JP6162907B2 - 形状測定装置及び形状測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レンズ面の形状を測定する形状測定装置及び形状測定方法に関する。
近年、干渉計を用いてレンズのレンズ面の形状を測定する形状測定装置として、干渉計の測定範囲よりも大きなレンズ面の形状を、いわゆる開口合成の処理法(スティッチング法ともいう)を用いて測定する形状測定装置が知られている(特許文献1及び2参照)。この開口合成の処理法とは、レンズ面の全領域を2以上の部分領域に分割すると共に、隣接する部分領域同士が互いに一部重複するようにしながら各部分領域毎に測定し、各部分領域毎の形状を、重複して測定された領域に関する形状に基づき繋ぎ合わせて、レンズ面の全領域の形状を求める手法である。
特許文献1には、複数の部分領域が互いに重複する共通の基準領域を有するようにレンズ面を複数の部分領域に分割して、これら部分領域毎の形状を測定した後、基準領域に対して各部分領域を繋ぎ合せることにより、レンズ面の全体形状を精度良く測定する形状測定装置が開示されている。
特許文献2には、開口合成の処理法により球面状のレンズ面の形状を測定する形状測定装置が開示されている。この形状測定装置は、レンズ面の部分領域毎の形状を測定した後、レンズ面(球面)の極座標系と、干渉計の撮像素子の撮像平面の平面座標系と、開口合成用に設定された共通化座標系との対応関係を用いて、各領域の形状を共通化座標系に応じた各領域別合成用形状に変換する。そして、形状測定装置は、各領域別合成用形状に対して開口合成の処理を施して、レンズ面の全体形状を求める。これにより、球面状のレンズ面の全体形状を精度良く求めることができる。
特開2004−286561号公報 特許第3661865号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の形状測定装置では、レンズ面を少なくとも4以上の部分領域に分割して、これら部分領域毎の形状を測定する必要があるため(例えば、特許文献1の図2及び図7参照)、測定回数が多くなる。例えば、干渉計の測定範囲に対して測定対象であるレンズ面のサイズが2倍の大きさを有している場合には、レンズ面の中心と、レンズ面の周辺の8箇所(0度、45度、90度、135度、180度、225度、270度、315度)の計9か所の測定を行って、レンズ面の全域の形状を演算する必要がある。その結果、測定に時間が掛かるという問題が生じる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、最小の測定回数でレンズ面の全体形状を精度良く測定することができる形状測定装置及び形状測定方法を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するための形状測定装置は、レンズ面の一部であり且つレンズ面の面中心を含む第1領域の形状と、第1領域と一部が重複し且つレンズ面の外周部の一部を含む第2領域の形状と、を領域毎に測定した形状測定結果を取得する取得部と、取得部が取得した第2領域の形状測定結果を、面中心を中心として回転対称性を有する配置でレンズ面に複数配置し、複数配置した第2領域の形状測定結果に対し開口合成の処理を施す開口合成処理部と、開口合成の処理により得られた形状に対してフィッティング演算を行い、レンズ面の回転対称成分を演算する第1演算部と、取得部が取得した第1領域の形状測定結果に対してフィッティング演算を行い、レンズ面の回転非対称成分を演算する第2演算部と、第1演算部及び第2演算部の演算結果に基づき、レンズ面の全体形状を演算する第3演算部と、を備える。
本発明によれば、レンズ面の第1領域と第2領域の形状測定結果に基づき、レンズ面の全体形状を精度良く演算することができる。
また、本発明の目的を達成するための形状測定装置は、レンズ面の外周部の一部及び面中心を含む第1領域の形状と、第1領域から面中心を中心として90度回転した位置にあり且つ外周部の一部及び面中心を含む第2領域の形状と、を領域毎に測定した形状測定結果を取得する取得部と、第1領域及び第2領域からそれぞれ面中心を中心として180度回転した位置を第3領域及び第4領域とした場合、領域毎の形状測定結果を、それぞれ面中心を中心として180度回転対称性を有する配置で第3領域及び第4領域に配置して、第1領域から第4領域の形状測定結果に対し開口合成の処理を施す開口合成処理部と、開口合成の処理により得られた形状に対してフィッティング演算を行い、レンズ面の回転対称成分を演算する第1演算部と、開口合成の処理により得られた形状に対してフィッティング演算を行い、レンズ面の回転非対称成分を演算する第2演算部と、第1演算部及び第2演算部の演算結果に基づき、レンズ面の全体形状を演算する第3演算部と、を備える。
本発明によれば、レンズ面の第1領域と第2領域の形状測定結果に基づき、レンズ面の全体形状を精度良く演算することができる。
本発明の他の態様に係る形状測定装置において、干渉光学系と、干渉光学系を通してレンズ面に測定光を出射する出射部と、を有する干渉計であって、レンズ面に向けてレンズ面の直径よりも光束径の小さい測定光を出射する干渉計と、干渉計に対するレンズ面の相対的な位置を、測定光が第1領域に入射する第1位置と、測定光が第2領域に入射する第2位置と、に変位させる変位部と、レンズ面の領域毎に反射された測定光と、干渉光学系の光路上に配置された参照面にて反射された参照光との干渉光を領域毎に撮像する撮像部と、撮像部により得られた撮像信号を解析して、領域毎の形状を演算する第4演算部と、を備え、取得部は、第4演算部の演算結果を、領域毎の形状測定結果として取得する。これにより、干渉計の測定可能範囲よりも大きなサイズのレンズ面の形状を精度良く測定することができる。
本発明の他の態様に係る形状測定装置において、取得部は、参照面よりも大きなサイズのレンズ面の領域毎の形状測定結果を取得する。これにより、干渉計の測定可能範囲よりも大きなサイズのレンズ面の形状を精度良く測定することができる。
本発明の他の態様に係る形状測定装置において、参照面の形状を示す形状情報を予め記憶している記憶部と、第1演算部及び第2演算部による演算前に、記憶部に記憶されている形状情報に基づき、取得部が取得した領域毎の形状測定結果から、参照面の形状をそれぞれ減算する減算部と、を備える。これにより、参照面の形状誤差に起因するレンズ面の形状測定結果の誤差を抑えることができる。
本発明の他の態様に係る形状測定装置において、第1演算部は、Zernike多項式及びベキ級数多項式のいずれか1つを用いてフィッティング演算を行う。これにより、レンズ面の回転対称成分を演算することができる。
本発明の他の態様に係る形状測定装置において、第2演算部は、Zernike多項式及びベキ級数多項式のいずれか1つを用いてフィッティング演算を行う。これにより、レンズ面の回転非対称成分を演算することができる。
また、本発明の目的を達成するための形状測定方法は、レンズ面の一部であり且つレンズ面の面中心を含む第1領域の形状と、第1領域と一部が重複し且つレンズ面の外周部の一部を含む第2領域の形状と、を領域毎に測定した形状測定結果を取得する取得ステップと、取得ステップで取得した第2領域の形状測定結果を、面中心を中心として回転対称性を有する配置でレンズ面に複数配置し、複数配置した第2領域の形状測定結果に対し開口合成の処理を施す開口合成処理ステップと、開口合成の処理により得られた形状に対してフィッティング演算を行って、レンズ面の回転対称成分を演算する第1演算ステップと、取得ステップで取得した第1領域の形状測定結果に対してフィッティング演算を行い、レンズ面の回転非対称成分を演算する第2演算ステップと、第1演算ステップ及び第2演算ステップの演算結果に基づき、レンズ面の全体形状を演算する第3演算ステップと、を有する。
また、本発明の目的を達成するための形状測定方法は、レンズ面の外周部の一部及び面中心を含む第1領域の形状と、第1領域から面中心を中心として90度回転した位置にあり且つ外周部の一部及び面中心を含む第2領域の形状と、を領域毎に測定した形状測定結果を取得する取得ステップと、第1領域及び第2領域からそれぞれ面中心を中心として180度回転した位置を第3領域及び第4領域とした場合、領域毎の形状測定結果を、それぞれ面中心を中心として180度回転対称性を有する配置で第3領域及び第4領域に配置して、第1領域から第4領域の形状測定結果に対し開口合成の処理を施す開口合成処理ステップと、開口合成の処理により得られた形状に対してフィッティング演算を行って、レンズ面の回転対称成分を演算する第1演算ステップと、開口合成の処理により得られた形状に対してフィッティング演算を行って、レンズ面の回転非対称成分を演算する第2演算ステップと、第1演算ステップ及び第2演算ステップの演算結果に基づき、レンズ面の全体形状を演算する第3演算ステップと、を有する。
本発明の他の態様に係る形状測定方法において、干渉光学系と、干渉光学系を通してレンズ面に測定光を出射する出射部と、を有する干渉計から、レンズ面に向けてレンズ面の直径よりも光束径の小さい測定光を出射する出射ステップと、干渉計に対するレンズ面の相対的な位置を、測定光が第1領域に入射する第1位置と、測定光が第2領域に入射する第2位置と、に変位させる変位ステップと、レンズ面の領域毎に反射された測定光と、干渉光学系の光路上に配置された参照面にて反射された参照光との干渉光を領域毎に撮像する撮像ステップと、撮像ステップにて得られた撮像信号を解析して、領域毎の形状を演算する第4演算ステップと、を有し、取得ステップは、第4演算ステップの演算結果を、領域毎の形状測定結果として取得する。
本発明の形状測定装置及び形状測定方法は、最小の測定回数でレンズ面の全体形状を精度良く測定することができる。
第1実施形態の形状測定装置の概略図である。 干渉計の概略図である。 レンズの光軸を基準レンズの光軸に平行且つ一致させた状態を説明するための説明図である。 (A)部分及び(B)部分は、レンズ面上での測定位置を説明するための説明図であり、(C)部分及び(D)部分は、各測定位置にて測定されるレンズ面の形状測定結果を説明するための説明図である。 装置本体の電気的構成を示すブロック図である。 レンズ面の3次の球面収差成分を説明するための説明図である。 レンズ面の3次のアス成分を説明するための説明図である。 開口合成処理部による開口合成の処理を説明するための説明図である。 全域データからレンズ面の3次の球面収差成分を演算する演算処理を説明するための説明図である。 Zernike多項式を説明するための説明図である。 中心領域の形状測定結果からレンズ面の3次のアス成分を演算する演算処理を説明するための説明図である。 中心領域の3次のアス成分(0度、90度)と3次のアス成分(45度)とから、レンズ面の全面に対する3次のアス成分(0度、90度)と3次のアス成分(45度)とを演算する処理を説明するための説明図である。 レンズ面の3次のアス成分を演算する処理を説明するための説明図である。 レンズ面の全体形状の演算処理を説明するための説明図である。 形状測定装置によるレンズ面の形状測定処理の流れを示すフローチャートである。 (A)部分,(B)部分は、第2実施形態におけるレンズ面上での測定位置を説明するための説明図であり、(C)部分,(D)部分は、各測定位置にて測定されるレンズ面の形状測定結果を説明するための説明図である。 第2実施形態の形状測定装置の電気的構成を示すブロック図である。 第2実施形態の開口合成処理部による開口合成の処理を説明するための説明図である。 全域データからレンズ面の全体形状を演算する演算処理の流れを説明するための説明図である。 第2実施形態の形状測定装置によるレンズのレンズ面の形状測定処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態の開口合成処理部による開口合成の処理の他の実施例を説明するための説明図である。
[第1実施形態の形状測定装置]
図1は、レンズ9の球面状のレンズ面9aの全体形状を測定する第1実施形態の形状測定装置10の概略図である。図1に示すように、形状測定装置10は、干渉計12と、撮像部13と、載置台14と、形状測定装置10の装置本体15と、を備えている。なお、第1実施形態では、測定対象となるレンズ面9aは凹面であるが凸面であってもよく、その形状は特に限定されない。
図2は、干渉計12の概略図である。図2に示すように、干渉計12は、所謂フィゾータイプの干渉計である。なお、干渉計12として、フィゾータイプ以外の干渉計を用いてもよい。
干渉計12は、レーザ光源(本発明の出射部に相当)20と、ビーム径拡大用レンズ21と、ビームスプリッタ22と、レンズ23と、コリメータレンズ24と、参照面(基準面ともいう)25を有する基準レンズ26と、結像レンズ27と、を有する。なお、ビーム径拡大用レンズ21と、ビームスプリッタ22と、レンズ23と、コリメータレンズ24と、基準レンズ26とが本発明の干渉光学系に相当する。
レーザ光源20は、干渉計12の光源であり、例えばHe−Neレーザ(波長λ=632.8nm)を出射する。このレーザ光源20は、He−Neレーザ光を測定光30としてビーム径拡大用レンズ21に向けて出射する。ビーム径拡大用レンズ21は、レーザ光源20から入射する測定光30のビーム径(光束径)を拡大してビームスプリッタ22に向けて出射する。
ビームスプリッタ22は、光束分割面22aを有している。光束分割面22aは、ビーム径拡大用レンズ21から入射する測定光30をレンズ23に向けて反射する。また、光束分割面22aは、レンズ23から入射する後述の干渉光34をそのまま透過させて結像レンズ27に向けて出射する。
レンズ23は、光束分割面22aにて反射された測定光30をコリメータレンズ24に向けて出射する。コリメータレンズ24は、レンズ23から入射した測定光30をコリメート(平行光化)して、基準レンズ26に向けて出射する。
基準レンズ26の参照面25は、レンズ9のレンズ面9aよりも小さなサイズである。従って、形状測定装置10は、参照面25よりも大きなサイズのレンズ面9aの形状測定を行う。ここで、参照面25よりも大きなサイズのレンズ面9aを有するレンズ9とは、基準レンズ26よりも明るいレンズであり、具体的には、基準レンズ26よりも開口数が大きい、或いはF値が小さい、或いは口径が大きいレンズである。
参照面25は、コリメータレンズ24から入射する測定光30の光路上に位置しており、この測定光30の一部を再帰反射して参照光32にすると共に、測定光30の残りをそのまま透過させてレンズ9のレンズ面9aに向けて出射する。この際に、レンズ面9aの位置(参照面25とレンズ面9aの距離)を調整して、参照面25から出射された測定光30をレンズ面9aに垂直に入射させることにより、レンズ面9aにて反射された測定光30が元の光路を逆戻りして、参照面25の反射光である参照光32と干渉する。
ここで、参照面25(干渉計12)からレンズ面9aに向けて出射される測定光30の光束径はレンズ面9aの直径よりも小さくなるため、レンズ面9aの中で測定光30が入射する領域が、形状測定装置10にて形状測定が行われる測定位置となる。そして、レンズ面9aに入射した測定光30がレンズ面9aにて反射され、この測定光30の反射光30Rが元の測定光30の光路を逆戻りして再び参照面25に入射する。
参照面25に入射した反射光30Rは、前述の参照光32と干渉して干渉光34となる。フィゾータイプの干渉計12では、参照面25とレンズ面9aとの間に空気層があるだけで、参照面25よりも前の測定光30の光路は共通である。このため、干渉光34では、参照面25とレンズ面9aとの差が干渉縞となる。そして、参照面25とレンズ面9aとの差が、実質上、レンズ面9aの形状となる。
なお、形状測定装置10は、干渉光34に基づく干渉縞の画像データからレンズ面9aの形状を演算する方法としてフリンジスキャン法を採用しているので、基準レンズ26は、図示は省略するが、例えばピエゾ素子を備えたフリンジスキャンアダプタに保持される。このフリンジスキャンアダプタは、フリンジスキャン測定を行う際に基準レンズ26をその光軸方向に微動させる。
干渉光34は、コリメータレンズ24やレンズ23を経てビームスプリッタ22の光束分割面22aに入射し、この光束分割面22aをそのまま透過して結像レンズ27に入射する。
結像レンズ27は、ビームスプリッタ22から入射した干渉光34を、撮像部13の撮像面(撮像平面ともいう)に結像させる。
撮像部13は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ(撮像素子)などが用いられる。この撮像部13は、結像レンズ27により撮像面に結像された干渉光34を撮像して、撮像により得られた撮像信号に基づく干渉縞の画像データ(以下、干渉縞画像データという)を取得し、この干渉縞画像データを装置本体15に出力する。
なお、形状測定装置10は、干渉縞の画像データからレンズ面9aの形状を演算する方法としてフリンジスキャン法を採用しているため、撮像部13は干渉縞画像データの取得を測定位置ごとに複数回連続して行う。
図1に戻って、載置台14は、本発明の変位部に相当するものであり、レンズ9をXYZの3軸方向に位置調整可能に保持すると共に、このレンズ9をその光軸Lの軸周りに回転可能に保持する。この載置台14は、XYZステージ41と、XYZステージ41上に設けられた回転ステージ44と、を有する。XYZステージ41は、回転ステージ44及びこの回転ステージ44に保持されたレンズ9を、図中のX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向にそれぞれ位置調整可能に保持する。
回転ステージ44は、レンズ9をその光軸Lの軸周りに回転可能に保持する。また、回転ステージ44は、基準レンズ26の光軸Oに対してレンズ9の光軸Lを傾き角度φ度だけ傾けた状態でレンズ9を保持する。これにより、レンズ9の光軸Lを光軸Oに対して任意の傾き角度φ度だけ傾けた状態にて、レンズ9をその光軸Lを中心として光軸Lの軸周りに任意の回転角度α度だけ回転させることができる。なお、傾き角度φ度の大きさは、回転ステージ44の種類を変えることで調整可能である。また、回転ステージ44自体が傾き角度の調整機能を有している場合には、回転ステージ44により傾き角度φ度を任意に調整可能である。
回転ステージ44により、レンズ9の光軸Lを光軸Oに対して傾き角度φ度だけ傾けることにより、レンズ面9aの端部領域に測定光30を入射させることができる。さらに光軸Lをφ度傾けた状態において、レンズ9をその光軸Lの軸周りに回転角度α度だけ回転させることで、測定光30が入射する領域を変えることができる。
このように、XYZステージ41及び回転ステージ44(以下、適宜に各ステージ41,44と略す)を調整することで、干渉計12に対するレンズ9のレンズ面9aの相対位置を調整することができる。その結果、レンズ面9a上で測定光30が入射する領域を自由に調整することができる。なお、干渉計12に対するレンズ9のレンズ面9aの相対位置を調整可能であれば、例えば、レンズ9を変位させる代わりに、干渉計12を変位させてもよい。
図3は、レンズ9の光軸Lを基準レンズ26の光軸Oに平行且つ一致させた状態(傾き角度=0度)を説明するための説明図である。なお、第1実施形態では、冶具44Aを用いて回転ステージ44の傾き角度を0度に調整しているが、XYZステージ41上にレンズ9を直接配置してもよい。また、前述の通り回転ステージ44自体が傾き調整機構を備えていてもよく、傾き調整を行う方法は特に限定されない。
図3に示すように、回転ステージ44の傾き調整を行って、レンズ9の光軸Lを光軸O(図1参照)に対して平行且つ一致させることにより、レンズ面9aの中心領域に測定光30を入射させることができる。
<測定位置について>
図4の(A)部分,(B)部分は、レンズ面9aの形状測定を行う際のレンズ面9a上での測定位置を説明するための説明図である。また、図4の(C)部分,(D)部分は、図4の(A)部分,(B)部分に示す各測定位置にて測定されるレンズ面9aの形状測定結果を説明するための説明図である。
第1実施形態では、レンズ面9aの形状測定を行う際に、回転ステージ44によりレンズ9の傾き調整を行うことで、干渉計12に対するレンズ面9aの相対的な位置を図4の(A)部分に示す端部位置と、図4の(B)部分に示す中心位置との2つの測定位置に変位させて、各測定位置にて測定を行う。ここで、端部位置は本発明の第2位置に相当し、中心位置は本発明の第1位置に相当する。
図4の(A)部分に示す端部位置は、測定光30がレンズ面9aの一部の領域である端部領域RE(本発明の第2領域に相当)に入射する測定位置である。端部領域REは、後述の中心領域RCと一部が重複し且つレンズ面9aの外周部の一部を含む領域である。ここでいう「外周部の一部」とは、レンズ面9aの鏡面径の半径をr1とした場合に、0.7×r1から1.0×r1の領域を意味する。
端部領域REの範囲は、レンズ9の光軸Lの傾き角度φ度の大きさや、レンズ9のXYZ方向の位置などを変えることで調整可能である。例えば第1実施形態では、レンズ9の種類ごとに傾き角度φ度やXYZ方向の位置などが定められている。従って、この定めた内容に従って、オペレータが各ステージ41,44を調整することにより、干渉計12に対するレンズ面9aの相対的な位置を端部位置に変位させることができる。
図4の(B)部分に示す中心位置は、測定光30がレンズ面9aの一部の領域である中心領域RC(本発明の第1領域に相当)に入射する測定位置である。中心領域RCは、レンズ面9aの面中心を中心とする領域である。なお、第1実施形態では、中心領域RCの中心がレンズ面9aの面中心と一致しているが、中心領域RCがレンズ面9aの面中心を含んでいれば、所定の許容範囲内において中心領域RCの中心がレンズ面9aの面中心に対してオフセットしていてもよい。具体的には、中心領域RCの半径をr2とした場合には、この中心領域RCの中心から0.3×r2の範囲内にレンズ面9aの中心が位置していることが好ましい。
干渉計12に対するレンズ面9aの相対的な位置を中心位置に変位させる際には、最初に、レンズ面9aの光軸Lの傾き角度が0度になるように、冶具44Aにより回転ステージ44の傾き調整を行う。次いで、レンズ面9aの面中心が光軸Oと一致(ほぼ一致も含む)するように、オペレータがXYZステージ41を調整する。なお、中心領域RCの範囲は、XYZステージ41により調整可能であり、例えば第1実施形態では、レンズ9の種類ごとにレンズ9のXYZ方向の位置が定められている。
このように第1実施形態では、レンズ面9aの光軸Lの傾き角度をφ度と0度との間で変位させることで、干渉計12に対するレンズ面9aの相対的な位置を、端部位置と中心位置との間で変位させることができる。その結果、図4の(C)部分,(D)部分に示すように、詳しくは後述するが、レンズ面9aの端部領域REの形状測定結果45Eと、中心領域RCにおける形状測定結果45Cとが得られる。
なお、第1実施形態では、回転ステージ44を光軸Lの軸周りに回転させる必要はないので、端部位置及び中心位置における回転角度は0度である。また、第1実施形態では、干渉計12に対するレンズ面9aの相対的な位置を、オペレータによる手動操作で変位させているが、後述の制御部46(図5参照)等の制御により自動的に行ってもよい。
<装置本体の構成>
図5は、装置本体15の電気的構成を示すブロック図である。この装置本体15としては、例えば、パーソナルコンピュータ(モニタを含む)を用いることができる。図5に示すように、装置本体15は、大別して、制御部46と、記憶部47と、操作入力部48と、表示部49と、を備える。
制御部46は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む各種形状の演算部や処理部により構成されたものであり、操作入力部48からの制御信号に基づき、記憶部47から読み出した各種プログラムや情報を実行することにより、形状測定装置10の各部を統括的に制御する。また、制御部46は、詳しくは後述するが、前述の撮像部13から入力される干渉縞画像データに基づき、レンズ9のレンズ面9aの全体形状を演算する。
記憶部47には、形状測定プログラム51と、参照面形状情報(本発明の形状情報に相当)52と、を含む各種情報が記憶されている。形状測定プログラム51は、制御部46によるレンズ面9aの全体形状の演算に用いられる。参照面形状情報52は、基準レンズ26の参照面25(図2参照)の形状を示す情報であり、例えば第1実施形態では、参照面25の設計値に対する実際の参照面25の形状のずれを示す情報である。
操作入力部48は、レンズ面9aの形状測定の開始操作、及びこの形状測定に係る測定入力データの入力に用いられる。測定入力データとは、レンズ9及び基準レンズ26の各々のFナンバー及び集光径の他に、詳しくは後述するが、形状測定時におけるレンズ9の光軸Lの周りの回転角度α度と、レンズ9の光軸Lの傾き角度φ度と、光軸Lの周りの解析データ数と、撮像部13のイメージセンサの1画素あたりの長さと、イメージセンサの有効画素数と、を含む。なお、ここでいう「イメージセンサの1画素あたりの長さ」は、後述の開口合成処理で用いられる値であり、イメージセンサの1画素が撮影した開口(干渉計12の開口)に対し何mmになるかを示している。
表示部49は、例えば液晶ディスプレイなどであり、制御部46によるレンズ面9aの全体形状の演算結果を表示する。
<制御部の構成>
制御部46は、干渉計12に対するレンズ面9aの相対的な位置が前述の端部位置と中心位置とにそれぞれ変位された際に、撮像部13からレンズ面9aの端部領域REと中心領域RCの計2領域の干渉縞画像データを取得する。次いで、制御部46は、取得した2領域の干渉縞画像データに基づきレンズ面9aの全面の回転対称成分である3次の球面収差成分と、レンズ面9aの全面の回転非対称成分である3次のアス(非点収差:Astigmatism)成分とを演算する。そして、制御部46は、これら球面収差成分及びアス成分の演算結果に基づきレンズ面9aの全体形状を演算する。
図6は、レンズ面9aの3次の球面収差成分を説明するための説明図であり、図6の横軸はレンズ9の直径方向を示し、縦軸はレンズ面9aの真球面(図示は省略)に対するズレを示す。なお、図6中では、このズレを実際よりも強調して図示している。
レンズ9は、一般的に回転運動による加工(研磨)で製造されるため、光軸Lに対して回転対称な形状誤差が発生し易い。このため、図6に示すように、3次の球面収差成分は、レンズ9の製造時(研磨時)に発生するレンズ面9aの真球面に対する形状誤差を示すものであり、光軸Lに対して回転対称となる成分(形状)である。
図7は、レンズ面9aの3次のアス成分を説明するための説明図である。レンズ9の加工(研磨)で発生する回転非対称な形状で支配的な形状は3次のアス成分である。図7に示すように、3次のアス成分は、レンズ9の製造時(研磨時)に発生するレンズ面9aの鞍型成分(鞍型形状)であり、光軸Lの軸周りに90度間隔で高さがサインカーブ状に変化(ピーク・ボトム・ピーク・ボトム)する。なお、3次のアス成分は、その中心からピーク部分までの断面形状がY=Xの2次関数に沿う形状となり(図12参照)、その中心からボトム部分までの断面形状がY=−Xの2次関数に沿う形状となる。
このように制御部46は、レンズ9の製造時(研磨時)に発生し易く、且つレンズ9の製造工程(研磨工程)で修正可能な3次の球面収差成分及び3次のアス成分に着目して、レンズ面9aの全体形状を算出する。
図5に戻って、制御部46は、記憶部47から読み出した形状測定プログラム51を実行することにより、取得部59及び本発明の第4演算部に相当する形状演算部60と、減算部61と、開口合成処理部62と、本発明の第1演算部に相当する球面収差成分演算部63と、本発明の第2演算部に相当するアス成分演算部64と、本発明の第3演算部に相当する全体形状演算部65として機能する。
取得部59は、例えば、撮像部13と有線接続あるいは無線接続(インターネット等の通信ネットワークを介した接続を含む)するインターフェースである。この取得部59は、撮像部13から、レンズ面9aの端部領域REと中心領域RC(図4参照)の計2領域の干渉縞画像データを順次に取得する。なお、取得部59は、予めメモリカード等の記録媒体に記録された干渉縞画像データの取得も可能であり、この場合には、メモリカードが装填される装填部が取得部59となる。
取得部59には、形状演算部60が設けられている。形状演算部60は、フリンジスキャン法による解析(測定位置毎の複数の干渉画像データから位相を計算し、位相接続を行う)を行って、端部領域RE及び中心領域RCの形状を演算する。これにより、取得部59は、前述の図4の(C)部分及び図4の(D)部分に示したような端部領域REの形状測定結果45Eと、中心領域RCの形状測定結果45Cを取得することができる。そして、取得部59は、領域毎の形状測定結果45E及び形状測定結果45Cを減算部61に出力する。
減算部61は、取得部59より入力される形状測定結果45E及び形状測定結果45Cから、記憶部47より読み出した参照面形状情報52に基づく参照面25の形状をそれぞれ減算する。なお、この減算処理は、後述の球面収差成分演算部63(開口合成処理部62)及びアス成分演算部64の演算前に行われる。そして、減算部61は、減算後の形状測定結果45Eを開口合成処理部62に出力すると共に、減算後の形状測定結果45Cをアス成分演算部64に出力する。このような減算処理を行うことで、詳しくは後述するが、参照面25の形状誤差に起因するレンズ面9aの形状測定結果の誤差を抑えることができる。
<球面収差成分演算:開口合成処理>
前述の図6に示したように、レンズ面9aの3次の球面収差成分は、光軸Lに対して回転対称となる。このため、減算後の端部領域REの形状測定結果45Eを、レンズ面9aの周辺の全域が埋まるように回転させながら配置することで、3次の球面収差成分を求めることができる。
図8は、開口合成処理部62による開口合成の処理を説明するための説明図である。図8に示すように、開口合成処理部62は、減算後の端部領域REの形状測定結果45Eを、レンズ面9aの周辺の全域が埋まるように、レンズ面9aの面中心を中心として回転対称性を有する配置でレンズ面9aの周辺に複数配置する。なお、第1実施形態では、形状測定結果45Eを、レンズ面9aの面中心を中心として90度間隔で4つ配置する。
最初に開口合成処理部62は、図8の(A)部分に示すように減算後の形状測定結果45Eを回転させずに(0度)にレンズ面9aの周辺に配置する。その後、開口合成処理部62は、図8の(B)部分に示すように最初の配置位置から面中心を中心として90度回転した2番目の配置位置に、減算後の形状測定結果45Eを、面中心を中心として回転対称性を有する配置(90度回転させた状態)で配置する。
次いで、開口合成処理部62は、図8の(C)部分に示すように、最初の配置位置から面中心を中心として180度回転した3番目の配置位置に、減算後の形状測定結果45Eを、面中心を中心として回転対称性を有する配置(180度回転させた状態)で配置する。そして、開口合成処理部62は、図8の(D)部分に示すように、最初の配置位置から面中心を中心として270度回転した4番目の配置位置に、減算後の形状測定結果45Eを、面中心を中心として回転対称性を有する配置(270度回転させた状態)で配置する。
なお、端部領域REは所定の面積を有する領域であるので、ここでいう90度、180度、270度には、略90度(90度±10度の範囲内)、略180度(180度±10度の範囲内)、略270度(270度±10度の範囲内)も含まれる。
また、レンズ面9aの周辺に配置する端部領域REの形状測定結果45Eの数は、レンズ面9aの大きさに対する干渉計12の測定範囲の大きさによって決定される。この形状測定結果の数は、操作入力部48により「光軸Lの周りの解析データ数」として入力された数に設定される。
次いで、開口合成処理部62は、レンズ面9aの周辺に4つ配置された端部領域REの形状測定結果に対して開口合成の処理を施して、4つの端部領域REの形状測定結果45Eを繋ぎ合せて、図8の(E)部分に示すような全域データ69を生成する。
この際にレンズ面9aは球面であるので、開口合成処理部62は、上記特許文献2に記載されている方法を用いて全域データ69を求める。具体的に、開口合成処理部62は、操作入力部48により測定入力データとして入力されたレンズ9の光軸Lの周りの回転角度α度(0度)及び光軸Lの傾き角度φ度を用いると共に、レンズ面9aの極座標系と、撮像部13の撮像平面の平面座標系と、開口合成用に設定された共通化座標系との対応関係を用いて、4つの端部領域REの形状測定結果45Eを共通化座標系に応じた各領域別合成用形状に座標変換する。ここで座標変換には、イメージセンサの1画素が何mmであるかの情報が必要となるが、この情報については前述の操作入力部48に入力された「イメージセンサの1画素あたりの長さ」から取得可能である。そして、開口合成処理部62は、各領域別合成用形状に対して開口合成の処理を施して、レンズ面9aの全域データ69を求め、この全域データ69を球面収差成分演算部63に出力する。このような開口合成の処理の具体的な方法は、上記特許文献2に記載されている方法と基本的に同じであるので、ここでは具体的な説明は省略する。
なお、開口合成処理部62は、前述の通り、減算部61による減算後の端部領域REの形状測定結果45Eを開口合成している。これにより、開口合成によって、参照面25の誤差(参照面25の設計値に対する実際の参照面25の形状のずれ)を合成した形状誤差が、全域データ69に発生することが防止される。例えば、参照面25の誤差が2次関数で表される場合に、レンズ面9aの1/2の領域を端部領域REとして測定し、開口合成処理部62にて開口合成により全域データ69を求めた場合に、参照面25の誤差は、2次関数で表されるために4倍に増加する。このため、この誤差がλ/20(≒30nm:ただしλ=632.8nm)とすると、全域データ69は120nmになる。従って、減算部61による減算処理を行うことで、参照面25の誤差に起因するレンズ面9aの形状測定結果の誤差を抑えることができる。
<球面収差成分演算:フィッティング演算>
図9は、球面収差成分演算部63が、全域データ69からレンズ面9aの3次の球面収差成分71を演算する演算処理を説明するための説明図である。図9に示すように、球面収差成分演算部63は、図9の(A)部分に示す全域データ69に対して、Zernike(ゼルニケまたはツェルニケともいう)多項式を用いたフィッティング演算を行うことで、図9の(B)部分に示す3次の球面収差成分71を演算する。具体的に、球面収差成分演算部63は、全域データ69をZernike多項式近似して、Zernike係数を算出することにより3次の球面収差成分71を演算する。以下、3次の球面収差成分71の演算処理について説明する。
レンズ面9aの光軸Lを中心とする極座標を(ρ,θ)として、レンズ面9aの形状データである全域データ69をW(ρ,θ)[ただし、iは1以上K以下の整数であり、Kは撮像部13のイメージセンサの有効画素数]で表すとき、このW(ρ,θ)を次式(1)に示す近似関数W(ρ,θ)で表す。なお、Kは、操作入力部48により設定することができる。

ここで、式(1)において、f(ρ,θ)はj番目のZernike多項式であり、Zはj番目のZernike多項式に対応するZernike係数、Jは近似に用いるZernike多項式の数である。なお、Jの大きさは、3次の球面収差成分71や後述の3次のアス成分に対応するZernike係数を精度良く計算できる程度の大きさとすればよい。
図10は、Zernike多項式を説明するための説明図である。図10に示すように、Zernike多項式は、nを0以上の整数、mを整数とすると、放射方向の次数nと、回転方向の次数mとにより規定され、それぞれを(n,m)モードのZernike多項式と称する場合がある。ここで、次数nはZernike多項式におけるρの最高次のべき数になっている。また、各(n,m)モードを適宜の順番に並べたときの配置位置を番号jで表す場合もある。
Zernike係数は、周知のようにザイデル収差と関係があり、形状測定装置10において重要となるのは3次の球面収差成分に対応するZernike係数であるZと、後述の3次のアス成分に対応するZernike係数であるZ、Zである。球面収差成分演算部63は、全域データ69をZernike多項式近似、具体的には図10に示した各関数に未知の計数を掛けて和算し、測定形状と最小二乗法で未知係数を求めるというような最小二乗法などを用いたフィッティング演算を行うことで、Zernike係数Zを演算する。そして、球面収差成分演算部63は、Zernike係数Zの演算結果に基づき、上記式(1)から3次の球面収差成分71(図9の(B)部分参照)を演算することができる。球面収差成分演算部63は、3次の球面収差成分71の演算結果を全体形状演算部65に出力する。
<3次のアス成分の演算>
図11は、アス成分演算部64が、減算後の中心領域RCの形状測定結果45Cからレンズ面9aの3次のアス成分73を演算する演算処理を説明するための説明図である。図11に示すように、アス成分演算部64は、図11の(A)部分に示す中心領域RCの形状測定結果45Cに対して、Zernike多項式を用いたフィッティング演算を行うことで、図11の(B)部分に示す3次のアス成分73を演算する。
最初にアス成分演算部64は、減算後の中心領域RCの形状測定結果45CをZernike多項式近似、具体的には前述の最小二乗法などのフィッティング演算を行うことで、3次のアス成分(0度、90度)に対応するZernike係数Zと、3次のアス成分(45度)に対応するZernike係数Zとを演算する。そして、アス成分演算部64は、Zernike係数Z,Zの演算結果に基づき、上記式(1)から中心領域RCの3次のアス成分(0度、90度)と3次のアス成分(45度)とを演算する。
図12は、中心領域RCの3次のアス成分(0度、90度)と3次のアス成分(45度)とから、レンズ面9aの全面に対する3次のアス成分(0度、90度)と3次のアス成分(45度)とを演算する処理を説明するための説明図である。
前述の図7に示したように、3次のアス成分は鞍型成分であり、その中心からピーク部分までの断面形状がY=Xの2次関数に沿う形状となり、その中心からボトム部分までの断面形状がY=−Xの2次関数に沿う形状となる。すなわち、中心領域RCの3次のアス成分(0度、90度)及び3次のアス成分(45度)と、レンズ面9aの全面に対する3次のアス成分(0度、90度)及び3次のアス成分(45度)とは相似形状となる。従って、アス成分演算部64は、中心領域RCの3次のアス成分(0度、90度)及び3次のアス成分(45度)から、レンズ面9aの全面に対する3次のアス成分(0度、90度)及び3次のアス成分(45度)を演算することができる。
図12に示すように、例えば、レンズ面9aの中心領域RCの半径が50mmであり、レンズ面9aの全面の半径が100mmであり、中心領域RCの3次のアス成分(0度、90度)(45度)の各々の中心からピーク部分までの高さがAである場合を例に挙げて説明する。この場合に、レンズ面9aの全面に対する3次のアス成分(0度、90度)(45度)の各々の中心からピーク部分までの高さは、4A=A×(100mm/50mm)となる。以下同様に、中心領域RCの3次のアス成分(0度、90度)(45度)の各々の中心からボトム部分までの高さに基づき、レンズ面9aの全面に対する3次のアス成分(0度、90度)(45度)の各々の中心からボトム部分までの高さも求められる。
このようにアス成分演算部64は、中心領域RCの3次のアス成分(0度、90度)(45度)に対して、[レンズ面9aのサイズ(径)/中心領域RCのサイズ(径)]を乗算することにより、レンズ面9aの全面に対する3次のアス成分(0度、90度)(45度)を求める。なお、中心領域RCの3次のアス成分(0度、90度)(45度)に対して、[レンズ9のFナンバー/基準レンズ26のFナンバー]を乗算した場合でも同様にレンズ面9aの全面に対する3次のアス成分(0度、90度)(45度)が求められる。
図13は、レンズ面9aの3次のアス成分73を演算する処理を説明するための説明図である。図13に示すように、アス成分演算部64は、レンズ面9aの3次のアス成分(0度、90度)の演算結果73a及び3次のアス成分(45度)の演算結果73bを合成して、レンズ面9aの3次のアス成分73を演算する。そして、アス成分演算部64は、レンズ面9aの3次のアス成分73の演算結果を、全体形状演算部65(図5参照)に出力する。
図14は、全体形状演算部65によるレンズ面9aの全体形状75の演算処理を説明するための説明図である。全体形状演算部65は、図14の(A)部分に示すような球面収差成分演算部63から入力される3次の球面収差成分71の演算結果と、図14の(B)部分に示すようなアス成分演算部64から入力される3次のアス成分73の演算結果との和算により、図14の(C)部分に示すようなレンズ面9aの全体形状75を求める。この全体形状75の演算結果は、記憶部47(図5参照)に記憶されると共に、表示部49(図5参照)に表示される。
[第1実施形態の形状測定装置の作用]
次に、図15を用いて、上記構成の形状測定装置10によるレンズ9のレンズ面9aの形状測定処理(形状測定方法)について説明する。図15は、形状測定装置10によるレンズ面9aの形状測定処理の流れを示すフローチャートである。図15に示すように、最初にオペレータは、予め測定されている干渉計12の基準レンズ26の参照面形状情報52を、操作入力部48により装置本体15に入力して、この参照面形状情報52を記憶部47に記憶させておく(ステップS1)。
次いで、オペレータは、レンズ9の種類等に応じて定められた測定入力データ[レンズ9のFナンバー及び集光径、回転角度α度(0度)、傾き角度φ度、光軸Lの周りの解析データ数、イメージセンサの1画素あたりの長さ、イメージセンサの有効画素数など]を装置本体15に入力する(ステップS2)。これにより、測定入力データが記憶部47に記憶される。
<3次の球面収差成分の演算>
オペレータは、参照面形状情報52及び測定入力データの入力後(入力前でも可)、レンズ9を載置台14の回転ステージ44上にセットする。これにより、基準レンズ26の光軸Oに対してレンズ9の光軸Lを傾き角度φ度だけ傾けた状態にて、レンズ9が回転ステージ44に保持される(ステップS3)。すなわち、干渉計12に対するレンズ面9aの相対的な位置が端部位置(図4の(A)部分参照)にセットされる(本発明の変位ステップに相当)。
オペレータが操作入力部48にて形状測定開始操作を行うと、レーザ光源20から、レンズ面9aの直径よりも光束径の小さい測定光30(He−Neレーザ光)がレンズ面9aに向けて出射される(本発明の出射ステップに相当)。この測定光30は、ビームスプリッタ22や基準レンズ26などを経て、レンズ面9aの端部領域RE(回転角度0度、傾き角度φ度)に入射する。次いで、測定光30が端部領域REにて反射され、この測定光30の反射光30Rが元の測定光30の光路を逆戻りして再び参照面25に入射する。そして、反射光30Rが、参照面25にて反射された参照光32と干渉して干渉光34となり、この干渉光34は、ビームスプリッタ22などを経て、結像レンズ27により撮像部13の撮像面に結像される。
撮像部13は、結像レンズ27により撮像面に結像された干渉光34を撮像して、干渉縞画像データを取得し、この干渉縞画像データを装置本体15に出力する(本発明の撮像ステップに相当)。これにより、端部領域REの形状測定(フリンジスキャン測定)が完了する(ステップS4)。
装置本体15の取得部59は、撮像部13から入力される端部領域REの干渉縞画像データを取得する。そして、形状演算部60は、干渉縞画像データに対して公知のフリンジスキャン法による解析を行って、端部領域REの形状を演算する(ステップS5、本発明の第4演算ステップに相当)。これにより、取得部59は、端部領域REの形状測定結果45Eを取得することができ(本発明の取得ステップに相当)、取得した形状測定結果45Eを減算部61に出力する。
減算部61は、取得部59より入力される形状測定結果45Eから、記憶部47より読み出した参照面形状情報52に基づく参照面25の形状を減算する(ステップS6)。これにより、参照面25の形状誤差に起因する端部領域REの形状測定結果45Eの誤差を抑えることができる。そして、減算部61は、減算後の形状測定結果45Eを開口合成処理部62に出力する。
開口合成処理部62は、先に操作入力部48に入力された光軸Lの周りの解析データ数(ここでは「4」)に基づき、減算処理後の端部領域REの形状測定結果45Eを、レンズ面9aの面中心を中心として回転対称性を有する配置で4つ配置(0度、90度、180度、270度:図8の(A)部分〜(D)部分参照)する。
次いで、開口合成処理部62は、操作入力部48にて入力されたレンズ9の光軸Lの周りの回転角度α度(0度)及び光軸Lの傾き角度φ度を用いて、上記特許文献2に記載されている方法にて、レンズ面9aの周辺に4つ配置された形状測定結果45Eに対して開口合成の処理を施す(ステップS7、本発明の開口合成処理ステップに相当)。これにより、全域データ69が求められる。この際に、開口合成処理部62は、減算部61による減算後の形状測定結果45Eを開口合成しているので、参照面25の誤差を合成した形状誤差が、全域データ69に発生することが防止される。そして、開口合成処理部62は、全域データ69を球面収差成分演算部63に出力する。
球面収差成分演算部63は、開口合成処理部62から入力された全域データ69に対してZernike多項式を用いたフィッティング演算を行って、3次の球面収差成分に対応するZernike係数を算出する(ステップS8)。そして、この算出結果に基づき、球面収差成分演算部63は、3次の球面収差成分71(図9の(B)部分参照)を演算する(ステップS9、本発明の第1演算ステップに相当)。球面収差成分演算部63は、3次の球面収差成分71の演算結果を全体形状演算部65に出力する。
<3次のアス成分の演算>
オペレータは、冶具44Aにより回転ステージ44の傾き調整を行ってレンズ9の光軸Lの傾き角度を0度に設定すると共に、レンズ面9aの面中心が光軸Oと一致するようにXYZステージ41を調整する(ステップS10)。これにより、干渉計12に対するレンズ面9aの相対的な位置が中心位置(図4の(B)部分参照)にセットされる(本発明の変位ステップに相当)。
オペレータが操作入力部48にて形状測定開始操作を行うと、レーザ光源20から、レンズ面9aの直径よりも光束径の小さい測定光30(He−Neレーザ光)がレンズ面9aに向けて出射される(本発明の出射ステップに相当)。この測定光30は、ビームスプリッタ22や基準レンズ26などを経て、レンズ面9aの中心領域RC(回転角度0度、傾き角度0度)に入射する。次いで、測定光30が中心領域RCにて反射され、この測定光30の反射光30Rが元の測定光30の光路を逆戻りして再び参照面25に入射する。そして、反射光30Rが、参照面25にて反射された参照光32と干渉して干渉光34となる。この干渉光34は、ビームスプリッタ22などを経て、結像レンズ27により撮像部13の撮像面に結像される。
撮像部13は、結像レンズ27により撮像面に結像された干渉光34を撮像して、干渉縞画像データを取得し、この干渉縞画像データを装置本体15に出力する(本発明の撮像ステップに相当)。これにより、中心領域RCの形状測定(フリンジスキャン測定)が完了する(ステップS11)。
装置本体15の取得部59が撮像部13から入力される端部領域REの干渉縞画像データを取得すると、形状演算部60が干渉縞画像データに対して公知のフリンジスキャン法による解析を行って、中心領域RCの形状を演算する(ステップS12、本発明の第4演算ステップに相当)。これにより、取得部59は、中心領域RCの形状測定結果45Cを取得することができ(本発明の取得ステップに相当)、取得した形状測定結果45Cを減算部61に出力する。
減算部61は、取得部59より入力される中心領域RCの形状測定結果45Cから、記憶部47より読み出した参照面形状情報52に基づく参照面25の形状を減算する(ステップS13)。これにより、参照面25の形状誤差に起因する中心領域RCの形状測定結果45Cの誤差を抑えることができる。そして、減算部61は、減算後の形状測定結果45Cをアス成分演算部64に出力する。
アス成分演算部64は、最初に、減算後の形状測定結果45Cに対してZernike多項式を用いたフィッティング演算を行って、3次のアス成分(0度、90度)に対応するZernike係数と、3次のアス成分(45度)に対応するZernike係数とを演算する(ステップS14)。そして、アス成分演算部64は、前述の図12に示したように中心領域RCの3次のアス成分(0度、90度)(45度)に対して、[レンズ面9aのサイズ(径)/中心領域RCのサイズ(径)]又は[レンズ9のFナンバー/基準レンズ26のFナンバー]を乗算する。これにより、レンズ面9aの全面に対する3次のアス成分(0度、90度)(45度)が演算される。
次いで、アス成分演算部64は、前述の図13に示したように、レンズ面9aの全面に対する3次のアス成分(0度、90度)の演算結果73a及び3次のアス成分(45度)の演算結果73bを合成して、レンズ面9aの全面の3次のアス成分73を演算する(ステップS15、本発明の第2演算ステップに相当)。アス成分演算部64は、レンズ面9aの3次のアス成分73の演算結果を、全体形状演算部65に出力する。
<レンズ面の全体形状の演算>
全体形状演算部65は、前述の図14に示したように、球面収差成分演算部63から入力される3次の球面収差成分71の演算結果と、アス成分演算部64から入力される3次のアス成分73の演算結果との和算により、レンズ面9aの全体形状75を求める(ステップS16、本発明の第3演算ステップに相当)。レンズ面9aの全体形状75は、記憶部47に記憶されると共に、表示部49に表示される。以上でレンズ面9aの形状測定処理が終了する。そして、他のレンズ9の形状測定を行う場合には、前述の各ステップの処理が繰り返し実行される。
<第1実施形態の効果>
以上のように第1実施形態の形状測定装置10では、レンズ面9aの端部領域REと中心領域RCの計2箇所の測定(すなわち、最小の測定回数)を行うことで、干渉計12の測定範囲よりも大きなレンズ面9aの全体形状を精度よく測定することができる。
[第2実施形態の形状測定装置]
次に、第2実施形態の形状測定装置について説明する。上記第1実施形態の形状測定装置10では、レンズ面9aの端部領域REと中心領域RCの計2箇所の測定を行うことでレンズ面9aの全体形状75を演算している。これに対して、第2実施形態では第1実施形態とは異なるレンズ面9aの2箇所の測定を行うことにより、レンズ面9aの全体形状75を演算する。
なお、第2実施形態は、レンズ面9a上での測定位置が第1実施形態の形状測定装置10と異なる点を除けば、第1実施形態と基本的に同じ構成である。このため、上記第1実施形態と機能・構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
<第2実施形態の測定位置について>
図16の(A)部分,(B)部分は、第2実施形態におけるレンズ面9a上での測定位置を説明するための説明図である。また、図16の(C)部分,(D)部分は、図16の(A)部分,(B)部分に示す各測定位置にて測定されるレンズ面9aの形状測定結果を説明するための説明図である。
第2実施形態では、レンズ面9aの形状測定を行う際に、回転ステージ44によりレンズ9の光軸Lを基準レンズ26の光軸Oに対して傾き角度φ度だけ傾けた状態で、回転ステージ44を回転させてレンズ9をその光軸Lの軸周りに回転させることにより、干渉計12に対するレンズ面9aの相対的な位置を変位させる。具体的には、回転ステージ44を回転させることにより、干渉計12に対するレンズ面9aの相対的な位置を、図16の(A)部分に示す0度回転位置と、図16の(B)部分に示す90度回転位置とに変位させる。ここで、0度回転位置は本発明の第1位置に相当し、90度回転位置は本発明の第2位置に相当する。なお、図16の(A)部分,(B)部分における符号Tは、レンズ9の回転位置(0度回転位置、90度回転位置)を示す回転位置マークである。
0度回転位置は、測定光30がレンズ面9aの一部の領域である0度領域ROに入射する測定位置である。0度領域ROは、本発明の第1領域に相当するものであり、レンズ面9aの外周部の一部及び面中心を含む領域である。この場合、基準レンズ26のFナンバー/2<レンズ9のFナンバーの関係を満たすことで、0度領域ROは、レンズ面9aの外周部の一部及び面中心を含む。なお、ここでいう「レンズ面9aの外周部の一部」の定義は第1実施形態と同様である。
90度回転位置は、測定光30がレンズ面9aの一部の領域である90度領域RPに入射する測定位置である。90度領域RPは、本発明の第2領域に相当するものであり、0度領域ROからレンズ面9aの面中心を中心として90度回転した位置にあり且つレンズ面9aの外周部の一部及び面中心を含む領域である。なお、0度領域RO及び90度領域RPは共に所定の面積を有する領域であるので、ここでいう「90度回転した位置」には90度±10度の範囲内の回転した位置も含む。
90度領域RPも0度領域ROと同様に、基準レンズ26のFナンバー/2<レンズ9のFナンバーの関係を満たすことにより、レンズ面9aの外周部の一部及び面中心を含む。そして、干渉計12に対するレンズ面9aの相対的な位置を0度回転位置から90度回転位置に変位させる際には、オペレータが回転ステージ44をその回転軸(光軸Lに平行な軸)の軸周りに90度回転させる。
このように第2実施形態では、レンズ面9aの光軸Lの軸周りの回転角度α度(図1参照)を0度と90度との間で変位させることで、干渉計12に対するレンズ面9aの相対的な位置を、0度回転位置と90度回転位置との間で変位させることができる。その結果、図16の(C)部分,(D)部分に示すように、詳しくは後述するが、レンズ面9aの0度領域ROにおける形状測定結果78Oと、90度領域RPとにおける形状測定結果78Pとが得られる。
なお、第2実施形態においても干渉計12に対するレンズ面9aの相対的な位置の変位をオペレータによる手動操作で行うが、後述の制御部46A等の制御により自動的に行ってもよい。
<第2実施形態の形状測定装置の構成>
図17は、第2実施形態の形状測定装置80の電気的構成を示すブロック図である。図17に示すように、形状測定装置80は、第1実施形態とは異なる制御部46Aを備える点を除けば、第1実施形態の形状測定装置10と基本的に同じ構成である。
制御部46Aは、記憶部47から読み出した形状測定プログラム51Aを実行することにより、取得部59A及び前述の形状演算部60と、減算部61Aと、開口合成処理部62Aと、本発明の第1演算部に相当する球面収差成分演算部63Aと、本発明の第2演算部に相当するアス成分演算部64Aと、前述の全体形状演算部65として機能する。
取得部59Aは、第1実施形態の取得部59と基本的に同じものである。ただし、第2実施形態の取得部59Aは、撮像部13から、レンズ面9aの0度領域ROと90度領域RP(図16参照)の計2領域の干渉縞画像データを順次に取得する。なお、第2実施形態の形状演算部60は、第1実施形態と同様に、公知のフリンジスキャン法による解析を行って、0度領域ROと90度領域RPの形状を演算する。これにより、取得部59Aは、0度領域ROの形状測定結果78Oと、90度領域RPの形状測定結果78Pとを取得することができる。そして、取得部59Aは、形状測定結果78O及び形状測定結果78Pを減算部61Aに出力する。
減算部61Aは、第1実施形態の減算部61と基本的に同じものであり、取得部59Aより入力される0度領域ROの形状測定結果78Oと、90度領域RPの形状測定結果78Pとから、参照面形状情報52に基づく参照面25の形状をそれぞれ減算する。これにより、第1実施形態と同様に、参照面25の形状誤差に起因するレンズ面9aの形状測定結果の誤差を抑えることができる。そして、減算部61は、減算後の形状測定結果78Oと形状測定結果78Pとを開口合成処理部62Aに出力する。
<第2実施形態の開口合成処理>
図18は、第2実施形態の開口合成処理部62Aによる開口合成の処理を説明するための説明図である。開口合成処理部62Aは、図18の(A)部分に示すように、レンズ面9aの0度領域ROに減算後の形状測定結果78Oを配置し、図18の(B)部分に示すように、レンズ面9aの90度領域RPに減算後の形状測定結果78Pを配置する。なお、90度領域RPは、0度領域ROからレンズ面9aの面中心に対して90度回転した位置であるので、90度領域RPの形状測定結果78Pは90度回転した状態で配置される。
また、0度領域RO及び90度領域RPからそれぞれレンズ面9aの面中心を中心として180度回転した位置を180度領域RQ及び270度領域RRとする。ここで180度領域RQは本発明の第3領域に相当し、270度領域RRは本発明の第4領域に相当する。なお、前述の通り、0度領域RO及び90度領域RPは共に所定の面積を有する領域であるので、ここでいう「180度回転した位置」には180度±10度の範囲内の回転した位置も含む。
開口合成処理部62Aは、減算後の形状測定結果78O及び減算後の形状測定結果78P(図18の(B)部分に示すもの)を、それぞれレンズ面9aの面中心を中心として180度回転対称性を有する配置で180度領域RQ及び270度領域RRに配置(座標変換)する(図18の(C)部分,(D)部分参照)。これにより、4つの各形状測定結果78O,78Pがレンズ面9aの周辺の全域が埋まるように配置される。なお、270度領域RRに配置される形状測定結果78Pは、90度領域RPに配置された形状測定結果78P(図18の(B)部分参照)を180度回転させたものであり、換言すると、90度領域RPに配置される前の元の形状測定結果78Pを270度回転させたものである(図18の(D)部分参照)。
次いで、開口合成処理部62Aは、レンズ面9aの周辺に配置された各領域RO,RP,RQ,RRの形状測定結果78O,78Pに対して開口合成の処理を施し、各形状測定結果78O,78Pを繋ぎ合せて、図18の(E)部分に示すような全域データ69Aを生成する。この際に、レンズ面9aは球面であるので、開口合成処理部62Aは、上記第1実施形態と同様の方法(上記特許文献2に記載されている方法)にて開口合成の処理を行う。そして、開口合成処理部62Aは、開口合成の処理により求めたレンズ面9aの全域データ69Aを、球面収差成分演算部63Aとアス成分演算部64Aとにそれぞれ出力する。
図19は、全域データ69Aからレンズ面9aの全体形状75を演算する演算処理の流れを説明するための説明図である。
<3次の球面収差成分演算>
球面収差成分演算部63A(図17参照)は、図19の(A)部分に示す全域データ69Aから、レンズ面9aの全面の3次の球面収差成分71(図9の(B)部分参照)を演算する。前述の通り、レンズ面9aの3次の球面収差成分は光軸Lに対して回転対称となる。このため、各領域RO,RP,RQ,RRの各形状測定結果78O,78Pに対し開口合成の処理を施して得られた全域データ69Aから3次の球面収差成分71を求めることができる。
具体的に球面収差成分演算部63Aは、第1実施形態と同様に、Zernike多項式を用いたフィッティング演算、すなわち、全域データ69AをZernike多項式近似して、Zernike係数を算出することにより、3次の球面収差成分71(図9の(B)部分参照)を演算する。そして、球面収差成分演算部63は、3次の球面収差成分71の演算結果を全体形状演算部65に出力する。
<3次のアス成分演算>
アス成分演算部64A(図17参照)は、全域データ69Aから、図13の(C)部分に示すレンズ面9aの3次のアス成分73を演算する。前述の通り3次のアス成分73は、図7に示したような鞍型成分(鞍型形状)であり、光軸Lの軸周りに90度間隔で高さがサインカーブ状に変化(ピーク・ボトム・ピーク・ボトム)する。
一方、全域データ69Aの基となる0度領域ROの形状測定結果78O及び90度領域RPの形状測定結果78Pは、レンズ面9aの面中心を中心として90度間隔で測定されたデータである(図16参照)。このため、形状測定結果78O及び形状測定結果78Pには、光軸Lの軸周りに90度間隔で高さがサインカーブ状に変化する3次のアス成分73の情報が含まれている。このため、0度領域RO及び90度領域RPの形状測定結果78O,78Pにより構成される全域データ69A(図18参照)から、3次のアス成分73を求めることができる。
アス成分演算部64Aは、第1実施形態と同様に、Zernike多項式を用いたフィッティング演算、すなわち、全域データ69AをZernike多項式近似して、3次のアス成分(0度、90度)に対応するZernike係数と、3次のアス成分(45度)に対応するZernike係数とを演算する。この際に第2実施形態では、第1実施形態とは異なり全域データ69AをZernike多項式近似しているので、各Zernike係数の演算結果から、レンズ面9aの全面に対する3次のアス成分(0度、90度)の演算結果73a及び3次のアス成分(45度)の演算結果73bが直接得られる。
次いで、アス成分演算部64Aは、レンズ面9aの全面の3次のアス成分(0度、90度)の演算結果73a及び3次のアス成分(45度)の演算結果73bを合成して、レンズ面9aの全面の3次のアス成分73を演算する。そして、アス成分演算部64Aは、3次のアス成分73の演算結果を全体形状演算部65に出力する。
<レンズ面の全体形状の演算>
全体形状演算部65は、第1実施形態と同様に、球面収差成分演算部63Aから入力される3次の球面収差成分71の演算結果と、アス成分演算部64Aから入力される3次のアス成分73の演算結果との和算により、図19の(B)部分に示すようにレンズ面9aの全体形状75を求める。この全体形状75の演算結果は、記憶部47(図5参照)に記憶されると共に、表示部49(図5参照)に表示される。
[第2実施形態の形状測定装置の作用]
次に、図20を用いて、上記構成の形状測定装置80によるレンズ9のレンズ面9aの形状測定処理(形状測定方法)について説明する。図20は、形状測定装置80によるレンズ9のレンズ面9aの形状測定処理の流れを示すフローチャートである。図20に示すように、オペレータは、前述の第1実施形態(図15参照)と同様に、予め参照面形状情報52及び測定入力データを装置本体15に入力して記憶部47に記憶させておく(ステップS21,S22)。なお、第2実施形態の測定入力データの「光軸Lの周りの解析データ数」は「4」である。
オペレータは、参照面形状情報52及び測定入力データの入力後(入力前でも可)、レンズ9を載置台14の回転ステージ44上にセットする。これにより、基準レンズ26の光軸Oに対してレンズ9の光軸Lを傾き角度φ度だけ傾けた状態にて、レンズ9が回転ステージ44に保持される(ステップS23)。この場合には、レンズ9の光軸Lの軸周りの回転角度は0度であるので、干渉計12に対するレンズ面9aの相対的な位置が0度回転位置(図16の(A)部分参照)にセットされる(本発明の変位ステップに相当)。
オペレータが操作入力部48にて形状測定開始操作を行うと、レーザ光源20から、レンズ面9aの直径よりも光束径の小さい測定光30(He−Neレーザ光)がレンズ面9aに向けて出射される(本発明の出射ステップに相当)。この測定光30は、ビームスプリッタ22や基準レンズ26などを経て、レンズ面9aの0度領域RO(回転角度0度、傾き角度φ度)に入射する。次いで、測定光30が0度領域ROにて反射され、この測定光30の反射光30Rが元の測定光30の光路を逆戻りして再び参照面25に入射する。そして、反射光30Rが、参照面25にて反射された参照光32と干渉して干渉光34となり、この干渉光34はビームスプリッタ22などを経て、結像レンズ27により撮像部13の撮像面に結像される。
撮像部13は、結像レンズ27により撮像面に結像された干渉光34を撮像して、干渉縞画像データを取得し、この干渉縞画像データを装置本体15に出力する(本発明の撮像ステップに相当)。これにより、0度領域ROの形状測定(フリンジスキャン測定)が完了する(ステップS24)。
装置本体15の取得部59Aは、撮像部13から入力される0度領域ROの干渉縞画像データを取得する。そして、形状演算部60は、干渉縞画像データに対して公知のフリンジスキャン法による解析を行って、0度領域ROの形状を演算する(ステップS25、本発明の第4演算ステップに相当)。これにより、取得部59Aは、0度領域ROの形状測定結果78Oを取得することができ(本発明の取得ステップに相当)、取得した形状測定結果78Oを減算部61Aに出力する。
減算部61Aは、取得部59Aより入力される0度領域ROの形状測定結果78Oから、記憶部47より読み出した参照面形状情報52に基づく参照面25の形状を減算する(ステップS26)。これにより、参照面25の形状誤差に起因する形状測定結果78Oの誤差を抑えることができる。そして、減算部61は、減算後の形状測定結果78Oを開口合成処理部62Aに出力する。
次いで、オペレータは、回転ステージ44を光軸Lの軸周りに90度回転させることにより、レンズ9を90度回転させる(ステップS27)。これにより、干渉計12に対するレンズ面9aの相対的な位置が90度回転位置(図16の(B)部分参照)にセットされる(本発明の変位ステップに相当)。
オペレータが操作入力部48にて形状測定開始操作を行うと、レーザ光源20から、レンズ面9aの直径よりも光束径の小さい測定光30(He−Neレーザ光)がレンズ面9aに向けて出射される(本発明の出射ステップに相当)。この測定光30は、ビームスプリッタ22や基準レンズ26などを経て、レンズ面9aの90度領域RP(回転角度90度、傾き角度φ度)に入射する。次いで、測定光30が90度領域RPにて反射され、この測定光30の反射光30Rが元の測定光30の光路を逆戻りして再び参照面25に入射する。そして、反射光30Rが、参照面25にて反射された参照光32と干渉して干渉光34となり、この干渉光34は、ビームスプリッタ22などを経て、結像レンズ27により撮像部13の撮像面に結像される。
撮像部13は、結像レンズ27により撮像面に結像された干渉光34を撮像して、干渉縞画像データを取得し、この干渉縞画像データを装置本体15に出力する(本発明の撮像ステップに相当)。これにより、90度領域RPの形状測定(フリンジスキャン測定)が完了する(ステップS28)。
取得部59Aが撮像部13から入力される90度領域RPの干渉縞画像データを取得すると、形状演算部60が干渉縞画像データに対して公知のフリンジスキャン法による解析を行って、90度領域RPの形状を演算する(ステップS29、本発明の第4演算ステップに相当)。これにより、取得部59Aは、90度領域RPの形状測定結果78Pを取得することができ(本発明の取得ステップに相当)、この形状測定結果78Pを減算部61Aに出力する。
減算部61Aは、取得部59より入力される90度領域RPの形状測定結果78Pから、参照面形状情報52に基づく参照面25の形状を減算する(ステップS30)。これにより、参照面25の形状誤差に起因する形状測定結果78Pの誤差を抑えることができる。そして、減算部61は、減算後の形状測定結果78Pを開口合成処理部62Aに出力する。
<開口合成処理>
開口合成処理部62Aは、先に操作入力部48に入力された光軸Lの周りの解析データ数「4」に基づき、レンズ面9aの0度領域ROに減算後の形状測定結果78Oを配置し(図18の(A)部分参照)、レンズ面9aの90度領域RPに減算後の形状測定結果78Pを配置する(図18の(B)部分参照)。また、開口合成処理部62Aは、減算後の形状測定結果78O,78P(形状測定結果78Pは図18の(B)部分に示すもの)を、それぞれレンズ面9aの面中心を中心として180度回転対称性を有する配置で180度領域RQ及び270度領域RRに配置(座標変換)する(図18の(C)部分,(D)部分参照)。
次いで、開口合成処理部62Aは、レンズ面9aの周辺に配置された各領域RO,RP,RQ,RRの形状測定結果78O,78Pに対して開口合成の処理を施す(ステップS31、本発明の開口合成処理ステップに相当)。これにより、全域データ69Aが求められる。この際に、開口合成処理部62Aは、減算部61Aによる減算後の形状測定結果78O,78Pを開口合成しているので、参照面25の誤差を合成した形状誤差が、全域データ69Aに発生することが防止される。開口合成処理部62Aは、全域データ69Aを球面収差成分演算部63Aとアス成分演算部64Aとにそれぞれ出力する。
<3次の球面収差成分及び3次のアス成分の演算>
球面収差成分演算部63Aは、開口合成処理部62Aから入力された全域データ69Aに対してZernike多項式を用いたフィッティング演算を行って、3次の球面収差成分に対応するZernike係数を算出する(ステップS32)。そして、この算出結果に基づき、球面収差成分演算部63Aは、3次の球面収差成分71(図9の(B)部分参照)を演算して、3次の球面収差成分71の演算結果を全体形状演算部65に出力する(ステップS33、本発明の第1演算ステップに相当)。
また、アス成分演算部64Aは、全域データ69Aに対してZernike多項式を用いたフィッティング演算を行って、3次のアス成分(0度、90度)に対応するZernike係数と、3次のアス成分(45度)に対応するZernike係数とを算出する。そして、この算出結果に基づき、球面収差成分演算部63Aは、レンズ面9aの全面の3次のアス成分(0度、90度)及び3次のアス成分(45度)を演算し、これらの演算結果を合成することで、レンズ面9aの全面の3次のアス成分73を演算する(ステップS34、本発明の第2演算ステップに相当)。球面収差成分演算部63Aは、3次のアス成分73の演算結果を全体形状演算部65に出力する。
なお、第2実施形態では、球面収差成分演算部63Aとアス成分演算部64Aとによりそれぞれ別個に3次の球面収差成分71及び3次のアス成分73を演算しているが、球面収差成分演算部63Aとアス成分演算部64Aとが一体化していてもよい。すなわち、1つの演算部により全域データ69Aに対してZernike多項式を用いたフィッティング演算を行うことにより、3次の球面収差成分71と3次のアス成分73との両方を演算するようにしてもよい。
<レンズ面の全体形状の演算>
全体形状演算部65は、第1実施形態と同様に、球面収差成分演算部63Aから入力される3次の球面収差成分71の演算結果と、アス成分演算部64Aから入力される3次のアス成分73の演算結果との和算により、レンズ面9aの全体形状75を求める(ステップS35、本発明の第3演算ステップに相当)。レンズ面9aの全体形状75は、記憶部47に記憶されると共に、表示部49に表示される。以上でレンズ面9aの形状測定処理が終了する。そして、他のレンズ9の形状測定を行う場合には、前述の各ステップの処理が繰り返し実行される。
<第2実施形態の効果>
以上のように第2実施形態の形状測定装置80では、レンズ面9aの0度領域ROと90度領域RPの計2箇所の測定(すなわち、最小の測定回数)を行うことで、干渉計12の測定範囲よりも大きなレンズ面9aの全体形状を精度よく測定することができる。
[その他]
図21は、上記第1実施形態の開口合成処理部62による開口合成の処理の他の実施例を説明するための説明図である。上記第1実施形態では、開口合成処理部62による開口合成の処理の際に、減算後の端部領域REの形状測定結果45Eをレンズ面9aの周辺に4つ配置しているが(図8参照)、この形状測定結果45Eの配置数は、前述の通りレンズ面9aの大きさに対する干渉計12の測定範囲の大きさによって決定される。従って、例えば図21に示すように、形状測定結果45Eを、レンズ面9aの面中心を中心として回転対称性を有する配置でレンズ面9aの周辺に8つ(4、8以外でも可)配置するなど、形状測定結果45Eの配置数は適宜変更してもよい。
上記各実施形態では、形状測定装置10,80による球面状のレンズ面9aの形状測定を例に挙げて説明を行ったが、平面状のレンズ面の形状測定にも本発明を適用することができる。この場合には、図2に示した基準レンズ26の代わりに、平面状の参照面を有する基準板を干渉計12に設ける。
上記各実施形態では、Zernike多項式を用いたフィッティング演算により、3次の球面収差成分71及び3次のアス成分73を求める例について説明を行ったが、これらを、ベキ級数多項式を用いたフィッティング演算によりを求めてもよい。
上記各実施形態では、本発明の回転対称成分及び回転非対称成分として3次の球面収差成分71及び3次のアス成分73を求めているが、3次以上の5次、7次等の高次の回転対称成分及び回転非対称成分をZernike多項式を用いたフィッティング演算によりを求めてもよい。
上記各実施形態では、干渉縞画像データからレンズ面9aの形状を演算する方法としてフリンジスキャン法を採用しているが、例えばフーリエ変換法を採用してもよい。
上記各実施形態では、干渉計12及び撮像部13を備える形状測定装置10,80を例に挙げて説明を行ったが、本発明の形状測定装置は装置本体15のみにより構成されていてもよい。すなわち、干渉計12及び撮像部13により別途に得られた干渉縞画像データ等をメモリカード或いは通信ネットワークなどを介して取得し、取得したデータに基づきレンズ面9aの形状を演算する形状測定装置にも本発明を適用することができる。
9…レンズ,9a…レンズ面,10,80…形状測定装置,12…干渉計,13…撮像部,20…レーザ光源,25…参照面,26…基準レンズ,30…測定光,32…参照光,34…干渉光,41…XYZステージ,44…回転ステージ,52,52A…参照面形状情報,59,59A…取得部,60…形状演算部,61,61A…減算部,62,62A…開口合成処理部,63,63A…球面収差成分演算部,64,64A…アス成分演算部,65,65A…全体形状演算部

Claims (10)

  1. レンズ面の一部であり且つ前記レンズ面の面中心を含む第1領域の形状と、前記第1領域と一部が重複し且つ前記レンズ面の外周部の一部を含む第2領域の形状と、を領域毎に測定した形状測定結果を取得する取得部と、
    前記取得部が取得した前記第2領域の形状測定結果を、前記面中心を中心として回転対称性を有する配置で前記レンズ面に複数配置し、複数配置した前記第2領域の形状測定結果に対し開口合成の処理を施す開口合成処理部と、
    前記開口合成の処理により得られた形状に対してフィッティング演算を行い、前記レンズ面の回転対称成分を演算する第1演算部と、
    前記取得部が取得した前記第1領域の形状測定結果に対してフィッティング演算を行い、前記レンズ面の回転非対称成分を演算する第2演算部と、
    前記第1演算部及び前記第2演算部の演算結果に基づき、前記レンズ面の全体形状を演算する第3演算部と、
    を備える形状測定装置。
  2. レンズ面の外周部の一部及び面中心を含む第1領域の形状と、前記第1領域から前記面中心を中心として90度回転した位置にあり且つ前記外周部の一部及び前記面中心を含む第2領域の形状と、を領域毎に測定した形状測定結果を取得する取得部と、
    前記第1領域及び前記第2領域からそれぞれ前記面中心を中心として180度回転した位置を第3領域及び第4領域とした場合、前記領域毎の形状測定結果を、それぞれ前記面中心を中心として180度回転対称性を有する配置で前記第3領域及び前記第4領域に配置して、前記第1領域から前記第4領域の形状測定結果に対し開口合成の処理を施す開口合成処理部と、
    前記開口合成の処理により得られた形状に対してフィッティング演算を行い、前記レンズ面の回転対称成分を演算する第1演算部と、
    前記開口合成の処理により得られた形状に対してフィッティング演算を行い、前記レンズ面の回転非対称成分を演算する第2演算部と、
    前記第1演算部及び前記第2演算部の演算結果に基づき、前記レンズ面の全体形状を演算する第3演算部と、
    を備える形状測定装置。
  3. 干渉光学系と、前記干渉光学系を通して前記レンズ面に測定光を出射する出射部と、を有する干渉計であって、前記レンズ面に向けて当該レンズ面の直径よりも光束径の小さい前記測定光を出射する干渉計と、
    前記干渉計に対する前記レンズ面の相対的な位置を、前記測定光が前記第1領域に入射する第1位置と、前記測定光が前記第2領域に入射する第2位置と、に変位させる変位部と、
    前記レンズ面の領域毎に反射された前記測定光と、前記干渉光学系の光路上に配置された参照面にて反射された参照光との干渉光を前記領域毎に撮像する撮像部と、
    前記撮像部により得られた撮像信号を解析して、前記領域毎の形状を演算する第4演算部と、を備え、
    前記取得部は、前記第4演算部の演算結果を、前記領域毎の形状測定結果として取得する請求項1または2に記載の形状測定装置。
  4. 前記取得部は、前記参照面よりも大きなサイズの前記レンズ面の前記領域毎の形状測定結果を取得する請求項3に記載の形状測定装置。
  5. 前記参照面の形状を示す形状情報を予め記憶している記憶部と、
    前記第1演算部及び前記第2演算部による演算前に、前記記憶部に記憶されている前記形状情報に基づき、前記取得部が取得した前記領域毎の形状測定結果から、前記参照面の形状をそれぞれ減算する減算部と、を備える請求項3または4に記載の形状測定装置。
  6. 前記第1演算部は、Zernike多項式及びベキ級数多項式のいずれか1つを用いて前記フィッティング演算を行う請求項1から5のいずれか1項に記載の形状測定装置。
  7. 前記第2演算部は、Zernike多項式及びベキ級数多項式のいずれか1つを用いて前記フィッティング演算を行う請求項1から6のいずれか1項に記載の形状測定装置。
  8. レンズ面の一部であり且つ前記レンズ面の面中心を含む第1領域の形状と、前記第1領域と一部が重複し且つ前記レンズ面の外周部の一部を含む第2領域の形状と、を領域毎に測定した形状測定結果を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップで取得した前記第2領域の形状測定結果を、前記面中心を中心として回転対称性を有する配置で前記レンズ面に複数配置し、複数配置した前記第2領域の形状測定結果に対し開口合成の処理を施す開口合成処理ステップと、
    前記開口合成の処理により得られた形状に対してフィッティング演算を行って、前記レンズ面の回転対称成分を演算する第1演算ステップと、
    前記取得ステップで取得した前記第1領域の形状測定結果に対してフィッティング演算を行い、前記レンズ面の回転非対称成分を演算する第2演算ステップと、
    前記第1演算ステップ及び前記第2演算ステップの演算結果に基づき、前記レンズ面の全体形状を演算する第3演算ステップと、
    を有する形状測定方法。
  9. レンズ面の外周部の一部及び面中心を含む第1領域の形状と、前記第1領域から前記面中心を中心として90度回転した位置にあり且つ前記外周部の一部及び前記面中心を含む第2領域の形状と、を領域毎に測定した形状測定結果を取得する取得ステップと、
    前記第1領域及び前記第2領域からそれぞれ前記面中心を中心として180度回転した位置を第3領域及び第4領域とした場合、前記領域毎の形状測定結果を、それぞれ前記面中心を中心として180度回転対称性を有する配置で前記第3領域及び前記第4領域に配置して、前記第1領域から前記第4領域の形状測定結果に対し開口合成の処理を施す開口合成処理ステップと、
    前記開口合成の処理により得られた形状に対してフィッティング演算を行って、前記レンズ面の回転対称成分を演算する第1演算ステップと、
    前記開口合成の処理により得られた形状に対してフィッティング演算を行って、前記レンズ面の回転非対称成分を演算する第2演算ステップと、
    前記第1演算ステップ及び前記第2演算ステップの演算結果に基づき、前記レンズ面の全体形状を演算する第3演算ステップと、
    を有する形状測定方法。
  10. 干渉光学系と、前記干渉光学系を通して前記レンズ面に測定光を出射する出射部と、を有する干渉計から、前記レンズ面に向けて当該レンズ面の直径よりも光束径の小さい前記測定光を出射する出射ステップと、
    前記干渉計に対する前記レンズ面の相対的な位置を、前記測定光が前記第1領域に入射する第1位置と、前記測定光が前記第2領域に入射する第2位置と、に変位させる変位ステップと、
    前記レンズ面の領域毎に反射された前記測定光と、前記干渉光学系の光路上に配置された参照面にて反射された参照光との干渉光を当該領域毎に撮像する撮像ステップと、
    前記撮像ステップにて得られた撮像信号を解析して、前記領域毎の形状を演算する第4演算ステップと、を有し、
    前記取得ステップは、前記第4演算ステップの演算結果を、前記領域毎の形状測定結果として取得する請求項8または9に記載の形状測定方法。
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