JP6164416B2 - 導電性接着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性粒子とバインダー成分及び複数の揮発性溶剤などを含んでなる導電性接着剤組成物に関するものであり、特に各種端子間を接続する目的に好適に用いられる異方導電性接着剤組成物に関するものである。
異方導電性接着剤(Anisotropic Conductive Paste、以下、ACPとも呼ぶことがある)は、絶縁性結着剤中に導電粒子を均一分散させた材料であり、フレキシブルプリント配線基板(以下、FPCと呼ぶことがある)、ガラス基板、半導体チップなどに形成された端子の接続、より詳しくは、対向する電極間の電気的接続と、隣接する電極間の絶縁性確保、ならびに各電極を固定する目的で使用されている。
このような材料の特徴として、導通を取るべき部材への適用が容易であるため、生産性が良好である。また電極部間を予め位置合わせしたうえで、加熱圧着することにより各電極を選択的に接続することができるため、ACPの塗膜を形成したFPCの状態で輸送することも可能となる。なお部材への適用方法としては、ディスペンス塗布やスクリーン印刷など、適用する部材の形状、ACPの粘度、揮発性等の特性等に合わせて、適切なものを選択することができる。
前記ACPで接続された電子部品の接続信頼性は、次の試験方法などで評価される。接着力を確認する方法:ACPで接着させた試験片を加熱した状態で加重をかけるクリープ試験、電気接続性を確認する方法:ACPで接続した回路の抵抗値の測定など。また前記抵抗値の初期値と高温静置後の値との比較や、ヒートサイクル試験後の値との比較などによっても、導通の安定性を確認することがある。
前記ACPの具体的な例として、特許文献1には、アクリル系接着剤中に粒状銀粒子を均一に混合したものを用い、部材間で圧着した際、異方導電性が発現していることを報告している。また特許文献2には、ゴムを溶剤に溶かしたビヒクルを結着剤に使用することが報告されている。その他にもエラストマー、熱可塑性樹脂などを結着剤として用いた、化学反応を伴わない非反応型のACP組成物が知られている。
これら非反応型の、溶剤を揮発させて形成させるタイプのACPは、所望の特性に合わせて好適な原料を組み合わせることができるため、設計の自由度は高い。たとえば印刷に要する時間に合わせた流動性を確保する目的で、溶剤の種類を組み合わせることにより揮発性を調整することができる。反面、非反応型ACPよりなる硬化体は、所謂ホットメルト型接着剤であるため、加熱圧着しても反応型接着剤より接着力が一般に低い。初期接着性が発現したものであっても、信頼性試験には耐えることができない。剥離試験用のテストピースを剥離方向に加重をかけた状態で加熱静置するクリープ試験では、軟質化して被着体が剥離する事が多い。
他方で信頼性向上を目的とした、無溶剤型・反応型のACPも提案されている。例えば、特許文献3にはエポキシ樹脂を使用したACPが、特許文献4にはウレタン樹脂を使用したACPが記載されている。ところで近年では、FPCの材質としてポリエチレンテレフタレート(PET)等が使用されているため、被着体の耐熱性は必ずしも十分なものではない。そのため、前記のような化学反応型のACPにおいては、反応が開始する温度まで加熱することが困難となり、また反応を完全完結させるための時間を確保すると生産性の低下を招来することになる、という問題を有している。
上述の問題を解決するため、特許文献5においては、非反応型でありながら、高い凝集力を有するACPに関する技術が提案されている。該技術は、酸化マグネシウムまたは酸化亜鉛を吸着させたフェノール樹脂を、非反応型ACP組成物の系中に含めることにより、特に耐熱クリープ性が向上していることを呈示している。
特開昭51−1099367号公報 特開平5−247424号公報 特表平8−511570号公報 特開昭61−47760号公報 特開2012−174448号公報
非反応型の系では、結着剤は固化後の凝集力を確保するためにある程度分子量が大きくならざるを得ず、従って固化前の状態は高い粘度になってしまう。ACPをスクリーン印刷で部材に適用するには、ある程度低粘度である必要がある。そこでACPの粘度を下げるためには、溶剤の含有率を増やして希釈することにより実現できるが、結着剤の含有率が低いものでは凝集力が不十分であり、接続信頼性を確保できない、という問題がある。
発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、結着剤に熱可塑性エラストマーを用いた非反応性型のACPにおいて、特定の溶剤の組合せを組成物中に含ませることにより、スクリーン印刷性と接続信頼性を両立できることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の構成は次の通りである。
本発明の第一の実施態様は、以下の(A)〜(D)成分を少なくとも含み、スクリーン印刷によって部材に適用する導電性接着剤組成物である。
(A)熱可塑性エラストマー
(B)導電性粒子
(C)沸点または初留点が190℃以上であり、芳香族構造と脂肪族アルコール構造の両者を有する有機溶剤:前記(A)成分100質量部に対し、100〜500質量部
(D)沸点または初留点が190℃以上であり、シクロパラフィン系炭化水素、パラフィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素から選ばれる1種以上の有機溶剤:前記(A)成分100質量部に対し、10〜150質量部。
第二の実施態様は、前記(A)成分がポリアミド、ポリウレタン、ポリエステルから選ばれる少なくとも一つである導電性接着剤組成物である。
第三の実施態様は、前記(C)成分がベンジルアルコール、1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、1−メチルベンジルアルコール、2−メチルベンジルアルコール、3−メチルベンジルアルコール、2,3−ジメチルベンジルアルコール、2,4−ジメチルベンジルアルコール、2,5−ジメチルベンジルアルコール、2,6−ジメチルベンジルアルコール、3,4−ジメチルベンジルアルコール、3,5−ジメチルベンジルアルコール、α,2−ジメチルベンジルアルコール、α,3−ジメチルベンジルアルコール、α,4−ジメチルベンジルアルコールから選ばれる1種以上の有機溶剤である導電性接着剤組成物である。
第四の実施態様は、前記(D)成分が炭素数9〜16のシクロパラフィン系炭化水素を含んで成る有機溶剤である導電性接着剤組成物である。
第五の実施態様は、前記(B)成分が、前記(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部含有するものである導電性接着剤組成物である。
第六の実施態様は、前記(B)成分が有機粒子をコアとして、Au,Pt,Pd,Ag,Cu,Niから選ばれる一種以上の金属をメッキしてなるものである導電性接着剤組成物である。
第七の実施態様は、前記導電性接着剤組成物が異方導電性接着剤として用いられる、導電性接着剤組成物である。
第八の実施態様は、前記の異方導電性接着剤組成物をスクリーン印刷により適用し、前記(C)及び(D)を揮発させてなるFPCである。
第九の実施態様は、前記の異方導電性接着剤組成物をFPCにスクリーン印刷により適用し、前記(C)及び(D)を揮発させて接合部を形成させる、電極形成方法である。
本発明の導電性接着剤組成物を用いることにより、塗工時の作業性、特にスクリーン印刷で塗工を行う際の印刷性を向上させることができる。
図1はスクリーン印刷時の導電性接着剤組成物の推定挙動を模式的に示した断面図である。 図2は接着特性を評価する際に用いた試験片の形状である。 図3は導電特性を評価する際に用いた試験片の形状である。
以下より本発明の実施態様について、詳細に説明する。
本発明の導電性接着剤組成物で用いる(A)成分は、接着剤組成物においてバインダーとして作用する成分である。該(A)成分に用いる材料としては、任意の熱可塑性エラストマーを選択できる。例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、ポリウレア樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ゴム、フェノール樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン飽和共重合体、スチレン−イソプレン飽和共重合体、スチレン−エチレン−ブテン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体などより適宜選択することができる。
本発明において特に好ましい(A)成分としては、耐熱特性ならびに柔軟性の観点から、ポリウレタン樹脂またはポリアミド樹脂が好適である。
本発明の導電性接着剤組成物で用いる(B)成分は、電極間を電気的に接続する上で通電材料として作用する成分である。該(B)成分に用いる材料としては、公知の導電性粒子を用いることができる。例えば、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金、錫、ビスマス、等の金属から選ばれる1種以上からで構成される金属粒子、またはこれらを複数種組み合わせてなる合金粒子、あるいは前記金属を被覆層として表面を被覆してなる有機ポリマー粒子、セラミック粒子、有機−無機ハイブリッド粒子などより適宜選択することができる。
本発明において好ましい(B)成分としては、導電性接着剤組成物として用いたときの特性より、有機ポリマー粒子表面を金属で被覆してなる粒子が好ましく、特に好ましくは金、銀、銅、白金、パラジウムまたはニッケルのいずれか1種以上で被覆した有機ポリマー粒子が好適である。また該(B)成分は、接続する基板の電極間におけるピッチ幅や電極の厚さにより好適な粒径のものを使い分けることができる。例えば、ピッチ幅が狭くなる程平均粒径が小さいものを使用することが好ましく、本発明において好ましい平均粒径は、1〜50μmの範囲にあるもので、中でも粒度測定器で測定した際の粒度分布がシャープなものが特に好ましい。
該(B)成分の添加量は本発明では限定されるものではないが、前記(A)成分の添加量を100質量部とした場合、0.1〜20質量部、より望ましくは0.5〜15質量部の範囲とすることが好ましい。該成分が0.1質量部未満の場合、安定した導通性を得ることが難しく、他方で20質量部を超えると、粒子同士の接触確率が増え、特に異方導電性接着剤として用いる場合には異方導通性が損なわれる虞がある。
本発明の導電性接着剤組成物で用いる(C)成分は、前記(A)、(B)成分を希釈または溶解させるとともに、適度な揮発性、有機材料に対する溶解性により導電性接着剤組成物の塗工作業性を向上させるものである。具体的に必要な特性としては、沸点または初留点が190℃以上であり、芳香族構造と脂肪族アルコール構造の両者を有する有機溶剤である。
上記特性を満たす化合物としては特に制限はなく、例えばベンジルアルコール、1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、1−メチルベンジルアルコール、2−メチルベンジルアルコール、3−メチルベンジルアルコール、2,3−ジメチルベンジルアルコール、2,4−ジメチルベンジルアルコール、2,5−ジメチルベンジルアルコール、2,6−ジメチルベンジルアルコール、3,4−ジメチルベンジルアルコール、3,5−ジメチルベンジルアルコール、α,2−ジメチルベンジルアルコール、α,3−ジメチルベンジルアルコール、α,4−ジメチルベンジルアルコールから選ばれる有機溶剤などより適宜選択することができる。
本発明において好ましい(C)成分としては、前記(A)成分の分散性、臭気、後述の(D)成分との相性から、ベンジルアルコール、2−フェニルエタノール1−メチルベンジルアルコール、2−メチルベンジルアルコール、3−メチルベンジルアルコールが特に好適である。
該(C)成分の添加量は、前記(A)成分の添加量を100質量部とした場合、100〜500質量部、より望ましくは200〜400質量部の範囲とする。該成分が100質量部未満の場合、前記(A)成分の溶解性が不十分となって塗工時の作業性低下に繋がり、他方で500質量部を超えると、後述の(D)成分が作用を発揮できず塗工時の作業性に問題を生じることとなる。
本発明の導電性接着剤組成物で用いる(D)成分は、前記(C)成分と組み合わせることにより本発明の作用を奏する希釈剤である。具体的に必要な性状としては、沸点または初留点が190℃以上であり、シクロパラフィン系炭化水素、パラフィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素から選ばれる1種以上の有機溶剤である。
ここで該(D)成分は、前記(C)成分とは相溶するが、前記(A)成分は十分には溶解しないものであり、前記(A)〜(C)の各成分を所定の混合比で混合攪拌した組成物とした際に、組成物の相が強固に相互作用し、一定の流動性を保った状態で貯蔵容器や塗布機等の接触面とはほとんど相互作用しない状態となる。より具体的に説明すると、前記組成物をガラスやセラミック、あるいはプラスティックなどの容器内に適量入れ、これを攪拌棒で攪拌した場合、組成物はほとんど壁面に付着することなく、攪拌されることとなる。但しこの際の組成物と容器壁面との関係は、組成物が所謂ぬれていない状態でなく、壁面と低い接触角で接しているものの、攪拌棒の攪拌に引っ張られ、速やかに壁面から離脱する、という性状を示す。このような特性から、本発明の組成物を基材に塗工する際、例えばスクリーン印刷等の手段を用いての塗工においては、容器や装置、或いは印刷スクリーンにほとんど付着されず、従って極めて良好な作業性をもたらすものとなる。
前記現象が生じる具体的なメカニズムは不明であるが、次のように推測される。すなわち、前記各成分を混合した際、前記(A)成分対してまず前記(C)成分が溶媒和して、この分子間を離間させる。次に前記(D)が溶媒和した前記(A)成分間を満たしてこれをさらに希釈することとなる。前記(A)成分はその表面が前記(C)成分により覆われており、容器等の表面に存在する官能基と相互作用することができず、組成物内での相互作用が優先することにより前記のような特性が発現するものである、と考えられる。さらに、前記(C)、(D)成分はそれぞれ沸点または初留点が190℃以上であるため、組成物を製造する混合攪拌の際、また塗工処理する際においてもそれぞれは容易に揮発せず、所定の組成比で組成物中に存在している。従って塗膜を形成するまでの間にその性状が大きく変化することなく、好適な作業性を発現しうるのである。
具体的な前記(D)成分の例としては特に制限はなく、例えばエクソールD80(沸点207℃以上)、エクソールD110(沸点243℃以上)、エクソールD130(沸点277℃以上)、アイソパーM(沸点225℃以上)、サートレック60(沸点203℃以上)(以上、エクソンモービル社商標)、FP−30(沸点213℃以上)、FP−38(沸点277℃以上)、IPソルベント2835(沸点270℃以上)、IPソルベント2028(沸点220℃以上)、(以上、出光興産社商標)、アイソゾール400(沸点210℃以上)、ナフテゾール200(沸点201℃以上)、ナフテゾール220(沸点221℃以上)(以上、日本石油化学社商標)などが挙げられるが、本発明においては前記(A)成分とのなじみ性、臭気、人体への影響の小ささから特に炭素数9〜16のシクロパラフィン系炭化水素混合物が特に好ましい。
該(D)成分の添加量は、前記成分の添加量を100質量部とした場合、50〜200質量部、より望ましくは75〜150質量部の範囲とする。該成分が50質量部未満の場合、組成物全体としての流動性が十分に出せず、本発明の特徴的作用である塗工時の作業性に寄与できない。他方で200質量部を超えると、組成物に偏りが生じてしまい均質に塗布することが難しくなり、この場合も塗工時の作業性低下に繋がる。
また本発明において、その特性を損なわない範囲において、前記の(A)〜(E)成分以外の添加剤成分をさらに加えることができる。例えば染料、顔料等の着色剤成分、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、シリカ、アルミナ、金属粉末、ポリマー粉等の充填剤成分、可塑剤、老化防止剤、希釈剤、レオロジー調整剤、難燃化剤、カップリング剤、粘着性付与剤、粘弾性調整剤等の周知の成分を適宜添加することができる。本発明の用途に適した特性を付与するためには、粘弾性調剤やレオロジー調整剤を添加することが好ましい。
本発明の導電性接着剤組成物は、基材の種類や形状等に応じて、ディスペンス塗布、スクリーン印刷、オフセット印刷、適切な塗工方法を選択できるが、特に本発明で特定する塗工方法はスクリーン印刷である。
前述の通り、本発明においては前記(C)及び(D)成分を適切な比率で組み合わせることにより、前記(A)成分を分散、溶解させる上で好適なバランスとなり、該(A)成分を含む相が強固に相互作用し、一定の流動性を保った状態で貯蔵容器や塗布機等の接触面とはほとんど相互作用しない状態となる。その結果、スクリーン上に拡げた際に一度にスクリーンを透過させやすくなり、かすみ、にじみがほとんどなく印刷させることができる。これにより、印刷する際の工程の速さ、環境温度等の条件に適した設定の印刷を行うことができ、作業性の向上を図れるのである。
本発明の導電性接着剤組成物のスクリーン印刷性は如上のように良好なものであるが、その機能が発現されるメカニズムとしては以下のようなものであると推定される。即ち図1にてその挙動断面を模式的に示すように、本発明の導電性接着剤組成物をスクリーン印刷により基材に塗工するに際して、当初スクリーン上で(1)の状態であった導電性接着剤組成物は、印刷圧により一部がスクリーンのメッシュを透過するのであるが((2)の3)、メッシュを透過した部位がスクリーン上に残存した導電性接着剤組成物を引き寄せることにより((3)の3)、スクリーン上に残渣を残すことなく効率よく印刷することができる。結果として、印刷にロスが生じず、滲みや掠れなく印刷を行うことができる。
上記方法によりスクリーン印刷を行った塗膜は、熱風乾燥炉やベルトコンベアー式IR炉などに投入して溶剤を揮発させ、塗膜を乾燥させる。この工程により、本発明のACPは乾燥塗膜が形成される。前記乾燥塗膜を形成した部材は電極を有したものであって、前記乾燥塗膜を介して前記部材と対となる有電極部材と貼り合わせることで両部材間の導通を果たすことができる。この場合における貼り合わせ方法としては、本発明のACP乾燥塗膜を形成した部材を相対する有電極部材と位置あわせをして、加熱圧着をすることでACP乾燥塗膜が一度溶解すると共に、通電体である(B)成分がそれぞれの電極に押しつけられて電気的接続が確保され、室温に戻った状態でACPは再度凝集し、これにより機械的に固定される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに何ら制限されるものではない。
導電性接着剤組成物の特性を評価するために準備した材料として、以下のものを用いた。
(A)成分/熱可塑性エラストマー
・ポリウレタンエラストマー:デスモコール540(バイエル社製品)
・ポリアミドエラストマー:TPAE−32(T&K TOKA社製品)
・比較成分として熱硬化性樹脂:EP828(三菱化学社製品 ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
(B)成分/導電性粒子
・プラスティック粒子表面をAu−Niにてメッキして成る、平均粒径30μmの球状粒子
(C)成分/沸点または初留点が190℃以上であり、芳香族構造と脂肪族アルコール構造の両者を有する有機溶剤
・ベンジルアルコール:沸点205℃
・比較成分としてトルエン:沸点110℃
・比較成分としてイソホロン:沸点215℃
(D)成分/沸点または初留点が190℃以上であり、シクロパラフィン系炭化水素、パラフィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素から選ばれる有機溶剤
・エクソールD−80:初留点205℃、炭素数10〜13のパラフィンとシクロパラフィンからなる混合物
・比較成分としてn−ヘキサン:沸点69℃
・比較成分としてソルベッソ200:初留点230℃以上、炭素数10〜14のアルキルナフタレンからなる芳香族炭化水素混合物溶剤
その他の成分
・補強材としてタルク粉(ミクロエースP−2 日本タルク株式会社製)
導電性接着剤組成物の調製方法は以下の通りである。即ち表1に記載の添加量で各成分を、混合攪拌機(あわとり練太郎、シンキー社製品)を用いて25℃、2000rpm条件下で5分間混合攪拌を行い調製した。
[評価方法]
・分離/相溶性評価:上記方法にて製造した各導電性接着剤組成物約50cmを、製造直後に透明なガラス瓶中に採取し、25℃環境下で静置した。これを3分後に目視にて観測し、分離の発生について確認を行った。透明な樹脂分が明らかに液面状に認められていた場合には×と判定し、これが認められなければ○と判定した。
・気泡発生評価:上記方法にて製造した各導電性接着剤組成物約50cmを採取し、FPC基材に対してSUS製メッシュ#80のスクリーンを用い、印刷面積が3mm×60mmとなるよう、速度40mm/sec、印圧0.2MPaの条件で印刷した。ここで印刷された導電性接着剤組成物を目視にて観測し、気泡の発生について確認を行った。判定の基準は以下の通りである。
◎:印刷直後においても気泡が認められず、5分経過後においても気泡が発生していない
○:気泡の個数は印刷直後では50個以下、若しくは5分経過後は0個である
△:気泡の個数は印刷直後では51〜250個である
×:気泡の個数は印刷直後では250個以上である
・接着特性評価:下記仕様のPETフィルムとITOガラスを用いて接着特性の評価を行った。該PETフィルムの一面に、上記方法にて製造した導電性接着剤組成物を印刷した後、120℃で10秒間、3MPaの圧力を印圧することによりITOガラスの導通面5へ加熱圧着して、接着特性評価試験片を作成した(図2を参照)。圧着部41はPETフィルムの長辺端部より3mmの範囲とした。前記PETフィルムの非圧着部を、ITOガラスに対して90度の角度で屈曲させ、この先端を引張速度50mm/minでITOガラス面と垂直の方向9に引張り、剥離強度値の測定を行った。剥離強度値は、最大引張り強度値(N)/圧着部幅(10mm)として算出した。
接着特性の評価は、剥離強度(N/m)を以下の様に判定することとし、結果を表中に記載した。
○:600N/m以上
△:300〜600N/m
×:300N/m未満
本試験に用いたPETフィルムとITOガラスの仕様:
PETフィルム:幅10mm、長さ60mm、厚さ38μm
ITOガラス:ITO蒸着膜付きガラス、長さ60mm、幅25mm、厚さ1.1mm、面積抵抗30Ω/cm
・導通特性評価:
下記仕様のフレキシブル印刷基盤(FPC)とITOガラスを用いて導通特性の評価を行った。該FPC6の一面に、上記方法にて製造した導電性接着剤組成物を印刷した後、前記接着特性評価の試験片と同様の条件でITOガラスの導通面5への圧着を行い、導通特性評価試験片を作成した。該試験片をヒートサイクル試験器に投入し、−40℃×30分+85℃×30分を1サイクルとして100時間連続してヒートサイクルを繰り返した。100時間が経過した後、前記試験片を取り出して30分放置した後に、テスターの電極をITOガラス上に設けた電極51(導電性ペーストにより形成した電極塗膜、図3を参照)と、FPCの非圧着側末端に設けた電極62にそれぞれ当接させて各電極間の抵抗値を測定した。
導通特性の評価は、抵抗値(Ω)を以下の様に判定することとし、結果を表中に記載した。
○:平均値が20Ω未満
△:平均値が20〜40Ω
×:平均値が40Ωを超える
本試験に用いたFPCとITOガラスの仕様:
FPC:ポリイミド製、25μm厚、厚さ35μmの銅に金メッキ処理した配線を実装、0.4mmピッチ(L/S=0.2mm/0.2mm)、配線本数50
ITOガラス:寸法は前記接着特性評価で用いたものと同じ、電極は導電性成分として銀を主成分とした室温乾燥型ペーストにより形成、FPCからの離間距離は7mm
実施例、比較例に用いた各組成物の組成と併せ、上記測定方法によるそれぞれの評価結果を下表に記載する。表1は実施例、表2は比較例をそれぞれ記載する。なお表中の配合組成は、全て質量部での表記である。
Figure 0006164416
Figure 0006164416
表2中、比較例1では各溶剤の分離が非常に大きく、気泡発生量の確認は行わなかった。比較例6では、分離はしないものの接着剤組成物が白濁してしまうため、気泡の発生量が確認できなかった。比較例7では、原料成分が溶剤に溶けきらなかったため、気泡発生量の確認を行わなかった。
上記表1に示した結果の通り、本発明の導電性接着剤組成物は、所定の熱可塑性エラストマーと溶剤の組合せを含むものを用いた場合に、分離/相溶性、低気泡性といった、スクリーン印刷に関する性能が際立って良好となる。さらに接着特性、導通特性といった、異方導電性接着剤組成物に必要な特性も兼ね備えたものである。他方で表2に示した結果の通り、本発明で特定した範囲外の熱可塑性エラストマー、溶剤の組合せを用いた場合には、スクリーン印刷特性、さらには接着特性や導電特性といった、導電性接着剤組成物に必要な特性をも十分に備えることができなくなってしまう。従って本発明は、従来の異方導電性接着剤組成物では得られなかった特性を得ることができる、極めて有用なものである。
1、3:導電性接着剤組成物
2:スクリーン
21:スクリーンのメッシュ部
4:PETフィルム
5:ITOガラスの導通面
51:ITOガラス上の電極
6:FPC
61:FPCの圧着部
62:FPCの電極

Claims (6)

  1. 以下(A)〜(D)成分を少なくとも含むものであって、スクリーン印刷により部材に塗布を行うものである導電性接着剤組成物。
    (A)熱可塑性エラストマー
    (B)導電性粒子
    (C)沸点または初留点が190℃以上であり、芳香族構造と脂肪族アルコール構造の両者を有する有機溶剤:前記(A)成分100質量部に対し、100〜500質量部
    (D)沸点または初留点が190℃以上であり、シクロパラフィン系炭化水素、パラフィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素から選ばれる1種以上の有機溶剤であって、少なくとも1分子内の炭素数が9〜16のシクロパラフィン系炭化水素を含む有機溶剤:前記(A)成分100質量部に対し、10〜150質量部
  2. 前記(A)成分が、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステルから選ばれる少なくとも一つである、前記請求項1に記載の導電性接着剤組成物。
  3. 前記(C)成分が、ベンジルアルコール、1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、1−メチルベンジルアルコール、2−メチルベンジルアルコール、3−メチルベンジルアルコール、2,3−ジメチルベンジルアルコール、2,4−ジメチルベンジルアルコール、2,5−ジメチルベンジルアルコール、2,6−ジメチルベンジルアルコール、3,4−ジメチルベンジルアルコール、3,5−ジメチルベンジルアルコール、α,2−ジメチルベンジルアルコール、α,3−ジメチルベンジルアルコール、α,4−ジメチルベンジルアルコールから選ばれる1種以上の有機溶剤である、前記請求項1または2に記載の導電性接着剤組成物。
  4. 前記(B)成分が、前記(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部含有するものである、前記請求項1〜3のいずれかに記載の導電性接着剤組成物。
  5. 前記(B)成分が有機粒子をコアとして、Au,Pt,Pd,Ag,Cu,Niから選ばれる一種以上の金属をメッキしてなるものである、前記請求項1〜4のいずれかに記載の導電性接着剤組成物。
  6. 前記導電性接着剤組成物が異方導電性接着剤である、前記請求項1〜5のいずれかに記載の異方導電性接着剤組成物。
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