JP6153768B2 - イオン発生素子およびイオン発生装置 - Google Patents

イオン発生素子およびイオン発生装置 Download PDF

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Description

本発明は、イオン発生素子およびイオン発生装置に関し、特に、高電圧を印加することによりイオンを発生させるための放電電極を備えたイオン発生素子およびこれを備えたイオン発生装置に関する。
針状形状を有する放電電極と誘導電極との間に高電圧を印加した場合に、放電電極の先端近傍の空気が絶縁破壊を起こし部分的な放電が生じることが一般的に知られている。この現象は、コロナ放電と呼ばれている。
このコロナ放電現象を利用したイオン発生素子が実用化されている。当該イオン発生素子が開示された文献としては、たとえば特開2006−34957号公報(特許文献1)および特開平9−262498号公報(特許文献2)がある。
特許文献1に開示のイオン発生素子は、凹部を含む基台と、板状の放電電極および板状の誘導電極を含みかつ凹部に挿入されるセラミックプレートと、セラミックプレートから離隔して基台に設けられた放電電極とを備える。
このような構成とすることにより、セラミックプレートから発生した陽イオンと、放電電極から発生した電子とを結合して中性原子を生成し、当該中性原子と放電電極から発生した陰イオンを殺菌対象に供給することにより、殺菌対象を殺菌することができる。
特許文献2に開示のイオン発生素子は、導電性金属材料からなる支持基板と、支持基板の主表面に平行となるように支持基板に取り付けられた複数の放電電極とを備える。
このような構成とすることにより、長期間に亘ってコロナ放電を発生させることができる。
特開2006−34957号公報 特開平9−262498号公報
近年、イオン発生素子を具備するイオン発生装置にあっては、小型化および薄型化が要求されている。しかしながら、コロナ放電を生じさせるためには、放電電極の先端周辺にある程度の空間が必要となる。この空間を狭く構成した場合には、放電電極からのイオン発生量が減少する問題がある。
ここで、特許文献1に開示の構成にあっては、放電電極が基台に対して垂直に取り付けられているため、イオン発生量を確保しつつ、放電電極と基台とを覆いかつこれらとの間に空気通路を形成する上側ケースと放電電極との間の空間を狭くするのには限界が生じる。このため、イオン発生装置の更なる小型化および薄型化が困難となる。
一方、特許文献2に開示の構成にあっては、支持基板に対して放電電極が水平に取り付けられているため、上記の上側ケースと放電電極との間の空間をより狭くすることが可能となる。しかしながら、イオン発生装置に具備される送風機の厚みに限界があるところ、放電現象が生じやすい放電電極の先端に効率よく送風することができず、イオン発生装置の外部に効率よくイオンを放出することができなくなる。また、放電電極は、圧着やスポット溶接等の方法によって支持基板に取り付けられるため、組立効率が低下することが懸念される。このため、放電電極を支持基板に固定して取り付けるにあたり、組み立て効率やユニットの小型化などの観点から圧着やスポット溶接などによらない、より簡易な取り付け方法が要望される。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、イオン発生量の低減を抑制しつつイオン発生装置を小型化および薄型化することができるイオン発生素子およびこれを具備するイオン発生装置を提供することにある。
本発明に基づくイオン発生素子は、電圧が印加されることにより放電してイオンを発生させる放電電極と、上記放電電極が実装された基板とを備える。上記放電電極は、先端が先細りした針状形状を有し、上記放電電極が、上記基板に対して傾斜している。上記基板には、長軸および短軸を有する平面視細長状の挿通孔が設けられ、上記基板の法線方向から見た場合に上記放電電極の軸線と上記挿通孔の長軸とが重なるように、上記放電電極が、上記挿通孔に挿通されている。
上記本発明に基づくイオン発生素子にあっては、上記放電電極の先端側の端部が、上記基板の上面から突出することが好ましく、上記放電電極の後端側の端部が、上記基板の下面から突出することが好ましい。この場合には、上記放電電極における上記先端側の側面の少なくとも一部が、上記挿通孔の上記上面側に位置する縁部に当接していることが好ましく、上記放電電極における上記後端側の側面の少なくとも一部が、上記挿通孔の上記下面側に位置する縁部に当接していることが好ましい。
本発明に基づくイオン発生装置は、上記イオン発生素子と、吸込口および吹出口を有し、上記イオン発生素子を収納するケースと、上記吹出口との間に上記放電電極が位置するようにケース内に配置され、上記吸込口から吸い込まれた空気を上記吹出口に向けて送風するための送風機とを備える。上記放電電極の先端が、上記吹出口側を向いている。
上記本発明に基づくイオン発生装置にあっては、上記吹出口が、上記放電電極の軸線の延長線上に位置していることが好ましい。
本発明によれば、イオン発生量の低減を抑制しつつイオン発生装置を小型化および薄型化することができるイオン発生素子およびこれを具備するイオン発生装置を提供することができる。
実施の形態1に係るイオン発生装置の概略図である。 図1に示すイオン発生装置の分解斜視図である。 図2に示すイオン発生器の概略図である。 図2に示すイオン発生素子の概略図である。 図2に示すイオン発生器の回路構成を示す図である。 図2に示すイオン発生素子を収容する上側ケーシングの概略図である。 図1に示すVII−VII線に沿った模式断面図である。 図5に示す放電電極の高電圧側回路基板に対する傾斜方向を示す模式図である。 図4に示す挿通孔の形状を示す平面図である。 図7に示す放電電極および挿通孔の大きさを示す模式図である。 実施の形態2としてのイオン発生素子における挿通孔の形状を示す平面図である。 実施の形態3としてのイオン発生素子における挿通孔の形状を示す平面図である。 放電電極とイオン発生装置のケースとの位置関係を示す模式図である。 放電電極を高電圧側回路基板に対して垂直に実装した場合における放電電極の先端からケースまでの距離をイオン濃度との関係を示す図である。 放電電極を高電圧側回路基板に対して傾斜して実装した場合における放電電極の先端からケースまでの距離とイオン濃度との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、実施の形態1に係るイオン発生装置の概略図である。図2は、図1に示すイオン発生装置の分解斜視図である。図1および図2を参照して、実施の形態1に係るイオン発生装置1について説明する。
図1および図2に示すように、実施の形態1に係るイオン発生装置1は、イオン発生器10、送風機50およびこれらを収容するためのケース20を備える。
イオン発生器10は、イオンを発生させるためのイオン発生素子100および駆動ユニット200を含む。
ケース20は、上側ケース20aおよび下側ケース20bを含む。上側ケース20aは、ケース20の幅方向(Y軸方向)の両端に側壁部20cを有する。上側ケース20aは、側壁部20cが下側ケース20bの幅方向の両端部に当接するように下側ケース20bに取り付けられる。これにより、上側ケース20aおよび下側ケース20bによって収容空間が規定され、イオン発生器10および送風機50が当該収容空間に収容される。
ケース20の奥行き方向(X軸方向)の一方端20eには、外部の空気をケース20内に吸い込むための吸込口30が形成され、ケース20の奥行き方向(X軸方向)の他方端20dには、ケース20内に吸い込まれた空気を外部に吹出すための吹出口40が形成される。ケース20の内部には、吸込口30と吹出口40とを連通する空気通路が形成される。
送風機50は、イオン発生器10に含まれるイオン発生素子100よりも奥側(X軸負方向)であって、上側ケース20aと後述する駆動ユニット200との間の隙間に配置され、吸込口30から吸い込まれた空気を吹出口40に送風する。
送風機50は、厚み方向(Z軸方向)に垂直であり上側ケース20aに向かう面に形成された開口50aおよび奥行き方向(X軸方向)に垂直であり吹出口40に向かう面に形成された開口50bを含む。送風機50は、開口50aから吸い込んだ空気を開口50bから吹き出すことにより空気通路を流れる空気流を発生させる。
より具体的には、送風機50は、吸込口30を通過し開口50aから吸い込んだ空気を後述するイオン発生器10と上側ケース20aの内表面との間の空間に向けて開口50bから放出する。開口50bから放出された空気は、空気通路を通過して吹出口40から外部へ排出される。
また、送風機50は、たとえば、遠心ファンやプロペラファンを含んで構成されており、外部電源(不図示)からの電力を用いて作動する。
図3は、図2に示すイオン発生器の概略図である。図3を参照して、実施の形態1に係るイオン発生器10の構成について説明する。
図3に示すように、イオン発生器10におけるイオン発生素子100は、各種の電気部品が高電圧側回路基板130に実装されることで所定の電気回路を構成する回路モジュールからなる。イオン発生素子100における駆動ユニット200は、各種の電気部品が低電圧側回路基板210に実装されることで所定の電気回路を構成する回路モジュールからなる。
イオン発生素子100は、全体としておおよそ扁平な略直方体形状の外形を有するケーシング101によって覆われている。ケーシング101は、上側ケーシング110および下側ケーシング120を有し、上側ケーシング110と下側ケーシング120との間に形成される空間内に平面視略矩形上の高電圧側回路基板130が収容されている。一方、駆動ユニット200は、平面視略矩形状の低電圧側回路基板210が特に筐体等によって覆われることなく、露出した状態とされている。
図4は、図2に示すイオン発生素子の概略図である。上述の図3および図4を参照して、実施の形態1に係るイオン発生素子100について説明する。
図3および図4を参照して、イオン発生素子100は、少なくとも、放電によりイオンを発生させる放電電極と、駆動ユニット200から供給された駆動電圧を昇圧して上記放電電極に印加する昇圧トランスとを含む回路モジュールであり、実施の形態1においては、上述のように高電圧側回路基板130と、放電電極としての第1放電電極(正電極)152aおよび第2放電電極(負電極)152bと、昇圧トランスとしての表面実装型の昇圧トランス140とを有している。
また、イオン発生素子100は、さらに、誘導電極としての第1誘導電極153aおよび第2誘導電極153bと、整流素子としての第1ダイオード151aおよび第2ダイオード151bと、複数のランド131〜134とを有している。
図4に示すように、平面視略矩形状の高電圧側回路基板130の第1主表面としての上面には、第1放電電極152a、第2放電電極152b、第1誘導電極153a、第2誘導電極153bおよび昇圧トランス140が実装されており、当該上面には、ランド131〜134が設けられている。また、高電圧側回路基板130には、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bを挿通させるための挿通孔155aおよび挿通孔155bが設けられている。また、高電圧側回路基板130の上面側の部分には、第1ダイオード151aおよび第2ダイオード151bの一部が達している。
第1放電電極152aおよび第2放電電極152bは、高電圧側回路基板130の挿通孔155aおよび挿通孔155bに挿入されて高電圧側回路基板130を貫通した状態で実装されている。この際、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bは、高電圧側回路基板130に対して傾斜した状態で実装される。第1放電電極152aおよび第2放電電極152bの一端(先端)は、高電圧側回路基板130の上面から突出し、空気中に露出されている。一方、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bの他端(後端)は、上面に対向する高電圧側回路基板130の第2主表面としての下面から突出し、半田157(図8参照)によって高電圧側回路基板130に固定され、配線パターンやリード線によって第1ダイオード151aおよび第2ダイオード151bに電気的に接続される。
第1放電電極152aは、高電圧側回路基板130の幅方向(Y軸方向)における一端部側に位置する一方の角部近傍に配置されており、第2放電電極152bは、高電圧側回路基板130の幅方向における他端部側に位置する一方の角部近傍に配置されている。
第1誘導電極153aは、第1放電電極152aの近傍に位置するように、高電圧側回路基板130の幅方向における一端部側の略中央に配置されており、第2誘導電極153bは、第2放電電極152bの近傍に位置するように、高電圧側回路基板130の幅方向における他端部側の略中央に配置されている。
昇圧トランス140は、高電圧側回路基板130の上面の略中央部において、その軸方向が奥行き方向(X軸方向)に平行となるように配置されている。
ランド131〜133は、高電圧側回路基板130の幅方向(Y軸方向)における一端部側に位置する他方の角部近傍に配置されており、ランド134は、高電圧側回路基板130の幅方向における他端部側に位置する他方の角部近傍に配置されている。
第1ダイオード151aは、高電圧側回路基板130の幅方向における一端部と中央部の間の位置に配置されており、高電圧側回路基板130に設けられた切欠き部に嵌り込むように設けられている。第2ダイオード151bは、高電圧側回路基板の幅方向における他端部と中央部との間の位置に配置されており、高電圧側回路基板130に設けられた切欠き部に嵌り込むように設けられている。
一方、図2に示すように、駆動ユニット200は、少なくともイオン発生素子100を駆動するための電源回路であり、実施の形態1においては、上述のように低電圧側回路基板210と、当該低電圧側回路基板210に設けられた図示しない電源回路とを有している。
また、駆動ユニット200は、さらに複数のランド211〜214と、図示しない昇圧トランス駆動回路と、コネクタ220とを有する。ここで、昇圧トランス駆動回路は、イオン発生素子100に設けられた昇圧トランス140の駆動を制御するためのものであり、コネクタ220は、たとえば外部電源(実施の形態1においては、乾電池や蓄電池といった直流電源、場合によっては商用電源等)にイオン発生器10を接続するための電源端子や、外部の制御機器等にイオン発生器10を接続するための信号端子等を含んでいる。
イオン発生素子100と駆動ユニット200とは、図示しないビス等によって近接配置されて物理的に固定されている。また、高電圧側回路基板130に設けられた複数のランド131〜134と、低電圧側回路基板210に設けられた複数のランド211〜214とが、これらの間の電気的な接続を実現する接続部材300によってそれぞれ対応付けて接続されることにより、電気的に接続されている。なお、接続部材300としては、特にその種類が限定されるものではないが、ボンディングワイヤや導電テープ、両端が半田付け等によってランドに接続される導電線(バスバ)等、公知の手段が利用可能である。
実施の形態1におけるイオン発生器10においては、駆動ユニット200に設けられた電源回路によって生成された駆動電圧が、イオン発生素子100に供給され、これが昇圧トランス140に供給されて昇圧されることで第1放電電極152aおよび第2放電電極152bに印加される。これにより、第1放電電極152a−第1誘導電極153a間および第2放電電極152b−第2誘導電極153b間において放電を生じさせる。この放電により、第1放電電極152aの近傍の空間において正イオンが発生し、第2放電電極152bの近傍の空間において負イオンが発生する。
図5は、図2に示すイオン発生器の回路構成を示す図である。図3および図5を参照して、イオン発生器10の回路構成およびその動作について説明する。
上述した第1放電電極152a、第2放電電極152b、昇圧トランス140、第1誘導電極153a、第2誘導電極153b、第1ダイオード151a、第2ダイオード151b、コンデンサ161、トランジスタ162および複数のランド131〜134は、いずれもイオン発生素子100の高電圧側回路基板130に設けられており、当該高電圧側回路基板130に設けられた配線パターンにより、相互に電気的に接続されている。
高電圧側回路基板130に設けられたランド131〜134のうち、第1ランドとしてのランド131は、電源入力端子であり、ランド132は、第1接地端子であり、ランド133は、信号入力端子であり、ランド134は、第2接地端子である。
コンデンサ161は、ランド131を介して供給される駆動電圧に基づいて一時的に充電を行なってこれを昇圧トランス140に供給するものであり、一端がランド131に接続されており、他端がランド132に接続されている。コンデンサ161は、たとえばセラミックコンデンサからなり、高電圧側回路基板130に実装が可能な表面実装部品(不図示)にて構成される。
昇圧トランス140は、一次巻線141と二次巻線142とを含み、供給された駆動電圧を昇圧してこれを第1放電電極152aおよび第2放電電極152bに印加するためのものである。一次巻線141の一端は、ランド131に接続されており、一次巻線141の他端は、トランジスタ162を介してランド134に接続されている。二次巻線142の一端は、一次巻線141の上記一端に接続されるとともに、上述したランド131に接続されており、二次巻線142の他端は、第1ダイオード151aおよび第2ダイオード151bのそれぞれを介して第1放電電極152aおよび第2放電電極152bに接続されている。昇圧トランス140は、高電圧側回路基板130に実装が可能な表面実装部品(不図示)にて構成される。
トランジスタ162は、昇圧トランス140の駆動を制御するためのものであり、そのベースが昇圧トランス140の一次巻線141の上記他端に接続されており、そのソースがランド134に接続されており、そのゲートがランド133に接続されている。トランジスタ162は、たとえばパッケージ化されたMOSトランジスタからなり、高電圧側回路基板130に実装可能な表面実装部品(不図示)にて構成される。
第1ダイオード151aは、電流を整流するためのものであり、そのアノードが昇圧トランス140の二次巻線142の上記他端に接続されており、そのカソードが第1放電電極152aに接続されている。第2ダイオード151bは、電流を整流するためのものであり、そのアノードが第2放電電極152bに接続されており、そのカソードが昇圧トランス140の二次巻線142の上記他端に接続されている。第1ダイオード151aおよび第2ダイオード151bは、いずれもディスクリート部品にて構成されており、高電圧側回路基板130に実装が可能なアキシャルタイプの実装部品にて構成される。
第1放電電極152aは、放電を生じさせることで正イオンを発生させるためのものであり、第1ダイオード151aのカソードに接続されている。第2放電電極152bは、放電を生じさせるための電極であり、第2ダイオード151bのアノードに接続されている。第1放電電極152aおよび第2放電電極152bは、いずれもその一端が先細りした針状形状を有しており、高電圧側回路基板130に実装が可能なピンタイプの部品(図4参照)にて構成される。第1放電電極152aおよび第2放電電極152bの材質としては、高い電界強度に対して耐久性の高いインコネルなどの材質が好ましい。
第1誘導電極153aは、第1放電電極152aの近傍に配置されることで第1放電電極152aにて放電が生じるように誘導するためのものであり、ランド132に接続されている。第2誘導電極153bは、第2放電電極152bの近傍に配置されることで第2放電電極152bにて放電が生じるように誘電するためのものであり、ランド134に接続されている。第1誘導電極153aおよび第2誘導電極153bは、いずれも高電圧側回路基板130の表面に形成された導電パターン(図4参照)にて構成される。
一方、駆動ユニット200の低電圧側回路基板210に設けられたランド211〜214のうち、第2ランドとしてのランド211は、電源出力端子であり、ランド212は、第3接続端子であり、ランド213は、信号出力端子であり、ランド214は、第4接地端子である。
低電圧側回路基板210に設けられた電源回路は、上述したコネクタ220を介して外部の直流電源から入力された直流電源圧を調整して所定の駆動電圧を生成し、ランド211を介するとともに、さらに接続部材300およびランド131を経由することで、これをイオン発生素子100に供給する。
低電圧側回路基板210に設けられた昇圧トランス駆動回路は、トランジスタ162のオン/オフ動作を制御する信号を生成し、ランド213を介するとともに、さらに接続部材300およびランド133を経由することで、これをイオン発生素子100に導出する。
また、低電圧側回路基板210には、接地電位に保持される接地パターンが設けられており、これがランド212、214に接続されている。当該ランド212、214は、それぞれ接続部材300を介してイオン発生素子100に設けられたランド132、134に接続されている。
実施の形態1においては、上記回路構成とすることにより、コンデンサ161において繰り返し充放電が行なわれることになり、これに同期させてトランジスタ162のオン/オフ動作を切り替えることにより、昇圧トランス140の一次巻線141にインパルス電圧が発生する。これにより、昇圧トランス140の二次巻線142に正および負の高電圧パルスが交互に発生することになる。発生した正の高電圧パルスは、第1ダイオード151aを介して第1放電電極152aに印加され、発生した負の高電圧パルスは、第2ダイオード151bを介して第2放電電極152bに印加される。この結果、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bの先端でコロナ放電が発生し、それぞれ正イオンおよび負イオンが発生する。
コロナ放電によって生じた正イオンは、空気中の水分と結合して、主として、H(HO)m(mは任意の自然数である。)を含んで構成されている電荷が正のクラスタイオンを形成する。コロナ放電によって生じた負イオンは、空気中の水分と結合して主としてO (HO)n(nは零または任意の自然数である。)を含んで構成される電荷が負のクラスタイオンを形成する。なお、発生するイオンの量(濃度)は、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bに印加される電圧およびパルス周期によって調整される。
図6は、図2に示すイオン発生素子を収容する上側ケーシングを示す図である。図3および図6を参照して、イオン発生素子100を収容するケーシング101について説明する。
図3に示すように、ケーシング101は、下面開口の箱状の上側ケーシング110および上面開口の下側ケーシング120とを含む。
図6に示すように、上側ケーシング110の昇圧トランス140に対応した位置には、昇圧トランス140を覆うとともにこれを収容可能にする凸状の昇圧トランス収容部111が設けられている。また、上側ケーシング110の第1ダイオード151aおよび第2ダイオード151bに対応する位置には、それぞれ、第1ダイオード151aおよび第2ダイオード151bを覆うとともにこれらを収容可能にする凸状のダイオード収容部112aおよび112bが設けられている。
さらに、上側ケーシング110の第1放電電極152aおよび第2放電電極152bに対応した位置には、それぞれ第1放電電極152aおよび第2放電電極152bの一端(先端)を空気中に露出可能にする放電電極収容孔113aおよび113bが設けられている。また、上側ケーシング110のランド131〜133に対応した位置には、ランド131〜133を露出させる窓部114aが設けられており、上側ケーシング110のランド134に対応した位置には、ランド134を露出させる窓部114bが設けられている。
一方、下側ケーシング120の第1ダイオード151aおよび第2ダイオード151bに対応する位置には、それぞれ第1ダイオード151aおよび第2ダイオード151bの端部を収容可能にする2つのダイオード収容部(不図示)が設けられている。
イオン発生素子100の組み立てに際しては、まず、各種部品が実装された後の高電圧側回路基板130に上側ケーシング110が組み付けられ、さらにその後に上側ケーシング110に対して下側ケーシング120が組み付けられる。このとき、上側ケーシング110の支持枠部115a、115b上に、高電圧側回路基板130の端部が載置されるようにする。
図7は、図1に示すVII−VII線に沿った模式断面図である。図7を参照して、イオン発生装置1内における空気の流れについて説明する。なお、イオン発生素子100を収容するケーシングについては、その図示を省略している。
図7に示すように、送風機50が作動すると、吸込口30から外部の空気がケース20内に吸い込まれる(矢印A1)。ケース20内に吸い込まれた空気は、送風機50と上側ケース20aとの間の空間を通って送風機50に導入される(矢印B1)。送風機50に導入された空気は、高電圧側回路基板130の上面と上側ケース20aとの間の空間に放出される(矢印C1)。この際、矢印C1に示すように、高電圧側回路基板130の上面と、当該上面に対向する上側ケース20aの内表面との間の略中央部において、風量が大きくなる。
送風機50から放出された空気は、昇圧トランス140を覆う昇圧トランス収容部111(図6参照)によって第1空気流と第2空気流に分割される。第1空気流は、第1放電電極152a側に移動し、第1放電電極152aから発生された正イオンを吹出口40を通して外部に搬送する。第2空気流は、第2放電電極152b側に移動し、第2放電電極152bから発生された負イオンを吹出口40を通して外部へ搬送する。
正イオンおよび負イオンを発生させる際には、針状形状を有する第1放電電極152aおよび第2放電電極152bの先端において電界強度が強くなるため、これら先端において正イオンおよび負イオンの発生量が多くなる。このため、送風機50からの風量が大きくなる部分に第1放電電極152aおよび第2放電電極152bの先端を配置することにより、正イオンおよび負イオンを外部に効率よく搬送することができる。
上述のように、高電圧側回路基板130の上面と、当該上面に対向する上側ケース20aの内表面との間の略中央部において、送風機50からの風量が大きくなるため、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bの先端は、高電圧側回路基板130の上面と、当該上面に対向する上側ケース20aの内表面との間の略中央部に配置されることが好ましい。
また、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bの先端を吹出口40に近づけることにより、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bから発生した正イオンおよび負イオンが空気通路内にて損失することを抑制でき、イオン濃度が高い状態を維持することができる。
以下に、高電圧側回路基板130に傾斜して実装された第1放電電極152aおよび第2放電電極152bの傾斜方向ならびにこれら放電電極とイオン発生装置1のケース20との位置関係について説明する。なお、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bは、高電圧側回路基板130に対してほぼ同様の状態となるように実装されるため、第1放電電極152aのみに着目して説明する。
図8は、図5に示す放電電極の高電圧側回路基板に対する傾斜方向を示す模式図である。図9は、図7に示す挿通孔の形状を示す平面図である。図8および図9を参照して、放電電極の傾斜方向および高電圧側回路基板130への実装状態について説明する。
図8に示すように、イオン発生装置1内において、イオン発生素子100は、第1放電電極152aの先端(一端)が上側ケース20a側に位置し第1放電電極152aの後端(他端)が下側ケース20b側に位置するように、配置される。第1放電電極152aの後端側は、半田157によって高電圧側回路基板130に固定されている。
この際、第1放電電極152aの先端は、吹出口40側を向いている。これにより、第1放電電極152aから上側ケース20aまでのZ軸方向に沿った距離を短くすることができ、イオン発生装置1の小型化、薄型化が可能となる。また、吹出口40は、第1放電電極152aの軸線の延長線(破線E)上に位置していることが好ましい。
図9に示すように、高電圧側回路基板130には、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bを実装する位置に短軸L1および長軸L2とを有する平面視長円状の挿通孔155aおよび155bが設けられている。ここで長円状の形状とは、たとえば両端に位置する曲線部の端部を直線で繋いだトラック形状や楕円形状を含む形状を指す。挿通孔155aおよび155bは、高電圧側回路基板130の幅方向(Y軸方向)に平行な短軸L1および奥行き方向(X軸方向)に平行な長軸L2を有する。
また、第1放電電極152aは、先端が先細りした針状形状を有する略円柱状であり、長軸L2は、第1放電電極152aの直径(奥行き方向の長さ)よりも長くなるように形成されている。これにより、高電圧側回路基板130の法線方向から見た場合に第1放電電極152aの軸線と挿通孔155aの長軸L2とが重なるように、第1放電電極152aを挿通孔155aに挿通した状態で高電圧側回路基板130に実装することができる。この結果、放電電極を簡易にかつ安定して高電圧側回路基板に傾斜して実装することができる。
図8に示すように、第1放電電極152aが挿通孔155aに挿通されて実装された状態にあっては、第1放電電極152aにおける先端側の側面の一部が挿通孔155aの高電圧側回路基板130の上面側の縁部に当接し、第1放電電極152aにおける後端(後端)側の側面の一部が挿通孔155aの高電圧側回路基板130の下面側の縁部に当接している。なお、挿通孔155aは、高電圧側回路基板130に対して厚み方向(Z軸方向)に平行に貫通して設けられている。
図10は、図7に示す放電電極および挿通孔の大きさを示す模式図である。図10を参照して、放電電極および挿通孔の形状並びに傾斜角度の一例について説明する。
図10に示すように、挿通孔155aの長軸L2の長さは、高電圧側回路基板130の厚さh1、第1放電電極152aの直径Dおよび第1放電電極152aと高電圧側回路基板130との成す角度θ1によって決定することができる。たとえば、高電圧側回路基板130の厚さh1を1[mm]、第1放電電極152aの直径Dを1[mm]、第1放電電極152aと高電圧側回路基板130との成す角度θ1を45度とする場合には、挿通孔155aの長軸L2を1+√2[mm]に設定すればよい。
また、挿通孔155aおよび155bの形状は、上述のように長軸L2が奥行き方向(X軸方向)に平行な平面視長円状の形状に限定されず、以下の実施の形態2としてのイオン発生素子における挿通孔の形状(平面視略矩形形状)および実施の形態3としてのイオン発生素子における挿通孔の形状(平面視長円形状)を包含する長軸および短軸を有する細長形状であってもよい。
図11は、実施の形態2としてのイオン発生素子における挿通孔の形状を示す平面図である。図11を参照して、実施の形態2としてのイオン発生素子における挿通孔155cおよび155dの形状について説明する。なお、実施の形態2としてのイオン発生素子は、挿通孔155cおよび155dの形状以外の構成は、実施の形態1に係るイオン発生素子100の構成とほぼ同様である。
図11に示すように、実施の形態2としてのイオン発生素子における挿通孔155cおよび155dは、長軸が奥行き方向(X軸方向)に平行な平面視略矩形状に設けられている。このように挿通孔が構成された場合にあっても、高電圧側回路基板130の法線方向から見た場合に第1放電電極および第2放電電極の軸線と挿通孔155cの長軸L2および挿通孔155dの長軸L2とが重なるように、第1放電電極および第2放電電極を挿通孔155cおよび155dに挿通した状態で高電圧側回路基板130に実装することができる。これにより、放電電極を簡易にかつ安定して高電圧側回路基板に傾斜して実装することができる。
図12は、実施の形態3としてのイオン発生素子における挿通孔の形状を示す平面図である。図12を参照して、実施の形態3としてのイオン発生素子における挿通孔155eおよび155fについて説明する。なお、実施の形態3としてのイオン発生素子は、挿通孔155eおよび155fの形状以外の構成は、実施の形態1のイオン発生素子の構成とほぼ同様である。
図12に示すように、実施の形態3としてのイオン発生素子における挿通孔155eおよび155fは、長軸が奥行き方向(X軸方向)に非平行であり、高電圧側回路基板の手前方向(X軸正方向)に向かうにつれて互いに離隔する平面視長円状に設けられている。このように挿通孔が構成された場合にあっても、高電圧側回路基板130の法線方向から見た場合に第1放電電極および第2放電電極の軸線と挿通孔155cの長軸L2および挿通孔155dの長軸L2とが重なるように、第1放電電極および第2放電電極を挿通孔155eおよび155fに挿通した状態で高電圧側回路基板130に実装することができる。これにより、放電電極を簡易にかつ安定して高電圧側回路基板に傾斜して実装することができる。
なお、イオン発生素子に設けられる挿通孔の形状は、上述の実施の形態1から3において説明した挿通孔の形状に限定されず、放電電極を実装しやすい形状を適宜採用することができる。また、放電電極を向けたい方向に沿って挿通孔を適宜形成することもできる。
以下、実施の形態1に戻って説明を続ける。図13は、放電電極とイオン発生装置のケースとの位置関係を示す模式図である。図13を参照して、放電電極とイオン発生装置のケースとの位置関係について説明する。
図13において、高電圧側回路基板130に対して傾斜して実装された実施の形態1に係る第1放電電極152aを実線にて示し、高電圧側回路基板130に対して垂直に実装された第1放電電極352aを破線にて示し、高電圧側回路基板130に対して平行に実装された第1放電電極452aを破線にて示す。
上述のように、送風機50からの風量の大きさを考慮した場合にあっては、放電電極の先端が、高電圧側回路基板130とこれに対向する上側ケース20aの内表面との間の距離の略中央に配置されることが好ましい。
第1放電電極が高電圧側回路基板に対して垂直に実装される場合にあっては、高電圧側回路基板130の上面から第1放電電極352aの先端までの距離をA[mm]とすると、高電圧側回路基板130に対向する上側ケース320aの内表面は、高電圧側回路基板130の上面からZ軸方向に沿って2×A[mm]離れた位置に配置される。また、この場合の下側ケース20bの内表面からこれに対向する上側ケース320aの内表面までの距離をB[mm]とする。
第1放電電極が高電圧側回路基板に対して傾斜して実装される場合にあっては、第1放電電極が高電圧側回路基板に対して垂直に実装される場合と比較して、高電圧側回路基板130の上面から第1放電電極152aの先端までの距離をα[mm]低くすることができる。
このため、第1放電電極が高電圧側回路基板に対して傾斜して実装される場合にあっては、高電圧側回路基板130の上面から第1放電電極152aの先端までの距離が(A−α)[mm]となり、高電圧側回路基板130に対向する上側ケース20aの内表面は、高電圧側回路基板130の上面からZ軸方向に沿って2×(A−α)[mm]離れた位置に配置され、第1放電電極が高電圧側回路基板に対して垂直に実装される場合と比較して、イオン発生装置1の厚さを2×α[mm]薄くさせることができる。すなわち、下側ケース20bの内表面からこれに対向する上側ケース20aの内表面までの距離は(B−2α)[mm]となる。
また、第1放電電極が高電圧側回路基板に対して傾斜して実装される場合にあっては、第1放電電極が高電圧側回路基板に対して垂直に実装される場合と比較して、第1放電電極152aの先端を高電圧側回路基板130の手前側(イオン発生装置1の吹出口40側)に近づけることができる。
なお、第1放電電極が高電圧側回路基板に対して水平に実装される場合にあっては、送風機50の厚みを考慮すると第1放電電極451aの先端が、空気通路の下方に位置し、風量の小さい位置に配置されることとなり、イオンを外部に効率よく搬送することができなくなる。
このように、第1放電電極が高電圧側回路基板に対して傾斜して実装される場合には、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bの先端を送風機50からの風量が大きくなる部分に配置し、かつ、イオン発生装置の吹出口に近付けることが可能となり、イオンの空気通路内での損失を抑制し、正イオンおよび負イオンをイオン発生装置1の外部に効率よく搬送することができる。また、イオン発生装置1の小型化、薄型化ができる。
以上の構成とすることにより、実施の形態1に係るイオン発生素子100においては、高電圧側回路基板130に第1放電電極152aおよび第2放電電極152bを実装する際に、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bの向きを高電圧側回路基板130に形成された挿通孔155aおよび155bの長軸L2の方向によって決定することができ、また、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bと高電圧側回路基板130との成す角度θ1については、挿通孔155aおよび155bの長軸L2の長さによって決定することができる。このため、実施の形態1に係るイオン発生素子100にあっては、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bの実装の際における位置決めを安定かつ簡易に行うことができる。
また、実施の形態1に係るイオン発生素子100においては、放電電極が高電圧側回路基板に傾斜して実装されることにより、イオン発生量の低減を抑制しつつイオン発生装置を小型化および薄型化することができる。
上述のように実施の形態1に係るイオン発生素子100は、第1放電電極152aから正イオンが発生し、第2放電電極152bから負イオンが発生するように構成される場合を例示して説明したが、これに限定されず、実施の形態4としてのイオン発生素子にあっては、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bから負イオンのみが発生するように構成されてもよい。
また、上述のように実施の形態1に係るイオン発生素子100おいては、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bが高電圧側回路基板130に実装される場合を例示して説明したが、これに限定されず、実施の形態5としてのイオン発生素子にあっては、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bが回路を有さない板状部材に実装されていてもよい。この場合には、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bは、リード線等によって板状部材とは別体の高電圧側回路基板130に電気的に接続されるものとする。なお、第1放電電極152aおよび第2放電電極152bが実装される部材は、回路を有さない板状部材に限定されず任意の基板を選択することができる。
さらに、上述のように実施の形態1に係るイオン発生素子100においては、挿通孔155a,155bは、高電圧側回路基板130に対して厚み方向(Z軸方向)に平行に貫通するように設けられる場合を例示して説明したが、これに限定されず、実施の形態6としてのイオン発生素子にあっては、挿通孔155a,155bが、高電圧側回路基板130に対して厚み方向(Z軸方向)に傾斜して貫通するように設けられてもよい。
また、上述した実施の形態2から6としてのイオン発生素子においても、実施の形態1に係るイオン発生素子とほぼ同様の効果が得られる。
図14は、放電電極を高電圧側回路基板に対して垂直に実装した場合における放電電極の先端からケースまでの距離をイオン濃度との関係を示す図である。図15は、放電電極を高電圧側回路基板に対して傾斜して実装した場合における放電電極の先端からケースまでの距離とイオン濃度との関係を示す図である。図14および図15を参照して、本発明の効果を検証するために行なった検証実験について説明する。
実施例として、高電圧側回路基板に傾斜して第1放電電極および第2放電電極が実装された実施の形態1に係るイオン発生素子を2つ準備し、比較例として、高電圧側回路基板に垂直に第1放電電極および第2放電電極が実装されたイオン発生素子を2つ準備した。
実施例および比較例のイオン発生素子に具備される放電電極の先端と、当該先端の上方に位置するイオン発生装置の上側ケースとの距離を変化させた場合におけるイオン装置から外部に放出される正イオンおよび負イオンのイオン濃度をそれぞれイオンカウンタによって測定した。なお、実施例および比較例において所定の上記距離における初期の正イオンおよび負イオンのイオン濃度を100%とする。
図14に示すように、比較例における2つのイオン発生素子の第1放電電極からそれぞれ放電される正イオンを垂直配置サンプル1の正イオンおよび垂直配置サンプル2の正イオンと称し、比較例における2つのイオン発生素子の第2放電電極から放電される負イオンを垂直配置サンプル1の負イオンおよび垂直配置サンプル2の負イオンと称する。
図14に示すように、放電電極を高電圧側回路基板に対して垂直に実装した場合にあっては、放電電極の先端と当該先端の上方に位置するイオン発生装置の上側ケースとの距離が1[mm]となる場合に、負イオンの1つを除き、イオン濃度が低下することが確認され、正イオンの濃度が略10%まで低下する場合も確認された。さらに、上記距離が0.7[mm]の場合におけるイオン濃度は、正イオン、負イオンのいずれもが1〜5%程度まで低下することが確認された。
図15に示すように、実施例に係る2つのイオン発生素子の第1放電電極からそれぞれ放電される正イオンを斜め配置サンプル1の正イオンおよび斜め配置サンプル2の正イオンと称し、実施例に係る2つのイオン発生素子の第2放電電極から放電される負イオンを斜め配置サンプル1の負イオンおよび斜め配置サンプル2の負イオンと称する。
図15に示すように、放電電極を高電圧側回路基板に対して傾斜して実装した場合にあっては、特に、負イオンの濃度が、放電電極の先端と、当該先端の上方に位置するイオン発生装置の上側ケースとの距離が小さくなるにつれて減少する傾向がみられたが、当該距離が0.7[mm]の場合におけるイオン濃度は、初期の濃度の50%程度に収まっている。
以上の検証実験の結果から、放電電極を高電圧側回路基板に対して傾斜して実装することにより、イオン発生量の減少を抑制しつつ、イオン発生装置を小型化および薄型化することができることが実験的にも確認されたと言える。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 イオン発生装置、10 イオン発生器、20 ケース、20a 上側ケース、20b 下側ケース、20c 側壁部、20d 他方端、20e 一方端、30 吸込口、40 吹出口、50 送風機、50a,50b 開口、100 イオン発生素子、101 ケーシング、110 上側ケーシング、111 昇圧トランス収容部、112a ダイオード収容部、113a,113b 放電電極収容孔、114a,114b 窓部、120 下側ケーシング、130 高電圧側回路基板、131〜134,211〜214 ランド、140 昇圧トランス、141 一次巻線、142 二次巻線、151a 第1ダイオード、151b 第2ダイオード、152b 第2放電電極、153a 第1誘導電極、153b 第2誘導電極、155a,155b,155c,155d,155e 挿通孔、161 コンデンサ、162 トランジスタ、200 駆動ユニット、210 低電圧側回路基板、220 コネクタ、300 接続部材。

Claims (4)

  1. 電圧が印加されることにより放電してイオンを発生させる放電電極と、
    前記放電電極が実装された基板とを備え、
    前記放電電極は、先端が先細りした針状形状を有し、
    前記放電電極が、前記基板に対して傾斜しており、
    前記基板には、長軸および短軸を有する平面視細長状の挿通孔が設けられ、
    前記基板の法線方向から見た場合に前記放電電極の軸線と前記挿通孔の長軸とが重なるように、前記放電電極が、前記挿通孔に挿通されている、イオン発生素子。
  2. 前記放電電極の先端側の端部が、前記基板の上面から突出し、
    前記放電電極の後端側の端部が、前記基板の下面から突出し、
    前記放電電極における前記先端側の側面の少なくとも一部が、前記挿通孔の前記上面側に位置する縁部に当接し、
    前記放電電極における前記後端側の側面の少なくとも一部が、前記挿通孔の前記下面側に位置する縁部に当接している、請求項に記載のイオン発生素子。
  3. 請求項1または2に記載のイオン発生素子と、
    吸込口および吹出口を有し、前記イオン発生素子を収納するケースと、
    前記吹出口との間に前記放電電極が位置するように前記ケース内に配置され、前記吸込口から吸い込まれた空気を前記吹出口に向けて送風するための送風機とを備え、
    前記放電電極の先端が、前記吹出口側を向いている、イオン発生装置。
  4. 前記吹出口が、前記放電電極の軸線の延長線上に位置している、請求項に記載のイオン発生装置。
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