JP2004212346A - 文字板の製造方法、文字板および時計 - Google Patents
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Abstract
【課題】切削加工を用いて支足を一体的に形成することができ、外観的な品質の良好な文字板を製造することができる文字板の製造方法、文字板及び文字板を備えた時計を提供すること。
【解決手段】母材10を切削加工して文字板300を製造するための文字板300の製造方法であって、母材10を第1テーブル103に設定して機械加工により母材10の対象部位13を切削することで支足200を形成する支足形成ステップS1と、支足200を有する対象部位13を母材10から切削加工により切り離す切り離しステップS2と、切り離されて第2テーブル104に設定されている対象部位13の形状加工を行う形状加工ステップS3とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】母材10を切削加工して文字板300を製造するための文字板300の製造方法であって、母材10を第1テーブル103に設定して機械加工により母材10の対象部位13を切削することで支足200を形成する支足形成ステップS1と、支足200を有する対象部位13を母材10から切削加工により切り離す切り離しステップS2と、切り離されて第2テーブル104に設定されている対象部位13の形状加工を行う形状加工ステップS3とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時計用外装部品の一種である文字板の製造方法、文字板及び文字板を備えた時計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
時計用外装部品、特に腕時計用外装部品の一種である文字板の製造は、少量小ロット化の傾向にある。このため文字板を製造する際に用いる金型や治工具は、文字板の種類に応じて多数種類揃えなければならない。
文字板を製造する際には、定尺材もしくは一定幅のフープ材は、案内用小孔、中心小孔、曜日表示窓、時字足孔等を型で抜き、更に基板部の外形形状を抜き落とすことにより文字板が作られる。このような文字板の作業は、上述した手順とは逆の場合もある。
そして、この文字板を時計機械体に対して固定するために支足を用いるが、この支足は、圧接、圧融接或いはろう付け或いは接着等により取り付けるようになっている。このような時計用文字板の足は、銀ろうが封入されたものがある(例えば特許文献1。)。
また、足が文字板の上板側に設けられたものがある(例えば特許文献2。)。
【0003】
【特許文献1】
実開昭62−132493号公報(第1頁、第1図)
【特許文献2】
実開昭62−180788号公報(第1頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したような従来の文字板の製造方法では次のような問題がある。
上述したように各種の文字板を製造するために、多数の種類の金型や治工具が必要となり、これらの金型を用いて成形加工する必要がある。従って、文字板の少量小ロット生産は、スピーディーかつローコストで行うことができない。
また、例えば加工性のよいアルミニウム等を用い文字板と支足を塑性加工により一体成形で作ることも考えられる。しかし、この場合には放射状の筋目のみでメッキ仕上げするような仕様では、色調が合わずに外観品質を確保することが困難になる。
そこで本発明は上記課題を解消し、切削加工を用いて支足を一体的に形成することができ、外観的な品質の良好な文字板を製造することができる文字板の製造方法、文字板及び文字板を備えた時計を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の文字板の製造方法は、母材を切削加工して文字板を製造するための文字板の製造方法であって、前記母材を第1テーブルに設定して機械加工により前記母材の対象部位を切削することで支足を形成する支足形成ステップと、前記支足を有する前記対象部位を前記母材から切削加工により切り離す切り離しステップと、前記切り離されて第2テーブルに設定されている前記対象部位の形状加工を行う形状加工ステップと、を有することを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、支足形成ステップでは、母材は第1テーブルに設定して機械加工により母材の対象部位を切削することで支足を形成させる。切り離しステップでは、支足を有する対象部位は母材から切削加工により切り離す。そして形状加工ステップでは、切り離されて第2テーブルに設定されている対象部位の形状加工が行われる。
これによって、切削加工を用いて支足を一体的に有する文字板は確実に製造することができる。母材を切削加工することにより文字板が形成されるので、最終的にできあがる支足一体型の文字板の外観品質は母材と同等なものであり、支足一体型の文字板は外観品質が高品質である。
【0007】
上記構成において、前記支足形成ステップでは、前記形状加工ステップにおいて前記対象部位を前記第2テーブルに対して位置決めするためのパイロット穴を切削加工により形成するのが望ましい。
このような構成によれば、支足形成ステップでは、形状加工ステップにおいて対象部位を第2テーブルに対して位置決めするパイロット穴を切削加工により形成する。このために、対象部位は、このパイロット穴を用いて第2テーブルに対して確実に位置決めすることができる。
【0008】
上記構成において、前記母材は棒状の部材であるのが望ましい。
このような構成によれば、母材は棒状の部材であるので、この母材からは、その軸方向に沿って複数もしくは多数の支足一体型の文字板が製造でき、迅速かつローコストで支足一体型の文字板を製造できる。
【0009】
上記構成において、前記切り離しステップでは、前記母材に対して前記母材の半径方向に突っ切ることで、前記対象部を前記母材から切り離すことが望ましい。
このような構成によれば、切り離しステップでは、母材に対して母材の半径方向に突っ切ることで、対象部位は母材から切り離すことができる。対象部位を母材から切り離すことで、支足一体型の文字板は迅速に作ることができる。
【0010】
上記構成において、前記形状加工ステップでは、前記対象部位の表面加工を行う外形切削工程と、前記対象部位へ穴を明ける穴明け工程、前記対象部位を定形形状にするための定形形状切削工程、および文字板を切り落とす切り落とし工程を含むことが望ましい。
このような構成によれば、形状加工ステップの外形切削工程では、対象部位の表面加工を行う。穴明け工程では、対象部位へ穴を明ける。定形形状切削工程では、対象部位を定形形状にする。切り落とし工程では、文字板を他の部分から切り落とす。
これによって、対象部位から支足一体型の文字板を作ることができる。
【0011】
本発明の文字板は、母材を切削加工して得られる文字板であって、前記母材を機械加工により前記母材の対象部位を切削することで支足が形成され、前記支足を有する前記対象部位が前記母材から切削加工により切り離されて、前記切り離された前記対象部位の形状加工を行うことで形成されている。
このような構成によれば、母材は第1テーブルに設定して機械加工により母材の対象部位を切削することで支足を形成させる。支足を有する対象部位は母材から切削加工により切り離す。切り離されて第2テーブルに設定されている対象部位は形状加工が施される。
これによって、切削加工を用いて支足を一体的に有する文字板は確実に製造することができる。母材を切削加工することにより文字板は形成できるので、最終的にできあがる支足一体型の文字板の外観品質は、母材と同等なものであり支足一体型の文字板は外観品質が高品質である。
【0012】
本発明の文字板を備えた時計は、母材を切削加工して得られる文字板を備える時計であって、前記文字板は、前記母材を機械加工により前記母材の対象部位を切削することで支足が形成され、前記支足を有する前記対象部位が前記母材から切削加工により切り離されて、前記切り離された前記対象部位の形状加工を行うことで形成されている。
このような構成によれば、母材は第1テーブルに設定して機械加工により母材の対象部位を切削することで支足を形成させる。支足を有する対象部位は母材から切削加工により切り離す。切り離されて第2テーブルに設定されている対象部位は形状加工が施される。
これによって、切削加工を用いて支足を一体的に有する文字板は確実に製造することができる。母材を切削加工することにより文字板は形成できるので、最終的にできあがる支足一体型の文字板の外観品質は、母材と同等なものであり支足一体型の文字板は外観品質が高品質である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の文字板の製造方法の工程の一例を示している。
図2は、支足形成ステップS1の具体的な例を示している。図3は、切り離しステップS2の具体的な例を示している。
図4は、形状加工ステップS3の外形切削工程S3−1と穴明け工程S3−2の具体的な例を示している。図5は、形状加工ステップS3の定形形状切削工程S3−3の例を示している。図6は、形状加工ステップS3の切り落とし工程S3−4の具体的な例を示している。
図7は、図1の文字板の製造方法を具体的に実現するための文字板の製造装置の例を示している。
【0014】
図1に示すように、本発明の文字板の製造方法は、支足形成ステップS1、切り離しステップS2、および形状加工ステップS3を有している。
形状加工ステップS3は、更に詳細には、外形切削工程S3−1、穴明け工程S3−2、定形形状切削工程S3−3、および切り落とし工程S3−4を有している。これらの外形切削工程S3−1ないし切り落とし工程S3−4を行う順序は、特に限定されるものではない。図1の例では、最初に外形切削工程S3−1が行われ、最後に切り落とし工程S3−4が行われている。
【0015】
図2の支足形成ステップS1の具体的例では、例えば棒状で断面が円形の母材10を用いる。図2の例では母材10はこの形状に特に限定されるものではない。母材10の材料としては、真鍮・洋白・ステンレス・アルミニウム・貴金属及び非金属系素材、例えば貝・貴石・紙・布・カーボン等が挙げられる。しかし、基本的に薄く加工できる素材ならば上述の材質に限定されず、母材10としては全て使用可能である。
例え母材10が硬脆性材であっても、裏に金属板等の基板を使用し補強すれば、文字板として使用可能である。
【0016】
これらのあらゆる材質の母材10を使用して文字板(表示板)を製作することは、文字板が時計の顔でありユーザーの嗜好に左右されること、また、時計用外装部品(ケース・裏ブタ・べゼル等)が同一であっても文字板(素材・色・表現)を変えることにより商品バラエティを増やすことができるというメリットがある。加えて、文字板には、貴金属や宝石(ダイヤ・サファイア・ルビー・エメラルド等)・貴石を使用して付加価値をつけることで、時計の高価格品化、いわゆる高級品に仕立てることが可能である。
【0017】
ここで、図7を参照して、文字板の製造装置100について説明する。
図7に示す文字板の製造装置100は、主軸部101、第1テーブル103、第2テーブル104及び制御部105を有している。主軸部101の工具ホルダ106には、例えばエンドミル107が着脱可能に取り付けられている。エンドミル107は、モータ108により連続回転可能である。主軸部101は、付属のバイトホルダ109を有している。このバイトホルダ109は、バイト110をモータ111により回転可能に支持している。主軸部101は、X軸用モータ112、Y軸用モータ113及びZ軸用モータ114により、X軸、Y軸、そしてZ軸に関して移動して位置決め可能である。バイトホルダ109は、別のモータ115によりZ方向に関して移動して位置決め可能である。
【0018】
図7の第1テーブル103は、外径チャック120を有している。
外径チャック120は、円柱状の母材10の外周面を着脱可能に保持する。モータ121は、外径チャック120と母材10をE方向に回転可能である。第1テーブル103の付近には、図示しないワークフィーダが設けられており、このワークフィーダは母材10を母材10の軸方向について送り込むことができる。第1テーブル103は、サポート122により支持されており、モータ123は、第1テーブル103をサポート122に対してR方向に旋回可能である。これにより、第1テーブル103は、図7の加工姿勢P1から図8の加工姿勢P2に変更可能である。従ってこの第1テーブル103は第1旋回テーブルとも呼んでいる。サポート122は、X軸用モータ124とZ軸用モータ125によりX及びZ方向に移動して位置決め可能である。
【0019】
次に、図7の第2テーブル104は、サポート130に対して支持されている。モータ131により第2テーブル104はサポート130に対してR方向に旋回可能である。従って第2テーブル104は第2旋回テーブルとも呼んでいる。第2テーブル104は真空チャック兼用外径押さえチャック133を有している。この真空チャック兼用外径押さえチャック133は、後で説明するように、母材10の加工しようとする対象部位13の最終的に製品となる部分(ベース)を真空吸引部134の作動により着脱自在に真空吸引して保持することができる。しかも、真空チャック兼用外径押さえチャック133は、この母材10の最終的に製品となる部分の回りの廃材となる部分の外径を押さえて保持することができる。このように保持することにより、母材10は確実に第2テーブル104側に保持できる。しかも回りの廃材となる部分は外径押さえチャックにより押さえているので、第2テーブル104が下向きになった時に、この外径押さえチャックを解除にすることで、簡単に回りの廃材の部分が第2テーブル104から除去できる。サポート130はモータ135の作動によりX方向に移動して位置決め可能である。
上述した各モータ及び真空吸引部134は、制御部105により動作の制御ができる。
【0020】
次に、図1および図2ないし図6を参照しながら、本発明の文字板の製造方法の具体的な例ついて説明する。
(1)支足形成ステップS1
図1に示す支足形成ステップS1について具体的に説明する。支足形成ステップS1は、図2と図8に示している。
まず図2(A)に示す母材10が用意される。この母材10は、例えば丸棒状の部材である。母材10は図8に示すように第1テーブル103の外径チャック120に対して保持されている。母材10の先端部分の対象部位13は、切削加工により支足一体型の文字板を得るための部品である。
【0021】
第1テーブル103は図7に示す加工姿勢P1から90度R方向に回転することで、第1テーブル103が図8に示す加工姿勢P2となる。即ち母材10の対象部位13は垂直上方に向いている。主軸部101のエンドミル107は、主軸部101をX,Y,Z方向に移動することにより、対象部位13に対面した位置に来る。そしてエンドミル107が回転し、必要に応じてサポート122をX,Z方向に移動することにより、図2(B)に示すように母材10の対象部位13の端面には、例えば正方形状の凹部190が形成される。この際に、この凹部190が切削により形成されると同時に、例えば2本の支足200が突出して切削により形成される。これらの支足200の軸方向は母材10の軸方向と平行である。対象部位13の凹部190の底面から、2本の支足200,200が軸方向に突出するように削り出し作業により形成される。
【0022】
次に、図2(C)に示すように支足形成ステップS1における突っ切りにより、パイロット穴203が例えば2つ形成される。これらのパイロット穴203は、凹部190の対角線上の隅部に例えば形成する。
このようにして、図8に示す第1テーブル103は、加工姿勢P2の状態で図2(B)および図2(C)に示す要領で支足200の削り出しによる形成及び突っ切りによるパイロット穴203を形成する。
【0023】
(2)切り離しステップS2
次に、図1に示す切り離しステップS2について具体的に説明する。
切り離しステップS2は、図3と図9と図10に示している。
切り離しステップS2では、図2(C)に示す母材10に対して突っ切りにより溝210を形成することにより、図3に示すような加工済みの対象部位13が母材10から切り離される。この際には、図9に示すように母材10は、図示しないワークフィーダによりX1方向に所定量だけ軸方向に給材されている。そして、第1テーブル103の外径チャック120と母材10が、図9のE方向に連続回転する。
【0024】
主軸部101のバイトホルダ109が、図9から図10に示すようにZ1方向に沿って母材10側に近付く。これによってバイト110は対象部位13の付近に対して溝210を形成する。この時の図9に示す対象部位13の軸方向の厚みtは、例えば指定厚みに対して更に1mmないし3mm程度付加した厚みになっている。このように対象部位13の厚みtが指定厚みより1mmないし3mm程度厚みを持たせて切り落とすのは、対象部位13のような薄板加工を実施する上では、対象部位13にソリなどの機械的な変形が生じるのを抑えるためである。
【0025】
そして図10に示すように切り離しステップS2においては、対象部位13の端面が第2テーブル104の真空チャック兼用外径押さえチャック133により真空吸引および外径押さえにより機械的に保持される。
これによって、対象部位13は母材10から正確かつ確実にバイト110を用いて切り離しを行うことができる。切り離しされた対象部位13の形状例は、図3(A)と図3(B)に示している。対象部位13は、例えば2つの支足200と2つのパイロット穴203を有している。
【0026】
(3)形状加工ステップS3
次に、図1の形状加工ステップS3について具体的に詳しく説明する。
形状加工ステップS3は、図4ないし図6及び図11に示している。
形状加工ステップS3を行う場合には、図11に示すように既に母材10から切り離された対象部位13は、第2テーブル104の真空チャック兼用外径押さえチャック133により真空吸引して保持されている。第2テーブル104は、図10に示す加工姿勢P3の状態から図11に示す加工姿勢P4に変化している。つまり図10の第2テーブル104の軸方向がX方向に平行であるのに対して、図11の加工姿勢P4では第2テーブル104の軸方向はZ方向に平行である。
この状態で、主軸部101のエンドミル107が対象部位13に近付いてきて、対象部位13は、図4に示す外形切削工程S3−1と穴明け工程S3−2と、図5に示す定形形状切削工程S3−3、及び図6に示す切り落とし工程S3−4を実施する。
【0027】
図4に示す形状加工ステップS3の外形切削工程S3−1と穴明け工程S3−2について説明する。
図4に示す形状加工ステップS3の外形切削工程S3−1と穴明け工程S3−2は、表面加工工程とも呼んでいる。
外形切削工程S3−1は、外形文字板300となるための文字板300の外形形状を形成するために外形溝301を形成する。
穴明け工程S3−2では、植え字穴303と窓孔309の切削をも含んでいる。外形溝301はパイロット穴203,203の内側に例えば円形状に形成されている。2本の支足200,200は、この外形溝301の内側に位置している。
この外形切削工程S3−1においては、上述した対象部位13の軸方向の厚みを所定の厚みにするために、例えば旋削加工により指定の厚みに加工する。その場合の旋削加工時の工具の回転数は、500〜2000m−1で切り込みは0.1〜0.5mm/1回転(rev)の範囲で加工する。
【0028】
また、支足の掘り込み加工時にはミーリング加工のみで行わず、できる限り旋削加工での不要部の除去を心掛けるほうがよい結果に繋がる。
ミーリング加工における場合の加工条件は、回転数は10000〜70000m−1、送りはF50〜F500の範囲で加工する。支足形状は、総形一枚刃エンドミル等により、根本に若干縊れを持たせた形状にすることで支足折れ強度を上げることができる。また表面部における文字板の外形切削時に、タイバー等で外枠と繋ぎ切り離しを行わない場合は、支足位置とタイバー位置は極力近い方が、ソリ等の変形防止には有効である。
【0029】
次に、図5と図11に示す形状加工ステップS3の定形形状切削工程S3−3について説明する。
図5(A)に示すように、対象部位13は、定形形状溝330を形成する。この例では定形形状溝330は正方形状であり、この定形形状溝330の内側には外形溝301、パイロット穴203が位置している。このように形成された定形形状溝330を境にして対象部位13の余分な部分332が除去されると、図5(B)に示すような例えば正方形状の部材340になる。
この場合に、正方形状の部材340を除去するのは次の方法で行う。正方形状の部材340は、真空チャック兼用外径押さえチャック133の真空吸引により保持されて製品パレットへ運ばれる。そして、真空吸引を解除することで、部材340は製品パレットへ収容される。
また、対象部位13の余分な部分332は、回りの廃材の部分であり、この余分な部分332は真空チャック兼用外径押さえチャック133の外径押さえチャックにより保持されている。この余分な部分332の除去をする場合には、次の方法で行う。つまり、図11の第2テーブル104を180度回して下向きにして、真空チャック兼用外径押さえチャック133の外径押さえを解除することで、余分な部分332は、チップコンベアへ投入される。
この部材340は、パイロット穴203と外形溝301等を有している。図5(C)に示すように、2本の支足200等は、外形溝301の内側に位置している。
【0030】
次に、図6に示す形状加工ステップS3の切り落とし工程S3−4に移る。
この切り落とし工程S3−4では、文字板300の単品を図11に示すエンドミル107により切り落とす。これによって、円盤状の文字板300が得られる。この文字板300は、上述したように2本の支足200と、窓孔309と、複数の植え字穴303を有している。
このような図1に示す工程を繰り返すことにより、図2(A)に示す例えば棒状の母材10から複数もしくは多数個の図6に示すような文字板300が、切削加工だけで製造することができる。
このようにして得られた文字板300は、更に 表面処理(縦、横、放射等の筋目付け・ホーニング等)、メッキ、塗装、加飾(ダイヤエンドミルによる分目盛り加工・レコード溝挽き模様付け・小秒針部凹形状加工・曜日表示窓周りダイヤカット等)、印刷、時字植えなどの仕上げ加工を施す。これによって、支足付き文字板もしくは支足一体型の文字板或いは支足一体型の表示板が完成されるのである。
【0031】
ところで、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。図2(A)に示すように母材10は例えば丸棒状の部材を用いている。しかしこれに限らず母材10は丸棒以外に角棒もしくは平板片であっても勿論構わない。本発明の文字板の製造方法では次のようなメリットがある。従来では支足と文字板を別々に供給して支足を文字板に対して溶接等により固定していた。このために、溶接機や電気炉等の大掛かりな接合用の設備を必要としていたが、本発明の製造方法ではそのような設備は不要である。
【0032】
図7に示す制御部105に対して与えるCAD(コンピュータ援用デザイン)データの情報を変えることにより、各種の支足一体型の文字板を製造することができるので、生産数量に関係なく金型代等の初期投資を少なくすることができる。
母材から支足一体型の文字板を切削加工により形成することができ、CADデータに基づいて各種の形状の支足一体型の文字板を切削加工することができる。このことから上述したような各加工ステップに対して、更に別のステップを組み合わせる等の加工ステップの複合化等が可能になる。CADデータに基づいて支足一体型の文字板を製造できるので、支足一体型の文字板を製造する際に、三次元形状のデザイン部分が設けられる。この三次元形状デザイン部分とは、例えばボンベや浮き出し文字等である。
【0033】
本発明の文字板の製造方法では、従来とは異なり金型は不要であり、支足と文字板を別々に在庫管理する必要がなく、母材のみの在庫管理を行えばよい。また時字や装飾リング等の部分は、支足一体型の文字板に対して切削により一体成形することも可能になる。
本発明の実施の形態では、支足一体型の文字板は切削加工技術を中心として薄板加工技術を用いて作られており、金型が不要である。支足一体型の文字板は、少量で小ロットの生産に向いており、迅速かつローコストで製造できる。
【0034】
本発明の実施の形態において、支足一体型の文字板は、支足一体型の表示板ということもできる。本発明の実施の形態の製造方法により作られた支足一体型の文字板は、更に、塑性加工・切削加工・メッキ加工・塗装加工・電鋳加工・研磨加工・印刷加工等あらゆる加工技術を駆使し装飾を形成し、付加部品と称される装飾用部品、一般的には時字(時刻表示片)・ダイヤルリング・鍍金時字・マーク・ネーム等を、固定し時間指標位置等を表現し、文字板として完成できる。本来これらの部分は、二次元的で付加価値がつけにくいと思われがちだが、逆に文字板の多彩なデザインバリエーションが創出できる。
また、上述した形状加工ステップS3の図5に示す定形形状切削工程S3−3では、微細彫刻模様加工、浮き出し文字切削加工、そしてレコード挽目模様加工を施すことも可能である。
支足一体型の支足は、文字板の裏側に存在しており、支足は文字板を時計機械体へ固定する重要な役目を果たしている。この支足と文字板を一体的に切削加工により作れることにより、支足一体型の形状精度を高めることができる。
本発明の実施の形態で用いられる母材の材質は、上述したように各金属材料や非金属材料を採用できる。
【0035】
上述した図7に示す実施の形態における文字板の製造装置100は、いわゆる三次元切削加工ができる同時5軸制御装置である。図7に示すように第2テーブル104側の真空チャック兼用外径押さえチャック133は、対象部位13の表裏面及び側面加工の可能な真空引き用の真空チャック兼用外径押さえチャック133を有している。図7の主軸部101のエンドミル107によりミーリング加工を行い、バイト110により旋削加工を行うことが可能であり、図7に示す製造装置100は複合加工機と呼ぶことができる。
【0036】
本発明は、上記実施の形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。例えば上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の文字板の製造方法の好ましい実施の形態を示す図。
【図2】本発明の支足形成ステップの具体的な例を示す図。
【図3】本発明の切り離しステップの具体的な例を示す図。
【図4】本発明の形状加工ステップの具体的な例を示す図。
【図5】本発明の形状加工ステップの別の工程を示す図。
【図6】本発明の形状加工ステップの更に別の工程を示す図。
【図7】本発明の文字板の製造方法を実施する製造装置の例を示す図。
【図8】本発明の支足形成ステップにおける具体的な加工例を示す図。
【図9】本発明の切り離しステップにおける具体的な加工例を示す図。
【図10】本発明の切り離しステップにおける加工例を示す図。
【図11】本発明の形状加工ステップにおける加工例を示す図。
【符号の説明】
10・・・母材、13・・・対象部位、103・・・第1テーブル、104・・・第2テーブル、200・・・支足、300・・・文字板、S1・・・支足形成ステップ、S2・・・切り離しステップ、S3・・・形状加工ステップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、時計用外装部品の一種である文字板の製造方法、文字板及び文字板を備えた時計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
時計用外装部品、特に腕時計用外装部品の一種である文字板の製造は、少量小ロット化の傾向にある。このため文字板を製造する際に用いる金型や治工具は、文字板の種類に応じて多数種類揃えなければならない。
文字板を製造する際には、定尺材もしくは一定幅のフープ材は、案内用小孔、中心小孔、曜日表示窓、時字足孔等を型で抜き、更に基板部の外形形状を抜き落とすことにより文字板が作られる。このような文字板の作業は、上述した手順とは逆の場合もある。
そして、この文字板を時計機械体に対して固定するために支足を用いるが、この支足は、圧接、圧融接或いはろう付け或いは接着等により取り付けるようになっている。このような時計用文字板の足は、銀ろうが封入されたものがある(例えば特許文献1。)。
また、足が文字板の上板側に設けられたものがある(例えば特許文献2。)。
【0003】
【特許文献1】
実開昭62−132493号公報(第1頁、第1図)
【特許文献2】
実開昭62−180788号公報(第1頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したような従来の文字板の製造方法では次のような問題がある。
上述したように各種の文字板を製造するために、多数の種類の金型や治工具が必要となり、これらの金型を用いて成形加工する必要がある。従って、文字板の少量小ロット生産は、スピーディーかつローコストで行うことができない。
また、例えば加工性のよいアルミニウム等を用い文字板と支足を塑性加工により一体成形で作ることも考えられる。しかし、この場合には放射状の筋目のみでメッキ仕上げするような仕様では、色調が合わずに外観品質を確保することが困難になる。
そこで本発明は上記課題を解消し、切削加工を用いて支足を一体的に形成することができ、外観的な品質の良好な文字板を製造することができる文字板の製造方法、文字板及び文字板を備えた時計を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の文字板の製造方法は、母材を切削加工して文字板を製造するための文字板の製造方法であって、前記母材を第1テーブルに設定して機械加工により前記母材の対象部位を切削することで支足を形成する支足形成ステップと、前記支足を有する前記対象部位を前記母材から切削加工により切り離す切り離しステップと、前記切り離されて第2テーブルに設定されている前記対象部位の形状加工を行う形状加工ステップと、を有することを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、支足形成ステップでは、母材は第1テーブルに設定して機械加工により母材の対象部位を切削することで支足を形成させる。切り離しステップでは、支足を有する対象部位は母材から切削加工により切り離す。そして形状加工ステップでは、切り離されて第2テーブルに設定されている対象部位の形状加工が行われる。
これによって、切削加工を用いて支足を一体的に有する文字板は確実に製造することができる。母材を切削加工することにより文字板が形成されるので、最終的にできあがる支足一体型の文字板の外観品質は母材と同等なものであり、支足一体型の文字板は外観品質が高品質である。
【0007】
上記構成において、前記支足形成ステップでは、前記形状加工ステップにおいて前記対象部位を前記第2テーブルに対して位置決めするためのパイロット穴を切削加工により形成するのが望ましい。
このような構成によれば、支足形成ステップでは、形状加工ステップにおいて対象部位を第2テーブルに対して位置決めするパイロット穴を切削加工により形成する。このために、対象部位は、このパイロット穴を用いて第2テーブルに対して確実に位置決めすることができる。
【0008】
上記構成において、前記母材は棒状の部材であるのが望ましい。
このような構成によれば、母材は棒状の部材であるので、この母材からは、その軸方向に沿って複数もしくは多数の支足一体型の文字板が製造でき、迅速かつローコストで支足一体型の文字板を製造できる。
【0009】
上記構成において、前記切り離しステップでは、前記母材に対して前記母材の半径方向に突っ切ることで、前記対象部を前記母材から切り離すことが望ましい。
このような構成によれば、切り離しステップでは、母材に対して母材の半径方向に突っ切ることで、対象部位は母材から切り離すことができる。対象部位を母材から切り離すことで、支足一体型の文字板は迅速に作ることができる。
【0010】
上記構成において、前記形状加工ステップでは、前記対象部位の表面加工を行う外形切削工程と、前記対象部位へ穴を明ける穴明け工程、前記対象部位を定形形状にするための定形形状切削工程、および文字板を切り落とす切り落とし工程を含むことが望ましい。
このような構成によれば、形状加工ステップの外形切削工程では、対象部位の表面加工を行う。穴明け工程では、対象部位へ穴を明ける。定形形状切削工程では、対象部位を定形形状にする。切り落とし工程では、文字板を他の部分から切り落とす。
これによって、対象部位から支足一体型の文字板を作ることができる。
【0011】
本発明の文字板は、母材を切削加工して得られる文字板であって、前記母材を機械加工により前記母材の対象部位を切削することで支足が形成され、前記支足を有する前記対象部位が前記母材から切削加工により切り離されて、前記切り離された前記対象部位の形状加工を行うことで形成されている。
このような構成によれば、母材は第1テーブルに設定して機械加工により母材の対象部位を切削することで支足を形成させる。支足を有する対象部位は母材から切削加工により切り離す。切り離されて第2テーブルに設定されている対象部位は形状加工が施される。
これによって、切削加工を用いて支足を一体的に有する文字板は確実に製造することができる。母材を切削加工することにより文字板は形成できるので、最終的にできあがる支足一体型の文字板の外観品質は、母材と同等なものであり支足一体型の文字板は外観品質が高品質である。
【0012】
本発明の文字板を備えた時計は、母材を切削加工して得られる文字板を備える時計であって、前記文字板は、前記母材を機械加工により前記母材の対象部位を切削することで支足が形成され、前記支足を有する前記対象部位が前記母材から切削加工により切り離されて、前記切り離された前記対象部位の形状加工を行うことで形成されている。
このような構成によれば、母材は第1テーブルに設定して機械加工により母材の対象部位を切削することで支足を形成させる。支足を有する対象部位は母材から切削加工により切り離す。切り離されて第2テーブルに設定されている対象部位は形状加工が施される。
これによって、切削加工を用いて支足を一体的に有する文字板は確実に製造することができる。母材を切削加工することにより文字板は形成できるので、最終的にできあがる支足一体型の文字板の外観品質は、母材と同等なものであり支足一体型の文字板は外観品質が高品質である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の文字板の製造方法の工程の一例を示している。
図2は、支足形成ステップS1の具体的な例を示している。図3は、切り離しステップS2の具体的な例を示している。
図4は、形状加工ステップS3の外形切削工程S3−1と穴明け工程S3−2の具体的な例を示している。図5は、形状加工ステップS3の定形形状切削工程S3−3の例を示している。図6は、形状加工ステップS3の切り落とし工程S3−4の具体的な例を示している。
図7は、図1の文字板の製造方法を具体的に実現するための文字板の製造装置の例を示している。
【0014】
図1に示すように、本発明の文字板の製造方法は、支足形成ステップS1、切り離しステップS2、および形状加工ステップS3を有している。
形状加工ステップS3は、更に詳細には、外形切削工程S3−1、穴明け工程S3−2、定形形状切削工程S3−3、および切り落とし工程S3−4を有している。これらの外形切削工程S3−1ないし切り落とし工程S3−4を行う順序は、特に限定されるものではない。図1の例では、最初に外形切削工程S3−1が行われ、最後に切り落とし工程S3−4が行われている。
【0015】
図2の支足形成ステップS1の具体的例では、例えば棒状で断面が円形の母材10を用いる。図2の例では母材10はこの形状に特に限定されるものではない。母材10の材料としては、真鍮・洋白・ステンレス・アルミニウム・貴金属及び非金属系素材、例えば貝・貴石・紙・布・カーボン等が挙げられる。しかし、基本的に薄く加工できる素材ならば上述の材質に限定されず、母材10としては全て使用可能である。
例え母材10が硬脆性材であっても、裏に金属板等の基板を使用し補強すれば、文字板として使用可能である。
【0016】
これらのあらゆる材質の母材10を使用して文字板(表示板)を製作することは、文字板が時計の顔でありユーザーの嗜好に左右されること、また、時計用外装部品(ケース・裏ブタ・べゼル等)が同一であっても文字板(素材・色・表現)を変えることにより商品バラエティを増やすことができるというメリットがある。加えて、文字板には、貴金属や宝石(ダイヤ・サファイア・ルビー・エメラルド等)・貴石を使用して付加価値をつけることで、時計の高価格品化、いわゆる高級品に仕立てることが可能である。
【0017】
ここで、図7を参照して、文字板の製造装置100について説明する。
図7に示す文字板の製造装置100は、主軸部101、第1テーブル103、第2テーブル104及び制御部105を有している。主軸部101の工具ホルダ106には、例えばエンドミル107が着脱可能に取り付けられている。エンドミル107は、モータ108により連続回転可能である。主軸部101は、付属のバイトホルダ109を有している。このバイトホルダ109は、バイト110をモータ111により回転可能に支持している。主軸部101は、X軸用モータ112、Y軸用モータ113及びZ軸用モータ114により、X軸、Y軸、そしてZ軸に関して移動して位置決め可能である。バイトホルダ109は、別のモータ115によりZ方向に関して移動して位置決め可能である。
【0018】
図7の第1テーブル103は、外径チャック120を有している。
外径チャック120は、円柱状の母材10の外周面を着脱可能に保持する。モータ121は、外径チャック120と母材10をE方向に回転可能である。第1テーブル103の付近には、図示しないワークフィーダが設けられており、このワークフィーダは母材10を母材10の軸方向について送り込むことができる。第1テーブル103は、サポート122により支持されており、モータ123は、第1テーブル103をサポート122に対してR方向に旋回可能である。これにより、第1テーブル103は、図7の加工姿勢P1から図8の加工姿勢P2に変更可能である。従ってこの第1テーブル103は第1旋回テーブルとも呼んでいる。サポート122は、X軸用モータ124とZ軸用モータ125によりX及びZ方向に移動して位置決め可能である。
【0019】
次に、図7の第2テーブル104は、サポート130に対して支持されている。モータ131により第2テーブル104はサポート130に対してR方向に旋回可能である。従って第2テーブル104は第2旋回テーブルとも呼んでいる。第2テーブル104は真空チャック兼用外径押さえチャック133を有している。この真空チャック兼用外径押さえチャック133は、後で説明するように、母材10の加工しようとする対象部位13の最終的に製品となる部分(ベース)を真空吸引部134の作動により着脱自在に真空吸引して保持することができる。しかも、真空チャック兼用外径押さえチャック133は、この母材10の最終的に製品となる部分の回りの廃材となる部分の外径を押さえて保持することができる。このように保持することにより、母材10は確実に第2テーブル104側に保持できる。しかも回りの廃材となる部分は外径押さえチャックにより押さえているので、第2テーブル104が下向きになった時に、この外径押さえチャックを解除にすることで、簡単に回りの廃材の部分が第2テーブル104から除去できる。サポート130はモータ135の作動によりX方向に移動して位置決め可能である。
上述した各モータ及び真空吸引部134は、制御部105により動作の制御ができる。
【0020】
次に、図1および図2ないし図6を参照しながら、本発明の文字板の製造方法の具体的な例ついて説明する。
(1)支足形成ステップS1
図1に示す支足形成ステップS1について具体的に説明する。支足形成ステップS1は、図2と図8に示している。
まず図2(A)に示す母材10が用意される。この母材10は、例えば丸棒状の部材である。母材10は図8に示すように第1テーブル103の外径チャック120に対して保持されている。母材10の先端部分の対象部位13は、切削加工により支足一体型の文字板を得るための部品である。
【0021】
第1テーブル103は図7に示す加工姿勢P1から90度R方向に回転することで、第1テーブル103が図8に示す加工姿勢P2となる。即ち母材10の対象部位13は垂直上方に向いている。主軸部101のエンドミル107は、主軸部101をX,Y,Z方向に移動することにより、対象部位13に対面した位置に来る。そしてエンドミル107が回転し、必要に応じてサポート122をX,Z方向に移動することにより、図2(B)に示すように母材10の対象部位13の端面には、例えば正方形状の凹部190が形成される。この際に、この凹部190が切削により形成されると同時に、例えば2本の支足200が突出して切削により形成される。これらの支足200の軸方向は母材10の軸方向と平行である。対象部位13の凹部190の底面から、2本の支足200,200が軸方向に突出するように削り出し作業により形成される。
【0022】
次に、図2(C)に示すように支足形成ステップS1における突っ切りにより、パイロット穴203が例えば2つ形成される。これらのパイロット穴203は、凹部190の対角線上の隅部に例えば形成する。
このようにして、図8に示す第1テーブル103は、加工姿勢P2の状態で図2(B)および図2(C)に示す要領で支足200の削り出しによる形成及び突っ切りによるパイロット穴203を形成する。
【0023】
(2)切り離しステップS2
次に、図1に示す切り離しステップS2について具体的に説明する。
切り離しステップS2は、図3と図9と図10に示している。
切り離しステップS2では、図2(C)に示す母材10に対して突っ切りにより溝210を形成することにより、図3に示すような加工済みの対象部位13が母材10から切り離される。この際には、図9に示すように母材10は、図示しないワークフィーダによりX1方向に所定量だけ軸方向に給材されている。そして、第1テーブル103の外径チャック120と母材10が、図9のE方向に連続回転する。
【0024】
主軸部101のバイトホルダ109が、図9から図10に示すようにZ1方向に沿って母材10側に近付く。これによってバイト110は対象部位13の付近に対して溝210を形成する。この時の図9に示す対象部位13の軸方向の厚みtは、例えば指定厚みに対して更に1mmないし3mm程度付加した厚みになっている。このように対象部位13の厚みtが指定厚みより1mmないし3mm程度厚みを持たせて切り落とすのは、対象部位13のような薄板加工を実施する上では、対象部位13にソリなどの機械的な変形が生じるのを抑えるためである。
【0025】
そして図10に示すように切り離しステップS2においては、対象部位13の端面が第2テーブル104の真空チャック兼用外径押さえチャック133により真空吸引および外径押さえにより機械的に保持される。
これによって、対象部位13は母材10から正確かつ確実にバイト110を用いて切り離しを行うことができる。切り離しされた対象部位13の形状例は、図3(A)と図3(B)に示している。対象部位13は、例えば2つの支足200と2つのパイロット穴203を有している。
【0026】
(3)形状加工ステップS3
次に、図1の形状加工ステップS3について具体的に詳しく説明する。
形状加工ステップS3は、図4ないし図6及び図11に示している。
形状加工ステップS3を行う場合には、図11に示すように既に母材10から切り離された対象部位13は、第2テーブル104の真空チャック兼用外径押さえチャック133により真空吸引して保持されている。第2テーブル104は、図10に示す加工姿勢P3の状態から図11に示す加工姿勢P4に変化している。つまり図10の第2テーブル104の軸方向がX方向に平行であるのに対して、図11の加工姿勢P4では第2テーブル104の軸方向はZ方向に平行である。
この状態で、主軸部101のエンドミル107が対象部位13に近付いてきて、対象部位13は、図4に示す外形切削工程S3−1と穴明け工程S3−2と、図5に示す定形形状切削工程S3−3、及び図6に示す切り落とし工程S3−4を実施する。
【0027】
図4に示す形状加工ステップS3の外形切削工程S3−1と穴明け工程S3−2について説明する。
図4に示す形状加工ステップS3の外形切削工程S3−1と穴明け工程S3−2は、表面加工工程とも呼んでいる。
外形切削工程S3−1は、外形文字板300となるための文字板300の外形形状を形成するために外形溝301を形成する。
穴明け工程S3−2では、植え字穴303と窓孔309の切削をも含んでいる。外形溝301はパイロット穴203,203の内側に例えば円形状に形成されている。2本の支足200,200は、この外形溝301の内側に位置している。
この外形切削工程S3−1においては、上述した対象部位13の軸方向の厚みを所定の厚みにするために、例えば旋削加工により指定の厚みに加工する。その場合の旋削加工時の工具の回転数は、500〜2000m−1で切り込みは0.1〜0.5mm/1回転(rev)の範囲で加工する。
【0028】
また、支足の掘り込み加工時にはミーリング加工のみで行わず、できる限り旋削加工での不要部の除去を心掛けるほうがよい結果に繋がる。
ミーリング加工における場合の加工条件は、回転数は10000〜70000m−1、送りはF50〜F500の範囲で加工する。支足形状は、総形一枚刃エンドミル等により、根本に若干縊れを持たせた形状にすることで支足折れ強度を上げることができる。また表面部における文字板の外形切削時に、タイバー等で外枠と繋ぎ切り離しを行わない場合は、支足位置とタイバー位置は極力近い方が、ソリ等の変形防止には有効である。
【0029】
次に、図5と図11に示す形状加工ステップS3の定形形状切削工程S3−3について説明する。
図5(A)に示すように、対象部位13は、定形形状溝330を形成する。この例では定形形状溝330は正方形状であり、この定形形状溝330の内側には外形溝301、パイロット穴203が位置している。このように形成された定形形状溝330を境にして対象部位13の余分な部分332が除去されると、図5(B)に示すような例えば正方形状の部材340になる。
この場合に、正方形状の部材340を除去するのは次の方法で行う。正方形状の部材340は、真空チャック兼用外径押さえチャック133の真空吸引により保持されて製品パレットへ運ばれる。そして、真空吸引を解除することで、部材340は製品パレットへ収容される。
また、対象部位13の余分な部分332は、回りの廃材の部分であり、この余分な部分332は真空チャック兼用外径押さえチャック133の外径押さえチャックにより保持されている。この余分な部分332の除去をする場合には、次の方法で行う。つまり、図11の第2テーブル104を180度回して下向きにして、真空チャック兼用外径押さえチャック133の外径押さえを解除することで、余分な部分332は、チップコンベアへ投入される。
この部材340は、パイロット穴203と外形溝301等を有している。図5(C)に示すように、2本の支足200等は、外形溝301の内側に位置している。
【0030】
次に、図6に示す形状加工ステップS3の切り落とし工程S3−4に移る。
この切り落とし工程S3−4では、文字板300の単品を図11に示すエンドミル107により切り落とす。これによって、円盤状の文字板300が得られる。この文字板300は、上述したように2本の支足200と、窓孔309と、複数の植え字穴303を有している。
このような図1に示す工程を繰り返すことにより、図2(A)に示す例えば棒状の母材10から複数もしくは多数個の図6に示すような文字板300が、切削加工だけで製造することができる。
このようにして得られた文字板300は、更に 表面処理(縦、横、放射等の筋目付け・ホーニング等)、メッキ、塗装、加飾(ダイヤエンドミルによる分目盛り加工・レコード溝挽き模様付け・小秒針部凹形状加工・曜日表示窓周りダイヤカット等)、印刷、時字植えなどの仕上げ加工を施す。これによって、支足付き文字板もしくは支足一体型の文字板或いは支足一体型の表示板が完成されるのである。
【0031】
ところで、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。図2(A)に示すように母材10は例えば丸棒状の部材を用いている。しかしこれに限らず母材10は丸棒以外に角棒もしくは平板片であっても勿論構わない。本発明の文字板の製造方法では次のようなメリットがある。従来では支足と文字板を別々に供給して支足を文字板に対して溶接等により固定していた。このために、溶接機や電気炉等の大掛かりな接合用の設備を必要としていたが、本発明の製造方法ではそのような設備は不要である。
【0032】
図7に示す制御部105に対して与えるCAD(コンピュータ援用デザイン)データの情報を変えることにより、各種の支足一体型の文字板を製造することができるので、生産数量に関係なく金型代等の初期投資を少なくすることができる。
母材から支足一体型の文字板を切削加工により形成することができ、CADデータに基づいて各種の形状の支足一体型の文字板を切削加工することができる。このことから上述したような各加工ステップに対して、更に別のステップを組み合わせる等の加工ステップの複合化等が可能になる。CADデータに基づいて支足一体型の文字板を製造できるので、支足一体型の文字板を製造する際に、三次元形状のデザイン部分が設けられる。この三次元形状デザイン部分とは、例えばボンベや浮き出し文字等である。
【0033】
本発明の文字板の製造方法では、従来とは異なり金型は不要であり、支足と文字板を別々に在庫管理する必要がなく、母材のみの在庫管理を行えばよい。また時字や装飾リング等の部分は、支足一体型の文字板に対して切削により一体成形することも可能になる。
本発明の実施の形態では、支足一体型の文字板は切削加工技術を中心として薄板加工技術を用いて作られており、金型が不要である。支足一体型の文字板は、少量で小ロットの生産に向いており、迅速かつローコストで製造できる。
【0034】
本発明の実施の形態において、支足一体型の文字板は、支足一体型の表示板ということもできる。本発明の実施の形態の製造方法により作られた支足一体型の文字板は、更に、塑性加工・切削加工・メッキ加工・塗装加工・電鋳加工・研磨加工・印刷加工等あらゆる加工技術を駆使し装飾を形成し、付加部品と称される装飾用部品、一般的には時字(時刻表示片)・ダイヤルリング・鍍金時字・マーク・ネーム等を、固定し時間指標位置等を表現し、文字板として完成できる。本来これらの部分は、二次元的で付加価値がつけにくいと思われがちだが、逆に文字板の多彩なデザインバリエーションが創出できる。
また、上述した形状加工ステップS3の図5に示す定形形状切削工程S3−3では、微細彫刻模様加工、浮き出し文字切削加工、そしてレコード挽目模様加工を施すことも可能である。
支足一体型の支足は、文字板の裏側に存在しており、支足は文字板を時計機械体へ固定する重要な役目を果たしている。この支足と文字板を一体的に切削加工により作れることにより、支足一体型の形状精度を高めることができる。
本発明の実施の形態で用いられる母材の材質は、上述したように各金属材料や非金属材料を採用できる。
【0035】
上述した図7に示す実施の形態における文字板の製造装置100は、いわゆる三次元切削加工ができる同時5軸制御装置である。図7に示すように第2テーブル104側の真空チャック兼用外径押さえチャック133は、対象部位13の表裏面及び側面加工の可能な真空引き用の真空チャック兼用外径押さえチャック133を有している。図7の主軸部101のエンドミル107によりミーリング加工を行い、バイト110により旋削加工を行うことが可能であり、図7に示す製造装置100は複合加工機と呼ぶことができる。
【0036】
本発明は、上記実施の形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。例えば上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の文字板の製造方法の好ましい実施の形態を示す図。
【図2】本発明の支足形成ステップの具体的な例を示す図。
【図3】本発明の切り離しステップの具体的な例を示す図。
【図4】本発明の形状加工ステップの具体的な例を示す図。
【図5】本発明の形状加工ステップの別の工程を示す図。
【図6】本発明の形状加工ステップの更に別の工程を示す図。
【図7】本発明の文字板の製造方法を実施する製造装置の例を示す図。
【図8】本発明の支足形成ステップにおける具体的な加工例を示す図。
【図9】本発明の切り離しステップにおける具体的な加工例を示す図。
【図10】本発明の切り離しステップにおける加工例を示す図。
【図11】本発明の形状加工ステップにおける加工例を示す図。
【符号の説明】
10・・・母材、13・・・対象部位、103・・・第1テーブル、104・・・第2テーブル、200・・・支足、300・・・文字板、S1・・・支足形成ステップ、S2・・・切り離しステップ、S3・・・形状加工ステップ
Claims (7)
- 母材を切削加工して文字板を製造するための文字板の製造方法であって、
前記母材を第1テーブルに設定して機械加工により前記母材の対象部位を切削することで支足を形成する支足形成ステップと、
前記支足を有する前記対象部位を前記母材から切削加工により切り離す切り離しステップと、
前記切り離されて第2テーブルに設定されている前記対象部位の形状加工を行う形状加工ステップと、
を有することを特徴とする文字板の製造方法。 - 前記支足形成ステップでは、前記形状加工ステップにおいて前記対象部位を前記第2テーブルに対して位置決めするためのパイロット穴を切削加工により形成することを特徴とする請求項1に記載の文字板の製造方法。
- 前記母材は棒状の部材であることを特徴とする請求項2に記載の文字板の製造方法。
- 前記切り離しステップでは、前記母材に対して前記母材の半径方向に突っ切ることで前記対象部位を前記母材から切り離すことを特徴とする請求項3に記載の文字板の製造方法。
- 前記形状加工ステップでは、前記対象部位の表面加工を行う外形切削工程と、前記対象部位へ穴を明ける穴明け工程、前記対象部位を定形形状にするための定形形状切削工程、および文字板を切り落とす切り落とし工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の文字板の製造方法。
- 母材を切削加工して得られる文字板であって、
前記母材を機械加工により前記母材の対象部位を切削することで支足が形成され、前記支足を有する前記対象部位が前記母材から切削加工により切り離されて、前記切り離された前記対象部位の形状加工を行うことで形成されたことを特徴とする文字板。 - 母材を切削加工して得られる文字板を備える時計であって、前記文字板は、前記母材を機械加工により前記母材の対象部位を切削することで支足が形成され、前記支足を有する前記対象部位が前記母材から切削加工により切り離されて、前記切り離された前記対象部位の形状加工を行うことで形成されたことを特徴とする文字板を備えた時計。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003002479A JP2004212346A (ja) | 2003-01-08 | 2003-01-08 | 文字板の製造方法、文字板および時計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003002479A JP2004212346A (ja) | 2003-01-08 | 2003-01-08 | 文字板の製造方法、文字板および時計 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016114597A (ja) * | 2014-12-17 | 2016-06-23 | ニヴァロックス−ファー ソシエテ アノニム | 計時器又は装身具用の装飾が施された構成要素の製造方法及びその方法により作製される構成要素 |
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2003
- 2003-01-08 JP JP2003002479A patent/JP2004212346A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016114597A (ja) * | 2014-12-17 | 2016-06-23 | ニヴァロックス−ファー ソシエテ アノニム | 計時器又は装身具用の装飾が施された構成要素の製造方法及びその方法により作製される構成要素 |
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