JP6152519B2 - 水難溶性薬物およびポリマーの医薬複合物 - Google Patents

水難溶性薬物およびポリマーの医薬複合物 Download PDF

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Description

発明の背景
好ましい薬物投与経路は経口である;しかし、薬物が、一度、この経路で投与されると、有効であり、所望の臨床応答を提供するためには、薬物は溶解して消化管内で吸収されることができなければならない。したがって、低水溶性の薬物は通常、経口投与したとき生物利用性が不十分でもあり、それは、薬物が非常に限られた量で血流に到達することを意味する。このため、難溶性薬物の経口デリバリーは、ここ数年で、先進的な薬学研究の最大の難問の1つになっている。事実、既存の薬物の約40%および全ての新規化学物質の50%超が、水に不溶性であるか難溶性であると算出されており、固有の吸収問題を有する可能性がある。
生物薬剤学分類体系(Biopharmaceutics Classification System)(BCS)が、Amidonらにより提唱され、薬物溶解性および胃腸透過性が薬物吸収の速度および程度を支配する基本的パラメータである(図1)という認識に基づいた薬物分類のためのFDAガイドラインに受け入れられてきた。BCSによれば、クラスII化合物は、消化管吸収全体にわたって一般的にまたは局所ベースで溶解度または溶解速度が制限される、難溶解性および高透過性を有すると定義される。
溶解のための相互作用エネルギー障壁を減少させることによってクラスII薬物の具体的課題に対処するために、多くの技術的アプローチが開発されてきた。これらのアプローチは、微粒子化、界面活性剤の包含、エマルションまたはマイクロエマルションの製剤、錯化剤(すなわちシクロデキストリン類)の使用または高エネルギー状態の生成を含む。
ビオライズテクノロジー(Biorise Technology)として商業上既知のテクノロジーは、難溶性薬物の生物学的利用能強化のための基盤である。このテクノロジーで、薬物結晶格子を崩壊させて、生物学的に不活性な担体で安定させた、非晶質および/またはナノ結晶質の、熱力学的活性化形を得ることにより、溶解度および溶解速度が改良される。これにより、薬物の溶解に到達するのに必要な相互作用エネルギー障壁が大幅に低減する。事実、非晶相は、担体中の単一薬物分子の「固溶体」であると考えることができ、水分子によって容易に溶媒和され、溶媒中に拡散される(溶解)。ナノ結晶質薬物形は、サイズが小さく、担体の細孔ネットワーク中に分散される。ナノ結晶のこの特有の熱力学状態は、薬物溶解特性が大幅に改善される結果となる。
ビオライズテクノロジーにおける薬物の熱力学状態の変化(活性化とも呼ばれる)は、異なる2つのアプローチ:HEMA(高エネルギーメカノケミカル活性化(High Energy Mechanochemical Activation))およびSIA(溶媒誘導性活性化(Solvent Induced Activation))によって達成される。こうした2つの技術は、それぞれ、機械的エネルギーおよび化学エネルギーを使用して、適切な担体(たとえば、ポリマー類、シクロデキストリン類)内部での薬物分散を可能にする。
HEMAプロセスは、高エネルギーメカノケミカル反応器(ミル)内で実施され、粉末粒子の反復マイクロフュージョン、破砕および粉砕を含む、(溶媒のない)物理的反応である。このため、このプロセスは高エネルギーメカノケミカル活性化(High Energy Mechano−chemical Activation)(HEMA)と呼ばれる。メカノケミカル活性化は、粉末混合物から出発して巨視的に均質な材料の製造を可能にする。メカノケミカル活性化は、過飽和の固溶体、ナノ結晶質(ナノメータの大きさ)、準結晶状態および非晶相を含む、安定相および準安定相を形成することができる。
薬物が好適な溶媒(プロセス溶媒)中に溶解され、膨潤により架橋ポリマー担体上に負荷される、溶媒誘導性活性化(Solvent Induced Activation)(SIA)プロセス、および次に続くプロセス溶媒の除去により、活性型(非晶質および/またはナノ結晶質)で薬物を含む乾燥材料が製造される。
架橋ポリマー中への薬物の負荷は、ポリマーの高分子ネットワーク全体に渡って薬物粒子を分子状に分散させ、改良された溶解性パターンに導く方法である。
生物学的利用能強化テクノロジーを用いて調製される化合物の安定性は、一般的な関心事である。ビオライズテクノロジーを用いれば、担体に負荷された活性化された薬物は、高い物理的安定性を有する(熱力学的に活性化された状態の維持)。薬物と担体との間の強力な相互作用は、高分子ネットワーク内の分子状またはナノ結晶質の薬物分散の捕捉によって得られ、物理状態の安定化をもたらす結果となる。
ビオライズテクノロジーの重要な独特の局面は、薬物および担体の化学的性質が活性化プロセスによる影響を受けないことである。これは、薬物および担体がヒト用に許容されるのであれば、同じことが、新規化学物質の代わりに新規物理的実体を代表する複合材料と見なされ得るビオライズ調製系にも当てはまるであろうことを意味する。
既知の複合物は、薬物と担体(2成分)から成り、二元複合物と名づけられる。ビオライズ二元複合物は、ビオライズ先行特許(欧州特許第364944号明細書、欧州特許第446753号明細書)に広く開示されている。二元複合物における薬物の活性化レベルは、薬物と担体との間の相互作用によって異なり、通常、複合物薬物負荷を減少させることによって、より高い活性化レベルが得られる。活性化の最高レベルは、複合物中の全薬物の非晶形への転移によって表される;完全にナノ結晶質の薬物は、完全非晶質に比べて低い活性化レベルである。
二元複合物中の薬物が活性型であっても、活性化レベルは、ここでは最大化されていないことが多い。さらに、薬物の妥当な活性化を持続するためには、二元複合物を含んでいる希釈された複合物(低有効性成分含量)が使用されなければならないが、希釈された薬物負荷は、時には、治療上有効な強度(100〜200mg以上)を有する経口固体剤形の製造に十分ではないこともある。活性化レベルを最大化し(すなわち100%非晶質薬物)、かつ高い活性化を維持しながら薬物負荷を高める方法を見出すことが、重要な改善点である。
これらの目的および他の目的を達成するために、およびこれらのニーズおよび他のニーズを満たすために、またその目的を考慮して、本発明は、高度に活性化された固体(すなわち非晶質、ナノ結晶質等)の有効成分の形成によって、水難溶性薬物の溶解性を改善するために有用な医薬複合物に関する。特に、本発明は、少なくとも1つの難溶性薬物、少なくとも1つのポリマー担体、および水にも有機溶剤にも可溶性である少なくとも1つの化学的に架橋されていないポリマーを含む、三元複合物に関する。
本発明は、複合物および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物も含む。
さらに、本発明は、複合物を製造する方法を提供する。この方法は、水にも有機溶剤にも可溶性である、化学的に架橋されていないポリマーが、有機溶液からポリマー担体に内に負荷される、SIAテクノロジーに基づく。
3種の成分(薬物、ポリマー担体、水にも有機溶剤にも可溶性である、化学的に架橋されていないポリマー)から形成されている複合物は、薬物と担体からなる既知のビオライズテクノロジーで得られるもの、したがって二元複合物と名づけられたもの、と区別するために、三元複合物と名づけられる。
本発明は、生物学的利用性の低い薬物を効果的に投与することを可能にするが、既知の二元ビオライズ複合物は、外的刺激(すなわちpH変化)に応じて、活性化された薬物の放出を制御したり誘発したりする能力さえ持たない;この場合にも、さらなる製造工程(すなわちフィルムコーティング)を使用すべきである。
つぎに、以下の図に関して、本発明を説明する。
図1は、生物薬剤学的分類体系(BCS)を示す。 図2は、標準USP II溶解装置に加えた部分的改造を示す。 図3は、20%薬物負荷対照標準二元複合物(REFERENCE 1)およびビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマーを含む20%(1:3:1)三元複合物(SAMPLE 1)のDSCトレースを示す。 図4は、20%薬物負荷対照標準二元複合物(REFERENCE 1)のDSCトレースおよびポリエチレングリコール−カプロラクタム−ビニルピロリドンコポリマーコポリマーを含む20%(1:3:1)三元複合物(SAMPLE 3)のDSCトレースを示す。 図5は、20%薬物負荷対照標準二元複合物(REFERENCE 1)のDSCトレースおよびジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマーを含む20%(1:3:1)三元複合物(SAMPLE 5)のDSCトレースを示す。 図6は、20%薬物負荷対照標準二元複合物(REFERENCE 1)のDSCトレースおよびポリビニルピロリドンを含む20%(1:3:1)三元複合物(SAMPLE2)のDSCトレースを示す。 図7は、20%薬物負荷対照標準二元複合物(REFERENCE 1)のDSCトレースおよびポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーを含む20%(1:3:1)三元複合物(SAMPLE 4)のDSCトレースを示す。 図8は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーを含む三元複合物(SAMPLE 4)のXRPDトレースと、その諸成分の物理的ブレンドのXRPDトレースとの比較を示す。 図9は、25%薬物負荷対照標準二元複合物(REFERENCE 3)のDSCトレースおよびビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む25%(1:2:1)三元複合物(SAMPLE 6)のDSCトレースを示す。 図10は、20%対照標準二元複合物(REFERENCE 2)のDSCトレースおよびビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む20%三元複合物(SAMPLE 7)のDSCトレースを示す。 図11は、QDSCに使用される機器および手順を用いて記録した、20%二元複合物(REFERENCE 2)のDSCトレースを示す。 図12は、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む20%三元複合物(SAMPLE 7)の可逆的および不可逆的事象DSCトレースを示す。 図13は、QDSCに使用される機器および手順を用いて記録した、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む20%三元複合物(SAMPLE 7)のDSCトレースを示す。 図14は、20%二元複合物(REFERENCE 2)のXRPDトレースおよびフェノフィブレート−架橋ポリビニルピロリドン物理的ブレンドのXRPDトレースを示す。 図15は、二元複合物1:4試料(REFERENCE 2)のフェノフィブレート結晶ドメイン粒度分布を示す。 図16は、三元複合物1:18:1(SAMPLE 9)のDSCトレースおよび二元複合物1:19(REFERENCE 5)のDSCトレースを示す。 図17は、三元複合物1:8:1(SAMPLE 8)のDSCトレースおよび二元複合物1:9(REFERENCE 4)のDSCトレース 図18は、物理的ブレンドにおけるフェノフィブレートの可溶化速度論的プロフィール;pH1.2媒体中での過飽和係数150Xを示す。 図19は、図18に示した可溶化速度論的プロフィールの詳細を示す。 図20は、複合物の可溶化速度論的プロフィール;pH1.2媒体中での過飽和係数150Xを示す。 図21は、三元(SAMPLE 7)および二元(REFERENCE 2)フェノフィブレート複合物(20%薬物負荷)の可溶化速度論的プロフィール;マニュアル方法;pH1.2媒体中での過飽和係数75Xを示す。 図22は、三元(SAMPLE 11)および二元(REFERENCE 7)フェノフィブレート複合物(20%薬物負荷)の可溶化速度論的プロフィール;実験規模方法、pH1.2媒体中での過飽和係数75Xを示す。 図23は、ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマーを含むフェノフィブレート三元複合物(20%w/w薬物負荷)に対する二段階可溶化速度論的実験;pH6.8での第一段階(0〜600秒)、pH1.2での第二段階(601〜1200秒)を示す。リン酸をpH6.8のバッファーに加えることにより得られるpH変化;過飽和係数75Xを示す。 図24は、10%薬物負荷(1:9および1:8:1)の二元複合物および三元複合物の可溶化速度論的プロフィール;pH1.2媒体中での過飽和係数75Xを示す。 図25は、三元フェノフィブレート複合物および二元フェノフィブレート複合物の可溶化速度論的プロフィール;20%および25%薬物負荷;pH1.2媒体中での過飽和係数150Xを示す。 図26は、20%および25%薬物負荷における二元複合物の可溶化速度論的プロフィールを示す。 図27は、5%薬物負荷(1:19および1:18:1)の二元複合物および三元複合物の可溶化速度論的プロフィール;pH1.2媒体中での過飽和係数40Xを示す。 図28は、ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマーまたはビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む三元複合物の可溶化速度論的プロフィール;pH1.2媒体中での過飽和係数75Xを示す。 図29は、純ニフェジピンのDSCトレースを示す。 図30は、ニフェジピン−ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーのDSCトレース、ニフェジピン−ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマー1:1物理的ブレンドのDSCトレース、ニフェジピンのDSCトレースを示す。 図31は、20%薬物負荷二元複合物(REFERENCE 8)のDSCトレースを示す。 図32は、ニフェジピン物理的ブレンドの可溶化速度論的プロフィール;ニフェジピンのSKを示し;散乱波長は600nmである。 図33は、ニフェジピン20%二元複合物(REFERENCE 8)および2つのニフェジピン20%三元複合物(SAMPLE 14、SAMPLE 15)の可溶化速度論的プロフィール;pH1.2バッファー中で過飽和係数25X;散乱波長500nmを示す。 図34は、SAMPLE 16、REFERENCE 9およびREFERENCE 10の可溶化速度論的プロフィールを示す。 図35は、SAMPLE 17a、SAMPLE 17b、SAMPLE 17cに関する乾燥曲線を示す。 図36は、SAMPLE 17a、SAMPLE b、SAMPLE cの可溶化速度論的プロフィールを示す。 図37は、SAMPLE 12a、SAMPLE 12b、SAMPLE 12cに関する乾燥曲線を示す。
本発明は、少なくとも1つの難溶性薬物、少なくとも1つのポリマー担体、および水にも有機溶剤にも可溶性である、少なくとも1つの化学的に架橋されていないポリマーを含む複合物に関する。開示されている複合物はまた、三元複合物として定義される。
薬物に関して、本発明は難溶性薬物に適用することができる;薬物は、以下のクラスの薬物の1つまたは複数に分類される:堕胎薬/妊娠阻止剤;ace阻害薬;α−およびβ−アドレナリン作動薬;α−およびβ−アドレナリン遮断薬;副腎皮質ステロイドおよび抑制薬;副腎皮質刺激ホルモン;嫌酒薬;アルドース還元酵素阻害薬;アルドステロン拮抗薬;ampa受容体拮抗薬;アナボリック;アンギオテンシンII受容体;食欲抑制薬;制酸薬;駆虫薬;抗ニキビ薬;抗アレルギー薬;抗脱毛薬;抗アメーバ薬;抗アンドロゲン;抗狭心症薬;抗不整脈薬;抗関節炎薬/抗リウマチ薬;抗生剤(天然および合成);抗凝血剤;抗痙攣薬;抗鬱薬;抗糖尿病薬;止瀉薬;抗利尿薬;鎮吐薬;抗緑内障薬;抗痛風薬;抗ヒスタミン薬;抗高リポタンパク血症薬;抗副甲状腺機能亢進薬;抗高リン酸塩血症薬(antiper−phosphatemics);降圧剤;抗甲状腺機能亢進薬(antiperthyroids);昇圧剤;抗甲状腺機能低下薬;消炎剤(非ステロイド性およびステロイド性);抗マラリヤ薬;抗片頭痛薬;抗ムスカリン様作用薬;抗腫瘍薬;抗肥満薬;抗強迫症薬;抗骨粗鬆症薬;抗パーキンソン病薬;抗原虫薬;鎮痒薬;抗乾癬薬;抗精神病薬;解熱剤;鎮痙剤;抗血栓薬;鎮咳剤;抗潰瘍薬;抗ウイルス薬;抗不安薬;カルシウムチャネル遮断薬;カルシウム調節剤;炭酸脱水酵素阻害薬;心保護薬;強心薬;胆汁分泌促進薬;コリン作動薬;コリンエステラーゼ阻害薬;中枢神経興奮薬;避妊薬;充血除去剤;利尿薬;ドーパミン受容体作動薬および拮抗薬;去痰薬;フィブリノーゲン受容体拮抗薬;グルココルチコイド;造血剤;免疫調節薬;免疫抑制薬;モノアミンオキシダーゼ阻害薬;粘液溶解薬;筋弛緩薬;散瞳薬;麻薬拮抗薬;神経筋遮断薬;神経保護薬;向知性薬;プロラクチン阻害薬;逆転写酵素阻害薬;鎮静薬/催眠薬;セロトニン受容体作動薬および拮抗薬;セロトニン取り込み阻害薬;ステロイド、血栓溶解薬;血管拡張薬;およびビタミン。上記グループに含まれる難溶性薬物の例は、以下の通りである:フェキソフェナジン、ニフェジピン、グリセオフルビン、インドメタシン、ジアセレイン、酢酸メゲストロール、エストラジオール、プロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ニセルゴリン、クロニジン、エトポシド、ロラゼパム、テマゼパム、ジゴキシン、グリベンクラミド ケトプロフェン、インドブフェン、イブプロフェン、ニメスリド、ジクロフェナク、ナプロキセン、アセメタシン、ラロキシフェン、パロキセチン、グリメピリド、アナグレリド、モダファニル、パロキセチン、カベルゴリン、レプラグリニド、グリピジド、ベンゾジアザピン、クロフィブラート、クロルフェニラミン、ジゴキシン、ジフェンヒドラミン、エゴロタミン、エストラジオール、フェノフィブレート、グリセオフルビン、ヒドロクロロチジド、ヒドロコルチゾン、イソソルビド、メドロゲストン、オキシフェンブタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ポリチアジド、プロゲステロン、スピロノラクトン、トルブタミド、フェナセチン、フェニトイン、ジギトキシン、ニルバジピン、ジアゼパム、グリセオフルビンおよびクロラムフェニコール。
複合物は、複合物の重量に対して約2〜約65重量%の薬物負荷(薬物の量)を有する;好ましくは約3からおよび48%w/w;好ましくは5〜約45%w/wさらにより好ましくは約5〜約34%w/w;約2%、約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約33.3%、約34%、約40%、約45%、約48%、約65%w/wであってもよい。
薬物/ポリマー担体重量比は、1:0.5〜1:50w/w、好ましくは1:1〜1:18w/wの範囲である;この比率の具体例は、1:2、1:3、1:8、1:18w/wである。
薬物と水および有機溶剤可溶性ポリマーとの間の重量比は1:0.1〜1:10w/w、好ましくは1:0.2〜1:5w/wの範囲であってもよく、好ましくは1:0.5、1:1または1:2w/wであってもよい。
複合物の3成分の好ましい量は重量基準で、薬物1部、ポリマー担体1〜18(好ましくは2〜3)部、水および有機溶剤可溶性ポリマー0.5〜1.5(好ましくは1)部である。
担体は、架橋ポリマーであって、水性媒体中および有機溶剤中で不溶性であるが膨潤性であり、1つまたは複数のそのようなポリマーの混合物であってもよい。好適なポリマーの例は以下の通りである:架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋シクロデキストリン、架橋デキストラン、架橋澱粉(すなわちデンプングリコール酸ナトリウム)、架橋メチルセルロース。特に興味深いのは架橋ポリビニルピロリドンである。
水にも有機溶剤にも可溶性である、化学的に架橋されていないポリマーは、二元溶解性を兼備するポリマーである、すなわち、ポリマーは水ばかりでなく有機溶剤にも溶解する。このポリマーは、有機溶剤および全てのpH値の水、すなわち1〜14、好ましくは1〜7.5に含まれるpHを有する水に溶解できる。このポリマーはpH非依存的溶解性を有することも、pH依存的溶解性を有することもある:これは、第1の実施態様では、ポリマーが全てのpH値で可溶性であること(pH非依存的)を意味し、第2の実施態様では全pH範囲内の特定のpH値で可溶性である(pH依存的)ことを意味する。pH依存的溶解性を有するポリマーは、pH5以下で可溶性であるか、またはpH5以上、またはpH5.5以上、またはpH6以上またはpH6.5以上またはpH6.8以上で可溶性である。ポリマー(pH依存的もpH非依存的も)が溶解できる水は、異なるpHおよび/またはイオン強度を水に提供するバッファー類または塩類を含んでもよく、また生理溶液(胃液、腸液等)も含む。用語「化学的に架橋されていないポリマー」は、共有結合的架橋ポリマーおよび非共有結合的架橋ポリマーの両者を除外する。本発明で使用される水にも有機溶剤にも可溶性である化学的に架橋されていないポリマーを、以後「可溶性ポリマー」または「水および有機溶剤可溶性ポリマー」と呼ぶ。
水にも有機溶剤にも可溶性である化学的に架橋されていないポリマーの非限定的な例は以下の通りである:セルロース誘導体:ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トリメリト酸酢酸セルロース、等;アクリルポリマーおよびメタクリルポリマーならびにそれらのコポリマー:メタクリル酸−メチルメタクリレートコポリマー、ポリアミノアルキルメタクリレート−メタクリル酸エステルコポリマー、ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマー(Eudragit(登録商標)E)等;直鎖状ポリビニルピロリドン(ポビドンまたはPVP、すなわちKollidon(登録商標)K30,BASF、Polyplasdone(登録商標),ISP)、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー(コポビドン、すなわちKollidon(登録商標)VA64,BASF)、メチルビニルエーテル−マイレン酸コポリマー、ポリエチレングリコール−カプロラクタム−ビニルピロリドンコポリマー(Soluplus(登録商標))、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン(Poloxamer、すなわち−Lutrol(登録商標)F68,BASF)。上記ポリマーの中で、pH1〜5またはpH5〜14の水に溶解することが可能なpH依存的溶解性を有するポリマーは、ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマー(Eudragit(登録商標)E)(pH5以下で可溶性)、メタクリル酸−メチルメタクリレートコポリマー(pH6以上またはpH6.5以上のpHで可溶性)、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(pH5.5以上またはpH6以上またはpH6.5以上またはpH6.8以上のpHで可溶性)、トリメリト酸酢酸セルロース(pH5以上のpHで可溶性)からなる群から選択することが可能である。本発明の複合物に好ましいポリマーは以下の通りである:ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーポリビニルピロリドン、ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマー(すなわちEudragit(登録商標)E,Evonik)。
本発明のさらなる対象は、本明細書に開示の三元複合物を調製するための方法でもある;以下のステップを含む:
1)少なくとも1つの水難溶性薬物を、プロセス溶媒またはプロセス溶媒混合物に溶解させるステップ;
2)少なくとも1つの水および有機溶剤可溶性ポリマーを、ステップ1)の薬液に溶解させるステップ;
3)少なくとも1つのポリマー担体を、ステップ2)で調製した溶液で膨潤させ、膨潤した複合物をこのようにして得るステップ;
4)ステップ3)の膨潤した複合物から、プロセス溶媒を除去するステップ。
用語プロセス溶媒またはプロセス溶媒混合物は、本明細書では、本発明の方法で使用するのに好適な溶媒または溶媒混合物を意図する。
あるいは、少なくとも1つの難溶性薬物と少なくとも1つの水および有機溶剤可溶性ポリマーを同時に溶解させることにより、ステップ1)とおよびステップ2)を実施することができる。言い換えれば、薬物とポリマーを、同一容器内で加え、好ましくは撹拌しながら、溶媒または溶媒混合物をその上に注いで、成分の溶解を得るか、または薬物と化学的に架橋されていないポリマーを各々別々にプロセス溶媒中で可溶化し、次いで2つの溶液を混ぜ合わせる;プロセス溶媒は同一であってもよく、異なってもよい。
この代替実施態様では、方法は以下のステップからなる:
1〜2bis)少なくとも1つの水難溶性薬物と水にも有機溶剤にも可溶性である、少なくとも1つの架橋されていないポリマーを、プロセス溶媒またはプロセス溶媒混合物に溶解させるステップ;
3)ステップ1〜2bis)で調製される溶液で、少なくとも1つのポリマー担体を膨潤させ、膨潤した複合物をこのようにして得るステップ;
4)プロセス溶媒を、ステップ3)の膨潤した複合物から除去すること。
上記の方法はまた、本発明の三元複合物を得るためにさらに若干変更することもできる;代替法は、上記と同じステップを含むが、異なる順序で適用される;すなわちポリマー担体の膨潤後に、水有機溶剤可溶性ポリマーが添加される;この変法は、以下の順序で適用される上記ステップを含む:
a1)少なくとも1つの薬物を、プロセス溶媒または溶媒混合物に溶解させるステップ;
a2)ポリマー担体を、ステップa1)で調製した溶液で膨潤させ、膨潤した複合物をこのようにして得るステップ;
a3)プロセス溶媒を、ステップa2)の膨潤した複合物から除去し、二元複合物(薬物およびポリマー担体)をこのようにして得るステップ;
a4)少なくとも1つの水および有機溶剤可溶性ポリマーを、プロセス溶媒または溶媒混合物に溶解させるステップ;to
a5)ステップa3)の二元複合物を、ステップa4)の溶液で膨潤させ、膨潤した三元複合物をこのようにして得るステップ;
a6)プロセス溶媒を、ステップa5)の膨潤した三元複合物から除去し、三元複合物をこのようにして得るステップ。
ステップ1)およびステップ2)(または対応する1〜2bis)ステップまたはa1)ステップおよびa4)ステップ)の溶液を調製するために、担体膨化能、すなわち固体粒子外に自由液体を有することなく、担体が単位重量で吸収できる溶媒の最大量、に基づいて有機溶剤と担体との重量比が選択される。たとえば、クロスポビドンとアセトンの場合には、この値は、担体1gにより純粋な溶媒2.0〜2.5gの範囲である。薬物および/またはポリマーが存在することにより、担体が吸収し得る溶液の量が変わることがあり、純粋な溶媒と比較すれば、通常は減少する。
薬物/ポリマー溶液の最終濃度は、担体および薬物が必要とする溶媒の量、ならびに水および有機溶剤可溶性ポリマーと担体との比率に由来する。本発明による方法で使用するのに好適な溶媒または溶媒混合物は、ポリマー担体を膨潤させることができるかまたは担体ポリマーにより吸収されて、選択された薬物ならびに水および有機溶剤可溶性ポリマーを溶解できるもの全てである。溶媒の例は、メタノール、エタノール、高級アルコール、アセトン、塩素加溶媒、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、フッ素化炭化水素等またはそれらの混合物である。好ましい溶媒は、アセトン、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドである。
本発明の膨潤した複合物は、ステップ3)(または対応するa6)ステップ)の膨潤によって得られ、ステップ2)(または対応するa4)ステップ)の溶液をポリマー担体と接触させること、およびステップ2)(または対応するa4)ステップ)の溶液を、この塊内に均一分布させること(均質化)を含む。このステップの間に、生じ得る、塊からの溶媒損失を減らすことが重要である。均一分布は、プロセス規模および装置稼働率に応じて、異なる方法で得ることができる。材料内の溶液の均一分布は、混合によって達成することができる。しっかり閉まらない容器を装置が具有するとき(少量の複合物のマニュアル調製プロセス用等)、その時は、材料を一定期間(好ましくは0.5〜24時間)好ましくは室温で、プロセス溶媒蒸気に曝露することによって、均一分布を達成する;この方法では、最小限の溶媒損失で、材料内の溶液の均一分布が達成される。このステップ中の溶媒損失を防止するためには、しっかり閉められたプロセス容器を備えた装置の使用が好ましい。
プロセス溶媒除去ステップ(ステップ4、または対応するa3)ステップおよびa7)ステップ)は、最終複合物における好適な溶媒残留レベルを達成するために実施される。許容できる残留溶媒レベルは溶媒によって異なり、また本明細書では、ICHガイドラインにより規定される最高限度と定義される。一例として、クラス3溶媒(アセトン等)に関するICHガイドライン限界は5,000ppmである。ジクロロメタンおよびジメチルホルムアミドに関して、ICH限界はそれぞれ600ppmおよび880ppmであり、両者ともクラス2溶媒である。この乾燥ステップは、継続時間の制御条件下で実施される;事実、複合物の定性的組成および/または定量的組成によっては、このパラメータが複合物の最終構造、特徴および性能に影響を及ぼす可能性があるため、乾燥ステップは短時間実施される。特に、可能な限り最短時間で、最終的な所望の残留溶媒量が達成されることが重要である。このステップの間に適用される温度および湿気曝露もまた、調節されるべき重要なパラメータであろう。
プロセス溶媒の除去は、短時間実施される。この期間は好ましくは約410、または約400、または約360、または240、または約180、または約120または約15分以下である。この継続時間は、乾燥すべき膨潤した複合物の量、その溶媒含量および使用装置に影響される可能性がある。
高速乾燥ステップ中のプロセス温度は室温より高く、使用されるプロセス溶媒および真空適用応じて、約30℃〜約100℃である。温度は好ましくは約35〜約60℃、または約40〜約55℃、または約45〜約50℃である;温度は、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約43℃、約49℃、約50℃、約55℃、約60℃であってもよい。
プロセス溶媒の除去は、好ましくは、約410以下の時間かつ30〜100℃の温度で実施される;または約360分以下の時間かつ30〜100℃の温度で;または約240分以下の時間かつ30〜100℃の温度で;約120分以下の時間かつ30〜100℃の温度で、実施される。または、プロセス溶媒の除去は好ましくは約410分以下の時間かつ35〜60℃の温度で;または約360分以下の時間かつ35〜60℃の温度で;または約240分以下の時間かつ35〜60℃の温度で;または約120分以下の時間かつ35〜60℃の温度で、実施される。またはプロセス溶媒の除去は好ましくは、約410分以下の時間かつ40〜55℃の温度で;または約360分以下の時間かつ40〜55℃の温度で;または約240分以下の時間かつ40〜55℃の温度で;または約120分以下の時間かつ温度40〜55℃の温度で、実施される。
高速溶媒除去ステップ(乾燥ステップ)は、急速予備乾燥ステップを含んでもよい。この予備乾燥ステップは、膨潤ステップが実施される装置以外の装置で乾燥ステップが実施されるとき、特に有用である。これは、たとえばマニュアルプロセスか、または加熱能力を持たないかまたは限られた乾燥効率を有する、ミキサー/造粒機(「ワンポット」プロセスに適さない装置)内で実施されるプロセスで生じる。マニュアルプロセスの場合には、均質化材料を、乾燥プロセス用加熱乾燥炉(真空オーブン等)に移す前に、できる限り真空下で、室温で放置する。この方法で、高速部分的溶媒蒸発乾燥が達成され、かつ外皮形成が避けられる(外皮は、その後の溶媒除去を減速する可能性がある)。膨潤および均質化がミキサー/造粒機内で実施される場合には、溶媒の部分的高速除去(予備乾燥)が、粘着性のあるクリーム状の膨潤生成物よりも、湿潤粉体を、ステップ4)終了のための乾燥炉内に移されやすくする。
またこの「予備乾燥」ステップは、高速でなければならず、それはその持続期間が約90、または約85、または約80、または約40、または約35分より短くなければならないことを意味する。温度は室温以上であってもよい;使用されるプロセス溶媒および真空適用に応じて、約20℃〜約100℃であってもよい。温度は、好ましくは約20〜約60℃、または約25〜約55℃である;温度は、約20℃、約25℃、約55℃、約60℃であってもよい。
乾燥ステップの間ずっと真空が適用されるとき、乾燥期間は著しく減少しかつより低温を適用してもよい。真空ポンプまたは集中真空システムを使用して、乾燥炉内部圧を低下させることができる;乾燥チャンバ内の残圧が低い程、溶媒除去が速い。たとえば、実験部分で使用される装置を用いると、約0.30〜約0.40バール、または約0.30〜約0.20バール、または約0.20バール未満の残圧値に達する。
真空能力がない乾燥炉(流動床乾燥炉等)を使用するとき、低湿度プロセスガスを使用することが好ましく、それは約4.0〜5.0g水/Kgガスの範囲またはそれ以下の含水量を意味する。このことは、複合物への薬物の化学的または物理的不安定性のリスクを減らすために重要である。
本発明のプロセスにおける好ましい溶媒はアセトンであり、また予備乾燥および乾燥の両期間中の、溶媒除去速度、持続期間、プロセス温度、残圧、ガスの湿度に関する上記範囲および値全てが、この特定の好ましい溶媒にも当てはまる。
このプロセス溶媒の除去は、主として適用される規模および装置稼働率に応じて、様々な方法で実施することができる。あらゆるタイプの直接加熱乾燥炉(主に熱伝導による熱伝達)、間接加熱乾燥炉(主に熱対流による熱伝達)および輻射乾燥炉(主に電磁放射および誘電放射による熱伝達)を本発明で使用できる。好ましい乾燥炉は、乾燥時間および温度の顕著な減少を可能にするため、真空下で作動する;さらに、この種の装置では、水分との接触は僅かであるかまたは回避され、複合物物理的安定性および化学的安定性にとって予想される利益がある。
本発明のプロセスの、ステップ4)(または対応するa3)ステップおよびa6)ステップ)で使用できる乾燥炉の例は以下の通りである:ジャケット付き低剪断ミキサー/造粒機/乾燥炉(「ワンポット」、間接加熱装置)、真空オーブン(間接加熱装置)、流動床乾燥炉(直接加熱装置)、マイクロ波支援乾燥炉(誘電加熱装置)、マイクロ波支援高剪断ミキサー/造粒機/乾燥炉(「ワンポット」、誘電加熱装置)、赤外線支援乾燥炉(電磁気加熱装置)。混合能力と真空乾燥能力を兼備する装置は、単一機で、ステップ3)とステップ4)の組合せを可能にする(「ワンポットプロセス」)ため、非常に興味深い。上記の作動条件で使用することが可能な他の装置も使用することができる。
パラメータ、作動条件、量に関して、異なる工程段階に関するさらなる詳細は、実験部分に示す。
本明細書に記載の全ての実施態様(プロセスパラメータ値を含む)は、当然ながら互いと組み合わせることができると理解される。
いかなる理論の束縛も受けずに、本発明の複合物の傑出した特性は主に記述した3成分の組合せにより達成されると考えられる。膨潤した複合物からの高速溶媒除去の条件は、複合物製造の最適化および複合物それ自身にも重要な特徴である。
本発明は、本発明の複合物およびさらに薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物および剤形も開示する。本発明の組成物または剤形で使用するための賦形剤としては、フィラー、希釈剤、滑剤、崩壊剤、スーパー崩壊剤、バインダー、潤滑剤等が挙げられる。他の薬学的に許容される賦形剤としては、酸性化剤、アルカリ化剤、保存剤、酸化防止剤、緩衝剤、キレート剤、着色剤、錯化剤、乳化剤および/または可溶化剤、香味料および香料、保湿剤、甘味料、湿潤剤等が挙げられる。
好適なフィラー、希釈剤および/またはバインダーの例としては、ラクトース(たとえば噴霧乾燥ラクトース、α−ラクトース、β−ラクトース、Tabletose(登録商標)、様々な等級のPharmatose(登録商標)、Microtose(登録商標)またはFast−Floc(登録商標))、微晶質セルロース(たとえばAvicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Ceolus(登録商標)KG−802、Ceolus(登録商標)KG−1000、Prosolv(登録商標)SMCC50またはSMCC90、様々な等級のElcema(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tai(登録商標)またはSolka−Floc(登録商標))、ヒドロキシプロピルセルロース、L−ヒドロキシプロピルセルロース(低置換度)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(たとえばMethocel(登録商標)E、Shin−Etsu,LtdのFおよびK,Metolose(登録商標)SH、たとえば、4,000cps等級のMethocel(登録商標)EおよびMetolose(登録商標)60SH、4,000cps等級のMethocel(登録商標)FおよびMetolose(登録商標)65SH、4,000cps等級、15,000cps等級および100,000cps等級のMethocel(登録商標)K;および4,000等級、15,000等級、39,000等級および100,000等級のMetolose(登録商標)90SH等)、メチルセルロースポリマー(たとえば、Methocel(登録商標)A、Methocel(登録商標)A4C、Methocel(登録商標)A15C、Methocel(登録商標)A4M等)、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシ−メチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースおよび他のセルロース誘導体、スクロース、キサンタンガム、シクロデキストリン、アガロース、ソルビトール、マンニトール、デキストリン、マルトデキストリン、澱粉または化工澱粉(馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉および米澱粉を含む)、リン酸カルシウム(たとえば塩基性リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水二カルシウム水和物)、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、コラーゲン等、またはそれらの組合せ等が挙げられるが、これらに限定されない。
クロスポビドンをスーパー崩壊剤として添加することも可能である。
希釈剤の具体例としては、たとえば炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、硫酸カルシウム、微晶質セルロース、粉末状セルロース、デキストラン、デキストリン、デキストロース、フルクトース、カオリン、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、澱粉、アルファ澱粉、スクロース、キサンタンガム、シクロデキストリン、およびそれらの組合せなどが挙げられる。
滑剤および潤滑剤の具体例としては、たとえば、二酸化ケイ素、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは他のステアリン酸金属塩、タルク、ワックスおよびグリセリド、軽油、PEG、ベヘン酸グリセリル、コロイド状シリカ、硬化植物油、コーンスターチ、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール、アルキル硫酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等が挙げられる。
他の賦形剤としては、たとえば、着香料、着色剤、矯味剤、pH調整剤、緩衝剤、保存剤、安定剤、酸化防止剤、湿潤剤、湿度調整剤、界面活性剤、懸濁剤、界面活性剤、吸収促進剤、放出調節用剤等が挙げられる。
着香料の非限定的例としては、錠剤重量に基づいてたとえば約3%までの、たとえば、チェリー、オレンジ、バナナ、イチゴまたは他の許容できるフルーツ香味料、またはチェリー、オレンジ、および他の許容できるフルーツ香味料の混合物等が挙げられる。加えて、本発明の組成物は、錠剤重量に基づいてたとえば約2重量%までの、アスパルテーム、スクラロース、または他の薬学的に許容される甘味料、またはそのような甘味料の混合物等の、1つまたは複数の甘味料も含むことができる。さらに、本発明の組成物は、錠剤重量に基づいてたとえば0.5重量%までの1つまたは複数のFD&C着色剤を含むことができる。
酸化防止剤としては、たとえば、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、没食子酸プロピル、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、二酸化イオウ、トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェロールヘミスクシナート、TPGSまたは他のトコフェロール誘導体、等が挙げられる。
本発明の複合物は、錠剤(たとえば口腔内崩壊性チュワブル、分散性、高速溶解性、発泡性)、硬ゼラチンカプセルを含む、様々な最終剤形に製剤化することが可能である。スプリンクル、懸濁液、永久的なまたは即席の懸濁液用のサッシェ(sachet)、および口内直接投与用サッシェもまた、剤形の例である。特に、本発明の幾つかの複合物を用いれば、pH>5の水性媒体中での薬物放出を大幅に減少させることが可能である;この場合、媒体pHが1〜2(胃液)に下がると直ぐに放出が開始し、また溶解した薬物の量および可溶化速度論的(SK)プロフィールは、酸性媒体中の同複合物について見られるものと同等である。それとは違って、可溶化速度論的試験の前に水に懸濁された二元複合物試料は、固体粉末として試験した同様の試料より劣った性能を示す。
本発明の幾つかの利点は、実験部分、たとえば、既知の二元ビオライズ複合物に関して、本発明の複合物によって達成されるより高い含量の非晶質薬物および/またはナノ結晶質薬物等、を読むことにより明確になるであろう。さらに、こうした複合物は、保存中、極めて安定している。
実験部分
以下の実験を、本発明の非限定的な例として提示する。すべての場合に、三元複合物は「SAMPLE」として明示し、既知の二元ビオライズ複合物は「REFERENCE」として明示する。
1)材料
1.1.薬物:本明細書では、本発明の複合物のための代表的な難溶性薬物として、フェノフィブレート(FF)、ニフェジピン(ND)およびニメスリド(NM)を使用する。フェノフィブレートは、非pH依存的溶解度を有する水難溶性(0.3〜0.8μg/ml)である。ニフェジピンは、その非pH依存的平衡溶解度(5μg/ml)が、フェノフィブレートのそれより高いとしても、やはり難溶性である。ニメスリドも水難溶性であり、pH2.5で約20μg/mlからpH10で約90μg/mlまでの範囲の、pH依存的溶解度を有する。
1.2.有機溶剤:アセトンはSIAプロセスに好ましい溶媒の1つである;アセトンは低沸点、多くの薬物にとって良好な溶媒能、ヒト使用および環境汚染に関して安全性に対する懸念が少ない。
1.3.担体:架橋ポリビニルピロリドン(CPVP)(Kollidon(登録商標)CL−M)を好ましい担体として選択する。
1.4.水および有機溶剤可溶性ポリマー:本明細書で使用される薬学的に許容されるポリマーは、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー(Kollidon(登録商標)VA64)、ポリビニルピロリドン(Kollidon(登録商標)K30)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー(Lutrol(登録商標)F68)、ポリエチレングリコール−カプロラクタム−ビニルピロリドンコポリマー(Soluplus(登録商標))である;ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマー(Eudragit(登録商標)E)も試験する。それらの特性を表1に記載する。
Figure 0006152519
2)複合物特性評価方法
2.1 乾燥減量試験。試料サイズは約1.5〜2.5gである。熱天秤Mettler−Toledo HR73を使用し、高速傾斜適用、感度レベル3で恒量にて自動停止により、到達する100℃の加熱温度で、試験を実施する。試験結果を開始(湿)重量のパーセンテージ損失として表現し、プロセスステップ中の複合物への有機溶剤の量の概算に使用する。
2.2 示差走査熱量測定法(DSC)。示差走査熱量測定を使用し、薬物融解吸熱ピークを探して、結晶形での薬物の存在を定性的に評価する。複合物への融解エンタルピー値の測定に基づく薬物特異的定量的DSC(QDSC)法を使用して、複合物中の結晶質フェノフィブレート量の定量化を実施する。試料に適用される加熱が、薬物と賦形剤間に相互作用を誘導するとき、DSCを使用することはできない。相互作用している材料を指摘するために、薬物/賦形剤二元物理的ブレンドのDSCトレースの解析を使用する。DSC走査は、異なる手順による2つの機器用いて得られる:
手順1)は、固相の予備的定性的評価のために適用される。これは、DSC6示差走査熱量計(Perkin Elmer,USA)を用いて行われる。約1.0〜1.5mgの薬物に対応する複合物の量を、アルミニウム製の鍋に正確に量り入れる;鍋蓋を適所に固定し、窒素流(20ml/分)下、25℃から、標的薬物に応じて選択される最終温度(フェノフィブレートでは120℃、ニフェジピンでは200℃)まで、10℃/分の走査速度で分析を実施する。この方法は、相互作用を評価するのに有用な標的薬物と複合物成分の物理的ブレンドの分析にも適用される。
手順2)は、定量的走査(QDSC)に用いられる。これは、入力補償示差走査熱量計Pyris−1(Perkin Elmer,USA)を用いて実施される。約5〜6mgの複合物をアルミニウム製のDSC鍋に正確に量り入れ、鍋蓋を適所に固定し、窒素流(20ml/分)下、−20℃から、薬物に応じて選択される最終温度(フェノフィブレートでは120℃、ニフェジピンでは200℃)まで、10℃/分の走査速度で分析を実施する。
2.3 熱重量分析法(TGA)。熱重量分析(Pyris 1,Perkin Elmer)は、Pyris 1計器を用いて実施する;8〜9mgの複合物試料を、35ml/分の窒素流下、18℃〜150℃まで(フェノフィブレートの場合のみ)、10℃/分の走査速度で試験する。
2.4 X線粉末回折(XRPD)測定は、Philips X’Pert PRO回折装置(Bragg−Brentano geometry)を用いて実施する。密閉X線管(40kV x 40mA)で発生させる、CuK λ放射(λ=1.541Å)、およびリアルタイム複数ストリップ検出器(real time multiple strip detector)(X’ Celerator,Philips)。バックローディング(back−loading)試料ホルダー内で試料を調製し、Spinnerモジュールを使用して分析する。角度範囲は5°〜40°である。
2.5 フェノフィブレートのアッセイは、定量的HPLCにより実施する(注入量25μlのWaters Symmetry C18カラム(150x4.6mm;粒径3.5μm)を有する自動注入装置を具備するAgilent 1100,DAD検出器モジュール;移動相は、0.1%のトリフルオロ酢酸を含む、比率70/30v/vのアセトニトリル/水の混合物である。以下の設定値を使用する:1.0ml/分に等しい流量;実行時間13分およびカラム温度は25℃である。フェノフィブレート保持時間は10.5分である。溶離液を280nmで観測する。アッセイは、試料溶液のピーク面積を標準液のそれと比較することによって決定される。
2.6 可溶化速度論的試験(SK)は、物理化学的改質(すなわちソリッドステート変化)が難溶性薬物の溶解性に与える影響を調査研究し強調するために開発されてきた。これは、標準パドルを、1000ml容器に入っている媒体中に乱流水力学を作り出すために試験中ずっと高速(すなわち150rpm)で運転させる6枚羽根車(図2)に替えることにより改造されたUSP II型装置(Sotax AT6)を使用して実施される。これは、媒体中への粉末分散を助け、溶液中への薬物放出に及ぼす複合物湿潤/分散の影響を無視してよくする。試料(複合物、複合物水性懸濁液または薬物/賦形剤物理的ブレンド)を、37℃に保たれた500mLの水性バッファー中で試験する。標的薬物の平衡溶解度を大きく超える(少なくとも10〜15倍)一定量に相当する量の試料を、各試験毎に秤量し、撹拌しながら容器に加える。フェノフィブレート試料およびニフェジピン試料の場合には、それぞれ10mmまたは2mmの路程を有する光ファイバーを具備する分光光度計MCS 551−UVを使用して、溶解した薬物の量を連続的に測定する。分析波長における正味の吸光度を、標準品に対する標的薬物濃度の定量化に使用する。SKは分散方法であり、SK試験媒体中に懸濁された固体粒子によって散乱した光の部分を考慮するために、分析波長における吸光度から、少しでも薬物吸光度から離れた波長(散乱波長)で測定される値を減算して、標的薬物の正味の吸光度を推定する。
2タイプの試験を、複合物の特性化のために実施する:
1)1ステップ試験:pH1.2の水性バッファーを使用する;薬物濃度を10分間連続的に測定する。
2)2ステップ(または二段階)試験:試験材料を、pH6.8のリン酸バッファー500ml中に、撹拌しながら分散させ、溶解した薬物濃度を10分間連続的に測定し、次いで13.5mlのオルトリン酸(85%)を加えてpHを約1.2に下げ、溶解した薬物濃度を、試験を終える前にさらに10分間測定する。
2.7 溶媒除去曲線。乾燥中、異なる時刻に試料を採取し、測定された溶媒の量をプロセス時間に対してプロットする。溶媒の量は、乾燥減量(LoD)試験(インプロセス推定)またはガスクロマトグラフィー(精密な定量化)で測定する。
3.複合物の調製プロセス
3.1 マニュアル方法
別段の定めがない限り、バッチサイズの複合物は10gである;この方法で製造されるバッチに適用されるプロセスの詳細を、関連試料コードと共に、表2および表3に報告する。標的薬物の必要量を正確に秤量し、磁気撹拌しながら、適量のプロセス溶媒(別段の定めがない限り、アセトン)に溶解させる。次いで、必要量の水および有機溶剤可溶性ポリマーを正確に秤量し、撹拌しながら、アセトンに溶解した薬物溶液に加える。ポリマーが完全に溶解するかまたは均質の分散になるまで、撹拌を続ける。別段の定めがない限り、アセトンの量は、選択された有機溶剤中でのこの担体ポリマーの「膨張指数」に従って、架橋ポリビニルピロリドンの重量の約2.3倍である。この有機溶液を、好適なサイズのセラミック製乳鉢に予め量り入れておいた必要量の架橋ポリビニルピロリドン上に徐々に注ぐ。塊形成を避け、かつ可能な限り速く液体を架橋ポリビニルピロリドン粒子中に吸収させて溶媒蒸発乾燥を最小限にするために、小さい金属製スパーテルを使用して、液体と固体を混合する。湿潤および塊形成の終わりに、ポリマーは完全に膨潤するはずであり、粘性のあるクリームとして現れ、これをガラス製のペトリ皿に速やかに移す。膨潤生成物の小標本を乾燥減量試験(LoD)用に採取し、次いでペトリ皿を、蒸気と平衡状態にある液体アセトンが入っている密閉されたガラス製デシケータに移し、この有機溶剤に富む大気下で14〜16時間保存して、最小限の溶媒損失で、膨潤したポリマーの塊中に溶液を均一分布させる。次いで、均質な膨潤材料をデシケータから取り出し、1試料を溶媒定量化用に採取し、残余生成物をフードの下に置いて(別段の定めがない限り、ほぼ室温で約75〜90分間)、硬い外皮を形成せずに、溶媒のアリコートを蒸発乾燥させる(予備乾燥)。次いで、ペトリ皿を予熱した真空オーブン内に移し、内部温度を50℃に維持するように設定する;溶媒定量化用の試料を採取する。暫くしてから、複合物LoDが、プロセス開始時に測定された架橋ポリビニルピロリドンのそれと同等以下になるまで、(別段の定めがない限り、約120〜180分間)、(約40℃で)乾燥を続ける。最終的にセラミック製の乳鉢において手動で製粉される、乾燥した複合物を、ポリエチレン製の袋に閉じ込められたプラスチック容器に移し、特性化まで室温で保存する。
3.2 実験規模の方法
別段の定めがない限り、バッチサイズの複合物は150gである;この方法で製造されるバッチに適用されるプロセスの詳細および試料コードを表4に記載する。前述の通りに、薬物ならびに水および有機溶剤可溶性ポリマーの必要量を有機溶剤に溶解させる。その間に、必要量の架橋ポリビニルピロリドンを秤量し、1.5リットル低剪断双腕ミキサー/造粒機(Battaggion IP1.5/T)の容器に移す;造粒機蓋をしっかり閉め、次いで混合を開始し、予め調製した有機溶液を、10〜15分で液体配布が完了するように選択した速度で蠕動ポンプ(Flocon 1003)を使用して、架橋ポリビニルピロリドンに加える。混合アーム回転方向を10分毎に切り替えて、湿潤材料を室温で30分間塊形成させ、次いで1試料を乾燥減量試験用に採取する。アセトン蒸気の存在下、室温でさらに90分間、湿潤材料塊形成を続け、膨潤したポリマー塊内に溶液を一様に分布させる。溶媒除去完了のために真空オーブンに定量的に移しやすい湿潤粉体を得るためには、溶媒のアリコートを均質な膨潤した複合物(粘性のあるクリーム状)から除去しなければならない。Battaggion内での予備乾燥は、溶媒除去を加速しかつ塊形成を減らすために、約50℃の熱流体を循環させることによって造粒機容器温度を高め、5℃に冷却した溶媒回収システム液に接続された真空ポンプ(Rietschle)で減圧し、かつ生成物を混合しながら実施する。別段の定めがない限り、予備乾燥期間は約40分である。次いで、部分的に乾燥した複合物をトレーに載せて、予熱し、55℃の内部温度を維持するように設定し、造粒機に使用したものと同じポンプおよび溶媒回収システムに接続した、真空オーブン(Vuototest,Mazzali)内に移す。CPVPの乾燥減量値と同様またはそれ以下の値が測定されるまで、乾燥を続ける(別段の定めがない限り、約120分間)。
3.3 拡大実験規模の方法
バッチサイズの複合物は1800gである;製造されるバッチに関する詳細は、表4に報告する。下記の変更を除けばセクション3.2で実験規模プロセスに関して記載した通りにプロセスを実施する:A)10リットル低剪断双腕ミキサー/造粒機(Battaggion IP10)およびWatson Marlowe蠕動ポンプを使用する;B)造粒機チャンバが大容量であるため、50℃の代わりに、55℃の加熱液体温度で、造粒機内への予備乾燥ステップを実施する(別段の定めがない限り、約35分間);C)真空オーブン内での最終乾燥は、50℃で実施し(別段の定めがない限り、約360分間)、生成物を4つのトレーに分配する。
4.フェノフィブレート複合物調製
4.1.フェノフィブレート高薬物負荷複合物(20%および25%)
4.1.1 REFERENCE 1、REFERENCE 2、SAMPLE 1、SAMPLE 2、SAMPLE 3、SAMPLE 4、SAMPLE 5、SAMPLE 7:これらの複合物は20%薬物負荷を有し、またセクション3.1に記載のマニュアルプロセスを用いて、10gバッチサイズで製造される。プロセスの詳細は、表2に示す。フェノフィブレート/架橋ポリビニルピロリドンの重量比は、全ての二元複合物で1:4であり、全ての三元複合物で1:3である。アセトン/架橋ポリビニルピロリドンの重量比は、二元複合物でも三元複合物でも、約2.3である。全ての三元複合物で、フェノフィブレート/水および有機溶剤可溶性ポリマーの重量比は1:1である。
これら全複合物の調製には、約2.0gのフェノフィブレートを秤量し、約18.5g(二元複合物)または約14.0g(三元複合物)のアセトンに溶解させる。三元複合物では、約2.0gの水および有機溶剤可溶性ポリマーを、そのフェノフィブレート/アセトン溶液に溶解または分散させる。
アセトン中でのジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマー(Eudragit(登録商標)E)(SAMPLE 5)の可溶化は、同等量(2g)のビニルピロリドン−酢酸ビニル(Kollidon(登録商標)VA64)(SAMPLE 1、SAMPLE 6、SAMPLE 7)およびポリエチレングリコール−カプロラクタム−ビニルピロリドンコポリマー(Soluplus(登録商標)−SAMPLE 3)の可溶化(2〜3分)より長い(約15分)。架橋ポリビニルピロリドンの量は、二元複合物および三元複合物でそれぞれ約8.0gおよび6.0gである。
4.1.2 REFERENCE 3、SAMPLE 6:これらの複合物は、25%薬物負荷を有し、またセクション3.1に記載のマニュアルプロセスを用いて、10gバッチサイズで製造される。フェノフィブレート:架橋ポリビニルピロリドンの重量比は、三元複合物で1:2であり、二元複合物で1:3である。アセトン/架橋ポリビニルピロリドンの重量比は、二元複合物でも三元複合物でも、約2.3である。三元複合物で、フェノフィブレート/水および有機溶剤可溶性ポリマーの比率は1:1である。
これらの複合物の調製には、約2.5gのフェノフィブレートを秤量し、約17.5g(二元複合物)または約11.5g(三元複合物)のアセトンに溶解させる。三元複合物では、約2.0gの水および有機溶剤可溶性ポリマーを、そのフェノフィブレート/アセトン溶液に溶解または分散させる。架橋ポリビニルピロリドンの量は、二元複合物および三元複合物でそれぞれ約7.5gおよび5.0gである。乾燥した三元複合物を、特性化試験の前に微粉にする。
4.2 フェノフィブレート低薬物負荷複合物(10%、5%)
4.2.1 REFERENCE 4、SAMPLE 8:これらの複合物は、10%薬物負荷を有し、またセクション3.1に記載のマニュアルプロセスを用いて、15gバッチサイズで製造される。フェノフィブレート:架橋ポリビニルピロリドンの重量比は、三元複合物で1:8であり、二元複合物で1:9である。アセトン/架橋ポリビニルピロリドンの重量比は、二元複合物でも三元複合物でも、約2.3である。三元複合物で、フェノフィブレート/水および有機溶剤可溶性ポリマーの比率は1:1である。
これらの複合物の調製には、約1.5gのフェノフィブレートを秤量し、約31.0g(二元複合物)または約27.5g(三元複合物)のアセトンに溶解させる。三元複合物では、約1.5gのビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー(Kollidon(登録商標)VA64)をフェノフィブレート/アセトン溶液に溶解させる。
架橋ポリビニルピロリドンの量は、二元複合物および三元複合物でそれぞれ約13.5gおよび12.0gである。乾燥した三元複合物を、特性化試験の前に微粉にする。
4.2.2 REFERENCE 5、REFERENCE 6、SAMPLE 9、SAMPLE 10:これらの複合物は5%薬物負荷を有し、またセクション3.1に記載のマニュアルプロセスを用いて、10gバッチサイズで製造される。プロセスの詳細は、表3に示す。フェノフィブレート:架橋ポリビニルピロリドンの重量比は、三元複合物で1:18であり、二元複合物で1:19である。アセトン/架橋ポリビニルピロリドンの重量比は、二元複合物でも三元複合物でも、約2.3である。三元複合物で、フェノフィブレート/水および有機溶剤可溶性ポリマーの比率は1:1である。
これらの複合物の調製には、約0.5gのフェノフィブレートを秤量し、約22.0g(二元複合物)または約20.5g(三元複合物)のアセトンに溶解させる。全ての三元複合物で、約0.5gのビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー(Kollidon(登録商標)VA64)を、フェノフィブレート/アセトン溶液に溶解させる。架橋ポリビニルピロリドンの量は二元複合物および三元複合物でそれぞれ約9.5gおよび9.0gである。乾燥した三元複合物を、特性化試験の前に微粉にする。
4.3 実験規模および拡大実験規模で製造されるフェノフィブレート複合物
4.3.1 REFERENCE 7、SAMPLE 11、SAMPLE 13:これらの複合物は20%薬物負荷を有し、セクション3.2に記載の通りに、1.5リットル低剪断ミキサー−造粒機Battaggion IP1.5/T内で、150gバッチサイズで製造される。プロセスの詳細は、表4に示されており、SAMPLE 11については表9も参照されたい。薬物/担体の重量比は、二元複合物では1:4であり、三元複合物では1:3である。アセトン/架橋ポリビニルピロリドンの重量比は、二元複合物でも三元複合物でも、約2.3である。三元複合物で、フェノフィブレート/水および有機溶剤可溶性ポリマーの比率は1:1である。
これらの複合物の調製には、約30gのフェノフィブレートを秤量し、約276g(二元複合物)または約207g(三元複合物)のアセトンに溶解させる。全ての三元複合物で、約30gの水および有機溶剤可溶性ポリマーを、フェノフィブレート/アセトン溶液に溶解させる。水および有機溶剤可溶性ポリマーは、SAMPLE 11ではビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーであり、SAMPLE 13ではジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマーである。架橋ポリビニルピロリドンの量は、二元複合物および三元複合物でそれぞれ約120gおよび90gである。
4.3.2 SAMPLE 12:ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含むこの複合物は、セクション3.3.に記載の拡大実験規模プロセスを用いて、低剪断ミキサー−造粒機Battaggion IP10内で、1,800gバッチサイズで製造される。薬物/担体の重量比は、二元では1:4であり、三元では1:3である。アセトン/架橋ポリビニルピロリドンの重量比は、二元複合物でも三元複合物でも、約2.3である。三元複合物で、フェノフィブレート/水および有機溶剤可溶性ポリマーの比率は1:1である。
これらの複合物の調製には、約360gのフェノフィブレートを秤量し、約2,485gのアセトンに溶解させる;次いで約360gのビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを、フェノフィブレート/アセトン溶液に溶解させる。架橋ポリビニルピロリドンの量は、約1,080gである。
5.ニフェジピン複合物調製
5.1 REFERENCE 8、SAMPLE 14、SAMPLE 15:これらの複合物は20%薬物負荷を有し、またセクション3.1に記載のマニュアルプロセスを用いて、15gバッチサイズで製造される。プロセスの詳細は、表5に示す。ニフェジピン/架橋ポリビニルピロリドンの重量比は、二元複合物および三元複合物でそれぞれ1:4および1:3である。アセトン/架橋ポリビニルピロリドンの重量比は、二元複合物でも三元複合物でも、約2.3である。三元複合物で、ニフェジピン/水および有機溶剤可溶性ポリマーの重量比は1:1である。
これらの全複合物の調製には、約3.0gのニフェジピンを秤量し、約27.5g(二元複合物)または約20.5g(三元複合物)のアセトンに溶解させる。三元複合物では、約3.0gの水および有機溶剤可溶性ポリマーを、ニフェジピン/アセトン溶液に溶解させる。
三元複合物で使用される水および有機溶剤可溶性ポリマーは、SAMPLE 14およびSAMPLE 15では、それぞれビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーおよびジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマーである。架橋ポリビニルピロリドンの量は、二元複合物および三元複合物でそれぞれ約12.0gおよび9.0gである。
6.ニメスリド複合物調製
6.1 SAMPLE 16、REFERENCE 9:これらの複合物は16.7%薬物負荷を有し、またセクション3.1に記載のマニュアルプロセスを用いて、12gバッチサイズで製造される。プロセスの詳細は、表5に示す。ニメスリド/架橋ポリビニルピロリドンの重量比は、二元複合物および三元複合物で、それぞれ1:5および1:4である。アセトン/架橋ポリビニルピロリドンの重量比は、二元複合物でも三元複合物でも、約1.35である。三元複合物で、ニメスリド/N−ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマーの重量比は1:1である。
これらの全複合物の調製には、約2.0gのニメスリドを秤量し、約13.5g(二元複合物)または約11.0g(三元複合物)のアセトンに溶解させる。三元複合物では、約2.0gのビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを、ニフェジピン/アセトン溶液に溶解させる。架橋ポリビニルピロリドンの量は、二元複合物および三元複合物でそれぞれ約10.0gおよび8.0gである。
可溶化速度論的比較のために、二元複合物(REFERENCE 9)およびビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーからなる物理的ブレンドを、1:4:1の比率の三元複合物が結果として生じる量で、調製した(REFERENCE 10)。ブレンドは、必要量のREFERENCE 9およびビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを試験管に量り入れ、ネジ蓋で閉め、Turbula T2Cブレンダーで、25rpmで15分間混合することによって調製する。
Figure 0006152519
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7.フェノフィブレート複合物特性化
7.2 複合物のソリッドステート特性
ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー(SAMPLE 1,図3)、ポリエチレングリコール−カプロラクタム−ビニルピロリドンコポリマーコポリマー(SAMPLE 3,図4)、ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマー(SAMPLE 5,図5)を含む20%薬物負荷三元複合物のDSCトレースで、フェノフィブレート融解の証拠は何も見られない。したがって、DSC走査条件により誘導される薬物/賦形剤相互作用は、前もって排除されている(本明細書では報告しない、薬物/賦形剤ブレンドの予備的分析で)ことを考えると、こうした複合物では、全てのフェノフィブレートが、非晶形であると想定される。
フェノフィブレートの融点付近の温度における吸熱事象は、20%二元複合物(REFERENCE 1)のDSCトレースおよびポリビニルピロリドンを含む20%三元複合物(SAMPLE 2,図6)のそれで明白である。こうした熱事象に関連したフェノフィブレート特異的融解エンタルピー値は、純粋なフェノフィブレートの溶融に関して測定される値より低い。DSC走査条件により誘導される、フェノフィブレートとポリビニルピロリドン間、またはフェノフィブレートと架橋ポリビニルピロリドン間の相互作用は皆無であるため、非晶質フェノフィブレートのアリコートおよび結晶質フェノフィブレートのアリコートが、こうした2つの複合物の各々に混入すると想定される。ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーを含む20%複合物(SAMPLE 4,図7)のDSCトレースの中に、担体ポリマーからの水分蒸発のほかに、熱事象は何も見られない。薬物とポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーとの間に起こり得る相互作用が、物理的ブレンドのDSC走査で指摘されていたことを考慮すると、この複合物はXRPDでも分析され、どのような方法でも量を定量化することができない結晶質フェノフィブレート(図8)の存在が確認される。
図10では、20%二元複合物(REFERENCE 2)および20%三元(SAMPLE 7)複合物のDSCトレースが定性的に比較される:三元複合物トレースは、定量的分析結果と一致した薬物融解に対応する熱事象を含まない。これらの2試料はまた、定量的DSCでも分析されている。
25%薬物負荷を有する複合物は、20%薬物負荷の対応するものに類似したソリッドステート特性を示す;それらのDSCトレースは、図9で比較して、結晶質薬物が二元複合物(REFERENCE 3)に存在すること、および三元複合物(SAMPLE 6)が非晶質薬物のみを含むことを示す。
ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む20%二元複合物および20%三元複合物における結晶質材料の量の定量化が、幾つかの試料で実施されている。
REFERENCE 2およびSAMPLE 7について、定量的DSC分析結果を表6に記載し、QDSC方法で得られた対応するDSCトレースを図11(REFERENCE 2)および図13(SAMPLE 7)に示す。
REFERENCE 2二元複合物の粉末X線回折により、結晶質フェノフィブレートは出発材料と同じ多形相であることが確認される(図14)。対照標準二元複合物のDSC走査で見られる吸熱事象(XRPD結果と一致する)は、粒度分布(図15)が約110nmという平均サイズを示すフェノフィブレートナノ結晶の融解に割り当てることができる(専用の精緻化方法を用いたDSC走査から推定される)。三元複合物に結晶質フェノフィブレートがないことは、SAMPLE 7のステップ−走査DSC実行によって確認される。固体生成物融解または液体蒸発は不可逆的事象である;図12に示すステップ−走査DSCトレースでは、水分蒸発に起因する幅広い吸熱のみが、不可逆的曲線に見られる;可逆的曲線には、ガラス転移の可能性が非常に高い、1つの小さい熱事象が、約75℃で見られる。この「事象分離」によれば、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含むフェノフィブレート三元複合物の標準DSC走査で、約75℃に存在する非常に小さいこぶ(図3、図10、図13)は、結晶質薬物の残留アリコートの融解に起因するものではないと結論づけることが可能である。
Figure 0006152519
150gサイズの実験規模プロセスで製造された複合物の2試料のQDSC分析の結果を表7に記載する:ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む三元複合物(SAMPLE 11)は、非常に少量の結晶質フェノフィブレートの存在を示す。一方、二元複合物(REFERENCE 7)は、マニュアルプロセスで製造された試料より少量の結晶質薬物を含む。表7は、1.8kg規模で製造された三元複合物(SAMPLE 12)の1試料に関するQDSC試験の結果も含む。
Figure 0006152519
マニュアルプロセスで調製された、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む10%(1:8:1、SAMPLE 8)および5%(1:18:1、SAMPLE 9)の薬物負荷を有する三元複合物は、水分蒸発を除けば熱事象が何も検出されない、それらのDSC走査(図16および17)によれば、非晶質フェノフィブレートのみを含む。この定性的評価は、SAMPLE 10に対して実施され、0%残留結晶化度という結果をもたらす、QDSC分析によって確認される。対応する薬物負荷を有する対照標準二元複合物(10%:REFERENCE 4および5%:REFERENCE 5)のDSC走査は、フェノフィブレート融解性吸熱を示し、5%まで薬物負荷を減少しても、有効成分の非晶質状態への完全な遷移を得るために十分ではないことが示唆される(図16、17、18)。試験した低薬物負荷二元複合物(1:19)中の結晶質フェノフィブレートの量は、REFERENCE 6に対して実施したQDSC走査によれば、フェノフィブレート含量の約33%という結果であった。フェノフィブレート全てを非晶形で含む二元複合物を得ることはできないが、三元複合物は、非晶質フェノフィブレートのみを含んでいた。
7.3.複合物の可溶化特性。結晶質フェノフィブレート原材料そのままならびに水および有機溶剤可溶性ポリマーの1つとブレンドした結晶質フェノフィブレート(1:1重量比)の可溶化速度論的プロフィールを図18および図19に示す。フェノフィブレートの可溶化プロフィールは、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーおよびポリビニルピロリドンとの、その物理的ブレンドの可溶化プロフィールに非常に近い。しかるに、2つの界面活性剤ポリマー(ポリエチレングリコール−カプロラクタム−ビニルピロリドンコポリマーおよびポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー)の存在下では、フェノフィブレートの可溶化は増進され、SKプロフィールは上向きに変わり、また有効成分単独のそれに関して異なる形状を有する。ポリエチレングリコール−カプロラクタム−ビニルピロリドンコポリマーは、試験条件でフェノフィブレート溶解性を改良する上で、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーより有効である。
図20で、4つの異なる水および有機溶剤可溶性ポリマー(ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー:SAMPLE 1、ポリビニルピロリドン:SAMPLE 2、ポリエチレングリコール−カプロラクタム−ビニルピロリドンコポリマーコポリマー:SAMPLE 3およびポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー:SAMPLE 4)を用いて調製される20%三元複合物のSKプロフィールを、対応する薬物負荷を有する二元複合物(REFERENCE 1)のSKプロフィールおよびフェノフィブレート原材料のそれと比較する。
結晶質薬物で測定される平衡溶解度より約40倍高いフェノフィブレート溶解度ピークが、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー三元複合物(SAMPLE 1)で得られる;同等の薬物負荷の二元複合物(REFERENCE 1)では、溶解度ピークは、フェノフィブレート平衡溶解度の値(1.6mcg/mlと0.42mcg/ml)の約4倍に過ぎない。これらの複合物は両者とも、溶解度ピークの後に薬物濃度低下が続き、その速度は、二元複合物の場合の方が速い。
ポリエチレングリコール−カプロラクタム−ビニルピロリドンコポリマー系三元複合物(SAMPLE 3)のSKプロフィールにおいて、約350秒で、フェノフィブレート溶解度の約18倍の溶解薬物濃度プラトーに達する。SKプロフィールの形状は、N−ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー含有複合物のそれと異なる。ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー系三元複合物もポリエチレングリコール−カプロラクタム−ビニルピロリドンコポリマーコポリマーも、全ての薬物を非晶形で含む(図3および図4)。
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーを含む三元複合物(SAMPLE 4)のSKトレースでは、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーより、溶解度ピークは低く、薬物沈殿速度は速い。たとえ固相定量化が実施されなくても、ソリッドステート分析で、この三元複合物はナノ結晶質薬物と非晶質薬物の両者を含むことが示される。上記から、化学的に架橋されていないポリマーの、プロセス溶媒中での溶解性が、複合物の良好な溶解性能を達成するために重要な要因であることは明確である;同じことが、ソリッドステート特性について観察される(セクション7.2を参照されたい)。
25%薬物負荷複合物の場合には、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む三元複合物(SAMPLE 6)のSK試験溶解度ピークは、図25に示す通り、対応する二元複合物(REFERENCE 3)のそれより高い。
薬物負荷が20%から25%に上昇すると、溶解度ピーク値は僅かに低下する結果となる。図26におけるSKプロフィールから、20%薬物負荷複合物から25%薬物負荷複合物への溶解度ピーク値の差は、三元より二元で高い(値の約25%と約5%)ことが分かる。
また、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む10%薬物負荷三元複合物および5%薬物負荷三元複合物は、それぞれ図24および図27に示す通り、対応する二元複合物より優れた溶解度増強性能を有する。
5%負荷複合物のSK試験は、フェノフィブレートのUV吸光度に対する架橋ポリビニルピロリドンの干渉を回避するために、過飽和レベルをフェノフィブレート溶解度の75倍から40倍に下げて測定される。同じ過飽和係数を適用して測定されるSKプロフィールについてのみ、比較を行うことができ、薬物「ピーク溶解度」はこのパラメータに正比例する。
5%薬物負荷複合物の4試料(マニュアルプロセスおよび10gのバッチサイズを用いて製造される2つの二元(REFERENCE 5およびREFERENCE 6)および2つの三元(SAMPLE 9およびSAMPLE 10))のSKプロフィールを、図27で比較する。三元複合物が既知の二元複合物より優れた溶解度増強性能を有することは明確である;2つの三元複合物間でみられるバッチ間変動性は実験的に許容される。
実験規模方法を用いて150gサイズで調製される、20%薬物負荷を有する二元複合物および三元複合物(それぞれREFERENCE 7およびSAMPLE 11)は、マニュアルプロセスを用いて10gサイズで製造される同等の複合物(すなわちREFERENCE 2およびSAMPLE 7)でみられるSKプロフィール間で同じ比率を有する。SKプロフィールの比較を図22(150gバッチサイズ)および図21(10gバッチサイズ)に示す。
ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマーを含む20%薬物負荷三元複合物のSKプロフィールは、SAMPLE 13(図28)プロフィールとREFERENCE 2(図21)プロフィールの比較による結果として、同等の薬物負荷を有する対応する二元複合物のそれより顕著に高い。
たとえ、ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマーの場合に溶解度ピークが顕著に高くても(図28)、SKプロフィール形状は、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む、三元複合物のそれに類似している。
さらに、pH1.2で実施される、ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマーを含む三元複合物のSK試験は、pH5以下で易溶性であるこのポリマーの存在によって障害されない。「2ステップ可溶化速度論的試験」は、ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマー溶解性誘発値より高いpHの媒体が使用されるとき、ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマーがSKプロフィールに与える可能性がある影響を検証するために適用される。
図23は、最初の10分間はフェノフィブレートが溶液中にほとんど存在せず(pH6.8のリン酸バッファー)、その後pHが酸性になると速やかに放出され、次いでpH1.2での標準SK試験で類似した複合物について測定される溶解度ピーク値と同等の濃度値が得られることを示す(図23のSAMPLE 5と図28のSAMPLE 13を比較されたい)。「2ステップ」実験の3回の反復で得られるSKプロフィールは、互いによく一致している。
本発明で、水および有機溶剤可溶性ポリマーとしてジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマーが使用されるとき、試験前に暫時水中に懸濁された複合物のSKは、乾燥粉末で測定されるSKと著しく異ならないことが示される。水中に10分間懸濁した後に測定するとき、複合物の溶解度ピークは、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む三元複合物では実のところ低下しない。SAMPLE 13(ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマーを含む)では、試料を水に懸濁した後で測定されるSKプロフィールにおける溶解度最大値の方が、粉末のままのそれより高い(図28);ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマーの存在下では、懸濁は、SK試験の媒体中への分散前に、複合物粉末塊および粒子集合体の分散を促進する。こうしたタイプの複合物は、スプリンクル、ドライシロップ剤、即時懸濁液(extemporaneous suspension)、サッシェ(sachet)等の医薬品剤形の調製に関して、特に興味深いかもしれない。
8.ニフェジピン複合物特性化
8.1 有効成分、賦形剤および物理的ブレンドのソリッドステート特性
ニフェジピンと、2つの水および有機溶剤可溶性ポリマー(ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーおよびジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマー)との間の、物理的ブレンドのDSCで、DSC走査条件により誘導される相互作用の可能性が指摘されている。図30に示す通り、薬物とビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマーとの物理的ブレンドで、ニフェジピン融解に対応するピークの顕著な形状変形、高さ低下および温度変化が明白である。架橋ポリビニルピロリドンとの物理的ブレンドにおける相互作用は、何も指摘されていない。
8.2 複合物のソリッドステート特性。
ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーおよびジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマーを有する三元複合物における、ニフェジピンのソリッドステート特性の評価に、DSC走査を使用することはできない。図31に示す20%二元複合物(REFERENCE 8)のDSC走査から、薬物のアリコートが結晶形で存在することが分かる。ニフェジピン融解ピークに関連した融解エンタルピーの顕著な減少から、REFERENCE 8が結晶質(ナノサイズの可能性が高い)薬物と非晶質薬物の両者を含むことが示唆される。
8.3 複合物の可溶化特性
結晶質ニフェジピン原材料そのままおよび調査した水有機溶剤可溶性ポリマーの何れか1つとブレンドした結晶質ニフェジピン(1:1重量比)の可溶化速度論的プロフィールを図32に示す。ブレンドのSKプロフィールは上向きに変化し、異なる形状は有効成分単独のそれに関連がある。ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーもジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマーもニフェジピンの可溶化を増進する(図33)。またニフェジピンについても、三元複合物(SAMPLE 14およびSAMPLE 15)の溶解度性能は、同等の薬物負荷の二元複合物(REFERENCE 8)のそれより優れている。
9.ニメスリド複合物特性化
9.1 複合物のソリッドステート特性
粉末X線ディフラクトグラムの評価によれば、SAMPLE 16複合物もREFERENCE 9複合物も非晶質ニメスリドのみを含むようである:結晶質有効成分回折バンドは何も見られない。
9.2 複合物の可溶化特性
SAMPLE 16、REFERENCE 9およびREFERENCE 10の可溶化速度論を図34に示す。比較可能なニメスリドのソリッドステートにもかかわらず、SAMPLE 16およびREFERENCE 9のSKトレースは明らかに異なるように見え、三元複合物の溶解度ピークは顕著に高い(約70μg/mlと約30μg/ml)。REFERENCE 10のSKトレースは、SAMPLE 16のSKトレースとREFERENCE 9のSKトレースとの間である;溶解度ピークは、二元複合物のそれより高いが、三元複合物のそれより低い。この結果から、三元複合物のより高い溶解度性能は、専ら水および有機溶剤可溶性ポリマーの沈殿インヒビター作用(たとえあったとしても)に起因するのではないことが示唆される。
10.複合物調製:膨潤複合物からの溶媒除去の影響
10.1 溶媒除去:予備乾燥ステップ:造粒機;乾燥ステップ:造粒機、真空オーブン、流動床
複合物(SAMPLES 17およびSAMPLE 12)は、セクション3.3に記載の通りに、10L低剪断ミキサー/造粒機(Battagion IP10)内、1,800gバッチサイズで調製される。予備乾燥ステップの終点は、シリーズAの実験(90分の長い予備乾燥ステップ:SAMPLE 17)およびシリーズBの実験(35分の短い予備乾燥ステップ:SAMPLE 12)についてそれぞれ約10%および40%のLoD値で一定である。詳細を表10に示す。
予備乾燥ステップの終わりに、シリーズAおよびシリーズB(材料のLoD値に従って、乾燥複合物として約600g)の両複合物のアリコート3つを秤量し、それぞれ1つを、乾燥ステップ用に選択された3つの乾燥炉の1つに移す。シリーズAおよびシリーズBの実験で適用される、乾燥炉および相対的乾燥条件は以下の通りである。
10.1.1.低剪断造粒機:加熱液体温度は、約3%のLoD%に達するまで55℃に設定し、次いで、プロセスの終わりまで、50℃に下げる;真空を適用した結果として、造粒機チャンバ内部の圧力は約0.20〜0.25バールになる;塊の形成を減らすために、ニーディングアーム回転を30分毎に切り替える;これらの乾燥条件を数時間適用する。
10.1.2 真空オーブン:オーブンを60℃に予熱し、試料を導入し、次いで加熱温度を50℃に設定し、適用される真空は、結果としてオーブン内部圧が約0.25〜0.30バールになる;約120〜130分後、乾燥温度を下げ、プロセスの終わりまで40℃に維持する;乾燥は6時間実施する。
10.1.3 流動床(インサート6インチトップスプレイを有するGPCG1):入口空気温度を55℃に設定し、生成物を浮遊させておくように気流速度を調節する(5.5〜7.5m/秒);除湿機の接続により空気の湿度を低く保ち、入口空気供給パイプライン内の空気の湿度を記録する;乾燥時間は3時間である。流動床壁およびフィルター上に複合物が堆積するため、流動床での乾燥終了後に観測される最終収量は、試験した他の装置よりも低い。
10.2 溶媒除去:予備乾燥ステップ:造粒機;乾燥ステップ:真空オーブン、電子レンジ
薬物負荷20%w/wを有する、フェノフィブレート、架橋ポリビニルピロリドンおよびビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー(重量比1:3:1)を含む、複合物(SAMPLE 18)を、セクション3.2に記載の通り、150gバッチサイズで、低剪断ミキサー/造粒機(Battagion IP1.5/T)を使用して調製する。均質化の終了後、造粒機の容器を50℃に加熱し、結果として造粒機チャンバ内部の圧力が約0.3〜0.4バールになる真空を適用して、膨潤生成物を15分間予備乾燥する。予備乾燥の終わりに得られる湿潤材料は、約16.5%というLoDを有する。45gのアリコート2つを予備乾燥した材料から採取し、以下の通りの条件に従って実施される乾燥ステップ用に、2つの乾燥装置に移す。
10.2.1.室温の真空オーブン(低速乾燥)。予備乾燥複合物を薄層としてトレー上に分配し真空下のオーブン(Vuototest,Mazzali)内、室温で、6時間維持する。適用される真空は、結果として約0.30バールという圧力になる。LoD用およびGC分析用の試料を、2.5時間後および5時間後に採取すると、LoD値はそれぞれ5.0%および5.1%である。2.5時間後、残留アセトンの量は約7,600ppmであり、クラスIII溶媒に関するICHガイドライン限界(5,000ppm)より顕著に高い;5時間後、残留アセトンは約2,200ppmであり、乾燥を停止する。特性化用の試料を、乾燥終了直後にバルクから採取し、残りの生成物をプラスチック製の瓶に入れてポリエチレン製の袋に閉じ込める。
10.2.2 電子レンジ(高速乾燥)。予備乾燥した複合物を、生成物温度値に基づいた出力制御を具備する電子レンジ(Microsybth model,Milestone)の容器に入れる。乾燥プログラムを、5分で約50℃の生成物温度に到達する加熱傾斜と共に適用し、その後、等温ステップが続き、生成物は50℃に保たれる;この乾燥プログラムの全期間は15分である。適用される真空は、結果としてオーブン容器内部圧が約0.30バールになる。特性化用の試料を、乾燥終了後にバルクから採取し、残りの生成物をプラスチック製の瓶に入れポリエチレン製の袋に閉じ込める。試験した2つの方法で乾燥した試料中の残留溶媒の量を表11に示す。
Figure 0006152519
電子レンジでは、真空下、室温でのプロセスより著しく多量の溶媒が短時間で(15分と300分)で除去されることは明白である。このことから、担体内に分布したアセトンでさえ、この乾燥方法が高効率であることも、2つのプロセスの溶媒除去速度に有意差があることも裏付けられる。
10.3 複合物特性化
異なる3つの乾燥炉で乾燥されたSAMPLE 17複合物の3つのアリコートに存在する結晶質薬物の量(薬物含量のパーセンテージ)を表12に示す。
Figure 0006152519
流動床による乾燥は、真空オーブンによる乾燥および低剪断造粒機による乾燥より低い残留結晶化度を有する複合物を得ることを可能にし、また最短時間を必要とする。図35に示すデータから、乾燥炉が流動床であるときの方が、乾燥曲線が急速であること、およびアセトンに関するICHガイドライン限界(<5,000ppm)より低い残留溶媒値により早く到達することが分かる:約20分(3,201ppm)と、真空オーブン(4,633ppm)の約30分および低剪断造粒機(2,951ppm)の約180分。3つの乾燥方法で、異なる溶媒除去速度が得られることも明白である:事実、流動床、真空オーブンおよび低剪断造粒機を使用して、それぞれ45、90および420分で、同等レベルの残留溶媒(約1,000ppm)に到達する。
異なる乾燥炉で得られる3つの複合物に含まれる結晶質薬物の量の差は、図36に示すSK曲線によっても指摘される:結晶質薬物の最低含量によれば、流動床で乾燥される複合物で、より高い溶解度レベルおよびより長い沈殿時間が得られる。
異なる3つの乾燥炉で乾燥されたSAMPLE 12複合物のアリコート3つに存在する結晶質薬物の量(薬物含量のパーセンテージ)を表13に示す。
Figure 0006152519
図37に示す乾燥曲線から分かるように、この場合にもまた、流動床乾燥炉で最速の溶媒除去が得られる。流動床では約20分で(2,802ppm)、真空オーブンでは約135分で(3,289ppm)、低剪断造粒機では約360分で(4,555ppm)、アセトンに関するICHガイドライン限界(5,000ppm)より低い残留溶媒に到達する。さらに、流動床および真空オーブンではそれぞれ45分(1,233ppm)および240分(1,093ppm)で、同等の残留溶媒レベルに到達することを考えれば、溶媒除去速度の有意差も裏付けられる;乾燥実験(6時間)の終わりでさえも、低剪断造粒機で乾燥した複合物は、その他の2つの装置で乾燥した複合物の残留溶媒レベルより有意に高い(3,988ppm)残留溶媒レベルを有する。
シリーズBの実験でも、より高速の乾燥プロセスの場合に、より低い結晶質薬物量が見られる:流動床乾燥炉も真空オーブンも、全ての薬物を非晶形で含む複合物を得ることを可能にする。一方、最も低速の乾燥炉、低剪断造粒機で乾燥した複合物中に、約7%の結晶質薬物が見られる。
表13および表14に示す結晶質薬物含量値を乾燥炉タイプで比較すると、予備乾燥ステップの持続期間の影響が明白である。事実、たとえば流動床乾燥炉を考えると、35分間予備乾燥した膨潤材料から出発して調製された複合物(SAMPLE 12−c)には、結晶質薬物は見られず、90分間予備乾燥した材料から出発して調製された複合物(SAMPLE 17c)には、約2.7%の結晶質薬物が見られる。予備乾燥は、どちらの場合にも、膨潤に使用される、低速乾燥炉、低剪断造粒機内で実施される;したがって、実施される乾燥プロセスとは関係なく、滞留時間が長い程、最終残留結晶化度は高い。同じ考えが、真空オーブン乾燥複合物(SAMPLE 12bおよびSAMPLE 17b)および低剪断造粒機乾燥複合物(SAMPLE 12aおよびSAMPLE 17a)にも当てはまる。
SAMPLES 18のアッセイおよび定量的ソリッドステートの結果を表14に示す。
Figure 0006152519
固相分布の明確な差がある:最低の溶媒除去速度(室温で真空)で乾燥した複合物には、10倍高い結晶質薬物含量が存在する。この固相差の実体は、以前の実験で見られたものより有意に高く、これは、2つのプロセス間の巨大な溶媒除去速度差の結果である。マイクロ波支援乾燥は、ここでは、複合物からのアセトン除去に非常に有効である(非常に高速)として示されている。
実験結果(SAMPLE 12、SAMPLE 17およびSAMPLE 18)から、溶媒除去速度および高速予備乾燥および乾燥の条件の影響が分かる。

Claims (10)

  1. 少なくとも1つの難溶性薬物、少なくとも1つのポリマー担体、および、水にも有機溶剤にも可溶性である、少なくとも1つの化学的に架橋されていないポリマーを含む複合物を調製する方法が、
    1)少なくとも1つの水難溶性薬物を、プロセス溶媒またはプロセス溶媒混合物に溶解させるステップと、
    2)水にも有機溶剤にも可溶性である、少なくとも1つの化学的に架橋されていないポリマーを、ステップ1)の薬液中に溶解させるステップと、
    3)少なくとも1つのポリマー担体を、ステップ2)で調製される前記溶液で膨潤させて、膨潤した複合物をこのようにして得るステップと、
    4)前記プロセス溶媒を、ステップ3)の前記膨潤した複合物から除去するステップと、
    を含み、
    ステップ4)が、約410分以下の時間および35℃乃至60℃の温度で実施され、
    前記ポリマー担体が、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋シクロデキストリン、架橋デキストラン、架橋澱粉、架橋メチルセルロースからなる群から選択され、
    水にも有機溶剤にも可溶性である、前記化学的に架橋されていないポリマーが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トリメリト酸酢酸セルロース、アクリルポリマーおよびメタクリルポリマーならびにそれらのコポリマー、メタクリル酸−メチルメタクリレートコポリマー、ポリアミノアルキルメタクリレート−メタクリル酸エステルコポリマー、ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマー、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー、メチルビニルエーテル−マレイン酸コポリマー、ポリエチレングリコール−カプロラクタム−ビニルピロリドンコポリマーからなる群から選択される
    ことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、ステップ4)が、約360分以下の時間で実施されることを特徴とする方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、ステップ4)が、約240分以下の時間で実施されることを特徴とする方法。
  4. 請求項3に記載の方法において、ステップ4)が、約120分以下の時間で実施されることを特徴とする方法。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法において、ステップ4)が、40℃乃至55℃の温度で実施されることを特徴とする方法。
  6. なくとも1つの難溶性薬物、少なくとも1つのポリマー担体、および、水にも有機溶剤にも可溶性である、少なくとも1つの化学的に架橋されていないポリマーを含む複合物であって、
    前記複合体が0.8%以下の残留結晶化度を有し、
    前記ポリマー担体が、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋シクロデキストリン、架橋デキストラン、架橋澱粉、架橋メチルセルロースからなる群から選択され、
    水にも有機溶剤にも可溶性である、前記化学的に架橋されていないポリマーが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トリメリト酸酢酸セルロース、アクリルポリマーおよびメタクリルポリマーならびにそれらのコポリマー、メタクリル酸−メチルメタクリレートコポリマー、ポリアミノアルキルメタクリレート−メタクリル酸エステルコポリマー、ジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマー、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー、メチルビニルエーテル−マレイン酸コポリマー、ポリエチレングリコール−カプロラクタム−ビニルピロリドンコポリマーからなる群から選択される
    ことを特徴とする複合物
  7. 請求項6に記載の複合物において、前記薬物と前記ポリマー担体との間の重量比が1:0.5〜1:50であることを特徴とする、複合物。
  8. 請求項6または7に記載の複合物において、前記薬物と前記化学的に架橋されていないポリマーとの間の重量比が1:0.1〜1:10であることを特徴とする、複合物。
  9. 請求項6乃至8の何れか1項に記載の複合物において、100部の複合物に対して、1部の薬物、1〜18部のポリマー担体、0.5〜1.5部の化学的に架橋されていないポリマーを含むことを特徴とする、複合物。
  10. 請求項7乃至9の何れか1項に記載の複合物、および薬学的に許容される賦形剤を含むことを特徴とする、医薬組成物。
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