JP6153729B2 - 編組パッキン及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、火力発電プラント、コンビナート等の排気ダクトや吸気管など高温ガス流体が流れる配管に設けられたマンホールの蓋や各種工業炉の蓋のシールに用いる施工性及びシール性に優れた非石綿の編組パッキン及びその製造方法に関するものである。
パッキンは、バルブ用パッキン、回転機器用パッキン及びその他のパッキンに大別される。バルブ用パッキンは、バルブのスタッフィングボックスに組み込み、弁棒(ステム)の接触部からの漏れを封止するシール材である。回転機器用パッキンは、ポンプ、撹拌機等の回転機器の軸(シャフト)の接触部からの漏れを封止するシール材である。その他のパッキンは、高温ガス流体が流れる配管に設けられたマンホールの蓋や各種工業炉の蓋の接触部、ドア扉の接触部など固定部材間のシールに使用されるシール材である。
固定部材間のシールに使用されるシール材(パッキン)としては、ガラス繊維のヤーンを断面角形に編組した角打ちパッキン、金属線で補強したセラミックファイバーを断面角形又は高密度に編組した角打ちパッキン、またはこれらの角打ちパッキンを黒鉛系含浸在で含浸した角打ちパッキン等が挙げられる。これらのパッキンを使用するには、巻物となったものを所定の長さに切断し、例えばフランジの溝内において切り口同士を突き合わせて装填する。
一方、バルブ用パッキンや回転機器用パッキン等の所謂グランドパッキンとしては、膨張黒鉛系パッキンに、パラフィンエマルジョンとポリエチレングリコールの混合処理液の含浸により、パラフィンとポリエチレングリコールが付着したグランドパッキンが知られている(特開2001−165324号公報)。
特開2001−165324号公報
「NICHIAS パッキン」ニチアス株式会社カタログ;P26、2012年5月改訂
しかしながら、従来の固定部材間のシールに使用される編組パッキンは、使用の際、必要な長さに切断した切り口がほつれることがあった。すなわち、セラミック繊維を編組したパッキンは短繊維を縒り集めたものであるため切り口がほつれ易くなり、ガラス繊維等の長繊維を編組したものは弾性により切り口がほつれ易くなるという問題があった。図7の編組パッキン100のように、切り口102、102にほつれ101が生じると、ほつれ部の径が本来の径(呼び径)より大きくなり、溝への装填が難しくなるなど施工時に切り口の突き合わせが上手くいかず、シール性が悪くなり、高温空気や燃焼排気ガスが漏れるという問題があった。また、従来の編組パッキンは、高温条件下、長期間に亘って優れたシール性を発揮するという点では未だ十分ではなく、改良の余地があった。
一方、特開2001−165324号公報のグランドパッキンは、鱗片状の膨張黒鉛粉末が金属からなる相手軸材に対して付着し易い傾向があり、使用により軸の摺動(または回転)抵抗が増加して軸が回らなくなるという問題を、パラフィンとポリエチレングリコールを含ませることで、摺動抵抗の増加を抑制したものであり、切り口のほつれ防止を目的としたものではない。
従って、本発明の目的は、固体部材間のシールに使用される編組パッキンにおける切り口のほつれを防止すると共に、特に高温条件下での優れたシール性を有する編組パッキン及びその製造方法を提供することにある。
かかる実情において、本発明者等は鋭意検討を行った結果、パラフィン等の特定の有機固形物と酸化チタン等の特定の充填剤を含有した編組パッキンであれば、切り口のほつれを防止すると共に、特に高温条件下での優れたシール性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、無機繊維を多数本集束させた糸を編組してなる編組パッキンであって、パラフィン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド及びポリビニルピロリドンから選ばれる1種又は2種以上の粉末又は顆粒(A)と、酸化チタン、アルミナ、タルク、マイカ、クレー及び炭酸カルシウムから選ばれる1種又は2種以上の粉末(B)を含有する200℃を超える高温条件下における固定部材間のシールに使用され、該成分(A)は上記高温条件下の使用において消失するものであることを特徴とする編組パッキンを提供するものである。
本発明の編組パッキンによれば、パラフィン等の粉末又は顆粒が、糸同士を接着しているため、切り口のほつれを防止できる。このため、施工時に突き合わせが上手くいき施工性が高まると共に、突き合わせ部分におけるシール性も向上する。また、パラフィン等の粉末又は顆粒は、高温条件下において消失するが、充填剤が編組パッキン中の微少隙間に付着しており、優れたシール性は長期間に亘り持続する。
本発明の編組パッキンが使用されるマンホール部分の簡略図である。 本発明の編組パッキンが使用される平蓋フランジの断面図である。 本発明の編組パッキンが使用される押し込み蓋フランジの断面図である。 シール試験に使用される平蓋フランジの簡略図である。 シール試験に使用される押し込み蓋フランジの簡略図である。 切断時ほつれ観察試験結果を示す写真である。 実施例1の編組パッキンにおいて切り口を突き合わせた写真である。 従来の編組パッキンのほつれ部分を示す写真である。
次に、本発明の実施の形態における編組パッキンを説明する。本例の編組パッキンは、固定部材間のシール、特に200℃を越える高温条件下における固定部材間のシールに使用されるものであり、切り口のほつれ防止とシール性と耐熱性が要求される。このため、同じ編組パッキンであっても、軸の摺動(または回転)抵抗の増加の抑制が要求されるグランドパッキンとは設計思想を大きく違える。固定部材とは、編組パッキンが装填される部材、すなわち、編組パッキンと接触する部材が、回転等を伴わない例えばフランジと蓋のような静止部材であることを意味する。
固定部材間のシールとしては、図1に示すような高温ガス流体1が流れる配管2に設置されるマンホール3の蓋4のシール又は各種工業炉の蓋のシールが挙げられる。蓋のシールとしては、例えばマンホール3のフランジ31aの溝32内に編組パッキン10を頭の一部が出る状態で装填し、編組パッキン10と平蓋4aの裏面間でシールする方法(図2)及びマンホール3のフランジ31bの溝32内に編組パッキン10を装填し、編組パッキン10と押し込み蓋4bの裏面に形成された先端が平坦な環状突起間でシールする方法(図3)が挙げられる。
編組パッキン10を構成する無機繊維としては、非石綿系無機繊維であって、ガラス繊維、アルミナ繊維、金属繊維、セラミック繊維、鉱滓繊維、鉱物繊維、セピオライト、カーボン繊維、グラファイト繊維等が挙げられる。この中、ガラス繊維が400℃程度までの高温に耐えられる繊維である点で好ましく、アルミナ繊維が800℃程度までの高温に耐えられると共に、カーボン繊維と比べて安価である点で好ましい。なお、無機繊維には、無機繊維を補強する金属線が含まれていてもよい。
編組パッキン10は、無機繊維を多数本集束させた糸を編組してなるものである。編組としては、八編み、袋編み、格子編みなどが挙げられる。編組パッキン10には、ヤーンを束ねて中芯材とし、表層部を無機繊維で編組したものも含まれる。
編組パッキン10は、パラフィン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド及びポリビニルピロリドンから選ばれる1種又は2種以上の粉末又は顆粒(以下、「成分(A)」とも言う。)を含むものである。成分(A)は、糸同士を接着するため、切り口のほつれを防止する。また、成分(A)は、高温条件下の実使用時において、煙や悪臭がほとんどでない。なお、成分(A)は高温条件下の使用において消失するものである。成分(A)の中、パラフィン及びポリエチレングリコールの混合使用が、少量で切り口のほつれを防止する効果が高くなる点で好ましい。
従来、パラフィンとポリエチレングリコールは、膨張黒鉛製グランドパッキンに配合することが知られている。これは、鱗片状の膨張黒鉛粉末が金属からなる相手軸材に対して付着し易く、軸の摺動または回転抵抗が増加して軸が回らなくなるという問題を、パラフィンとポリエチレングリコールを含ませることで、摺動抵抗の増加を抑制したものであり、切り口のほつれ防止を目的としたものではない。成分(A)の含有量は、編組パッキン10中、1〜15重量%、好ましくは、5〜10重量%である。成分(A)の含有量が少な過ぎると、切り口のほつれ防止効果を奏し難く、一方、成分(A)の含有量が多過ぎると、高温使用時に消失分が大きくなり、シール性に悪影響する点で好ましくない。
また、編組パッキン10は、成分(B)を含有する。成分(B)は、編組パッキン内の微少隙間を埋めてシール性を高める。成分(B)の粉末は、微少粉末が好ましく、粒子径は、好ましくは0.1〜0.5μm、特に好ましくは0.15〜0.28μmである。粒子径が大き過ぎると、編組パッキン内の微少隙間に入らず、高いシール効果が得られ難く、粒子径が小さ過ぎると、高コストである点で好ましくない。成分(B)中、酸化チタンが目止め効果が高い点で好ましい。
成分(B)の含有量は、編組パッキン10中、5〜30重量%、好ましくは、10〜20重量%である。成分(B)の含有量が少な過ぎると、目止め効果が得られ難く、成分(B)の含有量が多過ぎると、使用量の割に高いシール効果が得られ難く、不経済である。
編組パッキン10は、固定部材間のシール、特に200℃以上、800℃以下の高温条件下における固定部材間のシールに使用されるものであり、例えば、一方の固定部材であるフランジ面に形成された溝内に、切り口同士を突き合わせて装填して使用する。この際、切り口のほつれがないため、溝内に装填し易く、施工性が高まる。また、切り口の突き合わせ部におけるシール性を高めることができる。また、高温条件下では、成分(A)は消失するものの、成分(B)は、編組パッキン内の微少隙間に留まっており、高いシール性は維持される。
次に、編組パッキンの製造方法について説明する。編組パッキンは、以下のA〜Cの3つの方法で得ることができる。
A;無機繊維を多数本集束させた糸を編組してなる編組パッキンを、パラフィンエマルジョン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド及びポリビニルピロリドンから選ばれる1種又は2種以上「以下、成分(A1)とも言う。」及び成分(B)を含有する水系処理液で含浸処理するIA工程と、IA工程で得られた処理編組パッキンを乾燥するIIA工程を行う方法(製造方法1)。
B;無機繊維を多数本集束させた糸を、成分(A1)及び成分(B)を含有する水系処理液で含浸処理するIB工程と、IB工程で得られた処理糸を編組して編組パッキンを得るIIB工程と、を行う方法(製造方法2)。
C;無機繊維を多数本集束させた糸を、成分(A1)及び成分(B)を含有する水系処理液で含浸処理するIC工程と、IC工程で得られた処理糸を編組し又は束ねて中芯材を得るIIC工程と、IIC工程で得られた処理中芯材を無処理の無機繊維で被覆編組して編組パッキンを得るIII工程を行う方法(製造方法3)。
製造方法1を説明する。IA工程は、編組パッキンを、成分(A1)及び成分(B)を含有する水系処理液で含浸処理する工程である。処理前の編組パッキンは市販の編組パッキンを使用することができる。水系処理液には公知の界面活性剤が含まれていてもよい。これにより、粉末成分及び顆粒成分の均一分散が可能となる。成分(A1)のパラフィンエマルジョンは、n−パラフィンを水中に界面活性剤を使用して乳化しエマルション化した公知のものが使用できる。成分(A1)として、パラフィンエマルジョンを使用した場合、別途の界面活性剤の使用は省略できる。成分(C)の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。成分(A)の使用量は、水系処理液中、7.0〜15.0重量%であり、成分(B)の使用量は、水系処理液中、15〜40重量%であり、成分(C)の使用量は、成分(B)100重量部に対して、1.0〜3.0重量部である。なお、成分(A1)として、パラフィンエマルジョンを使用する場合、エマルジョン中のパラフィン濃度が上記数値範囲となるようにすればよい。含浸処理方法としては、公知の方法が適用でき、水系処理液中に編組パッキンを投入し、どぶ漬けの状態において、常温で10分〜2時間程度静置する方法及び減圧を利用して編組パッキン中に水系処理液を浸透させる真空含浸方法などが挙げられる。IA工程を行うことにより、編組パッキンには成分(A)が含浸され、微少隙間には成分(B)が充填される。
IIA工程は、IA工程で得られた処理編組パッキンを乾燥する工程である。乾燥条件としては、静置下、常温〜105℃の温度下で、1〜24時間である。これにより、編組パッキンの表面が乾燥するものの、編組パッキン内には成分(A)と成分(B)を含んだままであり、所望の効果を奏しつつ、取り扱い易いものとなる。
次いで、製造方法2を説明する。IB工程は、無機繊維を多数本集束させた糸を、成分(A1)及び成分(B)を含有する水系処理液で含浸処理工程である。製造方法2のIB工程において、製造方法1のIA工程と異なる点は、被含浸物が、IA工程は処理前の編組パッキンであるのに対して、IB工程は無機繊維を多数本集束させた糸である点にある。当該異なる点以外については、IA工程の水系処理液や含浸処理条件と同様であるので、説明を省略する。IB工程を行うことにより、ヤーンに成分(A)及び成分(B)が含浸担持される。
IIB工程は、IB工程で得られた処理糸を編組して編組パッキンを得る工程である。処理糸の編組は、公知の編組方法と同様の方法で行なえばよい。なお、IB工程で得られた処理糸は、編組を行う前に、乾燥処理をしても、しなくともよい。また、IB工程で得られた編組パッキンは、乾燥処理を行ってもよい。
次に、製造方法3について説明する。製造方法3におけるIC工程は、製造方法2におけるIB工程と同じである。IIC工程は、IC工程で得られた処理糸を編組し又は束ねて中芯材を得る工程である。IC工程で得られた処理糸を編組して中芯材を得る方法は、製造方法2におけるIIB工程と同様である。IB工程で得られた処理糸を束ねて中芯材を得る方法は、公知の束ねる方法で行なえばよい。これにより、処理糸よりも太い、成分(A)及び成分(B)を含んだ中芯材を得ることができる。
III工程は、IIC工程で得られた処理中芯材を無機繊維で被覆編組して編組パッキンを得る工程である。無機繊維は、成分(A1)及び成分(B)を含有する水系処理液で含浸処理されていないものであり、無機繊維を多数本集束させた糸を用いることが好ましい。編組方法は、公知の方法でよい。また、III工程で得られた被覆編組パッキンは、乾燥処理を行ってもよい。
製造方法1〜3を実施することで、本発明の編組パッキンが得られる。製造方法1〜3の中、製造方法1を用いることが、成分(A)及び成分(B)の含浸が編組パッキンの全体に且つ均一に行き亘る点で好ましい。
(実施例)
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
実施例1
(水系処理液Aの作製)
水24kg(67.6重量%)に、酸化チタン(「タイベークCR−50」;石原産業社製)8kg(22.6重量%)、パラフィンエマルジョン(「バラックス40−K3」;東邦化学工業社製)2kg(5.6重量%)、ポリエチレングリコール(「PEG−600」;第1工業製薬社製)1.3kg(3.7重量%)及び界面活性剤(「ツイーン20」;関東化学社製)0.16kg(0.5重量%)を添加し、撹拌して粉末分及び顆粒分が水中に均一に分散した水系処理液Aを作成した。なお、括弧内は水系処理液A中の割合を示す。
(編組パッキンAの作製)
ガラス繊維を多数本集束させた糸(ヤーン)を高密度に格子編して、呼び径16mm角の編組パッキン中間体Aを作製した。次いで、30kgの水系処理液Aに2kgの編組パッキン中間体Aを全浸没となるように浸漬し、常温下、2時間静置して含浸処理を行った。含浸処理後、含浸処理された編組パッキン中間体Aを、60℃で、15時間、静置して乾燥させ、編組パッキンAを得た。編組パッキンAには、パラフィンが3重量%、ポリエチレングリコールが2重量%、酸化チタンが11重量%含まれるものであった。編組パッキンAは、定法により密度及び必要に応じて硬さを測定すると共に、下記の切断時ほつれ観察試験及び下記のシール試験A及びBを行った。シール試験Aの結果を表2及び表3に、シール試験Bの結果を表4及び表5に、切断時ほつれ観察試験の結果を図6及びう図7に示す。なお、編組パッキンAの密度は1.19g/cmであった。
(切断時ほつれ観察試験)
切断面がストレートとなるように包丁を用いて切断した。切断部を切断方向から見た位置で写真撮影し、ほつれの程度を観察した。
(シール試験A)
図4及び5に示す平蓋フランジ又は押し込み蓋フランジを4本のボルトで締め付け(試験体)、窒素ガスでフランジ間に内圧負荷をかけ、1分間放置後、パッキンからの漏れ量を流量計により測定した。なお、漏れは、内圧50、100、150、200、250、300、350、400、450、500mmAqにおけるそれぞれの漏れ量を測定し、横軸に内圧を縦軸に漏れ流量をとり、回帰直線の係数(傾き)を漏洩係数(標準ml/分(SCCM))として算出して求めた。漏洩係数は小さいほど、漏れ量が少ないことを意味する。また、シール試験Aは、締め付け面圧2.45N/mm、4.90N/mm、7.35N/mm、9.80N/mmにおける漏れ量を測定したものである。なお、図4及び5におけるフランジ溝寸法は表1の通りである。
(シール試験B)
シール試験Bは加熱サイクル試験である。すなわち、締付け面圧4.90N/mmにおける漏れ量を測定し、漏洩係数を算出した以外は、シール試験Aと同様に行った(「加熱前」)。次いで、試験体を電気炉に常温から入れ、200℃に昇温後、17時間維持した。次いで、電気炉から取り出し、漏れ量を測定した(「1サイクル」)。次いで、試験体を電気炉に常温から入れ、200℃に昇温後、17時間維持した。次いで、電気炉から取り出し、漏れ量を測定した(「2サイクル」)。次いで、試験体を電気炉に常温から入れ、200℃に昇温後、17時間維持した。次いで、電気炉から取り出し、漏れ量を測定した(「3サイクル」)。次いで、試験体を電気炉に常温から入れ、400℃に昇温後、17時間維持した。次いで、電気炉から取り出し、漏れ量を測定した(「4サイクル」)。次いで、試験体を電気炉に常温から入れ、400℃に昇温後、17時間維持した。次いで、電気炉から取り出し、漏れ量を測定した(「5サイクル」)。
比較例1
水系処理液Aでの処理を省略した以外は、実施例1と同様の方法により編組パッキンEを得た。すなわち、比較例1の編組パッキンEは実施例1の編組パッキン中間体Aのことである。実施例1と同様に、その結果を表2〜表5及び図6に示す。なお、編組パッキンEの密度は1.07g/cm、硬さは0.37mmあった。
実施例2
金属線で補強したセラミック繊維を多数本集束させた糸を高密度に袋編して、呼び径16mm角の編組パッキン中間体Bを得た。次いで、編組パッキン中間体Aに代えて、編組パッキン中間体Bを使用した以外は、実施例1と同様の方法により水系処理液Aで含浸処理して、編組パッキンBを得た。編組パッキンBは定法により密度及び硬さを測定すると共に、下記の切断時ほつれ観察試験及び下記のシール試験A及びBを行った。その結果を表2〜表5及び図6に示す。なお、編組パッキンBには、パラフィンが4重量%、ポリエチレングリコールが3重量%、酸化チタンが15重量%含まれるものであり、密度は0.86g/cmであった。
比較例2
水系処理液Aでの処理を省略した以外は、実施例2と同様の方法により編組パッキンFを得た。すなわち、比較例1の編組パッキンFは実施例2の編組パッキン中間体Bのことである。その結果を表2〜表5及び図6に示す。なお、編組パッキンFの密度は0.67g/cmであった。
Figure 0006153729
Figure 0006153729
Figure 0006153729
Figure 0006153729
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図6の写真に示すように、比較例1及び比較例2の切断面には、ほつれが観察された。一方、実施例1及び実施例2の切断面には、ほつれがほとんど観察されなかった(図7参照)。また、シール試験A及びBにおいて、実施例1及び実施例2は編組パッキンを溝内に装填する際、ほつれがないため、円滑に装填できたものの、比較例1及び比較例2は、ほつれ部分を溝内に収めるのにやっかいな手作業をすることになった。また、シール試験A及びBにおいて、実施例1及び2は比較例1及び2に対して、それぞれ、優れたシール性を発揮した。
実施例3
ポリエチレングリコールに代えて、ポリエチレンオキシドを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、水系処理液Bを作製した。次いで、水系処理液Aに代えて、水系処理液Bを使用した以外は、実施例1と同様の方法により含浸処理して、編組パッキンCを得た。編組パッキンCは、切断時ほつれ観察試験を実施し、切断面のほつれ程度を観察した。その結果を図6に示す。図6に示すように、切断面にはほとんどほつれが観察されなかった。
実施例4
ポリエチレングリコールに代えて、ポリビニルピロリドンを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、水系処理液Cを作製した。次いで、水系処理液Aに代えて、水系処理液Cを使用した以外は、実施例1と同様の方法により含浸処理して、編組パッキンDを得た。編組パッキンDは、切断時ほつれ観察試験を実施し、切断面のほつれ程度を観察した。その結果を図6に示す。図6に示すように、切断面にはほとんどほつれが観察されなかった。
比較例3
ガラス繊維を多数本集束させた糸を16mm角に編組(袋編)した市販の編組パッキンG(M社製)を使用した。編組パッキンGは、密度1.09g/cm、硬さ0.40mmであった。編組パッキンGは切断時ほつれ観察試験を実施し、切断面のほつれ程度を観察した。その結果を図6に示す。図6に示すように、切断面にはほつれが観察された。
比較例4
耐熱ガラス繊維を多数本集束させた糸を16mm角に編組(袋編)した編組パッキンHを使用した。編組パッキンHは、密度1.14g/cm、硬さ0.25mmであった。編組パッキンHは切断時ほつれ観察試験を実施し、切断面のほつれ程度を観察した。その結果を図6に示す。図6に示すように、切断面にはほつれが観察された。
実施例5
呼び径16mm角に代えて、呼び径5mmの編組(八編)パッキン中間体Cを得、次いで、30kgの水系処理液Aに1kgの編組パッキン中間体Cを全浸没となるように浸漬処理を行った以外は、実施例1と同様の方法により、編組パッキンIを得た。編組パッキンIには、パラフィンが4重量%、ポリエチレングリコールが3重量%、酸化チタンが13重量%含まれるものであった。その結果を表6に示す。
比較例5
水系処理液Aでの処理を省略した以外は、実施例5と同様の方法により編組パッキンJを得た。すなわち、比較例5の編組パッキンJは実施例5の編組パッキン中間体Cのことである。その結果を表6に示す。
実施例6
呼び径16mm角に代えて、呼び径5mmの編組(八編)パッキン中間体Dを得、次いで、30kgの水系処理液Aに1kgの編組パッキン中間体Dを全浸没となるように浸漬処理を行った以外は、実施例2と同様の方法により、編組パッキンKを得た。編組パッキンKには、パラフィンが5重量%、ポリエチレングリコールが3重量%、酸化チタンが16重量%含まれるものであった。その結果を表6に示す。
比較例6
水系処理液Aでの処理を省略した以外は、実施例6と同様の方法により編組パッキンLを得た。すなわち、比較例6の編組パッキンLは実施例6の編組パッキン中間体Dのことである。その結果を表6に示す。
Figure 0006153729
実施例7
呼び径16mm角に代えて、呼び径25.5mmの編組(格子編)パッキン中間体Eを得、次いで、30kgの水系処理液Aに5kgの編組パッキン中間体Eを全浸没となるように浸漬処理を行った以外は、実施例1と同様の方法により、編組パッキンMを得た。編組パッキンMには、パラフィンが3重量%、ポリエチレングリコールが2重量%、酸化チタンが11重量%含まれるものであった。その結果を表7に示す。
比較例7
水系処理液Aでの処理を省略した以外は、実施例7と同様の方法により編組パッキンNを得た。すなわち、比較例7の編組パッキンNは実施例7の編組パッキン中間体Eのことである。その結果を表7に示す。
実施例8
呼び径16mm角に代えて、呼び径25.5mmの編組パッキン中間体Fを得、次いで、30kgの水系処理液Aに5kgの編組パッキン中間体Fを全浸没となるように浸漬処理を行った以外は、実施例2と同様の方法により、編組パッキンOを得た。編組パッキンOには、パラフィンが4重量%、ポリエチレングリコールが2重量%、酸化チタンが14重量%含まれるものであった。その結果を表7に示す。
比較例8
水系処理液Aでの処理を省略した以外は、実施例8と同様の方法により編組パッキンPを得た。すなわち、比較例8の編組パッキンPは実施例8の編組パッキン中間体Fのことである。その結果を表7に示す。
Figure 0006153729
表6及び表7から、呼び径5mmと25.5mmの実施例5〜8は、含浸処理なしの比較例5〜8に比べて、高いシール性を示した。
本発明の編組パッキンによれば、切断面のほつれがなく、施工時に突き合わせが上手くいき施工性が高まる。また、パラフィン等の粉末又は顆粒は、高温条件下において消失しても、充填剤が編組パッキン中の微少隙間に付着しており、優れたシール性は長期間に亘り持続する。
2 配管
3 マンホール
4 フランジ
10 編組パッキン

Claims (6)

  1. 無機繊維を多数本集束させた糸を編組してなる編組パッキンであって、
    パラフィン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド及びポリビニルピロリドンから選ばれる1種又は2種以上の粉末又は顆粒(A)と、
    酸化チタン、アルミナ、タルク、マイカ、クレー及び炭酸カルシウムから選ばれる1種又は2種以上の粉末(B)を含有する200℃を超える高温条件下における固定部材間のシールに使用され、該成分(A)は上記高温条件下の使用において消失するものであることを特徴とする編組パッキン。
  2. 一方の固定部材であるフランジ面に形成された溝内に、切り口同士を突き合わせて装填するものであることを特徴とする請求項1記載の編組パッキン。
  3. 該無機繊維が、アルミナ繊維、セラミック繊維又はガラス繊維であることを特徴とする請求項1又は2記載の編組パッキン。
  4. 該成分(A)は、パラフィン及びポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の編組パッキン。
  5. 該成分(B)は、酸化チタンであって、該酸化チタンの粒子径が0.1〜1.0μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の編組パッキン。
  6. 高温ガス流体が流れる配管に設置されるマンホールの蓋又は各種工業炉の蓋のシールに使用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の編組パッキン。
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