したがって、本発明は好ましくは上述の不利点の1つ又は複数を単独で又は任意の組合せで軽減、緩和又は排除することを目指す。
本発明の態様によれば、ワイヤレス誘導電力信号を介して送電器から電力伝達を受信するための受電器を含むワイヤレス電力伝達システムのための送電器が提供され、
送電器は、ワイヤレス誘導電力信号を生成するための送信電力インダクタと、試験モードにあるときに、受電器が試験モードで動作しているときのワイヤレス誘導電力信号の期待負荷とのワイヤレス誘導電力信号の第1の測定負荷の比較に応じて異物検出推定値を生成するように構成され、試験モードで動作するときの受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷が、電力伝達段階の間、電力伝達モードで動作するときの受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷に対して制約される第1の検出器と、異物検出推定値が異物が存在しないことを示すときに、送電器及び受電器の少なくとも1つを電力伝達モードに入れるためのコントローラと、電力伝達モードにあるときに、閾値を超える寄生電力損失推定値に応じて電力伝達のための寄生電力損失検出を生成するように構成される第2の検出器と、異物が存在しないことを示す前記異物検出推定値に従って前記電力伝達段階に入る初期時間間隔の間、電力伝達段階のための作動パラメータ値に応じて寄生電力損失検出の第1のパラメータの適合を初期化し、前記電力伝達段階のままで前記パラメータの前記適合を終了させる較正ユニットとを備える。
手法は多くのシナリオで改善された動作を提供してもよい。特に、多くの実施形態において、それは改善されたユーザ体験を許容してもよく、そしてそれどころか、多くの実施形態において、それは異物の許容できない加熱の非常に低い危険性を維持すると共に、不必要な電力伝達終了の低減した危険性を許容してもよい。寄生電力損失又は異物検出を改善するために必要とされるユーザ関与は多くの実施形態において低減されてもよい。
手法は、異なる動作モードでワイヤレス誘導電力信号から電力を引き出す異物の潜在的な検出を見込んでもよい。詳細には、異物が存在するかどうかの評価が試験モード及び電力伝達モードの両方で行われることができる。しかしながら、試験モードにあるときに、受電器動作は制約され、これはワイヤレス誘導電力信号への受電器の動作影響の不確実性を低減させてもよい。制約された動作は、詳細には受電器に起因するワイヤレス誘導電力信号の負荷の不確実性を低減してもよいより予測可能なシナリオを提供してもよい。これは他の潜在的な負荷の検出をより確実にし、且つ詳細には異物による潜在的な負荷の検出をより確実にしてもよい。したがって、典型的に、異物が存在するかどうかの検出は電力伝達モードより試験モードで著しく確実且つ/又は正確である。
試験モードの検出信頼性は電力伝達モードより著しく高くてもよい。詳細には、寄生電力損失検出器はそのような制約に依存しないのに対して、異物検出器は制約されている受電器の動作に基づいてもよい。
試験モード異物検出を実行し、そしてこの検出の結果を条件として電力伝達段階に入る手法が電力段階の間の寄生電力損失検出器の信頼性を更に改善してもよい。また、電力伝達段階に入る初期時間間隔における作動パラメータ値に基づくが、この初期時間間隔外の電力伝達段階の作動パラメータ値に基づかずに寄生電力損失検出を適合させることが、寄生電力損失検出の確実な較正が行われるのを許容し、それによって検出信頼性を上昇させる。
例えば、試験モードの間の非常に確実な検出のため、任意の異物を検出しないことが電力伝達段階が異物の存在なしで初期化されることを確実にすると典型的に仮定されることができる。したがって、電力伝達段階の初期特性は異物が存在しないことに対応すると仮定されることができる。寄生電力損失検出によって生成される初期測定性質は異物が存在しないことに対応すると仮定されてもよく、そしてしたがって寄生電力損失は基準又は較正値として初期測定性質を好ましくは使用することができる。寄生電力損失検出はしたがって電力伝達モードに入るときに初期測定性質に応じてもよい。これはより正確な検出を提供してもよい。したがって、多くのシナリオで、手法は、寄生電力損失検出が絶対値に基づく必要があるが、その代わりに相対的性質に完全に又は部分的に基づくことができることを回避してもよい。
較正/適合手法は改善された性能を提供してもよく、且つ多くのシナリオで改善された信頼性及び/又は上昇した故障保護/検出を許容してもよい。手法は特に改善された寄生電力損失検出を許容してもよく、且つこれが個々のシナリオ及び/又は実施形態の具体的な特性に適合されるのを許容してもよい。
手法は、試験モードのより正確な異物検出が、システムが電力伝達モードに入るときに異物が存在しないという高い確実度を提供してもよいという事実を利用してもよい。電力伝達モード/電力伝達段階の初期化での特性はしたがって、異物が存在しないシナリオを反映するとみなされることができる。寄生電力損失検出をこれらの特性に適合させることによって、異物の存在によって引き起こされる偏差の改善された検出が達成されることができる。
適合は、現在の電力伝達動作のために使用されるだけである適合などの短期適合でもよい。これは、例えば、装置の相対的位置付けが異なるかもしれない以降の電力伝達動作のための性能に影響を及ぼすことなく現在の動作のために送電器に対する受電器の特定の位置への適合を許容してもよい。
多くの実施形態において、適合は、典型的に現在の電力伝達モード動作のため同様将来の電力伝達モード動作のためにパラメータを適合させる長期適合でもよい。適合は送電器及び受電器対に特有でもよい。
寄生電力損失の検出は、詳細には寄生電力損失(例えば送信電力及び受信電力推定値から推定される)が閾値(詳細には範囲の上限)を超えることを検出したことでもよい。寄生電力損失検出器はしたがって、求めた寄生電力損失が閾値を超えれば、寄生電力損失検出を生成してもよい。寄生電力損失が電力伝達モードに入った後に初期時間間隔の間に検出されれば、この閾値は例えば検出の感度を低下させるために増加されて、結果としてより少ない「偽陽性」になってもよい。
代替的に又は追加的に、推定寄生電力損失(例えば送信電力及び受信電力推定値から推定される)があまりにはるかに閾値より下であることが検出されれば、閾値は検出の感度を上昇させるために低減されて、異物によって引き起こされる寄生電力損失が検出されない非検出を防止してもよい。
適合は、初期時間間隔の間の特性に応じて、寄生電力損失検出器によって行われる寄生電力損失検出動作を、検出確率が低下されるように寄生電力損失を検出するように適合させてもよい。とりわけ、誤検出確率が低減される。これは詳細には閾値を超える寄生電力損失推定値を検出することによって達成されてもよい。
代替的に又は追加的に、適合は、初期時間間隔の間の特性に応じて、寄生電力損失検出器によって行われる寄生電力損失検出動作を、検出確率が上昇されるように寄生電力損失を検出するように適合させてもよい。とりわけ、過剰な電力損失の検出を見のがす確率が低減されてもよい。これは詳細には閾値を下回る寄生電力損失推定値を検出することによって達成されてもよい。
寄生電力損失検出器は電力伝達モードの間、連続的に寄生電力損失検出アルゴリズムを行うように構成されてもよい。適合は寄生電力損失検出アルゴリズムを将来の電力伝達のために適合させてもよい。
ワイヤレス電力伝達システム/送電器は初期時間間隔後に電力伝達段階のままでもよい。したがって、少なくとも幾つかの電力伝達段階の間、初期時間間隔は電力伝達段階の継続時間より短いであろう。それどころか、しばしばそれははるかにより短いであろうし、例えば初期時間間隔は、電力伝達段階が何分も又は潜在的に数時間続く一方、2〜30秒続いてもよい。
システムが試験モードにあるときに、ワイヤレス誘導電力信号の電力は電力伝達段階にあるときの最大許容電力に対して実質的に低減されてもよい。例えば、多くのシナリオで試験モードにあるときのワイヤレス誘導電力信号の最大電力は、電力伝達段階にあるときの最大許容電力の、例えば10%又は25%未満であるように制限されてもよい。
受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷は電力伝達モードに対して試験モードで制約されてもよい。受電器の負荷は多くの実施形態において試験モードで制約されてもよい。詳細には、受電器の負荷は電力伝達モードより試験モードでより小さい範囲に制約されてもよい。多くの実施形態において、試験の間の受電器の負荷は所定の(固定)負荷に制約されてもよい。負荷は詳細にはゼロでもよく、即ち受電器負荷は試験モードの間、切断されてもよい。
多くの実施形態において、受電器の負荷は予め定められ、且つ/又はワイヤレス電力伝達信号の電力は試験モードにあるときに閾値より下に限定される。閾値は例えば1Wより下でもよい。多くの実施形態において、閾値はワイヤレス誘導電力信号の最大電力レベル(電力伝達モードにあるとき)のほんの50%、又は幾つかの実施形態において20%若しくは10%でしかない。多くの実施形態において、受電器は試験モードにあるときに負荷変調を行わないように構成される。
多くの実施形態において、異物検出推定値は異物が検出されたこと又は異物が検出されなかったこといずれかを示す2値推定値でもよい。
寄生電力損失は電力信号から消失される任意の電力でもよく、それは受電器によっては消失されない。
寄生電力損失の検出は、詳細には寄生電力損失(例えば送信電力及び受信電力推定値から推定される)が閾値(詳細には範囲の上限)を超えることを検出したことでもよい。寄生電力損失検出器はしたがって、求めた寄生電力損失が閾値を超えれば、寄生電力損失検出を生成してもよい。
幾つかの実施形態において、異物検出推定値は寄生電力損失検出のためと同じ手法を使用して生成されてもよいが、但し例えば決定基準は受電器の制約された動作を反映するように変更される。
受電器/送電器は試験モードから直接に電力伝達モードに入ってもよいか、又は1つ若しくは複数の介在動作モードを介して入ってもよい。
コントローラは送電器の動作モードを直接制御することによって送電器を電力伝達モードに入れてもよいか、又は例えば結果として送電器が電力伝達モードにあることになる工程を初期化することによって送電器を電力伝達モードに入れてもよい。例えば、コントローラは、外部実体(受電器など)にメッセージを送信して、結果として送電器が電力伝達モードに入ることができる動作を外部実体に行わせる、例えば外部実体が送電器にメッセージを送信してこれに電力伝達モードに入らせることによって、送電器を電力伝達モードに入れてもよい。
コントローラは、例えば受電器にメッセージを送信して、結果としてこれが電力伝達モードに入ることによって、受電器を電力伝達モードに入れてもよい。
異物検出を行うときに、異物検出器は受電器が試験モードで動作していると仮定する。詳細には、異物検出器は、受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷が電力伝達モードで動作するときの受電器によるワイヤレス誘導電力信号の(許容)負荷に対して制約されると仮定する。詳細には、受電器が試験モードで動作しているときに、受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷のためのダイナミックレンジは、受電器が電力伝達段階の間、電力伝達モードで動作しているときのこれによるワイヤレス誘導電力信号の負荷のための(許容)ダイナミックレンジに対して制約される(と仮定される)。
多くの実施形態において、異物検出推定値は寄生電力損失推定値でもよい。それは多くのシナリオで第1の測定負荷を示す推定値と受電器が試験モードで動作しているときのワイヤレス誘導電力信号の期待負荷を示す値との間の距離尺度として求められてもよい。異物検出は多くの実施形態において寄生電力損失検出でもよく、そして同様に多くの実施形態において、寄生電力損失検出は異物検出のために使用されてもよい。したがって、多くのシナリオで、第1の検出器の異物検出は第1の寄生電力損失検出と同義でもよく、そして異物検出推定値は第1の寄生電力損失推定値(第2の検出器が第2の寄生電力損失推定値を使用して第2の寄生電力損失検出を行う)と同義でもよい。同様に、多くの実施形態において、第1の検出器は第1の異物検出を行ってもよく、そして第2の検出器の寄生電力損失検出は第2の異物検出と同義でもよく、そして寄生電力損失推定値は第2の異物検出推定値と同義でもよい。
受電器が試験モードで動作しているときのワイヤレス誘導電力信号の期待負荷は、受電器が電力伝達モードで動作しているときのワイヤレス誘導電力信号の期待負荷と比較して制限される。多くの実施形態において、受電器が試験モードで動作しているときのワイヤレス誘導電力信号の期待負荷のダイナミックレンジは、受電器が電力伝達モードで動作しているときのワイヤレス誘導電力信号の期待負荷のダイナミックレンジと比較してより小さい(しばしば2、3又は5倍だけ)。多くの実施形態において、受電器が電力伝達モードで動作しているときのワイヤレス誘導電力信号の期待負荷は所定の負荷でもよく(且つ受電器及び送電器の両方で本来的に知られていてもよい)。
多くの実施形態において、寄生電力損失推定値は送信電力尺度及び受信電力尺度に適用される差尺度から生成されてもよく、送信電力尺度は送電器によって送信インダクタ/ワイヤレス誘導電力信号に提供される電力を示し、そして受信電力尺度は受電器によってワイヤレス誘導電力信号から引き出される電力を示す。受信電力尺度及び/又は送信電力尺度はそれぞれ受電器及び送電器において生成され、そして適切な外部又は内部通信リンクによって第2の検出器に通信されてもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、送電器は受電器に試験モード要求を送信するための通信機を更に備え、試験モード要求が、受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷が電力伝達段階の間、電力伝達モードで動作するときの受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷に対して制約される試験モードに受電器が入るための要求を提供する。
これは多くの実施形態において効率的な且つ改善された動作を提供してもよい。特に、それは送電器の試験モード動作を受電器と同調させるための効率的な手法を許容してもよい。それは詳細には、より正確な異物検出が制約されている負荷に基づいて行われることができる試験モードに入るように送電器が受電器を制御するのを許容してもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、送電器は受電器から試験モード開始メッセージを受信するための通信機を更に備え、試験モード開始指示が、受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷が電力伝達段階の間、電力伝達モードで動作するときの受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷に対して制約される試験モードに受電器が入ることを示し、異物検出器が、試験モード開始メッセージを受信したことに応じて異物検出を行うように構成される。
これは多くの実施形態において効率的な且つ改善された動作を提供してもよい。特に、それは送電器の試験モード動作を受電器と同調させるための効率的な手法を許容してもよい。それは詳細には、より正確な異物検出が制約されている負荷に基づいて行われることができる試験モードに入るように受電器が送電器を制御するのを許容してもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、作動パラメータ値は初期時間間隔内の測定値から求められる受信電力推定値及び送信電力推定値の少なくとも1つを含む。
これは特に効率的な性能を提供してもよい。送信電力推定値は送電器によって送信インダクタ/ワイヤレス誘導電力信号に提供される電力を示してもよい。受信電力推定値は受電器によってワイヤレス誘導電力信号から引き出される電力を示してもよい。受信電力推定値及び/又は送信電力推定値はそれぞれ受電器及び送電器において生成され、そして適切な外部又は内部通信リンクによって第2の検出器に通信されてもよい。
幾つかの実施形態において、コントローラは、作動パラメータが電力伝達モードの間に基準動作範囲を超えることを検出したことに応じて送電器及び受電器の少なくとも1つを電力伝達モードから試験モードに切り替えるように構成されてもよい。
これは改善された動作及び/又は改善された性能を許容してもよい。特に、それは多くの実施形態において、例えば異物に起因する寄生電力損失の改善された検出を許容してもよい。
例えば、手法は、多くの実施形態において、例えば異物の潜在的な存在又は異物を検出する低下した能力などの潜在的に望ましくない状況をシステムが検出するのを許容してもよい。そのような検出に応じて、システムはより確実な検出のために試験モードに入ってもよい。これが潜在的な望ましくない状況を確認すれば、システムは処置をとってもよく、例えば異物が検出されれば、電力は低減されてもよい。しかしながら、より確実な検出が潜在的な望ましくない状況が存在しないことを示せば、システムは電力伝達モードに再び入って電力伝達を続けてもよい。したがって、システムが明示的なユーザ入力又は制御を必要とすることなく潜在的に望ましくないシナリオから自動的に回復することができることによって、実質的に改善されたユーザ体験が達成されることができる。そのような能力はまた例えば、いっそうより小さい寄生電力損失を、そしてしたがって誤検出の上昇した危険性で検出するより高い確率を有し、それによって異物が検出されない危険性を低減させるように寄生電力損失検出のためのパラメータが設定されるのを許容してもよい。
コントローラは送電器の動作モードを直接制御することによって送電器を試験モードに入れてもよいか、又は例えば結果として送電器が試験モードにあることになる工程を初期化することによって送電器を試験モードに入れてもよい。例えば、コントローラは、外部実体(受電器など)にメッセージを送信して、結果として送電器が試験モードに入ることができる動作を外部実体に行わせる、例えば外部実体が送電器にメッセージを送信してこれに試験モードに入らせることによって、送電器を試験モードに入れてもよい。
コントローラは、例えば受電器にメッセージを送信して、結果としてこれが試験モードに入ることによって、受電器を試験モードに入れてもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、送電器は、受電器に少なくとも1つの異物検出推定値指標を送信するように構成される。
これは改善された動作/性能を提供してもよい。特に、それは受電器が、システムがどのように試験モードにおける異物の潜在的な検出に反応するかを制御することができるのを許容してもよい。異物検出推定値指標は異物検出推定の結果を示す任意のデータでもよく、そして詳細には異物検出推定値の任意の指標でもよい。
幾つかの実施形態において、較正ユニットは電力伝達段階に入ったときに寄生電力損失検出のパラメータの適合を初期化してもよい。
これは改善された性能を提供してもよく、且つ多くのシナリオで改善された信頼性及び/又は上昇した故障保護/検出を許容してもよい。手法は特に改善された寄生電力損失検出を許容してもよく、且つこれが個々のシナリオ及び/又は実施形態の具体的な特性に適合されるのを許容してもよい。
較正ユニットは、電力伝達段階のままでパラメータの適合を終了させるように構成される。
これは寄生電力損失検出が現状に基づいてリアルタイムに適合されるリアルタイム適合に特に適していてもよく、且つ多くの実施形態において改善された適合を許容してもよい(電力提供に影響を及ぼすことなく)。例えば、異物が存在するという危険性は、試験モードの正確な異物検出以降の継続時間が長い程上昇してもよい。したがって、適合を終了させて、これが小さい異物(おそらく寄生電力損失検出によって検出不可能)が存在するときなどの望ましくないシナリオに基づかないことを確実にすることが望ましくてもよい。
適合の終了は、タイマの満了などの事象の検出に応じてもよい。較正ユニットは幾つかの実施形態において電力伝達モードの初期化以来、所定の時間間隔後に終了するように構成されてもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、較正ユニットは、電力伝達パラメータが基準動作範囲を超えることを検出したことに応じて初期時間間隔を終了させるように構成される。
これは改善された且つ/又はより柔軟な適合を提供してもよい。特に、それは多くのシナリオでより長い適合を許容してもよく且つ/又は潜在的に望ましくないシナリオへの適合を防止してもよい。詳細には、多くのシナリオで、較正ユニットは、作動パラメータが所与の量より多く変化すれば適合を終了させるように構成されてもよい。したがって、幾つかの実施形態において、基準動作範囲は、詳細には電力伝達モードの最初/初期化での値などの、作動パラメータの少なくとも1つの以前の値に応じて求められる相対的な動作範囲でもよい。
作動パラメータは例えばワイヤレス誘導電力信号の負荷及び/又はワイヤレス誘導電力信号の利用可能な電力でもよい。
幾つかの実施形態において、較正ユニットはワイヤレス電力伝達信号の負荷の変化の検出に応じて適合を終了させるように構成される。
幾つかの実施形態において、較正ユニットは電力伝達モードの継続時間が閾値を超えたという判定に応じて適合を終了させるように構成される。
本発明の任意選択の特徴に従って、較正ユニットはワイヤレス電力伝達信号の負荷の変化の検出に応じて初期時間間隔を終了させるように構成される。
これは多くのシナリオでより確実な寄生電力損失検出に至る改善された適合を提供してもよい。それは潜在的に存在する異物の上昇した危険性を検出し、そしてこの上昇した危険性に適合を適合させる効率的な方法を特に提供してもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、較正ユニットは、初期時間間隔の継続時間が閾値を超えることを検出したことに応じて初期時間間隔を終了させるように構成される。
これは多くの実施形態においてより確実な寄生電力損失検出に至る改善された適合を提供してもよい。特に、それは低複雑性動作を許容してもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、第1のパラメータは寄生電力損失推定値計算パラメータ及び範囲の終点の少なくとも1つである。
これは効率的且つ低複雑性適合を提供してもよい。適合は例えば、例えば検出範囲が初期時間間隔の間に求められる寄生電力損失推定値周辺に集中されるように、寄生電力損失推定値(及び範囲の終点)のための上の又は下の検出閾値を変更してもよい。幾つかの実施形態において、寄生電力損失の計算は、例えば求めた送信電力推定値、受信電力推定値又はこれら間の差にオフセットを加算することによって適合されてもよい。オフセットは例えば送信及び受信電力間の差が初期時間間隔の作動パラメータ値に対してゼロであるようなものでもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、較正ユニットは、第1の作動パラメータのための期待値との第1の作動パラメータ値の比較に応じて適合から少なくとも第1の作動パラメータのための第1の作動パラメータ値を破棄するように構成される。
これは適合を改善してもよく且つ結果としてより確実な寄生電力損失検出になってもよい。詳細には、作動パラメータ値の使用は合理的とみなされるものに従ってもよく、これは期待値との作動パラメータ値の比較に基づいて評価されてもよい。詳細には、第1の作動パラメータ値及び期待値が差基準を満たす(例えば第1の作動パラメータ値が所与の量より多く期待値と異なる(例えばそれが期待される値の範囲に収まらない))ならば、その値は適合を行うときに更なる考慮から破棄されてもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、較正ユニットは初期時間間隔の間、受電器から複数の受信電力推定値を受信するように構成され、複数の受信電力推定値が受電器の異なる負荷のために受電器105によって受信される電力の指標を提供し、そして較正ユニットは複数の受信電力推定値に応じて寄生電力損失検出の複数のパラメータを適合させるように構成される。
これは多くの実施形態及びシナリオにおいて改善された寄生電力損失検出を提供してもよい。特に、それは複数のデータ点を提供して、寄生電力損失検出がより柔軟に且つ正確に、且つより広範囲の動作点に対して適合されるのを許容してもよい。それは典型的に適合が高次効果を補償するのを許容してもよい。電力伝達段階の初期化での複数の受信電力推定値の提供は、しばしば最小負荷の近くのデータ点及び最大負荷の近くのデータ点を含む、特に適切なデータ点の集合を提供してもよい。
複数のパラメータは、例えば入力パラメータから補償パラメータを提供する補償関数の一次導関数などの一次又は高次補償パラメータを含んでもよく、ここで補償パラメータは次いで異物検出のために使用され、そして詳細にはここで補償パラメータは入力パラメータに取って代わる。入力パラメータは詳細には受信電力推定値又は送信電力推定値でもよく、そして補償受信電力推定値又は送信電力推定値はその後、検出閾値と比較されてもよい寄生電力損失推定値を生成するために使用されてもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、較正ユニットは、複数の受信電力推定値に応じて較正オフセット及び較正スケールファクタの少なくとも1つを送信機電力推定値及び受信電力推定値の少なくとも1つに適合させるように構成される。
これは特に有利な適合を許容してもよく、且つ詳細には異なる負荷の範囲を含む異なる動作シナリオの範囲のための改善された異物検出を許容してもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、複数の受信電力推定値は、電力伝達段階における受電器の負荷への給電前の少なくとも1つの受信電力推定値及び受電器の負荷への給電後の少なくとも1つの受信電力推定値を備える。
これは多くの実施形態において特に有利な動作を提供してもよく、且つ詳細には多くのシナリオで高電力負荷及び低電力負荷の両方への適合を許容してもよい。多くのシナリオで、手法は、電力伝達システムの他の要件との互換性を維持すると共に、適合のための適切な情報を提供してもよい。特に、多くの実施形態において、情報は電力伝達動作への変更が必要とされずに提供されてもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、較正ユニットは、第1の受信電力推定値を電力伝達信号に対する送信電力推定値と比較するように、そして比較が第1の受信電力推定値と送信電力推定値との間の差が閾値を超えるのを示せば、第1の受信電力推定値を破棄するように構成される。
これは多くの実施形態及びシナリオにおいて改善された動作を提供してもよく、且つ詳細には異物が存在する状況における寄生電力損失推定の適合の危険性を低減させてもよい。それはまた、例えば受電器の故障により受信電力推定値が誤りである状況に送電器が適合する危険性を低減させてもよい。したがって、手法は望ましくないシナリオに適合することの低下した危険性を提供する。
本発明の任意選択の特徴に従って、送電器は送信コイルを備える共振回路の共振周波数を備える範囲にわたり送信コイルのための駆動信号の周波数を変化させるように構成され、送電器が、送信コイルの電流並びに駆動信号の周波数及び送信コイルの電流の積の少なくとも1つを範囲内に制限するように駆動信号の電圧振幅及びデューティサイクルの少なくとも1つを適合させるように構成される電力コントローラを更に備える。
これは改善された性能を提供してもよく、且つ詳細には受電器で誘起される過剰な電圧を防止してもよい。範囲は所定の範囲でもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、第1の測定負荷は送電器の出力回路のための電力負荷指標を備え、出力回路が送電インダクタを備える。
これは試験モードの間、効率的な且つ確実な異物検出を提供してもよい。更に、低複雑性異物検出が多くの実施形態において達成されることができる。
送電器の出力回路は詳細には送電インダクタを含む共振回路を備えても又はそれから成ってもよい。
多くの実施形態において、受電器は、試験モードにあるときに、即ち電力負荷指標を求めるときにワイヤレス電力伝達信号の電力負荷を所定のレベルに設定するように構成される。
本発明の任意選択の特徴に従って、第1の測定負荷は送電器の出力回路のインピーダンスのためのインピーダンス指標を備え、そして出力回路が送電インダクタを備える。
これは試験モードの間、効率的な且つ確実な異物検出を提供してもよい。更に、低複雑性異物検出が多くの実施形態において達成されることができる。
幾つかの実施形態において、インピーダンス指標は、出力回路の等価直列抵抗、出力回路のための電圧と電流との間の位相差、送電インダクタの電流、及び出力回路の絶対インピーダンスの少なくとも1つの指標を備えてもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、送電器は、第1の測定負荷に応じて電力損失検出のパラメータを適合させるための較正ユニットを更に備える。
これは改善された異物検出を許容してもよく、且つ例えば異物が特定の送電器及び受電器対に適合されるのを許容してもよい。
幾つかの実施形態において、コントローラは、異物検出推定値が異物の検出を示せば、システムを試験モードから更なる試験モードに入れるように構成されてもよく、且つコントローラは第2の試験モードでユーザ入力を受信するように構成されてもよく、そして異物検出推定値の生成の適合は異物が存在しないことを示すユーザ入力に依存してもよい。
本発明の態様によれば、ワイヤレス誘導電力信号を介して受電器に電力伝達を提供するように構成される送電器を含むワイヤレス電力伝達システムが提供され、送電器がワイヤレス誘導電力信号を生成するための送信電力インダクタを備え、受電器が少なくとも試験モード又は電力伝達モードで動作するように構成され、試験モードで動作するときの受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷が、電力伝達段階の間、電力伝達モードで動作するときの受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷に対して制約され、且つワイヤレス電力伝達システムが、試験モードにあるときに、受電器が試験モードで動作しているときのワイヤレス誘導電力信号の期待負荷とのワイヤレス誘導電力信号の第1の測定負荷の比較に応じて異物検出推定値を生成するように構成される第1の検出器と、異物検出推定値が検出異物が存在しないことを示すときに、送電器及び受電器の少なくとも1つを電力伝達モードに入れるためのコントローラと、電力伝達モードにあるときに、閾値を超える寄生電力損失推定値に応じて電力伝達のための寄生電力損失検出を生成するように構成される第2の検出器と、異物が存在しないことを示す前記異物検出推定値に従って前記電力伝達段階に入る初期時間間隔の間、電力伝達段階のための作動パラメータ値に応じて寄生電力損失検出の第1のパラメータの適合を初期化し、前記電力伝達段階のままで前記パラメータの前記適合を終了させる較正ユニットとを備える。
異物検出推定値は第1の異物検出器が含まれる装置が試験モードで動作しているときに生成されてもよく、且つ/又は多くのシナリオで、受電器及び送電器の両方が試験モードにあることが必要とされてもよい。寄生電力損失検出は第1の異物検出器が含まれる装置が電力伝達モードで動作しているときに行われてもよく、且つ/又は多くのシナリオで、受電器及び送電器の両方が電力伝達モードにあることが必要とされてもよい。
多くの実施形態において、コントローラは、作動パラメータが電力伝達モードの間に基準動作範囲を超えることを検出したことに応じて送電器及び受電器の少なくとも1つを電力伝達モードから試験モードに切り替えるように構成されてもよい。
多くの実施形態において、コントローラは寄生電力損失検出に応じて送電器を試験モードに入れるように構成されてもよい。
コントローラが受電器の一部であれば、作動パラメータは例えばワイヤレス誘導電力信号の電力レベルでもよく、そして詳細にはコントローラは、ワイヤレス誘導電力信号から引き出されることができる利用可能な電力の低下の検出に応じて送電器及び受電器の少なくとも1つを電力伝達モードから試験モードに切り替えてもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、受電器は送電器に試験モード開始指令を送信するように構成され、且つ送電器は試験モード開始指令を受信したことに応じて試験モードに入るように構成される。
これは多くのシナリオで改善された性能を提供してもよい。特に、それは受電器が、システムがいつ試験モードに入るかを制御するのを許容してもよい。これは特に、例えばQiシステムなど、動作が主に受電器によって制御されるシステムにおいて改善された後方互換性を提供してもよい。
それは更にまた、例えば非対称通信チャネルが実装される通信及び制御プロトコル並びにシステムを見込んでもよい。
受電器はまた試験モード開始指令を送信するときに試験モードに入ってもよい。試験モード開始指令は詳細には、送電器が試験モードに入るための要求又は命令を提供する任意のデータでもよい。
幾つかの実施形態において、試験モード開始指令は、詳細には受電器が試験モードのままであろう最小継続時間などの、それが試験モードのままであろう継続時間の指標を備えてもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、送電器は寄生電力損失を検出したとき受電器に寄生電力損失検出指標を送信するように構成され、且つ受電器は1つ又は複数の寄生電力損失検出指標を受信したことに応じて送電器に試験モード開始指令を送信するように構成される。
これは多くの実施形態において改善された且つ/又は容易にされた動作を提供してもよく、且つ/又は例えばQi電力伝達システムなどのシステムとの改善された後方互換性を許容してもよい。特徴は特に電力伝達の動作の受電器に基づく制御を見込んでもよく、且つ/又は寄生電力損失検出器が送電器に実装されるのを許容すると共に通信を可能にしても若しくは容易にしてもよい。寄生電力損失検出指標は寄生電力損失検出の結果を示す任意のデータでもよく、そして詳細には寄生電力損失推定値の任意の指標でもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、送電器は受電器から受信される電力制御ループメッセージに肯定応答しないことによって受電器に寄生電力損失検出指標を送信するように構成される。
これは非常に効率的な通信を許容してもよく、そして特に送電器から受電器への非常に低いデータレート通信リンクの実装を許容してもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、受電器は受電器によって受信される電力の変化の検出に応じて、試験モード開始指令を送信するように構成される。
これは多くのシナリオで改善された動作を許容してもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、受電器は送電器に試験モード終了指令を送信するように構成され、且つ送電器は試験モード終了指令を受信したことに応じて電力伝達モードに入るように構成される。
これは多くのシナリオで改善された性能を提供してもよい。特に、それは受電器が、システムがいつ試験モードから出るかを制御するのを許容してもよい。これは特に、例えばQiシステムなど、動作が主に受電器によって制御されるシステムにおいて改善された後方互換性を提供してもよい。
それは更にまた、例えば非対称通信チャネルが実装される通信及び制御プロトコル並びにシステムを見込んでもよい。
受電器はまた、試験モード終了指令を送信することに関連して電力伝達モードに入ってもよい。試験モード終了指令は詳細には、送電器が試験モードを終了させるための要求又は命令を提供する任意のデータでもよい。
受電器は詳細には、試験モードで異物が検出されなかったことを示す送電器からの異物検出推定値指標を受信したことに応じて試験モード終了指令を送信してもよい。
受電器/送電器は試験モードから直接に電力伝達モードに入ってもよいか、又は1つ若しくは複数の介在動作モードを介して入ってもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、送電器は試験モードにあるときに受電器に異物検出推定値指標を送信するように構成され、且つ受電器は異物検出を示さない異物検出推定値指標を受信したことに応じて試験モードから出るように且つ異物検出を示す異物検出推定値指標を受信したことに応じて試験モードのままであるように構成される。
これは改善された動作/性能を提供してもよい。異物検出推定値指標は異物検出の結果を示す任意のデータでもよく、そして詳細には異物検出推定値の任意の指標でもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、受電器は電力伝達モードに入る時間間隔の内で送電器に複数の受信電力推定値を送信するように構成され、複数の受信電力推定値が受電器の異なる負荷のために電力伝達信号から受電器によって受信される電力の指標を提供し、且つ送電器は電力伝達段階に入ったときに寄生電力損失検出のパラメータの適合を行うための較正ユニットを備え、較正ユニットが受電器から受信される複数の受信電力推定値に応じて寄生電力損失検出の複数のパラメータを適合させるように構成される。
これは多くの実施形態及びシナリオにおいて改善された寄生電力損失検出を提供してもよい。特に、それは複数のデータ点を提供して、寄生電力損失検出がより柔軟に且つ正確に、且つより広範囲の動作点に対して適合されるのを許容してもよい。それは典型的に適合が高次効果を補償するのを許容してもよい。電力伝達段階の初期化での複数の受信電力推定値の提供は、しばしば最小負荷の近くのデータ点及び最大負荷の近くのデータ点を含む、特に適切なデータ点の集合を提供してもよい。それは適合が、異物が存在する危険性が非常に低いときに行われるのを更に許容してもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、受電器は、電力伝達モードで受電器の負荷に電力を提供する前の少なくとも1つの受信電力推定値、及び受電器の負荷に電力を提供した後の少なくとも1つの受信電力推定値を生成するように構成される。
これは多くの実施形態において特に有利な動作を提供してもよく、そして詳細には多くのシナリオで高電力負荷及び低電力負荷の両方への適合を許容してもよい。多くのシナリオで、手法は、電力伝達システムの他の要件との互換性を維持すると共に、適合のための適切な情報を提供してもよい。特に、多くの実施形態において、情報は電力伝達動作への変更が必要とされずに提供されてもよい。
本発明の任意選択の特徴に従って、時間間隔は30秒以下である。
これは多くの実施形態において改善された性能を提供してもよく、そして特に異物が存在するときに適合が行われることの低い危険性を確実にしてもよい。
本発明の態様によれば、送電器の送信電力インダクタによって生成されるワイヤレス誘導電力信号を介して受電器に電力伝達を提供するように構成される送電器を含むワイヤレス電力伝達システムのための受電器が提供され、受電器が少なくとも試験モード又は電力伝達モードで動作するように構成され、試験モードで動作するときの受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷が、電力伝達段階の間、電力伝達モードで動作するときの受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷に対して制約され、且つ受電器が、試験モードにあるときに、受電器が試験モードで動作しているときのワイヤレス誘導電力信号の期待負荷とのワイヤレス誘導電力信号の第1の測定負荷の比較に応じて異物検出推定値を生成するように構成される第1の検出器と、異物検出推定値が異物が存在しないことを示すときに、送電器及び受電器の少なくとも1つを電力伝達モードに入れるためのコントローラと、電力伝達モードにあるときに、閾値を超える寄生電力損失推定値に応じて電力伝達のための寄生電力損失検出を生成するように構成される第2の検出器と、異物が存在しないことを示す前記異物検出推定値に従って前記電力伝達段階に入る初期時間間隔の間、電力伝達段階のための作動パラメータ値に応じて寄生電力損失検出の第1のパラメータの適合を初期化し、前記電力伝達段階のままで前記パラメータの前記適合を終了させる較正ユニットとを備える。
本発明の態様によれば、送電器の送信電力インダクタによって生成されるワイヤレス誘導電力信号を介して受電器に電力伝達を提供するように構成される送電器を含むワイヤレス電力伝達システムのための動作方法が提供され、方法が、試験モードにあるときに、受電器が試験モードで動作しているときのワイヤレス誘導電力信号の期待負荷とのワイヤレス誘導電力信号の第1の測定負荷の比較に応じて異物検出推定値を生成するステップであって、試験モードで動作するときの受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷が、電力伝達段階の間、電力伝達モードで動作するときの受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷に対して制約されるステップと、異物検出推定値が異物が検出されないことを示すときに、送電器及び受電器の少なくとも1つを電力伝達モードに入れるステップと、電力伝達モードにあるときに、閾値を超える寄生電力損失推定値に応じて電力伝達のための寄生電力損失検出を生成するステップと、異物が存在しないことを示す前記異物検出推定値に従って前記電力伝達段階に入る初期時間間隔の間、電力伝達段階のための作動パラメータ値に応じて寄生電力損失検出の第1のパラメータの適合を初期化するステップと、前記電力伝達段階のままで前記パラメータの前記適合を終了させるステップとを備える。
本発明の態様によれば、送電器の送信電力インダクタによって生成されるワイヤレス誘導電力信号を介して電力伝達を受信するための受電器を含むワイヤレス電力伝達システムのための送電器のための動作方法が提供され、方法が、試験モードにあるときに、受電器が試験モードで動作しているときのワイヤレス誘導電力信号の期待負荷とのワイヤレス誘導電力信号の第1の測定負荷の比較に応じて異物検出推定値を生成するステップであって、試験モードで動作するときの受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷が、電力伝達段階の間、電力伝達モードで動作するときの受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷に対して制約されるステップと、異物検出推定値が異物が存在しないことを示すときに、送電器及び受電器の少なくとも1つを電力伝達モードに入れるステップと、電力伝達モードにあるときに、範囲外である寄生電力損失推定値に応じて電力伝達のための寄生電力損失検出を生成するステップと、異物が存在しないことを示す前記異物検出推定値に従って前記電力伝達段階に入る初期時間間隔の間、電力伝達段階のための作動パラメータ値に応じて寄生電力損失検出の第1のパラメータの適合を初期化するステップと、前記電力伝達段階のままで前記パラメータの前記適合を終了させるステップとを備える。
本発明の態様によれば、ワイヤレス誘導電力信号を介して受電器に電力伝達を提供するように構成される送電器を含むワイヤレス電力伝達システムのための受電器のための動作方法が提供され、方法が、試験モードにあるときに、受電器が試験モードで動作しているときのワイヤレス誘導電力信号の期待負荷とのワイヤレス誘導電力信号の第1の測定負荷の比較に応じて異物検出推定値を生成するステップであって、試験モードで動作するときの受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷が、電力伝達段階の間、電力伝達モードで動作するときの受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷に対して制約されるステップと、異物検出推定値が異物が存在しないことを示すときに受電器を電力伝達モードに入れるステップと、電力伝達モードにあるときに、閾値を超える寄生電力損失推定値に応じて電力伝達のための寄生電力損失検出を生成するステップと、異物が存在しないことを示す前記異物検出推定値に従って前記電力伝達段階に入る初期時間間隔の間、電力伝達段階のための作動パラメータ値に応じて寄生電力損失検出の第1のパラメータの適合を初期化するステップと、前記電力伝達段階のままで前記パラメータの前記適合を終了させるステップとを備える。
本発明のこれら及び他の態様、特徴及び利点は以下説明される実施形態から明らか且つそれらを参照して解明されるであろう。
本発明の実施形態が、例としてのみ、図面を参照して説明されることになる。
図1は、本発明の幾つかの実施形態に従う電力伝達システムの例を例示する。電力伝達システムは送信コイル/インダクタ103を含む(又は結合される)送電器101を備える。システムは受信コイル/インダクタ107を含む(又は結合される)受電器105を更に備える。
システムは送電器101から受電器105へのワイヤレス誘導電力伝達を提供する。詳細には、送電器101はワイヤレス誘導電力信号(簡略化のため電力信号又は誘導電力信号とも称される)を生成し、それは送信コイル103によって磁束として伝播される。電力信号は典型的に約100kHz〜200kHz間の周波数を有してもよい。送信コイル103及び受信コイル105は疎結合され、そしてしたがって受信コイルは送電器101から電力信号(の少なくとも一部)を捉える。したがって、電力は送信コイル103から受信コイル107へのワイヤレス誘導結合を介して送電器101から受電器105に伝達される。電力信号という用語は主に送信コイル103と受信コイル107との間の誘導信号(磁束信号)を指すために使用されるが、同意義によって、それはまた送信コイル103に提供される電気信号への又はそれどころか受信コイル107の電気信号への言及としてみなされても且つ使用されてもよいということが認識されるであろう。
以下では、送電器101及び受電器105の動作はQi規格に従う(本明細書に記載される(又は結果的な)変更及び拡張を除く)実施形態を具体的に参照して説明されることになる。特に、送電器101及び受電器103はQi仕様第1.0又は1.1版と実質的に適合してもよい(本明細書に記載される(又は結果的な)変更及び拡張を除く)。
ワイヤレス電力伝達システムにおいて送電器101と受電器105との間の電力伝達を準備及び制御するために、受電器105は送電器101に情報を通信する。そのような通信はQi仕様第1.0及び1.1版に規格化されている。
物理レベルで、受電器105から送電器101への通信チャネルはキャリアとして電力信号を使用することによって実装される。受電器105は受信コイル105の負荷を変調する。これは結果として送電器側で電力信号の対応する変動になる。負荷変調は送信コイル105電流の振幅及び/若しくは位相の変化によって、又は代替的に若しくは追加的に送信コイル105の電圧の変化によって検出されてもよい。この原理に基づいて、受電器105は送電器101が復調するデータを変調することができる。このデータはバイト及びパケットにフォーマットされる。更なる情報が、Qiワイヤレス電力仕様とも呼ばれる、http://www.wirelesspowerconsortium.com/downloads/wireless−power−specification−part−1.htmlを介して入手可能な「System description,Wireless power Transfer,Volume I:Low Power,Part 1:Interface Definition,Version 1.0 July 2010,published by the Wireless power Consortium」の特に第6章:通信インタフェースに見いだされることができる。
電力伝達を制御するために、システムは異なる段階、特に選択段階、ピング段階、識別及び構成段階並びに電力伝達段階を経て進行してもよい。更なる情報がQiワイヤレス電力仕様の第1部の第5章に見いだされることができる。
最初は、送電器101は選択段階にあり、ここではそれは受電器の潜在的な存在を単に監視する。送電器101は、例えばQiワイヤレス電力仕様に記載されるような、この目的のための各種の方法を使用してもよい。そのような潜在的な存在が検出されれば、送電器101はピング段階に入り、ここでは電力信号が一時的に生成される。受電器105は受信信号を印加してその電子部品を起動することができる。電力信号を受信した後に、受電器105は送電器101に初期パケットを通信する。詳細には、送電器101と受電器105との間の結合度を示す信号強度パケットが送信される。更なる情報がQiワイヤレス電力仕様の第1部の第6.3.1章に見いだされることができる。したがって、ピング段階で、受電器105が送電器101のインタフェースに存在するかどうかが判定される。
信号強度メッセージを受信したときに、送電器101は識別及び構成段階に移る。この段階で、受電器105はその出力負荷を切断しておき、そして負荷変調を使用して送電器101に通信する。送電器はこの目的のために一定の振幅、周波数及び位相の電力信号を提供する(負荷変調によって生じる変化を除いて)。メッセージは送電器101によって使用されてそれ自体を受電器105によって要求されるように構成する。
識別及び構成段階に続いて、システムは実際の電力伝達が起こる電力伝達段階に移る。詳細には、その電力要件を通信した後に、受電器105は出力負荷を接続し、そしてそれに受信電力を供給する。受電器105は出力負荷を監視し、そしてある動作点の実測値と所望値との間の制御誤差を測定する。それはそのような制御誤差を例えば250ms毎の最小レートで送電器101に通信し、送電器101にこれらの誤差並びに電力信号の変化又は無変化の要望を示す。
電力伝達動作は、送電器101によって生成されており且つ受電器105によって捕捉されているワイヤレス磁束電力信号(ワイヤレス誘導電力信号又は単に電力信号)に基づく。したがって、電力信号は受信コイル107に電圧及び電流を誘導する。しかしながら、電力信号は例えば受電器105又は送電器101の金属部を含む任意の他の導電材料にも電流を誘導するであろう。更にまた、異物として知られる他の物体が送信コイル103の十分に近くに位置付けられれば、相当の電流がそのような物体の導電部に誘導されることがある。例えば、相当の渦電流が誘導されることがあり、結果として物体の加熱になることがある。あまりに多くの電力が異物に誘導されれば、これは相当に加熱することがある。したがって、望ましくない電力損失に加えて、異物内の誘導電力は結果として望ましくない且つおそらく更にほぼ安全でない状況にもなることがある。例として、ユーザは送電器によって充電されている移動電話の隣に一組の鍵を不注意で置くかもしれない。これは結果として一組の鍵が相当に且つ潜在的には鍵を取り上げるときに鍵がユーザを火傷させるのに十分な程加熱することになるかもしれない。その問題はより高い電力では悪化され、且つ例えばQi電力伝達手法にとっては、これがより高い電力レベルに拡大されるときにより重大になっている。
そのような危険性に対処するために、Qi規格はそのようなシナリオを検出し、そして検出に応じて電力伝達を終了させるための機能を含む。詳細には、送電器101は寄生電力損失(即ち送電器101によって電力信号に提供される電力と受電器105によって消費されるものとの間の差)を推定してもよい。これが所与のレベルを超えれば、それはおそらく異物が存在するためであるとみなされ、そしてしたがって送電器101は続いて電力伝達を終了させる。したがって、送電器101は異物検出機能を含む。
Qi電力伝達規格において、受電器は、例えば整流電圧及び電流を測定し、それらを乗算し、そして受電器における内部電力損失(例えば整流器、受信コイル、受信機の一部である金属部品などの損失)の推定値を加算することによって、その受信電力を推定する。受電器は求めた受信電力を例えば4秒毎の最低レートで送電器に報告する。
送電器は、例えばインバータのDC入力電圧及び電流を測定し、それらを乗算し、そして例えばインバータ、一次コイル及び送電器の一部である金属部品における推定電力損失などの送信機における内部電力損失の推定を減算することによって結果を修正することによって、その送信電力を推定する。
送電器101は報告される受信電力を送信電力から減算することによって電力損失を推定することができる。結果としての寄生電力損失推定値が検出閾値を超えれば、送電器101はあまりに多くの電力が異物において消失されると仮定することになり、そしてそれはその上続いてそのような潜在的なシナリオに対処するために処置をとることができる。
詳細には、PTが送信電力推定値であり、そしてPRが受信電力推定値であるとして、寄生電力損失推定値PT−PRが閾値より大きいときに電力伝達は終了されることができる。
測定値は受電器と送電器との間で同期されてもよい。これを達成するために、受電器は構成の間に送電器に時間窓のパラメータを通信することができる。この時間窓は受電器が受信電力の平均を求める期間を示す。時間窓は基準時間に対して定められ、それは受信電力パケットの最初のビットが受電器から送電器に通信される時間である。この時間窓のための構成パラメータは窓の時間幅及び基準時間に対する開始時間から成る。
この電力損失検出を行うときに、異物の存在が検出されることを確実にするのに十分な精度で電力損失が求められることが重要である。
第一に、磁界から著しい電力を吸収する異物が検出されることが確実にされなければならない。これを確実にするために、送信及び受信電力から計算される電力損失を推定する際の任意の誤差は、異物における電力吸収に対する許容レベル未満でなければならない。同様に、誤検出を回避するために、電力損失計算の精度は、結果として異物が存在しないときにあまりに高い推定電力損失値にならないように十分に正確でなければならない。
より高い電力レベルで送信及び受信電力推定値を十分に正確に求めることは、より低い電力レベルに対してよりも実質的に困難である。例えば、送信及び受信電力の推定値の不確実性が±3%であると仮定すると、これは、
− 5Wの送信及び受信電力で±150mW、そして
− 50Wの送信及び受信電力で±1.5Wの誤差に至ることがある。
したがって、そのような精度は低電力伝達動作に対しては許容できてもよいのに対して、それは高電力伝達動作に対しては許容できない。
典型的に、送電器がわずか350mW又はそれ以下の異物の電力消費を検出することができなければならないことが必要とされる。これは受信電力及び送信電力の非常に正確な推定を必要とする。これは高電力レベルで特に困難であり、そしてしばしば、受電器が十分に正確である推定値を生成することは困難である。しかしながら、受電器が受信電力を過大評価すれば、これは結果として異物による電力消費が検出されないことになり得る。反対に、受電器が受信電力を過小評価すれば、これは異物が存在しないにもかかわらず送電器が電力伝達を終了させる誤検出に至ることがある。
したがって、単に受信電力を過大評価すること−これは結果としてあまりに低い感知電力損失になるであろう−は、異物が検出されないであろうという可能性(偽陰性)が上昇するために、許容できない。受信電力を過小評価することは結果として正の感知電力損失になるであろうし、そしてこれは異物が一切ないにもかかわらずそれが存在することを示す検出に至る(偽陽性)であろうから、許容できない。したがって、狭帯域だけが推定値の任意の不確実性のために利用可能である。
明らかに、数多くの偽陽性の発生は電力伝達システム手法の普及に不利益である。例えば、平均的消費者は、自分の装置がなぜ充電されていないのか、又は例えば自分の装置がなぜ1つの送電器では問題なく充電するが、別のものでは充電しないのか理解しないであろう。しかしながら、偽陰性は最悪の場合、結果として異物がそれらが重大な問題を引き起こすかもしれない程度まで加熱されることがあるので、偽陰性は潜在的に更により不利かもしれない。
この問題に対処するため且つより正確な異物検出を提供するために、個々の受電器及び送電器の具体的な特性が異物検出に反映されるように、送電器及び受電器が互いに較正されることが提案されている。これの例が欧州特許出願第EP12188672.5号に提供され、これは互いに先だって較正されていない送電器及び受電器ペアリング間では電力伝達は低電力レベルでのみ許容されるシステムを開示する。しかしながら、ユーザが送電器及び受電器ペアリングの較正を行い、結果としてより正確な異物検出になれば、システムはより高い電力レベルで電力伝達を許容する。
しかしながら、そのような手法が多くの実施形態において望ましい動作を提供するかもしれないのに対して、それは幾つかのシナリオでは最適状態に及ばないかもしれない。それどころか、手法は、たとえそのような較正が必要でないとしても、より高い電力レベルの電力伝達が行われることができる前に、全ての送電器及び受電器ペアリングに対して較正が行われなければならないことを必要とする。例えば、多くの受電器及び送電器の組合せにとって、結果としての送信電力及び受信電力推定値は非常に正確で、結果としてより高い電力レベルで且つ一切の較正なしでさえ十分に信頼できる異物検出になるかもしれない。較正はしばしばユーザにとって不都合であり、且つしばしば手動入力及び専用の較正モードを必要とする。
しかしながら、図1のシステムは、改善された動作を許容してもよく且つ特に改善された異物検出性能を許容してもよい異なる手法を使用する。詳細には、図1のシステムは試験動作モード及び電力伝達動作モードの両方で動作することができ、一形態の異物検出及び/又は寄生電力損失検出が両モードで行われる。しかしながら、試験動作モードで動作するときに、受電器の少なくとも1つの作動パラメータは電力伝達動作モードでの動作に対して制限される。詳細には、受電器105によるワイヤレス誘導電力信号の電力負荷は閾値より下であるように、そして典型的に特定の(低い)レベルに制限されてもよい。これは例えば試験モードで動作するときに受電器105が負荷を切断することによって達成されてもよい。
試験モードの間に行われる異物検出は、この制約の結果として、異物が存在するか否かの一層より確実な且つ/又は正確な推定値を提供してもよい。例えば、前述したように、数パーセントの電力負荷変動さえ異物からの電力排出を覆い隠すことがあるので、異物における電力損失を検出することは低電力負荷の場合より高電力負荷の場合に一層より困難である。例えば前例に関しては、±3%の不確実性は50Wで±1.5Wの誤差に至ることがある。したがって、受電器105を、例えば数ワット未満の低負荷に制限することによって、受電器によるワイヤレス誘導電力信号への負荷の不確実性は低レベルに保たれることができ、それによって任意の電力が異物において消失されるかどうかの正確な検出を許容する。
図1のシステムにおいて、受電器105及び送電器101は電力伝達動作の初期化の間、試験動作モードに入り、異物検出が試験モードで行われる。例として、識別及び構成段階がそのような試験動作モード/試験段階に対応してもよく、即ちシステムは識別及び構成段階の間、異物検出を行ってもよい。別の例として、ピング段階が代替的に又は追加的に試験モードに対応してもよい。更に別の例として、幾つかの実施形態において、受電器がまだ起動さえしていない(大きい十分な電力信号の欠如のため)選択段階さえ試験モードに対応してもよい。
他の実施形態において、試験モードは電力伝達動作の初期化の一部として行われる別々の試験段階として実装されてもよい。
試験モードで行われる異物検出が異物が存在することを示せば、システムは電力伝達段階に進まないことになる。その代わりに、それは異物が存在するという仮定の下にとどまってもよく、そして例えば続いてユーザ警告を生成しても又は異物がもはや検出されなくなるまで単に待機してもよい。
試験が異物が存在しないことを示せば、システムは続いて電力伝達段階に入ることになり、そして送電器及び受電器の両方は電力伝達動作モードに入ることになる。したがって、電力伝達モードは詳細には電力伝達段階に対応してもよい。
この動作モードでは、受電器105は試験モードでのようには制約されず、そしてそれはしたがって例えば電力消費をより高いレベルに上昇させてもよい。しかしながら、システムは続いて電力伝達モードで寄生電力損失検出を行い、そしてしたがって、例えば異物が存在するかどうかを確認し続ける。
しかしながら、電力伝達モードは試験モードのより正確な異物検出が異物が存在しないことを示した場合にのみ入られるので、システムは一切の異物が存在することなく電力伝達モードが初期化されると高確率で仮定することができる。したがって、上昇した電力で電力伝達段階を初期化することは安全とみなされることができる。
更にまた、電力伝達モードに入るときの初期シナリオは異物が存在しないことに対応すると仮定されることができるので、電力伝達モードの寄生電力損失検出は初期特性の考慮に基づくことができる。例えば、例えば送信及び受信電力間の差が電力伝達モードの開始時の差から所与の割合より多く上昇する場合、許容できない寄生電力損失が発生したと検出することによって、絶対的というよりはむしろ相対的寄生電力損失検出が行われることができる。幾つかの実施形態において、差は初期条件に依存する閾値と比較されてもよい。例えば、所定の閾値レベルは電力伝達モードに入るときの電力差に依存して変更されてもよい(例えば閾値は元々のレベルの例えば2倍に設定されてもよい)。
それどころか、システムは電力伝達モードの最初/初期化時に寄生電力損失検出の適合/較正を初期化してもよい。この較正は例えば所与の継続時間後に又は特定の事象が起こるときに終了されてもよい。したがって、電力伝達モードの間の寄生電力損失検出の較正は、初期時間窓の間、作動パラメータ(詳細には受信及び送信電力推定値)の値に基づいてもよい。したがって、較正は電力伝達モードに入るときの初期特性に基づいてもよく、そして以前の正確な異物検出のため、これらの特性は異物が存在しないシナリオを反映するとみなされることができる(そうでなければ電力伝達モードは入られていなかった)。
更にまた、寄生電力損失が電力伝達モードの間に検出されても、システムは必ずしも工程全体を終了させる必要も又はユーザ入力を必要とすることもない。むしろ、検出が寄生電力損失があまりに高いかもしれない(例えば測定電力差/損失が閾値を超えることによって)ことを示せば、システムは試験モードに戻ってもよい。このモードで、受電器動作は制約され、したがって正確な異物検出を許容する。この検出が異物が存在することも示せば、システムは電力伝達を終了させてもよく且つ例えばユーザ警告を生成してもよい。幾つかの実施形態において、システムは異物検出が異物がもはや存在しないことを示すまで、単に試験モードのまま(且つ例えばそれが試験モードにあることを示す)でもよい。
試験モードにおける異物検出が異物が存在しないことを示せば、システムは代わりに電力伝達モードに戻ってもよい。この場合、システムはそれに応じて電力を上昇させても且つ通常の電力伝達を再開してもよい。
したがって、手法は実質的により正確な異物検出を許容してもよく、且つ特により正確でない電力伝達モード寄生電力損失検出とより正確である試験モード異物検出との間の有利な相互動作を許容してもよい。手法はより有利なユーザ体験を見込む。
特に、手法は電力伝達信号が、明示的なユーザ入力又はアクションを必要とすることなく、潜在的な中断又は望ましくない状況から自動的に回復することを可能にしてもよい。例えば、異物が送電器101の近くに偶然に位置付けられれば、これは検出され且つ結果として安全なレベルへの電力低下に至ることができる。しかしながら、異物が除去されると、システムは電力伝達動作を自動的に再開することができる。
手法は例えば多くの実施形態において寄生電力損失検出がより積極的に設定されて、結果として異物を検出するより高い確率以外に誤検出(異物が実際に存在しないときの異物の検出)の上昇した可能性にもなるのを許容してもよい。しかしながら、誤検出は結果としてシステムが試験モードに入るだけでよく、ここでより正確な異物検出が異物が存在しないことを示すことになるので、そしてシステムはしたがって電力伝達モードに急速に戻ることになる。したがって、誤検出は結果として電力伝達の短い中断になるだけであろう。
システムにおいて、異物検出は、受電器が試験モードにあり、ここでは受電器の少なくとも1つの作動パラメータ、典型的にワイヤレス誘導電力信号の負荷が、受電器が電力伝達モードにあるときに対して制約されるという仮定に基づく。したがって、試験モードにおける異物検出は、受電器が試験モードにあるときの、即ちワイヤレス誘導電力信号の負荷が制約されるときの、受電器に対する期待負荷に基づく。しかしながら、電力伝達段階で行われる寄生電力損失検出は、受電器が制約された作動パラメータで動作しているという仮定に基づかず、そして詳細には受電器が試験モードで動作しているときのワイヤレス誘導電力信号の期待負荷に基づかない。したがって、寄生電力損失検出は一層より大きい動作範囲に対処しなければならず、そしてしたがって寄生電力損失検出は異物検出より一層不正確でありがちであろう。
例えば、試験モードにあるときに、受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷は、電力が外部受電器負荷に提供されない試験モードで動作するときの受電器から生じる負荷に対応してもよい。したがって、ワイヤレス誘導電力信号の負荷は、受電器の金属部に誘導されている渦電流から生じる負荷に及び内部電子部品への潜在的な給電にのみ対応してもよい。したがって、ワイヤレス誘導電力信号の非常に低い負荷がこの試験モードで期待される。異物における任意の追加の電力損はしたがって全電力損の高い比率を表すであろうし、且つしたがって検出するのが容易であろう。
対照的に、システムが電力伝達段階で動作するときに、受電器は外部負荷に電力を提供している。この電力は極めて相当でもよく、且つ典型的に任意の存在する異物に誘導されそうである電力より実質的に高くてもよい。したがって、異物の検出は一層より困難であり、且つシステムが試験モードで動作しているときより電力伝達段階で実質的により確実でないであろう。
電力段階における寄生電力損失検出の精度を改善するために、寄生電力損失検出はシステムにおいて較正され/動的に適合される。詳細には、システムは、システムが電力伝達段階にあるときの作動パラメータ値に応じて寄生電力損失検出の第1のパラメータを適合させるように構成される。詳細には、システムは、送信電力推定値及び受信電力推定値の少なくとも1つに依存して電力損失推定値及び/又は検出閾値の計算のパラメータを適合させてもよい。しかしながら、寄生電力損失検出を連続的に適合させるよりはむしろ、適合は電力伝達段階の任意の初期時間間隔に受信される作動パラメータ値に(詳細には受信/送信電力推定値に)のみ基づくように制限される。したがって、初期時間間隔の間に生成される作動パラメータ値だけが寄生電力損失検出を適合させるときに考慮される。初期時間間隔が終わった後、システムは、これらの時間に対する作動パラメータ値が寄生電力損失検出を適合させるために使用されることなく、電力伝達段階にとどまってもよい。したがって、手法においてシステムは、電力伝達段階の一部であるが、初期時間間隔外である時間での状態を反映する作動パラメータ値を適合から除外するように構成される。
手法の実質的な利点は、寄生電力損失検出の適合が一層より正確な動作を見込み、且つ寄生電力損失検出が特定の送電器及び受電器に適合されるのを許容するだけでなく、多くの実施形態においてそれが特定の現状(例えば電力伝達段階での現在の電力レベルを含む)に適合されるのも許容するということである。更にまた、適合を初期時間間隔の間の電力伝達を反映する作動パラメータ値に基づくように(しかしその後の動作条件を反映する作動パラメータ値にではなく)制限することによって、適合は異物が存在しないという正確な検出直後の状態を反映するように制限される。したがって、適合は異物が存在する危険性が極めて低い時間の間に存在する状態に基づく。したがって、寄生電力損失検出が異物が存在するシナリオを反映するように適合されるという危険性は実質的に低減されることができる。
手法はしたがって、異なる仮定/動作シナリオに基づき、且つ異なる検出精度を有する2つの検出が相互作用して全体的な検出性能を改善する手法を活用する。有意に、電力伝達段階の間のより正確でない(しかししばしばより重要な)検出の精度及び性能は実質的に改善されることができる。
図2は、システム図1を一層詳細に例示する。
図2は、送信コイル103に結合され、且つ電力信号を生成し、そしてこれを送信コイル103に提供するドライバ201を例示する。したがって、ドライバ201は送信コイル103(及び受信コイル107)を介して受電器105にワイヤレス誘導電力信号を提供する。
ドライバ201は送信コイル103に送られる電流及び電圧を生成する。ドライバ201は典型的に直流電圧から交流信号を生成するインバータの形態の駆動回路である。図3は、ハーフブリッジインバータを図示する。スイッチS1及びS2はそれらが決して同時に閉じられないように制御される。交互に、S1が閉じられる一方でS2が開き、そしてS2が閉じられる一方でS1が開く。スイッチは所望の周波数で開閉され、それによって出力で交流信号を生成する。典型的に、インバータの出力は共振コンデンサを介して送信コイルに接続される。図4は、フルブリッジインバータを図示する。スイッチS1及びS2はそれらが決して同時に閉じられないように制御される。スイッチS3及びS4はそれらが決して同時に閉じられないように制御される。交互に、スイッチS1及びS4が閉じられる一方でS2及びS3が開き、そして次いでS2及びS3が閉じられる一方でS1及びS4が開き、それによって出力でブロック波信号を作成する。スイッチは所望の周波数で開閉される。
ドライバ201は電力伝達機能を動作させるための制御機能性も備え、且つ詳細にはQi規格に従う送電器101を動作させるように構成されるコントローラを備えてもよい。例えば、コントローラはQi規格の識別及び構成並びに電力伝達段階を行うように構成されてもよい。
受信コイル107は受電器コントローラ203に結合され、それは電力伝達機能を動作させるための様々な機能性を備え、且つQi規格に従う受電器105を動作させるように構成される具体例にある。例えば、受電器105はQi規格の識別及び構成並びに電力伝達段階を行うように構成されてもよい。
受電器コントローラ203は電力信号を受信するように且つ電力伝達段階の間、電力を引き出すように構成される。受電器コントローラ203は、電力伝達段階の間、送電器101から給電される負荷である電力負荷205に結合される。電力負荷205は外部電力負荷でもよいが、しばしば、受電器のバッテリ、ディスプレイ又は他の機能性などの受電装置の一部である(例えばスマートフォンの場合、電力負荷はスマートフォンの複合機能性に対応してもよい)。
システムは、範囲外である寄生電力損失推定値に応じて電力伝達のための寄生電力損失検出を生成するように構成される、以降では寄生電力損失検出器207と称される検出器を更に備える。詳細には、寄生電力損失検出器207は送電器101に対する送信電力推定値と受電器105に対する受信電力推定値との間の電力差を示す寄生電力損失推定値を生成し、そしてこれらの間の差が範囲外になるかどうかを検出してもよい。
例えば、寄生電力損失検出器207は送電器101によって生成される送信電力推定値を考慮してもよい。
単純な例として、送信電力推定値は送信コイル103に送られる電力として求められてもよく、又は例えばドライバ201のインバータ段への入力電力として求められてもよい。例えば、送電器101は送信コイル103を通る電流、送信コイル103にわたる電圧及び電圧と電流との間の位相差を測定してもよい。それは次いでこれらの値に基づいて対応する(時間平均)電力を求めることができる。別の例として、インバータの電源電圧は典型的に一定であり、そして送電器101はインバータによって引き込まれる電流を測定し、そしてこれに定電圧を乗算してインバータへの入力電力を求めてもよい。この電力は送信電力推定値として使用されてもよい。
多くの実施形態において、僅かにより複雑な送信電力推定値が生成される。特に、手法は送電器101自体での損失に対して計算電力を補償してもよい。特に、送信コイル103自体での損失が計算されてもよく、そして入力電力はこの値によって補償されて電力の改善された指標を提供してもよく、それは送信コイル103から送信される。
送信コイル103での電力損失は、
Plosscoil=R・Icoil 2
として計算されてもよく、ここでIcoilは送信コイル103を通るRMS電流であり、そしてRは送信コイル103の等価抵抗である。抵抗が既知であると仮定すれば、送信電力は、
Ptx=Vcoil・Icoil・cos(φ)−R・Icoil 2
によって推定されてもよく、ここでVcoilは送信コイル103にわたる電圧であり、そしてΦはVcoilとIcoilとの間の位相である。
Rは例えばR=Rb+Rf・fなどの関数に従って送信コイル電流の周波数に依存してもよく、ここでRbは等価抵抗の周波数独立部であり、Rfは等価抵抗の周波数依存部であり、そしてfは周波数である。
更に、寄生電力損失検出器207は受電器105によって生成される受信電力推定値を考慮してもよい。
受信電力推定値は受電器105の負荷に提供される電力として直接推定されてもよい。しかしながら、多くの実施形態において、受電器105は受電器105自体での電力損失/損も含む受信電力推定値を生成するであろう。したがって、報告される受信電力指標は負荷に提供される電力並びに受電器105での電力損失の両方を含んでもよい。例えば、それは整流回路及び/又は受信コイルでの測定又は推定電力損失を含んでもよい。多くの実施形態において、受信電力推定値は、例えば受電器筐体の導電部で消失される電力の推定値も含んでもよい。
典型的に、時間平均値は、例えば電力値が適切な時間間隔での平均値として求められ、時間間隔が好ましくは送電器101と受電器105との間で同期されて、使用される。
寄生電力損失検出器207は受信電力推定値を送信電力推定値から減算して寄生電力損失推定値を求めてもよい。寄生電力損失推定値は受電器105によって消失又は消費されない電力の量の推定値である(負荷205に提供される電力を含む)。したがって、寄生電力損失推定値は受電器105(又は送電器101)より他の装置によって消費される電力の推定値であるとみなされることができる。したがって、寄生電力損失推定値は送信コイル103の近くに位置付けられる異物など、他の実体で起こることがある損失の推定値である。寄生電力損失推定値は詳細には異物推定値でもよい。
寄生電力損失検出器207は、寄生電力損失推定値が範囲外である寄生電力損失推定値に対応する寄生電力損失基準を満たすかどうかを評価することによって寄生電力損失を生成するように構成される。多くの実施形態において、基準は、寄生電力損失推定値が所定の閾値でもよい所与の検出閾値を超えるということでもよい。したがって、幾つかの実施形態において、寄生電力損失検出器207は所与の閾値に送信電力推定値と受信電力推定値との間の差を単に比較し、そして閾値を超えれば、寄生電力損失が検出されたことを示してもよい。これは異物における損失があまりに高くてもよいこと、及び異物の不必要な加熱の潜在的な危険性があることを示してもよい。
システムは、受電器が試験モードで動作しているときのワイヤレス誘導電力信号の期待負荷とのワイヤレス誘導信号の測定負荷の比較に応じて異物検出推定値を生成するように構成される、以降では異物検出器209と称される別の検出器を更にまた備える。
異物検出推定値は詳細には、異物が存在すると推定されるか否か、即ち異物が検出されたかどうか又は異物が検出されなかったかどうかを示す2値推定値でもよい。
異物検出器209は試験モードで動作し、そしてしたがって異物検出は制約された作動パラメータで動作する受電器に基づく。したがって、異物検出は、受電器105の動作が異物の検出を援助してもよい典型的に非常に狭い動作範囲内であると仮定することができる。
詳細には、受電器105は、電力伝達段階であるときの動作に対して制約されるワイヤレス誘導電力信号の負荷で動作するように制約されてもよい。これは多くの実施形態において所定の且つ固定の電力排出を有する受電器によって達成されてもよい。詳細には、多くの実施形態において、受電器105は固定の且つ所定の負荷に制約されてもよい。例えば、受電器105が負荷205(典型的に動的に変化する)に電力を提供するよりはむしろ、負荷205は受電器105が試験モードにあるときに切断されてもよい。受電器105はその代わりに固定の且つ所定の試験負荷に接続されてもよく、又は幾つかの実施形態において、試験モードにあるときに、負荷に接続されなくてもよい。
異物検出はしたがって受電器105の動作点のより具体的な知識に基づいてもよい。更にまた、動作点は異物検出を容易にするように選択されてもよい。これは多くのシナリオで詳細には受電器105の比較的低い且つ一定の負荷を選択することによって達成されてもよい。
幾つかの実施形態において、受電器105はワイヤレス誘導電力信号の所定の且つ低い負荷を提供してもよく、そして異物検出は単に送信電力が閾値を超えるか否かの検出に対応してもよい。したがって、試験モードにあるときに送信電力が所与の閾値を超えれば、2値異物検出推定値は異物が検出されたことを示すように設定されてもよく、そしてそうでなければそれは異物が検出されなかったことを示すように設定されてもよい。幾つかの実施形態において、測定送信電力は異物検出推定値として直接使用されてもよい。
幾つかの例において、寄生電力損失検出のものと類似の手法が行われてもよく、即ち送信電力と受信電力との間の差が閾値と比較されてもよい。差が閾値を超えれば、異物検出推定値は異物が検出されたことを示してもよく、そしてそうでなければそれは異物が検出されなかったことを示してもよい。
したがって、例として、受電器は既定の状態で試験モードに入ってもよい。詳細には、受電器はその対象負荷を切断し、そしてその代わりに、例えば比較的に高精度抵抗によって形成される正確な既定の負荷に接続されることができる。
受電器はしたがってこの負荷の電力消費をより正確に求めることができる。例えば、例えば所定の負荷への電圧を測定するだけで十分であろうし、そして負荷を通る電流を測定すること又は電流と電圧との間の任意の位相差を考慮することは必要ではないであろう。加えて、受電器105は試験負荷への電圧を既定のレベルに設定してもよい。これは結果として負荷を通る既定の電流になり、そしてまた整流器及び受信コイルを通る既定の電流になる。これは受信インダクタ107及び整流器での電力損失がより正確に求められるのを許容する。
したがって、試験モードは受電器105によって引き出される電力の、そしてしたがってワイヤレス誘導電力信号の負荷の非常に正確な判定を見込む。したがって、既定の負荷条件のため、受電器105は受信電力をより正確に求めることができる。受信電力推定値は異物検出器209に提供されることができる。加えて、送電器101は比較的に高精度で送信電力を典型的に求めることができ、そして送信電力推定値はしたがって異物検出器209に提供されることができる。これは次いで差を求めて、そしてそれを検出閾値と比較してもよい。
寄生電力損失検出器207及び異物検出器209は受電器105及び送電器101にも結合されるコントローラ211に結合される。コントローラ211は送電器101の一部、受電器105の一部、又は例えばこれらの間に分散されてもよいことが認識されるであろう。異なる機能実体間の結合が、例えばワイヤレス誘導電力信号を介する受電器105と送電器101との間の(双方向)通信を含め、適切なように、適切な通信リンクを介してであってもよいことも認識されるであろう。
コントローラ211は異物検出器209及び寄生電力損失検出器207とインタフェースし、且つこれらから情報を受信することができる。詳細には、コントローラ211は、異物検出器209が異物を検出したか否かを示す異物検出器209からの異物検出推定値を受信してもよい(試験モード動作の間)。同様に、それは、寄生電力損失が寄生電力損失検出器207によって検出されたかどうかを示す寄生電力損失検出器207からの寄生電力損失検出推定値を受信する(電力伝達モード動作の間)。
コントローラ211は電力伝達システムの動作を更に制御することができ、そして詳細には受電器105及び送電器101が動作するモードを、及び詳細にはそれらが試験モードで又は電力伝達モードで動作するかどうかを直接的又は間接的に(例えば適切な通信リンクを介して)制御することができる。それは詳細には寄生電力損失検出器207及び異物検出器209が試験モードで又は電力伝達モードで動作するかどうかをも制御することができる。詳細には、それは寄生電力損失検出器207及び異物検出器209が作動中であるか否か(又は同等に例えば検出結果が無視されるか又は作用されるか)を制御することができる。
コントローラ211は詳細には、例えば電力伝達の初期化の一部として、システムを試験モードで動作するように初期化してもよい。したがって、受電器105及び送電器101は試験モードに入れられる。典型的に、異物検出器209は送電器101又は受電器105の一部であり、そしてしたがって異物検出器209も試験モードに入れられる。代替的に、幾つかの実施形態において、異物検出器209はコントローラ211によって直接試験モードに入れられてもよい(又はコントローラ211は異物検出器209によって行われる任意の試験の結果を無視する)。
システムが試験モードにあるときに、異物検出器209は異物が存在するか否かを示す異物検出推定値を生成する。コントローラ211はこれらの推定値を受信し、それに応じて、システムが電力伝達モードに入るべきか否かを判定する。詳細には、受信した異物検出推定値が異物が検出されないことを示す基準を満たせば、コントローラ211は続いて電力伝達システムを電力伝達動作モードに入れる。そうでなければ、それは試験モードのままである。
したがって、異物が存在しないことを示す異物検出推定値が異物検出器209からコントローラ211によって受信されるときに、それは続いて受電器105及び送電器101を電力伝達モードに切り替える。応じて、送電器101は、試験モードで使用される低い値を上回る電力が生成される(要求されれば)モードに入る。同様に、受電器105は負荷に接続し、そして適切な電力伝達が開始する。
更にまた、電力伝達モードで、異物検出器209は続いて寄生電力損失が所与の値を超えるかどうかを評価する。そうであれば、異物が存在する可能性があり、そしてしたがって潜在的に望ましくないシナリオが発生したかもしれない。したがって、システムは続いて処置をとってもよい。
幾つかの実施形態において、そのような寄生電力損失検出は例えば直接の結果として電力伝達が終了されることになってもよい。
しかしながら、図2の例において、コントローラ211は寄生電力損失検出器207から寄生電力損失検出の指標を受信し、そして応じてそれは続いて送電器101及び受電器105を電力伝達モードから試験モードに切り替える(幾つかの実施形態において、コントローラ211は送電器101及び受電器105の1つを試験モードに切り替えるだけでもよく、この実体が次いで例えば逆の装置を試験モードに切り替える)。
したがって、図2のシステムにおいて、寄生電力損失検出は結果として全電力伝達動作が断念されることにはならず、結果として単に電力伝達システムが試験モードに入れられることになる。コントローラ211は次いで続いて異物検出推定値を評価してもよい。これらが異物が検出されることを示せば、システムは試験モードのままでもよい(異物が検出されるかどうかを評価し続ける)。異物が検出されなければ(試験モードが入られるときにすぐ又はしばらくした後いずれかに)、コントローラ211は再びシステムを電力伝達モードに入れてもよい。
したがって、システムは異物のあり得る検出後に回復することができてもよい。更にまた、この回復は安全且つ確実なだけでなく、ユーザ介入を必要とすることなく行われることができる。
システムが試験モード及び電力伝達モードにあるときに、システムは異物/寄生電力損失の両方の検出に基づく。しかしながら、試験モードにあるときに、受電器105の作動パラメータは制約され、それによって実質的により正確且つ確実な検出が行われるのを許容する。2つの検出アルゴリズムは実質的に同じである(推定/測定送信及び受信電力間の電力差の評価など)が、異なる動作条件に基づいてもよく、又はそれどころか非常に異なる検出アルゴリズムでもよい。
図2のシステムは寄生電力損失検出を適合/較正するように構成される較正ユニット213を更にまた備える。詳細には、較正ユニット213は、例えば受信電力推定値及び/又は送信電力推定値などの作動パラメータ値に応じて寄生電力損失検出の1つ又は複数のパラメータを適合させる。しかしながら、連続的に適合させるよりはむしろ、較正ユニット213は電力伝達段階に入る初期時間間隔において求められる作動パラメータ値に基づいて寄生電力損失検出を適合させるように構成される。
詳細には、異物検出器209が異物が存在しないことを示し、且つ電力伝達段階に入られるべきであるとコントローラ211が判定するとき、それはまた続いて時間間隔(又は時間窓)を初期化する。システムは続いてこの初期時間間隔内の動作条件を反映する1つ又は複数の作動パラメータ値を求め、そして較正ユニット213は次いでこれらの作動パラメータに基づいて寄生電力損失検出を適合させる。しかしながら、較正ユニット213は電力伝達段階の間であるが、初期時間間隔外で求められる作動パラメータ値を除外するように更にまた構成される。したがって、較正ユニット213は初期時間間隔外で求められる作動パラメータ値を除外又は破棄するように構成される。
例えば、コントローラ211が送電器101及び/又は受電器105の電力伝達段階への移行を初期化するときに、それは較正ユニット213も初期時間間隔を開始するように初期化する。したがって、較正ユニット213は続いて寄生電力損失検出を適合させるために使用される作動パラメータ値を得る。初期時間間隔の終了時に、システムは電力伝達段階のままであるが、寄生電力損失検出は初期時間間隔の終了後に得られる作動パラメータ値に基づいては適合されない。したがって、システムにおいて、電力伝達段階の作動パラメータ値は、それらが初期時間間隔に属するときに且つそれらがこの外で発生しなれば、寄生電力損失検出を適合させるために使用されるだけである。
したがって、多くの実施形態において、較正ユニット213は、適合のための作動パラメータ値を求めるときに、初期時間間隔外の作動パラメータ値を破棄又は拒絶(又はその生成を防止)してもよい。
システムにおいて、適合のために使用される作動パラメータ値はしたがって異物が存在しないことを示す異物検出に続く初期時間間隔に制限される。したがって、初期時間間隔の間、電力伝達段階の状態が異物が存在しないシナリオを反映するという確率が非常に高く、そしてしたがって初期時間間隔における作動パラメータ値に基づく適合は異物が存在しないシナリオへの適合に対応するであろう。適合がこのシナリオに対してであるので、このシナリオからの偏差を検出する信頼性、即ち異物が存在することを検出する信頼性は実質的に上昇されることができる。
異物検出器209による最後の評価以来の時間が増加するにつれて、電力伝達段階の間、異物が存在する危険性は上昇する、即ち異物検出器209が異物の検出がないことを示す異物検出推定値を生成して以来の継続時間が長い程、異物が電力伝達の付近に入ったかもしれないという危険性は高くなる。しかしながら、手法において、寄生電力損失検出の適合は電力伝達の初期時間間隔内の(電力伝達)作動パラメータ値だけに基づき、そしてしたがって「誤った」パラメータ(即ち異物が存在するシナリオ)に基づく適合の危険性は実質的に低減される。
手法は正確な異物検出の結果を使用して、より正確でない寄生電力損失検出の適合を制御する。異なるシナリオで(異なる制約下で)行われている2つの検出間の相互作用は結果として改善された異物検出及び例えば異物における電力損失の低下した危険性になる。
システムにおいて、較正ユニット213はしたがって電力伝達段階に入る初期時間間隔外の時間のための作動パラメータ値を適合から除外するように構成される。多くの実施形態において、これは、初期時間間隔の間、作動パラメータ値に基づいて適合を連続的に行い、そして初期時間間隔の終了時に適合を終了させることによって達成されてもよい。したがって、そのような実施形態において、適合はリアルタイムに有効に動作し、作動パラメータ値が現在の測定値に基づいて生成され且つ適合を行うために直ちに使用される。したがって、適合は初期時間間隔に制限され、そして初期時間間隔の終了時に終了される。
しかしながら、他の実施形態において、例えば初期時間間隔後の電力伝達段階の間、又はそれどころか例えば試験モードで動作するときなど、システムが別の段階に入った以降の時間の間を含む別の時間に、適合が代替的に又は追加的に行われてもよいことが留意される。しかしながら、これらの実施形態において、較正ユニット213は電力伝達段階の間に求められる(少なくとも幾つかの)作動パラメータ値を、これらが初期時間間隔外であれば、依然として除外する。したがって、そのような非リアルタイム適合の実施形態において、初期時間間隔の間の作動パラメータ値は例えばその後の使用のために記憶されてもよく、そして適合は現在の作動パラメータ値にではなくこれらの記憶された値に基づいてもよい。
初期時間間隔内の作動パラメータ値は詳細には、初期時間間隔内で行われる測定に基づいて求められる作動パラメータ値でもよい。例えば、送信電力推定値は送信インダクタ電流の測定値に基づいて求められてもよく、そして初期時間間隔内の送信インダクタ電流の測定値から生成される送信電力推定値だけが使用される。同様に、受信電力推定値は受信インダクタ電流の測定値に基づいて求められてもよく、そして初期時間間隔内の受信インダクタ電流の測定値から生成される受信電力推定値だけが使用される。しかしながら、電力伝達段階内であるが、初期時間間隔外の測定値に基づいて生成される任意の作動パラメータ値は適合に使用されない。
幾つかの実施形態において、初期時間間隔の継続時間は予め定められてもよく、例えば初期時間間隔は電力伝達段階の初期化/異物が存在しないことを検出した後に、例えば10秒間続いてもよい。他の実施形態において、例えば初期時間間隔の終了は、例えばワイヤレス誘導電力信号の負荷などの動作特性に追加的に又は代替的に依存してもよい。図2の異なる機能ブロックが異なる実体で実行されることができること、且つそれどころかそれらが典型的に受電器105、送電器101、又は受電器105及び送電器101の両方の外部に実装されることができる、又はそれどころかこれらの場所間で分散されることができることが認識されるであろう。測定値、指令、検出結果などの様々な通信がそのような実装をサポートするために使用されてもよいことも認識されるであろう。
例えば、ドライバ201と異物検出器209、寄生電力損失検出器209、コントローラ211及び較正ユニット213との間の図2の個々の接続の各々は、個々の実体が送電器101の一部であれば内部通信リンクによって、そして個々の実体が受電器105の又は受電器105及び送電器101の両方の外部の個別の装置の一部であれば外部通信リンクによって(例えばワイヤレス誘導電力信号を通信キャリアとして使用して又はブルートゥース(登録商標)若しくはNFC通信などの個別の通信手法を使用して)実装されてもよい。
同様に、受電器コントローラ203と異物検出器209、寄生電力損失検出器209、コントローラ211及び較正ユニット213との間の図2の個々の接続の各々は、個々の実体が受電器105の一部であれば内部通信リンクによって、そして個々の実体が送電器101の又は受電器105及び送電器101の両方の外部の個別の装置の一部であれば外部通信リンクによって(例えばワイヤレス誘導電力信号を通信キャリアとして使用して又はブルートゥース(登録商標)若しくはNFC通信などの個別の通信手法を使用して)実装されてもよい。
多くの実施形態において、寄生電力損失検出器207、異物検出器209及び較正ユニット213は、送電器101に実装されてもよい。これは典型的により低い複雑性及びしばしばより安全な動作を見込む。それは、例えば送電器101から受電器105に必要とされる通信を低減させることによって、動作を容易にしてもよい。
多くのシステムにおいて、コントローラ211は受電器105に設置されてもよい。
例えば、Qiシステムの場合、制御のできるだけ多くが送電器101よりもむしろ受電器105に設置されることは設計思想である。
図5は、そのような実施形態に従う送電器101の例を例示する。したがって、送電器101は寄生電力損失検出器207、較正ユニット213及び異物検出器209を備える。加えて、図5は、受電器105に/からデータを送受信することができる送電器通信機501を例示する。
それに応じて、図6は、そのような実施形態に従う受電器105の例を例示する。受電器105は、当業者に知られるであろうように、ワイヤレス誘導電力信号を受信し且つそこから電力を引き出し、そしてそれを負荷205に提供する受電器プロセッサ601を備える。加えて、受電器プロセッサ601は、例えばQi規格に従って受電器105を動作させるために必要とされる様々な制御機能性を備える(図6の受電器プロセッサ601は図2の受電器コントローラ203に対応してもよい)。
例において、受電器105はコントローラ211を備える。加えて、図6は、送電器101にデータを送信及びそこからデータを受信することができる受電器通信機603を例示する。
多くの実施形態において、受電器105は送電器101に試験モード開始指令を送信するように構成され、そして送電器101は試験モード指示を受信したことに応じて試験モードに入ってもよい。試験モード開始指令を送ることに関連して、受電器105自体も試験モードに入るであろう。したがって、そのような実施形態において、受電器105はシステムがどのモードで動作しているかを制御するコントローラ211を備えてもよく、そして詳細には、受電器105は電力伝達システムがいつ試験モードに入るべきかを決定するための機能性を備えることができる。
受電器105は詳細には、電力伝達の初期化の一部としてシステムを試験モードに切り替えることが可能でもよい。しかしながら、受電器105は追加的に又は代替的に、システムが電力伝達モード/段階で動作しているときに送電器101に試験モード開始指令を送信するように構成されてもよい。したがって、受電器105は動作を制御することができ、そして詳細には電力伝達モードが維持されるかどうかを又はシステムが試験モードに切り替わるかどうかを制御することができる。
受電器105は例えば動作条件の変化を検出してもよく、且つ応じてシステムを試験モードに切り替えて、異物が存在しそうか否かを評価してもよい。
詳細には、受電器105はどれくらいの電力が受信されるかを連続的に評価してもよい。受信電力が突然減少して結果として例えば受電器105が一連の電力アップメッセージを送らなければならないのであれば、そのような電力段は異物が送電器101の近くに位置付けられることによって引き起こされることがある。したがって、これが当てはまるかどうかを評価するために、受電器105は続いて送電器101に試験モード開始指令を送信することによってシステムを試験モードに切り替えることができる。したがって、幾つかの実施形態において、受電器105は、受信電力の変化を検出したとき送電器101に試験モード開始指令を送信してもよい。
代替的に又は追加的に、受電器105は、送電器101からデータを受信したことに応じて試験モード開始指令を送信するように構成されてもよい。詳細には、送電器101は寄生電力損失検出の指標を送信してもよく、そして受電器105は応じてそれ自体を試験モードに切替え、そして送電器101に試験モード開始指令を送信してこれを試験モードに切り替えてもよい。
幾つかの実施形態において、送電器通信機501は受電器に試験モード要求を送信するように構成されてもよく、ここで試験モード要求は受電器が試験モードに入るための要求を提供する。試験モード要求を受信したことに応じて、受電器105は続いて、ワイヤレス誘導電力信号の負荷が電力伝達段階の間に(即ち受電器が電力伝達モードで動作しているときに)発生してもよいワイヤレス誘導電力信号の負荷に対して制約される試験モードに入る。
したがって、そのような実施形態において、送電器101は受電器105がいつ試験モードで動作するかを制御することができ、即ちそれは受電器がいつワイヤレス誘導電力信号の制約された負荷で動作しているかを制御することができる。幾つかの実施形態において、受電器105は受け取ったこと及びそれが試験モードに入った(又は入っている)ことを確認してもよく、そして異物検出器209はそのような確認を受信したことに応じて異物検出を行うように構成されてもよい。
ここでは、受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷は電力伝達段階の間、電力伝達モードで動作するときの受電器によるワイヤレス誘導電力信号の負荷に対して制約される。
これは多くの実施形態において効率的な且つ改善された動作を提供してもよい。特に、それは送電器の試験モード動作を受電器と同調させるための効率的な手法を許容してもよい。それは詳細には、より正確な異物検出が制約されている負荷に基づいて行われることができる試験モードに入るように送電器が受電器を制御するのを許容する。
幾つかの実施形態において、送電器101は、寄生電力損失が寄生電力損失検出器207によって検出されるときに受電器105に寄生電力損失検出指標を送信するように構成されてもよい。したがって、電力伝達段階の間、寄生電力損失検出器207は閾値を超える寄生電力損失が経験されるかどうかを連続的に評価してもよい。そうであれば、寄生電力損失が検出され、そして送電器101は受電器105に寄生電力損失検出指標を送信する。寄生電力損失検出指標を受信すると、受電器105は続いてそれが異物が潜在的に存在するかもしれないとみなすかどうかを判定してもよい。そうであれば、それは送電器101に試験モード開始指令を送信することによってシステムを試験モードに切り替えてもよい。
多くの実施形態において、受電器105は、試験モードがいつ出られるべきか及び/又は電力伝達モードがいつ入られるべきかを判定するための機能性をも備えてもよい。
詳細には、受電器105は送電器101に試験モード終了指令を送信するように構成されてもよく、そして送電器101は受電器105からこの試験モード終了指令を受信したことに応じて電力伝達モードに入ってもよい。受電器105はまた、試験モード終了指令を送信するときに試験モードから出てもよい。
受電器105は、送電器101からデータを受信したことに応じて試験モード終了指令を送信するように構成されてもよい。例えば、試験モードにあるときに、異物検出器209は異物検出推定値を連続的に生成してもよく、そしてこれらは受電器105に送信されてもよい。受電器105は次いでこれらの異物検出推定値を評価してもよく、そして基準が満たされれば、それは試験モードが成功して完了されたと、且つ電力伝達モードに進むことが許容できると判断してもよい。基準が満たされれば、受電器105はしたがって送電器101に試験モード終了指令を送信し、そしてそれ自体電力伝達モードに入る。
詳細には、受電器105は、異物が検出されていることを示す異物検出推定値が受信される間は試験モードのままでもよい。しかしながら、異物が検出されないことを示す異物検出推定値が受信されれば、受電器105は、例えばこれらが所与の数受信された後、電力伝達モードに入ることが合理的であると判定する。応じて、それは試験モード終了指令を送信し且つそれ自体電力伝達モードに入ることができる。
したがって、幾つかの実施形態において、送電器は受電器に少なくとも1つの異物検出推定値を送信するように構成される。異物検出器209は例えば異物検出推定値を連続的に生成してもよく、そして送電器101はこれらを一定の間隔で受電器105に送信してもよい。受電器105はしたがって異物検出推定値を連続的に評価してもよく、且つ例えば所与の数の異物検出推定値が異物の指標なしで受信されたときに、又は異物検出推定値が異物が検出されたことを示すことなく所与の時間間隔が発生したときに、試験モードが出られることができると判断してもよい。
幾つかの実施形態において、送電器101は異物が存在することが検出されたときに異物検出推定値を通信するだけでもよく、即ち正検出異物検出推定値だけが通信されてもよい。そのような実施形態において、受電器105は例えば、異物検出推定値が送電器101から受信されることなく所与の間隔が過ぎるまで試験段階のままでもよい。
受電器105及び/又は送電器101は、試験モードから出て、そして直接電力伝達モードに入るように構成されてもよい。しかしながら、幾つかの実施形態において、1つ又は複数の介在段階又はモードが動作されてもよい。また、幾つかの実施形態において、電力伝達モードに入ることは、例えば介在段階の成功した結果を条件としてもよい。
送電器101から受電器105に寄生電力損失検出及び異物検出推定値を通信するために様々な通信手法が使用されてもよいことが認識されるであろう。
多くの実施形態において、通信は、受電器105からのメッセージへの肯定応答メッセージの送信を制御することによって達成されてもよい。詳細には、多くの実施形態において、受電器105は送電器101に様々なメッセージを送信してもよい。詳細には、電力伝達段階の間、受電器105は送電器101に電力制御(誤差)メッセージを連続的に送信する。送電器101は幾つかの実施形態において、例えばメッセージが肯定応答されたことを示す単一のビットによって、そのようなメッセージに肯定応答してもよい。
送電器101は詳細には、受電器105から受信される電力制御ループメッセージに肯定応答しないことによって受電器105に寄生電力損失検出指標を送信してもよい。したがって、寄生電力損失検出器207が寄生電力損失、そしてしたがって潜在的に異物を検出すれば、それは続いて電力制御ループメッセージ(即ち電力制御(誤差)メッセージ)に肯定応答せずに検出を示す。非肯定応答は、例えば専用の非肯定応答ビットを送信することによって、又は幾つかの実施形態において、単に肯定応答ビットを通信しないことによって通信されてもよい。
対応する手法が異物検出推定値を通信するために使用されてもよい。例えば、送電器101は、異物が検出されるか否かを示す受電器105へのメッセージを送信することによって試験モード開始指令に応答することができてもよい。応答メッセージは試験モード開始指令に対する肯定応答メッセージでもよく、ここで肯定応答メッセージは異物が検出されない場合に送られるだけである。非肯定応答は専用の非肯定応答データによって又は肯定応答メッセージの欠如によって送信されてもよい。
記載される手法は多くのシステムに特に有利な手法を提供してもよい。例えば、それは手法がQiなどのシステムに導入されるのを許容してもよいが、一方で必要とする変更は比較的に少ない。
詳細には、手法は受電器が主制御実体であるのを見込み、これはQi設計思想に合致する。代替的に又は追加的に、手法は、通信が非対称であるシナリオ及びシステムに、そして詳細には非対称通信リンクを使用するシステムに特に適切でもよい。それどころか、手法は、送電器から受電器への通信帯域幅が受電器から送電器への通信帯域幅より実質的に低いシステムに非常に有利でもよい。手法は、比較的にまれに通信される単一ビットメッセージ(肯定応答/非肯定応答メッセージなど)が送電器から受電器に使用されてもよい実装さえも許容してもよい。
前述の説明は、試験モードが単一の試験を備えるシナリオに重点を置いた。しかしながら、幾つかの実施形態において、試験モードは異なる考えられる試験を備えてもよく、そして詳細には異物検出は異なるシナリオにおける異なる試験又は試験パラメータに基づいてもよい。詳細には、異物検出器209は異なる負荷条件に基づいて異物検出を行うように構成されてもよい。
具体例として、異物検出器209は、受電器105がオフに切り替えられ且ついかなる電力も消費しないことを前提とする異物検出を行うことが可能でもよい。それは、受電器105が一定量の電力、詳細には受電器105が例えばそれがユーザインタフェースなどを動作させることができるオン状態にあるのを許容する量の電力などを消費するが、受電器105の負荷には電力は典型的に提供されない又は低下した量だけであることを前提とする異物検出を行うことも可能でもよい。
異物検出器209はしたがって幾つかの実施形態において、異なる条件、そして詳細には異なる受電器負荷条件を前提とする異なる(サブ)モードで動作することが可能でもよい。
幾つかの実施形態又はシナリオにおいて、そのような試験は代替試験でもよい。他の実施形態及びシナリオにおいて、試験は例えば逐次試験でもよく、そしてそれどころか異物検出全体は複数の試験を備えてもよい。使用される試験は更に互いを条件としてもよい。
例えば、電源オン動作の間、異物検出器209はまず、受電器105が電源オフにされ、そして非常に低レベルの試験信号だけが送信コイル103によって生成される試験を行ってもよい。それはこの信号のための送信電力を推定/計算/測定し、そしてそれを閾値と比較してもよい。求めた送信電力が閾値より下であれば、この試験は異物が存在しないことを示すとみなされる。そうでなければ、異物が存在するかもしれないとみなされ、そしてこれは結果として送電器101が電力伝達初期化手法を終了させることになってもよい。したがって、理想的には受電器105が電源オフにされると、電力伝達信号から引き出される電力は極めて低く、そしてそれどころか受電器105の導電部に誘導される多少の渦電流だけに対応するはずである。したがって、任意の期待されるより高い電力提供は異物が存在することを示すことができる。他の実施形態において、異物検出器209はその代わりに、例えばインピーダンス尺度を検出し、そしてこれが期待範囲にあるかどうかを判定するように構成されてもよい。そうでなければ、異物検出器209は異物が検出されたとみなしてもよい。
第1の試験が成功している、即ち異物が検出されなければ、コントローラ211は幾つかの実施形態において通知され、そして応じて更なる異物試験は行われずに電力伝達初期化を続行してもよい。しかしながら、他の実施形態において、異物検出器209は続いて、受電器105が電力伝達信号をより大幅に負荷する(電力伝達信号という用語は、システムが電力伝達段階にないときにさえ送信コイル103の信号に関することが留意されるべきである)第2の試験を行ってもよい。詳細には、この第2の試験では、受電器205はその内部回路網及び可能であれば低下した負荷205に給電してもよい。例えば、要求電力は、存在するかもしれない任意の潜在的な異物における許容できない電力損を冒さないように十分に低く保たれてもよい。
したがって、受電器205は例えばユーザインタフェースなどを動作させることができてもよい。異物検出器209は、第2の試験を行い、そして詳細には電力伝達信号の送信電力を受電器105から送電器101に送信された受信電力推定値と比較してもよい。差は閾値と比較されてもよく、そしてそれが閾値を超えれば、第2の試験は結果として異物の潜在的な検出になったとみなされてもよく、またそうでなければ、異物は検出されなかったとみなされてもよい。後者の場合、システムは電力伝達初期化を続行してもよい。前者の場合、システムは例えば電力伝達初期化を終了させてもよく、又は例えばユーザが異物の存在を確認又は否定するために、ユーザ対話を開始してもよい。
したがって、この例において、異なる試験又は試験条件は共に異物検出の一部であってもよく、そして詳細には逐次試験であってもよい。他の例において、1つの試験だけが行われてもよく、また2つの試験が代替異物検出試験でもよい。この場合、適用される試験は動作条件に依存してもよく、そして詳細には電力伝達システムが動作している、又は試験モードが入られた前の動作段階に依存してもよい。
例えば、システムが新しい電力伝達を初期化しているときに、システムは、例えばピング、識別及び構成段階又は交渉段階の一部としての電力伝達初期化段階を介して電力伝達段階に入ってもよい。この場合、第1の試験だけが例えばこの初期化の一部として適用されてもよく、そしてシステムは第1の試験だけに基づく電力伝達初期化を続行又は終了させてもよい。別のシナリオで、寄生電力損失は電力伝達段階の間に検出されてもよかったし、そして結果としてシステムは試験モードに切り替わってもよかった。この場合、例えばアクティブユーザインタフェースなどを提供するために受電器105をオン状態に維持することは非常に有利でもよい。したがって、この場合、異物検出器209は、受電器105が電力を一切消費しないと仮定することはできない。また、給電される受電器105の関連する回路網に十分に強い電力伝達信号を提供することが必要とされる。したがって、異物検出器209は続いて第1の試験の代わりに第2の試験を行って、任意の異物が存在するかどうかを判定してもよい。
複数の(可能な)異物試験を持つシステムにおいて、受電器105がまた、行われている試験に依存してその動作を適合させてもよいことが認識されるであろう。異なる試験をサポートするために送電器101と受電器105との間の更なる通信が実装されてもよいことも認識されるであろう。
詳細には、受電器105はメッセージを通信してもよく、それに応じて異物検出器209はその動作を適合させる、そして詳細には行われている異物試験を適合させる。他のシナリオで、特定の試験の使用は部分的に又は完全に予め定められてもよく、そして適用された試験は所定の且つ周知の方法で特定の動作シナリオに依存してもよい。
幾つかの実施形態において、異物検出器209はしたがって、電力伝達システムのための作動パラメータに依存して異なる試験サブモードで動作するように構成されてもよい。詳細には、それは、現在の又は以前の動作段階に依存して及び/又は受電器105から受信されるメッセージに依存して異なるサブモード間で切り替わるように構成されてもよい。異なるサブ試験モードは異なる受電器作動パラメータ推定値を使用してもよい。詳細には、異物検出は送電器101からの送信電力を受電器105によって受信される受信電力と比較することに基づいてもよく、そして受電器105のための推定受信電力パラメータは異なるサブ試験モードで異なってもよい。
幾つかの実施形態において、異物検出器209は受電器から受信されるパラメータに応じて異物検出を適合させるように構成されてもよい。
例として、電力初期化の間、受電器105は初期にオフに切り替えられてもよく、且つ送電器101は受電器105を起動させるには十分でない非常に低レベルの電力伝達信号を生成してもよい。送電器101はこの状況で送信電力を測定してもよい。それは次いで続いて受電器105に給電することになるピング信号を生成してもよい。
異物検出器209は第1の試験を自律的に行うように構成されてもよい。これが異物が存在しないことを示せば、送電器101はピング信号が生成されるピング段階に進んでもよい。
ピング信号に応じて、受電器105は送電器101に典型的に負荷変調によってメッセージを送信してもよい。このメッセージは例えば受電器105からの受信電力推定値を含んでもよく、又は例えば送信電力を比較する対象の電力閾値を備えてもよい。ピング信号は受電器105の内部回路網にも給電してもよい。
幾つかの実施形態において、受電器105は送電器101に電力伝達信号負荷指標を送信してもよく、ここでは電力伝達信号負荷指標は受電器105による電力伝達信号の負荷を示す。電力伝達信号負荷パラメータは、オフ状態にあるときの、即ち受電器105がオフに切り替えられるときの受電器105による電力伝達信号の負荷を示してもよい。代替的に又は追加的に、電力伝達信号負荷パラメータは、オン状態にあり且つ外部負荷が受電器105から切断されるときの受電器105による電力伝達信号の負荷を示してもよく、外部負荷は電力伝達段階で受電器105によって給電される負荷である。例えばこのシナリオで、受電器105におけるコントローラの負荷だけが接続されるか、又は例えば、例えば1キロオーム抵抗器などの外部高インピーダンス負荷が接続される。異物検出器209は電力伝達信号負荷指標に応じて異物検出を適合させるように構成されてもよい。
電力伝達信号負荷パラメータ指標は例えば、受電器105が完全にオフに切り替えられ、それでも受電器105は給電されることに備えて送電器101上に位置付けられるときの電力伝達信号の負荷の指標でもよい。指標はしたがって、受電器105の装置の導電材料の量及び分布、渦電流により引き出されている電力量などを反映してもよい。別の例として、電力伝達信号負荷指標は詳細には、受電器105が送電器101上に位置付けられ且つ、しかし外部負荷が切断されて、送電器101によって給電されるときの電力伝達信号の負荷の指標でもよい。したがって、この例では、電力伝達信号負荷指標は、送電器101上に位置付けられている受電器105の装置に起因する送電器の負荷量、並びに外部電力提供なしの任意の動作中の内部回路網(例えば制御又はユーザインタフェース回路網など)の負荷を示す。更に別の例として、電力伝達信号負荷指標は、受電器105が送電器101上に位置付けられ、送電器101によって給電され、且つ低下した外部負荷又は、例えば高抵抗(例えば1キロオームを超える)の抵抗器などの、例えば低下した内部負荷に接続されるときの電力伝達信号の負荷の指標でもよい。
電力伝達信号負荷指標は例えば引出し電力の推定値として直接提供されてもよい。しかしながら、他の実施形態において、電力伝達信号負荷指標は、異物が存在するか否かを評価するために異物検出器209によって使用される検出閾値を直接提供してもよい。
例えば、受電器105は、受電器105が完全にオフに切り替えられる状況のための異物検出を行うときに異物検出器209が適用する閾値を含む送電器101へのメッセージを送信してもよい。異物検出器209は次いで続いて第1の試験のために、即ち第1の試験モードでこれを使用してもよい。同様に、受電器105は、受電器105がオンに切り替えられるが、外部負荷205が切断される状況のための異物検出を行うときに異物検出器209が適用する閾値を含む送電器101へのメッセージを送信してもよい。異物検出器209は次いで続いて第2の試験のために、即ち第2の試験モードでこれを使用してもよい。送電器101は、受信メッセージに基づいて、又は例えば送電器101が現在いる段階に基づいて第1及び第2の閾値を使用することの間で(即ち第1及び第2の試験間で)自動的に切り替わってもよい。
具体例として、電力伝達動作を初期化するときに、送電器101はまず、受電器105の内部回路網さえ給電するには十分でない非常に低レベルの電力伝達信号を生成してもよい。したがって、受電器105はオフに切り替えられることになる。しかしながら、異物検出器209は電力伝達信号から引き出される電力を測定及び記憶してもよく、即ちそれはこのシナリオで送信電力を求めてもよい。求めた送信電力を直接使用するよりはむしろ、異物検出器209は値を記憶してもよい。送電器101は、例えば受電器が送電器101上に位置付けられたかどうかを検出しようと試みると共に、選択段階でこの低レベル信号を生成してもよい。
送電器101は次いでピング段階に進み、そして受電器105に給電するのに十分であるピング信号を生成してもよい。受電器105は次いで送電器101との通信をサポートしてもよく、そして詳細には電力伝達信号負荷指標を含む送電器101へのメッセージを送信してもよい。詳細には、それは、任意の異物が存在するかどうかを検出するために低レベル電力伝達信号の推定送信電力と比較されることができる送信電力に対する検出閾値を送信してもよい。
送電器101は次いで続いて記憶した推定送信電力を受信した検出閾値と比較することによって第1の試験を行ってもよい。推定送信電力が受信した閾値を超えれば、異物検出器209は異物が検出されるとみなす。
その場合、送電器101は電力伝達初期化を終了させてもよく、そして詳細には電源オフしてもよい。それは次いで可能であれば典型的に比較的短い遅延後に(例えば数秒後に)工程を繰り返してもよい。
記憶した推定送信電力が閾値を超えなければ、異物検出器209は異物が存在しないとみなし、そしてそれはしたがって電力伝達設定を続行してもよい。
送電器101はこのようにして、受電器105が電力を全く又は殆ど引き出さない状況のための第1の異物検出試験を行ってもよい。
送電器101は更にまた受電器105にこの第1の異物検出試験の結果を通信してもよい。詳細には、それは受電器105にACK(肯定応答)又はNACK(非肯定応答)メッセージを送信することによって結果を通信してもよい。NACKメッセージは、NACKの理由が異物が検出されたということであることを示すことができるフラグを含んでもよい。
応じて、受電器105は例えば送電器101のユーザインタフェースを介してユーザフィードバックを提供してもよく、ここでユーザフィードバックは送電器101によって異物が検出されたことを示す。
異物が検出されなければ、送電器101は例えば、可能であれば介在段階を介して電力伝達段階に進んでもよい。
初期化工程の一部として、受電器105は送電器101に第2の電力伝達信号負荷指標も送信してもよく、そして詳細には電力伝達信号負荷指標は、オンに切り替えられるが、低下した外部負荷を有する受電器105(そして詳細にはオンに切り替えられるが、外部負荷がオフに切り替えられる受電器105)からの電力伝達信号の負荷を反映する。
異物検出器209はしたがって、電力伝達信号の負荷が低減される(と仮定される)試験モードで動作してもよい。これは例えば電力伝達段階の間の高寄生電力損失の検出に応じて起こってもよい。例えば、前述したように、送電器101は、電力伝達段階の間の寄生電力損失が異物の潜在的な存在を示す所与の閾値を超えれば試験モードへ切り替わってもよい。
この場合、異物検出器209は第2の試験を行ってもよく、即ちそれは送信電力と受信電力との間の電力差を求め、そしてこれを第2の閾値と比較してもよい。閾値を超えれば、送電器101は異物が検出されたことを示す受電器105へのメッセージを送信してもよい。例えば、異物検出を示すNACKメッセージが送信されてもよい。
そのようなメッセージを受信すると、受電器105は続いて送電器101のユーザインタフェースを使用してユーザ出力を生成してもよい。
受電器105は、異物があるかをより正確に確認する目的で電力伝達段階での異物トリガから回復し、そして次いで電力伝達段階に戻ることを決定してもよく、そしてしたがって第2の試験を再試行するという送電器101への要求を送信してもよい。例えば、ユーザは任意の存在する異物を除去し、そして確認のためボタンを押すことを要求されてもよい。応じて、受電器105は送電器101が電力伝達を再開するための要求を生成してもよい。
送電器101が異物検出を行うときに成功していれば、即ち異物検出動作によって異物が検出されないときに、送電器101は電力伝達段階に戻り、そして受電器105に電力を提供し始める。それは、例えば、例えば成功した異物検出を示すフラグ付きのACKメッセージを送信することによって、このことを受電器105に更に通信してもよい。それが成功していなければ、又は電力伝達段階に戻るための要求が受信されなければ、送電器101は電力伝達動作を終了させ、そして選択段階に戻ってもよい。
したがって、前述したように、送電器101及び受電器105が有効に協働することによって、非常に有利な異物検出動作が達成されてもよい。異物検出結果の通信は機能性が送電器101及び受電器105にわたって分割されるのを許容するだけでなく、改善された動作も許容する。例えば、それは、ユーザが潜在的な異物について通知されるのを許容してもよいだけでなく、ユーザが状況を是正し、そして電力伝達を再開するのも許容するユーザフィードバックを受電器105が提供するのを許容する。加えて、それは、受電器105がシステムの動作を制御したままであるのを許容し、そしてしたがってシステム全体が例えばQi電力伝達システムの設計原理に従うのを許容する。
システムは、異物検出及び寄生電力損失検出アルゴリズムの少なくとも1つを動的に適合させるように構成されてもよい。システムは、システムの動作に応じて例えば異物検出又は寄生電力損失検出のための決定基準を適合させるための機能性を含んでもよい。
詳細には、システムが電力伝達モードに入るときに、それは試験モードに続いてそのようにする。試験モードの間、非常に正確な異物検出が行われた。したがって、システムが電力伝達モードに入るときに、それは異物が存在せずにそのようにするという確率が高く、そしてしたがって寄生電力損失検出がこのことを反映するはずであること、即ち寄生電力損失シナリオを反映するとみなされる程でない寄生電力損失推定値が生成されるはずであることが期待される。したがって、寄生電力損失検出は電力伝達モードが初期化されるときの条件及び特性に基づいて較正されてもよい。したがって、システムは、電力伝達段階のための作動パラメータ値に応じて寄生電力損失検出の第1のパラメータの適合を初期化するように構成されている較正ユニット213を含む。較正ユニット213は、作動パラメータ値が、(異物の検出を示していない異物検出推定値に伴う)電力伝達段階に入る初期時間間隔外の時間のためであれば、(電力伝達段階の)電力伝達パラメータを適合から除外するように構成される。
したがって、較正ユニット213は、電力伝達段階に入ったときに寄生電力損失検出のパラメータの適合/較正を初期化するように構成されてもよい。図7の例において、送電器101は較正ユニット213を備えるが、他の実施形態において、較正ユニット213は、例えば完全に又は部分的に受電器105になど、完全に又は部分的に他の場所に位置付けられてもよいことが認識されるであろう。
寄生電力損失検出の適合は詳細には、異物が存在しないときの期待される性能により近い決定の方へアルゴリズムが適合されるようなものでもよい。例えば、寄生電力損失検出が所与の決定閾値に送信電力と受信電力との間の差を比較することに基づく場合、適合は、閾値に対する計算した電力差が異物が存在しないことに対応する期待される関係の方へ偏るように、送信電力の判定、受信電力の判定及び/又は閾値を適合させることを備えてもよい。例えば、計算した差が検出される寄生電力損失を示す検出閾値に近ければ、送信電力の判定、受信電力及び/又は閾値は、計算した差がそれ程閾値に近くないように適合されてもよい。
適合はこのようにしたがって、電力伝達モードが異物が存在せずに初期化されるという仮定に基づいて検出性能を適合させてもよい。
しかしながら、システムが電力伝達モードのままである期間が長い程、送電器101の付近に異物がもたらされたという確率は高くなる。例えば、異物は送電器101の比較的な付近であるが、異物が寄生電力損失検出器207のより粗い寄生電力損失検出によって検出されない距離で位置付けられるかもしれない。
したがって、較正ユニット213は、電力伝達段階に入る初期時間間隔内の動作条件を表す電力伝達段階の作動パラメータ値だけ、そして詳細には初期時間間隔内の測定値に基づく電力伝達の作動パラメータ値だけを考慮するように構成されてもよい。
寄生電力損失検出の適合/較正はしたがって、電力伝達段階の初期時間間隔の間に求められる作動パラメータ値に基づいているのみであり、そして初期時間間隔外で求められる電力伝達段階作動パラメータ値には基づいていない。多くの実施形態において、適合は、作動パラメータ値が測定値に基づいて即時に求められ、そして適合を行うために即時に使用されてもよいリアルタイム適合である。したがって、そのような実施形態において、作動パラメータ値が求められる(基となる測定がなされる)ときと適合が行われるときとの間に直接の時間的一致がある。したがって、そのような実施形態において、どの作動パラメータ値が適合のために考慮されるかと適合の性能との間に直接の対応がある。したがって、そのような実施形態において、電力伝達段階作動パラメータ値を使用することを初期時間間隔内のみに制限することは、適合を初期時間間隔に行われるように制御することによって達成されることができる。したがって、そのような実施形態にとって、適合を終了させることと初期時間間隔を終了させる/終えることとは等価である。
以下の説明は、そのようなリアルタイム適合が行われる実施形態に重点を置くことになる。したがって、適合を終了させることへの言及は、作動パラメータ値が適合のために使用されるのに有効である初期時間間隔を終了させる/終えることと等価であり且つその具体例とみなされてもよい。しかしながら、手法はそのようなリアルタイム適合に又は作動パラメータ値が有効であるとみなされる初期時間間隔と同じである適合間隔に限定されないことが認識されるであろう。それよりも、他の実施形態において、これらの時間間隔は異なってもよく、そして例えば較正ユニット213は、やがて後の時間に適合のために使用される初期時間間隔のための作動パラメータ値を求めて且つ記憶してもよい。それどころか、幾つかの実施形態において、作動パラメータ値が生成される基となる測定値が初期時間間隔において求められる(だけ)でもよい一方で、これらの測定値からの作動パラメータ値の決定は、適合と同様に、以降の時間に行われている。そのような非リアルタイム適合手法にとって、適合を終了させることへの以下の評言及び言及は、初期時間間隔を終了させることを指すとみなされてもよい。
したがって、具体例において、較正ユニット213は電力伝達モード/段階に入ることに続く初期時間間隔の間に適合を行うように構成される。例えば、較正ユニット213が送電器101の一部であれば、電力伝達段階の開始に対応する電力伝達モードに送電器101が入れられるときに、適合及び初期時間間隔は初期化されてもよい。初期時間間隔の終了時に、較正ユニット213は電力伝達段階のままで適合を終了させてもよい。したがって、異物は検出されておらず、そしてしたがって電力伝達を継続することは許容できると考えられるとはいえ、動作シナリオが理想的でない危険性が増加すると、且つ適合がしたがって有利に終了されてもよいと考えられてもよい。
適合の終了(又はより一般に初期時間間隔の終了)は発生する事象の検出に応じてもよい。幾つかの実施形態において、適合は、電力伝達モードの継続時間が閾値を超えることに応じて終了されてもよい。したがって、システムは続いて、開始する電力伝達モードの初期時間間隔の間、寄生電力損失検出を適合させてもよい。しかしながら、適合/較正が、(検出されない)異物が存在するかもしれないシナリオに基づかないことを確実にするために、適合/較正は潜在的に所定の継続時間後に自動的に終了される。
代替的に又は追加的に、適合/較正の終了は特定の事象の検出に応じて、そして詳細には電力伝達パラメータが基準動作範囲を超えることを検出したことに応じてでもよい。電力伝達パラメータは、詳細にはワイヤレス誘導電力信号の負荷などの電力伝達特性を示すパラメータでもよい。ワイヤレス誘導電力信号の負荷の検出は直接的又は間接的でもよい。例えば、較正ユニット213は負荷205の値が変化したことを検出してもよく、そしてしたがって、それは続いて初期時間間隔を終了させてもよい。
例として、電力伝達の間、受電器105は利用可能な電力が突然減少すること、且つ送電器101に一連の電力アップ要求を送信する必要であることを検出してもよい。そのようなシナリオはおそらく送電器101の電磁界内に異物が位置付けられるために発生してもよく、即ちそれは異物がワイヤレス誘導電力信号から電力を排出するためでもよい。そのような検出に応じて、たとえ寄生電力損失がシステムによって検出されなくても、システムは適合及び較正を終了させてもよい。したがって、異物の影響は、懸念を引き起こし電力伝達が終了されることを必要とすることがないほど低くてもよいが、適合をバイアスして結果として、例えば将来の電力伝達のための潜在的に劣化した寄生電力損失検出になるのに十分に高くてもよい。
別の例として、較正ユニットは、送電器101によるワイヤレス電力伝達信号の負荷の変化の検出に応じてパラメータの適合を終了させるように構成されてもよい。例えば、送電器101は送電器101の負荷が突然増加することを検出してもよい。これは受電器105での負荷段のためかもしれないが、潜在的にワイヤレス誘導電力信号を負荷する異物が挿入されるためでもあり得る。したがって、較正ユニットは適合を終了させてもよい。
手法はしたがって、確実な寄生電力損失検出が電力伝達段階の間に可能である電力伝達システムを許容してもよい。更にまた、システムは寄生電力損失検出を自動的に且つユーザ入力を必要とすることなく適合させてもよい。そのような適合は試験モードの存在に基づき、そして詳細にはシステムが電力伝達モードに入る前により確実な/正確な異物検出が行われることができるように、試験モードが受電器105の作動パラメータを制約することに基づいてでもよい。
以下では、図2のシステムの動作の具体例が記載されることになる。
記載の手法において、精度を改善するために送電器101及び受電器105を互いに較正する前に、異物が送電器の磁界の近くに設置されるかどうかを確認するためのユーザ関与は必要でない。
例において、送電器101は報告される受信電力に対してその電力損失計算を適合させることができ、且つしたがって偽陽性の確率を低減させると共に、電力伝達モードの寄生電力損失によって異物の外観を検出するその能力を改善することができる。特に、送電器101はユーザを関係させる必要なしでこれを達成することができるが、その理由は受電器105が2つのモード、即ち受電器105が送電器101が例えばその対象負荷を切断することによって異物が存在するか否かを正確に判定することを可能にするような状態に受電器105がある試験モードと、受電器105がその受信電力を送電器101に報告して、送電器101が寄生電力損失検出を適用することを可能にする電力伝達モードとで動作することができるからである。
受電器105は試験モードで始動し、そしてこれを送電器101に示して、送電器101が異物が存在するか否かを正確に検出することを可能にしてもよい。その後、受電器105は電力制御モードに進んでもよく、そしてこれを送電器101に示してもよい。それは次いで送電器101に受信電力メッセージを通信して、送電器101が受信電力推定値を計算し、そしてしたがって寄生電力損失検出を行うことを可能にする。
受電器105が試験モードにあれば、送電器101は異物の存在/不在を高精度で検出することができる。
受電器105が電力伝達モードにあり且つ直前の試験モードで異物が検出されなければ、送電器101は続いて適応寄生電力損失検出アルゴリズムを適用することによって異物の存在/不在を検出する。このモードで異物が検出されない限り、送電器101は、十分な閾値を維持して偽トリガを回避すると共に異物に対するその感度を改善するために、この例ではその電力損失計算を例えば上下の境界の中央の方へ(即ち決定閾値間の中間に)適合させてもよい。
計算した電力損失が閾値を超え、且つこれが受信機の負荷変動によって引き起こされるものでなければ、システムは試験モードに戻り且つその負荷を切断し(そして送電器101に試験モード開始指令を送信し)てもよい。
適合の利点は、電力損失検出が絶対測定よりもむしろ相対測定である方へ修正されるということである。異なるモードの利点は、寄生電力損失検出が異物が存在するかもしれないことを示す状況を解決するシステムの上昇した能力である。
より詳細には、受電器105は試験モードで始動し、そして送電器101に試験モード開始指令を通信して、それが試験モードにあることを示してもよい。受電器105は試験モードにあるときに負荷変調を見合わせる。試験モードは次いで試験モードを示すメッセージ(試験モード開始指令)の終了で始動し、そして例えば詳細には試験モード終了指令などの新しいメッセージの開始時に終了してもよい。任意選択で、試験モード開始指令は受電器105が試験モードにあるであろう最短時間を示してもよい。
試験モード開始指令の受信時に、送電器101は続いて、受電器105が制約されたモードで動作するという前提に基づく専用の異物検出アルゴリズムを適用してもよい。
送電器101が試験モードで異物を検出すれば、それは受電器105に異物検出の指標で応答してもよい。そのような指標の受信時に、受電器105は試験モードのままであることができ、そして続いて試験モード終了指令を送信する又は電力伝達モードに入ることはないであろう。送電器101が試験モードで異物を検出しなければ、それは異物が検出されないことの指標で応答することができる。そのような指標の受信時に、受電器105は電力伝達モードに進むことができ、そして詳細には電力伝達段階を実装することができる。
受電器105が電力伝達モードに進むとすぐに、それは試験モード終了指令を通信して、それが電力伝達モードにあることを示す。試験モード終了指令の受信時に、送電器101は電力伝達モードに切り替わって電力伝達段階をサポートし、そしてそれは寄生電力損失方法を適用し始める。
電力伝達モードで、受電器105は受信電力メッセージ(電力制御誤差メッセージ)を送り、そして送電器101は適応寄生電力損失検出方法を適用する。それは詳細には、報告された受信電力と測定送信電力との間の差として電力損失を計算することによって、Qi手法に対応する電力損失方法を適用する。詳細には、送信電力推定値から受信電力推定値を減算することによって、寄生電力損失推定値が生成される。寄生電力損失推定値は次いで決定閾値と比較されることができ、そしてこの閾値を超えれば、寄生電力損失検出が生成されて寄生電力損失が所与のレベルより上であることを示す(そしてしたがって例えば異物が存在する可能性を示す)。
加えて、送電器101は続いて、電力伝達段階の初期時間間隔のための作動パラメータ値に依存して電力損失計算及び/又は決定閾値を適合させる。初期時間間隔は、例えば電力伝達段階の開始時に(例えば詳細には送電器101及び/又は受電器105が電力伝達モードに切り替わるときに)始まってもよく、そして例えば予め定められても、動的に求められてもよく、又は例えば事象の発生/検出によって求められてもよい継続時間後に終わってもよい。作動パラメータ値は詳細には、受電器105からの受信電力メッセージから求められる受信電力推定値を含んでもよい。
しかしながら、初期時間間隔が終わるとき、作動パラメータ値(詳細には受信電力推定値及び/又は送信電力推定値)は適合のためにはもはや考慮されず、即ち電力伝達段階内であるが、初期時間間隔外の時間のための作動パラメータ値は適合に影響を及ぼすこと/左右することから除外される。作動パラメータ値は、例えばシステムがもはやそれらを計算しないことによって及び/又は例えば値は依然として計算される(そして例えば電力伝達動作を制御するために使用される)が、適合はそれらに基づいては行われないことによって除外されてもよい。リアルタイム適合のために、除外は例えば単に適合を終了させることによって達成されてもよい。
例として、電力損失が許容範囲内にあり且つ初期時間間隔が終わっていない限り、送電器101は電力損失が上下の決定閾値の中央の方へ移るように電力損失計算を適合させてもよい。送電器101は受電器105に電力損失が異物の検出に対応する閾値より下であることを更に示してもよい。
電力損失が上方閾値を超えれば、送電器101はこれが負荷変動、受電器105の悪化した整列又は磁界の近くの異物の出現によって引き起こされると仮定してもよい。送電器101は次いで電力損失計算の適合を禁止し、そして受電器105に電力損失が閾値を超えたことを示すことができる。したがって、幾つかの実施形態において、初期時間間隔は、電力損失が上方閾値を超えることを検出したことによって決定されてもよい。
送電器101は、最新の報告された受信電力を直前に報告された受信電力と比較することによって、受電器105が負荷段又は負荷遮断を行ったかどうかを確認することができる。報告された受信電力が増加された場合、受電器105は負荷段を行った。報告された受信電力が減少された場合、受電器105は負荷遮断を行った。負荷段/遮断が起こった場合、送電器101は、次の報告される受信電力メッセージまで、電力損失が上方閾値を超えたことを無視してもよい。したがって、そのような場合、上方閾値を超えることは、直接結果として初期時間間隔が終了されることにならなくてもよい。
電力損失が下方閾値を下回れば、送電器101はこれが負荷変動、受電器105の改善した整列又は磁界の近くの異物の消失によって引き起こされると仮定してもよい。応じて、送電器101は電力損失計算の適合を禁止してもよいが、依然として受電器105に電力損失が異物が存在することに対応する閾値を超えなかったことを示してもよい。電力伝達はしたがって継続してもよい。したがって、幾つかの実施形態において、初期時間間隔は、電力損失が下方閾値を超えることを検出したことによって決定されてもよい。
寄生電力損失検出器207が連続的な電力損失が上方閾値を超えることを検出し続ければ(且つこれらは負荷変動によって引き起こされるものではない)、そしてそれが受電器105からの、それが試験モードに変更したというメッセージを受信しなければ、送電器101は電力レベルを安全な限度に低減させ且つ電力損失計算の適合を完全に停止してもよい。
電力損失が短時間後に(例えば次の受信電力メッセージで)閾値内に戻れば、送電器101は幾つかの実施形態において電力損失計算の適合を再開してもよい。
送電器101からの1つ又は複数の寄生電力損失検出指標の受信時に、受電器105は続いて電力需要(例えば送信電力ダウン要求)を低減させ、試験モードに進み、そして送電器101に試験モード開始指令を通信してもよい。
受電器105からの試験モード開始指令の受信時に、送電器101は試験モードに進み、そしてより正確な異物検出方法の適用を再開する。
受電器105から送電器101への検出結果の通信は詳細には、肯定応答/非肯定応答メッセージを使用することによってでもよい。
試験モード開始指令の受信で、送電器101は続いて、正確な異物検出方法を適用することによって異物が存在するか否かを検出してもよい。
− 異物が検出されなければ、送電器101はACKメッセージで応答することができる。
− 異物が検出されれば、送電器101はNAKメッセージで応答することができる。
電力伝達モードにあるときに、受電器105は送電器101に電力制御メッセージ(受信電力メッセージ)を送信してもよい。これは続いて寄生電力損失を行い異物が存在するか否かを検出してもよい。
− 異物/高寄生電力損失が検出されなければ、送電器101はACKメッセージで応答することができる。
− 異物/高寄生電力損失が検出されれば、送電器101はNAKメッセージで応答することができる。
多くの実施形態において、寄生電力損失検出は、前述したように、寄生電力損失推定値を求め、そしてこれを検出閾値と比較することによって行われる。較正ユニット213は、例えば寄生電力損失推定値の生成、検出閾値又は両方を適合させることによって適合を行ってもよい。
較正ユニット213は、寄生電力損失検出器207が閾値より上の電力損失が検出されたことを示すためにシステムが電力伝達モードから試験モードに入った後、異物検出器209が異物が存在しないことを示すときに、検出閾値を増加させるように構成されてもよい。したがって、誤検出が発生した後、較正ユニット213は、寄生電力損失検出であるとみなされるために寄生電力損失推定値が超えなければならない検出閾値を増加させてもよい。このようにして、システムは誤検出の可能性を低減させるように動作を適合させることになる。したがって、システムは寄生電力損失を検出することから離れて追加のバイアスを導入することになる。
幾つかの実施形態において、閾値は例えば固定された所定量だけ変更されてもよい。他の実施形態において、適合の量は、例えば寄生電力損失推定値が以前の閾値を超える程度に依存するなど、特定の動作特性に依存してもよい。
したがって、寄生電力損失検出器207が多くの誤検出を生成すれば(異物検出器209との比較によって求められる)、システムは誤検出の要件を増加させることによってその動作を適合させ、そしてそれによって誤検出の数を低減させることになる。工程は例えば誤検出の許容頻度が発生するまで繰り返されてもよい。
幾つかの実施形態において、システムは例えば、検出閾値が比較的に低いレベル、そしてそれどころかあまりに低いと予想されるレベルに設定されて、開始されてもよい。そのような実施形態において、システムは、誤検出の合理的な頻度が達成されるまで、検出閾値が各誤検出毎に徐々に増加されることによって適切な検出閾値に適合するであろう。
幾つかの実施形態において、異物検出が実際に異物が存在することを示せば、適合も行われてもよい。例えば、寄生電力損失の検出が閾値を超えたために試験モードに入られた後、異物検出器209によって異物が検出されるとき、較正ユニット213は検出閾値を低減させて成功した検出を反映してもよい。そのような実施形態において、適合は異物検出に依存するであろうし、そして詳細には誤検出を示す異物検出について及びそうでないものについて異なる方向(即ち寄生電力損失検出の確率の増減に関して)であるであろう。
しかしながら、そのような手法が幾つかのシナリオで適切かもしれないが、多くの実施形態では、異物の存在は比較的にまれであろうし且つ所望の適合を提供するには依存されないであろう。幾つかの実施形態において、適合はしたがって異物検出に応じて行われるのみであり、それは誤検出を示す。
較正ユニット213は、初期時間間隔のための作動パラメータ値に基づいて寄生電力損失検出のパラメータの適合を初期化するように構成される。適合は例えば寄生電力損失推定値に対して許容範囲の終点を適合させることによってであってもよい。例えば、範囲は、初期時間間隔内で求められる平均寄生電力損失推定値周辺で対称であるように適合されてもよい。
幾つかの実施形態において、適合は代替的に又は追加的に、寄生電力損失推定値を求めるために使用されるモデル(例えば関数/式)の適合によってであってもよい。
例えば、幾つかの実施形態において、較正ユニット213は送信電力推定値を求めるための手法を修正するように構成されてもよい。例えば高い寄生電力損失推定値が初期時間間隔の間に生成されるときに、送信電力推定値に対するオフセットが導入(又は増加)されて送信電力推定値を低減させてもよい。例えば、送信電力推定値の計算に対する補償係数又はオフセットが加算又は修正されてもよい。そのような補償はしたがって、推定送信電力が低減されるであろうように、計算した送信電力推定値を将来の補償に適合させてもよい。この低減は例えば、送信コイル103に提供される電圧若しくは電流を求める際の測定バイアス、送信電力推定値を求めるためのオリジナルモデルのバイアス誤差、又は電力信号の生成の一部(例えば送信コイル103での抵抗性損失)としてであろうと若しくは送電器101自体の要素における(例えば送電器101を含む装置の金属部品における)誘導によって生じる損失としてであろうと、送電器101自体における原因不明の電力損の影響を反映してもよい。
幾つかの実施形態において、較正ユニット213はしたがって送信電力推定値をより低い値の方へバイアスしてもよい。
他の実施形態において、較正ユニット213は受信電力推定値を求めるための手法を修正するように構成されてもよい。例えば負の寄生電力損失推定値が初期時間間隔の間に生成されるときに、受信電力推定値に対するオフセットが導入(又は増加)されて受信電力推定値を低減させてもよい。例えば、受信電力推定値の計算に対する補償係数又はオフセットが加算又は修正されてもよい。そのような補償はしたがって、推定受信電力が減少されるであろうように、計算した受信電力推定値を将来の補償に適合させてもよい。この減少は例えば、受信コイル107の受信電圧若しくは電流を計算する際の測定バイアス、受信電力推定値を求めるためのオリジナルモデルのバイアス誤差、又は電力信号からの電力の引出しの一部(例えば受信コイル107での抵抗性損失)としてであろうと若しくは受電器105自体の要素における(例えば送電器101を含む装置の金属部品における)誘導によって生じる損失であろうと、受電器105自体における原因不明の電力損の低下した影響を反映してもよい。
幾つかの実施形態において、較正ユニット213はしたがって受信電力推定値をより低い値の方へバイアスしてもよい。
幾つかの実施形態において、較正ユニット213は寄生電力損失推定値をより低い値の方へバイアスしてもよい。
幾つかの実施形態において、較正ユニット213は検出閾値をより高い値の方へバイアスしてもよい。
幾つかの実施形態において、送信電力推定値及び受信電力推定値の一方のみが適合されてもよいのに対して、他の実施形態において、送信電力推定値及び受信電力推定値の両方が適合されてもよい。同様に、幾つかの実施形態において、寄生電力損失推定値及び検出閾値の一方のみが適合されてもよいのに対して、他の実施形態において、両方とも適合されてもよい。
幾つかの実施形態において、検出閾値(即ち範囲の上方値)はゼロに設定されてもよく、そして適合は寄生電力損失推定値を(例えば送信電力推定値又は受信電力推定値をバイアスすることによって)バイアスしてもよい。
例えば、受電器が受信電力レベルを過小評価しなくてもよい要件があってもよい。したがって、不確実性の余裕度を導入するために、受電器は受信電力を典型的に過大評価するであろう。その送信電力を過小評価しない送電器と組み合わせて、結果としての寄生電力損失推定値は通常負である。正の寄生電力損失推定値はしたがって異物の存在の指標とみなされてもよい。
手法は、受電器がその受信電力を過小評価するのを許容されれば、送電器はこの潜在的な過小評価をその閾値に含まなければならないという問題に対処する。閾値はこの場合受電器の不確実性に依存するであろう。あり得る不確実性は規格の異なる版によって異なってもよく、そしてしたがって送電器が異なる版のための異なる閾値を使用することを必要とすることができる。
多くの実施形態において、較正ユニット213は電力伝達モードに入ったときに適合を行ってもよい。適合は、初期時間間隔のためである、即ち初期時間間隔の間の状態を表す電力伝達段階の作動パラメータ値のみを考慮するように制限されてもよい。しかしながら、初期時間間隔外である時間の間に求められる作動パラメータ値は適合には含まれない。詳細には、電力伝達段階内であるが、初期時間間隔外で行われる測定に基づく作動パラメータ値は適合によって考慮されることから除外される。
異物検出器209が他のいかなる物体も存在しないことを示したとき、異物検出器209が異物が存在しないことを示した直後の状態を作動パラメータ値が反映するので、受電器105及び送電器101のみが存在するという前提の下で較正が行われてもよい。具体例として、前提は寄生電力損失推定値がこの場合ゼロであるはずであるという考慮に至ってもよく、そしてしたがって寄生電力損失検出器207は所与の電力レベルのための寄生電力損失推定値を求めてもよい。寄生電力損失推定値がゼロと異なれば、計算した寄生電力損失推定値に対応する補償オフセットが電力レベルのために記憶されてもよい。これは電力レベルの範囲のために繰り返されてもよく、結果として一組の補償係数がこの送電器101及び受電器105のペアリングのために記憶されることになる。
通常の電力伝達の間、寄生電力損失検出器207によって適用される検出アルゴリズムはその後この補償係数を適用してもよい。詳細には、所与の電力信号値のために、寄生電力損失検出器207は、最も近い電力レベルのために記憶される補償係数を検索してもよい(又は異なる値間で補間してもよい)。それは次いで続いて、寄生電力損失推定値を計算するときに、このオフセットを適用してもよい。理想的な場合、異物が存在しない限り、寄生電力損失推定値はしたがってゼロであるであろう。
寄生電力損失検出に導入された適合は多くの実施形態において送電器101及び受電器105の組合せに特定である、即ち適合された検出アルゴリズムは特定の送電器101と受電器105との間の電力伝達に適用されてもよく、他のペアリングに適用されなくてもよい。多くの実施形態において、較正ユニット213は送電器101及び受電器105のペアリングの較正を初期化するように構成されてもよく、且つ特定のペアリングのための結果としての補償又は較正データを記憶してもよい。例えば、寄生電力損失推定値(例えば受信電力推定値又は送信電力推定値又は検出閾値)のための適切なオフセットが、受電器との送電器101の各新しいペアリングのために異なる電力レベルの範囲のために求められても且つ記憶されてもよい。したがって、異なるデータが異なる受信機のために使用及び記憶されてもよく、そして特定の装置への個々の適合が使用されることができる。これは多くの実施形態においてより確実な且つ正確な検出性能を提供してもよい。
システムが電力伝達段階に入る直前に正確な異物検出が行われたので、電力伝達段階に入ったときに受電器105及び送電器101のみが存在するという、即ち異物が存在しないという前提に基づいて、較正又は適合が行われることができる。具体例として、前提は寄生電力損失推定値がこの場合ゼロであるはずであるという考慮に至ってもよく、そしてしたがって寄生電力損失検出器207は所与の電力レベルのための寄生電力損失推定値を求めてもよい。寄生電力損失推定値がゼロと異なれば、計算した寄生電力損失推定値に対応する補償オフセットが電力レベルのために較正ユニット213によって記憶されてもよい。これは電力レベルの範囲のために繰り返されてもよく、結果として一組の補償係数がこの送電器101及び受電器105のペアリングのために記憶されることになる。
通常の電力伝達の間、寄生電力損失検出器207によって適用される検出アルゴリズムはその後この補償係数を適用してもよい。詳細には、所与の電力信号値のために、寄生電力損失検出器207は、最も近い電力レベルのために記憶される補償値を検索してもよい(又は異なる値間で補間してもよい)。それは次いで続いて、寄生電力損失推定値を計算するときに、このオフセットを適用してもよい。理想的な場合、異物が存在しない限り、寄生電力損失推定値はしたがってゼロであるであろう。代替的に、オフセットは例えば検出閾値に適用されてもよい。
例において、送信電力推定値は、コイル電流及び電圧の測定値に基づいて(例えばコイルにおける推定電力損によって低減されるコイルに提供される電力を求めることなどによって)寄生電力損失検出器207によって生成される。送信電力推定値は詳細には、ローカルに利用可能な測定値に基づいて且つ例えば前述のものなどの送信電力推定値のための適切なモデルを使用して生成されてもよい。
直前の異物検出が専用の試験モードで行われるため、電力伝達段階の初期化時に異物がない確率は極めて高いが、本来的に時間の経過と共に低下する。したがって、較正ユニット213は、電力伝達段階に入るシステムの時間間隔内の、即ち電力伝達段階の初期時間間隔内の(そして詳細には電力伝達モードに入る送電器101及び/又は受電器105の初期時間間隔内の)動作条件に基づいて寄生電力損失検出を適合させるように構成される。
較正ユニット213は詳細には、この初期時間間隔内で受電器105から受信される受信電力推定値指標に基づいてパラメータ(送信電力推定値、受信電力推定値又は検出閾値に対するオフセットなど)を適合させるように構成される。したがって、初期時間間隔内で受信される(又は生成される)受信電力推定値が寄生電力損失検出を適合させるために使用されるのに対して、初期時間間隔外で受信される受信電力推定値は異物検出を適合させるためには使用されない。その代わりに、これらの受信電力推定値は異物検出(及び/又は例えば動きが悪い受電器を検出すること、若しくは位置が悪い受電器を検出すること)を行うために使用される。
初期時間間隔は典型的に比較的短時間間隔に保たれる。多くの実施形態において、初期時間間隔は30秒以下の、そして多くの実施形態において30、15、10、5又は2秒以下さえもの継続時間を有する。そのような値は特に有利でもよく、そして多くの実施形態において、較正が行われている間に、送電器101の近くに異物が位置付けられる危険性が十分に低いことを確実にしてもよい。多くの実施形態において、初期時間間隔は0.5秒、1秒、2秒、5秒、10秒又は15秒以上さえもの継続時間を有する。そのような値は特に有利でもよく、そして多くの実施形態において、受電器から適切な数の受信電力推定値を提供してもよい。多くの実施形態において、受電器105は新しい受信電力推定値を2〜4秒毎に提供することを要求されてもよく、そしてしたがって前述の継続時間は、較正のために受信される受信電力推定値の数と較正/適合の間、近辺に異物が位置付けられる危険性との間の有利なトレードオフを提供してもよい。多くの実施形態において、特に有利な性能が、0.5秒〜2秒の範囲、1秒〜5秒の範囲、2秒〜10秒の範囲又は5秒〜30秒の範囲にある初期時間間隔の継続時間に対して達成される。
例において、受信電力推定値は送電器101によって計算されるのではなく、むしろ受電器105から送電器101に送信される受信電力推定値として生成される。したがって、送電器101は受電器105からデータメッセージを受信するように構成されてもよい。データメッセージは詳細には、例えばQi規格から知られるような負荷変調によって電力信号上へ変調されてもよい。それどころか、受電器105によって生成される且つ送電器101に送信されることを要求される受信電力値は受信電力推定値として直接使用されてもよい。
詳細には、Qi規格などの電力伝達システムにおいて、受電器105は送電器101に受信電力推定値を通信することを要求される。受信電力値は受電器105によって受信される電力を示す。
幾つかの実施形態において、受電器105は受信電力推定値を報告してもよく、それは受電器105の負荷に提供される電力に直接対応する。しかしながら、多くの実施形態において、受電器105は受電器105自体における電力損失/損も含む受信電力推定値を生成するであろう。したがって、報告される受信電力推定値は負荷に提供される電力及び受電器105自体における電力損失の両方を含んでもよい。例えば、それは整流回路及び/又は受信コイルでの測定又は推定電力損失を含んでもよい。
多くの実施形態において、受信電力推定値は電力値として直接提供されてもよい。しかしながら、他の実施形態において、電流及び/又は電圧などの他の指標が提供されてもよいことが認識されるであろう。例えば、幾つかの実施形態において、受信電力推定値は受信コイル107に誘導される電流又は電圧として提供されてもよい。そのようなシナリオで、寄生電力損失検出器207及び/又は較正ユニット213は受信値に基づいて受信電力推定値を計算してもよい。
寄生電力損失検出器207はしたがって、受信した受信電力推定値及びローカルに生成した送信電力推定値に基づいて寄生電力損失推定値を生成してもよい。結果としての寄生電力損失推定値は次いで検出閾値と比較されてもよい。寄生電力損失推定値が閾値を超えれば、寄生電力損失が検出されたとみなされる。
しかしながら、送電器101の初期時間間隔が受電器105に入っている間、異物は存在しないと仮定されてもよいが、このことが直前の異物検出によって検出されたであろうからである。したがって、送電器101から受信される受信電力推定値は、寄生電力損失検出(又はそれどころか異物検出)を較正及び/又は適合させるために使用されることができる。したがって、初期時間間隔内で、較正ユニット213は受信した受信電力推定値及びローカルに生成した送信電力推定値を使用して異物検出を較正する。詳細には、較正ユニット213は、送信電力推定値を生成するための、受信電力推定値のための、及び/又は使用される検出閾値のための補償パラメータを求めてもよい。
初期時間間隔は多くの実施形態において電力伝達段階の開始と一致する開始時間を有してもよい。多くの実施形態において、較正ユニット213は、送電器101又は受電器105が電力伝達モードに切り替わるときに初期時間間隔を開始するように構成されてもよい。幾つかの実施形態において、初期時間間隔は例えば電力伝達段階の前に開始時間を有してもよく、例えば時間は、異物検出推定値が異物の検出を示さないと判定されるときに試験モードの間に初期化されてもよい。
初期時間間隔の終了時間は異なる実施形態において異なって決定されてもよい。
幾つかの実施形態において、初期時間間隔は所定の継続時間を有してもよく、又は例えば電力伝達段階の開始から所定の継続時間を有してもよい。したがって、多くの実施形態において、較正ユニット213は、初期時間間隔の継続時間が閾値を超える又は電力伝達段階の開始以来の時間の継続時間が閾値を超えることを検出したことに応じて、初期時間間隔を終了させるように構成されてもよい。典型的な時間は多くの実施形態において約10秒〜60秒であってもよい。
幾つかの実施形態において、較正ユニット213は事象が検出されることに応じて初期時間間隔を終了させるように構成されてもよい。このことは多くの実施形態において所定の最大継続時間と組み合わされる。例えば、多くの実施形態において、初期時間間隔は、事象が検出されて結果として初期時間間隔の早期終了にならない限り、固定の継続時間後に決定されてもよい。
幾つかの実施形態において、事象は、電力伝達パラメータが基準動作範囲を超えるということでもよい。電力伝達パラメータは電力伝達動作を反映する任意のパラメータでもよく、そして詳細には受信電力及び/又は送信電力であってもよい。例えば、受電器105が追加の電力を要求し続けて結果として所与の閾値より上の送信電力になっていることが検出されれば、較正ユニット213は続いて初期時間間隔を終了させてもよい。
幾つかの実施形態において、較正ユニット213は、ワイヤレス電力伝達信号の負荷の変化の検出に応じて初期時間間隔を終了させるように構成されてもよい。例えば、送電器101がワイヤレス誘導電力信号の負荷が突然変化することを検出すれば、これは潜在的に送信電力インダクタ103の付近に異物が入るためであり得る。結果としての寄生電力損失推定値が寄生電力損失検出のための閾値を超えないとしても、これが当てはまるかもしれない。したがって、幾つかの実施形態において、そのような変化は電力伝達段階から出るのに十分でないかもしれないが、結果として較正ユニット213が初期時間間隔を終了させることになってもよく、検出は異物が潜在的に存在するかもしれないシナリオには適合されない。
幾つかの実施形態において、寄生電力損失検出は初期時間間隔の間、行われず、そして受信した受信電力推定値は寄生電力損失検出の適合及び較正のために排他的に使用されてもよい。しかしながら、幾つかの実施形態で、幾らかの寄生電力損失検出は初期時間間隔の間、行われてもよい。例えば、寄生電力損失推定値は受信した受信電力推定値を送信電力推定値から減算することによって生成されてもよい。結果としての寄生電力損失推定値が所与の範囲にあれば、依然として異物は存在しないことがありそうであるとみなされ、そして較正ユニット213は異物検出を較正してもよい。
しかしながら、寄生電力損失推定値が範囲を超えれば、これは期待されるより高い寄生電力損失を示し、そしてこれは潜在的に異物が付近に位置付けられた、受電器が誤っている、又は受電器が送電器上での位置が悪いためであり得、受電器を含む装置の金属部品が磁界に曝され且つ許容できない量の電力を消失する。この場合、受信電力推定値は無視され且つ較正のためには使用されない。範囲は、寄生電力損失検出のために通常(例えば初期時間間隔後の電力伝達段階の間)使用される範囲より実質的に大きくてもよい。
したがって、幾つかの実施形態において、較正ユニット(213)は電力伝達信号のための電力推定値に(即ち送信電力推定値に)受信電力推定値を比較し、そして比較がこれらの間の差(の絶対値)が閾値を超えることを示せば、受信電力推定値を破棄してもよい。このようにして、追加の安全性措置が組み込まれて、直前の異物検出後であるが、初期時間間隔の終了前に送電器101の付近に異物が位置付けられた状況に寄生電力損失検出を適合させる危険性を低減させてもよい。したがって、初期時間間隔の間の寄生電力損失推定値の比較的に小さい値に対して、差は受電器自体によって引き起こされる不正確又は小負荷のためであるとみなされる。したがって、システムは寄生電力損失検出を適合させてこれらを補償してもよい。しかしながら、寄生電力損失推定値が初期時間間隔の間、あまりに極端であれば、これは異物がかなりの量の電力を引き出している、受電器が誤っている、又は受電器が送電器上での位置が悪いことによって引き起こされることがあり得、受電器を含む装置の金属部品が磁界に曝され且つ許容できない量の電力を消失する。したがって、較正ユニット213はこのシナリオを補償することを回避する。後者の場合、システムは、試験モードに戻ること又は例えば試験を反復することなど、更なる処置をとってもよい。
幾つかの実施形態において、較正ユニット213は、第1の作動パラメータのための期待値との第1の作動パラメータ値の比較に応じて少なくとも第1の作動パラメータのための第1の作動パラメータ値を破棄するように構成されてもよい。第1の作動パラメータ値は、初期時間間隔内の状態を表し且つ寄生電力損失検出を適合させるために通常使用されるであろうものでもよい。しかしながら、比較が期待値に対する差が所与の閾値を超えることを示せば(又はより一般に、第1の作動パラメータ値と期待値との間の差を示す距離尺度が閾値を超えれば)、第1の作動パラメータ値は寄生電力損失検出を適合させるために使用されることから除外される(それが初期時間間隔内であっても)。多くの実施形態において、例えば第1の作動パラメータ値から期待値を減算することによって、直接比較が使用されてもよいこと、しかし他の実施形態において、例えば、第1の作動パラメータ値が結果として、期待される結果とあまりに非常に異なる結果になるかどうかを評価することによって、間接比較がなされてもよいことが認識されるであろう。
例えば、記載されるように、受信電力推定値は、それが結果として検出閾値を超える寄生電力損失推定値になる場合、即ちその結果として寄生電力損失が検出されることになる場合、破棄されても/適合から除外されてもよい。したがって、期待される受信電力推定値に対しては、寄生電力損失が検出されるとは期待されない。受信電力推定値が結果として寄生電力損失検出になる場合、これは期待値に対する差が許容レベルを超えることを示し、そしてしたがって受信電力推定値は寄生電力損失検出を適合させるためには使用されない。
送信電力推定値などの他のパラメータが評価され、そして期待値に対する比較が所与の類似基準を満たさなければ、破棄されてもよいことが認識されるであろう。例として、寄生電力損失推定値が計算されてもよく、そしてこれがあまりに高ければ、受信電力推定値及び送信電力推定値の両方が適合に考慮されることから除外されてもよい。
多くの実施形態において、受電器105はしたがって続いて、電力伝達モードに入った後の比較的に短い初期時間間隔の間、送電器101に複数の受信電力推定値を送信してもよい。送電器101は次いで、送電器101から受信される受信電力推定値に基づいて(且つ典型的に対応する送信電力推定値に基づいて)寄生電力損失検出を適合させてもよい。
幾つかの実施形態において、受信電力推定値は受電器105の異なる負荷に対して提供されてもよい。したがって、受信電力推定値は、寄生電力損失検出を異なる動作点に適合させるために使用されることができる複数のデータ点を提供してもよい。更にまた、較正ユニット213は、そのようなシナリオで、異なる負荷での複数の受信電力推定値に応じて寄生電力損失検出の複数のパラメータを適合させるように構成されてもよい。
詳細には、較正ユニット213は、複数の受信電力推定値指標に応じて、送信機電力推定値、受信電力推定値及び検出閾値の少なくとも1つのための較正オフセット及び較正スケールファクタの両方を適合させるように構成されてもよい。したがって、詳細には、公称値(例えば所与の電力レベルのための計算した送信電力推定値、受信した受信電力推定値又は公称検出閾値)に基づいて、適合は、
Xcomp=Xcomp・α+β
として与えられる補償を導入してもよく、ここで、Xはパラメータを表し、そしてαは較正スケールファクタを表し、そしてβは較正オフセットである。
較正ユニット213はしたがってオフセット及び傾きの両方を適合させて、結果として改善された適合になってもよい。
詳細には、受電器105は、低負荷での1つの受信電力推定値及び高負荷での1つの受信電力推定値を通信してもよい。これは改善された適合を提供してもよく、且つ特にオフセット及びスケールファクタの決定を容易にしてもよい。
電力伝達段階の間、受電器105に伝達される電力は本来的に受電器105の負荷205に依存する。したがって、受電器105によって電力伝達信号から引き出される電力を自由に調節することは可能でない場合がある。
しかしながら、電力伝達段階が最初に入られるときに、受電器105は最初は負荷205を接続しなかった、即ち負荷205には最初は全く又は殆ど電力は伝達されない。したがって、受電器105は、負荷205に給電する前に、そして詳細には負荷205が受電器105に接続されそして電力を送られる前に受電器105によって電力伝達信号から引き出される推定電力を反映する受信電力推定値を生成してもよい。この低負荷受信電力推定値はしたがって実質的に電力伝達信号の最小負荷に、即ち最小受信電力推定値に対応してもよい。
電力伝達段階に入ったときに、受電器105は急速に負荷205を接続し、そしてこれに給電し始めるであろう。短時間後、典型的に数秒後、負荷205は完全に給電されてもよい。この時に、受電器105は新しい受信電力推定値を生成してもよい。この受信電力推定値は受電器105の高負荷を反映するであろう、そして送電器101にこの高負荷受信電力推定値を通信することによって、送電器101は高負荷受信電力推定値及び低負荷受信電力推定値の両方が提供されるであろう。
それどころか、多くのシナリオで、高負荷受信電力推定値は電力伝達動作のための最大値になりがちであろう。例えば、多くのシナリオで、受電器105はバッテリの形態の外部負荷に給電するために使用されてもよく、例えば受電器105はバッテリ充電器として使用されてもよい。バッテリは典型的に充電の初期化の時点で最も放電された状態であるであろう、そしてしたがってこの段階で最高量の電流を引き込むであろう。したがって、受信電力は電力伝達段階の開始時の給電直後が最大であるであろう、そしてその後は低下するであろう。
この手法において、送電器101はしたがって(少なくとも)1つの低(又は最小)負荷受信電力推定値及び1つの高(又は最大)受信電力推定値が提供される。較正ユニット213は応じて続いて異物検出に使用される送信電力推定値、受信電力推定値又は検出閾値の計算を修正してもよい。例えば、それは、高負荷及び低負荷の両方のための寄生電力損失推定値がゼロであるように較正値α及びβを求めてもよい。
以下では、適合/較正のための手法の具体例が説明されることになる。例において、送電器101は試験モードを抜けたばかりで、異物検出は異物が存在しないことを示しており、且つ電力伝達段階に入るところである。同様に、異物検出結果は受電器105に通信され、こちらもそれに応じて電力伝達段階に移ったところである。
送電器101及び受電器105はここで以下のステップを行ってもよい。
1.軽負荷評価
a.受電器105が軽負荷での受信電力PRxminを推定し、そしてこれを送電器1091に通信する。
b.送電器が受信電力推定値PRxminを受信し、そしてそれを推定した送信電力PTxminと比較する。
c.比較が、受信電力推定値PRxminが送信電力推定値に対する期待範囲内でないことを示せば、この結果はNACKメッセージを送信することによって受電器105に通信される。システムは次いでステップ1aに戻る。
d.比較が、受信電力推定値PRxminが送信電力推定値に対する期待範囲内であることを示せば、この結果はACKメッセージを送信することによって受電器105に通信される。システムは次いで全負荷評価に戻る。
2.全負荷評価
a.受電器105が全負荷での受信電力PRxmaxを推定し、そしてこれを送電器101に通信する。
b.送電器101が受信電力推定値PRxmaxを受信し、そしてそれを対応する送信電力推定値PTxmaxと比較する。
c.比較が、受信電力推定値PRxmaxが送信電力推定値PTxmaxに対する期待範囲内でないことを示せば、この結果はNACKメッセージを送信することによって受電器105に通信される。システムは次いでステップ2aに戻る。
d.比較が、受信電力推定値PRxmaxが送信電力推定値PTxmaxに対する期待範囲内であることを示せば、この結果はACKメッセージを送信することによって受電器105に通信される。システムは次いで較正に進む。
3.較正
a.較正ユニット213は続いて高及び低負荷受信電力推定値及び送信電力推定値に基づいて異物検出のための補償を求める。
上記プロトコルに加えて、送電器は危険な状況が発生する可能性があるかどうかを監視するが、例えば全負荷較正であるときに、送信及び受信電力間の差は極めて大きいであろうし、これは著しい量の電力が寄生金属によって吸収されるという指標であるであろう。その場合、送電器は電力信号を除去してもよい。
上記に加えて、受電器は、寄生電力損失推定値が範囲外であることを示すNACKメッセージを受信したことに応じて、電力伝達段階/モードから出て、例えば試験モードを再初期化することを決定してもよい。受電器105は、受信電力推定値を含有するデータパケットにモード指標を含めることによって、送電器101にどのモードで動作するべきかを示してもよい。
受信した高及び低負荷電力推定値に基づいて較正するための異なる手法が使用されてもよいことも認識されるであろう。例えば、以下の特定の手法が使用されてもよい。
較正方法1−異物検出のために使用される送信電力推定値の計算を較正する
送電器101は、元の推定した送信電力(PTx)及び受信した受信電力推定値から新しい修正した又は較正した送信電力推定値(P’Tx)を計算することによって、寄生電力損失推定値を較正してもよい。
以下の式が例えば使用されてもよい。
P’Tx=α・PTx+β
ここで、較正/補償値は以下に求められる。
α=(PRxmax−PRxmin)/(PTxmax−PTxmin)
β=PRxmin−α・Ptxmin又はβ=PRxmax−α・PTxmax
したがって、α値はスケールファクタ/比例適合を提供してもよく、そしてβ値はオフセット適合を提供してもよい。
幾つかの実施形態/シナリオにおいて、値PTxmin及びPRxminは典型的にゼロに近いであろう、そしてしたがってより単純な比例適合が使用されてもよい。
PTx’=PTx・PRxmax/PTxrmax
較正方法2−異物検出のために使用される受信電力推定値の計算を較正する
送電器101は、元の推定した受信電力(PRx)及び生成した送信電力推定値から新しい修正した又は較正した受信電力推定値(P’Rx)を計算することによって、寄生電力損失推定値を較正してもよい。
以下の式が例えば使用されてもよい。
P’Rx=α・PRx+β
ここで、較正/補償値は以下に求められる。
α=(PTxmax−PTxmin)/(PRxmax−PRxmin)
β=PTxmin−α・PRxmin又はβ=PTxmax−α・PRxmax
したがって、α値はスケールファクタ/比例適合を提供してもよく、そしてβ値はオフセット適合を提供してもよい。
幾つかの実施形態/シナリオにおいて、値PTxmin及びPRxminは典型的にゼロに近いであろう、そしてしたがってより単純な比例適合が使用されてもよい。
PRx’=PRx・PTxmax/PRxrmax
前述したように、異物検出は、受電器105が固定の所定の負荷を有するように設定され、異物検出器209をワイヤレス誘導電力信号の負荷に基づいて異物検出を行うように構成させることに基づいてもよい。
負荷は詳細には、送電器の出力回路であって、送電インダクタ103を備える出力回路に提供される電力を評価することによって求められてもよい。出力回路は詳細には送信インダクタ103でもよい。しかしながら、多くの実施形態において、出力回路は送信インダクタ103を備える同調回路でもよい。
それどころか、幾つかの実施形態において、異物検出は単に、送信インダクタに提供される電力に基づいてもよい。例えば、受電器105の所定の負荷は単に、受電器105から切断されている負荷に対応してもよい。この例で、送信インダクタ103に提供される電力は送電器101によって測定されてもよく、そして電力が所与の閾値より高ければ、異物が存在すると、そしてそうでなければ異物は存在しないと判定されてもよい。異物検出推定値は、そのような実施形態において、異物が存在するとみなされるかどうかの2値指標でもよいか、又は例えば求めた電力に直接対応してもよい。後者の例において、受電器105は例えば求めた電力レベルを推定した受電器負荷に基づいて計算される閾値と比較してもよい。
僅かにより複雑な例として、受電器は試験モードに入ってもよく、ここでは既定の条件が適用され、そして詳細には受電器がその対象負荷を切断しており、そしてその代わりに任意選択で例えば正確な抵抗器から成る正確な既定の負荷に接続される。
負荷の電流は測定される必要なく、例えば電圧を測定するだけで十分であるので、受電器は今ではこの負荷の電力消費をより正確に求めることができる。加えて、受電器は負荷の電圧を既定のレベルに設定することができる。これは結果として負荷の既定の電流に、そして整流器及び受信コイルの既定の電流にもなる。これは、受信コイル及び整流器での電力損失のより正確な決定を見込む。したがって、既定の負荷条件のために、受電器105は受信電力をより正確に求めることができ、そしてしたがって、異物検出器209は送信電力と受信電力との間の電力差をより正確に計算することができる。
幾つかの実施形態において、受電器105はしたがってワイヤレス電力伝達信号の電力負荷を、詳細には切断されている負荷に対応する最小負荷などの所定のレベルに設定してもよい。異物検出は次いで、例えば出力回路又は詳細には送信インダクタに提供される電力で測定される、ワイヤレス誘導電力信号の電力負荷の指標に基づいてもよい。
多くの実施形態において、正確な異物検出が、送電器の出力回路のインピーダンスのためのインピーダンス指標に基づいて行われてもよい。出力回路が送信インダクタ103を備えるため、出力回路のインピーダンスは送信インダクタ103によって生成される磁界の負荷に依存する、即ち出力回路のインピーダンスはワイヤレス誘導電力信号の負荷に依存する。
本発明者は、出力回路のインピーダンスが多くの実施形態において特に効率的な且つ正確な異物検出を提供してもよいと認識した。
手法は詳細には、送電器101の磁界の近くで、即ちワイヤレス誘導電力信号に影響を及ぼす金属異物の存在を検出するように構成されてもよい。それどころか、基準インピーダンスからのインピーダンスの偏差は、磁界の近くの金属物体の正確な指標であると見いだされた。
したがって、幾つかの実施形態において、異物検出器209は、送電器101の出力回路のインピーダンスを求め、そしてこれを基準インピーダンスと比較するように構成される。差が所与の閾値より上であれば、異物が検出されたとみなされる。
幾つかの実施形態において、基準インピーダンス及び/又は決定閾値及び/又は測定したインピーダンスの判定は適合されてもよい。詳細には、適合は前述したように電力伝達モード動作の初期窓の間に生じてもよい。
多くの実施形態において、インピーダンスは送信コイル103を含む同調回路のための共振で求められてもよい。詳細には、既定の条件で動作させられているインバータのための共振で電流が測定されてもよい。
幾つかの実施形態において、出力回路は送電インダクタ103を備える共振/同調回路を備えてもよく、そして送電器は共振/同調回路の共振周波数で出力回路のための駆動信号を生成するように構成されてもよい。
より詳細に、受電器105は試験モードに入ってもよく且つ既定の条件で動作してもよい。詳細には、受電器はその対象負荷を切断してもよい。唯一残る負荷は典型的に、送電器101に情報を通信するために接続されるマイクロコントローラのものであるであろう。負荷はしたがって極めて小さい。この例では、受信電力はしたがって、マイクロコントローラの電力消費及び受電器105の機器に帰属する金属部品での電力の吸収に依存するのみであろう。
送電器101は比較的に低電力信号を生成してもよく、そうでなければ受電器105の電圧があまりに高くなる可能性があり、且つ受電器105の電子部品に損傷を与える又は保護回路(電圧を制限するツェナーダイオードなど)を起動させる可能性があるという危険性があり得る。保護回路は正確な測定値に望ましくない負荷を引き起こすであろう。
しかしながら、低電力信号により、金属異物の電力吸収も低いであろうし、そしてこれは、送信電力と受信電力との間の推定した又は測定した電力差に基づく異物検出を比較的に信頼できなくすることがある。その代わりに、送電器101は送信インダクタ103で又は共振回路の入力でインピーダンスを測定して金属異物が存在するかどうか判定してもよい。それは詳細には測定したインピーダンスパラメータを基準パラメータと比較することができる。これらの基準パラメータは、受電器105から受信される情報に応じて変更されることができる既定の値を有することができる。
測定したインピーダンスパラメータが期待値と合致すれば、(例えば測定したインピーダンスと基準インピーダンスとの間の差が閾値を超えないとき)、異物検出器209は異物の不在を仮定する。
しかしながら、測定したインピーダンスパラメータが基準パラメータとあまりに大きくに異なれば(例えば差が閾値を超えるとき)、異物検出器209は異物が検出されたと仮定する。
この場合、それは例えば、ユーザが異物が実際に存在するか否か、及び/又は受電器がうまく位置付けられているか否かを確認することを伴うことができる。ユーザが異物が存在しない且つ受電器が十分うまく位置付けられていることを示せば、異物検出器209は詳細には検出を適合させてもよい。
これは、異物検出器209が較正モードに入り、送電器がインピーダンスパラメータを測定し、そして各測定したインピーダンスパラメータ間の差が既定の範囲に収まるように基準パラメータを適合させることによって行われてもよい。適合は、差が閾値を超えるときにパラメータが異物を検出するために適用されることができるように、更に異物が存在しないときに差がこの閾値を超えないよう十分小さいようにであってもよい。
適合の後/較正モードの終了時、異物検出器209は、個々の送電器/受電器ペアリングのための専用の較正を許容するために、基準インピーダンスパラメータを、例えば受電器105の識別子と組み合わせて記憶してもよい。
基準と比較されるインピーダンス値は、以下の少なくとも1つの指標を備えてもよい。
出力回路の等価直列抵抗(ESR)
出力回路のための電圧と電流との間の位相差Φ
送電インダクタの電流
出力回路の絶対インピーダンス|Z|
これらのパラメータは異物の存在の良好な指標を提供すると見いだされ、且つとりわけ異物が存在するか否かの関数として高い変動を実証すると見いだされた。
図7は、ドライバ201が送信コイル105及び直列コンデンサ801の形態の出力回路を駆動しつつ、異物803が潜在的に間近である例を例示する。
図8は、周辺の異なる異物のための測定したESR(等価直列抵抗)値の例を例示する。測定値はミリオーム単位である。
・第1のバーは送信コイルの近くに何も置かれていない場合のESR値を示す。
・第2のバーは無負荷の受電器が送信コイル上に置かれる場合のESR値を示す。
・第3のバーは無負荷の受電器が15mm鋼板との組合せで送信コイル上に置かれる場合のESR値を示す。
・第4のバーは無負荷の受電器が22mmアルミニウム環との組合せで送信コイル上に置かれる場合のESR値を示す。
・第5のバーは無負荷の受電器が20mmアルミニウム箔との組合せで送信コイル上に置かれる場合のESR値を示す。
・第6のバーは無負荷の受電器が10mm鋼板との組合せで送信コイル上に置かれる場合のESR値を示す。
明らかに見て取れるように、測定したESR値は有意に異なり且つESRの測定に基づいて異物が検出されるのを許容する。詳細には、測定したESR値は、異物が存在しないときより異物が存在するときに有意に高い。異物検出器209は測定したESRを基準ESR(例えば136ミリオーム)と比較し、そしてそれに応じて検出を行うことができる。
ESR値の代わりに、絶対インピーダンス|Z|値が例えば使用されてもよい。このため、送電器回路が共振し且つ電圧と電流との間の位相がゼロである周波数を印加することに特別着目すべきである。その状況で、インピーダンスのリアクタンス部はゼロであるであろうし、そして絶対インピーダンス|Z|はESRと同じであるであろう。
図9は、無負荷の受電器が送電器上に位置付けられるときの、90kHzと100kHzとの間の周波数範囲における|Z|及びESR値の例を例示する。|Z|が最小値に達する周波数で、それはESR値に等しい。
幾つかの実施形態において、送電器が共振回路に基準AC電圧を提供すると共に、送電器はコイルの電流を測定してもよい。同じAC電圧であれば、|V|=|I|*|Z|から、コイルの測定した電流Iは物体の存在の指標を提供するであろう。ESR値が低ければ、共振回路の電流は減衰されないであろうため、電流が共振状態のときに、電流は高いであろう。ESR値が高ければ、共振回路の電流が減衰されるであろうため、電流は共振状態のときに低いであろう。
送信機製品における実装のための実際的な解決策が図10に例示され、ここでインバータ1101(ハーフブリッジ又はフルブリッジ)がDC入力1103に接続され、且つ送信機インダクタ103及び直列容量801によって形成される共振回路に電力を提供する。
図11は、レール電圧及びデューティサイクルが一定に保たれる、図10の送信コイル105上のピーク電流測定値を示す。見て取れるように、10mmFe板さえ基準状況(Rx無負荷)と比べて有意な電流減少を有し、且つ受電器105によって検出されることができる。
幾つかの実施形態において、送電器101は、共振回路に印加されている信号の周波数を調節するための機能性を備えてもよい。詳細には、送電器101は周波数を共振回路の共振周波数に適合させてもよい。例えば、送電器101は、送信コイル103/共振回路への駆動信号のための駆動周波数を変化させ、且つ送信コイル103の電流の極値に、そして詳細には最大電流に対応する駆動周波数を選択するように構成されてもよい。したがって、幾つかの実施形態において、送電器101は周波数範囲にわたり周波数を変化させてもよく、且つ駆動信号のための駆動周波数を送信コイル103の最大インダクタ電流に対応するように設定してもよい。この周波数は次いで異物検出の間、印加される、そして詳細には共振回路のインピーダンスはこの周波数に対して決定される。
したがって、送電器101は、送信機インダクタ103の電流が最大化されるまで周波数を変化させてもよい。それは次いで(例えば)、出力回路の等価直列抵抗(ESR)、出力回路のための電圧と電流との間の位相差Φ、送電インダクタの電流及び/又はこの周波数のための出力回路の絶対インピーダンス|Z|を測定してもよい。異物検出器209が次いで測定した値に基づいて実行されてもよい。
送電器は、例えばピング段階の間、共振周波数を見いだすために、送信コイル103の電流が最大となるまで周波数を掃引する。例えば、送電器101は通常のピング信号のための周波数を変更してもよい。例えば、共振周波数が100kHzである一方、ピング信号は最初は例えば175kHzでもよい。送電器101は次いで、電流が最大化されて、そしてしたがってピング信号が100kHzの共振周波数になるまで、周波数を徐々に低減させる。低減は、典型的には数秒以内など、好ましくは高速である。
しかしながら、そのような手法に関する問題は、それが結果として共振周波数で潜在的に大きい電流になってもよいということである。これは結果として受信コイル107の高電圧を誘導してもよい強い磁気信号になってもよい。
しかしながら、幾つかの実施形態において、送電器101が送信コイル103を備える共振回路の共振周波数を備える範囲以上の送信コイル103のための駆動信号の周波数を変化させるように構成され、送電器101は、送信コイル103の電流に応じて駆動信号の電圧振幅及びデューティサイクルの少なくとも1つを適合させるように構成される電力コントローラも備えてもよい。
電力コントローラは詳細には、電流を増加させるために振幅及び/又はデューティサイクルを低減させてもよく、且つ詳細には、送信コイル103の電流が閾値を超えれば振幅及び/又はデューティサイクルを低減させてもよい。
したがって、送電器101は、受電器の誘導電圧が許容された最大を超えることを防止してもよい電流制御を含んでもよい。詳細には、送電器101は例えば、共振外から共振のへ小さいステップで周波数を変更してもよい。これは送信コイル103の電流及びしたがって受電器の誘導電圧を増加させるであろうから、送電器101はレール電圧及び/又はデューティサイクルを低減させてこの増加を補償してもよい。したがって、駆動周波数を共振周波数の方へ移動させると共に、送電器101は送信コイル103の電流を測定し、そしてインバータのレール電圧及び/又はデューティサイクルを制御することができ、結果それが電流をある許容された余裕内に一定に保つ。
幾つかの実施形態において、電圧振幅及び/又はデューティサイクルの制御は更に、駆動信号の周波数に応じてもよい。実際に、誘導電圧は送信コイル103の電流に依存してもよいが、受信コイル107が受電器105の共振回路の一部であるため、周波数自体にも依存してもよい。実際に、より高い周波数の場合、誘導電圧は同じ電流でもより高いであろう。これは、例えば振幅及び/又はデューティサイクルを制御し、それが電流及び周波数の積をある許容された余裕、例えば−50%及び+100%内で一定に保つようにすることによって、振幅及び/又はデューティサイクルの制御に反映されてもよい。したがって、幾つかの実施形態において、電力コントローラは、振幅及び/又はデューティサイクルを制御して、送信コイル103のための駆動信号の電流及び周波数の積を所定の範囲内に維持するように構成されてもよい。
一旦送電器101が共振周波数に達すると、それは例えばESR値、コイル電流、コイル電圧などを測定し、そしてこれらの値を受電器103から引き出される期待値と比較してもよい。
上記説明は明瞭化のため異なる機能回路、ユニット及びプロセッサを参照して本発明の実施形態を説明したことが認識されるであろう。しかしながら、異なる機能回路、ユニット又はプロセッサ間の機能性の任意の適切な分布が本発明を損なわずに使用されてもよいことは、明らかであろう。例えば、個別のプロセッサ又はコントローラによって実行されるために例示される機能性は、同じプロセッサ又はコントローラによって実行されてもよい。したがって、特定の機能ユニット又は回路への言及は、厳しい論理又は物理的な構造又は編成を示すよりはむしろ、記載されている機能性を提供するための適切な手段への言及とみなされるのみである。
本発明はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの任意の組合せを含む任意の適切な形態で実装されることができる。本発明は、1つ又は複数のデータプロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサ上で実行するコンピュータソフトウェアとして任意選択で少なくとも部分的に実装されてもよい。本発明の実施形態の要素及び構成部品は、任意の適切な方法で物理的に、機能的に及び論理的に実装されてもよい。実際に、機能性は、単一のユニットで、複数のユニットで又は他の機能ユニットの一部として実装されてもよい。そのため、本発明は単一のユニットで実装されてもよいか、又は異なるユニット、回路及びプロセッサ間で物理的に及び機能的に分散されてもよい。
本発明が幾つかの実施形態に関連して説明されたにもかかわらず、それは本明細書に記載される特定の形態に限られていることを目的としない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限られる。追加的に、特徴が特定の実施形態に関連して説明されるように見えてもよいにもかかわらず、説明された実施形態の様々な特徴が本発明に従って組み合わせられてもよいと、当業者は認識するであろう。請求項において、用語、備えるは他の要素又はステップの存在を除外しない。
更にまた、個々に記載されるにもかかわらず、複数の手段、要素、回路又は方法ステップは例えば単一の回路、ユニット又はプロセッサによって実装されてもよい。追加的に、個々の特徴が異なる請求項において含まれてもよいにもかかわらず、これらはおそらく有利には組み合わせられてもよい、そして、特徴の組合せが可能でない及び/又は有利でないことを、異なる請求項への算入は意味しない。また、請求項の1つの部類の特徴の包含は、この部類に限定を意味しなく、適切な様に、特徴が他の請求項部類に等しく適用できることをむしろ示す。更にまた、請求項での特徴の順序は特徴が処理されなければならない任意の特定の順序を意味せず、特に方法クレームの個々のステップの順序はステップがこの順序において実行されなければならないことを意味しない。むしろ、ステップは任意の適切な順序において実行されてもよい。加えて、単一の言及は複数を除外しない。したがって、「a」、「an」、「第1の」、「第2」などへの言及は複数を排除しない。明確な例が任意の方法の請求項の範囲を限るものとしては解釈されないため、請求項の参照符号は単に提供される。