JP2003248064A - 多軸時計用の文字板および時計 - Google Patents

多軸時計用の文字板および時計

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JP2003248064A
JP2003248064A JP2002048469A JP2002048469A JP2003248064A JP 2003248064 A JP2003248064 A JP 2003248064A JP 2002048469 A JP2002048469 A JP 2002048469A JP 2002048469 A JP2002048469 A JP 2002048469A JP 2003248064 A JP2003248064 A JP 2003248064A
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Hiroshi Kaneko
弘 金子
Hidefumi Arai
秀文 新井
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性を良好に維持でき、かつ、装飾性も
優れた多軸時計用の文字板およびこの文字板を備えた時
計を提供すること。 【解決手段】 主表示部10と副表示部11,12とを
備える多軸時計用の文字板2であって、少なくとも副表
示部11,12には、傾斜面部22,24,27や曲面
部23,26を挽き目加工により形成した。そのため、
加工性を良好に維持しながら、装飾性にも優れた多軸時
計用の文字板2およびこの文字板2を備えた時計を製造
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の表示部を有
する多軸時計用の文字板およびこの文字板を備えた時計
に関する。
【0002】
【背景技術】時計として、文字板全体を使って時刻など
を表示する主表示部と、タイマーやクロノグラフ、カレ
ンダー等の副表示部とが一つの文字板上に設けられた多
軸時計がある。このような多軸時計では、副表示部の視
認性を高めるために、副表示部の表面高さを主表示部の
文字板表面より低くしたり、副表示部の表面に主表示部
の文字板表面とは異なる模様を施すことが多い。
【0003】その具体的手法の一つとしては、文字板の
副表示部位置に孔を開け、この孔を覆うように文字板の
裏側から副表示部を構成する板材を取り付ける手法があ
る。この手法によると、文字板の板厚分だけ副表示部の
表面を主表示部よりも低くできるうえ、副表示部として
取り付ける板材の表面模様を主表示部とは異なるものと
すれば、副表示部を引き立たすことができ、視認性を良
好にできる。
【0004】上述とは相違する手法としては、切削加工
の一種である挽き目加工により副表示部に挽き目模様を
形成する手法がある。ここで挽き目加工とは、文字板を
旋盤の回転テーブルに取り付けて回転させ、文字板の表
面に超硬バイト等の刃を当接させ、刃を回転テーブルの
径方向に移動させながら所定深さの面切削を行う加工方
法であり、切削された面には刃の送りによる挽き目模様
が形成される。従って、この手法を副表示部に用いれ
ば、副表示部を切削することで、副表示部の表面を主表
示部よりも低くでき、また、副表示部の表面に形成され
た挽き目模様により、主表示部とは異なった装飾を実現
でき、副表示部の視認性が向上する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
具体的手法のうち、文字板の副表示部位置に孔を開け、
この孔を文字板の裏側から板材で塞ぐ方法では、文字板
と副表示部を形成する板材とを別々に加工する必要があ
り、また、文字板の孔開け工程、板材の取り付け工程
等、作業工程が多くなり、作業手間と製造コストが増大
するという加工性の問題がある。また、主表示部と副表
示部とが別々の部材(板材)で形成されるので、副表示
部の周縁部分(主表示部の孔の内縁部分)では、互いの
一体感が損なわれるという問題もある。
【0006】一方、挽き目加工により副表示部に挽き目
模様を形成する手法の場合には、加工性や一体感といっ
た点ではさほど問題にならないが、挽き目模様だけでは
副表示部の装飾的表現が単調にならざるを得ないという
問題がある。
【0007】本発明の目的は、加工性を良好に維持で
き、かつ、装飾性も優れた多軸時計用の文字板およびこ
の文字板を備えた時計を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の多軸時計用の文
字板は、主表示部と副表示部とを備え、少なくとも前記
副表示部には、傾斜面部および/または曲面部が設けら
れ、これら傾斜面部および/または曲面部には挽き目加
工が施されていることを特徴とする。このような本発明
では、文字板の副表示部の表面が切削加工の一種である
挽き目加工により形成されるので、別体加工された板材
などを文字板に取り付けるという製造方法によらずに副
表示部を形成でき、多軸時計用の文字板を製造する際の
加工性を良好にできる。さらに、副表示部は傾斜面や曲
面を備えた立体的な表面形状に加工されているととも
に、傾斜面や曲面にも挽き目模様が形成されるので、装
飾性に優れている。
【0009】以上のような多軸時計用の文字板におい
て、挽き目加工が施された前記傾斜面部および/または
前記曲面部は、前記副表示部の最外周側に設けられてい
ることが望ましい。従来では、副表示部と主表示部との
境界、すなわち副表示部の最外周側には、傾斜面を有し
た段差が生じるが、この段差部分の傾斜面は切削刃の背
面で擦られて鏡面状態になるため、挽き目模様が形成さ
れた面より光の反射率が高く、使用者に違和感を与えた
り、視認性が損なわれていた。これに対し本発明では、
副表示部と主表示部との境界の段差部分を挽き目模様が
形成された傾斜面や曲面とすることができるので、一体
感があり、使用者に違和感を与えることのない視認性に
も優れた多軸時計用の文字板を提供できる。
【0010】また、前述の多軸時計用の文字板におい
て、挽き目加工が施された前記傾斜面部および/または
前記曲面部は、前記副表示部の略全体に渡って設けられ
ていることが望ましい。このようにすれば、副表示部の
略全体に渡って緩やかな傾斜面や曲面を形成すること
で、薄板から形成される文字板であっても立体的に見せ
ることができるので、より優れた装飾性が得られる。
【0011】さらに、前述の多軸時計用の文字板におい
て、挽き目加工が施された前記傾斜面部および/または
前記曲面部は、前記副表示部の中間部分に設けられてい
ることが好ましい。このようにすれば、副表示部の中間
部分に傾斜面や曲面を形成することで、立体形状による
独特のデザインを施すことができるので、より変化に富
んだ装飾的表現が加えられる。
【0012】一方、本発明の時計は、前述の特徴のうち
いずれかの特徴を有する多軸時計用の文字板を備えたこ
とを特徴とする時計。このような本発明によれば、前述
の効果と同様の効果を有する多軸時計用の文字板を備え
た時計を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて説明する。 〔第1実施形態〕図1ないし図3は、本発明の第1実施
形態を示すもので、図1、図2により第1実施形態に係
る時計の説明を、図3により時計の文字板の加工方法を
説明する。図1には、本発明の第1実施形態に係る時計
1が示されている。時計1は、そのケース1Aの内部に
文字板2を備えており、この文字板2は、その表面の大
部分である主表示部10と、2個の副表示部11,12
とを備えている。
【0014】主表示部10の中央には、時刻表示用の指
針である時針3、分針4および秒針5の図示しない駆動
軸(筒車、筒かな、秒車)を挿通するため挿通孔7が設
けられ、主表示部10の周縁には、指針3,4,5で時
刻、分または秒を示すために複数の表示目盛8が印刷さ
れている。挿通孔7の上下位置に配置された2個の副表
示部11,12の中央には、小針13,14の図示しな
い駆動軸を挿通するための挿通孔15,16が設けら
れ、副表示部11,12の周縁に沿って、複数の表示目
盛が印刷されている。すなわち、時計1は、指針3,
4,5とは別の駆動輪列で駆動される小針13,14を
備えた多軸時計、換言すると、クロノグラフ、タイマ
ー、および万年カレンダー等の機能を備えた多機能時計
(多針時計)である。
【0015】図2には、第1実施形態の時計1の構成部
品である文字板2が示されている。図2(a)は、文字板
2の平面図、図2(b)および図2(c)は、図2(a)の矢
視b−b線断面図および矢視c−c線断面図である。図
2(a)、(b)において、文字板2の主表示部10の表面
には、切削加工の一種である挽き目加工が施され、挿通
孔7の中心を切削開始点とする同心円状の切削面21〜
25が形成されている。この挽き目加工では、回転させ
た文字板2の原板の表面にバイト(切削刃)を当てて、
バイトを文字板の径方向に移動させながら切削を行う加
工方法である。これにより、各々の切削面21〜25に
は、バイトの先端により挽かれた溝が略同心円状に密に
並んでおり、これらの溝で挽き目模様が形成されてい
る。なお、溝のピッチは、径方向に等間隔であってもよ
いし、外周に向かって増加、あるいは、減少してもよ
い。また、溝の凹凸(面粗度)は、視認性を考慮して、
概ね0.8μm〜50μm程度が好ましい。
【0016】切削面21は、挿通孔7の周辺から半径L
1までの範囲に設けられ、文字板2(の原板)に対する
板厚方向Zの切削深さが外周側に向かう間に変化しない
一定の切削深さで切削されており、すなわち、切削面2
1は平坦面になっている。切削面22は、半径L1から
半径L2までの範囲に設けられ、外周側に向かうに従っ
て切削深さが一定の割合で増加するように切削されるこ
とで、板厚方向Zに対して徐々に深くなる傾斜面(傾斜
面部)になっている。切削面23は、半径L2から半径
L3までの範囲に設けられ、外周側に向かうに従って切
削深さが円関数で算出される割合で増加するように切削
されることで、断面凸状の曲面(曲面部)になってい
る。切削面24は、半径L3から半径L4までの範囲に
設けられ、外周側に向かうに従って切削深さが一定の割
合で減少するように切削されることで、板厚方向Zに対
して徐々に浅くなる傾斜面(傾斜面部)になっている。
切削面25は、半径L4から文字板2の外周までの範囲
に設けられ、前述の切削面21と同様に一定の切削深さ
で切削され、平坦面になっている。
【0017】図2(a)、(c)において、副表示部11,
12の表面には、前述の主表示部10と同様に挽き目加
工が施され、挿通孔15,16の中心を切削開始点とす
る同心円状の切削面26,27が形成されている。これ
らの切削面26,27には、前述と同様に挽き目模様が
形成されている。切削面26は、挿通孔15,16の周
辺から半径M1までの範囲に設けられ、外周側に向かう
に従って切削深さが円関数で算出される割合で増加する
ように切削されることで、断面凸状の曲面(曲面部)に
なっている。切削面27は、半径M1から半径M2まで
の範囲に設けられ、外周側に向かうに従って切削深さが
一定の割合で減少するように切削されることで、板厚方
向Zに対して徐々に浅くなる傾斜面(傾斜面部)になっ
ている。
【0018】図3には、文字板2となる原板を挽き目加
工するための切削加工機30が示されている。この切削
加工機30は、被加工物である原板を回転させながら切
削を行う一種の旋盤である。切削加工機30には、原板
が取り付けられて回転する回転テーブル31と、先端に
ダイヤモンド製の切削刃であるダイヤバイト(ダイヤモ
ンドチップを用いたバイト)32Aが設けられた切削具
32と、切削具32を支持する支持装置33と、この支
持装置33をY方向(図中前後方向)に移動させる駆動
装置34とが設けられている。
【0019】回転テーブル31は、図示しないモータに
より回転駆動されるものであり、その回転軸の方向がZ
軸方向(図中上下方向)とされるとともに、回転軸と直
交する平面に原板が固定されるようになっている。な
お、回転テーブル31の原板が固定される平面には、原
板の位置を決めるための突起31Aと、文字板2の裏面
に取り付けられ時計機能を有するムーブメントへの固定
を行う棒状の支足(図示せず)が挿通される孔31Bと
が設けられている。
【0020】支持装置33には、切削具32のX、Y、
Z軸方向の各位置を調節する三次元式の位置調節機能
と、切削具32を昇降させる昇降機能とが設けられてい
る。この支持装置33の位置調節機能により、原板に対
するダイヤバイト32Aの切削開始位置をX、Y、Z軸
方向の各方向について任意に設定できるようになってい
る。また、支持装置33の昇降機能により、切削具32
を上昇させた状態で、回転テーブル31の回転駆動を開
始し、回転テーブル31が所定の回転速度に達してか
ら、切削具32を下降して切削を開始し、切削途中に任
意に設定した昇降移動を行うことが可能となっている。
【0021】駆動装置34は、切削具32が下降して切
削開始位置に達すると同時に、Y軸方向に沿って支持装
置33を後退させるものである。また、駆動装置34の
後退速度は、停止中に任意の速度に設定可能であるが、
駆動を開始すると、支持装置33を一定の速度で後退さ
せるようになっている。なお、切削が完了すると、自動
または手動により、切削具32が上昇され、この状態
で、支持装置33が元の位置に戻されるようになってい
る。また、切削加工機30は、支持装置33および駆動
装置34の昇降および後退駆動の動作を関連させて制御
することができる制御回路(図示せず)を備え、前述の
ように文字板2の径方向に対して板厚方向Zの切削深さ
を任意に設定することが可能となっている。
【0022】次に、文字板2の製造手順について説明す
る。まず、大判の平らな金属板(例えば、厚さが0.4
mmの黄銅板)を打ち抜いて形成した文字板2の原板に、
位置決め孔と、文字板2を切り離すためのスリットと、
挿通孔7,15,16を孔設する。次に、切削加工機3
0で切削を行うにあたり、回転テーブル31の回転軸と
挿通孔7とが同軸となるように原板を固定した後、回転
テーブル31を回転させ、切削具32を下降させダイヤ
バイト32Aを原板の表面に当接し、駆動装置34によ
って支持装置33を後退させながら切削具32の昇降制
御することで、主表示部10の切削面21〜25に対し
て連続的に挽き目加工を行う。さらに、回転テーブル3
1の回転軸と挿通孔15,16とが同軸となるよう順
次、原板の位置を変えて固定した後、前述と同様の方法
で副表示部11,12の切削面26,27に対して連続
的に挽き目加工を行う。この後、挽き目加工により立体
切削面が形成された原板の表面全体に、装飾メッキ膜を
設けたり、ホーニング加工により艶消しにしたり、塗装
による艶消し等の仕上げを行う。最後に、スリットで文
字板2を切り離し、表示目盛8を周縁部分に印刷して文
字板2を完成させる。
【0023】以上のようにして完成した文字板2をムー
ブメント(図示せず)に固定し、指針3,4,5,1
3,14を等を取り付けたものをケース1Aに収めて、
裏蓋(図示せず)を取り付けることで多軸時計(多機能
時計、多針時計)である時計1が完成される。また、こ
の時計1にバンド(図示せず)を取り付ければ、腕に装
着することができる腕時計とすることができる。
【0024】このような本第1実施形態によれば、次の
ような効果が得られる。 (1) 文字板2の副表示部11,12の表面には、主表
示部10とは異なる挽き目加工が施されているので、別
体加工された板材などを裏側から取り付けるという製造
方法によらずに副表示部11,12を形成することがで
き、多軸時計用の文字板2を製造する際の加工性を良好
にできる。
【0025】(2) 文字板2の主表示部10や副表示部
11,12の表面には、従来にはなかった傾斜面や曲面
が設けられ、表面形状が立体的に形成されているので、
装飾性に優れているとともに、これらの傾斜面や曲面に
も挽き目模様が形成されていることで、視認性にも優れ
た多軸時計用の文字板2を製造できる。
【0026】(3) 文字板2の主表示部10と副表示部
11,12との両方の表面には、それぞれ異なる切削開
始点から切削された挽き目模様が形成されているので、
装飾性に優れるとともに、各表示部の表示機能の違いを
瞬時に見分けることができる。例えば、クロノグラフと
現在時刻の表示とを見分けやすくなる。
【0027】(4) 文字板2の副表示部11,12の外
周部において、主表示部10との境界となる切削面27
は、切削刃の背面の形状に限定されない傾斜角の傾斜面
になっているうえ、この切削面27には挽き目模様が形
成されているので、さらに装飾性や視認性を高めること
ができる。また、切削面27の傾斜面に表示目盛を設け
ることで、視野角が大きくなり、副表示部11,12を
見やすくできる。
【0028】(5) 文字板2の副表示部11,12に
は、その略全体に渡って断面凸状の曲面である切削面2
7が形成されているため、薄板から製造されるにもかか
わらず副表示部11,12を立体的に引き立たせて見せ
ることができ、さらに装飾性や視認性を高めることがで
きる。
【0029】(6) 文字板2の主表示部10と副表示部
11,12とには、共に傾斜面および曲面が形成されて
いるが、主表示部10と副表示部11,12とでは、傾
斜面の傾斜角度が異なり、また、曲面の曲率も異なるた
め、この点においても、装飾性や意匠性を向上させるこ
とができる。
【0030】(7) 文字板2の挽き目加工を行う切削加
工機30は、切削途中において予め任意に設定した切削
具32の昇降移動を行うことができる支持装置33と、
この支持装置33の昇降移動を制御する制御回路とを備
えているので、文字板2の表面を立体的な挽き目加工を
施すことができるとともに、この挽き目加工が自動、か
つ、連続的に行えるので、文字板2の製造効率を高める
ことができる。
【0031】(8) 挽き目加工により立体的に切削され
た文字板2の表面を、ホーニング加工や艶消し塗装によ
り艶消し仕上げとすることで、表面の光沢を抑え、適正
な光反射率とすることによって、視認性を高めることが
できる。
【0032】〔第2実施形態〕図4には、本発明の第2
実施形態に係る時計の文字板60が示されている。本第
2実施形態は、前記第1実施形態における時計1につい
て文字板部分の主表示部10および副表示部11,12
の断面形状のみが相違するもので、それ以外の部分は前
記第1実施形態と同様である。図4(a)は、文字板60
の平面図、図4(b)および図4(c)は、図4(a)の矢視
b−b線断面図および矢視c−c線断面図である。図4
(a)、(b)において、文字板60の表面の主表示部10
には挽き目加工が施され、挿通孔7の中心を切削開始点
とする同心円状の切削面61〜63が形成されている。
【0033】切削面61は、挿通孔7の周辺から半径L
11までの範囲に設けられ、板厚方向Zの切削深さが外
周側に向かう間に変化しない一定の切削深さで切削され
ており、すなわち、切削面61は平坦面になっている。
半径L11の位置で深く切削された後、切削面62は、
半径L11から半径L12までの範囲で、外周側に向か
うに従って切削深さが円関数で算出される割合で増加
し、途中から減少するように切削されることで、断面凸
状の曲面(曲面部)になっている。切削面63は、半径
L12から文字板60の外周までの範囲で、前述の切削
面61と同様に一定の切削深さで切削され、平坦面にな
っている。
【0034】図4(a)、(c)において、副表示部11,
12には、前述の主表示部10と同様に挽き目加工が施
され、挿通孔15,16の中心を切削開始点とする同心
円状の切削面64,65が形成されている。切削面64
は、挿通孔15,16の周辺から半径M11までの範囲
に設けられ、外周側に向かうに従って切削深さが一定の
割合で増加するように切削されることで、板厚方向Zに
対して徐々に深くなる傾斜面(傾斜面部)になってい
る。切削面65は、半径M11から半径M12までの範
囲に設けられ、外周側に向かうに従って切削深さが円関
数で算出される割合で増加するように切削されること
で、断面凸状の曲面(曲面部)になっている。
【0035】このような本第2実施形態においても、前
述の第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0036】なお、本発明を実施するための最良の構
成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発
明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発
明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示され、か
つ、説明されているが、以上述べた実施の形態に対し、
本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱すること
なく、形状、材質、数量、その他の詳細な構成におい
て、当業者が様々な変形を加えることができる。
【0037】例えば、前記各実施形態では、主表示部1
0は、その切削面21〜25,61〜63には、傾斜面
や曲面を含んで形成されることとしたが、主表示部10
の切削面を平坦に切削し、副表示部11,12の切削面
のみに立体的な切削加工を施すこともできる。
【0038】さらに、前記各実施形態では、切削面2
3,26,62,65の形状を円関数から算出される断
面凸状の曲面としたが、円関数に限らず、だ円や双曲
線、2次関数等から算出されるものでもよいし、また、
断面凸状に限らず、断面凹状でもよい。
【0039】また、副表示部11,12の切削面に平坦
面を含んでもよく、中間の一部だけに傾斜面や曲面が形
成されてもよいし、副表示部11,12の外周部分だけ
に傾斜面や曲面が形成されてもよい。さらに、外周部分
が鉛直に形成され、他の副表示部11,12の略全体に
渡って傾斜面や曲面が形成されてもよい。
【0040】例えば、図5(a),(b)にその断面図を示
す、前記実施形態の変形例に係る文字板71,81のよ
うにすることができる。図5(a)において、文字板71
は、表示部72を備え、この表示部72には、指針73
の駆動軸74を挿通するための挿通孔75が設けられ、
表示部72の周縁には、表示目盛76が設けられてい
る。この表示目盛76は、金属小片からなる部材であっ
て、表示部72の外周部分に断面凸状の曲面に形成され
た切削面77上の指針73に近い側に取り付けられてい
る。切削面77以外の表示部72の表面は、平坦に切削
されている。図5(b)においても同様に、文字板81
は、表示部82を備え、この表示部82には挿通孔85
が設けられ、指針83の駆動軸84が挿通されており、
表示目盛86が表示部82の外周部分に断面台形状に形
成された切削面87上に設けられている。なお、上記の
変形例において、表示部72,82は、文字板71,8
1全体で時刻等を表示する主表示部であってもよいし、
多軸時計の各種機能を表示する副表示部であっても構わ
ない。このような変形例によると、指針73,83の先
端と表示目盛76,86との距離を近づけられるので、
文字板71,81に対して斜め方向から見た際にも正確
に表示を読み取れ、視認性が向上するという効果を得る
ことができる。
【0041】なお、切削加工機は、前記第1実施形態に
示した機能と同様の機能を有するものであれば、その構
造は前記第1実施形態に示したものに限定されない。す
なわち、前記第1実施形態では、切削具32が昇降移動
を行い、この切削具32の支持装置33が後退すること
で切削を行う機構であったが、回転テーブルが昇降、水
平移動を行う機構であってもよい。また、切削加工機
は、連続的に大量の文字板の加工を行うための機構、例
えば、搬送機構や原板取替機構等を備えるものでもよ
い。
【0042】切削加工による文字板の原板の材質として
は、黄銅に限らず、銅、ブロンズ、プラチナ、金合金、
金、銀等の貴金属、洋白やアルミニウム等の金属、合成
樹脂、ガラス、黒蝶貝や白蝶貝等の貝殻、および、貴
石、ならびに、これらを薄板状にしたものを張り合わせ
た複合材でもよい。また、本発明の時計は腕時計以外に
も、チェーン等を取り付けて懐中時計とすることも可能
である。
【0043】
【発明の効果】前述のように本発明によれば、良好な加
工性を維持しながら立体的な表面加工が施され、装飾性
や視認性に優れた多軸時計用の文字板およびこの文字板
を備えた時計を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る時計を示す平面
図である。
【図2】 (a),(b),(c)は、第1実施形態に係る文
字板を示す平面図および断面図である。
【図3】 第1実施形態に係る文字板を製造するための
切削加工機を示す斜視図である。
【図4】 (a),(b),(c)は、本発明の第2実施形態
に係る時計の文字板を示す平面図および断面図である。
【図5】 (a),(b)は、前記実施形態の変形例に係る
文字板を示す断面図である。
【符号の説明】
1…時計、2,60…文字板、10…主表示部、11,
12…副表示部、22,24,27,64…切削面(傾
斜面部)、23,26,62,65…切削面(曲面
部)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主表示部と副表示部とを備え、少なくと
    も前記副表示部には、傾斜面部および/または曲面部が
    設けられ、これら傾斜面部および/または曲面部には挽
    き目加工が施されていることを特徴とする多軸時計用の
    文字板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の多軸時計用の文字板に
    おいて、挽き目加工が施された前記傾斜面部および/ま
    たは前記曲面部は、前記副表示部の最外周側に設けられ
    ていることを特徴とする多軸時計用の文字板。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の多軸時
    計用の文字板において、挽き目加工が施された前記傾斜
    面部および/または前記曲面部は、前記副表示部の略全
    体に渡って設けられていることを特徴とする多軸時計用
    の文字板。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の多軸時
    計用の文字板において、挽き目加工が施された前記傾斜
    面部および/または前記曲面部は、前記副表示部の中間
    部分に設けられていることを特徴とする多軸時計用の文
    字板。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の多軸時計用の文字板を備えたことを特徴とする時
    計。
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