JP2002109538A - 画像の位置合わせ方法および装置 - Google Patents

画像の位置合わせ方法および装置

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JP2002109538A
JP2002109538A JP2000303743A JP2000303743A JP2002109538A JP 2002109538 A JP2002109538 A JP 2002109538A JP 2000303743 A JP2000303743 A JP 2000303743A JP 2000303743 A JP2000303743 A JP 2000303743A JP 2002109538 A JP2002109538 A JP 2002109538A
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JP2000303743A
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Satoru Osawa
哲 大沢
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2つの画像の位置合わせを行う際に、2つの
画像に設定された関心領域の対応位置関係を適切に求め
る。 【解決手段】 テンプレート設定手段21において、2
つの画像P1,P2に探索領域およびテンプレート領域
を設定する。テンプレート選択手段22において、直線
的なエッジが含まれる探索領域およびテンプレート領域
を選択し、さらに選択された探索領域およびテンプレー
ト領域を重み付け手段23において重み付ける。そし
て、位置合わせ手段24において、重み付けられた探索
領域およびテンプレート領域並びにそれ以外の探索領域
およびテンプレート領域を用いて、テンプレート領域と
探索領域内のテンプレート領域に対応する領域とを一致
させるためのシフト量を求め、このシフト量に基づい
て、2つの画像P1,P2の位置合わせを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像の位置合わせ方
法および装置に関し、詳細には、同一被写体について得
られた2つの画像の位置合わせの改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、同一被写体についての2以上
の画像を比較読影して、両画像間の差異を調べ、その差
異に基づいて被写体の検査等を行うことが、種々の分野
において行われている。
【0003】例えば工業製品の製造分野においては、あ
る製品について新品の状態のときに撮影された画像と、
当該製品の耐久試験後に撮影された画像とを比較読影し
て、両者の差異の大きな部位に注目することにより、製
品の耐久性を向上させるべき部位を検討することが行わ
れており、また医療分野においては、ある患者の疾患部
位について時系列的に撮影された複数枚の放射線画像を
医師が比較読影することにより、当該疾患の進行状況や
治癒状況を把握して治療方針を検討することが行われて
いる。
【0004】このように2以上の画像を比較読影するこ
とが日常的に各種の分野で行われているが、その比較読
影のために、これら2以上の画像を画像表示装置に表示
させ、あるいはフイルムやその他の記録媒体に出力させ
る場合がある。すなわち画像を濃度信号や輝度信号に変
換したうえで、画像表示装置等に表示し、またはプリン
タ等によりフイルム等の媒体に出力するのである。
【0005】ところで比較読影の対象となる2以上の画
像を出力する場合、それらの画像を単に並べて出力する
のが一般的であるが、読影者にとって最も関心があるの
はこれらの画像間の差異である。しかし、上述したよう
に例えば2つの画像を単に並べてこの差異を発見するの
は、その差異が小さい程困難であり、比較読影の性能向
上が求められている。
【0006】そこで一般的には、比較読影の対象とされ
る2つの画像間で構造位置(解剖学的特徴位置)を対応
させた減算(サブトラクション)処理をはじめとした画
像間演算を行って、上記差異を抽出・強調することが行
われる(特願平11−342900号等)。このように画像間の
差異のみが抽出・強調されることにより、読影者に対し
て画像間の差異を確実に認識させることができるため、
進行または治癒する病変部の見落としを防止することが
できると考えられる。
【0007】またこの画像間演算の際に、各画像中に現
れた構造物の位置(構造位置)を2つの画像間で対応さ
せる位置合わせを行う必要がある。例えばこの位置合わ
せとして、2つの画像間で平行移動、回転または拡大・
縮小という全体的な位置合わせ(例えばアフィン変換等
を用いた位置合わせ)と、この全体的な位置合わせがな
された2つの画像のうち一方の画像に多数の小領域であ
る関心領域(テンプレート領域)を設定するとともに、
他方の画像に、各テンプレート領域にそれぞれ対応す
る、各テンプレート領域よりも大きい領域の探索領域を
設定し、テンプレート領域と対応する探索領域との各組
において、テンプレート領域と画像が略一致する、探索
領域内の部分領域(対応テンプレート領域)を求め、一
方の画像における各テンプレート領域と、他方の画像に
おける各対応テンプレート領域との対応位置関係に基づ
いて、一方の画像における各テンプレート領域を他方の
画像における各対応テンプレート領域に一致させるため
のシフト量を求め、全体的な位置合わせと、全体的な位
置合わせがなされた2つの画像をカーブフィッティング
(2次元n次多項式,n≧2)による非線形歪変換(ワ
ーピング)を用いた局所的な位置合わせとを2段階的に
行う技術(特開平7-37074号)等が知られている。
【0008】この2段階に位置合わせ技術(特開平7-37
074号)によれば、2つの画像を比較的良好に位置合わ
せすることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記位置合
わせを行う画像を撮影する際に、被写体である患者が前
屈、後屈する等して3次元的に移動すると、画像に含ま
れる構造物が複雑な動きをする場合がある。例えば、胸
部の放射線画像の場合、構造物として肋骨と血管や気管
支等の軟部が含まれるが、被写体の移動により肋骨と軟
部とが全く異なる方向に移動する場合がある。このよう
に、画像中に含まれる構造物が全く異なる方向に移動す
ると、上記位置合わせを行う際に、テンプレート領域の
シフト量を適切に求めることができなくなる。すなわ
ち、テンプレート領域が互いに隣接する肋骨部分と軟部
部分とにそれぞれ設定されている場合、肋骨と軟部とが
それぞれ異なる方向に移動すると、各テンプレート領域
を2つの画像間で一致させるためには各テンプレート領
域をそれぞれ異なる方向に移動させる必要がある。しか
しながら、位置合わせの際にテンプレート領域が異なる
方向を向くと、2つの画像を良好に位置合わせすること
ができず、その結果、画像間演算により得られる画像
に、位置合わせ不良によるアーチファクトが含まれると
いう問題が生じる。
【0010】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、2つの画像に設定されたテンプレート領域の対応位
置関係を適切に求めて、これら2つの画像の位置合わせ
を正確に行うことができる画像の位置合わせ方法および
装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の画像
の位置合わせ方法は、比較対象となる同一被写体につい
ての2つの画像間で位置合わせを行う画像の位置合わせ
方法において、前記画像にそれぞれ複数組の相対応する
関心領域を設定し、前記各画像の関心領域から直線的な
エッジが含まれる関心領域を選択し、該選択された関心
領域を重み付け、前記重み付けられた関心領域を含む前
記各組の関心領域間でローカルマッチングを行うことに
より各関心領域間の対応位置関係を求めることを特徴と
するものである。
【0012】なお、本発明による第1の画像の位置合わ
せ方法においては、前記選択された関心領域に含まれる
エッジを強調することにより、前記選択された関心領域
を重み付けることが好ましい。
【0013】本発明による第2の画像の位置合わせ方法
は、比較対象となる同一被写体についての2つの画像間
で位置合わせを行う画像の位置合わせ方法において、前
記画像にそれぞれ複数の相対応する小領域を設定し、前
記各画像の小領域のうち直線的なエッジが含まれる小領
域を選択し、該選択された小領域を基準として、前記画
像にそれぞれ複数組の相対応する関心領域を設定し、前
記各組の関心領域間でローカルマッチングを行うことに
より各関心領域間の対応位置関係を求めることを特徴と
するものである。
【0014】なお、本発明による第2の画像の位置合わ
せ方法においては、前記ローカルマッチングの前に、前
記関心領域に含まれるエッジを強調することが好まし
い。
【0015】ここで上記画像として、医療用放射線画像
を適用することができ、また撮影時点が互いに異なる時
系列の画像であることが好ましい。これらの画像は比較
的位置ずれが生じ易い一方、その位置ずれ状態を補正す
る位置合わせの要求が大きいからである。なお被写体と
しては、人体等の他、動植物、工業製品、地形、天体、
風景等あらゆるものを適用することができる。以下の発
明においても同様である。
【0016】また、上記関心領域または小領域の設定に
先立って、2つの画像のうち少なくとも一方の画像に対
して、回転、平行移動、および拡大・縮小のうち少なく
とも1つを施して、両画像の全体的な位置合わせを予め
行うようにするのが、位置合わせ精度を高めるうえで好
ましい。なお、全体的な位置合わせは、アフィン変換の
ように、画像の各領域における移動量、回転角度、拡大
・縮小の倍率が等しくなるような線形変換を利用した位
置合わせを意味するものであり、2つの画像を大局的に
位置合わせするものをいう。
【0017】一方、ローカルマッチングすなわち局所的
な位置合わせは、2つの画像を構成する多数の関心領域
(局所領域)間で各別に位置合わせを行い、各関心領域
ごとの対応位置関係に基づいて、カーブフィッティング
(例えば2次元n次多項式)による非線形歪変換(ワー
ピング)を利用した位置合わせ(特開平7-37074号)等
をいう。
【0018】この際、例えば一方の画像に設定された関
心領域の画像を他方の画像に設定された関心領域内で動
かしながら、各移動位置ごとに画素間の相互相関値を算
出し、その相互相関値が最も大きな値を示す位置を対応
する関心領域の位置として求める等、計算機によって、
移動位置ごとに逐次算出される指標値(相互相関値等)
を比較させることで実現することができる。
【0019】上述した本発明の各位置合わせ方法により
位置合わせされた画像は、その後の画像間演算(例えば
サブトラクション演算)により演算処理されるのに適し
たものとされている。すなわち、本発明の位置合わせ方
法により位置合わせされた画像は、従来よりもさらに高
精度に位置合わせがなされているため、画像間演算によ
って得られた画像間演算画像において位置ずれに起因す
るアーティファクトはほとんど生じることがなく、非常
に観察読影性能の高い画像とされている。したがって、
位置合わせの後に行われる、例えば画像間演算の処理の
開始時点を早くすることができ、とくに大量の画像の位
置合わせを行うのに適している。
【0020】なお、上述した画像間演算としては、とく
に、2つの画像をそれぞれ表す画像情報間の画素を対応
させた減算処理を適用するのが好ましく、この場合、単
純な減算であってもよいし、重み付けを行ったうえでの
減算であってもよい。減算処理によって得られた画像間
演算画像は一般にサブトラクション画像と称され、この
サブトラクション画像としては、時系列的に略同時に撮
影して得られたエネルギー分布の互いに異なる2つの原
画像(=オリジナルの画像;高圧画像(通常の放射線画
像)、低圧画像(高圧抑制画像))に基づいて(単純減
算または荷重減算)得られるエネルギサブトラクション
画像、時系列的に異なる時期に撮影して得られた2つの
原画像に基づいて得られる経時サブトラクション画像、
造影剤の注入前後にそれぞれ撮影して得られる血管の2
つの原画像に基づいて得られるDSA(デジタルサブト
ラクション・アンギオグラフィ)画像等が含まれる。
【0021】本発明による第1の画像の位置合わせ装置
は、比較対象となる同一被写体についての2つの画像間
で位置合わせを行う画像の位置合わせ装置において、前
記画像にそれぞれ複数組の相対応する関心領域を設定す
る関心領域設定手段と、前記各画像の関心領域から直線
的なエッジが含まれる関心領域を選択する関心領域選択
手段と、該選択された関心領域を重み付ける重み付け手
段と、前記重み付けられた関心領域を含む前記各組の関
心領域間でローカルマッチングを行うことにより各関心
領域間の対応位置関係を求める位置合わせ手段とを備え
たことを特徴とするものである。
【0022】なお、本発明による第1の画像の位置合わ
せ装置においては、前記重み付け手段は、前記選択され
た関心領域に含まれるエッジを強調することにより、前
記選択された関心領域を重み付ける手段であることが好
ましい。
【0023】本発明による第2の画像の位置合わせ装置
は、比較対象となる同一被写体についての2つの画像間
で位置合わせを行う画像の位置合わせ装置において、前
記画像にそれぞれ複数の相対応する小領域を設定する小
領域設定手段と、前記各画像の小領域のうち直線的なエ
ッジが含まれる小領域を選択する小領域選択手段と、該
選択された小領域を基準として、前記画像にそれぞれ複
数組の相対応する関心領域を設定する関心領域設定手段
と、前記各組の関心領域間でローカルマッチングを行う
ことにより各関心領域間の対応位置関係を求める位置合
わせ手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0024】なお、本発明による第2の画像の位置合わ
せ装置は、前記ローカルマッチングの前に、前記関心領
域に含まれるエッジを強調する重み付け手段をさらに備
えることが好ましい。
【0025】また、本発明による第1および第2の画像
の位置合わせ装置においては、前記関心領域または前記
小領域の設定に先立って、前記2つの画像のうち少なく
とも一方の画像に対して、回転、平行移動、および拡大
・縮小のうち少なくとも1つの処理を施して、前記両画
像の全体的な位置合わせを予め行うことが好ましい。
【0026】さらに、前記画像が、撮影時点が互いに異
なる時系列の画像であることが好ましく、前記画像が、
医療用放射線画像であることが好ましい。
【0027】
【発明の効果】本発明の第1の画像の位置合わせ方法お
よび装置によれば、直線的なエッジが含まれる関心領域
を選択し、この関心領域を重み付けてローカルマッチン
グを行うようにしたため、各関心領域間の直線的なエッ
ジを基準として対応位置関係が求められることとなる。
したがって、画像中に含まれる直線的なエッジを有する
構造物が他の構造物と全く異なる方向に移動していて
も、直線的なエッジを有する構造物を基準として、一方
の画像の関心領域を他方の画像の関心領域に一致させる
ためのシフト量を一義的に求めることができ、これによ
り、2つの画像の位置合わせを良好に行うことができ
る。
【0028】また、選択された関心領域に含まれるエッ
ジを強調することにより、比較的簡易に関心領域を重み
付けることができ、これにより、関心領域間の対応位置
関係をより簡易に求めることができる。
【0029】本発明の第2の画像の位置合わせ方法およ
び装置によれば、直線的なエッジが含まれる小領域を選
択し、その選択された小領域を基準として関心領域が設
定され、設定された関心領域間でローカルマッチングを
行って、各関心領域間の対応位置関係を求めるようにし
たものである。このため、画像中に含まれる直線的なエ
ッジを有する構造物が他の構造物と全く異なる方向に移
動していても、直線的なエッジを有する構造物を基準と
して、一方の画像の関心領域を他方の画像の関心領域に
一致させるためのシフト量を一義的に求めることがで
き、これにより、2つの画像の位置合わせを良好に行う
ことができる。
【0030】また、設定された関心領域に含まれるエッ
ジを強調することにより、比較的簡易に関心領域を重み
付けることができ、これにより、関心領域間の対応位置
関係をより簡易に求めることができる。
【0031】さらに、本発明の第1および第2の画像の
位置合わせ方法において、関心領域の設定または小領域
の設定に先立って、2つの画像のうち少なくとも一方の
画像に対して、回転、平行移動、および拡大・縮小のう
ち少なくとも1つを施して、両画像の全体的な位置合わ
せを予め行うことにより、段階的に2つの画像の位置合
わせを行うことができるため、2つの画像の位置合わせ
を良好に行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の画像の位置合わせ
方法および装置の具体的な実施の形態について、図面を
用いて説明する。
【0033】図1は本発明の第1の実施形態による画像
位置合わせ装置の構成を示すブロック図である。図示の
位置合わせ装置10は、比較対象となる、同一患者につ
いて時系列的に異なる時期に撮影して得られた2つの胸
部放射線画像P1,P2(図2(a)、(b)参照)の
うち、時期的に古い方の画像(以下、第1の画像とい
う)P1に対して、アフィン変換(回転、移動および拡
大・縮小のうち少なくとも1つ)を施し、2つの画像P
1,P2の全体的な位置合わせを行う全体位置合わせ手
段1と、全体的な位置合わせを行った後に、第1の画像
P1と新しい方の画像(以下、第2の画像という)P2
との位置合わせを行う局所位置合わせ手段2とを備え
る。なお、図2においては、胸部放射線画像に本来含ま
れる肺野の陰影については省略している。
【0034】全体位置合わせ手段1は、入力された2つ
の画像P1,P2のうち、それらの画像にそれぞれヘッ
ダ情報として付加された撮影時期の情報に基づいて、時
期的に古い方の画像である第1の画像P1に対して、ア
フィン変換(回転、移動および拡大・縮小のうち少なく
とも1つ)を施して(図3参照)、変換後の第1の画像
P1′と新しい方の画像画像である第2の画像P2との
全体的な位置合わせを行う。これにより両画像P1′お
よびP2は大局的な位置合わせがなされる。但し、画像
の細部については位置ずれが残った状態となっている。
【0035】局所位置合わせ手段2は、第2の画像P2
に多数の小領域であるテンプレート領域T2を設定する
とともに、アフィン変換が施された第1の画像P1′
(第1の画像P1に対してアフィン変換が施された画
像)に、各テンプレート領域T2にそれぞれ対応する、
各テンプレート領域T2よりも大きい領域の探索領域R
1を設定するテンプレート設定手段(関心領域設定手
段)21と、設定されたテンプレート領域T2および探
索領域R1から直線的なエッジが含まれるテンプレート
領域T2′および探索領域R1′を選択するテンプレー
ト選択手段(関心領域選択手段)22と、選択されたテ
ンプレート領域T2′および探索領域R1′を重み付け
る重み付け手段23と、重み付けられた探索領域R1″
および他の探索領域R1において、対応するテンプレー
ト領域T2″およびテンプレート領域T2が略一致する
対応テンプレート領域T1を求め、各テンプレート領域
T2″および各テンプレート領域T2と各対応テンプレ
ート領域T1との対応位置関係に基づいて、全体的な位
置合わせがなされた2つの画像P1′,P2を局所的に
位置合わせする位置合わせ手段24とを備える。
【0036】テンプレート設定手段21は、入力された
2つの画像P1′,P2のうち、第2の画像P2に多数
の小領域であるテンプレート領域T2を設定するととも
に、他方の画像P1′に、各テンプレート領域T2にそ
れぞれ対応する、各テンプレート領域T2よりも大きい
領域の探索領域R1を設定する(図4参照)。この際、
画像P1′,P2に探索領域R1およびテンプレート領
域T2を設定するための基準点(x,y)が設定され、
この基準点(x,y)を基準として、探索領域R1およ
びテンプレート領域T2が設定される。
【0037】テンプレート選択手段22は、テンプレー
ト設定手段21において設定されたテンプレート領域T
2および探索領域R1から、第1および第2の画像P
1′,P2中に含まれる胸郭内部領域に設定されたテン
プレート領域T2および探索領域R1を抽出し、抽出さ
れたテンプレート領域T2および探索領域R1から直線
的なエッジが含まれるテンプレート領域T2′および探
索領域R1′を選択するものである。以下、その作用に
ついて具体的に説明する。
【0038】まず、胸郭内部領域に設定されたテンプレ
ート領域T2および探索領域R1の抽出のために、胸郭
内部領域の輪郭を検出する。なお、第1および第2の画
像P1′,P2からの胸郭内部領域の輪郭の検出は同一
の処理であるため、ここでは第1の画像P1′からの胸
郭内部領域の輪郭検出について説明し、第2の画像P2
からの胸郭内部領域の輪郭検出については説明を省略す
る。
【0039】胸郭内部領域の輪郭検出は、図5に示す画
像P1′中の、上部が略円弧状の胸郭(左右両肺野を囲
む領域)paの輪郭PAを検出する処理である。なお、
図5においては、肺野の陰影も含めたものとしている。
まず画像P1′に対してその概略輪郭検出処理を施すと
ともに、他方で平滑化処理を施して、概略輪郭画像P1
2および平滑化画像P13をそれぞれ求め、これら概略
輪郭画像P12および平滑化画像P13を対応する画素
ごとに乗じ合わせることにより胸郭pa内部を平滑化す
る処理を実行して胸郭内部平滑化画像P14を求め、次
いでこの胸郭内部平滑化画像P14における胸郭paの
輪郭PAのうち略円弧状の輪郭部分PA1の略中心とな
る基準中心点(xc,yc)を決定し、画像P1′を基
準中心点(xc,yc)に関して極座標変換し、極座標
変換して得られた極座標画像P15において、基準とな
る輪郭PBによる固定テンプレートT0を用いて第1の
テンプレートマッチング処理により、固定的に胸郭pa
の輪郭PAを検出し、さらに所定の弾性テンプレートT
0′およびT0″を用いた第2のテンプレートマッチン
グ処理により、個体差に追従して輪郭PAを精度高く検
出し、最終的に検出された輪郭PAを補間処理すること
により、閉領域である胸郭paの輪郭PAを検出するも
のである。
【0040】以下、各処理について詳しく説明する。
【0041】まず、画像P1′に対してその概略輪郭検
出処理は、画像P1′に対して、図6(1)〜(6)の
各(a)に示すような、異なる6方向(図6各(b)の
0°,30°,60°,90°,120°,150°の
6方向)の延在方向別輪郭検出マスクを用いて、各輪郭
検出マスクに対応した方向に延在する輪郭が強調された
6つの画像(第1〜6の概略輪郭画像P1a〜P1f)
を作成し、これら6つの画像P1a〜P1fの画素を対
応させて画素値が最大(最低濃度)となる画素を選択し
て単一の概略輪郭画像P12を合成する処理である。
【0042】すなわち、図6(1)〜(6)の各(b)
に示すような特定角度方向に延びる直線を検出する、図
6各(a)に示す輪郭検出マスクは、各方向別の直線に
反応し易いように、マスクの正(+符号)の部分が直線
方向に適合するように、細長楕円形状をなしており、さ
らに、負の部分が正の部分の両側に分布するように選択
されている。このマスクに十分な方位選択性を持たせる
にはこのような負の部分が不可欠である。そしてこの細
長楕円の長手方向が6つの特定方向である輪郭検出マス
クを用いて、画像P1′をコンボリューションするもの
である。ここで、このマスクは、大脳視覚野の単純型細
胞に相当するものであり、ガボール関数により作成され
るものである。このガボール関数は以下の式で表され
る。
【0043】
【数1】 ここで、式(1)における実数部分である
【数2】 を用いて特定方向の輪郭検出マスクを作成するものであ
る。さらに、この式(2)におけるk,kの初期値
により、細長楕円の長手方向が0°,30°,60°,
90°,120°,150°の各マスクを作成すること
ができるのである。
【0044】なお、特定の方向の輪郭検出マスクの受容
野サイズは、画像P1′のうち、必要とされる輪郭成分
以外の細い輪郭成分には反応しにくいように定められて
いる。すなわち、マスクは画像P1′のうち、胸郭pa
の輪郭PAや肋骨等と考えられる構造物には反応し易い
のである。このようにマスクの受容野サイズを定めるこ
とにより、背景の存在にかかわらず良好に上述した輪郭
PA等を検出できるのである。このような特定方向の輪
郭検出マスクで画像P1′をコンボリューションするこ
とにより、画像P1′から各マスクに適合した特定方向
の輪郭成分が抽出される。
【0045】ここで、特定方向の輪郭検出マスクによ
る、画像P1′各輪郭成分のコンボリューションおよび
非線形処理は以下の式(3)により行われている。
【0046】
【数3】 以上の処理により、図7(a)に示すように、概略輪郭
画像P12が得られる。
【0047】画像P1′に対して施す平滑化処理は、例
えばガウス関数で作成したマスクによる一般的な平滑化
処理であり、この平滑化処理により、図7(b)に示す
ような、肋骨や鎖骨が目立たない平滑化画像P13が得
られる。なお、ガウスの係数やサイズは、上述したよう
に、肋骨や鎖骨が目立たなくなる程度に設定する。
【0048】このようにして得られた2つの概略輪郭画
像P12および平滑化画像P13を、対応する画素ごと
に乗じ合わせると、平滑化画像P13は胸郭paの内部
領域が胸郭paの外部胸郭paよりも高濃度であるた
め、この乗じ合わせて得られた胸郭内部平滑化画像P1
4は、図8(a)に示すように、胸郭pa内部が胸郭p
aの外部よりも相対的に低画素値(高濃度)となり、胸
郭pa内部の肋骨が胸郭paの輪郭PAよりも相対的に
平滑化されたものとなる。なお、以下、画像の表示を簡
単にするため、図8(b)に示した簡略画像P14を用
いて説明する。
【0049】次に基準中心点(xc,yc)を決定する
処理は、図8(b)に示す胸郭内部平滑化画像P14を
極座標変換する際の極(中心点)を決定する処理であ
り、この極として、胸郭輪郭PAのうち略円弧状の輪郭
部分PA1から略等距離にある点を採用する。具体的に
は、まず胸郭内部平滑化画像P14の物理的な中心点
(x0,y0)を仮の基準中心点(xc,yc)とす
る。すなわち、xc=x0,yc=y0である。
【0050】ここでy座標を固定して、x座標をxcか
らj画素ずつ左右方向に移動させつつ、各移動位置にお
いて、当該移動位置(xc+j,yc)を中心とする胸
郭内部平滑化画像P14の左右のプロファイル((xc
+j+i,yc)の画素値と(xc+j−i,yc)の
画素値)の相関が最大となる移動位置jを求める。すな
わち、相関値をcor(j)は、
【数4】 であり、相関値が最大となるときの移動位置jをjmax
とすれば、(xc+jmax,yc)を中心としたとき、
胸郭内部平滑化画像P14の左右のプロファイルは最も
相関が高いため、x=xc+jmaxが画像P1の左右対
称軸になることがわかる。したがって、正規の基準中心
点は(xc+jmax,yc)となる。なお基準中心点の
y座標の適格性については後述する処理において検討す
る。
【0051】次に胸郭内部平滑化画像P14を、図9に
示すように、基準中心点(xc+jmax,yc)に関し
て極座標変換する。すなわち実画像平面において図8
(b)のように表された胸郭内部平滑化画像P14を、
基準中心点(xc+jmax,yc)からの距離rと、基
準中心点(xc+jmax,yc)を通る下向きベクトル
とのなす角度θとで表した極座標変換画像P15に変換
する。
【0052】次に、この極座標変換画像P15を、基準
となる胸郭の輪郭PBを表す固定テンプレートT0を用
いた第1のテンプレートマッチング処理により、固定的
に胸郭paの輪郭PAを検出する。ここで基準となる胸
郭の輪郭PBは、臨床的に得られている多数の当該胸郭
の輪郭の平均的なものであり、実画像平面上において
は、胸郭paの輪郭PAと略相似形であるが、極座標平
面上では、例えば図10に示すように、胸郭paの輪郭
PAと略同一形状であるが、r方向に平行移動したもの
として表される。そして、基準となる胸郭の輪郭PBを
表す固定テンプレートT0は、輪郭PBを極座標平面に
おいて10°間隔の複数の画素(胸郭座標(ri,θ
i)の集合として、図11に示すように作成される。な
お、テンプレートT0は本来の胸郭(左右の肺野を一体
的にしたときの領域)の輪郭範囲のみで構成するため、
図10に示した極座標平面における、下部輪郭部分(実
画像平面において左右肺野を区切る輪郭部分)を除いた
ものとして構成されている。
【0053】そして、この基準となる胸郭の輪郭PBに
よるテンプレートT0を、極座標画像P15上で上下左
右に移動させて、テンプレートT0を構成する各画素の
値の総和値d(r,θ)(下記式(5))が最大となる
テンプレートT0の位置を求める。
【0054】
【数5】 なお、テンプレートT0の移動範囲は、r方向について
±30画素程度、θ方向について±10°程度であるが
これに限定されるものではない。また、上述した画素値
総和値の計算に際しては、テンプレートT0を構成する
画素ごとに、検出濃度値に重み付けをして算出してもよ
い。これは本実施形態の対象画像のように、実画像平面
における肺野下端部分(図10の極座標平面において、
θが略0°〜略30°の範囲および略330°〜略36
0°の範囲)の形状は大きな個人差があるため、テンプ
レートT0中の肺野下端部分に相当する画素の値の重み
を小さくする等、肺野上部での一致度を優先したマッチ
ングを行うことを可能にするためである。さらに、テン
プレートT0を構成する各画素に隣接する数画素の範囲
Aでの最大画素値をmax{g(ri+r,θi+θ)}
として適用して、下記式(6)による画素値総和値d
(r,θ)が最大となるテンプレートT0の位置を求め
るのが、より好ましい。極座標画像P15における輪郭
PAがテンプレートT0の形状と多少異なっていても、
正確に輪郭PAを検出することができるからである。
【0055】
【数6】 なお、式(6)で表される画素値総和値d(r,θ)の
最大値dmaxについて、基準中心点(xc+jmax,y
c)のy座標をk画素ずつ移動させて新たな基準中心点
(xc+jmax,yc±k)をそれぞれ設定し、この新
たな基準中心点(xc+jmax,yc±k)をそれぞれ
中心とする極座標変換により、胸郭内部平滑化画像P1
4をそれぞれ極座標変換して、新たな極座標変換画像P
15′を得、得られた新たな極座標変換画像P15′に
ついての上記画素値総和値の最大値dmaxが、最も大き
くなるときのy座標をnycとし、最終的に、基準中心
点を(nxc(=xc+jmax),nyc)として確定
する。これにより最初に求めた基準中心点のy座標の適
格性が判定されたことになる。そして、基準中心点(n
xc,nyc)を中心として胸郭内部平滑化画像P14
を極座標変換して得られた極座標変換画像P15′を極
座標表示すれば、(nri(=ri+rmax),nθi
(=θi+θmax))となる。但し、rmaxおよびθmax
は、上記画素値総和値の最大値dmaxが最も大きくなる
ときのテンプレートマッチングにより得られたr方向お
よびθ方向への各移動量を示す。
【0056】次に、固定テンプレートT0により求めら
れた胸郭paの輪郭を初期値として、詳細な輪郭の探索
を行うために、所定の弾性テンプレートT0′を用いた
第2のテンプレートマッチング処理を行う。この弾性テ
ンプレートT0′は、固定テンプレートT0のようにそ
の構成画素の全てが一体的に移動するものではなく、個
々の画素が隣接する画素との間で、各画素の移動量rに
応じた拘束力で拘束されつつ独立してr方向に移動可能
に設定された、仮想的なバネ拘束を受けるテンプレート
であり、テンプレート全体があたかも弾性変形するよう
に構成されている。
【0057】ここで弾性テンプレートT0′は極座標平
面においては、肺野下端部分(図10の極座標平面にお
いて、θが略0°〜略30°の範囲および略330°〜
略360°の範囲)を除いた範囲で設定される(図1
2)。これは、肺野下端部分の輪郭については実画像平
面で探索を行う方が、探索が容易だからである。
【0058】固定テンプレートT0により得られた胸郭
paの輪郭をその初期値(弾性変形のない状態)とし
て、弾性テンプレートT0′を胸郭paの極画像平面上
に配置し(図13(a))、この弾性テンプレートT
0′を構成する画素をそれぞれ独立して、r方向(図1
2において上下方向)に移動させる。このとき弾性テン
プレートT′の各画素の移動量は以下のようにして求め
られる。まず、各画素の周辺範囲(初期位置±r)にお
いて、各画素値g(nri±r,nθi)と初期位置で
の画素値g(nri,nθi)との差分を求める。この
ときrが大きい位置における画素値からrが小さい位置
における画素値を差し引く。そして、この差分の総和を
下記式(7)により求める。
【0059】
【数7】 この画素値差分総和は、初期位置よりもrが大きい方向
に明るい(高画素値(低濃度))画素があれば正の値を
採り、初期位置よりもrが小さい方向に明るい(高画素
値(低濃度))画素があれば負の値を採ることを示して
いる。また、差分をrで除することにより、初期値に近
い画素の差分に重み付けを行うようにしている。すなわ
ち輪郭PAは周辺よりも明るいため、輪郭PAが初期位
置よりもrが大きい方向にあれば画素値総和は正の値を
採り、初期位置よりもrが小さい方向にあれば画素値総
和は負の値を採ることになり、この正または負の符号
が、初期位置から移動させる向きの指針を与え、その絶
対値により移動量の指針が与えられる。
【0060】そこで、テンプレートT0′を構成する各
画素の移動量(向きを含む)rを、所定の係数bを用い
て下記式(8)のように定義する。
【0061】
【数8】 このようにして得られた各画素nの移動量rnは、図1
3(b)に示すように各画素を独立して移動させる移動
量であるが、上述したように、この弾性テンプレートT
0′は、構成する各画素が、周囲のテンプレートT0′
の画素と拘束されているため、上述した移動量rでその
まま移動するのではなく、隣接する画素(例えば、両隣
りの画素(画素(n−1)および画素(n+1))や、
さらにその隣の画素まで含めた画素(画素(n−2)、
画素(n−1)、画素(n+1)および画素(n+
2))等)の各移動量rk(k=n,n±1,…)に応じ
て、下記式(9)により決定される。
【0062】
【数9】 ここで、バネ定数akは、注目画素n自身については大
きく、周辺領域の画素n±1,…については順次小さく
設定するのが好ましい。つまり、式(9)において、
【数10】 であるから、注目画素nの移動量rnは、自身の移動量
rnと隣接画素の移動量rkとの差に応じた移動量とい
うことになり、仮想的な弾性力で拘束されていることに
なる。
【0063】以上のようにして、弾性テンプレートT′
の各画素を少しずつ移動させる動作を繰り返すことによ
り、胸郭paの輪郭PAのうち肺野下端部分を除いた輪
郭部分を、正確に検出することができる。なお、繰り返
しの終了は、移動量の総和値が所定のしきい値以下とな
るか、または所定化の繰り返し回数に到達したかにより
判定する。
【0064】一方、肺野下端部分(図10の極座標平面
において、θが略0°〜略30°の範囲および略330
°〜略360°の範囲)については、図14に示すよう
に、実画像平面において、上記弾性テンプレートT0′
と同様の、基準となる弾性テンプレートT0″を用い
て、胸郭内部平滑化画像P14を対象画像とした第2の
テンプレートマッチング処理を行って、胸郭paの輪郭
PAのうち肺野下端部分に相当する輪郭部分を検出すれ
ばよい。なお、肺野下端部分の輪郭形状は前述したよう
に個人差が激しいだけでなく、信号値差の変動も激しい
ため、胸郭内部平滑化画像P14を対象画像とするのに
代えて、図14に示すように平滑化画像P13を対象画
像として、上記第2のテンプレートマッチング処理を施
すのが好ましい。信号値差の変動程度を緩和することが
でき、弾性テンプレートT0″による追従が比較的容易
になるからである。なお、この場合の移動量は、下記の
式(10)、(11)に示すように、図14の上下方向
(y方向)において隣接する画素値の変化が最大となる
画素に移動するように設定される。具体的には、高濃度
の肺野から低濃度の肺野の下の部分へ変化するエッジに
向かって移動するように設定される。
【0065】
【数11】 以上の処理により、各弾性テンプレートT0′およびT
0″をそれぞれ構成する画素により、胸郭paの輪郭P
Aが精度よく検出されるが、最終的に、各弾性テンプレ
ートT0′およびT0″をそれぞれ構成する各画素を、
実画像P1′上に戻し、隣接する画素間を補間処理(線
形補間またはスプライン補間等)して、図15に示すよ
うに閉曲線で接続することにより、胸郭paの輪郭PA
を閉曲線の輪郭線として抽出することができる。
【0066】そして、得られた閉曲線で囲まれた領域内
部を胸郭pa内部領域とし、外部領域を胸郭外領域とす
ればよい。
【0067】次いで、胸郭内部領域内に設定されたテン
プレート領域T2および探索領域R1から直線的なエッ
ジが含まれるテンプレート領域T2′および探索領域R
1′が選択される。なお、テンプレート領域T2′およ
び探索領域R1′の選択は同一の処理であるため、ここ
ではテンプレート領域T2′の選択について説明し、探
索領域R1′の選択については説明を省略する。
【0068】まず、胸郭内部領域の各テンプレート領域
T2について、画素値の分散値σを算出する。ここで、
テンプレート領域T2内にエッジが含まれる場合は分散
値σは比較的大きな値となる。一方、テンプレート領域
T2内にエッジが含まれない場合は、分散値σはエッジ
が含まれる場合と比較して小さな値となる。したがっ
て、テンプレート選択手段22においては、分散値σが
所定のしきい値Th0より大きい場合にそのテンプレー
ト領域T2はエッジが含まれ、σがしきい値Th0以下
の場合にそのテンプレート領域T2はエッジが含まれな
い信号値が略一定の平坦部(シェード)であると判断す
る。
【0069】そして、エッジが含まれると判断されたテ
ンプレート領域T2を、図6に示した輪郭検出マスクを
用いてコンボリューションし、各輪郭検出マスクに対応
した方向に延在する輪郭が強調された6つの画像(各テ
ンプレート領域T2について)を作成する。次いで、コ
ンボリューション後の6つの画像について、+値を有す
る画素の総和gaum(i)(i=0〜5)を求め、下
記の式(12)に示すように、各gaum(i)につい
て、他のgaum(k)(i≠k)との差の絶対値の最
大値を求め、その差の絶対値の最大値が所定のしきい値
Th1よりも大きい場合に、そのテンプレート領域T2
は直線的なエッジが含まれるとして、そのテンプレート
領域T2を直線的なエッジが含まれるテンプレート領域
T2′として選択する。
【0070】 max|gaum(i)−gaum(k)|>Th1 (12) 但し、i=1〜5 k=1〜5 i≠k なお、この場合、gaum(i)とgaum(k)との
差の最大値が得られたiの方向がエッジが延在する方向
となる。例えば、i=0〜5をそれぞれ図6(b)の0
°,30°,60°,90°,120°,150°の6
方向に対応させ、上記最大値が求められたiの値が3で
あるとすると、エッジは60°の方向に延在するものと
なる。
【0071】重み付け手段23は、選択された探索領域
R1′およびテンプレート領域T2′に対してエッジを
強調する処理を施すことにより、探索領域R1′および
テンプレート領域T2′を重み付ける。この強調処理
は、探索領域R1′およびテンプレート領域T2′にお
いてエッジが延在する方向に係数を有するマスクを用い
て、探索領域R1′およびテンプレート領域T2′をコ
ンボリューションすることにより求められる。このマス
クとしては、上記図6に示す輪郭検出マスクと同様のも
のを用いることができる。例えば、選択された探索領域
R1′およびテンプレート領域T2′のエッジが延在す
る方向が60°であった場合には、図6(3)に示す輪
郭検出マスクにより、探索領域R1′およびテンプレー
ト領域T2′がコンボリューションされて、探索領域R
1′およびテンプレート領域T2′内のエッジが強調さ
れることとなる。
【0072】そして、位置合わせ手段24において、テ
ンプレート選択手段22にて選択されなかった探索領域
R1および重み付けられた探索領域R1″内に、対応す
るテンプレート領域T2,T2″が略一致する対応テン
プレート領域T1を求め、各テンプレート領域T2,T
2″と各対応テンプレート領域T1との対応位置関係に
基づいて、全体的な位置合わせがなされた2つの画像P
1′,P2を局所的に位置合わせする。
【0073】すなわち、各探索領域R1,R1″におい
て、テンプレート領域T2,T2″を移動させながらテ
ンプレートマッチングを行い、探索領域R1,R1″内
でテンプレート領域T2,T2″と略一致する部分領域
T1を求める(図16)。具体的には、図17に示すよ
うに、同一の中心座標(x0,y0)の対応するテンプ
レート領域T2,T2″(図17(a))および探索領
域R1,R1″(図17(b))に関して、テンプレー
ト領域T2,T2″を探索領域R1,R1″内で移動さ
せながら、探索領域R1,R1″内でテンプレート領域
T2,T2″と最も一致度の高い部分領域T1(中心座
標(x,y))を求める。一致度の指標としては相関度
などを適用すればよい。
【0074】この結果から、第2の画像P2のテンプレ
ート領域T2,T2″と第1の画像P1′の探索領域R
1,R1″との対応位置関係は、座標(x0,y0)と
座標(x,y)ということになる。
【0075】この対応位置関係は、探索領域R1,R
1″を、元の中心座標(x0,y0)から中心座標
(x,y)に移動させれば、テンプレート領域T2,T
2″と探索領域R1,R1″とが、同心で最も一致度が
高くなることを示している。したがって、探索領域R
1,R1″の移動量(シフト量)をベクトル量で表す
と、シフトベクトル=(x−x0,y−y0)となる。
【0076】以上と同様にして、第2の画像P2の各テ
ンプレート領域T2,T2″と、第1の画像P1′の対
応する各探索領域R1,R1″との間で対応位置関係を
それぞれ求め、各探索領域R1,R1″のシフトベクト
ルをそれぞれ求める。
【0077】次に、各探索領域R1,R1″をそれぞれ
中心領域としてその中心領域を取り囲む一重の周囲探索
領域群について、各周囲探索領域の各シフトベクトルと
中心領域の探索領域のシフトベクトルとを、仮想的なバ
ネで拘束する。すなわち図18に示すように、例えば探
索領域R1,R1″の1つ(ここでは探索領域R22と
する)を中心領域とすれば、周囲探索領域は図示のよう
にR11,R12,R13,R21,R23,R31,
R32,R33の8つとなり、これらの各探索領域のシ
フトベクトルと中心領域の探索領域R22のシフトベク
トルとを各別にバネで拘束し、それぞれのバネの拘束力
で各探索領域のシフトベクトル間で平衡させる。なお、
図18においては、探索領域を2次元的に表すために参
照符号としてRij(i=1〜3,j=1〜3)を用いて
いるものである。
【0078】具体的には、中心領域である探索領域R2
2のシフトベクトルを(x(2,2),y(2,2))
とし、周囲の探索領域の各シフトベクトルを(x(2+
k,2+l),y(2+k,2+l))とし、中心領域
の探索領域R22のシフトベクトルと各周囲探索領域の
シフトベクトルとの間の各バネ定数をa(k,l)とす
れば、この中心領域の探索領域R22は、各バネ拘束力
の平衡により、x方向についてΔx(2,2)、y方向
についてΔy(2,2)だけシフト量が修正される。す
なわち、中心領域の探索領域R22の本来のシフトベク
トルは(x(2,2),y(2,2))であるが、周囲
8個の探索領域のシフトベクトル(x(2+k,2+
l),y(2+k,2+l))とのバネ拘束力により、
シフトベクトルの差に応じた引っ張り合いが生じ、ベク
トル(Δx(2,2)、Δy(2,2))だけ修正され
る。そして、この修正量Δx(2,2)、Δy(2,
2)は以下の式(13)、(14)により得られる。
【0079】
【数12】 この結果、修正量による修正後のシフトベクトル(nx
(2,2),ny(2,2))は、下記式(15)、
(16)により算出される。
【0080】
【数13】 以上は、探索領域R22を中心領域とした場合の探索領
域R22のシフトベクトルの修正量(Δx(2,2)、
Δy(2,2))を表したものであるが、各探索領域を
それぞれ中心領域として同様の操作を行えば、探索領域
Rijのシフトベクトル(x(i,j)、y(i,
j))の修正量(Δx(i,j)、Δy(i,j))は
下記式(17)、(18)により与えられる。
【0081】
【数14】 なお、中心領域を順次他の探索領域に代えて、各探索領
域の修正量(Δx(i,j)、Δy(i,j))を求め
る場合に、周囲の探索領域のシフトベクトルは既に修正
された後のものを用いるのではなく、修正前のシフトベ
クトル(x(i,j)、y(i,j))を用いることと
する。
【0082】この結果、各探索領域の修正量(Δx
(i,j)、Δy(i,j))による修正後のシフトベ
クトル(nx(i,j),ny(i,j))は、下記式
(19)、(20)により算出される。
【0083】
【数15】 なお、1つの中心領域についての8つのバネのバネ定数
a(k,l)の総和Σa(k,l)を、1に規格化する
のが好ましい。
【0084】また上述した実施形態においては、1つの
中心領域の探索領域を拘束する周囲の探索領域を、中心
領域を一重に取り囲む8つの探索領域としたが、さらに
外側の16個の探索領域まで含めて、合計24個の探索
領域と拘束するようにしてもよく、一般に拘束する探索
領域の数をNcとすれば、式(17),(18)はそれ
ぞれ、下記式(21),(22)と表すことができる。
【0085】
【数16】 以上のように、各探索領域のシフトベクトルを周囲の探
索領域のシフトベクトルとの間で、バネ拘束力による引
っ張り合いをさせて平衡させることにより、シフトベク
トルを平滑化させることができ、探索領域のシフトベク
トルが周囲の探索領域のシフトベクトルに対して全く異
なる方向に向いていたり、シフト量が大きく異なったり
するなど、突発的なものとなっても、それを抑えること
ができる。
【0086】以上の操作により、各探索領域の中心につ
いて修正された後の新たなシフトベクトル(nx(i,
j),ny(i,j))が算出されるが、さらに平滑化
を行なう場合には、新たなシフトベクトル(nx(i,
j),ny(i,j))を元のシフトベクトル(x
(i,j),y(i,j))に置き換えて、新たなシフ
トベクトルを算出する操作を繰り返せばよく、この繰り
返しの回数としては例えば、以下の判定基準(1)〜
(3)のうち少なくとも1つに基づいて決定すればよ
い。なお、繰り返し回数が大きくなるにしたがって、拘
束する探索領域の数Ncを小さくしてもよい。
【0087】(1)新たなシフトベクトルの大きさの総
和が、所定の閾値以下になったら、繰り返しを終了す
る。すなわち、
【数17】 (2)新たなシフトベクトルの大きさの総和の変化が、
所定の閾値th2以下になったら、繰り返しを終了す
る。すなわち、
【数18】 (3)繰り返しの回数tが、所定回数th3に達した
ら、繰り返しを終了する。すなわち、
【数19】 次に探索領域の中心画素以外の画素のシフトベクトルを
求める。探索領域の中心画素は図19に示すように、各
探索領域の中心であるため、探索領域の中心画素以外の
画素のシフトベクトルは、これら探索領域の中心画素の
シフトベクトル(上述した修正後のシフトベクトル)を
用いて求めることができる。なお、図19および後述す
る図20においては図18と同一の参照符号を用いてい
る。
【0088】すなわち図20に示すように、例えば4つ
の探索領域(R11,R12,R21,R22)の各中
心に囲まれる範囲内の画素のシフトベクトルについて
は、隣接する探索領域(R11,R12)間の距離およ
び隣接する探索領域(R11,R21)の距離をそれぞ
れ1に規格化した上で、4つの探索領域(R11,R1
2,R21,R22)の各中心画素を4近傍とする1次
近似により求めればよい。したがって、画素(xu,y
v)のシフトベクトル(nxu,nyv)は、下記式
(23)、(24)の通りに算出される。
【0089】
【数20】 以上の1次近似を他の画素についても適用することによ
り、第1の画像P1′中の全ての画素のシフトベクトル
を算出する。なお、第1の画像P1′を構成する各画素
のうち、4つの探索領域の中心で囲まれる範囲の外の画
素については、外挿によりシフトベクトルを算出すれば
よい。なお、1次近似のみならず、2次近似、スプライ
ン、あるいはNURBS等により、シフトベクトルを求
めてもよい。
【0090】このようにして得られた第1の画像P1′
中の全ての画素ごとのシフトベクトルにしたがって、こ
れらの各画素をそれぞれ移動させることにより、第1の
画像P1′は、第2の画像P2に対して画像全体として
位置合わせがなされた画像P1″に変換される。
【0091】なお、これらの位置合わせがなされた後の
2つの画像P1″,P2間で、その後にサブトラクショ
ン処理等の画像間演算処理を施す場合には、両画像P
1″,P2の対応する画素ごとに演算処理する必要があ
るのに対し、変換後第1画像P1″の画素は、シフトベ
クトルにより移動されているため、これらの移動された
画素は、第2画像P2を構成する各画素にそれぞれ対応
する位置に存在せず、画像間演算を実行することができ
ない。
【0092】そこで、第2画像P2を構成する各画素の
位置に対応させて、変換後の第1画像P1″を構成する
画素を生成するために、第2画像P2を構成する各画素
の位置の、変換後の第1画像P1″における近傍4画素
の画素値を用いた1次補間演算を施す。これにより、第
2画像P2を構成する各画素に対応する位置に、変換後
第1画像P1″の各画素が生成され、対応する画素間で
画像間演算処理を施すことができ、両画像P1″,P2
間の差異を抽出または強調したサブトラクション画像P
su(=a2・P2−a1・P1″;a1,a2は定数)
等の画像間演算画像を得ることができる。このようにし
て得られたサブトラクション画像Psuは、両画像の実
質的な差異である病変部K(図21参照)のみを効果的
に観察することができるものとなる。
【0093】なお、サブトラクション画像Psuとして
は、下記式(25)で表されるように、両画像P1′
(P1″),P2間で差異のない部分を中間値(中間濃
度、中間輝度または中間色)で再生するため、一定値
(10bitで表現される画像のときは、中間値mid=
512)を加算するとともに、差異のコントラストを調
整するのが好ましい。
【0094】
【数21】 次いで、本実施形態の動作について説明する。
【0095】図22は本実施形態の動作を示すフローチ
ャートである。まず、第1および第2の画像P1,P2
が全体位置合わせ手段1に入力され、ここで、第1の画
像P1に対してアフィン変換を施して、アフィン変換後
の第1の画像P1′と第2の画像P2との大局的な位置
合わせが行われる(ステップS1)。そして、第1の画
像P1′に探索領域R1が、第2の画像P2にテンプレ
ート領域T2が設定される(テンプレート領域の設定、
ステップS2)。次いで、胸郭内部領域の輪郭が検出さ
れ、胸郭内部領域内のテンプレート領域T2および探索
領域R1が抽出される(テンプレート領域抽出、ステッ
プS3)。
【0096】次いで、胸郭内部領域内のテンプレート領
域T2および探索領域R1から直線的なエッジが含まれ
るテンプレート領域T2′および探索領域R1′が選択
される(テンプレート領域選択、ステップS4)。そし
て、選択されたテンプレート領域T2′および探索領域
R1′が重み付けされて、重み付けされたテンプレート
領域T2″および探索領域R1″が得られる(ステップ
S5)。そして、重み付けられたテンプレート領域T
2″および探索領域R1″並びに他のテンプレート領域
T2および探索領域R1を用いて、2つの画像P1′,
P2の位置合わせを行い(ステップS6)、処理を終了
する。
【0097】このように、本実施形態によれば、直線的
なエッジが含まれるテンプレート領域T2および探索領
域R1を重み付けして、各領域間の対応位置関係を求め
るようにしたため、エッジ部分を基準として2つの画像
P1,P2の対応位置関係が求められることとなる。し
たがって、画像中に含まれる構造物(例えば骨と軟部)
が2つの画像P1,P2間において全く異なる方向に移
動していても、直線的なエッジを有するテンプレート領
域T2′および探索領域R1′を基準として、テンプレ
ート領域T2″を探索領域R1″内のテンプレート領域
T1に一致させるための対応位置関係すなわちシフト量
を一義的に求めることができ、これにより、2つの画像
P1,P2の位置合わせを良好に行うことができる。
【0098】次いで、本発明の第2の実施形態について
説明する。図23は本発明の第2の実施形態による画像
の位置合わせ装置の構成を示す概略ブロック図である。
なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一
の構成については同一の参照番号を付し、詳細な説明は
省略する。第2の実施形態による画像位置合わせ装置1
1は、局所位置合わせ手段2′が、2つの画像P1′,
P2に複数の小領域を設定する小領域設定手段31と、
設定された小領域から直線的なエッジを含む小領域を選
択する小領域選択手段32とを備え、テンプレート設定
手段21′において、小領域選択手段32において選択
された小領域にテンプレート領域T2および探索領域R
1を設定するようにした点が第1の実施形態と異なるも
のである。
【0099】小領域設定手段31は、入力された2つの
画像P1′,P2に対して、複数の小領域L0を設定す
る(図24参照)。この際、画像P1′,P2に小領域
L0を設定するための基準点(x,y)が設定され、こ
の基準点(x,y)を基準として、小領域L0が設定さ
れる。
【0100】小領域選択手段32は、小領域設定手段3
1において設定された小領域L0から、第1および第2
の画像P1,P2から画像中に含まれる胸郭内部領域に
設定された小領域L0のみを抽出し、抽出後に直線的な
エッジが含まれる小領域L0を選択するものである。な
お胸郭内部領域の小領域の抽出は、上記第1の実施形態
におけるテンプレート選択手段21において行われる胸
郭内部領域からのテンプレート領域の抽出と同一の処理
により行われる。
【0101】テンプレート設定手段21′は、小領域選
択手段32において選択された小領域L0′を基準とし
て、第2の画像にテンプレート領域T2を、第1の画像
P1′に探索領域R1を設定する。これは、選択された
小領域L0′の基準点(x,y)を中心として、上記第
1の実施形態と同様に設定される。
【0102】そして、設定されたテンプレート領域T2
および探索領域R1を重み付け手段23により重み付
け、さらに位置合わせ手段24において上記第1の実施
形態と同様に位置合わせが行われる。
【0103】なお、上記第1の実施形態においては、胸
郭内部領域の輪郭を検出して、胸郭内部領域内のテンプ
レート領域T2および探索領域R1を抽出しているが、
とくに胸郭内部領域内の各領域R1,T2を抽出する必
要はなく、2つの画像P1′,P2の全体に亘って設定
されたテンプレート領域T2および探索領域R1から直
線的なエッジを含むテンプレート領域T2′および探索
領域R1′を選択してもよい。
【0104】また、上記第2の実施形態においては、胸
郭内部領域の輪郭を検出して、胸郭内部領域内の小領域
L0を抽出しているが、とくに胸郭内部領域内の小領域
L0を抽出する必要はなく、2つの画像P1,P2の全
体に亘って設定された小領域L0から直線的なエッジを
含む小領域L0を選択してもよい。
【0105】さらに、上記第1および第2の実施形態の
位置合わせ手段24において行われる処理においては、
中心領域の探索領域(の中心画素)についてのシフトベ
クトル(x,y)と、周囲の各探索領域(の中心画素)
についてのシフトベクトル(xij,yij)との拘束を、
両者のシフトベクトルの差分に比例するバネ拘束力によ
るものとして説明したが、この態様に限るものではな
く、両者のシフトベクトルに応じた拘束力によるもので
あれば、他の種類の拘束力を適用することもできる。
【0106】このような拘束力としては、バネ拘束力と
同様に両者のシフトベクトルの差分に比例する弾性力
や、両者のシフトベクトルの積に比例するとともに、両
者の距離の二乗に反比例するクーロン力(シフトベクト
ルの大きさを、仮想的に「電荷」または「磁荷」に置換
したときの引力)等を適用することができる。
【0107】すなわち、シフトベクトルを仮想的に例え
ば磁荷(磁気量)とし、中心領域の探索領域(の中心画
素)についてのシフトベクトルと、周囲の各探索領域
(の中心画素)についてのシフトベクトルとの拘束力を
磁力としたとき、両者のシフトベクトルをqm,qm′
とすれば、中心領域の探索領域についてのシフトベクト
ルと、周囲の各探索領域についてのシフトベクトルとの
間に働く力(磁力(クーロン力))Fは、 F=K・qm・qm′/r となる(ただし、K=1/4πμ(μは真空の透磁率)
である)。
【0108】また、上記第1および第2の実施形態の位
置合わせ手段24における位置合わせ処理としては、特
開平7-37074号に記載されたように、探索領域およびテ
ンプレート領域の対応位置関係に基づいて、カーブフィ
ッティング(2次元n次多項式,n≧2)による非線形
歪変換(ワーピング)を用いた位置合わせ方法を適用し
てもよい。
【0109】さらに、上記第1および第2の実施形態に
おいては、全体位置合わせ手段1において第1および第
2の画像P1,P2の大局的な位置合わせを行った後に
局所的な位置合わせを行っているが、とくに大局的な位
置合わせを行うことなく、第1および第2の画像P1,
P2の局所的な位置合わせを行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による画像の位置合わ
せ装置の構成を示す概略ブロック図
【図2】本実施形態により位置合わせが行われる2つの
胸部放射線画像を示す図
【図3】全体的な位置合わせを説明するための図
【図4】テンプレート領域および探索領域の設定を説明
するための図
【図5】胸部放射線画像P1′を示す図
【図6】延在方向別輪郭検出マスク(a)と検出しうる
輪郭の延在方向(b)との一例を示す図
【図7】概略輪郭画像P12および平滑化画像P13を
示す図
【図8】胸郭内部平滑化画像P14を示す図
【図9】極座標変換画像P15を示す図
【図10】極座標平面上における、基準となる胸郭の輪
郭PBを示す図
【図11】基準となる胸郭の輪郭PBに基づいた固定テ
ンプレートT0を示す図
【図12】極座標平面上における弾性テンプレートT
0′を示す図
【図13】弾性テンプレートT0′が輪郭PAの詳細な
形状に追従する処理を説明する図
【図14】実画像平面上における弾性テンプレートT
0″を示す図
【図15】実画像平面上における補間処理後の輪郭PA
を示す図
【図16】局所的な位置合わせを説明するための図
【図17】テンプレートマッチングの作用を示す図
【図18】各周囲探索領域の各シフトベクトルと中心領
域の探索領域のシフトベクトルとを、仮想的なバネで拘
束した概念を示す図
【図19】各探索領域の中心画素のシフトベクトルに基
づいて全画素のシフトベクトルを求める作用を説明する
【図20】近傍4画素による一次近似を説明する図
【図21】位置合わせがなされた第1画像、第2画像お
よびサブトラクション画像を示す図
【図22】第1の実施形態の動作を示すフローチャート
【図23】本発明の第2の実施形態による画像の位置合
わせ装置の構成を示す概略ブロック図
【図24】小領域の設定を説明するための図
【符号の説明】
1 全体位置合わせ手段 2 局所位置合わせ手段 10,11 画像位置合わせ装置 21,21′ テンプレート設定手段 22 テンプレート選択手段 23 重み付け手段 24 位置合わせ手段 31 小領域設定手段 32 小領域選択手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C093 AA01 AA26 CA21 FD12 FF07 FF12 FF13 FF15 FF28 FF37 5B057 AA08 BA03 CA02 CA08 CA12 CA16 CD02 CD03 CD05 CD18 CE03 CE05 DA07 DB02 DB05 DB09 DC09 DC17 DC32 5L096 AA03 AA06 BA06 CA04 DA02 EA06 EA07 EA13 EA14 EA15 EA16 EA28 EA39 FA06 FA69 GA08 GA10 GA17 JA09

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比較対象となる同一被写体についての
    2つの画像間で位置合わせを行う画像の位置合わせ方法
    において、 前記画像にそれぞれ複数組の相対応する関心領域を設定
    し、 前記各画像の関心領域から直線的なエッジが含まれる関
    心領域を選択し、 該選択された関心領域を重み付け、 前記重み付けられた関心領域を含む前記各組の関心領域
    間でローカルマッチングを行うことにより各関心領域間
    の対応位置関係を求めることを特徴とする画像の位置合
    わせ方法。
  2. 【請求項2】 前記選択された関心領域に含まれるエ
    ッジを強調することにより、前記選択された関心領域を
    重み付けることを特徴とする請求項1記載の画像の位置
    合わせ方法。
  3. 【請求項3】 前記関心領域の設定に先立って、前記
    2つの画像のうち少なくとも一方の画像に対して、回
    転、平行移動、および拡大・縮小のうち少なくとも1つ
    の処理を施して、前記両画像の全体的な位置合わせを予
    め行うことを特徴とする請求項1または2記載の画像の
    位置合わせ方法。
  4. 【請求項4】 比較対象となる同一被写体についての
    2つの画像間で位置合わせを行う画像の位置合わせ方法
    において、 前記画像にそれぞれ複数の相対応する小領域を設定し、 前記各画像の小領域のうち直線的なエッジが含まれる小
    領域を選択し、 該選択された小領域を基準として、前記画像にそれぞれ
    複数組の相対応する関心領域を設定し、 前記各組の関心領域間でローカルマッチングを行うこと
    により各関心領域間の対応位置関係を求めることを特徴
    とする画像の位置合わせ方法。
  5. 【請求項5】 前記ローカルマッチングの前に、前記
    関心領域に含まれるエッジを強調することを特徴とする
    請求項4記載の画像の位置合わせ方法。
  6. 【請求項6】 前記小領域の設定に先立って、前記2
    つの画像のうち少なくとも一方の画像に対して、回転、
    平行移動、および拡大・縮小のうち少なくとも1つの処
    理を施して、前記両画像の全体的な位置合わせを予め行
    うことを特徴とする請求項4または5記載の画像の位置
    合わせ方法。
  7. 【請求項7】 前記画像が、撮影時点が互いに異なる
    時系列の画像であることを特徴とする請求項1から6の
    いずれか1項記載の画像の位置合わせ方法。
  8. 【請求項8】 前記画像が、医療用放射線画像である
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の
    画像の位置合わせ方法。
  9. 【請求項9】 比較対象となる同一被写体についての
    2つの画像間で位置合わせを行う画像の位置合わせ装置
    において、 前記画像にそれぞれ複数組の相対応する関心領域を設定
    する関心領域設定手段と、 前記各画像の関心領域から直線的なエッジが含まれる関
    心領域を選択する関心領域選択手段と、 該選択された関心領域を重み付ける重み付け手段と、 前記重み付けられた関心領域を含む前記各組の関心領域
    間でローカルマッチングを行うことにより各関心領域間
    の対応位置関係を求める位置合わせ手段とを備えたこと
    を特徴とする画像の位置合わせ装置。
  10. 【請求項10】 前記重み付け手段は、前記選択され
    た関心領域に含まれるエッジを強調することにより、前
    記選択された関心領域を重み付ける手段であることを特
    徴とする請求項9記載の画像の位置合わせ装置。
  11. 【請求項11】 前記関心領域の設定に先立って、前
    記2つの画像のうち少なくとも一方の画像に対して、回
    転、平行移動、および拡大・縮小のうち少なくとも1つ
    の処理を施して、前記両画像の全体的な位置合わせを予
    め行うことを特徴とする請求項9または10記載の画像
    の位置合わせ装置。
  12. 【請求項12】 比較対象となる同一被写体について
    の2つの画像間で位置合わせを行う画像の位置合わせ装
    置において、 前記画像にそれぞれ複数の相対応する小領域を設定する
    小領域設定手段と、 前記各画像の小領域のうち直線的なエッジが含まれる小
    領域を選択する小領域選択手段と、 該選択された小領域を基準として、前記画像にそれぞれ
    複数組の相対応する関心領域を設定する関心領域設定手
    段と、 前記各組の関心領域間でローカルマッチングを行うこと
    により各関心領域間の対応位置関係を求める位置合わせ
    手段とを備えたことを特徴とする画像の位置合わせ装
    置。
  13. 【請求項13】 前記ローカルマッチングの前に、前
    記関心領域に含まれるエッジを強調する重み付け手段を
    さらに備えたことを特徴とする請求項12記載の画像の
    位置合わせ装置。
  14. 【請求項14】 前記小領域の設定に先立って、前記
    2つの画像のうち少なくとも一方の画像に対して、回
    転、平行移動、および拡大・縮小のうち少なくとも1つ
    の処理を施して、前記両画像の全体的な位置合わせを予
    め行うことを特徴とする請求項12または13記載の画
    像の位置合わせ装置。
  15. 【請求項15】 前記画像が、撮影時点が互いに異な
    る時系列の画像であることを特徴とする請求項9から1
    4のいずれか1項記載の画像の位置合わせ装置。
  16. 【請求項16】 前記画像が、医療用放射線画像であ
    ることを特徴とする請求項9から15のいずれか1項記
    載の画像の位置合わせ装置。
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