JP5073377B2 - 眼科測定装置 - Google Patents

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本発明は、眼底撮影装置で撮影された眼底画像を基に眼底上での実距離を算出する眼科測定装置に関する。
近年、レーザ光線を病変部にスポット状に照射し、眼底に新生血管ができる加齢黄班変性症等の治療を行う光線力学的療法(以下、PDT)が知られている(特許文献1参照)。このPDTにおいては、適正な照射レーザ光のスポットサイズを形成することが求められる。このため、眼底カメラ等の眼底撮影装置で撮影した眼底像を表示手段に表示させ、表示手段に表示された画像上で病変部を指定し、患者眼(被検者眼)の視度、眼軸長、撮影条件等の眼底画像のサイズ変動要因に基づき眼底上での病変部の実距離を求める技術が、特許文献2にて知られている。なお、特許文献2に記載された技術は、それ以前から知られている特許文献3のものと実質的に同じである。
特開2000−60893号公報 特開2006−122160号公報 特開平10−179517号公報
眼底カメラにより撮影した眼底画像を基に眼底上の測定箇所(病変部等)の実距離を算出する際、患者眼が光学系の一部を成しているので、患者眼の光学特性と眼底カメラが持つ撮影光学系自体の撮影倍率に関係する情報が必要とされる。例えば、特許文献2では、被検者眼の眼底を撮影する眼底カメラの撮影倍率、眼底の共役位置に配置されたマスクの大きさ、被検者眼の光学特性等を一部取得して簡略的にモデル化した模型眼(モデル眼)等を用いて、眼底画像上の実距離を算出している。このような場合、模型眼を簡略して構築すると、被検者眼の視度が0ディオプター(以下、0Dと記載する)から大きく離れている際に、近視や遠視の状態が軸性のものか屈折性ものかによって眼底上の実距離に差が生じる。
また、特許文献2では、眼底カメラの光学特性と被検者眼の光学特性を合わせ上で、計算機を用いた光線追跡を行い、特許文献2の図2〜図5に示されるテーブルやグラフを得て、眼底上のある2点間の実距離算出に用いている。このような場合、眼底カメラを光学特性の異なる別の機種に置き換えた場合や、被検者眼を模擬する模型眼の構成を変更する場合に、再度、眼底カメラと被検者眼の光学特性を合わせた光線追跡が必要となり、作業が煩雑になる。
本発明は、上記従来装置の問題点に鑑み、眼底上の実距離を精度よく得ることのできる眼科測定装置を提供することを技術課題とする。また、眼底カメラや模型眼を変更しても、眼底上の実距離算出が簡単に得られる眼科測定装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 撮像素子が配置された撮影光学系を備える眼底撮影装置で撮影された眼底画像と,被検者眼の光学特性情報として視度,眼軸長,角膜曲率の少なくとも一つを入力する入力手段を備え、該入力情報に基づいて眼底上での実距離を計測する眼科測定装置において、
被検者眼の視度に関する前記撮影光学系のスケール変数C(α)であって,被検者眼の視度以外の光学特性に依存しないスケール変数C(α)を記憶する記憶手段と、
前記眼底撮影装置により得られる被検者眼の眼底画像の撮影倍率βを,前記スケール変数C(α)と被検者眼の眼底側主点から眼底までの距離の距離(物距離)dとに基づいて求め、求めた前記撮影倍率βに基づいて前記眼底画像の眼底上での実距離を演算する演算手段と、
を備え、
前記演算手段は、所定の眼球光学系モデルから導かれた前記物距離dに関する結像の関係式と前記入力手段により入力された光学特性情報に基づいて前記物距離dを求める
ことを特徴とする。
(2) (1)の眼科測定装置において、
前記スケール変数は、
眼底面に指標を有し視度の異なる複数種類の眼の模型を前記撮影光学系にて視度毎に撮影し,撮影された指標から得た撮影倍率を、前記眼の模型の指標を物点とした場合に各視度毎に定まる前記眼の模型の物側主点から指標までの距離で除することにより得られる視度の関数である、
ことを特徴とする眼科測定装置。
(3) (1)又は(2)の眼科測定装置において、
前記物距離dに関する結像の関係式は、
水晶体屈折力と角膜屈折力を分けた眼球光学系モデルから導かれ、
水晶体屈折力と角膜屈折力を分けたときの全屈折力に対する被検者眼の焦点距離f、被検者眼の眼底像側主点から眼底像までの距離(像距離)sとを含む関係式であって、前記入力手段により入力される視度、眼軸長、角膜曲率を変数として含み、
前記演算手段は視度、眼軸長、角膜曲率の内で前記入力手段により入力されない光学特性情報については、前記眼球光学系モデルの所定値を適用して前記物距離dを求める、
ことを特徴とする。
(4) (1)〜(3)の何れかの眼科測定装置において、
眼球光学系モデルから導かれた関係式には、
全屈折力に対する被検者眼の焦点距離f、被検者眼の眼底像側主点から眼底像までの距離(像距離)s及び物距離dの結像公式と、
像距離sと視度αの関係式と、
物距離dと眼軸長の関係式と、
角膜屈折力と水晶体屈折力を分けたときの焦点距離fの関係式と、
水晶体屈折力と角膜屈折力を分けたときの像側主点の関係式と、
水晶体屈折力と角膜屈折力を分けたときの物側主点の関係式と、
を含む、
ことを特徴とする。

本発明によれば、精度よく眼底上での実距離を得ることができる。また、眼底撮影装置や模型眼(眼球光学系モデル)を変更しても簡単に眼底上での実距離を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態である眼底画像処理装置(眼科測定装置)の構成を示す図である。
200は眼底画像処理装置であり、100は、眼底画像処理装置200と接続される被検者眼(患者眼)の眼底を撮影する撮影光学系を備える眼底カメラ(眼科撮影装置)である。眼底カメラ100では、可視光のフラッシュランプによる眼底照明により、カラー眼底像を撮影したり、血管造影用の蛍光剤を投与した被検者眼を撮影することで、蛍光造影された被検者眼眼底像を電子画像として取得する。101は、眼底カメラ100の本体に取り付けられたアゴ受けで、被検者眼(患者の顔)の固定をするための支えとなる。
眼底画像処理装置200は、電子計算機であるパーソナルコンピュータ(以下、PCと略す)で構成され、PCの本体であるPC本体210には、患者の識別コード(情報)や患者の眼底像等を記憶する記憶手段であるメモリ211(ハードディスク)と、患者の眼底像等を処理する演算手段であるCPU(中央演算処理装置)212が組み込まれる。PC本体210には、表示手段であるカラーのモニタ215や入力手段であるマウス216やキーボード217が接続される。
眼底画像処理装置200(PC本体210)と眼底カメラ100はケーブル201で接側される。先に説明したように、眼底カメラ100で得られた眼底画像は、CPU212が眼底像の入力指示を受けることで、メモリ211へと取り込まれる。次に、眼底カメラ100より取り込む眼底像の説明をする。なお、メモリ211への眼底画像の入力は、ケーブルに接続に限るものではなく、記憶媒体を用いた入力であってもよい。
図2は眼底カメラの一例の光学系概略図である。光学系は照明光学系1、撮影光学系2、観察光学系3を備える。
照明光学系1は、観察用光源である赤外LED10、コンデンサレンズ12、ダイクロイックミラー15、リングスリット16、撮影用光源であるフラッシュランプ13、リレーレンズ17a、ミラー18、中心部に小黒点を有する黒点板19、ビームスプリッタ48、リレーレンズ17b、穴開きミラー21、対物レンズ20、フォーカス指標投影光学系45を備える。
撮影光学系2は、対物レンズ20、穴開きミラー21の開口部、撮影絞り22、光軸方向に移動可能なフォーカスレンズ(フォーカシングレンズ)23、結像レンズ24、ハーフミラー(又はリターンミラー)25、リレーレンズ26、可視域に感度を有する撮像素子としてのカラーCCDカメラ27を備える(図では、撮像素子として略して描画した)。CCDカメラ27により撮影された眼底画像は、眼底カメラ100内の画像メモリ(図示せず)に静止画像として記憶される。観察光学系3は、撮影光学系2の対物レンズ20からハーフミラー25までを共用し、ハーフミラー25の反射方向にリレーレンズ30、赤外域に感度を有する観察用CCDカメラ32を備える。
また、フォーカスレンズ23の移動により被検者眼の視度が所定のフォーカス範囲から外れるときは、フォーカスを可能にするための補正レンズ28が撮影光学系2に配置される。撮影光学系2は、補正レンズ28が無い場合、−10D〜6Dの範囲が撮影可能であるとする。補正レンズ28としては、例えば、−9D〜−23Dの範囲を撮影可能とする第1補正レンズと、+5D〜+23Dの範囲を撮影可能とする第2補正レンズと、+22D〜+41Dの範囲を撮影可能とする第3補正レンズの3種類が用意される。
上記の眼底カメラ100の光学系は一例であり、メーカ(製造会社)によって撮影光学系2の構成が異なる。メーカ内でも眼底カメラの構成が異なる場合がある。また、撮影倍率は、眼底カメラにより撮影した眼底画像を基に眼底上の測定箇所(病変部等)の実距離を算出する際、被検者眼が光学系の一部を成しているので、被検者眼の光学特性と眼底カメラが持つ撮影光学系自体の撮影倍率に関係する情報が必要とされる。先に挙げた特許文献2では、被検者眼及び眼底カメラを一体とし、一つの光学系として被検者眼眼底上での実距離を算出する構成としている。
そこで、本発明の実施形態では、眼底カメラの撮影倍率及びフォーカスレンズ23の位置や補正レンズ28の有無に基づく撮影眼底像の倍率に関係する変数を本明細書ではスケール変数と定義し、眼底カメラの機種毎のスケール変数を算出する。さらに、被検者眼の光学特性を模型眼と測定情報から算出して、それぞれの値に基づいて眼底カメラで得られた被検者眼の眼底像の眼底上の実距離がいくつになるかを求める構成とする。以下に、その方法を説明する。
まず、眼底カメラのスケール変数を算出する方法を説明する。眼底カメラのメーカであれば、撮影光学系自体の撮影倍率に関係する情報については光学設計値より既知とされるが、光学設計値が不明な場合は、これを事前に得ておく必要がある。そこで、光学特性が既知で、視度が異なる模型眼を複数個用意し、撮影した模型眼の被写体(指標)の撮影倍率をそれぞれ算出して、各撮影倍率から眼底カメラ100の撮影光学系自体の撮影倍率に関する情報であるスケール変数を視度毎に得る。本明細書でいうスケール変数とは、眼底カメラ100の撮影光学系と被写体となる模型眼300(又は被検者眼)のそれぞれの光学特性により定まる視度毎の撮影倍率を、模型眼300の指標(眼底面)を物点とした場合に定まるレンズの物側主点から指標までの距離で割ることにより、模型眼や眼球の持つレンズの物側主点から指標までの距離に依存しない撮影光学系自体の有する光学倍率に関する情報とする。つまり、スケール変数は、模型眼300又は被検者眼の視度以外の光学特性に依存しない撮影光学系の撮影倍率を規定する情報である。ここで、物は指標であり、像は眼底カメラ100の撮像素子の受光面となる。以下の説明で、スケール変数が視度の関数となっているが、視度と、フォーカスレンズ23の位置や補正レンズ28が密接に関係しているため、スケール変数はフォーカスレンズ23の位置及び補正レンズ28の有無等に関する関数ともいえる。
以下に、撮影光学系自体の撮影倍率に関する情報(スケール変数)を取得する方法を説明する。まず、視度が異なる被写体となる指標を有した模型眼を複数個用意する。図3は、眼底カメラの光学倍率測定用の模型眼300である。図3(a)は模型眼300の外観斜視図、図3(b)は、模型眼頭部301の断面図、図3(c)は、模型眼300のレチクルを示したものである。模型眼300は、筒部材310に光学素子である平凸レンズ320や撮影時に指標となるレチクルを持つプレート330等を有する頭部301と、頭部301の下部に設けられ、頭部301を支えるために垂直方向に延びたシャフト302と、シャフト302が取り付けられ、シャフト302、301を支える基台303から構成される。基台303は、アゴ受け101に取り付けられる(詳細は略す)。プレート330に描画されたレチクル330aは、図3(c)に示すように、xy方向に延びた線分に対し、所定寸法の目盛が付されている。なお、プレート330は、ガラス等の透光体で形成されており、外部からの光によって、レチクル330aが平凸レンズ310から観察できる。
筒部材310は中空になっており、筒部材310の中央には、平凸レンズ320とプレート330の間に配置される中空状のスペーサ340が配置される。Nは、スペーサ340の、光軸方向の長さを示しており、長さNの異なるスペース340を取り替えることで、レンズ310とプレート330間の距離を変更できる。模型眼300は、人眼に近いサイズを考慮し、設計する。例えば、長さNは眼軸長の平均長さ、24mm前後、平凸レンズ320の曲率は平均的な角膜曲率である8mm前後、平凸レンズ320の屈折力は平均的な眼球の屈折力である60D(ティオプタ)程度とする。視度は、0Dの正視眼に対する屈折誤差を定義したものである。但し、撮影条件によって、これの値は大きく変更される場合がある。模型眼の特性を人眼に模擬することで、レチクル330aの撮影が行い易くなる。
模型眼300では、人眼と同様に角膜に平行に入る光が眼底上で結像する模型眼の視度を0D(ディオプタ)とする。スペーサ340の長さを変更することで、平凸レンズ320の主点Lsから、物点であるプレート330までの距離Sを変更し、仮想的に眼球の眼軸長を変更して軸性の近視、遠視を模擬させる。また、平凸レンズ320の曲率や屈折力を変更することで、屈折性の近視、遠視を模擬する。このような模型眼300を、例えば、−25Dから+25Dまで5D刻みで11通り用意しておく。このとき、模型眼300の視度は必ずしも5D刻みの増減でなくてもよく、視度に対する平凸レンズ320の主点Lsからプレート330までの距離Sが分かっていればよい。用意する模型眼300の視度は、補正レンズ28を使わない場合では、少なくとも異なる2つの視度とする。例えば、補正レンズなしの場合は、0D付近1つと、+6Dやー10D等の0Dから大きく離れた視度のいずれか1つの組合せか、もしくは、+6Dやー10D等の0Dから大きく離れた2つの組合せである。好ましくは、0D付近と、+6Dやー10D等の0Dから大きく離れた2つの視度の3点をそれぞれ用意すればよい。異なる補正レンズ28を用いる場合は、補正レンズ28の視度補正範囲に応じて、模型眼300を用意する。
なお、以上説明した実施形態では、スペーサ340を交換して、平凸レンズ310からプレート330までの距離を変更する構成としたが、これに限るものではない。スペーサ340の代わりに、ネジの回転により中空の筒部材が伸縮するような伸縮部材を配置し、その端面にレンズやプレートを接合して、軸長(レンズ主点からプレートまでの距離)がある範囲で任意に変更できる構成としてもよい。このようにすれば、視度を任意に設定せきる。軸長は、外部測定装置で測定することもできるし、伸縮部材に目盛等を付して、操作者が現在に軸長を分かるようにできる。
このようにして用意した模型眼300のレチクル330aを眼底カメラ100にて撮影する。レチクル330aの撮影を行うには、まず、前述のように光学特性のパラメータを用意した模型眼300を、それぞれアゴ受け101に設置する。次に、被検者眼の眼底撮影と同様に眼底カメラ100の光学系を移動させ、模型眼300にアライメントを合せる。このとき、模型眼300のパターンによって視度が異なるため、フォーカスレンズ23の移動によるフォーカシングを行い、プレート330上のレチクル330aの中心部にピントを合せて、レチクル330aを撮影する。このとき、フラッシュを用いず、外部光でプレート330を撮影する。
眼底カメラ100で撮影したレチクル330aのスケールを算出、測定する方法を説明する。撮影画像のスケールを得るためには、CCDカメラ27の1ピクセル(1画素)当りのサイズを得ておく。例えば、CCDの受光サイズを1900×1472ピクセルである場合、CCDの実寸(CCD自体のサイズ)が11.88×9.2mmであるとすると、1ピクセル当りのサイズは、CCD実寸/CCDの受光サイズとなり、9.2mm/1472ピクセル=6.25μmとなる。また、CCDカメラ27で取得した撮影画像は、モニタ215等で表示される際にサイズが変更される場合がある。このときの1ピクセル当りのサイズは、例えば、モニタ215上での表示サイズを820×635ピクセルとずれば、9.2mm/635ピクセル≒14.488μmとなる。
以上のようにして、1ピクセル当りのサイズを求め、レチクル330aの撮影画像に対し、レチクル330aの目盛1mmの間に、何ピクセル(何画素)含まれるかをカウントし、その長さを算出することで、模型眼300と撮影光学系2を含む全体の光学系の撮影倍率(光学倍率)が得られる。このようにして、撮影したレチクル330aの撮影倍率を模型眼毎に得る。次に得られた撮影倍率を、各模型眼330の距離S(模型眼300の総合的な屈折力を有するレンズ320の主点Lsから、レチクル330aまでの距離)で除算することにより、模型眼300の視度以外の光学特性をキャンセルし、フォーカスレンズ23の移動に伴う撮影光学系2のスケール変数C(α)が得られる。スケール変数の単位は、長さ(mm)の逆数となる。フォーカスレンズ23の移動は、模型眼300の視度(すなわち被検者眼の視度α)に対応しているので、ここで得られるスケール変数は視度毎に対応したものとされる。補正レンズ28の有無に伴うスケール変数の変化については、後述する。
図4は、それぞれの視度を有する眼底カメラ100のスケール変数をプロットしたグラフである。図4では、各補正レンズ毎に4点の視度におけるスケール変数が先に挙げた方法で算出され、一群としてプロットされる。各群のそれぞれ4点は、一次式の線形関数(又は2次式等)でフィッティングされる。このように、スケール変数が補正レンズ毎に用意される。
実際の眼底画像の実スケール計算においては、任意の被検者眼視度に対するスケール変数が必要である。従って、測定したデータ点から、撮影光学系で撮影可能な視度範囲について、視度を変数にしたスケール変数の関係を設定する。例えば、図5のように、視度に対するスケール変数の関数式を設定する。視度をα、スケール変数をC(α)と表記している。図4のラインは、データ点を線形フィッティングさせた結果である。フィッティング関数は、横軸を被検者眼の視度α、縦軸をスケール変数C(α)として、線形関数:C(α)=A+B×αと定義した。なお、関数によるフィッティングは、線形関数に限るものではなく、2次関数や3次関数であってもよい。用意する模型眼の視度が3つ以上であれば、2次関数や3次関数によるスケール変数のフィッティングができる。
以上のようにして得られた任意の各視度に対する撮影光学系2のスケール変数は眼底画像処理装置200のメモリ211に記憶され、後述する演算において、スケール変数を入力したCPU212により読み出され、演算に利用される。ここでは、スケール変数は、補正レンズ28の有無等を加味した4つの線形関数である。上記のように、関数式として記憶させる他、各視度に対するスケール変数のテーブルの形式で記憶させても良い。なお、光学倍率(撮影倍率)を得たい場合は、模型眼300の平凸レンズ320の主点Lsからプレート330までの距離Sを、スケール変数に乗算すればよい(後述の撮影倍率βに相当)。
次に、被検者眼の眼光学特性を模擬する模型眼(眼球光学系モデル、以下説明の簡便のため、被検者眼の眼光学特性を模擬するものを眼球モデルと呼ぶ)について説明する。本実施形態に用いる眼球モデルにはGullstrandの略式模型眼(調節休止時)を選択し、この眼球モデルをベースとして、水晶体屈折力と角膜屈折力を分けたときの全屈折力に対する被検者眼の焦点距離の関係式を含み、物点を眼底、像点を眼底像として、被検者眼の物側主点から眼底までの距離(物距離)に関する以下の関係式を導いた。
Figure 0005073377
図6は、本実施形態でも用いる眼球モデルの変数を示した模式図である。図6(a)は模型眼と変数の対応を示した図であり、図6(b)は結像関係を示した図である。式1で用いる変数は、L(被検者眼の眼軸長)、φLens (被検者眼の水晶体屈折力)、φK (被検者眼の角膜屈折力)、α(被検者眼の視度)、d(被検者眼の物(眼底)側主点から眼底までの距離、物距離)、s(被検者眼の像(眼底像)側主点から像点までの距離、像距離)、f(被検者眼の焦点距離)、Δi(被検者眼の像側主点位置)、Δo (被検者眼の物側主点位置)である。一方、定数は、n0 (=1、空気の屈折率)、n1(=1.336、前房の屈折率)、n3(=1.336、硝子体の屈折率)、d1 (=5.85mm、同格角膜から同格水晶体までの距離)、P0 (=3.047mm、眼底カメラの視度の基準位置、これは、角膜から瞳までの距離に相当する。つまり、眼底カメラの視度の基準をほぼ瞳位置とするための補正値となる)と定義する。なお、ここで言う「同格」とは、角膜や水晶体を薄肉レンズと置いた場合を指している。このとき、角膜屈折力φKは、被検者眼の角膜曲率(ケラト値)Rを用いて以下のような関係式で表せられる。
φK=(n1―n0)/R
このため、式1〜6の角膜屈折力φKを角膜曲率Rで記述することができる。図6(a)のn2は水晶体屈折率である。また、ここで、長さの単位は[mm](パワー:[/mm])、もしくは[m] (パワー:[/m]=[diopter](長さの逆数であり、Dと略記する))に統一して用いる(説明の簡便のため、本明細書では一部[/mm]と[D]を混在して用いる場合がある)。
以下に各式の説明をする。
式1: 焦点距離f、像距離s、物距離dから求められる薄肉レンズの結像関係式
式2: 像距離sと視度αの幾何学的関係式
式3: 物距離dと眼軸長Lの幾何学的関係式
式4: 眼球モデルから近軸光線追跡法により求まる焦点距離fを示す式
式5: 眼球モデルから近軸光線追跡法により求まる像側主点Δiを示す式
式6: 眼球モデルから近軸光線追跡法により求まる物側主点Δoを示す式
なお、上記6式の変数は、15個あり、このうち、5個は定数とした(n0、n1、n3、d1、P0)。残る10変数のうち、φKをRで記述し、9変数とする。6式の連立方程式を解くためには変数が6つである必要があり、9変数のうち、いずれか3変数を定数化する必要がある。9変数の中で計測可能なものは、レフラクトメータを用いて計測される被検者眼の視度α、ケラトメータを用いて計測される被検者眼の角膜曲率(ケラト)値Rや、Aモードの超音波診断装置等を用いて計測される被検者眼の眼軸長Lが挙げられる。
このようにして、模型眼を記述する式の変数を6つとし、6変数6式から連立方程式を解き、像距離dを求める。また、視度α、角膜曲率R、眼軸長Lの3変数のうちどの値が既知であるかどうか、つまり、測定情報の個数及び種類によって場合分けを行い、測定情報が得られなかったものは定数を当てはめて連立方程式を解き、物距離dを求める。ここで、物距離dは、模型眼300における平凸レンズ320の主点Lsからプレート330までの距離Sに相当する。本実施形態では、3変数の入力において、ユーザがどの値を入力するかを画面上で選択し、6つの入力条件を選択した後、必要な測定値(測定情報)を入力する構成とする。
次に、前述の3つの測定情報(光学特性情報)の有無(組合せ)によって、式1〜6を解いて物距離dを求める方法を説明する。以下に6つのパターン(場合分け)を定める。被検者眼の視度、眼軸長、角膜曲率の3つの測定情報を用いる第1パターン、視度、角膜曲率の2つの測定情報を用いる第2パターン、視度、眼軸長の2つの測定情報を用いる第3パターン、視度の測定情報のみを用い、視度が軸性依存による場合とする第4パターン又は視度が屈折性依存による場合とする第5パターンと、いずれの測定情報を用いない第6パターンとする。
<第1パターン:視度α、角膜曲率R、眼軸長Lを用いる>
3つの測定情報が既知となるため、それら視度、角膜曲率、眼軸長を用いて、前述の6式に代入し、以下の式7を導出し、物距離dを算出する。
Figure 0005073377
式7では、角膜屈折力φKと水晶体屈折力φLensをそれぞれ求めて、物距離dを算出している。
<第2パターン:視度α、角膜曲率Rを用いる>
ここでは、軸性の近視、遠視を想定し、水晶体屈折力φLensを平均的な固定値の0.02053[/mm]と置いて、以下の式8から物距離dを算出する。焦点距離f、像側主点ΔIは式4,5から算出する。
Figure 0005073377
焦点距離fは、角膜曲率Rと水晶体屈折力φLens(ここでは定数)の関数となっている。第2パターンを軸性としたのは、アジア系の人種には、軸性の近視、遠視が統計的に多いことによる。特に、アジア系の中高年では、軸性の近視が多いため、本実施形態で用いるPDTでの眼底上実距離算出方法には、軸性を選択した。なお、第2パターンにおいて、近視,遠視を屈折性とする場合は、眼軸長Lを24[mm]とすればよい(式は略す)。
<第3パターン:視度α、眼軸長Lを用いる>
ここでは、眼軸長Lが測定による定められため、物側主点Δoをー3.158[mm] と置いて、
以下の式9を導出し、物距離dを算出する。
Figure 0005073377
<第4パターン:視度αのみを用い、屈折異常を軸性とする>
ここでは、角膜曲率Rを平均的な固定値の7.8[mm]とし、水晶体屈折力φLensを平均的な固定値の0.02053[/mm]とし、式7に代入し、物距離dを算出する。
<第5パターン:視度αのみを用い、屈折異常を屈折性とする>
ここでは、角膜曲率Rを平均的な固定値の7.8[mm]とし、眼軸長Lを平均的な固定値の24[mm]とし、式8に代入し、物距離dを算出する。
なお、視度αしか用いない場合、上記の第4、第5パターンのように屈折異常を軸性、屈折性と場合分けしているが、場合分けを行わない場合は、屈折性のみとする。
<第6パターン:測定情報を用いない>
ここでは、視度αを固定値0[D]、角膜曲率Rを平均的な固定値の7.8[mm]とし、眼軸長Lを平均的な固定値の24[mm]とする。これらの定数に基づいて計算を行うと、物距離dは16.740[mm]と算出される。
なお、第2パターンにおいて、屈折異常を軸性依存としてたが、これに限るものではなく、被検者眼として想定する人種、年齢、性別等の条件により、屈折異常を屈折性としてもよい。また、同様に、いずれのパターンであっても、想定する被検者眼の条件、特徴によって、軸性や屈折性の条件を適宜変更したり、定数とする数値を適宜変更してもよい。
以上のようにして、視度α、角膜曲率R、眼軸長Lの測定情報を用い、6種類のパターンのいずれかに適合させて連立方程式若しくは定数式を立てて、物距離dを求める。
以上説明した6式(式1〜6)及び6種類のパターンに用いる記述式や各定数や固定値は、メモリ211に記憶される。式の演算は、CPU212により行われ、後述するパターンの選択に基づいて、CPU212が対応する式と定数に基づき、物側(眼底側)主点から眼底までの距離(物距離)dを算出する。このようにして、CPU212の演算により被検者眼の眼光学特性が算出(推定)される。算出された物距離dは、メモリ211に記憶される。
ここで、水晶体は眼内レンズ等に置換される場合があり、水晶体箇所に埋植される眼内レンズは各社毎に光学特性等が異なると共に、その配置位置も異なることが考えられる。このため、眼球モデルにおいて、水晶体を表現するパラメータは、被検者眼の光学特性を大きく左右する要素と考えられる。このため、本実施形態では、被検者眼の光学特性を模擬する模型眼に、水晶体屈折力を組み込む構成としている。なお、水晶体屈折力に加えて、水晶体前面、後面を加味した構成としてもよい。
次に、スケール変数が既知の眼底カメラで撮影した被検者眼の眼底上での実距離を算出する手順を説明する。以下の説明では、眼底カメラのスケール変数が、前述の手法で得られた場合、もしくは、眼底カメラの光学素子の特性や配置から設計的に得られた場合を考える。また、被検者眼の測定情報と前述の6式から物距離dが求められたとする。被検者眼の眼底から撮像光学系の撮像素子(CCDカメラ27)への光学系全体の撮影倍率(光学倍率)をβとすると、以下の式で記述される。
β=C(α)/d
撮影倍率βは、CPU212により算出され、取得される。そして、詳細は後述するが、眼底像上で指定された円の実際の直径やある2点間の実距離は、眼底像上の画素のピクセル数に基づいて算出された像上の距離に撮影倍率βを掛けることにより求められる。この演算もCPU212により成される。
次に、以上説明した構成に基づいて、眼底カメラ100により得られた眼底画像から眼底上の実距離を得る動作について説明する。ここでは、PDT(光線力学治療法)で照射するレーザのスポット径を算出する手順を説明する。
眼底カメラ100が持つ転送ボタン(図示せず)を押すことにより、眼底カメラ100により撮影された被検者眼(患者眼)の眼底画像が眼底画像処理装置200側に転送される。メモリ211には眼底画像が記憶(入力)され、モニタ215には眼底画像が表示される。つまり、CPU212,メモリ211により装置200に眼底画像が入力される。
図7は、モニタ215に表示された眼底像530を示す図である。操作者がマウスカーソル560で病変部540の周辺に沿って環状に複数の点をクリックして病変部540を特定すると、指定された点を結ぶことで病変部の領域581が設定される。そして、この領域581に外接する円583が描画される。外接円583の直径が病変部最大直径(GLD)となる。さらに、眼底上の実距離算出後に、この外接円583に直径1000μm(半径で500μm)を付加したスポット円584が描画される。このスポット円584が照射レーザのスポット径となる。これら一連の描画、演算はマウスカーソル560とCPU212により行われる。なお、病変部540の領域(領域581)の指定については、眼底像の輝度分布を基に画像処理によりCPU12が自動的に行う構成も可能である。
以上のようにして得られるスポット径(スポット円584の直径)は、眼底像530上での距離を示すものであり、被検者眼眼底上での実距離とはならない。以下に、得られたスポット径の距離を実距離に変換する手順を簡単に説明する。
図8は、データ入力ウインドウ800であり、入力パターン選択欄810、被検者眼の測定情報を入力するデータ入力欄820、補正レンズ選択欄830、スポット径表示欄840により構成される。データ入力ウインドウ800は操作者により起動され、モニタ15に表示される。操作者は、まず、入力パターン選択欄810から前述の6種類の入力パターンのいずれかを選択し、各パターンに応じて、事前に測定された被検者眼の視度α、眼軸長L、角膜曲率Rをデータ入力欄820に入力する。また、眼底カメラ100で被検者眼を撮影したときにの補正レンズ28の有無を補正レンズ選択欄830で入力する。必要となるデータのすべてが入力されると、スポット径表示欄840に、スポット円584の実距離上の直径が表示される。このとき、データ入力欄820で、入力待ちの欄のみがアクティブ状態とされる。データ入力ウインドウ800の選択及び入力に応じて、CPU212が、測定情報入力パターンの選択(入力)を行う。
CPU12は、パターン選択欄810で指定されたパターンに応じて、メモリ211から式を選択すると共に、データ入力欄820に入力された被検者眼の測定情報に基づき、前述の物距離dを算出する。また、CPU212は、補正レンズ選択欄840で入力(選択)された補正レンズ情報に基づいて、メモリ211から撮影光学系2のスケール変数C(α)を呼び出し、スケール変数C(α)を物距離dで割って、眼底カメラ及び被検者眼で構成される全体の光学系の撮影倍率βを求める。そして、CPU212は、外接円583の直径を撮影倍率βで割ることにより、外接円583の実距離を算出し、外接円583に1000μmを追加し、スポット円584を描画する。その後、CPU212により実距離が得られたスポット円584の直径が表示欄840に表示される。操作者は、表示されたスポット円584の直径に合わせて、PDTで用いるレーザ光のスポッチ径を設定し、被検者眼(患者眼)の治療を行う。
このように、水晶体屈折力と角膜屈折力を分離した6式を用いて眼底像上の実距離を算出することにより、眼底実距離測定の精度が向上する。本実施形態では、水晶体屈折力は角膜屈折力に依存しないパラメータであるため、水晶体屈折力と角膜屈折力を合わせた一枚の薄肉レンズで眼球モデルをつくる従来例と比べて、被検者眼の眼光学特性のモデリング精度が高い。例えば、被検者眼の視度が0Dから大きく離れる場合に、本実施形態の眼球モデルの方が従来例と比べて、角膜曲率Rに左右されにくい眼球モデリングが可能となる。
また、被検者眼の眼球モデリングに、略式の模型眼を用いることで、水晶体、角膜をそれぞれ一枚の薄肉レンズで模擬するため、眼球モデルでの計算が簡素化される。これにより、計算式を複雑にすることなく、眼底上の実距離算出には充分な精度の模型眼を得ることができる。
さらにまた、眼底カメラ100の撮影倍率及び被検者眼の視度αに基づく光学特性の変化に起因する眼底カメラ100の光学特性をスケール変数として算出すると共に、被検者眼の眼球を前述の模型眼(眼球モデル)で模擬し、被検者眼の光学特性を算出して、スケール変数と被検者眼の光学特性の基づいて、眼底像上の実距離を算出する構成としたことにより、眼底カメラ100が別の機種(メーカの異なる装置)に置き換えられる場合やCCDカメラ27やリレーレンズ26が他のユニットに置き換えられる場合、被検者眼の模型眼が別のモデルに置き換えられる場合であっても、他方のパラメータには手を加えることなく、眼底上の実距離測定が行える。
なお、実距離の算出においては、特開2006−122160号公報にあるように、視度αと眼軸長Lとの関係、又は視度αと角膜曲率Rとの関係、スケール変数C(α)の関係から撮影倍率βが決定されるテーブルを予め作成し、これをメモリ211に記憶させておいても良い。また、他の測定情報のパターンに対応するテーブルを作成してメモリ211に記憶させてもよい。なお、本実施形態では、データ入力ウインドウ800で、被検者眼の視度αの測定値を入力する構成としたが、これに限るものではない。例えば、フォーカスレンズ23の位置(移動)情報や補正レンズ28の情報を眼底カメラ100のメモリ(図示せず)等に記憶し、その情報をメモリ211等に転送する構成とする。実距離算出の際に必要となる視度をフォーカスレンズ23等の情報に基づいて算出する構成としてもよい。なお、フォーカスレンズ23等の位置に基づいて算出される被検者眼の視度と、レフラクトメータで算出される被検者眼の視度には多少の誤差があるため、この誤差を適宜補正する。例えば、それぞれの測定での基準位置をシフトさせるため、基準値を一方の測定値に加算若しくは減算する等である。
なお、以上説明した本実施形態では、模型眼の構築において、6つの記述式に対して、6つの変数とする構成としたが、これに限るものではない。変数は高々6つ(6つ以下)であればよく、記述式の数以下であればよい。また、被検者眼の模型眼の構築には、Gullstrandの略式模型眼を用いることに限るものではない。周知のLeGrandの模型眼など、前述のように、水晶体屈折力に関連の強いパラメータを含む模型眼(眼球モデル)であればいずれのものであってもよい。
なお、以上説明した本実施形態では、被検者眼眼底上の病変部をマウスカーソル560で指定し、作成されたスポット円584の直径を算出する構成としたがこれに限るものではない。マウスカーソル560で指定した2点間の距離を出す構成としてもよい。また、マウスカーソル560や画像処理にて、病変部840を囲む図形を作成し、その図形の眼底上での実際の面積を算出する構成としてもよい。
本発明の実施形態である眼底画像処理装置の構成を示す図である。 眼底カメラの一例の光学系概略図である。 眼底カメラの光学倍率測定用の模型眼300を示す図である。 眼底カメラ100のスケール変数をプロットしたグラフである。 視度に対するスケール変数の関数式を示す図である。 模型眼の各変数や結像関係を説明する図である。 モニタ215に表示された眼底像530を示す図である。 データ入力ウインドウ800である。
符号の説明
100 眼底カメラ
200 眼底画像処理装置
300 模型眼
211 メモリ
212 CPU
320 平凸レンズ
330 プレート
330a レチクル
540 病変部

Claims (4)

  1. 撮像素子が配置された撮影光学系を備える眼底撮影装置で撮影された眼底画像と,被検者眼の光学特性情報として視度,眼軸長,角膜曲率の少なくとも一つを入力する入力手段を備え、該入力情報に基づいて眼底上での実距離を計測する眼科測定装置において、
    被検者眼の視度に関する前記撮影光学系のスケール変数C(α)であって,被検者眼の視度以外の光学特性に依存しないスケール変数C(α)を記憶する記憶手段と、
    前記眼底撮影装置により得られる被検者眼の眼底画像の撮影倍率βを,前記スケール変数C(α)と被検者眼の眼底側主点から眼底までの距離の距離(物距離)dとに基づいて求め、求めた前記撮影倍率βに基づいて前記眼底画像の眼底上での実距離を演算する演算手段と、
    を備え、
    前記演算手段は、所定の眼球光学系モデルから導かれた前記物距離dに関する結像の関係式と前記入力手段により入力された光学特性情報に基づいて前記物距離dを求める
    ことを特徴とする眼科測定装置。
  2. 請求項1の眼科測定装置において、
    前記スケール変数は、
    眼底面に指標を有し視度の異なる複数種類の眼の模型を前記撮影光学系にて視度毎に撮影し,撮影された指標から得た撮影倍率を、前記眼の模型の指標を物点とした場合に各視度毎に定まる前記眼の模型の物側主点から指標までの距離で除することにより得られる視度の関数である、
    ことを特徴とする眼科測定装置。
  3. 請求項1又は2の眼科測定装置において、
    前記物距離dに関する結像の関係式は、
    水晶体屈折力と角膜屈折力を分けた眼球光学系モデルから導かれ、
    水晶体屈折力と角膜屈折力を分けたときの全屈折力に対する被検者眼の焦点距離f、被検者眼の眼底像側主点から眼底像までの距離(像距離)sとを含む関係式であって、前記入力手段により入力される視度、眼軸長、角膜曲率を変数として含み、
    前記演算手段は視度、眼軸長、角膜曲率の内で前記入力手段により入力されない光学特性情報については、前記眼球光学系モデルの所定値を適用して前記物距離dを求める、
    ことを特徴とする眼科測定装置。
  4. 請求項1〜3の何れかの眼科測定装置において、
    眼球光学系モデルから導かれた関係式には、
    全屈折力に対する被検者眼の焦点距離f、被検者眼の眼底像側主点から眼底像までの距離(像距離)s及び物距離dの結像公式と、
    像距離sと視度αの関係式と、
    物距離dと眼軸長の関係式と、
    角膜屈折力と水晶体屈折力を分けたときの焦点距離fの関係式と、
    水晶体屈折力と角膜屈折力を分けたときの像側主点の関係式と、
    水晶体屈折力と角膜屈折力を分けたときの物側主点の関係式と、
    を含む、
    ことを特徴とする眼科測定装置。
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