JP6162004B2 - モンテルカストナトリウム中間体の分析方法 - Google Patents
モンテルカストナトリウム中間体の分析方法 Download PDFInfo
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で示される1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸、又は、そのアルキルエステルと反応させて、化学式(5)
で示される1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸(以下、モンテルカスト遊離酸とも言う。)、又は、そのアルキルエステル(以下、モンテルカストアルキルエステルとも言う。)とした後、必要に応じて加水分解し、ナトリウム塩化することによって、モンテルカストナトリウムを得る方法が知られている。
本反応工程は、前記メシレート体を含む被分析物とメタノールとを混合することにより、当該メシレート体とメタノールとを反応させて前記メトキシ体及び前記環状エーテル体を含む混合物を得る工程である。
当該反応工程において、メシレート体とメタノールとを反応させてメトキシ体及び環状エーテル体とする反応は、ほぼ定量的に進行するため、次の分析工程においてメトキシ体の含有率と環状エーテル体の含有率を測定することによって、これらの和としてメシレート体の含有率を求めることができる。
本発明に使用されるメシレート体を含む被分析物は、メシレート体を含むものであれば特に制限されるものではなく、続く分析工程において、反応工程で得られた混合物における前記メトキシ体の含有率及び前記環状エーテル体の含有率を測定できれば、主としてメシレート体を含むものでなくても良い。具体的には、メシレート体の含有率が、1質量%以上であれば本発明の方法を問題なく行なうことができ、測定の確度などを考慮すると、10質量%以上であることが好ましい。当該メシレート体を含む被分析物の製造方法についても特に制限されず、公知の方法、例えば、前記したような特許文献1乃至3に記載の方法で製造したメシレート体を本発明の被分析物として使用することができる。
本発明におけるメタノールは、市販の試薬や工業品を特に制限なく使用することができるが、メシレート体の反応性を考慮すると、メタノールの水分量が制御されていることが好ましい。具体的には、水分量が5%以下のメタノールを使用することが好ましく、さらには3%以下であることが好ましく、特に1%以下であることが好ましい。水分量が5%以下のメタノールを使用することによって、メシレート体が水と反応して分解する虞が低下し、より確度高くメシレート体の含有率を測定することができる。また、本発明で使用されるメタノールの量は特に制限されるものではないが、操作性及び収率を考慮すると、前記メシレート体1mgに対して、メタノールの量を0.01mL以上10mL以下とすれば良く、0.05mL以上5mL以下とすることが好ましく、特に0.1mL以上2mL以下とすることが好ましい。
当該反応工程において、メシレート体とメタノールとを反応させる方法は特に制限されず、メシレート体を含む被分析物とメタノールとを混合すれば良く、混合する方法や順序も特に制限されない。また、混合する際には、必要に応じて反応溶媒を用いることができるが、当該反応工程における反応性及び操作性、さらに続く分析工程での操作性を考慮すると、反応溶媒を使用せずにメシレート体を含む被分析物とメタノールとを混合して反応させることが最も好ましい。当該反応溶媒は、反応工程に影響を及ぼさないものであれば良く、具体的には、THF又はジエチルエーテルなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、アセトニトリル、ベンゼン又はトルエンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルム又は塩化メチレンなどのハロゲン系溶媒、DMF、DMA、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒などが挙げられ、これら溶媒は、一種類だけを用いても、複数種類を適宜混合して用いても良い。また、当該反応工程において、反応の温度は、−10℃以上80℃以下であれば良く、0℃以上50℃以下であることが好ましく、10℃以上30℃以下であることがより好ましい。当該温度範囲とすることによって、不純物の副生が抑制され、効率的に反応を行なうことができる。また、反応の時間は、通常、5分間以上24時間以下である。
本発明の分析工程は、前記反応工程で得られた混合物における前記メトキシ体の含有率及び前記環状エーテル体の含有率を測定し、これらの含有率の和から被分析物中の前記メシレート体の含有率を求める工程である。
本メシル化工程は、前記ジオール体とメタンスルホン酸クロリドと第三級有機アミンとを混合してメシレート体を含む溶液を得る工程である。
当該メシル化工程で使用されるジオール体は、公知の方法で製造されたものが特に制限なく使用される。当該ジオール体の形態は特に制限されず、結晶、アモルファス、又はこれらが混合した形態であっても良く、粉末、塊状物、又はこれらが混合した形状であっても良く、溶媒和物であっても良い。また、当該メシル化工程において、メシル化反応の反応性を考慮すると、使用する化合物の水分量が制御されていることが好ましく、具体的には、水分量が1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。なお、水分量を当該範囲に制御することが好適であることは、下記のメタンスルホン酸クロリド、第三級有機アミン及び反応溶媒においても該当する。
当該メシル化工程で使用されるメタンスルホン酸クロリドは、市販の試薬や工業品を特に制限なく使用することができる。当該メタンスルホン酸クロリドの使用量は、操作性や反応性を考慮すると、ジオール体1モルに対して1.0モル以上1.6モル以下であることが好ましく、1.1モル以上、1.4モル以下であることがより好ましい。
当該メシル化工程で使用される第三級有機アミンは、pKbが1以上6以下であればよく、当該メシル化工程における反応性を考慮すると、pKbが3以上6以下であることが好ましい。具体的には、トリエチルアミンやN,N−ジイソプロピルエチルアミン等のトリアルキルアミン(pKb3〜6)を用いることが好ましく、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを用いることが特に好ましい。当該第三級有機アミンは市販の試薬や工業品が特に制限されるものではなく使用される。当該メシル化工程における第三級有機アミンの使用量は、メシレート体1モルに対して1モル以上15モル以下であることが好ましく、1モル以上5モル以下であることがより好ましい。
当該メシル化工程では、反応溶媒を用いることが好ましい。当該反応溶媒は特に制限されず、ジオール体を溶解するものであれば良く、具体的には、アセトニトリル、THF、DMF、DMA、トルエン、N−メチルピロリドンを用いることができ、次のチオエーテル化工程を考慮すると、THF、DMF、DMA、N−メチルピロリドンが好ましく、THFが特に好ましく用いられる。これらは単独でも、複数種を混合して使用することもできる。当該反応溶媒の使用量は、操作性や反応性を考慮すると、ジオール体1gに対して、0.5mL以上200mL以下であれば良く、1mL以上100mL以下であることが好ましく、2mL以上50mL以下であることがより好ましい。
当該メシル化工程において、第三級有機アミンの存在下にて、ジオール体とメタンスルホン酸クロリドとを反応させる方法は特に限定されず、ジオール体、メタンスルホン酸クロリド、第三級有機アミン及び必要に応じて反応溶媒を混合すれば良く、その際の方法や順序も特に限定されない。具体的には、ジオール体及び第三級有機アミンを反応溶媒に溶解させた後、メタンスルホン酸クロリドを加える方法が好ましい。また、当該メシル化工程において、反応の温度は、−50℃以上20℃以下であれば良く、−40℃以上10℃以下であることが好ましく、−30℃以上0℃以下であることがより好ましい。当該温度範囲とすることによって、不純物の副生が抑制され、効率的に反応を行うことができる。また、反応の時間は、通常、2時間以上24時間以下である。
チオエーテル化工程とは、前記メシル化工程で得られた溶液に含まれるメシレート体と1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステルとを強塩基存在下で反応させてモンテルカストアルキルエステルを得る工程である。本発明では、前記メシル化工程で得られた溶液の一部を前記反応工程における被分析物とし、前記反応工程及び前記分析工程を行なって、当該溶液におけるメシレート体の含有率を測定した後、当該被分析物として使用した以外の溶液について当該チオエーテル化工程を行なうことが好ましい。
本発明で使用される1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステルは、メシレート体をチオエーテル化してモンテルカストアルキルエステルを得るために用いられるものであり、特に制限されるものではないが、メシレート体との反応性や、得られたモンテルカストアルキルエステルからモンテルカストナトリウムを製造する工程における反応性等を考慮すると、当該アルキルエステルのアルキル基の炭素数が1以上5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましく、特にメチル基又はエチル基であることが好ましい。当該1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステルの形態は特に制限されず、メシレート体と同様に、当該チオエーテル化反応に使用する溶媒を含んでいても良く、反応に影響を及ぼさない範囲でその他の溶媒を含んでいても良い。本発明において、当該1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステルの使用量は、メシレート体1モルに対して1.0モル以上1.5モル以下であれば良く、1.1モル以上1.3モル以下であることが好ましい。
当該チオエーテル化工程で使用される強塩基は、pKbの値が−40以上0以下であれば、当該チオエーテル化反応が十分に進行するため、特に制限されるものではないが、具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物(pKb−2〜0)、ナトリウムメトキシド、リチウムメトキシド、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウム等の金属アルコキシド(pKb−3〜−1.5)、メチルリチウム、ブチルリチウム等のアルキルリチウム(pKb−39〜−34)、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化金属(pKb−21)、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムテトラメチルピペリジド等の金属アミド(pKb−23〜−22)等が挙げられ、なかでも、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウムが好ましく、特にt−ブトキシカリウムが好ましい。当該強塩基の使用量は、メシレート体1モルに対して1.0モル以上であれば良く、不純物生成を考慮すると、メシレート体1モルに対して1.0モル以上1.3モル以下であることが好ましい。なお、メシル化工程においてメシル化反応で副生した第三級有機アミン塩酸塩を除去していない場合は、当該アミン塩によって当該チオエーテル化反応の反応性が低下するため、当該強塩基の使用量を、メシレート体1モルに対して、2.1モル以上2.4モル以下とすることが好ましい。
当該チオエーテル化工程では、前記メシル化工程で得られた溶液を用いて反応を行なうことから、当該溶液を成す溶媒の種類や量を考慮して、適宜、反応溶媒を追加することができる。当該反応溶媒は特に制限されるものではなく、メシレート体を溶解させるものであれば良い。具体的には、THF、DMF、DMA、N−メチルピロリドン、炭酸ジメチルが挙げられ、なかでも、THFを用いることが好ましい。これらは単独でも、複数種を混合して使用することもできる。また、当該チオエーテル化工程における、前記メシル化工程で得られた溶液と併せた全体の溶媒量は、操作性や反応性を考慮すると、メシレート体1gに対して、1mL以上200mL以下であれば良く、当該反応の反応性や効率を考慮すると、3mL以上100mL以下となるように調整することが好ましく、5mL以上50mL以下となるように調整することがより好ましい。
本発明で、前記メシル化工程で得られた溶液に含まれるメシレート体と1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステルとを強塩基存在下で反応させる方法は特に制限されず、前記メシル化工程で得られた溶液、1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステル、強塩基、必要に応じて反応溶媒を混合すれば良く、その際の方法や順序も特に制限されない。具体的には、例えば、前記メシル化工程で得られた溶液と1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸アルキルエステルとを混合し、強塩基を添加する方法などが挙げられる。また、本発明において、反応の温度は、−30℃以上20℃以下であれば良く、当該反応の反応性や効率を考慮すると、−20℃以上15℃以下とすることが好ましく、−10℃以上10℃以下とすることがより好ましい。また、反応の時間は、通常、4時間以上48時間以下である。
当該加水分解工程は、本発明で得られたモンテルカストアルキルエステルを加水分解してモンテルカスト遊離酸を得る工程である。モンテルカストアルキルエステルの加水分解の方法は特に制限されないが、具体的には、特許文献4に記載の方法、すなわち、THFとメタノールの混合溶媒中、モンテルカストアルキルエステルと水酸化ナトリウム水溶液とを混合する方法が挙げられる。また、当該モンテルカストアルキルエステルは、前記チオエーテル化工程で得られた溶液として、あるいは、粗体や結晶として用いることができ、前記チオエーテル化工程で得られた溶液をそのまま用いることが好ましい。
当該ナトリウム塩化工程は、モンテルカスト遊離酸をナトリウム塩化してモンテルカストナトリウムを得る工程である。モンテルカスト遊離酸をナトリウム塩化する方法は特に制限されず、公知の方法、例えば、モンテルカスト遊離酸と、水酸化ナトリウムやナトリウムメトキシド等の塩基とを反応させることによって行なわれる。当該塩基の使用量は、モンテルカスト遊離酸1モルに対して1モルであれば良い。また、当該ナトリウム塩化は溶媒中で行なうことが好ましく、当該溶媒の種類や使用量は特に限定されないが、メタノール等を、モンテルカスト遊離酸1gに対して10mL用いることが好ましい。また、当該反応の温度や時間も特に限定されず、20℃、1時間であれば良い。反応後は、固液分離することによって、モンテルカストナトリウムの結晶又はアモルファスを得ることができる。
本実施例において、メシレート体の純度測定及びメシル化反応の反応転化率の計算、並びに、メシレート体のNMRスペクトルの測定は、以下のように行った。
装置:高速液体クロマトグラフ装置(Waters Corporation製)
検出器:紫外吸光光度検出器(Waters Corporation製)
測定波長:238nm
カラム:ZORBAX SB−PHENYL、内径4.6mm、長さ50mm(Agilent Technologies, Inc.製)
カラム温度:30℃ 一定温度
移動相A:蒸留水/トリフルオロ酢酸=1000/1.5
移動相B:アセトニトリル/トリフルオロ酢酸=1000/1.5
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を表1のように変えて濃度勾配制御する。
流速:1.2ml/分
測定時間:23分
反応転化率は、上記HPLCによる含有率の測定で求めた各化合物のピーク面積値を使用して、下記式により算出した。
装置:溶液500MHzFT−NMR(日本電子社製)
測定溶媒:CDCl3
窒素雰囲気下で、ジオール体5.0gにトルエン15ml、アセトニトリル40ml及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン2.1gを加えて撹拌混合し、得られた液を−30℃に冷却した後、メタンスルホン酸クロリド1.4gとアセトニトリル5mlとを混合した溶液を30分かけて滴下し、同温にて5時間撹拌した。析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、アセトニトリル5ml及びヘキサン10mlで洗浄して、メシレート体の結晶5.1g(収率85.9%)を取得した。得られた結晶のNMRスペクトルは、特許文献1に記載のものと一致した。また約5%のジオール体を含んでいることが確認された。
(反応工程、分析工程)
製造例1で得られたメシレート体の結晶5mgにメタノール5mlを加え、25℃で15分間静置し、得られた溶液を用いて、HPLCによる含有率の測定を実施した。その結果、製造例1で得られたメシレート体の結晶におけるメシレート体の含有率は89.8%(ジオール体含有率5.6%)であった。
(反応工程、分析工程)
製造例1で得られたメシレート体の結晶10mgをTHF1mlに溶解し、メタノール5mlを加え、25℃で1時間攪拌し、得られた溶液を濃縮して、油状物を得た。得られた油状物をメタノール10mlに溶解した溶液を用いて、HPLCによる純度の測定を実施した。その結果、製造例1で得られたメシレート体の結晶におけるメシレート体の含有率は89.8%(ジオール体含有率5.6%)であった。
(メシル化工程)
窒素雰囲気下で、ジオール体5.0gにTHF15ml及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン2.1gを加えて撹拌混合し、得られた液を−10℃に冷却した後、メタンスルホン酸クロリド1.4gとTHF5mlとを混合した溶液を30分かけて滴下し、同温にて2時間撹拌した。得られた反応液をろ過して、固体を除去し、メシレート体のTHF溶液を取得した。
(反応工程、分析工程)
上記メシル化工程で得られたメシレート体のTHF溶液10μlにメタノール1mlを加え、25℃で15分間静置し、得られた溶液を用いて、HPLCによる含有率の測定を実施した。その結果、上記メシル化工程で得られたメシレート体のTHF溶液におけるメシレート体の含有率は94.1%(ジオール体含有率1.8%)であった。
(メシル化工程)
窒素雰囲気下で、ジオール体5.0gにTHF15ml及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン4.2gを加えて撹拌混合し、得られた液を−10℃に冷却した後、メタンスルホン酸クロリド1.4gとTHF5mlとを混合した溶液を30分かけて滴下し、同温にて2時間撹拌し、メシレート体のTHF溶液を取得した。
(反応工程、分析工程)
上記メシル化工程で得られたメシレート体のTHF溶液10μlをメタノール1mlに溶解し、25℃で15分間静置し、得られた溶液を用いて、HPLCによる含有率の測定を実施した。その結果、上記メシル化工程で得られたメシレート体のTHF溶液におけるメシレート体の含有率は94.4%(ジオール体含有率2.8%)、メシル化工程の反応転化率は97%であった。
(チオエーテル化工程)
窒素雰囲気下で、実施例4の上記メシル化工程で得られたメシレート体のTHF溶液(反応工程及び分析工程で使用された一部を除く)に1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸メチルエステル1.8g及びTHF30mlを加えて撹拌混合し、溶解させて得られた溶液を−10℃に冷却した後、t−ブトキシカリウム2.8gを30分かけて投入し、反応液を4℃に昇温して、同温にて16時間撹拌した。得られた反応液を20℃に昇温し、5%食塩水10mlを加えて反応を停止した。水層を分離し、5%食塩水10mlを用いて有機層を洗浄して、モンテルカストメチルエステルのTHF溶液(モンテルカストメチルエステル純度82.6%)を得た。
(加水分解工程)
窒素雰囲気下で、実施例5で得られたモンテルカストメチルエステルのTHF溶液にメタノール30ml及び10%水酸化ナトリウム水溶液10.3gを加え、25℃で6時間撹拌混合した。得られた反応液にトルエン30mlを加えて有機層を分離し、分離した有機層に0.5M酒石酸10.3gを加えてpHを4に調整し、溶媒を留去して有機層の液量を15mlとしてから、5℃で12時間撹拌した。析出した固体を濾取し、トルエン5mlで2回洗浄し、減圧乾燥することによって、モンテルカスト遊離酸の粗体5.2g(モンテルカスト遊離酸純度95.3%)を得た(収率81%)。
窒素雰囲気下で、モンテルカスト遊離酸の粗体5.0gに酢酸ブチル45mlを加えて撹拌混合し、得られた液に、ジプロピルアミン0.86gを酢酸ブチル5mlに溶解させた溶液を滴下した。固体が全て溶解したことを確認した後、1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩(以下、モンテルカストジプロピルアミン塩とも言う。)の種結晶5.0mgを加え、3時間撹拌した後、4℃に冷却し、同温で16時間撹拌し、−10℃に冷却し、同温で2時間撹拌した。析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、酢酸ブチル5ml及びヘプタン10mlで洗浄し、減圧乾燥して、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶4.8g(モンテルカストジプロピルアミン塩純度99.6%)を得た(収率81%)。
モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶3.0gにトルエン30ml及び水15mlを加えて撹拌混合し、得られた液に、酢酸0.30gを加え、30分間撹拌した後、水層を除去して得られた有機層を4℃に冷却し、析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、減圧乾燥して、モンテルカスト遊離酸の結晶を得た。
(ナトリウム塩化工程)
上記加水分解工程で得られたモンテルカスト遊離酸の結晶にメタノール30mlを加えて撹拌混合した液に、水酸化ナトリウム0.15gを加え、1時間撹拌した後、溶媒を留去し、析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、減圧乾燥して、モンテルカストナトリウム2.4g(モンテルカストナトリウム純度99.9%)を得た(収率90%)。
製造例1で得られたメシレート体の結晶10mgをアセトニトリル10mlに溶解し、25℃で15分間静置し、得られた溶液を用いて、HPLCによる含有率の測定を実施した。その結果、ピークがブロードになり、メシレート体の結晶における各化合物の含有率を高い確度で測定することは不可能であった。
製造例1で得られたメシレート体の結晶10mgをアセトニトリル5ml及び水5mlに溶解し、25℃で15分間静置し、得られた溶液を用いて、HPLCによる含有率の測定を実施した。その結果、環状エーテル体の含有率が57.7%、ジオール体の含有率が36.6%であった。この結果は、製造例1のNMRチャートから得られた結果とは大きく解離しており、メシレート体の結晶における各化合物の含有率を高い角度で測定することができなかった。
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