JP6153374B2 - 硬化性ウレタンポリマー組成物 - Google Patents

硬化性ウレタンポリマー組成物 Download PDF

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この発明は、硬化性ウレタンポリマー組成物を含有してなるコーティング剤及び積層体に関する。
紫外線硬化型樹脂は、(メタ)アクリル系化合物、ウレタンアクリル系化合物等の重合性単量体やオリゴマーからなり、紫外線硬化剤を添加後、紫外線を照射することにより硬化させることができる(特許文献1等)。
この紫外線硬化樹脂は、基材に塗工する際等において、塗工しやすいように溶剤で希釈することがあり、また環境面の観点から水に希釈されるように設計されたものも存在する。
特開2002−200722号公報
ところで、上記紫外線硬化剤として、溶剤や水で希釈したものは、一度乾燥させ、次いで硬化させる必要がある。このとき、乾燥させたのみの状態では、塗工面にタックが存在する場合がある。この場合、例えばフィルムに塗工し、巻き取って保管した場合など、巻き戻しが困難となる恐れがある。
さらに、上記紫外線硬化樹脂を基材に塗工した際、得られる皮膜に密着性が十分に得られない場合がある。この場合、前もって、プライマーを基材に塗工する必要が生じる。
また、紫外線硬化樹脂を塗工される被塗工物が木質等の多孔質の場合、紫外線硬化樹脂を塗工した際の浸透が大きいため、表面に付与すべき機能が十分に得られず、目止め剤等の浸透防止層を形成する必要がある。
そこで、この発明は、乾燥後の状態でも低いタック性を示し、かつ、得られる皮膜の基材への密着性を向上させることを目的とする。
この発明は、多価イソシアネート化合物とジオール化合物とを反応させて得られたウレタンポリマー(A)と、複数の二重結合を有する多官能(メタ)アクリル系単量体を含む重合性単量体(B)とを、(A)/(B)(重量比)として20/80以上、80/20以下の比率で含有し、かつ(B)100重量部あたり紫外線硬化剤(C)を0.01〜3重量部含むウレタン−アクリル重合体組成物を含有することを特徴とする硬化性コーティング剤を用いることにより、上記課題を解決したものである。
この発明は、ウレタンポリマー(A)を含有するため、塗布後の乾燥した状態でのベタつき(タック)を抑えることができ、かつ、複数の二重結合を有する多官能(メタ)アクリル系単量体からなる重合性単量体(B)を含有するので、硬化時に(B)成分の架橋が進行し、強靱な皮膜が形成されるとともに、基材の表面と密着した状態で硬化されるので、密着性を向上させることが可能となる。
以下、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかる硬化性コーティング剤は、ウレタンポリマー(以下、「(A)成分」と称する。)、重合性単量体(以下、「(B)成分」と称する。)、及び紫外線硬化剤(以下、「(C)成分」と称する。)を含有してなるウレタン−アクリル重合体組成物を含有するコーティング剤である。
[(A)成分]
上記(A)成分であるウレタンプレポリマーは、多価イソシアネート化合物とジオール化合物とをウレタン化反応して得られたポリマーである。
上記多価イソシアネート化合物は、官能基として少なくとも2つのイソシアネート基を有する化合物をいい、具体例として、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート又はこれらの混合物等があげられる。
上記ジオール化合物とは、官能基として少なくとも2つの水酸基を有する化合物をいい、一般に知られているジオールが用いられる。このジオールの例としては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、カルボキシル基含有ジオールや、その他のジオール等が挙げられる。
上記カルボキシル基含有ジオールの具体例としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のジメチロールアルカン酸があげられる。
また、上記その他のジオールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、メチルペンタンジオールアジペート等の比較的低分子量のジオールや、ポリエステルジオール、ポリエステルエーテルジオール、ポリカーボネートジオールのポリマータイプのジオールや、アルコール変性シリコーンオイル等のシリコン変性ジオール等が挙げられる。これらのジオール化合物は、1種を用いてもよく、複数種を併用してもよい。
ところで、後述する紫外線硬化剤を含有させ、かつ、水に分散させる場合は、上記のジオール化合物の中でも、カルボキシル基含有ジオールを用いると、得られる(A)成分自体に分散剤としての特性を付与することができ、他の分散剤を使用することなく、水性媒体に分散させることが可能となる。
上記(A)成分を水性分散体とする場合、上記の多価イソシアネートとジオール化合物との混合比は、当量比で、多価イソシアネート化合物/ジオール化合物=1.2/1.0以上がよく、1.4/1.0以上が好ましい。1.2/1.0より小さいと、ウレタンプレポリマーの粘度が高くなり、水への分散性が低下して凝集したり、粗大粒子が発生することがある。一方、上記混合比の上限は、2.0/1.0がよく、1.9/1.0が好ましい。2.0/1.0より大きいと、未反応の多価イソシアネートが過剰となり、水分散時に凝集したり、発泡が起こって、分散状態が悪化することがある。
上記ウレタン化反応の反応温度や反応時間は、通常のウレタンポリマーの製造条件と同様の製造条件を選択することができる。具体的には、反応温度は、50〜120℃がよく、70〜100℃が好ましい。また、反応時間は、0.5〜15時間がよく、3〜5時間が好ましい。
上記ジオール化合物としてカルボキシル基含有ジオールを用いた場合、得られた(A)成分は、カルボキシル基を含む。このとき、塩基性化合物により、少なくとも一部を中和すると、得られる水性分散液がより安定化すると共に、後述するように、水性媒体に分散させる際、分散剤を使用しなくても、分散させることも可能となるので好ましい。上記塩基性化合物は、カルボキシル基を中和できるものであれば特に限定されるものではなく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のトリアルキルアミン等があげられる。これらの塩基性化合物の中でも、トリアルキルアミンを、使用する塩基性化合物の少なくとも一部として用いると、耐水性の点で好ましい。
ジオール化合物としては、上記のカルボキシル基含有ジオールの他に、ポリエステル系ジ(ポリ)オールが、特に塗膜にしたときにベタつき(タック性)が少なく、好ましい。
得られた上記(A)成分は、水や、水と親水性を有するメタノール、エタノール等の有機溶剤との混合物である水性媒体に分散させることにより、水性分散液を得ることができる。なお、得られた(A)成分に、少なくとも一部が中和されたカルボキシル基を含む場合、(A)成分自体が分散剤としての役割を果たすことが可能となるので、他に分散剤を使用することなく、上記水性媒体に分散させることが可能となる。なお、得られた(A)成分にカルボキシル基を含まない場合は、一般に使用される分散剤を使用することにより、上記水性媒体に分散させることが可能となる。
[(B)成分]
上記(B)成分は、複数の二重結合を有する多官能(メタ)アクリル系単量体を含む重合性単量体である。この(B)成分には、二重結合を1つ有する単官能(メタ)アクリル系単量体や、その他の単官能ビニル系単量体が含まれていてもよい。また、上記(B)成分がウレタンポリマー(A)と結合可能な官能基を有すると、(A)成分と(B)成分とをさらに緊密に複合化することができる。このため、二重結合の数以外の観点からも、上記(B)成分は、ウレタンポリマー(A)と結合可能な官能基を有する重合性単量体(以下、「ウレタン結合性重合性単量体」と称する場合がある。)を含んでいるのが好ましい。
この発明にかかる硬化性コーティング剤に使用される上記(B)成分としては、上記の通り多官能(メタ)アクリル系単量体が必須成分として含有され、必要に応じて、単官能(メタ)アクリル系単量体等を含有してもよい。また、上記ウレタン結合性重合性単量体としては、ウレタンポリマーの構成単位に含まれるイソシアネート基と結合可能な水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体等をあげることができる。なお、この明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
上記多官能性(メタ)アクリル系単量体の具体例としては、2官能単量体としては、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のウレタンポリマー(A)と結合可能な官能基を有さない重合性単量体(以下、「ウレタン非結合性重合性単量体」と称する場合がある。)などがあげられ、3官能以上の単量体としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等のウレタン非結合性重合性単量体や、トリスアクリル酸=ヒドロキシエチルリジントリ(メチレン)等のウレタン結合性重合性単量体などが挙げられる。
次に、上記単官能(メタ)アクリル系単量体の例としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル等の(メタ)アクリル酸エステル化合物、その他の(メタ)アクリル系単量体があげられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等のウレタン非結合性重合性単量体があげられる。
上記その他の単官能(メタ)アクリル系単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシイソプロピル等のウレタン結合性重合性単量体、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル等のウレタン非結合性重合性単量体があげられる。
なお、上記の各(メタ)アクリル系単量体は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また使用される(A)成分、(B)成分は上記に挙げられた化合物に限られるものではなく、この発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲であれば、使用することができる。例えば、上記(B)成分以外の重合性単量体としては、スチレン及びその誘導体、その他のビニル系単量体などがあげられる。
上記スチレン及びその誘導体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン等があげられる。
上記その他の重合性単量体の例としては、ハロゲン化ビニル系化合物、多官能性不飽和単量体等のビニル基含有単量体等があげられる。
[(B)成分の(A)成分への混合]
上記(B)成分の上記(A)成分への混合方法としては、上記(A)成分であるウレタンポリマーの生成反応後、その(A)成分に上記(B)成分を混合する方法、上記(B)成分の構成成分である(メタ)アクリル系単量体中で多価イソシアネート化合物とジオール化合物とをウレタン反応させて(A)成分を得る方法等があげられる。特に後者の方法を採用すると、得られる硬化性ウレタンポリマー組成物は、(A)成分と(B)成分とがより緊密に複合化し得るので、好ましい。この場合、上記(B)成分の少なくとも一部として、上記した水酸基含有(メタ)アクリル系単量体等のウレタン結合性重合性単量体を含む場合、多価イソシアネートと反応が可能である。この場合、(A)成分に重合性官能基が存在することになり紫外線硬化した場合、(A)成分と(B)成分とが、さらに緊密に複合化し得るので、好ましい。
ところで、得られるウレタンポリマー組成物を水性分散液としてもよい。水性分散液とすることにより、有機溶剤を用いることなく、液状での取り扱いが可能となり、作業環境や作業性の点で優れたものとなる。
水性分散液とする方法としては、(A)成分と(B)成分との混合物に、上記水性媒体及び必要に応じて分散剤を加えて転相させる方法、(A)成分の水性分散液に、(B)成分を混合する方法等があげられる。
前者の方法の具体例としては、多価イソシアネートとジオールとを反応させてウレタンポリマー溶液を得るウレタン重合工程を行い、次いで、多官能(メタ)アクリル系単量体を混合する混合工程を行ったあと、得られたウレタンポリマー溶液に水を添加して転相させて水性分散液を得る転相工程により、水性分散液を得る方法や、多価イソシアネートとジオールとを、多官能(メタ)アクリル系単量体の存在下で反応させてウレタンポリマー溶液を得るウレタン重合工程を行ったあと、得られたウレタンポリマー溶液に水を添加して転相させて水性分散液を得る転相工程により、水性分散液を得る方法があげられる。これらの方法のうち、後者の方法だと、(A)成分と(B)成分とがより緊密に複合化し得るので好ましい。
上記したいずれかの混合方法を用いて、この発明にかかる硬化性コーティング剤を構成するウレタン−アクリル重合体組成物の水性分散液を調製する場合、この水性分散液中の(A)成分と(B)成分との混合比は、固形分重量比で、(A)/(B)=20/80以上が好ましく、30/70以上がより好ましい。20/80より小さいと、水への分散性が不足する傾向となる。一方、混合比の上限は、80/20がよく、70/30が好ましい。80/20より大きいと、基材への密着性が低くなる恐れがある。
重合性単量体(B)中の多官能(メタ)アクリル系単量体の含有割合は、30重量%以上がよく、50重量%以上が好ましい。30重量%未満では、表面硬度(鉛筆硬度)が不十分となるおそれがある。なお、含有割合の上限は、100重量%である。
また、重合性単量体(B)中の単官能(メタ)アクリル系単量体の含有割合は、70重量%以下がよく、50重量%以下が好ましい。70重量%より多いと、表面硬度(鉛筆硬度)が不足するおそれがある。一方、含有割合の下限は、特に設定の必要はなく、0重量%でも構わない。
[(C)成分]
上記(C)成分である紫外線硬化剤は、紫外線を照射することによりラジカル重合を開始させる剤をいう。
この紫外線硬化剤としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンなどがあげられる。
上記紫外線硬化剤の使用量は、上記(B)成分100重量部(固形分量)に対して0.01〜3重量部が好ましい。また、紫外線の波長及び強度は、上記紫外線硬化剤の種類に応じて、適宜選択すればよい。
[分散剤]
この発明にかかる硬化性コーティング剤を構成するウレタン−アクリル重合体組成物の水性分散液を得るために用いられる分散剤としては、前述のように、カルボキシル基含有ジオールを原料ジオールの一部として得たウレタンポリマーを(A)成分として用いて、自己分散させる方法に加えて、本発明の効果に悪影響を及ぼさない限り、各種公知の分散剤を使用することができる。また、上記の重合体水性分散液には、必要に応じて、顔料などの着色剤、ワックス、消泡剤、可塑剤、成膜助剤などを、この発明の効果を阻害しない範囲内で添加することができる。
[ウレタン−アクリル重合体組成物の使用]
上記の方法で得られるウレタン−アクリル重合体組成物の水性分散液は、硬化性コーティング剤の一成分として使用される。
この硬化性コーティング剤は、基材上に塗布し、乾燥させることにより、塗膜が形成される。この乾燥の際、又は乾燥後、紫外線等のエネルギー線照射による硬化を行うことにより、上記(B)成分の重合を行わせ、この組成物を硬化させて、硬化層を有する積層体を得ることができる。
上記基材としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド等、各種樹脂製のフィルムやシートあるいは成形体を用いることができる。
このようにして得られた積層体は、表面のベタつき(タック性)が低いにもかかわらず、基材との密着性が良好であるという特徴を有しており、例えば、保護用粘着フィルム、マスキング用粘着フィルム、加飾用フィルム等として使用することができる。また、これらのフィルムは、タック性が低いので、巻き取り保管しても、容易に巻き戻すことができる。
また、上記の積層体の塗布面上に、さらに本願発明の硬化性コーティング剤や紫外線硬化性組成物からなる層を積層・硬化することにより、さらに良好な耐水性、表面硬度が得られるので、特に好ましい。
なお、ここで用いる紫外線硬化性組成物としては、前述の多官能(メタ)アクリル系単量体100重量部あたり、前記(C)成分0.3〜2重量部程度添加したものが好ましく用いられる。
以下、本発明を、実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。まず、評価方法及び使用した原材料について説明する。
<原材料>
[多価イソシアネート化合物]
・IPDI:イソホロンジイソシアネート…エボニックデグサ社製。
・H12MDI:4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート…住友バイエルウレタン(株)製:デスモジュールW(商品名)。
[ジオール化合物]
・1.6−ヘキサンジオール…宇部興産(株)製:UH200(商品名)、以下「UH200」と称する。
・ポリプロピレングリコール…第一工業製薬(株)製:D200(商品名)、以下「D200」と称する。
・ジメチロールプロピオン酸…Mallinckrodt Chemical Inc.社製、以下「DMPA」と称する。
[中和剤]
・トリエチルアミン…和光純薬工業(株)製、以下「TEA」と称する。
[(メタ)アクリル系単量体]
・トリメチロールプロパントリアクリレート…大阪有機化学(株)製、以下「TMP3A」と称する。
・ジペンタエリスリトールプロパンヘキサアクリレート…ダイセルサイテック(株)製、以下「DPHA」と称する。
・ジプロピレングリコールジアクリレート…ダイセルサイテック(株)製、以下「DPGDA」と称する。
・トリスアクリル酸=ヒドロキシエチルリジントリ(メチレン)…大阪有機化学(株)製、以下「V#300」と称する。
[重合触媒]
・ジブチル錫ジラウレート…Aldrich社製、以下「DBTDL」と称する。
[紫外線硬化剤]
・1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン…BASF社製:イルガキュア184(商品名)、以下「イルガキュア184」と称する。
[その他:ウレタン−アクリルエマルジョン]
・SU−100(商品名)…中央理化工業(株)製:ウレタン−アクリルエマルジョン(多官能(メタ)アクリル系単量体を含有しない(メタ)アクリル系単量体と、ウレタンポリマーとから得られたウレタン−アクリル重合体複合エマルジョン)
<評価方法>
[乾燥後指触タック]
1層目を乾燥した後、その塗工面を指で触って、タックがあるかどうかを下記の基準で確認した。
○:タックなし。
×:タックあり。
[碁盤目剥離試験]
得られた積層体の塗工面にカッターで縦横に各11本、計100目の切り目を入れ、その後、セロハンテープを貼り、次いで剥離した。このとき、100目のうち塗工面が剥がれなかった目の数をカウントした。
[指紋付着性]
得られた積層体の塗工面に指をあて、指紋がつくかどうかを下記の基準で、目視にて確認した。
○:指紋の痕がほとんど確認できない。
×:指紋の痕が明らかに確認できる。
[鉛筆硬度]
得られた積層体の表面硬度は、JIS K5600−5−4に従って鉛筆硬度を測定することにより評価した。
[耐水性]
得られた積層体の耐水性は、この積層体を、50℃の温水中に3時間浸漬した後の、塗布面の状態(白化、剥離)により、以下の基準で評価した。
◎:白化・剥離どちらもなし
○:端部のみ一部白化したが、剥離なし
△:ほぼ全面が白化、剥離なし
×:塗工層が基材のPETフィルムから剥離
(紫外線硬化性重合性単量体含有ウレタンポリマー(以下、「ウレタンポリマー/重合性単量体混合液」と記す。)の製造)
(ウレタンポリマー/重合性単量体混合液1の製造)
温度計、撹拌装置及び還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、表1に示すポリオールの各成分、及び重合性単量体の各成分を表1に記載の量ずつ加え、内温を50℃とし、表1に記載の量の多価イソシアネートを加え、90℃に加温し、この温度で5時間反応させてウレタンプレポリマー溶液を得た。
得られたウレタンプレポリマー溶液を50℃に冷却し、表1に記載の量の中和剤(TEA)を加えて、ウレタンプレポリマー溶液中のカルボキシル基を中和しウレタンポリマー/重合性単量体混合液1を得た。
(ウレタンポリマー/重合性単量体混合液2〜6の製造)
温度計、撹拌装置及び還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、表1に示すポリオールの各成分、及び重合性単量体の各成分を表1に記載の量ずつ加え、内温を50℃とし、表1に記載の量の多価イソシアネートを加え、90℃に加温し、この温度で5時間反応させてウレタンプレポリマー溶液を得た。
得られたウレタンプレポリマー溶液を50℃に冷却し、表1に記載の量の中和剤を加えて、ウレタンプレポリマー溶液中のカルボキシル基を中和した。
次いで、このウレタンプレポリマー溶液に、表1に記載の量のイオン交換水(転相水)を、10分間かけて滴下し、乳白色の水性分散液であるウレタンポリマー/重合性単量体混合液2〜6を得た。
Figure 0006153374
(塗布液1〜6の製造)
上記で得られたウレタンポリマー/重合性単量体混合液1〜6中の重合性単量体100重量部に対して、紫外線硬化剤 イルガキュア184を2重量%添加し、表2に示すように、UV硬化性の組成物(塗布液)1〜6を得た。
(塗布液7、8)
表2に示すように、所定の多官能ビニル単量体、希釈溶剤及び紫外線硬化剤を混合し、UV硬化性の組成物(塗布液)7、8を得た。
Figure 0006153374
(積層体の作成)
参考例1
PETフィルム(東レ(株)製:ルミラー、厚み50μm)に塗布液1を硬化後の膜厚が1μmになるように塗工し、120W/cmのオゾンレスメタルハライドランプを用いて紫外線硬化させ積層体を得た。これについて、碁盤目剥離試験及び指紋付着性の評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例1〜5、参考例2〜4
上記PETフィルムに、表3に示す1層目の塗布液を硬化後の膜厚が1μmになるように塗工し、その後100℃×1分間の条件で乾燥し、タック評価を行った。次いで120W/cmのオゾンレスメタルハライドランプを用いて紫外線硬化させ積層体を得た。
次に、表3に2層目が記載されている参考例においては、1層目を塗布後、硬化して得られた積層体の上に、表3に示す2層目の塗布液を同じく膜厚1μmになるように塗工し、その後100℃×1分間の条件で乾燥し、次いで120W/cmのオゾンレスメタルハライドランプを用いて紫外線硬化させ積層体を得た。
得られた積層体を用いて、上記の碁盤目剥離試験及び指紋付着性の評価を行った。その結果を表3にまとめて示す。
(比較例1、4)
表2に示す塗布液7、8を用いて、参考例1と同様に塗布、硬化を行い、積層体を得た。これについて、参考例1と同様の各評価を行った。その結果を表3に示す。
(比較例2、3)
参考例1と同様にして、PETフィルム上に多官能(メタ)アクリル系単量体を含まない水系ウレタン−(メタ)アクリル重合体複合エマルジョン(SU−100)を硬化後の膜厚が1μmになるように1層目として塗工し、その後100℃×1分間の条件で乾燥して積層体を得た。
次に、1層目を乾燥して得た積層体の上に、表3に示す2層目の塗布液を1μmになるように塗工し、その後100℃×1分間の条件で乾燥し、タック評価を行った。次いで120W/cmのオゾンレスメタルハライドランプを用いて紫外線硬化させ積層体を得た。
得られた積層体を用いて、上記の碁盤目剥離試験及び指紋付着性の評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 0006153374
なお、参考例1及び比較例1は、塗工後、直ちに硬化したので、乾燥工程を行っていない。
(結果)
参考例1は、碁盤目剥離試験による密着性評価も良好で、指紋付着性もよい結果を得た。
実施例1〜4は、ポリマー2〜5を2層目の紫外線硬化樹脂とPETフィルムの密着性を高めるプライマーとして使用した。比較例2、3の水性ウレタンアクリルエマルジョンを用いた場合と比べると、密着性や指紋付着性が大きく改善されている。
参考例2と比較例4は、同じ多官能ビニル系単量体(DPHA)を含む系であるが、本発明のようにポリウレタンと複合化すると、密着性が優れ、かつ指紋付着性も良好となる。
参考例4は、重合性単量体としてウレタン中のイソシアネート基と反応可能な水酸基を有する「V#300」を使用しているため、ウレタンポリマーの末端にビニル基をもち、硬化時にウレタンポリマー(A)と重合性単量体(B)が化学的結合するためか、鉛筆硬度、耐水性がさらに向上する。

Claims (7)

  1. 多価イソシアネート化合物とジオール化合物とを反応させて得られたウレタンポリマー(A)と、複数の二重結合を有する多官能(メタ)アクリル系単量体を含む重合性単量体(B)とを、(A)/(B)(重量比)として20/80以上、80/20以下の比率で含有し、かつ(B)100重量部あたり紫外線硬化剤(C)を0.01〜3重量部含むウレタン−アクリル重合体組成物を含有する硬化性コーティング剤を基材上に塗布、乾燥、硬化した後、上記硬化性コーティング剤からなる層を積層・硬化してなる多層積層体
  2. 上記ウレタンポリマー(A)が、その原料ジオール化合物として、カルボキシル基含有ジオールが用いられ、このカルボキシル基の少なくとも一部が塩基性化合物で中和されたウレタンポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の多層積層体
  3. 上記重合性単量体(B)として、更に単官能(メタ)アクリル系単量体を含有する請求項1又は2に記載の多層積層体
  4. 上記重合性単量体(B)がウレタンポリマー(A)と結合可能な官能基を有する重合性単量体を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多層積層体
  5. 上記ウレタンポリマー(A)と結合可能な官能基を有する重合性単量体(B)が水酸基含有(メタ)アクリル系単量体であることを特徴とする請求項4に記載の多層積層体
  6. ウレタン−(メタ)アクリル重合体組成物が水性媒体中に分散されてなる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の多層積層体
  7. 上記基材が樹脂製フィルムである請求項1〜6のいずれか1項に記載の多層積層体。
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