JP6148791B2 - 改善された開放特性および閉鎖特性を有する電磁弁 - Google Patents

Description

本発明は、改善された開放特性、およびそれと同時に改善された閉鎖特性を有する、流体特に燃料を制御するための電磁弁に関する。

電磁弁は、例えば様々な構成の従来技術による噴射弁として公知である。ハウジングの可動子の領域内に磁気的な分離部つまり非磁性の領域を有する電磁噴射弁は、同じ条件下で、このような形式の磁気回路の分離を有していない弁より迅速に開放することが分かった。しかしながら、磁気回路の分離によって閉鎖時間は悪化する。この場合、磁気的な分離部の領域内に、磁性の絞りと磁気的な分離部とが一体的な構成部分を形成するように設けられた磁性の絞りが既に提案されている。この構成部分は、２成分ＭＩＭプロセスによって製造される。しかしながら、このような製造プロセスは、比較的費用がかかり、高価であるので、より簡単かつ改善された解決策が望まれている。

これに対して、請求項１の特徴部を有する、本発明による流体を制御するための電磁弁は、電磁弁の開放時間も閉鎖時間も改善され、電磁弁は特に簡単かつ安価に製造可能である、という利点を有している。これによって、特に大量生産に使用することが可能である。これは本発明によれば、電磁弁が、可動子と内極と磁石磁束帰路とを備えた磁気回路を有していることによって、得られる。この場合、磁気回路は、磁気回路を遮断するための非磁性の分離部材と、非磁性の分離部材において磁気回路を閉鎖する磁性の絞り装置とを有している。これによって、磁性の絞り装置は、非磁性の分離部材に配置された磁気的なバイパスの作用を有する。この場合、磁性の絞り装置は、形状締結式および／または摩擦締結式の結合部によって固定された別個の個別構成部分として設けられている。これによって、磁性の絞り装置は、安価に製造可能な個別構成部分として設けられ、磁性の絞り装置の組み付けは簡単かつ迅速に行うことできる。例えば、磁性の絞り装置は緊締接続によって固定されるので、磁性の絞り装置は、緊締によって簡単かつ迅速に組み付け可能、かつ容易に取り外し可能でもある。

従属請求項には、本発明の好適な実施態様が記載されている。

好適な形式で、磁性の絞り装置は、非磁性の分離部材の半径方向外側に配置されている。これによって、磁性の絞り装置は、簡単に例えば非磁性の分離部材に締付固定される。

さらに好適には、磁性の絞り装置は磁性のスリーブである。スリーブとして構成された磁性の絞り装置は、例えば磁性のスリーブが非磁性の分離部材に被せはめられ、この際に形状締結式および／または摩擦締結式の結合部が形成されることによって、簡単かつ迅速に組み付けることができる。特に好適には、スリーブは円筒形、または選択的にスリーブの横断面は多角形である。

本発明のさらに好適な変化実施例によれば、磁性の絞り装置が好適な形式で磁性材料より成る１つのストリップ状の部材であるか、または絞り装置が磁性材料より成る複数のストリップ状の部材を有している。

特に好適には、ストリップ状の部材は、磁石磁束帰路に接触する第１の変形部を第１の端部に有しており、および／またはストリップ状の部材が第２の端部に、内極に接触する第２の変形部を有している。ストリップ状の部材は特に好適には、磁性材料より成る薄鋼板ストリップの形状を有している。

さらに好適には、できるだけ迅速な閉鎖時間を得るために、非磁性の分離部材の横断面は、磁性の絞り装置の横断面よりも大きい。

特に好適には、非磁性の分離部材は、磁性の絞り装置の外側面に直に当接している。

本発明による電磁弁は、特に好適には、内燃機関において直接噴射式の燃料噴射弁として使用される。

本発明の第１実施例による電磁弁の概略的な断面図である。 図１に示した電磁弁の一部の概略的な斜視図である。 本発明の第２実施例による電磁弁の概略的な断面図である。 図３に示した電磁弁の一部の概略的な斜視図である。

以下に本発明の好適な実施例を添付の図面を用いて詳しく説明する。図面中、同じ若しくは機能的に同じ部分は、それぞれ同じ構成部分を示す。

以下に、図１および図２を参照しながら、流体を制御するための電磁弁１について具体的に説明する。

図１に示されているように、電磁弁１は、弁座３の吐出孔４を開閉するニードル弁として構成された閉鎖部材２を有している。

電磁弁１はさらに、可動子６と内極７と磁石磁束帰路８とを備えた磁気回路５を有している。磁石磁束帰路８は、この実施例では、電磁弁のハウジング１４の一部であって、ハウジング１４は複数の部分より構成されている。この場合、ハウジング部分１５，１６は磁気回路５の部分である。

電磁弁１はさらに、コイル９を有しており、このコイル９は、給電時に可動子６を引き寄せる。コイル９の給電終了後に、リターンエレメント１７が可動子６を再び初期位置へ戻す。この場合、図１は、電磁弁１の開放された状態を示す。この開放された状態で可動子６が内極７に当接する。閉鎖部材の往復運動を生ぜしめるために、可動子６は公知の形式で閉鎖部材２に接続されている。

電磁弁１の磁気回路５はさらに、非磁性の分離部材１０を有しており、この分離部材１０はこの実施例ではスリーブである。非磁性の分離部材１０は、コイルの操作時に、磁気回路が可動子６を介して迅速に閉鎖されることを保証するので、非常に迅速な開放時間が得られる。しかしながら、非磁性の分離部材１０は、この非磁性の分離部材１０によって長くなる、電磁弁１の閉鎖時間に関連して問題がある。

そこで本発明によれば、磁性の絞り装置１３が設けられており、この絞り装置１３は、ハウジング１４、正確にはハウジング部分１６と内極７との間の接続を形成する。

図１および図２に示されているように、磁性の絞り装置１３は、この実施例では、複数のストリップ状の部材１１を有しており、非磁性の分離部材１０は、円筒形のスリーブである。この実施例では、周方向に沿って均一に分配された３つの同じストリップ状の部材１１が設けられている。

ストリップ状の部材１１は、第１の端部に第１の変形部２１を有していて、第２の端部に第２の変形部２２を有している。２つの変形部は、断面がほぼＵ字形に構成されている。この場合、第１の変形部２１は、ハウジング１４に接触していて、第２の変形部２２は内極７に接触している。さらに、ストリップ状の部材１１は、非磁性の分離部材１０の外側面に直に載っている（図１参照）。

ストリップ状の磁性の絞り装置１３が設けられていることによって、非磁性の分離部材１０の磁気的な架橋が得られる。これは、電磁弁の閉鎖時間が著しく改善され、しかもこれによって、電磁弁の迅速な開放時間を悪化させることがない、という効果を有している。この場合、非磁性の分離部材１０の横断面は、磁性の絞り装置１３の横断面よりも何倍も大きい。本発明によれば、磁性の絞り装置１３は、非常に簡単かつ安価に提供される。例えば、ストリップ状の部材１１は、磁性材料より成る薄鋼板材料より打ち抜き成形により製造することができる。

さらに、磁性の絞り装置１３は、磁石磁束帰路若しくは内極７と形状締結および／または摩擦締結によってのみ結合される。図１に示した実施例において、ストリップ状の部材１１は、ハウジング部分１６と磁性の分離部材の端面側１０ａとの間に緊締されている。ストリップ状の部材１１の第２の変形部２２がＵ字形に形成されていることによって、内極７の外周面において、ストリップ状の部材１１と内極７との間の接触が形成される。これによって、本発明によれば、磁性の絞り装置１３は、緊締によって迅速かつ安価に固定される。

両端部にそれぞれ第１および第２の変形部２１，２２を備えたストリップ状の部材１１の構成によって、ストリップ状の部材１１が軸方向Ｘ−Ｘでハウジング部分１６に弾性的に支持され、第２の変形部２２において半径方向で内極７に弾性的に支持されるような形で、ストリップ状の部材１１の支持が得られる。

図３および図４は、本発明の第２実施例による電磁弁１を示す。特に図４に示されているように、第２実施例の磁性の絞り装置１３は、磁性材料より成るスリーブ１２である。スリーブ１２は円筒形に構成されていて、非磁性の分離部材１０に圧着されている。スリーブ１２は第１の端部３１を有しており、この第１の端部３１は、スリーブ１２の中心領域のように円筒形に構成されていて、ハウジング部分１６に接触している。第２の端部３２は、円筒形の狭窄部として構成されており、従ってスリーブは段部３３を有していて、第２の端部３２が内極７と接触している。段部３３は、非磁性の分離部材１０の端面側１０ａに当接している。従って、この実施例においても、非磁性の分離部材１０とスリーブとして構成された磁性の絞り装置１３との間に形状締結式および摩擦締結式の結合部を有している。これによって、本発明によれば、安価に製造可能で、迅速かつ容易に組み付け可能なスリーブ１２によって、同様に、優れた開放時間および閉鎖時間を有する電磁弁が提供される。

図３および図４の第２実施例において、円筒形のスリーブ１２の代わりに、多角形のスリーブ、例えば８角形または１０角形のスリーブを使用してもよい、ことを指摘しておく。

１ 電磁弁
２ 閉鎖部材
３ 弁座
４ 吐出孔
５ 磁気回路
６ 可動子
７ 内極
８ 磁石磁束帰路
９ コイル
１０ 非磁性の分離部材
１０ａ 端面側
１１ ストリップ状の部材
１２ 磁性のスリーブ
１３ 磁性の絞り装置
１４ ハウジング
１５，１６ ハウジング部分
１７ リターンエレメント
２１ 第１の変形部
２２ 第２の変形部

Claims (8)

1. 流体を制御するための電磁弁において、
   弁座（３）の少なくとも１つの吐出孔を開閉する閉鎖部材（２）を有しており、
   可動子（６）と内極（７）と磁石磁束帰路（８）とを備えた磁気回路（５）を有しており、
   コイル（９）を有しており、
   前記可動子（６）が前記閉鎖部材（２）と協働するようになっており、
   前記磁気回路（５）が、この磁気回路（５）を遮断するための非磁性の分離部材（１０）と磁性の絞り装置（１３）とを有しており、前記磁性の絞り装置（１３）が非磁性の分離部材（１０）において前記磁気回路（５）を閉鎖するようになっており、
   前記磁性の絞り装置（１３）が、形状締結式および／または摩擦締結式の結合部によって固定された別個の個別構成部分であり、前記非磁性の分離部材（１０）の半径方向外側に配置されていることを特徴とする、
   流体を制御するための電磁弁。
2. 前記磁性の絞り装置（１３）が磁性のスリーブ（１２）であることを特徴とする、請求項１に記載の電磁弁。
3. 前記磁性のスリーブ（１２）が、円筒形の横断面または多角形の横断面を有していることを特徴とする、請求項２に記載の電磁弁。
4. 前記磁性の絞り装置（１３）が、磁性材料より成る唯一のストリップ状の部材（１１）、または磁性材料より成る複数のストリップ状の部材（１１）を有していることを特徴とする、請求項１に記載の電磁弁。
5. 前記ストリップ状の部材（１１）が、前記磁石磁束帰路（８）に接触する第１の変形部（２１）を第１の端部に有しており、および／または第２の端部に、前記内極（７）に接触する第２の変形部（２２）を有していることを特徴とする、請求項４に記載の電磁弁。
6. 前記磁性の絞り装置（１３）の第１の端部が前記磁石磁束帰路（８）と接触していて、前記磁性の絞り装置（１３）の第２の端部が前記内極（７）に接触していることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか１項に記載の電磁弁。
7. 前記非磁性の分離部材（１０）の横断面が、前記磁性の絞り装置（１３）の横断面よりも大きいことを特徴とする、請求項１〜６のいずれか１項に記載の電磁弁。
8. 前記磁性の絞り装置（１３）が、前記非磁性の分離部材（１０）の外側面に直に当接していることを特徴とする、請求項１〜７のいずれか１項に記載の電磁弁。

Images