以下、本実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。
<第1実施形態>
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置10の要部構成を示す概略側面図である。
本実施の形態に係る画像形成装置10は、図1に示すように、記録媒体を給紙する給紙装置12、給紙装置12から給紙された記録媒体に画像を形成する画像形成部14、画像形成部14によって画像が形成された記録媒体を収容する収容装置16、受付装置19、、及び給紙装置12、画像形成部14、収容装置16、受付装置19の各々を制御する制御装置18を備えている。
給紙装置12は、連続記録媒体、すなわち連続した長尺の記録媒体を画像形成部14に供給する。連続記録媒体としては例えば紙、フィルム状シート等、トナー像が定着するものであればよく、本実施形態では、一例として、連続紙Pを用いるものとする。
収容装置16は画像形成部14によって画像形成された連続紙Pを収容する。
連続紙Pとしては、例えば、PP(ポリプロピレン)等の合成樹脂やグラシン紙や上質紙等の紙からなり、図2に示すように、一般的には台紙としての役割をもち使用時に廃棄される剥離紙51上に、中間層として糊等の粘着材料からなる粘着層52を介して最上層に設けられる表面基材53が粘着された所謂ラベル紙が用いられる。この表面基材53に図柄や文字が印刷されて使用される。このラベル紙5は、その用途にもよるが、例えば、表面基材53側が画像形成面である表面(外周面)に位置するようにロール状に巻かれたロール紙として配置されている。
給紙装置12には、連続紙Pを例えば円筒形状に巻き取った給紙ロール20を充填する場所が設けられており、図示しない駆動手段によって給紙ロール20が回転駆動されて、連続紙Pが画像形成部14へ供給される。
そして、給紙ロール20の周辺には、給紙ロール20のロール径を計測することで給紙ロール20に巻き取られている連続紙Pの残量を計測するロール径センサ47が設けられている。なお、ロール径センサ47は接触型、非接触型を問わず、何れの方式を用いたセンサであってもよい。
なお、本実施の形態における給紙装置12にはロール径センサ47が設けられているが、ロール径センサ47は必ずしも必須ではない。例えば、ロール径センサ47を設置する替わりに、給紙装置12に給紙ロール20を充填する際、ユーザが後述する受付装置19から給紙ロール20のロール径情報を入力するようにしてもよい。
また、収容装置16には、図示しない駆動手段により回転駆動させることで、画像形成部14によって表面基材53に画像が形成された連続紙Pをロール状に巻き取る収容ロール22が設けられている。
画像形成部14は、画像情報に基づいて、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、及びブラック(K)色の4色のトナーを用いた画像を連続紙Pに形成する。画像形成部14には、現像剤を構成するトナーで現像されたトナー像を転写ベルト44上に形成する作像装置24と、転写ベルト44上に形成されたトナー像を連続紙Pに転写する中間転写装置26と、連続紙P上に転写されたトナー像を定着させる定着装置28等を備えている。
作像装置24は、Y、M、C、Kの各色のトナー像をそれぞれ専用に形成する4つの作像装置24Y、24M、24C、24Kで構成されている。
各作像装置24は、図3に示すように、回転する像保持体の一例としての感光体ドラム30を各々備えている。各感光体ドラム30の周囲には、後述する帯電装置32、露光装置34、現像装置36、一次転写装置38、及び清掃装置40等が設けられている。
感光体ドラム30は、接地処理された円筒状または円柱状の基材を含んで構成され、基材の周面に感光材料を含んだ光導電性層(感光層)を有する像保持面が形成されている。また、感光体ドラム30は、図示しない駆動装置によって動力が伝達されて回転するように支持されている。
帯電装置32は、感光体ドラム30に接触した状態で配置される接触型の帯電ロール32Aを含んで構成され、感光体ドラム30の周面を帯電させる。帯電装置32には帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置36が反転現像を行うものである場合、その現像装置36から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧または電流が供給される。
露光装置34は、帯電された感光体ドラム30の周面に画像情報に基づく光を照射して感光体ドラム30の周面に静電潜像を形成する。
現像装置36は、露光装置34によって感光体ドラム30の周面に形成された静電潜像を各々対応する色の現像剤のトナーで現像してトナー像を生成する。現像装置36は、図示は省略するが、現像剤を感光体ドラム30と向き合う現像領域まで搬送する現像ロールと、現像剤を攪拌しながら現像ロールに供給するように搬送するスクリューオーガー等の攪拌搬送部材と、現像ロールに保持される現像剤の量を規制する層厚規制部材などを配置して構成されている。この現像装置36には、現像ロールと感光体ドラム30の間に現像用電圧が印加されるようになっている。また、現像ロールや攪拌搬送部材は、図示しない回転駆動装置からの動力が伝達されて予め定めた方向に回転する。なお、現像剤としては、例えば、非磁性トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤が使用される。また、現像装置36に供給されるトナーは、図1に示すように、各色のトナーを含む現像剤を収容したトナーカートリッジ42から供給される。
一次転写装置38は、例えば、感光体ドラム30の周面に接触して回転すると共に、一次転写用電圧が供給される一次転写ロール38Aを備えた接触型の転写装置とされる。一次転写ロール38Aに一次転写用電圧が供給されることにより、感光体ドラム30に形成された各色のトナー像が中間転写装置26に転写される。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性の直流電流が供給される。
また、清掃装置40は、一次転写後における感光体ドラム30の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除く。本実施の形態では、清掃装置40には、感光体ドラム30に接触するブレード41が設けられており、このブレード41によって感光体ドラム30の周面に付着した付着物が取り除かれるようになっている。
中間転写装置26は、図1に示すように、各作像装置(24Y、24M、24C、24K)24の下方位置に配置されている。本実施形態に係る中間転写装置26は、感光体ドラム30と一次転写装置38とにより形成された間隙であって、感光体ドラム30に形成されたトナー像を転写ベルト44に転写する位置である一次転写位置を通過しながら図矢印A方向に回転する転写ベルト44と、転写ベルト44を回転自在に支持する支持ローラ26A、26Bと、転写ベルト44に転写されたトナー像を更に連続紙Pに転写する二次転写装置46と、を含んでいる。
更に、中間転写装置26は、図示は省略するが転写ベルト44が二次転写装置46を通過した後、転写ベルト44の外周面に残留して付着するトナーや、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルト清掃装置を備えている。
転写ベルト44としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。
図4は二次転写装置46の構成を示した図であり、二次転写装置46は、支持ローラ26A、26Bと共に転写ベルト44を回転自在に支持するバックアップロール26Cと、転写ベルト44及び連続紙Pを挟んでバックアップロール26Cと対向する位置に設けられた二次転写ロール46Aと、バックアップロール26C及び二次転写ロール46A(以下、ロール対という)に可変直流電圧を印加する二次転写電源25Aと、二次転写電源25Aからロール対に電圧を印加した際にロール対を流れる電流を検知する電流計25Bを含んで構成される。
二次転写電源25Aがロール対に印加する電圧は、後述する制御装置18により、極性、電圧値及び印加時間が調整される。そして、二次転写電源25Aの一端は基準電位であるグランド電位(ここでは、0V)に接続される。一方、二次転写電源25Aの他端は電流計25Bと直列に接続された上で、バックアップロール26Cの中心部分に位置する金属シャフトに接続される。また、二次転写ロール46Aの中心部分に位置する金属シャフトはグランド電位に接続される。
なお、二次転写装置46は、二次転写電源25Aから印加される直流電圧に交流成分を重畳する交流電源を含むようにして、ロール対に印加される電圧を交流重畳電圧としてもよい。
定着装置28は、表面温度が予め定められた温度に保持されるよう加熱手段によって加熱されるロール形態又はベルト形態の加熱用回転体28Aと、この加熱用回転体28Aに予め定めた圧力で接触して回転するロール形態又はベルト形態の加圧用回転体28Bなどを配置して構成されている。定着装置28では、二次転写装置46によって連続紙Pに転写されたトナー像が加熱及び加圧されることにより、定着処理が行われる。
また、定着装置28の連続紙Pの搬送方向下流側には、連続紙Pに転写されたトナー像の濃度を検出するための濃度センサ27が設けられており、濃度センサ27の濃度検出結果に基づいて、トナーの供給量が制御されるようになっている。
更に、画像形成部14は、例えば、画像形成動作環境における温度を計測する温度計11及び画像形成動作環境における湿度を計測する湿度計13を含んでいる。なお、本実施形態に係る画像形成部14は温度計11及び湿度計13を備えるものとしたが、温度計11及び湿度計13は必ずしも画像形成部14に必須ではなく、また、温度計11及び湿度計13の少なくとも何れか一方を含むようにしてもよい。
更に、温度計11及び湿度計13は画像形成部14の内部環境の計測に限らず、例えば、画像形成装置10が設置されている場所の環境、すなわち、画像形成装置10の外部環境を計測するようにしてもよい。
受付装置19は、例えば、ソフトウェアプログラムによって操作指示の受け付けを実現する表示ボタンや各種情報が表示されるタッチパネル式の図示しないディスプレイ、及び、テンキーやスタートボタンなどの図示しないハードウェアキー等を含んで構成されている。そして、ユーザは受付装置19を介して、画像形成装置10に対して画像形成に関する指示や、画像形成に関する各種情報の入力及び取得を行う。
続いて、画像形成装置10による画像形成動作について説明する。
画像形成装置10は、ユーザによって指定された画像情報の画像形成開始要求を受け付けると、作像装置24Y、24M、24C、24K、中間転写装置26、二次転写装置46、及び定着装置28等を始動する。
そして、各色の作像装置24においては、まず感光体ドラム30が回転して、帯電装置32によって感光体ドラム30の表面が予め定めた極性及び電位にそれぞれ帯電される。なお、本実施形態に係る感光体ドラム30の表面は、例えば負極に帯電されるものとする。
続いて、露光装置34によって帯電後の感光体ドラム30の表面に対して、画像情報に基づいた光を照射することで、光が照射された部分の電荷が消滅して、各色の感光体ドラム30上にはそれぞれYMCK各色の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
続いて、各色の現像装置36によって、感光体ドラム30に形成された静電潜像に、予め定めた極性、例えば負極に帯電したトナーがそれぞれ供給されると、静電潜像にトナーが静電的に付着して静電潜像が現像される。これにより、感光体ドラム30に形成された各色成分の静電潜像が、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y、M、C、K)のトナー像として顕像化される。
続いて、感光体ドラム30上に形成された各色のトナー像が一次転写位置まで搬送されると、一次転写装置38によって、各色のトナー像が順番に重ね合わされながら転写ベルト44に転写される。
また、一次転写が終了した各作像装置24では、清掃装置40によって感光体ドラム30の表面に残留するトナー等の付着物が除去される。
続いて、中間転写装置26は、転写ベルト44を回転させて一次転写されたトナー像を二次転写装置46に搬送する。そして、転写ベルト44に形成されたトナー像が、バックアップロール26Cと二次転写ロール46Aとにより形成された間隙位置(二次転写位置)まで搬送されたタイミングで、トナー像を連続紙Pの表面基材53に転写する方向の電界を発生させるバイアス電圧(正規バイアス電圧)を二次転写電源25Aからロール対に対して印加する。
この際、転写ベルト44に形成されたトナー像が、転写ベルト44と共にロール対に挟まれて搬送される連続紙Pに二次転写される。
二次転写が終了した中間転写装置26では、図示しないベルト清掃装置によって、二次転写後の転写ベルト44の表面に残留したトナー等の付着物が除去される。
続いて、トナー像が二次転写された連続紙Pは、定着装置28まで搬送されて、定着装置28によって定着処理が行われることにより連続紙Pにトナー像が定着される。そして、定着処理が終了した後の連続紙Pは、画像形成部14から排出されて、収容装置16の収容ロール22に巻き取られる。
以上の画像形成動作により、ユーザによって指定された画像情報に対応したトナー像が形成された連続紙Pが出力される。
こうした画像形成動作を実施する本実施形態に係る画像形成装置10の制御装置18は、図5に示すように、例えばコンピュータ18として構成される。コンピュータ18は、CPU(Central Processing Unit)18A、ROM(Read Only Memory)18B、RAM(Random Access Memory)18C、不揮発性メモリ18D、及び入出力インターフェース(I/O)18Eがバス18Fを介して各々接続された構成であり、I/O18Eには温度計11、給紙装置12、湿度計13、画像形成部14、収容装置16、受付装置19、濃度センサ27及び通信回線I/F29が接続され、それぞれコンピュータ18と相互にデータ通信を行う。
通信回線I/F29は図示しない通信回線に接続され、当該通信回線に接続されている図示しないパーソナルコンピュータ等の端末装置と、相互にデータ通信を行うためのインターフェースである。この図示しない通信回線は有線回線及び無線回線の何れであってもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置10では、例えば受付装置19から連続紙Pに形成する画像情報の指定等を受け付けるようにしたが、通信回線I/F29を介して、図示しない通信回線に接続された図示しない端末装置から画像情報の指定等を受け付けるようにしてもよい。
給紙装置12には更にロール径センサ47が接続され、コンピュータ18と相互にデータ通信を行う。
また、画像形成部14は、感光体ドラム30や帯電装置32等を含む作像装置24、二次転写装置46及び定着装置28に接続されると共に、二次転写装置46は、更に二次転写電源25A及び電流計25Bに接続され、それぞれコンピュータ18と相互にデータ通信を行う。
このように、二次転写装置46を用いて連続紙Pにトナー像を転写する方式の画像形成装置10では、例えばA3やA4といった予め定めた規格サイズにカットされた用紙(カット紙)にトナー像を転写する場合と比較して、紙間が存在しない等の理由から、単位時間あたりの二次転写装置46に正規バイアス電圧を印加する時間の割合が大きくなる傾向が見られる。従って、カット紙にトナー像を転写する場合と比較して、二次転写の際に二次転写ロール46Aに付着するトナー量も増加する傾向が見られる。
この際、記録媒体として連続紙Pを使用しているため、二次転写ロール46Aに付着するトナーは、二次転写ロール46Aの連続紙Pの搬送方向と直交する方向、すなわち二次転写ロール46Aの幅方向において、連続紙Pが搬送されている領域(記録媒体搬送領域)以外の領域、例えば連続紙Pに覆われていない二次転写ロール46Aの両端部により集中して付着することが考えられる。従って、例えば、給紙装置12に収容されている連続紙Pを現在の連続紙Pより幅の広い連続紙P1に交換した場合、二次転写の際に連続紙P1の裏面側である剥離紙51に二次転写ロール46Aに付着したトナーが付着し、連続紙P1が汚れてしまう場合が考えられる。
この場合、トナーによる二次転写ロール46Aの汚染対策として、感光体ドラム30のように、二次転写ロール46A表面に接触して二次転写ロール46Aに付着したトナーを除去するブレードを設けるという方法が考えられる。
しかし、記録媒体として連続紙Pを使用しているため、二次転写ロール46Aの記録媒体搬送領域に付着するトナー量は、例えば二次転写ロール46Aの両端部といった、二次転写ロール46Aの記録媒体搬送領域以外の領域に付着するトナー量と比較して少なくなる。トナーは潤滑剤としての機能も有することから、ブレードが二次転写ロール46Aの周面を接触しながらトナーを除去する際、二次転写ロール46Aの記録媒体搬送領域に対応したブレード部分がめくれてしまい、二次転写ロール46Aに対する十分なクリーニング効果が発揮されない場合が考えられる。
そこで以下では、図6を参照して、連続紙Pに画像を形成する前に、トナーによる二次転写ロール46Aの汚れを低減させる画像形成プログラムを実行することにより、画像形成時に二次転写ロール46Aに付着したトナーが連続紙Pに付着することによって生じる連続紙Pのトナー汚れを低減させる画像形成装置10の作用に関して詳細に説明する。
図6は、例えば受付装置19を介してユーザによって指定された画像情報に対応したトナー像を連続紙Pに転写していない期間(非画像転写期間)に、制御装置18のCPU18Aにより実行される二次転写ロール46Aのクリーニング処理に対する画像形成プログラムの流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは例えばROM18Bの予め定められた領域に予め記憶されており、例えばユーザからプログラムの実行指示を受け付ける毎にCPU18Aにより実行される。
なお、画像形成プログラムは、ROM18Bに予めインストールされて提供される形態に限られず、CD−ROMやメモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された状態で提供される形態、通信回線I/F29を介して有線又は無線により配信される形態等であってもよい。
まず、ステップS10では、給紙装置12、画像形成部14、及び収容装置16内の図示しない駆動手段を制御して、給紙装置12に充填されている連続紙Pの一端を、収容装置16の収容ロール22によって巻き取られる位置まで搬送し、画像形成に係る準備を実施する。この処理により、連続紙Pが二次転写位置に供給され、連続紙Pがバックアップロール26C及び二次転写ロール46Aに挟まれた状態となる。
ステップS20では、例えば、不揮発性メモリ18Dから、不揮発性メモリ18Dの予め定めた領域に予め記憶されているロール対に印加するバイアス電圧の極性、電圧値、及びバイアス電圧印加時間に関する情報であるバイアス電圧情報を読み出し、二次転写電源25Aに設定する。このバイアス電圧情報は、例えば、画像形成装置10の実機による実験やコンピュータシミュレーション等により予め定められた情報である。
なお、本実施形態に係るバイアス電圧情報には、例えばトナー像を連続紙Pの表面基材53から剥離する方向の電界を発生させる極性のバイアス電圧(逆バイアス電圧)の情報が設定されているものとするが、これに限らず、バイアス電圧情報に正規バイアス電圧の情報を設定してもよい。
更に、ステップS20では、RAM18Cの予め定めた領域に記憶されるバイアス電圧印加回数を0に初期化する。
ステップS30では、二次転写電源25Aに対して、設定されたバイアス電圧情報に基づいて、ロール対に対してバイアス電圧を印加するよう制御すると共に、RAM18Cの予め定めた領域に記憶されたバイアス電圧印加回数を1増加させる。この処理によって、ロール対に逆バイアス電圧が印加されて、二次転写ロール46Aに付着するトナーが二次転写ロール46Aから剥離する。
ステップS40では、例えば、不揮発性メモリ18Dから、不揮発性メモリ18Dの予め定めた領域に予め記憶されている規定バイアス電圧印加回数を読み出し、RAM18Cに記憶されているバイアス電圧印加回数が規定バイアス電圧印加回数以上であるか否かを判定する。判定結果が肯定判定の場合には本画像形成プログラムを終了する。一方、否定判定の場合には、ステップS50に移行する。
なお、規定バイアス電圧印加回数は、例えば、画像形成装置10の実機による実験やコンピュータシミュレーション等により予め定められた回数であって、二次転写ロール46Aに付着するトナーを除去するのに必要なバイアス印加回数が設定される。
ステップS50では、バイアス電圧の極性が、ステップS30でロール対に印加したバイアス電圧と異なる極性となるように、二次転写電源25Aに設定する。
通常、トナーは負極に帯電しているが、例えば、二次転写の際に繰り返しバイアス電圧が印加されること等により、正極に帯電するトナーの割合が徐々に高くなる。そのため、二次転写ロール46Aに付着したトナーには負極に帯電したトナーだけでなく、正極に帯電したトナーも含まれる。
すなわち、ステップS30で正規バイアス電圧及び逆バイアス電圧の何れか一方のバイアス電圧をロール対に印加しただけでは、二次転写ロール46Aに付着したトナーを除去しきれない状況が考えられる。そこで、ステップS50で、バイアス電圧の極性が、ステップS30でロール対に印加したバイアス電圧と異なる極性となるように二次転写電源25Aの極性を設定する。なお、二次転写電源25Aに対して設定するバイアス電圧の電圧値及びバイアス電圧印加時間については、ステップS30でロール対に印加したバイアス電圧と異なるようにしてもよいし、引き続き同じ値を用いるようにしてもよい。
そして、ステップS30で、ステップS50によって設定された極性のバイアス電圧がロール対に印加される。
このように、ステップS30〜ステップS50の処理が規定バイアス電圧印加回数に達するまで繰り返し実施されることにより、極性の異なるバイアス電圧が交互にロール対に印加され、二次転写ロール46Aに付着する正負両極に帯電したトナーが、二次転写ロール46Aから剥離される。こうした非画像転写期間中にロール対に印加されるバイアス電圧で、且つ、極性が交互に変化するバイアス電圧を特にクリーニング電圧という。
図7は、図6に示した画像形成プログラムを実行した際の二次転写ロール46Aの汚染量の変化を示したグラフである。図6の縦軸は二次転写ロール46Aの汚染量を表し、横軸は時間経過を表している。
実験結果90は、二次転写ロール46Aに金属シャフトに化学繊維を巻きつけたクリーニングブラシを設けた上で、図6のフローチャートに従って、二次転写ロール46Aに正規バイアス電圧及び逆バイアス電圧を交互に印加した際の二次転写ロール46Aの汚染量の変化を示している。なお、二次転写ロール46Aに印加する正規バイアス電圧及び逆バイアス電圧の電圧値の大きさは同じにした上で、期間T1、T3、及びT5では逆バイアス電圧を二次転写ロール46Aに印加し、期間T2及びT4では正規バイアス電圧を二次転写ロール46Aに印加した。
実験結果90より、二次転写ロール46Aに正規バイアス電圧及び逆バイアス電圧を交互に印加するにつれて、二次転写ロール46Aの汚染量が低下することがわかる。二次転写ロール46Aの汚染量が0.04以下であれば、二次転写ロール46Aによる連続紙Pのトナー汚れが目立たない範囲内であるとみなせるため、本実施形態に係る画像形成プログラムの実施により、十分なクリーニング効果が認められる。
実験結果92も実験結果90と同様に、図6のフローチャートに従って、二次転写ロール46Aに正規バイアス電圧及び逆バイアス電圧を交互に印加した際の二次転写ロール46Aの汚染量の変化を示したものであるが、実験結果92は二次転写ロール46Aにクリーニングブラシを設けた上で、正規バイアス電圧及び逆バイアス電圧を1秒毎に交互に印加した結果を示したものである。なお、この際、二次転写ロール46Aに印加した正規バイアス電圧及び逆バイアス電圧の電圧値の大きさは200Vppとした。
実験結果92では、二次転写ロール46Aにバイアス電圧を印加して7秒後、すなわちバイアス電圧の極性を7回変化させた後に、二次転写ロール46Aの汚染量が0.01未満となり、実験結果90と比較して、より短時間に二次転写ロール46Aのクリーニング効果が現れている。
以上の結果から、二次転写ロール46Aに印加するバイアス電圧の印加時間を長くするよりも、極性を交互に変化させたバイアス電圧の印加回数を増やした方が、二次転写ロール46Aのクリーニング効果がより向上することがわかる。
このように本実施形態によれば、非画像転写期間に交互に極性が変化するバイアス電圧を二次転写ロール46Aに印加することで、二次転写ロール46Aに付着するトナーが剥離され、連続紙Pのトナー汚れが低減する。
なお、本実施形態に係る画像処理プログラムは、ユーザによって指定された画像情報の画像形成開始要求を受け付け、画像情報に対応したトナー像を連続紙Pに形成する画像転写期間以外の期間、すなわち非画像転写期間であれば何れのタイミングで実行してもよく、例えば、画像転写期間の前後の少なくとも一方のタイミングで実施するようにすればよい。
<第2実施形態>
第1実施形態では、予め定めたバイアス電圧情報に基づいてロール対に印加するバイアス電圧の大きさを設定したが、本実施形態では、例えば二次転写装置46に係る物理特性の変化や、記録媒体として使用する連続紙Pの属性に応じて、ロール対に印加するバイアス電圧の大きさを変化させる形態について説明する。なお、本実施形態に係る画像形成装置10の構成は、第1実施形態のものと同様とする。
図8は、例えば非画像転写期間に制御装置18のCPU18Aにより実行される、二次転写ロール46Aのクリーニング処理に対する画像形成プログラムの流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは例えばROM18Bの予め定められた領域に予め記憶されており、例えばユーザからプログラムの実行指示を受け付ける毎にCPU18Aにより実行される。
本実施形態に係る画像形成プログラムが第1実施形態と異なる点は、ステップS10とステップS20の間に、ステップS100〜ステップS140の各処理が追加されている点である。
ステップS100では、例えば、不揮発性メモリ18Dから、不揮発性メモリ18Dの予め定めた領域に予め記憶されている、ロール対間の抵抗値を算出するための電圧である抵抗取得電圧情報を読み出し、二次転写電源25Aに設定する。この抵抗取得電圧情報には、例えばロール対に印加する電圧の極性、電圧値、及び電圧印加時間等が記憶されている。
そして、二次転写電源25Aから、抵抗取得電圧情報に指定されている電圧印加時間に亘って、抵抗取得電圧情報に指定されている電圧の極性及び電圧値を有する抵抗取得電圧をロール対に印加する。
ステップS110では、ステップS100で二次転写電源25Aからロール対に印加した抵抗取得電圧によってロール対に流れる検知電流を検知するように電流計25Bを制御する。そして、ステップS100で二次転写電源25Aに設定した抵抗取得電圧の電圧値と検知電流の電流値とに基づいて、ロール対間の抵抗値を算出すると共に、当該抵抗値を例えばRAM18Cの予め定めた領域に記憶する。
なお、本処理によって得られるロール対間の抵抗値は、ステップS10の処理で、既に連続紙Pがロール対に挟まれた状態となっていることから、連続紙Pを含めたロール対間の抵抗値を表している。
ステップS120では、例えばステップS10の処理のタイミングで、受付装置19を介してユーザが予め入力した連続紙Pの用紙種別情報(普通紙、エンボス紙、コート紙等の情報)、連続紙Pの搬送方向と直交する連続紙Pの幅方向の長さに関する幅情報、及び転写面情報(転写面が連続紙Pの表面なのか裏面なのかを示す情報)等を含む連続紙Pの属性情報を取得する。
本実施形態では、属性情報を例えば受付装置19を介して受け付けるものとしたが、これに限らず、通信回線I/F29を介して、図示しない通信回線に接続された図示しない端末装置から受け付けるようにしてもよい。更に、例えば、連続紙Pの幅方向の長さを検知するセンサ等を画像形成装置10に配置する等、連続紙Pの各種属性情報を検知するセンサの出力として受け付けるようにしてもよい。
なお、連続紙Pの属性情報は用紙種別情報、幅情報、及び転写面情報に限定されない。例えば連続紙Pの紙厚等、連続紙Pに関する特性を表すものは連続紙Pの属性情報に含まれる。
ステップS130では、ロール径センサ47によって給紙装置12に充填されている給紙ロール20のロール径を取得する。これは画像形成装置10の動作環境、特に湿度が同じ場合であっても、連続紙Pの残量を示す給紙ロール20のロール径に応じて連続紙Pに含まれる湿度が変化するためである。
ステップS140では、温度計11及び湿度計13によって、画像形成装置10の動作環境における環境情報である温度及び湿度を取得する。
そして、ステップS20では、ステップS110の処理で取得したロール対間の抵抗値、ステップS120の処理で取得した連続紙Pの属性情報、ステップS130の処理で取得した給紙ロール20のロール径、及びステップS140の処理で取得した画像形成装置10の動作環境における温湿度情報に基づいて、バイアス電圧設定テーブルを参照してロール対に印加するバイアス電圧の電圧値を設定する。
ここでバイアス電圧設定テーブルとは、例えば、連続紙Pの属性情報、給紙ロール20のロール径、及び温湿度等の環境情報といった、バイアス電圧の電圧値を設定するための情報である電圧設定情報、並びにロール対間の抵抗値に応じて、二次転写ロール46Aのクリーニング効果をより向上させるためのバイアス電圧の電圧値が記載されたテーブルであり、例えば不揮発性メモリ18Dの予め定めた領域に予め記憶されている。
なお、バイアス電圧設定テーブルは、電圧設定情報が同じ条件の下では、ロール対間の抵抗値が大きくなるに従って、ロール対に印加するバイアス電圧の電圧値が大きくなるように設定される。
そして、バイアス電圧設定テーブルを参照して得られたバイアス電圧の電圧値を、バイアス電圧情報に設定されている電圧値の替わりに二次転写電源25Aに設定することで、画像形成装置10の動作状況に応じたバイアス電圧が設定される。
このように本実施形態によれば、画像形成装置10の動作状況に応じてロール対に印加するバイアス電圧の電圧値が設定されるため、バイアス電圧の電圧値を固定した場合と比較して、二次転写ロール46Aのクリーニング効果がより向上することが期待される。
なお、本実施形態では、ロール対間の抵抗値及び電圧設定情報の両方を用いて、ロール対に印加するバイアス電圧の電圧値を設定したが、ロール対間の抵抗値及び電圧設定情報の少なくとも一方を用いて、ロール対に印加するバイアス電圧の電圧値を設定するようにしてもよい。
また、電圧設定情報として、連続紙Pの属性情報、給紙ロール20のロール径、及び温湿度等の環境情報をそれぞれ取得する必要はなく、これらのうち少なくとも1つの情報を用いて、ロール対に印加するバイアス電圧の電圧値を設定するようにしてもよい。
更に、本実施形態では、バイアス電圧設定テーブルを参照して、ロール対間の抵抗値及び電圧設定情報の少なくとも一方に基づいたバイアス電圧の電圧値を取得したが、加えてロール対間の抵抗値及び電圧設定情報の少なくとも一方に基づいたバイアス電圧の印加時間を取得するようにしてもよい。この場合、バイアス電圧設定テーブルには、ロール対間の抵抗値及び電圧設定情報の少なくとも一方に応じたバイアス電圧の電圧値及び印加時間を記載しておけばよい。
<第3実施形態>
画像形成装置10では、部品の経時劣化等により、画像情報によって指示された濃度と、画像情報に基づき実際に連続紙Pに形成されたトナー像の濃度との間で差異等を生じる場合が考えられる。そのため、画像形成装置10は濃度調整処理を実施する場合がある。
濃度調整処理の一例としては、非画像転写期間に予め定めた濃度の濃度調整用パッチを連続紙P上に形成して、濃度センサ27によって濃度調整用パッチの実際の濃度を取得する。そして、連続紙Pに形成された実際の濃度調整用パッチの濃度が予め定めた画像調整用パッチの濃度に近づくように、例えば、トナーカートリッジ42から現像装置36へトナーを供給するオーガーを駆動する図示しないモーターの回転時間を制御して、現像装置36へのトナー供給量等を調整する。
第1実施形態では、二次転写ロール46Aのクリーニング処理を単独で実施するようにしたが、本実施形態では、上記で説明した濃度調整処理と合わせて二次転写ロール46Aのクリーニング処理を実施する形態について説明する。なお、本実施形態に係る画像形成装置10の構成は、第1実施形態のものと同様とする。
図9は、例えば非画像転写期間に制御装置18のCPU18Aにより実行される二次転写ロール46Aのクリーニング処理に対する画像形成プログラムの流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは例えばROM18Bの予め定められた領域に予め記憶されており、例えばユーザからプログラムの実行指示を受け付ける毎にCPU18Aにより実行される。
本実施形態に係る画像形成プログラムが第1実施形態と異なる点は、ステップS200として濃度調整用パッチの形成処理が新たに追加されると共に、ステップS20の処理がステップS210〜ステップS230で置き換えられた点と、濃度調整処理の終了を判定するステップS35の処理が新たに追加された点である。
ステップS200では、画像形成装置10の濃度調整を実施するため、転写ベルト44上に濃度調整用パッチを形成する。
図10(A)は、転写ベルト44に形成された濃度調整用パッチ94の一例を示した図である。濃度調整用パッチ94は、不揮発性メモリ18Dの予め定めた領域に予め記憶されている予め定めた濃度に基づいて転写ベルト44に形成されたトナー像であり、本実施形態の場合、例えば、転写ベルト44の搬送方向と直交する転写ベルト44の幅方向に、100%濃度のYMCK各色の濃度調整用パッチ94が並んだ濃度調整用パッチ列が2列形成される。
なお、濃度調整用パッチ列の列数は2列に限定されるものではなく、1列であっても3列以上であってもよい。また、濃度調整用パッチ94の濃度も100%に限定されるものではなく、例えば濃度調整用パッチ列毎に濃度調整用パッチ94の濃度を変えるようにしてもよい。
また、ステップS200では、不揮発性メモリ18Dに予め記憶されているバイアス電圧情報を読み出すと共に、バイアス電圧印加回数を0に初期化しておく。
ステップS210では、二次転写位置に濃度調整用パッチ列が搬送されたか否かを判定し、肯定判定の場合にはステップS220に移行し、否定判定の場合にはステップS230に移行する。
二次転写位置に濃度調整用パッチ列が搬送されたか否かの判定は、例えば、転写ベルト44に濃度調整用パッチ列が形成されてからのバックアップロール26Cの回転角等から判定すればよい。
ステップS220では、ロール対に印加されるバイアス電圧が正規バイアス電圧となるように、二次転写電源25Aにバイアス電圧の極性を設定すると共に、バイアス電圧情報によって指定されたバイアス電圧の電圧値及びバイアス電圧印加時間を二次転写電源25Aに設定する。
なお、濃度調整用パッチ列が二次転写位置を通過する際にロール対に印加するバイアス電圧を正規バイアス電圧とするのは、濃度調整用パッチ列を連続紙Pに転写するためである。
ステップS230では、バイアス電圧の極性が、直前にロール対に印加したバイアス電圧と異なる極性となるように、二次転写電源25Aにバイアス電圧の極性を設定すると共に、バイアス電圧情報によって指定されたバイアス電圧の電圧値及びバイアス電圧印加時間を二次転写電源25Aに設定する。
すなわち、直前にロール対に印加したバイアス電圧が正規バイアス電圧であれば、ロール対に逆バイアス電圧が印加されるように設定され、直前にロール対に印加したバイアス電圧が逆バイアス電圧であれば、ロール対に正規バイアス電圧が印加されるように設定される。
なお、転写ベルト44に濃度調整用パッチ列を形成してから1度もロール対にバイアス電圧が印加されていない場合には、バイアス電圧の極性を正負どちらに設定してもよく、この場合、例えばバイアス電圧の極性が、ステップS200で読み出したバイアス電圧情報に設定されているバイアス電圧の極性となるように、二次転写電源25Aに設定する。
そして、ステップS30では、ステップS220又はステップS230で二次転写電源25Aに設定したバイアス電圧の情報に基づいてロール対にバイアス電圧を印加するよう二次転写電源25Aを制御すると共に、バイアス電圧印加回数を1増加させる。
ステップS35では、濃度調整処理が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合にはステップS40に移行して、既に第1実施形態で説明したステップS30〜ステップS50の処理を実施する。一方、否定判定の場合にはステップS210に移行して、濃度調整処理が終了するまで、二次転写位置への濃度調整用パッチの搬送状況に応じて設定した極性のバイアス電圧をロール対に印加する処理を繰り返す。
本実施形態の場合、例えば、濃度調整用パッチ列が2列とも二次転写位置まで搬送されていない場合は否定判定となる。
図10(B)は、図10(A)に示した濃度調整用パッチ94に対して、図9に示した画像形成プログラムを実施した場合のロール対に印加されるバイアス電圧の波形を示した図である。
図10(B)の縦軸はロール対に印加したバイアス電圧の極性及び電圧値を表し、横軸は時間経過を表している。また、期間TPは二次転写位置に濃度調整用パッチ列が搬送された期間を示し、期間TNは二次転写位置に濃度調整用パッチ列が搬送されていない期間を表している。
図10(B)から、本実施形態に係る画像形成プログラムを実施した場合であっても、ロール対に正規バイアス電圧及び逆バイアス電圧が交互に印加されることがわかる。この際、二次転写位置に濃度調整用パッチ列が搬送されたタイミングでロール対に正規バイアス電圧が印加されるため、濃度調整用パッチ94が連続紙Pに転写される。
そして、制御装置18は、濃度センサ27によって検出した連続紙Pに形成された濃度調整用パッチ94の濃度と、予め定めた濃度との差分が小さくなるように、トナーカートリッジ42から現像装置36へトナーを供給するオーガーを駆動する図示しないモーターの回転時間を制御して、濃度調整処理を実施する。
なお、図10(B)に示すように、逆バイアス電圧の電圧値は固定値とせず、逆バイアス電圧印加回数が増加するにつれて、逆バイアス電圧の電圧値が徐々に増加するように二次転写電源25Aを制御してもよい。
このように本実施形態によれば、濃度調整処理と二次転写ロール46Aのクリーニング処理とを並行して実施する。
従って、濃度調整処理と二次転写ロール46Aのクリーニング処理との実施期間が重ならないようにした場合と比較して、ユーザによって指定された画像情報に対応したトナー像の画像形成に用いられずに無駄になる連続紙Pの長さが短くなる。
なお、本実施形態に係る二次転写ロール46Aのクリーニング処理に用いるバイアス電圧に関して、第2実施形態で示したように、画像形成装置10の動作状況に応じて電圧値及び印加時間を設定してもよいことは言うまでもない。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記実施の形態では、二次転写ロール46Aのクリーニング処理制御をソフトウエア構成によって実現した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば当該クリーニング処理制御をハードウェア構成により実現する形態としてもよい。
この場合の形態例としては、例えば、制御装置18と同一の処理を実行する機能デバイスを作成して用いる形態がある。この場合は、上記実施の形態に比較して、処理の高速化が期待される。