以下、図面を用いて実施形態を説明する。図中、信号が伝達される信号線には、端子名や信号名と同じ符号を使用する。末尾に”X”が付いている信号は、負論理を示す。図中の二重の四角印は、外部端子を示す。外部端子は、例えば、半導体チップ上のパッド、あるいは半導体チップが収納されるパッケージのリードである。外部端子を介して供給される信号には、端子名と同じ符号を使用する。
図1は、半導体装置、半導体装置のテスト方法および半導体装置の製造方法の一実施形態の例を示す。この実施形態の半導体装置SEMは、複数の電源端子VCC(VCC1、VCC2)、複数のスイッチSW1、SW2、複数のダイオードD1、D2、モニタ端子MON1およびテスト制御回路TCNTを有する。例えば、半導体装置SEMは、内部電源線IVCCに供給される電源電圧IVCCに応じて動作する内部回路CKTを有する。なお、電源端子VCCの数は2個に限定されず、3個以上でもよい。
スイッチSW1は、制御信号N1に応答してオンし、電源端子VCC1を内部電源線IVCCに接続する。スイッチSW2は、制御信号N2に応答してオンし、電源端子VCC2を内部電源線IVCCに接続する。モニタ端子MON1は、内部電源線IVCCに接続され、モニタ端子MON1に接続されるテスト装置等は、内部電源電圧IVCCに対応する電圧をモニタ可能である。
ダイオードD1は、アノードが電源端子VCC1に接続され、カソードが内部電源線DVCCに接続される。ダイオードD2は、アノードが電源端子VCC2に接続され、カソードが内部電源線DVCCに接続される。ダイオードD1、D2は、電源端子VCC1、VCC2と内部電源線DVCCとの間にそれぞれ配置され、電源端子VCC1、VCC2から内部電源線DVCCへの整流作用を有する第1整流回路の一例である。
テスト制御回路TCNTは、内部電源電圧DVCCおよび接地電圧VSSを受けて動作する。テスト制御回路TCNTは、電源端子VCC1、VCC2の各々の接触テストを実施するテスト期間に、制御信号N1、N2を生成する。接触テストにより、半導体装置SEMが搭載される基板やソケットの電源端子と、半導体装置SEMの各電源端子VCC1、VCCとの接触不良が検出される。
例えば、テスト制御回路TCNTは、電源端子VCC1の接触テストを実施する場合、スイッチSW1をオンし、スイッチSW2をオフする制御信号N1、N2を出力する。電源端子VCC1の接触不良がない場合、電源電圧が電源端子VCC1からスイッチSW1を介して内部電源線IVCCに供給され、モニタ端子MON1に電源電圧が現れる。一方、電源端子VCC1の接触不良がある場合、電源電圧が内部電源線IVCCに供給されないため、モニタ端子MON1に電源電圧は現れない。
電源端子VCC1の接触テストでスイッチSW1がオンされる場合、ダイオードD2を介して電源端子VCC2から内部電源線DVCCに供給される電源電圧は、ダイオードD1の整流作用により内部電源線IVCCに供給されない。このため、テスト制御回路TCNTに電源電圧を供給して、電源端子VCC1の接触テストを実施する場合に、電源端子VCC1以外から電源電圧が内部電源線IVCCに供給されることを阻止できる。
一方、テスト制御回路TCNTは、電源端子VCC2の接触テストを実施する場合、スイッチSW2をオンし、スイッチSW1をオフする制御信号N1、N2を出力する。電源端子VCC2の接触不良がない場合、電源電圧が電源端子VCC2からスイッチSW2を介して内部電源線IVCCに供給され、モニタ端子MON1に電源電圧が現れる。一方、電源端子VCC2の接触不良がある場合、電源電圧が内部電源線IVCCに供給されないため、モニタ端子MON1に電源電圧は現れない。
電源端子VCC2の接触テストでスイッチSW2がオンされる場合、ダイオードD1を介して電源端子VCC1から内部電源線DVCCに供給される電源電圧は、ダイオードD2の整流作用により内部電源線IVCCに供給されない。このため、テスト制御回路TCNTに電源電圧を供給して、電源端子VCC2の接触テストを実施する場合に、電源端子VCC2以外から電源電圧が内部電源線IVCCに供給されることを阻止できる。
半導体装置SEMをテストするテスト装置は、テスト期間にモニタ端子MON1の電圧レベルをモニタすることにより、電源端子VCC1、VCC2の接触不良の有無を検出する。すなわち、半導体装置SEMのテスト方法が実施される。この実施形態では、共通の電源電圧が電源端子VCC1、VCC2に供給される場合にも、テスト装置は、電源端子VCC1、VCC2毎に接触不良を検出できる。
例えば、半導体装置SEMをテストするテスト装置は、テスト装置に搭載された半導体装置SEMの電源端子VCC1、VCC2に接触不良がないことを検出した後、内部回路CKTの動作テストを実施し、半導体装置SEMを良品と不良品に区別する。すなわち、半導体装置の製造方法が実施され、半導体装置SEMが製造される。なお、接触テストにおいて電源端子VCC1、VCC2のいずれかの接触不良が検出された場合、半導体装置SEMは、テスト装置のソケット等から一度取り外された後に、ソケット等に再び搭載され、接触テストが再び実施される。そして、接触不良が解消されたことが確認された後に、内部回路CKTのテストが実施される。
電源端子VCC1、VCC2の接触テストの実施後に、内部回路CKTの動作テストが実施されるため、内部回路CKTの動作マージンが、電源電圧の供給不足に起因して低下することはない。換言すれば、電源端子VCCの接触不良による内部回路CKTの動作マージン不良は発生しないため、半導体装置SEMの良品率である歩留は向上する。
以上、この実施形態では、モニタ端子MON1に現れる電圧レベルは、接触テストを実施する電源端子VCC1(またはVCC2)以外の電源端子VCC2(またはVCC1)に供給される電源電圧の影響を受けない。このため、テスト装置は、モニタ端子MON1をモニタすることで、電源端子VCC1、VCC2の接触テストを誤判定することなく実施できる。例えば、複数の電源端子VCC1、VCC2が半導体装置SEM1内で近接する位置に配置される場合や、多数の電源端子VCCが半導体装置SEM1に配置される場合にも、電源端子VCCの接触テストを誤判定することなく実施できる。
また、内部回路CKTの動作テストの前に、電源端子VCCの接触テストが実施されるため、電源端子VCCの接触不良による内部回路CKTの動作マージン不良は発生せず、半導体装置SEMの歩留を向上可能である。
図2は、半導体装置および半導体装置の製造方法の別の実施形態を示す。上述した実施形態で説明した要素と同一または同様の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この実施形態の半導体装置SEM1は、論理回路等を含む内部回路CKTとテスト制御回路TCNT1とを有する。内部回路CKTは、内部電源電圧IVCCおよび内部接地電圧IVSSを受けて動作し、半導体装置SEM1をテストモードに設定するモード回路MDを有する。内部電源電圧IVCCのレベルは、モニタ端子MON1によりモニタ可能であり、内部接地電圧IVSSのレベルは、モニタ端子MON2によりモニタ可能である。なお、モード回路MDは、内部回路CKTの外側に配置されてもよい。
モード回路MDは、リセット信号RSTXの立ち上がりエッジに同期して受けるモード信号MD1、MD2の論理に応じて、テスト信号TEST(TEST1、TEST2、TEST3、TEST4)のいずれかを、例えばハイレベルに活性化する。なお、リセット信号RSTXがロウレベルの場合、内部回路CKTはリセットされ、リセット信号RSTXがハイレベルの場合、内部回路CKTのリセットは解除される。
モード回路MDは、2ビットのモード信号MD1、MD2によりテスト信号TEST1−TEST4のいずれかを活性化することで、4つのテストモードを選択可能である。例えば、テスト信号TEST1の活性化により、半導体装置SEM1の状態は、通常動作モードから接触テストモードに移行する。接触テストモードは、半導体装置SEM1を搭載するテスト装置の電源端子および接地端子と、電源端子VCC1、VCC2、VCC3および接地端子VSS1、VSS2、VSS3とがそれぞれ導通していることを確認する接触テストの実施時に移行される。なお、以下の説明では、電源端子VCC1、VCC2、VCC3を区別することなく説明する場合に、電源端子VCCとも称し、接地端子VSS1、VSS2、VSS3を区別することなく説明する場合に、接地端子VSSとも称する。
電源端子VCC1は、ゲートで制御信号N1を受けるpMOSトランジスタPM1を介して内部電源線IVCCに接続される。電源端子VCC2は、ゲートで制御信号N2を受けるpMOSトランジスタPM2を介して内部電源線IVCCに接続される。電源端子VCC3は、ゲートで制御信号N3を受けるpMOSトランジスタPM3を介して内部電源線IVCCに接続される。pMOSトランジスタPM1、PM2、PM3は、電源端子VCC1、VCC2、VCC3を内部電源線IVCCにそれぞれ接続する第1スイッチの一例である。なお、電源端子VCCの数は、3個に限定されず、2個以上であればよい。
接地端子VSS1は、ゲートで制御信号N4を受けるnMOSトランジスタNM1を介して内部接地線IVSSに接続される。接地端子VSS2は、ゲートで制御信号N5を受けるnMOSトランジスタNM2を介して内部接地線IVSSに接続される。接地端子VSS3は、ゲートで制御信号N6を受けるnMOSトランジスタNM3を介して内部接地線IVSSに接続される。nMOSトランジスタNM1、NM2、NM3は、接地端子VSS1、VSS2、VSS3を内部接地線IVSSにそれぞれ接続する第2スイッチの一例である。なお、接地端子VSSの数は、3個に限定されず、2個以上であればよい。
テスト制御回路TCNT1は、内部電源電圧DVCCおよび内部接地電圧DVSSを受けて動作し、入力信号IN1、IN2、IN3、リセット信号RSTXおよびテスト信号TEST1に応じて制御信号N1、N2、N3、N4、N5、N6を出力する。テスト制御回路TCNT1の例は、図3に示す。
電源端子VCC1は、ダイオードD1のアノードに接続され、電源端子VCC2は、ダイオードD2のアノードに接続され、電源端子VCC3は、ダイオードD3のアノードに接続される。内部電源線DVCCは、ダイオードD1、D2、D3のカソードに接続される。すなわち、ダイオードD1、D2、D3は、電源端子VCC1、VCC2、VCC3から内部電源線DVCCに向けて順方向になるようにそれぞれ配置される。ダイオードD1、D2、D3は、電源端子VCC1、VCC2、VCC3から内部電源線DVCCへの整流作用を有する第1整流回路の一例である。
接地端子VSS1は、ダイオードD4のカソードに接続され、接地端子VSS2は、ダイオードD5のカソードに接続され、接地端子VSS3は、ダイオードD6のカソードに接続される。内部接地線DVSSは、ダイオードD4、D5、D6のアノードに接続される。すなわち、ダイオードD4、D5、D6は、内部接地線DVSSから接地端子VSS1、VSS2、VSS3に向けて順方向になるようにそれぞれ配置される。ダイオードD4、D5、D6は、内部接地線DVSSから接地端子VSS1、VSS2、VSS3への整流作用を有する第2整流回路の一例である。
ダイオードD1、D2、D3により、電源電圧が電源端子VCC1−VCC3のいずれかに供給される場合、内部電源電圧DVCCがテスト制御回路TCNT1に供給される。また、ダイオードD4、D5、D6により、接地電圧が接地端子VSS1−VSS3のいずれかに供給される場合、内部接地電圧DVSSがテスト制御回路TCNT1に供給される。
なお、電源端子VCC1−VCC3の接触不良が同時に発生した場合、半導体装置SEM1に電荷が供給されず、半導体装置SEM1の内部回路CKTは動作しない。また、接地端子VSS1−VSS3の接触不良が同時に発生した場合、半導体装置SEM1から電荷が引き抜けず、内部回路CKTは動作しない。この場合、内部回路CKTの動作テストの実施が困難になる。このため、電源端子VCC1−VCC3の接触不良が同時に発生するケースおよび接地端子VSS1−VSS3の接触不良が同時に発生するケースは想定しない。すなわち、内部電源電圧DVCCは、電源端子VCC1−VCC3のいずれかの接触不良の有無に拘わらずテスト制御回路TCNT1に供給される。内部接地電圧DVSSは、接地端子VSS1−VSS3のいずれかの接触不良の有無に拘わらずテスト制御回路TCNT1に供給される。
図3は、図2に示したテスト制御回路TCNT1の例を示す。テスト制御回路TCNT1は、デコーダDEC1、制御信号N1−N6にそれぞれ対応するラッチ回路LTと、アンド回路AND1、AND2、AND3およびオア回路OR1、OR2、OR3とを有する。テスト制御回路TCNT1の動作の例は、図6で説明する。
デコーダDEC1は、入力信号IN1−IN3の論理に応じて6ビットの制御信号N0(N01、N02、N03、N04、N05、N06)を生成する。各ラッチ回路LTは、デコーダDEC1から出力される制御信号N0の論理を入力端子Dで受け、受けた論理をクロック端子CKで受けるリセット信号RSTXの立ち上がりエッジに同期してラッチする。各ラッチ回路LTは、ラッチした論理を出力端子Qから出力する。
アンド回路AND1、AND2、AND3は、リセット信号RSTXおよびテスト信号TEST1がハイレベルの期間に、対応するラッチ回路LTから出力される論理を制御信号N1、N2、N3としてそれぞれ出力する。アンド回路AND1、AND2、AND3は、リセット信号RSTXおよびテスト信号TEST1の少なくともいずれかがロウレベルの期間に、ラッチ回路LTから出力される論理に拘わりなく制御信号N1、N2、N3をロウレベルに設定する。
オア回路OR1、OR2、OR3は、リセット信号RSTXおよびテスト信号TEST1がハイレベルの期間に、対応するラッチ回路LTから出力される論理を制御信号N4、N5、N6としてそれぞれ出力する。オア回路OR1、OR2、OR3は、リセット信号RSTXおよびテスト信号TEST1の少なくともいずれかがロウレベルの期間に、ラッチ回路LTから出力される論理に拘わりなく制御信号N4、N5、N6をハイレベルに設定する。
図4は、図2に示した半導体装置SEM1における通常動作モード中に使用される端子に接続される保護回路の例を示す。図4では、一例としてクロック端子CLKに接続される保護回路の例を示す。
例えば、通常動作モードは、半導体装置SEM1がユーザシステムに搭載されて動作するときに設定される。通常動作モードで使用される端子は、テスト時に使用される図2に示したリセット端子RSTX、モード端子MD1、MD2および入力端子IN1、IN2、IN3を除く端子である。また、保護回路は、電源端子VCCおよび接地端子VSSに接続されない。
保護回路は、内部電源線IVCCと外部端子との間に接続されるダイオードDaと、外部端子と内部接地線IVSSとの間に接続されるダイオードDbとを有する。ダイオードDaのアノードは、外部端子に接続され、ダイオードDaのカソードは、内部電源線IVCCに接続される。ダイオードDbのアノードは、内部接地線IVSSに接続され、ダイオードDbのカソードは、外部端子に接続される。
なお、リセット端子RSTX、入力端子IN1−IN3およびモード端子MD1、MD2の各々に接続される保護回路は、図4に示した内部電源線IVCCおよび内部接地線IVSSの代わりに電源線VCCおよび接地線VSSに接続される。また、電源端子VCCおよび接地端子VSSには、保護回路は接続されない。
図5は、図2に示した半導体装置SEM1をテストするテスト装置TESTの例を示す。例えば、テスト装置TESTは、LSI(Large Scale Integrated circuit)テスタまたは半導体装置SEM1をテストする評価ボードである。
テスト装置TESTは、信号生成部SGEN、判定部JDG、抵抗素子R1、R2および半導体装置SEM1を装着するソケットSKTを有する。なお、図5では、説明を分かりやすくするために、外部端子(リード)が周囲に設けられるパッケージの形態の半導体装置SEM1の例を示すが、半導体装置SEM1のパッケージの形態は、図5に限定されない。
例えば、信号生成部SGENは、入力端子IN1−IN3、リセット端子RSTXおよびモード端子MD1、MD2を電源線VCCまたは接地線VSSに接続するスイッチSWを有する。そして、信号生成部SGENは、接触テストを実施する場合にテスト装置TESTの外部または内部で発生する接触テストの起動要求に基づいて、所定の論理の入力信号IN1−IN3、リセット信号RSTXおよびモード信号MD1、MD2を生成する。
また、信号生成部SGENは、半導体装置SEM1における図4に示した保護回路に接続される外部端子を、電源端子VCC1−VCC3の接触テスト時にロウレベルに設定し、接地端子VSS1−VSS3の接触テスト時にハイレベルに設定するスイッチを有する。
これにより、電源端子VCC1−VCC3の接触テスト時に、図4に示した保護回路のダイオードDaを介して、クロック端子CLK等の外部端子から内部電源線IVCCに電荷が供給されることを阻止できる。また、接地端子VSS1−VSS3の接触テスト時に図4に示した保護回路のダイオードDbを介して、内部接地線IVSSからクロック端子CLK等の外部端子に電荷が引き抜かれることを阻止できる。この結果、電源端子VCC1−VCC3および接地端子VSS1−VSS3の接触テストを誤判定することなく実施できる。
判定部JDGは、接触テスト時に半導体装置SEM1から出力されるモニタ信号MON1、MON2の論理レベルに応じて、各電源端子VCCおよび各接地端子VSSの接触不良の有無を判定し、判定結果として出力する。例えば、判定結果は、テスト装置TESTに接続される表示装置に表示される。
なお、図2に示した回路では、接触テストを実施する各電源端子VCCに接触不良がある場合、モニタ信号MON1は、フローティング状態になる。このため、接触不良の発生時にモニタ端子MON1を電源電圧VCCのレベルと反対のロウレベルに設定するために、モニタ端子MON1は、抵抗素子R1によりプルダウンされる。また、接触テストを実施する各接地端子VSSに接触不良がある場合、モニタ信号MON2は、フローティング状態になる。このため、接触不良の発生時にモニタ端子MON2を接地電圧VSSのレベルと反対のハイレベルに設定するために、モニタ端子MON2は、抵抗素子R2によりプルアップされる。
なお、抵抗素子R1、R2の抵抗値は、電源線VCCと接地線VSS間の貫通電流を小さくするために、例えば、100kΩ(キロオーム)から1MΩ(メガオーム)程度に設定することが好ましい。また、接触テスト後に実施される内部回路CKTの動作テスト時に、抵抗素子R1、R2をモニタ信号線MON1、MON2(すなわち、内部電源線IVCCと内部接地線IVSS)から切り離すスイッチ回路が、テスト装置TESTに設けられてもよい。
図6は、図2に示した半導体装置SEM1をテストする場合の信号の論理の例を示す。例えば、図5に示した信号生成部SGENは、接触テストを実施する場合に、入力信号IN3、IN2、IN1による3ビットの値を”0”から”5”のいずれかに設定する。
図3に示したデコーダDEC1は、入力信号IN3−IN1の論理に応じて、制御信号N01−N03の1つをロウレベルLに設定し、制御信号N01−N03の残りの2つと制御信号N04−N06をハイレベルHに設定する。あるいは、デコーダDEC1は、入力信号IN3−IN1の論理に応じて、制御信号N04−N06の1つをハイレベルHに設定し、制御信号N05−N06の残りの2つと制御信号N01−N03をロウレベルLに設定する。
図3に示したラッチ回路LTは、制御信号N01−N06の論理をそれぞれラッチし、アンド回路AND1−AND3およびオア回路OR1−OR3を介して制御信号N1−N6としてそれぞれ出力する。
そして、制御信号N1がロウレベルに設定されることで、電源端子VCC1の接触テストが実施される。制御信号N2がロウレベルに設定されることで、電源端子VCC2の接触テストが実施される。制御信号N3がロウレベルに設定されることで、電源端子VCC3の接触テストが実施される。
図5に示した判定部JDGは、各電源電圧VCC1−VCC3の接触テスト時に、モニタ端子MON1のハイレベルを検出した場合に、各電源端子VCC1−VCC3が導通していると判定する(Pass)。判定部は、各電源電圧VCC1−VCC3の接触テスト時に、モニタ端子MON1のフローティング状態Hi−Zを検出した場合に、テストする電源端子VCC(VCC1−VCC3のいずれか)の接触不良(導通不良)を検出する(Fail)。なお、判定部JDGは、モニタ端子MON1のフローティング状態Hi−Zを、図5に示したプルダウン用の抵抗素子R1により、ロウレベルLとして検出する。
一方、判定部JDGは、モニタ端子MON2のロウレベルを検出した場合に、各接地端子VSS1−VSS3が導通していると判定する(Pass)。判定部は、モニタ端子MON2のフローティング状態Hi−Zを検出した場合に、テストする接地端子VSS(VSS1−VSS3のいずれか)の接触不良(導通不良)を検出する(Fail)。なお、判定部JDGは、モニタ端子MON2のフローティング状態Hi−Zを、図5に示したプルアップ用の抵抗素子R2により、ハイレベルHとして検出する。
図7は、図2に示した半導体装置SEM1の接触テスト時の動作波形の例を示す。図7において、斜線で示した波形は、ハイレベルまたはロウレベルに設定されることを示す。
例えば、接触テストは、半導体装置SEM1の内部回路CKTの動作テストの前に実施される。動作テストは、接触テストにより、電源端子VCC1−VCC3および接地端子VSS1−VSS3が図5に示したソケットSKTの端子に電気的に接続されたことを確認した後に実施される。接触テストと、接触テスト後の動作テストとは、半導体装置SEM1の製造工程におけるテスト工程により実施される。すなわち、図7は、半導体装置SEM1の製造方法を示す。
接触テストの実施により、各電源端子VCC1−VCC3が内部電源線IVCCに接続され、各接地端子VSS1−VSS3が内部接地線IVSSに接続された状態で、動作テストが実施可能になる。この結果、内部回路CKTの動作マージンが、電源電圧VCCの供給能力の不足や接地電圧VSSの引き抜き能力の不足に起因して低下することはない。すなわち、電源端子VCC1−VCC3および接地端子VSS1−VSS3の接触不良による内部回路CKTの動作マージン不良は発生しないため、半導体装置SEM1の歩留は向上する。また、接触不良は、電源端子VCC1−VCC3毎および接地端子VSS1−VSS3毎に検出可能である。
図7に示す例では、電源端子VCC1の接触テスト時の動作波形と、接地端子VSS1の接触テスト時の動作波形を示す。なお、リセット信号RSTXのロウレベル期間は、内部回路CKTのリセット期間である。
まず、図5に示した信号生成部SGENは、リセット信号RSTXのリセット期間に、モード信号MD2−MD1を、接触テストを示す値(例えば、”0”)に設定する(図7(a))。また、信号生成部SGENは、リセット信号RSTXのリセット期間に、入力信号IN3−IN1を、電源端子VCC1のテストを示す値(例えば、”0”)に設定する(図7(b))。
図3に示したデコーダDEC1は、入力信号IN3−IN1の論理に応じて、制御信号N06−N01を生成する(図7(c))。電源端子VCC1をテストする場合、制御信号N06−N01は、例えば、”3Eh”に設定される。なお、制御信号N06−N01の値の末尾の”h”は、値が16進数であることを示す。
図3に示したアンド回路AND1−AND3は、リセット信号RSTXまたはテスト信号TEST1がロウレベル期間に無効にされ、ロウレベルを出力する(図7(d))。図3に示したオア回路OR1−OR3は、リセット信号RSTXまたはテスト信号TEST1がロウレベル期間に無効にされ、ハイレベルを出力する(図7(e))。
このため、リセット信号RSTXがロウレベルの期間、pMOSトランジスタPM1、PM2、PM3はオンし、3つの電源端子VCC1、VCC2、VCC3から内部電源線IVCCに電源電圧が供給される。また、nMOSトランジスタNM1、NM2、NM3はオンし、3つの接地端子VSS1、VSS2、VSS3から内部接地線IVSSに接地電圧が供給される。
リセット信号RSTXは、テストモードおよび通常動作モードに拘わりなく、半導体装置SEM1に供給される。このため、通常動作モード中、内部回路CKTは、リセット信号RSTXのロウレベル期間に、3つの電源端子VCCおよび3つの接地端子VSSに接続された状態で動作する。
次に、信号生成部SGENは、リセット信号RSTをハイレベルに設定する(図7(f))。図2に示したモード回路MDは、リセット信号RSTXの立ち上がりエッジに同期してモード信号MD2、MD1の論理を判定し、接触テストモードを示すテスト信号TEST1をハイレベルに設定する(図7(g))。
図3に示したラッチ回路LTは、リセット信号RSTXの立ち上がりエッジに同期して制御信号N01−N06の論理をそれぞれラッチし、ラッチした論理をアンド回路AND1−AND3およびオア回路OR1−OR3に出力する。アンド回路AND1−AND3およびオア回路OR1−OR3は、リセット信号RSTXのハイレベルとテスト信号TEST1のハイレベルに基づいて有効になり、ラッチ回路LTから出力される論理を制御信号N1−N6として出力するバッファとして動作する。そして、制御信号N1はロウレベルに設定され、制御信号N2−N6は、ハイレベルに設定される(図7(h))。
なお、図7(h)に示したように、ラッチ回路LTは、リセット信号RSTXの立ち上がりエッジに同期してデコーダDECから出力される論理をラッチする。このため、図2に示したテスト制御回路TCNT1は、内部電源電圧DVCCおよび内部接地電圧DVSSを受けて動作するが、テスト制御回路TCNT1内のデコーダDECは、内部電源電圧IVCCおよび内部接地電圧IVSSを受けて動作してもよい。例えば、電源端子VCC1の接触不良により、リセット信号RSTXのハイレベル期間に内部電源線IVCCに電源電圧が供給されず、デコーダDECの動作が停止してもテスト制御回路TCNT1は誤動作することなく動作可能である。
図2に示したpMOSトランジスタPM1は、ロウレベルの制御信号N1によりオンし、電源端子VCC1を内部電源線IVCCに接続する。pMOSトランジスタPM2、PM3は、ハイレベルの制御信号N2、N3によりオフする。すなわち、電源電圧VCCは、電源端子VCC1により内部電源線IVCCに供給される。nMOSトランジスタNM1、NM2、NM3は、ハイレベルの制御信号N4、N5、N6によりオンし、接地端子VSS1、VSS2、VSS3を内部接地線IVSSに接続する。
電源端子VCC1と図5に示したソケットSKTの端子とが電気的に接触している場合、pMOSトランジスタPM1を介して電源端子VCC1から内部電源線IVCCに電源電圧が供給され、モニタ信号MON1は、ハイレベルに維持される(図7(i))。図5に示した判定部JDGは、ハイレベルのモニタ信号MON1を検出することで、電源端子VCC1とソケットSKTの端子との間に接触不良がないと判定する(Pass)。
一方、電源端子VCC1とソケットSKTの端子とが電気的に接触していない場合、pMOSトランジスタPM1を介して電源端子VCC1から内部電源線IVCCに電源電圧が供給されない。これにより、内部電源線IVCCは、フローティング状態になり、モニタ信号MON1は、プルダウン抵抗として機能する抵抗素子R1によりロウレベルに変化する(図7(j))。判定部JDGは、ロウレベルのモニタ信号MON1を検出することで、電源端子VCC1とソケットSKTの端子との間に接触不良があると判定する(Fail)。なお、この実施形態では、内部電源線IVCCの電圧は、モニタ信号MON1の電圧を同じであり、内部接地線IVSSの電圧は、モニタ信号線MON2の電圧と同じである。
次に、電源端子VCC1の接触テスト後、テスト装置TESTの信号生成部SGENは、リセット信号RSTXをロウレベルに設定する(図7(k))。そして、信号生成部SGENは、モード信号MD2−MD1を、接触テストを示す値(例えば、”0”)に設定し、入力信号IN3−IN1を、接地端子VSS1のテストを示す値(例えば、”3”)に設定する(図7(l、m))。
半導体装置SEM1のデコーダDEC1は、入力信号IN3−IN1の論理に応じて、制御信号N06−N01を、例えば、接地線VSS1の接触テストを示す”08h”に設定する。リセット信号RSTXのロウレベル期間に、アンド回路AND1−AND3はロウレベルを出力し、オア回路OR1−OR3はハイレベルを出力する(図7(n、o))。
次に、信号生成部SGENは、リセット信号RSTをハイレベルに設定する(図7(p))。モード回路MDは、リセット信号RSTXの立ち上がりエッジに同期してモード信号MD2、MD1の論理を判定し、接触テストモードを示すテスト信号TEST1をハイレベルに維持する(図7(q))。
テスト制御回路TCNT1のラッチ回路LTは、リセット信号RSTXの立ち上がりエッジに同期して制御信号N01−N06の論理をそれぞれラッチする。テスト制御回路TCNT1のアンド回路AND1−AND3およびオア回路OR1−OR3は、リセット信号RSTXのハイレベルとテスト信号TEST1のハイレベルに基づいて有効になり、ラッチ回路LTから出力される論理を制御信号N1−N6として出力するバッファとして動作する。そして、制御信号N4はハイレベルに設定され、制御信号N1−N3、N5、N6は、ロウレベルに設定される(図7(r))。
半導体装置SEM1のnMOSトランジスタNM1は、ハイレベルの制御信号N4によりオンし、接地端子VSS1を内部接地線IVSSに接続する。nMOSトランジスタNM2、NM3は、ロウレベルの制御信号N5、N6によりオフする。すなわち、接地電圧VSSは、接地端子VSS1により内部接地線IVSSに供給される。pMOSトランジスタPM1、PM2、PM3は、ロウレベルの制御信号N1、N2、N3によりオンし、電源端子VCC1、VCC2、VCC3を内部電源線IVCCに接続する。
接地端子VSS1とテスト装置TESTのソケットSKTの端子とが電気的に接触している場合、nMOSトランジスタNM1を介して接地端子VSS1から内部接地線IVSSに接地電圧VSSが供給され、モニタ信号MON2は、ロウレベルに維持される(図7(s))。テスト装置TESTの判定部JDGは、ロウレベルのモニタ信号MON2を検出することで、接地端子VSS1とソケットSKTの端子との間に接触不良がないと判定する(Pass)。
一方、接地端子VSS1とソケットSKTの端子とが電気的に接触していない場合、nMOSトランジスタNM1を介して接地端子VSS1から内部接地線IVSSに接地電圧VSSが供給されない。これにより、内部接地線IVSSは、フローティング状態になり、モニタ信号MON2は、プルアップ抵抗として機能する抵抗素子R2によりハイレベルに変化する(図7(t))。判定部JDGは、ハイレベルのモニタ信号MON2を検出することで、接地端子VSS1とソケットSKTの端子との間に接触不良があると判定する(Fail)。
なお、電源端子VCC2、VCC3の接触テストは、図6に示した入力信号IN3−IN1の論理および制御信号N6−N1の論理が電源端子VCC1の接触テスト時と異なることを除き、電源端子VCC1の接触テストと同様に実施される。接地端子VSS2、VSS3の接触テストは、図6に示した入力信号IN3−IN1の論理および制御信号N6−N1の論理が接地端子VSS1の接触テスト時と異なることを除き、接地端子VSS1の接触テストと同様に実施される。入力信号IN3−IN1の論理および制御信号N6−N1の論理は、図6に示した通りである。
以上、この実施形態では、テスト装置TESTは、モニタ端子MON1をモニタすることで、電源端子VCCの接触テストを誤判定することなく実施できる。同様に、テスト装置TESTは、モニタ端子MON2をモニタすることで、接地端子VSSの接触テストを誤判定することなく実施できる。
また、電源端子VCCおよび接地端子VSSの接触不良による内部回路CKTの動作マージン不良を発生させることなく、内部回路CKTの動作テストを実施でき、半導体装置SEMの歩留を向上できる。
さらに、モニタ端子MON1に接続されたプルダウン用の抵抗素子R1と、モニタ端子MON2に接続されたプルアップ用の抵抗素子R2とがテスト装置TESTに設けられる。このため、電源端子VCCの接触不良がある場合に、モニタ端子MON1は、抵抗素子R1がない場合に比べて迅速にロウレベルに変化する。また、接地端子VSSに接触不良がある場合に、モニタ端子MON2は、抵抗素子R2がない場合に比べて迅速にハイレベルに変化する。また、抵抗素子R1、R2により、モニタ端子MON1、MON2は、フローティング状態にならないため、接触テスト時に外来ノイズ等の影響を受けることはない。この結果、テスト装置TESTは、接触不良の有無を、抵抗素子R1、R2を設けない場合に比べて、迅速かつ安定的に判定できる。
図8は、半導体装置および半導体装置の製造方法の別の実施形態を示す。上述した実施形態で説明した要素と同一または同様の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の半導体装置SEM2は、図2に示した半導体装置SEM1にインバータIV1、IV2を追加している。半導体装置SEM2のその他の構成は、図2に示した半導体装置SEM1と同様である。
インバータIV1の電源端子は、内部電源線IVCCに接続され、インバータIV1の接地端子は、内部接地線DVSSに接続される。インバータIV1の入力端子は、内部接地線DVSSに接続され、インバータIV1の出力端子は、モニタ端子MON1に接続される。インバータIV2の電源端子は、内部電源線DVCCに接続され、インバータIV2の接地端子は、内部接地線IVSSに接続される。インバータIV2の入力端子は、内部電源線VCCに接続され、インバータIV2の出力端子は、モニタ端子MON2に接続される。
内部電源電圧DVCCは、電源端子VCC1−VCC3の接触不良の有無に拘わらず半導体装置SEM2に供給される。内部接地電圧DVSSは、接地端子VSS1−VSS3の接触不良の有無に拘わらず半導体装置SEM2に供給される。このため、インバータIV1の入力端子および接地端子は、接地端子VSS1−VSS3の接触不良の有無に拘わらず接地電圧を受ける。同様に、インバータIV2の入力端子および電源端子は、電源端子VCC1−VCC3の接触不良の有無に拘わらず電源電圧を受ける。
半導体装置SEM2は、図5に示したテスト装置TESTを用いて電源端子VCC1−VCC3および接地端子VSS1−VSS3の接触テストが個別に実施される。すなわち、テスト装置TESTのソケットSCKには、図5に示した半導体装置SEM1の代わりに半導体装置SEM2が装着される。半導体装置SEM2の接触テストを実施する場合の信号の論理の例は、図6と同様である。半導体装置SEM2の接触テスト時の動作波形は、図7と同様である。
なお、半導体装置SEM2は、通常動作モード中に使用される端子に接続される図4に示した保護回路を有する。リセット端子RSTX、入力端子IN1−IN3およびモード端子MD1、MD2に接続される保護回路は、図4に示した内部電源線IVCCの代わりに電源線VCCに接続される。また、リセット端子RSTX、入力端子IN1−IN3およびモード端子MD1、MD2に接続される保護回路は、内部接地線IVSSの代わりに接地線VSSに接続される。保護回路は、電源端子VCCおよび接地端子VSSに接続されない。
接触テストにおいて、電源端子VCC1、VCC2、VCC3のいずれかと、図5に示したテスト装置TESTのソケットSKTとの接触不良がある場合、内部電源線IVCCはフローティング状態になり、内部電源電圧IVCCは徐々に低下する。インバータIV1の出力であるモニタ信号線MON1は、インバータIV1のnMOSトランジスタのソース、ドレイン間を流れるオフリーク電流により、ロウレベルに変化する。オフリーク電流によるモニタ信号線MON1のロウレベルへの変化速度は、図2に示した半導体装置SEM1における電源端子VCCの接触不良時のモニタ信号線MON1のロウレベルへの変化速度より速い。但し、ロウレベルへの変化速度は、通常のインバータの動作速度に比べて遅いため、図5に示したように、プルダウン用の抵抗素子R1をテスト装置TESTに設けることが好ましい。
一方、接触テストにおいて、接地端子VSS1、VSS2、VSS3のいずれかと、テスト装置TESTのソケットSKTとの接触不良がある場合、内部接地線IVSSはフローティング状態になり、内部接地電圧IVSSは徐々に上昇する。インバータIV2の出力であるモニタ信号線MON2は、インバータIV2のpMOSトランジスタのソース、ドレイン間を流れるオフリーク電流により、ハイレベルに変化する。オフリーク電流によるモニタ信号線MON2のハイレベルへの変化速度は、図2に示した半導体装置SEM1における接地端子VSSの接触不良時のモニタ信号線MON2のハイレベルへの変化速度より速い。但し、ハイレベルへの変化速度は、通常のインバータの動作速度に比べて遅いため、図5に示したように、プルアップ用の抵抗素子R2をテスト装置TESTに設けることが好ましい。
以上、この実施形態においても、図2から図7に示した実施形態と同様に、テスト装置TESTは、モニタ端子MON1、MON2をモニタすることで、電源端子VCCの接触テストおよび接地端子VSSの接触テストを誤判定することなく実施できる。また、テスト装置TESTは、電源端子VCCおよび接地端子VSSの接触テスト後に内部回路CKTの動作テストを実施することで、半導体装置SEMの歩留を向上できる。
さらに、モニタ端子MON1をインバータIV1の出力に接続することで、電源端子VCCの接触不良時のモニタ信号線MON1のロウレベルへの変化速度は、図2に示した半導体装置SEM1のモニタ信号線MON1のロウレベルへの変化速度に比べて速くなる。同様に、モニタ端子MON2をインバータIV2の出力に接続することで、接地端子VSSの接触不良時のモニタ信号線MON2のハイレベルへの変化速度は、図2に示した半導体装置SEM1のモニタ信号線MON2のハイレベルへの変化速度より速くなる。したがって、接触不良の判定時間は、短縮可能である。例えば、図5に示したように、テスト装置TESTに抵抗素子R1、R2を設ける場合にも、接触不良の判定時間は、図7に示した半導体装置SEM1における接触不良の判定時間に比べて短縮可能である。
図9は、半導体装置および半導体装置の製造方法の別の実施形態を示す。上述した実施形態で説明した要素と同一または同様の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の半導体装置SEM3は、図8に示した半導体装置SEM1にバッファ回路BUF1、BUF2を追加している。半導体装置SEM3のその他の構成は、図8に示した半導体装置SEM2と同様である。
バッファ回路BUF1の電源端子は、内部電源線DVCCに接続され、バッファ回路BUF1の接地端子は、内部接地線DVSSに接続される。バッファ回路BUF1の入力端子は、インバータIV1の出力信号を受け、バッファ回路BUF1の出力端子は、モニタ信号MON1を出力する。内部電源電圧DVCCおよび内部接地電圧DVSSを受けるバッファ回路BUF1は、電源端子VCC1−VCC3の接触不良の有無に拘わらず動作し、インバータIV1から出力される論理レベルと同じ論理レベルのモニタ信号MON1を出力する。なお、インバータIV1およびバッファ回路BUF1は、入力端子で受ける論理を反転して出力するバッファ回路として動作する。
バッファ回路BUF2の電源端子は、内部電源線DVCCに接続され、バッファ回路BUF2の接地端子は、内部接地線DVSSに接続される。バッファ回路BUF2の入力端子は、インバータIV2の出力信号を受け、バッファ回路BUF2の出力端子は、モニタ信号MON2を出力する。内部電源電圧DVCCおよび内部接地電圧DVSSを受けるバッファ回路BUF2は、接地端子VSS1−VSS3の接触不良の有無に拘わらず動作し、インバータIV2から出力される論理レベルと同じ論理レベルのモニタ信号MON2を出力する。なお、インバータIV2およびバッファ回路BUF2は、入力端子で受ける論理を反転して出力するバッファ回路として動作する。
例えば、各バッファ回路BUF1、BUF2は、縦続接続された2つのCMOSインバータを有する。すなわち、各バッファ回路BUF1、BUF2は、図12に示すバッファ回路BUF3、BUF4からpMOSトランジスタPM12、PM13とnMOSトランジスタNM12、NM13とを削除した回路構成を有する。
なお、半導体装置SEM3は、インバータIV1、IV2を有さなくてもよい。この場合、バッファ回路BUF1の初段のインバータの電源端子および接地端子は、内部電源線IVCCおよび内部接地線DVSSにそれぞれ接続され、バッファ回路BUF1の初段のインバータの入力端子は、内部電源線DVCCに接続される。バッファ回路BUF1の後段のインバータの電源端子および接地端子は、内部電源線DVCCおよび内部接地線DVSSにそれぞれ接続される。
バッファ回路BUF2の初段のインバータの電源端子および接地端子は、内部電源線DVCCおよび内部接地線IVSSにそれぞれ接続され、バッファ回路BUF2の初段のインバータの入力端子は、内部接地線DVCCに接続される。バッファ回路BUF2の後段のインバータの電源端子および接地端子は、内部電源線DVCCおよび内部接地線DVSSにそれぞれ接続される。これにより、半導体装置SEM3の接触テスト時の動作波形は、後述する図10と同様になる。
半導体装置SEM3は、図5に示したテスト装置TESTを用いて電源端子VCC1−VCC3および接地端子VSS1−VSS3の接触テストが個別に実施される。すなわち、テスト装置TESTのソケットSCKには、図5に示した半導体装置SEM1の代わりに半導体装置SEM3が装着される。但し、半導体装置SEM3の接触テストを実施する場合、図5に示した抵抗素子R1、R2は、モニタ端子MON1、MON2に接続されない。半導体装置SEM3をテストする場合の信号の論理の例は、図6と同様である。
半導体装置SEM2と同様に、半導体装置SEM3は、通常動作モード中に使用される端子に接続される図4に示した保護回路を有する。リセット端子RSTX、入力端子IN1−IN3およびモード端子MD1、MD2に接続される保護回路は、図4に示した内部電源線IVCCの代わりに電源線VCCに接続される。また、リセット端子RSTX、入力端子IN1−IN3およびモード端子MD1、MD2に接続される保護回路は、内部接地線IVSSの代わりに接地線VSSに接続される。保護回路は、電源端子VCCおよび接地端子VSSに接続されない。
接触テストにおいて、電源端子VCC1、VCC2、VCC3のいずれかと、図5に示したテスト装置TESTのソケットSKTとの接触不良がある場合、内部電源線IVCCはフローティング状態になる。インバータIV1の出力は、インバータIV1のnMOSトランジスタのソース、ドレイン間を流れるオフリーク電流により、ロウレベルに変化する。バッファ回路BUF1は、インバータIV1の出力電圧が論理閾値より低くなった場合に、モニタ信号MON1をハイレベルからロウレベルに変化する。図5に示した判定部JDGは、モニタ信号MON1のロウレベルを検出した場合に、電源端子VCC1、VCC2、VCC3のいずれかの接触不良を検出する。
一方、接触テストにおいて、接地端子VSS1、VSS2、VSS3のいずれかと、テスト装置TESTのソケットSKTとの接触不良がある場合、内部接地線IVSSは、フローティング状態になる。インバータIV2の出力は、インバータIV2のpMOSトランジスタのソース、ドレイン間を流れるオフリーク電流により、ハイレベルに変化する。バッファ回路BUF2は、インバータIV2の出力電圧が論理閾値より高くなった場合に、モニタ信号MON2をロウレベルからハイレベルに変化する。図5に示した判定部JDGは、モニタ信号MON2のハイレベルを検出した場合に、接地端子VSS1、VSS2、VSS3のいずれかの接触不良を検出する。
図10は、図9に示した半導体装置SEM3の接触テスト時の動作波形の例を示す。図7と同様の波形については、詳細な説明は省略する。図7と同様に、例えば、接触テストは、半導体装置SEM1の内部回路CKTの動作テストの前に実施される。接触テストおよび接触テスト後の動作テストは、半導体装置SEM3の製造工程中のテスト工程により実施される。すなわち、図10は、半導体装置SEM3の製造方法を示す。なお、上述したように、半導体装置SEM3の接触テストを実施する場合、図5に示した抵抗素子R1、R2は、モニタ端子MON1、MON2に接続されない。
図10では、電源端子VCC1とテスト装置TESTのソケットSKTとの接触不良がある場合のモニタ信号MON1の波形が、図7と相違する。また、接地端子VSS1とテスト装置TESTのソケットSKTとの接触不良がある場合のモニタ信号MON2の波形が、図7と相違する。他の波形は、図7と同様である。
電源端子VCC1とテスト装置TESTのソケットSKTとの接触不良がある場合、バッファ回路BUF1は、インバータIV1の出力電圧が論理閾値より低くなった場合に、モニタ信号MON1をハイレベルからロウレベルに変化する(図10(a))。バッファ回路BUF1は、入力電圧を増幅して出力する機能を有するため、テスト装置TESTは、図5に示したプルダウン用の抵抗素子R1を用いることなく、電源端子VCCの接触不良を検出できる。
また、接地端子VSS1とテスト装置TESTのソケットSKTとの接触不良がある場合、バッファ回路BUF2は、インバータIV2の出力電圧が論理閾値より高くなった場合に、モニタ信号MON2をロウレベルからハイレベルに変化する(図10(b))。バッファ回路BUF2は、入力電圧を増幅して出力する機能を有するため、テスト装置TESTは、図5に示したプルアップ用の抵抗素子R2を用いることなく、接地端子VSSの接触不良を検出できる。
以上、この実施形態においても、図2から図7に示した実施形態と同様に、テスト装置TESTは、モニタ端子MON1、MON2をモニタすることで、電源端子VCCの接触テストおよび接地端子VSSの接触テストを誤判定することなく実施できる。また、テスト装置TESTは、電源端子VCCおよび接地端子VSSの接触テスト後に内部回路CKTの動作テストを実施することで、半導体装置SEMの歩留を向上できる。
さらに、テスト装置TESTは、プルダウン用の抵抗素子R1を用いることなく、電源端子VCCの接触不良を検出でき、プルアップ用の抵抗素子R2を用いることなく、接地端子VSSの接触不良を検出できる。
図11は、半導体装置および半導体装置の製造方法の別の実施形態を示す。上述した実施形態で説明した要素と同一または同様の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の半導体装置SEM4は、図9に示したバッファ回路BUF1、BUF2の代わりにバッファ回路BUF3、BUF4が配置され、図9に示したテスト制御回路TCNT1の代わりにテスト制御回路TCNT2が配置される。また、半導体装置SEM4は、入力端子IN1−IN3およびモニタ端子MON1、NON2に接続された入出力バッファIOBを有する。半導体装置SEM4のその他の構成は、図9に示した半導体装置SEM3と同様である。
バッファ回路BUF3、BUF4は、接触テストモード中に、テストイネーブル信号TENの活性化を受けて有効になり、接触テストモード以外の動作モード中に、テストイネーブル信号TENの非活性化を受けて無効になる。バッファBUF3、BUF4の例は、図12に示す。なお、インバータIV1およびバッファ回路BUF3は、入力端子で受ける論理を反転して出力するバッファ回路として動作する。また、インバータIV2およびバッファ回路BUF4は、入力端子で受ける論理を反転して出力するバッファ回路として動作する。
テスト制御回路TCNT2は、図9に示したテスト制御回路TCNT1にテストイネーブル信号TENを生成する機能を追加している。テスト制御回路TCNT2の例は、図13に示す。
入出力バッファIOBは、外部端子で受ける信号を内部回路CKTに伝達するナンドゲートと、内部回路CKTからの信号を外部端子に出力するトライステートバッファとを有する。入出力バッファIOBの配置により、入力端子IN1−IN3およびモニタ端子MON1、MON2は、内部回路CKTに供給される信号の入力端子と兼用でき、あるいは、内部回路CKTから出力される信号の出力端子と兼用できる。すなわち、入力端子IN1−IN3およびモニタ端子MON1、MON2は、汎用の入出力端子として利用できる。
なお、半導体装置SEM4は、入出力バッファの代わりに、外部端子で受ける信号を内部回路CKTに伝達する入力バッファ、または内部回路CKTからの信号を外部端子に出力するトライステートタイプの出力バッファを有してもよい。
半導体装置SEM4は、図5に示したテスト装置TESTを用いて電源端子VCC1−VCC3および接地端子VSS1−VSS3の接触テストが個別に実施される。すなわち、テスト装置TESTのソケットSCKには、図5に示した半導体装置SEM1の代わりに半導体装置SEM4が装着される。但し、半導体装置SEM4の接触テストを実施する場合、図5に示した抵抗素子R1、R2は、モニタ端子MON1、MON2に接続されない。
半導体装置SEM4をテストする場合の信号の論理の例は、図6と同様である。但し、この実施形態では、デコーダDEC2は、入力信号IN3、IN2、IN1により示される3ビットの値が”6”または”7”を示すときに、テストイネーブル信号TEN0をロウレベルに非活性化する。
図12は、図11に示したバッファ回路BUF3、BUF4の例を示す。各バッファ回路BUF3、BUF4は、互いに同じ回路であり、入力端子INと出力端子OUTとの間に直列に接続された一対のCMOSインバータCIV1、CIV2と、テストイネーブル信号TENを受けるCMOSインバータCIV3とを有する。
CMOSインバータCIV1は、内部電源線DVCCと内部接地線DVSSとの間に直列に接続されたpMOSトランジスタPM10およびnMOSトランジスタNM10を有する。CMOSインバータCIV2は、内部電源線DVCCと内部接地線DVSSとの間に直列に接続されたpMOSトランジスタPM12、PM11およびnMOSトランジスタNM11、NM12を有する。pMOSトランジスタPM11およびnMOSトランジスタNM11のゲートは、CMOSインバータCIV1の出力端子に接続される。pMOSトランジスタPM12のゲートは、CMOSインバータCIV3の出力端子に接続される。nMOSトランジスタNM12のゲートは、テストイネーブル信号TENを受ける。
CMOSインバータCIV3は、内部電源線DVCCと内部接地線DVSSとの間に直列に接続されたpMOSトランジスタPM13およびnMOSトランジスタNM13を有する。CMOSインバータCIV3は、テストイネーブル信号TENを受ける入力端子と、pMOSトランジスタPM12のゲートに接続された出力端子とを有する。
各バッファ回路BUF3、BUF4は、テストイネーブル信号TENがハイレベルの期間に、CMOSインバータCIV2を活性化し、入力端子INで受ける論理と同じ論理を出力端子OUTに出力する。また、各バッファ回路BUF3、BUF4は、テストイネーブル信号TENがロウレベルの期間に、CMOSインバータCIV2を非活性化し、出力端子OUTをフローティング状態に設定する。すなわち、バッファ回路BUF3、BUF4は、トライステートタイプのバッファ回路である。
図13は、図11に示したテスト制御回路TCNT2の例を示す。テスト制御回路TCNT2は、図3に示したデコーダDEC1の代わりにデコーダDEC2を有する。また、テスト制御回路TCNT2は、図3に示したテスト制御回路TCNT1にアンド回路AND4と、アンド回路AND4の入力に接続されたラッチ回路LTとを追加している。テスト制御回路TCNT2のその他の構成は、図3に示したテスト制御回路TCNT1と同様である。
デコーダDEC2は、テストイネーブル信号TEN0を生成する論理を、図3に示したデコーダDEC1に追加している。デコーダDEC2は、入力信号IN3、IN2、IN1により示される3ビットの値が”0”から”5”のいずれかを示すときに、テストイネーブル信号TEN0をハイレベルに活性化する。デコーダDEC2は、入力信号IN3、IN2、IN1により示される3ビットの値が”6”または”7”を示すときに、テストイネーブル信号TEN0をロウレベルに非活性化する。すなわち、デコーダDEC2は、接触テストが実施される場合に、テストイネーブル信号TEN0をハイレベルに活性化する。
テストイネーブル信号TEN0を入力端子Dで受けるラッチ回路LTは、リセット信号RSTXの立ち上がりエッジに同期して、テストイネーブル信号TEN0の論理をラッチし、ラッチした論理を出力端子Qから出力する。アンド回路AND4は、リセット信号RSTXおよびテスト信号TEST1がハイレベルの期間に、対応するラッチ回路LTから出力される論理をテストイネーブル信号TENとして出力する。アンド回路AND4は、リセット信号RSTXおよびテスト信号TEST1の少なくともいずれかがロウレベルの期間に、テストイネーブル信号TENをロウレベルに非活性化する。
図14は、図11に示した半導体装置SEM4の接触テスト時の動作波形の例を示す。図10と同様の波形については、詳細な説明は省略する。図7と同様に、例えば、接触テストは、半導体装置SEM1の内部回路CKTの動作テストの前に実施される。接触テストおよび接触テスト後の動作テストは、半導体装置SEM4の製造工程中のテスト工程により実施される。すなわち、図14は、半導体装置SEM4の製造方法を示す。図14は、図10に示した波形に、テストイネーブル信号TEN0、TENの波形が追加している。他の波形は、図10と同様である。
図13に示したデコーダDEC2は、入力信号IN3−IN1の値が、”0”から”5”のいずれかを示すときに、テストイネーブル信号TEN0をハイレベルに活性化する(図14(a)、(b))。アンド回路AND4は、リセット信号RSTXまたはテスト信号TEST1がロウレベルの期間に、テストイネーブル信号TENをロウレベルに非活性化する(図14(c)、(d))。
図13に示したテストイネーブル信号TENに対応するラッチ回路LTは、リセット信号RSTXの立ち上がりエッジに同期してテストイネーブル信号TEN0の論理をラッチし、ラッチした論理をアンド回路AND4に出力する。アンド回路AND4は、リセット信号RSTXのハイレベルとテスト信号TEST1のハイレベルに基づいて有効になり、ハイレベルのテストイネーブル信号TENを出力する(図14(e)、(f))。ハイレベルのテストイネーブル信号TENにより、図11に示したバッファBUF3は、有効になり、接触テストの結果に応じてハイレベルまたはロウレベルのモニタ信号MON1を出力する(図14(g))。同様に、ハイレベルのテストイネーブル信号TENにより、図11に示したバッファBUF4は、有効になり、接触テストの結果に応じてハイレベルまたはロウレベルのモニタ信号MON2を出力する(図14(h))。
以上、この実施形態においても、図2から図7に示した実施形態と同様に、テスト装置TESTは、モニタ端子MON1、MON2をモニタすることで、電源端子VCCの接触テストおよび接地端子VSSの接触テストを誤判定することなく実施できる。また、テスト装置TESTは、電源端子VCCおよび接地端子VSSの接触テスト後に内部回路CKTの動作テストを実施することで、半導体装置SEMの歩留を向上できる。テスト装置TESTは、プルダウン用の抵抗素子R1を用いることなく、電源端子VCCの接触不良を検出でき、プルアップ用の抵抗素子R2を用いることなく、接地端子VSSの接触不良を検出できる。
さらに、トライステートタイプのバッファ回路BUF3の出力がモニタ端子MON1に接続され、トライステートタイプのバッファ回路BUF4がモニタ端子MON2に接続されるため、入出力バッファIOBがモニタ端子MON1、MON2に接続可能になる。この結果、モニタ端子MON1、MON2は、通常動作モード時に使用可能な兼用端子にできる。また、入出力バッファIOBを入力端子IN1−IN3に接続することで、入力端子も兼用端子として使用できる。この結果、接触テスト時に使用する専用の端子がなくなるため、専用の端子を有する場合に比べて、半導体装置SEM4のチップサイズを削減できる。
図15は、半導体装置および半導体装置の製造方法の別の実施形態を示す。上述した実施形態で説明した要素と同一または同様の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態の半導体装置SEM5は、図11に示した半導体装置SEM4からインバータIV1、IV2を削除している。バッファ回路BUF3の入力は、内部電源線IVCCに接続され、バッファ回路BUF4の入力は、内部接地線IVSSに接続される。半導体装置SEM5のその他の構成は、図11に示した半導体装置SEM4と同様である。
この実施形態では、トライステートタイプのバッファ回路BUF3、BUF4の入力端子を内部電源線IVCCおよび内部接地線IVSSにそれぞれ接続することで、入力端子IN1−IN3およびモニタ端子MON1、MON2は、汎用の入出力端子として利用できる。この際、半導体装置SEM5は、図11に示したインバータIV1、IV2を持たないため、半導体装置SEM5の回路規模を、図11に示した半導体装置SEM4に比べて小さくできる。
なお、バッファ回路BUF3の初段のインバータの接地端子は、内部接地線IVSSに接続され、バッファ回路BUF4の初段のインバータの電源端子は、内部電源線IVCCにそれぞれ接続される。これにより、半導体装置SEM5の接触テスト時の動作波形は、図14と同様になる。
また、バッファ回路BUF3、BUF4の代わりに、トライステートタイプのCMOSインバータが配置されてもよい。例えば、トライステートタイプのCMOSインバータは、図12に示すバッファ回路BUF3、BUF4からpMOSトランジスタPM10とnMOSトランジスタNM10とを削除した回路構成を有する。また、バッファBUF3の代わりに使用されるトライステートタイプのCMOSインバータは、入力端子および接地端子が内部接地線DVSSに接続され、電源端子が内部電源線IVCCに接続される。バッファBUF4の代わりに使用されるトライステートタイプのCMOSインバータは、入力端子および電源端子が内部電源線DVCCに接続され、接地端子が内部接地線IVSSに接続される。
半導体装置SEM5は、図5に示したテスト装置TESTを用いて電源端子VCC1−VCC3および接地端子VSS1−VSS3の接触テストが個別に実施される。すなわち、テスト装置TESTのソケットSCKには、図5に示した半導体装置SEM1の代わりに半導体装置SEM5が装着される。但し、半導体装置SEM5の接触テストを実施する場合、図5に示した抵抗素子R1、R2は、モニタ端子MON1、MON2に接続されない。
半導体装置SEM5をテストする場合の信号の論理の例は、図6と同様である。但し、この実施形態では、テスト制御回路TCNT2のデコーダDEC2(図13)は、入力信号IN3、IN2、IN1により示される3ビットの値が”6”または”7”を示すときに、テストイネーブル信号TEN0をロウレベルに非活性化する。
以上、この実施形態においても、図2から図7に示した実施形態と同様に、テスト装置TESTは、モニタ端子MON1、MON2をモニタすることで、電源端子VCCの接触テストおよび接地端子VSSの接触テストを誤判定することなく実施できる。また、テスト装置TESTは、電源端子VCCおよび接地端子VSSの接触テスト後に内部回路CKTの動作テストを実施することで、半導体装置SEMの歩留を向上できる。テスト装置TESTは、プルダウン用の抵抗素子R1を用いることなく、電源端子VCCの接触不良を検出でき、プルアップ用の抵抗素子R2を用いることなく、接地端子VSSの接触不良を検出できる。
さらに、トライステートタイプのバッファ回路BUF3、BUF4を用いることで、モニタ端子MON1、MON2は、兼用端子として利用可能になり、専用の端子を有する場合に比べて、半導体装置SEM5のチップサイズを削減できる。
以上の実施形態において説明した発明を整理して、付記として開示する。
(付記1)
複数の電源端子と、
前記複数の電源端子を第1内部電源線にそれぞれ接続する複数の第1スイッチと、
前記第1内部電源線に接続された第1モニタ端子と、
前記複数の電源端子と第2内部電源線との間にそれぞれ配置され、前記複数の電源端子から前記第2内部電源線への整流作用を有する複数の第1整流回路と、
前記第2内部電源線に接続され、前記複数の第1スイッチを制御するテスト制御回路と
を備えたことを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記テスト制御回路は、前記複数の電源端子の各々の接触テストを実施するテスト期間に、前記複数の第1スイッチの1つをオンし、前記複数の第1スイッチの残りをオフすること
を特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
電源端子が前記第1内部電源線に接続され、接地端子が接地線に接続され、前記第1内部電源線に供給される電源電圧に対応する電圧レベルを出力する第1バッファ回路を備え、
前記第1内部電源線は、前記第1バッファ回路の電源端子を介して前記第1モニタ端子に接続されること
を特徴とする付記1または付記2記載の半導体装置。
(付記4)
前記第1バッファ回路は、入力端子が前記接地線に接続されたインバータであること
を特徴とする付記3記載の半導体装置。
(付記5)
前記第1バッファ回路は、縦続接続された複数の第1バッファ素子を有し、
前記第1バッファ素子のうちの初段の第1バッファ素子は、電源端子が前記第1内部電源線に接続され、接地端子および入力端子が前記接地線に接続され、
前記第1バッファ素子のうちの初段を除く第1バッファ素子は、電源端子が前記第2内部電源線に接続され、接地端子が前記接地線に接続されること
を特徴とする付記3記載の半導体装置。
(付記6)
前記第1モニタ端子に接続された入力バッファ、出力バッファおよび入出力バッファのいずれかを備え、
前記第1バッファ回路は、前記テスト期間に、入力端子で受ける電圧に応じた電圧レベルを出力し、前記テスト期間を除く期間に出力をフローティング状態に設定するトライステートタイプのバッファ回路であること
を特徴とする付記3ないし付記5のいずれか1項記載の半導体装置。
(付記7)
複数の接地端子と、
前記複数の接地端子を第1内部接地線にそれぞれ接続する複数の第2スイッチと、
前記第1内部接地線に接続された第2モニタ端子と、
前記複数の接地端子と第2内部接地線との間にそれぞれ配置され、前記第2内部接地線から前記複数の接地端子への整流作用を有する複数の第2整流回路を備え、
前記テスト制御回路は、前記第2内部接地線に接続され、前記複数の接地端子の各々の接触テストを実施する前記テスト期間に、前記複数の第2スイッチの1つをオンし、前記複数の第2スイッチの残りをオフすること
を特徴とする付記1記載の半導体装置。
(付記8)
電源端子が前記第2内部電源線に接続され、接地端子が前記第1内部接地線に接続され、前記第1内部接地線に供給される接地電圧に対応する電圧レベルを出力する第2バッファ回路を備え、
前記第1内部接地線は、前記第2バッファ回路の接地端子を介して前記第2モニタ端子に接続されること
を特徴とする付記7記載の半導体装置。
(付記9)
前記第2バッファ回路は、入力端子が前記第2内部電源線に接続されたインバータであること
を特徴とする付記8記載の半導体装置。
(付記10)
前記第2バッファ回路は、縦続接続された複数の第2バッファ素子を有し、
前記第2バッファ素子のうちの初段の第2バッファ素子は、電源端子および入力端子が前記第2内部電源線に接続され、接地端子が前記第1内部接地線に接続され、
前記第2バッファ素子のうちの初段を除く第2バッファ素子は、電源端子が前記第2内部電源線に接続され、接地端子が前記第2内部接地線に接続されること
を特徴とする付記8記載の半導体装置。
(付記11)
前記第2モニタ端子に接続された入力バッファ、出力バッファおよび入出力バッファのいずれかを備え、
前記第2バッファ回路は、前記テスト期間に、入力端子で受ける電圧に応じた電圧レベルを出力し、前記テスト期間を除く期間に出力をフローティング状態に設定するトライステートタイプのバッファ回路であること
を特徴とする付記8ないし付記10のいずれか1項記載の半導体装置。
(付記12)
複数の電源端子と、
前記複数の電源端子を第1内部電源線にそれぞれ接続する複数の第1スイッチと、
前記第1内部電源線に接続された第1モニタ端子と、
前記複数の電源端子と第2内部電源線との間にそれぞれ配置され、前記複数の電源端子から前記第2内部電源線への整流作用を有する複数の第1整流回路と、
前記第2内部電源線に接続され、前記複数の電源端子の各々の接触テストを実施するテスト期間に、テスト信号に応じて、前記複数の第1スイッチの1つをオンし、前記複数の第1スイッチの残りをオフするテスト制御回路と
を備えた半導体装置のテスト方法であって、
テスト装置に搭載された前記半導体装置の前記複数の電源端子に、前記テスト装置の電源端子から電源電圧を供給し、
前記テスト信号を前記テスト制御回路に供給して、前記複数のスイッチの1つを順次にオンさせ、
前記電源電圧に対応する電圧レベルが前記モニタ端子に現れる場合に、オンしたスイッチに接続された電源端子と前記テスト装置の電源端子との接触を検出し、前記電源電圧に対応する電圧レベルが前記モニタ端子に現れない場合に、オンしたスイッチに接続された電源端子と前記テスト装置の電源端子との非接触を検出する
ことを特徴とする半導体装置のテスト方法。
(付記13)
前記半導体装置は、前記複数の電源端子に供給される前記電源電圧に基づいて動作する内部回路を備え、
前記複数の電源端子の各々と前記テスト装置の電源端子との接触を検出した後に、前記複数のスイッチをオンさせ、前記内部回路のテストを実施する
ことを特徴とする付記12記載の半導体装置のテスト方法。
(付記14)
複数の電源端子と、
前記複数の電源端子を第1内部電源線にそれぞれ接続する複数の第1スイッチと、
前記第1内部電源線に接続された第1モニタ端子と、
前記複数の電源端子と第2内部電源線との間にそれぞれ配置され、前記複数の電源端子から前記第2内部電源線への整流作用を有する複数の第1整流回路と、
前記第2内部電源線に接続され、前記複数の電源端子の各々の接触テストを実施するテスト期間に、テスト信号に応じて、前記複数の第1スイッチの1つをオンし、前記複数の第1スイッチの残りをオフするテスト制御回路と、
前記複数の電源端子に供給される前記電源電圧に基づいて動作する内部回路と
を備えた半導体装置の製造方法であって、
テスト装置に搭載された前記半導体装置の前記複数の電源端子に、前記テスト装置の電源端子から電源電圧を供給し、
前記テスト信号を前記テスト制御回路に供給して、前記複数のスイッチの1つを順次にオンさせ、
前記電源電圧に対応する電圧レベルが前記モニタ端子に現れる場合に、オンしたスイッチに接続された電源端子と前記テスト装置の電源端子との接触を検出し、前記電源電圧に対応する電圧レベルが前記モニタ端子に現れない場合に、オンしたスイッチに接続された電源端子と前記テスト装置の電源端子との非接触を検出し、
前記複数の電源端子の各々と前記テスト装置の電源端子との接触を検出した後に、前記複数のスイッチをオンさせ、前記内部回路のテストを実施する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。