JP6151084B2 - 放射性廃棄物の固化処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、放射能で汚染された複数種の物質を固化安定化処理する放射性廃棄物の固化処理方法に関する。
震災や風水害など自然災害により放射性物質が環境中に放出され大規模な汚染事故が発生した場合、当該汚染物質を除染して現状を復旧する対策が採られる。また除染対象物が複雑多岐にわたる場合や除染効率が低い場合には除染せず、汚染物を安定な材料で固化し長期間に渡り安定化状態で保存する対策が採られる。
後者の対策では、廃棄物の発生量を極力減らす(減容する)ためには、廃棄物を効果的に組み合わせて、全体発生量の最適化を行うことが有効な手段となる。
例えば、コンクリート廃材を処理する分野では、リサイクル方法に関する特許提案が多数出願されており、例えば汚染したコンクリート材を解体し、廃材として再利用する技術が開発されている。
また、汚染土壌の処理や汚染海水処理などについても処理技術の提案が成されている(特許文献1、2参照)。具体的には、特許文献1には水和セメントにアルミナセメントを混入した固化材を用い、有害重金属などを含む燃えがら、ダスト類及び汚泥等を共に混合し固化することにより、重金属類を吸着し、有害物を封じ込めて無害化安定化を図る処理方法が開示されている。一方、特許文献2には、原子炉廃水を処理する際に副生する無水芒硝、無水ホウ酸塩等を含有する廃棄物を固化する用途に適した水硬性セメント組成物が開示されている。
特開平7−16599号公報(有害重金属等含有廃棄物の無害化安定化処理方法) 特公平2−56299号公報(非収縮性水硬性セメント組成物)
JAEA−Research 2011−026「土壌の原位置加熱による放射性セシウムの除去可能性の検討」 高知大学(東北大学)山崎先生の報告、和文標題:水熱ホットプレス法によるCsのポルサイト構造中への固定化J. Nuclear Science and Tchnology,24[1],pp51−60(1987).,Immobilization of Cesium into Pollucite Structure by Hydrothermal Hot−Pressing ゼオライトによる高レベル放射性廃液の固化処理、東北大学 選鉱精錬研究所 報告vol44(2)182−190(1989秋葉、三村ら)
従来の放射性廃棄物の固化処理方法では、それぞれ汚染した液体廃棄物や土壌やコンクリートがれきなどの汚染発生源毎に除染や再利用を行うという方法であり、上記複数の汚染物を一括して合理的に処理し廃棄物量を減容するという各汚染物全体を最適に一括処理する方式は発案されていなかった。
本発明は上記従来の処理方法における技術的課題を解決するためになされたものであり、複数の廃棄物を組み合わせて一括処理することにより全体の廃棄物発生量を大幅に低減することが可能な放射性廃棄物の固化処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る放射性廃棄物の固化処理方法は、放射性物質で汚染した汚染水および海水の少なくとも1種の液体廃棄物と、放射性物質で汚染したコンクリートがれきおよび土壌の少なくとも1種の固体廃棄物と、ソイルセメントと、を混練して混練体とし、この混練体を海洋底部に打ち込んだ後に固化せしめて固化体を形成し、前記固化体を海洋底部に定着させることを特徴とする。
また、本発明の他の一実施形態に係る放射性廃棄物の固化処理方法は、放射性物質で汚染した汚染水および海水の少なくとも1種の液体廃棄物と、放射性物質で汚染したコンクリートがれきおよび土壌の少なくとも1種の固体廃棄物と、セメントと、を混練して混練体とし、しかる後に混練体を固化して固化体を形成し、上記土壌は混練する前に加熱処理することにより、上記土壌に含有される放射性核種の閉じこめ性を向上させ、上記セメントは、セメント原料と汚染下水汚泥とを焼成処理して減容することにより得られたソイルセメントであることを特徴とする。
さらに、本発明のその他の一実施形態に係る放射性廃棄物の固化処理方法は、放射性物質で汚染した汚染水および海水の少なくとも1種の液体廃棄物と、放射性物質で汚染したコンクリートがれきおよび土壌の少なくとも1種の固体廃棄物と、セメントと、を混練して混練体とし、しかる後に混練体を固化して固化体を形成し、上記土壌は混練する前に加熱処理することにより、上記土壌に含有される放射性核種の閉じこめ性を向上させ、上記加熱処理は、温度600℃以上で土壌を加熱する加熱処理または温度300℃以下の水溶液中にて加圧条件で土壌を加熱する水熱処理であり、上記水熱処理はオートクレーブを用いて土壌を加圧した水蒸気下で加熱することを特徴とする。
上記放射性廃棄物の固化処理方法によれば、液体廃棄物、土壌、コンクリートがれき等の各種の廃棄物量を一括して処理削減でき、処理物は長期間に渡って安定した状態で保管することが可能であり、さらに全ての処理工程は遠隔操作で実施することができるので作業員の被曝線量を大幅に低減できるなどの種々の効果が発揮できる。
また上記放射性廃棄物の固化処理方法において、前記セメントとしてソイルセメントを用い、液体廃棄物と固体廃棄物と上記ソイルセメントとを混練して得られた混練体を海洋底部に打ち込んだ後に固化せしめ、固化体を海洋底部に定着させることが好ましい。
上記放射性廃棄物の固化処理方法によれば、固化体から海洋へ汚染物が漏出する危険性も少なく、日常生活に支障が無い状態で、汚染発生施設の地先海域に大規模な汚染物の保管用地を確保することが可能になる。
さらに、上記放射性廃棄物の固化処理方法において、前記土壌を混練する前に加熱処理することにより、上記土壌に含有される放射性核種の閉じこめ性を向上させることが好ましい。
例えば、放射性物質であるセシウム(Cs)とけい華(無定形アルミノ珪酸塩)あるいは珪石(低温型石英)とAl(OH)の混合物との水熱反応による加熱処理(例:5−NのNaOH水溶液中で温度150〜250℃で10〜30分加熱する)を行うことにより、安定したポルサイト構造を有する化合物が形成され、Csがこのポルサイト構造中に安定的に固定される。したがって、土壌に含有されるCsなどの放射性核種の閉じこめ性を向上させることができ、閉じ込められたCsなどの放射性核種の外部への漏出は少ない。
また、上記放射性廃棄物の固化処理方法において、前記加熱処理は、温度600℃以上で土壌を加熱する加熱処理または温度300℃以下の水溶液中にて加圧条件で土壌を加熱する水熱処理であることが好ましい。
放射性物質を安定して封じ込める構造を有する化合物の形成条件は放射性物質の種類によって異なるが、上記温度条件等において、セシウム等の放射性核種の閉じこめ性が増強され、土壌内部からの放射性核種の漏出が効果的に抑制される。
さらに、上記放射性廃棄物の固化処理方法において、セメント製造工程でセメント原料と汚染下水汚泥とを焼成処理して減容することによりソイルセメントを形成した後に、得られたソイルセメントと混練水と汚染土壌とコンクリートがれきとを混練して固化体を形成することが好ましい。
上記放射性廃棄物の固化処理方法によれば、下水処理場で発生した下水汚泥に放射性物質が含まれている場合、この汚染下水汚泥をセメント製造工場のセメントキルンで焼成処理しソイルセメントを製造する。このソイルセメントには放射性物質が含まれているので、混練水、汚染土壌、コンクリートがれきなどの他の汚染物質と一括して混練処理して固化体を形成する。上記固化処理方法によれば、汚染した下水汚泥なども一括して廃棄することができる。
また、上記放射性廃棄物の固化処理方法において、前記水熱処理はオートクレーブを用いて土壌を加圧した水蒸気下で加熱することが好ましい。
上記放射性廃棄物の固化処理方法によれば、水熱処理工程において、建材(ケイ酸カルシウム:軽カル建材)の製造設備において装備されている大型オートクレーブ(300℃の加熱、20MPa程度の圧力)で汚染土壌を大量にかつ効率的に処理することが可能であり、既設の建材製造設備を利用できる利点がある。
さらに、上記放射性廃棄物の固化処理方法において、前記セメントとしてセメント中の全アルカリ量が0.6%以下である低アルカリ形セメントを用いることが好ましい。
ここで、上記低アルカリ形セメント中の全アルカリ量は、日本工業規格:JIS R5210(ポルトランドセメント)に規定されており、セメント中の全アルカリ当量(RO=NaO+0.658KO)が0.6%以下のものをいう。
上記全アルカリ当量が0.6%以下の低アルカリ形セメントを用いることにより、固化体に含まれる放射性物質がアルカリ雰囲気によって溶出することが効果的に防止できる。
本発明に係る放射性廃棄物の固化処理方法によれば、各種の廃棄物量を一括して処理削減でき、処理物(固化体)は長期間に渡って安定した状態で保管することが可能であり、さらに全ての処理工程は遠隔操作で実施することができるので作業員の被曝線量を大幅に低減できるなどの種々の効果が発揮できる。
本発明に係る放射性廃棄物の固化処理方法の一実施例である汚染廃棄物の処理フローを示す系統図。 本発明に係る放射性廃棄物の固化処理方法の他の実施例である汚染廃棄物の処理フローを示す系統図。 本発明に係る放射性廃棄物の固化処理方法のその他の実施例である汚染廃棄物の処理フローを示す系統図。
以下、本発明の実施の形態について、以下の実施例および図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1は本発明に係る放射性廃棄物の固化処理方法の一実施例である汚染廃棄物の処理フローを示す系統図である。
すなわち、本実施例に係る放射性廃棄物の固化処理方法は、放射性物質で汚染した汚染水および海水の少なくとも1種の液体廃棄物としての混練水(海水)1と、放射性物質で汚染したコンクリートがれき3および汚染土壌2から成る固体廃棄物と、水中不分離剤を含有し全アルカリ量が0.8%であるソイルセメント8と、を混練処理7して混練体とし、しかる後に混練体を固化して固化体としての構造物9を形成する方法である。
本実施例では、混練水1としての汚染海水と、汚染土壌2と、粗骨材としてコンクリートがれき3を一括して処理する場合を示している。ここで汚染土壌2とは、8000Bq/kg以上の放射能を有するものであってそのままでは処分場に受け入れられない土壌を示す。また、海水中の主要成分である塩化ナトリウムなどの塩も含有している土壌を含む。さらにコンクリートがれき3とは、主に建物など土木建築構造材として使用されていたコンクリート廃材を示しており、汚染土壌2は、粉砕・分級工程4を経て径が2〜4mm程度の細骨材11として用いたが放射性物質を含有していても差し支えない。一方、コンクリートがれき3は、粉砕・分級工程4を経て径が20〜40mm程度の粗骨材6として用いた。
これらの混練水1、汚染土壌2、コンクリートがれき3などの模擬物質を下記表1に示す配合条件調製したソイルセメントと混練した。また混練体を海水中に打ち込んで固化させて固化体とした。
Figure 0006151084
セメントは海水打ち込み用のソイルセメントを使用したが、固化体の特性上、何ら問題はないことが判明した。また、上記のようにセシウム(Cs)等の放射性物質を含有する一定量の固化体を温度25℃の純水中に60日間浸漬させた後に、溶出したセシウムイオン量を測定し、固化体全体に含まれるセシウム量に対する溶出率(重量%)を算出し、この溶出率の大小により固化体の耐浸出性を評価した。本実施例の場合、溶出率は平均値で0.013重量%であり、優れた耐浸出性が確認できた。
なお、特許文献1の発明では、請求項3に「混和剤を10%以上の割合でアルミナセメントに混合したものを主成分とする固化材に、保水材を充填して、これに海水含有汚泥などを混練し固化することを特徴とする廃棄物の無害化、安定化処理方法」との記載がある。ここで、特許文献1に記載された「海水含有汚泥」とは、実施例4の記載から「貝殻、魚介類の死骸を含む海水性スラッジ」を示しており、本発明における海水を混練水として用いる固化方式とは根本的に異なるものである。また、特許文献1の混和剤はそれ自体が特殊な製法により調製されるものであり通常のセメント固化方式とは異なる方式である。このため、特許文献1で記載している海水含有汚泥をもって、本発明における海水を混練水として使用したセメント固化の先行例とすることは困難である。
さらに、特許文献2では、調製したセメント組成物は種々の成形品の製造に使用することができるとの記述があり、「種々の難燃性の成形構造物、例えば…終結剤、粘結剤、接着剤、固結剤、セメント剤、目地剤、バインダーとして有用である」こと、さらに「煉瓦、陶器、コンクリート製品、…等を含浸乃至表面処理して、これらの材料に不燃性あるいは水不浸透性等の性質を付与するのに有用である」ことなどが記載されている。これら特許文献2で記載された難燃性構造物はコンクリートがれきの主成分と類似しているが、特許文献2はむしろ難燃性成形構造物を結合させて他の製品を作ること、別の性質を付与することを目的にしているのに対して、本発明でコンクリートがれきを粉砕して粒径を制御し、固化体の骨材として構造材の一部に取り込む方式であり、難燃物の使用目的や使用の際の形態、セメントに及ぼす作用も大きく異なるものである。よって、特許文献2の記載が本発明におけるコンクリートがれきのセメント固化法の先行使用例と考えることは妥当ではない。
表1に示す配合割合で1億mの土壌を固化処理する場合を想定して処理物の体積および所要保管面積を試算する。実施例1の場合では、0.7mの土壌を含み、密度が2×10kg/mである固化体1mが生成する。従って、1億mの土壌を固化処理する場合には、セメント固化体の総発生量は1.4億mであり、これらを海洋に打ち込む場合に必要な体積は縦×横1平方kmで深さが14mである。これらの保管容積空間は、陸上では得られにくいが、海上や海岸近傍や海面下では容易に確保できる広さである。
(実施例2)
図2は本発明に係る放射性廃棄物の固化処理方法の他の実施例である汚染廃棄物の処理フローを示す系統図である。すなわち、本実施例2に係る放射性廃棄物の固化処理方法は、図1に示す実施例1の汚染土壌2の粉砕・分級工程4に代えて、図2に示すように汚染土壌2の安定化処理工程10を付加したものである。
すなわち、汚染土壌2中の放射性物質濃度が高い場合には、周辺環境に放射性物質が流出しないように固化体中に留めておく必要があるために、図2に示すように、放射性物質を含有する汚染土壌2を改良土壌5とするために安定化処理工程10を追加した。上記安定化処理は、例えばセシウム(Cs)などの放射性物質を含む汚染土壌2を混練する前に加熱処理することにより、上記土壌に含有される放射性核種の閉じこめ性を向上させる処理方法であり、具体的にはセメント工場に付設されているキルンでの加熱処理によって改良土壌5とすることが可能である。
さらに、上記加熱処理は、温度600℃以上で土壌を加熱する加熱処理または温度300℃以下の水溶液中にて加圧条件で土壌を加熱する水熱処理で改良土壌5とする方法も採用できる。すなわち、水熱反応を利用して、Csを安定したポルサイト構造に固定化する方法の適用が可能である。
これらの方式で模擬廃棄物を固化した場合の単位配合量を下記表2に示す。
そして混練水1、汚染土壌2、コンクリートがれき3などの模擬物質を混練した。また混練体を海水中に直接打設して固化させて固化体とした。
Figure 0006151084
セメントは水中不分離剤を含み、海水打ち込み用のソイルセメントを使用したが、固化体の特性上、何ら問題はないことが判明した。また、上記のようにセシウム(Cs)等の放射性物質を含有する一定量の固化体を、実施例1と同様に、温度25℃の純水中に60日間浸漬させた後に、溶出したセシウムイオン量を測定し、固化体全体に含まれるセシウム量に対する溶出率(重量%)を算出した。本実施例2の場合、溶出率は0.021重量%であり、優れた耐浸出性が確認できた。なお、本実施例2の場合、実施例1の場合と比較して密度が小さいので表1で試算した結果よりも2.3倍程度打ち込み体積が大きくなることが判明した。
(実施例3)
図3は本発明に係る放射性廃棄物の固化処理方法のその他の実施例3である汚染廃棄物の処理フローを示す系統図である。すなわち、本実施例3に係る放射性廃棄物の固化処理方法は、図2に示す実施例2のソイルセメント8を調製するために、図3に示すように下水汚泥13とセメント原料11とを焼却処理するセメントキルンなどの焼却工程12を付加したものである。
すなわち、セメント製造工程でセメント原料11と汚染下水汚泥13とを焼成処理12して減容することによりソイルセメント8を形成した後に、得られたソイルセメント8と混練水1と汚染土壌2とコンクリートがれき3とを混練して固化体を形成する固化処理方法である。
下水処理場で発生した下水汚泥13に放射性物質が含まれている場合、これをセメント原料11と共にセメントキルンで焼却処理12し、ソイルセメント8を製造する。このソイルセメントには放射性物質が含まれているので、図3の処理方式に従って、他の汚染物質と一括して処理し、固化体とする。このようにセメント原料11と汚染下水汚泥13とを焼成処理12して減容することによりソイルセメント8を形成することによって、汚染した下水汚泥13なども一括して廃棄することができる。
(実施例4)
実施例2において、水熱処理はオートクレーブを用いて汚染土壌2を20MPa程度の圧力で加圧した水蒸気下で300℃に加熱した点以外は実施例2と同様な処理操作を実施して実施例4に係る放射性廃棄物の固化処理方法を実施した。
上記実施例4に係る放射性廃棄物の固化処理方法によれば、水熱処理工程において、建材(ケイ酸カルシウム:軽カル建材)の製造設備において装備されている大型オートクレーブ(300℃、20MPa程度の圧力)で汚染土壌を大量にかつ効率的に処理することが可能であり、既設の建材製造設備を利用できる利点がある。
(実施例5)
実施例2において、前記セメントとしてセメント中の全アルカリ量が0.6%以下である低アルカリ形セメントを用いた点以外は実施例2と同様な処理操作を実施して実施例5に係る放射性廃棄物の固化処理方法を実施した。
アルカリ環境でCs等を閉じこめるポルサイト化合物の溶解性が増加する場合には、アルカリ度が低いセメントである低アルカリセメントやアルミナセメントなどの低アルカリセメントを用いることが好ましい。
上記実施例5に係る放射性廃棄物の固化処理方法によれば、全アルカリ量が0.6%以下の低アルカリ形セメントを用いることにより、固化体に含まれる放射性物質がアルカリ雰囲気によって溶出することが効果的に防止できる。
ちなみに、セメントとして全アルカリ量が0.4%である低アルカリ形セメントを使用した場合と、全アルカリ量が0.8%である高アルカリ形セメントを使用した場合(実施例1,2)とにおいて、得られた固化体中の放射性物質の溶出率を対比したところ、前者は後者よりも約42%程度低い値となり、より優れた耐浸出性が得られることが判明した。
なお、実施例3〜5において、実施例2のソイルセメント8を調製する方式で説明したが、実施例1のソイルセメント8を調製する方式を実施例3〜5に適用しても同様の作用効果を得ることができる。
1…混練水(海水、汚染水)、2…汚染土壌、3…コンクリートがれき、4…粉砕・分級工程、5…改良土壌、6…粗骨材、7…混練処理、8…ソイルセメント(水中不分離剤)、9…構造物(固化体)、10…安定化処理工程、11…細骨材。

Claims (4)

  1. 放射性物質で汚染した汚染水および海水の少なくとも1種の液体廃棄物と、放射性物質で汚染したコンクリートがれきおよび土壌の少なくとも1種の固体廃棄物と、ソイルセメントと、を混練して混練体とし、この混練体を海洋底部に打ち込んだ後に固化せしめて固化体を形成し、前記固化体を海洋底部に定着させることを特徴とする放射性廃棄物の固化処理方法。
  2. 放射性物質で汚染した汚染水および海水の少なくとも1種の液体廃棄物と、放射性物質で汚染したコンクリートがれきおよび土壌の少なくとも1種の固体廃棄物と、セメントと、を混練して混練体とし、しかる後に混練体を固化して固化体を形成し、
    上記土壌は混練する前に加熱処理することにより、上記土壌に含有される放射性核種の閉じこめ性を向上させ、
    上記セメントは、セメント原料と汚染下水汚泥とを焼成処理して減容することにより得られたソイルセメントであることを特徴とする放射性廃棄物の固化処理方法。
  3. 放射性物質で汚染した汚染水および海水の少なくとも1種の液体廃棄物と、放射性物質で汚染したコンクリートがれきおよび土壌の少なくとも1種の固体廃棄物と、セメントと、を混練して混練体とし、しかる後に混練体を固化して固化体を形成し、
    上記土壌は混練する前に加熱処理することにより、上記土壌に含有される放射性核種の閉じこめ性を向上させ、
    上記加熱処理は、温度600℃以上で土壌を加熱する加熱処理または温度300℃以下の水溶液中にて加圧条件で土壌を加熱する水熱処理であり、
    上記水熱処理はオートクレーブを用いて土壌を加圧した水蒸気下で加熱することを特徴とする放射性廃棄物の固化処理方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射性廃棄物の固化処理方法において、前記セメント中または前記ソイルセメント中の全アルカリ量は0.6%以下であることを特徴とする放射性廃棄物の固化処理方法。
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