JP6225636B2 - 医用画像処理装置及びプログラム - Google Patents

医用画像処理装置及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6225636B2
JP6225636B2 JP2013219093A JP2013219093A JP6225636B2 JP 6225636 B2 JP6225636 B2 JP 6225636B2 JP 2013219093 A JP2013219093 A JP 2013219093A JP 2013219093 A JP2013219093 A JP 2013219093A JP 6225636 B2 JP6225636 B2 JP 6225636B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
specific structure
structures
difference
emphasized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013219093A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015080555A (ja
Inventor
小林 剛
剛 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=51794741&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP6225636(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2013219093A priority Critical patent/JP6225636B2/ja
Priority to EP20140189752 priority patent/EP2866199A1/en
Priority to US14/521,201 priority patent/US9466106B2/en
Publication of JP2015080555A publication Critical patent/JP2015080555A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6225636B2 publication Critical patent/JP6225636B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/30Determination of transform parameters for the alignment of images, i.e. image registration
    • G06T7/33Determination of transform parameters for the alignment of images, i.e. image registration using feature-based methods
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/0002Inspection of images, e.g. flaw detection
    • G06T7/0012Biomedical image inspection
    • G06T7/0014Biomedical image inspection using an image reference approach
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/10Image acquisition modality
    • G06T2207/10004Still image; Photographic image
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/10Image acquisition modality
    • G06T2207/10116X-ray image
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/20Special algorithmic details
    • G06T2207/20004Adaptive image processing
    • G06T2207/20012Locally adaptive
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/20Special algorithmic details
    • G06T2207/20172Image enhancement details
    • G06T2207/20192Edge enhancement; Edge preservation
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/30Subject of image; Context of image processing
    • G06T2207/30004Biomedical image processing
    • G06T2207/30008Bone
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/30Subject of image; Context of image processing
    • G06T2207/30004Biomedical image processing
    • G06T2207/30061Lung

Description

本発明は、医用画像処理装置及びプログラムに関する。
胸部の診断においては、過去に撮影された胸部X線画像と現在の胸部X線画像とを比較する、所謂比較読影が行われている。
この比較読影を支援するために、コンピューターによって、過去に撮影された画像と現在の画像の間の差分をとることで、経時変化のない正常な構造物(人体の解剖学的構造物)を減弱し、異常陰影のように経時変化のあった部分を強調させた差分画像を生成する技術が知られている。
しかしながら、胸部X線画像は、3次元の人体胸部を2次元で投影したものである。そのため、撮影時に、正しい体勢である図17(a)に対し、図17(b)に示す被写体の前傾、後傾、体軸周りの回転や、図18に示すX線源の位置のずれ(斜入)が生じると、正しい体勢とは肺野内の骨、血管、その他構造物の位置関係がずれた状態で画像に投影されてしまう。特に、開業医等の小規模な医療施設においては、集団検診のような固定された部位を撮影するわけではないためX線源を動かすことが多く、また、専門の撮影技師の不在によりポジショニングがばらつくことがあり、上述の構造物の位置関係のずれが起こりやすい。2つの画像において肺野内の構造物の位置関係がずれている場合、単に差分をとるだけでは正常な構造も描出されてしまい、アーチファクトとなる。
従来、比較する2画像間の位置ずれを補正するために、ローカルマッチング処理及びワーピング処理等によって両画像の位置合わせを行ってから差分をとることが行われている。しかし、上述のような構造物の位置関係のずれが生じた2画像においては、何れの構造物にも合わない位置合わせが行われてしまい、差分画像に全体的に正常構造が描出されてしまい、医師にとって非常に読影しづらいものとなっていた。
そこで、例えば、特許文献1には、2つの画像の各点に対応する対象物上の点を求めてその結果から前傾・後傾の角度を推定するとともに、投影画像の特定部分間の距離を測定し、これに基づいて垂直軸回りの角度を推定し、推定した角度と奥行に基づいて一方の画像を変形し、差分画像を生成する技術が記載されている。
特許第3773111号公報
特許文献1に記載の技術では、前傾・後傾の角度及び体軸回りの角度を推測して処理を行うものであるため、前傾・後傾及び体軸回りの回転による位置ずれは補正できる。しかし、X線の斜入による位置ずれは補正することができないため、斜入が発生した場合には、医師が注目する領域のアーチファクトは除去できない。また、特許文献1に記載の技術では、画像の一部の情報に基づいて体の傾きを推定しているため、失敗しやすく、医師が注目する領域のアーチファクトが低減された差分画像を安定して供給することができなかった。
本発明の課題は、撮影時に被写体の前傾・後傾、体軸周りの回転、X線の斜入等が生じていても、医師が注目する領域のアーチファクトが低減された、読影しやすい差分画像を安定して提供できるようにすることである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の医用画像処理装置は、
同一被写体を異なる時点で撮影することにより得られた第1画像と第2画像のそれぞれに対し、前記被写体を構成する構造物のうち特定の構造物を強調する処理を施す強調処理手段と、
前記特定の構造物が強調された前記第1画像及び前記第2画像に基づいて、前記第1画像と前記第2画像における前記特定の構造物の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
前記特定の構造物が位置合わせされた前記第1画像と前記第2画像の差分画像を生成する差分画像生成手段と、
前記差分画像を表示する表示手段と、
前記被写体を構成する構造物のうち異なる複数の構造物を前記特定の構造物として前記強調処理手段、前記位置合わせ手段、前記差分画像生成手段により生成された複数の前記特定の構造物のそれぞれが位置合わせされた複数の差分画像をユーザー操作に応じて前記表示手段に切り替え表示する表示制御手段と、
を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記第1画像及び前記第2画像は、胸部X線画像であり、
前記異なる複数の前記特定の構造物には、後方肋骨と、血管及び気管支とが含まれる
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記強調処理手段は、前記特定の構造物が後方肋骨である場合、前記第1画像及び前記第2画像に対し、縦成分のエッジを強調するフィルター処理を施し、当該フィルター処理を施した画像を元の画像に足し合わせることで後方肋骨を強調する。
請求項4に記載の発明は、請求項に記載の発明において、
前記強調処理手段は、前記特定の構造物が血管及び気管支である場合、前記第1画像及び前記第2画像に対し、肺門から放射状に広がる陰影を強調するフィルター処理を施し当該フィルター処理を施した画像を元の画像に足し合わせるか、又は高周波成分を強調する強調処理を施すことで血管及び気管支を強調する。
請求項5に記載の発明の医用画像処理装置は、
同一被写体を異なる時点で撮影することにより得られた第1画像と第2画像のそれぞれに対し、前記被写体を構成する構造物のうち特定の構造物を強調する処理を施す強調処理手段と、
前記特定の構造物が強調された前記第1画像及び前記第2画像に基づいて、前記第1画像と前記第2画像における前記特定の構造物の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
前記特定の構造物が位置合わせされた前記第1画像と前記第2画像の差分画像を生成する差分画像生成手段と、
を備え、
前記第1画像及び前記第2画像は、胸部X線画像であり、
前記特定の構造物は、後方肋骨、又は、血管及び気管支の何れかであり、
前記強調処理手段は、前記特定の構造物が後方肋骨である場合、前記第1画像及び前記第2画像に対し、縦成分のエッジを強調するフィルター処理を施し、当該フィルター処理を施した画像を元の画像に足し合わせることで後方肋骨を強調する。
請求項6に記載の発明の医用画像処理装置は、
同一被写体を異なる時点で撮影することにより得られた第1画像と第2画像のそれぞれに対し、前記被写体を構成する構造物のうち特定の構造物を強調する処理を施す強調処理手段と、
前記特定の構造物が強調された前記第1画像及び前記第2画像に基づいて、前記第1画像と前記第2画像における前記特定の構造物の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
前記特定の構造物が位置合わせされた前記第1画像と前記第2画像の差分画像を生成する差分画像生成手段と、
を備え、
前記第1画像及び前記第2画像は、胸部X線画像であり、
前記特定の構造物は、後方肋骨、又は、血管及び気管支の何れかであり、
前記強調処理手段は、前記特定の構造物が血管及び気管支である場合、前記第1画像及び前記第2画像に対し、肺門から放射状に広がる陰影を強調するフィルター処理を施し当該フィルター処理を施した画像を元の画像に足し合わせるか、又は高周波成分を強調する強調処理を施すことで血管及び気管支を強調する。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、
前記位置合わせ手段は、前記特定の構造物が強調された前記第1画像及び前記第2画像にローカルマッチング処理を施すことにより前記第1画像と前記第2画像の対応する位置を特定してそのずれを示す移動量ベクトルを算出し、前記移動量ベクトルに基づいて前記第1画像又は前記第2画像の何れかを変形することにより前記第1画像と前記第2画像における前記特定の構造物の位置合わせを行う。
請求項8に記載の発明のプログラムは、
コンピューターを、
同一被写体を異なる時点で撮影することにより得られた第1画像と第2画像のそれぞれに対し、前記被写体を構成する構造物のうち特定の構造物を強調する処理を施す強調処理手段、
前記特定の構造物が強調された前記第1画像及び前記第2画像に基づいて、前記第1画像と前記第2画像における前記特定の構造物の位置合わせを行う位置合わせ手段、
前記特定の構造物が位置合わせされた前記第1画像と前記第2画像の差分画像を生成する差分画像生成手段、
前記被写体を構成する構造物のうち異なる複数の構造物を前記特定の構造物として前記強調処理手段、前記位置合わせ手段、前記差分画像生成手段により生成された複数の前記特定の構造物のそれぞれが位置合わせされた複数の差分画像をユーザー操作に応じて表示手段に切り替え表示する表示制御手段、
として機能させる。
請求項9に記載の発明のプログラムは、
コンピューターを、
同一被写体を異なる時点で撮影することにより得られた第1画像と第2画像のそれぞれに対し、前記被写体を構成する構造物のうち特定の構造物を強調する処理を施す強調処理手段、
前記特定の構造物が強調された第1画像及び第2画像に基づいて、前記第1画像と前記第2画像における前記特定の構造物の位置合わせを行う位置合わせ手段、
前記特定の構造物が位置合わせされた第1画像と第2画像の差分画像を生成する差分画像生成手段、
として機能させる。
本発明によれば、撮影時に被写体の前傾・後傾、体軸周りの回転、X線の斜入等が生じていても、医師が注目する領域のアーチファクトが低減された、読影しやすい差分画像を安定して提供することが可能となる。
本実施形態に係るX線画像システムの全体構成を示す図である。 図1の医用画像処理装置の機能的構成を示すブロック図である。 図1の制御部により実行される差分画像生成処理を示すフローチャートである。 (a)は、胸部X線画像の現在画像、(b)は、同一被写体の過去画像、(c)は、(a)、(b)を用いて従来の手法による位置合わせ後に生成された差分画像を模式的に示す図である。 (a)は、前後傾、体軸回転、斜入等がない状態でX線撮影された胸部ファントムの画像、(b)は、(a)と同一の胸部ファントムを12°後傾させてX線撮影した画像である。 図5(a)、(b)に示す互いに構造物の位置関係がずれた2画像に対して従来のローカルマッチング処理を行ったときのA−A´位置における移動量ベクトルのy座標移動量及びy座標移動量の多項式フィッティングの結果を示すグラフである。 縦成分強調フィルターの一例を示す図である。 図3のステップS8における強調処理を説明するための図であり、(a)は原画像、(b)は(a)の原画像に縦成分強調フィルターをかけた画像、(c)は(a)と(b)を足し合わせて生成される後方肋骨の強調画像である。 図3のステップS8における強調処理の各画像における後方肋骨部分の画素値を模式的に示す図である。 方向性強調フィルターの一例を示す図である。 図10に示す各フィルターと注目画素(i,j)とx方向とがなす角度θの範囲の対応関係の一例を示す図である。 図5(a)、(b)に示す互いの構造物の位置関係がずれた2画像に対して後方肋骨を強調する処理を行ってローカルマッチング処理を行ったときのA−A´位置における移動量ベクトルのy座標移動量及びy座標移動量の多項式フィッティングの結果を示すグラフである。 図5(a)、(b)に示す互いの構造物の位置関係がずれた2画像に対して血管及び気管支を強調する処理を行ってローカルマッチング処理を行ったときのA−A´位置における移動量ベクトルのy座標移動量及びy座標移動量の多項式フィッティングの結果を示すグラフである。 本実施形態において位置合わせの対象を後方肋骨としたときに生成される差分画像を模式的に示す図である。 本実施形態において位置合わせの対象を血管及び気管支としたときに生成される差分画像を模式的に示す図である。 (a)は、従来の手法で生成された差分画像、(b)は、位置合わせの対象を後方肋骨として本実施形態の手法により生成した差分画像、(c)は、位置合わせの対象を血管及び気管支として本実施形態の手法により生成した差分画像、(d)は、BS処理を行ってから本実施形態の手法により生成した差分画像である。 (a)は、正常な体勢での撮影を示す図、(b)は、前傾が生じた撮影を示す図である。 斜入が生じた撮影を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
[X線画像システム100の構成]
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態に係るX線画像システム100を示す。X線画像システム100は、開業医やクリニック等の比較的小規模の医療施設に適用されるシステムであり、X線撮影装置1と医用画像処理装置2とが、例えば、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNによりデータ送受信可能に接続されて構成されている。
X線撮影装置1は、FPD(Flat Panel Detector)装置、CR(Computed Radiography)装置等により構成される。X線撮影装置1は、X線源とX線検出器(FPDやCRカセッテ)を有し、これらの間に配置された被写体にX線を照射し、被写体を透過したX線を検出してデジタルの医用画像を生成し、医用画像処理装置2に出力する。なお、医用画像には、患者情報、撮影部位、撮影日等が対応付けられて医用画像処理装置2に出力される。
医用画像処理装置2は、X線撮影装置1から入力された医用画像に各種処理を施して読影用に表示する。医用画像処理装置2は、図2に示すように、制御部21、RAM22、記憶部23、操作部24、表示部25、通信部26等を備えて構成されており、各部はバス27により接続されている。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、記憶部23に
記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAM22に展開し、展開されたプログラムに従って後述する差分画像生成処理をはじめとする各種処理を実行することで、強調処理手段、位置合わせ手段、差分画像生成手段、表示制御手段として機能する。
RAM22は、制御部21により実行制御される各種処理において、記憶部23から読み出された制御部21で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメーター等の一時的に記憶するワークエリアを形成する。
記憶部23は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリー等により構成される。記憶部23には、前述のように各種プログラムやプログラムの実行に必要なデータ(例えば、図7に示す縦成分強調フィルター、図10に示す方向性強調フィルター、図11に示す対応表等)が記憶されている。また、記憶部23には、X線撮影装置1から入力された医用画像及び医用画像処理装置2において生成された差分画像等を患者情報、撮影部位、日付等に対応付けて記憶する画像DB231が設けられている。
操作部24は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部21に出力する。
表示部25は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
通信部26は、ネットワークインターフェース等により構成され、スイッチングハブを介して通信ネットワークNに接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
[X線画像システム100の動作]
次に、X線画像システム100の動作について説明する。
まず、X線撮影装置1において被写体の撮影が行われる。このとき、X線源とX線検出器とが対向する位置となるようにX線源やX線検出器の位置が調整されるとともに、これらの間に被写体部位がポジショニングされて撮影が行われる。被写体部位が胸部である場合は、X線源とX線検出器との間に、被写体の背側がX線源側を向くようにしてポジショニングが行われ、X線撮影が行われる。撮影により得られた医用画像には、患者情報、撮影部位(被写体部位)、撮影日時等が付帯情報として対応付けられて通信ネットワークNを介して医用画像処理装置2に送信される。
医用画像処理装置2においては、通信部26によりX線撮影装置1からの医用画像が受信されると、制御部21により、受信された医用画像が患者情報、撮影部位、撮影日時等と対応付けられて画像DB231に記憶されるとともに、表示部25に表示される。受信された医用画像の撮影部位が胸部である場合には、表示部25に受信された医用画像(現在画像という)と併せて差分画像を表示することを指示するための差分画像表示ボタン(図示せず)が表示される。操作部24により差分画像表示ボタンが押下されると、制御部21により、同一患者の胸部の過去画像を選択するための選択欄が表示部25に表示され、操作部24により過去画像が選択されると、制御部21により、画像DB231から選択された過去画像が読み出されるとともに、以下に説明する差分画像生成処理が実行され、現在画像(第1画像)と選択された過去画像(第2画像)の差分画像が生成される。
図3に、制御部21により実行される差分画像生成処理のフローチャートを示す。差分画像生成処理は、制御部21と記憶部23に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、制御部21は、選択された過去画像を処理対象としてRAM22に入力し(ステップS1)、過去画像に対して前処理を行う(ステップS2)。同様に、制御部21は、現在画像を処理対象としてRAM22に入力し(ステップS3)、現在画像に対して前処理を行う(ステップS4)。
前処理としては、例えば、特開2005−176462号公報に記載のように、非線形濃度補正、マトリクスサイズリダクション、コントラスト強調、及び/又はエッジぼかし等の処理が行われる。
次いで、制御部21は、グローバルマッチング処理を行って、現在画像と過去画像の肺野領域の大局的な位置合わせを行う(ステップS5)。
グローバルマッチング処理は、例えば、特開2004−164298号公報等に記載されているように、公知の画像処理技術である。グローバルマッチング処理においては、まず、現在画像と過去画像のそれぞれにおいて、肺野領域を抽出する。肺野領域の抽出は、例えば、米国特許第4851954号明細書等に記載されているような公知の画像解析技術によって抽出することができる。次いで、肺野(胸郭)の輪郭上において、特徴となる複数組の対応点を求め、対応点間のシフトベクトル(移動量ベクトル)を計算する。次いで、現在画像又は過去画像の一方(ここでは過去画像とする)をシフトベクトルに基づいてアフィン変換する。これにより、一方の画像の被写体領域である肺野領域が他方の画像の肺野領域に大局的に位置合わせされる。
次いで、制御部21は、現在画像の肺野領域において、縦横方向に均等な間隔で、多数のテンプレート関心領域(テンプレートROI)を設定する(ステップS6)。また、制御部21は、過去画像の肺野領域において、縦横方向に均等な間隔で、各テンプレートROIに対応する探索領域(探索ROI)を設定する(ステップS7)。なお、探索ROIのサイズは、テンプレートROIよりも大きい。テンプレートROI、探索ROIのサイズは、実験的経験的に最適なものが用いられる。
次いで、制御部21は、過去画像と現在画像のそれぞれに対し、位置合わせの対象とする特定の構造物を強調する処理を行う(ステップS8)。
ステップS8は、本実施形態で特徴的な処理である。被写体の前後傾、体軸周りの回転、X線の斜入等が少なくとも一方の画像撮影時に発生し、現在画像と過去画像における肺野内の構造物(例えば、前方肋骨、後方肋骨、血管及び気管支、鎖骨、心臓等の解剖学的構造物)の位置関係がずれている場合、ローカルマッチング処理及びワーピング処理により位置合わせを行ってもいずれの構造物にも合わせることができずに差分画像に正常な構造物が残ってしまうという問題があった。
図4(a)に、胸部X線画像の現在画像、図4(b)に、同一被写体の過去画像、図4(c)に、図4(a)、(b)を用いて従来の手法(ローカルマッチング処理の前にステップS8の強調処理を行わない手法)による位置合わせ後に生成された差分画像を模式的に示す。図4(a)〜(c)において、Bは後方肋骨、Vは血管及び気管支、Dは病変を示す。図4(a)、(b)に示すように、胸部X線画像においては、特に後方肋骨Bと血管及び気管支Vとが肺野の広い領域を占める目立った構造物であり、現在画像と過去画像の何れかに、被写体の前後傾、体軸周りの回転、又は斜入が生じ、両画像の後方肋骨Bと血管及び気管支Vとの位置関係にずれが生じている場合、何れにも合わない位置合わせが行われてしまい、図4(c)に示すように、差分画像にこれらの構造物が残ってしまい、病変Dが見え難い、非常に読影しづらい画像となっていた。
ローカルマッチング処理では、それぞれのテンプレートROIに対し、探索ROI内の最も相関が高い位置を対応する位置として選択する。そして、各テンプレートROIの中心を対応位置の中心に移動するための移動量ベクトルを求め、求めた移動量ベクトルをn次の多項式で近似(多項式フィッティング)することで各画素の移動量ベクトルを算出する。現在画像と過去画像における構造物の位置関係のずれがない場合は、ローカルマッチング処理で正しい対応位置が見つかるため、各構造物に合った位置合わせができる。しかし、現在画像と過去画像における構造物の位置関係にずれが生じている場合、何れの構造物にも合わない位置合わせが行われてしまう。
図6に、図5(a)、(b)に示す互いに構造物の位置関係がずれた2画像に対してローカルマッチング処理を行ったときのA−A´位置における移動量ベクトルのy座標移動量及びy座標移動量の多項式フィッティングの結果を示す。なお、図5(a)に示す画像は、前後傾、体軸回転、斜入等なく胸部ファントムをX線撮影した画像(胸部ファントム画像)であり、図5(b)に示す画像は図5(a)と同一ファントムを12°後傾させて撮影した画像である。
図5(a)、(b)に示す2画像のように構造物の位置関係にずれが生じている場合、1つのテンプレートROI内に複数の構造物が含まれている箇所では、各構造物によって本来の対応位置は異なる。しかし、ローカルマッチング処理では、各テンプレートROIに対応する探索ROI内で最も相互相関値が高いところをそのテンプレートROIの対応位置として選択するため、各テンプレートROIにおいて特徴的な構造物に基づいて探索ROIから対応位置が選択されることとなる。そのため、肺野全体で総合してみると、テンプレートROI毎に対応させた構造物がまちまちとなり、図6に示すように、場所によって対応位置への移動量ベクトルの大きさや方向にばらつきが生じ、各移動量ベクトルの多項式フィッティングを行って各画素の移動量ベクトルを算出しても、フィッティングの結果が何れの構造物のエッジにも合わないものとなってしまう。例えば、図6には、後方肋骨のエッジ変化、血管及び気管支のエッジ変化を示しているが、フィッティング結果が何れのエッジ変化にも合っていない。その結果、何れの構造物にも合わない位置合わせが行われてしまうこととなる。
そこで、ステップS8においては、現在画像と過去画像のそれぞれに対し、位置合わせの対象とする特定の構造物を強調する処理を行って、その構造物が含まれるテンプレートROIにおいてはその構造物の特徴に基づいて対応位置が決定されるように特徴付けを行う。
ここで、胸部X線画像の差分画像において、肺野全体にかかる後方肋骨は特に読影に影響する目立った構造物である。また、血管及び気管支周辺の読影では、血管及び気管支も読影に影響する。そこで、本実施形態においては、位置合わせの対象とする特定の構造物を(A)後方肋骨、(B)血管及び気管支とし、それぞれの構造物を強調する処理を行う。
具体的に、(A)後方肋骨を位置合わせの対象とした場合、現在画像と過去画像のそれぞれに対し、図7に示す縦成分強調フィルターをかけ、原画像(図8(a)参照)とこのフィルターをかけた画像(図8(b)参照)とを足し合わせて、後方肋骨の強調画像(図8(c)参照。現在画像と過去画像のそれぞれの強調画像。)を生成する。
図7に示す縦成分強調フィルターは、後方肋骨が上下に等間隔に並ぶという構造的な特徴に基づいて作成されたフィルターであり、フィルターサイズは、後方肋骨のサイズに合ったものとなっている。このフィルターにより、図9の各画像における後方肋骨部分の画素値の概念図に示すように、原画像の後方肋骨のエッジを上下の方向性をつけて強調することができる。このように、縦成分強調フィルターにより、後方肋骨を目立たせるとともに、上下の方向成分を特徴付けて後方肋骨の上下を間違えない特徴を作り出すことによって、臨床現場には存在しないが位置合わせに寄与するオリジナルの画像を作り出すことができる。
また、(B)血管及び気管支を位置合わせの対象とした場合、現在画像と過去画像のそれぞれに対し、図10に示す方向性強調フィルターをかけ、原画像と、このフィルターをかけた画像とを足し合わせて血管及び気管支の強調画像(現在画像と過去画像のそれぞれの強調画像)を生成する。
ここで、肺野の血管及び気管支は、図10に示すように、肺門から放射状に広がる構造を有している。方向性強調フィルターは、血管及び気管支のこの特徴に基づいて、起点(肺門)から放射状に広がる構造を強調するフィルターであり、右肺野、左肺野のそれぞれに複数のフィルター(ここではFilterA1〜FilterA9)が用意されている(記憶部23に記憶されている)。FilterA1〜FilterA9は、図10に示すように、注目画素(i,j)とx方向とがなす角度θの範囲に対応付けられており、注目画素の位置に応じたフィルターが使用される。
なお、図10は、一例として左肺野のフィルターを示しているが、右肺野の各フィルターは左肺野のフィルターの左右を反転したものである。
血管を強調する処理は、以下のようにして行われる。
(1)まず、起点となる肺門(Xc、Yc)を設定する。肺門(Xc、Yc)の設定は、表示部25に現在画像、過去画像をそれぞれ表示し、表示された各画像上を医師が操作部24により指定することにより行われる。
(2)次いで、現在画像、過去画像のそれぞれにおいて、注目画素(i,j)と肺門(Xc、Yc)の位置関係を決定する。
具体的には、肺門(Xc、Yc)から注目画素(i,j)へのベクトルV及び角度θ(図10参照)を算出する。
ここで、ベクトルV=(Xc−i,Yc−j)
角度θ=arctan{(Yc−j)/(Xc−i)}
(3)角度θの範囲に応じたフィルターをFilterA1〜FilterA9の中から選択し、フィルター処理をかける。
(4)フィルター処理をかけた結果値と原画像の画素値を足す。
(5)原画像の全ての画素が終了するまで、注目画素を1画素ずつずらしながら(1)〜(4)を繰り返す。
上記の強調処理により、肺門から放射状に広がる構造、即ち、血管を強調した強調画像が得られる。
なお、血管及び気管支は骨成分より高周波な成分からなるため、血管及び気管支の強調は、現在画像及び過去画像のそれぞれに対し、骨成分(8mm〜20mm)より細かい高周波成分を強調するフィルターをかけることにより行うこととしてもよい。ここで、高周波を強調するフィルターとしては、アンシャープマスクフィルタ、ソーベルフィルター、ラプラシアンフィルター等を用いることができる。また、現在画像及び過去画像のそれぞれをフーリエ変換してハイパスフィルタを通した後、逆フーリエ変換することで高周波成分を強調することで、血管の強調を行うこととしてもよい。
次いで、制御部21は、位置合わせの対象となる特定の構造物が強調された現在画像及び過去画像を入力画像としてローカルマッチング処理を実行する(ステップS9)。即ち、特定の構造物が強調された現在画像における各テンプレートROIを、特定の構造物が強調された過去画像の対応する探索ROI内で移動させながら相互相関値Ri,jを計算し、相互相関値Ri,jが最も高い位置をそのテンプレートROIの対応位置として選択し、テンプレートROIの中心から対応位置の中心への移動量ベクトルを算出する。
なお、相互相関値Ri,jは、以下の[数1]により算出することができる。
次いで、制御部21は、各テンプレートROIに対応する移動量ベクトルの分布をマッピングし(ステップS10)、マッピングした移動量ベクトルをn次多項式を用いてフィッティング(多項式フィッティング)し、各画素の移動量ベクトルを求める(ステップS11)。
図12に、上述の図5(a)、(b)に示す互いの構造物の位置関係がずれた2画像に対して後方肋骨を強調する処理を行って、この後方肋骨が強調された2画像に対してローカルマッチング処理を行ったときのA−A´位置における移動量ベクトルのy座標移動量及びy座標移動量の多項式フィッティングの結果を示す。
図12に示すように、多項式フィッティングの結果、後方肋骨のエッジ変化に近いカーブが得られていることがわかる。
図13に、上述の図5(a)、(b)に示す互いの構造物の位置関係がずれた2画像に対して血管及び気管支を強調する処理を行って、この血管及び気管支が強調された2画像に対してローカルマッチング処理を行ったときのA−A´位置における移動量ベクトルのy座標移動量及びy座標移動量の多項式フィッティングの結果を示す。
図13に示すように、多項式フィッティングの結果、血管及び気管支のエッジ変化に近いカーブが得られていることがわかる。
なお、図12、図13においては、y座標移動量のみを示しているが、x座標移動量も同様に、それぞれ、後方肋骨の変化に近いカーブ、血管及び気管支の変化に近いカーブが得られる。
次いで、制御部21は、求めた各画素の移動量ベクトルに基づいて、過去画像(強調されていない入力過去画像)にワーピング処理(非線形歪み処理)を施す(ステップS12)。ワーピング処理は、例えば、特開2005−176462号公報に記載されているように、公知の画像処理技術である。ワーピング処理後、制御部21は、現在画像(強調されていない現在画像)と変形された過去画像の差分をとって差分画像を生成する(ステップS13)。具体的には、現在画像の各画素の値から過去画像の対応する各画素の値を引くことにより差分画像を生成する。
図14に、ステップS13において、位置合わせの対象を後方肋骨としたときに生成される差分画像を模式的に示す。図12のグラフに示したように、位置合わせの対象を後方肋骨として現在画像及び過去画像に後方肋骨の強調処理を行った画像を入力としてローカルマッチング処理及び多項式フィッティングを行った場合、後方肋骨のエッジ変化に近いカーブが得られる。このカーブで表される移動量ベクトルに基づいて過去画像にワーピング処理を行うと、過去画像の後方肋骨が現在画像の後方肋骨に合うように位置合わせされる。よって、現在画像と過去画像の差分画像は、図14に示すように、後方肋骨のアーチファクトが非常に弱まった(消えた)ものとなる。このように、後方肋骨に合った位置合わせを行うことによって、胸部X線画像において特に目立った構造物である後方肋骨が差分画像に現れないようにすることができるので、医師に読影しやすい差分画像を提供することが可能となる。特に、後方肋骨周辺の領域に注目して読影を行う場合に、読影しやすい差分画像を安定して提供することが可能となる。
図15に、ステップS13において、位置合わせの対象を血管及び気管支としたときに生成される差分画像を模式的に示す。図13のグラフで示したように、位置合わせの対象を血管及び気管支として現在画像及び過去画像に血管及び気管支の強調処理を行った画像を入力としてローカルマッチング処理及び多項式フィッティングを行った場合、血管及び気管支のエッジ変化に近いカーブが得られる。このカーブで表される移動量ベクトルに基づいて過去画像にワーピング処理を行うと、過去画像の血管及び気管支が現在画像の血管及び気管支に合うように位置合わせされる。よって、現在画像と過去画像の差分画像は、図15に示すように、血管及び気管支のアーチファクトが非常に弱まった(消えた)ものとなる。このように、血管及び気管支に合った位置合わせを行うことによって、胸部X線画像において目立った構造物である血管及び気管支が差分画像に現れないようにすることができるので、特に、血管及び気管支周辺の領域に注目して読影を行う場合に、医師に読影しやすい差分画像を安定して提供することが可能となる。
図16(a)〜図16(c)に、図5(a)、(b)に示す胸部のファントム画像を入力画像として生成した差分画像を示す。図16(a)は、従来の手法で生成された差分画像を示す。図16(b)は、位置合わせの対象を後方肋骨として本実施形態の手法により生成した差分画像を示す。図16(c)は、位置合わせの対象を血管及び気管支として本実施形態の手法により生成した差分画像を示す。
図16(a)に示すように、従来の手法により生成した差分画像では、後方肋骨、血管及び気管支の双方が残っているおり、アーチファクトとなっている。これに対し、本実施形態で説明した手法によって位置合わせの対象を後方肋骨にして生成した差分画像では、図16(b)に示すように、後方肋骨が非常に弱まっていることがわかる。また、本実施形態で説明した手法によって位置合わせの対象を血管及び気管支にして生成した差分画像では、図16(c)に示すように、血管及び気管支が非常に弱まっていることがわかる。
差分画像の生成が終了すると、制御部21は、生成した差分画像を表示部25に表示し(ステップS14)、差分画像生成処理を終了する。
例えば、ステップS14において、制御部21は、まず、後方肋骨に基づく位置合わせを行った(後方肋骨のアーチファクトが弱まった)差分画像を表示部25に表示するとともに、表示切り替えボタンを合わせて表示する。操作部24により表示切り替えボタンが押下されると、制御部21は、表示部25に血管及び気管支に基づく位置合わせを行った(血管及び気管支のアーチファクトが弱まった)差分画像を表示部25に表示する。以降、表示切り替えボタンの押下に応じて、制御部21は、2つの差分画像を切り替え表示する。
このように、後方肋骨のアーチファクトが弱まった差分画像と、血管及び気管支のアーチファクトが弱まった差分画像とを操作部24の操作により切り替え表示できるようにすることで、撮影時に被写体の前傾・後傾、体軸回りの回転、X線の斜入等が生じていても、医師が注目する領域に応じた読影のしやすい差分画像を容易に表示させることができる。
または、後方肋骨のアーチファクトが弱まった差分画像と、血管及び気管支のアーチファクトが弱まった差分画像とを並べて表示することとしてもよい。
以上説明したように、医用画像処理装置2によれば、制御部21は、同一被写体を異なる時点で撮影することにより得られた現在画像と過去画像のそれぞれに対し、被写体を構成する構造物のうち特定の構造物を強調する処理を施し、特定の構造物が強調された現在画像及び過去画像に基づいて、現在画像と過去画像における特定の構造物の位置合わせを行う。そして、特定の構造物が位置合わせされた現在画像と過去画像の差分画像を生成する。
従って、比較する現在画像と過去画像の何れかの撮影時に被写体の前傾・後傾、体軸周りの回転、X線の斜入等が生じた結果、2つの画像の被写体を構成する構造物の位置関係にずれが生じていても、医師が注目する領域にある特定の構造物、例えば、肺野領域全体に広がる後方肋骨や、或いは血管及び気管支等に合った位置合わせを行って差分画像を生成することができるので、医師が注目する領域にある経時変化のない特定構造物のアーチファクトが低減された、読影しやすい差分画像を安定して提供することが可能となる。
また、医用画像処理装置2は、生成された差分画像を表示部25に表示するので、医師の読影のしやすい差分画像をモニターにより提供することができる。
また、被写体を構成する構造物のうち、例えば、後方肋骨や血管及び気管支等の異なる複数の構造物を特定の構造物として、これらの特定の構造物のそれぞれが位置合わせされた複数の差分画像を生成し、複数の差分画像をユーザー操作に応じて表示部25に切り替え表示するようにすることで、医師が複数の領域に注目したい場合等に、より一層読影のしやすい態様で差分画像を提供することが可能となる。
具体的には、特定の構造物が後方肋骨である場合、現在画像及び過去画像に対し、縦成分のエッジを強調するフィルター処理を施し、当該フィルター処理を施した画像を元の画像に足し合わせることで後方肋骨を強調した画像を生成することができる。
また、特定の構造物が血管及び気管支である場合、現在画像及び過去画像に対し、肺門から放射状に広がる陰影を強調するフィルター処理を施し当該フィルター処理を施した画像を元の画像に足し合わせるか、又は高周波成分を強調する強調処理を施すことで血管及び気管支を強調した画像を生成することができる。
そして、特定の構造物が強調された現在画像及び過去画像にローカルマッチング処理を施すことにより現在画像と過去画像の対応する位置を特定してそのずれを示す移動量ベクトルを算出し、移動量ベクトルに基づいて現在画像又は過去画像の何れかを変形することにより現在画像と過去画像における特定の構造物の位置合わせを行うことができる。
なお、上述した本実施形態における記述は、本発明に係る好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においては、位置合わせの対象となる構造物を後方肋骨、血管とし、これらを強調した画像に基づいてローカルマッチング処理を行う場合について説明したが、胸郭、縦隔、横隔膜、鎖骨、心臓、前方肋骨等の他の構造物を位置合わせの対象としてこれらを強調した画像に基づいてローカルマッチング処理を行うこととしてもよい。
また、位置合わせの対象を血管及び気管支とする場合には、入力された現在画像及び過去画像に対して、予めBS(Bone Suppression)処理を施しておくことが好ましい。BS処理は、骨を認識し、骨の成分を減弱若しくは骨の成分の濃度を弱める処理である(例えば、http://www.riveraintech.com/products/bone-suppression参照)。胸部X線画像で主な成分である骨成分を予め減弱してから血管及び気管支を強調し、ローカルマッチング〜移動量ベクトルのフィッティングを行うことで、より血管及び気管支に合った位置合わせを行うことが可能となる。また、血管及び気管支の成分とともに骨の成分も差分画像から除去することが可能となり、アーチファクトをより一層抑えた差分画像を得ることが可能となる。
図16(d)に、図5(a)、(b)に示す胸部のファントム画像を入力画像とし、これにBS処理を施してから差分画像生成処理で血管及び気管支を位置合わせの対象として生成した差分画像を示す。図16(d)に示すように、後方肋骨、血管及び気管支の双方のアーチファクトのない差分画像を得ることができる。
また、上記実施形態においては、後方肋骨を位置合わせの対象として生成した差分画像と血管及び気管支を位置合わせの対象として生成した差分画像を生成し、これらをユーザー操作に応じて切り替え表示する場合を例にとり説明したが、予め選択された何れか一方の差分画像のみを生成して表示部25に表示することとしてもよい。
また、例えば、上記実施形態においては、X線撮影装置で撮影された胸部X線画像についての差分画像を生成する場合を例にとり説明したが、他のモダリティで撮影された他の部位の撮影画像についての差分画像を生成する場合に適用してもよい。
また、上記実施形態においては、現在画像にテンプレートROI、過去画像に探索ROIを設定してローカルマッチング処理を行ったが、現在画像に探索ROI、過去画像にテンプレートROIを設定することとしてもよい。また、上記実施形態においては、過去画像にワーピング処理を施したが、何れの画像に施しても構わない。
また、以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピューター読み取り可能な媒体としてHDDや不揮発性メモリーを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
その他、X線画像システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
100 X線画像システム
1 X線撮影装置
2 医用画像処理装置
21 制御部
22 RAM
23 記憶部
231 画像DB
24 操作部
25 表示部
26 通信部
27 バス

Claims (8)

  1. 同一被写体を異なる時点で撮影することにより得られた第1画像と第2画像のそれぞれに対し、前記被写体を構成する構造物のうち特定の構造物を強調する処理を施す強調処理手段と、
    前記特定の構造物が強調された前記第1画像及び前記第2画像に基づいて、前記第1画像と前記第2画像における前記特定の構造物の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
    前記特定の構造物が位置合わせされた前記第1画像と前記第2画像の差分画像を生成する差分画像生成手段と、
    前記差分画像を表示する表示手段と、
    前記被写体を構成する構造物のうち異なる複数の構造物を前記特定の構造物として前記強調処理手段、前記位置合わせ手段、前記差分画像生成手段により生成された複数の前記特定の構造物のそれぞれが位置合わせされた複数の差分画像をユーザー操作に応じて前記表示手段に切り替え表示する表示制御手段と、
    を備える医用画像処理装置。
  2. 前記第1画像及び前記第2画像は、胸部X線画像であり、
    前記異なる複数の前記特定の構造物には、後方肋骨と、血管及び気管支とが含まれる請求項に記載の医用画像処理装置。
  3. 前記強調処理手段は、前記特定の構造物が後方肋骨である場合、前記第1画像及び前記第2画像に対し、縦成分のエッジを強調するフィルター処理を施し、当該フィルター処理を施した画像を元の画像に足し合わせることで後方肋骨を強調する請求項に記載の医用画像処理装置。
  4. 前記強調処理手段は、前記特定の構造物が血管及び気管支である場合、前記第1画像及び前記第2画像に対し、肺門から放射状に広がる陰影を強調するフィルター処理を施し当該フィルター処理を施した画像を元の画像に足し合わせるか、又は高周波成分を強調する強調処理を施すことで血管及び気管支を強調する請求項に記載の医用画像処理装置。
  5. 同一被写体を異なる時点で撮影することにより得られた第1画像と第2画像のそれぞれに対し、前記被写体を構成する構造物のうち特定の構造物を強調する処理を施す強調処理手段と、
    前記特定の構造物が強調された前記第1画像及び前記第2画像に基づいて、前記第1画像と前記第2画像における前記特定の構造物の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
    前記特定の構造物が位置合わせされた前記第1画像と前記第2画像の差分画像を生成する差分画像生成手段と、
    を備え
    前記第1画像及び前記第2画像は、胸部X線画像であり、
    前記特定の構造物は、後方肋骨、又は、血管及び気管支の何れかであり、
    前記強調処理手段は、前記特定の構造物が後方肋骨である場合、前記第1画像及び前記第2画像に対し、縦成分のエッジを強調するフィルター処理を施し、当該フィルター処理を施した画像を元の画像に足し合わせることで後方肋骨を強調する医用画像処理装置。
  6. 同一被写体を異なる時点で撮影することにより得られた第1画像と第2画像のそれぞれに対し、前記被写体を構成する構造物のうち特定の構造物を強調する処理を施す強調処理手段と、
    前記特定の構造物が強調された前記第1画像及び前記第2画像に基づいて、前記第1画像と前記第2画像における前記特定の構造物の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
    前記特定の構造物が位置合わせされた前記第1画像と前記第2画像の差分画像を生成する差分画像生成手段と、
    を備え
    前記第1画像及び前記第2画像は、胸部X線画像であり、
    前記特定の構造物は、後方肋骨、又は、血管及び気管支の何れかであり、
    前記強調処理手段は、前記特定の構造物が血管及び気管支である場合、前記第1画像及び前記第2画像に対し、肺門から放射状に広がる陰影を強調するフィルター処理を施し当該フィルター処理を施した画像を元の画像に足し合わせるか、又は高周波成分を強調する強調処理を施すことで血管及び気管支を強調する医用画像処理装置。
  7. 前記位置合わせ手段は、前記特定の構造物が強調された前記第1画像及び前記第2画像にローカルマッチング処理を施すことにより前記第1画像と前記第2画像の対応する位置を特定してそのずれを示す移動量ベクトルを算出し、前記移動量ベクトルに基づいて前記第1画像又は前記第2画像の何れかを変形することにより前記第1画像と前記第2画像における前記特定の構造物の位置合わせを行う請求項1〜の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
  8. コンピューターを、
    同一被写体を異なる時点で撮影することにより得られた第1画像と第2画像のそれぞれに対し、前記被写体を構成する構造物のうち特定の構造物を強調する処理を施す強調処理手段、
    前記特定の構造物が強調された前記第1画像及び前記第2画像に基づいて、前記第1画像と前記第2画像における前記特定の構造物の位置合わせを行う位置合わせ手段、
    前記特定の構造物が位置合わせされた前記第1画像と前記第2画像の差分画像を生成する差分画像生成手段、
    前記被写体を構成する構造物のうち異なる複数の構造物を前記特定の構造物として前記強調処理手段、前記位置合わせ手段、前記差分画像生成手段により生成された複数の前記特定の構造物のそれぞれが位置合わせされた複数の差分画像をユーザー操作に応じて表示手段に切り替え表示する表示制御手段、
    として機能させるためのプログラム。
JP2013219093A 2013-10-22 2013-10-22 医用画像処理装置及びプログラム Expired - Fee Related JP6225636B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013219093A JP6225636B2 (ja) 2013-10-22 2013-10-22 医用画像処理装置及びプログラム
EP20140189752 EP2866199A1 (en) 2013-10-22 2014-10-21 Medical image processing apparatus and program
US14/521,201 US9466106B2 (en) 2013-10-22 2014-10-22 Medical image processing apparatus and computer-readable storage medium

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013219093A JP6225636B2 (ja) 2013-10-22 2013-10-22 医用画像処理装置及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015080555A JP2015080555A (ja) 2015-04-27
JP6225636B2 true JP6225636B2 (ja) 2017-11-08

Family

ID=51794741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013219093A Expired - Fee Related JP6225636B2 (ja) 2013-10-22 2013-10-22 医用画像処理装置及びプログラム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9466106B2 (ja)
EP (1) EP2866199A1 (ja)
JP (1) JP6225636B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2518690A1 (en) * 2011-04-28 2012-10-31 Koninklijke Philips Electronics N.V. Medical image processing system and method
JP6301277B2 (ja) * 2015-03-20 2018-03-28 富士フイルム株式会社 診断補助画像生成装置および診断補助画像生成方法、並びに、診断補助画像生成プログラム
CN106560827B (zh) * 2015-09-30 2021-11-26 松下知识产权经营株式会社 控制方法
CN112288718B (zh) * 2020-10-29 2021-11-02 推想医疗科技股份有限公司 图像处理方法及装置,电子设备及计算机可读存储介质

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3734886C1 (de) 1987-10-15 1989-04-13 Draegerwerk Ag UEberwachungsvorrichtung zur Temperaturueberwachung in einer Schaltungsanordnung
JPH10108073A (ja) * 1996-09-27 1998-04-24 Fuji Photo Film Co Ltd 骨部画像処理方法および装置
US6594378B1 (en) * 1999-10-21 2003-07-15 Arch Development Corporation Method, system and computer readable medium for computerized processing of contralateral and temporal subtraction images using elastic matching
GB2357649A (en) * 1999-12-22 2001-06-27 Nokia Mobile Phones Ltd Image enhancement using inverse histogram based pixel mapping
JP4294880B2 (ja) * 2000-03-06 2009-07-15 富士フイルム株式会社 画像の位置合わせ方法および装置
JP2002324238A (ja) * 2001-04-26 2002-11-08 Fuji Photo Film Co Ltd 画像の位置合わせ方法および装置
JP3773111B2 (ja) 2002-07-16 2006-05-10 独立行政法人科学技術振興機構 3次元物体の投影画像位置合わせシステム
JP2004164298A (ja) 2002-11-13 2004-06-10 Canon Inc 画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム
US7813576B2 (en) * 2002-11-27 2010-10-12 Fujifilm Corporation Image processing apparatus
JP2005176462A (ja) 2003-12-09 2005-06-30 Canon Inc バッテリー、充電装置および情報処理装置
US8111947B2 (en) * 2004-06-08 2012-02-07 Canon Kabushiki Kaisha Image processing apparatus and method which match two images based on a shift vector
JP2006271800A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム
JP4613317B2 (ja) * 2007-01-17 2011-01-19 国立大学法人 大分大学 時間的に連続する2枚の胸部x線像からの経時変化検出のためのサブトラクション方法

Also Published As

Publication number Publication date
US9466106B2 (en) 2016-10-11
EP2866199A1 (en) 2015-04-29
US20150110380A1 (en) 2015-04-23
JP2015080555A (ja) 2015-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6527209B2 (ja) 画像表示の生成方法
JP6534998B2 (ja) 医療画像を表示する方法及び装置
JP2011125568A (ja) 画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び画像処理システム
JP2002301055A (ja) 全体画像を再構成するために部分放射線画像をステッチする方法
JP5567963B2 (ja) 画像処理装置、放射線画像システム、画像処理方法およびプログラム
JP6225636B2 (ja) 医用画像処理装置及びプログラム
JP2015029838A (ja) 医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び、医用画像処理システム
JP2010246862A (ja) 医用画像作成装置及びプログラム
US20060241370A1 (en) Medical x-ray imaging workflow improvement
JP6429958B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム
JP6492553B2 (ja) 画像処理装置及びプログラム
JP4493436B2 (ja) 画像読影支援方法および装置ならびにプログラム
JP2005202675A (ja) 画像処理装置、画像処理方法、プログラム、記憶媒体及び画像処理システム
US9582892B2 (en) Radiation imaging apparatus, radiation imaging method, and program
JP2008307183A (ja) 画像処理装置および画像処理プログラム
JP2007159933A (ja) 画像表示方法、プログラム、及び装置
US20070036266A1 (en) Medical x-ray imaging workflow improvement
JP3931792B2 (ja) 時系列処理画像の表示装置及び表示方法
JP6167841B2 (ja) 医用画像処理装置及びプログラム
JP4595594B2 (ja) 画像処理装置及びプログラム
JP2005270635A (ja) 画像処理方法及び処理装置
JP2001148787A (ja) 画像処理装置
JP2001291087A (ja) 画像の位置合わせ方法および位置合わせ装置
JP2005136594A (ja) 画像処理装置及びその制御方法
JP2009285145A (ja) 放射線画像補正装置および方法ならびにプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160624

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170912

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170925

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6225636

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees