JP6159029B2 - オーロラaキナーゼ阻害剤 - Google Patents
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Description
またはその薬学的に許容可能な塩である化合物を提供する。
および
(2R,4R)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−4−[[3−フルオロ−6−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−ピリジル]メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸:
またはこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される化合物を提供する。
またはその薬学的に許容可能な塩である化合物を提供する。
メチル2−メチルピペリジン−4−カルボキシレート塩酸塩
PtO2(11.5g)を反応容器に入れる。次いで容器をN2でパージし、酢酸(225ml)で湿らす。メチル2−クロロ−6−メチル−ピリジン−4−カルボキシレート(125g)および酢酸(1000ml)をスラリーに加える。反応容器を密閉し、それをN2でパージし、次いでそれをH2でパージし、H2で加圧する。反応混合物を60psiの水素下で60℃にて7時間加熱する。同じスケールおよび同じ条件下で2つの別個の反応を実施する。各反応の反応混合物を濾過し、濾液を合わせる。濾液を真空下で濃縮していくらかの酢酸を含有する厚い油を得る。メチルtert−ブチルエーテル(2L)を厚い油に加え、室温にて撹拌する。得られた固体を回収し、メチルtert−ブチルエーテル(2×1000mL)で洗浄し、35℃にて真空下で乾燥させて白色固体(400g)として標題化合物を得る。1H NMR(CDCl3)δ1.55(d,J=6.3Hz,3H);1.85(q,J=12.3Hz,1H);2.23−1.98(m,3H);2.59−2.46(m,1H);2.85(dt,J=13.0,3.5Hz,1H);3.20−3.06(m,1H);3.53(brd,J=12.6Hz,1H);3.69(s,3H);9.7(brs,1H)
メチル1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボキシレート
メチル2−メチルピペリジン−4−カルボキシレート塩酸塩(205.4g、1.06mol)、1−(ブロモメチル)−3−クロロ−2−フルオロ−ベンゼン(261g、1.17mol)、アセトニトリル(2050mL)および炭酸カリウム(293g、2.12mol)を、3つ口丸底フラスコ(1L)に加える。反応混合物を還流にて18時間撹拌する。次いで加熱を停止し、固体を濾過し、次いで固体をアセトニトリル(2×250mL)ですすぐ。濾液を真空下で濃縮して緑色の粗生成物を得る。メチルtert−ブチルエーテル(2500ml)に溶解し、CELITE(登録商標)を加え、撹拌し、次いで濾過する。濾液を水で洗浄する。有機物を1.25N塩酸水溶液(2000ml)、次いで1M塩酸水溶液(1000ml)で抽出する。水性抽出物を合わせ、48%水酸化ナトリウム水溶液(250g)でpHを約12に塩基性にする。メチルtert−ブチルエーテル(3L)で抽出する。有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、茶色の油(272.8g)として標題化合物を得る。MS(m/z):300(M+1)。
メチル(2R,4R)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボキシレート
超臨界流体キラルクロマトグラフィーを使用してメチル1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボキシレート(272.8g)の鏡像異性体を分離する。固定相:Chiralpak IC、移動相:3%イソプロピルアルコールおよび0.2%ジメチルエチルアミン。第1の溶出された鏡像異性体(RT=1.73分)を回収する。標題化合物(158g、49.7%収率;RT=2.19分;MS(m/z):300(M+1))として第2の溶出された鏡像異性体を回収する。分析条件:固定相:Chiralpak IC、移動相:5%イソプロピルアルコール/0.2%イソプロピルアミン、流速3mL/分、温度:35℃。
メチル(2R,4R)−2−メチルピペリジン−4−カルボキシレート塩酸塩
メチル(2R,4R)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボキシレート(250g、0.834mol)、1,2−ジクロロエタン(1200ml)および1−クロロエチルクロロホルメート(112ml、1.04mol)を4000mlの3つ口フラスコに加える。機械的撹拌器により70℃にて72時間撹拌する。1−クロロエチルクロロホルメート(30ml、0.227mol)を加え、還流にて6時間撹拌する。混合物を60℃に冷却し、添加漏斗を介して30〜45分にわたってメタノール(250ml)を加える。60〜65℃にて18時間撹拌する。メタノール(400ml)を加え、65〜68℃にて5時間撹拌する。混合物を周囲温度に冷却し、一晩撹拌する。真空下で濃縮してスラリーにする。スラリーを酢酸エチル(1500ml)で希釈し、0℃で30分間撹拌する。固体を収集し、酢酸エチル(1000ml)で洗浄して、灰色の固体(136.5g、84.5%収率)として標題化合物を得る。H1 NMR(399.81MHz,d6−DMSO):δ1.22(d,J=6.5Hz,3H),1.53−1.43(m,1H),1.73−1.62(m,1H),1.99−1.91(m,2H),2.71−2.63(m,1H),2.89−2.83(m,1H),3.15−3.12(m,1H),3.23−3.20(m,1H),3.59(s,3H),9.03(br,s,1H),9.44(br,s,1H)。
O1−tert−ブチルO4−メチル(2R,4R)−2−メチルピペリジン−1,4−ジカルボキシレート
メチル(2R,4R)−2−メチルピペリジン−4−カルボキシレート塩酸塩(136g、0.702mol)およびジクロロメタン(1500ml)を、オーバーヘッド撹拌器を備えた4Lの3つ口丸底フラスコに加える。ジイソプロピルエチルアミン(250ml)を加え、室温にて数分間撹拌する。4−ピリジンアミン−N,N−ジメチル(9.0g、0.74mol)を加える。氷/水浴中で冷却する。5〜10℃に温度を維持しながら、約30分にわたってジクロロメタン(300ml)中のジ−tert−ブチルジカルボネート(192g、0.88mol)の溶液をゆっくり加える。混合物を室温に加温し、一晩撹拌する。10%シュウ酸溶液(2L)を加え、室温にて45分間撹拌する。層を分離する。有機物を5%シュウ酸(1L)で洗浄する。有機物を水、次いで飽和NaClで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮する。ジクロロメタン(250ml)中に溶解する。ジクロロメタンで湿らせたシリカプラグ(250g)に適用する。ジクロロメタン(3L)で溶出する。真空下で濾液を濃縮し、数時間真空下に保持して標題化合物(146g、80.8%収率)を淡黄色の油として得る。H1 NMR(399.80MHz,CDCl3):δ1.05(d,J=6.8Hz,3H),1.42(s,9H),1.76−1.66(m,1H),1.99−1.94(m,3H),2.55(quintet,J=5.8Hz,1H),3.10−3.02(m,1H),3.67(s,3H),3.85−3.78(m,1H),4.18−4.10(m,1H)。
6−ブロモ−2−(ブロモメチル)−3−フルオロ−ピリジン
6−ブロモ−3−フルオロ−2−メチル−ピリジン(50g、0.263mol)、N−ブロモスクシンイミド(100g、0.562mol)および四塩化炭素(500ml)を、還流冷却器および窒素入口を備えた1000mlの3つ口丸底フラスコに加える。室温にて撹拌しながら、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を少しずつ加える。反応物を78℃にて72時間撹拌する。混合物を室温に冷却し、固体を濾過する。固体をトルエン(2×100ml)で洗浄する。濾液を約250mlに濃縮し、テトラヒドロフラン(300ml)で希釈し、0〜5℃に冷却する。窒素雰囲気下で、テトラヒドロフラン(100ml)中の亜リン酸ジエチル(37ml、0.288mol)およびトリエチルアミン(40ml、0.287mol)の溶液を30分にわたってゆっくり加える。混合物を室温で1時間にわたってゆっくり加温する。真空下で濃縮する。氷冷水を加え、混合物が室温になるまで撹拌する。固体を回収し、水(2×200ml)で洗浄する。固体を真空下で乾燥させる。ジクロロメタン(500ml)に溶解し、シリカのプラグで濾過する。プラグをジクロロメタン(250ml)ですすぐ。濾液を真空下で濃縮し、ヘキサン(500ml)で希釈し、真空下で約100mlに濃縮する。固体を回収し、ヘキサン(100ml)で洗浄して、標題化合物(48.0g、67.8%収率)を白色固体として得る。固体を母液から回収し、真空下で乾燥させて、白色固体として標題化合物(5.2g、7.35%収率)を得る。H1 NMR(399.80MHz,CDCl3):δ4.51(d,J=2.1Hz,2H),7.31−7.25(m,1H),7.42(dd,J=3.5,8.6Hz,1H)。
O1−tert−ブチルO4−メチル(2R,4R)−4−[(6−ブロモ−3−フルオロ−2−ピリジル)メチル]−2−メチル−ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート
テトラヒドロフラン(470ml)中のO1−tert−ブチル−O4−メチル(2R,4R)−2−メチルピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(48.1g、0.187mol)を、3Lの3つ口丸底フラスコに加え、混合物を−78℃に冷却する。内部温度を−71℃未満に維持しながら、ヘキサン(112.2ml、0.224mol)中のリチウムジイソプロピルアミド(10%質量)を30分にわたって滴下して加える。−78℃にて1.5時間撹拌する。内部温度を−71℃未満に維持しながら、テトラヒドロフラン(470ml)中の6−ブロモ−2−(ブロモメチル)−3−フルオロ−ピリジン(60.4g、0.225mol)の溶液を1時間にわたって滴下して加える。−78℃にて1時間撹拌する。飽和塩化アンモニウム水溶液(150ml)を添加することによって反応をクエンチする。得られた固体を収集し、水(500ml)に溶解し、酢酸エチル(1000ml)で抽出する。抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮する。この反応を同じ反応条件下で57.22gのO1−tert−ブチル−O4−メチル(2R,4R)−2−メチルピペリジン−1,4−ジカルボキシレートで反復し、精製のために得られた物質を合わせる。合わせた物質をシリカゲルクロマトグラフィー(5〜15%勾配のヘキサン/酢酸エチル)により精製して、淡黄色の油として標題化合物(168.2g)を得る。H1 NMR(399.80MHz,CDCl3):δ0.98(d,J=7.1Hz,3H),1.43(s,9H),1.76(dd,J=6.0,13.8Hz,1H),2.02(s,2H),2.23(dt,J=13.9,2.1Hz,1H),3.09−2.98(m,3H),3.71(s,3H),3.90−3.87(m,1H),4.40−4.37(m,1H),7.19(t,J=8.5Hz,1H),7.29(dd,J=3.4,8.6Hz,1H)。
メチル(2R,4R)−4−[(6−ブロモ−3−フルオロ−2−ピリジル)メチル]−1−[(3−クロロ−2−フルオロフェニル)メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボキシレート
1,4−ジオキサン(945ml)中のO1−tert−ブチル−O4−メチル(2R,4R)−4−[(6−ブロモ−3−フルオロ−2−ピリジル)メチル]−2−メチル−ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(168.2g、0.378mol)を、4Lの3つ口丸底フラスコに加える。塩酸(475mLの1,4−ジオキサン中に4M、1.9mol)を20分にわたってゆっくり加える。室温にて21時間、次いで50℃にて4時間撹拌する。固体を収集し、45℃にて1時間、真空下で乾燥させる。濾液を固体に濃縮し、完全に乾燥させる。合わせた固体、炭酸カリウム(105g、0.76mol)およびアセトニトリル(1200ml)を3Lの3つ口丸底フラスコに加える。室温にて20分間撹拌し、次いで3−クロロ−2−フルオロベンジルブロミド(101.3g、0.453mol)を加える。室温にて3日間撹拌する。混合物をCELITE(登録商標)で濾過する。濾液を濃縮して黄色の油を得る。油をシリカゲルクロマトグラフィー(70分にわたってジクロロメタン勾配中の100%ジクロロメタン〜7%メチル−tert−ブチルエーテル)により精製して、黄色の油として標題化合物(153g、0.314mol)を得る。MS(m/z):489(M+1)。
メチル(2R,4R)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−4−[(3−フルオロ−6−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−ピリジル]メチル]−2−メチルピペリジン−4−カルボキシレート
tert−ブチルアルコール(9.4ml)を電子レンジ用反応容器に加え、5分間、窒素散布により酸素を除去する。酢酸パラジウム(II)(0.044g、0.196mmol)および2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(triiospropylbiphenyl)(0.251g、0.58mol)を加える。溶液の表面の下から水(0.014ml)を加える。開始マイクロ波を使用して混合物を100℃で2分間加熱する。この触媒溶液をシリンジにより以下の混合物に加える。
(2R,4R)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−4−[[3−フルオロ−6−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−ピリジル]メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸
メチル(2R,4R)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−4−[(3−フルオロ−6−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−ピリジル]メチル]−2−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(19.95g、0.040mol)、塩酸(36.5%質量)および水(140ml、1.63mol)を、1Lの3つ口丸底フラスコに加える。93〜96℃にて17時間撹拌する。室温に冷却し、真空下で濃縮する。残渣を水(1000ml)に溶解し、氷浴中で冷却する。5Nの水酸化ナトリウムでpHを6.5に調整する。得られた固体を収集し、水で洗浄する。水性濾液を10%イソプロパノール/ジクロロメタン(3×500ml)で抽出する。乾燥させ、固体に濃縮する。両方の固体を合わせ、エタノール(200ml)に溶解する。酢酸エチル(1500ml)で希釈し、室温にて一晩撹拌する。濾過し、真空下で固体に濃縮する。固体を5%メタノール/ジクロロメタンに溶解し、酢酸エチル(500ml)で希釈し、300mlに濃縮する。固体を濾過する。反応を、上記と同じ反応条件下で61.9gのメチル(2R,4R)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−4−[(3−フルオロ−6−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−ピリジル]メチル]−2−メチルピペリジン−4−カルボキシレートで反復する。両方の反応からの濾液を合わせる。合わせた濾液を約600mlに濃縮し、ヘキサン(600ml)で希釈する。固体を収集し、50℃にて一晩真空下で乾燥させる。母液を真空下で濃縮乾固して、固体を真空下で50℃にて一晩乾燥させる。固体を合わせて標題化合物(63.44g)を得る。MS(m/z):490(M+1).[α]20 D+17.3°(c1.00,EtOH)。
(2R,4R)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−4−[[3−フルオロ−6−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−ピリジル]メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸のtert−ブチルアミン塩
4mLのアセトン中の(2R,4R)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−4−[[3−フルオロ−6−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−ピリジル]メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸(580mg)を加える。60℃(プレート温度)/1000rpmにて撹拌しながら、固体を溶解して、透明な黄色の溶液を形成させる。tert−ブチルアミン(150μL、1.20当量、99.5%)を溶液に加え、沈殿物が観察される。混合物を60℃にてさらに10分間スラリーにし、次いでそれを室温に冷却する。固体を真空濾過により濾過し、固体を60℃にて真空オーブン中で乾燥させて標題化合物(635mg、95.26%収率)を得る。
(2R,4R)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−4−[[3−フルオロ−6−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−ピリジル]メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸のアンモニウム塩
2mLのアセトン中の(2R,4R)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−4−[[3−フルオロ−6−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−ピリジル]メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸(154mg)を加える。60℃(プレート温度)/1000rpmにて撹拌しながら、固体を溶解して透明な黄色の溶液にする。水酸化アンモニウム(29.8%、50μL、1.22当量)を溶液に加え、沈殿物が観察される。混合物を60℃にてさらに2時間スラリーにし、次いでそれを室温に冷却する。鮮やかな白色固体の厚いスラリーが観察される。固体を真空濾過により濾過し、固体を60℃にて真空オーブン中で乾燥させて標題化合物(145mg、90.81%収率)を得る。
結晶性固形物のXRDパターンを、35kVおよび50mAで作動する、CuKa源(λ=1.54060Å)およびVantec検出器を備えたBruker D4 Endeavor粉末X線回折装置上で得る。試料を、2θでの4〜40°で、2θでのステップサイズ0.009°および走査速度0.5秒/ステップを用い、ならびに0.6mmの発散、5.28の固定散乱防止、および9.5mmの検出器スリットを用いて走査する。乾燥粉末を石英試料ホルダに詰めて、滑面をスライドガラスを用いて得る。結晶形回折パターンを周囲温度および相対湿度で得る。結晶学技術分野において周知なのは、任意の所与の結晶形に関して、回折ピークの相対強度が、結晶形態および晶癖などの因子から生じる優先配向に起因して異なる可能性があることである。優先配向の効果が存在する場所では、ピーク強度が変化するが、多形体の特徴的ピーク位置は変化しない。例えば、米国薬局方#23、国民医薬品集#18、1843〜1844頁、1995年を参照のこと。さらに、任意の所与の結晶形に関して、ピーク角度位置が若干変化する場合があるということも結晶学技術分野では周知である。例えば、試料を解析する温度もしくは湿度の変動、試料変位、または内部標準の存在もしくは非存在に起因して、ピーク位置はシフト可能である。本件では、2θでの±0.2のピーク位置変動は、示される結晶形の明白な同定を妨げることなく、これらの潜在的変動を考慮にいれることにする。結晶形の確認は、区別可能なピーク(°2θ単位での)、典型的にはより顕著なピークの任意の特有の組み合わせに基づいてなされ得る。周囲温度および相対湿度で得られる結晶形回折パターンを、8.853および26.774°2θでのNIST675標準ピークに基づいて調整する。
オーロラAキナーゼの触媒ドメイン(配列NP_003591の残基125〜391)を、TEVプロテアーゼ切断可能N末端ポリ−ヒスチジンタグを用いてSf9昆虫細胞において発現させる。発現したタンパク質をニッケルキレートカラムに結合させることによって単離する。ヒスチジンタグの切断後、タンパク質を、50mMのリン酸ナトリウムpH7.0、250mMのNaCl、1mMのEDTA、5mMのDTT、および0.1mMのβ,γ−イミドアデノシン5’−三リン酸(AMP−PNP)を含有する緩衝液中で平衡化したサイズ排除クロマトグラフィーカラム(16/600 S200;GE Lifesciences)に通すことによってさらに精製する。8.3mg/mlの濃度にて精製したオーロラAキナーゼタンパク質にさらなるAMP−PNPを追加して2mMの最終濃度にし、21℃にて蒸気拡散によって結晶化する。結晶化は、0.8μLのタンパク質を、100mMのMES pH4.6、23%のPEG3350および150mMの硫酸アンモニウムを含有する0.8μLのリザーバー溶液と混合し、シッティングドロップトレイ中で同じリザーバーに対して平衡化することによって実施する。AMP−PNPと複合体化するオーロラAキナーゼの単結晶を、2mMの実施例3を含有する溶液中に一晩浸し、20%ポリエチレングリコール400を含有する溶液に移し、液体窒素中で急速凍結する。1.96Åに対するX線回折データを、Advanced Photon Source、Argonne、ILにおけるLilly Research Laboratories Collaborative Access Team Beam−Line(LRL−CAT APS 31ID)にて凍結した結晶から収集する。波長0.9793ÅのX線を使用して、185mmの検出器距離を用いて1°振動において180フレームを収集する。実施例3を使用したオーロラAキナーゼの構造を分子置換によって決定し、20.6%のR−factorおよび25.6%のR−freeに精緻化する。この結果は実施例3を用いており、立体化学を提供する。それはまた、実施例1および2についての立体化学も提供する。なぜなら実施例1は実施例2および3の調製のための出発物質として使用されるからである。
このアッセイは、96ブラックウェルプレートフォーマット(CORNING(登録商標)COSTAR(登録商標)3694)におけるTRANSCREENER(登録商標)ADP−蛍光偏光測定によってインビトロでオーロラAキナーゼ活性を阻害する化合物を試験する能力を測定する。20μMのATPおよび150μMのオーロラAキナーゼ活性化ループの最終濃度にてそれぞれアデノシン三リン酸(ATP)およびオーロラAキナーゼ活性化ループ(ENOGEN(登録商標)、#326861)を有するキナーゼ緩衝液[50mMの4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)pH7.4、4mMのMgCl2、0.01%のTRITON(商標)X−100および2mMのジチオスレイトール(DTT)]中の溶液を調製する。オーロラA酵素を0.096ng/μLの最終濃度で溶液に加える。試験化合物を20%のジメチルスルホキシド(DMSO)中で1:3で連続希釈して、20μMで開始する最終濃度にて10点用量反応曲線を作成する。試験化合物を含まないDMSO緩衝液のみを陽性対照(阻害剤の非存在下での完全なオーロラA活性)として使用する。陰性対照は、アデノシン5’−二リン酸(ADP)バックグラウンドレベルを決定するために完全な反応混合物と100nMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)である。調製したオーロラA酵素溶液を、試験化合物ならびに陽性および陰性対照を含有するプレートに加え、22℃にて30分間、混合物をプレインキュベートする。ATPおよびオーロラAキナーゼ活性化ループ溶液を加えることによって反応を開始し、22℃にて30分間継続する。次いでADP遠赤色のトレーサーであるADP抗体ならびに停止および検出緩衝液(Bellbrook Labsカタログ番号3003−10K)を含有する25μL(1:1v:v)のADP検出混合物を加えることによって反応を停止させる。プレートを少なくとも2時間暗所に維持して、キナーゼ反応において産生したADPによってADP Alexa633トレーサー(ADP2抗体に結合した)の移動を可能にし、蛍光偏光の減少を決定する(Ultra384、Tecan)。上記のキナーゼ緩衝液中のADP/ATPの標準曲線を使用して、試験化合物についてのADP変換を決定する。
このアッセイは、96ブラックウェルプレートフォーマット(CORNING COSTAR 3694)においてTRANSCREENER ADP−蛍光偏光測定によってインビトロでオーロラBキナーゼ活性を阻害する化合物を試験する能力を測定する。オーロラB酵素(0.39ng/μLの最終濃度)、0.1μMのINCEPペプチド(GenScript、#92480_1、最終濃度0.1μM)、ATP(最終濃度10μM)およびヒストンH3(Anaspec、#KLH08−4、最終濃度5μM)を有するキナーゼ緩衝液(37.5mMのHEPES pH7.4、6.25mMのMgCl2、0.075%のTRITON(商標)X−100および2.5mMのDTT)中のオーロラB酵素溶液を調製する。試験化合物を20%のDMSO中で1:3で連続希釈して、20μMで開始する最終濃度にて10点用量反応曲線を作成する。化合物を含まないDMSO緩衝液のみを陽性対照(阻害剤の非存在下での完全なオーロラB活性)として使用する。陰性対照は、ADPバックグラウンドレベルを決定するために完全な反応混合物と100nMのEDTAである。調製したオーロラB酵素溶液を、試験化合物ならびに陽性および陰性対照を含有するプレートに加える。22℃にて30分間、混合物をプレインキュベートする。上記のATPおよびヒストンH3溶液を加えて反応を開始し、プレートを22℃にて45分間インキュベートする。ADP遠赤色のトレーサーであるADP抗体ならびに停止および検出緩衝液(Bellbrook Labsカタログ番号3003−10K)を含有する25μL(1:1v:v)のADP検出混合物を加えることによって反応を停止させる。プレートを少なくとも2時間暗所に維持して、キナーゼ反応において産生したADPによってADP Alexa633トレーサー(ADP2抗体に結合した)の移動を可能にし、その後、蛍光偏光を決定する(Ultra384、Tecan)。上記のキナーゼ緩衝液中のADP/ATPの標準曲線を、試験化合物についてのADP変換を決定するために平衡化する。
このアッセイは、オーロラA阻害により誘導される有糸分裂停止を測定する。オーロラA阻害により誘導される有糸分裂停止は、Acumen Explorer(商標)(レーザー走査蛍光マイクロプレート血球計算器(TTP LabTech LTD、UK))を使用した24時間の化合物処理による、有糸分裂マーカーヒストンH3ホスホ−Ser10の増加、4N(G2/M)DNA含有量の増加、および細胞増殖阻害表現型により測定する。アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)からのHela細胞を、96ウェルBD BIOCOAT(商標)ポリ−D−リシンプレート(Becton Dickinson、カタログ番号356640)中で5000細胞/ウェルにて播種し、10%のウシ胎仔血清(FBS)(例えば、Gibco、カタログ番号16000)、1%の非必須アミノ酸(例えば、Gibco、カタログ番号11140)、1%のピルビン酸ナトリウム(例えば、Gibco、カタログ番号11360)および1%のペニシリン−ストレプトマイシン(例えば、Gibco、カタログ番号15140)を有する最小必須培地(MEM)(例えば、Gibco、カタログ番号31095)中で5%CO2下で37℃にて24時間インキュベートする。試験化合物を培地に加え、20μM〜0.001μMの範囲にわたり、0.25%の最終DMSO濃度で1:3連続希釈を10点にて投与することによって細胞を処理する。化合物への曝露の24時間後、細胞をPREFER(商標)(Anatech LTD.、カタログ番号414)で室温にて30分間固定し、リン酸緩衝食塩水(PBS)で一回洗浄し、PBS溶液中の0.1%のTRITON(登録商標)X100で室温にて15分間、透過処理する。細胞をPBSで2回洗浄し、室温にて30分間、PBS(例えば、Sigma、カタログ番号A7030)中の1%のウシ血清アルブミン(BSA)で遮断する。一次抗ヒストンH3ホスホ−Ser10ウサギポリクローナル抗体(Millipore、カタログ番号06−570)を、1%のBSAを有するPBS中で1:1000にて細胞に加え、4℃にて一晩インキュベートする。PBSで2回洗浄した後、細胞を、室温にて1時間、PBS(Invitrogenカタログ番号A11008)中でヤギ抗ウサギIgG Alexa488標識二次抗体1:1000とインキュベートする。PBSによる2回より多い洗浄の後、PBS中に10μg/mLのヨウ化プロピジウム(Invitrogenカタログ番号P3566)および50μg/mLのリボヌクレアーゼA(Sigmaカタログ番号R−6513)を含有する溶液を加えて核を染色する。蛍光プレートを、ACUMEN EXPLORER(商標)[レーザー走査蛍光マイクロプレート血球計算器(488nmのアルゴンイオンレーザー励起およびTTP LabTech Ltd.によって製造された多重光電子倍増管検出を含む)で走査して、ヒストンH3ホスホ−Ser10およびDNA含有量を測定する。画像解析は異なる亜集団内の細胞を識別するための細胞蛍光シグナルに基づく。アッセイ出力は、細胞増殖阻害のパーセンテージ、ヒストンH3ホスホ−Ser10陽性細胞のパーセンテージ、2N(G1細胞周期または2倍体DNA含有量(ここでNは染色体の単一の相補体を指す)、半数体DNA含有量)のパーセンテージおよびDNAヒストグラムプロファイルの4Nプラス>4N(G2/M細胞周期およびそれ以降)のパーセンテージである。IC50およびEC50値は、ACTIVITY BASE(商標)を使用して各出力についての4パラメーターロジスティックへの曲線適合によって決定する。
このアッセイは、1時間の試験化合物の処理によるオーロラB阻害により誘導されるヒストンH3ホスホ−Ser10の減少を測定する。アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)からのNCI−H446細胞を、96ウェルBD BIOCOAT(商標)ポリ−D−リシンプレート(Becton Dickinson、カタログ番号356640)中で12000細胞/ウェルにて播種し、10%のFBS(例えば、Gibco、カタログ番号16000)および1%のペニシリン−ストレプトマイシン(例えば、Gibco、カタログ番号15140)を追加したRoswell Park Memorial Institute(RPMI)培地(例えば、Gibco、カタログ番号52400)中で5%CO2下で37℃にて24時間インキュベートする。試験化合物を培地に加え、40μM〜0.002μMの範囲にわたり、0.2%の最終DMSO濃度で1:3連続希釈を10点にて投与することによって細胞を処理する。試験化合物への曝露の1時間後、細胞をPBS中の16%ホルムアルデヒド(ホルムアルデヒド37%溶液のストックから最終濃度4%、Sigmaカタログ番号F1635)で室温にて45分間固定し、PBSで一回洗浄し、室温にて15分間、冷メタノールで透過処理する。次いで細胞をPBS溶液中の0.1%のTRITON(登録商標)X100で一回、PBSで二回洗浄し、室温にて30分間、PBS中の3%スキムミルク(Difco、カタログ番号232100)で遮断する。一次抗ヒストンH3ホスホ−Ser10ウサギポリクローナル抗体(Millipore、カタログ番号06−570)を、PBS中の3%スキムミルク中で1:1000にて細胞に加え、4℃にて一晩インキュベートする。PBS溶液中の0.1%のTRITON(登録商標)X100で一回、PBSで二回洗浄した後、細胞を、室温にて1時間、PBS(Invitrogenカタログ番号A11008)中で1:1000にてヤギ抗ウサギIgG Alexa488標識二次抗体とインキュベートする。PBSによる2回より多い洗浄の後、PBS中に10μg/mLのヨウ化プロピジウム(Invitrogenカタログ番号P3566)および50μg/mLのリボヌクレアーゼA(Sigmaカタログ番号R−6513)を含有する溶液を加えて核を染色する。蛍光プレートを、ACUMEN EXPLORER(商標)[レーザー走査蛍光マイクロプレート血球計算器(488nmのアルゴンイオンレーザー励起およびTTP LABTECH LTDによって製造された多重光電子倍増管検出から構成される)で走査して、ヒストンH3タンパク質およびDNA含有量のリン酸化を測定する。画像解析は異なる亜集団内の細胞を識別するために細胞蛍光シグナルに基づく。アッセイ出力は、ヒストンH3ホスホ−Ser10陽性細胞のパーセンテージである。IC50値は、Genedata Screener(登録商標)を使用して各出力についての4パラメーターロジスティックへの曲線適合によって決定する。
これは、以下のELISA Meso Scale Discovery(MSD)オーロラAリン酸化阻害アッセイのために使用される細胞溶解上清を調製するためのプロトコルである。小細胞肺がん(SCLC)H446細胞溶解物を、溶解緩衝液(Tris25mM、pH7.5、ロイペプチン10μg/mL、トリプシン−キモトリプシン10μg/mL、トシルフェニルアラニルクロロメチルケトン(TPCK)10μg/mL、アプロチニン10μg/mL、β−グリセロリン酸60mM、Triton X−100 1%、ピロリン酸ナトリウム(Na2H2P2O7)2.5mM、NaCl150mM、EDTA15mM、エチレングリコール四酢酸(EGTA)5mM、Nα−4−トシル−L−アルギニンメチルエステル塩酸塩(TAME)2mM、4−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム塩六水和物(PNPP)15mM、ベンズアミジン5mM、バナジウム酸ナトリウム1mM、フッ化ナトリウム10mM、フェニルメタンスルホニルフルオリド(PMSF)50μg/mL、DTT1mM、オカダ酸1μM、ミクロシスチン1μM)を使用してMSD製造業者の仕様書(http://www.meso−scale.com/CatalogSystemWeb/Documents/Phospho_Aurora_A_Thr288_WCL.pdf)に従って調製する。上清タンパク質濃度をBiorad DC−Proteinアッセイ(#500−0111、BioRad)によって測定し、25μLの1mg/mLの細胞溶解物をオーロラAホスホ−Thr288MSDアッセイのために使用する。
アッセイの目的は細胞培養中のオーロラAキナーゼ阻害活性を測定することである。このアッセイは、96ウェルELISA Meso Scale Discovery(MSD)プレート(#K150 JCD Whole Cell Lysate Kit、Meso Scale Discovery、MD)を使用して実施する。
これは、以下のインビボ標的阻害(IVTI)アッセイにおいて使用される異種移植腫瘍溶解物およびヒストン抽出物を調製するプロトコルである。腫瘍試料を液体窒素中で冷却し、ホイルシート上に置き、ドライアイス容器上に乳鉢および乳棒を置く。腫瘍組織試料を乳棒ですりつぶし、粉砕した腫瘍組織を、Lysing Maxtrix Dビーズ(#6913−500;Biomedicals MP Lysing Maxtrix D)および0.6mLの溶解緩衝液(Tris25mM、pH7.5、ロイペプチン10μg/mL、トリプシン−キモトリプシン10μg/mL、TPCK10μg/mL、アプロチニン10μg/mL、β−グリセロリン酸60mM、Triton X−100 1%、ピロリン酸ナトリウム(Na2H2P2O7)2.5mM、NaCl150mM、EDTA15mM、EGTA5mM、Nα−4−トシル−L−アルギニンメチルエステル塩酸塩(TAME)2mM、PNPP15mM、ベンズアミジン5mM、バナジウム酸ナトリウム1mM、フッ化ナトリウム10mM、PMSF50μg/mL、DTT1mM、オカダ酸1μM、ミクロシスチン1μM)とコンプリートEDTAフリータブレット(#1873580、Roche)を含有するチューブに移す。チューブを、Bio101 fastPrep(#Bio 101、Thermo Seweant)において速度6.0にて30秒間激しく振盪する。腫瘍溶解物をMSD製造業者の仕様書(http://www.meso−scale.com/CatalogSystemWeb/Documents/Phospho_Aurora_A_Thr288_WCL.pdf)に従って調製する。上清タンパク質濃度をBiorad DC−Proteinアッセイ(#500−0111)によって決定する。
このアッセイの目的は、異種移植腫瘍試料を用いてインビボでオーロラAキナーゼ阻害を測定することである。96ウェルELISA Meso Scale Discovery(MSD)プレートフォーマットを用いてアッセイを実施する。MULTI−SPOT(登録商標)ホスホ−オーロラA Singleplexプレート(K150 JCD Whole Cell Lysate Kit、Meso Scale Discovery、MD)に、150μL/ウェルの遮断溶液−A(最終濃度3%のBSA)を入れる。室温にてプレートを1時間振盪し、TrisWash緩衝液で3回洗浄する。上記の腫瘍溶解プロトコルから腫瘍溶解物を1mg/mLに調製し、25μL/ウェルをMULTI−SPOT(登録商標)ホスホ−オーロラMSDプレートに分注する。混合物を室温にてさらに3時間インキュベートし、TrisWash緩衝洗浄液で3回洗浄する。25μL/ウェルの量で1%のBSA抗体希釈緩衝液(1部の3%BSAと2部の洗浄緩衝液、0.02%のブロッカーD−Rを有する緩衝液中で50倍に希釈した抗体)中の検出SULFO−TAGTM抗オーロラAホスホ−T288抗体をプレート内に加え、プレートを室温にて1時間振盪する。プレートをTrisWash緩衝液で3回洗浄し、150μL/ウェルの2×リード緩衝液Tをプレートに加え、次いでMSD SECTORTM Imager6000機器で即座に読み取る。阻害のパーセンテージを、[100−(化合物処理群平均MSD読み取り値/ビヒクル群平均MSD読み取り値)]*100と定義する。
このアッセイの目的は、ヒストンH3ホスホ−Ser10阻害を決定することによって異種移植腫瘍試料を用いてインビボでオーロラBキナーゼ阻害活性を測定することである。なぜならそれはオーロラBのすぐ下流のキナーゼ基層であるからである。96ウェルELISA Meso Scale Discovery(MSD)プレートフォーマットを用いてアッセイを実施する。遮断溶液−A(最終濃度3%のBSA)を、150μL/ウェルにてMULTI−SPOT(登録商標)ヒストンH3 4−Spotプレート(カタログ番号K150 EWD−3 JCD Whole Cell Lysate Kit、Meso Scale Discovery、MD)に加え、プレートを室温にて1時間振盪する。MSD TrisWash緩衝液で3回洗浄した後、上記の腫瘍溶解プロトコルを用いて0.25mg/mLに調製したヒストン抽出物を25μL/ウェルにてMSDプレートに分注する。混合物を室温にてさらに3時間インキュベートし、MSD TrisWash緩衝液で3回洗浄する。検出SULFO−TAG抗ヒストンH3ホスホ−Ser10抗体を、3mLの1%BSA抗体希釈緩衝液(2mLのMSD洗浄緩衝液を有する1mlの3%BSA、0.01%のブロッカーD−M)中で50倍に希釈し、25μL/ウェルをプレートに加え、プレートを室温にて1時間振盪する。次いでプレートをMSD TrisWash緩衝液で3回洗浄する。150μL/ウェルの2×MSDリード緩衝液Tをプレートに加える。プレートをMSD SECTORTM Imager6000機器で即座に読み取る。阻害のパーセンテージを、[100−(化合物処理群平均MSD読み取り値/ビヒクル群平均MSD読み取り値)]*100と定義する。
このアッセイは、SCLC NCI−H446およびSCLC NCI−H69ヌードマウス異種移植モデルにおいてインビボで腫瘍成長阻害を測定することである。全てのインビボ研究は動物管理使用委員会(Institutional Animal Care and Use Protocols)に従って実施する。異種移植モデルに関して、ヒト小細胞肺がんNCI−H446細胞およびヒト小細胞肺がんNCI−H69細胞を供給業者によって推奨されているように維持する。細胞を収集し、洗浄し、無血清培地とマトリゲル(354234、Becton Dickinson)の1:1混合物中に再懸濁する。次いで細胞を、5×106細胞/マウスにて無胸腺ヌード雌性マウス(Harlan Laboratories)のひ腹に皮下移植する。式:v=l×w2×0.536(式中、l=測定直径の長い方であり、w=垂直直径の短い方である)を使用することによって腫瘍体積を推定する。データをSASソフトウェア(SAS Institutes Inc、Cary、NC)を用いて解析する。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] (2S,4S)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−4−[[3−フルオロ−6−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−ピリジル]メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸:
(2R,4R)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−4−[[3−フルオロ−6−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−ピリジル]メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸:
[2] (2R,4R)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−4−[[3−フルオロ−6−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−ピリジル]メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸:
[3] (2R,4R)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−4−[[3−フルオロ−6−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−ピリジル]メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸:
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の化合物または塩と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤とを含む、医薬組成物。
[5] 有効量の[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物または塩を、それを必要とする患者に投与することを含む、がんを治療する方法。
[6] 前記がんが、小細胞肺がん、大腸がん、胃がん、前立腺がん、乳がん、トリプルネガティブ乳がん、子宮頸がん、頭頸部がん、食道がん、卵巣がん、非小細胞肺がん、および非ホジキンリンパ腫からなる群から選択される、[5]に記載の方法。
[7] 前記がんが、小細胞肺がんである、[6]に記載の方法。
[8] 前記がんが、前立腺がんである、[6]に記載の方法。
[9] 前記がんが、トリプルネガティブ乳がんである、[6]に記載の方法。
[10] 前記がんが、子宮頸がんである、[6]に記載の方法。
[11] 前記がんが、頭頸部がんである、[6]に記載の方法。
[12] 療法における使用のための[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物または塩。
[13] がんの治療における使用のための[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物または塩。
[14] 前記がんが、小細胞肺がん、大腸がん、胃がん、前立腺がん、乳がん、トリプルネガティブ乳がん、子宮頸がん、頭頸部がん、食道がん、卵巣がん、非小細胞肺がん、および非ホジキンリンパ腫からなる群から選択される、[13]に記載の使用のための化合物または塩。
[15] 前記がんが、小細胞肺がんである、[14]に記載の使用のための化合物または塩。
[16] 前記がんが、前立腺がんである、[14]に記載の使用のための化合物または塩。
[17] 前記がんが、トリプルネガティブ乳がんである、[14]に記載の使用のための化合物または塩。
[18] 前記がんが、子宮頸がんである、[14]に記載の使用のための化合物または塩。
[19] 前記がんが、頭頸部がんである、[14]に記載の使用のための化合物または塩。
Claims (9)
- (2R,4R)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−4−[[3−フルオロ−6−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−ピリジル]メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸:
またはその薬学的に許容可能な塩である、化合物。 - (2R,4R)−1−[(3−クロロ−2−フルオロ−フェニル)メチル]−4−[[3−フルオロ−6−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]−2−ピリジル]メチル]−2−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸:
である、請求項1に記載の化合物。 - 請求項1または2に記載の化合物または塩と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤とを含む、医薬組成物。
- がんを治療するための組成物であって、前記がんが、小細胞肺がん、大腸がん、胃がん、前立腺がん、乳がん、子宮頸がん、頭頸部がん、食道がん、卵巣がん、非小細胞肺がん、および非ホジキンリンパ腫からなる群から選択される、請求項3に記載の組成物。
- 前記がんが、小細胞肺がんである、請求項4に記載の組成物。
- 前記がんが、前立腺がんである、請求項4に記載の組成物。
- 前記がんが、トリプルネガティブ乳がんである、請求項4に記載の組成物。
- 前記がんが、子宮頸がんである、請求項4に記載の組成物。
- 前記がんが、頭頸部がんである、請求項4に記載の組成物。
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