JP6161116B2 - セメント添加剤 - Google Patents

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Description

本発明は、リグニンを含有するセメント添加剤に関する。より詳しくは、セメントや石膏などのセメント組成物やその他の水硬性材料に有用なセメント添加剤に関する。
リグニンは、木材等の植物系バイオマスの3大主成分のうちの一つ(3大主成分:セルロース、ヘミセルロース、リグニン)であり、天然の芳香族ポリマーとして地球上に最も豊富に存在している。リグニンの構造については、光合成(一次代謝)により同化された炭素化合物が更なる代謝(二次代謝)を受けることで合成されるフェニルプロパノイドのうち、p−クマリルアルコール・コニフェニルアルコール・シナピルアルコールという3種類の基本骨格であるリグニンモノマーが、ラッカーゼ・ペルオキシダーゼ等の酸化酵素により一電子酸化され、フェノキシラジカルとなり、これが不定形にラジカルカップリングすることにより、複雑な三次元網目構造をとっている。
リグニンは、木本植物を原料にして得られる木質系リグニン及び草本植物を原料にして得られる草本系リグニンに分類され、これらはリグニンを構成する基本骨格の種類、その比率や結合形態が異なることにより、構造が異なる。
また、リグニンは、原料を化学処理することにより単離されるが、植物体に存在する元の構造のままで単離することはできず、その単離方法の違いによっても、得られるリグニン構造は変化する。
上述のように、リグニンの分子構造は複雑であり、また、植物体から単離する際の単離方法によりリグニンの化学的特性が大きく変化することから、リグニンの工業材料としての利用は限られている。さらに、リグニンは、基本的には疎水性物質であり、難水溶性であることも、その利用が限られる1つの原因となっている。
リグニンの単離方法の一つとして、従来から、サルファイト蒸解法と呼ばれる化学パルプ化法が知られている。この方法では、蒸解液として亜硫酸と亜硫酸塩が用いられ、蒸解黒液中のリグニンはリグニンスルホン酸に変換される。このようなリグニンスルホン酸塩について、セメント添加剤として利用することが開示されており、水溶性単量体由来の構成単位を有する亜硫酸パルプ廃液変性物を含有する分散剤(例えば、特許文献1参照)、及びリグニンスルホン酸系化合物と水溶性単量体との反応物であるリグニン誘導体を含有する分散剤(例えば、特許文献2参照)が開示されている。
しかし、サルファイト蒸解法は、原料の植物種の制約を受ける点、蒸解液の薬剤回収性に劣る点等で問題があるため、現在はサルファイト蒸解法を行っている工場数自体が少なく、その結果、副産するリグニンスルホン酸の供給も充分とはいえない。
一方、クラフト蒸解法と呼ばれる方法では、蒸解液として水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムとが用いられ、これらの無機薬剤の大部分は回収され、繰り返し再生利用される。この方法により得られるクラフトリグニンはチオエーテル結合等を有する。クラフトリグニンについても分散剤としての利用が開示されており、クラフトリグニンおよび/またはその塩由来の構成単位と水溶性単量体由来の構成単位とを有するリグニン誘導体を含有することを特徴とする分散剤(例えば、特許文献3参照)が開示されている。
さらに、アルカリ蒸解法と呼ばれる方法では、蒸解液として水酸化ナトリウムのみが用いられる。この方法により得られるリグニンはアルカリリグニンと呼ばれ、リグニン構造中に硫黄を含有しない。このようなアルカリリグニンに関しても、分散剤としての利用が開示されており、リグニンと親水性化合物との反応により生成されるリグニン誘導体を主成分とするコンクリート用混和剤(例えば、特許文献4参照)及び草本植物を原料として単離されたアルカリリグニンを用いたモルタル添加剤(例えば、非特許文献1参照)が開示されている。
特開2011−240223号公報 特開2011−240224号公報 特表2008−514402号公報 特開2011−184230号公報
Bioresource Technology 84(2002) 49−55
上記のとおり、サルファイト蒸解法は、種々の制約により現在は行っている工場数自体が少なく、その結果、副産するリグニンスルホン酸の供給も充分とはいえない。リグニンを原料とする従来の分散剤及び混和剤のうち、リグニンスルホン酸以外のリグニンを用いたものは、いずれも親水性とするためにリグニンを誘導体化した後にセメント分散剤として使用しているため、より少ない工程でリグニンを原料としたセメント分散剤等のセメント添加剤を得ることができれば好ましい。また、草本系リグニンの場合には、取得したリグニンに水溶性の糖成分が多く混入する問題や、草本からのパルプ製造を行う工場数が少ない等の課題があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、木本植物を原料とし、リグニンスルホン酸を用いず、更に、従来のリグニンを原料とする添加剤よりも少ない工程で得ることができるセメント添加剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決する手段について種々検討したところ、木本植物を原料として用い、アルカリ蒸解によりリグニンを単離すると、得られるリグニンが親水性化合物と反応させて誘導体化しなくても、そのままでセメント添加剤として使用できることを見出した。更に本発明者は、誘導体化せずにセメント添加剤として使用できるリグニンについて更に検討し、硫黄元素の含有率が、リグニン100質量%に対して、0.1〜4質量%の範囲であり、かつ、pH=2.0の水溶液に不溶であるリグニンが、そのままでセメント添加剤として使用できることも見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
木材からパルプを得る過程で蒸解により除かれ、有効な利用方法が充分に見出されていないリグニンを誘導体化することなく、そのまま用いる本発明のセメント添加剤は、林業資源の有効かつ簡便な利用方法を提案するものであり、林業の活性化にも寄与する点で技術的意義の大きいものである。
すなわち本発明は、リグニンを含有するセメント添加剤であって、上記リグニンは、木本植物を原料として得られるアルカリリグニンを主成分とするセメント添加剤である。
本発明はまた、リグニンを含有するセメント添加剤であって、上記リグニンは、硫黄元素の含有率が、リグニン100質量%に対して、0.1〜4質量%の範囲であり、かつ、pH=2.0の水溶液に不溶であることを特徴とするセメント添加剤でもある。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明のセメント添加剤には、リグニンを含有するセメント添加剤であって、該リグニンは、木本植物を原料として得られるアルカリリグニンを主成分とするセメント添加剤(以下、本発明の第1のセメント添加剤とも記載する)と、リグニンを含有するセメント添加剤であって、該リグニンは、硫黄元素の含有率が、リグニン100質量%に対して、0.1〜4質量%の範囲であり、かつ、pH=2.0の水溶液に不溶であることを特徴とするセメント添加剤(以下、本発明の第2のセメント添加剤とも記載する)とがある。
本発明の第1のセメント添加剤、第2のセメント添加剤の両方に該当するセメント添加剤も当然に本発明のセメント添加剤に該当する。
以下においては、まず、本発明の第1のセメント添加剤について記載し、次に本発明の第2のセメント添加剤について記載する。以下において、「本発明のセメント添加剤」についての記載は、本発明の第1のセメント添加剤、第2のセメント添加剤の両方に該当する内容である。
[本発明の第1のセメント添加剤]
本発明の第1のセメント添加剤は、木本植物を原料として得られるアルカリリグニンを主成分とするリグニンを含有するものである。本発明の第1のセメント添加剤が含む木本植物を原料として得られるアルカリリグニンは、木本植物からアルカリ蒸解によって得られるリグニンそのもの(未変性のリグニン)を意味し、アルカリ蒸解によってリグニンを得た後に、他の化合物と反応させて得られるリグニン誘導体は、ここでいう「木本植物を原料として得られるアルカリリグニン」には含まれない。このアルカリリグニンは、pH=2.0の水溶液に不溶であり、従来、セメント添加剤として利用されてきたリグニン由来の構造単位と親水性又は水溶性の化合物由来の構造単位を有するリグニン誘導体とはこの点において明確に区別される。
本発明の第1のセメント添加剤が含むリグニンは、木本植物を原料として得られるアルカリリグニンを主成分とするものである。木本植物を原料として得られるアルカリリグニンを主成分とするものである限り、木本植物以外を原料として得られるアルカリリグニンや、クラフトリグニン、酢酸リグニン、オルガノソルブルリグニン、爆砕リグニン、硫酸リグニン等のその他のリグニン、及び、リグニンと他の化合物を反応させて得られるリグニン誘導体を1種又は2種以上含むものであってもよい。
ここで、木本植物を原料として得られるアルカリリグニンを主成分とするとは、リグニン100質量%のうち50質量%以上が木本植物を原料として得られるアルカリリグニンであることを意味するが、セメント添加剤が含むリグニン100質量%のうち、木本植物を原料として得られるアルカリリグニンが80質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、90質量%以上であることであり、特に好ましくは、100質量%、すなわち、セメント添加剤がリグニンとして木本植物を原料として得られるアルカリリグニンのみを含むことである。
上記アルカリリグニンの原料となる木本植物は、リグニンを抽出可能な木材のうち、木質系に分類される植物であり、スギ、モミ、ヒノキ、マツ等の針葉樹やユーカリ、アカシア、シラカバ、ブナ、ナラ等の広葉樹が該当する。このように、上記木本植物は針葉樹又は広葉樹であることが分散性能の点で好ましい。上記アルカリリグニンは、針葉樹を原料として得られるものであってもよく、広葉樹を原料として得られるものであってもよく、また、これらを混合したものであってもよい。好ましくは、針葉樹を原料として得られるものである。
上記アルカリリグニンは、アルカリ蒸解によって得られるものである限り、アルカリ蒸解は、通常行われる方法により行うことができ、アルカリ蒸解の条件は特に制限されないが、アルカリ金属水酸化物を使用して木本植物を蒸解させる方法が好ましい。このような方法により木本植物を蒸解させることで、効率よくリグニンを取り出すことができる。
上記アルカリ金属水酸化物としては、いずれのアルカリ金属の水酸化物であっても使用できるが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのいずれかが好ましい。より好ましくは、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)である。
苛性ソーダによりパルプ化する手法は、ソーダ蒸解法といわれ、木材を高温の苛性ソーダで蒸解した後、洗浄、漂白してパルプを得る。蒸解液としては苛性ソーダのみを用いるシンプルな手法であり、リグニンは苛性ソーダの作用を受けてフェニルエーテルの開裂により低分子化して溶出される。ソーダ蒸解から得られるリグニンは、蒸解液に由来する硫黄成分が含まれない点、硫黄由来の臭気の問題がない点で優れている。一方、硫化ソーダと苛性ソーダを用いるクラフト蒸解は、脱リグニン性が高い利点から汎用されているが、リグニン利用においては、リグニンの分子中へ取り込まれる硫黄原子の問題や、硫黄から発する臭気が問題となる。
上記アルカリ金属水酸化物は、蒸解において通常使用される割合で用いることができる。
上記蒸解方法は、アルカリ金属水酸化物と、更に蒸解助剤とを使用する方法であることが好ましい。
蒸解助剤は、脱リグニンを促進させ、炭水化物の溶出を防ぐために蒸解液に添加される薬剤であり、アントラキノン、ジヒドロアントラキノン、テトラヒドロアントラキノン、メチルアントラキノン、メチルジヒドロアントラキノン、メチルテトラヒドロアントラキノン、ベンゾキノン、ナフトキノン、フェナントロキノン等のキノン化合物;アントラヒドロキノン、メチルアントラヒドロキノン、ジヒドロアントラヒドロアントラキノン又はそのアルカリ金属塩等のヒドロキノン化合物;アントロン、アントラノール、メチルアントロン、メチルアントラノール等の前駆体、ポリサルファイドの1種又は2種以上を用いることができる。
中でも、アントラキノンは、脱リグニンの促進と炭水化物の安定化に寄与する優れた蒸解助剤であり、チップに対して約0.1%程度用いられる。アントラキノンは、木材中のセルロースやヘミセルロースの末端のアルデヒド基を酸化して安定化させ、自らはアントラヒドロキノンとなる。次にアントラヒドロキノンは還元剤として働いて、チップ中のリグニンを低分子化する一方、自らはアントラキノンに戻る。そのため、同一カッパー価(パルプ中のリグニン量の指標)のパルプを得るために必要なアルカリの量も削減できる利点がある。
このようにアントラキノンは優れた蒸解助剤として汎用されている。
ポリサルファイドは、白液(水酸化ナトリウムおよび硫化ナトリウム)に硫黄を添加することにより生成し、炭水化物の溶出を防ぎ、パルプ収率を向上させるが、薬品回収系に硫黄分が増加し、硫化度が上昇するなどの問題がある。
上記蒸解助剤は、原料木材の絶乾質量に対して0.001〜1.0質量%の割合で用いることが好ましい。
上記アルカリリグニンは、pHが8.5以下の条件下で精製して得られるものであることが好ましい。このような条件で精製することで、得られるアルカリリグニンがセメント添加剤としての機能を発揮するための好適な分子量を有するものとなる。原料木材からのアルカリリグニンの回収率を高くする点から、より好ましくは、pHが6.5以下の条件下で精製して得られるものであり、更に好ましくは、pHが2.0以下の条件下で精製して得られるものである。また、精製は、pHが0.1以上の条件下で行われることが好ましい。
アルカリリグニン精製時のpHは、pH計により測定することができる。
蒸解液の精製は、蒸解により得られた液に酸を添加する等して所定のpHの溶液とし、リグニンを沈殿させる方法等の精製に用いられる通常の方法で行うことができる。
上記アルカリリグニンは、重量平均分子量が1000〜30000であることが好ましい。アルカリリグニンがこのような重量平均分子量を有すると、セメント添加剤としての機能をより充分に発揮することができる。アルカリリグニンの重量平均分子量は、より好ましくは、1000〜15000であり、更に好ましくは、1000〜7000である。アルカリリグニンの重量平均分子量は、GPCを用い、後述する実施例に記載の条件により測定することができる。
[本発明の第2のセメント添加剤]
本発明の第2のセメント添加剤は、リグニンを含有するセメント添加剤であって、該リグニンは、硫黄元素の含有率が、リグニン100質量%に対して、0.1〜4質量%の範囲であり、かつ、pH=2.0の水溶液に不溶であるセメント添加剤である。
本発明の第2のセメント添加剤が含有するリグニンもまた、植物から抽出して得られるリグニンそのもの(未変性のリグニン)を意味し、植物から抽出してリグニンを得た後に、他の化合物と反応させるための工程を経て得られるリグニン誘導体を意味するものではない。硫黄元素の含有率がこのような範囲にあり、かつ、pH=2.0の水溶液に不溶であるリグニンはセメント添加剤として好適に用いることができる。
本発明の第2のセメント添加剤が含むリグニンは、リグニン全体として硫黄元素の含有率が、リグニン100質量%に対して、0.1〜4質量%の範囲であり、かつ、pH=2.0の水溶液に不溶であれば、リグニンを1種含むものであってもよく、2種以上含むものであってもよい。
ここで、pH=2.0の水溶液に不溶とは、pH=2.0の酸の水溶液に対して全く溶解しないか、又は、溶解したとしても溶解量が微量であることを意味する。具体的には、pH=2.0の水溶液100mlに対する溶解量が100mg以下であることを意味する。
本発明の第2のセメント添加剤は、硫黄元素の含有率が、リグニン100質量%に対して、0.1〜4質量%の範囲であり、かつ、pH=2.0の水溶液に不溶であるリグニンを含むものであれば、リグニンと他の化合物とを反応させて得られるリグニン誘導体を含むものであってもよいが、リグニン誘導体の含有量は、第2のセメント添加剤が含むリグニンとリグニン誘導体との合計100質量%に対して、20質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、10質量%以下であり、特に好ましくは、リグニン誘導体を含まないことである。
上記硫黄元素の含有率が、リグニン100質量%に対して、0.1〜4質量%の範囲であり、かつ、pH=2.0の水溶液に不溶であるリグニンの原料となる木材の種類は特に制限されず、木質系のもの、草本系のもののいずれも用いることができる。木質系のものとしては、上述した針葉樹や広葉樹を用いることができる。草本系のものとしては、稲藁、穀物、バガス、竹、ケナフ、葦等を用いることができる。これらの中でも、木質系のものが分散性能の点で好ましく、針葉樹や広葉樹のものがさらに好ましく、特に、針葉樹のものが好ましい。
本発明の第2のセメント添加剤が含む上記リグニンは、硫黄元素の含有率が、リグニン100質量%に対して、0.1〜4質量%の範囲であり、かつ、pH=2.0の水溶液に不溶であれば特に制限されず、アルカリリグニン、クラフトリグニン、酢酸リグニン、オルガノソルブルリグニン、爆砕リグニン等のいずれのものであってもよい。これらの中でも、アルカリリグニン、酢酸リグニン、オルガノソルブルリグニン、爆砕リグニンは、蒸解に硫黄含有化合物を用いないことから、硫黄臭の発生がない点で有利である。
本発明の第2のセメント添加剤が含むリグニンは、硫黄元素の含有率が、リグニン100質量%に対して、0.1〜4質量%の範囲であるが、硫黄元素の含有率は、0.1〜3質量%の範囲であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜2質量%の範囲であり、更に好ましくは、0.1〜1質量%の範囲である。
リグニン中の硫黄元素の含有率は、後述する実施例に記載の測定機器、測定条件で元素分析によって測定することができる。
本発明の第2のセメント添加剤が含むリグニンは、重量平均分子量が1000〜30000であることが好ましい。リグニンがこのような重量平均分子量を有すると、セメント添加剤としての機能をより充分に発揮することができる。リグニンの重量平均分子量は、より好ましくは、1000〜15000であり、更に好ましくは、1000〜7000である。リグニンの重量平均分子量は、上述したアルカリリグニンの重量平均分子量と同様の方法により測定することができる。
[本発明のセメント添加剤]
以下においては、本発明の第1のセメント添加剤、第2のセメント添加剤の両方に該当する内容について記載する。
本発明のセメント添加剤はまた、他のセメント添加剤と組み合わせて用いることもでき、オキシカルボン酸系化合物を併用することができる。オキシカルボン酸系化合物を併用することにより、高温の環境下においても、より高い分散保持性能を発揮することができる。オキシカルボン酸系化合物としては、炭素原子数4〜10のオキシカルボン酸またはその塩が好ましく、具体的には、例えば、グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸、クエン酸や、これらのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミンなどの無機塩または有機塩などが挙げられる。これらのオキシカルボン酸系化合物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらのオキシカルボン酸系化合物のうち、グルコン酸またはその塩が特に好適である。特に、貧配合コンクリートの場合には、分子中にスルホン酸基を有するスルホン酸系分散剤としてリグニンスルホン酸塩系の分散剤を使用し、オキシカルボン酸系化合物としてグルコン酸もしくはその塩を使用することが好ましい。
本発明のセメント添加剤はまた、その他のセメント添加剤として、以下のものを併用することができる。
リグニンスルホン酸塩;ポリオール誘導体;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物;ポリスチレンスルホン酸塩;特開平1−113419号公報に記載のような、アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物などのアミノスルホン酸系;特開平7−267705号公報に記載のような、(a)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系化合物と(メタ)アクリル酸系化合物との共重合体および/またはその塩と、(b)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と無水マレイン酸との共重合体および/またはその加水分解物、ならびに/あるいは、その塩と、(c)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物とポリアルキレングリコール系化合物のマレイン酸エステルとの共重合体および/またはその塩とを含むセメント分散剤;特許第2508113号明細書に記載のような、A成分として、(メタ)アクリル酸のポリアルキレングリコールエステルと(メタ)アクリル酸(塩)との共重合体、B成分として、特定のポリエチレングリコールポリプロピレングリコール系化合物、C成分として、特定の界面活性剤からなるコンクリート混和剤;特開昭62−216950号公報に記載のような、(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステルもしくはポリエチレン(プロピレン)グリコールモノ(メタ)アリルエーテル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、ならびに、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体;特開平1−226757号公報に記載のような、(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、および、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体;特公平5−36377号公報に記載のような、(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)もしくはp−(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸(塩)、ならびに、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体;特開平4−149056号公報に記載のような、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテルとマレイン酸(塩)との共重合体;特開平5−170501号公報に記載のような、(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、(メタ)アクリル酸(塩)、アルカンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、および、分子中にアミド基を有するα,β−不飽和単量体からなる共重合体;特開平6−191918号公報に記載のような、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸(塩)、ならびに、(メタ)アリルスルホン酸(塩)もしくはp−(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸(塩)からなる共重合体;特開平5−43288号公報に記載のような、アルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、もしくは、その加水分解物、または、その塩;特公昭58−38380号公報に記載のような、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、マレイン酸、および、これらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体、もしくは、その塩、または、そのエステル;特公昭59−18338号公報に記載のような、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、および、これらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体;特開昭62−119147号公報に記載のような、スルホン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルおよび必要によりこれと共重合可能な単量体からなる共重合体、または、その塩;特開平6−271347号公報に記載のようなアルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体と、末端にアルケニル基を有するポリオキシアルキレン誘導体とのエステル化反応物;特開平6−298555号公報に記載のような、アルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体と、末端にヒドロキシ基を有するポリオキシアルキレン誘導体とのエステル化反応物;特開昭62−68806号公報に記載のような、3−メチル−3−ブテン−1−オールなどの特定の不飽和アルコールにエチレンオキシドなどを付加したアルケニルエーテル系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、および、これらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体、または、その塩などのポリカルボン酸(塩)。これらの従来公知のセメント分散剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明のセメント添加剤と組み合わせて用いることができる他のセメント添加剤としては、更に以下のものが挙げられる。
(1)水溶性高分子物質:ポリアクリル酸(ナトリウム)、ポリメタクリル酸(ナトリウム)、ポリマレイン酸(ナトリウム)、アクリル酸・マレイン酸共重合物のナトリウム塩等の不飽和カルボン酸重合物;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオキシエチレンあるいはポリオキシプロピレンの重合体又はそれらの共重合体;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の非イオン性セルロースエーテル類;酵母グルカンやキサンタンガム、β−1,3グルカン類(直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、一例を挙げれば、カードラン、パラミロン、パキマン、スクレログルカン、ラミナラン等)等の微生物醗酵によって製造される多糖類;ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール;デンプン;デンプンリン酸エステル;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン;分子内にアミノ基を有するアクリル酸の共重合体及びその四級化合物等。
(2)高分子エマルジョン:(メタ)アクリル酸アルキル等の各種ビニル単量体の共重合物等。
(3)遅延剤:グルコン酸、リンゴ酸又はクエン酸、及び、これらの、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン等の無機塩又は有機塩等のオキシカルボン酸並びにその塩;グルコース、フラクトース、ガラクトース、サッカロース;ソルビトール等の糖アルコール;珪弗化マグネシウム;リン酸並びにその塩又はホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及びその誘導体等。
(4)早強剤・促進剤:塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物;チオ硫酸塩;ギ酸、ギ酸カルシウム等のギ酸塩類;アルカノールアミン;アルミナセメント;カルシウムアルミネートシリケート等。
(5)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。
(6)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(7)脂肪酸系消泡剤:オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(8)脂肪酸エステル系消泡剤:グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等。
(9)オキシアルキレン系消泡剤:(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−2−エチルヘキシルエーテル、炭素数12〜14の高級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等。
(10)アルコール系消泡剤:オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類等。
(11)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。
(12)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等。
(13)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等。
(14)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。
(15)AE剤:樹脂石鹸、飽和又は不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等。
(16)その他界面活性剤:オクタデシルアルコールやステアリルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂肪族1価アルコール、アビエチルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂環式1価アルコール、ドデシルメルカプタン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する1価メルカプタン、ノニルフェノール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアルキルフェノール、ドデシルアミン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアミン、ラウリン酸やステアリン酸等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するカルボン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを10モル以上付加させたポリアルキレンオキシド誘導体類;アルキル基又はアルコキシル基を置換基として有しても良い、スルホン基を有する2個のフェニル基がエーテル結合した、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩類;各種アニオン性界面活性剤;アルキルアミンアセテート、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の各種カチオン性界面活性剤;各種ノニオン性界面活性剤;各種両性界面活性剤等。
(17)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、ワックス等。
(18)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(19)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル類;2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルカンジオール類等。
(20)膨張材:エトリンガイト系、石炭系等。
その他のセメント添加剤(材)として、例えば、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石膏等が挙げられる。
本発明のセメント添加剤と他のセメント添加剤と組み合わせて用いる場合の配合割合は、本発明のセメント添加剤の必須成分であるリグニン(本発明の第1のセメント添加剤の場合、木本植物を原料として得られるアルカリリグニンを意味し、第2のセメント添加剤の場合、硫黄元素の含有率が、リグニン100質量%に対して、0.1〜4質量%の範囲であり、かつ、難水溶性であるリグニンを意味する。)の固形分と他のセメント添加剤の固形分との質量割合が1〜99/99〜1であることが好ましい。より好ましくは、5〜95/95〜5であり、更に好ましくは、10〜90/90〜10であり、特に好ましくは、20〜80/80〜20である。
また、本発明のセメント添加剤と他のセメント添加剤とオキシカルボン酸系化合物とを用いる場合、本発明のセメント添加剤の必須成分であるリグニンと他のセメント添加剤とオキシカルボン酸系化合物との質量割合は、1〜98/1〜98/1〜98であることが好ましい。より好ましくは、5〜90/5〜90/5〜90であり、更に好ましくは、10〜90/5〜85/5〜85であり、特に好ましくは、20〜80/10〜70/10〜70である。
上述した種々の他のセメント添加剤の中でも、本発明のセメント添加剤と併用するセメント添加剤としては、オキシアルキレン系消泡剤、促進剤、分離低減剤、AE剤が好ましく、AE剤を用いる場合、本発明のセメント添加剤とオキシアルキレン系消泡剤とAE剤との3成分を併用することが好ましい。
本発明のセメント添加剤と併用するオキシアルキレン系消泡剤としては、上記のものの中でも、(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類が好ましい。
本発明のセメント添加剤とオキシアルキレン系消泡剤とを併用する場合、オキシアルキレン系消泡剤の配合割合は、本発明のセメント添加剤の必須成分であるリグニン(本発明の第1のセメント添加剤の場合、木本植物を原料として得られるアルカリリグニンを意味し、第2のセメント添加剤の場合、硫黄元素の含有率が、リグニン100質量%に対して、0.1〜4質量%の範囲であり、かつ、pH=2.0の水溶液に不溶であるリグニンを意味する。)の固形分の質量に対して0.01〜20質量%であることが好ましい。
また、本発明のセメント添加剤とオキシアルキレン系消泡剤とAE剤との3成分を併用する場合、オキシアルキレン系消泡剤の割合は、上記と同様であり、AE剤の割合は、本発明のセメント添加剤の必須成分であるリグニンの固形分の質量に対して0.001〜2質量%であることが好ましい。
本発明のセメント添加剤と促進剤とを併用する場合、本発明のセメント添加剤の必須成分であるリグニンと促進剤との質量割合は、10/90〜99.9/0.1であることが好ましい。より好ましくは、20/80〜99/1である。
本発明のセメント添加剤と分離低減剤とを併用する場合、分離低減剤としては、非イオン性セルロースエーテル類等の各種増粘剤、部分構造として炭素原子数4〜30の炭化水素鎖からなる疎水性置換基と炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを平均付加モル数で2〜300付加したポリオキシアルキレン鎖とを有する化合物等の1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のセメント添加剤と分離低減剤とを併用する場合、本発明のセメント添加剤の必須成分であるリグニンと分離低減剤との質量割合は、10/90〜99.99/0.01であることが好ましい。より好ましくは50/50〜99.9/0.1である。本発明のセメント添加剤と分離低減剤とを含むセメント組成物は、高流動コンクリート、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材として好適に用いることができる。
本発明のセメント添加剤は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物に加えて用いることができ、このような本発明のセメント添加剤を含んでなるセメント組成物もまた、本発明の1つである。
上記セメント組成物としては、セメント、水、細骨材、粗骨材等を含むものが好適であり、セメントとしては、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩、及びそれぞれの低アルカリ形);各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント);白色ポルトランドセメント;アルミナセメント;超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント);グラウト用セメント;油井セメント;低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント);超高強度セメント;セメント系固化材;エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)等の他、これらに高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添加したもの等が挙げられる。
上記骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材等以外に、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材等が挙げられる。
上記セメント組成物の1mあたりの単位水量、セメント使用量及び水/セメント比(質量比)としては、例えば、単位水量100〜185kg/m、使用セメント量200〜800kg/m、水/セメント比(質量比)=0.1〜0.7とすることが好適であり、より好ましくは、単位水量120〜175kg/m、使用セメント量250〜800kg/m、水/セメント比(質量比)=0.2〜0.65とすることである。このように、本発明のセメント添加剤は、貧配合から富配合に至るまでの幅広い範囲で使用可能であり、高減水率領域、すなわち、水/セメント比(質量比)=0.15〜0.5(好ましくは0.15〜0.4)といった水/セメント比の低い領域でも使用可能であり、更に、単位セメント量が多く水/セメント比が小さい高強度コンクリート、単位セメント量が300kg/m以下の貧配合コンクリートのいずれにも有効である。
本発明のセメント添加剤は、高減水率領域においても流動性、保持性及び作業性をバランスよく高性能で発揮でき、優れた作業性を有することから、レディーミクストコンクリート、コンクリート2次製品(プレキャストコンクリート)用のコンクリート、遠心成形用コンクリート、振動締め固め用コンクリート、蒸気養生コンクリート、吹付けコンクリート等にも有効に使用することが可能であり、更に、中流動コンクリート(スランプ値が22〜25cmの範囲のコンクリート)、高流動コンクリート(スランプ値が25cm以上で、スランプフロー値が50〜70cmの範囲のコンクリート)、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材等の高い流動性を要求されるモルタルやコンクリートにも有効である。
本発明のセメント添加剤をセメント組成物に使用する場合、その配合割合としては、本発明のセメント添加剤の必須成分であるリグニンが、固形分換算で、セメント質量の全量100質量%に対して、0.01〜10質量%となるように設定することが好ましい。0.01質量%未満では性能的に充分とはならないおそれがあり、逆に10質量%を超えると、その効果は実質上頭打ちとなり経済性の面からも不利となるおそれがある。より好ましくは0.02〜8質量%であり、更に好ましくは0.05〜6質量%である。
本発明のセメント添加剤は、上述の構成よりなり、植物から抽出される特定のリグニンを誘導体化することなく含み、セメント組成物を流動性に優れるものとすることができるセメント添加剤である。
製造例1〜3の蒸解液の精製時のpHとリグニンの回収率との関係を示した図である。 実施例1−1〜3−3、比較例1−1〜2のリグニン(セメント添加剤)添加量と0打フロー値との関係を示した図である。 実施例4−1〜5−2、比較例3−1〜5のリグニン(セメント添加剤)添加量と15打フロー値との関係を示した図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<重量平均分子量、数平均分子量>
リグニンの重量平均分子量、数平均分子量は、以下の測定方法により測定した。
使用カラム:Shodex KD−802,KD−806M
カラム温度:40℃
溶媒:0.1mM LiBr in DMF
流速:1ml/min
試料導入量:20μl
検出器:UV
較正曲線:標準物質としてPEG/PEOを使用
解析ソフト:島津 LCsolution(島津製作所社製)
重合体(水溶液)を上記溶離液で重合体濃度が0.5質量%となるように溶解させたものをサンプルとした。
<硫黄元素含有率>
リグニンの硫黄元素含有率は、以下の測定方法により測定した。
測定機器:vario EL cube(エレメンタール社製、CHNSO全自動元素分析計)
測定条件:
測定モード CHNS
燃焼管設定温度1150℃、還元管設定温度850℃
燃焼管充填剤:酸化タングステン
還元管充填剤:還元銅
測定ガスフローメーター:MFC−TCD 約230ml/min
ヘリウムガスフローメーター:Fiow He 230ml/min
試料量:約2mg、スズボート包み込み
検出器:TCD
<蒸解条件>
以下の条件により蒸解を行い、リグニンを含む黒液を得た。
木材:スギ(Cryptomeria japonica)材
蒸解温度:170℃、蒸解時間:2h
活性アルカリ(水酸化ナトリウム)添加率(活性アルカリ(酸化ナトリウム)換算):19.5%(木材に対する割合)
AQ(アントラキノン)添加率:0.1%(木材に対する割合)
液比:5L/kg
パルプ収率:44%
パルプ中の残留リグニン含有率:2.8%
製造例1
上記蒸解により得られた強アルカリ性水溶液である黒液に対して、約30%の硫酸水溶液を添加し、撹拌しながらpHを2.0に調製し、沈殿を生じせしめた。遠心分離により
沈殿物を回収し、蒸留水を用いて洗浄した。沈殿は、濾過、もしくは遠心分離で回収し、風乾後、減圧乾燥した。乾燥物を乳鉢で軽く粉砕し、実施例1の精製リグニン粉末(森林総研製単離リグニン)を得た。
製造例2、3
蒸解液の精製時のpHを4.5、8.5に変更した以外は製造例1と同様にして実施例2、3の精製リグニン粉末(森林総研製単離リグニン)を得た。製造例1〜3で得られたリグニンの回収率を表1に示す。また、表1の結果をグラフ化したものを図1に示す。
なお、リグニンの回収率は以下のようにして算出した。
<リグニン回収率>
蒸解により得られた強アルカリ性水溶液である黒液中のリグニン量A、及び、黒液を約30%の硫酸水溶液により精製して得られた精製リグニンのリグニン量Bを、それぞれ以下の定量方法によって定量し、
回収率(%)=(精製リグニンのリグニン量B)/(黒液中のリグニン量A)×100
により算出した。
<リグニン定量方法>
リグニン試料を1,4−ジオキサン:0.2N NaOH(1:1 v/v)に溶解し、酢酸を用いてpH5に調整し、280nmにおけるUV吸収を測定した。吸光係数は30.3L/g・cmを用いた。
Figure 0006161116
実施例1−1〜3−3、比較例1−1〜2
製造例1〜3で得られた単離リグニンを用い、以下のようにしてモルタルを調製し、初期の空気量及び0打フロー値を測定した(実施例1−1〜3−3)。また、比較のため、リグニンスルホン酸(BASFポゾリス社製、ポゾリスNo.8)を用いた例(比較例1−1〜1−3)、及び、プレーン(水のみ。添加剤なし。)(比較例2)についても、初期の空気量及び0打フロー値を測定した。結果を表2に示す。また、表2の結果をグラフ化したものを図2に示す。
なお、モルタル試験ではプレーン(比較例2)を除き、消泡剤としてMA−404(BASFポゾリス社製)を有姿で40質量%対各成分固形分となる量を、各成分に添加した。
<モルタル調製1>
モルタル試験は、温度が20℃±1℃、相対湿度が60%±10%の環境下で行った。
モルタル配合は、C/S/W=500/1350/250(g)とした。
ただし、
C:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
S:セメント強さ試験用標準砂(セメント協会製)
W:単離リグニン(実施例1〜3)、ポゾリスNo.8(リグニンスルホン酸)(比較例1)のいずれかと消泡剤のイオン交換水溶液
として、表2に示した添加量の各成分を量り採り、消泡剤MA−404を有姿で各成分の固形分に対して40質量%加え、更にイオン交換水を加えて所定量とし、充分に均一溶解させた。表2において、各成分の添加量は、セメント質量に対する各成分の固形分の質量%で表されている。
ホバート型モルタルミキサー(型番N−50;ホバート社製)にステンレス製ビーター(撹拌羽根)を取り付け、C、Wを投入し、1速で30秒間混練した。更に1速で混練しながら、Sを30秒かけて投入した。S投入終了後、2速で30秒間混練した後、ミキサーを停止し、15秒間モルタルの掻き落としを行い、その後、75秒間静置した。75秒間静置後、更に60秒間2速で混練を行い、モルタルを調製した。
<0打フロー値測定>
モルタルを混練容器からポリエチレン製1L容器に移し、スパチュラで20回撹拌した後、直ちにフロー測定板(30cm×30cm)に置かれたミニスランプコーン(JISマイクロコンクリートスランプコーン、A−1173に記載) (上端内径50mm、下端内径100mm、高さ150mm)フローコーン(JIS R5201−1997に記載)に半量詰めて15回つき棒で突き、更にモルタルをフローコーンのすりきりいっぱいまで詰めて15回つき棒で突き、最後に不足分を補い、ミニスランプコーンの表面をならした。その後、直ちにフローコーンを垂直に引き上げ、広がったモルタルの直径(最も長い部分の直径(長径)及び前記長径に対して90度をなす部分の直径)を2箇所測定し、その平均値を0打フロー値とした。
なお、0打フロー値は、数値が大きいほど、分散性能が優れている。
Figure 0006161116
実施例4−1〜5−2、比較例3−1〜5
試薬リグニン、及び、上記<リグニンの抽出>に記載した方法により調製した黒液(未精製)を用い、以下のようにしてモルタルを調製し、初期の空気量及び15打フロー値を測定した(実施例4−1〜5−2)。また、比較のため、リグニンスルホン酸(日本製紙社製、サンエキスP321)、リグニンスルホン酸(BASFポゾリス社製、ポゾリスNo.8)を用いた例(比較例3−1〜4−2)、及び、プレーン(水のみ。添加剤なし。)(比較例5)についても、初期の空気量及び15打フロー値を測定した。結果を表3に示す。また、表3の結果をグラフ化したものを図3に示す。
なお、モルタル試験ではプレーン(比較例5)を除き、消泡剤としてMA−404(BASFポゾリス社製)を有姿で10質量%対各成分固形分となる量を、各成分に添加した。
<モルタル調製2>
モルタル試験は、温度が20℃±1℃、相対湿度が60%±10%の環境下で行った。
モルタル配合は、C/S/W=450/1350/225(g)とした。
ただし、
C:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
S:セメント強さ試験用標準砂(セメント協会製)
W:試薬リグニン(実施例4)、黒液(実施例5)、サンエキスP321(リグニンスルホン酸)、ポゾリスNo.8(リグニンスルホン酸)のいずれかと消泡剤のイオン交換水溶液
として、表3に示した添加量の各成分を量り採り、消泡剤MA−404を有姿で各成分の固形分に対して10質量%加え、更にイオン交換水を加えて所定量とし、充分に均一溶解させた。表3において、各成分の添加量は、セメント質量に対する各成分の固形分の質量%で表されている。
ホバート型モルタルミキサー(型番N−50;ホバート社製)にステンレス製ビーター(撹拌羽根)を取り付け、C、Wを投入し、1速で30秒間混練した。更に1速で混練しながら、Sを30秒かけて投入した。S投入終了後、2速で30秒間混練した後、ミキサーを停止し、15秒間モルタルの掻き落としを行い、その後、75秒間静置した。75秒間静置後、更に60秒間2速で混練を行い、モルタルを調製した。
<モルタル空気量(初期空気量)測定>
モルタルを500mLのガラス製メスシリンダーに約200mL詰め、径8mmの丸棒で突き、手で軽く振動させて粗い気泡を抜いた。更にモルタルを約200mL加えて同様に気泡を抜いた後、モルタルの体積と質量を測り、各材料の密度から空気量を計算した。
<15打フロー値測定>
モルタルを混練容器からポリエチレン製1L容器に移し、スパチュラで20回撹拌した後、直ちにフローテーブル(JIS R5201−1997に記載)に置かれたフローコーン(JIS R5201−1997に記載)に半量詰めて15回つき棒で突き、更にモルタルをフローコーンのすりきりいっぱいまで詰めて15回つき棒で突き、最後に不足分を補い、フローコーンの表面をならした。その後、直ちにフローコーンを垂直に引き上げ、広がったモルタルの直径(最も長い部分の直径(長径)及び前記長径に対して90度をなす部分の直径)を2箇所測定し、その平均値を0打フロー値とした。0打フロー値を測定後、直ちに15秒間に15回の落下運動を与え、広がったモルタルの直径(最も長い部分の直径(長径)及び前記長径に対して90度をなす部分の直径)を2箇所測定し、その平均値を15打フロー値とした。
なお、15打フロー値は、数値が大きいほど、分散性能が優れている。
Figure 0006161116
実施例1〜3で用いた森林総研製単離リグニン、及び、実施例4、5で用いたアルカリリグニン1、2の重量平均分子量、及び、分子量分布を表4に示す。
Figure 0006161116
実施例、比較例の結果から、本発明のセメント添加剤は、未変性リグニンであるリグニンスルホン酸やその塩を用いたセメント添加剤に比べて、より少量の使用で高いセメント分散効果を発揮することが確認された。

Claims (8)

  1. リグニンを含有するセメント添加剤であって、
    該リグニンは、木本植物を原料として得られるアルカリリグニンを主成分とすることを特徴とするセメント添加剤。
  2. 前記アルカリリグニンは、重量平均分子量が1000〜30000であることを特徴とする請求項1に記載のセメント添加剤。
  3. 前記木本植物は、針葉樹又は広葉樹であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセメント添加剤。
  4. リグニンを含有するセメント添加剤であって、
    該リグニンは、硫黄元素の含有率が、リグニン100質量%に対して、0.1〜質量%の範囲であり、かつ、pH=2.0の水溶液に不溶であることを特徴とするセメント添加剤。
  5. 前記リグニンは、重量平均分子量が1000〜30000であることを特徴とする請求項に記載のセメント添加剤。
  6. リグニンを含有するセメント添加剤を製造する方法であって、該製造方法は、アルカリ金属水酸化物を使用して木本植物を蒸解させてアルカリリグニンを得る工程を含むことを特徴とするセメント添加剤の製造方法。
  7. 前記蒸解方法は、アルカリ金属水酸化物と、更に蒸解助剤とを使用することを特徴とする請求項に記載のセメント添加剤の製造方法
  8. 前記アルカリリグニンは、pHが8.5以下の条件下で精製して得られることを特徴とする請求項6又は7に記載のセメント添加剤の製造方法
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