JP6149276B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パワーステアリング装置に関する。
この種の技術としては、下記の特許文献1に記載の技術が開示されている。特許文献1には、電動式パワーステアリング装置において、ラックハウジングのボールジョイント収容孔内に緩衝部材を設けることにより、ストロークエンドにおいてボールジョイントがラックハウジングに衝接する際の衝撃力を緩和している。この緩衝部材は、金属部材と、金属部材に接着された弾性部材とから構成され、金属部材がラックハウジングのボールジョイント収容孔内に圧入により固定されている。
特開2003-312491号公報
特許文献1に記載の技術では、緩衝部材を組み付ける際の金属部材のラックハウジングへの圧入作業が煩雑になるという問題があった。
本発明は、上記問題に着目されたもので、その目的とするところは、緩衝部材の組み付け作業を容易にすることができるパワーステアリング装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明のパワーステアリング装置では、圧縮変形によりラックバーがストロークエンドに到達するときの衝撃を緩和する緩衝部材本体部と、この緩衝部材本体部と同じ材料により緩衝部材本体部の径方向外側に設けられラックハウジングの内周面と当接する保持部と、を設けた
よって、緩衝部材を保持部の摩擦力によってラックハウジング内に保持させることにより、金属部材の圧入により固定する場合に比べて、組み付け性が良い
実施例1のパワーステアリング装置の正面図である。 実施例1のラックバー端部を表す拡大断面図である。 実施例1の変形例を表す断面図である。 実施例2のラックバー端部を表す拡大断面図である。 実施例2の変形例を表す断面図である。
[実施例1]
実施例1のパワーステアリング装置1について説明する。実施例1のパワーステアリング装置1は、電動モータ40の駆動力を、ボールねじ機構41を介して転舵軸10に伝達することで運転者の操舵力に対するアシスト力を付与するものである。
〔パワーステアリング装置の構成〕
図1はパワーステアリング装置1の正面図である。パワーステアリング装置1は、運転者が操舵したステアリングホイールの回転を、転舵輪を転舵させるラックバー10に伝達する操舵機構2と、ラックバー10にアシスト力を付与するアシスト機構3とを有している。操舵機構2は、ステアリングホイールに連結する操舵入力軸80と、操舵入力軸80と一体に回転するピニオンギアと、ラックバー10の外周に形成されたラック歯とを有し、ピニオンギアとラック歯と噛み合うことでラック&ピニオン機構を構成している。
アシスト機構3は、電動モータ40と、電動モータ40の出力をラックバー10に伝達するボールねじ機構41とを有している。電動モータ40は、運転者によりステアリングホイールに入力された操舵トルクおよび操舵量に応じてモータコントローラにより出力が制御され、ラックバー10に対してアシストトルクを付与する。このように、ステアリングホイールからの操舵トルクはラック&ピニオン機構を介してラックバー10に入力され、アシストトルクはラック&ピニオン機構とは異なる軸方向位置であってボールねじ機構によりラックバー10に入力されるため、ラック歯に対して過度な負担をかけることなくアシストトルクを付与できる。
ラックバー10は、金属材料で筒状に形成されたラックハウジング31及び32内に軸方向移動可能に収容されている。ラックバー10の両端部には、転舵輪に接続されたタイロッド6と接続するためのボールジョイント5が設けられている。以下、図1の領域Aで示された部分について詳述する。
図2は実施例1のラックバー端部を表す拡大断面図である。便宜的に図1の右側端部を拡大した図を示すが、基本的な構成は図1の左側端部とも同じであるため、右側端部のみ説明する。尚、図2のボールジョイント5の位置は、ラックバー10がストロークエンドに到達しつつ、ラックバー10に軸力が作用していない状態を示す。
ボールジョイント5は、タイロッド6の先端部に形成されたボール61と、ジョイント部材50から構成されている。ジョイント部材50は、ねじ部51と、ボール61の回動を許容しつつラックバー10の軸力をタイロッド6に伝達可能なジョイント部52とを有する。ラックバー10の端部には、内周にねじ部が形成された取り付け孔101が穿設され、ジョイント部材50のねじ部51が挿入されて取り付けられている。
以下、説明にあたり、ボール61の中心を通り、ラックバー10が移動する軸方向に沿う仮想線を基準軸01とし、基準軸01に対する放射方向を径方向と定義する。ジョイント部材50には、ラックバー10の外周面10aよりも径方向外側に延びラックバー10側に向かってボールジョイント当接面53が形成されている。また、ラックハウジング32の軸方向端部側には、ジョイント部材50の少なくとも一部を収容するようにボールジョイント収容部32aが形成されている。
ラックハウジング32には、ラックバー10を基準軸01方向に移動可能に収容するラックバー収容部32bが設けられている。ラックバー収容部32bは、ボールジョイント収容部32aよりも軸方向内側(車幅方向内側)に配置され、内径32b1がボールジョイント収容部32a及びジョイント部材50の外径52aよりも小さくなるように形成されている。
また、ラックハウジング32には、基準軸01方向においてボールジョイント収容部32aとラックバー収容部32bとの間に配置され、内周面7aの内径がボールジョイント収容部32aの内径32a2よりも小さく、かつ、ラックバー収容部32bの内径32b1よりも大きくなるように形成された緩衝部材収容部7が設けられている。緩衝部材収容部7は、内周面7aと、段差面7bとを有し、この段差面7bと当接する断面L字型の円環状部材71が収装されている。円環状部材71は、後述する緩衝部材本体部72の軸方向内側端部72eに接着された金属材料である。円環状部材71は、円筒状の筒部71aと、筒部71aの端部から径方向外側に延在された円盤状のプレート部71bとから構成され、プレート部71bの基準軸01方向内側に、段差面7bと当接するプレート当接面71b1を有する。プレート部71bの外径は内周面7aよりも小径に形成されており、内周面7aに対して圧入等はなされることなく収装される。筒部71aの外周には後述する緩衝部材本体部72が収装されている。
緩衝部材収容部7内には、ゴムまたは樹脂材料によって筒状に形成され、ラックバー10がストロークエンドに到達するときボールジョイント当接面53とラックバー収容部32bとの間で圧縮されることによりラックバー10がストロークエンドに到達するときの衝撃を緩和する緩衝部材本体部72が設けられている。
緩衝部材本体部72の径方向外側には、非圧縮状態において、外径の径方向位置が円環状部材71の外径よりも外側とされた保持部72aが設けられている。この保持部72aは、緩衝部材本体部72と同じ材料によって一体成型され、緩衝部材収容部7内において圧縮された状態で緩衝部材収容部7の内周面73と当接することで摩擦力を発生させ、これにより緩衝部材本体部72を緩衝部材収容部7内に保持させる。よって、金属材料の圧入に比べて簡単に装着でき、組み付け容易性を確保できる。尚、保持部72aの詳細については後述する。
基準軸01方向において緩衝部材本体部72のボールジョイント側端部72bには、ストッパ部材74が接着されている。このストッパ部材74は、金属材料で円環状(または円弧状でもよい)に形成され、内径74aがボールジョイント当接面53の外径52aよりも小さく、かつ、外径74bが緩衝部材収容部7の内径7aよりも大きく、かつ、ボールジョイント収容部32aの内径よりも小さくなるように形成されている。
そして、ラックバー10がストロークエンドに到達するとき、ボールジョイント当接面53との対向面74cがボールジョイント当接面53と当接する一方、ボールジョイント収容部32aと緩衝部材収容部7との間の段部32cとの対向面74dが段部32cと当接することで、ラックバー10の基準軸01方向への移動を規制する。尚、実施例1では、筒部71aのタイロッド側端部の軸方向位置を、段部32cよりも基準軸01方向内側に設定し、段部32cのみで当接させているが、筒部71aのタイロッド6側端部の軸方向位置を、段部32cと略同一位置とし、ストッパ部材74の対向面74dが段部32cと当接するとき、内径側において筒部71aの端部と当接させて安定的なストッパ機能を達成してもよい。この場合、筒部71aの内周面71a1の径方向位置は、ストッパ部材74の内径74aと略同一もしくは外側に位置することが望ましい。
(保持部の構成)
保持部72aは、保持部72aの外径が、軸方向の内側から外側に向かって徐々に拡大するように形成されており、いわゆる楔形状となることで、緩衝部材の組み付け性を向上させつつ緩衝部材の脱落を抑制する。また、保持部72aは、緩衝部材本体部72の基準軸01方向の全域よりも短い所定範囲において緩衝部材本体部72の外周面72cから径方向外側方向に突出するように形成されている。
このように、保持部72aの軸方向長さを緩衝部材本体部72の基準軸01方向の長さよりも短くすることで、緩衝部材の緩衝特性に対する保持部の影響を抑制することができ、緩衝部材のチューニングを容易化する。また、径方向への保持力のみ確保することで、ラックハウジング32に組み付ける際、容易に圧入できるため、組み付け性の向上を図っている。
また、保持部72aは、緩衝部材本体部72がラックハウジング32に組み付けられた状態において、保持部72aの全体が段部32cよりも基準軸01方向の内側に位置するように形成されている。これにより、保持部72aが段部32cとストッパ部材74との間に挟み込まれて損傷することを抑制する。
(実施例1の効果)
以下、上記実施例1の作用効果について列挙する。
(1)ステアリングホイールの回転に伴い軸方向移動することにより転舵輪を転舵させるラックバー10と、
ラックバー10を軸方向に移動可能に収容し、金属材料で筒状に形成されたラックハウジング32と、
ラックバー10に操舵力を付与するアシスト機構3(操舵力付与手段)と、
ラックバー10の両端部に設けられ、転舵輪に接続されたタイロッド6と接続するためのジョイントであるボールジョイント5と、
ボールジョイント5のボール61の中心を通り軸方向に沿う仮想線を基準軸01とし、基準軸01に対する放射方向を径方向としたとき、ボールジョイント5に設けられ、ラックバー10の外周面10aよりも径方向外側に延びラックバー10側に向かって形成されたボールジョイント当接面53と、
ラックハウジング32の軸方向端部側に設けられ、内径32a2がボールジョイント5の外径52aよりも大きくなるように形成され、ラックバー10がストロークエンドに到達するときボールジョイント5の少なくとも一部を収容するように形成されたボールジョイント収容部32aと、
ラックハウジング32に設けられ、ボールジョイント収容部32aよりも軸方向内側に配置され、内径がボールジョイント収容部32aおよびボールジョイント5の外径52aよりも小さくなるように形成され、ラックバー10を軸方向に移動可能に収容するラックバー収容部32bと、
ラックハウジング32に設けられ、軸方向においてボールジョイント収容部32aとラックバー収容部32bの間に配置され、内径7aがボールジョイント収容部32aの内径32a2よりも小さく、かつ、ラックバー収容部32bの内径32b1よりも大きくなるように形成された緩衝部材収容部7と、
緩衝部材収容部7内に設けられ、ゴム(または樹脂材料)によって筒状に形成され、ラックバー10がストロークエンドに到達するときボールジョイント当接面53とラックバー収容部32bとの間で圧縮されることによりラックバー10がストロークエンドに到達するときの衝撃を緩和する緩衝部材本体部72と、
緩衝部材本体部72の径方向外側に設けられ、緩衝部材本体部72と同じ材料によって一体成型され、緩衝部材収容部7内において圧縮された状態で緩衝部材収容部7の内周面7aと当接することで摩擦力を発生させることにより緩衝部材本体部72を緩衝部材収容部7内に保持させる保持部72aと、
軸方向において緩衝部材本体部72のボールジョイント側端部72bに接着され、金属材料で円環状(または円弧状)に形成され、内径74aがボールジョイント当接面53の外径52aよりも小さく、かつ、外径74bが緩衝部材収容部7の内径7aよりも大きく、かつ、ボールジョイント収容部32aの内径32a2よりも小さくなるように形成され、ラックバー10がストロークエンドに到達するとき、ボールジョイント当接面53との対向面74cがボールジョイント当接面53と当接し、ボールジョイント収容部32aと緩衝部材収容部7との間の段部32cとの対向面74dが段部32cと当接することによりラックバー10の軸方向移動を規制するストッパ部材74と、から構成される緩衝部材を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
すなわち、緩衝部材を保持部72aの摩擦力によって緩衝部材収容部7内に保持させることにより、金属部材の圧入により固定する場合に比べて組み付け性が良好となる。また、段差32cと当接するストッパ部材74を設けたことで、ゴム(または樹脂材料)で形成された緩衝部材本体部72及び保持部72aが過度に圧縮され損傷することを抑制できる。
(2)上記(1)に記載のパワーステアリング装置において、保持部72aは、緩衝部材本体部72の軸方向の全域よりも短い所定範囲において緩衝部材本体部72の外周面72cから径方向外側方向に突出するように形成されることを特徴とするパワーステアリング装置。
すなわち、保持部72aの軸方向長さを緩衝部材本体部72の軸方向長さよりも短くすることにより、緩衝部材本体部72の緩衝特性に対する保持部72aの影響を抑制することができ、緩衝部材本体部72のチューニングを容易化できる。また、径方向への保持力のみ確保しているため、簡単に圧入することができ、組み付け性を向上できる。
(3)上記(2)に記載のパワーステアリング装置において、保持部72aは、保持部72aの外径が、軸方向の内側から外側に向かって徐々に拡大するように形成されることを特徴とするパワーステアリング装置。
すなわち、保持部72aがいわゆる楔形状となることで、緩衝部材の組み付け性を向上させつつ、緩衝部材の脱落を抑制できる。
(4)上記(2)に記載のパワーステアリング装置において、保持部72aは、緩衝部材がラックハウジング32に組み付けられた状態において、保持部72a全体が段部32cよりも軸方向の内側に位置するように形成されることを特徴とするパワーステアリング装置。
よって、保持部72aが段部32cとストッパ部材74との間に挟み込まれ、損傷することを抑制することができる。
(実施例1の変形例)
図3は実施例1の変形例を表す断面図である。実施例1ではストッパ部材74は平板形状であり、円環状部材71は、筒部71aとプレート部71bから構成された断面略L字型部材であった。これに対し、図3(a)に示す変形例1では、ストッパ部材741が断面略L字型部材であり、円環状部材711が平板形状とされている。また、図3(b)に示す変形例2では、ストッパ部材742及び円環状部材712が共に断面略L字型部材とされている。いずれの変形例であっても、ストッパ部材741もしくは742が段差32cと当接することで実施例1と同様の作用効果が得られる。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図4は実施例2のラックバー端部を表す拡大断面図である。実施例1では段部32cによってストッパ部材74を受け止める構成とした。これに対し、実施例2では段部を形成せず、ラックバー収容部側にもストッパ部材を構成し、このストッパ部材によりストッパ部材74の荷重を受け止める構成としたものである。
ボールジョイント側ストッパ部材74は、軸方向において緩衝部材本体部72のボールジョイント側端部72bに接着された金属材料であり、円環状(または円弧状)に形成されている。ボールジョイント側ストッパ部材74は、その内径74aがボールジョイント当接面53の外径52aよりも小さく、かつ、外径74bがボールジョイント収容部32aの内径32a2よりも小さくなるように形成されている。
軸方向において緩衝部材本体部72のラックバー収容部側端部72eには、ラックバー収容部側ストッパ部材710が接着されている。ラックバー収容部側ストッパ部材710は、金属材料であり、円環状(または円弧状)に形成されている。緩衝部材本体部72がボールジョイント当接面53とラックバー収容部32との間での圧縮荷重を受けない状態において、ラックバー収容部側ストッパ部材710は、ボールジョイント側ストッパ部材74と軸方向において互いに接触しないように所定距離離間して配置されている。そして、ラックバー10がストロークエンドに到達するとき緩衝部材本体部72よりも径方向内側においてボールジョイント側ストッパ部材74と当接することによりラックバー10の軸方向移動を規制する。
(保持部の構成)
保持部72aは、保持部72aの外径が、軸方向の内側から外側に向かって徐々に拡大するように形成されており、いわゆる楔形状となることで、緩衝部材の組み付け性を向上させつつ緩衝部材の脱落を抑制する。また、保持部72aは、緩衝部材本体部72の基準軸01方向の全域よりも短い所定範囲において緩衝部材本体部72の外周面72cから径方向外側方向に突出するように形成されている。
このように、保持部72aの軸方向長さを緩衝部材本体部72の基準軸01方向の長さよりも短くすることで、緩衝部材の緩衝特性に対する保持部の影響を抑制することができ、緩衝部材のチューニングを容易化する。また、径方向への保持力のみ確保することで、ラックハウジング32に組み付ける際、容易に圧入できるため、組み付け性の向上を図っている。
また、保持部72aは、緩衝部材本体部72がボールジョイント当接面53とラックバー収容部32との間で圧縮荷重を受けない状態において、軸方向においてボールジョイント側ストッパ部材74またはラックバー収容部側ストッパ部材710との間に空間が形成される。具体的には、緩衝部材本体部72の外周面72c,内周面73,保持部72a及びボールジョイント側ストッパ部材74で閉塞された空間と、緩衝部材本体部72の外周面72c,内周面73,保持部72a及びラックバー収容部側ストッパ部材710で閉塞された空間とが形成されるように形成されている。この空間によって、緩衝部材本体部72が圧縮されたときの変形時の逃げ代を確保することができ、緩衝部材本体部72の緩衝特性のチューニングが容易となる。
(実施例2の効果)
以下、上記実施例2の作用効果について列挙する。
(5)ステアリングホイールの回転に伴い軸方向移動することにより転舵輪を転舵させるラックバー10と、
ラックバー10を軸方向に移動可能に収容し、金属材料で筒状に形成されたラックハウジング32と、
ラックバー10に操舵力を付与するアシスト機構3(操舵力付与手段)と、
ラックバー10の両端部に設けられ、転舵輪に接続されたタイロッド6と接続するためのジョイントであるボールジョイント5と、
ボールジョイント5のボール61の中心を通り軸方向に沿う仮想線を基準軸01とし、基準軸01に対する放射方向を径方向としたとき、ボールジョイント5に設けられ、ラックバー10の外周面10aよりも径方向外側に延びラックバー10側に向かって形成されたボールジョイント当接面53と、
ラックハウジング32の軸方向端部側に設けられ、内径32a2がボールジョイント5の外径52aよりも大きくなるように形成され、ラックバー10がストロークエンドに到達するときボールジョイント5の少なくとも一部を収容するように形成されたボールジョイント収容部32aと、
ラックハウジング32に設けられ、ボールジョイント収容部32aよりも軸方向内側に配置され、内径がボールジョイント収容部32aおよびボールジョイント5の外径52aよりも小さくなるように形成され、ラックバー10を軸方向に移動可能に収容するラックバー収容部32bと
ボールジョイント収容部32a内に設けられ、ゴム(または樹脂材料)によって筒状に形成され、ラックバー10がストロークエンドに到達するときボールジョイント当接面53とラックバー収容部32bとの間で圧縮されることによりラックバー10がストロークエンドに到達するときの衝撃を緩和する緩衝部材本体部72と、
緩衝部材本体部72の径方向外側に設けられ、緩衝部材本体部72と同じ材料によって一体成型され、ボールジョイント収容部32a内において圧縮された状態でボールジョイント収容部32aの内周面73と当接することで摩擦力を発生させることにより緩衝部材本体部72をボールジョイント収容部32a内に保持させる保持部72aと、
軸方向において緩衝部材本体部72のボールジョイント側端部72bに接着され、金属材料で円環状(または円弧状)に形成され、内径74aがボールジョイント当接面53の外径52aよりも小さく、かつ、外径74bがボールジョイント収容部32aの内径32a2よりも小さくなるように形成されたボールジョイント側ストッパ部材74と、
軸方向において緩衝部材本体部72のラックバー収容部側端部72eに接着され、金属材料で円環状(または円弧状)に形成され、緩衝部材本体部72がボールジョイント当接面53とラックバー収容部32との間での圧縮荷重を受けない状態において、ボールジョイント側ストッパ部材74と軸方向において互いに接触しないように所定距離離間し、ラックバー10がストロークエンドに到達するとき緩衝部材本体部72よりも径方向内側においてボールジョイント側ストッパ部材74と当接することによりラックバー10の軸方向移動を規制するラックバー収容部側ストッパ部材710と、から構成される緩衝部材を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
すなわち、緩衝部材を保持部72aの摩擦力によってボールジョイント収容部32a内に保持させることにより、金属部材の圧入により固定する場合に比べて組み付け性が良好となる。また、ストロークエンドにおいてボールジョイント側ストッパ部材74とラックバー収容部側ストッパ部材710とが互いに当接する構造としたことにより、ゴムまたは樹脂材料で形成された緩衝部材本体部72の保持部72aが過度に圧縮され損傷することを抑制できる。
(6)上記(1)に記載のパワーステアリング装置において、保持部72aは、緩衝部材本体部72の軸方向の全域よりも短い所定範囲において緩衝部材本体部72の外周面72cから径方向外側方向に突出するように形成されることを特徴とするパワーステアリング装置。
すなわち、保持部72aの軸方向長さを緩衝部材本体部72の軸方向長さよりも短くすることにより、緩衝部材本体部72の緩衝特性に対する保持部72aの影響を抑制することができ、緩衝部材本体部72のチューニングを容易化できる。また、径方向への保持力のみ確保しているため、簡単に圧入することができ、組み付け性を向上できる。
(7)上記(6)に記載のパワーステアリング装置において、保持部72aは、緩衝部材本体部72がボールジョイント当接面53とラックバー収容部32との間で圧縮荷重を受けない状態において、軸方向においてボールジョイント側ストッパ部材74またはラックバー収容部側ストッパ部材710との間に空間が形成されるように形成されることを特徴とするパワーステアリング装置。
よって、空間が緩衝部材圧縮時の逃げ代となり、緩衝部材の緩衝特性のチューニングが容易となる。
(実施例2の変形例)
図5は実施例2の変形例を表す断面図である。実施例2ではボールジョイント側ストッパ部材740は平板形状であり、ラックバー収容部側ストッパ部材710は、断面略L字型部材であった。これに対し、図5(a)に示す変形例3では、ボールジョイント側ストッパ部材743が断面略L字型部材であり、ラックバー収容部側ストッパ部材713が平板形状とされている。また、図5(b)に示す変形例4では、ボールジョイント側ストッパ部材744及びラックバー収容部側ストッパ部材714が共に断面略L字型部材とされている。いずれの変形例であっても、ボールジョイント側ストッパ部材とラックバー収容部側ストッパ部材とが当接することで実施例2と同様の作用効果が得られる。
5 ボールジョイント
6 タイロッド
7 緩衝部材収容部7
10 ラックバー
32 ラックハウジング
32c 段部
71 円環状部材
72 緩衝部材本体部
72a 保持部
73 内周面
74 ストッパ部材(ボールジョイント側ストッパ部材)
710 ラックバー収容部側ストッパ部材

Claims (4)

  1. ステアリングホイールの回転に伴い軸方向移動することにより転舵輪を転舵させるラックバーと、
    前記ラックバーを前記軸方向に移動可能に収容し、金属材料で筒状に形成されたラックハウジングと、
    前記ラックバーに操舵力を付与する操舵力付与手段と、
    前記ラックバーの両端部に設けられ、前記転舵輪に接続されたタイロッドと接続するためのジョイントであるボールジョイントと、
    前記ボールジョイントのボールの中心を通り前記軸方向に沿う仮想線を基準軸とし、前記基準軸に対する放射方向を径方向としたとき、前記ボールジョイントに設けられ、前記ラックバーの外周面よりも前記径方向外側に延び前記ラックバー側に向かって形成されたボールジョイント当接面と、
    前記ラックハウジングの前記軸方向端部側に設けられ、内径が前記ボールジョイントの外径よりも大きくなるように形成され、前記ラックバーがストロークエンドに到達するとき前記ボールジョイントの少なくとも一部を収容するように形成されたボールジョイント収容部と、
    前記ラックハウジングに設けられ、前記ボールジョイント収容部よりも前記軸方向内側に配置され、内径が前記ボールジョイント収容部および前記ボールジョイントの外径よりも小さくなるように形成され、前記ラックバーを前記軸方向に移動可能に収容するラックバー収容部と、
    前記ラックハウジングに設けられ、前記軸方向において前記ボールジョイント収容部と前記ラックバー収容部の間に配置され、内径が前記ボールジョイント収容部の内径よりも小さくかつ前記ラックバー収容部の内径よりも大きくなるように形成された緩衝部材収容部と、
    前記緩衝部材収容部内に設けられ、ゴムまたは樹脂材料によって筒状に形成され、前記ラックバーがストロークエンドに到達するとき前記ボールジョイント当接面と前記ラックバー収容部との間で圧縮されることにより前記ラックバーがストロークエンドに到達するときの衝撃を緩和する緩衝部材本体部と、
    前記緩衝部材本体部の前記径方向外側に設けられ、前記緩衝部材本体部と同じ材料によって一体成型され、前記緩衝部材収容部内において圧縮された状態で前記緩衝部材収容部の内周面と当接することで摩擦力を発生させることにより前記緩衝部材本体部を前記緩衝部材収容部内に保持させる保持部と、
    前記軸方向において前記緩衝部材本体部の前記ボールジョイント側端部に接着され、金属材料で円環状または円弧状に形成され、内径が前記ボールジョイント当接面の外径よりも小さくかつ外径が前記緩衝部材収容部の内径よりも大きくかつ前記ボールジョイント収容部の内径よりも小さくなるように形成され、
    前記ラックバーがストロークエンドに到達するとき前記ボールジョイント当接面との対向面が前記ボールジョイント当接面と当接し、前記ボールジョイント収容部と前記緩衝部材収容部との間の段部との対向面が前記段部と当接することにより前記ラックバーの前記軸方向移動を規制するストッパ部材と、
    から構成される緩衝部材と、
    を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
    前記保持部は、前記緩衝部材本体部の前記軸方向の全域よりも短い所定範囲において前記緩衝部材本体部の外周面から前記径方向外側方向に突出するように形成されることを特徴とするパワーステアリング装置。
  3. ステアリングホイールの回転に伴い軸方向移動することにより転舵輪を転舵させるラックバーと、
    前記ラックバーを前記軸方向に移動可能に収容し、金属材料で筒状に形成されたラックハウジングと、
    前記ラックバーに操舵力を付与する操舵力付与手段と、
    前記ラックバーの両端部に設けられ、前記転舵輪に接続されたタイロッドと接続するためのジョイントであるボールジョイントと、
    前記ボールジョイントのボールの中心を通り前記軸方向に沿う仮想線を基準軸とし、前記基準軸に対する放射方向を径方向としたとき、前記ボールジョイントに設けられ、前記ラックバーの外周面よりも前記径方向外側に延び前記ラックバー側に向かって形成されたボールジョイント当接面と、
    前記ラックハウジングの前記軸方向端部側に設けられ、内径が前記ボールジョイントの外径よりも大きくなるように形成され、前記ラックバーがストロークエンドに到達するとき前記ボールジョイントの少なくとも一部を収容するように形成されたボールジョイント収容部と、
    前記ラックハウジングに設けられ、前記ボールジョイント収容部よりも前記軸方向内側に配置され、内径が前記ボールジョイント収容部および前記ボールジョイントの外径よりも小さくなるように形成され、前記ラックバーを前記軸方向に移動可能に収容するラックバー収容部と、
    前記ボールジョイント収容部内に設けられ、ゴムまたは樹脂材料によって筒状に形成され、前記ラックバーがストロークエンドに到達するとき前記ボールジョイント当接面と前記ラックバー収容部との間で圧縮されることにより前記ラックバーがストロークエンドに到達するときの衝撃を緩和する緩衝部材本体部と、
    前記緩衝部材本体部の前記径方向外側に設けられ、前記緩衝部材本体部と同じ材料によって一体成型され、前記ボールジョイント収容部内において圧縮された状態で前記ボールジョイント収容部の内周面と当接することで摩擦力を発生させることにより前記緩衝部材本体部を前記ボールジョイント収容部内に保持させる保持部と、
    前記軸方向において前記緩衝部材本体部の前記ボールジョイント側端部に接着され、金属材料で円環状または円弧状に形成され、内径が前記ボールジョイント当接面の外径よりも小さくかつ外径が前記ボールジョイント収容部の内径よりも小さくなるように形成されたボールジョイント側ストッパ部材と、
    前記軸方向において前記緩衝部材本体部の前記ラックバー収容部側端部に接着され、金属材料で円環状または円弧状に形成され、前記緩衝部材本体部が前記ボールジョイント当接面と前記ラックバー収容部との間での圧縮荷重を受けない状態において前記ボールジョイント側ストッパ部材と前記軸方向において互いに接触しないように所定距離離間し、前記ラックバーがストロークエンドに到達するとき前記緩衝部材本体部よりも前記径方向内側において前記ボールジョイント側ストッパ部材と当接することにより前記ラックバーの前記軸方向移動を規制するラックバー収容部側ストッパ部材と、
    から構成される緩衝部材と、
    を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
  4. 請求項3に記載のパワーステアリング装置において、
    前記保持部は、前記緩衝部材本体部の前記軸方向の全域よりも短い所定範囲において前記緩衝部材本体部の外周面から前記径方向外側方向に突出するように形成されることを特徴とするパワーステアリング装置。
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