JP2002109550A - 心胸郭の輪郭検出方法および心胸郭比算出方法 - Google Patents

心胸郭の輪郭検出方法および心胸郭比算出方法

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JP2002109550A
JP2002109550A JP2000298101A JP2000298101A JP2002109550A JP 2002109550 A JP2002109550 A JP 2002109550A JP 2000298101 A JP2000298101 A JP 2000298101A JP 2000298101 A JP2000298101 A JP 2000298101A JP 2002109550 A JP2002109550 A JP 2002109550A
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Satoru Osawa
哲 大沢
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 胸部画像中の心胸郭の輪郭検出方法におい
て、心胸郭の輪郭検出精度を確保しつつ実用的なものと
する。 【解決手段】 胸部画像に概略輪郭検出処理を施す(#1)
とともに、他方で平滑化処理を施し(#2)、得られた概略
輪郭画像および平滑化画像を乗じ合わせて(#3)胸郭内部
平滑化画像を求め、この画像における略円弧状の輪郭部
分の略中心となる基準中心点を決定し(#4)、胸部画像を
基準中心点に関して極座標変換し(#5)、得られた極座標
画像において基準となる輪郭による固定テンプレートを
用いたテンプレートマッチング(#6)により輪郭を検出
し、さらに弾性テンプレートを用いたテンプレートマッ
チング処理(#7)により個体差に追従して輪郭を精度高く
検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は心胸郭の輪郭検出方
法およびこれを用いた心胸郭比の算出方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、医用画像を用いて、骨や臓
器、その他の構造物の物理量を計測することが行われて
いる。例えば、心臓肥大の診断を行う場合は、胸部放射
線画像を用いて、胸郭と心臓との各幅を計測し、これら
の比(心胸郭比=心臓幅/胸郭幅)を算出することを行
っている。
【0003】ところで、上述した心胸郭比を算出する場
合、従来は医師や放射線技師等が、胸部放射線画像に定
規等を当てて、胸郭の幅と心臓の幅をそれぞれ計測し、
この計測値に基づいて心胸郭比を算出していたが、近年
は画像をデジタル化して画像データとして取り扱うこと
が一般的になりつつあり、この画像データに各種の信号
処理を施すことが容易になっている現状においては、上
述した心胸郭比の算出も自動的に行うことが要望されて
いる。
【0004】ここで、胸部画像に基づいて自動的に心胸
郭比の算出を行う場合、その前提として、胸郭と心臓
(両者を合わせて心胸郭という)の輪郭形状を特定する
必要がある。従来、閉領域である胸郭(左右両肺野を一
括りにした領域)の輪郭形状を検出する方法として、例
えば特開平8−335271号により開示された方法が
あり、心臓の輪郭形状を検出する方法として、桂川らに
よる変形した楕円形のモデル関数を用いた方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平8−3
35271号により開示された方法は、胸部画像のエッ
ジ検出と治験的ルールを用いて、胸郭(肺野)領域の輪
郭を検出するものであり、この方法で使用されている治
験的ルールは、経験的なノウハウに基づくものが多く、
また複雑で使いにくいものである。さらに、ひと度ルー
ルから外れると、その外れた状態を修正することができ
ないため、本来の胸郭の輪郭とは全く異なる形状を検出
してしまうことがある、という問題がある。このため上
記検出方法は、研究に用いる場合はともかく、医療現場
において実用的に使用するには適していない。
【0006】一方、変形した楕円形のモデル関数を用い
て心臓の輪郭形状を検出する方法は、数式のみで心臓の
輪郭を近似するものであるが、この近似処理では、実際
の心臓の輪郭形状に適応させるのに限界があり、正確に
その輪郭形状を検出することができないという問題があ
る。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、心胸郭の輪郭検出精度を確保しつつ実用的な、心
胸郭の輪郭形状の検出方法および心胸郭比算出方法を提
供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の心胸郭の輪郭検
出方法は、胸部画像を極座標変換することにより、基準
となる平均的な心胸郭と略相似形の、胸部画像中の心胸
郭の輪郭を、極座標平面上で、基準となる心胸郭の輪郭
をテンプレートとしたテンプレートマッチング処理とい
う検出精度の高い処理により、実用上簡単に検出するこ
とを実現したものである。
【0009】すなわち本発明の心胸郭の輪郭検出方法
は、胸部画像中における心胸郭の輪郭検出方法であっ
て、前記胸部画像中に基準中心点を決定し、前記胸部画
像を前記基準中心点に関して極座標変換し、前記極座標
変換して得られた極座標平面において、基準となる心胸
郭の輪郭を極座標変換して得られたテンプレートを用い
たテンプレートマッチング処理することにより、前記心
胸郭の輪郭を検出することを特徴とするものである。
【0010】ここで胸部画像は、放射線画像であっても
よいし、CT装置やMRI装置によって得られた画像で
あってもよい。
【0011】胸部画像中の基準中心点は、胸郭の輪郭の
うち、略円弧状の輪郭部分(肺野上部)から略等距離と
なる点を適用するように決定するのが好ましいが、一般
的な胸部画像では、画像の物理的な中心(重心)がその
ような基準中心点に近いため、単純に胸部画像の中心点
(例えば重心点)をそのまま基準中心点として決定して
もよい。そして、一旦、その画像の中心点を基準中心点
として仮決定したうえで、その仮決定した基準中心点を
中心として画像のプロフィールの対称性を検証しなが
ら、仮決定した基準中心点を修正するようにしてもよ
い。
【0012】極座標変換するとは、基準中心点からの距
離rと、基準中心点を通る所定の直線とのなす角度θで
表す極座標平面上に、胸部画像を展開することを意味す
る。なお、この極座標変換に先立って、胸郭内部の画像
部分を予め平滑化するのが好ましい。胸郭領域の輪郭を
検出する場合、胸郭内部の領域には肋骨の輪郭が強く現
れるため、この胸郭内部の輪郭を弱めて、胸郭の輪郭を
相対的に強く表わし、肋骨の輪郭を胸郭輪郭として誤検
出するのを抑制するのに有効だからである。
【0013】平滑化の手法としては、胸部画像に対し
て、それぞれ延びる方向が異なる直線輪郭のみを各別に
検出する複数の輪郭検出マスクを用いた概略輪郭検出処
理を施して、肺野および心臓の概略輪郭画像を得、一
方、胸部画像に対して平滑化処理を施して平滑化画像を
得、これら各別に得られた概略輪郭画像と平滑化画像と
を乗じることにより行なう方法が好ましい。胸部画像
は、その平滑化画像における胸郭部分である肺野部分が
他の部分より高濃度となるため、概略輪郭画像において
心胸郭輪郭と肋骨輪郭とが同等の濃度で表われても、こ
れらを互いに乗じ合わせることで、肺野内部の肋骨輪郭
は、心胸郭輪郭よりも相対的に高濃度となり、肋骨の輪
郭を心胸郭輪郭として誤検出するのを抑制するのに非常
に有効である。
【0014】輪郭検出マスクは、ガボール関数を利用し
たものを用いるのが好ましく、例えば検出する直線輪郭
の延びる方向がそれぞれ、所定の基準線に対して0,3
0,60,90,120,150°に設定された6個の
輪郭検出マスクを用いて、所定の基準線に対して0°に
延びる輪郭を抽出した第1の概略輪郭画像、30°に延
びる輪郭を抽出した第2の概略輪郭画像、60°に延び
る輪郭を抽出した第3の概略輪郭画像、90°に延びる
輪郭を抽出した第4の概略輪郭画像、120°に延びる
輪郭を抽出した第5の概略輪郭画像、150°に延びる
輪郭を抽出した第6の概略輪郭画像、をそれぞれ求め、
これら第1の概略輪郭画像から第6の概略輪郭画像を合
成することにより、上述した概略輪郭画像を得ればよ
い。
【0015】一方、平滑化画像は、医用画像に対して例
えばガウス関数により適用して変換処理すればよい。
【0016】基準となる心胸郭の輪郭とは、検出対象の
心胸郭と同一種の心胸郭の輪郭であって、臨床的に得ら
れている多数の当該心胸郭の輪郭の平均的なものなどで
ある。検出対象の心胸郭は、被検者の体格の違い等によ
り大きさが異なるのが一般的であり、基準となる心胸郭
とも異なる場合も当然にあるが、一般的には基準となる
心胸郭と略相似形であり、この相似形は、極座標平面上
における半径方向への平行移動として表わすことがで
き、基準となる心胸郭の輪郭を極座標変換して得られた
テンプレートを用いて、平行移動という簡単な探索によ
るテンプレートマッチング処理で、容易に検出対象とな
る心胸郭の輪郭を検出することが可能となる。
【0017】心胸郭の輪郭のうち、略円弧状の部分を除
いた部分については、極座標変換以前の実画像平面にお
いて、基準となる心胸郭の輪郭のうち略円弧状の部分を
除いた部分によるテンプレートを用いたテンプレートマ
ッチング処理することにより、略円弧状の部分を除いた
部分を検出するのが好ましい。略円弧状以外の輪郭部分
は、極座標平面でテンプレートマッチング処理を行なう
よりも、実画像平面でテンプレートマッチングを行なう
方が、容易に検出することができるからである。なお、
肺野と心臓との境界線をなす輪郭と、他の輪郭とは、別
個のテンプレートを用いてテンプレートマッチング処理
を行なうのが好ましい。
【0018】なお上述したテンプレートマッチング処理
を行なった後にさらに、テンプレートの各部分がそれぞ
れ少なくとも隣接する部分の移動量に応じた拘束力で拘
束されつつ移動可能に設定された、テンプレートを初期
形状とする弾性テンプレートを用いて、さらにテンプレ
ートマッチング処理するのが好ましい。検出対象である
心胸郭の輪郭の一部が、基準となる心胸郭の輪郭に対し
て、相似形から外れた形状である場合にも、そのような
変形した輪郭部分を精度よく検出することが可能になる
とともに、画像中のノイズ等により、突発的に変形した
形状が検出された場合にも、それを拘束力で引き戻すこ
とにより、そのノイズによる影響を平滑化する効果を得
ることができるからである。
【0019】本発明の心胸郭比算出方法は、上述した本
発明の心胸郭の輪郭検出方法により検出された心胸郭の
輪郭に基づいて、心臓の幅と胸郭の幅とをそれぞれ求
め、得られた心臓の幅と胸郭の幅との比を算出すること
を特徴とするものである。
【0020】ここで、検出された心胸郭の輪郭に基づい
て、心臓の幅および胸郭の幅を求める方法としては、検
出された心胸郭の輪郭を表わす画像の水平方向で最大と
なる心臓の幅および胸郭の幅をそれぞれ求めればよく、
心胸郭比を算出する方法としては、得られた心臓の幅を
胸郭の幅で除算すればよい。
【0021】
【発明の効果】本発明の心胸郭の輪郭検出方法によれ
ば、胸部画像を極座標変換することにより、基準となる
平均的な心胸郭と略相似形の、検出対象の胸部画像中の
心胸郭の輪郭を、極座標平面上で、基準となる心胸郭の
輪郭をテンプレートとしたテンプレートマッチング処理
という検出精度の高い処理により、実用上簡単に検出す
ることができる。すなわち、検出対象の心胸郭は、被検
者の体格の違い等により大きさが異なるのが一般的であ
り、基準となる心胸郭とも異なる場合も当然にあるが、
その検出対象となる心胸郭は通常は、基準となる心胸郭
と略相似形であり、この相似形は、極座標平面上におけ
る半径方向への平行移動として表わすことができ、基準
となる心胸郭の輪郭を極座標変換して得られたテンプレ
ートを用いて、平行移動という簡単な探索によるテンプ
レートマッチング処理で容易に、検出対象となる心胸郭
の輪郭を検出することが可能となる。特に、肺野の上部
外側の輪郭は略円弧状であるため、当該領域に関して、
極座標平面上におけるテンプレートマッチング処理は非
常に効果が高い。
【0022】本発明の心胸郭比算出方法によれば、上述
した効果を奏する本発明の心胸郭の輪郭検出方法により
検出された心胸郭の輪郭に基づいて、心胸郭比を算出す
るものであるため、従来よりも正確な心胸郭比を自動的
に算出することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の心胸郭の輪郭検出
方法の具体的な実施形態を、図面を用いて詳細に説明す
る。
【0024】図1は、本発明の心胸郭の輪郭検出方法の
一実施形態の処理を示すフローチャート、図2(1)は
本実施形態の心胸郭の輪郭検出方法の処理対象となる胸
部放射線画像P1を示す図、同図(2)は(1)に示し
た胸部放射線画像P1を模式的に示した図である。なお
胸部放射線画像は、高濃度になるにしたがって(黒くな
る方向)画素値が小さくなり、低濃度になるにしたがっ
て(白くなる方向)画素値が大きくなる、低濃度高画素
値の画像である。図2(2)に示した模式図において、
左右の各肺野Pa,Pbの外側輪郭PAおよびPBで囲
まれる領域は胸郭であり、各肺野Pa,Pbの内側輪郭
が符号PC,PDで表されている。さらに心臓Pcの輪
郭のうち左肺野Pbとの境界をなす輪郭が符号PEで表
されている。
【0025】本実施形態の心胸郭輪郭検出方法は、図2
(2)に示した胸部放射線画像P1中の、胸郭輪郭P
A,PB、各肺野Pa,Pbの内側輪郭PC,PD、お
よび心臓Pcの左側輪郭PEをそれぞれ検出する処理で
あり、まず画像P1に対してその概略輪郭検出処理を施
す(#1)とともに、他方で平滑化処理を施して(#
2)、原画像P1の概略輪郭画像P2および平滑化画像
P3をそれぞれ求め、これら概略輪郭画像P2および平
滑化画像P3を対応する画素ごとに乗じ合わせることに
より胸郭内部を平滑化する処理を実行して(#3)胸郭
内部平滑化画像P4を求め、次いでこの胸郭内部平滑化
画像P4における胸郭輪郭PA,PBのうち略円弧状の
輪郭部分PAの略中心となる基準中心点(xc,yc)
を決定し(#4)、画像P1を基準中心点(xc,y
c)に関して極座標変換し(#5)、極座標変換して得
られた極座標画像P5において、基準となる輪郭P
A′,PB′,PC′,PD′,PE′による固定テン
プレートT1,T2,T3を用いて第1のテンプレート
マッチング処理(#6)により、固定的に各輪郭PA,
PB,PC,PD,PEを検出し、さらに所定の弾性テ
ンプレートT1′,T2′およびT3′を用いた第2の
テンプレートマッチング処理(#7)により、個体差に
追従して各輪郭PA,PB,PC,PD,PEを精度高
く検出し、最終的に検出された輪郭PA,PB,PC,
PD,PEを補間処理する(#8)ことにより、各肺野
Pa,Pbの輪郭および心臓Pcの輪郭をそれぞれ検出
するものである。
【0026】以下、各処理について詳しく説明する。
【0027】まず、画像P1に対する概略輪郭検出処理
(#1)は、画像P1に対して、図3(1)〜(6)の
各(a)に示すような、異なる6方向(同図各(b)の
0°,30°,60°,90°,120°,150°の
6方向)の延在方向別輪郭検出マスク、および図4
(1)〜(3)の延在方向別エッジ検出マスクを用い
て、各輪郭検出マスクに対応した方向に延在する輪郭が
強調された6つの画像(第1〜6の概略輪郭画像P2a
〜P2f(図示せず))および延在方向別エッジ検出マ
スクに対応した方向に延在するエッジが強調された3つ
の画像(第7〜9の概略輪郭画像P2g〜P2i(図示
せず))を作成し、これら9つの画像P2a〜P2iの
画素を対応させて画素値が最大(最低濃度)となる画素
を選択して単一の概略輪郭画像P2を合成する処理であ
る。
【0028】すなわち、図3(1)〜(6)の各(b)
に示すような特定角度方向に延びる直線を検出する、同
図各(a)に示す輪郭検出マスクは、各方向別の直線に
反応しやすいように、マスクの正(+符号)の部分が直
線方向に適合するように、細長楕円形状をなしており、
さらに、負の部分が正の部分の両側に分布するように選
択されている。これらのマスクに十分な方位選択性を持
たせるにはこのような負の部分が不可欠である。一方、
図4(1)〜(3)の各(b)に示すような特定角度方
向に延び、かつ特定の濃度傾斜方向性を有するエッジを
検出する、同図各(a)に示すエッジ検出マスクは、各
方向別の直線であって濃度の傾斜方向が特定方向の直線
(特に肺野Pa,Pbの内側輪郭PC,PDおよび心臓
Pcの左側輪郭PE)に反応しやすいように、マスクの
正(+符号)の部分が直線方向に適合するように、細長
楕円形状をなしており、さらに、負の部分が正の部分の
一方の側に分布するように選択されている。これらのマ
スクに十分な方位選択性、エッジの濃度傾斜性を持たせ
るにはこのような負の部分が不可欠である。
【0029】そしてこの細長楕円の長手方向が6つの特
定方向である輪郭検出マスクおよび細長楕円の長手方向
が特定方向であり、かつ濃度傾斜方向が特定方向である
エッジ検出マスクを用いて、画像P1をコンボリューシ
ョンするものである。ここで、このマスクは、大脳視覚
野の単純型細胞に相当するものであり、ガボール関数に
より作成されるものである。このガボール関数は以下の
式で表される。
【0030】
【数1】 ここで、式(1)における実数部分である
【数2】 を用いて特定方向の輪郭検出マスクを作成するものであ
る。さらに、この式(2)におけるk,kの初期値
により、細長楕円の長手方向が0°,30°,60°,
90°,120°,150°の各マスクを作成すること
ができるのである。
【0031】一方、エッジ検出マスクは、ガボール関数
の虚数部分(一次微分を検出)を用いている。
【0032】なお、特定の方向の輪郭検出マスクの受容
野サイズは、画像P1のうち、必要とされる輪郭成分以
外の細い輪郭成分には反応しにくいように定められてい
る。すなわち、マスクは画像P1のうち、胸郭の輪郭P
Aや肋骨等と考えられる構造物には反応し易いのであ
る。このようにマスクの受容野サイズを定めることによ
り、背景の存在にかかわらず良好に上述した輪郭PA,
PB等を検出することができ、特定方向の輪郭検出マス
クで画像P1をコンボリューションすることにより、画
像P1から各マスクに適合した特定方向の輪郭成分(図
3(b))が抽出される。
【0033】同様に、エッジ検出マスクにより、上述し
た輪郭PC,PD,PEを良好に検出することができ、
特定方向のエッジ検出マスクで画像P1をコンボリュー
ションすることにより、画像P1から各マスクに適合し
た特定方向のエッジ成分(図4(b))が抽出される。
【0034】ここで、特定方向の輪郭検出マスクによ
る、画像P1各輪郭成分のコンボリューションおよび非
線形処理は以下の式(3)により行われている。
【0035】
【数3】 以上の処理1(#1)により、図5(1)に示すよう
に、概略輪郭画像P2が得られる。
【0036】画像P1に対して施す平滑化処理(#2)
は、例えばガウス関数で作成したマスクによる一般的な
平滑化処理であり、この平滑化処理により、図5(2)
に示すような、肋骨や鎖骨が目立たない平滑化画像P3
が得られる。なお、ガウスの係数やサイズは、上述した
ように、肋骨や鎖骨が目立たなくなる程度に設定する。
【0037】このようにして得られた概略輪郭画像P2
および平滑化画像P3を、対応する画素ごとに乗じ合わ
せる(#3)と、平滑化画像P3は胸郭の内部領域が胸
郭の外部領域よりも高濃度であるため、この乗じ合わせ
て得られた胸郭内部平滑化画像P4は、図6(1)に示
すように、胸郭内部が胸郭の外部よりも相対的に低画素
値(高濃度)となり、胸郭内部の肋骨が心胸郭の輪郭P
A,PB,PC,PD,PEよりも相対的に平滑化され
たものとなる。なお、以下、画像の表示を簡単にするた
め、同図(2)に示した簡略画像P4を用いて説明す
る。
【0038】次に基準中心点(xc,yc)を決定する
処理(#4)は、図6(2)に示す胸郭内部平滑化画像
P4を極座標変換する際の極(中心点)を決定する処理
であり、この極として、胸郭輪郭のうち略円弧状の輪郭
部分PAから略等距離にある点を採用する。具体的に
は、まず胸郭内部平滑化画像P4の物理的な中心点(x
0,y0)を仮の基準中心点(xc,yc)とする(同
図(2))。すなわち、xc=x0,yc=y0であ
る。
【0039】ここでy座標を固定して、x座標をxcか
らj画素ずつ左右方向に移動させつつ、各移動位置にお
いて、当該移動位置(xc+j,yc)を中心とする胸
郭内部平滑化画像P4の左右のプロファイル((xc+
j+i,yc)の画素値と(xc+j−i,yc)の画
素値)の相関が最大となる移動位置jを求める。すなわ
ち、相関値をcor(j)は、
【数4】 であり、相関値が最大となるときの移動位置jをjmax
とすれば、(xc+jmax,yc)を中心としたとき、
胸郭内部平滑化画像P4の左右のプロファイルは最も相
関が高いため、x=xc+jmaxが画像P1の左右対称
軸になることがわかる。したがって、正規の基準中心点
は(xc+jmax,yc)となる。なお基準中心点のy
座標の適格性については後述する処理(#6)において
検討する。
【0040】次に胸郭内部平滑化画像P4を、図7に示
すように、基準中心点(xc+jmax,yc)に関し
て、極座標変換する(#5)。すなわち実画像平面にお
いて図6(2)のように表わされた胸郭内部平滑化画像
P4を、基準中心点(xc+jmax,yc)からの距離
rと、基準中心点(xc+jmax,yc)を通る下向き
ベクトルとのなす角度θとで表わした極座標変換画像P
5に変換する。
【0041】次に、この極座標変換画像P5を、基準と
なる胸郭の輪郭PA′およびPB′を表わす固定テンプ
レートT1、基準となる胸郭の肺野内側輪郭PC′およ
びPD′を表わす固定テンプレートT2、および基準と
なる胸郭の心臓左側輪郭PE′を表わす固定テンプレー
トT3をそれぞれ用いて第1のテンプレートマッチング
処理(#6)により、固定的に心胸郭の各輪郭PA,P
B,PC,PD,PEをそれぞれ検出する。ここで基準
となる心胸郭の輪郭PA′,PB′,PC′,PD′,
PE′は、臨床的に得られている多数の当該心胸郭の輪
郭の平均的なものであり、実画像平面上においては、心
胸郭の輪郭PA,PB,PC,PD,PEと略相似形で
あるが、極座標平面上では、例えば図8に示すように、
心胸郭の輪郭PA,PB,PC,PD,PEと略同一形
状であるが、主としてr方向に平行移動したものとして
表わされる。
【0042】そして、基準となる胸郭の輪郭PA′およ
びPB′を表わす固定テンプレートT1は、極座標平面
において10°間隔の複数の画素(胸郭座標(ri,θ
i)の集合として、図8(1)に示すように作成され、
基準となる肺野内側輪郭PC′,PD′を表わす固定テ
ンプレートT2は、極座標平面において10°間隔の複
数の画素(胸郭座標(ri,θi)の集合として、図8
(2)に示すように作成され、基準となる心臓左側の輪
郭PE′を表わす固定テンプレートT3は、極座標平面
において10°間隔の複数の画素(胸郭座標(ri,θ
i)の集合として、図8(3)に示すように作成され
る。
【0043】そして、この基準となる胸郭の輪郭PA′
およびPB′によるテンプレートT1を、極座標画像P
5上で上下左右に移動させて、テンプレートT1を構成
する各画素の値の総和値d(r,θ)(下記式(5))
が最大となるテンプレートT1の位置を求める。同様
に、基準となる肺野内側輪郭PC′およびPD′による
テンプレートT2を、極座標画像P5上で上下左右に移
動させて、テンプレートT2を構成する各画素の値の総
和値d(r,θ)が最大となるテンプレートT2の位置
を求め、心臓左側の輪郭PE′による固定テンプレート
T3を、極座標画像P5上で上下左右に移動させて、テ
ンプレートT3を構成する各画素の値の総和値d(r,
θ)が最大となるテンプレートT3の位置を求める。
【0044】
【数5】 なお、テンプレートT1〜T3の各移動範囲は、r方向
について±30画素程度、θ方向について±10°程度
であるがこれに限定されるものではない。また、上述し
た画素値総和値の計算に際しては、テンプレートTを構
成する画素ごとに、検出濃度値に重み付けをして算出し
てもよい。これは本実施形態の対象画像のように、実画
像平面における肺野下端部分PB′(図8の極座標平面
において、θが略0°〜略30°の範囲および略330
°〜略360°の範囲)の形状は大きな個人差があるた
め、テンプレートT1中の肺野下端部分PB′に相当す
る画素の値の重みを小さくするなど、肺野上部PA′で
の一致度を優先したマッチングを行なうことを可能にす
るためである。さらに、テンプレートT1〜T3をそれ
ぞれ構成する各画素に隣接する数画素の範囲Aでの最大
画素値をmax{g(ri+r,θi+θ)}として適用
して、下記式(6)による画素値総和値d(r,θ)が
最大となるテンプレートTの位置を求めるのが、より好
ましい。極座標画像P5における各輪郭PA,PB,P
C,PD,PEがテンプレートT1〜T3の形状と多少
異なっていても、正確に輪郭PA,PB,PC,PD,
PEを検出することができるからである。
【0045】
【数6】 なお、式(6)で表わされる画素値総和値d(r,θ)
の最大値dmaxについて、基準中心点(xc+jmax,y
c)のy座標をk画素ずつ移動させて新たな基準中心点
(xc+jmax,yc±k)をそれぞれ設定し、この新
たな基準中心点(xc+jmax,yc±k)をそれぞれ
中心とする極座標変換により、胸郭内部平滑化画像P4
をそれぞれ極座標変換して、新たな極座標変換画像P
5′を得、得られた新たな極座標変換画像P5′につい
ての上記画素値総和値の最大値dmaxが、最も大きくな
るときのy座標をnycとし、最終的に、基準中心点を
(nxc(=xc+jmax),nyc)として確定す
る。これにより最初に求めた基準中心点のy座標の適格
性が判定されたことになる。そして、基準中心点(nx
c,nyc)を中心として胸郭内部平滑化画像P4を極
座標変換して得られた極座標変換画像P5′を極座標表
示すれば、(nri(=ri+rmax),nθi(=θ
i+θmax))となる。ただし、rmaxおよびθmaxは、
上記画素値総和値の最大値dmaxが最も大きくなるとき
のテンプレートマッチングにより得られたr方向および
θ方向への各移動量を示す。
【0046】次に、固定テンプレートTにより求められ
た胸郭の輪郭を初期値として、詳細な輪郭の探索を行な
うために、所定の弾性テンプレートT1′〜T3′を用
いた第2のテンプレートマッチング処理(#7)を行な
う。この弾性テンプレートT1′〜T3′は、固定テン
プレートT1〜T3のようにその構成画素の全てが一体
的に移動するものではなく、個々の画素が隣接する画素
との間で、各画素の移動量rに応じた拘束力で拘束され
つつ独立してr方向に移動可能に設定された、仮想的な
バネ拘束を受けるテンプレートであり、テンプレート全
体があたかも弾性変形するように構成されている。
【0047】ここで弾性テンプレートT1′は極座標平
面においては、肺野下端の輪郭部分PB′(図8の極座
標平面において、θが略0°〜略30°の範囲および略
330°〜略360°の範囲)を除いた範囲で設定され
る(図10)。これは、肺野下端の輪郭部分PBについ
ては実画像平面で探索を行なう方が、探索が容易だから
である。
【0048】固定テンプレートT1により得られた胸郭
の輪郭をその初期値(弾性変形のない状態)として、弾
性テンプレートT1′を胸郭の極画像平面上に配置し
(図11(1))、この弾性テンプレートT1′を構成
する画素をそれぞれ独立して、r方向(図10において
上下方向)に移動させる。このとき弾性テンプレート
T′の各画素の移動量は以下のようにして求められる。
まず、各画素の周辺範囲(初期位置±r)において、各
画素値g(nri±r,nθi)と初期位置での画素値
g(nri,nθi)との差分を求める。このときrが
大きい位置における画素値からrが小さい位置における
画素値を差し引く。そして、この差分の総和を下記式
(7)により求める。
【0049】
【数7】 この画素値差分総和は、初期位置よりもrが大きい方向
に明るい(高画素値(低濃度))画素があれば正の値を
採り、初期位置よりもrが小さい方向に明るい(高画素
値(低濃度))画素があれば負の値を採ることを示して
いる。また、差分をrで除することにより、初期値に近
い画素の差分に重み付けを行うようにしている。すなわ
ち輪郭PAは周辺よりも明るいため、輪郭PAが初期位
置よりもrが大きい方向にあれば画素値総和は正の値を
採り、初期位置よりもrが小さい方向にあれば画素値総
和は負の値を採ることになり、この正または負の符号
が、初期位置から移動させる向きの指針を与え、その絶
対値により移動量の指針が与えられる。
【0050】そこで、テンプレートT′を構成する各画
素の移動量(向きを含む)rを、所定の係数bを用いて
下記式(8)のように定義する。
【0051】
【数8】 このようにして得られた各画素nの移動量rnは、各画
素を独立して移動させる移動量であるが、上述したよう
に、この弾性テンプレートT1′は、構成する各画素
が、周囲のテンプレートT1′の画素と拘束されている
ため、上述した移動量rでそのまま移動するのではな
く、隣接する画素(例えば、両隣りの画素(画素(n−
1)および画素(n+1))や、さらにその隣の画素ま
で含めた画素(画素(n−2)、画素(n−1)、画素
(n+1)および画素(n+2))等)の各移動量rk
(k=n,n±1,…)に応じて、下記式(9)により
決定される。
【0052】
【数9】 ここで、バネ定数akは、注目画素n自身については大
きく、周辺領域の画素n±1,…については順次小さく
設定するのが好ましい。つまり、式(9)において、
【数10】 であるから、注目画素nの移動量rnは、自身の移動量
rnと隣接画素の移動量rkとの差に応じた移動量とい
うことになり、仮想的な弾性力で拘束されていることに
なる。
【0053】以上のようにして、弾性テンプレートT′
の各画素を少しずつ移動させる動作を繰り返すことによ
り、胸郭paの輪郭PAのうち肺野下端部分を除いた輪
郭部分を、正確に検出することができる。なお、繰り返
しの終了は、移動量の総和値が所定のしきい値以下とな
るか、または所定の繰り返し回数に到達したかにより判
定する。
【0054】以上と同様に、固定テンプレートT2によ
り検出された肺野内側輪郭を初期位置として、固定テン
プレートT2を弾性テンプレートT2′に代え、固定テ
ンプレートT3により検出された心臓左側輪郭を初期位
置として、固定テンプレートT3を弾性テンプレートT
3′に代えて、肺野内側輪郭PC,PDおよび心臓左側
輪郭PEを、それぞれ正確に検出することができる。
【0055】一方、肺野下端の輪郭PBについては、図
12に示すように、実画像平面において、基準となる肺
野下端の輪郭PB′に対応する弾性テンプレートT1″
を用いて、胸郭内部平滑化画像P4を対象画像とした第
2のテンプレートマッチング処理を行なって、胸郭の肺
野下端に相当する輪郭部分PBを検出すればよい。な
お、肺野下端の輪郭PBの形状は前述したように個人差
が激しいだけでなく、信号値差の変動も激しいため、胸
郭内部平滑化画像P4を対象画像とするのに代えて、同
図に示すように平滑化画像P3を対象画像として、上記
第2のテンプレートマッチング処理を施すのが好まし
い。信号値差の変動程度を緩和することができ、弾性テ
ンプレートT1″による追従が比較的容易になるからで
ある。なお、この場合の移動量は、下記の式(10)、
(11)に示すように、図12の上下方向(y方向)に
おいて隣接する画素値の変化が最大となる画素に移動す
るように設定される。具体的には、高濃度の肺野から低
濃度の肺野の下の部分へ変化するエッジに向かって移動
するように設定される。
【0056】
【数11】 以上の処理により、各弾性テンプレートT1′〜T3′
およびT1″をそれぞれ構成する画素により、心胸郭の
輪郭PA,PB,PC,PD,PEがそれぞれ精度よく
検出されるが、最終的に、各弾性テンプレートT1′〜
T3′およびT1″をそれぞれ構成する各画素を、実画
像P1上に戻し、隣接する画素間を補間処理(線形補間
またはスプライン補間等)して、図13に示すように閉
曲線で接続する(#8)ことにより、心胸郭の輪郭P
A,PB,PC,PD,PEを輪郭曲線として抽出する
ことができる。
【0057】そして、得られた輪郭曲線PA,PBで囲
まれた領域を胸郭領域とし、輪郭曲線PC,PDおよび
PEで囲まれた領域を心臓領域とすればよい。
【0058】このように本実施形態の心胸郭の輪郭検出
方法によれば、検出対象である胸郭の輪郭PA,PB,
PC,PD,PEを極座標平面上で、基準となる胸郭の
輪郭PA′,PB′,PC′,PD′,PE′に基づい
た固定テンプレートT1〜T3を用いて、平行移動とい
う簡単な探索によるテンプレートマッチング処理で、容
易に検出することができ、さらに弾性テンプレートT
1′〜T3′およびT1″を用いたテンプレートマッチ
ング処理により、基準となる心胸郭の各輪郭PA′,P
B′,PC′,PD′,PE′と異なる形状部分があっ
ても、正確に追従して輪郭PA,PB,PC,PD,P
Eを検出することができる。
【0059】なお上述した本実施形態の心胸郭の輪郭検
出方法における各処理ステップ#1〜#8の全ての処理
または少なくとも一部の処理については、元の画像P1
に対して直接に処理を施すのではなく、元の画像P1を
縮小して得られた縮小画像P1′(図示せず)に対して
処理を施してもよい。各処理を迅速化することができる
からである。例えば元の画像P1として、縦1760画素×
横1760画素の大角画像を用いた場合、処理1,2(#
1,2)に先立って、この画像P1を、縦176画素×横1
76画素に縮小し、得られた縮小画像P1′に対して以下
の処理(#1〜#8)を行えばよい。
【0060】また、本実施形態の心胸郭の輪郭検出方法
においては、検出された心胸郭の輪郭PA,PB,P
C,PD,PEを単独で、または原画像P1にオーバー
レイとして重ねて、画像表示手段に表示したり、プリン
ターによりフイルムなどにプリントするようにしてもよ
い。
【0061】図14は、本発明の心胸郭比算出方法の一
実施形態の処理を示すフローチャートである。図示の心
胸郭比算出方法は、図1に示した実施形態の心胸郭の輪
郭検出方法を利用したものであり、処理1(#1)〜処
理8(#8)は、図1に示した処理と同一である。
【0062】すなわち、本実施形態の心胸郭比算出方法
は、前述した処理1(#1)〜処理8(#8)により検
出された心胸郭の輪郭PA,PB,PC,PD,PE
(図13)に基づいて、図15に示すように、心臓Pc
の幅L1と胸郭(右肺野Paおよび左肺野Pb)の幅L
2とをそれぞれ検出し(#9)、得られた心臓の幅L1
と胸郭の幅L2との比L1/L2を算出して(#10)
心胸郭比とする。なお、図15に示すように画像を中心
線Cを基準として左右の領域に分割し、各領域において
最大心臓幅a,bおよび最大胸郭幅La,Lbを検出
し、最大心臓幅a,bを加算して心臓の幅L1、最大胸
郭幅La,Lbを加算して胸郭の幅L2としてもよい。
【0063】なお、検出された心胸郭の輪郭PA,P
B,PC,PD,PEに基づいて、心臓Pcの幅L1お
よび胸郭の幅L2を求める処理(#9)は、検出された
心胸郭の輪郭を表わす画像の水平方向で最大となる心臓
の幅L1および胸郭の幅L2をそれぞれ求めることによ
って行われる。
【0064】本実施形態の心胸郭比算出方法によれば、
検出精度の高い心胸郭の輪郭検出処理(#1〜#8)に
より検出された心胸郭の輪郭に基づいて、心胸郭比を算
出するものであるため、正確な心胸郭比を自動的に算出
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の心胸郭の輪郭検出方法の一実施形態の
処理を示すフローチャート
【図2】図1に示した実施形態の心胸郭の輪郭検出方法
の処理対象となる胸部放射線画像を示す図
【図3】延在方向別輪郭検出マスク(a)と検出しうる
輪郭の延在方向(b)との一例を示す図
【図4】延在方向別エッジ検出マスク(a)と検出しう
るエッジの延在方向および濃度傾斜方向(b)との一例
を示す図
【図5】処理1(#1)により得られる概略輪郭画像P
2および処理2(#2)により得られる平滑化画像P3
を示す図
【図6】処理3(#3)により得られる胸郭内部平滑化
画像P4を示す図
【図7】処理5(#5)により得られる極座標変換画像
P5を示す図
【図8】極座標平面上における、基準となる胸郭の輪郭
PBを示す図
【図9】基準となる胸郭の輪郭PA′,PB′,P
C′,PD′,PE′に基づいた固定テンプレートT
1,T2,T3をそれぞれ示す図
【図10】極座標平面上における弾性テンプレートT
1′を示す図
【図11】弾性テンプレートT1′が輪郭PAの詳細な
形状に追従する処理を説明する図
【図12】実画像平面上における弾性テンプレートT
1″を示す図
【図13】実画像平面上における補間処理後の輪郭P
A,PB,PC,PD,PEを表す図
【図14】本発明の心胸郭比算出方法の一実施形態の処
理を示すフローチャート
【図15】心臓の幅L1および胸郭の幅L2を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C093 AA26 CA18 DA02 DA10 FF16 FF20 5B057 AA08 BA03 CA12 CA16 CB12 CB16 CD18 CE05 DA08 DA16 DB02 DC16 DC33 5L096 BA13 EA06 FA06 FA22 FA62 FA69 HA08 JA09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 胸部画像中における心胸郭の輪郭検出方
    法であって、 前記胸部画像中に基準中心点を決定し、 前記胸部画像を前記基準中心点に関して極座標変換し、 前記極座標変換して得られた極座標平面において、基準
    となる心胸郭の輪郭を極座標変換して得られたテンプレ
    ートを用いたテンプレートマッチング処理することによ
    り、前記心胸郭の輪郭を検出することを特徴とする心胸
    郭の輪郭検出方法。
  2. 【請求項2】 前記心胸郭の輪郭のうち、心臓と肺野と
    の境界をなす輪郭と、残りの輪郭とを、別個のテンプレ
    ートを用いて各別に前記テンプレートマッチング処理す
    ることを特徴とする請求項1記載の心胸郭の輪郭検出方
    法。
  3. 【請求項3】 前記極座標変換に先立って、前記胸部画
    像中の肺野内部を予め平滑化することを特徴とする請求
    項1または2記載の閉領域の輪郭検出方法。
  4. 【請求項4】 前記胸部画像に対して、それぞれ延びる
    方向が異なる直線輪郭のみを各別に検出する複数の輪郭
    検出マスクを用いた概略輪郭検出処理を施して概略輪郭
    画像を得、前記胸部画像に対して平滑化処理を施して平
    滑化画像を得、前記概略輪郭画像と前記平滑化画像とを
    乗じることにより、前記肺野内部の平滑化を行なうこと
    を特徴とする請求項3記載の閉領域の輪郭検出方法。
  5. 【請求項5】 前記テンプレートを用いたテンプレート
    マッチング処理の後に、前記テンプレートの各部分がそ
    れぞれ少なくとも隣接する部分との移動量に応じた拘束
    力で拘束されつつ移動可能に設定された、前記テンプレ
    ートを初期形状とする弾性テンプレートを用いて、さら
    にテンプレートマッチング処理することにより、前記輪
    郭を検出することを特徴とする請求項1から4のうちい
    ずれか1項に記載の閉領域の輪郭検出方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のうちいずれか1項に記
    載の心胸郭の輪郭検出方法により検出された心胸郭の輪
    郭に基づいて、心臓の幅と胸郭の幅とをそれぞれ求め、
    得られた前記心臓の幅と前記胸郭の幅との比を算出する
    ことを特徴とする心胸郭比の算出方法。
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