JPH0784477B2 - ツエインの製造方法 - Google Patents

ツエインの製造方法

Info

Publication number
JPH0784477B2
JPH0784477B2 JP62016909A JP1690987A JPH0784477B2 JP H0784477 B2 JPH0784477 B2 JP H0784477B2 JP 62016909 A JP62016909 A JP 62016909A JP 1690987 A JP1690987 A JP 1690987A JP H0784477 B2 JPH0784477 B2 JP H0784477B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zein
ethanol
extract
water
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62016909A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63185998A (ja
Inventor
隆 八木
高伸 河本
史生 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Showa Sangyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Sangyo Co Ltd filed Critical Showa Sangyo Co Ltd
Priority to JP62016909A priority Critical patent/JPH0784477B2/ja
Publication of JPS63185998A publication Critical patent/JPS63185998A/ja
Publication of JPH0784477B2 publication Critical patent/JPH0784477B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、とうもろこしまたはコーングルテンミールか
ら、エタノール可溶性の大きいツェインを製造する方法
に関する。
〔従来の技術〕
ツェインは、とうもろこし蛋白質の主要成分であり、ア
ルコールに可溶で、接着力及びフィルムや繊維の形成能
を有し、そのアルコールあるいはアルカリ溶液を噴霧、
塗布、浸漬等の適宜の手段で被処理物の表面に付着さ
せ、これを乾燥することによって耐水性,耐酸性,耐熱
性,電気絶縁性等に優れた被膜をつくることが知られて
いる。
このような性質から、ツェインは製紙加工用塗布剤,木
材製品の表面塗装,合板等の接着剤,防湿剤,食品・錠
剤等のコーティング剤として利用されている。
ツェインの製造法については特開昭61-167700号公報や
「シード・プロテインス バイオケミストリー,ジェネ
ティックス,ニュートリティブ バリュー(Seed Prote
ins Biochemistry,Genetics,Nutritive Value)」(W.G
ottschalk,H.P.Muller編,Martinue Nijhoff/Dr.W.Junk
Publishers,1983)第275〜287頁に概説されているよう
に、一般にコーングルテンミール等の原料を70〜90%
(v/v)のエタノール、90%(v/v)前後のイソプロパノ
ール等の含水低級アルコールで抽出し、得られたアルコ
ール溶液から溶剤を溜去する、あるいは同溶液を水また
は塩類溶液中に投入してツェインを沈澱させる等の方法
により製造される。
〔発明が解決しようとする問題点〕
食品・錠剤等のコーティング材等の用途において、ツェ
インに要求される性質としては、エタノール可溶性、す
なわち種々の濃度のエタノールに溶解し、ある程度の期
間安定していることが最も重要視される。しかるに、ツ
ェインの製造に関する従来法は、原料からのツェインの
回収率を高めることを第一の目的としたものであり、こ
れまでの製品にはエタノール可溶性において、満足でき
るものはなかった。すなわち、ツェインの標品を20倍量
の60,80及び90%(v/v)の各エタノール溶液に分散・溶
解させて観察した場合、従来法で製造したものは、よく
分散したように見えても一日放置すると沈澱が析出する
等、いずれも溶解性に乏しいものであった。用途にもよ
るが薬剤コーティング用に使用するものであっては、そ
のアルコール溶液が少なくとも一昼夜完全に清澄な状態
を維持することが望まれている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、ツェインの原料からの回収率を高水準に維持
し、かつ、エタノールへの溶解性が極めて良好なツェイ
ンを取得する方法を提供することを目的とするものであ
る。
本発明は、とうもろこしまたはコーングルテンミールか
ら75〜95%(v/v)含水エタノールを用いてツェインを
抽出した後、該抽出液に水を加えてエタノール濃度を50
〜65%(v/v)に調整して析出する不溶物を除去するこ
とを特徴とするツェインの製造方法である。
本発明の出発原料の一つであるコーングルテンミールと
は、とうもろこしから通常の湿式処理法によりコーンス
ターチを分離製造する工程で副産物として得られるもの
である。出発原料にとうもろこしを使用する場合は、80
〜100メッシュ以下に粉砕して用いるのがよい。
本発明においては、まず、これらの原料を75〜95%(v/
v)の含水エタノールを用いて抽出する。この工程で
は、原料の3〜10倍相当量の上記含水エタノールを用い
50〜65℃で30〜180分間撹拌した後、遠心分離,加圧濾
過等の適宜の手段により抽出液を得る。
得られた抽出液は、必要に応じ適宜濃縮する等した後、
撹拌しつつ水を加えエタノール濃度を50〜65%(v/v)
に調整する。これを1〜12時間放置して不溶物を析出さ
せ、生じた沈殿物を遠心分離,加圧濾過等の適宜の手段
で除去する。
上記各段階のエタノール濃度をそれぞれ上記の数値に限
定した理由は次による。すなわち、抽出時のエタノール
濃度75〜95%(v/v)では、ツェインの溶解性が大き
く、ツェイン以外の蛋白質を溶解しないので、純度の高
いツェインを高収率で得ることができる。また、抽出液
を希釈して50〜65%(v/v)とするのは、この範囲に調
整して生じた不溶物を除去することによって、初めて60
〜90%(v/v)の広い濃度範囲の含水エタノールへの溶
解性の優れた製品が得られるためである。
上記濃度調整により不溶物を除去した抽出液からは、エ
タノールを蒸留して除去する、必要に応じ濃縮した後、
水または中性の塩類溶液中に滴下してツェインを沈澱さ
せる等の公知の方法によりツェインを回収することがで
きる。
〔実施例〕
例1 グルテンミール400gに90%(v/v)含水エタノール2lを
加え、60℃で2時間抽出し、この抽出液に水を加え最終
エタノール濃度が65%(v/v)となるように調整し、60
℃で1時間放置して析出した不溶物を遠心分離して除い
た後、上清液を濃縮、乾燥して蛋白純度90.4%のツェイ
ンを19.4%(W)(対原料%)の収率で得る。
例2 グルテンミール400gに90%(v/v)含水エタノール2lを
加え、60℃で2時間抽出し、この抽出液に水を加え最終
エタノール濃度が60%(v/v)となるように調整し、60
℃で1時間放置して析出した不溶物を遠心分離して除い
た後、上清液を濃縮、乾燥して蛋白純度93.8%のツェイ
ンを19.2%(W)(対原料%)の収率で得る。
例3 グルテンミール400gに90%(v/v)含水エタノール2lを
加え、60℃で2時間抽出し、この抽出液に水を加え最終
エタノール濃度が55%(v/v)となるように調整し、60
℃で1時間放置して析出した不溶物を遠心分離して除い
た後、上清液を濃縮、乾燥して蛋白純度94.2%のツェイ
ンを18.9%(W)(対原料%)の収率で得る。
本発明の製法により得られたツェインは極めてアルコー
ル溶解性が優れていて、長時間放置しても安定な清澄状
態を維持するものである。
例4 グルテンミール100gに80%(v/v)含水エタノール500ml
を加え60℃で2時間抽出し、この抽出液に水を加え、最
終エタノール濃度が60%(v/v)となるよう調整し、60
℃で1時間放置して析出した不溶物を遠心分離して除い
た後、上清液を濃縮、乾燥して蛋白純度88.7%のツェイ
ンを19.4%(W)(対原料%)の収率で得る。
例5 グルテンミール100gに80%(v/v)含水エタノール500ml
を加え60℃で2時間抽出し、この抽出液に水を加え、最
終エタノール濃度が50%(v/v)となるよう調整し、60
℃で1時間放置して析出した不溶物を遠心分離して除い
た後、上清液を濃縮、乾燥して蛋白純度90.5%のツェイ
ンを19.6%(W)(対原料%)の収率で得る。
次に、これを明らかにする試験例を示す。
試験例 1.供試試料 実施例1〜5の本発明の製法により得られたツェイン、
対照として下記製造例により得られたツェインを用い
た。
製造例1 グルテンミール400gに90%(v/v)含水エタノール2lを
加え、60℃で2時間抽出し、この抽出液に最終エタノー
ル濃度が90%(v/v)となるように調整し、60℃で1時
間放置して析出した不溶物を遠心分離して除いた後、上
清液を濃縮、乾燥して蛋白純度87.0%のツェインを得
る。
製造例2 製造例1と同様の原料を用い、同様の操作により得られ
た90%(v/v)含水エタノール抽出液に水を加え最終エ
タノール濃度が80%(v/v)となるように調整し、60℃
で1時間放置して析出した不溶物を遠心分離して除いた
後、上清液を濃縮、乾燥して蛋白純度87.5%のツェイン
を得る。
製造例3 製造例1と同様の原料を用い、同様の操作により得られ
た90%(v/v)含水エタノール抽出液に水を加え最終エ
タノール濃度が70%(v/v)となるように調整し、60℃
で1時間放置して析出した不溶物を遠心分離して除いた
後、上清液を濃縮、乾燥して蛋白純度87.5%のツェイン
を得る。
製造例4 グルテンミール100gに80%(v/v)含水エタノール500ml
を加え、60℃で2時間抽出し、この抽出液を60℃で1時
間放置した後、濃縮、乾燥して蛋白純度86.5%のツェイ
ンを23.6%(W)(対原料%)の収率で得る。
製造例5 グルテンミール100gに80%(v/v)含水エタノール500ml
を加え60℃で2時間抽出し、この抽出液に水を加え、最
終エタノール濃度が70%(v/v)となるよう調整し、60
℃で1時間放置して析出した不溶物を遠心分離して除い
た後、上清液を濃縮、乾燥して蛋白純度87.1%のツェイ
ンを22.8%(W)(対原料%)の収率で得る。
2.試験方法 上記各供試試料1gを20倍量の60%(v/v),80%(v/v),
90%(v/v)の各含水エタノールに分散、溶解し、その
直後と25℃で24時間経過後の状態を観察した。
3.試験結果 試験結果を下記表により示す。
表に明らかなように、本発明によりツェイン抽出液をエ
タノール濃度を50〜65%(v/v)に調整し、析出する不
溶物を除去して得たツェイン製品は、60,80及び90%(v
/v)の試験した総ての濃度のエタノールに対して優れた
溶解性を示し、薬剤コーティング等の用途に好適なもの
であった。これに対し濃度調整を行わなかったもの、及
びエタノールを70%(v/v)以上の高濃度あるいは55%
(v/v)未満の低濃度に調整して処理したものでは、い
ずれも溶解性が劣っており、上記目的に適合するもので
はなかった。
〔発明の効果〕
本発明は、薬剤,食品等のコーティング剤として好適
な、特にエタノールへの溶解性が大きいツェインを経済
的に回収することができる。もちろん、本発明の製法に
よるツェインは、他にも工業用材料,製菓材料等として
も使用可能な、利用用途の広いものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】とうもろこしまたはコーングルテンミール
    から75〜95%(v/v)含水エタノールを用いてツェイン
    を抽出した後、該抽出液に水を加えてエタノール濃度を
    50〜65%(v/v)に調整して析出する不溶物を除去する
    ことを特徴とするツェインの製造方法。
JP62016909A 1987-01-26 1987-01-26 ツエインの製造方法 Expired - Fee Related JPH0784477B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62016909A JPH0784477B2 (ja) 1987-01-26 1987-01-26 ツエインの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62016909A JPH0784477B2 (ja) 1987-01-26 1987-01-26 ツエインの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63185998A JPS63185998A (ja) 1988-08-01
JPH0784477B2 true JPH0784477B2 (ja) 1995-09-13

Family

ID=11929262

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62016909A Expired - Fee Related JPH0784477B2 (ja) 1987-01-26 1987-01-26 ツエインの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0784477B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023178396A1 (pt) * 2022-03-25 2023-09-28 Greenb Biological Solutions Ltda Processo de extração de prolaminas de grãos e resíduos de cereais em meio etanólico ácido ou básico

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5254673A (en) * 1991-12-26 1993-10-19 Opta Food Ingredients, Inc. Purification of zein from corn gluten meal
EP3858153A1 (en) 2016-03-24 2021-08-04 Cargill, Incorporated Corn protein product having decreased free sulfite levels and method for manufacturing same
MX2019003316A (es) 2016-09-23 2019-08-21 Cargill Inc Retencion de proteina de maiz durante la extraccion.
CA3071526A1 (en) 2017-08-02 2019-02-07 Cargill, Incorporated Extruded corn protein material
EP3684191A4 (en) 2017-09-21 2021-07-07 Cargill, Incorporated CORN PROTEIN RETENTION DURING EXTRACTION

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
PlantPhysiol.,vol.80(1986),P.623−627

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023178396A1 (pt) * 2022-03-25 2023-09-28 Greenb Biological Solutions Ltda Processo de extração de prolaminas de grãos e resíduos de cereais em meio etanólico ácido ou básico

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63185998A (ja) 1988-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0805630B1 (en) Flax preparation, its use and production
EP1299424B1 (en) COLD WATER SOLUBLE $g(b)-GLUCAN PRODUCT AND PROCESS FOR PREPARING THE SAME
JPH05184306A (ja) ツェインを含有する素材の処理方法
US4400471A (en) Preparation and crystallization of Fraction I protein from plant sources
CN103772527A (zh) 一种从燕麦麸皮中提取高纯度β-葡聚糖的方法
DE2443570A1 (de) Verfahren zur herstellung von proteinisolaten aus pflanzen
CN104039164A (zh) 米蛋白质组合物及其制造方法
JPH0784477B2 (ja) ツエインの製造方法
JP3071669B2 (ja) 抗アレルギー物質、その製造方法、抗アレルギー剤及び機能性食品
JPH0725797B2 (ja) ツエインの製造法
JP5448585B2 (ja) 抗アレルギー剤およびその製造方法
JPS59148789A (ja) 高度に結晶性のナトリウムセフオペラゾンの製法
Beveridge et al. The analysis of hair keratin: 2. The dicarboxylic and basic amino-acids of human hair
CN107652372A (zh) 一种橙皮果胶的无醇提取方法
JPH0669383B2 (ja) 酵母水溶性多糖類の製造方法
CZ20022793A3 (cs) Způsob výroby proteinových přípravků zásadně stálých vlastností s ohledem na rozpustnosti a funkčnost v rozmezí hodnoty pH od 3 do 10
JP4250776B2 (ja) 糖質−蛋白質複合体およびその製造法
US2489173A (en) Preparation of whipping composition and the resulting product
JP6876679B2 (ja) ネポジン高含有ギシギシ抽出物の製造方法及びネポジン高含有ギシギシ抽出物
DE2056294A1 (de) Verfahren zur Herstellung antiviraler zweistrangiger Ribonucleinsäuren
US4429121A (en) Clarified tamarind kernel powder
JP2824352B2 (ja) 色素含有量並びに臭気の少ないゼインの調製方法
US5440019A (en) Processes of producing amylase inhibitors
JPS645041B2 (ja)
JP2902878B2 (ja) 抗酸化性物質の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees