを示す移動量ベクトルを求め、求めた移動量ベクトルをn次の多項式で近似(多項式フィッティング)することで各画素の移動量ベクトルを算出している。現在画像と過去画像における構造物の位置関係のずれがない場合は、ローカルマッチング処理で正しい対応位置が見つかるため、各構造物に合った位置合わせができる。しかし、現在画像と過去画像における構造物の位置関係にずれが生じている場合、何れの構造物にも合わない位置合わせが行われてしまう。
図6に、図5(a)、(b)に示す互いに構造物の位置関係がずれた2画像に対してローカルマッチング処理を行ったときのA−A´位置における移動量ベクトルのy座標移動量及びy座標移動量の多項式フィッティングの結果を示す。なお、図5(a)に示す画像は、前後傾、体軸回転、斜入等がない状態で胸部ファントムをX線撮影した画像であり、図5(b)に示す画像は、図5(a)と同一の胸部ファントムを12°前傾させてX線撮影した画像である。
図5(a)、(b)に示す2画像のように構造物の位置関係にずれが生じている場合、1つのテンプレートROI内に複数の構造物が含まれている箇所では、各構造物によって本来の対応位置は異なる。しかし、ローカルマッチング処理では、各テンプレートROIに対応する探索ROI内でそのテンプレートROIとの相互相関値が最も高い領域をそのテンプレートROIの対応位置として選択するため、各テンプレートROIにおいて特徴的な構造物に基づいて探索ROIから対応位置が選択されることとなる。そのため、肺野全体で総合してみると、テンプレートROI毎に対応させた構造物がまちまちとなり、図6に示すように、場所によって対応位置への移動量ベクトルの大きさや方向にばらつきが生じ、各移動量ベクトルの多項式フィッティングを行って各画素の移動量ベクトルを算出しても、フィッティングの結果が何れの構造物のエッジにも合わないものとなってしまう。その結果、画像中の肺野領域の主成分である後方肋骨等が差分画像に残ってしまい、医師の読影時に非常に読影しづらいものとなる。
そこで、ステップS8においては、相互相関値、及び周囲ベクトルの和との内積相関値を用いたローカルマッチング処理を行う。
具体的に、ステップS8において、制御部21は、下記の(1)〜(4)を行う。
まず、制御部21は、(1)現在画像に設定したテンプレートROI毎に、過去画像の対応する探索ROI内でそのテンプレートROIと比較する対象領域(テンプレートROIと同サイズの領域)を設定して移動させながらそのテンプレートROIと各対象領域(中心(i,j))との相互相関値Ri,jを算出し、RAM22に記憶する。
相互相関値Ri,jは、以下の[数1]により算出することができる。
次いで、制御部21は、(2)テンプレートROI毎に、そのテンプレートROIの位置と相互相関値が最も高くなった対象領域の位置とのずれを示すベクトルを算出し、RAM22に記憶する。具体的には、そのテンプレートROIの中心と、相互相関値が最も高くなった対象領域の中心とのずれを示すベクトルを算出する。
次いで、制御部21は、(3)テンプレートROI毎に、以下の[数2]を算出する。
即ち、制御部21は、テンプレートROI毎に、テンプレートROIの位置と各対象領域の位置とのずれを示すベクトル(具体的には、テンプレートROIの中心と、各対象領域の中心とのずれを示すベクトル)と、テンプレートROIから予め定められた範囲にある周囲のテンプレートROIにおいて上記(2)で算出したベクトルを足し合わせたもの(周囲ベクトルの和という)との内積相関値(テンプレートROIの位置と各対象領域の位置とのずれを示すベクトルと周囲ベクトルの和との内積を、両ベクトルの長さで正規化した値)を算出する。そして、テンプレートROI毎に、そのテンプレートROIと各対象領域との相互相関値に所定の重み付け係数aを乗算したものと、各対象領域に対して算出された内積相関値に所定の重み付け係数bを乗算したものとをそれぞれ足し合わせた値のうち、最も大きい値を算出する。ここで、テンプレートROIの位置と各対象領域の位置とのずれを示すベクトルと、周囲ベクトルの和との内積相関値を、単に、周囲ベクトルの和との内積相関値と呼ぶ。
そして、制御部21は、(4)テンプレートROI毎に、[数2]で算出された最も大きい値に対応する対象領域を過去画像における現在画像のテンプレートROIに対応する領域として特定し、テンプレートROIの中心と、特定された対象領域の中心とのずれを示す移動量ベクトルを算出する。
[数2]によれば、テンプレートROIの画素値と探索ROIにおける対象領域の画素値の相互相関値だけでなく、周囲のテンプレートROIのベクトルとの関係性(ベクトルの方向を含めた関係性)を考慮してローカルマッチング処理における対応位置を特定するので、相互相関値のみを用いた場合に生じる局所解の陥りをベクトルの方向も含めて確実に防ぐことができる。
ここで、内積相関値の重み係数bの割合は、a+b=1とした場合に5〜20%(0.05〜0.2)となるように定めることが好ましい。
本願発明者は、a:bのパラメーターを9.5:0.5、9:1、8:2、7:3、6:3と変化させ、それぞれのa:bを用いて100画像セット(現在画像と過去画像のセット)に対して図3に示す差分画像生成処理を行い、得られた差分画像の目視評価を行った。評価の手法は、従来のローカルマッチング処理を用いて得られた差分画像を基準(0ポイント)として各セットの差分画像を目視評価して、「非常に良化=+2、良化=+1、変化なし=0、悪化=−1、非常に悪化−2」の何れかのポイントを付与し、これを100画像セット分合計した。合計値が0以上であれば、従来に比べて効果があり、値が大きくなるほど効果が高いことを示す。図7に、a:bのパラメーター毎に100画像セット分のポイントの合計値をプロットしたグラフを示す。なお、周囲のテンプレートROIの範囲(フィルターサイズと呼ぶ)としては、3×11(横×縦)を用いた。
図7に示すように、a:b=9:1のときが最も評価が高く、また、9.5:0.5〜8:2の間でも従来と比較して良好な結果が得られた。従って、a:bが9.5:0.5〜8:2の範囲、即ち、a+b=1とした場合、bの割合が5〜20%(0.05〜0.2)となるように定めることが好ましい。
また、周囲ベクトルの和の算出に用いる周囲のテンプレートROIの範囲のサイズ(フィルターサイズ)は、片肺野の領域内のサイズであって、縦に長い範囲、具体的には、縦方向の長さが肺野の縦の長さの半分以上であることが好ましい。胸部X線画像の肺野領域で主成分である後方肋骨は肺野の上下方向に等間隔に並んでいるため、縦に長い範囲を周囲ベクトルの和の算出範囲とすると、後方肋骨へのベクトル成分が多く含まれることとなる。そのため、各テンプレートROIから[数2]に基づいて特定される対応する位置へのベクトルが、周囲のテンプレートROIのベクトルの影響を受けて後方肋骨へのベクトルに合いやすくなるからである。
ここで、本願発明者は、フィルターサイズを変化させて差分画像を生成することにより、上述の好ましいフィルターサイズを検証した。具体的に、フィルターサイズの横を1、3、5、7の間で変化させ、縦を3〜21の間で変化させ、それぞれのフィルターサイズのフィルターを用いて100画像セット(現在画像と過去画像のセット)に対して図3に示す差分画像生成処理を行い、得られた差分画像の目視評価を行った。なお、フィルターサイズは1が9.275mm相当であり、肺野の一般的な縦は200mm程度であるため、肺野の縦は、縦サイズが21のフィルターと同等のサイズである。また、片肺野の横は、横サイズが7のフィルターと同等のサイズである。
評価の手法は、上述のa、bの評価と同様に、従来のローカルマッチング処理を用いて得られた差分画像を基準(0)として、各セットの差分画像を目視評価して、「非常に良化=+2、良化=+1、変化なし=0、悪化=−1、非常に悪化−2」の何れかのポイントを付与し、これを100画像セット分合計した。合計値が0以上であれば、従来に比べて効果があり、値が大きくなるほど効果が高いことを示す。図8に、3×3〜3×21の各フィルターサイズ毎に100画像セット分のポイントの合計値をプロットしたグラフを示す。なお、a、bとしては、a:b=9:1を用いた。また、フィルターサイズの横は、1、3、5、7と変化させても骨のアーチファクトを見る限りでは変化はなかった。
図8に示すように、評価を行った何れのサイズでも従来と比較して良好な結果が得られているが、特に、縦のサイズが肺野の縦の長さの略半分となる3×11以上で特に高い評価が得られている。従って、フィルターサイズは、肺野領域以下のサイズであって、縦方向の長さが肺野の縦の長さの半分以上であることが好ましい。
相互相関値、及び周囲ベクトルの和との内積相関値を用いたローカルマッチング処理が終了すると、制御部21は、各テンプレートROIに対応する移動量ベクトルの分布をマッピングし(ステップS9)、マッピングした移動量ベクトルをn次多項式を用いてフィッティング(多項式フィッティング)し、各画素の移動量ベクトルを求める(ステップS10)。
図9に、上述の図5(a)、(b)に示す互いの構造物の位置関係がずれた2画像に対して、上述の相互相関値、及び周囲ベクトルの和との内積相関値を用いたローカルマッチング処理を行ったときのA−A´位置における移動量ベクトルのy座標移動量及びy座標移動量の多項式フィッティングの結果を示す。なお、このときのa:b=9:1、フィルターサイズは3×11である。
図9に示すように、多項式フィッティングの結果、画像の主成分の構造物(肺野上部では鎖骨、中央の広い範囲では後方肋骨、肺野下部では横隔膜)のエッジに近いカーブが得られていることがわかる。
なお、図9においては、y座標移動量のみを示しているが、x座標移動量も同様に、画像中の肺野の各領域の主成分のエッジ変化に近いカーブが得られる。また、周囲ベクトルの和との内積相関値を考慮したことによって移動量ベクトルの方向は、画像中の肺野の各領域の主成分の構造物の方向に揃えることができる。
次いで、制御部21は、求めた各画素の移動量ベクトルに基づいて、過去画像にワーピング処理(非線形歪み処理)を施す(ステップS11)。ワーピング処理は、特開2005−176462号公報に記載されているように、公知の画像処理技術である。ワーピング処理後、制御部21は、現在画像と変形された過去画像の差分をとって差分画像を生成する(ステップS12)。具体的には、現在画像の各画素の値から過去画像の対応する各画素の値を引くことにより差分画像を生成する。
図10に、ステップS12において生成される差分画像を模式的に示す。図9のグラフに示したように、上述の相互相関値及び周囲ベクトルの和との内積相関値を用いたローカルマッチング処理により得られた移動量ベクトルに基づいて多項式フィッティングを行った場合、画像中の肺野領域の主成分(特に、後方肋骨)のエッジ変化に近いカーブが得られる。このカーブで表される移動量ベクトルに基づいて過去画像にワーピング処理を行うと、主に、過去画像の後方肋骨が現在画像の後方肋骨に合うように位置合わせされる。よって、現在画像と過去画像の差分画像は、図10に示すように、後方肋骨のアーチファクトが非常に低減された(消えた)ものとなる。このように、周囲のベクトルを考慮して移動量ベクトルを決定することによって、胸部X線画像において特に目立った構造物である後方肋骨が差分画像に現れないようにすることができるので、医師に読影しやすい差分画像を提供することが可能となる。
図11(a)〜図11(b)に、図5(a)、(b)に示す胸部のファントム画像を入力画像として生成した差分画像を示す。図11(a)は、従来のローカルマッチング処理に基づいて生成された差分画像を示す。図11(b)は、上述の相互相関値、及び周囲ベクトルの和との内積相関値を用いたローカルマッチング処理に基づいて生成した差分画像を示す。
図11(a)に示すように、従来の手法により生成した差分画像では、後方肋骨、血管及び気管支の全てが残っている。これに対し、本実施形態で説明した手法によって生成した差分画像では、図11(b)に示すように、後方肋骨のアーチファクトが非常に低減されていることがわかる。
差分画像の生成が終了すると、制御部21は、生成した差分画像を表示部25に表示し(ステップS13)、差分画像生成処理を終了する。
上記の差分画像生成処理では、画像中の肺野領域の主成分である後方肋骨に合った位置合わせが行われ、後方肋骨のアーチファクトが低減された差分画像が得られたが、図11(b)に示すように、血管及び気管支は残った画像となる。そこで、血管及び気管支周辺の領域を読影する場合には、図3のステップS8〜S10(ローカルマッチング処理〜多項式フィッティング)において、現在画像及び過去画像に対してBS(Bone Suppression)処理(減弱処理)を施した画像を用いることが好ましい。BS処理は、骨を認識し、骨の成分を減弱若しくは骨の成分の濃度を弱める処理である(例えば、http://www.riveraintech.com/products/bone-suppression参照)。胸部X線画像で主な成分である骨成分を予め減弱してからローカルマッチング〜移動量ベクトルのフィッティングを行うことで、画像中の主成分の構造物が血管及び気管支となり、血管及び気管支に合った位置合わせを行うことが可能となる。その結果、図12に模式的に示すように、図4(a)、(b)に示すような現在画像及び過去画像から血管及び気管支のアーチファクトが低減された差分画像を得ることが可能となる。更に、図3のステップS11〜S12のワーピング処理及び差分画像の生成にもBS処理を施した現在画像及び過去画像を使用することで、図13に模式的に示すように、骨、血管及び気管支の双方のアーチファクトが低減された差分画像を得ることが可能となり、より読影しやすい差分画像を得ることができる。
なお、BS処理済みの画像をローカルマッチング以降の位置合わせや差分画像の生成に用いる場合、BS処理を施した現在画像及び過去画像に対して前処理〜テンプレートROI、探索ROIの設定を行っておく必要がある。
図14に、図5(a)、(b)に示す胸部のファントム画像にBS処理を施したものを位置合わせ及び差分画像の生成の双方に用いて生成した差分画像を示す。ほとんどアーチファクトのない差分画像が得られていることがわかる。
以上説明したように、医用画像処理装置2によれば、制御部21は、同一被写体を撮影した現在画像に複数のテンプレートROIを設定するとともに、過去画像に各テンプレートROIに対応する探索ROIを設定し、テンプレートROI毎に、探索ROI内の各対象領域の位置とのずれを示すベクトルと予め定められた範囲にある周囲のテンプレートROIにおいて算出された相互相関値が最も大きかった対象領域へのベクトルの和との内積相関値を算出する。そして、各対象領域との間で算出された相互相関値及び内積相関値に基づいて移動量ベクトルを算出し、算出された移動量ベクトルに基づいて過去画像を変形することにより現在画像と過去画像における位置合わせを行い、位置合わせされた現在画像と過去画像の差分画像を生成する。
従って、テンプレートROIと探索ROIにおける画素値の相互相関値だけでなく、周囲のベクトルとの関係性(方向を含めた関係性)を考慮して移動量ベクトルを算出するので、撮影時に被写体の前傾・後傾、体軸周りの回転、X線の斜入等が生じたことにより比較する2画像内の構造物の位置関係がずれていても、画像の主成分となる構造物に合った位置合わせを行うことができる。その結果、画像の主成分となる構造物のアーチファクトが低減された読影のしやすい差分画像を得ることが可能となる。
例えば、制御部21は、相互相関値及び内積相関値のそれぞれに所定の重み係数を乗算して足し合わせた値が最も大きくなった対象領域をテンプレートROIに対応する領域として特定し、テンプレートROIと対応する領域とのずれを示す移動量ベクトルを算出する。このとき、相互相関値の重み係数と内積相関値の重み係数の合計を1とした場合、内積相関値の重み係数の割合を5〜20%とすることで、従来のローカルマッチング処理に基づいて生成された差分画像よりもアーチファクトの低減された差分画像を生成することが可能となる。
また、現在画像及び過去画像が胸部X線画像である場合、周囲ベクトルの和の算出対象となる周囲の小領域の範囲のサイズを現在画像及び過去画像における片肺野の領域内のサイズであって縦の長さが片肺野の縦の長さの半分以上とすることで、周囲ベクトルに画像中の主成分である後方肋骨へのベクトル成分を多く含ませることが可能となり、画像中の主成分である後方肋骨に合わせた位置合わせが可能となる。その結果、従来のローカルマッチング処理に基づいて生成された差分画像よりもアーチファクトの低減された差分画像を生成することが可能となる。
また、BS処理を行った現在画像及び過去画像を用いて移動量ベクトルを算出することで、血管及び気管支に合った位置合わせを行うことが可能となり、血管及び気管支のアーチファクトが低減された差分画像を得ることが可能となる。
更に、ワーピング処理及び差分画像の生成に用いる現在画像及び過去画像にも予めBS処理を行っておくことで、画像中の主成分である骨、血管及び気管支のアーチファクトが低減された、更に読影のしやすい差分画像を生成することが可能となる。
また、生成した差分画像を表示部25に表示することで、医師の読影のしやすい差分画像をモニターにより提供することが可能となる。
なお、上述した本実施形態における記述は、本発明に係る好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においては、X線撮影装置で撮影された胸部X線画像についての差分画像を生成する場合を例にとり説明したが、他のモダリティで撮影された他の部位の撮影画像についての差分画像を生成する場合に適用してもよい。
また、上記実施形態においては、現在画像にテンプレートROI、過去画像に探索ROIを設定してローカルマッチング処理を行ったが、現在画像に探索ROI、過去画像にテンプレートROIを設定することとしてもよい。また、上記実施形態においては、過去画像にワーピング処理を施したが、何れの画像に施しても構わない。
また、上記実施形態においては、処理の効率化のため、一方の画像の各テンプレートROIに対応する探索ROIを他方の画像に設定し、探索ROI内でテンプレートROIに対応する位置を特定することとしたが、探索ROIを設定せずに、各テンプレートROIに対応する位置を他方の画像全体の中から特定することとしてもよい。
また、以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピューター読み取り可能な媒体としてHDDや不揮発性メモリーを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
その他、X線画像システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
100 X線画像システム
1 X線撮影装置
2 医用画像処理装置
21 制御部
22 RAM
23 記憶部
231 画像DB
24 操作部
25 表示部
26 通信部
27 バス

Claims (9)

  1. 同一被写体を異なる時点で撮影することにより得られた第1画像と第2画像とを入力する入力手段と、
    前記第1画像に複数の小領域を設定するとともに、前記第1画像の小領域毎に、前記第2画像内で前記小領域と比較する対象領域を設定して移動させながら当該小領域と各対象領域との相互相関値を算出し、前記小領域の位置と前記相互相関値が最も大きくなった対象領域の位置とのずれを示すベクトルを算出するベクトル算出手段と、
    前記第1画像の小領域毎に、当該小領域の位置と前記各対象領域の位置とのずれを示すベクトルと当該小領域から予め定められた範囲にある周囲の小領域において前記ベクトル算出手段により算出されたベクトルの和との内積相関値を算出し、当該小領域と各対象領域との間で算出された前記相互相関値及び前記内積相関値に基づいて前記第2画像において当該小領域に対応する対象領域を特定し、前記小領域の位置と前記特定された対象領域の位置とのずれを示す移動量ベクトルを算出する移動量ベクトル算出手段と、
    前記各小領域について算出された移動量ベクトルに基づいて前記第1画像又は前記第2画像の何れかを変形することにより前記第1画像と前記第2画像における位置合わせを行う位置合わせ手段と、
    前記位置合わせされた第1画像と第2画像の差分画像を生成する差分画像生成手段と、
    を備える医用画像処理装置。
  2. 前記移動量ベクトル算出手段は、前記相互相関値及び前記内積相関値のそれぞれに所定の重み係数を乗算して足し合わせた値が最も大きくなった対象領域を前記第2画像における前記小領域に対応する対象領域として特定する請求項1に記載の医用画像処理装置。
  3. 前記内積相関値の重み係数の割合は、前記相互相関値の重み係数と前記内積相関値の重み係数の合計を1とした場合、0.05〜0.2である請求項2に記載の医用画像処理装置。
  4. 前記第1画像及び前記第2画像は、胸部X線画像である請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
  5. 前記周囲の小領域の範囲のサイズは、前記第1画像及び前記第2画像における片肺野の領域内のサイズであって、縦の長さが前記片肺野の縦の長さの半分以上である請求項4に記載の医用画像処理装置。
  6. 前記第1画像及び前記第2画像における骨の領域を認識し、認識した領域の濃度を減弱する減弱処理手段を備え、
    前記ベクトル算出手段及び前記移動量ベクトル算出手段は、前記減弱処理手段により骨の領域の濃度が減弱された前記第1画像及び前記第2画像に基づいて前記ベクトル及び前記移動量ベクトルの算出を行う請求項4又は5に記載の医用画像処理装置。
  7. 前記位置合わせ手段は、前記減弱処理手段により骨の領域の濃度が減弱された前記第1画像及び前記第2画像を用いて位置合わせを行い、
    前記差分画像生成手段は、前記位置合わせされた前記第1画像及び前記第2画像を用いて差分画像を生成する請求項6に記載の医用画像処理装置。
  8. 前記差分画像を表示する表示手段を備える請求項1〜7の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
  9. コンピューターを、
    同一被写体を異なる時点で撮影することにより得られた第1画像と第2画像とを入力する入力手段、
    前記第1画像に複数の小領域を設定するとともに、前記第1画像の小領域毎に、前記第2画像内で前記小領域と比較する対象領域を設定して移動させながら当該小領域と各対象領域との相互相関値を算出し、前記小領域の位置と前記相互相関値が最も大きくなった対象領域の位置とのずれを示すベクトルを算出するベクトル算出手段、
    前記第1画像の小領域毎に、当該小領域の位置と前記各対象領域の位置とのずれを示すベクトルと当該小領域から予め定められた範囲にある周囲の小領域において前記ベクトル算出手段により算出されたベクトルの和との内積相関値を算出し、当該小領域と各対象領域との間で算出された前記相互相関値及び前記内積相関値に基づいて前記第2画像において当該小領域に対応する対象領域を特定し、前記小領域の位置と前記特定された対象領域の位置とのずれを示す移動量ベクトルを算出する移動量ベクトル算出手段、
    前記各小領域について算出された移動量ベクトルに基づいて前記第1画像又は前記第2画像の何れかを変形することにより前記第1画像と前記第2画像における位置合わせを行う位置合わせ手段、
    前記位置合わせされた第1画像と第2画像の差分画像を生成する差分画像生成手段、
    として機能させるためのプログラム。
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