JP6161953B2 - 育毛剤、筋肉活性化剤及びエネルギー産生促進剤 - Google Patents

育毛剤、筋肉活性化剤及びエネルギー産生促進剤 Download PDF

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Description

本発明は、クロバナツルアズキの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするインスリン様増殖因子1(IGF−1)産生促進剤、育毛剤、筋肉活性化剤及びエネルギー産生促進剤に関するものである。
IGF−1は成長ホルモンから作られ、ほとんど全ての人体組織、母乳や唾液を含む液体の中に存在する物質である。生体内では、骨、筋肉、皮膚、毛髪、肝臓、腎臓、肺、神経等の多くの細胞が、IGF−1の影響を受けると言われている。これまでの研究から、加齢とともにIGF−1の分泌量が減少することが明らかとなり、様々な老化現象を引き起こす主な原因として考えられている(非特許文献1)。又、毛根を活性化したり(非特許文献2)、筋芽細胞の増殖と分化を促進したり(非特許文献3)する等、身体の多くの組織に影響を及ぼすことも分かってきた。最近では、IGF−1含有の化粧品が発売されている。
ヒトの毛髪は一生伸び続けるのではなく、一定の寿命の後に自然に抜け落ち、しばらくすると新しい毛髪が生え始める。毛髪は成長期、退行期及び休止期と呼ばれる3つの異なる活動状態を繰り返しており、この一連の周期をヘアサイクルと呼ぶ。毛髪は、毛根の最下部にある毛乳頭細胞からの刺激によって、その周りに存在する毛母細胞が増殖・分化して形成される。毛乳頭細胞はIGF−1等の多くのサイトカインを産生し、毛母細胞に強い影響を与えるため、育毛にとって重要であると考えられる。最近では、毛乳頭細胞からIGF−1産生を促進させる成分が育毛剤に利用されている(非特許文献4)。
筋肉の元になるのは、筋芽細胞である。筋芽細胞が増殖して融合することで筋管となり、更にその筋管が集合することで筋線維となる。その後、数々の過程を経て、筋線維から筋肉が作られる。筋管形成がスタートとなって筋肉が作られる過程が進行していくため、最初に筋芽細胞から筋管が形成されることが、筋肉形成や筋肉強化の鍵となる。筋芽細胞には様々なサイトカインが作用するが、IGF−1を筋芽細胞に添加すると筋管の形成及び肥大が認められることから、IGF−1は筋肉形成や筋肉増強にとって重要であると考えられる(非特許文献5及び6)。
今までに、IGF−1を有効成分とする育毛剤が既に知られている(特許文献1)。しかしながら、IGF−1は動物由来成分で分子量が大きいために、外用塗布による経皮吸収が困難である等の問題があった。
クロバナツルアズキはマメ科ナンバンアカアズキ属のつる性の植物であり、学名:Macroptilium atropurpureumである。原産は北米であり、沖縄地方、世界の熱帯・亜熱帯で帰化している。今までに、クロバナツルアズキの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするチロシナーゼ活性阻害剤、美白剤及び皮膚化粧料(特許文献2)、抗老化剤、皮膚化粧料及び美容用飲食品(特許文献3)、抗老化剤及び皮膚化粧料(特許文献4)、及び皮膚外用組成物(特許文献5)等が知られている。しかしながら、クロバナツルアズキの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするIGF−1産生促進剤、育毛剤、筋肉活性化剤及びエネルギー産生促進剤については知られていない。
特公平4−60567 特開2007−91635 特開2007−217352 特開2007−223918 特開2011−16726
植木浩二郎,日本臨床,67(7),1315−1320(2009) J.Invest.Dermatol.,99(3),343−349(1992) Biochim.Biophys.Acta.,1355(2),167−176(1997) 小友進,日薬理誌,119,167−174(2002) Mol.Endocrinol.,5(5),718−724(1991) Proc.Natl.Acad.Sci.USA,92,10307−10311(1995)
そこで、本発明が解決する課題は、IGF−1産生を高める植物由来成分を見出し、これを有効成分とする、作用点が明確であり、且つ優れたIGF−1産生促進剤、育毛剤、筋肉活性化剤及びエネルギー産生促進剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題の解決に向け鋭意検討を行った結果、クロバナツルアズキ抽出物に優れたIGF−1産生促進作用を有することを見出した。更に、本発明者らは、クロバナツルアズキ抽出物を含有する組成物に、優れた育毛効果、筋肉活性化効果及びエネルギー産生促進効果を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、クロバナツルアズキの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするIGF−1産生促進剤、育毛剤、筋肉活性化剤及びエネルギー産生促進剤に関する。
本発明のクロバナツルアズキの抽出物は、IGF−1産生促進効果に優れていた。又、この抽出物を有効成分として含有することを特徴とする育毛剤、筋肉活性化剤及びエネルギー産生促進剤は、安全で、抜け毛予防又は改善効果、及び筋肉増強効果に優れていた。
クロバナツルアズキ抽出物添加によるC2C12細胞における筋管形成の図である。
本発明に用いるクロバナツルアズキはマメ科ナンバンアカアズキ属のつる性の植物であり、学名:Macroptilium atropurpureumである。クロバナツルアズキの幹部、地上部、根部等の一部や全草を乾燥したものを利用することができる。
本発明に用いるクロバナツルアズキの抽出物は特に限定されず、例えば、加熱抽出したものであっても良いし、常温又は低温で抽出したものであっても良い。抽出する溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)が挙げられる。好ましくは、水、低級アルコール及び液状多価アルコール等の極性溶媒が良く、特に好ましくは、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール及びプロピレングリコールが良い。これらの溶媒は、1種でも2種以上を混合して用いても良い。又、「クロバナツルアズキ抽出液BG」(丸善製薬)が市販されているので、それを用いても良い。
上記抽出物は抽出した溶液のまま用いても良く、必要に応じて濃縮、希釈、濾過、活性炭等による脱色、脱臭等の処理をして用いても良い。又、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いても良いし、カラム精製等を行い、有効成分を濃縮したり単離したりしてから用いても良い。
本発明における育毛剤とは、育毛又は発毛の促進、脱毛の予防又は改善等の有効成分を含有する製剤を意味する。育毛剤の対象は、頭髪、まつ毛等が挙げられる。
本発明における筋肉活性化剤とは、筋肉に刺激を与えることで、筋肉の機能が活発になる等の有効成分を含有する製剤を意味する。筋肉を活性化することにより、基礎代謝の向上、血流の改善等の効果が期待される。
本発明におけるエネルギー産生促進剤とは、生体内のエネルギー産生の向上又は改善等の有効成分を含有する製剤を意味する。生体内のエネルギーであるATPは、主に筋肉で合成されるため、その細胞の働きを高めることが重要である。
本発明に用いるクロバナツルアズキの抽出物を含有することを特徴とする育毛剤、筋肉活性化剤及びエネルギー産生促進剤を、抜け毛予防又は改善、筋肉増強の目的で用いるには、通常、全身的又は局所的に外用や内用により投与される。投与量は年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人1人当たり1回に1mg〜1g、好ましくは20mg〜200mgの範囲で1日1回から数回投与される。投与量は種々の条件で変動するので、上記投与範囲より少ない量で十分な場合もあるし、又、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
外用により投与する場合は、化粧品、医薬部外品及び医薬品のいずれにも用いることができ、その剤型としては、例えば、ヘアトニック、ヘアローション、シャンプー、リンス、ボディローション等の頭皮や身体に適用されるものが挙げられる。上記抽出物をそのまま使用しても良く、本発明の効果を損なわない範囲で外用剤に用いられる成分である、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、キレート剤等を配合することもできる。
内用により投与する場合は、食品、医薬部外品及び医薬品のいずれにも用いることができ、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等が挙げられる。上記抽出物をそのまま使用しても良く、本発明の効果を損なわない範囲で、賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、香料、保存料、溶解補助剤、溶剤等を用いることができる。具体的には、乳糖、ショ糖、ソルビット、マンニット、澱粉、沈降性炭酸カルシウム、重質酸化マグネシウム、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、セルロース又はその誘導体、アミロペクチン、ポリビニルアルコール、ゼラチン、界面活性剤、水、生理食塩水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、カカオ脂、ラウリン脂、ワセリン、パラフィン、高級アルコール等である。
本発明に用いる上記抽出物の配合量は、本発明の育毛剤、筋肉活性化剤及びエネルギー産生促進剤に対し、固形物に換算して0.0001重量%以上、好ましくは0.001〜50重量%の配合が良い。0.0001重量%未満では十分な効果は望みにくい。一方、50重量%を越えて配合した場合、効果の増強はみられにくく不経済である。又、添加の方法については、予め加えておいても製造途中で加えても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。
次に、本発明を詳細に説明するため、具体的な実施例を挙げて説明する。これらの実施例は効果を具体的に説明するもので、発明の範囲を限定するものではない。実施例中の配合量は重量%である。
本発明のクロバナツルアズキの抽出物は、製造例として下記の抽出を行うことができる。
製造例1 クロバナツルアズキ(地上部)の熱水抽出物
クロバナツルアズキの地上部5gに精製水50mLを加え、95〜100℃で1時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してクロバナツルアズキ(地上部)の熱水抽出物を1.31g得た。
製造例2 クロバナツルアズキ(地上部)の50%エタノール抽出物
クロバナツルアズキの地上部5gに50(v/v)%エタノール50mLを加え、常温で5日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、クロバナツルアズキ(地上部)の50%エタノール抽出物を1.09g得た。
製造例3 クロバナツルアズキ(地上部)のエタノール抽出物
クロバナツルアズキの地上部5gにエタノール50mLを加え、常温で5日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、クロバナツルアズキ(地上部)のエタノール抽出物を0.99g得た。
本発明のクロバナツルアズキの抽出物は、処方例として下記の製剤化を行うことができる。
処方例1 ヘアトニック
処方 配合量
1.エタノール 60.0重量%
2.クロバナツルアズキ抽出液BG(丸善製薬) 2.0
3.グリセリン 2.0
4.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2を成分1に溶解し、成分3及び成分4を加え、十分攪拌混合して製品とする。
比較処方例1 従来のヘアトニック
処方例1において、クロバナツルアズキ抽出液BG(丸善製薬)を精製水に置き換えたものを、従来のヘアトニックとした。
処方例2 ヘアローション
処方 配合量
1.クロバナツルアズキ(地上部)の50%エタノール抽出物 0.2重量%
2.ステアリン酸 5.0
3.セチルアルコール 5.0
4.流動パラフィン 2.0
5.グリセリンモノステアレート 1.3
6.ソルビタンモノオレエート 1.5
7.ポリオキシエチレン(10)ソルビタンモノオレエート 0.8
8.グリセリン 6.0
9.防腐剤 適量
10.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜7を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び8〜10を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加え、かき混ぜながら冷却して製品とする。
処方例3 シャンプー
処方 配合量
1.クロバナツルアズキ(地上部)の熱水抽出物 0.1重量%
2.アルキル硫酸トリエタノールアミン 18.0
3.ラウリン酸ジエタノールアミド 3.0
4.メチルセルロース 0.5
5.香料 適量
6.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分6に成分4を均一に溶解した後、成分1及び成分2を加える。70〜75℃で加熱溶解した後、成分3を加える。冷却途中に成分5を加え、30℃まで冷却して製品とする。
処方例4 リンス
処方 配合量
1.クロバナツルアズキ(地上部)の熱水抽出物 0.1重量%
2.ホホバ油 0.01
3.ベヘニルアルコール 3.0
4.1,3−ブチレングリコール 5.0
5.塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(75%) 8.0
6.クエン酸 0.05
7.香料 適量
8.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜8を60℃で溶解し、攪拌して30℃まで冷却して製品とする。
処方例5 まつ毛用化粧料
処方 配合量
1.クロバナツルアズキ(地上部)のエタノール抽出物 0.1重量%
2.カルボキシビニルポリマー 1.0
3.ヒドロキシエチルセルロース 0.5
4.1,3−ブチレングリコール 5.0
5.水酸化カリウム 0.5
6.95エタノール 5.0
7.エデト酸三ナトリウム 0.02
8.メチルパラベン 0.2
9.香料 適量
10.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜4及び6〜10を均一混合した後、成分5を添加して製品とする。
処方例6 ボディローション
処方 配合量
1.クロバナツルアズキ(地上部)のエタノール抽出物 0.5重量%
2.スクワラン 5.0
3.オリーブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノール 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 2.0
9.香料 適量
10.グリセリン 2.0
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.プロピレングリコール 1.0
13.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化し、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、30℃まで冷却して製品とする。
次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。
実験例1 ヒト皮膚線維芽細胞におけるIGF−1タンパクをコードする遺伝子発現の加齢変化
in vitro系における加齢モデルであるPDL(=population doubling level、細胞の分裂回数)の異なるヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB、PDL=29:若い、PDL=44:中程度及びPDL=65:老いた)から、RNAiso plus(TAKARA)を用いて総RNAの抽出を行った。総RNAを基に、リアルタイムRT−PCR法により、IGF−1mRNA発現量の測定を行った。同時に、内部標準として、β−アクチンmRNA発現量の測定を行った。尚、各遺伝子の発現量の測定に使用したプライマーは次の通りである。
IGF−1用のプライマーセット
AAGGAGGCTGGAGATGTATTGC(配列番号1)
CGGACAGAGCGAGCTGACTT(配列番号2)
β−アクチン用のプライマーセット
CACTCTTCCAGCCTTCCTTCC(配列番号3)
GTGTTGGCGTACAGGTCTTTG(配列番号4)
その結果を表1に示す。図示の通り、ヒト皮膚線維芽細胞におけるIGF−1mRNA発現量は、加齢にともなって減少した。
実験例2 ヒト皮膚線維芽細胞におけるIGF−1産生に及ぼすクロバナツルアズキ抽出物の影響
コンフルエントになったヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)にクロバナツルアズキ抽出液BG(丸善製薬)を加え、FBSを含まないDMEM培地にて24時間培養した後、RNAiso plus(TAKARA)を用いて総RNAの抽出を行った。尚、添加濃度は30、100及び300μg/mLにて行った。総RNAを基に、リアルタイムRT−PCR法により、IGF−1mRNA発現量の測定を行った。同時に、内部標準として、β−アクチンmRNA発現量の測定を行った。尚、各遺伝子の発現量の測定に使用したプライマーは実験例1の通りである。
その結果を表2に示す。図示の通り、クロバナツルアズキ抽出液BG(丸善製薬)にIGF−1mRNA発現量を増加させる効果が認められた。
実験例3 使用試験(育毛効果)
処方例1及び比較処方例1で得られる各ヘアトニックを用いて、使用試験を行った。男性型脱毛症患者である被験者20名の頭部に毎朝晩2回、連続6ヶ月間試料を塗布した後、毛髪の増加及び剛毛化を基準に育毛効果を評価した。
これらの試験結果を表3に示す。その結果、処方例1のヘアトニックは優れた育毛効果を示した。尚、試験期間中、皮膚トラブルは一人もなく、安全性においても問題なかった。又、クロバナツルアズキ抽出液BG(丸善製薬)以外の抽出物を使用した処方例においても、同様の効果が認められた。
実験例4 筋芽細胞におけるエネルギー産生に及ぼすクロバナツルアズキ抽出物の影響
筋肉由来細胞株であるC2C12を96wellプレートに5×10個/well播種し、10%FBSを含むDMEM培地にて37℃、5%CO条件下で培養した。72時間後、コンフルエントな状態になったところでクロバナツルアズキ抽出物BG(丸善製薬)1及び10μg/mLを添加したFBSを含まないDMEM培地にて更に24時間培養した。その後、MTT assayにより、ミトコンドリア内の脱水素酵素の活性を測定した。即ち、500μg/mLのMTT(3−[4,5−dimethylthiazol−2−yl]−2,5−diphenyl−tetrazolium bromide)(Sigma)を含むDMEM培地200μLにて2時間培養した後、培養上清を除去して生成されたフォルマザンの黒色結晶をイソプロパノール200μLに溶解し、1時間後に570nm及び630nmにおける吸光度を測定し、1wellあたりのフォルマザン生成量にて脱水素酵素の活性を評価した。
その結果を表4に示す。図示の通り、クロバナツルアズキ抽出物BG(丸善製薬)にエネルギー産生促進効果が認められた。
実験例5 クロバナツルアズキ抽出物による筋管形成の誘導効果
筋肉由来細胞株であるC2C12を、Cellmatrix I−C(新田ゼラチン)にてコラーゲンコートした12wellプレートに3×10個/well播種した。24時間培養した後、FBSを含まないDMEM培地に置換し、10μg/mLのクロバナツルアズキ抽出物BG(丸善製薬)を添加した。一日おきに培地交換を行い、10日程かけて筋管形成を誘導させた。細胞を固定した後、TRITC−phalloidinにてF−アクチンを染色し、蛍光顕微鏡にて観察した。
その結果を図1に示す。図示の通り、未添加であるnormalは単核で球状の細胞であるが、クロバナツルアズキ抽出物BG(丸善製薬)添加により、多核の細長い筋管の形成を誘導する効果が認められた。
本発明に関わる、クロバナツルアズキの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするIGF−1産生促進剤、育毛剤、筋肉活性化剤及びエネルギー産生促進剤は、各剤の目的に対して優れた改善効果を発揮する。従って、抜け毛予防又は改善、及び筋肉増強を目的とする化粧品、医薬品、医薬部外品及び食品を提供することができる。

Claims (3)

  1. クロバナツルアズキの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするインスリン様増殖因子1(IGF−1)産生促進剤。
  2. クロバナツルアズキの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする筋肉活性化剤。
  3. クロバナツルアズキの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする筋肉細胞におけるエネルギー産生促進剤。
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