JPH07124474A - バナジウム及びリンの酸化物を含む流動触媒の製造法 - Google Patents

バナジウム及びリンの酸化物を含む流動触媒の製造法

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JPH07124474A
JPH07124474A JP5278213A JP27821393A JPH07124474A JP H07124474 A JPH07124474 A JP H07124474A JP 5278213 A JP5278213 A JP 5278213A JP 27821393 A JP27821393 A JP 27821393A JP H07124474 A JPH07124474 A JP H07124474A
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valent
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phosphorus
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Yasushi Tsurita
寧 釣田
Ken Shiragami
研 白神
Masumi Ito
ますみ 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 炭素数4の炭化水素を気相酸化して無水マレ
イン酸を製造するための流動触媒を製造する方法におい
て、有機溶媒中で、5価のバナジウム化合物を4価の原
子価状態に還元できる還元剤の存在下,5価のバナジウ
ム化合物及び5価のリン化合物を反応させて得られた4
価のバナジウムと5価のリンを含有する複合酸化物粒子
に、4価のバナジウム及び5価のリンを含有する水性溶
液と硼素化合物を混合してスラリ−を形成し,噴霧乾燥
後、更に、焼成することを特徴とするバナジウム及びリ
ンの酸化物を含む流動触媒の製造法。 【効果】 本発明の製造法より得られる酸化物流動触媒
は、流動床反応条件において、機械的強度と粒子の流動
性に優れ、かつ特に飽和のブタンを選択的に酸化して無
水マレイン酸を製造する反応において長期に亘り反応成
績が良好である。また、このような高特性の酸化物流動
触媒を工業的な触媒製造条件にて、粉砕等の煩雑な操作
を要することなく容易に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流動床反応に適した酸化
物流動触媒の製造法に関するものであり,より詳しく
は,炭素数4の炭化水素を気相酸化により無水マレイン
酸を製造するに適したバナジウム及びリンの酸化物を含
有する流動触媒の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ブタン、ブテン、ブタジエン等の
炭素数4の炭化水素、特に飽和炭化水素のn−ブタン
を、気相にて選択的に酸化して無水マレイン酸を製造す
るための触媒として、4価のバナジウムと5価のリンか
ら成る触媒が用いられている。この触媒としては、特
に、触媒特性の優れた結晶性の複合酸化物触媒として、
ピロリン酸ジバナジル((VO)227 )が知られ
ており、この化合物に係る文献が多く知られている(例
えば、Chem.Rev.88,P.55〜80(19
88)及びその引用文献)。このピロリン酸ジバナジル
の合成方法として、その前駆体(プレカーサー)である
リン酸水素バナジル・1/2水塩(VOHPO 4 ・1/
2H2 O)を焼成する方法が一般的であり、前駆体を加
熱焼成することにより、その構造を保持しながらピロリ
ン酸ジバナジルに転移させることができることが報告さ
れている。
【0003】前駆体であるリン酸水素バナジル・1/2
水塩の製造方法としては、いくつかの提案がある。中で
も、有機溶媒中にて前駆物質を製造する方法が数多く報
告されている(例えば、特公昭53−13607号公
報、特公平1−50455号公報)。この方法は、基本
的には、5価のバナジウム化合物を還元性有機溶媒中
で、該有機溶媒により還元すると共に5価のリン化合物
と反応させることにより、4価のバナジウムと5価のリ
ンの結晶性の複合酸化物の前駆体を得る方法である。
また、上記のような有機溶媒中にて製造したピロリン酸
ジバナジル前駆体を用いた流動触媒の製造方法に関して
も、既にいくつかの提案がある。即ち、結晶性のピロリ
ン酸ジバナジルのみをそのまま流動触媒化しても、得ら
れる触媒強度が非常に弱いため、工業的な流動床の反応
条件においては使用不可能であることによる。
【0004】従来、ピロリン酸バナジルあるいはその前
駆体を用いた流動触媒の製造方法として、例えば、特公
平2−34,353号には、有機液体中で製造した触媒
前駆体を粉砕し、水に導入して水性スラリ−を形成後、
噴霧乾燥する方法が記載されている。また、特公平3−
63,429号には、バナジウム・リン混合酸化物含有
触媒前駆体を緻密化、粉砕した後に流動性粒子を形成
し、流動化条件でか焼することを特徴とする方法が記載
されている。
【0005】また、特開昭60−64,632号には,
第一成分として、5価のバナジウム化合物及び5価のリ
ン化合物を、5価のバナジウム化合物を4価の原子価状
態に還元できる有機溶媒中で、反応させて得た4価のバ
ナジウムと5価のリンを含有する結晶性の複合酸化物
(触媒前駆体)、第二成分として、4価のバナジウム及
び5価のリンを含有する水性溶液、及び第三成分として
シリカゾルを混合してスラリ−を調製し、これを噴霧乾
燥する製造方法が記載されている。
【0006】一方、特開昭60−227,835号に
は、微粉砕した形でのバナジウムおよびリンの混合酸化
物からなる触媒プリカ−サ−(触媒前駆体)を酸と接触
させ、乾燥する触媒の製造法が記載されている。また、
特開昭60−227,836号には、硼素、アルミニウ
ムおよびそれらの混合物の水溶性化合物からなる群から
選択した化合物およびリン酸で、微粉砕状態のバナジウ
ムおよびリンの混合酸化物からなる触媒プリカ−サ−
(触媒前駆体)を処理し、それを乾燥する酸化物触媒を
製造する方法が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の製造方法で
は流動触媒としての改良効果は認められるものの、いず
れも触媒前駆体の粉砕工程を必要とするために製造上、
煩雑であるという欠点がある。そして、バナジウムとリ
ンの酸化物からなる流動触媒の製造において、触媒の粉
砕を行なうことなく機械的強度の良好な工業触媒を直接
製造することができる実用的な方法は提案されていない
のが現状である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記従来
の実情に鑑み、機械的強度及び粒子の流動性が格段に改
善されたバナジウム及びリンを含む酸化物流動触媒を、
粒子の粉砕工程を必要とすることなく効率的に製造する
ことができる方法につき鋭意検討した結果、本発明に到
達した。
【0009】本発明は、炭素数4の炭化水素を気相酸化
して無水マレイン酸を製造するための流動触媒を製造す
る方法において、有機溶媒中で、5価のバナジウム化合
物を4価の原子価状態に還元できる還元剤の存在下,5
価のバナジウム化合物及び5価のリン化合物を反応させ
て得られた4価のバナジウムと5価のリンを含有する複
合酸化物粒子に、4価のバナジウム及び5価のリンを含
有する水性溶液と硼素化合物を混合してスラリ−を形成
し、噴霧乾燥後、更に、焼成することを特徴とするバナ
ジウム及びリンの酸化物を含む流動触媒の製造法に関す
る。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
酸化物触媒の製造方法は、主に複合酸化物粒子の合成
工程、該複合酸化物粒子を四価のバナジウム及びリン
を含有する水性溶液と硼素化合物を混合してスラリーを
形成する工程、該スラリ−を噴霧乾燥する工程、噴
霧乾燥された固体粒子を焼成する工程から成る。最初の
第1工程において複合酸化物を有機溶媒中で製造する方
法としては、例えば、5価のバナジウム化合物原料とし
て五酸化バナジウムを、5価のリン化合物原料としては
リン酸を使用して還元性の有機溶媒中にて加熱する製造
方法が典型的である。一般的には有機溶媒中での加熱は
可及的に無水の方が望ましく,加熱途中において水を除
去する等の方法が用いられている。よって、リン化合物
としては,通常98〜100%純度の無水リン酸を使用
することが望ましいが、本発明では実用上、入手が容易
な安価の85%リン酸でも充分使用できる。
【0011】還元性の有機溶媒を使用した場合は、有機
化合物が反応系において溶媒と還元剤を兼ねることにな
る。かかる有機化合物としては、酸化を受けやすい官能
基を有するもの、あるいは、加熱・反応中に酸化を受け
やすい官能基の生成するものが挙げられ、典型的にはア
ルコール性水酸基を有する化合物が好適である。このよ
うな化合物の中では、炭素数3〜5のアルコール、即ち
2−プロパノールや2−メチルプロパノールやベンジル
アルコールが代表的な例である。有機溶媒は、混合物と
して使用することもでき、例えば2−メチルプロパノー
ルに還元力の大きなベンジルアルコールを添加して用い
ることもできる。また、有機溶媒中にてヒドラジンやシ
ュウ酸等の還元剤を用いて還元することも可能である。
【0012】上記の原料を混合し、通常は有機溶媒の沸
点程度、例えば50〜200℃に加熱して、5価のバナ
ジウムを、その全部または一部を4価に還元すると共
に、リン化合物と反応させ、4価のバナジウム及びリン
を含有する結晶性の複合酸化物粒子を得る。得られた複
合酸化物粒子は、必ずしも結晶性は良好ではないが、リ
ン酸水素バナジル・1/2水塩を少なくとも一部に含有
する。この第1工程で得られた粒子は、固液分離の一般
的手法により分離され、必要に応じてアルコール等の溶
媒で洗浄した後、乾燥する。該粒子は、第2工程でスラ
リー化する前に焼成してもよいが、通常、焼成せず、単
に乾燥させた状態の方が望ましい。
【0013】なお、上記の合成において、最初からある
いは合成の過程において、鉄、コバルト、ジルコニウ
ム、亜鉛等の金属化合物を、バナジウム原子に対して
0.005〜0.2の金属原子比の割合で添加して製造
することが触媒特性上望ましい。特に好適な添加化合物
としては,鉄の化合物が挙げられる。その化合物例とし
ては、塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄等
が挙げられる。
【0014】次に、上記のように合成された該複合酸化
物粒子に、4価のバナジウム及び5価のリンを含有する
水性溶液と硼素化合物を混合してスラリーを形成する第
2工程について説明する。第2工程で用いる4価のバナ
ジウム及び5価のリンを含有する水性溶液の好ましい形
態は、安定化されたリン酸バナジル水溶液であり、例え
ば特開昭58−151,312号に示す水溶液を使用す
ることができる。この水溶液は、リン酸酸性水溶液中
で、五酸化バナジウム等の5価の原子価を有するバナジ
ウム化合物を、抱水ヒドラジン、亜リン酸、シュウ酸、
乳酸等の還元剤と反応させて4価のバナジウムに還元と
することにより調製される。リン酸とバナジウム化合物
の使用量は、必ずしも定量的にリン酸バナジルを形成さ
せる量である必要はない。バナジウムに対するリンの原
子比は、通常0.5〜10の範囲から選択される。な
お、リン酸バナジル水溶液を保存できるように安定化す
るためには、シュウ酸を、バナジウム元素に対するモル
比で、通常1.2〜0,2程度の量を添加しておくこと
が望ましい。
【0015】また、上記スラリーの形成に必須である硼
素化合物としては,ホウ酸や酸化ホウ素等が例示され、
特に水溶性のホウ酸が好ましい。硼素化合物の添加量と
しては,バナジウムに対するホウ素の原子比で、通常
0.10〜0.50、好ましくは0.15〜0.40で
ある。
【0016】更に、第1工程で得られた粒子は、本発明
においては無粉砕の状態でも充分使用できることが特徴
である。粉砕をしないとは、第1工程で得られた粒子を
ボールミルや高強力磨砕機中で積極的に乾式又は湿式粉
砕しないことである。水溶液スラリ−の濃度としては、
通常10〜50重量%の範囲が好適である。濃度がさら
に薄くなると次の工程における噴霧乾燥の効率が悪く、
一方、濃度がさらに高過ぎるとスラリ−粘性が高くな
り、噴霧乾燥に適さなくなる。各成分を添加して形成さ
れたスラリーは、通常、室温でホモジナイザー等を用い
て所定時間撹拌混合し、できるだけ均一に分散された状
態のスラリーを調整する。
【0017】ところで、本発明において、第2工程で用
いる水性溶液中の4価のバナジウムと5価のリンはその
後の噴霧乾燥、焼成により得られた触媒中では、非晶質
のバナジウム−リン酸化物となり、これが触媒強度を発
現するバインダー成分として働くものと考えられる。こ
れをB成分と呼称し、第1工程で得られた触媒前駆体を
乾燥・焼成した後の成分をA成分と呼称した場合,この
ようなバインダー効果が十分発現するために、焼成後の
流動触媒中での重量パ−セントで換算した場合で,A成
分が90〜50%の範囲、B成分が10〜50%の範囲
となるように,第一工程で得られた粒子と、4価のバナ
ジウム及び5価のリンを含有する水性溶液を混合してス
ラリーを調製する。また、必要に応じて水またはリン酸
などを別途、前記のスラリーに加えることにより、スラ
リーの最終的濃度や粘度などを調整することができる。
【0018】なお、上記のスラリ−中にシリカゾルやヒ
ュ−ムドシリカ等のシリカを添加してもよい。その添加
量としては焼成後の触媒中の重量パ−セントとして10
%以下が好ましい。次に、第3工程では、上記の第2工
程にて得られた水性スラリーを噴霧乾燥して流動床触媒
に適した微小球状の固体粒子とする。スラリ−を噴霧乾
燥する装置としては、回転ディスク型あるいはノズル吹
き出し型を使用でき、平均粒子径として、通常20〜1
00μの固体粒子を形成するのが好ましい。また、乾燥
温度としては、通常100〜350℃、特に120〜2
50℃の範囲が好ましい。
【0019】第4工程では、第3工程の噴霧乾燥により
得られた固体粒子は、更に、焼成することにより最終的
に流動触媒として使用する酸化物粒子とする。通常の場
合、この焼成は、焼成温度350〜700℃にて、0.
1〜10時間、窒素、希ガス、空気またはこれらの混合
物、あるいはブタン、ブテン類等の有機物を含む空気雰
囲気中で実施される。焼成装置としては、流動焼成炉、
キルン焼成炉、連続式型炉等を使用することができる。
【0020】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが,本発明はその趣旨を越えない限り,以下の
実施例により限定されるものではない。 実施例1 10リットルの容器に2−メチルプロパノ−ル3.0リ
ットル、五酸化バナジウム348g、85%リン酸55
3gを入れて加熱後,塩化鉄・6水和物54gを2−メ
チルプロパノ−ル3.4リットルに溶解して添加した。
このスラリ−溶液を、更に7時間還流した後、冷却、濾
過し、次いで2−メチルプロパノ−ルにより生成物を洗
浄した後、130℃にて乾燥し、結晶性複合酸化物粒子
を得た。
【0021】一方、脱塩水10Kgに85%リン酸1
0.54Kg,シュウ酸・2水塩10.74Kgを添加
し,80℃まで加熱、攪拌しながら溶解した。次いで、
五酸化バナジウム7.75Kgを少量ずつ発泡に注意し
ながら添加し、95〜100℃で0.5〜2時間反応し
た。冷却した後,水を加えて全量を38.5Kgとし
た。この溶液のP/V原子比は1.08であり、バナジ
ウム1グラム原子当たり0.5グラムモルのシュウ酸を
含んでいた。
【0022】上記のリン酸バナジルシュウ酸水溶液54
8gに、水1220gにホウ酸57gとリン酸101g
を溶解した溶液を加えた後,有機溶媒中で合成した前記
の結晶性複合酸化物粒子565gを添加し、ホモジナイ
ザーにて、室温で約30分、混合して均一なスラリ−を
得た(スラリ−濃度30重量%)。このスラリ−をディ
スク回転型の噴霧乾燥機に導入して,微小粒子を合成し
た。得られた粒子のなかの500gを流動焼成炉にて5
50℃で2時間、窒素流通下で焼成した。
【0023】以上のようにして得られた触媒の強度指標
と見かけ嵩密度の測定結果を表−1に示す。なお、触媒
の強度指標は以下の方法で求めた。所定量の流動触媒を
流動状態にてSUS製金属板に高速の空気で衝突させて
評価する装置に2時間保持した後、壊れた触媒を補集し
てその触媒量を秤量した。そして、最初に投入した触媒
量に対する破損触媒の割合を強度指標(%)とした。よ
って,強度指標が小さい程,流動触媒の強度が良好とな
る。
【0024】実施例2〜6 表−1に示したスラリ−組成を用いた以外は実施例1と
同様にして流動触媒を製造した。但し,実施例5では表
−1に示した成分の他に水酸化ジルコニウム60.5g
を添加した。また、実施例6では、硼素成分として硼酸
の代わりに酸化硼素を使用した.得られた触媒の強度指
標と見かけ嵩密度を表−1に示した。
【0025】比較例1 ホウ酸を添加せず、リン酸を46g加えた以外は実施例
1と同様にして触媒を製造した。この触媒の強度指標と
見かけ嵩密度を表−1に示した。
【0026】比較例2 本比較例では、リン酸バナジルシュウ酸溶液を用いなか
った製造例を示す。ホウ酸67gとリン酸125gを水
1490gに溶解した後、実施例1にて製造した有機溶
媒中で合成した酸化物粒子650gを添加し、スラリ−
を形成した。このスラリ−を実施例1と同様にして流動
触媒化した。この触媒の強度指標と見かけ嵩密度を表−
1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】反応試験例1〜2 実施例1及び実施例4で得られた触媒を用いて触媒活性
を試験した。石英製反応管に触媒を1cc充填し、n−
ブタン濃度4モル%の空気混合ガスを、GHSV100
0の速度で通過させて反応を実施した。所定時間経過
後、反応管出口ガスをサンプリングして、オンライン接
続したガスクロマトグラフにより分析を実施した。得ら
れた結果を表−2に示した。実施例1と実施例4の触媒
はいずれも強度指標が小さく,触媒強度が良好であり,
反応時間が300時間以上経過しても無水マレイン酸の
収率が高く反応成績も良好であることが理解される。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のバナジウム
及びリンを含む酸化物流動触媒の製造法より得られる酸
化物流動触媒は、流動床反応条件において、機械的強度
と粒子の流動性に優れ、かつ特に飽和のブタンを選択的
に酸化して無水マレイン酸を製造する反応において長期
に亘り反応成績が良好である。そのため、触媒当たりの
無水マレイン酸の製造量が大きく、触媒原単位を低減で
きる。本発明の方法によれば、このような高特性の酸化
物流動触媒を工業的な触媒製造条件にて、粉砕等の煩雑
な操作を要することなく容易に製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数4の炭化水素を気相酸化して無水
    マレイン酸を製造するための流動触媒を製造する方法に
    おいて、有機溶媒中で、5価のバナジウム化合物を4価
    の原子価状態に還元できる還元剤の存在下,5価のバナ
    ジウム化合物及び5価のリン化合物を反応させて得られ
    た4価のバナジウムと5価のリンを含有する複合酸化物
    粒子に、4価のバナジウム及び5価のリンを含有する水
    性溶液と硼素化合物を混合してスラリ−を形成し、噴霧
    乾燥後、更に、焼成することを特徴とするバナジウム及
    びリンの酸化物を含む流動触媒の製造法。
  2. 【請求項2】 複合酸化物粒子を、粉砕せずに、4価の
    バナジウム及び5価のリンを含有する水性溶液と硼素化
    合物を混合してスラリ−を形成することを特徴とする請
    求項1のバナジウム及びリンの酸化物を含む流動触媒の
    製造法。
  3. 【請求項3】 触媒が、助触媒元素として鉄、コバル
    ト、ジルコニウム及び亜鉛よりなる群から選ばれる1種
    又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1又は
    請求項2のバナジウム及びリンの酸化物を含む流動触媒
    の製造法。
  4. 【請求項4】 4価のバナジウム及び5価のリンを含有
    する水性溶液が、リン酸バナジル水溶液であることを特
    徴とする請求項1ないし請求項3のいづれかに記載のバ
    ナジウム及びリンの酸化物を含む流動触媒の製造法。
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