JP4274400B2 - 画像の位置合わせ方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像の位置合わせ方法および位置合わせ装置に関し、詳細には、同一被写体についての2つの画像の位置合わせの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、同一被写体についての2以上の画像を比較読影して、両画像間の差異を調べ、その差異に基づいて被写体の検査などを行うことが、種々の分野において行われている。
【0003】
例えば工業製品の製造分野においては、ある製品について新品の状態の時に撮影された画像と、当該製品の耐久試験後に撮影された画像とを比較読影して、両者の差異の大きな部位に注目することにより、製品の耐久性を向上させるべき部位を検討することが行われており、また医療分野においては、ある患者の疾患部位について時系列的に撮影された複数枚の放射線画像を医師が比較読影することにより、当該疾患の進行状況や治癒状況を把握して治療方針を検討することが行われている。
【0004】
このように2以上の画像を比較読影することが日常的に各種の分野で行われているが、その比較読影のために、これら2以上の画像を画像表示装置等に表示させる場合がある。すなわち画像を濃度信号や輝度信号に変換したうえで、画像表示装置等に表示し、またはプリンターによりフイルム等の媒体に出力するのである。
【0005】
ここで比較読影の対象となる2以上の画像を出力する場合、それらの画像を単に並べて出力するのが一般的であるが、比較読影を行なう場合に読影者にとって最も関心があるのはこれらの画像間の差異である。しかし、上述したように例えば2つの画像を単に並べてこの差異を発見するのは、その差異が小さい程困難であり、比較読影の性能向上が求められている。
【0006】
そこで一般的には、比較読影の対象とされる2以上の画像間で画素を対応させた減算処理をはじめとした画像間演算を行なって、上記差異を抽出・強調することが行われる。このように画像間の差異のみが抽出・強調されることにより、読影者に対して画像間の差異を確実に視認させることができるため、進行または治癒する病変部の見落としを防止することができると考えられる。
【0007】
ところでこの画像間演算の前提となるのは、比較対象すなわち画像間演算の対象となる2つの画像間で精度良く位置合わせがなされている必要がある。精度よく位置合わせがなされていないと、画素を対応させた画像間演算により画像中の構造物のアーティファクトが生じるからである。
【0008】
一方、比較対象となる2つの画像は、時系列的に同時に撮影された画像だけでなく、時間的に離れた2つの時点でそれぞれ取得されたものである場合も多く、それぞれの取得時における被写体の撮影体位のずれや誤差等により、2つの画像間には特に位置ずれを有していることが多い。したがって、画像間演算に先立って、これらの位置ずれを予め補正する必要がある。
【0009】
そこで比較対象となる同一被写体についての2つの画像のうち少なくとも一方の画像に多数の小領域であるテンプレート領域を設定するとともに、他方の画像に、前記各テンプレート領域にそれぞれ対応する、該各テンプレート領域よりも大きい領域の探索領域を設定し、互いに対応する前記テンプレート領域および前記探索領域の各組において、前記テンプレート領域と画像が略一致する、探索領域内の部分領域を求め、前記一方の画像における各テンプレート領域と前記他方の画像における各部分領域との対応位置関係に基づいて、両領域が略一致するように、両画像のうちいずれか一方の画像に対して非線形歪変換(例えば2次元多項式によるカーブフィッティングを用いた非線形歪み変換等)処理(ワーピング)を施す画像の位置合わせ方法が提案されている(特開平7-37074 号、同8-335721号等)。
【0010】
またこの位置合わせ方法においては、局所的な位置合わせを行なうのに先立って、回転および/または平行移動するアフィン変換等の線形変換を施すことにより、予めある程度の位置合わせを行なうことも提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば胸部放射線画像における肋骨のように、近接する局所間に類似のテクスチャーが存在する場合には、上述した位置合わせによってもなお局所領域において位置ずれが残る場合がある。
【0012】
また、上述した局所領域ごとに対応する位置を求める場合、テンプレート領域を小さく設定するほど位置合わせ精度を高めることができるため、テンプレート領域を可及的に小さく設定することが好ましいが、位置合わせ状態の良い部分領域(最適対応位置)を求めるのに、単純に小さい領域を用いた場合には、探索領域内で、本来の最適対応位置ではない部分領域と偶然に最高の一致程度が得られる場合があり、この場合、その局所領域において画像が不自然に歪む可能性がある。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、2つの画像の位置ずれを従来よりもさらに抑制可能としつつ、画像自体が不自然に歪むことを防止して、高精度に位置ずれを解消することができる、画像の位置合わせ方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像の位置合わせ方法および装置は、2つの画像について、テンプレート領域および探索領域を順次小さくしながら、一致程度が高くなるような対応位置関係を順次求め、各対応位置関係に基づいて最終的な対応位置関係を求めて、この最終的な対応位置関係に基づいて位置合わせを行なうことにより、画像自体が不自然に歪むのを防止しつつ、従来よりも位置ずれを抑制し、高精度に位置ずれを解消させるものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明による一つの画像の位置合わせ方法は、同一被写体についての2つの画像を位置合わせする画像の位置合わせ方法であって、
前記2つの画像の一方に多数のテンプレート領域 を、他方に各々が前記テンプレート領域の各々と対応する多数の探索領域を設定して前記探索領域内にテンプレート領域と画像の一致程度の高い部分領域(対応テンプレート領域)を求め、
前記各テンプレート領域および対応する前記各部分領域の各対応位置関係を求め、
前記探索領域および前記テンプレート領域を段階的に小さくしつつ、前記テンプレート領域および前記探索領域を前記各対応位置関係に基づいて設定し、順次前記各対応位置関係を求める操作を繰り返して最終的な対応位置関係を求め、
該求められた最終的な対応位置関係に基づいて、前記2つの画像のうちの一方の画像に変換処理(例えば2次元多項式による画像全体についてのカーブフィッティング等による非線形歪変換処理や局所領域ごとの線形補間による変換処理など)を施すことにより両画像の位置合わせを行ない、
前記テンプレート領域および前記探索領域の設定に先立って(この点については後に詳述する)、前記2つの画像間で画像の位置ずれ程度が高い局所領域を設定し、該設定された局所領域についてのみ、前記テンプレート領域および前記探索領域を設定して、前記最終的な対応位置関係を求めることを特徴とするものである。
【0018】
なお、被写体には、人体等の他、動植物、工業製品、地形、天体、風景等あらゆるものが含まれる。位置合わせの対象となる2つの画像は、高度な位置合わせ精度が求められる画像間演算に供されるものを適用するのが好ましく、この画像間演算としては、特に、2つの画像をそれぞれ表す画像情報間の画素を対応させた減算処理が適用されるものが好ましい。この場合、単純な減算であってもよいし、重み付けを行なったうえでの減算であってもよい。減算処理によって得られた画像間演算画像は一般にサブトラクション画像と称され、このサブトラクション画像としては、時系列的に略同時に撮影して得られたエネルギー分布の互いに異なる2つの原画像(=オリジナルの画像;高圧画像(通常の放射線画像)および低圧画像(高圧抑制画像))に基づいて(単純減算または荷重減算によって)得られるエネルギサブトラクション画像、時系列的に異なる時期に撮影して得られた2つの原画像に基づいて得られる経時サブトラクション画像、造影剤の注入前後にそれぞれ撮影して得られる血管の2つの原画像に基づいて得られるDSA(デジタルサブトラクション・アンギオグラフィ)画像等が含まれる。
【0019】
なお、上記「同一被写体についての2つの画像」とは、例えば、同一被写体の同一部位を時系列的に異なる時期に撮影して得られた2つの放射線画像が挙げられるが、これに限られるものではなく、同一日時に撮影された画像中のほぼ同一の形状を有する部位(例えば、左右肺、左右乳房など)を表わす各画像部分をも含む。すなわち、2つの画像とは、互いに異なる画像に限るものではなく、同一画像中の異なる画像部分をも意味するものである。
【0020】
また、上記画像としては、特に医療用放射線画像を適用するのが好ましい。
【0022】
以上述べた本発明による一つの位置合わせ方法は、テンプレート領域および探索領域の設定に先立って、両画像間で位置ずれ程度が高い局所領域を任意に手動等で設定してその設定された局所領域についてのみ、テンプレート領域および探索領域を設定するようにしたものであるが、その代わりに両画像の全体に亘って設定してもよい。すなわち、そのようにした本発明による別の位置合わせ方法においては、テンプレート領域および探索領域の設定に先立って、位置ずれ程度の高低に拘わらず両画像にそれぞれ多数の局所領域を自動的に設定して対応する局所領域間で位置ずれ程度をそれぞれ各別に求め、その求められた位置ずれ程度に基づいて位置ずれ程度の高い局所領域を自動的に選定して、その選定された局所領域についてのみ、テンプレート領域および探索領域を設定する。
【0023】
ここで、「テンプレート領域および探索領域の設定に先立って」とは、2つの画像に対してテンプレート領域および探索領域を設定する全ての時点を対象としたものであり、最初にテンプレート領域および探索領域を設定する時点だけでなく、探索領域およびテンプレート領域を段階的に小さくしつつテンプレート領域および探索領域を設定する時点を含むものである。すなわち、「設定(或いは選定)された局所領域についてのみ、テンプレート領域および探索領域を設定する」とは、局所領域の設定を行なった時点に応じたテンプレート領域および探索領域を設定して、さらに、その局所領域において、探索領域およびテンプレート領域を段階的に小さくしつつテンプレート領域および探索領域を設定して順次前記各対応位置関係を求める操作を繰り返すことを意味するものである。つまり、例えば、第2段階目におけるテンプレート領域および探索領域の設定に先立って局所領域を設定(或いは選定)した場合には、設定(或いは選定)された局所領域についてのみ、第2段階目のテンプレート領域および探索領域を設定して順次前記各対応位置関係を求める操作を繰り返すことを意味する。これらの場合、その後、最終的な対応位置関係は、当該設定または選定された局所領域についてのみ求めるようにすればよい。
【0024】
なお、画像全体に亘って自動的に局所領域を設定したうえで、テンプレート領域および探索領域を設定する局所領域を自動的に選定する方法としては、画像の位置ずれ程度として画素値差の絶対値の総和値を適用し、この総和値について閾値処理することにより当該局所領域を選定すればよい。
【0025】
両画像の対応する局所領域は、両画像において同一中心、同一形状の領域(例えば矩形形状の領域)を適用すればよい。
【0026】
以上のように、画像の一部の局所領域についてのみテンプレート領域等を設定可能とすることにより、位置合わせに先立って、例えば前述した特開平7-37074 号、同8-335721号等により提案されている位置合わせや、アフィン変換等の線形変換の概略位置合わせを予め施し、その概略位置合わせによっては良好に位置合わせすることができなかった局所領域の対応位置ずれに基づいて再度の位置合わせとして適用することもできる。
【0027】
また、本発明による画像の位置合わせ方法を、前記部分領域を求める対象の局所領域の対のうち、一方の画像には第1テンプレート領域を設定し、他方の画像には、第1テンプレート領域よりも大きい領域の第1探索領域を設定し、互いに対応する第1テンプレート領域および第1探索領域の各組において、第1テンプレート領域と画像の一致程度が高い、第1探索領域内の第1部分領域を求め、これらに基づいて各第1テンプレート領域と各第1部分領域との対応位置関係である第1位置関係を求め、さらに第1位置関係に基づいて、一方の画像には、第1テンプレート領域よりも小さい領域の第2テンプレート領域を設定し、他方の画像には、第2テンプレート領域よりも大きくかつ前記第1探索領域よりも小さい第2探索領域を設定し、互いに対応する前記第2テンプレート領域および前記第2探索領域の各組において、前記第2テンプレート領域と画像の一致程度が高い、第2探索領域内の第2部分領域を求め、前記各第2テンプレート領域と前記各第2部分領域との対応位置関係である第2位置関係を求め、以下、必要に応じて同様の操作を繰り返して第n(n≧3)位置関係を求めることにより、前記各テンプレート領域と各部分領域との最終的な対応位置関係を求め、求められた最終的な対応位置関係に基づいて両画像の位置合わせを行なうものとしてもよい。もちろん第2位置関係まで求めた処理で終了して、各テンプレート領域と各部分領域との最終的な対応位置関係を求めるようにしてもよい。
【0028】
この場合、第1テンプレート領域および第1部分領域についての一致程度は正規化相互相関値により求め、第2テンプレート領域および第2部分領域以後についての一致程度は画素値の差の絶対値総和値により求めるのが、実用上好ましいが、必ずしもこの態様に限るものではなく、全ての段階における一致程度をそれぞれ正規化相互相関値により求めたり、それぞれ画素値の差の絶対値総和値により求めるものであってもよい。
【0029】
なお上述した本発明の画像の位置合わせ方法および以下に説明する本発明の画像位置合わせ装置においては、探索領域およびテンプレート領域を段階的に小さくしつつテンプレート領域および探索領域を設定してそれぞれ対応位置関係を求める一連の処理の間、すなわち例えば第1対応位置関係を求めた後から、第2テンプレート領域および第2探索領域を設定する前までの間に、第1対応位置関係に基づいて一方の画像を他方の画像に位置合わせする処理を行うようにしてもよい(同様に、第2対応位置関係を求めた後から、第3テンプレート領域および第3探索領域を設定する前までの間に、第1対応位置関係に基づいて位置合わせされた画像同士を、第2対応位置関係に基づいて位置合わせを行なうなど、各段階でテンプレート領域および探索領域を設定する前に、その前段階で得られた対応位置関係に基づいて位置合わせを行なうようにしてもよい。)。この場合、最終的な対応位置関係は、各段階の対応位置関係を集積したものではなくなり、最終的に設定された第nテンプレート領域および第n探索領域により得られた第n部分領域と、第nテンプレート領域との対応位置関係である第n位置関係がそのまま最終的な対応位置関係となる。
【0030】
本発明による第1の画像の位置合わせ装置は、本発明の画像の位置合わせ方法を実施するための装置であり、同一被写体についての2つの画像を位置合わせする画像の位置合わせ装置であって、
前記2つの画像の一方に多数のテンプレート領域を、他方に各々が前記テンプレート領域の各々と対応する多数の探索領域を設定し、前記探索領域内に前記テンプレート領域と画像の一致程度の高い部分領域を求め、前記各テンプレート領域および対応する前記各部分領域の各対応位置関係を求め、前記探索領域および前記テンプレート領域を段階的に小さくしつつ、前記テンプレート領域および前記探索領域を前記各対応位置関係に基づいて設定し、順次前記各対応位置関係を求める操作を繰り返して最終的な対応位置関係を求め、該求められた最終的な対応位置関係に基づいて、前記2つの画像のうちの一方の画像に変換処理を施して、両画像の位置合わせを行なう位置合わせ手段を備え、
前記テンプレート領域および前記探索領域の設定に先立って(この点については後に詳述する)、前記2つの画像間で画像の位置ずれ程度が高い局所領域を設定する位置合わせ領域設定手段をさらに備え、
前記位置合わせ手段が、前記位置合わせ領域設定手段により設定された局所領域についてのみ、前記テンプレート領域および前記探索領域を設定して前記最終的な対応位置関係を求めるものであることを特徴とするものである。
【0032】
また、本発明による第2の画像の位置合わせ装置は、同一被写体についての2つの画像を位置合わせする画像の位置合わせ装置であって、
前記2つの画像のうち少なくとも一方の画像全体に対して、回転、平行移動および拡大・縮小のうち少なくとも1つからなる変換処理を施すことにより前記2つの画像全体の概略位置合わせを行なう概略位置合わせ手段と、
該概略位置合わせ手段により概略位置合わせされた前記2つの画像の一方に多数のテンプレート領域を、他方に各々が前記テンプレート領域の各々と対応する多数の探索領域を設定し、前記探索領域内に前記テンプレート領域と画像の一致程度の高い部分領域を求め、前記各テンプレート領域および対応する前記各部分領域の各対応位置関係を求め、前記探索領域および前記テンプレート領域を段階的に小さくしつつ、前記テンプレート領域および前記探索領域を前記各対応位置関係に基づいて設定し、順次前記各対応位置関係を求める操作を繰り返して最終的な対応位置関係を求め、該求められた最終的な対応位置関係に基づいて、前記2つの画像のうちの一方の画像に変換処理を施して、両画像の位置合わせを行なう位置合わせ手段とを備え、
前記テンプレート領域および前記探索領域の設定に先立って、前記2つの画像間で画像の位置ずれ程度が高い局所領域を設定する位置合わせ領域設定手段をさらに備え、
前記位置合わせ手段が、前記位置合わせ領域設定手段により設定された局所領域についてのみ、前記テンプレート領域および前記探索領域を設定して前記最終的な対応位置関係を求めるものであることを特徴とするものである。
【0034】
以上述べた本発明による位置合わせ装置は、テンプレート領域および探索領域の設定に先立って、両画像の位置ずれ程度が高い局所領域を任意に手動等で設定する位置合わせ領域設定手段をさらに備え、位置合わせ手段が、その位置合わせ領域設定手段により設定された局所領域についてのみ、テンプレート領域および探索領域を設定して最終的な対応位置関係を求めるようにしたものであるが、その代わりに両画像の全体に亘って設定してもよい。すなわち、そのようにした本発明によるさらに別の位置合わせ装置においては、テンプレート領域および探索領域の設定に先立って、位置ずれ程度の高低に拘わらず両画像にそれぞれ多数の局所領域を自動的に設定して対応する局所領域間で位置ずれ程度をそれぞれ各別に求め、その求められた位置ずれ程度に基づいて位置ずれ程度の高い局所領域を自動的に選定する位置合わせ領域選定手段をさらに備え、位置合わせ手段が、その位置合わせ領域選定手段により選定された局所領域についてのみ、テンプレート領域および探索領域を設定して最終的な対応位置関係を求めるものとされる。これは前記第1および第2の位置合わせ装置のいずれにも適用可能である。
【0035】
ここで、「テンプレート領域および探索領域の設定に先立って」とは、上述したように、2つの画像に対してテンプレート領域および探索領域を設定する全ての時点を対象としたものであり、「設定(或いは選定)された局所領域についてのみ、テンプレート領域および探索領域を設定する」とは、局所領域の設定を行なった時点に応じたテンプレート領域および探索領域を設定して、さらに、その局所領域において、探索領域およびテンプレート領域を段階的に小さくしつつテンプレート領域および探索領域を設定して順次前記各対応位置関係を求める操作を繰り返すことを意味するものである。
【0036】
なお、位置合わせ領域選定手段による、画像全体に亘って自動的に局所領域を設定したうえで、テンプレート領域および探索領域を設定する局所領域を自動的に選定する方法としては、画像の位置ずれ程度として画素値差の総和値を適用し、この総和値について閾値処理することにより当該局所領域を選定すればよい。
【0037】
以上のように、画像の一部の局所領域についてのみテンプレート領域等を設定可能とすることにより、位置合わせに先立って、例えば前述した特開平7-37074 号、同8-335721号等により提案されている位置合わせや、アフィン変換等の線形変換の概略位置合わせなどを予め施す前処理手段をさらに備えた構成を採用して、この前処理手段による概略位置合わせによっては良好に位置合わせすることができなかった局所領域の対応位置ずれに基づいた再度の位置合わせを行なうことで、より精度の高い位置合わせが可能となり好ましい。
【0038】
また、前記位置合わせ手段を、
前記テンプレート領域および前記探索領域を設定する各段階のうち少なくとも1つの段階において、
全ての前記テンプレート領域および対応する前記部分領域を中心領域としたときの該中心領域についての前記対応位置関係と、前記中心領域の周囲の複数の前記テンプレート領域および対応する前記部分領域を周囲領域としたときの該複数の周囲領域それぞれについての前記対応位置関係とを、前記中心領域についての前記対応位置関係と前記周囲領域についての前記対応位置関係とに応じた拘束力で拘束させ、該拘束力に応じて、前記中心領域についての新たな相対的対応位置関係を求めるバネ拘束手段をさらに備えたものとし、
該バネ拘束手段により求められた前記各中心領域についての新たな相対的対応位置関係を、前記段階における前記各対応位置関係とするものとしてもよい。
【0039】
ここで、「テンプレート領域および探索領域を設定する各段階」とは、探索領域およびテンプレート領域を段階的に小さくしつつテンプレート領域および探索領域を設定する段階だけでなく、最初にテンプレート領域および探索領域を設定する段階を含むものである。
【0040】
また、上記位置合わせ手段を、部分領域を求める対象の局所領域の対のうち、一方の画像には第1テンプレート領域を設定し、他方の画像には、前記第1テンプレート領域よりも大きい領域の第1探索領域を設定し、互いに対応する前記第1テンプレート領域および前記第1探索領域の各組において、前記第1テンプレート領域と画像の一致程度が高い、第1探索領域内の第1部分領域を求め、これらに基づいて前記各第1テンプレート領域と前記各第1部分領域との対応位置関係である第1位置関係を求め、さらに前記第1位置関係に基づいて、前記一方の画像には、前記第1テンプレート領域よりも小さい領域の第2テンプレート領域を設定し、前記他方の画像には、前記第2テンプレート領域よりも大きくかつ前記第1探索領域よりも小さい第2探索領域を設定し、互いに対応する前記第2テンプレート領域および前記第2探索領域の各組において、前記第2テンプレート領域と画像の一致程度が高い、第2探索領域内の第2部分領域を求め、前記各第2テンプレート領域と前記各第2部分領域との対応位置関係である第2位置関係を求め、以下、必要に応じて同様の操作を繰り返して第n位置関係を求めて、前記各テンプレート領域と各部分領域との最終的な対応位置関係を求めることにより、前記両画像の位置合わせを行なうものとしてもよい。
【0041】
この場合、前記第1テンプレート領域および前記第1部分領域についての前記一致程度は正規化相互相関値により求め、前記第2テンプレート領域および前記第2部分領域以後についての前記一致程度は画素値の差の絶対値総和値により求めるのが、実用上さらに好ましいが、この態様に限らず、全ての段階における一致程度を正規化相互相関値により求めたり、画素値差の絶対値の総和値により求めるようにしてもよい。
【0042】
なお、上記テンプレート領域および探索領域を段階的に小さくして最終的な対応位置関係を求める処理において、第n位置関係に基づいて第n+1テンプレート領域および第n+1探索領域を設定する際には、既に設定されている第nテンプレート領域および第n探索領域と略同じ位置に、同数の第n+1テンプレート領域および第n+1探索領域を設定する形態でもよいし、第nテンプレート領域および第n探索領域よりも数を増やして第n+1テンプレート領域および第n+1探索領域を設定する形態でもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明の画像の位置合わせ方法および位置合わせ装置によれば、位置合わせの対象となる2つの画像について、探索領域およびテンプレート領域を段階的に小さくしつつテンプレート領域および探索領域を順次設定しながら、一致程度が高くなるような対応位置関係を順次求め、この対応位置関係に基づいて位置合わせを行なうことにより、画像自体が不自然に歪むのを防止しつつ、従来よりも位置ずれを抑制し、高精度に位置ずれを解消させることができる。
【0044】
すなわち、探索領域およびテンプレート領域を段階的に小さくしつつテンプレート領域および探索領域を設定するから、段階的に位置合わせの対象範囲が絞られることになり、当該局所領域についての位置合わせ精度を高めることができる。
【0045】
この場合、用いる領域は小さければ小さいほど、位置合わせ精度を高めることができるので好ましいが、位置合わせ状態の良い対応位置(最適対応位置)を求めるのに、単純に小さい領域を用いた場合には、探索領域内で、本来の最適位置対応位置ではない部分領域と偶然に最高の一致程度が得られるというローカルミニマムに陥る場合があり、各局所領域ごとに求められる最適対応位置が、近接する局所領域間で全く異なる方向に移動させなければ得られない位置になる事態が生じ、局所領域中の画像部分が不自然に歪む可能性がある。
【0046】
そこで本発明の画像の位置合わせ方法および位置合わせ装置においては、最適対応位置を求めるのに、大きい領域から順次段階的に小さい領域を用いて段階的に対応位置関係を求めることにより、ローカルミニマムに陥るのを防止して、局所領域中の画像部分が不自然に歪むのを防止することができる。
【0047】
なお、位置合わせ手段がバネ拘束手段を備えた場合には、各領域の対応位置関係が周囲の領域の対応位置関係に基づいて平滑化されるから、さらに位置合わせ精度を向上させることができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の位置合わせ方法および位置合わせ装置の具体的な実施の形態について説明する。図1は本発明の位置合わせ方法の一実施態様の処理フローを示すフローチャート、図2は図1に示した処理フローを実施する画像位置合わせ装置の一実施態様を示す図である。また図3は、図2に示した実施形態の画像位置合わせ装置10により位置合わせがなされる2つの画像P1,P2を示すものであり、同一患者についての、撮影時期を異にして撮影された胸部画像(放射線画像)である。なお第1画像P1は時系列的に第2画像P2よりも古い時期に撮影された画像であって、いわゆる過去画像であり、第2画像P2は第1画像P1よりも新しい現在画像である。
【0049】
これら2つの画像P1,P2を比較読影する場合、医師等の読影者は、現在画像である第2画像P2を基準にして比較する場合が多いため、本実施形態の画像位置合わせ装置においては、第2画像P2が基準となるように作用するものとして以下に説明するが、第1画像P1が基準となるように、第1画像P1と第2画像P2とを入れ替えて作用するものとしてもよい。
【0050】
図2に示した画像位置合わせ装置10は、比較対象となる同一被写体についての2つの画像P1,P2の全面に亘ってそれぞれ対応するROI(局所領域)を設定し、各局所領域についてさらに、テンプレート領域(テンプレートROI)および探索領域(探索ROI)を用いて一致程度の高い部分領域を求め、このテンプレート領域と部分領域とに基づいてこれらの対応位置関係(シフト量)を求め、テンプレート領域および探索領域を、段階的に小さくしつつ、前段階の各対応位置関係に基づいて設定して順次各段階ごとの対応位置関係を求める操作を繰り返し、最終的に得られた対応位置関係(本実施形態においては、各段階での対応位置関係(シフト量)を集積した集積対応位置関係)に基づいて両画像のすべての局所領域をそれぞれ略一致させるように、第1画像P1に対して非線形歪変換処理を施す位置合わせ手段13を備えた構成である。
【0051】
位置合わせ手段13は、両画像P1,P2にそれぞれ、図3に示すように、互いに対応する同一位置を中心とする同一形状(例えば、縦16画素×横16画素の矩形形状)の多数のROI(ROI1,ROI1′、ROI2,ROI2′、ROI3,ROI3′、…)を設定し、図4の処理フローに示すように、
(1)基準となる第2画像P2には、そのROIの中心(x0,y0)を中心とする第1テンプレート領域(例えば、縦80画素×横80画素の矩形形状)TR(TR1,TR2,…)を設定し、第1画像P1には、第1テンプレート領域TRと同一の中心(x0,y0)を有し、第1テンプレート領域TRより大きい領域(例えば、縦92画素×横92画素の矩形形状)の第1探索領域RR(RR1,RR2,…)を設定し、互いに対応する第1テンプレート領域TRおよび第1探索領域RRの各組(TR1とRR1の組,TR2とRR2の組等)において、第1テンプレート領域TRと画像の一致程度(例えば正規化相互相関値を指標とする)が高い、第1探索領域RR内の第1部分領域tRを求め、各第1テンプレート領域TRと各第1部分領域tRとの対応位置関係である第1位置関係を求め、この第1位置関係に基づいて第1テンプレート領域TRを第1部分領域tRに一致させるための移動量である第1シフト量(+Δx,+Δy)を算出し、
(2)次にこの第1シフト量(+Δx,+Δy)に基づいて、第2画像P2には、元の中心(x0,y0)を中心とする第2テンプレート領域(例えば、縦48画素×横48画素の矩形形状)TR′(TR′1,TR′2,…)を設定し、第1画像P1には、第1部分領域tRの中心(x0,y0)から第1シフト量(+Δx,+Δy)だけ移動した位置(x′,y′)(=(x0+Δx,y0+Δy))に中心を有し、第2テンプレート領域TR′より大きく、かつ第1探索領域RRより小さい領域(例えば、縦56画素×横56画素の矩形形状)の第2探索領域RR′(RR′1,RR′2,…)を設定し、互いに対応する第2テンプレート領域TR′および第2探索領域RR′の各組(TR′1とRR′1の組,TR′2とRR′2の組等)において、第2テンプレート領域TR′と画像の一致程度(例えば画素値の差の絶対値の総和を指標とする)が高い、第2探索領域RR′内の第2部分領域tR′を求め、各第2テンプレート領域TR′と各第2部分領域tR′との対応位置関係である第2位置関係を求め、この第2位置関係に基づいて第2テンプレート領域TR′を第2部分領域tR′に一致させるための移動量である第2シフト量(+Δx′,+Δy′)を算出し、
(3)次に第2シフト量(+Δx′,+Δy′)に基づいて、第2画像P2には、元の中心(x0,y0)を中心とする第3テンプレート領域(例えば、縦16画素×横16画素の矩形形状)TR″(TR″1,TR″2,…)を設定し、第1画像P1には、第2部分領域tR′の中心(x′,y′)から第2シフト量(+Δx′,+Δy′)だけ移動した位置(x″,y″)(=(x′+Δx′,y′+Δy′)=(x0+Δx+Δx′,y0+Δy+Δy′))に中心を有し、第3テンプレート領域TR″より大きく、かつ第2探索領域RR′より小さい領域(例えば、縦20画素×横20画素の矩形形状)の第3探索領域RR″(RR″1,RR″2,…)を設定し、互いに対応する第3テンプレート領域TR″および第3探索領域RR″の各組(TR″1とRR″1の組,TR″2とRR″2の組等)において、第3テンプレート領域TR″と画像の一致程度(例えば画素値の差の絶対値の総和を指標とする)が高い、第3探索領域RR″内の第3部分領域tR″を求め、各第3テンプレート領域TR″と各第3部分領域tR″との対応位置関係である第3位置関係を求め、この第3位置関係に基づいて第3テンプレート領域TR″を第3部分領域tR″に一致させるための移動量である第3シフト量(+Δx″,+Δy″)を算出し、
(4)各ROI(ROI1,ROI2,…)の中心ごとの移動量(+Δxi(i=1,2,…),+Δyi)(=第1シフト量+第2シフト量+第3シフト量)を算出する作用をなす。
【0052】
さらに位置合わせ手段13は、上述した各ROIごとに算出された中心の移動量(+Δxi,+Δyi)に基づいて、第2画像P2中の各ROI内の全画素の移動量を、例えば近傍4点(各ROIの中心点)の移動量を用いた補間演算(線形補間、スプライン補間、ベジェ補間等)により求める作用をなし、これら第2画像P2の画素の移動量に基づいて、第1画像P1の選定されたROIに対してワーピング( Warping)を施して、両画像P1′(第1画像P1をワーピングして得られた画像;以下、第1ワーピング画像という),P2の位置合わせを行なう作用をなす。
【0053】
次に本実施形態の画像位置合わせ装置の作用について説明する。
【0054】
まず時系列的に取得された2つの画P1およびP2が、位置合わせ手段13に入力され、位置合わせ手段13は、入力された両画像P1,P2にそれぞれ、図3に示すように、互いに対応する同一位置を中心とする同一形状の多数のROIを設定する。つまり、第1画像P1に対しては、ROI1′、ROI2′、ROI3′、…というROIを設定し、第2画像P2に対しては、ROI1、ROI2、ROI3、…というROIを設定する。そして、位置合わせ手段13は、入力された両画像P1,P2に対して、図4の処理フローに示すように、まず第1に基準となる第2画像P2には、そのROIの中心(x0,y0)を中心とする第1テンプレート領域(例えば、縦80画素×横80画素の矩形形状)TR(TR1,TR2,…)を設定し、第1画像P1には、第1テンプレート領域TRと同一の中心(x0,y0)を有し、第1テンプレート領域TRより大きい領域(例えば、縦92画素×横92画素の矩形形状)の第1探索領域RR(RR1,RR2,…)を設定し、互いに対応する第1テンプレート領域TRおよび第1探索領域RRの各組において、第1テンプレート領域TRと画像の一致程度(例えば正規化相互相関値を指標とする)が最も高い、第1探索領域RR内の第1部分領域tRを求める。そして、位置合わせ手段13は、各第1テンプレート領域TRと各第1部分領域tRとの対応位置関係である第1位置関係を求め、この第1位置関係に基づいて第1テンプレート領域TRを第1部分領域tRに一致させるための移動量である第1シフト量(+Δx,+Δy)を算出する。
【0055】
例えば図5に示すように、1つの第1テンプレート領域TR2(中心(x0,y0);同図(1))を対応する第1探索領域RR2(中心(x0,y0);同図(2))内で探索し、最も一致程度が高い第1部分領域tR2の中心が(x′,y′)であるとすると、第1シフト量(+Δx,+Δy)は、
(+Δx,+Δy)=(x′−x0,y′−y0)
となる。
【0056】
位置合わせ手段13は次に、第2画像P2には、その中心(x0,y0)を中心とし、第1テンプレート領域TRより小さい領域である第2テンプレート領域(例えば、縦48画素×横48画素の矩形形状)TR′(TR′1,TR′2,…)を設定し、第1画像P1には、第1部分領域tRの中心(x0,y0)から第1シフト量(+Δx,+Δy)だけ移動した位置(x′,y′)(=(x0+Δx,y0+Δy))に中心を有し、第2テンプレート領域TR′より大きく、かつ第1探索領域RRより小さい領域(例えば、縦56画素×横56画素の矩形形状)の第2探索領域RR′(RR′1,RR′2,…)を設定し、互いに対応する第2テンプレート領域TR′および第2探索領域RR′の各組(TR′1とRR′1の組,TR′2とRR′2の組等)において、第2テンプレート領域TR′と画像の一致程度(例えば画素値の差の絶対値の総和を指標とする)が最も高い、第2探索領域RR′内の第2部分領域tR′を求める。そして、位置合わせ手段13は、各第2テンプレート領域TR′と各第2部分領域tR′との対応位置関係である第2位置関係を求め、この第2位置関係に基づいて第2テンプレート領域TR′を第2部分領域tR′に一致させるための移動量である第2シフト量(+Δx′,+Δy′)を算出する。
【0057】
例えば図6に示すように、1つの第2テンプレート領域TR′2(中心(x0,y0);同図(1))を対応する第2探索領域RR′2(中心(x′,y′);同図(2))内で探索し、最も一致程度が高い第2部分領域tR′2の中心が(x″,y″)であるとすると、第2シフト量(+Δx′,+Δy′)は、
となる。
【0058】
位置合わせ手段13はさらに同様に、第2画像P2には、その中心(x0,y0)を中心とし、第2テンプレート領域TR′より小さい領域である第3テンプレート領域(例えば、縦16画素×横16画素の矩形形状)TR″(TR″1,TR″2,…)を設定し、第1画像P1には、第2部分領域tRの中心(x′,y′)から第2シフト量(+Δx′,+Δy′)だけ移動した位置(x″,y″)(=(x′+Δx′,y′+Δy′))に中心を有し、第3テンプレート領域TR″より大きく、かつ第2探索領域RR′より小さい領域(例えば、縦20画素×横20画素の矩形形状)の第3探索領域RR″(RR″1,RR″2,…)を設定し、互いに対応する第3テンプレート領域TR″および第3探索領域RR″の各組(TR″1とRR″1の組,TR″2とRR″2の組等)において、第3テンプレート領域TR″と画像の一致程度(例えば画素値の差の絶対値の総和を指標とする)が最も高い、第3探索領域RR″内の第3部分領域tR″を求める。そして、位置合わせ手段13は、各第3テンプレート領域TR″と各第3部分領域tR″との対応位置関係である第3位置関係を求め、この第3位置関係に基づいて第3テンプレート領域TR″を第3部分領域tR″に一致させるための移動量である第3シフト量(+Δx″,+Δy″)を算出する。
【0059】
例えば、1つの第3テンプレート領域TR″2(中心(x0,y0))を対応する第3探索領域RR″2(中心(x″,y″))内で探索し、最も一致程度が高い第3部分領域tR″2の中心が(x°,y°)であるとすると、第3シフト量(+Δx″,+Δy″)は、
となる。
【0060】
以上のように、各局所領域について段階的に小さく設定されたテンプレート領域および探索領域に基づいて、両画像P1,P2の各局所領域ごと(i=1,2,…)の、それらの中心のシフト量(+Δxi(i=1,2,…),+Δyi)は、
となり、位置合わせ手段13は、この第2画像P2についての各局所領域中心ごとの最終的なシフト量(+Δxi,+Δyi)を算出する。
【0061】
さらに位置合わせ手段13は、上述した各ROIごとに算出された中心のシフト量(+Δxi,+Δyi)に基づいて、第2画像P2中の各ROI内の全画素のシフト量を、例えば近傍4点(各ROIの中心点)のシフト量を用いた線形補間により求める。なお、線形補間以外の補間演算(スプライン補間、ベジェ補間、NURBS補間(重み付けBスプライン補間)等)を適用してもよく、また、補間演算に用いる近傍点数も4点に限られるものではなく、補間演算の種類等に合わせて適宜設定することができる(例えば、近傍16点等)。
【0062】
すなわち、図7に示すように第2画像中のテンプレート領域TR1,TR2,…,TR11,TR12,…が並んでいる場合、テンプレート領域TR1の中心のシフト量は、上述したように(+Δx1,+Δy1)(+Δxiにおいてi=1、+Δyiにおいてi=1としたもの;以下、同様。)、テンプレート領域TR2の中心のシフト量は(+Δx2,+Δy2)、テンプレート領域TR11の中心のシフト量は(+Δx11,+Δy11)、テンプレート領域TR12の中心のシフト量は(+Δx12,+Δy12)であり、この4つのテンプレート領域TR1,TR2,TR11,TR12の4つの中心点で囲まれる範囲内に存在する各画素(x,y)についてのシフト量(+Δx(x),+Δy(y))は、図8に示すように、2次元面内における線形補間演算を適用することにより、
と求められる。
【0063】
位置合わせ手段13は、このようにして求められた第2画像P2中の選定されたROI内の各画素(x,y)のシフト量(+Δx(x),+Δy(y))に基づいて、第1画像P1のROIに対してワーピング( Warping)を施して第1ワーピング画像P1′を得る。
【0064】
このようにして得られた第1ワーピング画像P1′は、第2画像P2とは画素配列が異なるため、後に画素を対応させたサブトラクション処理がなされる場合や、表示等されることを考慮して、基準となる第2画像P2と画素配列を一致させる必要がある。そこで、位置合わせ手段13は図9に示すように、第1ワーピング画像P1′の画素に対して2次元面内での線形補間処理を施して、下記の通りの画素値を算出する。
【0065】
以上のように、本実施形態の画像位置合わせ装置によれば、位置合わせの対象となる2つの画像について、テンプレート領域および探索領域を順次小さくしながら、一致程度が高くなるような対応位置関係を順次求め、この対応位置関係に基づいて位置合わせを行なうことにより、画像自体が不自然に歪むのを防止しつつ、従来よりも位置ずれを抑制し、高精度に位置ずれを解消させることができる。
【0066】
なお、上記実施形態においては、テンプレート領域および探索領域を段階的に小さくして各段階ごとの対応位置関係を求める際に、前段階のテンプレート領域および探索領域と同じ位置に小さいサイズのテンプレート領域および探索領域を設定する形態を示したが、小さいサイズのテンプレート領域および探索領域を設定する際に設定数を増加させて前段階とは異なる位置に設ける形態でもよい。以下、図19を参照して、第2テンプレート領域および第2探索領域の設定方法について例示する。
【0067】
第2テンプレート領域TR′は、第1テンプレート領域TRよりもサイズが小さく、第1テンプレート領域TRの中心(x0,y0)と同じ中心を有する領域として設定され(図19(c)の実線領域)、さらに各領域の間に同サイズの第2テンプレート領域TR′を新しく設定する(同図(c)の点線領域)。また、第2探索領域RR′は、上述の前段階と同じ位置に設定する形態と同様に、第1部分領域tRの中心(x0,y0)から第1シフト量(+Δx,+Δy)だけ移動した位置(x′,y′)(=(x0+Δx,y0+Δy))に中心を有し、第2テンプレート領域TR′より大きく、かつ第1探索領域RRより小さい領域として設定され(図19(d)の実線領域)、さらに各領域の間に同サイズの第2探索領域RR′を新しく設定する(同図(d)の点線領域)。この際、新しく設定される第2探索領域RR′の第1シフト量は、第1シフト量が存在している4近傍の探索領域RR′の第1シフト量を用いた補間演算により求める。すなわち、新しく設定される第2探索領域RR′12のシフト量は、第2探索領域RR′1,RR′3,RR′21,RR′23のシフト量から内挿して求める。また、4近傍が存在しない新しく設定される第2探索領域RR′11のシフト量は、探索領域RR′1とRR′21のシフト量から内挿して求める。
【0068】
なお、具体的な、テンプレート領域および探索領域の設定の例としては、第1テンプレート領域を縦90画素×横90画素、第1探索領域を縦160画素×横160画素、第1ステップ数(ROI中心の間隔)を200画素とし、第2テンプレート領域を縦48画素×横48画素、第2探索領域を縦78画素×横78画素、第2ステップ数を100画素とすることもできる。
【0069】
また、テンプレート領域および探索領域の設定例としては、上記のような方法の他、種々の組み合わせが可能である。例えば、各領域の設定数としては(a)増加、(b)同等、(c)減少の形態が可能であり、また、各領域のサイズとしては(d)テンプレート領域および探索領域ともにサイズを小さくする、(e)テンプレート領域のサイズは同等とし、探索領域のサイズのみ小さくする等の形態が可能であり、これらを種々組み合わせて採用することもできる。なお、位置合わせ精度が高い組み合わせの例としては、第1テンプレート領域が縦90画素×横90画素、第1探索領域が縦160画素×横160画素、第1ステップ数が90画素、第2テンプレート領域が縦48画素×横48画素、第2探索領域が縦78画素×横78画素、第2ステップ数が48画素、第3テンプレート領域が縦48画素×横48画素、第3探索領域が縦58画素×横58画素、第3ステップ数が48画素などである。
【0070】
なお、テンプレート領域および探索領域は、図19のように重ならないように設定する形態でもよいし、上記例のように隣接する領域と重なるように設定してもよい。
【0071】
なお本実施形態の画像位置合わせ装置は、位置合わせ手段13が第1画像P1および第2画像P2の全体に亘って局所領域(ROI,ROI′)を設定する機能を有するものとして説明したが、これは両画像のテンプレート領域と探索領域との対応関係を明確にするための付加的事項であり、第1画像P1のテンプレート領域と第2画像P2の探索領域との中心位置を対応させるように、当該テンプレート領域および探索領域を、画像の全体に亘って設定するようにすれば、位置合わせ手段13が、予めそのような局所領域を設定することを必須の機能とするものである必要はない。
【0072】
また本実施形態の画像位置合わせ装置は、位置合わせ手段13が、第1画像P1の全体に亘ってテンプレート領域を設定し、第2画像P2の全体に亘って、テンプレート領域に対応する探索領域を設定する機能を有するものとして説明したが、段階的に対応位置関係を求める内の少なくとも1つの段階において、両画像P1,P2間の位置ずれ程度が高い領域についてのみ、テンプレート領域および探索領域を設定するようにしてもよい。この場合、図10に示すように、位置合わせ手段13によるテンプレート領域および探索領域の設定に先立って、両画像P1,P2の全体に亘ってそれぞれ対応する多数の局所領域(ROI)を設定し、両画像P1,P2の対応するROI間で画像の位置ずれ程度をそれぞれ各別に求め、求められた位置ずれ程度に基づいて位置ずれ程度が高い局所領域を自動的に選定する位置合わせ領域選定手段12をさらに備え、位置合わせ手段13を、位置合わせ領域選定手段12により選定されたROIについてのみ、テンプレート領域および探索領域を設定して部分領域を求めるものとする構成や、図11に示すように、位置合わせ手段13によるテンプレート領域および探索領域の設定に先立って両画像P1,P2にそれぞれ、両画像の位置ずれ程度が高い、対応する局所領域(ROI)を手動で設定する位置合わせ領域設定手段12′をさらに備え、位置合わせ手段13を、位置合わせ領域設定手段12′により設定されたROIについてのみ、テンプレート領域および探索領域を設定して部分領域を求めるものとする構成を採用することもできる。
【0073】
図10に示した位置合わせ領域選定手段12を備えた構成の実施形態の画像位置合わせ装置10′による処理フローを図12に示す。すなわち、画像位置合わせ装置10′に入力された2つの画像P1,P2は位置合わせ領域選定手段12に入力され、この位置合わせ領域選定手段12は、入力された両画像P1,P2にそれぞれ、図3、12および13に示すように、互いに対応する同一位置を中心とする同一形状(例えば、縦16画素×横16画素の矩形形状)の多数のROI(ROI1,ROI1′、ROI2,ROI2′、ROI3,ROI3′、…)を設定し、対応するROI(例えばROI1とROI1′、ROI2とROI2′など)間でそれぞれ、そのROI内に含まれる画素(位置が対応する画素)同士の値(第2画像P2におけるROI内の画素の画素値A(i,j)、第1画像P1におけるROI内の画素B(i,j))の差の絶対値(=|A(i,j)−B(i,j)|)の総和値Ds(=ΣΣ|A(i,j)−B(i,j)|)を、各ROI間の一致程度を表す指標として求め、得られた総和値Dsを予め設定した閾値Tと比較処理し、閾値Tよりも総和値Dsが大きい(Ds>T)ROIを、位置合わせのレベルが低い(位置ずれ程度が高い)ものとして、位置合わせ手段13による位置合わせ処理の対象として選定し、閾値Tよりも総和値Dsが大きくない(Ds≦T)ROIを、位置合わせのレベルが高いものとして、位置合わせ処理の対象としては選定しない作用をなす。
【0074】
なおこのように位置合わせ手段13が、位置ずれ程度の高いROI,ROI′についてのみ、テンプレート領域および探索領域を設定する作用をなすものとした場合、位置ずれ程度の低いROIの中心の最終的な対応位置のシフト量(+Δxi,+Δyi)を(0,0)と見なして、第2画像P2の全ROIの中心点のシフト量を設定し、これらに基づいて、上述した近傍4点(各ROIの中心点)のシフト量を用いた補間演算により、第2画像P2の各画素のシフト量を求めるようにすればよい。
【0075】
図11に示した位置合わせ領域設定手段12′を備えた構成の実施形態の画像位置合わせ装置10″による処理フローを図14に示す。すなわち図11に示した画像位置合わせ装置10′は、図10に示した画像位置合わせ装置10′と同様に、位置合わせ手段13が、一部のROI,ROI′についてのみ、テンプレート領域および探索領域を設定するものであるが、図10に示した画像位置合わせ装置10′が、テンプレート領域および探索領域を設定すべきROIを自動的に選定する作用をなすのに対して、図11に示した画像位置合わせ装置10″は、テンプレート領域および探索領域を設定すべきROIを、位置合わせ領域設定手段12′により、読影者等が、位置ずれ程度が高い局所領域であると認識して手動で設定しうる作用をなし、位置合わせ手段13が、この位置合わせ領域設定手段12′により手動で設定されたROI,ROI′についてのみ、テンプレート領域および探索領域を設定する作用をなすものである。なお、位置合わせ領域設定手段12′は、読影者が一方の画像(例えば、第2画像P2)において、一致程度が低いとして一部の局所領域(ROI)を、位置合わせ領域設定手段12′により手動設定することにより、位置合わせ領域設定手段12′が、その手動設定されたROIと同一中心および同一形状の局所領域(ROI′)を、他方の画像(同、第1画像P1)において自動的に設定する作用をなすものとするのが好ましい。同一中心、同一形状の領域を2つ(ROIとROI′)手動で設定するのは困難だからである。
【0076】
なお、本実施形態においては、最初の段階のROI設定前に位置ずれ程度の高い領域を選定(或いは設定)しているが、これに限るものではなく、任意の段階のROI設定前に前記選定(或いは設定)を行なうようにしてもよい。
【0077】
次に、本発明の画像の位置合わせ装置の別の実施形態について以下に説明する。なお、その構成および作用は上記第1の実施形態(図1および図2に係る実施形態)とほぼ同様であるため、上記第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。また、全体構成図としては図2を採用し、図15に本実施形態による位置合わせ手段13における段階的なシフト量の計算処理のフローを示す。
【0078】
本実施形態において、位置合わせ手段13は、テンプレート領域および探索領域を小さくする各段階において各段階ごとの対応位置関係を求めた後に、バネ拘束処理を行って段階ごとにバネ拘束後対応位置関係を求め、この求められたバネ拘束後対応位置関係を各段階ごとの対応位置関係として、順次各段階ごとのバネ拘束後対応位置関係を求める操作を繰り返し、最終的な対応位置関係を求める。すなわち、本実施形態の位置合わせ手段13における段階的なシフト量の計算処理は図15の処理フローに示すように、
(1)基準となる第2画像P2には、そのROIの中心(x0,y0)を中心とする第1テンプレート領域(例えば、縦80画素×横80画素の矩形形状)TR(TR1,TR2,…)を設定し、第1画像P1には、第1テンプレート領域TRと同一の中心(x0,y0)を有し、第1テンプレート領域TRより大きい領域(例えば、縦92画素×横92画素の矩形形状)の第1探索領域RR(RR1,RR2,…)を設定し、互いに対応する第1テンプレート領域TRおよび第1探索領域RRの各組(TR1とRR1の組,TR2とRR2の組等)において、第1テンプレート領域TRと画像の一致程度(例えば正規化相互相関値を指標とする)が高い、第1探索領域RR内の第1部分領域tRを求め、各第1テンプレート領域TRと各第1部分領域tRとの対応位置関係である第1位置関係を求め、この第1位置関係に基づいて第1テンプレート領域TRを第1部分領域tRに一致させるための移動量である第1シフト量(+Δx,+Δy)を算出するとともに、第1テンプレート領域TRと第1部分領域tRの周囲の各小領域についても同様にシフト量を求め、これらのシフト量に基づいてバネ拘束処理を行ない第1バネ拘束後シフト量(+ΔX,+ΔY)を求め、
(2)次に第1バネ拘束後シフト量(+ΔX,+ΔY)に基づいて、第2画像P2には、元の中心(x0,y0)を中心とする第2テンプレート領域(例えば、縦48画素×横48画素の矩形形状)TR′(TR′1,TR′2,…)を設定し、第1画像P1には、第1部分領域tRの中心(x0,y0)から第1バネ拘束後シフト量(+ΔX,+ΔY)だけ移動した位置(x′,y′)(=(x0+ΔX,y0+ΔY))に中心を有し、第2テンプレート領域TR′より大きく、かつ第1探索領域RRより小さい領域(例えば、縦56画素×横56画素の矩形形状)の第2探索領域RR′(RR′1,RR′2,…)を設定し、互いに対応する第2テンプレート領域TR′および第2探索領域RR′の各組(TR′1とRR′1の組,TR′2とRR′2の組等)において、第2テンプレート領域TR′と画像の一致程度(例えば画素値の差の絶対値の総和を指標とする)が高い、第2探索領域RR′内の第2部分領域tR′を求め、各第2テンプレート領域TR′と各第2部分領域tR′との対応位置関係である第2位置関係を求め、この第2位置関係に基づいて第2テンプレート領域TR′を第2部分領域tR′に一致させるための移動量である第2シフト量(+Δx′,+Δy′)を算出するとともに、第2テンプレート領域TR′と第2部分領域tR′の周囲の各小領域についても同様にシフト量を求め、これらのシフト量に基づいてバネ拘束処理を行ない第2バネ拘束後シフト量(+ΔX′,+ΔY′)を求め、
(3)次に第2バネ拘束後シフト量(+ΔX′,+ΔY′)に基づいて、第2画像P2には、元の中心(x0,y0)を中心とする第3テンプレート領域(例えば、縦16画素×横16画素の矩形形状)TR″(TR″1,TR″2,…)を設定し、第1画像P1には、第2部分領域tR′の中心(x′,y′)から第2バネ拘束後シフト量(+ΔX′,+ΔY′)だけ移動した位置(x″,y″)(=(x′+ΔX′,y′+ΔY′)=(x0+ΔX+ΔX′,y0+ΔY+ΔY′))に中心を有し、第3テンプレート領域TR″より大きく、かつ第2探索領域RR′より小さい領域(例えば、縦20画素×横20画素の矩形形状)の第3探索領域RR″(RR″1,RR″2,…)を設定し、互いに対応する第3テンプレート領域TR″および第3探索領域RR″の各組(TR″1とRR″1の組,TR″2とRR″2の組等)において、第3テンプレート領域TR″と画像の一致程度(例えば画素値の差の絶対値の総和を指標とする)が高い、第3探索領域RR″内の第3部分領域tR″を求め、各第3テンプレート領域TR″と各第3部分領域tR″との対応位置関係である第3位置関係を求め、この第3位置関係に基づいて第3テンプレート領域TR″を第3部分領域tR″に一致させるための移動量である第3シフト量(+Δx″,+Δy″)を算出するとともに、第3テンプレート領域TR″と第3部分領域tR″の周囲の各小領域についても同様にシフト量を求め、これらのシフト量に基づいてバネ拘束処理を行ない第3バネ拘束後シフト量(+ΔX″,+ΔY″)を求め、
(4)各ROI(ROI1,ROI2,…)の中心ごとの最終的な移動(シフト)量(+ΔXi(i=1,2,…),+ΔYi)(=第1シフト量+第2シフト量+第3シフト量)を算出する作用をなす。
【0079】
ここで、バネ拘束処理の具体的な処理について以下に説明する。
【0080】
図16に示すように、各テンプレートROIをそれぞれ中心領域とし、その中心領域を取り囲む一重の周囲テンプレートROI群(ここでは、TR1,TR2,TR3,TR11,TR13,TR23,TR22,TR21の8領域)について、各周囲テンプレートROIの各シフトベクトル(シフト量)と中心領域であるテンプレートROI(TR12)のシフトベクトル(シフト量)とを、仮想的なバネで拘束し、それぞれのバネの拘束力で各周囲テンプレートROIのシフトベクトル間で平衡させる。
【0081】
具体的には、中心領域であるテンプレートROI(TR12)のシフトベクトルを(x(2,2),y(2,2))とし、周囲のテンプレートROIの各シフトベクトルを(x(2+k,2+l),y(2+k,2+l))とし、中心領域のテンプレートROI(TR12)のシフトベクトルと各周囲テンプレートROIのシフトベクトルとの間の各バネ定数をa(k,l)とすれば、この中心領域のテンプレートROI(TR12)は、各バネ拘束力の平衡により、x方向についてΔx(2,2)、y方向についてΔy(2,2)だけシフト量が修正される。すなわち、中心領域のテンプレートROI(TR12)の本来のシフトベクトルは(x(2,2),y(2,2))であるが、周囲8個のテンプレートROIのシフトベクトル(x(2+k,2+l),y(2+k,2+l))とのバネ拘束力により、シフトベクトルの差に応じた引っ張り合いが生じ、ベクトル(Δx(2,2),Δy(2,2))だけ修正される。そして、この修正量Δx(2,2),Δy(2,2)は以下の式により得られる。
【0082】
【数1】
この結果、修正量による修正後のシフトベクトル(nx(2,2),ny(2,2))は下記式により算出される。
【0083】
【数2】
以上は、テンプレートROI(TR12)を中心領域とした場合のテンプレートROI(TR12)のシフトベクトルの修正量(Δx(2,2),Δy(2,2))を表したものであるが、テンプレートROI(TRij)のシフトベクトル(x(i,j),y(i,j))の修正量(Δx(i,j),Δy(i,j))は下記式により与えられる。
【0084】
【数3】
この結果、各テンプレートROIの修正量(Δx(i,j),Δy(i,j))による修正後のシフトベクトル(nx(i,j),ny(i,j))は、下記式により算出される。
【0085】
【数4】
なお、1つの中心領域についての8つのバネのバネ定数a(k,l)の総和Σa(k,l)を、1に規格化するのが好ましい。
【0086】
また、上記では、1つの中心領域のテンプレートROIを拘束する周囲のテンプレートROIを、中心領域を一重に取り囲む8つのテンプレートROIとしたが、さらに外側の16個のテンプレートROIまで含めて、合計24個のテンプレートROIと拘束するようにしてもよく、一般に拘束するテンプレートROIの数をNcとすれば、式(5)、(6)はそれぞれ、下記式(9)、(10)と表すことができる。
【0087】
【数5】
以上のように、各テンプレートROIのシフトベクトルを周囲のテンプレートROIのシフトベクトルとの間で、バネ拘束力による引っ張り合いをさせて平衡させることにより、シフトベクトルを平滑化させることができ、テンプレートROIのシフトベクトルが周囲のテンプレートROIのシフトベクトルに対して全く異なる方向に向いていたり、シフト量が大きくなったりするなど、突発的なものとなっても、それを抑えることができる。
【0088】
なお、本実施形態では、段階的なシフト量の計算の全段階においてバネ拘束処理を採用した例を示したが、本発明の画像位置合わせ装置はこの形態に限るものではなく、各段階のうちのいずれか1つ若しくは2つの段階においてバネ拘束処理を採用する形態でもよい。例えば、第3位置関係を求めた後(第3段階)にバネ拘束処理を行なうと平滑化のために位置合わせ精度が低下してしまう可能性があることから、第1位置関係を求めた後(第1段階)と第2位置関係を求めた後(第2段階)のみにおいてバネ拘束処理を行なう形態を採用することもできる。なお、この形態においては、例えば、第1テンプレート領域を縦90画素×横90画素、第1探索領域を縦160画素×横160画素とし、第2テンプレート領域を縦48画素×横48画素、第2探索領域を縦78画素×横78画素とし、第3テンプレート領域を縦68画素×横68画素、第2探索領域を縦76画素×横76画素などとすることが望ましい。すなわち、バネ拘束処理を行なわないとシフト量の算出時にノイズに影響される確率が高くなるため、第3段階のテンプレート領域のサイズを第2段階より大きくすることが望ましい。
【0089】
上述したようなバネ拘束処理を用いた手法によれば、従来の手法(特開平7-37074、米国特許6,067,373)では位置合わせの精度が悪いために繰り返し行なわなければならなかったワーピングを、1回実施するだけで、同等以上の位置合わせ精度が得られるようになった。
【0090】
なお、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、両画像P1,P2間の位置ずれ程度が高い領域についてのみ、テンプレート領域および探索領域を設定するようにしてもよい。
【0091】
また、図17および図18に示すように、上記各実施形態において、位置合わせ手段13による段階的なシフト量の計算の前に、概略位置合わせ手段を設け、概略位置合わせ手段が、両画像P1,P2のうち取得時期が古い方の第1画像P1全体に対して、回転、平行移動および拡大・縮小等のアフィン変換を施すことにより、両画像P1,P2を大局的に位置合わせ(グローバルマッチング)する概略位置合わせ処理を施すようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像の位置合わせ方法の一実施形態の処理を示すフローチャート
【図2】図1に示した処理フローを実施する画像位置合わせ装置の一実施形態を示す図
【図3】図2に示した実施形態の画像位置合わせ装置により位置合わせされる2つの画像P1,P2を示す図
【図4】図1に示した処理フローの一部分の詳細を示すフローチャート
【図5】第1テンプレート領域TR2、第1探索領域RR2および第1部分領域tR2の対応関係を示す図
【図6】第2テンプレート領域TR′2、第2探索領域RR′2および第2部分領域tR′2の対応関係を示す図
【図7】第2画像P2中の各テンプレート領域TRを示す図
【図8】近傍4点を用いた線形補間を説明する図
【図9】第2ワーピング画像P1′の画素に対する近傍4点を用いた2次元面内での線形補間処理を説明する図
【図10】本発明の画像位置合わせ装置の他の実施形態を示す図(その1)
【図11】本発明の画像位置合わせ装置の他の実施形態を示す図(その2)
【図12】図10に示した画像位置合わせ装置の処理を示すフローチャート
【図13】図12に示した一部の処理の詳細を示すフローチャート
【図14】図11に示した画像位置合わせ装置の処理を示すフローチャート
【図15】バネ拘束処理を加えた処理フローの一部分の詳細を示すフローチャート
【図16】各周囲テンプレート領域の各シフトベクトルと中心領域のテンプレート領域のシフトベクトルとを、仮想的なバネで拘束した概念を示す図
【図17】図18に示した画像位置合わせ装置の処理を示すフローチャート
【図18】本発明の画像位置合わせ装置の他の実施形態を示す図(その3)
【図19】第2テンプレート領域および第2探索領域の設定形態の一例を示す図
【符号の説明】
10 画像位置合わせ装置
11 前処理手段
12 位置合わせ領域選定手段
13 位置合わせ手段
Claims (20)
- 同一被写体についての2つの画像を位置合わせする画像の位置合わせ方法であって、
前記2つの画像の一方に多数のテンプレート領域を、他方に各々が前記テンプレート領域の各々と対応する多数の探索領域を設定して前記探索領域内に前記テンプレート領域と画像の一致程度の高い部分領域を求め、
前記各テンプレート領域および対応する前記各部分領域の各対応位置関係を求め、
前記探索領域および前記テンプレート領域を段階的に小さくしつつ、前記テンプレート領域および前記探索領域を前記各対応位置関係に基づいて設定し、順次前記各対応位置関係を求める操作を繰り返して最終的な対応位置関係を求め、
該求められた最終的な対応位置関係に基づいて、前記2つの画像のうちの一方の画像に変換処理を施して、両画像の位置合わせを行ない、
前記テンプレート領域および前記探索領域の設定に先立って、前記2つの画像間で画像の位置ずれ程度が高い局所領域を設定し、該設定された局所領域についてのみ、前記テンプレート領域および前記探索領域を設定して、前記最終的な対応位置関係を求めることを特徴とする画像の位置合わせ方法。 - 同一被写体についての2つの画像を位置合わせする画像の位置合わせ方法であって、
前記2つの画像の一方に多数のテンプレート領域を、他方に各々が前記テンプレート領域の各々と対応する多数の探索領域を設定して前記探索領域内に前記テンプレート領域と画像の一致程度の高い部分領域を求め、
前記各テンプレート領域および対応する前記各部分領域の各対応位置関係を求め、
前記探索領域および前記テンプレート領域を段階的に小さくしつつ、前記テンプレート領域および前記探索領域を前記各対応位置関係に基づいて設定し、順次前記各対応位置関係を求める操作を繰り返して最終的な対応位置関係を求め、
該求められた最終的な対応位置関係に基づいて、前記2つの画像のうちの一方の画像に変換処理を施して、両画像の位置合わせを行ない、
前記テンプレート領域および前記探索領域の設定に先立って、前記2つの画像にそれぞれ対応する多数の局所領域を設定し、該両画像の対応する局所領域間で画像の位置ずれ程度をそれぞれ各別に求め、前記求められた位置ずれ程度に基づいて、該位置ずれ程度が高い局所領域を選定し、前記選定された局所領域についてのみ、前記テンプレート領域および前記探索領域を設定して、前記最終的な対応位置関係を求めることを特徴とする画像の位置合わせ方法。 - 前記局所領域間の画像の位置ずれ程度は、前記対応する局所領域間でそれぞれ各画素値差の絶対値の総和値により求め、
前記位置ずれ程度が高い局所領域の選定は、前記画素値差の絶対値の総和値について閾値処理することにより行なうものであることを特徴とする請求項2記載の画像の位置合わせ方法。 - 前記探索領域を段階的に小さくしつつ、前記テンプレート領域および前記探索領域を設定する際に、さらに、前記テンプレート領域を段階的に小さくすることを特徴とする請求項1から3いずれか1項に記載の画像の位置合わせ方法。
- 前記部分領域を求める対象の局所領域の対のうち、一方の画像には第1テンプレート領域を設定し、他方の画像には、前記第1テンプレート領域よりも大きい領域の第1探索領域を設定し、互いに対応する前記第1テンプレート領域および前記第1探索領域の各組において、前記第1テンプレート領域と画像の一致程度が高い、第1探索領域内の第1部分領域を求め、前記各第1テンプレート領域と前記各第1部分領域とに基づいてこれらの対応位置関係である第1位置関係を求め、
前記第1位置関係に基づいて、前記一方の画像には、前記第1テンプレート領域よりも小さい領域の第2テンプレート領域を設定し、前記他方の画像には、前記第2テンプレート領域よりも大きくかつ前記第1探索領域よりも小さい第2探索領域を設定し、互いに対応する前記第2テンプレート領域および前記第2探索領域の各組において、前記第2テンプレート領域と画像の一致程度が高い、第2探索領域内の第2部分領域を求め、前記各第2テンプレート領域と前記各第2部分領域とに基づいてこれらの対応位置関係である第2位置関係を求め、
以下、必要に応じて同様の操作を繰り返して第n位置関係を求めることにより、前記各テンプレート領域と各部分領域との最終的な対応位置関係を求め、
前記最終的な対応位置関係に基づいて前記両画像の位置合わせを行なうことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載の画像の位置合わせ方法。 - 前記第1テンプレート領域および前記第1部分領域についての前記一致程度は正規化相互相関値により求め、前記第2テンプレート領域および前記第2部分領域以後についての前記一致程度は画素値の差の絶対値総和値により求めることを特徴とする請求項5記載の画像の位置合わせ方法。
- 前記2つの画像が、撮影時点が互いに異なる時系列の画像であることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載の画像の位置合わせ方法。
- 前記画像が医療用放射線画像であることを特徴とする請求項1から7のうちいずれか1項に記載の画像の位置合わせ方法。
- 同一被写体についての2つの画像を位置合わせする画像の位置合わせ装置であって、
前記2つの画像の一方に多数のテンプレート領域を、他方に各々が前記テンプレート領域の各々と対応する多数の探索領域を設定し、前記探索領域内に前記テンプレート領域と画像の一致程度の高い部分領域を求め、前記各テンプレート領域および対応する前記各部分領域の各対応位置関係を求め、前記探索領域および前記テンプレート領域を段階的に小さくしつつ、前記テンプレート領域および前記探索領域を前記各対応位置関係に基づいて設定し、順次前記各対応位置関係を求める操作を繰り返して最終的な対応位置関係を求め、該求められた最終的な対応位置関係に基づいて、前記2つの画像のうちの一方の画像に変換処理を施して、両画像の位置合わせを行なう位置合わせ手段を備え、
前記テンプレート領域および前記探索領域の設定に先立って、前記2つの画像間で画像の位置ずれ程度が高い局所領域を設定する位置合わせ領域設定手段をさらに備え、
前記位置合わせ手段が、前記位置合わせ領域設定手段により設定された局所領域についてのみ、前記テンプレート領域および前記探索領域を設定して前記最終的な対応位置関係を求めるものであることを特徴とする画像の位置合わせ装置。 - 同一被写体についての2つの画像を位置合わせする画像の位置合わせ装置であって、
前記2つの画像の一方に多数のテンプレート領域を、他方に各々が前記テンプレート領域の各々と対応する多数の探索領域を設定し、前記探索領域内に前記テンプレート領域と画像の一致程度の高い部分領域を求め、前記各テンプレート領域および対応する前記各部分領域の各対応位置関係を求め、前記探索領域および前記テンプレート領域を段階的に小さくしつつ、前記テンプレート領域および前記探索領域を前記各対応位置関係に基づいて設定し、順次前記各対応位置関係を求める操作を繰り返して最終的な対応位置関係を求め、該求められた最終的な対応位置関係に基づいて、前記2つの画像のうちの一方の画像に変換処理を施して、両画像の位置合わせを行なう位置合わせ手段を備え、
前記テンプレート領域および前記探索領域の設定に先立って、前記2つの画像にそれぞれ対応する多数の局所領域を設定し、該両画像の対応する局所領域間で画像の位置ずれ程度をそれぞれ各別に求め、前記求められた位置ずれ程度に基づいて、該位置ずれ程度が高い局所領域を選定する位置合わせ領域選定手段をさらに備え、
前記位置合わせ手段が、前記位置合わせ領域選定手段により選定された局所領域についてのみ、前記テンプレート領域および前記探索領域を設定して前記最終的な対応位置関係を求めるものであることを特徴とする画像の位置合わせ装置。 - 前記位置合わせ領域選定手段が、前記局所領域間の画像の位置ずれ程度を、前記対応する局所領域間でそれぞれ各画素値差の絶対値の総和値により求め、前記局所領域の選定を、前記画素値差の絶対値の総和値について閾値処理することにより行なうものであることを特徴とする請求項10記載の画像の位置合わせ装置。
- 同一被写体についての2つの画像を位置合わせする画像の位置合わせ装置であって、
前記2つの画像のうち少なくとも一方の画像全体に対して、回転、平行移動および拡大・縮小のうち少なくとも1つからなる変換処理を施すことにより前記2つの画像全体の概略位置合わせを行なう概略位置合わせ手段と、
該概略位置合わせ手段により概略位置合わせされた前記2つの画像の一方に多数のテンプレート領域を、他方に各々が前記テンプレート領域の各々と対応する多数の探索領域を設定し、前記探索領域内に前記テンプレート領域と画像の一致程度の高い部分領域を求め、前記各テンプレート領域および対応する前記各部分領域の各対応位置関係を求め、前記探索領域および前記テンプレート領域を段階的に小さくしつつ、前記テンプレート領域および前記探索領域を前記各対応位置関係に基づいて設定し、順次前記各対応位置関係を求める操作を繰り返して最終的な対応位置関係を求め、該求められた最終的な対応位置関係に基づいて、前記2つの画像のうちの一方の画像に変換処理を施して、両画像の位置合わせを行なう位置合わせ手段とを備え、
前記テンプレート領域および前記探索領域の設定に先立って、前記2つの画像間で画像の位置ずれ程度が高い局所領域を設定する位置合わせ領域設定手段をさらに備え、
前記位置合わせ手段が、前記位置合わせ領域設定手段により設定された局所領域についてのみ、前記テンプレート領域および前記探索領域を設定して前記最終的な対応位置関係を求めるものであることを特徴とする画像の位置合わせ装置。 - 同一被写体についての2つの画像を位置合わせする画像の位置合わせ装置であって、
前記2つの画像のうち少なくとも一方の画像全体に対して、回転、平行移動および拡大・縮小のうち少なくとも1つからなる変換処理を施すことにより前記2つの画像全体の概略位置合わせを行なう概略位置合わせ手段と、
該概略位置合わせ手段により概略位置合わせされた前記2つの画像の一方に多数のテンプレート領域を、他方に各々が前記テンプレート領域の各々と対応する多数の探索領域を設定し、前記探索領域内に前記テンプレート領域と画像の一致程度の高い部分領域を求め、前記各テンプレート領域および対応する前記各部分領域の各対応位置関係を求め、前記探索領域および前記テンプレート領域を段階的に小さくしつつ、前記テンプレート領域および前記探索領域を前記各対応位置関係に基づいて設定し、順次前記各対応位置関係を求める操作を繰り返して最終的な対応位置関係を求め、該求められた最終的な対応位置関係に基づいて、前記2つの画像のうちの一方の画像に変換処理を施して、両画像の位置合わせを行なう位置合わせ手段とを備え、
前記テンプレート領域および前記探索領域の設定に先立って、前記2つの画像にそれぞれ対応する多数の局所領域を設定し、該両画像の対応する局所領域間で画像の位置ずれ程度をそれぞれ各別に求め、前記求められた位置ずれ程度に基づいて、該位置ずれ程度が高い局所領域を選定する位置合わせ領域選定手段をさらに備え、
前記位置合わせ手段が、前記位置合わせ領域選定手段により選定された局所領域についてのみ、前記テンプレート領域および前記探索領域を設定して前記最終的な対応位置関係を求めるものであることを特徴とする画像の位置合わせ装置。 - 前記位置合わせ領域選定手段が、前記局所領域間の画像の位置ずれ程度を、前記対応する局所領域間でそれぞれ各画素値差の絶対値の総和値により求め、前記局所領域の選定を、前記画素値差の絶対値の総和値について閾値処理することにより行なうものであることを特徴とする請求項13記載の画像の位置合わせ装置。
- 前記位置合わせ手段が、前記探索領域を段階的に小さくしつつ、前記テンプレート領域および前記探索領域を設定する際に、さらに、前記テンプレート領域を段階的に小さくするものであることを特徴とする請求項9から14のうちいずれか1項に記載の画像の位置合わせ装置。
- 前記位置合わせ手段が、
前記テンプレート領域および前記探索領域を設定する各段階のうち少なくとも1つの段階において、
全ての前記テンプレート領域および対応する前記部分領域を中心領域としたときの該中心領域についての前記対応位置関係と、前記中心領域の周囲の複数の前記テンプレート領域および対応する前記部分領域を周囲領域としたときの該複数の周囲領域それぞれについての前記対応位置関係とを、前記中心領域についての前記対応位置関係と前記周囲領域についての前記対応位置関係とに応じた拘束力で拘束させ、該拘束力に応じて、前記中心領域についての新たな相対的対応位置関係を求めるバネ拘束手段をさらに備え、
該バネ拘束手段により求められた前記各中心領域についての新たな相対的対応位置関係を、前記段階における前記各対応位置関係とするものであることを特徴とする請求項9から15のうちいずれか1項に記載の画像の位置合わせ装置。 - 前記位置合わせ手段が、
前記部分領域を求める対象の局所領域の対のうち、一方の画像には第1テンプレート領域を設定し、他方の画像には、前記第1テンプレート領域よりも大きい領域の第1探索領域を設定し、互いに対応する前記第1テンプレート領域および前記第1探索領域の各組において、前記第1テンプレート領域と画像の一致程度が高い、第1探索領域内の第1部分領域を求め、前記各第1テンプレート領域と前記各第1部分領域とに基づいてこれらの対応位置関係である第1位置関係を求め、前記第1位置関係に基づいて、前記一方の画像には、前記第1テンプレート領域よりも小さい領域の第2テンプレート領域を設定し、前記他方の画像には、前記第2テンプレート領域よりも大きくかつ前記第1探索領域よりも小さい第2探索領域を設定し、互いに対応する前記第2テンプレート領域および前記第2探索領域の各組において、前記第2テンプレート領域と画像の一致程度が高い、第2探索領域内の第2部分領域を求め、前記各第2テンプレート領域と前記各第2部分領域とに基づいてこれらの対応位置関係である第2位置関係を求め、以下、必要に応じて同様の操作を繰り返して第n位置関係を求めて、前記各テンプレート領域と各部分領域との最終的な対応位置関係を求めることにより、前記両画像の位置合わせを行なうものであることを特徴とする請求項9から16のうちいずれか1項に記載の画像の位置合わせ装置。 - 前記位置合わせ手段が、前記第1テンプレート領域および前記第1部分領域についての前記一致程度は正規化相互相関値により求め、前記第2テンプレート領域および前記第2部分領域以後についての前記一致程度は画素値の差の絶対値総和値により求めるものであることを特徴とする請求項17記載の画像の位置合わせ装置。
- 前記2つの画像が、撮影時点が互いに異なる時系列の画像であることを特徴とする請求項9から18のうちいずれか1項に記載の画像の位置合わせ装置。
- 前記画像が医療用放射線画像であることを特徴とする請求項9から19のうちいずれか1項に記載の画像の位置合わせ装置。
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