JP6150175B2 - 過熱水蒸気処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、食品の乾燥、殺菌、脱脂又は廃プラスチックリサイクル等に用いられる過熱水蒸気処理方法及びその装置に関するものである。
一般に、過熱水蒸気とは、100℃で蒸発した飽和水蒸気を加圧することなく100℃以上に過熱した水蒸気であり、近年、食品の解凍又は焼成等への活用が盛んに行われている。
過熱水蒸気処理技術は、従来の熱風等による一般的な加熱に比べると、飽和水蒸気と同様に、伝熱特性が良く、熱容量が小さい。また、酸素が遮断されており、被加熱物の酸化が少ない等の特徴を有している。
現在、前記のような特徴から、家庭用電子レンジへの搭載又は工業的には食品の乾燥等、幅広い分野で利用されている。また、特許文献1に示されるように金属と樹脂の複合材料を対象に、樹脂を熱分解して金属を回収する方法としての活用が検討されている。
以下、従来の一般的な過熱水蒸気処理方法及びその装置について、図5を参照しながら説明する。
図5は、従来の一般的な過熱水蒸気処理装置の概略図である。処理室502は、被加熱物501を加熱処理するための容器である。この処理室502には、被加熱物501を載置するためのステージ503が設置される。また、処理室502には、蒸気発生器504が蒸気導入管506を介して接続される。蒸気発生器504では、蒸気を発生させる。なお、処理室502と蒸気発生器504との間には、一般的に、蒸気を過熱状態に急速加熱するための過熱熱源505が設置される。
以上のような過熱水蒸気処理装置にて被加熱物の加熱処理を行なうには、まず、処理室502に設置されたステージ503上に、被加熱物501を載置する。次に、蒸気発生器504に水を供給し(図示せず)、蒸気発生器504から発生した水蒸気を蒸気導入管506を通じて、処理室502に導入する。その際、蒸気は過熱熱源505によって過熱状態にされることで、被加熱物501の過熱水蒸気処理が開始される。
なお、処理完了の判断は、処理時間の制御が一般的であるが、被加熱物の温度又は処理状態を何らかの手段により監視する方法が採られることもある。
また、被加熱物501の処理状態をより均一にするために、被加熱物501を載置するステージ503を回転機構又は移動機構(図示していない)により回転又は移動させる方法が採られることもある。
以上のような処理において、一般的に、処理室502内に導入された水蒸気中の酸素濃度は概略1パーセント以下であり、過熱水蒸気処理における被加熱物501の酸化が少なくなる所以となっている。
特許第3541269号公報
しかしながら、上述の従来の構成では、蒸気発生器に供給される水の中に酸素(いわゆる溶存酸素)が存在するため、水蒸気の中に存在する酸素による被加熱物のわずかな酸化を抑制することは困難であり、高度な酸化防止を要する材料の処理には、適用しがたいという課題を有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、蒸気発生器に供給される水の中に存在する酸素量を減少させ、高度な酸化防止を要する被加熱物の加熱処理においても、良好な酸化防止特性を有する過熱水蒸気処理方法及びその装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の1つの態様にかかる過熱水蒸気処理装置では、水が供給され、供給された水から水蒸気を発生させる蒸気発生器と、
前記蒸気発生器で発生した前記水蒸気を加熱する過熱熱源と、
前記過熱熱源で加熱され前記水蒸気が送り込まれて被処理物の過熱水蒸気処理を行なう処理室とを備え、
さらに、前記蒸気発生器に供給する前記水の水供給管に、前記蒸気発生器に送り込む前の前記水に溶存する酸素と置換可能な置換ガスを供給するガス供給機構を備え、
前記水供給管が、前記蒸気発生器との接続部における前記水供給管の断面積よりも大きな断面積の部分を前記水供給管を水平に設置する位置に有し、前記蒸気発生器に供給する前記水供給管の断面積が、前記蒸気発生器に向かって小さくなる部分を有する。
本発明の別の態様にかかる過熱水蒸気処理装置では、前記蒸気発生器に供給する前記水供給管が、少なくとも一箇所、水平でない部分を有するようにしてもよい。
本発明の別の態様にかかる過熱水蒸気処理装置では、水が供給され、供給された水から水蒸気を発生させる蒸気発生器と、
前記蒸気発生器で発生した前記水蒸気を加熱する過熱熱源と、
前記過熱熱源で加熱され前記水蒸気が送り込まれて被処理物の過熱水蒸気処理を行なう処理室とを備え、
さらに、前記蒸気発生器に供給する前記水の水供給管に、前記蒸気発生器に送り込む前の前記水に溶存する酸素と置換可能な置換ガスを供給するガス供給機構を備え、
前記水供給管が、前記蒸気発生器との接続部における前記水供給管の断面積よりも大きな断面積の部分を前記水供給管を水平に設置する位置に有し、
前記蒸気発生器に供給する前記水供給管が、少なくとも一箇所、水平でない部分を有するようにしてもよい。
本発明の別の態様にかかる過熱水蒸気処理装置では、前記ガス供給機構は、前記水に対して、前記置換ガスを泡状に供給するバブル形成機構を有するようにしてもよい。
本発明の別の態様にかかる過熱水蒸気処理装置では、前記過熱熱源よりも下流側に、前記過熱熱源で加熱されて前記処理室に供給される前記水蒸気にエネルギを付与するエネルギ発生源を設置するようにしてもよい。
以上のように、本発明の前記態様にかかる過熱水蒸気処理方法及びその装置によれば、高度な酸化防止を要する被加熱物の加熱処理においても、良好な酸化防止特性を有する過熱水蒸気処理方法及びその装置を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態における過熱水蒸気処理装置の概略図 本発明の第2実施形態における過熱水蒸気処理装置の蒸気発生器と該蒸気発器への水の供給機構及びガス供給管の位置関係を示す概略拡大図 本発明の第3実施形態における過熱水蒸気処理装置の蒸気発生器と該蒸気発器への水の供給機構及びガス供給管の位置関係を示す概略拡大図 本発明の第4実施形態における過熱水蒸気処理装置の過熱熱源及び蒸気導入管が処理室に接続されている部分との位置関係を示す概略図 従来の一般的な過熱水蒸気処理装置の概略図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における過熱水蒸気処理装置100の断面概略図である。
第1実施形態における過熱水蒸気処理方法及びその装置100の特徴は、図1において、処理室102は、被加熱物101を加熱処理(過熱水蒸気処理)するための容器である。この処理室102には、被加熱物101を載置するためのステージ103が設置される。また、処理室102には、蒸気発生器104が蒸気導入管106を介して接続される。蒸気発生器104では、水から水蒸気を発生させる。また、処理室102と蒸気発生器104との間の蒸気導入管106の中間部分には、誘導加熱を利用して水蒸気を加熱する過熱熱源105が設置されている。
さらに、蒸気発生器104には、水供給機構100aとして、水供給管130を介して、水132を貯めるタンク111が設置されている。例えば、水供給管130には開閉弁を配置して、後述する酸素濃度測定器113で測定された濃度の結果を基に開閉弁を開閉することにより、水132をタンク111から蒸気発生器104に間欠的に供給可能としている。タンク111には、水の供給口(図示せず)が設けられている。
タンク111には、ガス供給機構100bとして、ガス供給管112が設置されており、ガス供給管112の先端(図1のガス供給管112の下端)112aには、バブル形成機構の一例として多数の小孔が設けられている。ガス供給管112の他端には、置換ガス供給源の一例としての窒素ガス供給源131が接続されて、窒素ガス供給源131からガス供給管112には窒素ガスが供給されている。さらに、必要に応じて、タンク111の底部には、酸素濃度測定器113が設置されている。
以上のような過熱水蒸気処理装置100にて被加熱物101の処理を行うには、まず、処理室102に設置されたステージ103上に、被加熱物101を載置する。
次に、蒸気発生器104に水供給管130で接続されたタンク111に、水132を供給し(図示せず)、窒素ガス供給源131からガス供給管112を介して窒素ガスをタンク111の水132内に導入する。
酸素濃度測定器113で、タンク111内の水132内の酸素濃度を測定しながら、水132内の酸素濃度が所定濃度以下になったのち蒸気発生器104へ水を供給すると、蒸気発生器104から発生した水蒸気が、蒸気導入管106を通じて、処理室102に導かれる。その際、水蒸気は、過熱熱源105によって、急速に加熱され、いわゆる過熱状態を形成する。
以上のように、過熱水蒸気が処理室102に導入されることにより、被加熱物101の過熱水蒸気処理が開始される。
つまり、第1実施形態においては、ガス供給管112から導入された窒素ガスによって、タンク111内の水132に溶存している酸素量を減少させるようにしている。このようにタンク111内の水132に溶存している酸素量が減少しているため、蒸気導入管106を介して処理室102に導入された過熱水蒸気中の酸素量も減少し、被加熱物101の酸化が抑制される。
ここで、より具体的に、被加熱物101が、一例として、チタン又はマンガンあるいはニッケルなどの遷移元素を主成分とする水素吸蔵合金と結着剤等の有機物成分とで構成される複合材料であるとする。この複合材料から、水素吸蔵合金のみを回収する目的で、本第1実施形態における処理方法を適用した例について説明する。
前記構成の被加熱物101を、以下のようにして、本第1実施形態における処理方法に適用した。一例として、処理室102内で、5分間、過熱熱源105によって被加熱物101を過熱処理したとき、過熱蒸気の温度は350℃であった。このとき、被加熱物101に含まれる結着剤等の有機成分は、分解処理されるとともに、残存した水素吸蔵合金中の酸素濃度は、処理前の酸素濃度と比較して、0.5%以下の増加にとどまり、酸化促進を効果的に抑制することが可能であった。
第1実施形態においては、ガス供給管112の先端112aに多数の小孔を設けるとしたが、タンク111内にガスを供給できれば、ガス供給管112の先端112aである必要はなく、タンク111の水132内に浸かっているガス供給管112の中間部などに多数の小孔を設けるようにしてもかまわない。
過熱水蒸気処理装置100及びその処理方法の実施例として、水素吸蔵合金と結着剤等の有機物の複合材料を用いて説明したが、他の材料においても同様の効果を得ることが期待できる。
第1実施形態によれば、蒸気発生器104に送り込む前の水132に溶存する酸素を、置換ガスで予め置換するので、高度な酸化防止を要する被加熱物101の加熱処理においても、良好な酸化防止特性を有することができる。
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態における過熱水蒸気処理装置200の蒸気発生器204と該蒸気発生器204への水の供給機構200a及びガス供給管212の位置関係を示す概略断面図である。過熱水蒸気処理装置全体の構成と、蒸気発生器204への水の供給機構200a及びガス供給機構200b以外の構成要素とは、第1実施形態の説明で参照した図1と同一のため、その図示及び説明は省略する。また、その動作方法も、蒸気発生器204への水の供給方法が間欠的か連続的かの違いだけで第1実施形態と大略同一のため、その説明は省略する。
第2実施形態における過熱水蒸気処理方法及びその装置200の特徴は、図2において、水供給機構200aとして、蒸気発生器204に連続的に水232を供給する水供給管221が、蒸気発生器204との接続部分(第1横方向接続部)221aにおける水供給管221の断面積よりも大きな断面積の部分(第2横方向接続部)221cを有することにある。また、ガス供給機構200bとして、ガス供給管212が水供給管221に設置されているとともに、水供給管221の断面積が大きな部分(第2横方向接続部)221cにガス放出バルブ222が設置されていることにある。
具体的には、水供給機構200aとして、水供給管221は、蒸気発生器204に一端が接続される第1横方向接続部221aと、第1横方向接続部221aの他端が下端に連結されかつ水平でない概略垂直部221bと、概略垂直部221bの上端に一端が連結された第2横方向接続部221cとを備えて構成している。第1横方向接続部221aの他端と概略垂直部221bの下端とは、一例としてL字状に直角に屈曲するように連結されている。さらに、概略垂直部221bの上端と第2横方向接続部221cの一端とは、一例としてL字状に直角に屈曲するように連結されている。第1横方向接続部221aの一端は、蒸気発生器204と接続されて、第1横方向接続部221aが蒸気発生器204に横方向沿いに接続されている。第2横方向接続部221cの他端は、例えば、連続的に水232が供給される供給源(図示せず)に接続されている。水供給管221の第2横方向接続部221cの内部には、ガス供給管212の下端212aが挿入されて、下端212aの多数の小孔から第2横方向接続部221c内の水232内に、置換ガスが微小な泡状に噴出されるようにしている。このように、水232内に、置換ガスが微小な泡状に噴出されることにより、置換ガスと水232との接触面積が増大して、置換効率を向上させることができる。ガス供給管212の上端は、置換ガス供給源の一例としての窒素ガス供給源231に接続されている。概略垂直部さらに、水供給管221の蒸気発生器204に接続される第1横方向接続部221aの内径は、それ以外の部分(例えば、概略垂直部221b及び第2横方向接続部221c)に対し小さくなっていることにある。また、第1横方向接続部221aの内径よりも大きな内径を持つ水供給管221の第2横方向接続部221cの一端側の上部には、圧力式のガス放出バルブ222が設置されている。よって、先に述べたように、蒸気発生器204に水を供給する水供給管221の断面積において、概略垂直部221b及び第2横方向接続部221cが、蒸気発生器204との接続部分221aにおける第1横方向接続部221aの断面積よりも大きな断面積の部分となっている。このように、第1横方向接続部221aの断面積よりも大きな断面積の概略垂直部221b及び第2横方向接続部221cを有することにより、概略垂直部221b及び第2横方向接続部221cの上部(実際には、第2横方向接続部221cの上部)に、水232が通過しない空間221dを形成することができて、置換ガスと置換された酸素を貯める空間を確実に確保することができ、一旦、置換した酸素が、再び、水内に溶存しようとすることを防止することができる。
本第2実施形態において、第1実施形態と同様に過熱水蒸気処理を行なうと、水供給管221の第2横方向接続部221cの内部の上部には、水232が通過しない空間221dが形成される。ガス供給管212から置換ガスの一例としての窒素ガスを第2横方向接続部221c内の水232内に導入すると、水232内の溶存酸素と窒素ガスとの置換が開始され、第1実施形態と同様に、蒸気発生器204に供給される水232の酸素濃度は低下し始める。さらに、窒素ガス供給源231からガス供給管212を介して所望の圧力で窒素ガスを供給し続けると、水232が通過しない空間221dを介して、水供給管221の第2横方向接続部221cに設置されたガス放出バルブ222から、水232から離脱した酸素が水供給管221の外部に放出され、水232内の酸素濃度を効率的に低下することが可能となる。
つまり、蒸気発生器204に水232を供給する際に水232を一時的に滞留させることなく、連続的に供給される水232内の酸素濃度を低下することが可能となり、その結果、被加熱物101の酸化を効率的に抑制することが可能となる。
さらに、第2実施形態においては、水供給管221の第1横方向接続部221aにおける内径が、他の部分に比べて小さくなる例を用いて説明したが、水供給管221が、水供給管221の蒸気発生器204との接続部分221aの断面積よりも大きな断面積の部分(第2横方向接続部)221cを有すれば、任意の形状でもかまわない。また、水供給管221としては、必ずしも円筒状の形状である必要はなく、矩形の筒状の形状など任意の筒形状の部材でもよい。
また、ガス放出バルブ222は、圧力式のガス放出バルブの例を用いて説明したが、制御方式は、圧力式に限らないのは言うまでもない。さらに、バルブを設置することなく、放出された酸素を外部へ放出できる機構があればかまわない。
さらに、第2実施形態においては、二箇所の第1横方向接続部221aと第2横方向接続部221cと一箇所の概略垂直部221bを有する例を用いて説明したが、複数の横方向接続部及び概略垂直部を有していても問題はなく、複数設置することにより、酸素を放出する効率を向上することが可能となる。また、横方向接続部又は概略垂直部を必ず有する必要がないことは言うまでもない。
(第3実施形態)
図3は、本発明の第3実施形態における過熱水蒸気処理装置300の蒸気発生器304と該蒸気発生器304への水の供給機構300a及びガス供給管321の位置関係を示す概略断面図である。過熱水蒸気処理装置全体の構成と、蒸気発生器304への水の供給機構300a及びガス供給機構300b以外の構成要素とは、第1実施形態の説明で参照した図1と同一のため、その図示及び説明は省略する。また、その動作方法も第1実施形態と大略同一のため、その説明は省略する。
第3実施形態における過熱水蒸気処理方法及びその装置300の特徴は、図3において、蒸気発生器304に水332を供給する水供給管321が、断面積が一定である大径部321b以外に、蒸気発生器304に向かって断面積が小さくなっている部分(小径部)321aを有することにある。また、ガス供給管312の下端312aが水供給管321に設置されているとともに、水供給管321の大径部321bにガス放出バルブ322が設置されていることにある。ガス供給管312の上端は、置換ガスの供給源の一例としての窒素ガス供給源331に接続されている。
具体的には、水供給機構300aとして、水供給管321は、蒸気発生器304に一端が接続された小径部321aと、小径部321aの他端が一端に接続された大径部321bとを備えて構成している。小径部321aの内径は、蒸気発生器304に向かって徐々に小さくなるようにテーパ形状にしている。大径部321bの他端は、例えば、連続的に水332が供給される供給源(図示せず)に接続されている。
また、ガス供給機構300bとして、水供給管321の大径部321bの内部に、ガス供給管312の多数の小孔から置換ガスが微小な泡状に噴出される下端部312aを配置している。このように、水332内に、置換ガスが微小な泡状に噴出されることにより、置換ガスと水332との接触面積が増大して、置換効率を向上させることができる。また、水供給管321の大径部321bの上部には、圧力式のガス放出バルブ322が設置されている。
本第3実施形態において、第1実施形態と同様に過熱水蒸気処理を行なうと、水供給管321の小径部321aの上部及び大径部321bの上部に水332が通過しない空間321cが形成される。窒素ガス供給源331からガス供給管312を介して、置換ガスの一例としての窒素ガスを水供給管321の大径部321b内の水332内に導入すると、第1実施形態と同様に蒸気発生器304に供給される水332の酸素濃度は低下する。さらに、窒素ガス供給源331からガス供給管312を介して所望の圧力で窒素ガスを供給すると、ガス放出バルブ322から、水332から離脱した酸素が放出され、水332内の酸素濃度を効率的に低下することが可能となる。つまり、蒸気発生器304に水332を供給する際に、水332を一時的に滞留させることなく連続的に供給する場合においても、水332内の酸素濃度を低下することが可能となり、その結果、被加熱物101の酸化を効率的に抑制することが可能となる。このように、大径部321b以外に、蒸気発生器304に向かって断面積が小さくなっている部分(小径部)321aを、水供給管321が有しているため、水332が通過しない空間321cが、小径部321aよりも大径部321b側に形成しやすくなり、置換ガスと置換された酸素を貯める空間を確実に確保することができ、一旦、置換した酸素が、再び、水内に溶存しようとすることを防止することができる。
さらに、第3実施形態においては、水供給管321は、蒸気発生器304の近傍の小径部321aで内径が小さくなる例を用いて説明したが、水供給管221としては、必ずしも円筒状の形状である必要はなく、矩形の筒状の形状など任意の筒形状の部材でもよい。
また、ガス放出バルブ322は、圧力式のガス放出バルブの例を用いて説明したが、制御方式は、圧力式に限らないのは言うまでもない。さらに、バルブを設置することなく、放出された酸素を外部へ放出できる機構があればかまわない。
(第4実施形態)
図4は、本発明の第4実施形態における過熱水蒸気処理装置400の過熱熱源及び蒸気導入管406が処理室402に接続されている部分との位置関係を示す概略断面図である。過熱水蒸気処理装置全体の構成と、蒸気導入管406以外の構成要素とは、第1実施形態の説明で参照した図1と同一のため、その図示及び説明は省略する。また、その動作方法も第1実施形態と大略同一のため、その説明は省略する。
第4実施形態における過熱水蒸気処理方法及びその装置400の特徴は、図4において、過熱熱源405と処理室402との間の蒸気導入管406内に、エネルギ発生源の一例としてのプラズマ発生源431が設置されていることにある。
本第4実施形態において、プラズマ発生源431により、エネルギの一例としてのプラズマを発生させ、発生したプラズマを水蒸気に付与して処理室402に供給しながら、第1実施形態と同様に過熱水蒸気処理を行ない、かつ窒素ガス供給源131などからガス供給管112などを介して、水素を含むガスを置換ガスとして、蒸気発生器104、204、304に供給される水132、232、332内に供給して蒸気発生器104、204、304で水蒸気を発生させるようにしている。このように構成すると、前記水蒸気に付与されたプラズマにより、過熱水蒸気処理中に、過熱熱源405で加熱された水蒸気中に含まれる水素の一部が解離し、還元作用を増大させることが可能となる。つまり、被加熱物101の酸化を抑制するのみならず、被加熱物101を効率的に還元することが可能となる。
本第4実施形態においては、過熱熱源405と処理室402とに間の蒸気導入管406内にプラズマ発生源431を設置する例を用いて説明したが、過熱熱源405によって水蒸気が加熱された後であり、加熱された水蒸気が被加熱物101に至るまでであれば、処理室402内に設置してもかまわない。
なお、第4実施形態においては、プラズマ発生源431を用いる例について説明したが、水素ガスを解離する作用があるエネルギ源であれば、他の装置でもかまわない。このようなエネルギの他の例としては、UV(紫外線)照射、又は、加熱(熱エネルギ)などが例示できる。
また、第1〜第3実施形態の任意の実施形態に示した例と組み合わせてもよいことは言うまでもない。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
例えば、前記各実施形態においては、ガス供給管112、212、312から導入する置換ガスを一例として窒素ガスとしたが、置換ガスの別の例としては、アルゴンガスなどの不活性ガスであってもかまわない。
また、置換ガスが、水素を含むガスであれば、水素による還元作用により、金属の酸化をより抑制することができる。
また、ガス供給管112、212、312を1本としたが、複数であってもかまわない。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明の過熱水蒸気処理方法及びその装置は、酸化の防止が必要な被加熱物の加熱処理において、水蒸気中の酸素濃度を低減できるため、金属と有機物との複合材料から金属を取り出すリサイクル工程又は機能性材料の処理等、様々な工業分野における熱処理工程での利用が可能となる。
100、200、300、400 過熱水蒸気処理装置
100a、200a、300a 水供給機構
100b、200b、300b ガス供給機構
101 被加熱物
102、402 処理室
103 ステージ
104、204、304 蒸気発生器
105、405 過熱熱源
106、406 蒸気導入管
111 タンク
112、212、312 ガス供給管
112a、212a、312a ガス供給管の下端 113 酸素濃度測定器
130、221、321 水供給管
131、231、331 窒素ガス供給源
132、232、332 水
221a 第1横方向接続部
221b 概略垂直部
221c 第2横方向接続部
221d 水が通過しない空間
222、322 ガス放出バルブ
321a 小径部
321b 大径部
321c 水が通過しない空間
431 プラズマ発生源

Claims (5)

  1. 水が供給され、供給された水から水蒸気を発生させる蒸気発生器と、
    前記蒸気発生器で発生した前記水蒸気を加熱する過熱熱源と、
    前記過熱熱源で加熱され前記水蒸気が送り込まれて被処理物の過熱水蒸気処理を行なう処理室とを備え、
    さらに、前記蒸気発生器に供給する前記水の水供給管に、前記蒸気発生器に送り込む前の前記水に溶存する酸素と置換可能な置換ガスを供給するガス供給機構を備え、
    前記水供給管が、前記蒸気発生器との接続部における前記水供給管の断面積よりも大きな断面積の部分を前記水供給管を水平に設置する位置に有し、前記蒸気発生器に供給する前記水供給管の断面積が、前記蒸気発生器に向かって小さくなる部分を有する過熱水蒸気処理装置。
  2. 前記蒸気発生器に供給する前記水供給管が、少なくとも一箇所、水平でない部分を有する請求項1に記載の過熱水蒸気処理装置。
  3. 水が供給され、供給された水から水蒸気を発生させる蒸気発生器と、
    前記蒸気発生器で発生した前記水蒸気を加熱する過熱熱源と、
    前記過熱熱源で加熱され前記水蒸気が送り込まれて被処理物の過熱水蒸気処理を行なう処理室とを備え、
    さらに、前記蒸気発生器に供給する前記水の水供給管に、前記蒸気発生器に送り込む前の前記水に溶存する酸素と置換可能な置換ガスを供給するガス供給機構を備え、
    前記水供給管が、前記蒸気発生器との接続部における前記水供給管の断面積よりも大きな断面積の部分を前記水供給管を水平に設置する位置に有し、
    前記蒸気発生器に供給する前記水供給管が、少なくとも一箇所、水平でない部分を有する過熱水蒸気処理装置。
  4. 前記ガス供給機構は、前記水に対して、前記置換ガスを泡状に供給するバブル形成機構を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の過熱水蒸気処理装置。
  5. 前記過熱熱源よりも下流側に、前記過熱熱源で加熱されて前記処理室に供給される前記水蒸気にエネルギを付与するエネルギ発生源を設置する請求項1から4のいずれか1項に記載の過熱水蒸気処理装置。
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