JP6505097B2 - 無線誘導電力伝送 - Google Patents

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Description

本発明は誘導電力伝送に関し、特に、限定されないが、Qi無線電力伝送規格対応の誘導電力伝送システムに関する。
利用されているポータブルデバイス及びモバイルデバイスの数と種類はこの10年で爆発的に増加した。例えば、携帯電話、タブレット、メディアプレーヤなどの使用は当たり前になっている。こうしたデバイスは一般的に内蔵バッテリによって給電され、典型的な使用シナリオはバッテリの充電若しくは外部電源からのデバイスの直接配線給電を要することが多い。
ほとんどの今日のシステムは外部電源から給電されるために配線及び/又は明示的な電気接点を要する。しかしながら、これは非実用的な傾向があり、ユーザがコネクタを物理的に挿入するか若しくはそうでなければ物理的電気接点を確立することを要する。これはまた、ワイヤの長さを導入することによりユーザにとって不都合な傾向もある。典型的には、電力要求も著しく異なり、現在ほとんどのデバイスはその専用電源を備え、典型的なユーザは各電源が特定デバイス専用である多数の異なる電源を持つことになる。内蔵バッテリの使用は使用中に電源への配線接続の必要性を防止し得るが、これはバッテリが充電(若しくは費用のかかる交換)を必要とすることになるので部分的な解決法を提供するに過ぎない。バッテリの使用はデバイスの重量を、潜在的にコストとサイズを大幅に増す可能性もある。
著しく改善されたユーザ経験を提供するために、電力が送電デバイス内の送電コイルから個々のデバイス内の受電コイルへ誘導伝送される無線電源を使用することが提案されている。
磁気誘導を介した送電は、一次送電コイルと二次受電コイルの間に密結合を持つ変圧器において主に適用される、周知の概念である。一次送電コイルと二次受電コイルを二つのデバイス間に分離することによって、疎結合変圧器の原理に基づいてこれらのデバイス間の無線電力伝送が可能になる。
こうした構成はいかなる配線若しくは物理的電気接続が作られることも要することなくデバイスへの無線電力伝送を可能にする。実際、これはデバイスが充電されるか若しくは外部から給電されるために送電コイルに隣接して、若しくはその上に置かれることを容易く可能にし得る。例えば、送電デバイスは水平面を備えることができ、その上にデバイスが給電されるために容易く置かれることができる。
さらに、こうした無線電力伝送装置は送電デバイスが様々な受電デバイスと使用されることができるように都合よく設計され得る。特に、Qi規格として知られる無線電力伝送規格が規定されており、現在さらに開発が進んでいる。この規格はQi規格に適合する送電デバイスが同様にQi規格に適合する受電デバイスと使用されることを、これらが同じ製造業者のものであるか若しくは相互に専用品である必要なしに可能にする。Qi規格はさらに(例えば特定電力ドレインに依存して)動作を特定受電デバイスに適応させるための何らかの機能を含む。
Qi規格はワイヤレスパワーコンソーシアムによって策定され、詳細は例えばそのウェブサイト:http://www.wirelesspowerconsortium.com/index.htmlで見られ、ここで特に既定の規格文書が見られる。
Qi無線電力規格は送電器が受電器へ保証電力を供給することができなければならないと記述する。必要な特定電力レベルは受電器の設計によって決まる。保証電力を指定するために、条件の各々に対する保証電力レベルを記述するテスト受電器及び負荷条件のセットが定義される。
Qiは元来5W未満の電力ドレインを持つデバイスとみなされるローパワーデバイスのための無線電力伝送を規定した。この規格の範囲内に含まれるシステムは送電器から受電器へ電力を伝送するために二つの平面コイル間の誘導結合を使用する。二つのコイル間の距離は典型的には5mmである。この距離を少なくとも40mmまで拡張することが可能である。
しかしながら、有能電力を増加する作業が進行中であり、特に規格は5Wを超える電力ドレインを持つデバイスであるミッドパワーデバイスに拡張されている。
Qi規格は互換デバイスが満たさなければならない様々な技術的要件、パラメータ、及び操作手順を規定する。
通信
Qi規格は受電器から送電器への通信をサポートし、それによって、送電器が特定受電器に適応することを可能にし得る情報を受電器が提供することを可能にする。現在の規格では、受電器から送電器への一方向通信リンクが規定されており、アプローチは受電器が制御素子であるという原理に基づく。送電器と受電器間の電力伝送を準備し制御するために、受電器は特に送電器へ情報を通信する。
一方向通信は受電器が負荷変調を実行することによって達成され、受電器によって二次受電コイルに印加される負荷は電力信号の変調をもたらすように変更される。得られる電気特性の変化(例えば電流引き込みの変動)は送電器によって検出され、復号(復調)され得る。
従って、物理層において、受電器から送電器への通信チャネルはデータキャリアとして電力信号を使用する。受電器は負荷を変調し、これは送電コイル電流若しくは電圧の振幅及び/又は位相の変化によって検出される。データはバイト及びパケットでフォーマットされる。
より詳しくはQi無線電力仕様(バージョン1.0)パート1チャプタ6を参照のこと。
Qiは一方向通信リンクを使用するが、送電器から受電器への通信を導入することが提案されている。しかしながら、このような双方向リンクを含むことは平凡ではなく、多数の困難や課題にさらされる。例えば、得られるシステムは依然として後方互換性である必要があり、例えば双方向通信対応でない送電器と受電器が依然としてサポートされる必要がある。さらに、例えば変調オプション、電力変動、送電オプションなどに関する技術的要件は、既存のパラメータに適合する必要があるため非常に制限的である。コストと複雑性が低く抑えられることも重要であり、例えば追加ハードウェアの要求が最小化されること、検出が容易で信頼できることなどが望ましい。送電器から受電器への通信が受電器から送電器への通信に影響しない、低下させない、若しくは干渉しないことも重要である。さらに、極めて重要な要件は通信リンクがシステムの電力伝送能を許容できないほど低下させないことである。
従って、双方向通信を含むようにQiなどの電力伝送システムを改良することには多くの課題と困難が伴う。
システム制御
無線電力伝送システムを制御するために、Qi規格はシステムが動作の異なる時間においてとり得る複数のフェーズ若しくはモードを規定する。より詳しくはQi無線電力仕様(バージョン1.0)パート1チャプタ5を参照のこと。
システムは以下のフェーズにあり得る:
選択フェーズ
このフェーズはシステムが使用されないとき、すなわち送電器と受電器の間に結合がない(すなわち受電器が送電器の近くにない)ときの典型的なフェーズである。
選択フェーズにおいて、送電器はスタンバイモードにあり得るが、オブジェクトが存在する可能性を検出するために感知する。同様に、受電器は電力信号の存在を待機する。
ピンフェーズ
例えば容量変化により、オブジェクトが存在する可能性を送電器が検出する場合、システムは送電器が(少なくとも断続的に)電力信号を供給するピンフェーズへ移る。この電力信号は受電器によって検出され、受電器は送電器への初期パッケージの送信に移る。特に、受電器が送電器のインターフェース上に存在する場合、受電器は初期信号強度パケットを送電器へ通信する。信号強度パケットは送電コイルと受電コイル間の結合度の指標を与える。信号強度パケットは送電器によって検出される。
識別及び構成フェーズ
そして送電器と受電器は、受電器が少なくとも識別子と所要電力を通信する識別及び構成フェーズに移る。情報は負荷変調によりマルチデータパケットで通信される。送電器は負荷変調が検出されることを可能にするために識別及び構成フェーズ中一定電力信号を維持する。特に、送電器はこの目的で(負荷変調によって生じる変化を除き)一定振幅、周波数、及び位相で電力信号を供給する。
実際の電力伝送の準備において、受電器はその電子機器を起動するために受信信号を適用し得るが、その出力負荷を切断したままにする。受電器はパケットを送電器へ通信する。これらのパケットは識別及び構成パケットなどの必須メッセージを含むか、又は拡張識別パケット若しくはパワーホールドオフパケットなど何らかの定義済みオプションメッセージを含み得る。
送電器は受電器から受信した情報に従って電力信号の構成へと移る。
電力伝送フェーズ
そしてシステムは、送電器が所要電力信号を供給し、受電器が出力負荷を接続してそれに受信電力を供給する電力伝送フェーズへと移る。
このフェーズ中、受電器は出力負荷条件をモニタリングし、特に所定動作点の実際の値と所望の値との間の制御誤差を測定する。これはこれらの制御誤差を制御誤差メッセージにおいて例えば250m秒毎の最低レートで送電器へ通信する。これは送電器へ受電器の継続的な存在の表示を与える。加えて制御誤差メッセージは、送電器が報告された誤差を最小化するように電力信号を適応させる閉ループ電力制御を実施するために使用される。特に、動作点の実際の値が所望の値に等しい場合、受電器は値ゼロの制御誤差を通信し、電力信号に変化を生じない。受電器がゼロと異なる制御誤差を通信する場合、送電器は電力信号を然るべく調節する。
無線電力伝送に伴う潜在的問題は、例えば金属性物体に電力が非意図的に伝送され得ることである。例えばコイン、鍵、リングなどといった異物が、受電器を受けるように配置される送電器プラットフォーム上に置かれる場合、送電コイルによって生成される磁束が金属性物体に渦電流を誘導し、これはその物体を加熱させる。温度上昇は非常に大きくなる可能性があり、実際に後でその物体を手に取る人に痛みと損傷のリスクをもたらし得る。
実験の結果、送電器の表面に位置する金属性物体は、物体内の電力散逸が500mWと低い場合でも、通常環境温度(20℃)において望ましくない高温(60℃より高い)に達し得ることがわかっている。比較のため、熱い物体との接触によって生じる皮膚火傷は約65℃の温度で始まる。典型的な異物における500mW若しくはそれ以上の電力吸収はその温度を許容できないレベルに上昇させることが実験で示されている。
このようなシナリオを防ぐために、送電器が異物の存在を検出して送信電力を減少させることができる異物検出を導入することが提案されている。例えば、Qiシステムは異物を検出し、異物が検出される場合に電力を減少させるための機能を含む。
異物における電力散逸は送信電力と受信電力との差から推定され得る。異物において過剰な電力が散逸することを防ぐために、送電器は電力損失が閾値を超える場合に電力伝送を終了し得る。
現在のQi規格において好適なアプローチは、異物における損失を決定するために送電器と受電器の間のインターフェースにかかる電力損失を決定することである。この目的で、受電器はそのインターフェース面に入る電力の量、すなわち受信電力を推定する。推定値を生成するために、受電器は負荷に供給される電力の量を測定し、コイル、共振コンデンサ、整流器などの部品における損失、並びにユーザにさらされない金属部品など、デバイスの導体素子における損失の推定値を加える。受電器は決定される受信電力推定値を送電器へ一定間隔で通信する。
送電器は電力信号から抽出される電力の量、すなわち送信電力を推定する。そして送電器は送信電力と受信電力の差を計算することができ、差が所定レベルを超える場合、送電器は許容できない電力が異物において散逸し得る状況が起きたと決定し得る。例えば、異物は送電器の上若しくは近くに位置する可能性があり、これが電力信号によって加熱されることになる。電力損失が所定閾値を超える場合、送電器は物体が熱くなり過ぎるのを防ぐために電力伝送を終了する。より詳しくはQi規格、無線送電システム説明を参照のこと。
この電力損失検出を実行するとき、異物の存在が検出されることを確実にするために十分な精度で電力損失が決定されることが重要である。まず、磁場からかなりの電力を吸収する異物が検出されることが保証されなければならない。これを保証するために、送信及び受信電力から計算される電力損失を推定する際のいかなる誤差も、異物における電力吸収に対する許容可能なレベルよりも低くなければならない。同様に、誤検出を防ぐために、電力損失計算の精度は、異物が存在しないときに高過ぎる推定電力損失値をもたらさないよう、十分に正確でなければならない。
低電力レベルよりも高電力レベルにおいて十分に正確に送信及び受信電力推定を決定する方が実質的に難しい。例えば、送信及び受信電力の推定の不確実性が±3%であると仮定すると、これは
5Wの送信及び受信電力において±150mW
50Wの送信及び受信電力において±1.5W
の誤差につながり得る。
従って、この精度は低電力伝送動作にとっては許容可能であり得るが、高電力伝送動作にとっては許容できない。
典型的に、送電器はたった350mW若しくはもっと低い異物の電力消費を検出することができなければならないことが要求される。これは受信電力と送信電力の非常に正確な推定を要する。これは高電力レベルにおいて特に困難であり、受電器が十分に正確な推定を生成することは困難であることが多い。しかしながら、受電器が受信電力を過大評価する場合、これは異物による電力消費が検出されないという結果になり得る。逆に、受電器が受信電力を過小評価する場合、これは異物が存在しないにもかかわらず送電器が電力伝送を終了する誤検出につながり得る。
所望の精度を得るために、少なくともより高レベルで電力伝送が実行される前に送電器と受電器が相互にキャリブレーションされることが提案されている。しかしながら、かかるアプローチは多くのシナリオにおいて望ましいかもしれないが、かかるアプローチはよくても電力伝送を遅延させ、多くのシナリオにおいて電力伝送が進行し得る前にユーザ関与を要し得るので、ユーザにとって不都合ともみなされ得る。
改良された電力伝送システムが有利であり得る。特に、使いやすいアプローチを維持しながら改良された動作を可能にするアプローチが有利であり得る。とりわけ、特に高電力レベルにおいて安全な動作を保証しながらより容易なユーザ動作を可能にするアプローチが有利であり得る。柔軟性の増大、実施容易化、動作容易化、より安全な動作、異物加熱のリスク軽減、精度増加及び/又は改良された性能を可能にする改良された電力伝送システムが有利であり得る。
従って、本発明は好適には上述の欠点の一つ以上を単独で若しくは任意の組み合わせで軽減、緩和若しくは除去しようとする。
本発明の一態様によれば、無線誘導電力信号を介して受電器へ電力伝送を供給するように構成される送電器を含む無線電力伝送システムが提供され、無線電力伝送システムは、寄生電力損失推定が範囲外である場合に電力伝送に対する寄生電力損失検出を生成するように構成される寄生電力損失検出器と;寄生電力損失検出に応答してユーザアラートを初期化するためのユーザインジケータと;寄生電力損失検出に応答して異物の存在若しくは異物の不在を示すユーザ入力を受信するための入力と;ユーザ入力が異物の不在を示す場合、寄生電力損失検出を生成する寄生電力損失検出器によって実行される寄生電力損失検出動作の適応を開始し、ユーザ入力が異物の存在を示す場合、寄生電力損失検出動作の適応を開始しないように構成されるコントローラとを有し、適応は寄生電力損失検出動作のパラメータの修正を有する。
アプローチは多くのシナリオにおいて改良された動作を提供し得る。特に、多くの実施形態においてこれは改良されたユーザ経験を可能にし、実際、多くの実施形態において、これは異物の許容できない加熱のリスクを非常に低く維持しながら不要な電力伝送終了のリスク軽減を可能にし得る。寄生電力損失若しくは異物検出を改良するために必要なユーザ関与は多くの実施形態で軽減され得る。本発明は特に多くのシナリオにおいて、ユーザが根底にある技術的問題のいかなる技術的理解を持つことも要することなく、適応がユーザ入力依存であることによって改良された性能を可能にし得る。それどころか、ユーザは例えば異物が存在するかどうかにはい若しくはいいえで答えるなど、単に単純なバイナリ入力を提供し得る。
本発明は特に寄生電力損失検出動作の適応を、寄生電力損失検出動作が不適切な結果を生成した確率が高い状況に制限し得る。特に、寄生電力損失推定が範囲を超えるが異物が存在しないときは適応を実行するが、寄生電力損失推定が範囲を超え、かつ異物が存在するときは実行しないことにより、適応は不正確な検出(例えば誤検出)が生じたという仮定に基づいて進行することができ、従って適応はこのような検出の確率を削減し得る。
寄生電力損失検出はユーザアラートの生成をトリガし得る。寄生電力損失検出に応答するユーザの受信は、ユーザ入力が受信され得る時間間隔を寄生電力損失検出がトリガすることに対応し得る。寄生電力損失検出及び異物が存在しないことを示すユーザ入力の受信は適応をトリガし得るが、寄生電力損失検出及び異物が存在することを示すユーザ入力の受信は適応をトリガし得ない。
寄生電力損失は受電器によって散逸されない、電力信号から散逸される任意の電力であり得る。
寄生電力損失の検出は特に(例えば送信電力推定及び受信電力推定から推定される)寄生電力損失が閾値(特に範囲の上限)を超えるという検出であり得る。寄生電力損失検出器は従って決定された寄生電力損失が閾値を超える場合に寄生電力損失検出を生成し得る。これは例えば寄生電力損失が高過ぎることを示す寄生電力損失検出が生成されるが、異物が存在しない"フォールスポジティブ"を少なくするよう検出の感度を低下させるために使用され得る。
代替的に若しくは付加的に、寄生電力損失の検出は特に(例えば送信電力推定及び受信電力推定から推定される)寄生電力損失が閾値(特に範囲の下限)を下回るという検出であり得る。寄生電力損失検出器は従って決定された寄生電力損失が閾値を下回る場合に寄生電力損失検出を生成し得る。これは例えば異物によって生じる寄生電力損失が検出されない検出の見逃しを防止するよう検出の感度を増加させるために使用され得る。
寄生電力損失検出を生成する寄生電力損失検出器によって実行される寄生電力損失検出動作の適応は、特に寄生電力損失検出を生成するために使用される寄生電力損失検出アルゴリズムの適応であり得る。寄生電力損失検出を生成する寄生電力損失検出器によって実行される寄生電力損失検出動作の適応は、特に寄生電力損失を検出するための寄生電力損失検出アルゴリズムの適応であり得る。寄生電力損失検出を生成する寄生電力損失検出器によって実行される寄生電力損失検出動作の適応は、特に寄生電力損失推定を計算するための関数の適応/修正及び/又は範囲の適応/修正であり得る。
適応はユーザ入力に応答して、検出確率が削減されるように、寄生電力損失を検出する寄生電力損失検出器によって実行される寄生電力損失検出動作を適応させ得る。これは異物が存在しないことを示すユーザ入力に応答して、検出確率が削減されるように、寄生電力損失検出を生成する寄生電力損失検出動作の適応のパラメータを変更し得る。特に、誤検出確率が削減される。これは特に寄生電力損失推定が閾値を超えることを検出することによって実現され得る。
代替的に若しくは付加的に、適応はユーザ入力に応答して、検出確率が増加されるように、寄生電力損失を検出する寄生電力損失検出器によって実行される寄生電力損失検出動作を適応させ得る。これは異物が存在しないことを示すユーザ入力に応答して、検出確率が増加されるように、寄生電力損失検出を生成する寄生電力損失検出動作の適応のパラメータを変更し得る。特に、過剰電力損失の検出を見逃す確率が削減され得る。これは特に寄生電力損失推定が閾値を下回ることを検出することによって実現され得る。
パラメータは特に寄生電力損失推定を計算するための関数、モデル、若しくはアルゴリズムのパラメータであり得るか、及び/又は範囲の端点(特に上限若しくは下限など)であり得る。
寄生電力損失検出器は連続的に電力伝送フェーズ中に寄生電力損失検出アルゴリズムを実行するように構成され得る。適応は将来の電力伝送のために寄生電力損失検出アルゴリズムを適応させ得る。
異物が存在しないこと(及び従って寄生電力損失が生じない可能性が高いこと)を示すユーザ入力は、ユーザが検出を誤検出であるとみなすことを示し得る。
異物が存在することを示すユーザ入力は、顕著な寄生電力損失が生じている、及びユーザが検出を正確な検出であるとみなすという表示とみなされ得る。
誤検出基準を満たすユーザ入力が受信されない場合及び/又は異物が存在しないことを示すユーザ入力が(例えば所定時間間隔内に)受信されない場合、コントローラは電力信号の電力を制限し得る。コントローラは電力信号の電力レベルを閾値未満になるように直接若しくは間接的に制御することによって電力信号の電力を制限し得る。閾値は既定閾値であり得るか、又は一部の実施形態では、寄生電力損失推定が所定閾値を下回ることになる閾値など、動的に決定される閾値であり得る。一部の実施形態において、コントローラは電力伝送を終了すること若しくは開始しないことによって電力を制限し得る、すなわちコントローラはゼロの値に電力を制限し得る。
一部の実施形態において、電力信号の電力は寄生電力損失が閾値を超えることの検出時及びユーザ入力の受信前に制限され得る。正しい検出に対応するユーザ入力が受信される場合、適応コントローラ213は、例えば低下させた電力レベルを維持すること又は電力伝送の初期化を防ぐ若しくは控えることによって、既に導入された制限を継続し得る。
適応は寄生電力損失推定が範囲の上限値を超える検出確率の低下へ向かって寄生電力損失検出動作をバイアスし得る。特に、適応は範囲を超える寄生電力損失が検出されるための要件を増加し得る。従って、適応は寄生電力損失/異物を検出する可能性を下げるようなものであり得る。
適応は寄生電力損失推定が範囲の下限値を下回る検出確率の増加へ向かって寄生電力損失検出動作をバイアスし得る。特に、適応は範囲を超える寄生電力損失が検出されるための要件を軽減し得る。従って、適応は寄生電力損失/異物を検出する可能性を増すようなものであり得る。
コントローラは例えば、代替ユーザ入力が受信される場合若しくは所要時間間隔内に入力が受信されない場合に、異物が存在することを示すユーザ入力が受信されると決定し得る。
適応は受電器及び送電器ペアリングに特異的であり得る。
異なる実施形態において、機能エンティティは送電器、受電器、若しくは実際には他のエンティティ間に異なって分散され得る。
例えば、寄生電力損失検出器は例えば受電器、送電器の一部であり得るか、又は受電器及び送電器間に分散され得る。独立して、ユーザインジケータは例えば受電器、送電器の一部であり得るか、又は受電器及び送電器間に分散され得る。独立して、入力は例えば受電器、送電器の一部であり得るか、又は受電器及び送電器間に分散され得る。独立して、コントローラは例えば受電器、送電器の一部であり得るか、又は受電器及び送電器間に分散され得る。
一部の実施形態において、範囲は上限値を持つのみであり得、寄生電力損失検出は閾値/上限値を超える寄生電力損失推定の検出であり得る。
一部の実施形態において、範囲は下限値を持つのみであり得(典型的には上限値が無限であることに相当)、寄生電力損失検出は閾値/下限値を下回る寄生電力損失推定の検出であり得る。
一部の実施形態において、範囲は下限値と上限値の両方を持ち得、寄生電力損失検出は閾値/下限値を下回る寄生電力損失推定若しくは異なる閾値/上限値を上回る寄生電力損失推定いずれかの検出であり得る。
コントローラは特に、ユーザ入力が異物の不在を示す場合に寄生電力損失検出を生成する寄生電力損失検出器によって実行される寄生電力損失検出動作のパラメータの修正を開始し、ユーザ入力が異物の存在を示す場合に寄生電力損失検出動作のパラメータの修正を開始しないように構成され得る。
異物の不在を示すユーザ入力は、異物が存在しないことを示すユーザ入力に均等/同一であるとみなされ得る。
本発明のオプション機能によれば、寄生電力損失検出器は寄生電力損失推定が範囲の上限値を上回る値を持つ場合に寄生電力損失検出を生成するように構成される。
これは特に有利なシステムを提供し得、例えばいかなる異物も存在しないのに電力損失が検出されるフォールスポジティブの確率を低下させる有利な適応を提供し得る。
本発明のオプション機能によれば、寄生電力損失検出器は電力損失推定モデルから寄生電力損失推定を生成し、それを範囲に比較するように構成され、無線電力伝送システムは適応を実行するためのアダプタをさらに有し、アダプタは寄生電力損失推定を決定するためのモデルと範囲の少なくとも一方を適応させるように構成される。
これは信頼できる動作を提供しながら実施容易化を提供し得る。
適応は特に寄生電力損失推定を決定するために使用される送信電力推定及び/又は受信電力推定の決定を修正することによってモデルを修正し得る。適応は特に送信電力推定及び/又は寄生電力損失推定をより低い値へ向かってバイアスする、並びに/或いは(特に範囲の上限値を超える寄生電力損失推定の検出の場合)受信電力推定及び/又は検出閾値をより高い値へ向かってバイアスするようなものであり得る。
適応は特に送信電力推定及び/又は寄生電力損失推定をより高い値へ向かってバイアスする、並びに/或いは(特に範囲の下限値を下回る寄生電力損失推定の検出の場合)受信電力推定及び/又は検出閾値をより低い値へ向かってバイアスするようなものであり得る。
アダプタは特に寄生電力損失推定を決定/計算するための関数を修正するように構成され得る。寄生電力損失推定を決定するためのモデルは特に入力パラメータのセットの関数として寄生電力損失推定を決定するための関数であり得る。適応は関数を修正し得る。入力パラメータは例えば受信電力推定、及び/又は送信電力推定を含み得る。
本発明のオプション機能によれば、入力は受電器に少なくとも部分的に含まれる。
これは多くの実施形態においてより簡便なユーザインタラクションを提供し得、例えば多くの受電器が典型的な送電器よりも良いユーザインターフェースを持つという事実を利用し得る。
本発明のオプション機能によれば、寄生電力損失検出器は送電器に少なくとも部分的に含まれる。
これは多くの実施形態において実施及び/又は動作を容易にし得る。これは多くのシナリオにおいて動作を改良し、例えば異物の検出が電力信号を生成するエンティティによることを保証し得る。
本発明のオプション機能によれば、寄生電力損失検出器は受電器に少なくとも部分的に含まれ、送電器は電力信号に対する送信電力推定を生成するための電力推定器と、受電器に送信電力推定を送信するための送信器とを有し、受電器は送信電力推定を受信するための受信器を有し、寄生電力損失検出器は送信電力推定に基づいて寄生電力損失検出を生成するように構成される。
これは多くの実施形態において特に有利な機能分散を可能にし得る。特に、これは送電器が寄生電力損失検出のための関連パラメータをかかる検出を実行する受電器へ効率的に通信することを可能にし得る。
寄生電力損失検出器は特に、送信電力推定とローカルで生成された受信電力推定との差として、寄生電力損失推定を決定し得る。
本発明の一態様によれば、無線誘導電力信号を介して受電器へ電力伝送を提供するように構成される送電器を含む無線電力伝送システムのための装置が提供され、装置は、寄生電力損失推定が範囲外である場合に電力伝送に対する寄生電力損失検出を生成するように構成される寄生電力損失検出器と;寄生電力損失検出に応答してユーザアラートを初期化するためのユーザインジケータと;寄生電力損失検出に応答して異物の存在若しくは異物の不在を示すユーザ入力を受信するための入力と;ユーザ入力が異物の不在を示す場合、寄生電力損失検出を生成する寄生電力損失検出器によって実行される寄生電力損失検出動作の適応を開始し、ユーザ入力が異物の存在を示す場合、寄生電力損失検出動作の適応を開始しないように構成されるコントローラとを有し、適応は寄生電力損失検出動作のパラメータの修正を有する。
アプローチは信頼性の高い寄生電力損失/異物セーフガードが装置によって実施されることを可能にし得る。装置は特にデバイスであり得る。
当然のことながら前記システムに関して提供されたコメントは装置に準用する。
本発明のオプション機能によれば、装置は適応を実行するためのアダプタをさらに有し、アダプタは複数の開始された適応に基づいて電力損失検出動作に対するパラメータをセットするように構成される。
アプローチは、改良された動作と、例えば典型的には誤検出が少なく及び/又は異物の検出を見逃すリスクが低下した異物検出を提供し得る。アプローチは特に送電器に対する受電器の位置の変動に対する感受性の低下を提供し得る。実際、典型的なシナリオにおいて、給電する送電器を有するデバイスに対する受電器を有するデバイスの位置は、電力伝送動作によっていくらか異なり得る。例えば、携帯電話を無線充電プラットフォーム上に位置付けるユーザは、典型的には毎回わずかに異なる位置及び配向にそれを位置付ける。これは送電コイルと受電コイルの相対位置が電力動作間で異なることになり、従ってコイル間の結合が変動することになる。例えば受電デバイスの導電部(例えば金属部品)の影響も変動することになる。従って、特定の測定に基づいて寄生電力損失検出をキャリブレーションすること(適応させること)は、全く偶然普通でない若しくは通常でないかもしれない特定の相対的位置付けを反映するキャリブレーションをもたらし得る。複数の開始された適応に基づいてパラメータをセットするアプローチは、キャリブレーションが可能性の低いシナリオ(すなわち外れ値)を反映するリスクを低減し得る。
適応される(複数の)パラメータは電力損失推定を決定するためのモデル若しくはアプローチに関連し得るか、又は例えば決定された寄生電力損失推定が電力損失検出に対応するか否かを評価するために使用される範囲に関連し得る。
装置は従って繰り返し寄生電力損失推定を決定し、それを範囲に比較し得る。これが(例えば高過ぎる若しくは低過ぎることによって)範囲を超える場合、電力損失検出が生じており、適切なユーザ入力が受信される場合、適応プロセスが開始される。これは何度も起こる可能性があり、適応は現在の開始のみならず複数の開始に基づき得る。例えば、(複数の)パラメータの決定は複数の適応プロセスにわたる少なくとも一つの値、計算、若しくはパラメータの平均化を含み得る。
本発明のオプション機能によれば、アダプタは複数の開始された適応に基づいて寄生電力損失推定を決定するためのモデル及び範囲の少なくとも一つを適応させるように構成される。
これは改良された性能を提供し、及び/又は実施と動作を容易にし得る。
本発明のオプション機能によれば、アダプタは、複数の開始された適応に対する総寄生損失推定を範囲における既定位置へ向かってバイアスするよう、寄生電力損失推定を決定するためのモデル及び範囲の少なくとも一つを修正するように構成される。
これは改良された性能を提供し、並びに/或いは実施及び/又は動作を容易にし得る。アダプタは、得られる寄生電力損失推定が既定位置に(修正がなされなかった場合よりも)より近くなるように、寄生電力損失推定を決定するためのモデルのパラメータを修正するように構成され得る。代替的に若しくは付加的に、アダプタは、複数の開始された適応の総寄生電力損失推定が既定位置により近くなるように、範囲の一方若しくは両方の端点(すなわち最小値及び/又は最大値)を修正するように構成され得る。総寄生電力損失推定は特に異なる適応に対する寄生電力損失推定の(場合により加重)平均であり得る。一実施例として、総寄生電力損失推定は異なる適応の寄生電力損失推定の(ローパス)フィルタリングから得られる寄生電力損失推定であり得る。
一実施例として、寄生電力損失推定は送信電力推定と受信電力推定との差としてN回の適応について決定され得る。寄生電力損失推定は単一の平均総寄生電力損失推定を提供するように平均化され得る。この総寄生電力損失推定は範囲と比較され得、修正された(オフセット)電力推定を用いて計算されるN回の適応に対する総寄生電力損失推定が既定点により近くなるように、送信電力推定及び/又は受信電力推定を計算するためのモデルにオフセットが導入され得る。例えば、範囲の中点に実質的に等しいN回の反復に対して計算された寄生電力損失推定の平均をもたらすように、送信電力推定(若しくは均等に受信電力推定)の決定にオフセットが導入され得る。別の実施例として、N回の適応に対する平均寄生電力損失推定が計算され得、この総寄生電力損失推定に対して範囲端点が決定され得、例えば平均寄生電力損失推定は、端点が計算された平均寄生電力損失推定まわりに対称な所定値であることによって、範囲の中点にセットされ得る。
本発明のオプション機能によれば、アダプタは送電器の送信電力に対する送信電力推定を決定するためのモデル、受電器に対する受信電力推定を決定するためのモデル、及び範囲の端点の少なくとも一つを適応させるように構成される。
これは改良された及び/又は容易にされた動作、性能及び/又は実施を提供し得る。特に、これは多くの実施形態とシナリオにおいて効率的な低複雑性適応を可能にし得る。
本発明のオプション機能によれば、アダプタは送電器と受電器の個別ペアリングに対して電力損失検出動作のためのパラメータをセットするように構成される。
これは多くの実施形態において改良された性能を提供し得、多くのシナリオにおいて特に正確な電力損失検出を可能にし得る。送電器と受電器の所定ペアリングに対するパラメータはその送電器からその受電器への電力伝送中に開始される複数の適応に応じて決定され得る。
本発明のオプション機能によれば、装置は送電器であり、アダプタは複数の受電器に対して開始された適応に基づいて電力損失検出動作のためのパラメータの少なくとも一つのパラメータを決定するように構成される。
これは多くの実施形態において改良された性能を提供し得、多くのシナリオにおいて特に正確な電力損失検出を可能にし得る。所定の送電器に対するパラメータはその送電器から異なる受電器への電力伝送中に開始された複数の適応に応じて決定され得る。アプローチは特にシステムが(例えば部品公差、測定バイアスなどに起因する)送電器における変動に対するより正確な補正を提供することを可能にし得る。このように、アプローチは例えば送電器と、以前に送電器と併用されていなかった受電器との間の電力伝送動作にとって、電力損失検出精度を改良し得る。多くのシナリオにおいて、新たな受電器について適応若しくはキャリブレーションが必要である確率が多くのシナリオで低減され得る。
異なる受電器に対する複数の適応は特に範囲若しくは送信電力推定を決定するためのモデルを適応させるために使用され得る。
本発明のオプション機能によれば、装置は受電器であり、アダプタは複数の送電器に対して開始された適応に基づいて電力損失検出のためのパラメータの少なくとも一つのパラメータを決定するように構成される。
これは多くの実施形態において改良された性能を提供し得、多くのシナリオにおいて特に正確な電力損失検出を可能にし得る。所定の受電器に対するパラメータは異なる送電器からの電力伝送中に開始される複数の適応に応じて決定され得る。アプローチは特にシステムが(例えば部品公差、測定バイアスなどに起因する)受電器における変動に対するより正確な補正を提供することを可能にし得る。このように、アプローチは例えば受電器と、以前に受電器と併用されていなかった送電器との間の電力伝送動作にとって、電力損失検出精度を改良し得る。多くのシナリオにおいて、新たな送電器について適応若しくはキャリブレーションが必要である確率が多くのシナリオで低減され得る。
異なる送電器に対する複数の適応は特に範囲若しくは受信電力推定を決定するためのモデルを適応させるために使用され得る。
本発明のオプション機能によれば、コントローラはユーザ入力が電力伝送のための受電器の正確な位置付けの表示を有する場合のみ適応を開始するように構成される。
これは適応が典型的な若しくは所望の使用シナリオを反映する確率を増加し得る。
本発明のオプション機能によれば、装置は受電器である。
アプローチは信頼性の高い寄生電力損失/異物セーフガードが受電器によって実現されることを可能にし得る。
当然のことながら前記システムに関して提供されたコメントは受電器に準用する。
本発明のオプション機能によれば、寄生電力損失検出器は送電器から受信される電力損失インジケータに基づいて寄生電力損失検出を生成するように構成される。
これは多くの実施形態において有利な動作を提供し得、特に改良された機能分散を可能にし得る。
一部の実施形態において電力損失インジケータは(電力信号の電力を示す)送信電力推定と受電器によって電力信号から抽出される電力を示す受信電力推定との電力差を示し得る。
一部の実施形態において、電力損失インジケータは寄生電力損失推定が範囲外であることを送電器が検出することを示し得る。
本発明のオプション機能によれば、寄生電力損失検出器は受電器によって送電器へ送信されるメッセージに対する承認の欠如に応答して寄生電力損失検出を生成するように構成される。
これは有利な動作を提供し得、特に追加メッセージングを要することなく、非常に低い通信リソースオーバーヘッドで、送電器による寄生電力損失検出の通信を提供し得る。
承認の欠如は寄生電力損失が範囲外であることを送電器101が検出することを示し得る。
本発明のオプション機能によれば、寄生電力損失検出器は送電器から受信される送信電力測定と受電器によって電力信号から抽出される電力を示す受信電力推定との比較に基づいて寄生電力損失検出を生成するように構成される。
これは多くの実施形態において有利な動作と実施を提供し得る。
本発明のオプション機能によれば、コントローラは基準を満たすユーザ入力が受信されることに応答して送電器へ適応要求メッセージを送信するように構成される。
これは受電器が送電器の適応を制御することを可能にし得る。適応要求メッセージは特にキャリブレーション要求メッセージであり得る。
一部の実施形態において、コントローラは寄生電力損失の検出に応答して送電器へ少なくとも一つの電力低下要求を送信するように構成され得る。
これは寄生電力損失検出の場合に受電器が電力信号を制御することを可能にし得る。
電力低下メッセージは例えば電力伝送を終了する要求であり得るか、又は例えば電力制御ループ電力低下メッセージであり得る。
例えば、一部の実施形態において少なくとも一つの電力低下要求は少なくとも一つの電力ループ電力低下要求を有する。
一部の実施形態において、コントローラは寄生電力損失が第二の基準を満たすまで第一の基準を満たす寄生電力損失の検出に応答して送電器へ電力制御ループ電力低下要求を送信するように構成される。
一部の実施形態において、装置は基準を満たすユーザ入力を受信しないことに応答して寄生電力損失推定を決定するためのモデル及び範囲の少なくとも一つを適応させるためのアダプタを有し得る。
多くの実施形態において、適応は受電器及び送電器ペアリングに特異的である。
一部の実施形態において、受電器は送電器からユーザアラート要求を受信することに応答してユーザアラートを生成するように構成され得る。
本発明のオプション機能によれば、装置は送電器である。
アプローチは信頼性の高い寄生電力損失/異物予防措置が送電器によって実現されることを可能にし得る。
当然のことながら前記システムに関して提供されたコメントは送電器に準用する。
一部の実施形態において、寄生電力損失検出器は(電力信号の電力を示す)送信電力推定と受電器から受信される受信電力推定との比較に応答して寄生電力損失を検出するように構成され得、受信電力推定は受電器によって電力信号から抽出される電力を示す。
本発明のオプション機能によれば、ユーザインジケータは受電器へユーザアラート要求メッセージを送信することによってユーザアラートを初期化するように構成され、ユーザアラート要求メッセージは受電器がユーザアラートを生成することを要求する。
これは多くの実施形態において特に有利な動作を提供し得る。
本発明のオプション機能によれば、入力は受電器からユーザ入力の表示を受信するための受信器を有する。
これは多くの実施形態において特に有利な動作を提供し得る。
一部の実施形態において、ユーザ入力の表示は(特に基準を満たすユーザ入力が受信されない場合)適応/キャリブレーションの要求を有するメッセージであり得る。メッセージは所要キャリブレーション期間を含み得る。
本発明のオプション機能によれば、装置は適応を実行するためのアダプタをさらに有し、アダプタは寄生電力損失推定を決定するためのモデル及び範囲の少なくとも一つを適応させるように構成される。
これは多くの実施形態において動作の複雑性と信頼性との間で改良されたトレードオフを可能にし得る。
本発明のオプション機能によれば、送電器は寄生電力損失の検出に応答して受電器へ寄生電力損失検出の表示を送信するように構成される。
これは多くの実施形態において効率的で信頼できる動作を可能にし得る。
本発明のオプション機能によれば、送電器は受電器から受信されるメッセージに対する少なくとも一つの承認メッセージを与えないでおくことによって受電器へ寄生電力損失検出の表示を送信するように構成される。
これは多くの実施形態において効率的で信頼できる動作を可能にし得、特に計算要件を軽減し得る。
本発明の一態様によれば、無線電力伝送システムのための送電器が提供され、送電器は、無線誘導電力信号を介して受電器へ電力伝送を提供するように構成される電力伝送ユニットと、電力伝送に対する寄生電力損失インジケータを決定するように構成される寄生電力損失検出器と、受電器へ寄生電力損失インジケータを送信するための送信器とを有する。
これは多くの実施形態において非常に有利な動作を提供し得、特に受電器における寄生電力損失動作の効率的なサポートを可能にし得る。
本発明のオプション機能によれば、電力損失インジケータは電力信号の電力と受電器によって電力信号から抽出される電力を示す受信電力推定との電力差を示す。
本発明のオプション機能によれば、寄生電力損失インジケータは送信電力推定を示す。
本発明のオプション機能によれば、電力損失インジケータは過剰電力損失基準を満たす寄生電力損失の検出を示す。
本発明のオプション機能によれば、送電器は受電器から受信されるメッセージに対する少なくとも一つの承認メッセージを与えないでおくことによって受電器へ電力損失インジケータを送信するように構成される。
本発明の一態様によれば、無線誘導電力信号を介して受電器へ電力伝送を提供するように構成される送電器を含む無線電力伝送システムのための動作方法が提供され、方法は、寄生電力損失推定が範囲外である場合に電力伝送に対する寄生電力損失検出を生成するステップと;寄生電力損失検出に応答してユーザアラートを初期化するステップと;寄生電力損失検出に応答してユーザ入力を受信するステップであって、ユーザ入力は異物の存在若しくは異物の不在を示すステップと;ユーザ入力が異物の不在を示す場合、寄生電力損失を生成する寄生電力損失検出アルゴリズムの適応を開始し、ユーザ入力が異物の存在を示す場合、寄生電力損失検出動作の適応を開始しないステップとを有し、適応は寄生電力損失検出動作のパラメータの修正を有する。
本発明のこれらの及び他の態様、特徴及び利点は下記実施形態から明らかとなり、それらを参照して解明される。
本発明の実施形態は、ほんの一例として、図面を参照して記載される。
本発明の一部の実施形態にかかる電力伝送システムの一実施例を図示する。 本発明の一部の実施形態にかかる電力伝送システムの一実施例を図示する。 本発明の一部の実施形態にかかる送電器のためのハーフブリッジインバータの素子の一実施例を図示する。 本発明の一部の実施形態にかかる送電器のためのフルブリッジインバータの素子の一実施例を図示する。 本発明の一部の実施形態にかかる送電器の一実施例を図示する。 本発明の一部の実施形態にかかる受電器の一実施例を図示する。 本発明の一部の実施形態にかかる送電器の一実施例を図示する。 本発明の一部の実施形態にかかる電力伝送システムにおける寄生電力損失検出のために使用される範囲の一実施例を図示する。 可能な送電デバイスの二つのビューを図示する。 可能な送電デバイスの二つのビューを図示する。 給電のために送電デバイス上に受電デバイスが位置付けられる電力伝送システムのビューを図示する。 給電のために送電デバイス上に受電デバイスが位置付けられる電力伝送システムのビューを図示する。 給電のために送電デバイス上に受電デバイスが位置付けられる電力伝送システムのビューを図示する。
図1は本発明の一部の実施形態にかかる電力伝送システムの一実施例を図示する。電力伝送システムは送電コイル/インダクタ103を含む(若しくはそれに結合される)送電器101を有する。システムはさらに受電コイル/インダクタ107を含む(若しくはそれに結合される)受電器105を有する。
システムは送電器101から受電器105へ無線誘導電力伝送を提供する。特に、送電器101は送電コイル103による磁束として伝播される電力信号を生成する。電力信号は典型的には約100kHz〜200kHzの周波数を持ち得る。送電コイル103と受電コイル107は疎結合であり、従って受電コイルは送電器101から電力信号(の少なくとも一部)をピックアップする。従って、送電コイル103から受電コイル107への無線誘導結合を介して送電器101から受電器105へ電力が伝送される。電力信号という語は主に送電コイル103と受電コイル107の間の誘導信号(磁束信号)をあらわすために使用されるが、当然のことながら均等によりこれは送電コイル103に供給される電気信号、若しくは実に受電コイル107の電気信号への参照としても考慮され使用され得る。
以下、送電器101と受電器105の動作がQi規格に従って一実施形態を特に参照して記載される(本明細書に記載の(若しくは結果として生じる)修正及び改良を除く)。特に、送電器101と受電器105は実質的にQi規格バージョン1.0若しくは1.1に適合し得る(本明細書に記載の(若しくは結果として生じる)修正及び改良を除く)。
無線電力伝送システムにおける送電器101と受電器105の間の電力伝送を準備し制御するために、受電器105は送電器101へ情報を通信する。かかる通信はQi規格バージョン1.0及び1.1において標準化されている。
物理レベルで、受電器105から送電器101への通信チャネルは電力信号をキャリアとして使用することによって実現される。受電器105は受電コイル107の負荷を変調する。これは送電器側における電力信号の対応する変動をもたらす。負荷変調は送電コイル103電流の振幅及び/又は位相の変化によって、又は代替的に若しくは付加的に送電コイル103の電圧の変化によって検出され得る。この原理に基づいて、受電器105は送電器101が復調するデータを変調し得る。このデータはバイト及びパケットでフォーマットされる。より詳しくは、Qi無線電力仕様ともよばれる、http://www.wirelesspowerconsotrium.com/downloads/wirelss-power-specification-part-1.htmlから利用可能な"System description, Wireless Power Transfer, Volume I:Low Power, Part 1:Interface Definition Version 1.0 July 2010, published by the Wireless Power Consortium"、特にチャプタ6:通信インターフェースを参照のこと。
電力伝送を制御するために、システムは異なるフェーズ、特に選択フェーズ、ピンフェーズ、識別及び構成フェーズ、電力伝送フェーズを介して進行し得る。より詳しくはQi無線電力仕様パート1チャプタ5を参照のこと。
最初に、送電器101は単に受電器の潜在的存在をモニタリングする選択フェーズにある。送電器101はこの目的で例えばQi無線電力仕様に記載のような様々な方法を使用し得る。こうした潜在的存在が検出される場合、送電器101は電力信号が一時的に生成されるピンフェーズに入る。受電器105はその電子機器を起動するために受信信号を適用し得る。電力信号を受信後、受電器105は初期パケットを送電器101へ通信する。特に、送電器と受電器の間の結合度を示す信号強度パケットが送信される。より詳しくはQi無線電力仕様パート1チャプタ6.3.1を参照のこと。従って、ピンフェーズにおいて受電器105が送電器101のインターフェースに存在するかどうかが決定される。
信号強度メッセージの受信により、送電器101は識別及び構成フェーズに移る。このフェーズにおいて、受電器105はその出力負荷を切断したままにし、負荷変調を用いて送電器101へ通信する。送電器はこの目的で一定振幅、周波数及び位相の電力信号を供給する(負荷変調によって生じる変化を除く)。メッセージは受電器105の要請を受けて自身を構成するために送電器101によって使用される。
識別及び構成フェーズの後、システムは実際の電力伝送が行われる電力伝送フェーズに移る。特に、その電力要求を通信した後、受電器105は出力負荷を接続してそれに受信電力を供給する。受電器105は出力負荷をモニタリングして所定動作点の実際の値と所望の値との制御誤差を測定する。これは電力信号の変更若しくは変更不要の要望とともにこれらの誤差を送電器101に示すために、例えば250m秒毎の最低レートで送電器101へかかる制御誤差を通信する。
電力伝送動作は、無線磁束電力信号が送電器101によって生成され、受電器105によってキャプチャされることに基づく。従って、電力信号は受電コイル107において電圧と電流を誘導する。しかしながら、電力信号は例えば受電器105若しくは送電器101の金属部品を含む任意の他の導電体においても電流を誘導する。さらに、異物として知られる他の物体が送電コイル103の十分近くに位置する場合、かかる物体の導電部においてかなりの電流が誘導され得る。例えば、かなりの渦電流が誘導される可能性があり、これは物体の加熱をもたらし得る。過剰電力が異物において誘導される場合、これは大幅に加熱し得る。従って、望ましくない電力損失に加えて、異物における誘導電力は望ましくない、おそらくほとんど危険でさえある状況をももたらし得る。一例として、ユーザは不注意で送電器によって充電されている携帯電話の隣に鍵一組を置くかもしれない。これは鍵一組が大幅に、潜在的には鍵を手に取るときにユーザを火傷させるのに十分なほど、加熱することになり得る。問題は高電力の場合に悪化し、例えばQi電力伝送アプローチにとってこれが高電力レベルに拡張されているとき、より重大になっている。
このようなリスクに対処するために、Qi規格はこのようなシナリオを検出し、検出に応答して電力伝送を終了するための機能を含む。特に、送電器101は寄生電力損失(すなわち送電器101によって電力信号に供給される電力と受電器105によって消費される電力との差)を推定し得る。これが所定レベルを超える場合、これは異物が存在することに起因する可能性があるとみなされ、従って送電器101は電力伝送の終了へと進む。このように、送電器101は異物検出機能を含む。
Qi電力伝送規格において、受電器は例えば整流電圧及び電流を測定し、それらを乗じて、受電器における内部電力損失の推定(例えば整流器、受電コイル、受電器の一部である金属部品の損失など)を加えることによって、その受信電力を推定する。受電器は決定される受信電力を例えば4秒毎の最低レートで送電器へ報告する。
送電器は例えばインバータのDC入力電圧と電流を測定し、それらを乗じて、送電器における内部電力損失の推定、例えばインバータ、一次コイル及び送電器の一部である金属部品における推定電力損失などを減じることによって結果を修正することによって、その送信電力を推定する。
送電器101は報告された受信電力を送信電力から減じることによって電力損失を推定し得る。結果として得られる寄生電力損失推定が検出閾値を超える場合、送電器101は過剰電力が異物において散逸されると仮定し、そして電力伝送の終了へと進み得る。
特に、寄生電力損失推定PT−PRが閾値より大きいときに電力伝送が終了し、PTは送信電力推定でありPRは受信電力推定である。
測定は受電器と送電器の間で同期され得る。これを達成するために、受電器は構成中に時間窓のパラメータを送電器へ通信し得る。この時間窓は受電器が受信電力の平均を決定する期間を示す。時間窓は受信電力パケットの第一ビットが受電器から送電器へ通信されるときである基準時間に対して定義される。この時間窓に対する構成パラメータは窓の持続期間と基準時間に対する開始時間から成る。
この電力損失検出を実行するとき、異物の存在が検出されることを確実にするために十分な精度で電力損失が決定されることが重要である。
まず、磁場から大幅な電力を吸収する異物が検出されることが保証されなければならない。これを確実にするために、送信及び受信電力から計算される電力損失の推定におけるいかなる誤差も、異物における電力吸収に対する許容可能レベルよりも低くなければならない。同様に、誤検出を回避するために、電力損失計算の精度は異物が存在しないときに高過ぎる推定電力損失値をもたらさないように十分に正確でなければならない。
低電力レベルよりも高電力レベルにおいて十分に正確に送信及び受信電力推定を決定する方が実質的に難しい。例えば、送信及び受信電力の推定の不確実性が±3%であると仮定すると、これは
5Wの送信及び受信電力において±150mW
50Wの送信及び受信電力において±1.5W
の誤差につながり得る。
従って、かかる精度は低電力伝送動作にとっては許容可能であり得るが、高電力伝送動作にとっては許容可能でない。
典型的に、送電器はたった350mW若しくはもっと低い異物の電力消費を検出することができなければならないことが要求される。これは受信電力と送信電力の非常に正確な推定を要する。これは高電力レベルにおいて特に困難であり、受電器が十分に正確な推定を生成することは困難であることが多い。しかしながら、受電器が受信電力を過大評価する場合、これは異物による電力消費が検出されないという結果になり得る。逆に、受電器が受信電力を過小評価する場合、これは異物が存在しないにもかかわらず送電器が電力伝送を終了する誤検出につながり得る。
従って、受信電力を単純に過大評価すること(これは低過ぎる電力損失が感知されることになり得る)は、異物が検出されない(フォールスネガティブ)可能性の増大のために、容認できない。受信電力を過小評価することはポジティブの感知された電力損失をもたらし、これはいかなる異物も存在しないにもかかわらず異物が存在することを示す検出(フォールスポジティブ)につながり得るので、容認できない。従って、推定におけるいかなる不確実性についても、狭い帯域しか利用できない。
明らかに、多数のフォールスポジティブの発生は電力伝送システム及び規格の需要にとって有害である。例えば、平均的消費者はなぜ自分のデバイスが充電されていないのか、又は例えばなぜ自分のデバイスがある送電器上では完璧に充電するが別の送電器上では充電を拒むのか、わからない。しかしながら、フォールスネガティブは最悪のケースとして重大な問題を生じ得る程度まで異物が加熱されることになり得るので、さらにいっそう不都合である可能性があり得る。
この問題に対処し、より正確な異物検出を提供するために、個々の受電器及び送電器の固有特性が異物検出に反映されるように、送電器と受電器が互いにキャリブレーションされることが提案されている。この一例は欧州特許出願EP12188672.5で提供され、これは事前に互いにキャリブレーションされていない送電器と受電器ペアリング間では低電力レベルについてのみ電力伝送が許可されるシステムを開示する。しかしながら、より正確な異物検出をもたらす送電器と受電器ペアリングのキャリブレーションをユーザが実行する場合、システムは高電力レベルにおいて電力伝送を許可する。
しかしながら、このようなアプローチは多くの実施形態において望ましい動作を提供し得るが、これは一部のシナリオでは準最適であり得る。実際、アプローチはそのようなキャリブレーションが必要ない場合であっても、高電力レベル電力伝送が実行されることができる前に全ての送電器と受電器ペアリングについてキャリブレーションが実行されなければならないことを要する。例えば、多くの受電器と送電器の組み合わせにとって、結果として得られる送信電力及び受信電力推定は非常に正確であり得、高電力レベルにおいても、いかなるキャリブレーションも伴わずに、十分に信頼できる異物検出をもたらす。キャリブレーションはユーザにとって不都合であることが多く、マニュアル入力と専用キャリブレーションモードを要することが多い。
しかしながら、図1のシステムは固有特性へのシステムの選択的適応を可能にする異なるアプローチを使用する。実際、送電器と受電器の組み合わせに対してキャリブレーションが実行されることを常に要求するのではなく、システムは寄生電力損失の推定をモニタリングしてこれが高過ぎるかどうかを検出しながら電力伝送が進行することを可能にする。かかる電力損失が検出される場合、システムはユーザに警告し(及び潜在的には電力を下げ)、ユーザに異物が存在するか否かの入力を与えるよう要求する。異物が実際に存在するという表示である場合、これは次に電力信号の電力を安全レベルに制限する(例えば寄生電力損失が安全閾値未満になることを要する)。しかしながら、異物が存在しないとユーザが示す場合、システムは高電力レベルで電力伝送を継続し得る。加えて、これは次に寄生電力損失の検出の適応を開始する。適応は(例えば推定寄生電力損失に対する検出閾値を容認できないとみなされるまで増加することによって)寄生電力損失検出の可能性が低減される、すなわち寄生電力損失検出器が寄生電力損失を検出する可能性が低くなるようなものである。
従って、アプローチにおいて、ユーザインタラクションは潜在的な問題が生じるシナリオに限られる。さらに、アプローチはシステムがより正確な検出へ向かって適応されることを可能にし、これは誤検出確率を低減し得る。
さらに、ユーザとの非常に単純なインタラクションのみが要される。実際、ユーザは異物が存在するか否かについて聞かれ、そこに異物がある若しくはないとみなすかどうかを単に示すバイナリユーザ入力で単純に応答することができる。実際、単純なはい/いいえ入力がユーザによって与えられ得る。ユーザは例えば単に異物がある若しくはないと示すボタンを押すことができる。アプローチは従ってシステムが自身をより正確になるよう適応させキャリブレーションすることを可能にする。キャリブレーションはユーザ入力に基づくが、これはどのように異物検出が実行されるか、どのパラメータが含まれるかなどのいかなる理解を持つこともユーザに要求しない。実際、ユーザはユーザ入力が異物検出のキャリブレーションのために使用されることを知る若しくは理解する必要すらない。ユーザが例えば異物検出動作のパラメータを直接制御若しくはセットし得るアプローチと対照的に、現在のアプローチはユーザによる技術的理解を必要とせず、従ってシステムが消費者市場において広く応用されることを可能にする。
アプローチは寄生電力損失検出を生成するために実行される寄生電力損失検出動作を適応させようとする。従って、アプローチは寄生電力損失を検出するためのアルゴリズム/アプローチが適応され得る方法に向けられる。適応は特に寄生電力損失検出を生成するための検出アルゴリズムのパラメータを修正することを有する。
アプローチは寄生電力損失検出を生成するための寄生電力損失検出動作(検出アルゴリズム)の修正を寄生電力損失の実際の検出に及び単純なユーザ入力に結び付ける。
実際、アプローチにおいて、検出アルゴリズムの修正は検出アルゴリズム自体によって生成される寄生電力損失検出によってトリガされる。従って寄生電力損失の検出のイベントは適応の初期化をトリガし、これは検出を生成した検出アルゴリズムのパラメータを修正する。加えて、検出による適応のトリガはユーザ入力を条件としてなされる。ユーザ入力は実際に異物が存在するか否かの表示を与える。後者の場合のみ適応が進行することを許される。
従って、検出アルゴリズムの適応をトリガするための特定アプローチが提供される。特に、適応は多くの実施形態において(ユーザ入力に従って)異物が存在しないにもかかわらず寄生電力損失検出が生じる結果として初期化/トリガされるのみであり得る。検出アルゴリズムの修正は従って特に誤検出に応答してトリガされ得、修正は例えばこの事実を考慮し得る。
検出アルゴリズムの適応は、非常に特定の一連の状況が生じるとき、すなわち寄生電力損失推定が範囲外であり異物が存在しないことを示すユーザ入力が受信されるときに、実行される。適応は従って特定の一連のイベントが生じるときのみトリガされる。すなわち、検出アルゴリズムは寄生電力損失が検出され異物が存在しないことを示すユーザ入力が受信される結果として修正される。これは特に"誤トリガ"に対応し得る。
非常に特定のシナリオにおける適応のトリガは検出性能の改良された適応を可能にする。特に、これは検出アルゴリズムの望ましくない性能の可能性が高いとき、例えば特に誤検出が生じている可能性が高いときなどを検出することによってシステムがアルゴリズムを適応させることを可能にする、すなわちこれはアルゴリズムが誤っていることを効果的に検出し、そして次にこれが再発するチャンスを減らすようにアルゴリズムを適応させ得る。
実際、システムの特定の利点は、アルゴリズムが誤りを犯さない限り(異物が存在しないときに寄生電力損失推定が範囲内であることに対応)適応がトリガされ得ないことである。従って、システムが期待通り機能しているとき、適応はトリガされず、その結果複雑性、リソース需要を減らし、さらにより重要なことにシステムが現在の最適設定/性能から変更されることを防ぐ。
採用される特定の適応は個々の実施形態及びアプリケーションの特定の選好と要件によって決まる。実際、非常に特定の状況において適応を実行することによって提供される利点は特定の適応若しくは適応アプローチに限定されない。異なる可能な適応例が以下に記載されるが、多くの他の実施例が可能であり、本発明から差し引かれることなく採用され得る。適応アプローチの選択は特定のアプリケーションシナリオに依存する実施決定である。
アプローチはかなり改良されたユーザ経験を可能にする。実際、検出アルゴリズムをキャリブレーション若しくはセットアップするためにユーザインタラクション若しくは入力を常に要するのではなく、アプローチは必要なユーザインタラクションを寄生電力損失が実際に検出されるときのみ生じるように制限し得る。これはかなりまれにしか生じない可能性が高く、従ってユーザはまれにしか、実際典型的には寄生電力損失検出アルゴリズムが誤った検出を生成する場合しか不便を被ることがない。さらに、アプローチは検出アルゴリズムが公称パラメータで初期化され、そしてその後これらのパラメータが適切でない若しくはあまりに多くの誤検出を生成する場合に自身を適応させることを可能にし得る。
加えて、ユーザは異物が存在するか否かを示す単純なバイナリ入力を与えることを要求されるのみである。これはユーザから最低限のインタラクションを要するのみならず、ユーザによる提供が非常に容易な入力でもある。適応プロセス、寄生電力損失検出アルゴリズム、若しくは実に無線電力伝送システムそれ自体について、技術的知識若しくは理解はユーザによって要求されない。実際、ユーザは入力が寄生電力損失検出動作と関連して使用されることを知っている必要すらない。高電力伝送が可能になる前にユーザ支援を典型的に要する予防措置にフォーカスする多くの以前のアプローチと対照的に、図1のシステムは潜在的問題を検出し、そしてこれが実際に起こる場合に問題に対処しようとする是正措置にフォーカスする。これは必要なユーザインタラクションを大幅に減らし、多くのシナリオにおいていかなる事前のユーザ活動も要することなく高電力レベル伝送を可能にし得る。
例えば、高レベル電力伝送はQi規格で規定される通り受電器の要求で開始され得る。電力伝送はシステムが推定寄生電力損失をチェックして進行し得る。容認できない寄生電力損失が検出される場合、システムは電力伝送を終了し、実際に異物が存在するか否かをユーザが示すことを要求し得る。そうであれば、システムは電力伝送を終了する。そうでなければ、システムは誤検出が生じたことを反映する適応の実行へと進む。特に、これは送電器101と受電器105の(潜在的にはマニュアル若しくはセミマニュアル)キャリブレーションを開始し得る。
従って、実施例において、ユーザ入力は感知された潜在的に危険な状況を送電器101及び/又は受電器105が検出する場合のみ要求される。異常な状況がない(例えば送電器面上に異物がない)ことをユーザが示す場合、フル電力伝送が継続する。送電器101及び/又は受電器105はそれらの推定を再キャリブレーションするためにユーザ入力を使用し得る。ユーザが所定時間内に入力を与えない場合、感知された危険な状況が解決されるよう、電力伝送は終了されるか、若しくは低レベルで継続される。従って、この実施例において、ユーザ入力の欠如は異物が存在することを示すユーザ入力に相当するとみなされる。
最後に、ユーザは実際に危険な状況があったが、問題を解決する措置をとった(例えば送電器面から異物を除去した)こと、及びフル電力伝送が安全に継続されることができることを示すこともできる。
アプローチは従って多くのシナリオと実施形態において、信頼できる例えば異物検出機能を依然提供しながら、例えばマニュアルユーザキャリブレーションのための要件を減らして、改良されたユーザ経験を提供し得る。単純なユーザインタラクションのみが利用され、ユーザによるいかなる技術的理解のための要件もない。
図2は図1のシステムをより詳細に図示する。特に図2は異物/寄生電力損失検出及び動作と関連する様々な機能素子を図示する。
図2は送電コイル103に結合され、電力信号を生成してこれを送電コイル103へ供給するドライバ201を図示する。従って、電力伝送中、ドライバ201は送電コイル103(及び受電コイル107)を介して受電器へ電力信号を供給する。
ドライバ201は従って送電コイル103へ供給される電流と電圧を生成する。ドライバ201は典型的にはDC電圧から交流信号を生成するインバータの形の駆動回路である。図3はハーフブリッジインバータを示す。スイッチS1とS2は決して同時に閉じられないように制御される。交互にS1が閉じられる間にS2が開かれ、S2が閉じられる間にS1が開かれる。スイッチは所望の周波数で開閉され、それによって出力において交流信号を生成する。典型的にインバータの出力は共振コンデンサを介して送電コイルへ接続される。図4はフルブリッジインバータを示す。スイッチS1とS2は決して同時に閉じられないように制御される。スイッチS3とS4は決して同時に閉じられないように制御される。交互にスイッチS1とS4が閉じられる間にS2とS3が開かれ、そしてS2とS3が閉じられる間にS1とS4が開かれ、それによって出力において方形波信号を生成する。スイッチは所望の周波数で開閉される。
ドライバ201は電力伝送機能を操作するための制御機能も有し、特にQi規格に従って送電器101を操作するように構成されるコントローラを有し得る。例えば、コントローラはQi規格の識別及び構成フェーズ並びに電力伝送フェーズを実行するように構成され得る。
受電コイル107は受電器コントローラ203に結合され、これは電力伝送機能を操作するための様々な機能を有し、特定の実施例ではQi規格に従って受電器105を操作するように構成される。例えば、受電器105はQi規格の識別及び構成フェーズ並びに電力伝送フェーズを実行するように構成され得る。
受電器コントローラ203は電力伝送フェーズ中に電力信号を受信し電力を抽出するように構成される。受電器コントローラ203は電力伝送フェーズ中に送電器101から給電される負荷である電力負荷205に結合される。電力負荷205は外部電力負荷であり得るが、受電器のバッテリ、ディスプレイ若しくは他の機能など、受電デバイスの一部であることが多い(例えばスマートフォンの場合電力負荷はスマートフォンの複合機能に対応し得る)。
システムはさらに寄生電力損失検出器207を有し、これは寄生電力損失推定が範囲外であることに応答して電力伝送に対する寄生電力損失検出を生成するように構成される。特に、寄生電力損失検出器207は送電器101に対する送信電力推定と受電器105に対する受信電力推定の電力差を示す電力損失推定を生成し、これらの間の差が範囲外であるかどうかを検出し得る。
例えば、寄生電力損失検出器207は送電器101によって生成される送信電力推定を考慮し得る。
単純な実施例として、送信電力推定は送電コイル103へ供給される電力として決定され得るか、又は例えばドライバ201のインバータステージへの入力電力として決定され得る。例えば、送電器101は送電コイル103を通る電流、送電コイル103にかかる電圧、及び電圧と電流間の位相差を測定し得る。そしてこれはこれらの値に基づいて対応する(時間平均)電力を決定することができる。別の実施例として、インバータの供給電圧は典型的に一定であり、送電器101はインバータによって引き込まれる電流を測定し、これに一定電圧を乗じてインバータへの入力電力を決定し得る。この電力は送信電力推定として使用され得る。
多くの実施形態において、わずかにより複雑な送信電力推定が生成される。特に、アプローチは送電器101自体における損失について計算された電力を補正し得る。特に、送電コイル103自体における損失が計算され得、入力電力はこの値によって補正されて、電力の改良された表示を提供し、これは送電コイル103から送信される。
送電コイル103における電力損失は次式の通り計算され得る:
losscoil=R・Icoil 2
coilは送電コイル103を通るrms電流であり、Rは送電コイル103の等価抵抗である。抵抗が既知であると仮定して、送信電力は次式によって推定され得る:
tx=Vcoil・Icoil・cos(φ)−R・Icoil 2
coilは送電コイル103にかかる電圧でありφはVcoilとIcoilの間の位相である。
Rは例えばR=Rb+Rf・fなどの関数に従って送電コイル電流の周波数に依存し、Rbは等価抵抗の周波数独立部であり、Rfは等価抵抗の周波数依存部であり、fは周波数である。
さらに、寄生電力損失検出器207は受電器105によって生成される受信電力推定を考慮し得る。
受信電力推定は受電器105の負荷に供給される電力として直接推定され得る。しかしながら、多くの実施形態において、受電器105は受電器105自体における電力損失/散逸も含む受信電力推定を生成する。従って、報告される受信電力表示は負荷に供給される電力及び受電器105における電力損失の両方を含み得る。例えば、これは整流回路及び/又は受電コイルにおける測定若しくは推定電力損失を含み得る。多くの実施形態において、受信電力推定は例えば受電器筐体の導電部において散逸される電力の推定も含み得る。
典型的には時間平均値が使用され、例えば電力値は適切な時間間隔における平均値として決定され、時間間隔は好適には送電器101と受電器105の間で同期される。
寄生電力損失検出器207は寄生電力損失推定を決定するために送信電力推定から受信電力推定を減算し得る。寄生電力損失推定は受電器105によって散逸若しくは消費されない電力量(負荷205へ供給される電力を含む)の推定である。従って、寄生電力損失推定は受電器105(若しくは送電器101)以外のデバイスによって消費される電力の推定であるとみなされ得る。従って寄生電力損失推定は送電コイル103付近に位置する異物など、他のエンティティにおいて生じ得る損失の推定である。寄生電力損失推定は特に異物推定であり得る。
寄生電力損失検出器207は、寄生電力損失推定が範囲外であることに対応する寄生電力損失基準を寄生電力損失推定が満たすかどうかを評価することによって寄生電力損失を生成するように構成される。多くの実施形態において、基準は寄生電力損失推定が既定閾値であり得る所定検出閾値を超えることであり得る。従って、一部の実施形態において、寄生電力損失検出器207は単純に送信電力推定と受信電力推定の差を所定閾値に比較し、閾値が超えられる場合、寄生電力損失が検出されていることを示し得る。これは異物における損失が高過ぎる可能性があること、及び異物の不要な加熱の潜在的リスクがあることを示し得る。
下記は範囲が上限のみを持つ、すなわち寄生電力損失検出が、寄生電力損失推定が所定閾値を超えることを反映する検出である実施形態にフォーカスする。しかしながら、後述される通り、一部の実施形態において、範囲は下限も、若しくは下限のみを持ち得る。従って、かかる実施形態では、寄生電力損失推定が閾値未満であることが検出され得、これは寄生電力損失検出の感度が低過ぎ、増加されるべきであるという表示であり得る。
寄生電力損失推定が閾値を超えるという決定を寄生電力損失検出が反映するシナリオにおいて、システムは寄生電力損失が検出される場合瞬時に送信電力を減らし、例えば電力伝送を終了し得るか又は許容できる寄生電力損失値をもたらすとみなされる電力レベルにこれを低減し得る。しかしながら、付加的に、システムは次に寄生電力損失検出が真の検出であったか若しくはフォールスポジティブであったかどうかをさらに評価する。一部の実施形態において、電力伝送はこの評価中元の電力レベルで継続され得るが、ほとんどの実施形態では評価中電力レベルが削減されるか若しくは電力伝送が完全に一時中断されることが好ましい。
検出が正確な若しくは真の検出であるかどうかの評価はユーザを関与させることによって実行される。
従って、システムは寄生電力損失検出器207に結合される、寄生電力損失の検出に応答してユーザアラートを初期化するように構成されるユーザインジケータユニット209を有する。従って、寄生電力損失検出器207が寄生電力損失を検出すると、制御信号がユーザインジケータユニット209へ供給され、そしてこれは次にユーザアラートを生成する。ユーザアラートは例えば視覚手段(例えば点滅若しくは着色光)、聴覚手段(例えばビープ若しくはブザー音)による、及び/又はより複雑なテキスト若しくはグラフィカルユーザインターフェースによるものであり得る。
システムはさらにユーザ入力を受信することができる入力ユニット211を有する。ユーザ入力は例えばユーザが専用ボタンを押すことによって、所定時間内に入力を供給すること若しくは供給しないことによって、又は例えばこれもユーザアラートを供給し得る適切なタッチセンサスクリーン上でタッチ入力を供給することなど、より複雑な手段によって、供給され得る。
ユーザアラートは異物の存在若しくは異物の不在を示すユーザ入力を供給するようユーザへの要求も供給する。従って、ユーザアラートが生成されるとき、これは異物が存在するか否かを示す単純なユーザ入力を供給しなければならないことをユーザに示す。従ってユーザは潜在的異物検出を知らされ、実際に異物が存在するか否かを示すバイナリユーザ入力を供給するよう要求される。
入力ユニット211は従って異物の存在若しくは異物の不在を示すユーザ入力を受信するように構成される、すなわちこれは(ユーザの意見において)異物が存在するか否かを示す。単純なバイナリ入力のみがユーザによって供給される必要がある。
実施形態において、異物検出は従ってユーザに検出を警告するだけでなく、実際に異物が存在するか否かを示すユーザ入力の要求とモニタリングのプロセスも開始する。
ユーザアラートの生成とシステムがユーザ入力を受信することはその結果として密接に相関する。特に、ユーザアラートの生成とユーザ入力の受信は異物検出の直接の結果として起こる。異物検出が起こったということは事実であり、これはユーザアラートが生成されることと、入力ユニット211によってユーザ入力が受信されることの両方をもたらす。ユーザアラートはさらに異物検出発生の直接表示である。同様に、入力ユニット211は異物が存在するか否かを示すユーザ入力を異物検出イベントの直接の結果として受信するように構成される。結果として、供給されるユーザ入力は原則的に他の時に、若しくは異物検出の前でも適用され得る一般的ユーザ入力であるのみならず、むしろちょうど起こった異物検出イベントに特に関連するユーザ入力である。その結果として、実際に異物が存在するか否かについての入力は、異物検出が実際に正確な検出であったかどうか若しくはフォールスポジティブ検出であったかどうかの非常に強力な表示を提供する。
一部の実施形態において、入力ユニット211は異物検出に応答してユーザ入力を受信するための時間間隔を開始するように構成され得る。従って、特に、寄生電力損失検出器207が寄生電力損失検出を生成するとき、このイベントはユーザ入力が入力ユニット211へ供給され得るタイマーをセットし、ユーザ入力は異物が存在するか否かを示す。このアプローチはユーザ入力が実際の検出イベントに密接に相関することを保証し、従って表示が非常に高確率で寄生電力損失検出中の状況を反映することを保証し得る。
多くの実施形態において、入力ユニット211は異物なしという表示に対応する入力が間隔の終了前に受信されていない限り、異物が存在することを示すようにユーザ入力をセットするように構成され得る。従って、初期設定は、テストを正確とみなし、異物が存在しないとユーザが明示的に示していない限り実際にそのような異物が存在するとみなすものである。これは多くのシナリオにおいてより信頼できるより安全なアプローチをもたらし得る。
例えば、寄生電力損失検出器207が異物を検出する場合、これは警告灯を点滅させ、例えば異物が存在しない場合ユーザがボタンを押すべきことを示すメッセージをハイライトし得る。ユーザが次にボタンを押す場合、これは異物が存在しないことを示すユーザ入力に対応する。ユーザが例えば既定間隔内にボタンを押さない場合、これは実際に異物が存在することを示す。入力ユニット211は適応コントローラ213に結合され、これは入力ユニット211へ供給されるユーザ入力を受信する。適応コントローラ213は誤検出基準を満たすユーザ入力が受信されるか否かを評価するように構成され、すなわち適応コントローラ213は誤検出である寄生電力損失検出を示すユーザ入力が受信されることに対応する基準を満たすユーザ入力が受信されるかどうかを評価し得る。誤検出表示は典型的には異物が存在しないことをユーザが示すことに対応し得る。従って、ユーザアラートに応答して、ユーザは次に送電コイル103付近に異物が存在するか否かを示す入力を供給し得る。異物がなく検出が誤検出であったことを入力が示す場合、誤検出基準が満たされる。実際に異物があり検出が正確な検出であることを入力が示す場合、誤検出閾値は満たされない。正確な若しくは誤検出を示すユーザ入力が受信されない場合、誤検出基準は満たされない、すなわち関連ユーザアクティベーションがない場合、検出は典型的には正確であるとみなされる。
適応コントローラ213は送電器101の動作を制御することができ、特に電力信号及び電力伝送を制御することができる。
適応コントローラ213は検出が誤検出であるという表示に対応する所定ユーザ入力基準を満たさないユーザ入力を受信する場合、すなわち異物がないことを示すユーザ入力が受信される場合、適応コントローラ213は検出を正確な検出であるとみなし、すなわち寄生電力損失が実際に高過ぎ、異物における過剰電力散逸に起因する可能性があるとみなす。従って、これは次に電力信号の電力が安全レベルに制限されるモードで動作するように送電器101を制御する。
一部の実施形態において、検出が正しいとみなされる場合であっても電力伝送が継続し得るが、適応コントローラ213は、寄生電力損失が異物において散逸されても許容可能とみなされるほど十分に低い値に電力信号の電力が制限されるように、送電器101を制御する。限度は一部の実施形態において、過剰加熱をもたらさないと安全に仮定され得る電力レベルなど、既定限度であり得る。他の実施形態において、電力信号の電力の制限は実際の動作条件と推定に依存し得る。例えば、適応コントローラ213は寄生電力損失推定が許容できるレベルに削減されるまで電力を削減し得る。一部の実施形態において、制限は電力信号が供給されない、すなわち電力伝送が完全に終了され得ることである(例えば限度は実質的にゼロであり得る)。
検出が誤検出であることをユーザが示す場合、すなわち異物が存在しないことを示すユーザ入力が受信される場合、適応コントローラ213は次に寄生電力損失を検出するための検出アルゴリズムの適応/キャリブレーションを実行する。特に、適応コントローラ213は寄生電力損失推定を決定するためのアプローチ及び/又はこれが許容できるか否かを決定するための基準の適応を開始し得る。適応は、特に寄生電力損失推定を計算するためのモデルのパラメータ及び(寄生電力損失推定が許容可能とみなされる)範囲の端点の少なくとも一つを変更するなど、寄生電力損失検出動作の少なくとも一つのパラメータを変更することを含む。
従って、異物が存在しない、従って検出が誤検出であることをユーザ入力が示すとき、適応コントローラ213はかかる誤検出の可能性を減らすために検出プロセスの適応/修正へと進む。例えば、寄生電力損失推定のための閾値が増加され得る。
適応/キャリブレーションは従って検出プロセスの適応であり、変更された検出性能をもたらす。特に、適応は誤検出の数を減らすものであり得、すなわち異物検出の確率は適応後に削減される。従って、適応は寄生電力損失検出動作のパラメータの適応であり、特に修正された電力散逸素子性能/確率をもたらすパラメータの変更を含む。
このような寄生電力損失検出動作のパラメータの適応は検出性能における変化をもたらすことが留意されるべきである。従って、これは検出アルゴリズムを変更し、寄生電力損失検出器207の感度が高くなる若しくは低くなる結果となる。従って、適応は検出の確率を増加若しくは減少する。この寄生電力損失検出動作の適応は従って寄生電力損失検出に対するシステムの実際の反応、すなわちシステムが電力伝送動作を継続するか、電力伝送動作を終了するかどうかなどから独立している。従って、寄生電力損失検出動作の適応は寄生電力損失検出を生成する動作の適応であり、すなわちこれは検出アルゴリズムの適応であり、所与の寄生電力損失検出にシステムがどう反応するか、例えば電力伝送を継続するか否かとは独立しており、関係がない。
従って、適応は寄生電力損失検出を生成する寄生電力損失検出動作のパラメータの修正を含み、この修正は将来の検出性能における変化をもたらす。従って、寄生電力損失検出イベントはシステムの電力伝送動作における反応(例えば電力伝送が終了若しくは低減され得る)をもたらし得るだけでなく、加えて寄生電力損失を検出するための実際のアルゴリズムが将来の検出のために修正されることになり得る。
従って、適応コントローラ213は検出性能が変更されるように寄生電力損失検出動作のパラメータを修正するように構成される。この適応は典型的には実際の電力伝送動作に影響する寄生電力損失検出へのシステムのいかなる反応からも独立している。実際には、当然のことながら一部の実施形態において、寄生電力損失検出へのシステム反応の何らかの適応が本発明からそれることなく付加的に実行され得る。
記載の特定システムにおいて、無線電力伝送は異物が存在するか否かを示すユーザ入力が受信されるかどうかに依存して電力を供給するか否かに進行し得る。加えて、適応コントローラ213は異物が存在するか否かを示すユーザ入力が受信されるかどうかに依存して実際の検出アルゴリズムの修正を実行するようにも構成される。二つの態様は両方とも寄生電力損失検出及びユーザ入力の結果であるが、独立するとみなされ得る。特に、一部のシステムでは検出アルゴリズムの修正のみが実行され得、例えば電力伝送の終了は例えばいかなるユーザ入力も考慮することなく常に寄生電力損失検出の結果であり得る。
検出が誤検出であることをユーザが示す場合、適応コントローラ213は特に検出前の通り電力伝送を継続するように送電器101を続けて制御し得る。例えば、評価中に電力伝送が継続されるシナリオにおいて、送電器101は単純に中断なく電力伝送を継続し得る。電力伝送が評価中に終了若しくは一時中断されるシナリオにおいて、適応コントローラ213は誤検出を示すポジティブなユーザ入力の受信時に電力伝送を再スタート若しくは再開させ得る。両シナリオにおいて、システムは次に寄生電力損失検出動作/アルゴリズムのパラメータを修正し得る。
一部の実施形態において、適応コントローラ213は電力伝送を自動的に再スタート若しくは再開せず、例えば送電器101から受電器105を除去し、その後受電器105を送電器101の上に戻して新たな電力伝送を開始するようユーザに要求することによって、マニュアル再スタートを要し得る。このようなアプローチは例えばユーザが一時的に受電器105を除去することを要し、その結果受電器105によって隠されているかもしれない異物を検出しやすくするという利点を持ち得る。
多くの実施形態において、寄生電力損失検出は前述の通り寄生電力損失推定を決定しこれを検出閾値に比較することによって実行される。図2の実施例において、適応コントローラ213はドライバ201に結合され、例えば電力を制限すること、電力閾値を終了すること、又は実際に電力伝送を再スタート若しくは再開すること(ユーザ入力が誤検出であると示す場合)によって、ユーザ入力に応答してこれを制御し得る。加えて、適応コントローラ213は適応ユニット215に結合され、これは寄生電力損失推定の生成、検出閾値若しくは両方を変更することによって適応を実行し得る。従って、特に、これは寄生電力損失推定を計算するための関数若しくはアルゴリズムのパラメータを変更し得るか、及び/又は検出閾値を修正し得る。
例えば、適応ユニット215は異物が存在しないとユーザが示すときに検出閾値を増大するように構成され得る。従って、誤検出が起こった後、適応ユニット215は寄生電力損失検出があるとみなされるために寄生電力損失推定が超えなければならない検出閾値を増大し得る。このように、システムは誤検出の可能性を減らすように動作を適応させる。従って、システムは寄生電力損失の検出から離れる追加バイアスを導入する。従って、実際の検出確率が変化する。
一部の実施形態において、閾値は例えば固定既定量だけ変更され得る。他の実施形態において、適応の量は特定動作特性によって決まり、例えば寄生電力損失推定が前の閾値を超える程度などに依存し得る。
従って、寄生電力損失検出器207が複数の誤検出を生成する場合、システムは誤検出に対する要件を増すことによってその動作を適応させ、その結果誤検出の数を削減し得る。プロセスは例えば許容できる頻度の誤検出が起こるまで繰り返され得る。
一部の実施形態において、システムは例えば比較的低レベルに、実に低過ぎると予想されるレベルにセットされる検出閾値で開始され得る。かかる実施形態において、システムは妥当な頻度の誤検出が実現されるまで誤検出のたびに漸増させることによって適切な検出閾値に適応する。
一部の実施形態において、適応は代替的に若しくは付加的に寄生電力損失推定を決定するために使用されるモデル(例えば関数/方程式)の適応によるものであり得る。従って、適応コントローラ213はかかる実施形態において寄生電力損失推定を計算するための関数若しくはアルゴリズムを修正し得る。特に、異物が存在しないことを示すユーザ入力が受信されるとき、適応コントローラ213は次に寄生電力損失推定を提供するモデルのパラメータを修正する。従って、適応コントローラ213は、同じ測定入力値が、修正/適応後に修正前の場合と異なる生成された寄生電力損失推定をもたらすように動作を修正する。
例えば、一部の実施形態において、適応ユニット215は送信電力推定を決定するためのアプローチを修正するように構成され得る。特に、これは送信電力推定を計算する関数若しくはアルゴリズムのパラメータを修正し得る。例えば、誤検出が検出されるとき、電力推定を削減する送信電力推定へのオフセットが導入(若しくは増加)され得る。例えば、誤検出ごとに、送信電力推定の計算への補正因子若しくはオフセットが追加若しくは修正され得る。このような補正は従って推定送信電力が削減されるように計算された送信電力推定を将来の補正のために適応させ得る。この削減は例えば送電コイル103に供給される電圧若しくは電流の決定における測定バイアス、送信電力推定を決定するための元のモデルにおけるバイアス誤差、又は、電力信号の生成の一部(例えば送電コイル103における抵抗損失)として、若しくは送電器101自体の素子(例えば送電器101を含むデバイスの金属部品)における誘導によって被る損失としてであろうと、送電器101自体における不明な電力散逸の影響を反映し得る。
一部の実施形態において、適応ユニット215は従って送信電力推定をより低い値へ向かってバイアス/修正し得る。このような修正は異物検出の確率を低下させる。
他の実施形態において、適応ユニット215は受信電力推定を決定するためのアプローチを修正するように構成され得る。特に、これは受信電力推定を計算する関数若しくはアルゴリズムのパラメータを修正し得る。例えば、誤検出が検出されるとき、電力推定を増加する受信電力推定へのオフセットが導入(若しくは増加)され得る。例えば、誤検出毎に、受信電力推定の計算への補正因子若しくはオフセットが追加若しくは修正され得る。このような補正は従って、推定受信電力が増加されるよう、計算された受信電力推定を将来の補正のために適応させ得る。この増加は例えば受電コイル107の受信電圧若しくは電流の計算における測定バイアス、受信電力推定を決定するための元のモデルにおけるバイアス誤差、又は、電力信号からの電力の抽出の一部(例えば受電コイル107における抵抗損失)、若しくは受電器105自体の素子(例えば受電器105を含むデバイスの金属部品)における誘導によって被る損失としてであろうと、受電器105自体における不明な電力散逸の影響を反映し得る。
一部の実施形態において、適応ユニット215は従って受信電力推定をより高い値へ向かってバイアス/修正し得る。
一部の実施形態において、適応ユニット215は従って寄生電力損失推定をより低い値へ向かってバイアス/修正し得る。
一部の実施形態において、適応ユニット215は検出閾値をより高い値へ向かってバイアス/修正し得る。
一部の実施形態では、送信電力推定と受信電力推定の一方のみが適応/修正され得るが、他の実施形態では送信電力推定と受信電力推定の両方が適応/修正され得る。同様に、一部の実施形態では寄生電力損失推定と検出閾値の一方のみが適応され得るが、他の実施形態では両方が適応され得る。
一部の実施形態において、検出閾値(すなわち範囲の上限値)はゼロにセットされ得、適応は(例えば送信電力推定若しくは受信電力推定をバイアスすることによって)寄生電力損失推定をバイアスし得る。
例えば、受電器が受信電力レベルを過小評価しないという要件があり得る。従って、不確実性に対するマージンを導入するために、受電器は典型的には受信電力を過大評価する。その送信電力を過小評価しない送電器と組み合わせて、結果として得られる寄生電力損失推定は通常は負である。正の寄生電力損失推定は従って異物の存在の表示とみなされ得る。
アプローチは、受電器がその受信電力を過小評価することを許される場合、送電器がこの潜在的過小評価をその閾値に含まなければならないという問題に対処する。閾値はこの場合受電器の不確実性に依存し得る。可能性がある不確実性は規格の異なるバージョンによって異なり得るので、送電器が異なるバージョンに対して異なる閾値を使用することを要する可能性がある。
多くの実施形態において、適応コントローラ213は送電器101及び受電器105ペアリングのキャリブレーションを初期化するように構成され得る。例えば、異なる電力レベルの範囲に対して寄生電力損失推定にとって適切なオフセットが決定され保存され得る。
他の物体が存在しないことをユーザが確認したら、受電器105と送電器101のみが存在するという仮定の下でこのキャリブレーションが実行され得る。特定の実施例として、仮定はこの場合寄生電力損失推定がゼロであるべきであるとの考察につながり得るので、寄生電力損失検出器207は所定電力レベルについて寄生電力損失推定を決定し得る。寄生電力損失推定がゼロと異なる場合、計算された寄生電力損失推定に対応する補正オフセットが電力レベルについて保存され得る。これは電力レベルの範囲について繰り返され得、補正因子のセットがこの送電器101と受電器105のペアリングについて保存されることになる。
通常の電力伝送中に寄生電力損失検出器207によって適用される検出アルゴリズムはその後この補正因子を適用し得る。特に、所定電力信号値について、寄生電力損失検出器207は最も近い電力レベルについて保存された補正因子を読み出し得る(又は異なる値の間を補間し得る)。そしてこれは次に寄生電力損失推定を計算するときにこのオフセットを適用し得る。理想的な場合において、寄生電力損失推定は従って異物が存在しない限りゼロである。
寄生電力損失検出に導入される適応は多くの実施形態において送電器101及び受電器105の組み合わせに特異的であり得る、すなわち適応された検出アルゴリズムは特定の送電器101と受電器105の間の電力伝送に適用され得るが、他のペアリングには適用されない。従って、特定デバイスへの個別適応が使用され得る。これは多くの実施形態においてより信頼できる正確な検出性能を提供し得る。
図2のシステムは送電コイル103付近に位置する異物と典型的に関連するような寄生電力損失を検出するための機能の動作の一実施例をあらわす。アプローチは、特に異物の検出を見逃すリスクを容認できないほど増すことなく誤検出の数が削減されることができるように、寄生電力損失の検出の適応と修正を可能にする。アプローチは非常に使いやすく、特に前のキャリブレーション及びマニュアルユーザ介入を要することなく高電力レベルであっても電力伝送が続行され得るアプローチを提供し得る。それどころか、アプローチは誤検出が起こる特定の状況へのユーザ入力要件を軽減し得る。さらに、他の物体が近くにあるかどうかという問いに対して単純なはい/いいえの答えのみが要求される。アプローチはユーザのいかなる技術的理解も必要としない。従って、ずっと容易でより実用的なユーザ経験が実現され得、特に消費者市場に適したアプローチが実現され得る。
図2に関して記載された機能は異なる実施形態において送電器101と受電器105の間で異なって分散されてもよい(及び一部の機能は第三のエンティティにおいて実現されることもできる)。実際、機能のほとんどは一部の実施形態では送電器101の一部であり、他の実施形態では受電器105の一部であり、さらに他の実施形態では送電器101と受電器105の両方にわたって分散され得る。
例えば、寄生電力損失検出器207は送電器101、受電器105において実現され得るか、又はこれらにわたって分散され得る。同様に、ユーザインジケータユニット209は送電器101、受電器105において実現され得るか、又はこれらにわたって分散され得、入力ユニット211は送電器101、受電器105において実現され得るか、又はこれらにわたって分散され得る。一部の実施形態において、適応コントローラ213は送電器101に含まれ、他の実施形態では受電器105に含まれ、さらにまた他の実施形態では受電器105と送電器101にわたって分散され得る。実際、適応ユニット215も一部の実施形態では送電器101内にあり得、他の実施形態では受電器105内にあり得、さらにまた他の実施形態では受電器105と送電器101にわたって分散され得る。
多くの実施形態において、機能は有利に送電器101に含まれ得る。このような送電器101の実施例は図5に図示され、その中で図2と同じ機能は同じ参照符号で示される。
図5の送電器101は適切な場合Qi規格に従って動作することを含む、送電器101の動作を制御する送電コントローラ501を含む。送電コントローラ501はドライバ201に結合され、所望の電力レベルを持つ電力信号を含む、所望の電力信号を供給するようにこれを制御するように構成される。送電コントローラ501はドライバ201からコイル電流及び電圧などの測定データも受信する。
送電コントローラ501はさらに寄生電力損失検出器207に結合され、これは実施例において送信電力推定と受信電力推定の差として寄生電力損失推定を生成する。
実施例において、送信電力推定はコイル電流及び電圧の測定に基づいて寄生電力損失検出器207によって生成される。送信電力推定は特にローカルに利用可能な測定に基づいて、例えば前述のような送信電力推定にとって適切なモデルを用いて生成され得る。
実施例において、受信電力推定は送電器101によって計算されるのではなく、受電器105から送電器101へ送信される受信電力推定として生成される。従って、図5の送電器101は受電器105からデータメッセージを受信するように構成される負荷変調受信器503を有する。データメッセージは特に例えばQi規格から知られる通り負荷変調によって電力信号について変調され得る。実際、受電器105によって生成され送電器101へ送信されることを要する受信電力値が受信電力推定として直接使用され得る。
特に、Qi規格などの電力伝送システムにおいて、受電器105は送電器101へ受信電力値を通信することを要求される。受信電力値は受電器105によって受信される電力を示す。
一部の実施形態において、受電器105は受電器105の負荷に供給される電力に直接対応する受信電力値を報告し得る。しかしながら、多くの実施形態において、受電器105は受電器105自体における電力損失/散逸も含む受信電力値を生成する。従って報告される受信電力表示は負荷に供給される電力及び受電器105自体における電力損失の両方を含み得る。例えば、これは整流回路及び/又は受電コイルにおける測定若しくは推定電力損失を含み得る。
多くの実施形態において、受信電力表示は電力値として直接供給され得る。しかし当然のことながら他の実施形態では電流及び/又は電圧など他の表示が供給され得る。例えば、一部の実施形態において、受信電力表示は受電コイル107において誘導される電流若しくは電圧として供給され得る。このようなシナリオにおいて、寄生電力損失検出器207は受信値に基づいて受信電力推定を計算し得る。
寄生電力損失検出器207は従って寄生電力損失推定を生成しこれを検出閾値に比較し得る。閾値が超えられる場合、ユーザインジケータユニット209は例えばオーディオアラートを発したり光を点滅させたりすることによってユーザアラートを生成する。
さらに、閾値が超えられる場合、入力ユニット211は異物が存在するか否かを示すユーザからの入力をモニタリングするように構成される。従って、閾値が超えられることは異物検出に対応し、このイベントが起こるとき、ユーザアラートが生成されユーザ入力が受信される。
特定の実施例として、寄生電力損失検出器207は寄生電力損失検出に応答して入力ユニット211及びユーザインジケータ209へ与えられるトリガ信号を生成し得る。トリガ信号の受信に応答して、ユーザインジケータ(209)はユーザアラートの生成へと進む。加えて、トリガ信号に応答して、入力ユニット211はユーザ入力のモニタリングへと進む。例えば、トリガ信号の受信に応答して入力ユニット211は、例えばユーザ入力が受信され得る5秒及び2分の間の持続期間を持つタイマーをスタートさせ得る。異物が存在しないとの表示に対応するユーザアクティベーションが時間間隔内に受信される場合、異物が存在しないことを示すユーザ入力が受信されている。実際に異物が存在することを示すユーザアクティベーションが検出される場合、又はタイマーが切れる前にユーザアクティベーションが検出されない場合、システムは進行し異物が存在することを示すユーザ入力が受信されているとみなす。
入力ユニット211はユーザがユーザアラートに応答してアクティブにすることができるボタンなどの物理的ユーザ入力手段を有し得る。例えば、ユーザが第一のボタンを押す場合、これは異物が存在しないことを示し、ユーザが第二のボタンを押す(若しくは第一のボタンを押すことを怠る)場合、これは異物が実際に存在する(存在した)ことを示し得る。
物理的ユーザアラートを供給するための手段及び物理的ユーザ入力を受信するための手段は特定の実施例において送電器101の一部である。例えば、それらは送電器101の筐体の表にあるライト及びボタンを含み得る。
ユーザ入力に依存して、適応コントローラ213は次に寄生電力損失検出の適応を開始する。実施例において、適応は典型的には送信電力推定、寄生電力損失推定全体、受信電力推定を計算するための関数に対するパラメータの修正/変更であり得る。これは特に(例えばオフセットを導入することによる)受信した受信電力推定から寄生電力損失推定を計算するための関数の修正であり得る。多くの実施形態において、適応コントローラ213は送電器101及び受電器105ペアリングのフルキャリブレーションの初期化へと進行し得る。
また、適応コントローラ213は送電コントローラ501に結合され、適応コントローラ213が送電器101の動作を付加的に制御することを可能にするためにこれに制御入力を供給し得る。特に、適応コントローラ213は必要に応じて電力伝送を終了するように、電力信号の電力レベルを減らすように、電力伝送を再スタート若しくは再開するように、送電コントローラ501を制御し得る。特に、異物が検出されることを示すユーザ入力が受信される場合、適応コントローラ213は異物が除去されるまで(例えば受電器105が送電器101から除去され、その後新たな電力伝送動作を開始するために戻されることによって示される)電力を制限するように送電コントローラ501を制御し得る。
機能が主に送電器にある実施形態の特定の実施例として、送電器101は現在進行中の電力伝送を継続し得る。しかしながら、寄生電力損失推定が閾値を上回ること(これは異物が加熱されていることを示し得る)を検出することによって電力伝送が危険かもしれないことを送電器が知覚する場合、これは例えば視覚手段(例えば点滅若しくは着色光)、聴覚手段(例えばビープ若しくはブザー音)、又はより複雑なテキスト若しくはグラフィカルユーザインターフェースによってユーザに警告する。ユーザが例えば危険な状況がないことを示す(物理的若しくは仮想)ボタンを押すことによって所定時間内に応答する場合、送電器は電力伝送が進行することを許可する。そうでなければ、送電器は電力伝送を終了するか、若しくは電力損失が閾値レベルを下回るまでその送信電力を減らす。危険な状況がないことをユーザが送電器に知らせた場合、送電器は検出された電力損失とユーザ入力とに基づいて、この特定の受電器について閾値を更新し得る。代替的に若しくは付加的に、送電器は再度この特定の受電器についてその送信電力を推定するためのそのモデルを更新し得る。このような更新の利点は、次回ユーザがこの受電器を送電器上に置くとき、送電器がユーザ支援を要求しなければならない可能性が(かなり)低いことである。送電器は潜在的に危険な状況を検出後、受電器を除去して、(例えばボタンを押すことによって)危険な状況がないことをユーザが示すことを可能にする前にそれを元に戻すことをユーザに要求し得る。これはユーザが送電器と受電器の間に隠される可能性がある異物を配置する確率を増加する。
機能が主に送電器101にあるアプローチは多くの実施形態において有利であり得る。例えば、これは送電器101において機能と知能を可能な限り多く持つことが望ましい例えばQi規格の一般設計理念とアプローチに適合する。これはまた簡略化されたインターフェース、軽減された通信要件、及び低複雑性受電器も可能にし得る。
しかしながら、他の実施形態では、機能の一部が受電器105に含まれることが有利であり得る。例えば、ユーザへの物理的インターフェースは一部の実施形態において受電器105によって有利に提供され得る。例えば、受電器105がスマートフォン(の一部)である場合、これは現在のアプローチによって活用されることができる高度なユーザインターフェース機能(ディスプレイ及びタッチスクリーン)を既に有し得る。このようなアプローチは、ユーザが精通しているユーザインターフェース及びユーザインターフェースデバイスを用いてユーザがシステムとインタラクションするので、ユーザインタラクションがユーザにとってより便利に感じることも可能にし得る。このようなアプローチにおいて、ユーザが自分のデバイスを充電するために現在使用されている特定送電器とインターフェースするための要件はない。
一部の実施形態において、ユーザアラートを供給するための手段は受電器に少なくとも部分的に含まれ得るか、又は均等にユーザ入力を生成するための送電器101の手段が受電器105へユーザアラート要求メッセージを送信することによってユーザ入力を生成し得る。ユーザアラート要求メッセージは受電器がユーザアラートを生成する要求を与える。
受電器105がかかるメッセージを受信すると、これはそれに従ってユーザアラートの生成へと進み得る。例えば、受電器105がメッセージを受信すると、これはそれに従って例えばディスプレイ上に警告を表示すること及びアラームを発することによってユーザアラートの生成へと進み得る。例えば受電器105がスマートフォンの一部である場合、スマートフォンのディスプレイはスピーカーが警告音を発する間警告メッセージの点滅を開始し得る。
ユーザアラート要求メッセージは特に、寄生電力損失が寄生電力損失検出器207によって検出されていることを示す寄生電力損失検出メッセージであり得る。ユーザアラートは異物の存在若しくは異物の不在を示すユーザ入力を要求し得る。従って、特に、ユーザインジケータユニット209は寄生電力損失の検出の表示を、これが寄生電力損失検出器207によって検出されるときに受電器105へ送信するように構成され得る。表示は特にユーザアラート要求メッセージとして送信され得るが、当然のことながら寄生電力損失検出が起こったことを示す送電器101から受電器105へのいかなる通信もユーザアラート要求メッセージであるとみなされ得る。
システムにおいて、受電器105は送電器からのユーザアラート要求メッセージの受信に応答してそれに従ってユーザアラートを生成し得る。
多くの実施形態において、ユーザ入力が受電器105を介して供給されることがさらに有利であり得る。これはユーザアラートが送電器101若しくは受電器105(若しくは両方)によって生成されるかどうかと無関係であり得る。
一部の実施形態において、送電器101は受電器105からユーザ入力を受信するための機能を有し、特に入力ユニット211は受電器105からユーザ入力の表示を受信することができる受信器を有し、送電器101は表示を送信するための送信器を有し得る。
一部の実施形態において、受電器105は例えばユーザが所望の入力を与えるために手動でインタラクションすることができるタッチスクリーンなど、ユーザ入力を受信することができるユーザインターフェースを有し得る。受電器105はさらに送電器101へデータメッセージを送信することができる送信器を有し得る。送信器は特に負荷変調器を有し、従ってユーザ入力は例えば負荷変調受信器503がかかるユーザ入力メッセージを受信するために再利用されることを可能にする、負荷変調を用いる送信器であり得る。
かかる実施形態において、異物が存在しないこと、若しくは異物が除去されていることをユーザが受電器105に確認する場合、受電器105は次に、ユーザによれば異物が存在しないこと、及び送電器が寄生電力損失推定の生成若しくは検出閾値を適応させるべきであることを示す送電器101へのメッセージを送信し得る。特に、このような表示は適応の、特に送電器101及び受電器105ペアリングの(再)キャリブレーションの要求であるとみなされることができる。当然のことながら任意の適切なキャリブレーションアプローチが使用され得る。実施例は例えば欧州特許出願EP12188672.5に見られ得る。
このようなアプローチは例えば、典型的な受電器、例えば携帯電話が、典型的な送電器よりもずっと豊富なユーザインターフェースの可能性を持つという事実を活用し得る。従って送電器ではなく受電器が知覚した危険な状況をユーザに知らせることができる場合有利であることが多い。これはテーブル、デスクトップ、ナイトテーブル若しくは他の種類の家具に(ほとんど)目に見えないように組み込まれる送電器に特に当てはまる。しかしながら、特定のアプローチにおいてこれは送電器が受電器に潜在的に危険な状況の存在を知らせることができることを要する。しかしながら、例えば現在のQi規格によれば、送電器のみがインターフェースにかかる電力損失を正確に推定するために、すなわち寄生電力損失推定を生成するために十分なデータにアクセスする。
従って、システムが送電器101から受電器105へ効率的に寄生電力損失の表示を通信することができることが望ましい。
一部の実施形態において、これは受電器105によって受信されるときに送電器101が寄生電力損失を検出していることを示す専用データパケットの導入によって実現され得る。受電器105はそれに従ってユーザアラートの生成及び/又はユーザ入力の受信へと進み得る。
一部の実施形態において、特に効率的な通信は何らかの他のメッセージの動作及び意義を修正することによって実現され得る。特に、一部の実施形態において、送電器101は応答メッセージに対して異なるコードを使用することによって、又は受電器から受信されるメッセージに対する少なくとも一つの応答メッセージを与えないでおくことによって、受電器へ寄生電力損失検出の発生の表示を送信するように構成され得る。
例えば、送電器101はメッセージが受信されていることを示す承認メッセージを受電器105へ送信することによって受電器105からのメッセージに通常は返答/応答し得る。一部の実施形態において、寄生電力損失検出が起こっている場合、送電器101は非承認メッセージを能動的に送信し得るか、又は応答メッセージを抑制し得る。受電器105は承認メッセージをモニタリングし、これが受信されない(若しくは例えば非承認メッセージが受信される)場合、これは次に、元のメッセージが送電器101によって受信されていないことにこれが起因し得ると、或いは代替的に送電器101が寄生電力損失状況を検出していることを承認メッセージ/非承認メッセージの欠如が示し得るとみなし得る。受電器105は従って次にメッセージを再送信し、この再送信への承認メッセージをモニタリングし得る。承認メッセージが受信される場合、受電器105はそれ以上の行動をとることなく進行し得る。しかしながら、承認メッセージが受信されない場合、これはユーザアラートの開始及びユーザ入力の要求へと進み得る。ユーザ入力が受信されると、これは送電器101へ応答を返すデータメッセージの生成へと進み得る。
アプローチは送電器101から受電器105への通信のための帯域幅が著しく限られる実施形態において特に有利であり得る。例えば、多くの実施形態において送電器から受電器への通信は、受電器からのメッセージの受信後に承認を与える1ビットなど、1メッセージに対しシングルビットに限られ得る。このようなアプローチにおいて、受電器105は受信電力(例えば受電器105によって生成される受信電力推定)を示すメッセージを送電器101へ一定間隔で送信し得る。受電器がこのような受信電力パケットの送信に応答して送電器から承認を受信する場合、受電器は送電器が危険な状況を知覚していない(すなわち寄生電力損失検出がない)という表示としてかかる承認を解釈し得る。その場合、受電器105はフルパワーを要求し続けることができる。他方で、受電器が受信電力メッセージに応答して非承認メッセージを受信する(又はいかなるメッセージも受信しない)場合、受電器105はこれを、知覚された危険な状況が送電器によって検出されていること(すなわち寄生電力損失検出)として解釈し得る。これはそしてユーザにこの事実を知らせ、送電器の面上に異物が存在するかどうかユーザに尋ねるべきであり、そうであればユーザはそのような異物を除去すべきである。受電器が受信電力メッセージに応答して承認若しくは非承認表示のいずれも受信しない場合、受電器はこのような送電器の応答の欠如を非承認と同じように扱うか、又は応答を再強要するために受信電力パケットを迅速に再送信すべきである。
物理的ユーザ入力が受電器105へ供給される実施形態において、受電器105はこのユーザ入力の表示を送電器101へ送信し、そしてこれは前述の通りこの表示に基づいて進行し得る。このような通信をサポートするために、特に専用メッセージであり得る新たなメッセージが導入され得る。
一部の実施形態において、受電器105は受電器105からのキャリブレーションの要求を有するメッセージの形で表示を送信し得る。キャリブレーションの要求は送電器101がキャリブレーションモードにとどまるべき持続期間の表示を含み得る。
特に、異物が存在しないことをユーザが示す場合、メッセージはこれを送電器101に知らせ、送電器が検出の少なくとも一つの態様(例えば検出閾値若しくは寄生電力損失推定(例えば送信電力推定を適応させることによって))を(再)キャリブレーションすべきことを要求すべきである。
Qiベースシステムに適したこのようなデータメッセージ/パケットの特定の実施例は、この特定の受電器のために異物検出のためのそのパラメータ若しくはアルゴリズムをキャリブレートするキャリブレーションモードに入ることを送電器に要求するために使用されるメッセージ/パケットであり得る。キャリブレーションの要求は従って、異物が送電コイル103のアクティブエリア付近にないことをユーザが受電器に確認したことを示す。キャリブレーションモード中、受電器は好適には例えば様々な負荷条件を入力することによって、及び/又は電力伝送が最大になる負荷条件を入力することによって、及びその受信電力をこれらの条件の各々に対して少なくとも一度通信することによって、送電器をサポートする。
Qiベースアプローチに適した特定メッセージ/パケットは0x08のヘッダを持ち以下の構造によって与えられる異物検出(FOD)キャリブレーションパケットであり得る:
Figure 0006505097

8ビットの符号なし整数値Request FOD calibrationは以下のうちの一つをあらわし得る:
Request FOD calibration:符号なし整数値はFODキャリブレーションパケットの通信の終わりから開始する秒であらわしたキャリブレーションモードの持続期間を示す。
上記実施例において、寄生電力損失の検出は送電器101において利用可能な値に基づいて、特にローカルに生成された送信電力推定と受信された受信電力推定とに基づいて、送電器101において実行された。
他の実施形態において、検出は受電器105において実行され得る。例えば受電器105は寄生電力損失検出器207(若しくはその少なくとも一部)を有し、従って寄生電力損失推定を生成してそれを検出閾値に比較し得る。寄生電力損失検出が生じる場合、受電器105はユーザアラートの生成及びユーザ入力の受信へと進み得る。さらに、ユーザ入力に依存して、システムは電力伝送を続行し得るか、又は例えば電力伝送終了メッセージを送電器101へ送信することによって電力伝送の終了へと進み得る。送電器101はこのような電力伝送終了メッセージに応答して電力伝送フェーズの終了へと進み、特に電力信号を除去し得る。従って、電力伝送終了メッセージを送信することによって受電器105は(実質的にゼロへの)電力信号の電力の制限を実現する。
さらに、異物が存在しないことを示すユーザ入力を受信すると、受電器105は例えば寄生電力損失推定の決定若しくは検出閾値の適応など、寄生電力損失を検出するための検出アプローチの適応を開始し得る。従って、この状況において、適応は寄生電力損失検出アルゴリズムのパラメータを修正し、特に寄生電力損失推定を計算するための関数若しくは検出閾値を変更し得る。
図6は潜在的に許容できない寄生電力損失に対処するための機能のほとんど若しくは全部が受電器105に含まれる実施形態について受電器105の一実施例を例示する。図6において、図2について記載した機能に対応する機能は同じ参照符号で示される。
実施例において、受電器105は送電器101からメッセージを受信することができるメッセージ受信器601を有する。送電器101から受電器105へデータを通信するために使用される特定アプローチは異なる実施形態において異なる可能性があり、複数の異なるアプローチが当業者に周知であろう。例えば、小振幅変調が電力信号に適用され得、メッセージ受信器601は振幅変動を検出してそこからデータを決定し得る。
メッセージ受信器601は、実施例において少なくとも部分的に受電器105に含まれる寄生電力損失検出器207に結合される。
一部の実施形態において、送電器101は寄生電力損失の評価及び検出を実行するように構成され得る。これはさらに検出の発生を示すメッセージを受電器105へ送信するように構成され得る。このようなメッセージはメッセージ受信器601によって受信され、寄生電力損失検出器207へ転送され得る。
特に、メッセージ受信器601は非承認メッセージが受信されていること若しくは承認メッセージが受信されていないことを検出し、これによって暗示される寄生電力損失検出の表示を寄生電力損失検出器207へ転送し得る。
従って、一部の実施形態において、送電器101は送電器101が検出基準を満たすポジティブな寄生電力損失を決定したことを示す電力損失インジケータを送信し得る。電力損失インジケータは特に非承認メッセージの存在若しくは承認メッセージの不在によって提供され得る。
このような実施例において、寄生電力損失検出は単純に(例えば承認メッセージを受信しないことによって)電力損失インジケータの受信に応答して寄生電力損失検出器207によって生成され得る。当然のことながらこのようなシナリオの場合、寄生電力損失検出器207は送電器101の、受電器105の一部であるとみなされ得るか、又は実に送電器101と受電器105にわたって分散され得る。
他の実施形態において、電力損失インジケータは送電器101によって生成されている寄生電力損失推定を示し得る。例えば、Qiタイプ電力伝送の送電器101は(送電器101によって測定されることができる値に基づいて生成されることができる)送信電力推定及び(受電器105から受信される)受信電力推定の両方の情報を持つ。これは従って、これらの間の差として寄生電力損失推定を生成し、得られる値を受電器105へ送信し得る。
メッセージ受信器601は受信された寄生電力損失推定を寄生電力損失検出器207へ供給し、これは次にそれを検出閾値に比較して、寄生電力損失検出が生じているか否かを決定し得る。
このようなアプローチにおいて、寄生電力損失推定はこのように送電器101において計算されるが、検出評価及び判断は受電器105において実施される。
多くの実施形態において、送電器101は送信電力推定の表示を受電器105へ送信し得る。表示はメッセージ受信器601によって寄生電力損失検出器207へ与えられる。
寄生電力損失検出器207はさらに受信電力推定をローカルに受信若しくは決定し、それに従って寄生電力損失推定の計算へと進み得る。そしてこれは、検出閾値が超えられる場合に検出を生成するよう、検出閾値に比較され得る。従って、この実施例において、寄生電力損失検出器207は送電器101から受信される送信電力測定及び受電器105によってローカルに生成される受信電力推定の比較に応答して寄生電力損失を検出するように構成される。受信電力推定は受電器によって電力信号から抽出される電力を示し、電力は負荷の電力消費、受電器回路の電力消費、及び多くの実施形態では例えば受電器105の導電部における電流の誘導に起因する電力損失も含み得る。
アプローチは多くのシナリオにおいて高度に有利な動作を提供し得、(例えば正しいデータが容易に利用可能であることに起因して)最も便利な推定が生成されることを可能にし得る。
送電器101から受電器105へ情報を送信するために、適切なメッセージが使用されるべきである。
寄生電力損失推定を示す電力損失インジケータが送信される実施例において、電力損失インジケータは特に、(寄生電力損失推定に対応する)Power Loss Valueの以下の可能な定義とともに(特に0x09のヘッダを持ち得る)以下のメッセージとして送信され得る。
Figure 0006505097
Power Loss Value:このフィールドに含まれる(2の補数)符号付き整数値は−128…+127の間に及び、例えば両方ともConfiguration Packetにおいて示される時間窓において決定される送信及び受信電力の間の差の結果として送電器が推定する電力損失の平均値を示す。この電力損失(Ploss)は次式の通り計算される:
loss=Ptransmitted−Preceived=(Power Loss Value/128)W
lossがPower Loss Valueでコードするのに大き過ぎる若しくは小さ過ぎる場合、最極値、それぞれ+127若しくは−128が適用される。
送信電力推定が送電器101から受電器105へ送信される実施例において、これは(寄生電力損失推定に対応する)Transmitted Power Valueの以下の可能な定義とともに(0x21のヘッダを持ち得る)以下のメッセージを用いてなされ得る:
Figure 0006505097
Transmitted Power Value:このフィールドに含まれる16ビット符号なし整数は、送電器がConfiguration Packetにおいて示される時間窓において(送信電力推定における)そのInterface Surfaceを通じて送信する電力の平均値を示す。この電力量は次式の通り計算される:
transmitted=(Transmitted Power Value/32768)×(Maximum Power/2)×10Power Class
ここで、Maximum Power及びPower ClassはConfiguration Packetに含まれる値である。
Qiなどのシステムにおいて、基本設計理念は受電器が通信リンクを管理し、送電器は受電器の要求に基づきパケットを送るのみであるというものである。
このようなシステムにおいて、このような要求は例えば受電器が受信電力推定を通信した直後に送電器が送信電力推定、若しくは送信電力を通信することを要求することによって、黙示的にされ得る。
一部の実施形態において、要求は例えば以下のような専用Request Packetを受電器105が送信及び適用することによって明示的にされ得る。
Figure 0006505097
パケットは次の通りコマンドタイプを示すために使用され得るシングルバイトペイロードを含む:
Figure 0006505097
かなりの量の寄生電力損失検出機能が受電器105にある実施形態において、送電器101はそれに従って受電器105が処理のために使用することができる電力損失インジケータを受電器105へ供給し得る。
図7は必要な情報を生成して受電器105へ送信し得る送電器101の一実施例を例示する。
図7の送電器101は図5の送電器101と直接対応する送電コントローラ211、ドライバ201及び送電コイル103を有する。送電コントローラ211は電力伝送のための寄生電力損失インジケータを決定するように構成される寄生電力損失プロセッサ701に結合される。電力損失インジケータは一部の実施形態において特に送信電力と受信電力の推定差を示す寄生電力損失推定を反映し得る。他の実施形態においてこれは電力信号の推定送信電力を示す送信電力推定を反映し得る。他の実施形態において、これは寄生電力損失検出が生じていることを示す検出インジケータに対応し得る(すなわち後者の実施例において寄生電力損失プロセッサ701は寄生電力損失検出器207を有し得る)。
寄生電力損失プロセッサ701は送信器703に結合され、これは例えば電力信号の振幅変調を使用して、又は受電器から受信されるメッセージに対する一つ以上の承認メッセージを与えないでおくことによって、受電器105に電力損失インジケータを送信することができる。
そして受電器105は前述の通り電力損失インジケータを受信して使用し得る。
当然のことながら一部の実施形態において、図7の送電器101は図5の送電器101に関して前述したさらなる機能を有し得る。例えば、これは適応コントローラ213、受電器105からユーザ入力を受信するための機能などを有し得る。一部の実施形態において、送電器101はこれらの機能のいずれも有しない可能性がある。従って、一部の実施形態において、異物検出及びオペレーションへの送電器101の寄与は適切な電力損失インジケータを供給することに制限され得る。このような実施形態において、異物オペレーションは従って(電力損失インジケータの通信は別として)受電器105において実行される。
図6の寄生電力損失検出器207が寄生電力損失を検出すると、これはユーザアラートを生成するユーザインジケータユニット209へ制御信号を供給する。そして入力ユニット211がユーザ入力を受信する。
一部の実施形態において、受電器105はこのユーザ入力を一切処理することなく送電器101へ直接通信し得る。従って、このような実施形態において、どう進むべきかの判断、及び必要な動作の開始は、送電器101において及び送電器101によって実行される。特に、送電器101は電力伝送を続行するかどうか若しくは電力伝送を終了して適応/キャリブレーションを初期化するかどうかを判断し得る。
一部の実施形態において、受電器105は判断及び適応機能の少なくとも一部を提供し得る。例えば、受電器105は適応コントローラ213(の少なくとも一部)を有し得る。
実際、図6の実施例において、受電器105はユーザ入力を評価する適応コントローラ213を有する。さらに、送電器101へデータを通信することができるようにするために、図6の受電器105はさらに通信されるべきデータに応じて電力信号を負荷変調するための変調器603を有する。
異物が存在する/存在したことを示すユーザ入力が受信される場合、適応コントローラ213は安全レベルへの電力信号の電力の削減を開始し続け得る。一部の実施形態において、適応コントローラ213は少なくとも一つの電力低下要求を送電器101へ通信することによってこれを実現し得る。
極端な場合において、電力低下要求は電力伝送の終了の要求(標準電力終了メッセージなど)であり得る、すなわち電力低下は電力信号の除去に対応し得る。
他の実施形態若しくはシナリオにおいて、適応コントローラ213は電力がより低いレベルへ削減されながら電力伝送がこの低レベルで続行することを可能にするよう要求し得る。
一部の実施形態において、寄生電力損失の検出は受電器105に、寄生電力損失推定が検出閾値を下回るレベルへ電力信号の電力を低減する電力ループ電力制御誤差メッセージを送電器101へ送信させ得る。従って、このような実施形態において、受電器105は単純に電力低減を要求する標準電力制御ループメッセージを使用することによって電力信号の電力の低減へと進み得る。
このような実施形態において、適応コントローラ213は、推定寄生電力損失が基準(特に寄生電力損失推定が検出閾値より低い第二の閾値を下回ることであり得る)を満たすまで送電器101へ電力制御ループ電力低下要求を送信し得る。
異物が存在しないことを示すユーザ入力が受信される場合(すなわちこれは誤検出を示す)、適応コントローラ213は一部の実施形態においていかなる変更もなく電力伝送を継続し得る、すなわち電力伝送は現在の電力レベルで継続し得る。
しかしながら、適応コントローラ213は寄生電力損失検出の適応を開始する。一部の実施形態において、適応の開始は送電器101へ適応/キャリブレーションの要求を送信することによって実現され得る。例えば、前述のキャリブレーションメッセージの要求が使用され得る。
適応要求は一部の実施形態において非特異的メッセージであり得、送電器101はどのパラメータが適応されるかを決定し得る。しかしながら、他の実施形態において、適応要求は送信電力推定若しくはこれを生成するために使用されるパラメータ/モデル、又は検出が送電器101において実行される場合は検出閾値など、特異的パラメータが修正されることを要求し得る。
一部の実施形態において、実際の適応は送電器101において(のみ)実行され得、特に(例えば負のオフセットを加えることによって例えばより低い値へ向かってバイアスすることによって)送電器101がその送信電力推定の決定を適応させることによってのみ実行され得る。
しかしながら、図6の実施例において、受電器105はそのローカル寄生電力損失検出動作を適応させるように構成され得る。特に、受電器105は寄生電力損失検出器207の動作を修正することによって適応を実行し得る適応ユニット215を有する。特に、寄生電力損失検出器207が受信された送信電力推定及びローカルに生成された受信電力推定とから寄生電力損失推定を生成する実施形態において、適応ユニット215は受信電力推定の決定、寄生電力損失推定の決定、若しくは検出閾値を修正することによって処理を適応させ得る。例えば、受信電力推定は(例えば正のオフセットを加えることによって)より高い値へ向かってバイアスされ得、寄生電力損失推定は(例えば負のオフセットを加えることによって)より低い値へ向かってバイアスされ得、及び/又は検出閾値は(例えば負のオフセットを加えることによって)より低い値へ向かってバイアスされ得る。従って、適応は異物が磁場にさらされない場合はより少ない若しくは可能性の低い検出へ向かって(フォールスポジティブ)、及び/又は異物が磁場にさらされる場合は寄生電力損失のより良い検出へ向かって(フォールスネガティブ)、寄生電力損失検出器207をバイアスする。
一部の実施形態において、ローカルの適応は受電器105においてのみ(若しくは送電器101のみにおいて)実行され得るが、他の実施形態において適応は例えば送信電力推定と受信電力推定の両方をバイアス及び修正することによって送電器101と受電器105の両方において実行され得る。一部の実施形態において、送電器101と受電器105はどのように適応/修正がデバイス間に分散されるかを決定するネゴシエーションに入り得る。
適応/キャリブレーションはほとんどの実施形態において送電器101と受電器105のペアリングに特異的である。従って補正値が送電器101及び/又は受電器105に保存され得、特異的ペアリングが生じるときに読み出され適用され得る。この目的で、受電器105はそのアイデンティティを送電器101に通信し得、同様に送電器101はそのアイデンティティを受電器105に通信し得る。
記載のアプローチは電力損失ベースの異物検出方法の実質的改良を提供し得る。アプローチは知覚された危険な状況の場合に限りユーザ介入を要求することによってユーザの不都合を最小限に維持し得る。さらに、ユーザによる技術的理解を要しない単純なはい/いいえ判断のみが要求される。加えて、方法は受信電力推定と送信電力推定について、これらの推定が必要なときに適応/(再)キャリブレーションされることを可能にするので、より大きな不確実性(及び従ってより安価な実施)を可能にする。
前の実施形態は寄生電力損失推定が閾値を超える場合に寄生電力損失検出を生成するように寄生電力損失検出器207が構成されるシナリオをあらわしている。従って、実施形態において、寄生電力損失検出器207は、寄生電力損失推定が上限値によって定義される範囲外であった場合に寄生電力損失検出を生成した。アプローチは特に寄生電力損失検出の感度を低減するために、すなわち寄生電力損失が高過ぎること、及び異物が存在し得ることを示す検出の確率を低減するために使用され得る。
しかしながら、他の実施形態において、寄生電力損失検出器207は代替的に若しくは付加的に寄生電力損失推定が低過ぎるかどうかを検出するように構成され得る。従って、これは寄生電力損失推定が閾値を下回ること、すなわちこれが範囲の下限値を下回ることを示す寄生電力損失検出を生成し得る。
このような場合において、システムは寄生電力損失検出動作の感度が低過ぎること、及び異物が検出されないかもしれない潜在的リスクがあることを決定し得る。従って、システムは前の実施形態において記載したのと同じように進行し、これは特にユーザアラートを生成しユーザ入力を要求し得る。ユーザ入力に依存して、システムはそして適応を実行するか否かに進み得る。
適応が実行される場合、これは電力損失が閾値を上回ることを検出する確率を増加する方向である、すなわちこれは異物検出の確率を増加する。アプローチは従って感度を増加し、従って異物検出の見逃しを防止するために使用され得る。
多くの実施形態において、寄生電力損失検出器207は寄生電力損失推定が第一の閾値を下回る場合若しくはこれが第二の閾値を上回る場合に寄生電力損失検出を生成するように構成され得る。従って、第一及び第二の閾値は範囲を定義し、寄生電力損失検出は寄生電力損失推定がこの範囲外である場合に生成される。
そうであれば、システムはユーザアラートを生成し、適応が実行されるべきかどうかについての入力を受信する。そうであれば、システムは寄生電力損失検出を生成するためのアプローチの適応へと進む。寄生電力損失推定が上限値を超える場合、これは前述の通りアプローチの適応へと進み得る、例えばこれは上限値を増大し、送信電力推定を低減し、又は受信電力推定を増大し得る。これは異物検出の確率を低減し、従って"フォールスポジティブ"の数を削減し得る。
しかしながら、寄生電力損失検出が、寄生電力損失推定が範囲の下限値を下回ることに起因する場合、適応は反対方向に進行し得る、すなわちこれは異物検出の確率を増加し得る。特に、これは下限値を低減し、送信電力推定を増加し、若しくは受信電力推定を減少し得る。一部の実施形態において、これは範囲の上限値も減少させ得る。
このように、寄生電力損失検出の感度は両方向に動的に適応され、それによって改良された性能を可能にし得る。
多くの実施形態において、これが寄生電力損失推定が範囲を下回る若しくは上回ることに起因するかどうかにかかわらず、寄生電力損失検出に応答して上限値と下限値の両方を適応させることが望ましい可能性がある。しかしながら、両シナリオにおいて、寄生電力損失検出動作のパラメータの修正は異物が存在しないことをユーザが示す場合のみ実行される。
例えば、多くの実施形態において、範囲は固定サイズを持つが範囲の間隔が適応されることが望ましい可能性がある。例えば、寄生電力損失推定が上限値を超え、適応が実行されるべき場合、範囲の下限値と上限値の両方が増加され得る。同様に、寄生電力損失推定が下限値を下回り、適応が実行されるべき場合、範囲の下限値と上限値の両方が減少され得る。
特定の実施例として、システムは多くの実施形態において生成された寄生電力損失推定を上限値と下限値の両方を持つ範囲に比較し得る。下限値は特に負の値であり得るが上限値は正の値であり得る。
例えば、一部の実施形態において、受電器105は0から350mWの間の精度で受信電力推定を報告し得る、すなわち受電器105は電力損失を決して過小評価しないことを要求され得るが350mWの電力間隔内でのみ正確であると仮定され得る。送電器101は±75mWの精度を持つ送信電力推定を生成し得る。このような実施形態において、寄生電力損失推定は従って異物が存在しないとき75mWから−425mWの範囲内であり得る。従って、これらの不正確さが可能な限りの偏差を含む(すなわち測定誤差、モデル誤差、(例えば量子化などに起因する)処理誤差などの両方を含む)と仮定して、寄生電力損失推定は異物が存在しないとき−425mWを下回らず75mWを上回らないべきである。従って、これらの端点が範囲のために使用され、すなわち寄生電力損失推定の許容範囲は図8によって例示される通り[−425mW;75mw]にセットされ得る。
従って、実施例において、寄生電力損失推定はローカルに生成された送信電力推定から受信された受信電力推定を減算することによって寄生電力損失検出器207によって生成され得る。得られる寄生電力損失推定は図8に例示される三つの領域に分類され得る。中間領域801において、寄生電力損失は[−425mW;75mW]の予想範囲内である。これは許容範囲であり、従って電力伝送は変わらず中断なく継続する。
寄生電力損失推定が上方領域803にある、すなわち75mWを超える寄生電力損失推定の場合、寄生電力損失推定は範囲を超え、従って電力損失検出が生じている。そして送電器101は異物が存在するか否かを示すユーザ入力の取得へと進む。ユーザ表示が異物の存在を示す場合、送電器101は前述の通り電力伝送の終了などへと進む(又は寄生電力損失検出時に既に終了されている場合電力伝送を再スタートしない)。
しかしながら、異物が存在しないことをユーザが示す場合、生成された寄生電力損失推定は仮定された不正確さの範囲を超えている。従って、生成された寄生電力損失推定は異物が存在しないときにその範囲内であるべき範囲を超えている。従って、送電器101はこのようなフォールスポジティブ検出の可能性が低くなるように電力損失検出動作を適応させるために適応を開始する。送電器101は特に電力損失検出動作のパラメータが修正される適応を開始する。典型的に、ユーザ表示は送電器101と受電器105が互いに対して正しい位置にあるという表示も含むか又はそのような表示である。従って、多くの実施形態において、適応は異物がないこと及び送電器101と受電器105が互いに対して正しい位置にあることをユーザが示す場合にのみ開始される。
生成された寄生電力損失推定は下方領域805にあることもある、すなわちこれは−425mW未満の値を持ち得る。従って、このような状況において、寄生電力損失推定は測定及び処理ノイズ、部品公差などによる変動に起因して予想よりも低い値を持つ。この場合、寄生電力損失推定は範囲を超え、ユーザ入力が要求される。ユーザ入力は異物が存在しないこと(及び例えば送電器101と受電器105が互いに対してよい位置にあること)を示し得る。そして送電器101は寄生電力損失推定が範囲より低くなる確率を減らそうとして適応の実行へと進み得る。
従って、システムにおいて、寄生電力損失推定は範囲の上限値を上回ることがあり、検出動作が高感度過ぎること(誤検出)若しくは異物が存在することを示す。寄生電力損失推定は下限値を下回ることもあり、動作の感度が十分でないこと(例えば0.5Wの寄生電力損失さえも検出されないかもしれない)ことを示す。異物が存在しないのに寄生電力損失推定が予想範囲を超える場合、システムは反対方向に検出をバイアスしようとする適応の実行へと進み得る。例えばフォールスポジティブ検出が生じた場合、システムはより少ない検出へ向かって検出をバイアスしようとし、低過ぎる寄生電力損失推定が検出された場合、システムはより多くの検出へ向かって検出をバイアスしようとする。送電器101は特に電力損失検出動作のパラメータが修正される適応を開始する。
当然のことながら適応は前述の通り寄生電力損失推定を生成するために使用されるモデル(例えば関数若しくは方程式)及び/又は検出のために使用される範囲を適応させ得る。
一実施例として、適応は寄生電力損失推定が範囲の中心へ向かってシフトされるように送電器101において実行され得る。
例えば、適応ユニット215は最初に寄生電力損失推定Plossがどれだけ範囲の中心から外れるかを決定し得る。偏差Δxは次式の通り計算され得る:
Δx=Ploss−Pcenter
center=(Ploss-upper+Ploss-lower)/2
loss-upperは範囲の上限値でありPloss-lowerは範囲の下限値である。
従って、特定の実施例において:
loss-upper=75mW
loss-lower=−425mW
loss-center=−175mW
この実施例において、寄生電力損失推定が許容範囲内である場合、すなわちPloss-lower<Ploss<Ploss-upperである場合適応は実行されない。
しかしながら、寄生電力損失推定が上限値より高い(すなわちPloss>Ploss-upper)若しくは下限値より低い(すなわちPloss<Ploss-lower)場合、中心からの偏差Δxが計算され、検出動作の適応において使用される。
例えば、Ploss=100mW(すなわち検出が高感度過ぎる)場合Δx=+275mWである。Ploss=−500mW(すなわち検出が低感度過ぎる)場合Δx=−325mWである。
そして適応ユニット215は寄生電力損失検出の適応へと進み得る。
例えば、これは現在の寄生電力損失推定が新たな範囲の真ん中になるように範囲を調節し得る。従って、現在決定されている寄生電力損失推定は平均測定であるとみなされ、(ユーザ入力により)異物が存在しないことがわかるので、現在の測定は基準として使用される。例えば、範囲の新たな端点は次式の通り決定され得る:
P'loss-upper=Ploss-upper+Δx
P'loss-lower=Ploss-lower+Δx
loss=100mWの寄生電力損失推定及び従ってΔx=+275mWの実施例の場合、以下の新たな値が生成され、
P'loss-upper=350mW
P'loss-lower=−150mW
P'center=100mW=Plossをもたらす。
loss=−500mWの寄生電力損失推定及び従ってΔx=−325mWの実施例の場合、以下の新たな値が生成され、
P'loss-upper=−250mW
P'loss-lower=−750mW
P'center=−500mW=Plossをもたらす。
別の実施例として、適応ユニット215は範囲を適応させる代わりに、送信電力推定若しくは寄生電力損失推定を決定するためのモデル(方程式/関数)の適応へと進み得る。
例えば、送信電力推定、受信電力推定、若しくは寄生電力損失推定へ、例えば以下のようなオフセットが導入され得る:
P'PT=PPT−Δx
P'PR=PPR+Δx、又は
P'loss=Ploss−Δx
別の実施例として、送信電力推定を計算するためのモデルは補正因子を導入することによって修正され得る、例えば:
P'PT=PPT・(1−Δx/PPTref
PTは(例えばインバータへの供給電流及び電圧に基づく)前のモデルの送信電力推定であり、PPTrefは電力損失が範囲の中心からΔx異なる動作点における送信電力推定である。好適には、この動作点は全電力範囲を代表する。
電力損失推定が範囲の中心からΔx異なる動作点において、送信電力推定はP'PTref=PPTref−Δxで補正される必要がある。補正因子(CF)を用いてこれを書き直すとP'PTref=PPTref・CF=PPTref・(1−Δx/PPTref)を得る。この補正因子を全動作点に適用すると、すなわちP'PT=PPT・CF、P'PT=PPT・(1−Δx/PPTref)が得られる。
別の実施例として、補正因子は受信電力に適用され得る、例えば:
P'PR=PPR・(1+Δx/PPTref
多くの実施形態において、適応/キャリブレーションは次に異なる動作点の範囲について適切な値を決定し得る。従って、適応/キャリブレーションが開始されると、適応ユニット215は適応を開始させた寄生電力損失推定をもたらしたデータ(のみ)を使用しないかもしれないが、次に複数の異なる動作点をセットし、例えばこれらの動作点の各々について適切な補正パラメータを生成し得る。そしてシステムは将来の電力伝送中、特定動作点にとって適切な補正パラメータを使用し得る。加えて、他の動作点に対する補正パラメータが、例えばキャリブレーションの特定動作点について決定された補正パラメータ間の補間によって決定され得る。
このようなアプローチは多くのシナリオと実施形態において実質的に改良された異物検出を提供し得るが、アプローチは多くの実施形態において複数の適応に基づいて検出アルゴリズムに対する補正パラメータを決定することによって改良され得る。
特に、発明者らは電力伝送システムのキャリブレーションにおける際立った困難が、送電器と受電器の相対的位置決めにおける変動性と、これが異物検出に対して及ぼし得る影響であることに気付いた。
この問題は図9‐13によって例示され得る。
特に、図9は送電コイル103を有する送電器101の上面図と断面図を図示する。送電コイル103の位置は破線円によって上面図上に輪郭を示される。図10は受電コイル107を有する受電器105の上面図と断面図を図示する。受電コイル107の位置は破線円によって上面図上に輪郭を示される。受電デバイスは金属部品1001を含む。
図11は電力伝送中に送電器101上にある受電器105の一実施例を図示する。実施例において、送電コイル103は受電コイル107に整列される。さらに、金属部品1001は非常に弱い磁場にさらされるのみであり、従って金属部品1001における電力吸収は最小限である。
図12は電力伝送中に送電器101上にある受電器105の別の実施例を図示する。この実施例において、送電コイル103は受電コイル107に対してオフセットされる。さらに、金属部品1001はより強い磁場にさらされ、従って金属部品における電力吸収が増加するがこれはまだ許容可能であり得る。
図13は電力伝送中に送電器101上にある受電器105の別の実施例を図示する。この実施例において、送電コイル103は受電コイル107に対してさらにオフセットされる。さらに、金属部品1001はよりいっそう強い磁場にさらされ、従って金属部品における電力吸収がさらに増加する。この特定の実施例において、オフセットは許容できない可能性があり、金属物体1001における許容できない量の電力散逸につながり得る。
このように、三つの状況が考えられ、一つは事実上金属部品1001において電力損失がない場合、一つは損失が顕著であるが許容できる場合、一つは許容できない場合である。受電器が受電コイルによって受信される電力を正確に測定することができるが、金属部品1001における電力損失を測定することができないと仮定すると、受電器は金属部品1001における電力損失における変動に依存して総受信電力の報告を誤ることになる。所与の受電器105は同じ受信電力推定を三つの異なるシナリオにおいて三つの異なる精度で報告する可能性がある。従って、単一位置に基づくキャリブレーションは準最適な性能をもたらし得る。例えば、キャリブレーションが第三のシナリオに基づいて実行される場合、システムは一部の電力損失検出を検出することができないかもしれない、すなわちこれは低感度過ぎることになる。実際、第三のシナリオにおいて、金属部品1001は許容できない量の電力を散逸するので、異物とみなされ得る。しかしながら、システムはこの許容できない電力散逸を検出することができない。第二の実施例として、キャリブレーションが第一のシナリオに基づいて実行される場合、システムは高感度過ぎる可能性があり、第二のシナリオにおいて金属部品1001における電力損失をトリガする可能性がある。
これに対処する一つのアプローチは、多くのシナリオにおいて、受電器が正しい位置にあることをユーザ入力が特異的に示すことであり得る。例えば、送電器101は受電器105の位置が正しい(すなわち送電器101とよく整列している)こと、及び異物が存在しないことをユーザが確認することを要求するユーザ指示を提供し得る。ユーザがこれを確認するユーザ入力を与える場合、適応コントローラ213は例えば上記の通りパラメータを適応させることによって適応の開始へと進む。従って、適応コントローラ213はユーザ入力が電力伝送のための受電器の適切な位置のユーザ確認の表示を有する場合のみ適応を開始するように構成され得る。
多くの実施形態において、適応ユニット215は特に複数の開始された適応に基づいて電力損失検出動作を適応させるためのパラメータを決定するように構成され得る。従って、単に現在の測定若しくはキャリブレーションに基づいて適応を実行するのではなく、一つ以上の前のキャリブレーションも考慮され得る。
例えば、現在の適応について決定された寄生電力損失推定まわりに対称的に範囲端点を単にセットするのではなく、システムはむしろより段階的な適応の実行へと進み得る。従って、一部の実施形態において寄生電力損失検出動作の一つ以上のパラメータの段階的変化が実行される。特に、パラメータの相対的変化が各反復において適用され得る。例えば、範囲は寄生電力損失推定に対して、ただし現在の寄生電力損失推定と範囲の中心との合計差よりも小さい値だけ、動かされ得る(逆もまた同様)。
例えば、範囲の新たな端点は次式の通り決定され得る:
P'loss-upper=Ploss-upper+Δx・α
P'loss-lower=Ploss-lower+Δx・α
αは1より小さく、適応の所定速度をもたらすように選択される。従って、各適応は現在の寄生電力損失推定まわりに対称であるが典型的には差Δxよりも実質的に少ないバイアスを伴う位置へ向かって範囲をバイアスする。複数の適応が実行されるにつれて、システムは範囲が平均寄生電力損失推定まわりに対称的に位置するシナリオへ向かって段階的に適応する。
このようなアプローチは増大した信頼性と精度を提供し得る。特に、これは適応が送電器101に対する受電器105の複数の位置を反映することを可能にし得、従ってこれは検出が異常な若しくは望ましくない位置についてキャリブレーションされるリスクが削減されるという結果をもたらしやすい。実際、アプローチは送電器101と受電器105の典型的な位置へ向かって適応とキャリブレーションをバイアスする傾向がある。
当然のことながら複数の適応にわたる補正パラメータの決定は、範囲を適応させるのではなく(若しくは実に範囲を適応させるだけでなく)寄生電力損失推定を決定するためのモデルを適応させるために代替的に使用され得る。
例えば、寄生電力損失推定、送信電力推定若しくは受信電力推定はさらに適応因子を用いることによって段階的に適応され得る。例えば、送信電力推定、受信電力推定若しくは寄生電力損失推定を生成するための関数は不変であり得るが、適応は決定された送信電力推定、受信電力推定若しくは寄生電力損失推定への補正オフセット因子βを更新することによって提供される、すなわち:
P'PT=PPT−β
P'PR=PPR+β、又は
P'loss=Ploss−β
βは
β'=β+Δx・α
に従って各適応において更新される。
従って、これらの実施例において、範囲又は寄生電力損失推定を決定するためのモデルのいずれかは範囲の中点にある寄生電力損失推定へ向かってバイアスされる。当然のことながら他の実施形態において、バイアスは範囲における異なる点へ向かってもよい。例えば、Δxは例えば下端点から範囲のサイズの1/3及び上端点から2/3である点への差として計算され得る。
一部の実施形態において、システムは単純に例えば最後のN回の適応から寄生電力損失推定の(場合により加重)平均化を実行し得る。そして寄生電力損失推定が例えば範囲の真ん中になるようにするために、寄生電力損失推定を決定するためのモデルに又は範囲にオフセットが導入され得る。
例えば特定の実施例として、範囲の短点は最後の例えば5回の適応の平均寄生電力損失推定から250mWにセットされ得る。
多くの実施形態において、補正パラメータは送電器と受電器の個別ペアリングに対してセットされ保存され得る、すなわちシステムは受電器と送電器と特異的ペアを個別にキャリブレーションするように構成され得る。
このようなアプローチは個別送電器、個別受電器の特異的特性の両方、及び実にこれらを一緒に使用することの特異的特性が補正パラメータにおいて反映され得るので、改良された精度を提供し得る。
しかしながら、一部の実施形態において、アダプタ215は複数の受電器について開始された適応に基づいて電力損失検出動作に対する少なくとも一つの補正パラメータを決定するように構成される。
例えば、送電器101は複数の受電器に対して、同じ受電器105での複数の適応について上記した通り寄生電力損失推定の決定、並びに寄生電力損失推定を決定するためのモデル及び/又は範囲の更新へと進み得る。
特に、適応ユニット215は次に、
P'loss-upper=Ploss-upper+Δx・α
P'loss-lower=Ploss-lower+Δx・α
に従って範囲を、又は
P'PT=PPT−β
P'loss=Ploss−β
に従って範囲の端点(すなわち検出閾値)、寄生電力損失推定又は送信電力推定を更新し得、βはβ'=β+Δx・αに従って各適応において更新されるが、更新はどの受電器へ送電器が電力を供給しているかにかかわらず各適応に対して実行される。従って、この実施例において、平均化の効果は異なる適応、従って異なる相対的位置だけでなく、複数の受電器にも及ぶ。
受電器から報告された受信電力推定における誤差の変動はほとんどの実施形態においてゼロの平均を持つ可能性が高いので、このような平均化は受電器変動の影響を軽減し得る。従って、アプローチは送電器101における誤差を補正するために送電器101が寄生電力損失検出を適応させることを可能にし得る。
例えば、検出器207が異なる受電器の範囲に対して比較的多数のフォールスポジティブ検出を生成する場合、寄生電力損失推定の決定における、特に送信電力推定の決定におけるバイアスのために検出器が高感度過ぎる可能性がある。従って、送電器101は例えば前述の通りオフセットを導入すること若しくは範囲を変えることによってこのバイアスを補正し得る。
同様に、所与の受電器は複数の送電器について開始された適応に基づいて補正パラメータを決定し得る。例えば、受電器105が異なる送電器の範囲と使用され、比較的多数のフォールスポジティブ検出が生じる場合、受電器105による受信電力推定の計算におけるバイアスのために感度が高過ぎる可能性がある。
従って、受電器105は次に生成された受信電力推定に補正を導入し得る。例えば、これは更新
P'PR=PPR+β
を適用し得、βは
β'=β+Δx・α
に従って(どの送電器が電力伝送をサポートしているかにかかわらず)各適応において更新される。
受電器105と送電器101の独立補正は動作を改良し得る。特に、これは送電器と受電器の新たなペアリングが生じるときに検出の改良された精度を提供し得る。この実施例において、送電器と受電器は"平均"相補デバイスに対するいかなるバイアスについても既に補正されていることがある(すなわち送電器は適応が実行されている受電器の平均に対するバイアスについて補正され、受電器は適応が実行されている送電器の平均に対するバイアスについて補正される)。従って、検出パラメータは既に最適値に近い可能性があり、非常に多くの場合さらなる適応は必要ない。
前の記載は寄生電力損失の検出が送電器若しくは受電器において実行されているか、又は検出がそれらの間に分散される実施形態にフォーカスしている。一部の実施形態において、検出は送電器と受電器の両方において実行され得る。例えば、寄生電力損失を検出するための検出器は受電器と送電器の両方において実現され得る。このような実施形態において、いずれかの検出器による電力損失の検出は電力損失検出として扱われ得る。従って、前述の機能は様々な実施形態において混合され組み合わされてもよく、特に異なる動作及び機能分散が並行して実行され得る。
例えば、多くの実施形態において、寄生電力損失検出器207は受電器において実現され得、これは電力損失の検出、ユーザアラートの生成、入力の受信、電力損失推定の適応などに進み得る。並行して、送電器も記載の寄生電力損失検出器207を有する可能性があり、これは(場合により独立して)電力損失の検出、ユーザアラートの生成、入力の受信、電力損失推定の適応などに進み得る。従って、一部の実施形態において、送電器と受電器の間の冗長性が寄生電力損失検出に導入され得る。
一部のこのようなアプローチの利点は、受電器が第一のセーフガードとして、(例えば制御誤差メッセージを介して電力伝送を制御するその制御機能を使用することによって)電力伝送を制限する予防措置をとり、(例えばより高度なユーザインターフェースを用いて)ユーザとインタラクションし、(キャリブレーション要求メッセージを送信することによって)キャリブレーションのために送電器をトリガすることなどができ、一方送電器は第二のセーフガードとして、許容できない寄生電力損失が生じる場合に措置を講じる電源としてのその責任を保つことである。
例えば、受電器は送電器が例えば電力伝送を終了することを防止するために寄生電力損失に積極的に取り組み得る。受電器がこれに失敗する場合、送電器は、安全バックアップとして、電力伝送を終了すること若しくは電力信号を安全レベルに制限することによって制御を引き受けることができる。
当然のことながら明確にするための上記記載は異なる機能回路、ユニット及びプロセッサに関して本発明の実施形態を記載している。しかし当然のことながら異なる機能回路、ユニット若しくはプロセッサ間での機能のいかなる適切な分散も、本発明を損なうことなく使用され得る。例えば、別々のプロセッサ若しくはコントローラによって実行されるように例示される機能が、同じプロセッサ若しくはコントローラによって実行されてもよい。従って、特定の機能ユニット若しくは回路への言及は厳密な論理的若しくは物理的構造若しくは機構を示すのではなく記載の機能を提供するための適切な手段への言及とみなされるに過ぎない。
本発明はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア若しくはこれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な形式で実現され得る。本発明は随意に一つ以上のデータプロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサ上で実行するコンピュータソフトウェアとして少なくとも部分的に実現され得る。本発明の実施形態の構成要素及び部品は任意の適切な方法で物理的に、機能的に及び論理的に実現され得る。実際、機能は単一ユニットにおいて、複数のユニットにおいて、若しくは他の機能ユニットの一部として実現され得る。従って、本発明は単一ユニットにおいて実現され得るか、又は異なるユニット、回路及びプロセッサ間に物理的に及び機能的に分散されてもよい。
本発明は一部の実施形態に関して記載されているが、本明細書に記載の特定の形式に限定されないことが意図される。むしろ、本発明の範囲は添付の請求項にのみ限定される。付加的に、ある特徴は特定実施形態に関して記載されるように見えるかもしれないが、当業者は記載の実施形態の様々な特徴が本発明に従って組み合わされ得ることを認識するだろう。請求項において、有するという語は他の要素若しくはステップの存在を除外しない。
さらに、個別に列挙されるが、複数の手段、要素、回路若しくは方法ステップは例えば単一の回路、ユニット若しくはプロセッサによって実現され得る。付加的に、個々の特徴が異なる請求項に含まれ得るが、これらは場合により好都合に組み合わされてもよく、異なる請求項への包含は特徴の組み合わせが実現可能及び/又は好都合でないことを示唆しない。請求項の一つのカテゴリへの特徴の包含もこのカテゴリへの限定を示唆せず、むしろ特徴が必要に応じて他の請求項カテゴリに等しく適用可能であることを示す。さらに、請求項における特徴の順序は特徴が実施されなければならないいかなる特定の順序も示唆せず、特に方法の請求項における個々のステップの順序はステップがこの順序で実行されなければならないことを示唆しない。むしろ、ステップはいかなる適切な順序で実行されてもよい。加えて、単数形の参照は複数を除外しない。従って"a"、"an"、"first"、"second"などの参照は複数を除外しない。請求項における参照符号は単に明確にする実施例として与えられるに過ぎず、決して請求項の範囲を限定するものと解釈されてはならない。

Claims (23)

  1. 無線誘導電力信号を介して受電器へ電力伝送を供給するように構成される送電器を含む無線電力伝送システムであって、
    寄生電力損失推定が範囲外である場合に電力伝送に対して寄生電力損失検出を生成する寄生電力損失検出動作を実行するように構成される寄生電力損失検出器と、
    前記寄生電力損失検出に応答してユーザアラートを生成するためのユーザインジケータと、
    前記寄生電力損失検出に応答して、異物の存在若しくは異物の不在を示すユーザ入力を受信するための入力と、
    前記ユーザ入力が異物の不在を示す場合、前記寄生電力損失検出を生成する前記寄生電力損失検出器によって実行される寄生電力損失検出動作の適応を開始し、前記ユーザ入力が異物の存在を示す場合、前記寄生電力損失検出動作の適応を開始しないように構成されるコントローラとを有し、前記適応は前記寄生電力損失検出動作のパラメータの修正を有する、無線電力伝送システム。
  2. 前記寄生電力損失検出器は、前記寄生電力損失推定が前記範囲の上限値を上回る値を持つ場合に前記寄生電力損失検出を生成するように構成される、請求項1に記載の無線電力伝送システム。
  3. 前記寄生電力損失検出器は電力損失推定モデルから前記寄生電力損失推定を生成し、それを前記範囲に比較するように構成され、前記無線電力伝送システムは前記適応を実行するためのアダプタを有し、当該アダプタは前記寄生電力損失推定を決定するためのモデルのパラメータ及び前記範囲の少なくとも一つを修正するように構成される、請求項1に記載の無線電力伝送システム。
  4. 前記入力が前記受電器に少なくとも部分的に含まれる、請求項1、2、又は3に記載の無線電力伝送システム。
  5. 前記寄生電力損失検出器が前記送電器に少なくとも部分的に含まれる、請求項1又は4に記載の無線電力伝送システム。
  6. 前記寄生電力損失検出器が前記受電器に少なくとも部分的に含まれ、前記送電器が前記電力信号についての送信電力推定を生成するための電力推定器と、当該送信電力推定を前記受電器に送信するための送信器とを有し、前記受電器が前記送信電力推定を受信するための受信器を有し、前記寄生電力損失検出器が前記送信電力推定に基づいて前記寄生電力損失検出を生成するように構成される、請求項1又は4に記載の無線電力伝送システム。
  7. 無線誘導電力信号を介して受電器へ電力伝送を供給するように構成される送電器を含む無線電力伝送システムのための装置であって、
    寄生電力損失推定が範囲外である場合に電力伝送に対して寄生電力損失検出を生成する寄生電力損失検出動作を実行するように構成される寄生電力損失検出器と、
    前記寄生電力損失検出に応答してユーザアラートを生成するためのユーザインジケータと、
    前記寄生電力損失検出に応答して、異物の存在若しくは異物の不在を示すユーザ入力を受信するための入力と、
    前記ユーザ入力が異物の不在を示す場合、前記寄生電力損失検出を生成する前記寄生電力損失検出器によって実行される寄生電力損失検出動作の適応を開始し、前記ユーザ入力が異物の存在を示す場合、前記寄生電力損失検出動作の適応を開始しないように構成されるコントローラとを有し、前記適応は前記寄生電力損失検出動作のパラメータの修正を有する、装置。
  8. 前記適応を実行するためのアダプタをさらに有し、当該アダプタが複数の開始された適応に基づいて前記電力損失検出動作に対するパラメータをセットするように構成される、請求項7に記載の装置。
  9. 前記アダプタが複数の開始された適応に基づいて前記寄生電力損失推定を決定するためのモデル及び前記範囲の少なくとも一つを適応させるように構成される、請求項8に記載の装置。
  10. 前記アダプタが、前記複数の開始された適応に対する総寄生損失推定を前記範囲内の既定位置へ向かってバイアスするように、前記寄生電力損失推定を決定するためのモデル及び前記範囲の少なくとも一つを修正するように構成される、請求項9に記載の装置。
  11. 前記アダプタが前記送電器に対する送信電力推定を決定するためのモデル、前記受電器に対する受信電力推定を決定するためのモデル、及び前記範囲の少なくとも一つの端点、のうちの少なくとも一つを適応させるように構成される、請求項9又は10に記載の装置。
  12. 前記アダプタが送電器及び受電器の個別ペアリングに対して前記寄生電力損失検出動作のためのパラメータをセットするように構成される、請求項8に記載の装置。
  13. 前記装置が前記送電器であり、前記アダプタが複数の受電器について開始された適応に基づいて前記寄生電力損失検出動作のためのパラメータの少なくとも一つの補正パラメータを決定するように構成される、請求項8に記載の装置。
  14. 前記装置が前記受電器であり、前記アダプタが複数の送電器について開始された適応に基づいて前記寄生電力損失検出のためのパラメータの少なくとも一つのパラメータを決定するように構成される、請求項8に記載の装置。
  15. 前記コントローラは、前記ユーザ入力が電力伝送のための前記受電器の適切な位置決めのユーザ確認の表示を有する場合のみ、前記適応を開始するように構成される、請求項7又は8に記載の装置。
  16. 前記装置が前記受電器である、請求項7に記載の装置。
  17. 前記寄生電力損失検出器が前記送電器から受信される電力損失インジケータに基づいて前記寄生電力損失検出を生成するように構成される、請求項16に記載の装置。
  18. 前記寄生電力損失検出器が前記受電器によって前記送電器へ送信されるメッセージに対する承認の欠如に応答して前記寄生電力損失検出を生成するように構成される、請求項16又は17に記載の装置。
  19. 前記寄生電力損失検出器が前記送電器から受信される送信電力測定及び前記受電器によって前記電力信号から抽出される電力を示す受信電力推定の比較に基づいて前記寄生電力損失検出を生成するように構成される、請求項16に記載の装置。
  20. 前記コントローラは異物の不在を示すユーザ入力が受信されることに応答して前記送電器へ適応要求メッセージを送信するように構成される、請求項16に記載の装置。
  21. 前記装置が前記送電器である、請求項7に記載の装置。
  22. 前記ユーザインジケータが前記受電器へユーザアラート要求メッセージを送信することによって前記ユーザアラートを生成するように構成され、前記ユーザアラート要求メッセージは前記受電器がユーザアラートを生成することを要求する、請求項21に記載の装置。
  23. 無線誘導電力信号を介して受電器へ電力伝送を供給するように構成される送電器を含む無線電力伝送システムのための動作方法であって、
    寄生電力損失推定が範囲外である場合に前記電力伝送に対する寄生電力損失検出を生成する寄生電力損失検出動作を実行するステップと、
    前記寄生電力損失検出に応答してユーザアラートを生成するステップと、
    前記寄生電力損失検出に応答してユーザ入力を受信するステップであって、当該ユーザ入力は異物の存在若しくは異物の不在を示す、ステップと、
    前記ユーザ入力が異物の不在を示す場合、寄生電力損失を生成する寄生電力損失検出アルゴリズムの適応を開始し、前記ユーザ入力が異物の存在を示す場合、前記寄生電力損失検出動作の適応を開始しないステップとを有し、前記適応が前記寄生電力損失検出動作のパラメータの修正を有する、方法。
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