JP6150407B1 - 時計部品、文字板、文字板ユニット、ムーブメントおよび時計 - Google Patents

時計部品、文字板、文字板ユニット、ムーブメントおよび時計 Download PDF

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Abstract

【課題】変形や破損が抑制された時計部品を提供する。【解決手段】文字板21は、凹んだ収容部33を有する板状に形成された基部30と、基部30とは異なる熱膨張率を有するガラス材料により形成され、収容部33に配置された装飾部40と、を備える。基部30のうち収容部33以外の部分には、基部30に生じる応力を緩和する第1溝部35および第2溝部36が収容部33に沿うように基部30の表裏面それぞれに表裏対称に形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、時計部品、文字板、文字板ユニット、ムーブメントおよび時計に関するものである。
従来、時計部品として、七宝ガラスを用いて装飾された文字板がある。このような文字板は、金属材料からなる基板の凹部に装飾用の七宝層を形成している。しかしながら、基板と七宝層とが異種材料により形成されているので、製造工程における焼成後の冷却時に、熱膨張率の違いにより基板および七宝層の収縮量に差が生じ、文字板に残留応力が発生する。これにより、文字板には、反りや寸法変化等の変形や、外力が加わった際の破損が生じることがあった。そこで、例えば特許文献1に記載の文字板は、金属からなる七宝基板の表面側に第1の凹部を、裏面側に第1の凹部と対応する第2の凹部をそれぞれ設け、第1の凹部内に装飾用の七宝層を、第2の凹部内に反り防止用の七宝層をそれぞれ形成することで、反りが発生しないようにしている。
特開2012−21796号公報
しかしながら、上記従来の方法では、残留応力のバランスをとることで反りを抑制しているので、文字板には依然として残留応力が発生しており、変形や破損が生じる場合があった。したがって、従来の時計部品にあっては、残留応力を低減させて変形や破損を抑制するという点で課題がある。
そこで本発明は、変形や破損が抑制された時計部品、文字板、文字板ユニット、ムーブメントおよび時計を提供するものである。
本発明の時計部品は、凹んだ収容部を有する基部と、前記基部とは異なる熱膨張率を有する材料により形成され、前記収容部に配置された装飾部と、を備え、前記基部のうち前記収容部以外の部分には、前記基部に生じる応力を緩和する溝部が形成され、前記溝部は、前記収容部の周囲の全周に形成されている、ことを特徴とする
本発明の時計部品は、凹んだ収容部を有する基部と、前記基部とは異なる熱膨張率を有する材料により形成され、前記収容部に配置された装飾部と、を備え、前記基部のうち前記収容部以外の部分には、前記基部に生じる応力を緩和する溝部が形成され、前記溝部は、前記基部を貫通し、前記基部には、前記収容部から見て、前記収容部の周囲におけるいずれの位置においても前記溝部が形成されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、基部に溝部が形成されていない構成と比較して、基部が溝部の両側部において薄肉となるので、溝部の両側部を弾性変形させることが可能となる。このため、基部において装飾部との熱膨張率の差により残留応力が生じた際に、溝部の両側部が弾性変形することで残留応力が緩和される。したがって、変形や破損が抑制された時計部品を提供できる。
上記の時計部品において、前記溝部は、前記収容部に沿うように形成されている、ことが望ましい。
本発明によれば、基部に生じる残留応力は、基部と装飾部との境界部近傍においてより大きくなるので、装飾部が配置された収容部に沿うように形成された溝部により、残留応力を効果的に緩和することができる。したがって、変形や破損がより確実に抑制された時計部品を提供できる。
上記の時計部品において、前記基部は、板状に形成され、前記溝部は、前記基部の表裏面にそれぞれ形成されている、ことが望ましい。
本発明によれば、基部の表裏面それぞれにおいて残留応力を緩和できるので、板状の基部に反りが生じることを抑制できる。したがって、残留応力による変形が抑制された時計部品を提供できる。
上記の時計部品において、前記溝部は、表裏対称に形成されている、ことが望ましい。
本発明によれば、表裏面それぞれにおいて残留応力を均等に緩和できるので、板状の基部に反りが生じることをより確実に抑制できる。したがって、残留応力による変形がより確実に抑制された時計部品を提供できる。
上記の時計部品において、前記溝部は、前記基部を貫通している、ことが望ましい。
本発明によれば、溝部の貫通方向におけるいずれの位置においても基部に生じる残留応力を緩和することできる。したがって、変形や破損がより確実に抑制された時計部品を提供できる。
上記の時計部品において、前記基部は、金属材料により形成され、前記装飾部は、ガラス材料により形成されている、ことが望ましい。
本発明によれば、時計部品の装飾性を向上させることができる。したがって、外観意匠性の優れた時計部品とすることができる。
本発明の文字板は、上記の時計部品を備えることを特徴とする。
本発明によれば、残留応力による変形や破損が抑制された高品質な文字板とすることができる。
本発明の文字板ユニットは、上記の文字板と、前記文字板が取り付けられた下板と、を備えることを特徴とする。
本発明のムーブメントは、上記の文字板ユニットを備えることを特徴とする。
本発明の時計は、上記のムーブメントを備えることを特徴とする。
本発明によれば、高品質な文字板ユニット、ムーブメントおよび時計を提供できる。
本発明によれば、基部に溝部が形成されていない構成と比較して、基部が溝部の両側部において薄肉となるので、溝部の両側部を弾性変形させることが可能となる。このため、基部において装飾部との熱膨張率の差により残留応力が生じた際に、溝部の両側部が弾性変形することで残留応力が緩和される。したがって、変形や破損が抑制された時計部品を提供できる。
第1実施形態に係る時計の平面図である。 図1のII−II線における断面図である。 第1実施形態に係る文字板を裏側から見た平面図である。 図3のIV−IV線における断面図である。 第1実施形態の第1変形例に係る文字板を裏側から見た平面図である。 図5のVI−VI線における断面図である。 第1実施形態の第2変形例に係る文字板を裏側から見た平面図である。 第2実施形態に係る文字板の中心軸に沿う縦断面図である。 第3実施形態に係る文字板を裏側から見た平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
最初に、第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る時計の平面図である。図2は、図1のII−II線における断面図である。なお、図1および図2では、後述する文字板21およびムーブメント10を簡略化して図示している。
図1および図2に示すように、時計1は、機械式時計であって、時計ケース2内に、ムーブメント10と、文字板ユニット20と、を備えている。
時計ケース2は、ケース本体3、ケース裏蓋4、裏風防5、ベゼル6および風防7により形成されている。文字板ユニット20と風防7との間には、時を示す時針8a、および分を示す分針8bが配置されている。また、時計1は、りゅうず9を備えている。りゅうず9は、時計ケース2の側方に設けられている。りゅうず9は、図示しない巻芯と一体化され、例えば時刻表示を修正する際に用いられる。なお、以下の説明では、ムーブメント10の基板を構成する地板71に対して時計ケース2の風防7側をムーブメント10の「裏側」と称し、ケース裏蓋4側をムーブメント10の「表側」と称する。
図2に示すように、ムーブメント10は、金属材料により形成された地板71と、地板71の表側に配置された輪列受72と、地板71と輪列受72との間に配置された図示しない輪列機構と、を有している。輪列機構は、動力源として回転する香箱車(不図示)、および香箱車の回転に基づいて回転する各種歯車体(筒車11や二番車12等)を含んでいる。ムーブメント10は、筒車11に取り付けられた時針8a、および二番車12に取り付けられた分針8bを回転させる。ムーブメント10は、地板71とケース本体3とを締結する2本のネジ73(1本は不図示)により、時計ケース2内に固定されている。
文字板ユニット20は、時に関する情報を示す目盛り等を有する文字板21(時計部品)と、文字板21が取り付けられた下板23と、を有している。文字板21は、文字板ユニット20における裏側に設けられ、時計1の外側から風防7を介して視認可能とされている。
図3は、第1実施形態に係る文字板を裏側から見た平面図である。図4は、図3のIV−IV線における断面図である。なお、図4では、わかりやすくするために文字板21の面方向における縮尺を適宜変更して図示している(以下の断面図についても同様)。
図3および図4に示すように、文字板21は、収容部33を有する基部30と、収容部33に配置された装飾部40と、を備えている。なお、各図には図示しないが、文字板21の裏面には、目盛りや文字が視認可能に設けられていてもよい。
基部30は、金属材料により円板状に形成されている。基部30を形成する金属材料は、高剛性であることが望ましく、例えば金や銀、銅、軟鋼、黄銅、燐青銅、洋白、ステンレス鋼等を用いることができる。基部30は、切削加工や鍛造加工により形成されている。基部30には、軸孔31と、収容部33と、第1溝部35(溝部)と、第2溝部36(溝部)と、が形成されている。
軸孔31は、基部30の中心をその厚さ方向に貫通している。軸孔31は、筒車11および二番車12(いずれも図2参照)を挿通可能に形成されている。
収容部33は、基部30の表裏面それぞれに表裏対称に形成されている。各収容部33は、基部30の表裏面それぞれにおける外周部および内周部(軸孔31の周縁部)を除く略全面に形成されている。各収容部33は、基部30の厚さ方向に凹んでいる。各収容部33は、基部30の中心軸に沿う縦断面視で矩形状に凹んでいる。各収容部33の深さは、基部30の厚さの半分未満となっている。これにより、基部30は、表裏面に形成された収容部33同士により貫通していない。
第1溝部35は、表裏面の収容部33それぞれの径方向外側(基部30の外周部)において、収容部33の外周に沿って表裏面それぞれに表裏対称に形成されている。裏面の第1溝部35は、ベゼル6により裏側から覆われ、時計1の外側から風防7を介して視認できない位置に形成されている(図2参照)。各第1溝部35は、縦断面視で矩形状に凹んでいる。各第1溝部35の両側壁は、それぞれ基部30の厚さ方向に平行になっている。各第1溝部35の深さは、基部30の厚さの半分未満であって、図示の例では収容部33の深さと同等になっている。これにより、基部30は、表裏面に形成された第1溝部35同士により貫通していない。
第2溝部36は、表裏面の収容部33それぞれの径方向内側(基部30の内周部)において、収容部33の内周に沿って表裏面それぞれに表裏対称に形成されている。各第2溝部36は、縦断面視で矩形状に凹んでいる。各第2溝部36の両側壁は、それぞれ基部30の厚さ方向に平行になっている。各第2溝部36の深さは、基部30の厚さの半分未満であって、図示の例では収容部33の深さと同等になっている。これにより、基部30は、表裏面に形成された第2溝部36同士により貫通していない。
装飾部40は、各収容部33内にそれぞれ埋設されている。装飾部40は、基部30とは異なる熱膨張率を有する、例えば着色材を含んだ着色ガラス(いわゆる七宝)により形成されている。各装飾部40は、それぞれ基部30の表裏面と面一になっている。
図2に示すように、下板23は、文字板21とムーブメント10との間に配置されている。下板23は、金属材料等により、平面視で文字板21と略同形の円板状に形成されている。下板23には、その中心を厚さ方向に貫通する軸孔23aが形成されている。軸孔23aは、文字板21の軸孔31と同軸であり、同径以上の径になっている。また、下板23の表側には、2本の柱状の脚部24(1本は不図示)が立設されている。脚部24は、地板71に設けられた孔部71aに挿通されている。脚部24は、地板71の側方から挿通されたネジ74により、地板71に対して固定されている。また、下板23は、その裏面に貼り付けられた両面テープを介して、文字板21の表面に固定されている。これにより、文字板21と地板71とが固定されている。
以下、文字板21の製造方法について説明する。なお、以下の説明における文字板21の各構成部品の符号については、図3および図4を参照されたい。
最初に、金や銀、銅、軟鋼、黄銅、燐青銅、洋白、ステンレス鋼等の金属材料により円板状に形成された金属部材に対して切削加工等を行い、軸孔31、収容部33および各溝部35,36を有する基部30の原形を形成する。なお、基部30の原形は、鍛造加工により形成されてもよい。
次に、ガラス粉末に必要に応じて所望の着色材等を加えたもの、または所望の着色ガラス粉末を溶剤等に溶いてペースト状にした釉薬を、収容部33に塗布する。なお、釉薬は、鉛を含有していてもよいし、鉛を含有していなくてもよい。
次に、釉薬が塗布された基部30を例えば800℃程度で焼成し、釉薬が含むガラスを溶解させる。その後、基部30を自然冷却させてガラスを凝固させる。これにより、装飾部40が収容部33に配置された状態となる。
次に、基部30の表裏面を装飾部40とともに研磨する。
以上により、表裏面が平坦な文字板21が形成される。
ここで、本実施形態では、基部30のうち収容部33以外の部分には、第1溝部35および第2溝部36が形成されている構成とした。
この構成によれば、基部に溝部が形成されていない構成と比較して、基部30が各溝部35,36の両側部において薄肉となるので、各溝部35,36の両側部を弾性変形させることが可能となる。このため、基部30において装飾部40との熱膨張率の違いにより、上述した冷却後に基部30に残留応力が生じた際に、各溝部35,36の両側部、本実施形態では特に各溝部35,36と収容部33との間の部分が弾性変形することで残留応力が緩和される。これにより、文字板21の反りや寸法変化等の変形や、外力が加わった際の破損を抑制できる。したがって、残留応力による変形や破損が抑制された高品質な文字板21を提供できる。
また、基部30に生じる残留応力は、基部30と装飾部40との境界部近傍においてより大きくなるので、装飾部40が配置された収容部33に沿うように形成された各溝部35,36により、残留応力を効果的に緩和することができる。したがって、残留応力による変形や破損をより確実に抑制できる。
また、各溝部35,36は、基部30の表裏面にそれぞれ形成されているので、基部30の表裏面それぞれにおいて残留応力を緩和できる。よって、板状の基部30に反りが生じることを抑制できる。したがって、文字板21の残留応力による変形を抑制できる。
また、各溝部35,36は、表裏対称に形成されているので、表裏面それぞれにおいて残留応力を均等に緩和できる。よって、板状の基部30に反りが生じることをより確実に抑制できる。したがって、文字板21の残留応力による変形をより確実に抑制できる。
また、基部30は、金属材料により形成され、装飾部40は、ガラス材料(着色ガラス)により形成されているので、文字板21の装飾性を向上させることができる。したがって、外観意匠性の優れた文字板21とすることができる。
そして、本実施形態の文字板ユニット20、ムーブメント10および時計1は、上述した構成を備えているので、高品質な文字板ユニット20、ムーブメント10および時計1を提供できる。
さらに、文字板21の寸法変化が抑制されるので、文字板21の寸法変化を吸収するためのOリング等の部材を、文字板21と時計ケース2との間に配置する必要がなくなる。これにより、時計1を構成する部材を削減でき、低コスト化することができる。
なお、本実施形態では、基部30には、第1溝部35および第2溝部36が形成されているが、各溝部35,36のうち一方の溝部のみが形成されていてもよい。
また、本実施形態では、第1溝部35および第2溝部36が表裏対称に形成されているが、これに限定されず、表裏非対称に形成されていてもよい(以下の変形例でも同様)。
また、本実施形態では、収容部33が基部30の表裏面それぞれにおける略全面に1つ形成されているが、これに限定されず、収容部が基部の表裏面それぞれにおいて複数形成されていてもよい。以下、第1実施形態の第1変形例および第2変形例について説明する。
図5は、第1実施形態の第1変形例に係る文字板を裏側から見た平面図である。図6は、図5のVI−VI線における断面図である。なお、図3および図4に示す第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する(以下の変形例および実施形態でも同様)。
図5および図6に示すように、第1実施形態の第1変形例に係る文字板121(時計部品)は、基部130と、装飾部140と、を有している。文字板121は、表裏対称に形成されている。したがって、以下の説明では、特に記載のない限り主に基部130の裏面の構成について説明する。
基部130の裏面には、装飾部140が配置される収容部133A,133Bが形成されている。収容部133Aは、3個設けられている。収容部133Aは、それぞれ平面視で円形状に形成され、基部130の周方向に沿って等間隔に設けられている。収容部133Bは、各収容部133Aに対して所定の間隔をあけて避けつつ、各収容部133Aの周囲を埋めるように円環状に形成されている。各収容部133A,133Bの深さは、それぞれ同等であって、基部130の厚さの半分未満となっている。
各装飾部140は、それぞれ異なる色の着色ガラスにより形成されていてもよいし、同色の着色ガラスにより形成されていてもよい。
基部130における収容部133Bの径方向外側には、第1溝部135(溝部)が形成されている。また、基部130における収容部133Bの径方向内側には、第2溝部136(溝部)が形成されている。さらに、基部130における各収容部133Aと収容部133Bとの間には、それぞれ第3溝部137が形成されている。各溝部135〜137の深さは、収容部133A,133Bの深さと同等になっている。
このように、収容部133A,133Bを複数設けることで、基部130の表裏面それぞれにおける各収容部133A,133B間の部分がリブとなり、基部130の剛性を向上させることができる。そして、収容部133A,133Bの周囲に溝部135〜137が形成されているので、リブに生じる残留応力を緩和することができる。したがって、残留応力による変形や破損が抑制された剛性の高い文字板121とすることができる。
図7は、第1実施形態の第2変形例に係る文字板を裏側から見た平面図である。
図7に示すように、第1実施形態の第2変形例に係る文字板221(時計部品)は、基部230と、装飾部240と、を有している。文字板221は、表裏対称に形成されている。したがって、以下の説明では、特に記載のない限り主に基部230の裏面の構成について説明する。
基部230の裏面には、装飾部240が配置される収容部233A,233Bが形成されている。収容部233Aは、6個設けられている。収容部233Aは、それぞれ平面視で正六角形状に形成され、基部230の周方向に沿って等間隔に設けられている。収容部233Bは、各収容部233Aに対して所定の間隔をあけて避けつつ、各収容部233Aの周囲を埋めるように、各収容部233Aの径方向外側および径方向内側にそれぞれ設けられている。各収容部233Bは、隣り合う収容部233Aの形状に沿うように、三角形状に形成されている。各収容部233A,233Bの深さは、それぞれ同等であって、基部230の厚さの半分未満となっている。
各装飾部240は、それぞれ異なる色の着色ガラスにより形成されていてもよいし、同色の着色ガラスにより形成されていてもよい。
基部230における収容部233Aの周囲には、収容部233Aに沿って溝部235が形成されている。溝部235の深さは、収容部233A,233Bの深さと同等になっている。
このように、収容部233A,233Bを複数設けることで、上述した第1実施形態の第1変形例と同様に、基部230の剛性を向上させることができる。特に本変形例では、リブがハニカム状に形成されるので、基部230の剛性をより向上させることができる。そして、収容部233Aの周囲に溝部235が形成されているので、リブの部分に生じる残留応力を緩和することができる。したがって、残留応力による変形や破損が抑制された剛性の高い文字板221とすることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の文字板321(時計部品)について説明する。
図8は、第2実施形態に係る文字板の中心軸に沿う縦断面図である。
図4に示す第1実施形態では、各溝部35,36が表裏対称に形成されている。これに対して、図8に示す第2実施形態では、第1溝部335(溝部)および第2溝部336(溝部)が表裏面のうちいずれか一方の面に形成されている点で、第1実施形態と異なっている。
図8に示すように、第1溝部335は、裏側の収容部33の径方向外側において、収容部33の外周に沿って形成されている。第1溝部335は、第1実施形態における第1溝部35(図4参照)と同様に、ベゼル6により裏側から覆われ、時計1の外側から風防7を介して視認できない位置に形成されている(図2参照)。第1溝部335は、縦断面視で深さ方向に先細るV字状に凹んでいる。第1溝部335の深さは、基部330の厚さの半分よりも深く、かつ基部330の厚さ方向で表側の収容部33の一部と重なるようになっている。
第2溝部336は、表側の収容部33の径方向内側において、収容部33の内周に沿って形成されている。第2溝部336は、縦断面視で深さ方向に先細るU字状に凹んでいる。第2溝部336の深さは、基部330の厚さの半分よりも深く、かつ基部330の厚さ方向で裏側の収容部33の一部と重なるようになっている。
このように、第2溝部336を基部330の表面に形成することで、文字板321の意匠面(裏面)に形成される溝部を少なくして、文字板321の外観意匠性を向上させることができる。
しかも、本実施形態のように、各溝部335,336が基部330の表裏面のうちいずれか一方の面に形成されている場合であっても、各溝部335,336が基部330の厚さ方向で他方の面側の収容部33の一部と重なることで、各溝部335,336と表裏面それぞれの各収容部33との間の部分を薄肉とすることができる。このため、基部330において装飾部40との熱膨張率の差により基部330に残留応力が生じた際に、各溝部335,336と各収容部33との間の部分が弾性変形することで残留応力が緩和される。したがって、残留応力による変形や破損が抑制された文字板321を提供できる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の文字板421(時計部品)について説明する。
図9は、第3実施形態に係る文字板を裏側から見た平面図である。
図3に示す第1実施形態では、各溝部35,36は、基部30を貫通していない。これに対して、図9に示す第3実施形態では、溝部435は基部430をその厚さ方向に貫通している点で、第1実施形態と異なっている。
図9に示すように、基部430における収容部33の径方向外側(基部430の外周部)には、4個の溝部435が形成されている。4個の溝部435は、周方向に並んで形成されている。各溝部435は、基部430の外周部における内周寄りの部分を周方向に沿って延びる内側部435aと、基部430の外周部における外周寄りの部分を周方向に沿って延びる外側部435bと、内側部435aの一端部と外側部435bの他端部とを接続する接続部435cと、を有する。内側部435aの一端部と外側部435bの他端部とは、周方向における同じ位置に形成されている。周方向で隣り合う一対の溝部435は、一方の溝部435の内側部435aと、他方の溝部435の外側部435bと、が基部430の径方向から見て重なるように形成されている。これにより、基部430には、その中心から見ていずれの周方向位置においても、溝部435が形成されている状態となっている。
このように、本実施形態では、溝部435が基部430を貫通しているので、溝部435の貫通方向(基部430の厚さ方向)におけるいずれの位置においても基部430に生じる残留応力を緩和することできる。したがって、残留応力による変形や破損がより確実に抑制された文字板421を提供できる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記各実施形態においては、機械式時計を例にして説明したが、これに限定されず、例えば、クオーツ時計(いわゆるアナログ式クオーツ時計およびデジタル式クオーツ時計等を含む)に本発明を採用してもよい。
また、上記各実施形態においては、基部30,130,230,330,430を円板状としているが、これに限定されず、任意の形状であってもよい。
また、上記各実施形態においては、軸孔31の位置を基部30,130,230,330,430の中心としているが、これに限定されず、任意の位置であってもよい。
また、上記各実施形態における各溝部の断面視形状は、任意の形状であってもよく、例えば第2実施形態における溝部335,336の形状(U字状およびV字状)を、基部の厚さの半分未満とした上で他の実施形態へ適用してもよい。
また、上記各実施形態においては、各装飾部を着色ガラスとしているが、これに限定されず、無色のガラスであってもよい。
また、上記各実施形態においては、各収容部が文字板の基部の表裏面それぞれに表裏対称に形成され、これにより装飾部が表裏対称に配置されているが、これに限定されず、装飾部は、表裏非対称(例えば文字板の裏面(意匠面)のみ)に配置されていてもよい。
また、上記各実施形態においては、溝部が基部の表裏面において収容部に沿って形成されているが、これに限定されるものではない。溝部は、基部のうち収容部以外の部分に形成されていればよく、例えば基部の側面(外周面)に形成されていてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1…時計 10…ムーブメント 20…文字板ユニット 21,121,221,321,421…文字板(時計部品) 30,130,230,330,430…基部 33,133A,133B,233A,233B…収容部 35,135,335…第1溝部(溝部) 36,136,336…第2溝部(溝部) 40,140,240…装飾部 137…第3溝部(溝部) 235,435…溝部

Claims (11)

  1. 凹んだ収容部を有する基部と、
    前記基部とは異なる熱膨張率を有する材料により形成され、前記収容部に配置された装飾部と、
    を備え、
    前記基部のうち前記収容部以外の部分には、前記基部に生じる応力を緩和する溝部が形成され、
    前記溝部は、前記収容部の周囲の全周に形成されている、
    ことを特徴とする時計部品。
  2. 凹んだ収容部を有する基部と、
    前記基部とは異なる熱膨張率を有する材料により形成され、前記収容部に配置された装飾部と、
    を備え、
    前記基部のうち前記収容部以外の部分には、前記基部に生じる応力を緩和する溝部が形成され、
    前記溝部は、前記基部を貫通し、
    前記基部には、前記収容部から見て、前記収容部の周囲におけるいずれの位置においても前記溝部が形成されている、
    ことを特徴とする時計部品。
  3. 前記溝部は、前記収容部に沿うように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の時計部品。
  4. 前記基部は、板状に形成され、
    前記溝部は、前記基部の表裏面にそれぞれ形成されている、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の時計部品。
  5. 前記溝部は、表裏対称に形成されている、
    ことを特徴とする請求項に記載の時計部品。
  6. 前記溝部は、前記基部を貫通している、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の時計部品。
  7. 前記基部は、金属材料により形成され、
    前記装飾部は、ガラス材料により形成されている、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の時計部品。
  8. 請求項1からのいずれか1項に記載の時計部品を備えることを特徴とする文字板。
  9. 請求項に記載の文字板と、
    前記文字板が取り付けられた下板と、
    を備えることを特徴とする文字板ユニット。
  10. 請求項に記載の文字板ユニットを備えることを特徴とするムーブメント。
  11. 請求項10に記載のムーブメントを備えることを特徴とする時計。
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