JP6162706B2 - 無水マレイン酸生成用の改良されたn−ブタン酸化触媒 - Google Patents

無水マレイン酸生成用の改良されたn−ブタン酸化触媒 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
(発明の分野)
本発明は、n-ブタンを酸化して無水マレイン酸とするのに使用する、改良された触媒に関する。とりわけ、本発明は、バナジウムとリンとの混合酸化物を含む金属活性化酸化触媒であって、ニオブ、コバルト、鉄、亜鉛、モリブデン又はチタンの少なくとも1つで活性化された触媒の製造方法に関する。この製造方法によると、n-ブタンから無水マレイン酸への酸化用の改良された触媒組成物が得られる。
(従来技術の説明)
無水マレイン酸は、不飽和ポリエステル樹脂、ブタンジオールやテトラヒドロフラン等の化学中間薬品、医薬品及び農薬を製造するのに汎用性のある周知な中間物質である。無水マレイン酸は、芳香族炭化水素化合物(例えばベンゼン)又は非芳香族炭化水素化合物(例えばn-ブタン)の部分酸化により製造される。前記酸化は、不均質触媒の存在下、気相中で行われる。酸化反応は、固定床反応器、流動床反応器又は上昇床(riser bed)反応器で行うことができる。
n-ブタン、n-ブテン、1,3-ブタジエン又はこれらの混合物等の炭素原子4個の炭化水素化合物を、分子酸素又は酸素含有気体で酸化して無水マレイン酸を製造するのに、バナジウムとリンとの酸化物を含む触媒が使用されてきた。このような触媒の従来からの調製方法は、5価のバナジウム化合物を還元して、これをリン化合物と混合し、所望であれば、バナジウムの原子価数が+5より小さい状態となるような条件で活性剤エレメント化合物も混合し、バナジウム‐リン酸化物への変換が可能な触媒前駆体を形成する。その後、触媒酸化物前駆体を回収して活性触媒物質に変換するが、これは、固定床又は流動床に適した触媒粒子に形成する前又は後に行われる。
従来技術には、この調製のための様々な手順が多く記載されているが、一般的に、バナジウム五酸化物(V2O5)をバナジウムのソースとして使用している(例えば、米国特許第5,137,860号及びEP 0804963 A1参照)。塩化水素水溶液は、V+5をV+4に還元するための還元剤の1つである。イソブチルアルコールやベンジルアルコール等の第一もしくは第二脂肪族アルコール又は芳香族アルコールのような有機還元剤も使用される。最も使用される有機還元剤はイソブチルアルコールであるが、これは、イソブチルアルコールが最適な溶媒であることと、酸化還元特性とをあわせもち、完全な酸化還元反応により4価バナジウムが形成される。これをリン酸と反応させてオルトリン酸バナジル(vanadyl acid orthophosphate)半水化物(VO)HPO4・0.5H2Oを形成した後、更に加熱処理を施し最終触媒が得られる。
米国特許第3,888,886号、同3,905,914号、同3,931,046号、同3,932,305号及び同3,975,300号には、直径1インチの流動床反応器でブテンから無水マレイン酸を製造するための活性化バナジウム‐リン酸化物触媒の試験が開示されている。多くの場合、オルトリン酸バナジル半水化物触媒前駆体を水性媒体中で形成し(米国特許第第3,975,300では、バナジウム化合物、リン化合物及び有機還元剤のペースト中で前駆体を形成)、乾燥後、前駆体を粉砕し、篩分けにより約74〜250μサイズの粉体にすることで触媒は調製された。
米国特許第4,647,673号には、バナジウムとリンとの混合酸化物を含む、耐摩耗性の微小回転楕円体(microspheroidal)の流動床触媒の調製方法が開示されているが、該方法では、バナジウム‐リン混合酸化物触媒前駆体を高密度化(densified)して微粉砕し、流動性粒子に形成した後、流動条件下で焼成を行う。
周期表のIA、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VIA、VIB及びVIIIAの群から選択される活性剤元素又はその種の元素混合物を添加することにより、バナジウムとリンとの混合酸化物を含む触媒の性能は修正や大幅な向上が可能である。このような触媒の触媒性能が上記元素の添加により大幅に向上できることは、特許文献にクレームされている。文献に報告されている活性剤及びそれらの働きについては以下に報告がある。G. J. HutchingsのAppl. Catal., 1991, 72, 1-32、及びStud. Surf. Sci. Catal. "Preparation of Catalysts VI", (G. Poncelet等 Eds.), Vol. 91, Elsevier Science, Amsterdam, 1995, p. 1。バナジウムとリンとの混合酸化物を含む触媒性能を向上させる活性剤については、他には以下に言及されている。V. Guliants等の(Catalyst Letters 62 (1999), 87-9)では、触媒をNb、Si、Ti及びZrで活性化している。I. Mastuura等(Catal. Today, 1996, 28, 133-138)では、共沈物質VとNbを水溶液中に共沈させた後、この沈殿物を還流下ベンジルアルコールで処理する。P. G. Pries de Oliveira等(Catal. Today, 2000, 57, 177-186)では、イソブチルアルコール中でVPO前駆体を調製し、オルトリン酸バナジル半水化物の核形成の直前にNbPO4を導入する。A. M. Duarte de Farias等(J. Catal. 2002, 208, 238-246)は、Nbエトキシドをイソブチルアルコールに溶解したものを還元剤として使用し、Nb-変性触媒前駆体を調製し、次いで該前駆体を反応条件下で活性化させる。米国特許第4,147,661号(Higgins等に付与)では、塩化水素ガスを還元剤として用い、イソブチルアルコール中でNb活性化触媒を調製する。米国特許第7,638,457号(Ghelfi等に付与)では、バナジウムのソースと、リンのソースと、溶媒及び還元剤として作用することができる有機媒体と、ベンジルアルコール及びポリオール類からなる群から選択される添加剤とを含む触媒前駆体混合物の調製中に、少量のNb化合物又はその塩類を添加した後、蒸気の存在下で前記前駆体の熱処理を行う。
(発明の概要)
本発明は、n-ブタンを酸化して無水マレイン酸とする際の、バナジウムとリンとの混合酸化物を含む改良された活性化酸化触媒の調製方法に関するもので、該触媒は、ニオブ、コバルト、鉄、亜鉛、モリブデン又はチタンの少なくとも1種により活性化されている。本願明細書に記載のごとく調製した改良された触媒により、n-ブタンから無水マレイン酸への総転化率は、従来技術により調製された活性化触媒よりも高くなる。
実施形態の1つによると、本発明は、バナジウムとリンとの混合酸化物を含み、ニオブ、コバルト、鉄、亜鉛、モリブデン又はチタンの少なくとも1種により活性化されている、活性化VPO触媒の調製方法であり、
(i)ピロリン酸バナジルを主要成分として含み、リン酸バナジルの含有量が5質量%未満であるVPO触媒を調製する工程と、
(ii)前記VPO触媒を、ニオブ、コバルト、鉄、亜鉛、モリブデン又はチタンからなる群から選択される少なくとも1つの金属の金属ソース化合物を含む溶液と接触させて、金属含浸VPO触媒を形成する工程と、
(iii)前記金属含浸VPO触媒を乾燥して活性化VPO触媒を形成する工程とを含む、調製方法である。
実施形態の1つによると、本発明は、
(i)ピロリン酸バナジルを主要成分として含み、リン酸バナジル含有量が5質量%未満であるVPO触媒を調製する工程と、
(ii)前記VPO触媒を、ニオブ含有溶液と接触させて、ニオブ含浸VPO触媒を形成する工程と、
(iii)前記ニオブ含浸VPO触媒を乾燥してニオブ活性化酸化触媒を形成する工程とを含む、ニオブ活性化酸化触媒の調製方法である。
(本発明の詳細な説明)
本発明は、n-ブタンの酸化により無水マレイン酸とする際の、バナジウムとリンとの混合酸化物を含む、改良されたニオブ活性化酸化触媒の調製方法である。

触媒:
本発明の触媒は、バナジウムとリンとの酸化物を含み、ニオブ、コバルト、鉄、亜鉛、モリブデン又はチタンの少なくとも1種により活性化されている。
バナジウム、リン及び酸素を含む触媒を以下「VPO触媒」とするが、n-ブタンを酸化して無水マレイン酸とするのに有用である。このような触媒は、通常、ピロリン酸バナジル((VO)2P2O7)、メタリン酸バナジル(VO(PO3)2)及びリン酸バナジル(VOPO4)の相の混合物を有する。
このような多相VPO触媒は、オルトリン酸バナジル半水化物(式(VO)HPO4・0.5H2O)の熱処理により誘導されるが、本願明細書に記載のごとく調製するとよい。
本発明の改良された活性化VPO触媒は、ニオブ、コバルト、鉄、亜鉛、モリブデン又はチタンの少なくとも1種により活性化されているが、
(i)ピロリン酸バナジルを主要成分として含み、リン酸バナジル含有量が5質量%未満であるVPO触媒を調製し、
(ii)前記VPO触媒を、ニオブ、コバルト、鉄、亜鉛、モリブデン又はチタンからなる群から選択される少なくとも1つの金属の金属ソース化合物を含む溶液と接触させて、金属含浸VPO触媒を形成し、
(iii)前記金属含浸VPO触媒を乾燥して活性化VPO触媒を形成することにより得られる。
通常、得られる触媒における金属活性剤の量は0.1質量%と1.0質量%の間である。実施形態の1つでは、金属活性剤:バナジウムのモル比が0.0015:1 と0.015:1の間である。別の実施形態では、金属活性剤:バナジウムのモル比が0.003:1と0.01:1の間である。
VPO触媒の調製:
バナジウムとリンとの混合酸化物を含むVPO触媒は、当該分野で公知のいずれの方法で調製してもよい。
バナジウムとリンとの混合酸化物を含む酸化触媒の調製方法の1つでは、バナジウム化合物、なかでも5価のバナジウム化合物を有機液体媒体に少なくとも部分的に溶解させる。5価のバナジウムを含む好適なバナジウム化合物としては、バナジウム五酸化物又は、メタバナジウム酸アンモニウム及びオキシトリハロゲン化バナジウム等のバナジウム塩が挙げられる。バナジウム五酸化物が好適である。バナジウムの溶解を促進させるために、液体媒体に導入するバナジウム含有化合物は粒径が小さいことが好ましく、初期の液体媒体のバナジウム懸濁液をボールミル粉砕等に供することで、液体媒体でのバナジウム化合物の粒径を更に小さくする方法を用いるとよい。
使用する液体媒体は、添加して溶媒和作用時か、或は、混合加熱時に、バナジウムの少なくとも一部を+4価の状態に還元できなければならない。更に、液体媒体はリン酸の溶媒となり、リン酸に対して比較的反応性がないことが好ましい。しかしながら、液体媒体は、バナジウムとリンとの混合酸化物の溶媒であってはならない。本発明で使用する好適な液体媒体とは、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、エーテル類及びそれらの混合物等の有機化合物である。本発明で使用する有機液体媒体は無水であることが好ましい。本発明において液体媒体としての使用にふさわしい好適な有機液体はアルコール類で、とりわけイソブタノールである。
5価のバナジウム化合物を液体媒体に導入後、バナジウムの還元を行うが、好ましくは、得られた反応媒体を加熱して、所望であれば撹拌しながら行う。炭素原子4個の炭化水素化合物を酸化して無水マレイン酸にするための、好適なバナジウムとリンとの酸化物触媒には、平均価数約+3.9〜約+4.6のバナジウムが含まれる。この平均価数状態は、反応混合物に導入した5価のバナジウムの少なくとも一部が+4の状態まで、好ましくは約+4.1の状態まで還元されると得られる。
バナジウムが少なくとも部分的に還元された後、5価のリン含有化合物を反応媒体に添加する。5価のリンを含む好適なリン化合物としては、リン酸、リン五酸化物又は五塩化リン等のリンパーハライド(phosphorus perhalide)が挙げられる。リン酸及びリン五酸化物が好ましい。5価のリン含有化合物は、液体反応溶媒の一成分を用いたリン含有化合物の溶液、又は、リン含有化合物生成可能な液体を用いたリン含有化合物の溶液の形態で反応媒体に添加することが好ましい。リン含有化合物を液体反応媒体に添加後、液体反応媒体を必要に応じて撹拌しながら加熱することが好ましい。
或は、バナジウムとリンとの混合酸化物を含む酸化触媒の別の調製方法では、リン含有化合物を液体媒体に加えた後、この混合物にバナジウム五酸化物を添加して反応媒体を形成し、これを撹拌しながら加熱する。
前記のごとく、使用する液体媒体はバナジウム-リン混合酸化物の溶媒ではない。そのため、バナジウム-リン酸化物触媒前駆体が形成されると、液体反応媒体から析出する。特にこの時点で、媒体中のH2O総含量は、通常約5%を下回る。
液体反応媒体中に調製された触媒前駆体は、従来の方法で、例えば、蒸発、濾過、遠心分離、デカンテーション等により液体反応媒体から回収することができる。実施形態の1つでは、前駆体を加熱乾燥する。或は、回収した前駆体は、まだ有機液体で部分的に濡れている状態で、石油エーテルなどの低沸点溶剤で処理することができる。別の実施形態では、余計な調製用反応媒体を真空濾過によって実質的に取り除いてもよい。更に別の実施形態では、過剰な水分を前駆体含有有機液体反応媒体に導入して、有機層を水性相から分離させ、乾燥により触媒前駆体を回収することもできる。
回収後、触媒前駆体を高密度化(densification)して微粉砕する。触媒前駆体の高密度化と微粉砕の順番は、目的を実行するために用いる方法によって異なる。例えば、触媒前駆体をタブレット化又はペレット化により高密度化した後、その材料を粗砕又は中間粉砕して、微小回転楕円体粒子を形成する準備をしてもよい。或は、乾燥又は噴霧乾燥によって触媒前駆体を回収し、その後、前駆体材料の高密度化と、触媒前駆体の微粉砕(平均粒径(直径)約1μ未満)の両方を行う目的で乾燥ボールミリングを行ってもよい。触媒前駆体の高密度化及び微粉砕工程は、最終的な流動床触媒粒子の嵩密度が約0.75g/cm3以上、好ましくは1g/cm3以上になるように繰り返すことができる。
次いで、高密度化と微粉砕を行った触媒前駆体を微小回転楕円体の流動性粒子に形成する。これは、油滴法(oil drop method)によって行うことができ、触媒前駆体の水溶液を熱油浴に落として回転楕円体粒子を形成する。別の実施形態によると、触媒前駆体の水性スラリーを噴霧乾燥して微小回転楕円体の流動性粒子をすることができる。
粗砕と流動性画分の篩分けで流動性粒子を形成することは、耐摩耗性を有する触媒の形成には適していない。なぜならば、第一にその不規則な表面組織により、流動床での操作中に粒子が容易に磨滅するからである。
噴霧乾燥を利用する場合、触媒前駆体を水に導入して水性スラリーを形成する時点では、触媒前駆体は未焼成であることが好ましい。焼成後のバナジウム‐リン混合酸化物触媒が水(100℃未満)と実質的に接触すると、触媒の活性が低下する。特に空中での焼成の場合は顕著である。
触媒前駆体含有水性スラリーの固形含有量は、約25〜約60質量%に調整するとよい。実施形態の1つでは、前記固形分含量は約40質量%以上である。次いで、該触媒前駆体含有水性スラリーを噴霧乾燥して、粒径範囲が約20μと約300μの間、通常は20μと約240μの間の均一な微小回転楕円体粒子を形成する。噴霧乾燥は当該分野で公知の方法により行うことができる。
触媒は100%活性相として、不活性希釈剤又は支持体を有していないものがよい。別の実施形態では、高密度化、微粉砕及び微小回転楕円体の流動性粒子の形成のいずれかの工程の前又は工程中に、不活性希釈剤又は支持体を流動床触媒に添加してもよい。このような不活性希釈剤又は支持体としては、シリカ、アルミナ、アルミナシリカ、チタニア、ニオビア、炭化ケイ素等を挙げることができる。実施形態の1つでは、触媒が活性物質を少なくとも70%含む。別の実施形態では、触媒が活性物質を少なくとも80%含む。更に別の実施形態では、触媒が活性物質を少なくとも90%含む。
上記により調製した流動性粒子を、流動条件下で焼成する。流動条件は、当該分野の当業者であれば容易に決定することができ、触媒床を「上昇」させ、実質的にすべての触媒粒子をガスと接触させるのに十分なガス流を、触媒を入れた流動床容器内に導入すると同時に、恒温制御を行う。流動床焼成と同様に、均一に触媒粒子をガスと接触させることができ、十分に恒温制御ができるカスケード式焼成等の他の焼成方法も本発明で利用することができ、焼成した触媒に耐摩耗性を付与するのに十分な流動条件となる。しかしながら、流動床焼成のほうが好ましい。
触媒の焼成は、流動床条件下約300〜約450℃の温度で空気又は酸素含有ガス中で行う。更に炭化水素、不活性ガス又は水蒸気の存在下で触媒を焼成してもよい。実施形態の1つでは、焼成温度を約300℃から約325℃に上げた後、約400〜約425℃まで着実に上げる。実施形態の1つでは、温度を約0.5〜5℃/分の割合で上昇させる。焼成時間は調製方法、触媒組成及び触媒量によって変わるが、一般に1時間より長い時間をかけて焼成を行う。
触媒前駆体には活性剤元素を含有させることができ、活性剤元素は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Ti、Cr、W、Ta、U、Co、Mo、Fe、Zn、Hf、Zr、Mn、As、Sb、Te、Bi、Sn、Ge、Nb、Ni、Cu、Cd、Ce、稀土類元素又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらを当該分野で公知の方法により触媒前駆体に合体させることができるが、例えば、バナジウムの還元前又は還元後、或は、流動性触媒の調製における1つ以上の工程において、液体反応媒体を介して混入させる。活性剤元素は、金属、酸化物、水酸化物、炭酸塩、又は、ハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、酪酸塩、ベンジレート(benzylates)等の塩の形態で触媒に添加すればよい。実施形態の1つでは、活性剤元素:バナジウムのモル比が、0.001:1〜1:1である。別の実施形態では、活性剤元素:バナジウムのモル比が、0.003:1〜0.5:1である。
炭素原子4個の炭化水素化合物から無水マレイン酸を生成するのに適した触媒は、通常、リン:バナジウムの比が約2:1〜約0.5:1、好ましくは約0.8:1〜約1.3:1である。P/V比は約1.2:1が最も好ましい。触媒のバナジウムについての平均価数は、+3.5〜+4.6の範囲、好ましくは約+4が好ましい。
ピロリン酸バナジルの含量
上記の調製を含む従来技術により調製されたVPO触媒には、ピロリン酸バナジル[(VO)2P2O7]、メタリン酸バナジル[VO(PO3)2]及びリン酸バナジル[VOPO4]の相混合物が含まれる。本発明の方法の主たる特徴は、VPO触媒が、ピロリン酸バナジルを主成分として含み、リン酸バナジルの含有量が5質量%未満となることである。
VPO触媒におけるリン酸バナジル含量が前記所望の範囲より多い場合(即ち、リン酸バナジルが5質量%以上の場合)、無水マレイン酸生成のためのブタン酸化条件下で十分な時間をかけて触媒を処理してリン酸バナジル相を所望の含有量にすることで、VPO触媒におけるリン酸バナジルの量を減らすことができる。実施形態の1つでは、VPO触媒をブタン酸化条件下に約4〜約80時間おくことで、VPO触媒におけるリン酸バナジル相の量を許容量まで減らすか完全になくす。別の実施形態では、VPO触媒を水で「洗浄」することにより、リン酸バナジル相を減らしたり、VPO触媒から取り除くこともできる。実施形態の1つによると、「洗浄」処理は、固体のVPO触媒と水を混合すること、水を除去すること、濾過により固形物を回収した後に濾液の固形分の乾燥を行うことを含み、リン酸バナジル相が少ないか、ほとんど無い状態のVPO触媒とする。
金属活性剤による含浸
本発明の方法は、ピロリン酸バナジルを主成分として含み、リン酸バナジル含有量が5質量%未満のVPO触媒に、ニオブ、コバルト、鉄、亜鉛、モリブデン又はチタンの少なくとも1つを含浸させて活性化させることを含む。実施形態の1つでは、VPO触媒をニオブで活性化する。別の実施形態では、VPO触媒をコバルトで活性化する。別の実施形態では、VPO触媒を鉄で活性化する。別の実施形態では、VPO触媒を亜鉛で活性化する。別の実施形態では、VPO触媒をモリブデンで活性化する。別の実施形態では、VPO触媒をチタンで活性化する。
本発明の方法は、ニオブ、コバルト、鉄、亜鉛、モリブデン又はチタンからなる群から選択される少なくとも1つの金属の少なくとも1種の金属ソース化合物を含む溶液に、VPO触媒を接触させ、該金属ソース化合物の溶液で触媒表面を被覆又は含浸させることを含む。本願明細書で使用のごとく、「ソース化合物」とは、クレームした活性元素の少なくとも1つを含む化合物で、水性溶媒又は非水性溶媒に少なくとも部分的に可溶であるため溶液を形成する化合物を指す。ニオブ、コバルト、鉄、亜鉛、モリブデン又はチタンの好適なソース化合物としては、シュウ酸アンモニウムニオブ(ammonium niobium oxalate)、酢酸コバルト、酢酸亜鉛、リンモリブデン酸、クエン酸鉄アンモニウム及びチタニウム(IV)ビス(アンモニウムラクト)ジヒドロキシドが挙げられる。明確にしておくと、シュウ酸アンモニウムニオブは、一般に式NH4[NbO(C2O4)2(H2O)2]・2(H2O)で表すことができ、NH4(HC2O4)(H2C2O4)・2(H2O)、NH4[NbO(C2O4)2(H2O)2]・3(H2O)及び(NH4)3[NbO(C2O4)3]・(H2O)といった相を更に含んでもよい。
実施形態の1つでは、VPO触媒の微小回転楕円体粒子を、金属ソース化合物を含む溶液と接触させる。金属ソース化合物を含む上記溶液は、水性溶媒又は非水性溶媒、或はそれらの混合物を含んでもよい。金属ソース化合物を含有する溶液は、2種以上の金属のソース化合物を含んでいてもよい。実施形態の1つでは、金属ソース化合物を含む溶液は、ソース化合物が5体積%と20体積%の間で、残りが水である。
接触は、当該分野で公知のいずれの初期湿潤含浸技術又は方法によって行ってもよく、VPO触媒を金属ソース化合物含有溶液に浸漬する方法、又は、金属ソース化合物を含む溶液をVPO触媒に噴霧する方法が挙げられる。VPO触媒を金属ソース化合物含有溶液に接触させると、触媒の細孔に溶液が吸収される。接触後は、VPO触媒は金属ソース化合物含有溶液で「濡れた状態」又は「湿った状態」である。
金属ソース化合物含有溶液に接触又は含浸後、濡れた状態のVPO触媒の乾燥を行い、金属ソース化合物含有溶液に使用した有機溶媒又は水性溶媒を除去する。濡れた状態の触媒は、溶媒を除去するのに十分な時間をかけて高温加熱により乾燥する。実施形態の1つでは、含浸後の触媒を窒素雰囲気下で乾燥する。一般に、温度は100℃と300℃の間、時間は2時間と5時間の間で、濡れた状態のVPO触媒の乾燥を行う。実施形態の1つでは、約200℃で約3時間、濡れた状態のVPO触媒の乾燥を行う。
実施形態の1つでは、VPO触媒をニオブ含有溶液と接触させる。実施形態の1つでは、該ニオブ含有溶液は、10%シュウ酸アンモニウムニオブの水溶液である。別の実施形態では、VPO触媒をコバルト含有溶液と接触させる。別の実施形態では、VPO触媒を鉄含有溶液と接触させる。別の実施形態では、VPO触媒を亜鉛含有溶液と接触させる。別の実施形態では、VPO触媒をモリブデン含有溶液と接触させる。別の実施形態では、VPO触媒をチタン含有溶液と接触させる。
無水マレイン酸を生成するためのn-ブタンの酸化
本発明で使用する触媒は、当該分野で公知のいずれのタイプの酸化用反応器でも使用できる。触媒をタブレット、ペレット等の形態にして、固定床反応器で使用することもできる。或は、約100μ未満の小粒径の触媒にして流動床反応器で使用することもできる。
無水マレイン酸を形成するために反応に供される炭化水素は、n-ブタン、n-ブテン、1,3-ブタジエン又はこれらの混合物がよい。n-ブタン又は製油ストリームで生成される炭化水素の混合物の使用が好適である。空気としての分子酸素の添加が最も便利であるが、分子酸素を含む合成的なストリームも好適である。炭化水素及び分子酸素にくわえ、他の気体を反応体の供給に添加してもよい。例えば、水蒸気又は窒素を反応体に加えてもよい。
反応体の比率は広範囲に変えることができ、決定的なものではない。反応器への供給における好適な酸素/炭化水素比は、炭化水素1モルに対して酸素が約4〜約20モルである。反応温度は広い範囲で決めることができ、使用する特定の炭化水素と触媒によって決まる。一般に、温度は約325〜500℃が好ましく、約360〜約460℃がより好ましい。大気圧、過圧又は減圧にて反応を行うことができるが、過圧で行うことが好適である。一般的に、供給材料には約0.2〜約5.0モル%のブタン、好ましくは約1.0〜約4.0モル%のブタンが含まれ、ブタンの単位時間あたりの質量空間速度(wwh)は、1時間あたり触媒1lb(約453.6g)に対してブタン約0.005(2.3g)〜約0.2lbs(90.7g)、好ましくはブタン約0.01(4.5g)〜約0.1lbs(45.4g)である。本願明細書において他でも使用しているが、「無水マレイン酸を生成するためのブタン酸化条件」とは、本パラグラフに記載のパラメータ範囲を指す。
更に、VPO触媒をオルトリン酸のアルキルエステルで含浸させ、含浸した触媒を定期的に流動床VPO触媒に添加することにより、VPO流動床触媒へのリンの添加が可能であり、低い作業温度で無水マレイン酸収率の増加が可能であることが確認された。
好適なアルキルリン酸エステル化合物は、式(RO)3P=Oを有するオルトリン酸のアルキルエステルである。式中、Rはそれぞれ独立して水素又はC1〜C4アルキルで、少なくとも1個のRは炭素原子数1〜4個である。より好適なリン化合物は、リン酸トリエチル又はリン酸トリメチルである。
一般に、未活性触媒100質量部に対して、約1〜約25質量部、好ましくは約7〜約23質量部、より好ましくは約8〜約21質量部、さらに好ましくは約16〜約19質量部のオルトリン酸のアルキルエステルを流動床触媒に添加する。
(具体例)
本発明を説明するために、本発明により調製した触媒を、本発明の範囲外の従来技術による方法で調製した同様の触媒と反応条件を同じようにして評価比較を行った。実施例では、バナジウム、リン及び酸素を含み、(VO)2P2O7相が優勢で、活性剤元素は含まない流動床反応器触媒を利用する。実施例で使用するVPO触媒は、INEOS USA LLCより市販されている。バナジウム及びリンの混合酸化物を含む活性化触媒のすべての反応器試験は、触媒370gを入れた1.5インチ(3.8cm)のパイロットプラント反応器で行い、反応器内の試験条件は、空気/ブタン比が30/1、ブタンの単位時間あたりの質量空間速度(wwh)は0.05、10psigである。各実施例の反応器の温度は表1に示す通りである。実施例はすべて説明の目的のみのために記載する。
実施例1 洗浄によるリン酸バナジルの除去
24.2%のVOPO4を含む黄色がかった灰色のVPO触媒粉末を、触媒1g/水7.5gの質量比で水に添加し15分間撹拌した。得られたスラリーをガラスフリット漏斗で真空吸引により濾過した。濾液は暗い茶色であり、最初の粉末に黄色味を付与していたVOPO4相が実質的に除去されていることを示した。更に、真空吸引下で回収した固形物に1gの触媒に対して5gの水を流した。次いで、回収した固形物を乾燥炉で2時間120℃で乾燥した。乾燥後、触媒の質量は最初の質量の約80%となり、黄色味のない暗い灰色であった。洗浄した粉末のX線回折パターンにはVOPO4相の存在は何も示されなかった。
比較例2、3及び4
未使用のVPO触媒サンプルの試験をブタン酸化条件下で行った。ブタンの転化率と無水マレイン酸の収率は表1に示す通りであった。
比較例5
無水マレイン酸生成のためのn-ブタン酸化条件に既に供されたことがあるVPO触媒サンプルで、直径1.5インチの鋼製流動床反応器を用いて試験を行い、無水マレイン酸の収率を求めた。サンプルの試験をブタン酸化条件下で行った。ブタンの転化率と無水マレイン酸の収率は表1に示す通りであった。
比較例6
未使用のニオブ活性化VPO触媒(本願明細書で用いた他のVPO触媒と同様に調製するが、触媒調製中にニオブを添加)の試験を直径1.5インチの鋼製流動床反応器で行い、無水マレイン酸の収率を求めた。サンプルの試験を条件で行った。ブタンの転化率と無水マレイン酸の収率は表1に示す通りであった。収率は比較例2〜5の触媒よりも高い。
比較例7
9.09質量%のシュウ酸アンモニウムニオブ(ANO)を含有するANO水溶液を、触媒1gに対し溶液0.22gの質量比で未使用のVPO触媒に撹拌しながら添加した。この実施例で使用したVPO触媒には、少ない方の相VOPO4相は比較的多く(>8質量%)含まれていた。触媒を実験室の炉で120℃2時間乾燥した。乾燥後、直径1.5インチの鋼製流動床反応器にサンプルの一部を装填した。触媒を窒素の流れの中で流動化し、約200℃に加熱してシュウ酸塩を分解し、残っている水を取り除き、さらに約390℃まで加熱した。次いで触媒の試験をn-ブタン酸化条件下で行った。ブタン転化率と無水マレイン酸の収率は表1に示す通りであった。収率は実施例6の触媒の収率よりも低く、比較例2〜5の触媒の収率よりも低い。
比較例8
9.09質量%のシュウ酸アンモニウムニオブ(ANO)を含有するANO水溶液を、触媒1gに対し溶液0.22gの質量比で未使用のVPO触媒に撹拌しながら添加した。この実施例で使用したVPO触媒には、少ない方の相VOPO4相は比較的多く(>24質量%)含まれていた。ANO溶液添加後、触媒を実験室の換気フード内の開放皿で一晩風乾した。乾燥後、直径1.5インチの鋼製流動床反応器にサンプルの一部を装填した。触媒を窒素の流れの中で流動化し、約200℃に加熱してシュウ酸塩を分解し、残っている水を取り除き、さらに約390℃まで加熱した。次いで触媒の試験をn-ブタン酸化条件下で行った。ブタン転化率と無水マレイン酸の収率は表1に示す通りであった。収率は比較例6の触媒の収率よりも低く、比較例2〜5の触媒の収率よりも低い。
実施例9
9.09質量%のシュウ酸アンモニウムニオブ(ANO)を含有するANO水溶液を、触媒1gに対し溶液0.22gの質量比でVPO触媒に撹拌しながら添加した。この実施例で使用したVPO触媒には、少ない方の相VOPO4相はごく少量(<2.5質量%)しか含まれていなかった。ANO溶液添加後、触媒を実験室の炉で120℃4時間乾燥した。乾燥後、直径1.5インチの鋼製流動床反応器にサンプルの一部を装填した。触媒を窒素の流れの中で流動化し、約200℃に加熱してシュウ酸塩を分解し、残っている水を取り除き、さらに約390℃まで加熱した。次いで触媒の試験をn-ブタン酸化条件下で行った。ブタン転化率と無水マレイン酸の収率は表1に示す通りであった。収率は比較例2〜5の触媒の収率よりも高く、実施例6の触媒の収率よりも高い。
実施例10
9.09質量%のシュウ酸アンモニウムニオブ(ANO)を含有するANO水溶液を、触媒1gに対し溶液0.22gの質量比でVPO触媒に撹拌しながら添加した。この触媒は、既に無水マレイン酸生成のためのn-ブタン酸化条件下で用いている。この使用済みのVPO触媒サンプルには、 少ない方の相VOPO4相は含まれていなかった。ANO溶液添加後、触媒を実験室の換気フード内の開放皿で一晩風乾した。乾燥後、直径1.5インチの鋼製流動床反応器にサンプルの一部を装填した。触媒を窒素の流れの中で流動化し、約200℃に加熱してシュウ酸塩を分解し、残っている水を取り除き、さらに約390℃まで加熱した。次いで触媒の試験をn-ブタン酸化条件下で行った。ブタン転化率と無水マレイン酸の収率は表1に示す通りであった。収率は比較例2〜5の触媒の収率よりも高く、比較例6の触媒の収率よりも高い。
実施例11〜17
各実施例で、9.09質量%のシュウ酸アンモニウムニオブ(ANO)を含有するANO水溶液を、触媒1gに対し溶液0.22gの質量比でVPO触媒に添加した。実施例のVPO触媒はすべて、少ない方の相VOPO4相が少量に減ったことが確認できるくらいの十分な時間にわたり既に無水マレイン酸を生成するためのブタン酸化条件下に供されていた。ANO溶液の触媒への添加は噴霧ノズル付きの回転式真空乾燥機内で行った。乾燥機では、すき状のもので触媒を混合しながら、触媒にANO溶液を噴霧した。ANO溶液の添加後、乾燥機内のものを約30分間混合した。次いで、真空下、乾燥機を窒素でパージし、約392゜F(200℃)に加熱してシュウ酸塩を分解し、残っている水を取り除き、この温度を約3時間保ったのちに冷却した。最終触媒の一部を、n-ブタン酸化条件下で試験に供した。ブタン転化率と無水マレイン酸の収率は表1に示す通りであった。収率は比較例2〜5の触媒の収率よりも高く、比較例6の触媒の収率よりも高い。
比較例18
コバルト活性化VPO触媒(本願明細書で使用の他のVPO触媒と同様に調製するが、触媒調製中にコバルトを添加し、コバルトを約0.2質量%含有する触媒とする)の未使用のサンプルで、n-ブタン酸化条件下試験を行った。ブタン転化率と無水マレイン酸の収率は表1に示す通りであった。収率は実施例2〜5の触媒の収率とほぼ同じであるが若干低い。また、この触媒のコバルトのソースは酢酸コバルトで、調製工程中(焼成の前)に添加した。
実施例19
約1.1質量%のCoを含む酢酸コバルト水溶液を、触媒1gに対して溶液0.2gの質量比で撹拌しながらVPO触媒に添加した。ここで使用のVPO触媒は、少ない方の相VOPO4相が少量に減ったことが確認できるくらいの十分な時間にわたり既に無水マレイン酸を生成するためのブタン酸化条件下で使用していた。酢酸コバルト溶液を添加後、触媒を実験室の換気フード内の開放皿で一晩風乾した。乾燥後、直径1.5インチの鋼製流動床反応器にサンプルの一部を装填した。触媒を窒素の流れの中で流動化し、約200℃に加熱した後、さらに約390℃まで加熱して、約0.2質量%のCoを含む触媒を生成した。次いで触媒の試験をn-ブタン酸化条件下で行った。ブタン転化率と無水マレイン酸の収率は表1に示す通りであった。収率は実施例17の触媒の収率より高く、また比較例2〜5の触媒の収率よりも高い。
実施例20
約1.7質量%のZnを含む酢酸亜鉛水溶液を、触媒1gに対して溶液0.22gの質量比で撹拌しながらVPO触媒に添加した。ここで使用の触媒は、少ない方の相VOPO4相が少量に減ったことが確認できるくらいの十分な時間にわたり既に無水マレイン酸を生成するためのブタン酸化条件下で使用していた。酢酸亜鉛溶液を添加後、触媒を実験室の換気フード内の開放皿で一晩風乾した。乾燥後、直径1.5インチの鋼製流動床反応器にサンプルの一部を装填した。触媒を窒素の流れの中で流動化し、約200℃に加熱した後、さらに約390℃まで加熱して、約0.4質量%のZnを含む触媒を生成した。次いで触媒の試験をn-ブタン酸化条件下で行った。ブタン転化率と無水マレイン酸の収率は表1に示す通りであった。収率は比較例2〜5の触媒の収率よりも高い。
実施例21
約1.7質量%のMoを含むリンモリブデン酸(phosphomolybdic acid)水溶液を、触媒1gに対して溶液0.22gの質量比で撹拌しながらVPO触媒に添加した。ここで使用のVPO触媒は、少ない方の相VOPO4相が少量に減ったことが確認できるくらいの十分な時間にわたり既に無水マレイン酸を生成するためのブタン酸化条件下で使用していた。リンモリブデン酸溶液を添加後、触媒を実験室の換気フード内の開放皿で一晩風乾した。乾燥後、直径1.5インチの鋼製流動床反応器にサンプルの一部を装填した。触媒を窒素の流れの中で流動化し、約200℃に加熱した後、さらに約390℃まで加熱して、約0.4質量%のMoを含む触媒を生成した。次いで触媒の試験をn-ブタン酸化条件下で行った。ブタン転化率と無水マレイン酸の収率は表1に示す通りであった。収率は比較例2〜5の触媒の収率よりも高い。
実施例22
約0.6質量%のFeを含むクエン酸鉄アンモニウム水溶液を、触媒1gに対して溶液0.22gの質量比で撹拌しながらVPO触媒に添加した。ここで使用のVPO触媒は、少ない方の相VOPO4相が少量に減ったことが確認できるくらいの十分な時間にわたり既に無水マレイン酸を生成するためのブタン酸化条件下で使用していた。クエン酸鉄アンモニウム溶液を添加後、触媒を実験室の換気フード内の開放皿で一晩風乾した。乾燥後、直径1.5インチの鋼製流動床反応器にサンプルの一部を装填した。触媒を窒素の流れの中で流動化し、約200℃に加熱した後、さらに約390℃まで加熱して、約0.13質量%のFeを含む触媒を生成した。次いで触媒の試験をn-ブタン酸化条件下で行った。ブタン転化率と無水マレイン酸の収率は表1に示す通りであった。収率は比較例2〜5の触媒の収率よりも高い。
実施例23
約1.9質量%のTiを含むチタニウム(IV)ビス(アンモニウムラクト)ジヒドロキシド水溶液を、触媒1gに対して溶液0.1gの質量比で撹拌しながらVPO触媒に添加した。ここで使用のVPO触媒は、少ない方の相VOPO4相が少量に減ったことが確認できるくらいの十分な時間にわたり既に無水マレイン酸を生成するためのブタン酸化条件下で使用していた。チタニウム(IV)ビス(アンモニウムラクト)ジヒドロキシド溶液を添加後、触媒を実験室の換気フード内の開放皿で一晩風乾した。乾燥後、直径1.5インチの鋼製流動床反応器にサンプルの一部を装填した。触媒を窒素の流れの中で流動化し、約200℃に加熱した後、さらに約390℃まで加熱して、約0.18質量%のTiを含む触媒を生成した。次いで触媒の試験をn-ブタン酸化条件下で行った。ブタン転化率と無水マレイン酸の収率は表1に示す通りであった。収率は比較例2〜5の触媒の収率よりも高い。
Figure 0006162706

Figure 0006162706
(注)
1.「RX温度」とは反応器温度で、℃で表す。
2.「C4転化率」とは、(生成物又は副産物に転化されたn-ブタンのモル数を、供給したn-ブタンのモル数で割った商) x 100として算出されるパーセンテージである。
3.「無水マレイン酸の収率」とは、(生成された無水マレイン酸のモル数を供給したn-ブタンのモル数で割った商) x 100として算出されるパーセンテージである。
表1のデータは、VPO触媒に金属活性剤を添加することにより、即ち、ニオブ、コバルト、鉄、亜鉛、モリブデン又はチタンの少なくとも1つで触媒を活性化することで、ブタン及び酸素を無水マレイン酸に転化するための改良された触媒が調製できることを示している。更に、上記データは、金属活性剤を添加するやり方が本発明の重要なポイントであることを示している。具体的には、ニオブ、コバルト、鉄、亜鉛、モリブデン又はチタンの1つをVPO触媒に含浸により添加することで、触媒の調製過程の早い段階でニオブを添加した場合に比べ、より優れた触媒(無水マレイン酸の収率がより高い)が得られた。更に、表1のデータから、ニオブ、コバルト、鉄、亜鉛、モリブデン又はチタンからなる群から選択される少なくとも1つの金属のソースとなる化合物を含む溶液で含浸させる前の段階で、初期VPO触媒がVOPO4相を有さないか、又はわずかな量しか含まない場合のみ、改良された金属活性化VPO触媒が得られることがわかる。
先の記載及び前記実施形態は本発明の実施の代表的なものであり、このような記載に鑑みて、代替、修正、変更が多数あることは当該分野の当業者にとっては明白なことである。したがって、このような代替、修正及び変更はすべて、添付のクレームの精神及び広い範囲に包含され、その範囲に入ることとする。

Claims (17)

  1. 触媒がバナジウムとリンとの混合酸化物を含み、前記触媒がニオブ、コバルト、鉄、亜鉛、モリブデン又はチタンの少なくとも1種により活性化されている、n-ブタンを酸化して無水マレイン酸にするための活性化VPO触媒の調製方法であり、
    (i)80質量%を超えるピロリン酸バナジルと、5質量%未満のリン酸バナジルとを含有するVPO触媒を調製する工程と、
    (ii)前記VPO触媒を、ニオブ、コバルト、鉄、亜鉛、モリブデン又はチタンからなる群から選択される少なくとも1つの金属の金属ソース化合物を含む溶液と接触させて、金属含浸VPO触媒を形成する工程と、
    (iii)前記金属含浸VPO触媒を乾燥して活性化VPO触媒を形成する工程とを含む、調製方法。
  2. 前記VPO触媒が、ピロリン酸バナジルを90質量%より多く含み、リン酸バナジルが3質量%未満である、請求項1記載の方法。
  3. 前記VPO触媒が微小回転楕円体粒子状に形成されている、請求項1記載の方法。
  4. 前記金属ソース化合物を含む前記溶液が、ニオブ、コバルト、鉄、亜鉛、モリブデン又はチタンの少なくとも1つのソース化合物を含む有機溶液又は水溶液である、請求項1記載の方法。
  5. 前記金属ソース化合物を含む前記溶液が、シュウ酸アンモニウムニオブ、酢酸コバルト、酢酸亜鉛、リンモリブデン酸、クエン酸鉄アンモニウム又はチタニウム(IV)ビス(アンモニウムラクト)ジヒドロキシドの少なくとも1つを含む、請求項1記載の方法。
  6. 前記金属含浸VPO触媒を、100℃と300℃の間の温度で2〜5時間乾燥する、請求項1記載の方法。
  7. 工程(i)において調製したリン酸バナジルの含有量が5質量%未満の前記VPO触媒が、固形VPO触媒と水を混合して、前記水を取り除き、固形分を濾過により回収し、濾液固形分を乾燥させることを含む調製方法により得られた、請求項1記載の方法。
  8. 工程(i)において調製したリン酸バナジルの含有量が5質量%未満の前記VPO触媒が、無水マレイン酸生成のためのブタン酸化条件下で前記VPO触媒を約1時間〜約80時間作用させることを含む調製方法により得られた、請求項1記載の方法。
  9. バナジウムとリンとの混合酸化物を含む、n-ブタンを酸化して無水マレイン酸にするための、ニオブ活性化VPO触媒の調製方法であり、
    (i)80質量%を超えるピロリン酸バナジルと、5質量%未満のリン酸バナジルとを含有するVPO触媒を調製する工程と、
    (ii)前記VPO触媒を、ニオブ含有溶液と接触させて、ニオブ含浸VPO触媒を形成する工程と、
    (iii)前記ニオブ含浸VPO触媒を乾燥してニオブ活性化酸化触媒を形成する工程とを含む、調製方法。
  10. 前記VPO触媒が、ピロリン酸バナジルを90質量%より多く含み、リン酸バナジルが3質量%未満である、請求項記載の方法。
  11. 前記VPO触媒が微小回転楕円体粒子状に形成されている、請求項記載の方法。
  12. 前記ニオブ含有溶液が、ニオブのソース化合物を含む有機溶液又は水溶液である、請求項記載の方法。
  13. 前記ニオブ含有溶液が、シュウ酸アンモニウムニオブ(NH4[NbO(C2O4)2(H2O)2]・(H2O)2)と水とを含む、請求項記載の方法。
  14. 前記ニオブ含浸VPO触媒を、100℃と300℃の間の温度で2〜5時間乾燥する、請求項記載の方法。
  15. 前記ニオブ含浸VPO触媒を、約200℃で約3時間乾燥する、請求項記載の方法。
  16. 工程(i)において調製したリン酸バナジルの含有量が5質量%未満の前記VPO触媒が、固形VPO触媒と水を混合して、前記水を取り除き、固形分を濾過により回収し、濾液固形分を乾燥させることを含む調製方法により得られた、請求項記載の方法。
  17. 工程(i)において調製したリン酸バナジルの含量が5質量%未満の前記VPO触媒が、無水マレイン酸生成のためのブタン酸化条件下で前記VPO触媒を約1時間〜約80時間作用させることを含む調製方法により得られた、請求項記載の方法。
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