JP3903022B2 - 干渉計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高精度な表面形状計測に用いられる干渉計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来干渉計で球面を測定する場合の一例を図10に示す。レーザ光源1から出射した光はレンズ2により広げられ、ビームスプリッタ3で反射されレンズ4を介して平行光に変換されレンズ5に入射する。レンズ5の最終面6はある曲率半径を有する球面形状であり、最終面6の反射光を参照光、透過光を被検光とする。被検光は被測定面7の表面で反射して再びレンズ5を通り平行光に変換される。参照光と被検光はビームスプリッタ3、レンズ8を通り撮像系9で干渉縞を形成する。撮像系9で形成された干渉縞はコンピュータ10により解析されて被測定面7の形状情報を得ることができる。この従来の干渉計で用いられるレンズ5の焦点と像高の関係は図11のようになっている。入射側の像高hは焦点Fと最終面6を結ぶ線分と光軸とのなす角θについて以下の関係が成り立つ。
【0003】
h=r・sinθ … (C1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法では被検面7の表面に対して等ピッチなデータとして正確に評価できないという問題点がある。なぜならば、球の表面で等ピッチなデータを得るためには像高とθの関係は以下の関係が成り立たなければならない。
【0005】
h=rθ
すなわち、平面波からθについて等ピッチな球面波への変換が必要である。従って、従来の方法では(C1)式に示されるようにθについてのピッチは一様ではなく、徐々に大きくなっていく。これに対して、干渉像を撮像するCCD等の撮像素子は正方配列であり、面形状と一致していない。このため、面形状の測定時には座標変換等が必要とされる場合もある。
【0006】
特に、複数箇所に分割して測定する場合などには、合成時の座標変換や補間が必要となる。これは、測定データの精度を低下させることにつながる。
【0007】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、fθレンズを用いることにより平面波から球面波へ変換して球表面に対して等ピッチな形状情報を得ることができる干渉計を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を備える。
【0009】
測定対象の面を被検光により照射して、前記被検光の波面と参照光の波面との干渉画像に基づいて前記被測定面の形状を測定する干渉計であって、前記参照面と前記測定対象との間に、前記被検光を球面波として測定対象の球面を照射するためのfθレンズを備える。
【0010】
あるいは、測定対象の面を被検光により照射して、前記被検光の波面と参照光の波面との干渉画像に基づいて前記測定対象の面の形状を測定する干渉計であって、前記被検光を球面波として測定対象の球面を照射するためのfθレンズを備え、前記fθレンズと前記測定対象のとの間に厚さが球面曲率半径方向に一定なメニスカスレンズを参照面として配置した
【0012】
更に好ましくは、測定対象は球面レンズであって、前記fθレンズの光軸に直交する軸を中心として回転する第1のステージと、前記前記測定対象の球面レンズの光軸を中心として回転する第2のステージとを更に備え、
前記第1のステージにより一定の傾斜を与えた測定対象の球面を、前記第2のステージにより一定角度ずつ回転させて前記測定対象の球面の形状データを複数の領域に分割して算出し、各領域の重複部分の形状データの差からアライメント誤差を求め、各領域の面形状のデータに含まれる前記アライメント誤差を補正して合成する。
【0013】
更に好ましくは、前記第1のステージにより前記球面レンズの光軸と前記fθレンズの光軸とを一致させた状態で基準領域の形状を測定し、前記球面レンズの光軸が一定角度傾くように前記第1のステージを駆動し、その状態で前記第2のステージにより90度ずつ前記測定対象の面を回転させて4領域について測定し、それら5つの形状データを合成して測定対象の球面レンズの面形状を測定する.
あるいは、fθレンズの光軸に直交する軸を中心として回転する第1のステージと、前記第1のステージに載置されて前記前記測定対象の球面レンズの光軸を中心として回転する第2のステージとを備え、前記第2のステージに載置したレンズの被測定面を、前記fθレンズにより球面波とした被検光により照射して、前記被検光の波面と参照光の波面との干渉画像に基づいて前記被測定面の形状を測定する干渉計において、
前記第1のステージにより前記球面レンズの光軸と前記fθレンズの光軸とを一致させた状態で基準領域の形状を測定し、
前記球面レンズの光軸が一定角度傾くように前記第1のステージを駆動し、その状態で前記第2のステージにより一定角度ずつ前記測定対象の面を回転させて前記一定角度に応じた数の領域について面形状データを測定し、
各領域の重複部分の形状データの差から各領域測定の際のアライメント誤差を求め、各領域の面形状のデータに含まれる前記アライメント誤差を補正し、
アライメント誤差を補正した形状データを合成して測定対象の球面レンズの面形状を生成することを特徴とする球面形状の測定方法。
【0014】
【発明の実施形態】
[実施形態1]
本発明の実施形態1について図1を参照しつつ説明していく。実施形態1は球表面のリップルを評価する場合において本発明を適用した例である。図1は干渉計としてフィゾー干渉計を用いて球表面のリップル形状を評価する場合の配置である。レーザ光源11から出射した光はレンズ12により拡大され、ビームスプリッタ13からレンズ14を通ることにより平行光になる。参照平面15の参照面16の反射光を参照光、透過光を被検光とする。透過光はfθレンズ17により球面波に変換され、被測定球面18の表面で反射されて再びfθレンズ17により平面波に戻る。参照波面(参照光の波面)および測定波面(測定光の波面)はそれぞれビームスプリッタ13、レンズ19を通ってCCDカメラ110において干渉縞を形成する。干渉縞のデータはコンピュータ111により取り込まれる。干渉縞の解析方法としてはピエゾドライバ112により参照平面15を微動させてフリンジスキャン法により測定データを得る。コンピュータに取り込まれた測定データからアライメント誤差を除去する。アライメント誤差を除去した測定データから参照波面の誤差を減算したデータを解析結果として出力する。これが本発明の実施形態の概要である。
【0015】
フリンジスキャン法により得られた測定データからアライメント誤差を除去する方法の一例を挙げておく。CCDカメラ110のCCD素子は2次元に等間隔で配列されているため、得られる測定データAは2次元の配列データになっている。干渉計による測定データはゼルニケ多項式で表すことができる。
【0016】
【数1】
Figure 0003903022
Figure 0003903022
【0017】
ただし、n,mは整数、iは虚数、ρおよびθは、それぞれ極座標系での動径成分(0≦ρ≦1)および角度成分である。実用上、mが正のときexp(imθ)=cos(mθ)、mが負のときexp(imθ)=sin(mθ)とする。
【0018】
さらにゼルニケ多項式を結合すると(数式(1)中のnの和は理論上∞であるが説明の都合上n=15までの和としてある。)、
【0019】
【数2】
Figure 0003903022
Figure 0003903022
である。
【0020】
ただし、W(ρ,θ)は波面を示している。Cn,mをゼルニケ係数と呼ぶことにする。ゼルニケ係数のうち、係数C0,0の項はDC成分(ピストン)を意味する。また、C1,1およびC1, 1の項はそれぞれX,Yのティルト誤差、C2,0の項はデフォーカスを意味している。数式2のゼルニケ多項式を直交XY座標系に変換するにはX=ρcos(θ),Y=ρsin(θ)とすればよい。すなわち、ρ=√(X2+Y2)、θ=tan-1(Y/X)となる。
【0021】
数式2はXY座標系で書き表した方が実用上都合がよいので、
【0022】
【数3】
Figure 0003903022
Figure 0003903022
のように変換しておく。
【0023】
X,Y平面には、図2のように球面が等ピッチに射影される。測定データからアライメント誤差を除去するには、測定データから最小二乗法により数式3の係数C0,0〜C15,15を求める。アライメント誤差であるゼルニケ係数C0,0,C1, 1,C1,1,C2,0、すなわち、ピストン、X,Yそれぞれのティルト、デフォーカス各成分の影響を測定データAから差し引くことによりアライメント誤差の除去が可能となる。
【0024】
上記方法は一般的な方法であるが、球面波に変換する手段としてfθレンズを採用した場合、fθ特性を考慮すると数式(3)は、
【0025】
【数4】
Figure 0003903022
Figure 0003903022
と書ける。
【0026】
従って、測定データから最小二乗法により数式(4)の式の係数C0,0〜C15,15を求めアライメント誤差であるゼルニケ係数C0,0,C1,-1,C1,1,C2,0の影響を測定データから差し引くことによりアライメント誤差の除去を行う。
【0027】
実際には干渉計により測定された形状データAの配列のアドレスI,Jを−1〜1の値に変換したIx,Iyを数式(4)におけるX,Yとして、最小二乗法で数式(4)に示すゼルニケ係数C0,0,C1,-1,C1,1,C2,0を算出する。
【0028】
Ix,Iyは、たとえば以下のように得られる。測定データAの正方行列データのアドレスを表すインデックスをI,Jと表記する。正方行列データの中心のアドレスcentX,centYを次のように定義する。
centX=(Iの最大値−Iの最小値)/2,centY=(Jの最大値−Jの最小値)/2 … (5)
ただし、[ ]は整数への丸めを意味している。数式(5)のcentXおよびcentYを用いて、
I1=I−centX,J1=J−centY …(6)
とアドレスを表すベクトル変換をする。上式の如く各データのアドレスを表すベクトル変換後、R1を、
R1=I1.2+J1.2 …(7)
とする。行列の直後の“.”(ドット)は行列の要素についての演算を意味する。R1の最大値をMAXRとする。MAXRとI1、J1を用いて数式(8)の要領で座標Ix,Iyを求める。
Ix=I1/MAXR,Iy=J1/MAXR …(8)
これにより、形状データAの配列のアドレスI,Jを−1〜1の値に変換したIx,Iyが得られる。
【0029】
そして、このIx,Iyを数式(4)におけるX,Yとして、測定デーAタから、ゼルニケ多項式の線形結合である数式(4)のゼルニケ係数、特にアライメント誤差成分の係数に相当するC0,0,C1,-1,C1,1,C2,0を最小二乗法により求め、それぞれをCA1、CA2、CA3、CA4とする。そしてアライメント誤差成分(すなわち、(n,m)=(0,0)、(1,−1)、(1,1)、(2,0))について数式(1)のゼルニケ多項式を評価し、前述の手順で得られた係数CA1〜CA4を用いて数式(4)によってアライメント誤差EWを求める。すなわち、アライメント誤差EWを以下の数式(9)により計算する。
【0030】
【数5】
Figure 0003903022
Figure 0003903022
【0031】
測定データAからEW(Ix,Iy)を減算してアライメント誤差補正後の測定データA’を得る。以上のようにして測定データAからアライメント誤差を除去する。
【0032】
測定データA’には、参照波面による誤差も含まれているために、アライメント誤差補正後の測定データA’から参照波面による誤差を分離する。その方法の一例について図3と図4を参照しつつ説明する。
【0033】
図3において、被測定球面18を載置する回転ステージ115は、紙面横方向に平行な回転軸を有する。被測定球面18の中心軸もその回転軸と同じ方向である。図4では、回転ステージ115は更にZ軸ステージ117に載置されている。図4においてXY平面は紙面に直交し、かつ縦方向に広がる平面であり、Z軸ステージはそのXY平面に直交する軸方向、すわなち図の横方向に沿って回転ステージ115を可動としている。
【0034】
ここで、図3のように回転ステージ115の回転軸と被測定球面18の中心軸と光軸113が一致するようにして被測定球面18を測定した測定データA’(上記測定データA’と同じもの)を算出し、さらに回転ステージ115を用いて被測定球面を180°回転させて得られた測定データBと、図4のようにZ軸ステージ117を用いてfθレンズ17の焦点に被測定球面18がくるように被測定球面18を移動させてから測定して得られた測定データCとを取得する。そしてそれぞれの測定データB,Cについても上記手順によってアライメント誤差を除去する。これらの測定データB,Cも測定データA’と同様に、CCD110の各感光素子に対応した2次元の配列構造を有する。
【0035】
次に、測定データBの座標を180°反転させた測定データB’、測定データCの座標を180°反転させた測定データC’よりW1=(A’+B’)/2,W2=(C+C’)/2をそれぞれ得る。参照波面WRはWR=(W1−W2)により得る。測定データA’からWRを減算して、参照面の形状およびfθレンズの収差の影響を除去した被測定球面の形状情報のみを含む形状データA”を得る。すなわち、A”=A’−WRにより最終的な被測定面の形状情報が得られる。これら計算は、もちろん2次元配列の各要素毎に行われる。
【0036】
<コンピュータによる面形状の算出>
以上の手順は、図1の装置においてはパーソナルコンピュータ111により実行される。パーソナルコンピュータ111により実行されるプログラムの手順という観点から上記手順をまとめると以下のようになる。
(ステップ1)
被測定面18の測定データAをCCDカメラ110から取得して所定メモリ位置に格納する。
(ステップ2)
取得した測定データAから、最小二乗法によりアライメント誤差成分のゼルニケ係数CA1、CA2、CA3、CA4を求め、これも保存する。
(ステップ3)
求めたゼルニケ係数CA1、CA2、CA3、CA4を用いて数式(9)を評価してアライメント誤差EWを算出し、A’=A−EWによりアライメント誤差を補正する。アライメント誤差補正後の測定データA’をメモリ等に保存する。
(ステップ4)
被測定面18の測定データBおよびCをそれぞれCCDカメラ110から取得する。この場合、回転ステージ115及びZ軸ステージ117の駆動系がパーソナルコンピュータ111の制御の下にあれば、まず、回転ステージ115を180度回転させて測定データBを取得し、Z軸ステージ117を所定量駆動して、fθレンズ17の焦点位置に被測定面18を移動してから測定データCを取得する。測定したデータB,Cも保存しておく。
(ステップ5)
測定データB,Cを用いた上述の手順で参照波面WRを計算し、A”=A’−WRにより被測定面の形状データを得る。得られたデータは保存すると共に、コンピュータ111のディスプレイに表示するなどして出力する。
【0037】
以上の方法により、fθレンズを用いることにより平面波から球面波へ変換して被測定球面に対して等ピッチな形状情報を得ることができる。このため、周期的なリップル形状の測定精度が向上する。
【0038】
[変形例]
本発明の変形として図5に示すようにfθレンズ17と被測定球面18の間に図6のような曲率半径方向の厚さが一定なメニスカスレンズ118を入れ、被測定物側の面を参照面119として用いることにより参照波面と被測定波面の光路長の差を小さくすることができる。
【0039】
このように構成することで、空気揺らぎ等の外乱に強い干渉計が構築できる。この場合にもピエゾドライバ112により参照面119を微動させてフリンジスキャン法により測定データを得る。この構成では、測定手順そのものは上述した実施形態1におけるものと同様である。
【0040】
[実施形態2]
本発明の実施形態2について図7を参照しつつ説明していく。実施形態2は干渉計の測定範囲よりも大きな被測定面をもつ被測定球面を計測する場合において本発明を用いたものである。この大きな被測定面をもつ被測定球面を測るには被測定球面を分割して測定し、それらの結果をつなぎ合わせることにより被測定球面の全面形状を復元する。この方法では、各分割領域の測定値に異なるアライメント誤差が含まれるおそれがあるために、単純につなぎ合わせるだけでは、正確な被測定面形状は得られない。そこで、以下に説明するように各領域を接続する。
【0041】
図8は、正方メッシュの形が適用できるように被測定範囲円801の中心と各部分測定範囲円A〜Eの中心とを結ぶ直線が互いに直角になるように被測定面を5分割したもので、測定面Aはすべての分割面B〜Eと重複するような基準領域となっている。図8のように分割することにより分割測定したデータA〜Eをつなぎ合わせる際、重複している領域は被測定球面18の同じ位置の形状データを取得しているので、精度よく接続することが可能となる。分割面A,B,C,D,Eを測定して基準面Aに対して接続して全面形状を復元する方法の概要を示す。なお、以下の説明では、分割面A〜Eを分割領域とも呼ぶ。また、分割面A〜Eについて干渉計により測定して得られた分割測定データについても、各分割領域に対応させて分割測定データA〜Eと呼ぶ。
【0042】
基準領域Aの範囲は被測定球面18の中心軸とfθレンズ17の光軸、回転ステージ115の回転軸が一致するように測定する。これは実施形態1における測定データAと同様に取得できる。分割面Bの範囲を測定するためにy軸回りに回転する回転ステージ114を用いて被測定球面の分割情報に基づいて被測定球面を傾ける。図7において、y軸は紙面に対して直交する軸である。傾けた角度情報はコンピュータ111の記憶装置に記憶しておく。ピエゾドライバ112により参照面15を微動させてフリンジスキャン法により測定データを得る。すなわち、被測定領域が相違する点を除けば、測定データの取得方法は基準領域Aについてのそれと同様である。分割領域Cの範囲を測定するときは、被測定球面18を傾けたまま、被測定球面18を、その中心軸116まわりに回転ステージ115を用いて分割領域Bを測定したときの状態から被測定球面を90°回転させる。それにより分割領域Cが測定対象となる位置に被測定球面が位置する。そこで分割領域Cの範囲を測定する。分割領域Dの範囲を測定するには分割領域Cを測定したときの状態から、被測定球面18の中心軸116まわりに回転ステージ115をさらに90°被測定球面18を回転させ、その状態で分割領域Dの範囲を測定する。分割領域Eの測定の際には、分割領域Dの測定状態から、被測定球面18の中心軸116まわりに回転ステージ115をさらに90°被測定球面18を回転させてDの範囲を測定する。
【0043】
このようにして基準領域Aの測定データ(基準測定データと呼ぶことにする)と分割領域B,C,D,Eすべての測定データ(分割測定データと呼ぶことにする。)を得る。まず、基準測定データAと分割測定データB〜Eそれぞれから参照波面の誤差を減算しておく。参照波面は、予め求めておいた値を利用することもできるし、実施形態1に説明したような方法を基準領域Aに適用して参照波面WRを求めることもできる。さらに基準測定データAからアライメント誤差を実施形態1と同様の方法で除去して、形状データAを得る。
【0044】
そして、分割測定データB,C,D,EとAが重複する領域の測定データを抽出して、基準である形状データAに対して分割測定データB,C,D,Eのアライメント誤差を求め、それを基に分割測定データから形状データを得る。重複する領域ではそれぞれの形状データを平均して被測定球面全面の形状データを出力する。
【0045】
<分割面の接続方法>
次に参照波面の誤差を減算した分割測定データB,C,D,Eから形状データAに対して接続する方法の一例を示す。形状データAと分割測定データB,C,D,Eのアドレスに、各分割領域測定時の回転ステージ114の回転角度および回転ステージ115の回転角度を基に全分割測定データに対して共通のアドレスを割り当てる。共通のアドレスでは分割面同士で重複している領域において同じアドレスをもっている。共通のアドレスを実施形態1に示したように−1〜1の間の値Ix2,Iy2に変換しておく。
【0046】
次に形状データAと分割測定面Bの分割測定データそれぞれのデータのうち、形状データAとBの重複する測定データをIx2,Iy2を基に抽出する。AとBが重複している共通アドレスをIxo,Iyoとする。この重複部分について分割測定データAから抽出したデータAoと、分割測定データBから抽出したデータBoとを用いて、AoからBoを減算して面形状成分を相殺したデータMABを得る。MAB=Ao−Boはアライメント誤差のみを含んでいる。アライメント誤差のうちピストン、ティルト、デフォーカスを分離するためにMABを数式(10)により近似する。
【0047】
【数6】
Figure 0003903022
Figure 0003903022
【0048】
近似の結果、係数CM1,CM2,CM3,CM4の値が得られる。係数CM1,CM2,CM3,CM4を用いて分割測定データBの成分すべてについて、すなわちBの全面について数式(11)に示す式を基にアライメント誤差を除去する。
【0049】
【数7】
Figure 0003903022
Figure 0003903022
【0050】
上記数式(11)により分割測定データBからアライメント誤差を減算することによって形状データBfを得る。
【0051】
分割測定データC,D,Eそれぞれについても、分割測定データBと同様に、基準領域Aを基準として上記と同様な手順でアライメント誤差の除去を行い、形状データCf,Df,Efを得る。
【0052】
本実施形態の図8のように被測定面を5つに分割して測定した場合、図9に示すように、1面のみで重複がない領域α、2面が重なる領域β、3面が重なる領域γが存在する。さらに、基準領域Aを挟んで対向する位置にある分割領域BとE、CとDが重複する場合には、4面が重なる領域および5面が重なる領域も存在し得る。そこで、形状データA,Bf,Cf,Df,Efをすべて足し合わせて、領域毎の重複数で除算して平均値を得る。すなわち、図9にあるように領域によって重複回数が違うので共通アドレスIx,Iyを基に、重複回数に応じて平均化回数を変えることによってそれぞれの分割測定の結果得られた形状データ接続して全面形状データAEを合成する。
【0053】
<コンピュータによる面形状の算出>
以上の手順は、図1の装置においてはパーソナルコンピュータ111により実行される。パーソナルコンピュータ111により実行されるプログラムの手順という観点から上記手順をまとめると以下のようになる。
(ステップ21)
被測定面18の基準領域Aについて基準測定データAをCCDカメラ110から取得して所定メモリ位置aに格納する。その後分割領域Bが被測定領域となるようy軸回転ステージ114を所定量回転させる。y軸回転ステージの駆動量は、後のステップにおいて重複領域を求めるために使用されるので保存しておく。
(ステップ22)
分割領域について分割測定データをCCDカメラ110により取得して、所定メモリ位置に格納する。その後次に測定すべき分割領域が残っていれば、次の分割領域が被測定領域となるようレンズ周り回転ステージ115により被測定球面18を90°回転させる。ステージの回転は、ステージがコンピュータ111により制御されている場合には、コンピュータにより制御される。
この測定を分割測定データEを取得するまで繰り返す。
【0054】
(ステップ23)
基準測定データAと各分割測定データB〜Eについて、参照波面のデータを差し引く。
(ステップ24)
基準領域Aについて実施形態1のステップ2及びステップ3を実行して、基準測定データAに含まれる測定時におけるアライメント誤差を補正する。
(ステップ25)
基準測定データAと1の分割測定データとの重複部分の値の差MAX(XはB〜Eのいずれか)を算出し、その値から数式(10)により係数CM1,CM2,CM3,CM4の値を算出してその値を保存する。重複部分は、各分割領域の形状と、基準領域A以外の分割領域B〜Eを測定する際に駆動したy軸回転ステージの駆動量と、各分割領域を測定する際に駆動したレンズ周り回転ステージの駆動量(本実施形態では90°)とにより求められる。
(ステップ26)
係数CM1,CM2,CM3,CM4を用いて分割測定データX(XはB〜Eのいずれか)の成分すべてについて、すなわち分割領域Xの全面について数式(11)に示す式を基にアライメント誤差を除去した面形状データXfを算出して保存する。この計算を、B〜Eのすべての分割領域について実行する。
(ステップ27)
面形状データA,Bf,Cf,Df,Efを、共通のアドレスIx2,Iy2についてすべて足し合わせて、領域毎の重複数で除算して平均値を計算する。すなわち、アドレスが共通する配列成分については加算して合成する。そして、加算した成分の数により、各成分を除算する。たとえば、3重に重複している領域については、共通のアドレスを有する配列成分は3つあることからそれら値が加算される。加算した成分数は3であるから、その値を3で除算する。これを、面形状データA,Bf,Cf,Df,Efすべてについて行い、被測定球面18の全面についての形状データAEを求めて保存する。この値は更に表示等により出力される。
【0055】
以上の方法により、fθレンズを用いることにより平面波から球面波へ変換して被測定球面に対して等ピッチな形状情報を得ることができる。このため、周期的なリップル形状の測定精度が向上する。
【0056】
また、球面波変換手段としてfθレンズを用いて分割測定を行ったので球表面に対して等ピッチなデータが取得でき、分割測定データ同士の接続の際に接続に用いる分割測定面の重複面では同じ形状を計測しているため、分割測定データ同士の接続精度が向上し、干渉計の測定範囲より大きな被測定球面の測定おいても精度よく全面形状を測定することが可能となる。
【0057】
つまり、fθレンズの利用により、測定対象の球面がCCDカメラの焦点面においては平面に座標変換された状態で投影されている。そのため、本実施形態のように、互いに直交する線上に中心を有する領域に被測定面を分割することで、各領域の面形状を示す配列データは、XY方向について平行移動させる座標変換のみによって、その測定された位置が正確に重なり合う。そのため、測定された位置が重なり合わないことに起因する補間処理が不要であり、処理が簡単化されると共に、高精度で面形状を得ることができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、干渉計の球面波変換手段としてfθレンズを用いたことにより球表面に対して等ピッチなデータを取得することができ、周期的なリップル形状の測定精度が向上した。
【0059】
また、球面波変換手段としてfθレンズを用いて分割測定を行ったので球表面に対して等ピッチなデータが取得でき、分割測定データ同士の接続の際に接続に用いる分割測定面の重複面では同じ形状を計測しているため、分割測定データ同士の接続精度が向上し、干渉計の測定範囲より大きな被測定球面の測定おいても精度よく全面形状を測定することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略図を示している図
【図2】ゼルニケ多項式における座標系を説明する図
【図3】測定データから参照面の形状とfθレンズの収差による影響を除去する方法を説明する図
【図4】測定データから参照面の形状とfθレンズの収差による影響を除去する方法を説明する図
【図5】本発明の変形例を示す図
【図6】本実施形態のメニスカスレンズの形状を説明する図
【図7】本発明を干渉計の測定範囲より大きな被測定球面を測定する干渉計に適用した場合の概略図
【図8】本発明を干渉計の測定範囲より大きな被測定球面を測定する干渉計に適用した場合においての分割方法の1例
【図9】すべての分割面から全面形状を復元するときに領域によってデータが重複している回数が違うことを示した図
【図10】従来技術を説明する図
【図11】従来技術における球面波変換手段を説明する図
【符号の説明】
1 レーザ光源
2 レンズ
3 ビームスプリッタ
4 レンズ
5 レンズ
6 参照面
7 被測定面
8 レンズ
9 撮像系
10 コンピュータ
11 レーザ光源
12 レンズ
13 ビームスプリッタ
14 レンズ
15 参照平面
16 参照面
17 fθレンズ
18 被測定球面
19 レンズ
110 撮像系
111 コンピュータ
112 ピエゾドライバ
113 干渉計の光軸
114 Y軸まわりに回転する回転ステージ
115 回転ステージ
116 被測定球面の中心軸
117 Z軸ステージ
118 メニスカスレンズ
119 参照面

Claims (5)

  1. 測定対象の面を被検光により照射して、前記被検光の波面と参照光の波面との干渉画像に基づいて前記測定対象の面の形状を測定する干渉計であって、前記参照面と前記測定対象との間に、前記被検光を球面波として測定対象の球面を照射するためのfθレンズを備えることを特徴とする干渉計。
  2. 測定対象の面を被検光により照射して、前記被検光の波面と参照光の波面との干渉画像に基づいて前記測定対象の面の形状を測定する干渉計であって、前記被検光を球面波として測定対象の球面を照射するためのfθレンズを備え、
    前記fθレンズと前記測定対象のとの間に厚さが球面曲率半径方向に一定なメニスカスレンズを参照面として配置したことを特徴とする干渉計。
  3. 測定対象は球面レンズであって、前記fθレンズの光軸に直交する軸を中心として回転する第1のステージと、前記前記測定対象の球面レンズの光軸を中心として回転する第2のステージとを更に備え、
    前記第1のステージにより一定の傾斜を与えた測定対象の球面を、前記第2のステージにより一定角度ずつ回転させて前記測定対象の球面の形状データを複数の領域に分割して算出し、各領域の重複部分の形状データの差からアライメント誤差を求め、各領域の面形状のデータに含まれる前記アライメント誤差を補正して合成することを特徴とする請求項1または2に記載の干渉計。
  4. 前記第1のステージにより前記球面レンズの光軸と前記fθレンズの光軸とを一致させた状態で基準領域の形状を測定し、前記球面レンズの光軸が一定角度傾くように前記第1のステージを駆動し、その状態で前記第2のステージにより90度ずつ前記測定対象の面を回転させて4領域について測定し、それら5つの形状データを合成して測定対象の球面レンズの面形状を測定することを特徴とする請求項に記載の干渉計。
  5. fθレンズの光軸に直交する軸を中心として回転する第1のステージと、前記第1のステージに載置されて定対象の球面レンズの光軸を中心として回転する第2のステージとを備え、前記第2のステージに載置したレンズの被測定面を、前記fθレンズにより球面波とした被検光により照射して、前記被検光の波面と参照光の波面との干渉画像に基づいて前記被測定面の形状を測定する干渉計において、
    前記第1のステージにより前記球面レンズの光軸と前記fθレンズの光軸とを一致させた状態で基準領域の形状を測定し、
    前記球面レンズの光軸が一定角度傾くように前記第1のステージを駆動し、その状態で前記第2のステージにより一定角度ずつ前記測定対を回転させて前記一定角度に応じた数の領域について面形状データを測定し、
    各領域の重複部分の形状データの差から各領域測定の際のアライメント誤差を求め、各領域の面形状のデータに含まれる前記アライメント誤差を補正し、
    アライメント誤差を補正した形状データを合成して測定対象の球面レンズの面形状を生成することを特徴とする球面形状の測定方法。
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