JP6162004B2 - モンテルカストナトリウム中間体の分析方法 - Google Patents

モンテルカストナトリウム中間体の分析方法 Download PDF

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本発明は、抗アレルギー薬として有用なモンテルカストナトリウム(化学名称:1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ナトリウム)の合成中間体である2−(2−(3(S)−(3−(2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−メタンスルホニルオキシプロピル)フェニル)−2−プロパノールの新規な分析方法に関する。
化学式(1)
Figure 0006162004
で示されるモンテルカストナトリウム(化学名称:1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ナトリウム)は、気管支平滑筋などの標的細胞上のCysLT1受容体にアンタゴニストとして結合し、システイニルロイコトリエンが受容体と結合することを妨げ、気管支喘息の症状を改善する治療薬として知られている。
モンテルカストナトリウムの製造方法としては、公知の方法によって得られた化学式(2)
Figure 0006162004
で示される2−(2−(3(S)−(3−(2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−ヒドロキシプロピル)フェニル)−2−プロパノール(以下、ジオール体とも言う。)とメタンスルホン酸クロリドとをメシル化反応させて得られる化学式(3)
Figure 0006162004
で示される2−(2−(3(S)−(3−(2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−メタンスルホニルオキシプロピル)フェニル)−2−プロパノール(以下、メシレート体とも言う。)を、化学式(4)
Figure 0006162004
(式中、Rは水素原子、又は、アルキル基とする。)
で示される1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸、又は、そのアルキルエステルと反応させて、化学式(5)
Figure 0006162004
(式中、Rは水素原子、又は、アルキル基とする。)
で示される1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸(以下、モンテルカスト遊離酸とも言う。)、又は、そのアルキルエステル(以下、モンテルカストアルキルエステルとも言う。)とした後、必要に応じて加水分解し、ナトリウム塩化することによって、モンテルカストナトリウムを得る方法が知られている。
具体的には、例えば、特許文献1には、ジオール体をトルエン及びアセトニトリル中、N,N−ジイソプロピルエチルアミン存在下、メタンスルホン酸クロリドと反応させ、得られたスラリーをろ過することによって得られたメシレート体の結晶を、テトラヒドロフラン(以下、THFとも言う。)溶媒中、1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸とn−ブチルリチウム存在下にて反応させ、モンテルカスト遊離酸を製造する方法が記載されている。
また、特許文献2には、ジオール体とメタンスルホン酸クロリドとを、THF溶媒中、N,N−ジイソプロピルエチルアミン存在下でメシル化反応させてメシレート体とし、後処理にて反応液を濾過して有機アミン塩等を除去してから、1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸メチルエステルのN,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAとも言う。)溶液を加え、次いで水酸化ナトリウム水溶液を加えることによって、チオエーテル化と加水分解を同じ反応系中で行ない、モンテルカスト遊離酸を製造する方法が記載されている。さらに、特許文献3には、ジオール体をN,N−ジイソプロピルエチルアミン存在下でメシル化した後、後処理を行なわずに、1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸及びN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFとも言う。)を加え、次いでナトリウムメトキシドを加えて、モンテルカスト遊離酸を製造する方法が記載されている。
特許3640962号 特表2008−510840号公報 国際公開第2008/023044号 特開平5−105665号公報
アナリティカル ケミストリー(Analytical Chemistry) 1995年 67巻 2292‐2295頁
しかしながら、本発明者が前記メシル化反応で得られた反応中間体であるメシレート体について、メシル化反応の転化率やメシレート体の純度を測定するために、有機化合物の分析に一般的に用いられるフェニル基が化学結合した多孔質シリカゲルを充填材とする逆相カラムを用いた酸性条件下での高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCとも言う。)による測定を試みたところ、予想される保持時間帯に検出されたピークがブロード状であって、明確にピークが分離されたクロマトグラムを得ることができなかった。この理由としては、活性エステルであるメシレート体が、その構造から不安定な化合物であって、特に、メタンスルホン酸基が脱離し易いものであることが考えられ、例えば、雰囲気中に存在する水と反応することによって、前記ジオール体に分解されることなどが予想された。さらに、このようなメタンスルホン酸基の脱離は、酸性条件下においてより起こり易いと考えられることから、酸性条件によるHPLC測定では、測定対象であるメシレート体が、カラム内で前記ジオール体やその他の化合物に分解されていることが予想された。
ここで、特許文献1乃至3では、得られたメシレート体の純度については記載されておらず、さらに、特許文献2及び3においては、メシル化反応で得られた反応液を直接次の工程に供しているが、この理由として、上記のようにメシレート体が非常に不安定であることから、分析が困難であったことが考えられる。なお、特許文献1には、メシレート体を分析した結果として、核磁気共鳴(以下、NMRとも言う。)スペクトルが記載されており、NMRスペクトルを測定することによって、メシレート体の純度を分析する方法も考えられるが、NMR測定では、測定に時間を要することから結果が得られるまでにメシレート体の分解が進行していることが考えられ、また、NMR測定による方法では、メシレート体が主に含まれるものとして確認することはできても、HPLC測定のように、微量に含まれる不純物の存在や含有量を測定することは困難であり、純度や転化率を高い確度で測定することは困難であった。従来、有機化合物、特に原薬の製造においては、反応が正常に進行していることの確認や、次工程で使用する原料の使用量の設定のために、製造の各工程において、一定以上の確度で中間体の純度や反応の転化率を測定することが求められており、このように、前記メシル化反応において、得られたメシレート体の純度や反応転化率を高い確度で測定できないことは、工業的に大きな問題であった。
一方、非特許文献1では、当該メシレート体の純度を測定するために、特殊なカラムを用いたHPLC測定の方法が検討されている。すなわち、カラムとして、ジオール基が化学結合した多孔質シリカゲルを充填材とする順相カラムを採用し、移動相に非プロトン性溶媒であるヘキサン、トルエン及び酢酸エチルを用い、カラム温度を0℃以下とすることによってメシレート体の分解を抑え、当該メシレート体の純度を測定する方法が記載されている。しかしながら、当該方法で使用されるカラムは一般的に用いられるものではなく、さらに、0℃以下など特殊な条件を設定し得るHPLC装置を用いなければならず、工業的に実施するには困難があった。また、当該方法では、モンテルカストナトリウムの製造において、他の工程で得られる中間体や最終的に得られるモンテルカストナトリウムを分析することができないことから、非特許文献1に記載された測定方法を採用するには、製造工程の途中でのカラムの付け替え、移動相の変更、温度など装置の設定条件を変更など煩雑な操作が必要であり、工業的に実施するには問題があった。そのため、モンテルカストナトリウムの製造で得られる中間体及びモンテルカストナトリウムを分析し得る方法、すなわち、一般的に用いられるフェニル基、オクチル基、オクタデシル基などが化学結合した多孔質シリカゲルを充填材とする逆相カラムを用いた酸性条件による、0℃以下など特殊な条件とすることのない、メシレート体の純度を測定する方法が求められた。
したがって、本発明の目的は、2−(2−(3(S)−(3−(2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−ヒドロキシプロピル)フェニル)−2−プロパノール(メシレート体)の純度を効率良く分析する方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。具体的には、一般的に用いられるフェニル基、オクチル基、オクタデシル基が化学結合した多孔質シリカゲルを充填材とする逆相カラムを用いた酸性条件によるHPLC測定にて、メシレート体を含む被分析物の純度を測定するために、メシレート体を安定な化合物に変換する方法について検討した。その結果、メシレート体をメタノールと反応させると、メシレート体が、化学式(6)
Figure 0006162004
で示される2−(2−((3−(2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−メトキシプロピル)フェニル)−2−プロパノール(以下、メトキシ体とも言う。)と化学式(7)
Figure 0006162004
で示される7−クロロ−2−(3−(1,1−ジメチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[C]オキセピン−3−イル)スチリル)キノリン(以下、環状エーテル体とも言う。)の2つの化合物へと定量的に変換されることがわかった。これらメシレート体から変換された化合物は、いずれも安定な化合物であり、上記逆相カラムを用いたHPLC測定によって分析を行なうことができる。さらに、メトキシ体及び環状エーテル体は、当該メシレート体を含む被分析物が不純物として実質的に含有しない化合物であることから、当該被分析物とメタノールとを反応させて得られた混合物を分析することによって、メシレート体から定量的に変換されたメトキシ体及び環状エーテル体、並びに、当該被分析物に含まれているその他の化合物(不純物)の含有率を測定することができ、メトキシ体の含有率と環状エーテル体の含有率との和から被分析物中のメシレート体の含有率を求めることができることが明らかとなり、本発明を完成させるに至った。なお、当該被分析物に含まれるメシレート体以外の化合物(不純物)について、メシレート体と同様のメタンスルホン酸基を有する化合物については、メシレート体と同様にメタノールと反応して、メトキシ体の誘導体及び環状エーテル体の誘導体へと定量的に変換されていると考えられることから、メシレート体の含有率の測定の妨げにはならない。
すなわち、本発明は、前記メシレート体を含む被分析物とメタノールとを混合することにより、当該メシレート体とメタノールとを反応させて前記メトキシ体及び前記環状エーテル体を含む混合物を得る反応工程、前記反応工程で得られた混合物における前記メトキシ体の含有率と前記環状エーテル体の含有率を測定し、これらの含有率の和から被分析物中のメシレート体の含有率を求める分析工程を含むことを特徴とする前記メシレート体の測定方法である。
さらに、本発明の方法は、モンテルカストナトリウムを製造する一連の工程において、メシレート体を製造する工程で得られた反応液について実施する場合に、より大きな効果が得られて好ましい。
すなわち、もう一つの本発明は、前記ジオール体とメタンスルホン酸クロリドと第三級有機アミンとを混合してメシレート体を含む溶液を得るメシル化工程を行い、当該メシル化工程で得られた溶液の一部を前記反応工程における被分析物とする前記メシレート体の測定方法である。さらには、当該方法によって、メシル化工程で得られた溶液中のメシレート体の含有率を求める反応工程及び分析工程を行なった後、被分析物として使用した以外の溶液と1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステルと強塩基とを混合して、前記モンテルカストアルキルエステルを得るチオエーテル化工程を行ない、モンテルカストアルキルエステルを製造することが好ましい。これにより、メシル化工程における反応液から、メシル化反応の転化率やメシレート体の純度が測定され、当該分析結果を元にメシル化工程の終了を適切に判断して次工程に進むことができ、次工程での原料の使用量を過不足なく設定することができて好ましい。さらに、メシル化工程で得られた反応液を直接チオエーテル化工程に用いることによって、メシレート体の分解を最低限に抑えることができることから、高純度のモンテルカストアルキルエステルを高収率で得ることができてより好ましい。当該モンテルカストアルキルエステルを用いてモンテルカストナトリウムを製造することによって、高純度のモンテルカストナトリウムを得ることができる。
また、本発明は、前記メシレート体とメタノールとを反応させて得られる新規の混合物である、前記メトキシ体及び前記環状エーテル体を含む混合物を提供する。
本発明によれば、メシレート体を含む被分析物とメタノールとを混合することにより、メシレート体とメタノールとを反応させてメトキシ体及び環状エーテル体を含む混合物を得、当該混合物におけるメトキシ体の含有率と環状エーテル体の含有率を測定することによって、容易にメシレート体の純度を測定することができる。また、モンテルカストナトリウムの製造において、メシル化工程で得られた反応液について本発明を実施することによって、メシル化工程の反応転化率が容易に求められ、これにより適切な工程管理ができることから、効率的に製造を行なうことができる。さらに、メシレート体の分解を最低限に抑制されることから、最終的に高純度のモンテルカストナトリウムを効率的に得ることができる。
先ず第一に、本発明は前記メシレート体を含む被分析物とメタノールとを混合することにより、当該メシレート体とメタノールとを反応させて前記メトキシ体及び前記環状エーテル体を含む混合物を得る反応工程、前記反応工程で得られた混合物における前記メトキシ体の含有率及び前記環状エーテル体の含有率を測定し、これらの含有率の和から被分析物中の前記メシレート体の含有率を求める分析工程を含むことを特徴とする前記メシレート体の含有率の測定方法である。以下に各工程の詳細を説明する。
((反応工程))
本反応工程は、前記メシレート体を含む被分析物とメタノールとを混合することにより、当該メシレート体とメタノールとを反応させて前記メトキシ体及び前記環状エーテル体を含む混合物を得る工程である。
当該反応工程において、メシレート体とメタノールとを反応させてメトキシ体及び環状エーテル体とする反応は、ほぼ定量的に進行するため、次の分析工程においてメトキシ体の含有率と環状エーテル体の含有率を測定することによって、これらの和としてメシレート体の含有率を求めることができる。
(メシレート体を含む被分析物)
本発明に使用されるメシレート体を含む被分析物は、メシレート体を含むものであれば特に制限されるものではなく、続く分析工程において、反応工程で得られた混合物における前記メトキシ体の含有率及び前記環状エーテル体の含有率を測定できれば、主としてメシレート体を含むものでなくても良い。具体的には、メシレート体の含有率が、1質量%以上であれば本発明の方法を問題なく行なうことができ、測定の確度などを考慮すると、10質量%以上であることが好ましい。当該メシレート体を含む被分析物の製造方法についても特に制限されず、公知の方法、例えば、前記したような特許文献1乃至3に記載の方法で製造したメシレート体を本発明の被分析物として使用することができる。
また、当該メシレート体を含む被分析物の形態は特に制限されず、結晶、アモルファス、又はこれらが混合した形態であっても良く、粉末、塊状物、又はこれらが混合した形状であっても良い。また、当該被分析物は、反応工程に影響を及ぼさず、メシレート体と反応し得ない溶媒を含んでいても良く、当該溶媒による溶媒和物、当該溶媒を含む湿体、又は、当該溶媒による溶液やスラリーの状態であっても良い。このような溶媒としては、THF又はジエチルエーテルなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、アセトニトリル、ベンゼン又はトルエンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルム又は塩化メチレンなどのハロゲン系溶媒、DMF、DMA、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒などが挙げられる。
(メタノール)
本発明におけるメタノールは、市販の試薬や工業品を特に制限なく使用することができるが、メシレート体の反応性を考慮すると、メタノールの水分量が制御されていることが好ましい。具体的には、水分量が5%以下のメタノールを使用することが好ましく、さらには3%以下であることが好ましく、特に1%以下であることが好ましい。水分量が5%以下のメタノールを使用することによって、メシレート体が水と反応して分解する虞が低下し、より確度高くメシレート体の含有率を測定することができる。また、本発明で使用されるメタノールの量は特に制限されるものではないが、操作性及び収率を考慮すると、前記メシレート体1mgに対して、メタノールの量を0.01mL以上10mL以下とすれば良く、0.05mL以上5mL以下とすることが好ましく、特に0.1mL以上2mL以下とすることが好ましい。
(反応工程の反応条件)
当該反応工程において、メシレート体とメタノールとを反応させる方法は特に制限されず、メシレート体を含む被分析物とメタノールとを混合すれば良く、混合する方法や順序も特に制限されない。また、混合する際には、必要に応じて反応溶媒を用いることができるが、当該反応工程における反応性及び操作性、さらに続く分析工程での操作性を考慮すると、反応溶媒を使用せずにメシレート体を含む被分析物とメタノールとを混合して反応させることが最も好ましい。当該反応溶媒は、反応工程に影響を及ぼさないものであれば良く、具体的には、THF又はジエチルエーテルなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、アセトニトリル、ベンゼン又はトルエンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルム又は塩化メチレンなどのハロゲン系溶媒、DMF、DMA、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒などが挙げられ、これら溶媒は、一種類だけを用いても、複数種類を適宜混合して用いても良い。また、当該反応工程において、反応の温度は、−10℃以上80℃以下であれば良く、0℃以上50℃以下であることが好ましく、10℃以上30℃以下であることがより好ましい。当該温度範囲とすることによって、不純物の副生が抑制され、効率的に反応を行なうことができる。また、反応の時間は、通常、5分間以上24時間以下である。
当該反応工程において、メトキシ体及び環状エーテル体を含む混合物は、一般的には、溶液又はスラリーの状態で得ることができる。当該混合物は、次の分析工程において用いられる分析方法に応じて、そのままの状態で分析工程に供することもできるし、有機合成において一般的に用いられる後処理方法、例えば、濃縮によって高濃度の溶液としたり、抽出などにより結晶として分析工程に供することもできる。当該メトキシ体及び環状エーテル体を含む混合物は、メシレート体と違って安定な化合物であることから、分解の影響を考慮することなく、このような後処理を行なうことができる。また、当該混合物における、メトキシ体及び環状エーテル体の含有率の比率は、当該反応工程における反応条件によって変化するが、凡そメトキシ体:環状エーテル体=3:5である。
((分析工程))
本発明の分析工程は、前記反応工程で得られた混合物における前記メトキシ体の含有率及び前記環状エーテル体の含有率を測定し、これらの含有率の和から被分析物中の前記メシレート体の含有率を求める工程である。
当該分析工程における分析方法は、前記反応工程で得られた混合物におけるメトキシ体の含有率と環状エーテル体の含有率を測定することができれば特に制限されない。好適に使用される分析方法を例示すれば、HPLC又は薄層クロマトグラフィー(以下、TLCとも言う)などのクロマトグラフィーを用いた方法や、NMRを用いた方法などが挙げられる。当該分析工程では、前記反応工程によってメシレート体とメタノールを反応させ、メトキシ体と環状エーテル体の混合物とすることによって、安定な化合物となり、経時的な分解などを考慮することなく、メシレート体の含有率を測定することができる。なかでも、操作性の良好さや測定可能な含有率の確度の高さなどにより、有機化合物の分析に一般的に用いられる逆相カラムを用いた酸性条件下でのHPLC測定では、メシレート体を直接測定して含有率を求めることは不可能であったが、本発明の方法によれば、このような酸性条件下でのHPLC測定によってもメシレート体の含有率を求めることができる。
本発明において、上記のような逆相カラムによる酸性条件下でのHPLC測定を採用する場合、前記反応工程で得られたメトキシ体及び環状エーテル体の混合物を含む反応液をそのまま当該分析工程に使用することができる。この場合、HPLC測定の分析条件は、測定対象であるメトキシ体及び環状エーテル体が検出できる条件であれば特に制限されない。カラムとしては、有機化合物の分析に一般的に用いられる、フェニル基、オクチル基、オクタデシル基などが化学結合した多孔質シリカゲルを充填材とする逆相カラムを特に制限なく使用することができ、移動相についても、カラムに適したものを、測定対象が検出可能となるように、組成(比率、pH、濃度など)を適宜調整して、特に制限なく使用することができる。また、測定する温度についても、測定対象であるメトキシ体と環状エーテル体は分解する虞が低いことから、厳密に制限する必要はなく、適当な温度範囲、具体的には、0℃以上40℃以下の一定の温度とすることができる。具体的な分析条件を例示すると、カラムとしてアジレント社製ZORBAX SB−PHENYLを使用し、移動相としてトリフルオロ酢酸の水溶液とアセトニトリルを使用する方法が挙げられる。このとき、カラムのサイズ、移動相の組成、流速、測定温度などは、測定対象が検出可能となるように適宜調整すれば良い。また、本発明では、測定対象であるメトキシ体及び環状エーテル体が測定可能であれば良いことから、上記のような多孔質シリカゲルを充填材とする逆相カラムに限らず、アルミナなど他の充填材によるカラムや、所謂順相カラムを用いて測定を行なうこともできる。
本発明では、上記のような方法によって測定されたメトキシ体の含有率及び環状エーテル体の含有率から、これらの和として被分析物中のメシレート体の含有率を求めることができる。
第二に、本発明の測定方法は、モンテルカストナトリウムを製造する一連の工程において、メシレート体を製造する工程で得られた反応液について実施する場合に、より大きな効果が得られて好ましい。すなわち、本発明は、前記ジオール体とメタンスルホン酸クロリドと第三級有機アミンとを混合してメシレート体を含む溶液を得るメシル化工程を行い、該メシル化工程で得られた溶液の一部を前記反応工程における被分析物とする前記メシレート体の測定方法である。さらには、当該方法によってメシル化工程で得られた溶液中のメシレート体の含有率を求める反応工程及び分析工程を行なった後、被分析物として使用した以外の溶液と1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステルと強塩基とを混合して前記モンテルカストアルキルエステルを得るチオエーテル化工程を行ない、モンテルカストアルキルエステルを製造することが好ましい。以下に各工程の詳細を説明する。
((メシル化工程))
本メシル化工程は、前記ジオール体とメタンスルホン酸クロリドと第三級有機アミンとを混合してメシレート体を含む溶液を得る工程である。
(ジオール体)
当該メシル化工程で使用されるジオール体は、公知の方法で製造されたものが特に制限なく使用される。当該ジオール体の形態は特に制限されず、結晶、アモルファス、又はこれらが混合した形態であっても良く、粉末、塊状物、又はこれらが混合した形状であっても良く、溶媒和物であっても良い。また、当該メシル化工程において、メシル化反応の反応性を考慮すると、使用する化合物の水分量が制御されていることが好ましく、具体的には、水分量が1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。なお、水分量を当該範囲に制御することが好適であることは、下記のメタンスルホン酸クロリド、第三級有機アミン及び反応溶媒においても該当する。
(メタンスルホン酸クロリド)
当該メシル化工程で使用されるメタンスルホン酸クロリドは、市販の試薬や工業品を特に制限なく使用することができる。当該メタンスルホン酸クロリドの使用量は、操作性や反応性を考慮すると、ジオール体1モルに対して1.0モル以上1.6モル以下であることが好ましく、1.1モル以上、1.4モル以下であることがより好ましい。
(第三級有機アミン)
当該メシル化工程で使用される第三級有機アミンは、pKbが1以上6以下であればよく、当該メシル化工程における反応性を考慮すると、pKbが3以上6以下であることが好ましい。具体的には、トリエチルアミンやN,N−ジイソプロピルエチルアミン等のトリアルキルアミン(pKb3〜6)を用いることが好ましく、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを用いることが特に好ましい。当該第三級有機アミンは市販の試薬や工業品が特に制限されるものではなく使用される。当該メシル化工程における第三級有機アミンの使用量は、メシレート体1モルに対して1モル以上15モル以下であることが好ましく、1モル以上5モル以下であることがより好ましい。
(反応溶媒)
当該メシル化工程では、反応溶媒を用いることが好ましい。当該反応溶媒は特に制限されず、ジオール体を溶解するものであれば良く、具体的には、アセトニトリル、THF、DMF、DMA、トルエン、N−メチルピロリドンを用いることができ、次のチオエーテル化工程を考慮すると、THF、DMF、DMA、N−メチルピロリドンが好ましく、THFが特に好ましく用いられる。これらは単独でも、複数種を混合して使用することもできる。当該反応溶媒の使用量は、操作性や反応性を考慮すると、ジオール体1gに対して、0.5mL以上200mL以下であれば良く、1mL以上100mL以下であることが好ましく、2mL以上50mL以下であることがより好ましい。
(メシル化工程の反応条件)
当該メシル化工程において、第三級有機アミンの存在下にて、ジオール体とメタンスルホン酸クロリドとを反応させる方法は特に限定されず、ジオール体、メタンスルホン酸クロリド、第三級有機アミン及び必要に応じて反応溶媒を混合すれば良く、その際の方法や順序も特に限定されない。具体的には、ジオール体及び第三級有機アミンを反応溶媒に溶解させた後、メタンスルホン酸クロリドを加える方法が好ましい。また、当該メシル化工程において、反応の温度は、−50℃以上20℃以下であれば良く、−40℃以上10℃以下であることが好ましく、−30℃以上0℃以下であることがより好ましい。当該温度範囲とすることによって、不純物の副生が抑制され、効率的に反応を行うことができる。また、反応の時間は、通常、2時間以上24時間以下である。
本発明において、当該メシル化工程で得られたメシレート体を含む溶液は、そのまま、反応工程及び分析工程、並びに、チオエーテル化工程に用いることができる。なお、当該メシル化工程において、メシル化反応で副生する第三級有機アミン塩酸塩は、そのまま次の工程に用いても良く、除去しても良い。当該塩は、デカンテーションやろ過など一般的な方法によって除去することができる。
そして、本発明では、当該溶液の一部を前記反応工程における被分析物とすることが好ましい。すなわち、当該溶液の一部を用いて、前記反応工程及び前記分析工程を行い、当該溶液におけるメシレート体の含有率を測定することによって、当該メシル化工程における反応の終了を適切に判断したり、次の工程で使用する原料の使用量を過不足なく設定して効率的に反応させたりすることができる。さらには、上記のように当該溶液の一部を用いて、前記反応工程及び前記分析工程を行ない、当該溶液におけるメシレート体の含有率が、当該メシル化工程で使用する前記ジオール体の使用量から算出される理論値の95%以上、好ましくは98%以上であることが確認されるまで、当該メシル化工程を継続することが好ましい。こうすることによって、メシレート体を高純度で含む溶液を高収率で得ることができ、当該溶液を使用することによって、次のチオエーテル化工程で得られるモンテルカストアルキルエステルや、最終的に得られるモンテルカストナトリウムを、高収率、高純度で得ることができる。
((チオエーテル化工程))
チオエーテル化工程とは、前記メシル化工程で得られた溶液に含まれるメシレート体と1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステルとを強塩基存在下で反応させてモンテルカストアルキルエステルを得る工程である。本発明では、前記メシル化工程で得られた溶液の一部を前記反応工程における被分析物とし、前記反応工程及び前記分析工程を行なって、当該溶液におけるメシレート体の含有率を測定した後、当該被分析物として使用した以外の溶液について当該チオエーテル化工程を行なうことが好ましい。
(1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステル)
本発明で使用される1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステルは、メシレート体をチオエーテル化してモンテルカストアルキルエステルを得るために用いられるものであり、特に制限されるものではないが、メシレート体との反応性や、得られたモンテルカストアルキルエステルからモンテルカストナトリウムを製造する工程における反応性等を考慮すると、当該アルキルエステルのアルキル基の炭素数が1以上5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましく、特にメチル基又はエチル基であることが好ましい。当該1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステルの形態は特に制限されず、メシレート体と同様に、当該チオエーテル化反応に使用する溶媒を含んでいても良く、反応に影響を及ぼさない範囲でその他の溶媒を含んでいても良い。本発明において、当該1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステルの使用量は、メシレート体1モルに対して1.0モル以上1.5モル以下であれば良く、1.1モル以上1.3モル以下であることが好ましい。
(強塩基)
当該チオエーテル化工程で使用される強塩基は、pKbの値が−40以上0以下であれば、当該チオエーテル化反応が十分に進行するため、特に制限されるものではないが、具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物(pKb−2〜0)、ナトリウムメトキシド、リチウムメトキシド、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウム等の金属アルコキシド(pKb−3〜−1.5)、メチルリチウム、ブチルリチウム等のアルキルリチウム(pKb−39〜−34)、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化金属(pKb−21)、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムテトラメチルピペリジド等の金属アミド(pKb−23〜−22)等が挙げられ、なかでも、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウムが好ましく、特にt−ブトキシカリウムが好ましい。当該強塩基の使用量は、メシレート体1モルに対して1.0モル以上であれば良く、不純物生成を考慮すると、メシレート体1モルに対して1.0モル以上1.3モル以下であることが好ましい。なお、メシル化工程においてメシル化反応で副生した第三級有機アミン塩酸塩を除去していない場合は、当該アミン塩によって当該チオエーテル化反応の反応性が低下するため、当該強塩基の使用量を、メシレート体1モルに対して、2.1モル以上2.4モル以下とすることが好ましい。
(反応溶媒)
当該チオエーテル化工程では、前記メシル化工程で得られた溶液を用いて反応を行なうことから、当該溶液を成す溶媒の種類や量を考慮して、適宜、反応溶媒を追加することができる。当該反応溶媒は特に制限されるものではなく、メシレート体を溶解させるものであれば良い。具体的には、THF、DMF、DMA、N−メチルピロリドン、炭酸ジメチルが挙げられ、なかでも、THFを用いることが好ましい。これらは単独でも、複数種を混合して使用することもできる。また、当該チオエーテル化工程における、前記メシル化工程で得られた溶液と併せた全体の溶媒量は、操作性や反応性を考慮すると、メシレート体1gに対して、1mL以上200mL以下であれば良く、当該反応の反応性や効率を考慮すると、3mL以上100mL以下となるように調整することが好ましく、5mL以上50mL以下となるように調整することがより好ましい。
(チオエーテル化工程の反応条件)
本発明で、前記メシル化工程で得られた溶液に含まれるメシレート体と1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステルとを強塩基存在下で反応させる方法は特に制限されず、前記メシル化工程で得られた溶液、1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステル、強塩基、必要に応じて反応溶媒を混合すれば良く、その際の方法や順序も特に制限されない。具体的には、例えば、前記メシル化工程で得られた溶液と1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステルとを混合し、強塩基を添加する方法などが挙げられる。また、本発明において、反応の温度は、−30℃以上20℃以下であれば良く、当該反応の反応性や効率を考慮すると、−20℃以上15℃以下とすることが好ましく、−10℃以上10℃以下とすることがより好ましい。また、反応の時間は、通常、4時間以上48時間以下である。
本発明で得られたモンテルカストアルキルエステルを含む溶液は、適宜後処理を行なうことにより、モンテルカストアルキルエステルを粗体あるいは結晶として得ることができるが、当該モンテルカストアルキルエステルは結晶性が良くないことから、溶液の状態で次の工程に供することが好ましい。すなわち、当該モンテルカストアルキルエステルは、公知の方法、例えば、加水分解してモンテルカスト遊離酸としてからナトリウム塩化することによって、モンテルカストナトリウムとすることができる。
本発明では、前記メシル化工程で得られた溶液におけるメシレート体の含有率を確認することによって、当該チオエーテル化工程において、メシレート体の含有率の高い溶液を用いることができ、1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステルや強塩基などの原料の使用量を好適な量とすることができることから、当該チオエーテル化工程を効率的に行ない、高純度のモンテルカストアルキルエステルを高収率で得ることができる。さらには、前記メシル化工程で得られた溶液からメシレート体を単離することなく、溶液を直接チオエーテル化工程に用いることによって、メシレート体の分解を最低限に抑えられる点からも、高純度のモンテルカストアルキルエステルを得ることができる。このように、本発明で得られるモンテルカストアルキルエステルは、非常に高純度であることから、当該モンテルカストアルキルエステルを用いることによって、最終的に、非常に高純度のモンテルカストナトリウムを得ることができる。
((加水分解工程))
当該加水分解工程は、本発明で得られたモンテルカストアルキルエステルを加水分解してモンテルカスト遊離酸を得る工程である。モンテルカストアルキルエステルの加水分解の方法は特に制限されないが、具体的には、特許文献4に記載の方法、すなわち、THFとメタノールの混合溶媒中、モンテルカストアルキルエステルと水酸化ナトリウム水溶液とを混合する方法が挙げられる。また、当該モンテルカストアルキルエステルは、前記チオエーテル化工程で得られた溶液として、あるいは、粗体や結晶として用いることができ、前記チオエーテル化工程で得られた溶液をそのまま用いることが好ましい。
このようにして得られたモンテルカスト遊離酸は、そのままナトリウム塩化することもできるが、一旦アミン塩として精製した後で、中和し、再度モンテルカスト遊離酸とすることが好ましい。モンテルカスト遊離酸のアミン塩は、モンテルカスト遊離酸やモンテルカストナトリウムと比較して、精製が容易の為、最終的に得られるモンテルカストナトリウムを高純度化することができる。
モンテルカスト遊離酸をアミン塩化する方法は特に制限されないが、一般的には、モンテルカスト遊離酸と対応するアミンを反応させることによって、モンテルカスト遊離酸のアミン塩が得られる。当該アミン塩化で用いられるアミンの種類は特に制限されず、公知のものが用いられ、その使用量は、1.0当量以上、2.0当量以下であることが好ましい。また、反応溶媒として、酢酸エチルや酢酸ブチル等の酢酸エステル及びトルエンを使用することができるが、精製効果を考慮すると、酢酸エステルを用いることが好ましい。当該溶媒の使用量は、特に制限されず、モンテルカスト遊離酸のアミン塩の溶液を得られれば良いが、操作性や回収率を考慮すると、モンテルカスト遊離酸1gに対して反応溶媒を1mL以上100mL以下にすることが好ましい。さらに、アミン塩化する際の反応温度は、特に制限されないが、0℃以上80℃以下であることが好ましい。反応後は、溶媒留去等の公知の方法で固液分離することによって、モンテルカスト遊離酸のアミン塩を固体として得ることができる。具体的には、反応液の温度を10℃以下に冷却することによって、モンテルカスト遊離酸のアミン塩の結晶を析出させ、ろ過や遠心分離等の方法で固液分離することによって、モンテルカスト遊離酸のアミン塩を結晶として取得することが好ましい。このようにして得られたモンテルカスト遊離酸のアミン塩の固体は、公知の方法、例えば、再結晶やリスラリー等によって1回以上精製されることによって、最終的に得られるモンテルカストナトリウムがより高純度となるため好ましい。
さらに、当該アミン塩を中和して、再度モンテルカスト遊離酸とする方法についても特に制限されないが、一般的には、当該アミン塩と酸とを反応させることによってモンテルカスト遊離酸とすることができる。当該中和で用いられる酸の種類や量は特に制限されず、酢酸やシュウ酸等の有機酸、塩化水素や硫酸等の無機酸を使用することができるが、有機酸を用いることが好ましい。また、反応溶媒として、メタノールやエタノール等のアルコール、酢酸エチルや酢酸ブチル等の酢酸エステル、ジクロロメタンやクロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエンやベンゼン等の芳香族炭化水素を使用することができ、当該溶媒の使用量は、特に制限されず、前記モンテルカスト遊離酸のアミン塩が溶解すれば良いが、操作性や回収率を考慮すると、モンテルカスト遊離酸のアミン塩1gに対して、溶媒を1mL以上100mL以下用いることが好ましい。さらに、中和する際の反応温度は、特に制限されないが、0℃以上60℃以下であることが好ましい。反応後は、反応液の温度を30℃以下に冷却することにより、モンテルカスト遊離酸の結晶を析出させ、ろ過や遠心分離等の方法で固液分離することによって、モンテルカスト遊離酸を結晶として取得することができる。
((ナトリウム塩化工程))
当該ナトリウム塩化工程は、モンテルカスト遊離酸をナトリウム塩化してモンテルカストナトリウムを得る工程である。モンテルカスト遊離酸をナトリウム塩化する方法は特に制限されず、公知の方法、例えば、モンテルカスト遊離酸と、水酸化ナトリウムやナトリウムメトキシド等の塩基とを反応させることによって行なわれる。当該塩基の使用量は、モンテルカスト遊離酸1モルに対して1モルであれば良い。また、当該ナトリウム塩化は溶媒中で行なうことが好ましく、当該溶媒の種類や使用量は特に限定されないが、メタノール等を、モンテルカスト遊離酸1gに対して10mL用いることが好ましい。また、当該反応の温度や時間も特に限定されず、20℃、1時間であれば良い。反応後は、固液分離することによって、モンテルカストナトリウムの結晶又はアモルファスを得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
本実施例において、メシレート体の純度測定及びメシル化反応の反応転化率の計算、並びに、メシレート体のNMRスペクトルの測定は、以下のように行った。
<HPLCによる含有率の測定方法>
装置:高速液体クロマトグラフ装置(Waters Corporation製)
検出器:紫外吸光光度検出器(Waters Corporation製)
測定波長:238nm
カラム:ZORBAX SB−PHENYL、内径4.6mm、長さ50mm(Agilent Technologies, Inc.製)
カラム温度:30℃ 一定温度
移動相A:蒸留水/トリフルオロ酢酸=1000/1.5
移動相B:アセトニトリル/トリフルオロ酢酸=1000/1.5
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を表1のように変えて濃度勾配制御する。
流速:1.2ml/分
測定時間:23分
Figure 0006162004
上記条件において、ジオール体は約3.4分に、メトキシ体は約6.4分に、環状エーテル体は約12.4分にピークが確認される。以下の実施例、比較例において、ジオール体、メトキシ体、環状エーテル体の含有率は、すべて、上記条件で測定される全ピークの面積値(溶媒由来のピークを除く)の合計に対する各化合物のピーク面積値の割合であり、メシレート体の含有率は、上記条件で測定される全ピークの面積値(溶媒由来のピークを除く)の合計に対するメトキシ体と環状エーテル体のピーク面積値の和の割合である。
<反応転化率の計算方法>
反応転化率は、上記HPLCによる含有率の測定で求めた各化合物のピーク面積値を使用して、下記式により算出した。
Figure 0006162004
<NMRスペクトルの測定方法>
装置:溶液500MHzFT−NMR(日本電子社製)
測定溶媒:CDCl
製造例1
窒素雰囲気下で、ジオール体5.0gにトルエン15ml、アセトニトリル40ml及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン2.1gを加えて撹拌混合し、得られた液を−30℃に冷却した後、メタンスルホン酸クロリド1.4gとアセトニトリル5mlとを混合した溶液を30分かけて滴下し、同温にて5時間撹拌した。析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、アセトニトリル5ml及びヘキサン10mlで洗浄して、メシレート体の結晶5.1g(収率85.9%)を取得した。得られた結晶のNMRスペクトルは、特許文献1に記載のものと一致した。また約5%のジオール体を含んでいることが確認された。
実施例1
(反応工程、分析工程)
製造例1で得られたメシレート体の結晶5mgにメタノール5mlを加え、25℃で15分間静置し、得られた溶液を用いて、HPLCによる含有率の測定を実施した。その結果、製造例1で得られたメシレート体の結晶におけるメシレート体の含有率は89.8%(ジオール体含有率5.6%)であった。
実施例2
(反応工程、分析工程)
製造例1で得られたメシレート体の結晶10mgをTHF1mlに溶解し、メタノール5mlを加え、25℃で1時間攪拌し、得られた溶液を濃縮して、油状物を得た。得られた油状物をメタノール10mlに溶解した溶液を用いて、HPLCによる純度の測定を実施した。その結果、製造例1で得られたメシレート体の結晶におけるメシレート体の含有率は89.8%(ジオール体含有率5.6%)であった。
実施例3
(メシル化工程)
窒素雰囲気下で、ジオール体5.0gにTHF15ml及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン2.1gを加えて撹拌混合し、得られた液を−10℃に冷却した後、メタンスルホン酸クロリド1.4gとTHF5mlとを混合した溶液を30分かけて滴下し、同温にて2時間撹拌した。得られた反応液をろ過して、固体を除去し、メシレート体のTHF溶液を取得した。
(反応工程、分析工程)
上記メシル化工程で得られたメシレート体のTHF溶液10μlにメタノール1mlを加え、25℃で15分間静置し、得られた溶液を用いて、HPLCによる含有率の測定を実施した。その結果、上記メシル化工程で得られたメシレート体のTHF溶液におけるメシレート体の含有率は94.1%(ジオール体含有率1.8%)であった。
実施例4
(メシル化工程)
窒素雰囲気下で、ジオール体5.0gにTHF15ml及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン4.2gを加えて撹拌混合し、得られた液を−10℃に冷却した後、メタンスルホン酸クロリド1.4gとTHF5mlとを混合した溶液を30分かけて滴下し、同温にて2時間撹拌し、メシレート体のTHF溶液を取得した。
(反応工程、分析工程)
上記メシル化工程で得られたメシレート体のTHF溶液10μlをメタノール1mlに溶解し、25℃で15分間静置し、得られた溶液を用いて、HPLCによる含有率の測定を実施した。その結果、上記メシル化工程で得られたメシレート体のTHF溶液におけるメシレート体の含有率は94.4%(ジオール体含有率2.8%)、メシル化工程の反応転化率は97%であった。
実施例5
(チオエーテル化工程)
窒素雰囲気下で、実施例4の上記メシル化工程で得られたメシレート体のTHF溶液(反応工程及び分析工程で使用された一部を除く)に1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸メチルエステル1.8g及びTHF30mlを加えて撹拌混合し、溶解させて得られた溶液を−10℃に冷却した後、t−ブトキシカリウム2.8gを30分かけて投入し、反応液を4℃に昇温して、同温にて16時間撹拌した。得られた反応液を20℃に昇温し、5%食塩水10mlを加えて反応を停止した。水層を分離し、5%食塩水10mlを用いて有機層を洗浄して、モンテルカストメチルエステルのTHF溶液(モンテルカストメチルエステル純度82.6%)を得た。
実施例6
(加水分解工程)
窒素雰囲気下で、実施例5で得られたモンテルカストメチルエステルのTHF溶液にメタノール30ml及び10%水酸化ナトリウム水溶液10.3gを加え、25℃で6時間撹拌混合した。得られた反応液にトルエン30mlを加えて有機層を分離し、分離した有機層に0.5M酒石酸10.3gを加えてpHを4に調整し、溶媒を留去して有機層の液量を15mlとしてから、5℃で12時間撹拌した。析出した固体を濾取し、トルエン5mlで2回洗浄し、減圧乾燥することによって、モンテルカスト遊離酸の粗体5.2g(モンテルカスト遊離酸純度95.3%)を得た(収率81%)。
窒素雰囲気下で、モンテルカスト遊離酸の粗体5.0gに酢酸ブチル45mlを加えて撹拌混合し、得られた液に、ジプロピルアミン0.86gを酢酸ブチル5mlに溶解させた溶液を滴下した。固体が全て溶解したことを確認した後、1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩(以下、モンテルカストジプロピルアミン塩とも言う。)の種結晶5.0mgを加え、3時間撹拌した後、4℃に冷却し、同温で16時間撹拌し、−10℃に冷却し、同温で2時間撹拌した。析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、酢酸ブチル5ml及びヘプタン10mlで洗浄し、減圧乾燥して、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶4.8g(モンテルカストジプロピルアミン塩純度99.6%)を得た(収率81%)。
モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶3.0gにトルエン30ml及び水15mlを加えて撹拌混合し、得られた液に、酢酸0.30gを加え、30分間撹拌した後、水層を除去して得られた有機層を4℃に冷却し、析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、減圧乾燥して、モンテルカスト遊離酸の結晶を得た。
(ナトリウム塩化工程)
上記加水分解工程で得られたモンテルカスト遊離酸の結晶にメタノール30mlを加えて撹拌混合した液に、水酸化ナトリウム0.15gを加え、1時間撹拌した後、溶媒を留去し、析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、減圧乾燥して、モンテルカストナトリウム2.4g(モンテルカストナトリウム純度99.9%)を得た(収率90%)。
比較例1
製造例1で得られたメシレート体の結晶10mgをアセトニトリル10mlに溶解し、25℃で15分間静置し、得られた溶液を用いて、HPLCによる含有率の測定を実施した。その結果、ピークがブロードになり、メシレート体の結晶における各化合物の含有率を高い確度で測定することは不可能であった。
比較例2
製造例1で得られたメシレート体の結晶10mgをアセトニトリル5ml及び水5mlに溶解し、25℃で15分間静置し、得られた溶液を用いて、HPLCによる含有率の測定を実施した。その結果、環状エーテル体の含有率が57.7%、ジオール体の含有率が36.6%であった。この結果は、製造例1のNMRチャートから得られた結果とは大きく解離しており、メシレート体の結晶における各化合物の含有率を高い角度で測定することができなかった。

Claims (6)

  1. 化学式(1)
    Figure 0006162004
    で示されるメシレート体を含む被分析物とメタノールとを混合することにより、当該メシレート体とメタノールとを反応させて化学式(2)
    Figure 0006162004
    で示されるメトキシ体及び化学式(3)
    Figure 0006162004
    で示される環状エーテル体を含む混合物を得る反応工程、前記反応工程で得られた混合物における前記メトキシ体の含有率及び前記環状エーテル体の含有率を測定し、これらの含有率の和から被分析物中の前記メシレート体の含有率を求める分析工程を含むことを特徴とする前記メシレート体の測定方法。
  2. 化学式(4)
    Figure 0006162004
    で示されるジオール体とメタンスルホン酸クロリドと第三級有機アミンとを混合して化学式(1)
    Figure 0006162004
    で示されるメシレート体を含む溶液を得るメシル化工程を行い、該メシル化工程で得られた溶液の一部を前記反応工程における被分析物とすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 請求項2に記載の方法により、メシル化工程で得られた溶液中のメシレート体の含有率を求める反応工程及び分析工程を行なった後、被分析物として使用した以外の溶液と1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステルと強塩基とを混合して化学式(5)
    Figure 0006162004
    (式中、Rはアルキル基とする。)
    で示されるモンテルカストアルキルエステルを得るチオエーテル化工程を行なうモンテルカストアルキルエステルの製造方法。
  4. 請求項3に記載のモンテルカストアルキルエステルの製造方法において、前記メシル化工程で使用した化学式(4)
    Figure 0006162004
    で示されるジオール体の使用量から算出されるメシレート体の理論収量に対するメシレート体の実収量の割合として求められる反応転化率が、95%以上となるように前記メシル化工程を実施することを特徴とする方法。
  5. 請求項3又は4に記載の方法で化学式(5)
    Figure 0006162004
    (式中、Rはアルキル基とする。)
    で示されるモンテルカストアルキルエステルを製造する工程、当該モンテルカストアルキルエステルを加水分解して化学式(6)
    Figure 0006162004
    で示されるモンテルカスト遊離酸を得る加水分解工程、当該モンテルカスト遊離酸をナトリウム塩化してモンテルカストナトリウムを得るナトリウム塩化工程を含むモンテルカストナトリウムの製造方法。
  6. 化学式(2)
    Figure 0006162004
    で示されるメトキシ体及び化学式(3)
    Figure 0006162004
    で示される環状エーテル体を含む溶液。
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