JP2016064118A - 断層画像生成装置、方法およびプログラム - Google Patents

断層画像生成装置、方法およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2016064118A
JP2016064118A JP2015162559A JP2015162559A JP2016064118A JP 2016064118 A JP2016064118 A JP 2016064118A JP 2015162559 A JP2015162559 A JP 2015162559A JP 2015162559 A JP2015162559 A JP 2015162559A JP 2016064118 A JP2016064118 A JP 2016064118A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
tomographic
pixel value
coordinate position
pixel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015162559A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6185023B2 (ja
Inventor
航 福田
Ko Fukuda
航 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to US14/854,762 priority Critical patent/US10335107B2/en
Publication of JP2016064118A publication Critical patent/JP2016064118A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6185023B2 publication Critical patent/JP6185023B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

【課題】トモシンセシス撮影等、複数の線源位置において撮影を行うことにより取得した複数の投影画像から断層画像を生成する断層画像生成装置、方法およびプログラムにおいて、演算時間を短縮しつつも断層画像の画質をより向上させる。【解決手段】画像取得部31が、複数の線源位置のそれぞれにおいて、被写体Mを撮影して複数の投影画像を取得する。画素値投影部32が、複数の投影画像の画素値を保持しつつ、複数の投影画像のそれぞれについての撮影時の線源位置と放射線検出器との位置関係に基づいて、複数の投影画像の画素値を被写体Mの所望とする断層面上の座標位置に投影する。画素値算出部33が、断層面における注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲に投影された投影画像の複数の画素値に基づいて、注目座標位置の画素値を算出することにより、断層面の断層画像を生成する。【選択図】図3

Description

本発明は、複数の線源位置のそれぞれにおいて被写体を撮影して複数の投影画像を取得し、複数の投影画像から断層画像を生成する断層画像生成装置、方法およびプログラムに関するものである。
近年、X線、ガンマ線等の放射線を用いた放射線画像撮影装置において、患部をより詳しく観察するために、放射線源を移動させて複数の線源位置から被写体に放射線を照射して撮影を行い、これにより取得した複数の投影画像を加算して所望の断層面を強調した断層画像を生成するトモシンセシス撮影が提案されている。トモシンセシス撮影では、撮影装置の特性や必要な断層画像に応じて、放射線源を放射線検出器と平行に移動させたり、円や楕円の弧を描くように移動させたりして、複数の線源位置において被写体を撮影することにより複数の投影画像を取得し、単純逆投影法あるいはフィルタ逆投影法等の逆投影法等を用いてこれらの投影画像を再構成して断層画像を生成する。
しかしながら、トモシンセシス撮影では、被写体に放射線を照射するときの角度が制限されているため、例えば、逆投影法により投影画像を重ね合せて断層画像を再構成した場合、本来は被写体内の構造物が存在しない領域に、構造物の虚像であるアーチファクトが写りこんでしまうことがある。より具体的には、逆投影によって、構造物が存在する断層面の断層画像とは異なる断層面の断層画像の、本来は構造物が存在しない領域にアーチファクトが写ってしまうことがある。アーチファクトが目立ちすぎると、病変等の診断に必要な構造物の確認がしにくくなる。
また、トモシンセシス撮影では、被写体に複数回放射線が照射されるため、被写体への被曝を低減するために、1回の撮影にはできるだけ低い線量が用いられる。しかしながら、線量が低いと、撮影により取得される投影画像に放射線の量子ノイズが多く含まれるため、断層画像のノイズが目立つものとなってしまう。
このようなアーチファクトまたはノイズを低減するための各種手法が提案されている。例えば特許文献1においては、1枚の投影画像を基準投影画像として、基準投影画像上の画素と、断層画像上の同一位置に累積加算される、各々の投影画像上の対応する画素との間の類似度を算出し、複数の投影画像の各画素について、類似度が高くなるほど大きくなる重み付け係数を算出し、複数の投影画像の画素の画素値とこれに対応する重み係数との乗算値を累積加算することにより、断層画像を再構成する手法が提案されている。
また、他にも代数的再構成法あるいは逐次近似再構成法と称される手法が提案されている。これらの手法は、再構成した断層画像を投影した画像が、実際に撮影された投影画像と一致するように断層画像を求める手法である。これらの手法は、再構成に様々な数学モデルを組み込むことができるため、アーチファクト補正およびノイズ低減等を考慮することができる。したがって、アーチファクトが抑制され、かつノイズが低減された断層画像を生成することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の手法、および逐次近似再構成法等の再構成処理は演算時間が膨大となるという問題がある。このため、投影画像から周波数応答特性が異なる複数の帯域制限画像を生成し、帯域制限画像が所定値を超える部分が小さくなるように帯域制限画像を非線形変換し、非線形変換された複数の帯域制限画像を積算して複数の変換画像を生成し、複数の変換画像から断層画像を再構成することにより、演算時間を低減しつつも、アーチファクトを低減させる手法が提案されている(特許文献2参照)。
また、特許文献3,4においては、断層画像の画素サイズをその断層面の高さに拘わらず、放射線検出器の画素サイズと一致させることにより、断層画像を再構成する際の演算速度を向上させる手法が提案されている。
特開2013−000261号公報 特開2013−031641号公報 特開2005−013736号公報 特開平11−339050号公報
しかしながら、特許文献2に記載の手法においては、アーチファクトを低減することはできるものの、ノイズを低減させることは考慮されていない。また、特許文献2〜4に記載されたように演算時間を短縮しようとすると、アーチファクトを十分に低減することができなくなるおそれがある。また、特許文献1〜4に記載された手法においては、断層画像における注目画素位置の画素値は、注目画素位置の画素位置に対応する、投影画像の画素値のみを加算することにより算出される。このため、重み付けあるいは非線形変換等を行っても、ノイズあるいはアーチファクトの影響を十分に低減させることはできない。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、トモシンセシス撮影等、複数の線源位置において撮影を行うことにより取得した複数の投影画像から断層画像を生成するに際し、演算時間を短縮しつつも断層画像の画質をより向上させることを目的とする。
本発明による断層画像生成装置は、放射線源を検出手段に対して相対的に移動させ、放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射することにより撮影された、複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を取得する画像取得手段と、
複数の投影画像の画素値を保持しつつ、複数の投影画像のそれぞれについての撮影時の線源位置と検出手段との位置関係に基づいて、複数の投影画像の画素値を被写体の所望とする断層面上の座標位置に投影する画素値投影手段と、
断層面における注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲に投影された投影画像の複数の画素値に基づいて、注目座標位置の画素値を算出することにより、断層面の断層画像を生成する画素値算出手段とを備えたことを特徴とするものである。
「放射線源を検出手段に対して相対的に移動させ」るとは、放射線源のみを移動する場合、検出手段のみを移動する場合、および放射線源と検出手段との双方を移動する場合のいずれをも含む。
なお、投影画像および断層面の断層画像は、所定のサンプリング間隔にて2次元状に離散的に配置された複数の画素からなるものであり、所定のサンプリング間隔となる格子点に画素が配置される。本発明における「画素位置」とは、投影画像および断層画像において、画像として画素値が配置される格子点となる位置を意味する。一方、「座標位置」とは、画像として画素が配置される格子点、すなわち画素位置を含むが、格子点の間にある、画像として画素値が配置されない位置をも含む。したがって、「座標位置」とは、画素位置のみならず、画素位置の間の位置をも含む。
また、投影される複数の投影画像は、取得した複数の投影画像の全てであってもよく、複数の投影画像のうちの2以上の一部の投影画像であってもよい。
「所望とする断層面」とは、断層画像を生成する対象となる被写体の断層面を意味する。
「複数の投影画像の画素値を保持しつつ」とは、投影画像の画素値を変更しないことを意味する。なお、本発明においては、投影画像の画素位置における画素値を断層面上の座標位置に投影できない場合がある。すなわち、線源位置と検出手段との位置関係によっては、断層面上の座標位置に対応する投影画像の画素値が、投影画像の画素位置に存在せず、画素位置の間の座標位置に存在することとなる場合がある。このような場合には、投影画像において断層面上に投影される座標位置の画素値は、例えばその座標位置の周囲にある画素位置の画素値を補間することにより算出すればよい。このような場合においても、補間により算出された画素値は投影画像の画素値であることから、補間により算出された投影画像の画素値を保持しつつ、断層面上の座標位置に投影すればよい。
「断層面における注目座標位置」とは、断層面の断層画像を生成するに際し、画素値を算出する対象となる座標位置を意味する。したがって、断層面における注目座標位置を逐次変更して注目座標位置における画素値を算出することにより、その断層面における断層画像を生成することができる。
「注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲」とは、注目画素位置を含む、注目画素位置の周囲におけるあらかじめ定められた数の座標位置または画素位置を含む範囲を意味する。例えば、注目画素位置を中心とした3×3の数の座標位置または画素位置の範囲、5×5の数の座標位置または画素位置の範囲等を、注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲とすることができる。なお、あらかじめ定められた範囲の大きさは、固定された値であってもよく、操作者の入力により任意の値に変更できるものであってもよい。
なお、本発明による断層画像生成装置においては、画素値投影手段を、複数の線源位置のそれぞれにおいて、各線源位置と断層面上の画素位置とを結ぶ直線と交差する対応する投影画像の座標位置における画素値を、直線上に位置する断層面上の画素位置の画素値に投影する手段としてもよい。
また、本発明による断層画像生成装置においては、画素値投影手段を、複数の線源位置のそれぞれにおいて、各線源位置と対応する投影画像上の画素位置とを結ぶ直線と交差する断層面上の座標位置に、直線上に位置する投影画像の画素位置における画素値を投影する手段としてもよい。
この場合、断層面上の座標位置の間隔を、断層面上の画素位置の間隔よりも小さいものとしてもよい。
また、本発明による断層画像生成装置においては、画素値算出手段を、断層面に投影された投影画像の画素値に対して回帰分析を行って、注目座標位置の画素値を算出する手段としてもよい。
「回帰分析」とは、多変量の関係を解析する統計的な手法である。ここで、観測点上での観測値が、真の値に対してノイズが含まれて観測されたとする。回帰分析は、真の値をあらゆる観測点において求める逆問題を、最小二乗法、移動平均法およびカーネルを用いた回帰等で解く手法である。本発明においては、断層面上の投影画像の画素値が投影された座標位置を観測点、観測点の画素値を観測値とし、注目座標位置における画素値を真の値として、注目座標位置における画素値を算出することとなる。
また、本発明による断層画像生成装置においては、画素値算出手段を、回帰分析を行って、断層面における断層画像を表す回帰曲面を生成し、回帰曲面を所望とするサンプリング間隔によりサンプリングして、断層面における画素位置の画素値を算出し、断層画像を生成する手段としてもよい。
この場合、サンプリング間隔を、投影画像のサンプリング間隔と異なるものとしてもよい。
ここで、回帰曲面のサンプリング間隔を変更することにより、断層画像の解像度を変更することができる。例えば、サンプリング間隔が小さいほど、断層画像の解像度は高くなる。「所望とするサンプリング間隔」とは、必要とされる解像度の断層画像が得られる、画素の間隔を意味する。なお、所望とするサンプリング間隔は、固定された値であってもよく、操作者の入力により任意の値に変更できるものであってもよい。
「投影画像のサンプリング間隔と異なる」とは、投影画像のサンプリング間隔よりも大きい場合、および小さい場合の双方を含む。投影画像のサンプリング間隔よりも大きい場合、断層画像の解像度は投影画像の解像度よりも低くなる。逆に、投影画像のサンプリング間隔よりも小さい場合、断層画像の解像度は投影画像の解像度よりも高くなる。
また、本発明による断層画像生成装置においては、画素値算出手段を表示された断層画像における注目領域のサイズの変更指示を受け付けた場合、回帰曲面における注目領域に対応する領域のサンプリング間隔を、変更指示に応じて変更して、注目領域の断層画像を生成する手段としてもよい。
また、本発明による断層画像生成装置においては、画素値算出手段を、回帰分析を行う際に、注目座標位置の画素値の鮮鋭度を変更する手段としてもよい。
「鮮鋭度を変更する」とは、生成される断層画像に含まれるエッジを強調するように鮮鋭度を強調すること、および生成される断層画像を平滑化してノイズを低減するように鮮鋭度を低下させることの双方を含む。
この場合、画素値算出手段を、撮影時の撮影条件および投影画像に含まれる被写体の構造の少なくとも一方の情報に応じて、鮮鋭度の変更の程度を変更する手段としてもよい。
投影画像の撮影時には、検出器への到達線量が少ないほど投影画像のノイズは多くなる。また、放射線の線質が高圧であるか低圧であるか、検出手段を構成する材料の種類、あるいは撮影時における散乱線を除去するグリッドの有無によっても、投影画像に含まれるノイズ量が異なったり、得られる画像の鮮鋭度が異なったりする。「撮影条件」とは、投影画像のノイズ量および鮮鋭度に影響を与える各種条件を意味し、例えば、撮影時における検出器への到達線量、検出手段の種類、あるいはグリッドの有無を撮影条件として用いることができる。また、「被写体の構造」とは、被写体に含まれるエッジ等の構造である。
なお、断層画像の鮮鋭度は画像を見る医師等のユーザの好みにも依存する。このため、ユーザの好みに応じて、鮮鋭度を変更できるようにしてもよい。
また、本発明による断層画像生成装置においては、画素値算出手段を、注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲に投影された投影画像の複数の画素値のうち、外れ値となる画素値を除外してあるいは外れ値となる画素値の重み付けを小さくして、注目座標位置の画素値を算出する手段としてもよい。
「外れ値」とは、注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲に投影された投影画像の複数の画素値のうち、他の画素値とは値が大きく異なる画素値を意味する。ここで、「大きく異なる」とは、例えば注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲に投影された複数の画素値の平均値を算出し、その平均値から所定の閾値以上異なる値となることを意味する。
また、本発明による断層画像生成装置においては、画素値投影手段を、特定の線源位置に対応する投影画像上の注目座標位置の2次元座標と、この投影画像上の注目座標位置の画素値が投影される断層面上の座標位置の2次元座標とが一致するように、特定の線源位置と投影画像上の注目座標位置との位置関係に基づいて、この投影画像上の注目座標位置の画素値が投影される断層面上の座標位置を補正して、複数の投影画像の画素値を断層面上の補正された座標位置に投影する手段としてもよい。
この場合、画像取得手段を、特定の線源位置において被写体に放射線を照射することにより撮影された、被写体の放射線画像を取得する手段とし、
画素値算出手段を、補正された座標位置に投影画像の画素値が投影された断層面における注目座標位置の画素値を算出することにより断層画像を生成する手段とし、
放射線画像および断層画像を表示する表示手段をさらに備えるものとしてもよい。
「被写体の放射線画像」とは、線源位置を移動させることなく、特定の線源位置に固定して、被写体の透過画像を取得する撮影条件により撮影を行うことにより取得される、被写体に含まれる構造物が透過された像を含む画像である。
また、本発明による断層画像生成装置においては、画素値投影手段および画素値算出手段を、被写体の複数の断層面における断層画像を生成する手段とし、
複数の断層画像から擬似画像を生成する擬似画像生成手段をさらに備えるものとしてもよい。
擬似画像は、断層画像とは異なる種類の画像を擬似的に表したものであり、複数の断層画像における対応する画素位置の画素値を単純に加算することにより、通常の放射線撮影により取得した透過画像を擬似的に表した加算断層画像を例として挙げることができる。また、加算断層画像の他、複数の断層画像における対応する画素位置の最大値を取り出すMIP(Maximum Intensity Projection)法により得られる、3次元画像を擬似的に表した最大値投影画像、および最小値を取り出すminIP(Minimum Intensity Projection)法により得られる、3次元画像を擬似的に表した最小値投影画像を擬似画像として用いることができる。
また、本発明による断層画像生成装置においては、画素値算出手段を、注目座標位置の画素値と、注目座標位置に対応する投影画像の座標位置における画素値との差に基づく重みづけ係数を算出し、投影画像の複数の画素値および重みづけ係数に基づいて、注目座標位置の画素値の算出を再度行って、座標位置の新たな画素値を算出する手段としてもよい。
この場合、画素値算出手段を、注目座標位置の新たな画素値を用いた新たな重みづけ係数の算出、および投影画像の複数の画素値および新たな重みづけ係数に基づく注目座標位置の新たな画素値の再度の算出を繰り返す手段としてもよい。
「重みづけ係数」としては、例えば注目座標位置に対応する投影画像の座標位置における画素値との差が大きいほど、値が小さくなる係数を用いることができる。
注目座標位置の新たな画素値を用いた新たな重みづけ係数の算出、および投影画像の複数の画素値および新たな重みづけ係数に基づく注目座標位置の新たな画素値の再度の算出を繰り返す回数は、あらかじめ定められたものであってもよく、注目座標位置の新たな画素値と、注目座標位置に対応する投影画像の座標位置における画素値との差があらかじめ定められたしきい値より小さくなる等の特定の収束条件を満足するまで繰り返すようにしてもよい。
本発明による断層画像生成方法は、放射線源を検出手段に対して相対的に移動させ、放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射することにより撮影された、複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を取得し、
複数の投影画像の画素値を保持しつつ、複数の投影画像のそれぞれについての撮影時の線源位置と検出手段との位置関係に基づいて、複数の投影画像の画素値を被写体の所望とする断層面上の座標位置に投影し、
断層面における注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲に投影された投影画像の複数の画素値に基づいて、注目座標位置の画素値を算出することにより、断層面の断層画像を生成することを特徴とするものである。
なお、本発明による断層画像生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
本発明によれば、複数の投影画像の画素値を保持しつつ、複数の投影画像のそれぞれについての撮影時の線源位置と検出手段との位置関係に基づいて、複数の投影画像の画素値が被写体の所望とする断層面上の座標位置に投影される。そして、断層面における注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲に投影された投影画像の複数の画素値に基づいて、注目座標位置の画素値が算出されて、断層画像が生成される。このため、注目座標位置に投影された投影画像の画素値のみを用いて注目座標位置の画素値を算出する従来の手法と比較して、注目座標位置の周囲の画素値の影響を考慮することができ、その結果、アーチファクトを低減してより高画質の断層画像を生成することができる。また、逐次近似再構成法のように、投影および再投影を繰り返す必要が無いため、演算時間を大幅に短縮することができる。
本発明の第1の実施形態による断層画像生成装置を適用した放射線画像撮影装置の概略構成図 放射線画像撮影装置を図1の矢印A方向から見た図 第1の実施形態において、コンピュータに断層画像生成プログラムをインストールすることにより実現された断層画像生成装置の概略構成を示す図 投影画像の取得を説明するための図 第1の実施形態における画素値の投影を説明するための図 投影画像の画素値の補間を説明するための図 第1の実施形態において、断層面に投影された画素値を示す図 外れ値を含めた回帰曲線(回帰曲面)の生成を説明するための図 外れ値を除去した回帰曲線(回帰曲面)の生成を説明するための図 第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャート 第2の実施形態における画素値の投影を説明するための図 第2の実施形態において、断層面に投影された画素値を示す図 断層面上の構造物の位置と、放射線検出器上に投影される構造物との位置関係を示す図 断層画像と放射線画像とにおける構造物の位置の相違を示す図 第4の実施形態において、コンピュータに断層画像生成プログラムをインストールすることにより実現された断層画像生成装置の概略構成を示す図 拡大された注目領域を表示部に表示した状態を示す図 第5の実施形態において、コンピュータに断層画像生成プログラムをインストールすることにより実現された断層画像生成装置の概略構成を示す図 位置ずれがない場合における複数の断層面投影画像を示す図 位置ずれがある場合における複数の断層面投影画像を示す図
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態による断層画像生成装置を適用した放射線画像撮影装置の概略構成図、図2は放射線画像撮影装置を図1の矢印A方向から見た図である。放射線画像撮影装置1は、乳房のトモシンセシス撮影を行って断層画像を生成するために、異なる撮影方向となる複数の線源位置から乳房M(以下、被写体Mとする場合もあるものとする)を撮影して、複数の放射線画像、すなわち投影画像を取得するマンモグラフィ撮影装置である。図1に示すように放射線画像撮影装置1は、撮影部10、撮影部10に接続されたコンピュータ2、並びにコンピュータ2に接続された表示部3および入力部4を備えている。
撮影部10は、不図示の基台に対して回転軸11により連結されたアーム部12を備えている。アーム部12の一方の端部には撮影台13が、その他方の端部には撮影台13と対向するように放射線照射部14が取り付けられている。アーム部12は、放射線照射部14が取り付けられた端部のみを回転することが可能なように構成されており、これにより、撮影台13を固定して放射線照射部14のみを回転することが可能となっている。なお、アーム部12の回転は、コンピュータ2により制御される。
撮影台13の内部には、フラットパネルディテクタ等の放射線検出器15(検出手段)が備えられている。また、撮影台13の内部には、放射線検出器15から読み出された電荷信号を電圧信号に変換するチャージアンプ、チャージアンプから出力された電圧信号をサンプリングする相関2重サンプリング回路、電圧信号をデジタル信号に変換するAD変換部等が設けられた回路基板等も設置されている。
放射線検出器15は、放射線画像の記録および読み出しを繰り返して行うことができるものであり、放射線の照射を直接受けて電荷を発生する、いわゆる直接型の放射線検出器を用いてもよいし、放射線を一旦可視光に変換し、その可視光を電荷信号に変換する、いわゆる間接型の放射線検出器を用いるようにしてもよい。また、放射線画像信号の読出方式としては、TFT(thin film transistor)スイッチをオン・オフすることによって放射線画像信号が読み出される、いわゆるTFT読出方式のものや、読取光を照射することによって放射線画像信号が読み出される、いわゆる光読出方式のものを用いることが望ましいが、これに限らずその他のものを用いるようにしてもよい。
放射線照射部14の内部には、X線源16(放射線源)が収納されている。X線源16からX線を照射するタイミングと、X線源16におけるX線発生条件(管電流、時間、管電流時間積等)とは、コンピュータ2により制御される。
また、アーム部12には、撮影台13の上方に配置されて乳房Mを押さえつけて圧迫する圧迫板17、圧迫板17を支持する支持部18、および支持部18を図1、2の上下方向に移動させる移動機構19が設けられている。
表示部3は、CRT、液晶モニタ等の表示装置であり、後述するように取得された投影画像、および生成された断層画像の他、操作に必要なメッセージ等を表示する。なお、表示部3は音声を出力するスピーカを内蔵するものであってもよい。
入力部4はキーボード、マウスあるいはタッチパネル方式の入力装置からなり、操作者による放射線画像撮影装置1の操作を受け付ける。また、トモシンセシス撮影を行うために必要な、撮影条件等の各種情報の入力および情報の修正の指示も受け付ける。本実施形態においては、操作者が入力部4から入力した情報に従って、放射線画像撮影装置1の各部が動作する。
コンピュータ2には、断層画像生成プログラムがインストールされている。本実施形態においては、コンピュータは、操作者が直接操作するワークステーションあるいはパソコンでもよいし、それらとネットワークを介して接続されたサーバコンピュータでもよい。断層画像生成プログラムは、DVD、CD−ROM等の記録媒体に記録されて配布され、その記録媒体からコンピュータにインストールされる。もしくは、ネットワークに接続されたサーバコンピュータの記憶装置、あるいはネットワークストレージに、外部からアクセス可能な状態で記憶され、要求に応じてコンピュータにダウンロードされ、インストールされる。
図3はコンピュータ2に断層画像生成プログラムをインストールすることにより実現された断層画像生成装置の概略構成を示す図である。図3に示すように、断層画像生成装置は、標準的なコンピュータの構成として、CPU21、メモリ22およびストレージ23を備えている。
ストレージ23は、ハードディスクやSSD等のストレージデバイスからなり、放射線画像撮影装置1の各部を駆動するためのプログラムおよび断層画像生成プログラムを含む各種情報が記憶されている。また、トモシンセシス撮影により取得された投影画像および後述するように生成された断層画像も記憶される。
メモリ22には、各種処理をCPU21に実行させるために、ストレージ23に記憶されたプログラム等が一時的に記憶される。断層画像生成プログラムは、CPU21に実行させる処理として、放射線画像撮影装置1にトモシンセシス撮影を行わせて、乳房Mの複数の投影画像を取得する画像取得処理、複数の投影画像の画素値を保持しつつ、複数の投影画像のそれぞれについての撮影時のX線源16の位置と放射線検出器15との位置関係に基づいて、複数の投影画像の画素値を被写体である乳房Mの所望とする断層面上の座標位置に投影する画素値投影処理、および所望とする断層面における注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲に投影された投影画像の複数の画素値に基づいて、注目座標位置の画素値を算出することにより断層画像を生成する画素値算出処理を規定している。
そして、CPU21が断層画像生成プログラムに従いこれらの処理を実行することで、コンピュータ2は、画像取得部31、画素値投影部32および画素値算出部33として機能する。なお、コンピュータ2は、画像取得処理、画素値投影処理および画素値算出処理をそれぞれ行うCPUを備えるものであってもよい。
画像取得部31は、アーム部12を回転軸11の周りに回転させることによりX線源16を移動させ、X線源16の移動による複数の線源位置において被写体である乳房MにX線を照射し、乳房Mを透過したX線を放射線検出器15により検出して、複数の線源位置における複数の投影画像Gi(i=1〜n、nは線源位置の数)を取得する。図4は投影画像Giの取得を説明するための図である。図4に示すように、X線源16をS1、S2、・・・、Snの各線源位置に移動し、各線源位置においてX線源16を駆動して乳房MにX線を照射し、乳房Mを透過したX線を放射線検出器15により検出することにより、各線源位置S1〜Snに対応して、投影画像G1、G2、・・・、Gnが取得される。取得された複数の投影画像Giはストレージ23に保存される。なお、断層画像生成プログラムとは別個のプログラムにより複数の投影画像Giを取得してストレージ23に保存するようにしてもよい。この場合、画像取得部31は、ストレージ23に保存された複数の投影画像Giを、画素値投影処理および画素値算出処理のためにストレージ23から読み出すものとなる。
なお、本実施形態においては、ストレージ23に保存した複数の投影画像Giの全てを読み出して、画素値投影処理および画素値算出処理に用いてもよく、複数の投影画像Giのうちの、あらかじめ定められた2以上の数の投影画像Giを読み出して、画素値投影処理および画素値算出処理に用いてもよい。
画素値投影部32は、画像取得部31が取得した複数の投影画像の画素値を保持しつつ、乳房Mの所望とする断層面上の座標位置に、投影画像の画素値を投影する。図5は第1の実施形態における画素値の投影を説明するための図である。なお、図5においては、線源位置Siにおいて取得された投影画像Giを、乳房Mの所望とする断層面Tj(j=1〜m:mは断層面の数)に投影する場合について説明する。
ここで、投影画像Giおよび断層面Tjにおいて後述するように生成される断層画像は、所定のサンプリング間隔にて2次元状に離散的に配置された複数の画素からなるものであり、所定のサンプリング間隔となる格子点に画素が配置される。図5および後述する図11においては、投影画像Giおよび断層面Tjに直交する短い線分が、画素の区切り位置を示す。したがって、図5および後述する図11においては、画素の区切り位置の中央の位置が格子点である画素位置となる。第1の実施形態においては、図5に示すように、線源位置Siと断層面Tj上の画素位置とを結ぶ直線と交差する投影画像Giの画素値を、対応する直線上に位置する断層面Tj上の画素位置の画素値に投影する。
ここで、線源位置Siの座標を(sxi、syi、szi)、断層面Tjにおける画素位置の座標をTj(tx,ty,tz)とすると、投影画像Gi上の座標位置Piの座標(pxi,pyi)は、下記の式(1)により表される。なお、本実施形態においては、放射線検出器15の検出面に垂直な方向にz軸を、放射線検出器15の検出面においてX線源16が移動する方向と平行な方向にy軸を、y軸に直交する方向にx軸をそれぞれ設定するものとする。
pxi=(tx×szi−sxi×tz)/(szi−tz)
pyi=(ty×szi−syi×tz)/(szi−tz) (1)
なお、投影画像Gi上の座標位置Piは、投影画像Giの画素位置とならない場合がある。例えば、図6に示すように、投影画像Gi上の座標位置Piが、投影画像Gi上の4つの画素位置O1〜O4の間に位置する場合がある。この場合、図6に示すように、座標位置Piに最も近い位置にある投影画像Giの4つ画素位置O1〜O4における画素値を用いた補間演算を行い、座標位置Piの画素値を算出し、算出した画素値を断層面Tj上の画素位置Tj(tx,ty,tz)に投影すればよい。なお、補間演算としては、座標位置Piと4つの画素位置との距離に応じて4つの画素位置の画素値に重み付けをする線形補間演算の他、座標位置Piの周囲におけるより多くの画素位置の画素値を用いた非線形のバイキュービック補間演算、およびB−スプライン補間演算等の任意の手法を用いることができる。また、補間演算の他、座標位置Piに最も近い画素位置の画素値を座標位置Piの画素値として用いるようにしてもよい。
画素値投影部32は、全ての線源位置Siについて、投影画像Giの画素値を断層面Tjに投影する。これにより、図7に示すように、断層面Tj上の各画素位置には、投影画像の数に対応するn個の画素値が投影されることとなる。なお、図7においては、各画素位置に5つの投影画像の画素値が投影された状態を示している。また、図7および後述する図8,9,12,18,19においては、断層面Tjに直交する短い線分が、画素の区切り位置を示し、画素の区切り位置の中央の位置が格子点である画素位置を示す。
画素値算出部33は、断層面Tj上の各画素値を算出することにより、断層面Tjにおける断層画像を生成する。具体的には、画素値の算出の対象となる注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲に投影された投影画像の複数の画素値に基づいて、注目座標位置の画素値を算出する。なお、注目座標位置は断層面Tj上の画素位置となる場合がある。第1の実施形態においては、断層面Tj上の画素位置に投影画像Giの画素値が投影されているが、注目座標位置の画素値の算出に際しては、注目座標位置に投影された画素値を使用してもよく、使用しなくてもよい。以下、注目座標位置の画素値の算出について説明する。
画素値投影部32が断層面Tjに投影した投影画像Giの画素値は、互いに近い位置にあるほど同じ値となる傾向がある。このため、画素値算出部33は、断層面Tj上に投影した画素値が滑らかに連続するように、鮮鋭度を変更する処理を行う。本実施形態においては、断層面Tjに投影した画素値に対して平滑化フィルタによるフィルタリング処理を行う。具体的には、注目座標位置を中心とする3×3あるいは5×5等のあらかじめ定められた範囲の画素位置の画素値に対して、例えばガウシアンフィルタによるフィルタリング処理を行う。これにより、注目座標位置およびその周囲の画素において、画素値が滑らかに連続するため、断層面Tj上に投影した画素値において、投影画像Giに含まれていた量子ノイズ等のノイズを抑制することができる。
なお、上記あらかじめ定められた範囲の大きさは、固定値としてストレージ23に保存しておけばよい。また、操作者による入力部4からの入力により、任意の値に変更できるようにしてもよい。この場合、操作者による入力部4からの入力により、ストレージ23に保存されたあらかじめ定められた範囲の大きさの値が書き換えられて、あらかじめ定められた範囲の大きさが変更されることとなる。
また、ガウシアンフィルタのフィルタサイズを変更することにより、平滑化の程度、すなわちノイズ抑制の程度を変更することができる。具体的には、フィルタサイズを大きくして注目座標位置を中心とするフィルタリングの範囲を大きくするほど、よりノイズを抑制することができる。ここで、投影画像Giを撮影する際、放射線検出器15に到達するX線量が少ないほど投影画像Giに含まれるノイズが多くなり、その結果、断層面Tjに投影される画素値のノイズが多くなる。また、X線の線質、すなわちX線が高圧であるか低圧であるかによっても、投影画像Giに含まれるノイズの量が変化する。また、撮影時に使用される放射線検出器15の種類によっても、投影画像Giに含まれるノイズの量が変化する。さらに、投影画像Giの撮影時には被写体MにおけるX線の散乱線の影響を防止するために、放射線検出器15と被写体Mの間に、散乱線除去グリッドを配置する場合がある。このような散乱線除去グリッドの種類、あるいは散乱線除去グリッドの有無によっても、投影画像Giに含まれるノイズの量が変化する。
したがって、本実施形態においては、放射線検出器15への到達X線量、X線の線質、放射線検出器15の種類、散乱線除去グリッドの種類、および散乱線除去グリッドの有無等の撮影条件に基づいて、平滑化フィルタの特性を変更する。例えば、投影画像Giに含まれるノイズが多くなる撮影条件の場合には、フィルタサイズを大きくして、ノイズがより抑制されるようにする。
また、フィルタリングを行う際には、ガウシアンフィルタを用いると、後述するように生成された断層画像に含まれる被写体Mの構造であるエッジがぼけてしまう可能性がある。このため、注目座標位置に隣接する画素について、画素間の距離に応じた重み付け、および画素値の差が大きいほど重み付けが小さくなるような正規分布を重み付けとするバイラテラルフィルタを用いてフィルタリングを行うようにしてもよい。また、断層面Tj上の注目座標位置と任意の画素それぞれの近傍領域の類似性に基づいて重み付けを行うNon-Local Means Filter(非局所平均化フィルタ)を用いて、フィルタリングを行うようにしてもよい。これにより、ノイズを抑制しつつも、エッジを保存することができるため、後述するように生成された断層画像において、鮮鋭度が低下してしまうことを防止できる。
また、断層面Tjに投影された画素値に対して、例えば微分フィルタによるフィルタリングを行うことにより、画素値が所定の閾値を超えて急激に変化する被写体の構造であるエッジを検出し、エッジが存在する方向に沿って、フィルタリング処理を行うようにフィルタ特性を変更することにより、鮮鋭度の変更の程度を変更しもよい。また、エッジの境界にある画素値に対しては、エッジを超えた位置に存在する画素値を使用しないように、フィルタリング処理を行うようにしてもよい。これにより、エッジが平滑化されることがなくなるため、ノイズを抑制しつつも、断層面Tjに投影された画素値の分布において鮮鋭度が低下してしまうことを防止できる。
なお、平滑化に代えて、あるいは平滑化に加えて、鮮鋭度を強調する処理を行ってエッジを強調するようにしてもよい。この場合、エッジが存在する方向に沿って、鮮鋭度を強調する処理を行うことが好ましい。
このようにしてフィルタリングが行われた後、画素値算出部33は、断層面Tjに投影された投影画像の画素値に対して回帰分析を行うことにより、断層面Tjにおける断層画像を表す曲面を生成する。ここで、説明を容易なものとするために、回帰曲面を回帰曲線と考える。回帰分析は、多変量の関係を解析する統計的な手法である。ここで、観測点上での観測値が、真の値に対してノイズが含まれて観測されたとする。回帰分析は、真の値をあらゆる観測点において求める逆問題を、最小二乗法、移動平均法およびカーネルを用いた回帰等で解く手法である。第1の実施形態においては、断層面Tj上の投影画像Giの画素値が投影された座標位置を観測点uk、観測点ukに投影された投影画像の画素値を観測値qk、注目座標位置umにおいて算出する画素値を真の値rmとし、回帰分析により注目座標位置umの画素値rmを算出することとなる。
ここで、最小二乗法を用いる場合、真の値が、分布がγ個のパラメータaにより規定される関数にしたがっていると仮定する。すなわち、r=f(u|a1,a2,・・・.aγ)であると仮定する。そして、真の値と観測値との二乗誤差を最小にするパラメータa1,a2,・・・.aγを求めることによって関数fを決定することができる。具体的には、下記の式(3)により、観測点における観測値の誤差の総和が最小となるように関数fのパラメータを決定することによって、注目座標位置の画素値rmを算出して回帰曲線(曲面)を生成する。なお、式(4)に示すように、観測点uk毎に重みwkを設定し、重みづけ最小二乗法により注目座標位置umの画素値rmを算出して回帰曲線(曲面)を生成するようにしてもよい。
また、移動平均を用いる場合、移動平均により注目座標位置の画素値を算出して、回帰曲面を生成する。具体的には、説明を簡単なものとするために、回帰曲面を回帰曲線と考えると、注目座標位置umの画素値について、注目座標位置umに隣接する3つの座標位置、すなわち例えば座標位置uk−1,uk,uk+1に投影された投影画像Giの画素値の平均値である{(qk−1)+qk+(qk+1)}/3を算出し、算出した平均値を注目座標位置umの画素値とする。なお、各画素値に対して重みを設定するようにしてもよい。例えば、注目座標位置umからの距離が大きくなるほど小さくなるように重みを設定するようにしてもよい。
カーネルを用いた回帰の手法を用いる場合、投影画像の画素値が投影された断層面Tj上の観測点ukおよび注目座標位置umについて、下記の式(5)によりカーネルを決定することにより、回帰曲線(曲面)を算出する。なお、式(5)において、argminは右辺を最小にするr(um)の値を算出することを表す。
なお、上述した平滑化のためのフィルタリングの処理を回帰分析に組み込むことも可能である。最小二乗法を用いる場合、関数fとして低次元の関数を使用することにより、生成される回帰曲面の平滑化の程度を強くすることができる。逆に高次元の関数を使用することにより、生成される回帰曲面の鮮鋭度を高くすることができる。移動平均を用いる場合は、平均を算出する画素の数を変更したり、重みづけの程度を変更することにより、平滑化の程度を変更することができる。すなわち、平均を算出する画素の数を多くすることにより、平滑化の程度を大きくすることができる。また、上述したように撮影条件に応じて重みづけの程度を変更して、平滑化の程度を変更するようにしてもよい。
カーネルを用いた回帰の手法においては、カーネルの設計に応じて、平滑化の程度を変更することができる.とくにカーネルを用いた回帰の手法においては、カーネルの設計に応じて、重みづけ最小二乗法と同様の効果を得ることができたり、エッジを強調したりすることができる。例えば、カーネルとして下記の式(6)に示すものを用いると、注目座標位置umと観測点ukとの距離が近いほど観測点ukの観測値qkに近くなるような画素値を算出するように回帰曲面を生成することとなる。このため、ガウシアンフィルタを用いた平滑化と同様の効果を得ることができる。なお、式(6)においてhxは帯域幅のパラメータである。
ところで、図7においては、断層面Tj上の一番右の画素位置に投影された5つの画素値のうち、2つの画素値が隣接する画素位置の画素値と比較して大きく異なっている。このように隣接する画素の画素値と大きく異なる画素値が存在すると、回帰曲面を生成した場合、図8に示すように、外れ値を含む画素位置において、隣接する画素位置と値が大きく異なるものとなる。このため、算出した回帰曲面から後述するように断層画像を生成すると、外れ値となる画素位置においてアーチファクトが発生する。
このため、画素値算出部33は、断層面Tjに投影された画素値において、隣接する画素値と大きく異なる画素値を外れ値に決定し、外れ値となる画素値を除外して、注目座標位置の画素値を算出する。例えば、断層面Tj上において、注目座標位置に隣接する画素位置の画素値の平均値と、注目座標位置に投影された複数の画素値のそれぞれとの差分を算出し、差分が所定の閾値を超えた画素値を外れ値に決定し、回帰分析の際に外れ値となる画素値を除外すればよい。なお、外れ値を除外することに代えて、外れ値となる画素値の重み付けを小さくするようにしてもよい。
このように、外れ値を除外してあるいは外れ値の重み付けを小さくして回帰曲線(曲面)を算出すると、図9に示すように、外れ値を含む画素位置においても、隣接する画素位置と値が大きく変わらないようになる。これにより、断層画像にアーチファクトが含まれることを防止することができる。
なお、回帰分析に外れ値を除去する処理を組み込むことも可能である。最小二乗法を用いる場合、上記式(4)に示した重みづけ最小二乗法を使用し、外れ値となる画素値の重みづけを0とするあるいは小さくすればよい。移動平均を用いる場合、重みづけ平均を求めるようにし、外れ値となる画素値の重みづけを0とするあるいは小さくすればよい。
画素値算出部33は、回帰曲面が生成されると、回帰曲面を所望とするサンプリング間隔によりサンプリングして、断層画像を生成する。なお、サンプリング間隔は、固定された値としてストレージ23に保存しておけばよい。また、入力部4からの指示により、任意の値に変更できるようにしてもよい。例えば、サンプリング間隔を投影画像と同一とすれば、断層画像は投影画像Giと同一の解像度となり、サンプリング間隔を投影画像G1よりも小さくすれば、断層画像は投影画像Giよりも高解像度とすることができる。逆に、サンプリング間隔を投影画像Giよりも大きくすれば、断層画像は投影画像Giよりも低解像度とすることができる。この場合、操作者による入力部4からの入力により、ストレージ23に保存されたサンプリング間隔の値が書き換えられて、サンプリング間隔が変更されることとなる。また、表示部3の解像度に応じて、サンプリング間隔を調整するようにしてもよい。
次いで、第1の実施形態において行われる処理について説明する。図10は第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。操作者による処理開始の指示を入力部4が受け付けるとトモシンセシス撮影が行われて、画像取得部31が、複数の投影画像Giを取得する(ステップST1)。次いで、画素値投影部32が、画像取得部31が取得した複数の投影画像の画素値を保持しつつ、乳房Mの所望とする断層面Tj上の座標位置に、投影画像Giの画素値を投影する(ステップST2)。
そして、画素値算出部33が、断層面Tjに投影された投影画像Giの画素値に対して回帰分析を行い(ステップST3)、断層面Tjにおける断層画像を表す回帰曲面を生成する(ステップST4)。さらに画素値算出部33が、回帰曲面を所定のサンプリング間隔によりサンプリングして断層画像を生成し(ステップST5)、処理を終了する。なお、他の断層面において断層画像を生成する場合には、断層面の位置を変更して、ステップST1〜ステップST5の処理を行えばよい。
このように、第1の実施形態においては、複数の投影画像Giの画素値を保持しつつ、複数の投影画像Giのそれぞれについての撮影時のX線源16の位置と放射線検出器15との位置関係に基づいて、複数の投影画像Giの画素値を被写体である乳房Mの所望とする断層面Tj上の座標位置に投影し、断層面Tjにおける注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲に投影された投影画像Giの複数の画素値に基づいて、例えば回帰分析による回帰曲面を生成することにより、注目座標位置の画素値を算出して、断層画像を生成するようにしたのである。このため、注目座標位置に投影された投影画像Giの画素値のみを用いて注目座標位置の画素値を算出する従来の手法と比較して、注目座標位置の周囲の画素値の影響を考慮することができ、その結果、アーチファクトを低減してより高画質の断層画像を生成することができる。また、逐次近似再構成法のように、投影および再投影を繰り返す必要が無いため、演算時間を大幅に短縮することができる。
また、回帰曲面を所望とするサンプリング間隔によりサンプリングして、注目座標位置の画素値を算出することにより、所望とする解像度の断層画像を生成することができる。
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態による断層画像生成装置の構成は上記第1の実施形態による断層画像生成装置の構成と同一であり、行われる処理のみが異なるため、ここでは装置の詳細な説明は省略する。上記第1の実施形態においては、図5に示すように、線源位置と断層面Tj上の画素位置とを結ぶ直線と交差する投影画像Giの画素値を、この直線上に位置する断層面Tj上の画素位置の画素値に投影している。第2の実施形態においては、複数の線源位置Siのそれぞれにおいて、各線源位置Siと投影画像Gi上の画素位置とを結ぶ直線と交差する断層面Tj上の座標位置に、この直線上に位置する投影画像Giの画素位置における画素値を投影するようにした点が第1の実施形態と異なる。
図11は第2の実施形態における画素値の投影を説明するための図である。なお、図11においては、線源位置Siにおいて取得された投影画像Giを、乳房Mにおける断層面のうちの所望とする断層面Tj(j=1〜m:mは断層面の数)に投影する場合について説明する。第2の実施形態においては、図11に示すように、線源位置Siと投影画像Gi上の画素位置とを結ぶ直線と、断層面Tjとが交差する座標位置に、この直線上に位置する投影画像Giの画素値を投影する。ここで、線源位置Siにおける線源位置の座標(sxi、syi、szi)、断層面Tjにおける画素位置の座標Tj(tx,ty,tz)、および投影画像Gi上の座標位置Piの座標(pxi,pyi)の関係は、上記式(1)に示すものとなる。したがって、式(1)におけるpxi,pyiを投影画像Giの画素位置とし、式(1)をtx,tyについて解くことにより、投影画像Giの画素位置の画素値が投影される断層面Tj上の座標位置を算出することができる。したがって、算出した断層面Tj上の座標位置に投影画像Giの画素値を投影すればよい。
この場合、図11に示すように、線源位置Siと投影画像Gi上の画素位置とを結ぶ直線と、断層面Tjとの交点Tjxは、断層面Tj上の画素位置とならない場合がある。第2の実施形態においては、このような場合においても、画素位置の間にある座標位置に、投影画像Giの画素値を投影するものとする。このため、第2の実施形態においては、断層面Tj上の画素位置以外の座標位置にも、投影画像の画素値が投影されることとなる。
第2の実施形態においては、画素値投影部32は、全ての線源位置Siについて、全ての投影画像G1〜Gnの画素値を断層面Tjに投影する。これにより、図12に示すように、断層面Tj上の画素位置を含む座標位置には、全ての投影画像Giの画素数に対応する画素値が投影されることとなる。
第2の実施形態においても、画素値算出部33は、第1の実施形態と同様に、断層面Tj上に投影された投影画像Giの画素値に対してフィルタリング処理を行い、さらに回帰分析を行うことにより回帰曲面を生成する。なお、フィルタリング処理を行う際には、断層面上において画素値が投影されている座標位置を中心としてフィルタリングを行うようにすればよい。
ここで、第2の実施形態においては、上述したように投影画像Giの画素値を断層面Tj上の座標位置に投影しているため、第1の実施形態のように投影画像Giの画素値を補間処理する必要がなくなる。したがって、第1の実施形態と比較して、投影時に投影画像の画質が劣化することがなくなる。これにより、生成された断層画像の画質をより高画質なものとすることができる。
また、第2の実施形態においては、断層面Tj上において画素値が投影された座標位置の間隔は、断層面Tj上の画素位置の間隔よりも小さくなり、その結果、断層面Tj上における画素位置ではない座標位置に画素値を持つこととなる。このため、断層面Tjの画素位置の間隔により定められるナイキスト周波数より高周波数の帯域においても、実際に取得された投影画像の画素値に基づいて、精度が高い回帰曲面を生成することができる。したがって、第2の実施形態においては、回帰曲面のサンプリング間隔を小さくしても、画質の劣化を抑制することができるため、より高画質の断層画像を生成することができる。
次いで、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態による断層画像生成装置の構成は上記第1の実施形態による断層画像生成装置の構成と同一であり、行われる処理のみが異なるため、ここでは装置の詳細な説明は省略する。第3の実施形態においては、画像取得部31が、さらに通常のX線撮影により放射線画像を取得するようにし、画素値投影部32が、断層面Tjにおける投影画像の画素値の投影位置を補正するようにした点が第1の実施形態と異なる。なお、通常のX線撮影とは、X線源16を移動させることなく特定の線源位置に固定し、被写体の透過画像を取得するための撮影条件により被写体にX線を照射することにより行う撮影である。
ここで、X線源16から射出されるX線は、図13に示すように、X線源16から離れるほど広がるコーンビームとなっている。また、投影画像Giが取得される放射線検出器15の表面は、断層面TjよりもX線源16から遠い位置にある。このため、複数の線源位置Siのうちの特定の線源位置において乳房Mを撮影した場合、乳房Mに含まれる乳腺および石灰化等の構造物B0の位置は、図14に示すように、放射線検出器15により検出される投影画像Giと断層面Tjにおける断層画像TGjとにおいて異なるものとなる。
通常のX線撮影により放射線画像を取得する場合、X線源16の位置が特定の線源位置に固定され、乳房Mの透過画像を取得するための撮影条件により乳房Mの撮影が行われる。このため、特定の線源位置において取得される投影画像と放射線画像との幾何学的な位置関係は同一となる。したがって、放射線画像を取得し、放射線画像および断層画像を並べて診断を行う場合、放射線画像と断層画像とで、対応する構造物B0の位置が異なるものとなってしまう。このため、第3の実施形態においては、画素値投影部32において、投影画像Gi上の注目座標位置と、この注目座標位置の画素値が投影される断層面Tj上の座標位置とが一致するように、投影画像Giの撮影時の線源位置Siと投影画像Gi上の注目座標位置との位置関係に基づいて、投影画像Gi上の注目座標位置の画素値が投影される断層面Tj上の座標位置を補正するようにしたものである。
以下、投影位置の補正について説明する。図13に示すように、線源位置Siにおける線源位置の座標を(sxi、syi、szi)、断層面Tjにおける構造物B0の座標をTj(tx,ty,tz)とすると、放射線検出器15上の構造物B0の投影位置の座標をPi(pxi,pyi)は、上記式(1)により表される。
ここで、Piを注目座標位置とすると、座標位置の補正を行わない場合、注目座標位置Piは断層面Tj上の座標位置Tjに投影され、式(1)をtx,tyについて解くことにより、注目座標位置Piの画素値が投影される断層面Tj上の座標位置を算出することができる。
一方、図13に示すように、座標位置Pi(pxi,pyi)を通って放射線検出器15の検出面に直交する線上にX線源16が存在するとした場合、断層面Tjの断層画像において、断層面Tjと線源位置Scと座標位置Piとを結ぶ直線との交点に、注目座標位置Piが投影される。これにより、断層面Tjの断層画像において、投影画像Giと同一の2次元座標に構造物B0が存在するようになり、その結果、構造物B0の位置は、線源位置Scにおいて撮影された投影画像Giと断層面Tjにおける断層画像とにおいて一致する。したがって、投影画像の画素値を断層面Tjに投影する際の基準となる線源位置を、投影する画素値となる投影画像上の座標位置に直交する直線上にある線源位置Scに変更することにより、注目座標位置の画素値が投影される断層面Tj上の座標位置を補正する。ここで、補正の基準となる線源位置Scの座標位置を(sxc,syc,szc)とすると、補正後の注目座標位置Piと断層面Tj上の座標位置(tx,ty)との関係は下記の式(7)により表される。
式(7)において、pxi,pyiのそれぞれを表す式の第1項の(szc−tz)/szcが、座標位置の拡大率を、第3項がx方向およびy方向の座標位置の移動量を表すものとなる。したがって、式(7)をtx,tyについて解くことにより、注目座標位置Piの画素値が投影される断層面Tj上の、補正された座標位置を算出することができる。
このように、投影画像Giの画素値を投影する断層面Tj上の座標位置を補正することにより、断層画像に含まれる腫瘍等の構造物の位置と、投影画像、すなわち放射線画像に含まれる対応する構造物の位置を一致させることができる。したがって、放射線画像および断層画像を用いての診断をより正確に行うことができる。
次いで、本発明の第4の実施形態について説明する。図15は第4の実施形態による断層画像生成装置の概略構成を示す図である。なお、図15において図3と同一の構成については同一の参照番号を付与し、詳細な説明は省略する。第4の実施形態による断層画像生成装置は、乳房Mの複数の断層面における複数の断層画像から擬似画像を生成する擬似画像生成部34を備えた点が第1の実施形態と異なる。
擬似画像生成部34は、複数の断層面Tjのそれぞれにおいて生成した複数の断層画像TGjを、対応する画素位置同士で加算することにより、加算断層画像を擬似画像として生成する。このようにして生成された加算断層画像は、通常のX線撮影により取得した放射線画像と同一の、被写体の透過画像を擬似的に表すものとなる。ここで、本実施形態においては、断層画像はノイズが低減された高画質のものとなっている。したがって、このような複数の断層画像を加算することにより、高画質の透過画像、すなわち擬似的な放射線画像を生成することができる。
ここで、第4の実施形態においては、投影画像の画素値を断層面の座標位置に投影する際に、第3の実施形態のように、断層面Tj上の座標位置の補正を行うことにより、対応する構造物の位置を断層画像間で一致させることができる。したがって、加算時の画素値の対応づけが容易となるため、より高画質の放射線画像を生成することができる。
なお、擬似画像生成部34においては、加算断層画像に代えて、複数の断層画像における対応する画素位置の最大値を取り出すMIP法により得られる最大値投影画像を擬似画像として生成してもよい。また、複数の断層画像の最小値を取り出すminIP法により得られる最小値投影画像を擬似画像として生成してもよい。
また、上記各実施形態において、生成された断層画像を表示部3に表示し、断層画像上における注目領域のサイズの変更指示を受け付け、変更指示を受け付けた注目領域を拡大表示するようにしてもよい。この場合、回帰曲面において、サイズの変更指示を受け付けた注目領域に対応する領域を抽出し、抽出した領域のサンプリング間隔を断層画像のサンプリング間隔よりも小さくしてサンプリングを行う。これにより、図16に示すように、断層画像TGjにおいて指定された注目領域A1の拡大画像A2を表示することができる。ここで、サンプリング間隔は、表示部3の解像度により決定されるサンプリング間隔とすることが好ましい。なお、図16においては拡大画像A2は断層画像TGjに重畳させているが、断層画像TGjに代えて拡大画像A2を表示してもよく、断層画像TGjと拡大画像A2とを並べて表示してもよい。なお、逆に、注目領域を縮小する指示がなされた場合、回帰曲面において抽出された注目領域に対応する領域のサンプリング間隔を、断層画像のサンプリング間隔よりも大きくしてサンプリングを行えばよい。
次いで、本発明の第5の実施形態について説明する。図17は第5の実施形態による断層画像生成装置の概略構成を示す図である。なお、図17において図3と同一の構成については同一の参照番号を付与し、詳細な説明は省略する。第5の実施形態による断層画像生成装置は、断層面Tjに投影された複数の投影画像Giのそれぞれの画素値からなる画像を断層面投影画像TGiと定義し、複数の断層面投影画像TGi間の位置ずれを補正する位置ずれ補正部35を備えた点が第1の実施形態と異なる。
ここで、トモシンセシス撮影を行う場合、撮影時の振動あるいは機械的なずれ等の装置誤差の影響により、放射線源を算出された通りの線源位置に正確に移動させることは困難である。このため、撮影時の線源位置は算出された線源位置とずれることとなる。このずれの影響により、対象物の投影位置を精度よく位置合わせすることができず、その結果、断層画像の画質が劣化する。
また、このようなトモシンセシス撮影を行う場合、1回の撮影開始指示に基づいて、被写体の複数の画像を撮影することから、撮影開始から撮影終了までの撮影時間として数秒を要し、この撮影時間内に被写体が動いてしまう場合がある。このような被写体の動きである体動が発生すると、再構成時に対象物の投影位置を精度よく位置合わせすることができず、その結果、断層画像の画質が劣化する。
しかも、装置誤差および体動の影響は、被写体内において3次元的にかつ非線形に発生するため、複数の投影画像Giをアフィン変換等により単純に平行移動、回転および拡大縮小するのみでは、断層画像から装置誤差および体動の影響を除去することは困難である。
第5の実施形態においては、位置ずれ補正部35が、複数の断層面投影画像TGi間の位置ずれを補正する。ここで、X線源16を複数の線源位置Siに移動しての撮影中において、装置誤差または乳房Mの体動が発生しなかった場合、複数の断層面投影画像TGiの画素値は、図18に示すように略一致する。しかしながら、装置誤差または体動が発生すると、装置誤差または体動が発生した際に撮影された投影画像に対応する断層面投影画像は、図19に示すように、他の断層面投影画像と対応する画素位置がずれることとなる。位置ずれ補正部35は、複数の断層面投影画像TGiの位置が一致するように、複数の断層面投影画像TGi間の位置ずれを補正する。具体的には、位置ずれ補正部35は、SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)あるいはSURF(Speeded Up Robust Features)等のアルゴリズムを用いて、各断層面投影画像TGiに含まれる、エッジ、エッジの交点およびエッジの角部等の特徴点を検出し、検出した特徴点を一致させるように、各断層面投影画像TGiを変換することにより、位置ずれを補正する。これにより、複数の断層面投影画像TGiは、図18に示すように位置ずれが補正されて、複数の断層面投影画像TGiにおける画素値の分布が略一致することとなる。
ここで、SIFTとは、特徴点において画像の回転およびスケール変化に対して不変な特徴量を記述し、記述した特徴量に基づいて、複数の画像の位置合わせを行う手法である。SURFとは、SIFTにおいて行われる処理を近似処理に置き換えることにより、より高速に位置合わせを行う手法である。なお、本実施形態において行われる位置ずれ補正処理は、SIFTまたはSURFに限定されるものではなく、任意の手法を用いることができる。
第5の実施形態においては、画素値算出部33は、複数の断層面投影画像TGiの位置ずれの補正後、上記各実施形態と同様に、断層面Tj上の各画素値を算出することにより、断層面Tjにおける断層画像を生成する。
このように、第5の実施形態においては、断層面Tjに投影されてなる複数の断層面投影画像TGiの位置ずれを補正するようにしたため、3次元的に発生する装置誤差および体動の影響を、断層面Tj上の2次元的な位置ずれとしてのみ考慮すればよいこととなる。したがって、断層面Tjにおいて装置誤差および体動に起因する位置ずれを効果的に除去することができ、その結果、断層画像の画質をより向上させることができる。
なお、隣接する断層面の断層画像においては、対応する画素位置の画素値は同じ値となる傾向がある。このため、上記各実施形態において、乳房Mにおける複数の断層面において回帰曲面を生成し、注目する断層面の回帰曲面について、隣接する断層面における回帰曲面を用いて平滑化するようにしてもよい。具体的には、断層面Tjの回帰曲面について、隣接する3つの断層面Tj−1,Tj,Tj+1の回帰曲面における対応する画素位置の画素値の相関を算出する。そして、相関が所定の閾値を超える場合にのみ、その画素位置について3つの断層面Tj−1,Tj,Tj+1の画素値の平均を算出する等して、平滑化を行う。なお、相関は、例えば対応する画素位置の画素値の差分値の絶対値を用いることができる。これにより、隣接する断層面の画素値の影響を考慮することができるため、ノイズがより低減された高画質の断層画像を生成することができる。
また、上記各実施形態において、回帰曲面を生成した後、断層面Tj上に投影された画素値と回帰曲面との対応する座標位置における差分値の絶対値を算出し、差分値の絶対値が所定の閾値を超えた画素値を外れ値に決定し、外れ値を除外する、あるいは外れ値の重み付けを小さくして、回帰曲面を修正するようにしてもよい。例えば、図8に示すように、回帰曲線を生成した場合、断層面Tj上の一番右の画素位置に投影された5つの画素値について、この画素位置における回帰曲線の値との差分値の絶対値を算出する。この場合、値が大きい2つの画素値について差分値の絶対値が閾値より大きくなる。このため、値が大きい2つの画素を外れ値として除外して、あるいは外れ値となる画素値の重み付けを小さくして、回帰曲線を修正する。これにより、図9に示すように、外れ値を含む画素位置においても、隣接する画素位置と値が大きく変わらないように回帰曲線を生成することができる。
また、上記各実施形態において、全ての投影画像Giの画素値を断層面Tjに投影した後に回帰曲面を生成しているが、投影画像Gi毎に回帰曲面を生成してもよい。この場合、投影画像Gi毎に算出した回帰曲面間において、対応する座標位置における相関を算出する。なお、相関としては差分値の絶対値を用いることができる。そして、相関が小さい、すなわち差分値の絶対値が所定の閾値を超える画素値を有する回帰曲面がある場合には、その回帰曲面における相関が小さい座標位置の画素値を、外れ値に決定する。そして、外れ値を除外する、あるいは外れ値の重み付けを小さくして、断層面Tj上の座標位置に投影された全ての投影画像Giの画素値に基づいて、回帰曲面を生成すればよい。
また、トモシンセシス撮影を行う場合、X線が放射線検出器15に直交するように入射する場合と、斜めに入射する場合とで、放射線検出器15に到達するX線量が異なるものとなる。このため、投影画像Giにおいて撮影時の線源位置毎に画質が異なるものとなる。具体的には、X線が放射線検出器15に対して直交するように入射した場合に取得される投影画像と、斜めに入射した場合に取得される投影画像とでは、後者の方が放射線検出器15への到達線量が小さくなるため、投影画像の濃度が低くなり画質が白っぽくなる。また、投影画像上において、放射線画像撮影装置の特性等の影響により濃度ムラが発生する場合がある。このため、投影画像Gi間の画質の相違および濃度ムラを補正した後に、断層面Tj上の座標位置に、投影画像Giの画素値を投影することが好ましい。
ここで、到達線量に基づく濃度の相違および濃度ムラは、投影画像Giの低周波数成分に含まれる。なお、低周波数とは、投影画像Giの画素位置の間隔により定められるナイキスト周波数の50%以下において適宜設定される周波数である。このため、各投影画像Giから低周波数成分を除去し、低周波数成分を除去した投影画像Giの画素値を断層面Tjの座標位置に投影することが好ましい。これにより、投影画像Gi間の画質の相違を補正することができるため、より高画質の断層画像を生成することができる。なお、低周波数成分の除去は、例えば投影画像を周波数分解して低周波数成分を算出し、算出した低周波数成分を投影画像から減算することにより行えばよい。また、投影画像のボケ画像を生成し、ボケ画像を投影画像から減算することにより行ってもよい。
また、上記実施形態において、回帰曲面の生成を逐次的に繰り返してもよい。例えば、上述した重みづけ最小二乗法を用いて回帰曲面を算出する手法において、回帰曲面を生成した後、各観測点ukの重みwkを下記の式(8)により算出する。式(8)におけるf(uk)は、算出した回帰曲線における観測点ukでの値である。
式(8)により、観測値qkと回帰曲線上の観測点ukの値との差が大きいほど、重みkの値は小さくなる。そして、算出された重みwkを用いて、上記式(4)により回帰曲線を生成すると、新たに生成された回帰曲線は、前回生成された回帰曲線から外れる値の影響がより小さくなるように生成される。とくに、外れ値が存在する場合には、外れ値の重み付けがより小さくなるため、断層画像を生成した際に、外れ値となる画素位置に発生するアーチファクトを低減することができる。なお、回帰曲面の生成を繰り返す回数は予め設定しておいてもよく、予め定められた収束条件を満足するまで、繰り返すようにしてもよい。収束条件としては、例えば繰り返し演算による差分、すなわちqk−f(uk)の値が予め定められたしきい値以下となる条件を用いることができる。
なお、移動平均あるいはカーネルを用いて回帰曲線を生成する場合にも、回帰曲面の生成を逐次的に繰り返してもよい。移動平均を用いる場合、観測点ukに対する重みを、上記式(8)と同様に算出し、重み付け移動平均の算出を繰り返せばよい。カーネルを用いた手法の場合、カーネルを決定する式に、上記式(8)のように重みwkを算出する項を組み込み、カーネルを用いた手法を繰り返して回帰曲線を生成すればよい。
また、上記各実施形態においては、画素値算出部33において回帰曲面を生成して断層画像を生成しているが、回帰曲面を生成することなく、断層面Tj上の画素位置の画素値を、回帰分析により算出して断層画像を生成するようにしてもよい。この場合、生成される断層画像のサンプリング間隔を予め設定しておき、そのサンプリング間隔となる座標位置を断層面Tj上の注目画素位置とし、この注目画素位置の画素値を回帰分析により算出するようにすればよい。
また、上記各実施形態においては、乳房Mを被写体としてトモシンセシス撮影を行っているが、乳房以外を被写体としてトモシンセシス撮影を行う場合にも本発明を適用できることはもちろんである。
また、上記各実施形態においては、X線源16のみを移動させているが、撮影装置によっては、X線源16と放射線検出器15とを同期させて移動させることが可能であるため、そのような場合にはX線源16と放射線検出器15とを同期させて移動するようにしてもよい。また、X線源16を固定して、放射線検出器15のみを移動させるようにしてもよい。
また、上記各実施形態においては、トモシンセシス撮影を行う撮影装置に本発明を適用しているが、複数の線源位置において被写体を撮影することにより複数の投影画像を取得する任意の撮影装置に本発明を適用できる。例えば、放射線源と放射線検出器とを被検体を中心として対向させて配置し、これらの組を被検体を中心として周回させて、様々な角度から放射線を照射して複数の投影画像を取得するCT撮影装置にも、本発明を適用することができる。
また、上記各実施形態においては、X線源16の軌道を円弧としているが直線としてもよい。
以下、本発明の実施態様の効果について説明する。
複数の線源位置のそれぞれにおいて、放射線源と投影画像上の画素位置とを結ぶ直線と断層面とが交差する座標位置の画素値に、直線上に位置する投影画像の画素位置における画素値を投影することにより、画素値の投影時に補間処理が行われないこととなる。このため、より高画質の断層画像を生成することができる。とくに、断層面上において、断層画像の画素位置となるべき座標位置とは異なる位置にも画素値が投影されることとなるため、高解像度かつ高画質の断層画像を生成することができる。
また、回帰分析を行って、断層面における断層画像を表す回帰曲面を生成し、この回帰曲面を所望とするサンプリング間隔によりサンプリングして、断層面上の画素位置の画素値を算出することにより、所望とする解像度の断層画像を生成することができる。
また、回帰分析を行う際に、注目座標位置の画素値の鮮鋭度を変更することにより、注目座標位置の画素値において鮮鋭度を強調したり、鮮鋭度を低減して平滑化を行うことによりノイズを抑制したりすることができる。このため、所望とする画質を有する断層画像を生成することができる。
また、撮影時の撮影条件および投影画像に含まれる被写体の構造の少なくとも一方の情報に応じて、鮮鋭度の変更の程度を変更することにより、撮影条件および被写体の構造の少なくとも一方に応じた所望とする画質を有する断層画像を生成することができる。
また、注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲に投影された投影画像の画素値のうち、外れ値となる画素値を除外して、あるいは外れ値となる画素値の重み付けを小さくして、注目座標位置の画素値を算出することにより、アーチファクトとなる可能性が高い画素値の影響を低減することができ、これにより、より高画質の断層画像を生成することができる。
なお、線源位置の相違により複数の投影画像に低周波のムラが生じる場合がある。このため、投影画像の低周波成分を除去し、低周波成分が除去された投影画像の画素値を断層面上の座標位置に投影することにより、低周波のムラの影響を低減することができ、これにより、より高画質の断層画像を生成することができる。
また、放射線源から射出される放射線は、線源から離れるほど広がるコーンビームとなっている。ここで、投影画像が取得される検出手段の表面は、断層面よりも放射線源から遠い位置にあるため、被写体に含まれる構造物の2次元座標上の位置は、この構造物を含む断層面の断層画像と投影画像とにおいて異なるものとなる。
このため、特定の線源位置から投影された投影画像上の注目座標位置の2次元座標と、注目座標位置の画素値が投影される断層面上の座標位置の2次元座標とが一致するように、特定の線源位置と注目座標位置との位置関係に基づいて、注目座標位置の画素値が投影される断層面上の座標位置を補正して、複数の投影画像の画素値を断層面上の補正された座標位置に投影することにより、断層画像と特定線源位置において取得される投影画像とにおいて、被写体に含まれる構造物の2次元座標の位置を一致させることができる。
この場合、特定線源位置において被写体を撮影して放射線画像を取得し、補正された座標位置に投影画像の画素値が投影された断層面における注目座標位置の画素値を算出することにより断層画像を生成し、放射線画像および断層画像を表示することにより、表示された放射線画像と断層画像とにおいて、被写体に含まれる構造物の2次元座標の位置が一致することとなる。したがって、診断をより適切に行うことができる。
被写体の複数の断層面における断層画像を生成し、複数の断層画像を加算して加算断層画像を生成することにより、より高画質の透過画像を擬似的に生成することができる。
1 放射線画像撮影装置
2 コンピュータ
3 表示部
4 入力部
10 撮影部
15 放射線検出器
16 X線源
17 圧迫板
21 CPU
22 メモリ
23 ストレージ
31 画像取得部
32 画素値投影部
33 画素値算出部
34 擬似画像生成部
35 位置ずれ補正部

Claims (19)

  1. 放射線源を検出手段に対して相対的に移動させ、前記放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射することにより撮影された、前記複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を取得する画像取得手段と、
    前記複数の投影画像の画素値を保持しつつ、前記複数の投影画像のそれぞれについての撮影時の前記線源位置と前記検出手段との位置関係に基づいて、前記複数の投影画像の画素値を前記被写体の所望とする断層面上の座標位置に投影する画素値投影手段と、
    前記断層面における注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲に投影された前記投影画像の複数の画素値に基づいて、前記注目座標位置の画素値を算出することにより、前記断層面の断層画像を生成する画素値算出手段とを備えたことを特徴とする断層画像生成装置。
  2. 前記画素値投影手段は、前記複数の線源位置のそれぞれにおいて、該各線源位置と前記断層面上の画素位置とを結ぶ直線と交差する前記対応する投影画像の座標位置における画素値を、該直線上に位置する前記断層面上の画素位置の画素値に投影する手段である請求項1記載の断層画像生成装置。
  3. 前記画素値投影手段は、前記複数の線源位置のそれぞれにおいて、該各線源位置と前記対応する投影画像上の画素位置とを結ぶ直線と交差する前記断層面上の座標位置に、前記直線上に位置する前記投影画像の画素位置における画素値を投影する手段である請求項1記載の断層画像生成装置。
  4. 前記断層面上の座標位置の間隔は、該断層面上の画素位置の間隔よりも小さい請求項3記載の断層画像生成装置。
  5. 前記画素値算出手段は、前記断層面に投影された前記投影画像の画素値に対して回帰分析を行って、前記注目座標位置の画素値を算出する手段である請求項1から4のいずれか1項記載の断層画像生成装置。
  6. 前記画素値算出手段は、前記回帰分析を行って、前記断層面における断層画像を表す回帰曲面を生成し、該回帰曲面を所望とするサンプリング間隔によりサンプリングして、前記断層面における画素位置の画素値を算出することにより前記断層画像を生成する手段である請求項5記載の断層画像生成装置。
  7. 前記サンプリング間隔は、前記投影画像のサンプリング間隔と異なる請求項6記載の断層画像生成装置。
  8. 前記画素値算出手段は、表示された前記断層画像における注目領域のサイズの変更指示を受け付けた場合、前記回帰曲面における前記注目領域に対応する領域のサンプリング間隔を、前記変更指示に応じて変更して、該注目領域の断層画像を生成する手段である請求項6または7記載の断層画像生成装置。
  9. 前記画素値算出手段は、前記回帰分析を行う際に、前記注目座標位置の画素値の鮮鋭度を変更する手段である請求項5から8のいずれか1項記載の断層画像生成装置。
  10. 前記画素値算出手段は、前記撮影時の撮影条件および前記投影画像に含まれる前記被写体の構造の少なくとも一方の情報に応じて、前記鮮鋭度の変更の程度を変更する手段である請求項9記載の断層画像生成装置。
  11. 前記画素値算出手段は、前記注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲に投影された前記投影画像の複数の画素値のうち、外れ値となる画素値を除外して、あるいは該外れ値となる画素値の重み付けを小さくして、前記注目座標位置の画素値を算出する手段である請求項1から10のいずれか1項記載の断層画像生成装置。
  12. 前記画素値投影手段は、前記投影画像の低周波成分を除去し、該低周波成分が除去された前記投影画像の画素値を、前記断層面上の座標位置に投影する手段である請求項1から11のいずれか1項記載の断層画像生成装置。
  13. 前記画素値投影手段は、特定の線源位置に対応する前記投影画像上の注目座標位置の2次元座標と、該投影画像上の注目座標位置の画素値が投影される前記断層面上の座標位置の2次元座標とが一致するように、前記特定の線源位置と前記投影画像上の注目座標位置との位置関係に基づいて、前記投影画像上の注目座標位置の画素値が投影される前記断層面上の座標位置を補正して、前記複数の投影画像の画素値を前記断層面上の補正された座標位置に投影する手段である請求項1から12のいずれか1項記載の断層画像生成装置。
  14. 前記画像取得手段は、前記特定の線源位置において前記被写体に前記放射線を照射することにより撮影された、前記被写体の放射線画像を取得する手段であり、
    前記画素値算出手段は、前記補正された座標位置に前記投影画像の画素値が投影された前記断層面における前記注目座標位置の画素値を算出することにより前記断層画像を生成する手段であり、
    前記放射線画像および前記断層画像を表示する表示手段をさらに備えた請求項13記載の断層画像生成装置。
  15. 前記画素値投影手段および前記画素値算出手段は、前記被写体の複数の断層面における前記断層画像を生成する手段であり、
    前記複数の断層画像から擬似画像を生成する擬似画像生成手段をさらに備えた請求項1から14のいずれか1項記載の断層画像生成装置。
  16. 前記画素値算出手段は、前記注目座標位置の画素値と、該注目座標位置に対応する前記投影画像の座標位置における画素値との差に基づく重みづけ係数を算出し、前記投影画像の前記複数の画素値および前記重みづけ係数に基づいて、前記注目座標位置の画素値の算出を再度行って、前記注目座標位置の新たな画素値を算出する手段である請求項1から15のいずれか1項記載の断層画像生成装置。
  17. 前記画素値算出手段は、前記注目座標位置の前記新たな画素値を用いた新たな重みづけ係数の算出、および前記投影画像の前記複数の画素値および前記新たな重みづけ係数に基づく前記注目座標位置の新たな画素値の再度の算出を繰り返す手段である請求項16記載の断層画像生成装置。
  18. 放射線源を検出手段に対して相対的に移動させ、前記放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射することにより撮影された、前記複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を取得し、
    前記複数の投影画像の画素値を保持しつつ、前記複数の投影画像のそれぞれについての撮影時の前記線源位置と前記検出手段との位置関係に基づいて、前記複数の投影画像の画素値を前記被写体の所望とする断層面上の座標位置に投影し、
    前記断層面における注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲に投影された前記投影画像の複数の画素値に基づいて、前記注目座標位置の画素値を算出することにより、前記断層面の断層画像を生成することを特徴とする断層画像生成方法。
  19. 放射線源を検出手段に対して相対的に移動させ、前記放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射することにより撮影された、前記複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を取得する手順と、
    前記複数の投影画像の画素値を保持しつつ、前記複数の投影画像のそれぞれについての撮影時の前記線源位置と前記検出手段との位置関係に基づいて、前記複数の投影画像の画素値を前記被写体の所望とする断層面上の座標位置に投影する手順と、
    前記断層面における注目座標位置を基準とするあらかじめ定められた範囲に投影された前記投影画像の複数の画素値に基づいて、前記注目座標位置の画素値を算出することにより、前記断層面の断層画像を生成する手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする断層画像生成プログラム。
JP2015162559A 2014-09-19 2015-08-20 断層画像生成装置、方法およびプログラム Active JP6185023B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US14/854,762 US10335107B2 (en) 2014-09-19 2015-09-15 Tomographic image generation device and method, and recording medium

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014190784 2014-09-19
JP2014190784 2014-09-19

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016064118A true JP2016064118A (ja) 2016-04-28
JP6185023B2 JP6185023B2 (ja) 2017-08-23

Family

ID=55803753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015162559A Active JP6185023B2 (ja) 2014-09-19 2015-08-20 断層画像生成装置、方法およびプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6185023B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019122616A (ja) * 2018-01-17 2019-07-25 富士フイルム株式会社 画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム
WO2020067475A1 (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 富士フイルム株式会社 断層画像生成装置、方法およびプログラム
JP2021122658A (ja) * 2020-02-07 2021-08-30 富士フイルム株式会社 放射線画像処理装置、方法およびプログラム
WO2023171073A1 (ja) * 2022-03-08 2023-09-14 富士フイルム株式会社 画像処理装置、方法およびプログラム

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006239420A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 General Electric Co <Ge> ディジタル・トモシンセシスのフィルタ処理逆投影再構築に関するシステム、方法及び装置
JP2013031641A (ja) * 2011-07-05 2013-02-14 Fujifilm Corp 放射線撮影装置
JP2013176468A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Canon Inc 情報処理装置、情報処理方法
JP2014133095A (ja) * 2012-12-14 2014-07-24 Fujifilm Corp 画像処理装置、放射線画像撮影システム、画像処理プログラム、及び画像処理方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006239420A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 General Electric Co <Ge> ディジタル・トモシンセシスのフィルタ処理逆投影再構築に関するシステム、方法及び装置
JP2013031641A (ja) * 2011-07-05 2013-02-14 Fujifilm Corp 放射線撮影装置
JP2013176468A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Canon Inc 情報処理装置、情報処理方法
JP2014133095A (ja) * 2012-12-14 2014-07-24 Fujifilm Corp 画像処理装置、放射線画像撮影システム、画像処理プログラム、及び画像処理方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019122616A (ja) * 2018-01-17 2019-07-25 富士フイルム株式会社 画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム
WO2020067475A1 (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 富士フイルム株式会社 断層画像生成装置、方法およびプログラム
JPWO2020067475A1 (ja) * 2018-09-27 2021-08-30 富士フイルム株式会社 断層画像生成装置、方法およびプログラム
EP3858244A4 (en) * 2018-09-27 2021-11-17 FUJIFILM Corporation DEVICE, METHOD AND PROGRAM FOR TOMOGRAPHIC IMAGE GENERATION
JP7105314B2 (ja) 2018-09-27 2022-07-22 富士フイルム株式会社 断層画像生成装置、方法およびプログラム
US11961165B2 (en) 2018-09-27 2024-04-16 Fujifilm Corporation Tomographic image generating apparatus, tomographic image generating method, and tomographic image generating program
JP2021122658A (ja) * 2020-02-07 2021-08-30 富士フイルム株式会社 放射線画像処理装置、方法およびプログラム
JP7266543B2 (ja) 2020-02-07 2023-04-28 富士フイルム株式会社 放射線画像処理装置、方法およびプログラム
WO2023171073A1 (ja) * 2022-03-08 2023-09-14 富士フイルム株式会社 画像処理装置、方法およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6185023B2 (ja) 2017-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6370280B2 (ja) 断層画像生成装置、方法およびプログラム
JP6165809B2 (ja) 断層画像生成装置、方法およびプログラム
US10219769B2 (en) Radiation image processing apparatus, radiation image processing method, and recording medium having radiation image processing program stored therein
US9861332B2 (en) Tomographic image generation device and method, and recording medium
JP4841874B2 (ja) 断層合成造影における直接再生方法及び装置
JP6145889B2 (ja) 放射線画像処理装置および方法並びにプログラム
JP6556005B2 (ja) 断層画像生成装置、方法およびプログラム
US10335107B2 (en) Tomographic image generation device and method, and recording medium
KR101576703B1 (ko) 화상 처리 장치, 화상 처리 방법 및 컴퓨터 판독 가능 저장 매체
JP2016534802A (ja) 医療画像を表示する方法及び装置
JP6071853B2 (ja) 放射線画像処理装置、方法およびプログラム
US6751284B1 (en) Method and system for tomosynthesis image enhancement using transverse filtering
JP2017055973A5 (ja)
JP6185023B2 (ja) 断層画像生成装置、方法およびプログラム
JP2013085955A (ja) 連続マルチスケール再構成において詳細画像を補うx線コンピュータ断層撮像装置(x線ct装置)、医用画像処理装置及び医用画像処理方法
JPWO2006028085A1 (ja) X線ct装置、画像処理プログラム、及び画像処理方法
JP2006175213A (ja) 3次元画像処理装置
JP2022125356A (ja) 位置ずれ量導出装置、方法およびプログラム
JP2020048991A (ja) 断層画像生成装置、方法およびプログラム
US9965875B2 (en) Virtual projection image method
JP6767997B2 (ja) 歯科用画像生成システムの画像データの画像向上のための方法
JP7483654B2 (ja) 医用画像処理装置および医用画像処理方法
JP5283882B2 (ja) X線診断装置、画像処理装置及び画像再構成処理に用いられるフィルタ係数の算出プログラム
US20230115941A1 (en) X-ray diagnostic apparatus and medical information processing method
JP6285006B2 (ja) 放射線画像処理装置、方法およびプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160825

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20170523

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170726

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6185023

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250