JP6164874B2 - 振動型駆動装置、および撮像装置 - Google Patents
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Description
従来において、このような振動型駆動装置として、例えば、特許文献1では図10に示すような構成の振動型駆動装置が提案されている。
図10において、ハウジング101に固定された振動体102は円環状をしており、弾性体102bの上部には複数の突起102dが全周にわたって設けられている。弾性体102bはステンレス鋼からなり、突起102dに耐久性を高めるための窒化処理をしている。
圧電セラミックス102aは、弾性体102bの底面に接着剤にて接着され、モータ駆動時に不図示の駆動回路により位相差を有する2つの交流電圧が印加され、進行性振動波を発生させる。
支持部103b及び接触部103cは、ばね性を有する厚みで形成されており、振動体102に対して安定した接触が可能となっている。
移動体103の上面にはばね受け部材106、加圧ばねゴム107cを介して加圧ばね107bが取付けられている。加圧ばね107bの内周部は出力軸108に焼嵌めされたディスク107aに取付けられており、移動体103の駆動力を出力軸108に伝達している。
ばね受け部材106は、制振ゴム106aと円環状の錘部材106bから構成されている。
これにより、移動体103に発生する不要な振動を防止し、騒音の発生や効率の低下を抑えており、振動型駆動装置の安定した駆動が実現している。
また、特許文献2では、振動型駆動装置の出力軸の一端部に冷却用のファンを固定し、移動体と一体に回転させ、振動体を冷却する振動型駆動装置の構成が提案されている。
すなわち、振動型駆動装置に投入される入力エネルギーのうち、出力エネルギーとして取り出されない損失エネルギーは、熱エネルギーに変換される。
しかし、振動型駆動装置を小型化・大出力化していくと、体積当たりの損失エネルギー発
生量及び表面積あたりの損失エネルギー発生量が大きくなる。そのため、振動型駆動装置の温度上昇が大きくなり、例えば弾性体102bと圧電セラミックス102aとの間の接着剤や、制振ゴム106aなどの振動型駆動装置の構成部材の機能を劣化させ、振動型駆動装置の性能が低下する恐れがあった。
これらに対処するため、従来は振動型駆動装置の外部に冷却ファンを設け、振動型駆動装置の駆動中の温度上昇を抑えていた。
しかし、外部に冷却ファンを設けると、振動型駆動装置とは別に冷却ファンを駆動するための電源が必要になり、また冷却ファンを設置するためのスペースが必要となるため、振動型駆動装置を使用する装置に制約が生じていた。
しかしながら、振動型駆動装置はDCモータやステッピングモータと異なり、歯車やベルトなどの減速機構を使わずに、もしくは低い減速比で被駆動部材を低速・高トルクで駆動している。そのため、振動型駆動装置と一体に回転する冷却ファンは回転数が低く、振動型駆動装置の温度上昇を抑えることができる十分な風量を発生することができない恐れがあった。
本発明の別側面の振動型駆動装置は、電気−機械エネルギー変換素子と、前記電気−機械エネルギー変換素子に固定され前記電気−機械エネルギー変換素子への電圧の印加により振動する振動体と、前記振動体と接触し回転する移動体と、を有する振動型駆動装置であって、冷却手段と、前記移動体の回転力を前記冷却手段に伝達する回転伝達部材と、を有し、前記冷却手段は、前記移動体よりも速い回転数で回転することが可能であり、前記回転伝達部材は、前記移動体と同じ回転数で回転する第1の回転伝達部材と、前記第1の回転伝達部材から回転力を伝達され回転する複数の第2の回転伝達部材と、前記複数の第2の回転伝達部材から回転力を伝達され前記冷却手段と一体的に回転する第3の回転伝達部材と、を有し、前記複数の第2の回転伝達部材は、前記移動体の回転方向に均等に設けられていることを特徴とする。
実施例1として、本発明を適用した冷却手段を備えた振動型駆動装置の構成例について、図1を用いて説明する。
本実施例の振動型駆動装置は、電気−機械エネルギー変換素子に固定され、該電気−機械エネルギー変換素子への電圧の印加により振動する振動体と、
前記振動体との加圧接触により摩擦駆動し、該摩擦駆動による回転力を出力軸に伝達する移動体と、を有している。
そして、移動体の回転力の伝達により該移動体よりも速い回転数で駆動することが可能なファンによる冷却手段が構成されている。
具体的には、図1に示すように、円環状に形成されており、振動体2と、この振動体と摩擦接触する移動体3を備えている。
振動体2は、電気量を機械量に変換する電気−機械エネルギー変換素子である圧電素子2aと、この圧電素子2aと結合された弾性体2bとによって形成されている。
そして、圧電素子2aに駆動電圧(交流電圧)を印加し、公知の技術により、振動体2に進行性の振動波により楕円運動を生じさせ、これによって移動体3を振動体2と摩擦駆動により相対的に回転させる。
突起部2dは、基部2cの外周側に沿って、弾性体2bの中心軸に対して同心円状に配置されている。突起部2dの移動体3側の面が移動体3との摺動面となっている。
弾性体2bは、金属製の弾性部材であり、本実施例ではステンレス鋼で形成されている。さらに、耐久性を高めるための硬化処理として、突起部2dの移動体3との摺動面を窒化処理している。
移動体3は、弾性部材で形成された円環状の本体部3a、支持部3b、及び振動体2の突起2dに摩擦接触する摺動面を有する接触部3cから構成されている。本実施例では、移動体3は焼入処理したステンレス鋼で形成されている。
支持部3b及び接触部3cは、ばね性を有する厚みで形成されており、振動体2に対して安定した接触が可能となっている。
移動体3の上面には、ばね受け部材6、加圧部材7が取付けられている。
ばね受け部材6は、制振ゴム6aと錘部材6bからなる。
制振ゴム6aは円環状であり、振動減衰性能が高いブチルゴムやシリコーンゴム等で形成されている。錘部材6bは円環状の弾性部材であり、本実施例では真鍮で形成されている。制振ゴム6aと錘部材6bにより、振動型駆動装置の駆動中に発生する移動体3の不要な振動の発生を抑え、振動型駆動装置の騒音や出力の低下を防止している。
加圧ばね7bの内周部は出力軸8に焼嵌めされたディスク7aに取付けられており、移動体3の駆動力を出力軸8に伝達している。
加圧ばねゴム7cはブチルゴムやクロロプレンゴム等で形成されている。加圧ばねゴム7cの弾性変形により、錘部材6bの加圧ばねゴム7cが設けられている面の平面度の影響を緩和している。そのため、加圧ばね7bからの加圧力が移動体3に回転方向のムラなく
均一に付与され、振動体2と移動体3の安定した接触が保たれている。
出力軸8は、ハウジング1に固定された外輪と、出力軸8の外周に嵌合した内輪とを有する一対の転がり軸受9a、9bによって回転自在に支持される。転がり軸受9aの内輪は、移動体3を振動体2に適切な力で加圧接触させるための加圧ばね7bの変位量分だけ予圧がかけられている。これにより、転がり軸受9aの径方向のがたが排除され、出力軸8の径方向の振れを抑えることができる。
出力軸8には、ファン5が回転自在に係合されており、ファン5と移動体3との間に回転伝達部材4が設けられている。
また、図3に図1に示す振動型駆動装置の一部を拡大した斜視図を示す。
図2、図3において、回転伝達部材4は、第1の回転伝達部材4a、第2の回転伝達部材4b及び第3の回転伝達部材4cから構成されている。
第1の回転伝達部材4aは、振動型駆動装置の内周側に向かって歯車が形成されている内歯車形状をしており、移動体3の本体部3aに一体的に形成されている。
第2の回転伝達部材4bは、2つの遊星歯車4dと保持枠4eから構成されており、本実施例では夫々樹脂材料で形成されている。
2つの遊星歯車4dは、第1の回転伝達部材4aと夫々かみ合うように歯車が形成されている。
保持枠4eは、固定ねじ9dによってハウジング1に締結されており、2つの遊星歯車4dを回転自在に保持し、2つの遊星歯車4dが振動型駆動装置の回転方向に均等に配置されるように形成されている。
第3の回転伝達部材4cは、出力軸8に対して回転自在に係合しており、2つの遊星歯車4dと夫々かみ合うように歯車が形成されている。
本実施例では、第3の回転伝達部材4cは樹脂材料で形成されており、ファン5と一体的に駆動できるように、第3の回転伝達部材4cはファン5と接着剤等で結合されている。これにより、移動体3が回転すると、移動体3に一体的に形成された第1の回転伝達部4aが移動体3と同じ回転数で駆動し、その回転が第2の回転伝達部材4bの2つの遊星歯車4dを介して第3の回転伝達部材4cを駆動し、ファン5が回転する。
そのため、移動体3の回転が増速されてファン5に伝達され、ファン5は移動体3とは反対方向に回転する。
その増速比は第1の回転伝達部材4aと第3の回転伝達部材4cの歯車の歯数の比で決まり、本実施例では、歯数の比が5対1になるように夫々歯車を形成している。
これにより、ファン5は移動体3よりも5倍速い回転数で駆動することが可能となる。
また、ファン5は出力軸8とは回転自在に係合しているため、移動体3とともに回転する出力軸8の回転に影響を与えることなくファン5が高速に回転できるようになる。これにより、振動型駆動装置の出力軸8を介して駆動される被駆動部材を低速で安定的に駆動しながら、ファン5は高速に回転し、振動型駆動装置の温度上昇を抑えることができる風量を発生するファンによる冷却手段を構成することが可能となる。
また、十分な風量をファン5が発生できるようになるため、従来構造のように振動型駆動
装置の外部に別途冷却ファンを設ける必要が無いため、冷却ファンを駆動するための電源や、設置のためのスペースが不要となる。
さらに、回転伝達部材4及びファン5は、移動体3の回転内周側で、かつ加圧部材7よりもハウジング1側に設けられているため、振動型駆動装置の大きさを変えることなく振動型駆動装置の冷却が可能となっている。
なお、本実施例においては、第1の回転伝達部材4aは移動体3の本体部3aに一体的に形成されている。
しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではない。
例えば、図4に示すように、第1の回転伝達部材14aが移動体13の本体部13aとは別部材で形成されており、第1の回転伝達部材14aと移動体13とは、接着剤等で結合されてもよい。
これにより、移動体13が回転すると、第1の回転伝達部材14aが移動体13と同じ回転数で駆動し、その回転が回転伝達部材14aによって増速され、不図示のファンが移動体13よりも速い回転数で駆動する。
よって、振動型駆動装置の損失による温度上昇を抑制し、振動型駆動装置の駆動性能の劣化を低減することが可能となる。
さらに、第1の回転伝達部材14aは移動体13とは別部材であるため、樹脂成型で形成できるため、移動体に第1の回転伝達部を一体的に形成する場合に比べ、加工が容易で、コスト削減や製作時間の短縮を図ることができる。
さらに、本実施例においては、第2の回転伝達部材4bは2つの遊星歯車4dで構成されているが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。
例えば、3つの遊星歯車で構成されるなど、2つ以上の遊星歯車で構成し、かつ増速されるように回転伝達部材4の歯数を形成すれば、本発明により同様の効果が得られる。
また、本実施例においてファン5を1つ設けたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、冷却効果を高めるために、振動型駆動装置の回転軸と同軸上にファン5を複数段重ねて設けても良い。
実施例2として、上記した実施例1とは異なる形態の振動型駆動装置の構成例について、図5、図6を用いて説明する。
本実施例の振動型駆動装置は、回転伝達部材を図5に示す構造とした点において、実施例1のものと構成が相違する。
本実施例のその他の要素(振動体、移動体等)は、上述した実施例1の対応するものと同一なので、説明を省略する。
なお、本実施例の図5に示す構成は、図1に対応しており、本実施例の図6に示す構成は図3に対応している。
図5は、本実施例における振動型駆動装置の断面図であり、図6は、図5に示す振動型駆動装置の一部を拡大した斜視図である。
ばね受け部材26は、制振ゴム26aと真鍮で形成された錘部材26bから構成されている。
錘部材26bには、振動型駆動装置によって駆動される被駆動部材との連結部26cが設けられており、連結部26cはネジ穴やピン穴等で形成されている。
加圧部材27は、ディスク27aと加圧ばね27b、加圧ばねゴム27c、及び止め輪27dからなる。
加圧ばね27bの内周部は、ハウジング21から延出した固定軸21aに回転自在に係合しているディスク27aに取付けられている。
ディスク27aは、移動体23を振動体22に適切な力で加圧接触させるために、Eリング等の止め輪27dによって回転軸方向の位置が規制されている。
ハウジング21の固定軸21aには、ファン25が回転自在に係合されており、ファン25と移動体23との間に回転伝達部材24が設けられている。
回転伝達部材24は、第1の回転伝達部材24a、第2の回転伝達部材24b及び第3の回転伝達部材24cから構成されており、夫々樹脂材料で形成されている。
第2の回転伝達部材24b−1は、2つの遊星歯車24d−1と保持枠24e−1から構成されている。
2つの遊星歯車24d−1は、第1の回転伝達部材24a−1と夫々かみ合うように歯車が形成されている。保持枠24e−1は、固定ねじ29dによってハウジング21に締結されており、2つの遊星歯車24d−1を回転自在に保持し、2つの遊星歯車24d−1が振動型駆動装置の回転方向に均等に配置されるように形成されている。
第3の回転伝達部材24c−1は、ハウジング21の固定軸21aに対して回転自在に係合しており、2つの遊星歯車24d−1と夫々かみ合うように歯車が形成されている。
第2の回転伝達部材24b−2は、2つの遊星歯車24d−2と保持枠24e−2から構成されている。
2つの遊星歯車24d−2は、第1の回転伝達部材24a−2と夫々かみ合うように歯車が形成されている。
保持枠24e−2は、固定軸21aに固定されており、2つの遊星歯車24d−2を回転自在に保持し、2つの遊星歯車24d−2が振動型駆動装置の回転方向に均等に配置されるように形成されている。
第3の回転伝達部材24c−2は、固定軸21aに対して回転自在に係合しており、2つの遊星歯車24d−2と夫々かみ合うように歯車が形成されている。また、ファン25と一体的に駆動できるように、第3の回転伝達部材24c−2はファン25と接着剤等で結合されている。
そして、その回転が第2の回転伝達部材24b−1の2つの遊星歯車24d−1を介して第3の回転伝達部材24c−1を駆動し、第3の回転伝達部材24c−1に結合された第1の回転伝達部材24a−2を駆動する。
さらに、その回転が第2の回転伝達部材24b−2の2つの遊星歯車24d−2を介して第3の回転伝達部材24c−2を駆動し、ファン25が回転する。
ここで、回転伝達部材24は、いわゆる多段式の遊星歯車機構のように構成されている。1段目の遊星歯車機構の内歯車として第1の回転伝達部材24a−1、遊星歯車として第2の回転伝達部材24b−1の2つの遊星歯車24d−1、及び太陽歯車として第3の回
転伝達部材24c−1が夫々機能している。
また、2段目の遊星歯車機構の内歯車として第1の回転伝達部材24a−2、遊星歯車として第2の回転伝達部材24b−2の2つの遊星歯車24d−2、及び太陽歯車として第3の回転伝達部材24c−2が夫々機能している。
そして、保持枠24e−1、24e−2は回転方向に固定されているため、2つの遊星歯車24d−1及び24d−2は自転のみで公転せず、いわゆるスター型の遊星歯車機構となっている。
そのため、移動体23の回転が増速されてファン25に伝達され、ファン25は移動体23と同じ方向に回転する。
その増速比は1段目と2段目の遊星歯車機構の増速比の積で決まり、本実施例では、夫々の遊星歯車機構で増速比が5対1になるように歯車を形成している。
これにより、ファン25は移動体23よりも25倍速い回転数で駆動することが可能となる。
よって、振動型駆動装置の連結部26cを介して駆動される被駆動部材を低速で安定的に駆動しながら、ファン25は高速に回転し、振動型駆動装置の温度上昇を抑制し、振動型駆動装置の駆動性能の劣化を低減することが可能となる。
これにより、従来よりも低速で駆動する振動型駆動装置に対しても、十分な風量をファン25が発生できるようになり、振動型駆動装置の損失による温度上昇を抑制し、振動型駆動装置の駆動性能の劣化を低減することが可能となる。
さらに、移動体23と同じ回転数で駆動する第1の回転伝達部材24a−1は、制振ゴム26aを介して移動体23の上面に設けられた錘部材23bに結合されている。
このため、回転伝達部材24やファン25の加工誤差や組立誤差によってファン25の駆動時に生じる偏心や振動の影響を制振ゴム26aによって抑制し、移動体23の安定した駆動が可能となる。
また、第1の回転伝達部材24a−1は錘部材23bとは別部材であるため、難しい歯車の加工を錘部材に行う必要がなく、内歯車形状を樹脂成型で形成できるため、加工が容易で、コスト削減や製作時間の短縮を図ることができる。
なお、本実施例において回転伝達部材24を2段の遊星歯車機構のように構成したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、3段以上設けてさらに増速比を増してもよい。
実施例3として、上記した各実施例とは異なる形態の振動型駆動装置の構成例について、図7、図8を用いて説明する。
本実施例の振動型駆動装置は、回転伝達部材及びファンを図7に示す構造として点において、上記各実施例のものと構成が相違する。
本実施例のその他の要素(振動体、移動体等)は、上記各実施例の対応するものと同一なので、説明を省略する。
なお、本実施例の図7に示す構成は、図1、図5に対応しており、本実施例の図8に示す構成は図3、図6に対応している。
図7は、本実施例における振動型駆動装置の断面図であり、図8は、図7に示す振動型駆動装置の一部を拡大した斜視図である。
加圧部材37は、ディスク37aと加圧ばね37b、加圧ばねゴム37c、及び止め輪37dからなる。
加圧ばね37bの内周部は、ハウジング31から延出した固定軸31aに回転自在に係合しているディスク37aに取付けられている。
ディスク37aは、移動体33を振動体32に適切な力で加圧接触させるために、Eリング等の止め輪37dによって回転軸方向の位置が規制されている。
ハウジング31の固定軸31aには、シロッコファン等の遠心ファン35が回転自在に係合されており、遠心ファン35の内周側に回転伝達部材34が設けられている。
回転伝達部材34は、第1の回転伝達部材34a、第2の回転伝達部材34b及び第3の回転伝達部材34cから構成されており、夫々樹脂材料で形成されている。
第1の回転伝達部材34aは、内歯車形状をしており、加圧部材37のディスク37aに接着剤等で結合されるとともに、固定軸31aに対して回転自在に係合している。そのため、ディスク37aと第1の回転伝達部材34aは一体的に回転する。
2つの遊星歯車34dは、第1の回転伝達部材34aと夫々かみ合うように歯車が形成されている。
保持枠34eは、固定軸31aに固定されており、2つの遊星歯車34dを回転自在に保持し、2つの遊星歯車34dが振動型駆動装置の回転方向に均等に配置されるように形成されている。
第3の回転伝達部材34cは、固定軸31aに対して回転自在に係合しており、2つの遊星歯車34dと夫々かみ合うように歯車が形成されている。
また、遠心ファン35と一体的に駆動できるように、第3の回転伝達部材34cは遠心ファン35と接着剤等で結合されている。
これにより、移動体33が回転すると、ばね受け部材36を介して加圧部材37のディスク37aが回転し、ディスク37aに結合された第1の回転伝達部材34aが移動体33と同じ回転数で駆動する。
そして、その回転が第2の回転伝達部材34bの2つの遊星歯車34dを介して第3の回転伝達部材34cを駆動し、遠心ファン35が回転する。
よって、振動型駆動装置の連結部36cを介して駆動される被駆動部材を低速で安定的に駆動しながら、遠心ファン35は高速に回転し、振動型駆動装置の温度上昇を抑制し、振動型駆動装置の駆動性能の劣化を低減することが可能となる。また、移動体33と同じ回転数で駆動する第1の回転伝達部材34aは、制振ゴム36及び加圧ばねゴム37cを介してディスク37aに結合されている。
このため、回転伝達部材34や遠心ファン35の加工誤差や組立誤差によって遠心ファン35の駆動時に生じる偏心や振動の影響を制振ゴム36a及び加圧ばねゴム37cによって抑制し、移動体33の安定した駆動が可能となる。
さらに、増速して駆動するファンをシロッコファン等の遠心ファン形状で形成したため、振動型駆動装置の内周側から外周側の方向に空気の流れを発生させ、振動体32及び移動体33の接触部を効率よく空冷することが可能となる。
これにより、振動型駆動装置の駆動中の温度分布において最も高温になる接触部の冷却効率が上がり、振動型駆動装置の損失による温度上昇をさらに抑制し、振動型駆動装置の駆動性能の劣化を低減することが可能となる。
空気の流れが変化し、異音が発生する場合がある。
さらに、この周期的な空気の流れの変化は、複数の突起部間の間隙及び羽根において同時に発生する恐れがあり、同時に多数の空気の流れが変化すると、大きな異音が発生する。そのため、突起部間の間隙の数(突起の数)と遠心ファン35の羽根の数とが互いに整数倍とならないように構成することにより、周期的な空気の流れの変化が同時に発生することを低減することができる。
また、突起部間の間隙の数(突起の数)と遠心ファン35の羽根の数とが互いに素となるように構成することにより、さらに周期的な空気の流れの変化の発生を抑制し、異音を低減することが可能となる。
本実施例では、振動体32の突起部間の間隙の数(突起の数)を44、遠心ファン35の羽根の数を25となるように形成した。
これにより、振動体32の突起部間の間隙の数と遠心ファン35の羽根の数とが、1と−1以外に共通の約数を持たないように構成される互いに素の関係となり、周期的な空気の流れの変化の発生を抑制し異音を低減することが可能となる。
実施例4として、上記した各実施例とは異なる形態の振動型駆動装置の構成例について、図9を用いて説明する。
本実施例の振動型駆動装置は、回転伝達部材を図9に示す構造とした点において、上記各実施例のものと構成が相違する。
本実施例のその他の要素(振動体、移動体等)は、上記各実施例に対応するものと同一なので、説明を省略する。なお、本実施例の図9に示す構成は、図3、図6、図8に対応している。図9は、本実施例における振動型駆動装置の一部を拡大した斜視図である。
第2の回転伝達部材44bは、4つの歯車44dと保持枠44eから構成されており、4つの遊星歯車44dは、第1の回転伝達部材44aと夫々かみ合うように歯車が形成されている。保持枠44eは、振動体42のフランジ部に振動を阻害しないように取り付けられており、4つの遊星歯車44dを回転自在に保持している。
4つの歯車44dには、不図示の4つファンと夫々接着剤等で結合されており、移動体43が回転すると、第1の回転伝達部材44aが移動体43と同じ回転数で駆動し、その回転が第2の回転伝達部材44bの4つの歯車44dを駆動し、4つのファンが回転する。第1の回転伝達部44aと第2の回転伝達部材44bの4つの歯車44dの歯車の歯数は、ファンが増速するように形成されている。これにより、不図示のファンは移動体43よりも高速に駆動することが可能となり、振動型駆動装置の温度上昇を抑えることができる風量を発生することが可能となる。
以上に説明したように、本発明の上記各実施例の構成によれば、振動型駆動装置の損失による温度上昇を抑制し、振動型駆動装置の駆動性能の劣化を低減することが可能となる。
2:振動体
2a:圧電素子
3:移動体
4:回転伝達部
5:ファン
6:ばね受け部材
7:加圧部材
8:出力軸
Claims (17)
- 電気−機械エネルギー変換素子と、前記電気−機械エネルギー変換素子に固定され前記電気−機械エネルギー変換素子への電圧の印加により振動する振動体と、前記振動体と接触し回転する移動体と、を有する振動型駆動装置であって、
冷却手段と、前記移動体の回転力を前記冷却手段に伝達する回転伝達部材と、を有し、
前記冷却手段は、前記移動体よりも速い回転数で回転することが可能であり、
前記冷却手段および前記回転伝達部材は、前記移動体の回転内周側に設けられていることを特徴とする振動型駆動装置。 - 電気−機械エネルギー変換素子と、前記電気−機械エネルギー変換素子に固定され前記電気−機械エネルギー変換素子への電圧の印加により振動する振動体と、前記振動体と接触し回転する移動体と、を有する振動型駆動装置であって、
冷却手段と、前記移動体の回転力を前記冷却手段に伝達する回転伝達部材と、を有し、
前記冷却手段は、前記移動体よりも速い回転数で回転することが可能であり、
前記回転伝達部材は、前記移動体と同じ回転数で回転する第1の回転伝達部材と、前記第1の回転伝達部材から回転力を伝達され回転する複数の第2の回転伝達部材と、前記複数の第2の回転伝達部材から回転力を伝達され前記冷却手段と一体的に回転する第3の回転伝達部材と、を有し、
前記複数の第2の回転伝達部材は、前記移動体の回転方向に均等に設けられていることを特徴とする振動型駆動装置。 - 前記冷却手段はファンを有することを特徴とする請求項1または2に記載の振動型駆動装置。
- 前記冷却手段および前記回転伝達部材は、前記移動体の回転内周側に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の振動型駆動装置。
- 前記回転伝達部材は、歯車を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の振動型駆動装置。
- 前記回転伝達部材は、前記移動体と同じ回転数で回転する第1の回転伝達部材と、前記第1の回転伝達部材から回転力を伝達され前記冷却手段と一体的に回転する第2の回転伝達部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の振動型駆動装置。
- 前記回転伝達部材は、前記移動体と同じ回転数で回転する第1の回転伝達部材と、前記第1の回転伝達部材から回転力を伝達され回転する第2の回転伝達部材と、前記第2の回転伝達部材から回転力を伝達され前記冷却手段と一体的に回転する第3の回転伝達部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の振動型駆動装置。
- 前記第1の回転伝達部材は、前記移動体に設けられていることを特徴とする請求項2、6、7のいずれか1項に記載の振動型駆動装置。
- 前記第1の回転伝達部材は、前記移動体と別部材であり、前記移動体に結合されていることを特徴とする請求項2、6、7のいずれか1項に記載の振動型駆動装置。
- 前記第2の回転伝達部材は、少なくとも2つ以上設けられていることを特徴とする請求項7に記載の振動型駆動装置。
- 前記第2の回転伝達部材は、前記移動体の回転方向に均等に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の振動型駆動装置。
- 前記第1の回転伝達部材を構成する歯車と前記第2の回転伝達部材を構成する歯車の比が、前記冷却手段を前記移動体よりも速い回転数で回転することが可能な増速比に設定されていることを特徴とする請求項6に記載の振動型駆動装置。
- 前記第1の回転伝達部材を構成する歯車と前記第3の回転伝達部材を構成する歯車の比が、前記冷却手段を前記移動体よりも速い回転数で回転することが可能な増速比に設定されていることを特徴とする請求項7に記載の振動型駆動装置。
- 前記振動体は、前記移動体との接触側に複数の突起部が設けられており、該複数の突起部間の間隙の数と前記ファンを構成する羽根の数とが、互いに整数倍とならないように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の振動型駆動装置。
- 前記複数の突起部間の間隙の数と前記ファンを構成する羽根の数とが、互いに素であることを特徴とする請求項14に記載の振動型駆動装置。
- 前記ファンは遠心ファンであることを特徴とする請求項3、14、15のいずれか1項に記載の振動型駆動装置。
- レンズと、前記レンズを駆動する請求項1から16のいずれか1項に記載の振動型駆動装置と、を有することを特徴とする撮像装置。
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