JP6149835B2 - ゴルフクラブ - Google Patents
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Description
しかしながら、ゴルファーが所望するクラブ長さは一様ではなく、特にドライバーの場合には、より長いもの、或いは、より短いものを要求する場合がある。
このような場合、グリップの軸線方向において、グリップを握る位置をずらして利用して対応することも可能であるが、グリップがテーパ形状を備えていることから、握る領域の太さが通常時と異なってしまうので、違和感をもたらしてしまう、という不都合を招来する。
従って、グリップの握る位置を変えることなく、クラブ長さを調整することができれば、上述した要求に対応することができる。
また、クラブ長さを長くした場合、ボールのバックスピン量が過大となり、ボールが上がり過ぎて、いわゆる「吹き上がる」状態をもたらし、飛距離が低下する、という不都合もある。これは、シャフトが撓り易くなってゴルフクラブのロフト角(フェース面がシャフト軸を含む鉛直面となす角度)が、大きくなりすぎた状態でインパクトしてしまうことに起因するものと考えられる。
なお、クラブを短くした場合には長寸タイプに比べてコントロールし易くなるが、一方で、ヘッドスピードが落ち、ボールが上がり難くなって飛距離を低化させる原因となる。これは、ゴルフクラブのロフト角が小さくなった状態でインパクトすることに起因するものと考えられる
前記特許文献1は、例えば、図7(A)に示されるように、ヘッド50のヒール側であってフェース面50A寄りに位置するホーゼル部51に、シャフト52の下部に固定された有底のスリーブ53が挿入可能に設けられている。スリーブ53の底部55には、ホーゼル部51の底部54を貫通するボルト56がねじ込み可能となっており、これによってシャフト52がホーゼル部51に固定される。また、図7(B)に示されるように、スリーブ53の挿入深さを浅くし、当該スリーブ53とホーゼル部51の底部55との間にスペーサ57を配置するとともに、スリーブ53の上端フランジ部とホーゼル部51の上端部との間にスペーサ58を配置してボルト56をねじ込むことでクラブ長さを長くすることができるようになっている。
なお、図7(A)、(B)では、スリーブ53のシャフト挿入穴がスリーブ53の外周円筒面の軸線に対して傾いたものが用いられているが、シャフト挿入穴が前記軸線に一致するものに交換することで、ロフト角も調整可能となっている。
従って、例えば、クラブ長さとロフト角調整とを行う場合には、それぞれ独立した調整作業が不可避となり、作業が複雑となる不都合がある。特に、初心者の場合、クラブ長さの変更に伴って、どの程度角度を調整すれば良いか分からないため、簡易且つ迅速な調整は期待できない。
前記シャフトをその軸線回りに回転させることなく当該シャフトの挿入深さを変化させることにより、クラブの長さが調整可能に設けられているとともに、前記シャフトの挿入深さを変化させることにより、シャフト取付部とシャフトとが、当該シャフトの軸線を含む面内に沿って相対的に回転変位してロフト角及びライ角の少なくとも一方が調整可能に設けられる、という構成を採っている。
ロフト角やライ角を変更する場合、唯一の面内でシャフト取付部とシャフトとを、相対的に回転させればよい。例えば、ロフト角のみ調整するならば、フェース面と直交する鉛直平面内で考えればよく、ライ角のみ調整するならば、上記鉛直平面を鉛直方向の軸に関して90度回転させた平面内で考える必要がある。そして、ロフト角及びライ角を変更する場合は、この90度の範囲内で適宜、回転させた平面内を想定すればよい。
本構成によれば、クラブの長さが変化するのに伴って、自動的にロフト角及びライ角の少なくとも一方が調整されるため、単にクラブ長さを変更した際に生じてしまう意図しない打ち出し方向の変化やヘッドスピードの低下などの種々の不都合を解消することができる。
前記シャフトの先端側は、前記挿入空間に対応する外形に設けられる、という構成を採用するとよい。
前記シャフト取付部にシャフトを固定する固定手段を含み、
前記固定手段は、前記底部に設けられた穴部と、
前記ヘッドのソール面側から挿入されて前記シャフト取付部の前記穴部を貫通可能な雄ねじと、
前記シャフト先端側に設けられた雌ねじ部とにより構成することができる。
この際、前記固定手段は、長さが異なる複数のねじと、
前記シャフト取付部の底部とシャフト先端との間に配置され、前記挿入空間に対応する外形を有するスペーサを含む構成とすることが好ましい。
従って、ゴルファーが所有していないゴルフクラブの設定としたり、実際には市販されていない架空のゴルフクラブ仕様に変更することも可能となる。
また、シャフト取付部の挿入空間を円弧状の軌跡に沿って設け、シャフトの先端側がこれに対応する外形に設けられているから、円弧の軌跡が形成される面内でシャフトとヘッドとが相対回転可能となる。従って、相対回転する面をフェース面に沿う面に設定したり、或いは、フェース面に直交する面とするだけで、ライ角やロフト角の調整が行えることとなる。
また、本発明に係る固定手段によれば、ねじの着脱操作を行うだけで前述した調整を行うことができ、ゴルファー自身において、容易且つ迅速に調整を行うことができ、ゴルフショップに委ねる必要性を排して経済的にも有利となる。なお、スペーサを用いた構成とすることで、シャフトを長くしたときに生じ得るシャフト取付部内の空間を埋めて固定強度を強固に保つことができる。
また、本発明におけるライ角とは、ヘッドを設計上の基準となる姿勢に保ったときに、シャフト軸が水平面となす角度のことである。また、本発明におけるロフト角とは、シャフト軸が水平面となす角度を設計値に保ったときに、フェース面が、シャフト軸を含む鉛直面となす角度である。
図1及び図2において、ゴルフクラブ10は、いわゆる「ドライバー」と称されるウッドタイプのゴルフクラブを構成するヘッド11と、シャフト取付部を構成するホーゼル部12を介してヘッド11に取り付けられたシャフト13とを含む。ヘッド11は、上面側となるクラウン面15と、下面側となるソール面16と、これらのトウ側からバック側を通ってヒール側に至る外周面を形成するサイド面17と、打撃面となるフェース面18とを備えて構成されている。
なお、スリーブ27は、有底とされてその途中までシャフト13の差し込みが行えるものであり、その底部(下端)側には、ホーゼル部12の底部21に設けられたスロット穴22を通って延びる長寸ねじ24及び短寸ねじ25がねじ込み可能となる雌ねじ33が形成されている。
なお、スペーサSは軸方向長さが種々異なる複数個用意し、それに応じてねじを複数用意しておくことで、スリーブ27の微細な挿入深さ調整が可能となる。
また、短寸ねじ25を用いた状態においてトウ側がフラットの位置よりも下がるような設定としてもよい。
次に、本発明の第2実施形態について、図5、図6を参照しつつ説明する。なお、図5、6中二点鎖線は、断面した位置よりも奥側に見えるヘッドの外形を示すものである。また、以下の説明において、前記第1実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いるものとし、説明を省略若しくは簡略にする。
そのため、図5、図6に示されるように、ホーゼル部12が、フェース面18に略直交する鉛直面内において円弧状にフェース側に湾曲する向きとなるように設けられている。ここで、円弧の中心は、ヘッド11のバック側に位置するものであり、これにより、ホーゼル部12の中央部が上下よりもフェース面18側に位置するように反った湾曲形状となっている。また、ホーゼル部12の底部21に設けられたスロット穴22、ソール面16側の凹部16Aの上部に設けられたスロット穴23は、図5中左右方向に延びる向きで形成されている。なお、シャフト13は、図示しないグリップにバックラインが入っていないタイプであれば、シャフト軸線を中心として90度周方向に回転させて用いればよいことになる。その他の構成は、実質的に第1実施形態と同様である。
第3実施形態は、クラブ長さを調整したときに、ライ角とロフト角とを同時に調整できるようにした点に特徴を有する。
すなわち、第3実施形態におけるホーゼル部12及びスリーブ27の外形は、図4に示されるように、円弧の中心がヘッド11のヒール側に位置する円弧状に湾曲した形状となり、且つ、図5に示されるように、円弧の中心がヘッド11のバック側に位置する円弧状に湾曲した形状とが合成された形状となるように設けられている。つまり、円弧の中心がヒール側とバック側との間にあるように設定されている。
このような第3実施形態によれば、クラブ長さを長くしたときに、初期のライ角よりも小さい角度となるようにライ角を調整することができ、且つ、クラブ長さの変更に伴って、ライ角とロフト角とが自動的に連動して変更されるため、ロフト角を相対的に小さく設定することができる。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施の形態に対し、形状、位置等、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
例えば、4番アイアンに本発明が適用されて0.5インチ長くしたときに、ロフト角を3度立てるようにした場合には、3番アイアンと同様に用いることができる。従って、3番アイアンを有していないゴルファーでも、3番アイアンを所有したに等しいことになる。
更に、スリーブ27は必ずしも設けなくてもよく、シャフト13の先端側が、スリーブ27と実質的に同一の構造に形成されていれば足りる。
Claims (4)
- ヘッドのシャフト取付部にシャフトの先端側を挿入して当該シャフトをヘッドに固定可能としたゴルフクラブにおいて、
前記シャフトをその軸線回りに回転させることなく当該シャフトの挿入深さを変化させることにより、クラブの長さが調整可能に設けられているとともに、
前記シャフトの挿入深さを変化させることにより、シャフト取付部とシャフトとが、当該シャフトの軸線を含む面内に沿って相対的に回転変位してロフト角及びライ角の少なくとも一方が調整可能に設けられていることを特徴とするゴルフクラブ。 - 前記シャフト取付部はシャフト先端側の挿入空間を備えた管状をなし、当該挿入空間は、前記ヘッドのフェース面と略平行な面内又はフェース面と略直交する面内で円弧状の軌跡に沿って設けられ、
前記シャフトの先端側は、前記挿入空間に対応する外形に設けられていることを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブ。 - 前記シャフト取付部は底部を有し、
前記シャフト取付部にシャフトを固定する固定手段を含み、
前記固定手段は、前記底部に設けられた穴部と、
前記ヘッドのソール面側から挿入されて前記シャフト取付部の前記穴部を貫通可能な雄ねじと、
前記シャフト先端側に設けられた雌ねじ部とにより構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のゴルフクラブ。 - 前記固定手段は、長さが異なる複数のねじと、
前記シャフト取付部の底部とシャフト先端との間に配置され、前記挿入空間に対応する外形を有するスペーサを含むことを特徴とする請求項3記載のゴルフクラブ。
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