JP6163611B2 - 検出装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に記載の静電容量検出装置は、所定周期の矩形波を静電容量型センサの一端側の電極に印加するための電圧印加素子と、一端側の電極に印加したときに前記センサの他端側の電極から出力される出力信号を整流する整流器と、整流器によって整流された出力信号を平滑化する平滑コンデンサとを備えている。この静電容量検出装置は、前記矩形波を前記センサの一端側の電極に印加したときに前記センサの他端側の電極から出力される出力信号を検出し、検出された出力信号の振幅に基づいて前記センサの静電容量を求めるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
このような環境ノイズは、商用電源の周波数等、比較的低い周波数であることが多く、このようなノイズ成分が出力信号に加わってしまうと、センサの静電容量の測定精度を低下させる要因となるため、取り除く必要がある。
特に、前記センサによって人体等の生体の動作を検出する場合、その動作に応じて検出される信号の周波数は非常に低い周波数として表れるが、商用電源の周波数に近い場合もあり、その測定精度を確保するためにできるだけ取り除く必要がある。
ローパスフィルタを設けることによって、商用電源等に起因するノイズ成分が除去され、静的な測定精度については維持することができる。
また、整流部後段のローパスフィルタ部においては、環境ノイズを除去する必要がなく、当該ローパスフィルタ部の遮断周波数を、環境ノイズの周波数よりも高く設定することができる。この結果、環境ノイズを除去するために整流器後段のローパスフィルタ部の遮断周波数を環境ノイズの周波数よりも低く設定する必要がある上記従来例と比較して、ローパスフィルタ部の遮断周波数をより高く設定することができ、静電容量型センサの静電容量の変化に対するセンサ出力信号の応答性が低下するのを抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、静電容量型センサの静電容量の変化に対する応答性の低下を抑制しつつ、当該静電容量型センサのセンサ出力信号に加わるノイズを除去することができる。
このため、上記静電容量検出装置において、前記環境ノイズの周波数は、商用電源の周波数に基づいて定まる周波数であることがある。
この場合、センサ周囲の電気製品等が発する電磁波等が環境ノイズとなり、センサ出力信号に商用電源の周波数近傍の周波数のノイズが加わったとしても、フィルタ部によってこのノイズを低減することができる。
また、上記従来例のように、商用電源の周波数のノイズをローパスフィルタ部で除去しようとすると、当該ローパスフィルタ部の遮断周波数を商用電源の周波数よりも低く設定する必要があるが、本発明ではローパスフィルタ部の遮断周波数が、商用電源の周波数よりも大きく設定されるので、静電容量型センサの静電容量の変化に対するセンサ出力信号の応答性が低下するのを抑制することができる。
この結果、静電容量型センサの静電容量の変化に対する応答性の低下を抑制しつつ、当該静電容量型センサのセンサ出力信号に加わるノイズを除去することができる。
さらに、前記フィルタ部は、2次以上のハイパスフィルタによって構成されていることが好ましい。
このため、前記電圧供給部は、所定周期の矩形波を生成する矩形波生成部と、前記矩形波を正弦波に近似した信号波に変換するフィルタ部と、を備え、前記信号波を前記キャリア電圧として前記静電容量型センサに印加するものであってもよい。
この場合、キャリア電圧に含まれるノイズを低減することができるので、ローパスフィルタ部によるキャリア電圧の周波数成分の除去が容易となり、センサ出力信号に加わるノイズをより効果的に除去することができる。
〔1 第1実施形態〕
〔1.1 システムの全体構成について〕
図1は、第1実施形態に係るセンサシステムの全体構成を示す図である。図中、センサシステム1は、センサシート2と、静電容量検出装置3とを備えている。
センサシート2は、面状に形成されたエラストマー製の誘電層と、誘電層を挟むように当該誘電層の表裏面に形成されている一対の電極層と備えており、面状に形成された容量素子を構成している。
このセンサシート2は、当該センサシート2の表裏面に平行な方向(面方向)に沿って変形(伸縮)可能に形成されている。センサシート2は、面方向に変形する際、誘電層の面方向の変形に追従して電極層の面積に変化が生じる。このため、センサシート2の静電容量は、当該センサシート2の変形に応じて変化する。
センサシート2は、その静電容量が当該センサシート2の変形に応じて変化するという特性を利用して、例えば、人体の関節部分等、測定対象物の可動部分に取り付けられて、その可動部分の可動状態を把握するために用いられる。
よって、センサシート2が取り付けられた状態で可動部分を可動させ、可動部分の状態と、センサシート2の静電容量との相関関係を予め把握しておけば、センサシート2の静電容量に基づいて測定対象物の可動状態を把握することができる。
このように、センサシート2は、当該測定対象物の可動部分の可動状態を示す情報を静電容量として出力するように構成されている。つまり、このセンサシート2は、測定対象物等、外部からの入力に応じて静電容量が変化する静電容量型センサを構成している。
静電容量検出装置3は、検出したセンサシート2のセンサ出力信号に対して、各種信号処理を施すことによって、検出したセンサシート2の静電容量の変化を表す検出結果信号を出力する。
静電容量検出装置3は、上記検出結果信号を当該静電容量検出装置3に接続された情報処理装置4に与える。
図2(a)は、センサシート2の一例を示す斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線断面図である。
図2(a)及び(b)に示すように、センサシート2は、シート状の誘電層11と、誘電層11の表面(おもて面:図2中、上側)に形成された表側電極層12Aと、誘電層11の裏面(図2中、下側)に形成された裏側電極層12Bと、一端が表側電極層12Aに連結された表側配線13Aと、一端が裏側電極層12Bに連結された裏側配線13Bと、表側配線13Aの他端に取り付けられた表側接続端子14Aと、裏側配線13Bの他端に取り付けられた裏側接続端子14Bと、誘電層11の表側及び裏側のそれぞれに積層された表側保護層15A及び裏側保護層15Bと、裏側保護層15Bに積層された粘着層18を備える。
誘電層11は、エラストマーと他の任意成分とを含むエラストマー組成物を用いて形成されており、その表裏面の面積が変化するように可逆的に変形することができる。
上記エラストマーとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、水素添加ニトリルゴム、ウレタンゴム等が用いられ、これらのなかではウレタンゴムやシリコーンゴムが好ましく、ウレタンゴムがより好ましい。
表側電極層12Aと裏側電極層12Bとは、同一の平面視形状を有しており、誘電層11を挟んで表側電極層12Aと裏側電極層12Bとは全体が対向している。センサシート2は、表側電極層12Aと裏側電極層12Bとの対向した部分が容量素子として機能する。
なお、表側電極層12Aと裏側電極層12Bとは、必ずしも誘電層を挟んでその全体が対向している必要はなく、少なくともその一部が対向していればよい。
上記導電性組成物は、カーボンナノチューブ等の導電材料以外に、例えば、バインダー成分を含有していてもよい。
上記バインダー成分はつなぎ材料として機能し、上記バインダー成分を含有させることにより、誘電層との密着性、及び、電極層自体の強度を向上させることができる。
また、裏側配線13Bを介して裏側電極層12Bに接続されている裏側接続端子14Bも、銅板等を用いて形成された板状の部材であり、外部に露出して設けられ、静電容量検出装置3から延びる接続線が接続される。
センサシート2は、表側接続端子14Aによって静電容量検出装置3から与えられるキャリア電圧を受け付け、裏側接続端子14Bからキャリア電圧に応じたセンサ出力信号を出力する。
この保護層15A、15Bの材質は特に限定されず、その要求特性に応じて適宜選択することができる。保護層15A、15Bの材質の具体例としては、誘電層11の材質と同様のエラストマー組成物等が挙げられる。
そして、センサシート2の変形に伴い、上記検出部の静電容量が誘電層11の変形量と相関をもって変化する。よって、静電容量の変化を検出することで、センサシート2の変形状態を把握することができる。
図3は、静電容量検出装置3の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、静電容量検出装置3は、センサシート2に所定周期でキャリア電圧を印加するための電圧供給部20を備えている。
電圧供給部20は、矩形波生成部21と、第1ローパスフィルタ(LPF:Low pass filter)部22とを備えている。
矩形波生成部21は、所定周期の矩形波を生成する機能を有している。矩形波生成部21は、生成した矩形波にバイアス電圧を与えて0Vを中心に振幅する波形に変換する。矩形波生成部21は、変換した矩形波を第1ローパスフィルタ部22に与える。
第1ローパスフィルタ部22は、所定の遮断周波数よりも低い周波数帯域の信号を通過させることで、与えられた矩形波を正弦波に近似した信号波に変換する機能を有している。つまり、矩形波生成部21が生成する矩形波は、第1ローパスフィルタ部22を通過することで、正弦波に近似した信号波に変換される。
第1ローパスフィルタ部22は、接続線23を介してセンサシート2の表側接続端子14A(図2参照)に接続されている。よって、キャリア電圧は、接続線23を通じてセンサシート2に印加される。
矩形波生成部21が生成する矩形波の波形や、第1ローパスフィルタ部22の特性は、振幅電圧V0、周波数f0が予め設定された値とされたキャリア電圧が得られるように設定されている。
センサシート2は、電圧供給部20からのキャリア電圧の印加に応じてセンサ出力信号を変換部25に与える。
変換部25は、キャリア電圧の印加に応じてセンサシート2から出力される電流信号であるセンサ出力信号を電圧信号に変換する機能を有している。
抵抗素子25bは、オペアンプ25aの出力端子と反転入力端子との間に接続されており、帰還抵抗としての機能を有している。
オペアンプ25aは、抵抗素子25bに流れる電流とセンサシート2に流れる電流とが等しくなるように調整する。
キャリア電圧VC = V0sin(2πf0t) ・・・(1)
電流I = j2πf0CV0sin(2πf0t) ・・・(2)
上述のように、オペアンプ25aは、抵抗素子25bに流れる電流とセンサシート2に流れる電流とが等しくなるように調整されるので、オペアンプ25aの出力電圧Voutは、下記式(3)で表される。
出力電圧Vout = j2πf0CRV0sin(2πf0t)
・・・(3)
上記式(3)に示すように、オペアンプ25aの出力電圧Voutの振幅は、センサシート2の静電容量Cに比例する。よって、オペアンプ25aの出力電圧Voutの振幅からセンサシート2の静電容量Cの変化を求めることができる。また、キャリア電圧の振幅電圧V0と、オペアンプ25aの出力電圧Voutとの比からセンサシート2の静電容量Cを求めることもできる。
図5(a)に示すように、キャリア電圧VCは、振幅電圧がV0で一定とされた信号波として出力される。なお、キャリア電圧VCは、上述したように正弦波に近似した信号波として生成される。
本実施形態において、キャリア電圧の周波数f0は、例えば、5kHzに設定される。
なお、図5(b)は、センサシート2を変形させ当該センサシート2の静電容量を経時的に変化させたときにおけるセンサ出力信号の例を示している。
上述したように、オペアンプ25aの出力電圧Voutの振幅は、センサシート2の静電容量Cに比例するため、センサシート2の静電容量Cの変化が出力電圧Voutの振幅に表れている。
つまり、図5(b)に示すセンサ出力信号の包絡線Eがセンサシート2の静電容量Cの変化を表している。
なお、キャリア電圧の周波数が5kHzに設定されていることより、変換部25によって変換された後のセンサ出力信号は、キャリア電圧の周波数f0と同じ5kHzの周波数成分と、センサシート2の静電容量Cの変化を示す成分を含んでいる。センサ出力信号に含まれている静電容量Cの変化を示す成分の周波数は、下記式(4)のように表すことができる。
センサ出力信号に含まれている静電容量Cの変化を示す成分の周波数 =
f0 ± fe ・・・(4)
なお、式(4)中、feは、キャリア電圧によって変調されていない状態での静電容量Cの変化を示す成分の周波数である。
図6(a)に示すセンサ出力信号は、例えば、図5(b)のセンサ出力信号と比較して、振幅の中心が時間軸方向に沿って緩やかに変動している。つまり、図6(a)に示すセンサ出力信号には、当該センサ出力信号の周波数よりも低い周波数の低周波ノイズが加わっている。
また図6(a)に示すセンサ出力信号には、高周波ノイズも加わっている。
つまり、フィルタ部26には、ノイズ成分が加わっているセンサ出力信号が与えられる。
図6(b)中、低周波ノイズは、主な成分として、センサシート2の周囲の環境に起因して生じる環境ノイズを含んでいる。
本実施形態の環境ノイズは、例えば、センサシート2の周囲に設置された電気製品や、自システムが有する直流電源等が発する電磁波の影響によって生じるノイズである。周囲の電気製品や直流電源等に起因する環境ノイズは、センサシート2等を介してセンサ出力信号に加わる。
このような電気製品等が発するノイズには、商用電源の周波数成分が含まれている。さらに、直流電源が備えるコンバータ等が発するノイズには、商用電源から得た交流を整流する際に生じるリップルに起因するノイズ成分や、スイッチングによるノイズ成分が含まれている。このような、交流を整流する際に生じるノイズには、商用電源の周波数の2倍の周波数成分が含まれている。よって、環境ノイズの周波数は、50〜120Hzとなっている。
よって、上記ノイズが加わったセンサ出力信号が、変換部25からフィルタ部26に与えられると、フィルタ部26は、キャリア電圧の周波数f0周辺の周波数帯域に存在するセンサ出力信号については通過を許容し、周波数が50〜120Hzの環境ノイズを主成分として含む低周波ノイズについては通過を阻止する。
よって、フィルタ部26を通過した後のセンサ出力信号からは、低周波ノイズが除去される。
図6(c)に示すセンサ出力信号は、振幅の中心が0V近傍でほぼ一定の状態で振幅電圧が経時的に変動しており、低周波ノイズが除去されている。
一方、フィルタ部26の遮断周波数よりも高い周波数である高周波ノイズについては、除去されず、センサ出力信号に加わったままである。
さらに、整流部27の後段には、第2ローパスフィルタ部28が接続されている。
第2ローパスフィルタ部28は、予め設定された遮断周波数より低い周波数帯域の信号を通過させることで、半波整流後のセンサ出力信号に含まれる成分である、静電容量を示す成分の通過を許容する。また、第2ローパスフィルタ部28は、キャリア電圧の周波数成分及び高周波ノイズを除去する機能を有している。本実施形態の第2ローパスフィルタ部28は、オペアンプを用いた3次のローパスフィルタを用いて構成されている。
この図7(a)に示す半波整流されたセンサ出力信号には、上述の高周波ノイズが加わっている。
よって、整流部27は、高周波ノイズが加わっている、半波整流されたセンサ出力信号を第2ローパスフィルタ部28に与える。
よって、高周波ノイズが加わっている、半波整流されたセンサ出力信号が第2ローパスフィルタ部28に与えられると、第2ローパスフィルタ部28は、静電容量を示す成分については通過を許容し、高周波ノイズや、残存すると静電容量を示す成分に対してリップルを生じさせるキャリア電圧の周波数成分の通過を阻止する。
これによって、第2ローパスフィルタ部28を通過した後の信号波からは、高周波ノイズ及びキャリア電圧の周波数成分が除去される。
図7(b)中、線図Fは、第2ローパスフィルタ部28から出力される信号波を示している。
線図Fは、図7(a)に示すセンサ出力信号から高周波ノイズ及びキャリア電圧の周波数成分が除去されることで、図7(a)のセンサ出力信号の包絡線を表している。
上述したように、センサ出力信号は、その振幅によってセンサシート2の静電容量Cの変化を表している。よって、この図7(b)中の線図Fは、センサシート2の静電容量Cの変化を表している。
情報処理装置4は、生成した結果情報を当該情報処理装置4の操作者に向けて出力する。
この場合、増幅器は、検出結果信号を増幅することで、微小な変化の検出が可能となる。また、不完全微分回路は、増幅した検出結果信号のレベルに電圧オフセットを合わせるように動作する。
本実施形態の静電容量検出装置3は、静電容量型センサであるセンサシート2に所定周期のキャリア電圧を印加する電圧供給部20と、キャリア電圧の印加に応じてセンサシート2から出力される電流信号であるセンサ出力信号を電圧信号に変換する変換部25と、電圧信号に変換された前記センサ出力信号を整流する整流部27と、整流部27によって整流されたセンサ出力信号に含まれるキャリア電圧の周波数成分を除去する第2ローパスフィルタ部28と、変換部25と整流部27との間に接続され、前記センサ出力信号を通過させるフィルタ部26と、を備え、フィルタ部26は、信号成分の通過を許容する周波数帯域の下限である遮断周波数fC1が、センサシート2の周囲の環境ノイズの周波数である商用電源の周波数よりも高く設定され、第2ローパスフィルタ部28の遮断周波数fC2は、商用電源の周波数よりも高く設定されている。
また、整流部27後段の第2ローパスフィルタ部28においては、商用電源の周波数のノイズがフィルタ部26によって除去されているので、商用電源の周波数のノイズを除去する必要がない。従って、当該第2ローパスフィルタ部28の遮断周波数fC2を、商用電源の周波数よりも高く設定することができる。この結果、上記従来例と比較して、第2ローパスフィルタ部28の遮断周波数fC2をより高く設定することができる。従って、センサシート2の静電容量Cの変化に対するセンサ出力信号の応答性が低下するのを抑制することができる。
また、第2ローパスフィルタ部28によって、高周波ノイズ及びキャリア電圧の周波数成分を除去することができる。
以上のように、本実施形態の静電容量検出装置3によれば、センサシート2の静電容量Cの変化に対する応答性の低下を抑制しつつ、当該センサシート2のセンサ出力信号に含まれている商用電源等に起因する環境ノイズを除去することができる。これに加えて、高周波ノイズも除去することができる。
図8は、第2実施形態に係るセンサシステムのブロック図である。図中、本実施形態のセンサシステム40は、試料50の表面に光を照射する照射装置41と、光検出装置42とを備えている。光検出装置42の後段には、情報処理装置が接続されている。情報処理装置は、光検出装置42が出力する検出結果信号を受け付け、試料50の表面50aの変化の有無や、塵埃の付着の有無等、表面状態に関する結果情報を生成する。
LED45は、試料50の表面に光を照射可能に設けられている。点灯制御部46は、試料50の表面に対して所定周期で点滅する点滅光が照射されるようにLED45を制御する。
受光部47は、PD(Photo Diode)によって構成されており、受光した反射光の受光強度に応じた電流信号であるセンサ出力信号を出力する。受光部47は、後段の変換部25に接続されており、センサ出力信号を変換部25に与える。
よって、各部は、反射光の受光強度に応じた電流信号であるセンサ出力信号を電圧信号に変換し、電圧信号に変換されたセンサ出力信号から反射光の受光強度の変化を検出し、受光強度の変化を表す信号波を検出結果信号として出力部29の後段に接続されている情報処理装置に与える。
図9(a)において、LED45は、点滅光の照射角度が試料50の表面50aに対して平行に近い角度となるように設置されている。また、受光部47は、試料50の表面50aのLED45からの点滅光が照射されている照射範囲の直上に配置されている。
このため、例えば、図9(a)に示すように、表面50a上に何も無ければ、受光部47に向けて反射光が直接照射されることはない。
よって、この場合、受光部47で受光される反射光の受光強度は低く表れる。
図9(b)において、塵埃55が表面50aに塵埃が存在している場合、点滅光は、塵埃に照射されるので、散乱光を生じさせる。
この散乱光は、反射光と異なり、周囲に散乱する。このため、受光部47は、反射光の受光強度よりもより高い受光強度で散乱光を受光する。
つまり、表面50aに塵埃が無い場合では、光検出装置42が検出する受光強度は相対的に低く、表面50aに塵埃が存在する場合では、光検出装置42が検出する受光強度は相対的に高くなる。
本実施形態のセンサシステム40は、このような受光強度の相違によって、試料50の表面50aの変化の有無や、塵埃の付着の有無等、表面状態を検出する。
これにより、受光部47が出力するセンサ出力信号に、表面50aの表面状態を示す情報以外に照明からの光を受光することによるノイズが加わることがある。
このような、照明からの光に起因するノイズは、センサ周囲の環境に起因して生じる環境ノイズである。
本発明は、上記実施形態に限定されない。
例えば、上記第1実施形態のセンサシステムでは、センサシート2を人体の関節部分等、測定対象物の可動部分に取り付け、その可動部分の可動状態を測定するように構成した場合を例示した。この場合の環境ノイズの周波数は、50〜120Hzとなる。
このような、ガット全体の伸縮変形動作以外の変位は、ガット全体の伸縮変形動作とは関係が低く、ノイズとなってセンサ出力信号に表れる。
これにより、テニスラケットのガットの伸縮変形動作を測定する際における環境ノイズを除去することができる。
なお、センサ出力信号は、キャリア電圧の印加に応じて出力されるため、キャリア電圧に含まれるノイズ成分を含む場合がある。
このため、上記第1実施形態では、電圧供給部20は、所定周期の矩形波を生成する矩形波生成部21と、前記矩形波を正弦波に近似した信号波に変換するフィルタ部である第1ローパスフィルタ部22とを備え、前記信号波をキャリア電圧としてセンサシート2に印加している。
これにより、キャリア電圧に含まれるノイズを低減することができるので、第2ローパスフィルタ部28によるキャリア電圧の周波数成分の除去が容易となる。従って、センサ出力信号に含まれるノイズをより効果的に除去することができる。
なお、2次以上のハイパスフィルタは、そのフィルタ特性が1次のハイパスフィルタと比較してより急峻な特性となるので、必要な周波数帯域の信号だけを通過させるように設定することがより容易となる。
また、フィルタ部26と同様、第2ローパスフィルタ部28についても上記実施形態では3次のローパスフィルタを用いた場合を示したが、3次以外の1次や2次のローパスフィルタを用いてもよい。2次以上のローパスフィルタは、そのフィルタ特性が1次のハイパスフィルタと比較してより急峻な特性となるので、この場合も必要な周波数帯域の信号だけを通過させるように設定することがより容易となる。
2 センサシート
3 静電容量検出装置
4 情報処理装置
11 誘電層
12A 表側電極層
12B 裏側電極層
13A 表側配線
13B 裏側配線
14A 表側接続端子
14B 裏側接続端子
15A 表側保護層
15B 裏側保護層
18 粘着層
20 電圧供給部
21 矩形波生成部
22 第1ローパスフィルタ部
23 接続線
24 接続線
25 変換部
25a オペアンプ
25b 抵抗素子
26 フィルタ部
27 整流部
28 第2ローパスフィルタ部
29 出力部
40 センサシステム
41 照射装置
42 光検出装置
46 点灯制御部
47 受光部
50 試料
50a 表面
55 塵埃
60 蛍光灯
Claims (1)
- 試料の表面状態を検出する検出装置であって、
前記試料の表面に対して所定周期で点滅する点滅光を照射する照射部と、
前記点滅光が前記試料の表面で反射した反射光を検出する光検出部と、
前記光検出部が検出した前記反射光の変化に基づいて前記試料の表面状態を特定する処理部と、を備え、
前記光検出部は、
前記反射光を受光したときの光の強度に応じた電流信号であるセンサ出力信号を出力する受光部と、
前記センサ出力信号を電圧信号に変換する変換部と、
電圧信号に変換された前記センサ出力信号を整流する整流部と、
前記整流部によって整流されたセンサ出力信号に含まれる周波数成分であって前記所定周期で点滅する点滅光の反射光を検出することに起因する周波数成分を除去して前記処理部に与えるローパスフィルタ部と、
前記変換部と前記整流部との間に接続され、前記センサ出力信号を通過させるフィルタ部と、を備え、
前記フィルタ部は、信号成分の通過を許容する周波数帯域の下限が、前記光検出部周囲の環境ノイズの周波数よりも高く設定されるとともに前記所定周期で点滅する点滅光の反射光を検出することに起因する周波数よりも低く設定され、
前記ローパスフィルタ部の遮断周波数は、前記環境ノイズの周波数よりも高く設定されている
検出装置。
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