JP6161093B1 - オルソケラトロジーレンズの決定方法及び決定システム - Google Patents

オルソケラトロジーレンズの決定方法及び決定システム Download PDF

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Abstract

【課題】角膜へのオルソケラトロジーレンズ装着を多数回繰り返したりすることなく迅速に、最適なレンズを決定する方法及びシステムを提供する。【解決手段】システム10は、選定装置20、データベースサーバ30、レンズ決定サーバ50、端末装置70を有してなり、選定装置は、レンズ移動データの取得装置22と判定装置28とを含む。登録レンズ矯正Dデータと角膜の登録角膜Dデータを含む登録患者データと登録ステージデータとからデータベースを構築する。端末装置70は、患者データ取得装置71、患者ステージデータ受付手段を含み、且つ、患者データ、患者ステージデータをレンズ決定サーバ50へ送信可能とされ、レンズ決定サーバ50は、受信した患者データ、患者ステージデータと同一又はこれに近い登録データを有する登録レンズをデータベースから検出し、患者に用いるオルソケラトロジーレンズとして決定するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、特殊なカーブデザインが施されたコンタクトレンズを装用することで、角膜形状を変形して矯正し、近視、遠老視などの眼科的屈折異常を治療する角膜矯正療法に用いるコンタクトレンズであるオルソケラトロジーレンズの決定方法及び決定システムに関する。
上記角膜矯正療法のうち、例えば特許文献1に示される、従来からの、近視や乱視を矯正する療法は、オルソケラトロジーと称されている。
また、特許文献2には、本発明者による発明に係る近視及び/又は乱視矯正用コンタクトレンズであるオルソケラトロジーレンズ(以下近視及び/又は乱視矯正用と遠老視矯正用を含めて、オルソケラトロジーレンズと称する)が開示されている。
上記オルソケラトロジーレンズは、近視矯正の場合、曲率を段階(ステージ)的にフラットに変更し、また、遠老視矯正の場合、曲率を段階的にきつくし、最終的ステージでは、角膜を、理想の裸眼視力が得られる曲率となるようにしていく。
又、オルソケラトロジーレンズを角膜に装着する際には、従来は、ケラトメータにより、患者の角膜の屈折力(以下ディオプトリー又はD)を測定したデータに基づいて選んだ、複数の候補コンタクトレンズを順次装着し、その中から、角膜Dを矯正するのに最適な矯正Dを有するオルソケラトロジーレンズを用いるようにしていた。
ときには、矯正Dがわずかずつ異なる多数のコンタクトレンズを用意して、それらを全て患者の角膜に装着するテストをして、1枚を矯正に用い、他を廃棄するので、無駄なコンタクトレンズが発生し、且つ、患者の負担が大きくなるという問題点があった。
米国特許第5695509号公報 特許第3881221号公報
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、コンタクトレンズの患者の角膜への装着を多数回繰り返して患者に負担を掛けたりすることなく、且つ、迅速に、最適なオルソケラトロジー用コンタクトレンズ、すなわちオルソケラトロジーレンズを決定する方法及び決定システムを提供することを課題とする。
本発明者は、患者の角膜に装用するのに最適なオルソケラトロジーレンズを簡単に見出す方法を開発した。また、この方法を用いて、1万人以上の患者についての、実際に角膜矯正に用いたオルソケラトロジーレンズのデータを蓄積してデータベースを構築し、このデータベースに基づいて、患者の角膜のデータから、容易に最適のオルソケラトロジーレンズを決定できるようにした。
すなわち、上記課題は、次の実施例によって解決される。
(1)頭部を正立させた状態での患者の瞳孔を中心とする位置で、角膜にオルソケラトロジーレンズを装着する装着過程、前記オルソケラトロジーレンズが角膜上を移動する状態の画像を連続的又は間欠的に取得する画像情報取得過程、前記取得された画像情報から、前記オルソケラトロジーレンズの移動速度及び移動方向を検出する移動データ検出過程を、複数のオルソケラトロジーレンズについて順次実行する試行過程、前記取得された移動速度及び移動方向のデータが一定範囲内か否かを判別し、一定範囲の場合に、患者に用いるオルソケラトロジーレンズとして選定する選定過程を繰返し、前記選定されたオルソケラトロジーレンズを登録レンズとして、該登録レンズの、前記角膜に接触する個所でのレンズ矯正Dのデータからなる登録レンズ矯正Dデータ、及び、該接触する個所での前記登録レンズ装着前の前記角膜のDデータからなる登録角膜Dデータ、患者の角膜径データからなる登録角膜径データ、患者の瞳孔径データからなる登録瞳孔径データのうちの少なくとも登録角膜Dデータを含む登録患者データ、及び、登録レンズが、複数矯正段階における第1ステージ又は第2ステージ以降のいずれのステージで角膜に装着されたレンズかを示すデータからなる登録ステージデータを記憶して、レンズデータベースを構築するデータベース構築過程と、患者の矯正すべき角膜のDデータからなる患者角膜Dデータ、角膜径のデータからなる患者角膜径データ、及び、瞳孔径のデータからなる患者瞳孔径データのうち少なくとも患者角膜Dデータを含む患者データを取得する患者データ取得過程と、前記患者の矯正すべき角膜に対して、今回のオルソケラトロジーレンズの装着が複数の矯正段階におけるいずれのステージになるのかの患者ステージデータを取得する患者ステージデータ取得過程と、前記レンズデータベースから、前記取得された患者角膜Dデータに最も近い登録角膜Dデータ、及び、患者ステージデータと同一の登録ステージデータを有する登録レンズを検出し、該検出された登録レンズを、患者に用いるオルソケラトロジーレンズとして決定するレンズ決定過程と、を含んでなるオルソケラトロジーレンズの決定方法。
(2)選定装置と、データベースサーバと、このデータベースサーバに接続されたレンズ決定サーバと、このレンズ決定サーバに接続可能な端末装置と、を有してなり、前記選定装置は、頭部を正立させた状態での患者の瞳孔を中心とする位置で、角膜に装着したオルソケラトロジーレンズを撮影し、角膜上を移動する状態の画像を連続的又は間欠的に取得するレンズ撮影カメラ、及び、前記レンズ撮影カメラにより得られた、前記オルソケラトロジーレンズが角膜上を移動する画像情報から、前記オルソケラトロジーレンズの少なくとも移動速度、移動方向のデータからなるレンズ移動データを検出するレンズ移動データ検出装置を含むレンズ移動データ取得装置と、前記取得されたレンズ移動データが一定範囲内か否かを判別し、一定範囲のオルソケラトロジーレンズを、患者に用いるに適したオルソケラトロジーレンズと判定する判定装置とを含み、前記患者に用いるに適したオルソケラトロジーレンズを登録レンズとして、該登録レンズについての、患者の角膜に接触する個所でのレンズ矯正Dのデータからなる登録レンズ矯正Dデータと、該接触する個所での矯正すべき角膜のDデータからなる登録角膜Dデータ、患者の角膜径データからなる登録角膜径データ及び登録瞳孔径データのうち少なくとも登録角膜Dデータを含む登録患者データと、前記登録レンズが、複数矯正段階における第1ステージ又は第2ステージ以降のいずれのステージで角膜に装着されたレンズかを示すデータからなる登録ステージデータと、を前記データベースサーバに出力するようにされ、前記データベースサーバは、前記登録レンズについての、前記登録患者データと、前記登録ステージデータと、を記憶して、データベースを構築するようにされ、前記端末装置は、患者の矯正すべき角膜のDデータからなる患者角膜Dデータ、角膜径のデータからなる患者角膜径データ、瞳孔径のデータからなる患者瞳孔径データのうち少なくとも患者角膜Dデータを含む患者データを取得する患者データ取得装置、前記患者の矯正すべき角膜に対して、次のオルソケラトロジーレンズが、複数矯正段階における第1ステージで角膜に装着されるか又は第2ステージ以降のいずれのステージになるのかの患者ステージデータを取得する患者ステージデータ取得装置を含み、且つ、前記患者データ及び患者ステージデータを前記レンズ決定サーバへ送信可能とされ、前記レンズ決定サーバは、前記データベースから前記取得された患者角膜Dデータ、患者ステージデータに最も近い登録角膜Dデータ、同一の登録ステージデータを有する登録レンズを検出し、これを患者に用いるオルソケラトロジーレンズとして決定するように構成されたことを特徴とするオルソケラトロジーレンズの決定システム。
本発明によれば、患者の角膜の患者角膜Dデータを含む患者データ、複数段階の角膜矯正における、同一の患者に対する何番目のステージのオルソケラトロジーレンズかの患者ステージデータに基づいて、同様のデータを有する登録レンズのデータを、レンズデータベースから検出して、最適なオルソケラトロジーレンズを決定することができるので、患者の負担及び無駄なレンズの発生を大幅に抑制することができるという効果を有する。
本発明の実施例に係るオルソケラトロジーレンズ決定システムの構成を示すブロック図 同実施例におけるデータベースサーバの構成を示すブロック図 患者角膜上に装着されたオルソケラトロジーレンズの移動状態を模式的に示す平面図 近視矯正の場合の、患者データにおける患者角膜Dとオルソケラトロジーレンズにおけるレンズ矯正Dとの関係を模式的に示す拡大断面図 遠老視矯正の場合の、患者データにおける患者角膜Dとオルソケラトロジーレンズにおけるレンズ矯正Dとの関係を模式的に示す拡大断面図 同実施例におけるレンズ決定サーバの構成を示すブロック図 同実施例における端末装置の構成を示すブロック図 同実施例における、選定装置によって得られたデータにより、データベースを構築する過程を示すフローチャート 同実施例において、オルソケラトロジーレンズのレンズ決定サーバにおいて、データベースのデータ及び端末装置からのデータに基づいて、最適のオルソケラトロジーレンズを決定する過程を示すフローチャート 修正レンズ矯正Dデータを求める際の角膜Dデータとレンズ矯正Dデータとの差を示すグラフ 条件が異なる場合の、図9Aと同様のグラフ 患者データと登録患者データとのかい離が大きい場合に、オルソケラトロジーレンズを決定する過程を示すフローチャート
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
図1に示されるように、本発明の実施例に係るオルソケラトロジー用のオルソケラトロジーレンズ決定システム(以下決定システム)10は、選定装置20と、データベースサーバ30と、メインサーバであるレンズ決定サーバ50と、このレンズ決定サーバ50に接続可能な端末装置70と、を備えて構成されている。
まず、上記の各構成の相互関係の概略を説明する。
実施例に係る決定システム10において、選定装置20では、患者の角膜に装着したオルソケラトロジーレンズの、装着直後の移動方向及びその速度のデータがレンズ移動データ取得装置22により取得され、これが患者の角膜にとって最適であるか否かを判定装置28により判定される。
データベースサーバ30は、判定結果が使用可(正)のオルソケラトロジーレンズ(登録レンズ)のデータ及び患者の角膜のデータを記憶する過程を繰返して、データベース30B(図2参照)を構築するようにされている。
端末装置70は、図1に示されるように、レンズ決定サーバ50から見て離れた位置、例えば海外や国内の遠隔地等の医師72のもとに配置されていて、医師72の測定により取得された、患者の角膜における患者角膜Dデータを含む患者データが端末装置70からレンズ決定サーバ50に送信される。
レンズ決定サーバ50は、受信した患者データと同様のデータを有する登録レンズを、データベースサーバ30のデータベース30Bから検出し、これを最適なオルソケラトロジーレンズとして決定するようにされている。
レンズ決定サーバ50によりオルソケラトロジーレンズが決定されると、図1に示されるように、レンズ製造装置50Cに、決定されたオルソケラトロジーレンズのレンズデータとともに製造指示信号が出力され、レンズ製造装置50Cにて、該レンズデータを有するオルソケラトロジーレンズが製造される。このレンズ製造装置50Cは、従来からのものと同様であるので説明は省略する。
製造されたオルソケラトロジーレンズは、レンズ発送機関50Dを介して、患者データを送信してきた端末装置70を管理、操作し、且つ、該オルソケラトロジーレンズを用いて患者の角膜矯正をしようとする医師72に送付される。
表1に、レンズ移動データ取得装置22からの出力データ、選定装置20から出力されて、データベースサーバ30に記憶されるデータ、端末装置70から出力されて、レンズ決定サーバ50に入力されるデータの種類を示す。
Figure 0006161093
次に、決定システム10における各装置の詳細について順次説明する。
選定装置20は、図1に示されるように、ケラトメータ(図示省略)を含む患者データ取得装置20Bと、レンズ撮影カメラ24及びレンズ移動データ検出装置26を含むレンズ移動データ取得装置22と、判定装置28とを有してなる。図1の符号20AはIF手段、21Aはキーボード、21Bはディスプレイ、21Cはプリンタをそれぞれ示す。
レンズ撮影カメラ24は、頭部を正立させた状態での患者の瞳孔を中心とする位置で、角膜に装着したオルソケラトロジーレンズを撮影し、角膜上を移動する状態の画像を連続的又は間欠的に取得するようにされている。
レンズ移動データ検出装置26は、レンズ撮影カメラ24により得られた、オルソケラトロジーレンズが角膜上を移動する画像から、少なくともその移動速度、移動方向のデータを含むレンズ移動データを検出するようにされている。
レンズ移動データ検出装置26を含むレンズ移動データ取得装置22により取得されたレンズ移動データは、判定装置28によって、一定範囲内か否かを判別し、一定範囲内のオルソケラトロジーレンズを、患者に用いるに適していると判定するようにされている。
上記一定範囲内とは、例えば、図3に示されるように、移動速度が0を超えて10mm/秒以下、移動方向Vが、瞳孔Puの鉛直下方の垂線Peから右又は左に6度以内の角度θの条件が充足されるときをいう。図3の符号OL0は瞳孔Puの位置にあるオルソケラトロジーレンズを示し、OL1は瞳孔Puの位置からV方向に移動した状態を示す。
患者の睡眠中や起床した状態で、瞳孔位置から下降したオルソケラトロジーレンズは瞬きにより瞳孔位置に戻されるが、上記条件が充足されない場合、すなわちあまりにも速く下降した場合や斜めに大きく移動した場合は瞬きによっても瞳孔位置に戻らない。移動速度が0の場合は、オルソケラトロジーレンズが角膜に密着して、角膜への酸素供給量が少なくなるので不適当である。最大移動速度10mm/秒及び角度6度は、本発明者が実施した1万人以上の治療データに基づくものである。
判定装置28に対しては、患者に用いられるオルソケラトロジーレンズが、複数矯正段階における第1ステージで角膜に装着された第1レンズか又は第2ステージ以降のいずれのステージで装着されたレンズかのステージデータが、例えばキーボード21Aから入力される。
また、選定装置20は、患者に用いるに適していると判定されたオルソケラトロジーレンズ(登録レンズ)についての、患者の角膜に接触する個所でのレンズ矯正Dデータと、レンズ移動データと、ステージデータと、近視矯正用か遠老視矯正用かを示す近遠データ、前記の接触する個所での矯正すべき角膜の角膜Dデータからなる角膜Dデータ、角膜径についての角膜径データ及び瞳孔径についての瞳孔径データを含む患者データと、をデータベースサーバ30に出力するようにされている。
データベースサーバ30は、前記オルソケラトロジーレンズについての、入力したデータを、それぞれ登録レンズ移動データと、登録レンズ矯正Dデータと、登録ステージデータと、登録レンズ移動データ、登録近遠データ、登録角膜Dデータ、登録角膜径データ及び登録瞳孔径データを含む登録患者データとを、例えば表2に示されるように蓄積して、データベース30Bを構築するようにされている。
Figure 0006161093
ここで、ディオプトリー(D)が、小さくなる程、レンズ及び角膜の曲率半径R、rが大きくなるので、角膜ディオプトリーDに対するレンズディオプトリーDの関係は、近視矯正の場合、図4Aに示されるように、D>D、すなわちr<Rとなり、また、遠老視矯正の場合、図4Bに示されるように、D<D、すなわちr>Rとなり、両者の差D−D又はD−Dは、複数段矯正の何番目のステージかによって異なり、第1ステージが最も大きくなる。
データベースサーバ30は、更に詳細には、図2に示されるように、IF手段30Aと、制御手段40と、データベース30Bとを備えて構成されている。図2の符号40Aはキーボード、40Bはディスプレイ、40Cはプリンタをそれぞれ示す。
制御手段40は、登録レンズ矯正Dデータ受付機能41と、登録レンズ移動データ受付機能42と、登録ステージデータ受付機能43と、登録患者データ受付機能44と、登録角膜・レンズD差データ算出手段45とを備えて構成されている。
又、データベース30Bは、登録レンズ矯正Dデータ記憶手段31と、登録レンズ移動データ記憶手段32と、登録ステージデータ記憶手段33と、登録患者データ記憶手段34と、登録角膜・レンズD差データ記憶手段35とを備えて構成されている。
この明細書においては、例えば、登録レンズ矯正Dデータ受付機能41は、IF手段30Aと共に、登録レンズ矯正Dデータ受付手段を構成するものとしている。即ち、機能は、IF手段と共に、手段を構成するものとする。
データベースサーバ30における登録レンズ矯正Dデータ受付機能41は、選定装置20から送信される登録レンズ矯正Dデータを、IF手段30Aを介して受付るようにされている。又、この受付けられた登録レンズ矯正Dデータは、データベース30Bにおける登録レンズ矯正Dデータ記憶手段31に記憶されるようになっている。
同様に、選定装置20から送信された登録レンズ移動データは、登録レンズ移動データ受付機能42によって受付けられ、登録レンズ移動データ記憶手段32に記憶される。又、選定装置20から送信された登録ステージデータは、登録ステージデータ受付機能43に受付けられ、これが、登録ステージデータ記憶手段33に記憶されるようになっている。登録患者データは、登録患者データ受付機能44に受付けられ、これが、登録患者データ記憶手段34に記憶されるようになっている。登録角膜・レンズD差データ算出手段45は、登録患者データにおける登録角膜Dデータと登録レンズ矯正Dデータとの差を算出するようにされ、算出結果の数値は、角膜・レンズD差データとして、登録角膜・レンズD差データ記憶手段35に記憶されるようになっている。
次に、図5に示されるレンズ決定サーバ50の詳細について説明する。
レンズ決定サーバ50は、IF手段50A、制御手段60、及び、記憶装置50Bを含んで構成されている。図5の符号60Aはキーボード、60Bはディスプレイ、60Cはプリンタをそれぞれ示す。
制御手段60に対しては、端末装置70からの信号をインターネット14及びIF手段50Aを介して、制御手段60における対応機能に受付けられるようにされている。
又、キーボード60Aからは、手動によって、IF手段50Aを介して制御手段60に信号が入力されるようになっている。
制御手段60は、端末設定情報受付機能61と、患者データ受付機能62と、患者ステージデータ受付機能63と、データベース検索手段64と、修正レンズ矯正Dデータ算出手段65と、修正データレンズ決定手段66と、テストレンズデータ作成手段66Aと、レンズ製造指示機能67と、レンズ完成情報受付機能68と、レンズ返却情報受付機能69と、決定テストレンズデータ受付機能69Aとを備えて構成されている。
記憶装置50Bは、端末情報記憶手段51と、患者データ記憶手段52と、患者ステージデータ記憶手段53と、修正レンズ矯正Dデータ記憶手段54と、修正データレンズ記憶手段55と、テストレンズデータ記憶手段55Aと、決定レンズ記憶手段56と、レンズ製造指示情報記憶手段57と、完成レンズ情報記憶手段58と、レンズ返却情報記憶手段59と、決定テストレンズデータ記憶手段59Aとを備えて構成されている。
端末装置70は、図6に示されるように、患者データ取得装置71と、患者データ送信機能84を含む制御装置80と、記憶装置90と、を有している。図6の符号70AはIF手段、80Aはキーボード、80Bはディスプレイ、80Cはプリンタをそれぞれ示す。
制御装置80は、端末登録情報送信機能81と、患者データ受付機能82と、患者ステージデータ受付機能83と、上記患者データ送信機能84と、患者ステージデータ送信機能85と、レンズ受取情報受付機能86と、レンズ返送情報送信機能87と、決定テストレンズ情報送信機能88とを備えて構成されている。
記憶装置90は、端末登録情報記憶手段91と、患者データ記憶手段92と、患者ステージデータ記憶手段93と、データ送信記憶手段94と、レンズ受取情報記憶手段95と、レンズ返送情報記憶手段96と、決定テストレンズ情報記憶手段97とを備えて構成されている。
本部サーバとなるレンズ決定サーバ50に対して端末装置70は、契約した医師72が用い、且つ、端末登録情報送信機能81は、医師72の管理下にある旨の情報を、パスワードやIDと共にレンズ決定サーバ50に送信するように構成されている。又、この端末登録情報は、記憶装置90における端末登録情報記憶手段91に登録されるようになっている。
患者データ受付機能82は、患者データ取得装置71からの患者データ(患者角膜Dデータ、角膜径、瞳孔径を含む患者データ)を、IF手段70Aを介して受付けるようにされている。この受付けられた患者データは、患者データ記憶手段92に記憶されるように構成されている。なお、患者データのうち、患者近遠データはキーボード80Aから入力される。
患者ステージデータは、キーボード80Aから入力され、IF手段70Aを介して、患者ステージデータ受付機能83に受付けられ、これが、患者ステージデータ記憶手段93に記憶されるようになっている。
患者データ送信機能84は、患者データ記憶手段92に記憶された患者データを、又、患者ステージデータ送信機能85は、患者ステージデータ記憶手段93に記憶されている患者ステージデータを、それぞれIF手段70A、インターネット14を介してレンズ決定サーバ50に送信するようにされている。また、これらのデータが送信されたことは、データ送信記憶手段94に記憶されるようになっている。
レンズ受取情報受付機能86は、キーボード80A、IF手段70Aを介して、医師72の操作により、医師72がオルソケラトロジーレンズを受け取った旨の情報の入力を受付けるものである。このレンズ受取情報は、記憶装置90におけるレンズ受取情報記憶手段95に記憶される。
レンズ返送情報送信機能87は、医師72が、角膜矯正に用いられ、その段階の矯正を終了した使用済みのオルソケラトロジーレンズをレンズ発送機関50Dに返送したとき、キーボード80Aから打ち込まれるレンズ返送情報に基づいて、レンズを返送した旨の情報を、レンズ決定サーバ50に、IF手段70A、インターネット14を介して送信するようにされている。このレンズ返送情報は、記憶装置90におけるレンズ返送情報記憶手段96に記憶されるようになっている。
決定テストレンズ情報送信機能88は、送られてきた複数のテストレンズ(説明後述)を患者に装着してみて、治療に用いるのに最適であると決定したテストレンズの情報をレンズ決定サーバ50に送信するようにされ、この情報は、決定テストレンズ情報記憶手段97に記憶されるようになっている。
患者データ取得装置71は、患者の矯正すべき角膜の患者角膜Dデータ、角膜径データ、瞳孔径データを含む患者データを取得するようにされ、患者データ送信機能84は、インターネット14を介して、患者データをレンズ決定サーバ50に送信可能とされている。
レンズ決定サーバ50は、データベース30Bから上記角膜と同一の患者角膜Dデータ又は最も近い患者角膜Dデータの角膜に用いた登録レンズを検出して、これを患者に用いるに適した曲率のオルソケラトロジーレンズとして決定するように構成されている。
次に、図7、図8を参照して、データベース構築過程及びオルソケラトロジーレンズを決定する過程について説明する。
データベース構築過程では、図7のステップS101に示されるように、オルソケラトロジーレンズを、患者の矯正すべき角膜に装着する。この時、オルソケラトロジーレンズは、頭部を正立させた状態での患者の瞳孔を中心とする位置に装着する。このようにすると、オルソケラトロジーレンズは重力により、角膜表面に沿って下降するが、接触面におけるオルソケラトロジーレンズのレンズ曲率と角膜の角膜曲率との関係において、必ずしも鉛直下方に移動するものではなく、また、その速度も一様ではない。
本発明者は、オルソケラトロジーレンズが、上記のように、移動速度が0を超えて10mm/秒以下、移動方向が、瞳孔の鉛直下方の垂線から右又は左に6度以内の角度の条件が充足される場合は、その角膜の矯正に利用できることを見出した。
次に、ステップS102に進み、レンズ撮影カメラ24により、患者の角膜に装着した状態のオルソケラトロジーレンズを撮影し、オルソケラトロジーレンズが角膜上を移動する状態の画像を連続的又は間欠的に取得する。ステップS103に進み、レンズ撮影カメラ24で取得した画像情報から、オルソケラトロジーレンズの移動速度及び移動方向を含む移動データを、レンズ移動データ検出装置26によって取得する。
次に、ステップS104において、上記取得された移動データが、一定範囲内か否かを、判定装置28によって判定する。具体的には、移動速度は、0mm/秒を超えて10mm/秒以内か、移動方向は、患者の瞳孔の中心を通る垂線に対して角度が6度以内かを判定する。
判定結果がYesであれば、次のステップS105に進み、当該オルソケラトロジーレンズが、角膜矯正に利用可能な登録レンズであると判定する。判定結果がNoであれば、ステップS108に進む。
ステップS105において、治療に用いることができるオルソケラトロジーレンズと判定された場合、次のステップS106において、判定装置28から、そのオルソケラトロジーレンズを登録レンズとして、該登録レンズについての、登録レンズ矯正Dデータ及び登録レンズ移動データ、登録ステージデータ、登録患者データが、データベースサーバ30に送信される。
データベースサーバ30においては、登録レンズ矯正Dデータ受付機能41、登録レンズ移動データ受付機能42、登録ステージデータ受付機能43及び登録患者データ受付機能44によって、上記送信されたデータを受付け、それぞれ、登録レンズ矯正Dデータ記憶手段31、登録レンズ移動データ記憶手段32、登録ステージデータ記憶手段33、登録患者データ記憶手段34に記憶される。このようにして上記の過程を繰返すことによって、データベース30Bが構築されていく。
なお、データベースサーバ30の制御手段40においては、登録患者データから、患者の角膜Dデータと角膜を矯正するためのオルソケラトロジーレンズのレンズ矯正Dデータとの差を、登録角膜・レンズD差データ算出手段45によって算出できるようにされ、その算出結果が、登録角膜・レンズD差データ記憶手段35に記憶されるようになっている(ステップS107参照)。
上記のように、患者の角膜にオルソケラトロジーレンズを装着して、そのレンズが、利用可能か否かを判定し、判定結果をデータベースに記憶する過程を繰返すが、ステップS108においては次のレンズが無ければ、データベース構築過程を終了し、次のレンズがあれば、ステップS109に進み、次のオルソケラトロジーレンズを装着し、再度、次のステップS102からS108までを繰返すことになる。
次に、データベースサーバ30のデータベース30Bに記憶されたデータを利用して、端末装置70から送られるデータに基づいて、患者の矯正に最適なオルソケラトロジーレンズをレンズ決定サーバ50において決定する過程について説明する。
図8に示されるように、ステップS201では、端末装置70において、患者データ取得装置71により、角膜を矯正しようとする患者の患者角膜Dデータ、角膜径、瞳孔径のデータからなる患者データを取得し、インターネット14を介して、レンズ決定サーバ50に送信される(ステップS202参照)。
この時、医師72によって、端末装置70のキーボード80Aから、今回の角膜矯正は、複数矯正段階の何番目のステージかのデータが、IF手段70Aを介して、患者ステージデータ受付機能83に入力される。
なお、患者データ取得装置71からの患者データは、一旦、IF手段70Aを介して、患者データ受付機能82に受付けられ、受付けられた患者データ、及び、患者ステージデータは、患者データ記憶手段92及び患者ステージデータ記憶手段93にそれぞれ記憶される。
記憶された患者データ及び患者ステージデータは、端末装置70の制御装置80における患者データ送信機能84及び患者ステージデータ送信機能85によって、IF手段70A、インターネット14を経て、レンズ決定サーバ50に送信される。
レンズ決定サーバ50においては、患者データ及び患者ステージデータが制御手段60における患者データ受付機能62及び患者ステージデータ受付機能63に受付けられ、それぞれ、記憶装置50Bにおける患者データ記憶手段52及び患者ステージデータ記憶手段53に記憶される。
ステップS203に進み、レンズ決定サーバ50のデータベース検索手段64により、端末装置70から送られてきた患者データ又は患者データと患者ステージデータに基づき、データベースサーバ30におけるデータベース30Bから、端末装置70からの患者データ及び患者ステージデータに同一又は近似するデータを有する登録レンズを検出する。
ステップS204に進み、検出された登録レンズにおける登録角膜Dデータと、端末装置70からの患者データにおける患者角膜Dデータの差が一定値(例えば0.03D)以下か否かを判定する。
判定の結果Yesであれば、ステップS205に進み、当該登録レンズを、決定レンズとして、決定レンズ記憶手段56に記憶する。
ここで、上記の「差」は、角膜の曲率半径の0.01mmとする。これは測定装置の検出精度限界が0.01mmと考えられるからである。表3により曲率半径をディオプトリー(D)に換算すると0.03Dとなる。
Figure 0006161093
なお、Yesの登録レンズが複数あった場合は、患者角膜径データ、患者瞳孔径データが最も近い登録角膜径データ、登録瞳孔径データの登録レンズを決定レンズとしてもよい。
ステップS206においては、この記憶された決定レンズと同一データを有するオルソケラトロジーレンズを作成する指示信号を、レンズ製造装置50Cに送信し、ここで、オルソケラトロジーレンズが作成される。
なお、指示信号は、レンズ矯正Dデータにおけるディオプトリー(D)は表3に示されるディオプトリー・ミリメートル換算表により換算されて、レンズの曲率半径(mm)として出力される。
レンズ製造装置50Cは、受信したデータに基づいて、オルソケラトロジーレンズを製造する装置であり、通常のコンタクトレンズ製造装置であってもよい。又、このレンズ製造装置50Cは、レンズメーカーや医師の元にある。
ステップS207においては、作成されたオルソケラトロジーレンズが、上記レンズメーカーや医師から、端末装置70を管理操作する医師72宛てに発送される。
上記のステップS204において、判定結果がNoであれば、ステップS208に進む。ステップS208〜S210は、レンズ決定サーバ50の制御手段60における、修正レンズ矯正Dデータ算出手段65によって以下のように実行される。
まず、ステップS208では、図9A、図9Bに示されるように、角膜Dデータに最も近似するデータを有する登録レンズを第1レンズとしたとき、そのレンズについての第1登録角膜Dデータrと、次に近似するデータを有する登録レンズを第2レンズとしたときの、第2登録角膜Dデータrとの角膜Dデータ差r−r=ΔCを求め、次のステップS209において、第1レンズ及び第2レンズの登録レンズ矯正Dデータを各々R、Rとしたときの登録レンズ矯正Dデータ差R−R=ΔLを求める。
ステップS210では、患者データでの患者角膜Dデータrと第1レンズでの登録角膜Dデータrの差Δrと、ΔL/ΔCとの積を求め、第1レンズの登録レンズ矯正DデータRに加えるか減じて修正レンズ矯正Dデータを算出するようにされている。
即ち、単位角膜Dあたりのレンズ矯正Dを求め、これにr−r1=Δrを掛けるとrとrの差に対応するレンズ矯正D値(差)が算出され、DはこれにRを加えればよい。例えば、図9Aに示されるように、r>r>r、R>Rのとき、(r−r=Δr)×ΔL/ΔC+Rとなる。r>r>r、R>R>Rのときは、図9Bに示されるように、D=R−Δr×ΔL/ΔCとなる。
次のステップS211においては、上記のΔLが一定値以下、即ち、第1レンズと第2レンズの登録レンズ矯正Dデータの差が大き過ぎないかを判定する。大き過ぎる場合は、修正レンズ矯正Dデータの信頼性が小さい。判定結果がYesであれば、ステップS212に進み、Noであれば後述のサブルーチン(B:図10)に進む。
ステップS212では、修正データレンズ決定手段66において、上記算出された修正レンズ矯正Dデータを有する修正オルソケラトロジーレンズを、決定レンズとし、そのデータを、図7、図8において符号Aで示されるように、データベース30Bに加える。
上記修正レンズ矯正Dデータ、修正データレンズ、及び、決定レンズについては、記憶装置50Bにおける修正レンズ矯正Dデータ記憶手段54、修正データレンズ記憶手段55、及び、決定レンズ記憶手段56にそれぞれ記憶されて、データベースの一部を構成することもできる。
次に、レンズ決定サーバ50の、レンズ製造指示機能67により、上記算出された修正レンズ矯正Dデータを有する修正レンズの作成の指示信号を、レンズ製造装置50Cに送信し、ステップS213において修正レンズを作成し、ステップS207に進む。ステップS207では、レンズ発送機関50Dから、修正レンズを、医師72の元に発送する。
次に、上記ステップS211において、判定結果がNoの場合について説明する。
この場合は、図10に示されるステップS214に進む。
ステップS214では、テストレンズデータ作成手段66Aにおいて、複数のテストレンズのための作成データを算出する。
まず、ΔL/m=αL,mを3≦m≦10の整数とし、修正レンズ矯正Dに、αL、2αL、・・・mαLを各々加えたm種の矯正D(修正レンズ矯正D+αL、修正レンズ矯正D+2αL、・・・修正レンズ矯正D+mαL)のm種の数値、及び、修正レンズ矯正Dから、αL、2αL、・・・mαLを各々減じたm種の矯正D(修正レンズ矯正D−αL、修正レンズ矯正D−2αL、・・・修正レンズ矯正D−mαL)のm種の数値を算出する。
次のステップS215においては、上記2m種の矯正Dを有するテストレンズを作成し、次のステップS216において、これら2m種のテストレンズを医師72に送付する。
ステップS217においては、医師72が、患者にテストレンズを装着し、2m種のテストレンズ中から、最適なテストレンズを治療に用いるオルソケラトロジーレンズとして選択する。
次のステップS218において、選択された、治療に用いるオルソケラトロジーレンズのデータが端末装置70からレンズ決定サーバ50に送られ、レンズ決定サーバ50の決定テストレンズデータ受付機能69Aによって受付けられ、且つ、決定テストレンズデータ記憶手段59Aに記憶される。ステップS219に進み、レンズ決定サーバ50から、患者データとともに、治療に用いるオルソケラトロジーレンズのデータが、データベースサーバ30の制御手段40に送られ(図10、図7の符号A参照)、データはデータベース30Bに、登録レンズデータ及び登録患者データとして加えられる。
なお、本発明者の治験例によれば、上記2m種の矯正Dを有するテストレンズは、6〜10種類あれば充分であった。
患者の負担を少なくし、角膜矯正用のオルソケラトロジーレンズを決定して製造する際に利用できる。
10…オルソケラトロジーレンズ決定システム(決定システム)
14…インターネット
20…選定装置
20A…IF手段
20B…患者データ取得装置
21A、40A、60A、80A…キーボード
21B、40B、60B、80B…ディスプレイ
21C、40C、60C、80C…プリンタ
22…レンズ移動データ取得装置
24…レンズ撮影カメラ
26…レンズ移動データ検出装置
28…判定装置
30…データベースサーバ
30A…IF手段
30B…データベース
31…登録レンズ矯正Dデータ記憶手段
32…登録レンズ移動データ記憶手段
33…登録ステージデータ記憶手段
34…登録患者データ記憶手段
35…登録角膜・レンズD差データ記憶手段
40…制御手段
41…登録レンズ矯正Dデータ受付機能
42…登録レンズ移動データ受付機能
43…登録ステージデータ受付機能
44…登録患者データ受付機能
45…登録角膜・レンズD差データ算出手段
50…レンズ決定サーバ
50A…IF手段
50B、90…記憶装置
50C…レンズ製造装置
50D…レンズ発送機関
51…端末情報記憶手段
52…患者データ記憶手段
53…患者ステージデータ記憶手段
54…修正レンズ矯正Dデータ記憶手段
55…修正データレンズ記憶手段
55A…テストレンズデータ記憶手段
56…決定レンズ記憶手段
57…レンズ製造指示情報記憶手段
58…完成レンズ情報記憶手段
59…レンズ返却情報記憶手段
59A…決定テストレンズデータ記憶手段
60…制御手段
61…端末設定情報受付機能
62…患者データ受付機能
63…患者ステージデータ受付機能
64…データベース検索手段
65…修正レンズ矯正Dデータ算出手段
66…修正データレンズ決定手段
66A…テストレンズデータ作成手段
67…レンズ製造指示機能
68…レンズ完成情報受付機能
69…レンズ返却情報受付機能
69A…決定テストレンズデータ受付機能
70…端末装置
70A…IF手段
71…患者データ取得装置
72…医師
80…制御装置
81…端末登録情報送信機能
82…患者データ受付機能
83…患者ステージデータ受付機能
84…患者データ送信機能
85…患者ステージデータ送信機能
86…レンズ受取情報受付機能
87…レンズ返送情報送信機能
88…決定テストレンズ情報送信機能
91…端末登録情報記憶手段
92…患者データ記憶手段
93…患者ステージデータ記憶手段
94…データ送信記憶手段
95…レンズ受取情報記憶手段
96…レンズ返送情報記憶手段
97…決定テストレンズ情報記憶手段

Claims (16)

  1. 頭部を正立させた状態での患者の瞳孔を中心とする位置で、角膜にオルソケラトロジーレンズを装着する装着過程、前記オルソケラトロジーレンズが角膜上を移動する状態の画像を連続的又は間欠的に取得する画像情報取得過程、前記取得された画像情報から、前記オルソケラトロジーレンズの移動速度及び移動方向を検出する移動データ検出過程を、複数のオルソケラトロジーレンズについて順次実行する試行過程、前記取得された移動速度及び移動方向のデータが一定範囲内か否かを判別し、一定範囲の場合に、患者に用いるオルソケラトロジーレンズとして選定する選定過程を繰返し、前記選定されたオルソケラトロジーレンズを登録レンズとして、該登録レンズの、前記角膜に接触する個所でのレンズ矯正Dのデータからなる登録レンズ矯正Dデータ、及び、該接触する個所での前記登録レンズ装着前の前記角膜のDデータからなる登録角膜Dデータ、患者の角膜径データからなる登録角膜径データ、患者の瞳孔径データからなる登録瞳孔径データのうちの少なくとも登録角膜Dデータを含む登録患者データ、及び、登録レンズが、複数矯正段階における第1ステージ又は第2ステージ以降のいずれのステージで角膜に装着されたレンズかを示すデータからなる登録ステージデータを記憶して、レンズデータベースを構築するデータベース構築過程と、
    者の矯正すべき角膜のDデータからなる患者角膜Dデータ、角膜径のデータからなる患者角膜径データ、及び、瞳孔径のデータからなる患者瞳孔径データのうち少なくとも患者角膜Dデータを含む患者データを取得する患者データ取得過程と、
    前記患者の矯正すべき角膜に対して、今回のオルソケラトロジーレンズの装着が複数の矯正段階におけるいずれのステージになるのかの患者ステージデータを取得する患者ステージデータ取得過程と、
    前記レンズデータベースから、前記取得された患者角膜Dデータに最も近い登録角膜Dデータ、及び、患者ステージデータと同一の登録ステージデータを有する登録レンズを検出し、該検出された登録レンズを、患者に用いるオルソケラトロジーレンズとして決定するレンズ決定過程と、
    を含んでなるオルソケラトロジーレンズの決定方法。
  2. 請求項1において、
    前記データベース構築過程における前記登録患者データは、登録レンズが近視矯正用かあるいは遠老視矯正用かを示すデータからなる登録近遠データを含み、
    前記患者データ取得過程における前記患者データは、レンズが近視矯正用かあるいは遠老視矯正用かを示すデータからなる患者近遠データを含み、
    前記レンズ決定過程は、前記レンズデータベースから、前記取得された患者角膜Dデータに最も近い登録角膜Dデータ、及び、患者近遠データ、患者ステージデータと同一の登録近遠データ、登録ステージデータを有する登録レンズを検出し、該検出された登録レンズを、患者に用いるオルソケラトロジーレンズとして決定するようにされたことを特徴とするオルソケラトロジーレンズの決定方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記データベース構築過程での前記選定過程においては、
    前記移動速度が0を越えて10mm/秒以下、及び移動方向が瞳孔の鉛直下方の垂線から右又は左に6度以内の角度の条件が充足されるとき、患者に用いるオルソケラトロジーレンズとして選定することを特徴とするオルソケラトロジーレンズの決定方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記データベース構築過程では、オルソケラトロジーレンズ装着前の角膜の患者角膜Dデータと装着されたオルソケラトロジーレンズの登録レンズ矯正Dデータとの差である角膜・レンズD差データを記憶して、レンズデータベースを構築するようにされたことを特徴とするオルソケラトロジーレンズの決定方法。
  5. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記レンズ決定過程では、前記取得された患者角膜Dデータと、これに最も近い登録角膜Dデータとの差が一定値以上の場合、前記検出された登録レンズを第1レンズとし、前記取得された患者角膜Dデータに2番目に近い登録角膜Dデータを有する登録レンズを第2レンズとし、且つ、前記登録角膜Dデータ及び登録レンズ矯正Dデータを、前記第1レンズにおいては、第1角膜Dデータ及び第1レンズ矯正Dデータとし、前記第2レンズにおいては、第2角膜Dデータ及び第2レンズ矯正Dデータとし、
    前記第1角膜Dデータと第2角膜Dデータとの間の角膜D差データと、前記第1レンズ矯正Dデータと第2レンズ矯正Dデータとの間のレンズ矯正D差データとの比から、単位角膜Dデータ差当たりのレンズD差を求め、このレンズD差と、前記取得された患者データにおける患者角膜Dデータ及び第1角膜Dデータ間の差との積を前記第1レンズ矯正Dデータに加え、又は、減じて、修正レンズDデータを求め、この修正レンズDデータを有するオルソケラトロジーレンズを患者に用いるオルソケラトロジーレンズとすることを特徴とするオルソケラトロジーレンズの決定方法。
  6. 請求項において、
    前記第1レンズ矯正Dデータと第2レンズ矯正Dデータとの間のレンズD差ΔLが一定値以上のとき、ΔL/m=αL,mを3≦m≦10の整数とし、前記修正レンズDデータに、αL、2αL・・・mαLを各々加えたm種の矯正D、前記修正レンズDデータからαL、2αL・・・mαLを各々減じたm種の矯正Dの数値を算出する過程と、前記の2m種の矯正Dを各々有するテストレンズを作成する過程と、前記2m種のテストレンズを患者に装着し最適なテストレンズを治療に用いるオルソケラトロジーレンズとする過程と、を有することを特徴とするオルソケラトロジーレンズの決定方法。
  7. 請求項又はにおいて、
    前記データベース構築過程では、前記レンズD差に基づいて決定されたオルソケラトロジーレンズについての、レンズDデータ、患者データ及びステージデータを記憶して、レンズデータベースを構築することを特徴とするオルソケラトロジーレンズの決定方法。
  8. 請求項において、
    前記修正レンズDデータに基づいて、修正オルソケラトロジーレンズを製造するレンズ製造過程を有することを特徴とするオルソケラトロジーレンズの決定方法。
  9. 選定装置と、データベースサーバと、このデータベースサーバに接続されたレンズ決定サーバと、このレンズ決定サーバに接続可能な端末装置と、を有してなり、
    前記選定装置は、
    頭部を正立させた状態での患者の瞳孔を中心とする位置で、角膜に装着したオルソケラトロジーレンズを撮影し、角膜上を移動する状態の画像を連続的又は間欠的に取得するレンズ撮影カメラ、及び、前記レンズ撮影カメラにより得られた、前記オルソケラトロジーレンズが角膜上を移動する画像情報から、前記オルソケラトロジーレンズの少なくとも移動速度、移動方向のデータからなるレンズ移動データを検出するレンズ移動データ検出装置を含むレンズ移動データ取得装置と、前記取得されたレンズ移動データが一定範囲内か否かを判別し、一定範囲のオルソケラトロジーレンズを、患者に用いるに適したオルソケラトロジーレンズと判定する判定装置とを含み、前記患者に用いるに適したオルソケラトロジーレンズを登録レンズとして、該登録レンズについての、患者の角膜に接触する個所でのレンズ矯正Dのデータからなる登録レンズ矯正Dデータと、該接触する個所での矯正すべき角膜のDデータからなる登録角膜Dデータ、患者の角膜径データからなる登録角膜径データ及び登録瞳孔径データのうち少なくとも登録角膜Dデータを含む登録患者データと、前記登録レンズが、複数矯正段階における第1ステージ又は第2ステージ以降のいずれのステージで角膜に装着されたレンズかを示すデータからなる登録ステージデータと、を前記データベースサーバに出力するようにされ、
    前記データベースサーバは、
    前記登録レンズについての、前記登録患者データと、前記登録ステージデータと、を記憶して、データベースを構築するようにされ、
    前記端末装置は、
    者の矯正すべき角膜のDデータからなる患者角膜Dデータ、角膜径のデータからなる患者角膜径データ、瞳孔径のデータからなる患者瞳孔径データのうち少なくとも患者角膜Dデータを含む患者データを取得する患者データ取得装置、前記患者の矯正すべき角膜に対して、次のオルソケラトロジーレンズが、複数矯正段階における第1ステージで角膜に装着されるか又は第2ステージ以降のいずれのステージになるのかの患者ステージデータを取得する患者ステージデータ取得装置を含み、且つ、前記患者データ及び患者ステージデータを前記レンズ決定サーバへ送信可能とされ、
    前記レンズ決定サーバは、
    前記データベースから前記取得された患者角膜Dデータ、患者ステージデータに最も近い登録角膜Dデータ、同一の登録ステージデータを有する登録レンズを検出し、これを患者に用いるオルソケラトロジーレンズとして決定するように構成されたことを特徴とするオルソケラトロジーレンズの決定システム。
  10. 請求項9において、
    更に、
    前記選定装置は、前記登録レンズが近視矯正用かあるいは遠老視矯正用かを示すデータからなる登録近遠データを前記データベースサーバに出力するようにされ、
    前記データベースサーバは、前記登録近遠データを記憶して、データベースを構築するようにされ、
    前記端末装置は、レンズが近視矯正用かあるいは遠老視矯正用かを示すデータからなる患者近遠データを前記レンズ決定サーバへ送信可能とされ、
    前記レンズ決定サーバは、前記データベースから前記取得された患者角膜Dデータ及び患者近遠データ、患者ステージデータに最も近い登録角膜Dデータ、同一の登録近遠データ、登録ステージデータを有する登録レンズを検出し、これを患者に用いるオルソケラトロジーレンズとして決定するように構成されたことを特徴とするオルソケラトロジーレンズの決定システム。
  11. 請求項10において、
    前記判定装置は、前記移動速度が0を越えて10mm/秒以下、及び移動方向が瞳孔の鉛直下方の垂線から右又は左に6度以内の角度の条件が充足されるとき、患者に用いるオルソケラトロジーレンズとして選定するように構成されたことを特徴とするオルソケラトロジーレンズの決定システム。
  12. 請求項10又は11において、
    前記データベースサーバは、オルソケラトロジーレンズ装着前の角膜の患者角膜Dデータと装着されたオルソケラトロジーレンズの登録レンズ矯正Dデータとの差である角膜・レンズD差データを記憶して、レンズデータベースを構築するように構成されたことを特徴とするオルソケラトロジーレンズの決定システム。
  13. 請求項10乃至12のいずれかにおいて、
    前記レンズ決定サーバは、前記取得された患者角膜Dデータと、これに最も近い前記登録角膜Dデータとの差が一定値以上の場合、前記検出された登録レンズを第1レンズとし、前記取得された患者データにおける患者角膜Dデータに2番目に近い登録角膜Dデータを有する登録レンズを第2レンズとし、且つ、前記登録角膜Dデータ及び登録レンズ矯正Dデータを、前記第1レンズにおいては、第1角膜Dデータ及び第1レンズ矯正Dデータとし、前記第2レンズにおいては、第2角膜Dデータ及び第2レンズ矯正Dデータとし、
    前記第1角膜Dデータと第2角膜Dデータとの間の角膜D差データと、前記第1レンズ矯正Dデータと第2レンズ矯正Dデータとの間のレンズ矯正D差データとの比から、単位角膜矯正Dデータ差当たりのレンズ矯正D差を求め、このレンズ矯正D差と、前記取得された患者データにおける患者角膜Dデータ及び第1角膜Dデータ間の差との積を前記第1レンズ矯正Dデータに加え、又は、減じて、修正レンズ矯正Dデータを求め、この修正レンズ矯正Dデータを有するオルソケラトロジーレンズを患者に用いるオルソケラトロジーレンズとするように構成されたことを特徴とするオルソケラトロジーレンズの決定システム。
  14. 請求項13において、
    前記レンズ決定サーバは、前記第1レンズ矯正Dデータと第2レンズ矯正Dデータとの間のレンズD差ΔLが一定値以上のとき、ΔL/m=αL,mを3≦m≦10の整数とし、前記修正レンズ矯正Dに、αL、2αL・・・mαLを各々加えたm種の矯正D、前記修正レンズ矯正DからαL、2αL・・・mαLを各々減じたm種の矯正Dの数値を算出し、前記の2m種の矯正Dを各々有するテストレンズの製造用データを出力するようにされたことを特徴とするオルソケラトロジーレンズの決定システム。
  15. 請求項13において、
    前記データベースサーバは、前記レンズ矯正D差データに基づいて決定されたオルソケラトロジーレンズについての、修正レンズ矯正Dデータ、患者データ及び患者ステージデータを、各々登録レンズ矯正Dデータ、登録患者データ及び登録ステージデータとして記憶して、レンズデータベースを構築するように構成されたことを特徴とするオルソケラトロジーレンズの決定システム。
  16. 請求項10乃至15のいずれかにおいて、
    前記レンズ移動データ検出装置は画像解析装置であり、前記選定装置は、予め、移動速度、移動方向の許容値のデータが記憶されている中央制御装置である
    ことを特徴とするオルソケラトロジーレンズの決定システム。
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