JP6151225B2 - アピシンの分画方法 - Google Patents

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本発明は、ローヤルゼリーから効率的に高濃度のアピシンを得ることができるアピシンの分画方法に関する。
一般に、ローヤルゼリーは、羽化後3〜15日の雌のミツバチが下咽頭腺及び大腮腺から分泌する分泌物を混合して作るゼリー状の物質で、特有のタンパク質、脂肪酸及びミネラル等が含有されていることが知られている。ローヤルゼリーは、血圧降下作用、抗腫瘍作用、抗菌作用等の種々の生理作用を有していることが知られている。よって従来より、ローヤルゼリーは、栄養価の高い健康食品のみならず、医薬品等の用途にも用いられてきた。
ローヤルゼリーはデセン酸をはじめとするローヤルゼリーに特有な脂肪酸、そのエステルからなる脂質、ローヤルゼリーにのみ含有される特殊な水溶性タンパク質、アミノ酸、糖質、ミネラル等を含有している。それらの中で、タンパク質は、ローヤルゼリー中において、10%以上を占めるが、詳細な機能及び生理作用に関しては未だ十分に解明されていない。例えば、ローヤルゼリー中に含まれるタンパク質として、分子量350kDaの糖タンパク質であるアピシンが知られている(非特許文献1)。アピシンは、例えばヒト血球系単球細胞株に対する増殖作用等の有用な作用を有することが知られている(非特許文献1)。
従来より、非特許文献2,3に開示されるローヤルゼリーからアピシンを得る方法が知られている。非特許文献2は、透析、イオン交換クロマトグラフィ及びゲル濾過クロマトグラフィ等によりアピシンを分離する方法について開示する。非特許文献3は、超遠心分離法を使用し、比重の違いによりアピシンを分離する方法について開示する。
ミツバチ科学, 1998, 19, 15-22 一般社団法人全国ローヤルゼリー公正取引協議会平成23年度研究報告書, 2012, 13-27 Food Chemistry, 2012, 134, 2332-2337
しかしながら、非特許文献2,3は、得られる画分中におけるアピシンの含有率が依然として低く、アピシンの単離は困難であるという問題があった。例えば、非特許文献2に開示の方法は、得られる画分中におけるアピシンの含有率が50質量%未満であると考えられる。また、非特許文献3に開示の方法は、得られる画分中におけるアピシンの含有率が30質量%程度であると考えられる。
本発明は、ローヤルゼリーから効率的に高濃度のアピシンを得ることができるアピシンの分画方法を提供することにある。
本発明は、ローヤルゼリーから効率的に高濃度のアピシンを得ることができるアピシンの分画方法を見出したことに基づく発明である。
上記目的を達成するために、本発明の一態様では、アピシンを含有するローヤルゼリー又はローヤルゼリーより有機溶媒を用いた抽出処理後の残渣に、水を含有する溶媒を添加し、アピシン含有溶液を調製し、該アピシン含有溶液をpH4.4〜5.4に調整し、不溶性画分を得る工程、さらに前記不溶性画分をゲル濾過法により分離処理し、アピシン含有画分を得る工程を含むアピシンの分画方法が提供される。前記不溶性画分は、アピシンを固形分濃度として50質量%以上含むことが好ましい。前記アピシン含有画分は、アピシンを固形分濃度として80質量%以上含むことが好ましい。
本発明によれば、ローヤルゼリーから効率的に高濃度のアピシンを得ることができる。
試験例1(1)欄におけるHPLCクロマトグラム。(a)アピシン含有水溶液のpHを4.0に調整した場合の上清のHPLCクロマトグラム。(b)アピシン含有水溶液のpHを4.0に調整した場合の沈殿部分のHPLCクロマトグラム。 試験例1(1)欄におけるHPLCクロマトグラム。(a)アピシン含有水溶液のpHを4.6に調整した場合の上清のHPLCクロマトグラム。(b)アピシン含有水溶液のpHを4.6に調整した場合の沈殿部分のHPLCクロマトグラム。 試験例1(2)欄のゲル濾過処理におけるクロマトグラム。 試験例1(2)欄において回収されたアピシン含有画分のHPLCクロマトグラム。(a)図3のフラクションNo.28,29のHPLCクロマトグラム。(b)参考として生ローヤルゼリーのHPLCクロマトグラム。
以下、本発明のアピシンの分画方法を具体化した一実施形態を説明する。
アピシンを得るための抽出原料として、ローヤルゼリーが用いられる。原料のローヤルゼリーとしては、生ローヤルゼリー及び生ローヤルゼリーを凍結乾燥処理等により乾燥させて粉末化したローヤルゼリー粉末のいずれも使用することができる。本実施形態において使用される生ローヤルゼリー及び乾燥ローヤルゼリーの産地は、特に限定されないが、例えば中国、台湾、日本等のアジア諸国、ヨーロッパ諸国、北アメリカ諸国、ブラジル等の南アメリカ諸国、ニュージーランド、オーストラリア等のオセアニア諸国のいずれを使用してもよい。これらの原料を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、抽出原料として、上記ローヤルゼリーより、有機溶媒を用いて抽出処理を行った後の残渣を使用してもよい。アピシンは、ローヤルゼリー中に含まれる水溶性の糖タンパク質であり、58kDaと5.5kDaのサブユニットが会合した分子量約350kDaのヘテロオリゴマータンパク質である。したがって、有機溶媒に不溶性の残渣中にも、アピシンが含まれていることが期待される。たとえば、凍結乾燥ローヤルゼリーのエタノール溶媒抽出後の不溶性成分からなる残渣中には、アピシンが約4〜6質量%(固形分中)程度含有されている。有機溶媒としては、アピシンが不溶性の溶媒であれば、いずれも適用することができる。生体適用性の観点から、例えばエタノール、メタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。これらの有機溶媒を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、親水性有機溶媒が用いられる場合、アピシンが沈殿する限りにおいて、親水性有機溶媒に水が含まれてもよい。
まず、アピシンを含有する上記抽出原料に、水を含有する溶媒を添加し、アピシン含有溶液を調製する工程が行われる。アピシンは、水溶性の糖タンパク質のため、アピシン含有溶液を調製する際、水を含有する溶媒が用いられる。水を含有する溶媒として、アピシンが溶解する限りにおいて、水以外の親水性有機溶媒が含まれてもよい。親水性有機溶媒として、生体適用性の観点から、例えばエタノール、メタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。これらの親水性有機溶媒を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。水を含有する溶媒としては、アピシンの抽出効率に優れる観点から水が好ましい。
水を含有する溶媒の使用容量は、抽出原料の固形分質量に対して、好ましくは10〜500倍量、より好ましくは50〜200倍量である。溶媒の使用容量が10倍量以上の場合には、アピシンの溶解性をより向上させることができる。溶媒の使用容量が500倍量以下の場合には、抽出機材及び装置をより小さくすることができ、次段階のpH調整等の作業性及びアピシンの沈殿効率をより向上させることができる。
アピシンの抽出効率をより向上させる観点から、アピシンを含有する抽出原料に、水を含有する溶媒を添加した後、不溶性の成分は、除去することが好ましい。不溶性成分の除去は、公知の方法、例えば濾紙濾過、濾過助剤である珪藻土濾過等の濾過処理、遠心分離処理等が挙げられる。
次に前記アピシン含有溶液をpH4.4以上且つpH5.4以下に調整し、不溶性画分を得る工程が行われる。pHの下限は、4.4以上、好ましくは4.5以上、さらに好ましくは4.6以上である。一方、pHの上限は、5.4以下、好ましくは5.3以下、より好ましくは5.2以下である。pHをかかる範囲に規定することにより、アピシンが高含有される沈殿(不溶性成分)を得ることができる。pHの調整は、公知の酸・アルカリを用いて行うことができる。公知の酸の具体例としては、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸等の有機酸、塩酸、リン酸等の無機酸が挙げられる。公知のアルカリの具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機アルカリ、アルギニン、リシン、ヒスチジン等の塩基性アミノ酸等が挙げられる。ローヤルゼリーは、タンパク質以外に有機酸等の酸成分を含むため、例えば生ローヤルゼリーを水に溶解した場合、一般的にpHは、4以下となる。かかる場合、アルカリを用いて、pH調整が行われる。pH調整は、アピシン含有溶液を撹拌しながら、pH調整用の溶液を滴下して行うことが好ましい。
アピシン含有溶液をpH4.4〜5.4に調整した後、不溶性の成分を沈殿させる。pH調整後、すぐに不溶性成分は沈殿し始めるが、回収率を向上させる観点から、所定温度環境下において、所定時間放置してもよい。放置温度は、特に限定されないが、0〜40℃であることが好ましく、より好ましくは3〜25℃が採用される。抽出温度が0℃以上の場合には、アピシンの沈殿効率をより向上させることができる。逆に抽出温度が40℃以下の場合には、アピシンの変性をより抑制することができる。なお、放置の際は、抽出効率及び抽出率向上の観点から、公知の方法を用いてアピシン含有溶液を攪拌しながら行ってもよい。放置時間は、放置温度等により適宜設定することができるが、好ましくは1分以上、より好ましくは1時間以上行われる。そして、上記の条件で不溶性の成分が沈殿した後、濾過処理又は遠心分離処理することにより得られる不溶性の画分をアピシン画分として回収される。アピシン画分中には、アピシンが高濃度で含まれている。アピシン画分中におけるアピシンの含有量は、固形分濃度として50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。
前記アピシン画分中におけるアピシンの含有率をより向上させるために、さらに、前記不溶性画分をゲル濾過法により分離処理し、アピシンが含有される画分を回収する工程を経てもよい。ゲル濾過法としては、公知の方法、例えば高速液体クロマトグラフィ(HPLC)及びオープンカラムクロマトグラフィにより実施することができる。アピシンの分子量は、約350kDaであるため、対応するゲル濾過用のゲル担体を市販品等より適宜選択することができる。上記ゲル濾過法により、溶出した成分を分取し、アピシン含有画分を回収する。アピシンが含有される画分は、抗原抗体反応を用いた検出法、電気泳動、吸光度測定、HPLC等の方法を1種又は2種以上を組み合わせて適用することにより確認することができる。
ゲル濾過法により分離回収されたアピシン含有画分中におけるアピシンの含有量は、固形分濃度として80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。さらに好ましくは、前記アピシン含有画分を、ゲル濾過用カラムを用いた高速液体クロマトグラフィによる分画に供したときに得られる溶出ピークは、実質的にアピシンのみである。実質的にアピシンのみとは、ノイズ由来のピーク、溶出溶媒由来のピーク、不回避的不純物由来のピークを除く意味である。
上記方法により得られたアピシン画分は、例えば医薬品、医薬部外品、飲食品、化粧品、研究用試薬等の各分野で好ましく適用することができる。アピシン画分は、アピシンの含有率が高いため、好ましくは標準物質として用いることができる。特に、ゲル濾過法により分離処理も行うことにより得られたアピシン含有画分は、アピシンの含有率がより高いため、標準物質としてより好ましく適用することができる。
上記方法により得られたアピシン画分の剤型は、特に限定されず、液状、固体状のいずれであってもよい。液状とは、流動性を有する液体の他、ゲル状、ゼリー状等の形態が含まれる。固体状とは、粉末状、粒子状、タブレット状等の形態が含まれる。固体状の形態は、アピシン画分を凍結乾燥することにより得ることができる。アピシン画分を凍結乾燥する場合、アピシンの分解、変性、凝集等を抑制するために、溶液中に予め糖類、例えばトレハロースを添加し、凍結乾燥することが好ましい。
上記実施形態のアピシンの分画方法によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、アピシンを含有するローヤルゼリー等に、水を含有する溶媒を添加し、アピシン含有溶液を調製し、該アピシン含有溶液がpH4.4〜5.4に調整されることで、アピシンが高含有される不溶性画分が得られる。したがって、ローヤルゼリー等から少ない抽出工程により効率的に高濃度のアピシン画分を得ることができる。また、より安価にアピシンを大量に製造・入手することができる。
(2)従来の透析、イオン交換クロマトグラフィ及びゲル濾過クロマトグラフィを組み合わせた抽出方法、超遠心分離法を用いた精製方法を使用した場合と比較し、より短期間に、簡易な操作により、高濃度のアピシン画分を得ることができる。
(3)好ましくは、さらにゲル濾過法も組み合わせて分離処理し、アピシン含有画分を得る工程が含まれる。したがって、アピシンの含有率をさらに増加させたアピシン画分を得ることができる。
(4)また、上記操作により、高純度のアピシンを得ることができ、特にアピシンを標準物質として効率的に製造・入手することができる。
(5)また、上記実施形態により得られるアピシンの標準品により、試料中のアピシンの定量や定性、機能性評価や物性評価をより正確に行うことができる。
(6)上記実施形態では、アピシンを凍結乾燥する際、糖類、例えばトレハロースを使用したことにより、アピシンを長期間安定的に保存することができる。
(7)上記実施形態において、アピシンを含有する原料としてローヤルゼリーより有機溶媒を用いた抽出処理後の残渣を用いた場合、残渣の再利用を図ることができ、より安価にアピシンを製造・入手することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、pH調整は、アピシン含有溶液を撹拌しながら、pH調整用の溶液を滴下して行っている。しかしながら、水を含有する溶媒として、アピシンを含有するローヤルゼリー等を添加した後、pHが4.4〜5.4になるように、予めpH調製剤を添加した溶媒を使用してもよく、かかる構成も本実施形態に含まれるものとする。予めpH調製剤を添加した溶媒を使用しても、アピシンが含有される不溶性画分を得ることができる。また、水を含有する溶媒とアピシンを含有するローヤルゼリー等を混合してアピシン含有溶液を調製すると同時に、pHが4.4〜5.4に調整されるため、より効率的にアピシンが含有される不溶性画分を得ることができる。
・上記実施形態において、ゲル濾過法により分離処理した後、さらに、分離・精製処理することを妨げない。分離・精製処理の具体例としては、限外濾過及び透析を用いた分離処理、並びにクロマトグラフィを用いた分離・精製処理が挙げられる。クロマトグラフィとしては、公知のクロマトグラフィ、例えば液体クロマトグラフィが挙げられる。液体クロマトグラフィとしては、例えばカラムクロマトグラフィを用いることができ、より具体的には高速液体クロマトグラフィ(HPLC)及びオープンカラムクロマトグラフィを挙げることができる。クロマトグラフィ担体としては、例えば、イオン交換クロマトグラフィ、分配クロマトグラフィ(順相・逆相クロマトグラフィ)、吸着クロマトグラフィ、及びゲル濾過クロマトグラフィが挙げられる。それらを単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
・上記実施形態のアピシンの分画方法によって得られるアピシン画分が、医薬品、飲食品等の分野で適用される際の剤型は、特に限定されず、公知のもの、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、ドリンク剤等のいずれであってもよい。
・上記実施形態において、アピシン画分をHPLCに添加する際、ゲル濾過により分離処理する際、又は凍結乾燥する際、前処理として、限外濾過により濃縮したり、透析等の方法を用いて脱塩処理等を行ってもよい。
以下に試験例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(試験例1:ローヤルゼリーからアピシンの精製)
(1)アピシン含有溶液のpH範囲の設定
中国産生ローヤルゼリー(固形分35%(w/w))30gに水を加え、ローヤルゼリー3%(w/v)のアピシン含有水溶液を1000mL調製し、50mLずつに分注した。
10%又は1%(w/v)水酸化ナトリウム水溶液を滴下しながら、アピシン含有水溶液のpHを、下記表1に示される各値に調整した。pH調整後のアピシン含有水溶液を4℃で3時間放置した後、各アピシン含有水溶液を遠心分離(3,000rpm、4℃、10分)し、上清と沈殿(不溶性画分)に分けた。得られた沈殿について、HPLC移動相(0.3MのNaCl含有リン酸緩衝液(pH7.2))で50mLに定容し、再溶解させた。上清と再溶解させた沈殿について、下記に示されるHPLC条件1に従い、HPLC分析を行った。HPLCクロマトグラムの総面積に対するアピシンピーク面積値をアピシンの含有率(質量%)とした。結果を下記表1に示す。参考として、pH4.0と4.6のそれぞれについて、上清と再溶解させた沈殿の各HPLCクロマトグラムを図1,2に示す。
<HPLC条件1>
HPLC装置:Waters alliance、カラム:PROTEIN KW-803(内径8.0mm×長さ300mm、SHODEX)、ガードカラム:PROTEIN KW-G(内径6.0mm×長さ50mm、SHODEX)、移動相:0.3MのNaCl含有0.1Mリン酸緩衝液(pH7.2)、測定波長:PDA(200-400nm)、検出波長:280nm、流速:0.3mL/分、分析時間:90分、カラム温度:30℃±5℃、試料温度:10℃±5℃。
表1に示されるように、pH4.4〜5.4の範囲内において、不溶性画分中のアピシンの含有率が著しく高くなることが確認された。
(2)ゲル濾過法を用いた精製処理
中国産生ローヤルゼリー(固形分35%(w/w))30gに水を加え、ローヤルゼリー3%(w/v)のアピシン含有水溶液を1000mL調製し、10%又は1%(w/v)水酸化ナトリウム水溶液を滴下しながら、アピシン含有水溶液のpHを5.0に調整した。pH調整後のアピシン含有水溶液を遠心分離(3,000rpm、4℃、10分)し、上清と沈殿(不溶性画分)に分けた。得られた沈殿について、ゲル濾過の移動相(0.3MのNaCl含有リン酸緩衝液(pH7.2))で200mLに定容し、再溶解させた。かかる再溶解させた試料(3mL)を下記ゲル濾過条件1に従い、分離処理を行った。
<ゲル濾過条件1>
ゲル濾過担体:Sephacryl S-300HR(内径25mm×長さ460mm、担体体積225mL)、移動相:0.3MのNaCl含有0.1Mリン酸緩衝液(pH7.2)、温度:室温(25℃)、回収:開始95mLは1画分、95〜180mLは50滴/1画分、流速:1mL/分。
得られた各フラクションの10μLを96wellプレートへ入れ、BCA試薬を200μL添加し、37℃で30分間静置し、吸光度を562nmで測定した。得られた測定値をプロットしてゲル濾過クロマトグラムを作成した。結果を図3に示す。
得られた各フラクションについて、上記HPLC条件1に従い、HPLC分析を行った。得られたHPLCクロマトグラムより、アピシンのピーク面積を求め、アピシンの含有率をそれぞれ測定した。その結果、図3のフラクションNo.24〜32において高純度のアピシンが含まれていることが確認された。アピシン含有画分としてフラクションNo.28,29を回収し、改めて上記HPLC条件1に従い、HPLC分析を行った。得られたHPLCクロマトグラムを図4(a)に示す。尚、参考として、HPLC条件1に従い、生ローヤルゼリーをHPLC分析したHPLCクロマトグラムを図4(b)に示す。図4(a)に示されるように、pH調整後に得られた不溶性画分をゲル濾過処理することにより、最終的にHPLC分析においてアピシンの単一ピークを確認することができた。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)アピシンを含有するローヤルゼリー又はローヤルゼリーより有機溶媒を用いた抽出処理後の残渣に、水及びpH調整剤を含有する溶媒を添加し、アピシン含有溶液を調製するとともに、該アピシン含有溶液はpH4.4〜5.4に調整されて、不溶性画分が得られる工程からなるアピシンの分画方法。従って、この(a)に記載の発明によれば、より効率的にアピシン画分を得ることができる。

Claims (3)

  1. アピシンを含有するローヤルゼリー又はローヤルゼリーより有機溶媒を用いた抽出処理後の残渣に、水を含有する溶媒を添加し、アピシン含有溶液を調製し、該アピシン含有溶液をpH4.4〜5.4に調整し、不溶性画分を得る工程、さらに前記不溶性画分をゲル濾過法により分離処理し、アピシン含有画分を得る工程を含むアピシンの分画方法。
  2. 前記不溶性画分は、アピシンを固形分濃度として50質量%以上含む請求項1に記載のアピシンの分画方法。
  3. 前記アピシン含有画分は、アピシンを固形分濃度として80質量%以上含む請求項に記載のアピシンの分画方法。
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